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マウスvibrissaeを用いた毛包組織器官培養法の確立とその応用
ただいま、ページを読み込み中です。5秒以上、このメッセージが表示されている場合、Adobe® Reader®(もしくはAcrobat®)のAcrobat® JavaScriptを有効にしてください。 日皮会誌:107 (6), 769―779, 1997 (平9) Adobe® Reader®のメニュー:「編集」→「環境設定」→「JavaScript」で設定できます。 「Acrobat JavaScriptを使用」にチェックを入れてください。 マウスvibrissaeを用いた毛包組織器官培養法の確立とその応用 なお、Adobe® Reader®以外でのPDFビューアで閲覧されている場合もこのメッセージが表示され ます。Adobe® Reader®で閲覧するようにしてください。 神 藤 敏 正 坪 井 良 治 要 旨 剤, growth factorを含むサイトカインなどを添加し 毛成長を定量的に解析するi.n vitroの評価系とし た系で示された. て,マウスvibrissaeを用いた毛包組織器宮培養法の 培養条件を検討し,次のような結果を得た. 緒 言 ①3∼15日齢のマウスから採取した毛包の毛球部の 毛の成長横序を明らかにする研究は,種々の観点か DNA合成は一定であり,毛球部は12日齢マウスまで ら精力的に行われているが,未だその全容を解明する 増大を続けた.②個々のvibrissaeの部位別の検討で 迄には到っていない.その理由として,①毛は単一の は鼻側よりも眼側の左右2例の方がDNA合成が高 器官でありながら構成する細胞や構造が複雑であるこ かった.③毛伸長および毛球部DNA合成はともに培 と,②毛の毛母細胞は増殖と角化という2つの過程を 養96時間まで直線的に増加した.培養96時間後も毛球 経ながら成長すること,③毛には成長期,休止期およ 部の形態は正常であっ凪④培養条件は,通常(5% び退行期があり周期的成長を遂げること,④毛を構成 CO,-95% するそれぞれの細胞の培養系が確立していないこと, air, 37で)のものよりも高酸素(5%C02, 95%0,)かつ低温度(31で)の方が毛母細胞の変性が などが挙げられる. なく,毛球部の正常構築が保たれていた.⑤培養液へ l質むii)nの毛成長評価には, C3Hマウスをはじめい の牛胎児血清の添加は無添加でも1∼20%添加しても くつかの動物モデルが用いられてきた1).しかし,毛成 毛球部のDNA合成にほとんど影響を与えなかった. 長植序をさらに詳細に検討していくためには,加加加 これらの結果から,9日齢のB6C3Fiマウスの眼側 の適切な評価系の確立が望まれている.また,毛を構 縦2列vibrissaeを血清無添加,95%02-5%C02で 成する細胞の中で,現在継代培養が可能なのは毛乳頭 3rC, 細胞と外毛根鞘細胞であり,毛母細胞の継代培養は必 72時間培養することは,毛包の器官培養系とし て極めて有用であると考えられた. ずしも確立しているとは言えない.そして,毛の複雑 そこで,本条件下に各種の抗癌剤あるいはサイトカ な構造のため,上皮系あるいは間葉系の細胞を別々に イン等の毛球部DNA合成への影響を比較検討した. 培養しても毛成長の機序は解明されないであろうこと その結果,抗癌剤ではcytosine が推測されている. mitomycin C, endoxan, arabinoside, methotrexateおよび このような状況下において,毛包を一本一本そのま adriacinなどで強いDNA合成抑制が,サイトカイン ま培養する器官培養法は,毛を構成する種々の細胞の ではtumor 総和として毛成長が観察できるin necrosis factor一乙interleukin-1αで DNA合成抑制作用が認められすこ.−方, grow山factor/scatter hepatocyte factor は,調べた物質のなかで として再評価されてきた2) vivo 1こ近い評価系 14)しかしながら,従来の 毛包組織器官培養法は培養系に牛胎児血清を添加して は唯一毛球部のDNA合成を促進させた. いるものが多く2) 以上,マウスvibrissaeを用いた器官培養法は,①材 響を的確に評価するためには血清無添加での器官培養 料が容易に人手出来ること,再現性と定量性において が望ましいことは明らかである.さらには,ヒトの正 優れること,②血清の影響を受けないこと,などの点 常毛包組織の入手は困難であることから,定量的実験 で毎毎加Oの評価系として優れていると考えられた. には安定供給の可能な動物を用いた評価方法が必要と そして,③この培養法は脱毛や発毛作用を有する物質 考えられた. のスクリーニングなどに有用であることが各種抗癌 そこで,今回マウスvibrissaeを用いた毛包組織器 順天堂大学医学部皮膚科学教室(主任 小川秀興教授) 平成8年12月6日受付,平成9年2月21日掲載決定 8)毛成長に関わる種々の因子の影 官培養法の至適培養条件を検討し,併せて血清無添加 状態における最適条件を詳細に比較検討した.次いで 別刷請求先:(〒113)東京都文京区本郷2∼1−1 その培養法を用いて各種の抗癌剤やサイトカインなど 順天堂大学医学部皮膚科学教室 神藤 敏正 の毛成長に対する影響を比較検討したので,これらの 770 神藤 敏正 坪井 良治 結果もあわせて報告する. 毛球部をミクロホモジナイザー(Model 2000, 材料と方法 Wheaton, 1.毛包組織の分離 TCAを加え均質化した.毛球部の3H-TdRおよび 実験には, B6C3Fi (F,:C57BLXC3H)マウス新主 Millville, NT, USA)に入れ, 200μ1の10% DNA量15)の測定は服部の方渋川こ準じて行った. 仔のvibrissae毛包組織を用いた.妊娠マウスを日本 3-3 組織学的観察 培養を終了した毛包組織は SLC(浜松)より購入し,当施設の動物室(温度:23± Carnoy液(99.6%エタノール:クロロホルム:酢 2で,湿度:55±5%,照明:12/12時間)で実験に用い 酸こ6:3:1)で固定後,常法に従いパラフィン包埋し るまで馴化した. た.毛包組織は4.0μmに薄切後ヘマトキシリン・エオ エーテル麻酔下のマウスからvibrissaeを無菌的に ジン染色を行い,組織学的に観察した. 摘出し培養に用いた.なお,日齢差の検討では3, 9, 6, 12, 15, 21および28日齢のマウスを用い,培養開 3-4 オートラジオグラフ 毛包組織は, RPMI1640培養液で24時間前培養した後,2μCi/ 「の3 始時の毛球部の直径は実体顕微鏡下にマイクロメー H−チミジン(3H-TdR)を含むRPMI1640培地でさらに ターを用いて計測した.また, 48時間培養した.培養終了後,常法に従いパラフィン vibrissae毛包組織の部 位別の検討では眼側近位から左右各縦4列(Fig. 2)づ 包埋し, 4.0μmの組織切片を作製した.脱パラフィン つ採取した. 後,プレパラートを暗室にて原子核乳剤(NR-M2:コ 2.器官培養法 ニカ,東京)に被覆し,一20てで2週間露出しか.現像 得られた毛包組織はペニシリン(500単位/ GIBCO Laboratory ・ Life Technology およびストレプトマイシン(500μg/ml, むHank's balanced 「, および定着後,ヘマトキシリン・エオジン染色を行っ Inc.,東京) た. GIBCO)を含 4.各種抗癌剤のDNA合成への影響 salt solution (HBSS,ニッスイ, bleomycin (日本化薬), 東京)培地にて20分間処理し,その後RPMI1640培地 endoxan(塩野義), (GIBCO)にて洗浄し,組織培養用プラスチックシャー methotrexate レ(Falcon ル), lin Lakes, 3037, Becton Dickinson NJ, Labware, Frank- mitomycin C (協和醗酵), cytosine arabinoside (日本新薬), (日本レダリー), cisplatin (ブリスト adriacin (協和醗酵)を,それぞれRPMn640培 養液で0.001∼100μg/mlに調製した.24時間前培養し USA)で培養した.シャーレ中央の 穴の上にステンレス製メッシュとレンズペーパー(1× た後,これらの各種抗癌剤溶液および3H-TdRを添加 1cm)をのせた.レンズペーパー上に1シャーレあたり し,さらに48時間培養した.培養終了後それぞれの毛 6本の成長期毛包をのせ,液面が組織を覆うように 球部のDNA量あたりの3H-TdR取り込み量を測定し RPMI1640培地を加えた.通常は血清無添加としたが, た. 血清濃度の影響を検討する場合はRPMI1640培地で 5.各種サイトカインのDNA合成への影響 の牛胎児血清(GIBCO)の濃度が, 1, 3, 5, 10, および20%になるようにした. 培養条件は,通常の培養条件(37°C, 塩基性腺維芽細胞増殖因子(basic growth 95% air-5% atinocyte いは高酸素・低温度条件(3ドC,95%02-5%C02)の (hepatocyte いずれかに設定した. SF)はDr. J.S. Rubin 3.評価 Bethesda, MD, 24, 48, 72およ Inc.(Boulder, C0,USA)から,ヶラチノサイト増殖因子(ker- COふ高酸素の条件(37°C,95%On5%C02)ある 3-1 毛伸長測定 培養開始直後, fibroblast factor :bFGF)は, Synergen, growth factor : KGF),肝細胞増殖因子 growth factor/scatter (National factor : HGF/ Cancer Institute, USA)からそれぞれ供与されたもの を使用した. び96時間後に実体顕微鏡下に毛包をステンレス製メッ 酸性腺維芽細胞増殖因子(acidic シュの升目とともに写真撮影し毛伸長を算出Iしか. factor : aFGF, 3-2 DNA合成の測定 RPMI1640培養液で24 USA),上皮成長因子(epidermal 時間前培養した後,2μCi/mlの3H-TdRを含む EGF,湧水製薬),トランスフォーミング成長因子-α R&D systems, RPMI1640培地でさらに48時間培養し,毛包組織を水 (transforming growth 冷]O%トリクロル酢酸(TCA)にて3回洗浄しか.毛 Inc., Redmond, WA, 球部のみ実体顕微鏡下でナイフにより分離し,6個の 成長因子・β(transforming fibroblast growth Minneapolis, growth factor-or:TGF-a', MN, factor : Biotope USA),トランスフォーミング growth factor-β:TGF一β, 771 マウスvibrissae毛包器官培養 R&D systems),インスリン様成長因子」(insulin- like growth factor! : IGF I, Collaborative (mm) £ j Research l j二 Inc., Walthara, MA, USΛ),インターロイキン」α (interleukin-l(3':IL-la, USA),インターロイキンー6 Genzyme (interleukin- Corp.),腫瘍壊死因子-a necrosis factor-or: TNF-a, R&D (tumor systems)は購入 m lぶ したものを使用した.毛包を24時間前培養した後に, api.-H コ これらサイトカインおよび3H-TdRを添加してさらに 0 0 0 0 0 0 o 80 60 40 20 6:Iし6, Corp., Cambrid (VNQBW/uidp) ge, MA, Genzyme も o 48時間培養した.培養終了後毛球部のDNA量あたり の3H-TdR取り込み量を測定した. Fig. 1 Mice vibrissal hair bulbs obtained from 結 果 mice at various ages (day 1. Vibrissae器官培養法の培養条件の検討 Diameter of mouse vibrissalhair bulbs at various (1)マウスvibrissaeの日齢差の検討 ages measured 3,6, DNA 9,12,15,21および28日齢のマウスvibrissae 0,-5% under the stereomicroscope。B: synthesis during 48h incubation period of vibrissalhair bulbs at various ages. Bars repre- の毛球部の直径を計測した.さらに,得られたvibrissaeを31で, 95% 3 to dav 28). A: sent the mean土SD. n = 5. CO,の条体で24時間前培養 し,その後48時間の3H-TdRの取り込みを調べた(Fig. 1).毛球部の大きさ(直径)は,3力ゝら12回廊にかけ mm/dayであった. て増大するが,それ以後の28日齢まではほぼ一定の大 長を具体的に示しか.培養中に延びるのは主として毛 Table 2に,96時間培養時の毛伸 きさで変化がなかった.またDNA合成に関しては3 幹の部分であった.この期間の3H-TdRの取り込みを から15日齢までほぼ同程度のDNA合成が認められ Table た.しかし2!.目齢と28日齢のマウスから得られた毛包 線的に増加することが判明した.また組織学的観察に 2 4こ示しか.24時間の前培養後,72時間まで直 のDNA合成は,15日齢までのものに比較すると低下 より培養96時間まで毛球部構成細胞はほぼ正常構築を していた.これらのことから,実験系としては9日齢 保持していた.以後の実験では前培養24時間, のものを使用するのが妥当と考え,以下の実験では9 との反応は48時間に設定した. 日齢のものを使用した. (4)培養温度と酸素濃度の検討 ②Vibrissaeの採取部位の検討 培養72時間後の毛球部構成細胞の311-Tdkの取り込 Fig. 2に示す, みはにiTC, vibrissaeのどの部位の毛包組織が最 も実験に適しているかを調べた. Vibrissaeの各部位 95% air-5% ■■'H-TdR CO2の培養条件で7,008dpm/ μgDNAと最も高く,37で,95%02-5%C02で4,092 から毛包を分離し,31で,95%Oy5%C02の条件で72 dpm/μg DNA, 時間培養し,毛球部構成細胞のDNA合成を比較検討 μg DNA した. Fig. 3に示すように,3H-TdRの取り込み量によ (Fig.5).3H-TdR標識後の才−トラジオグラフ(Fig. り求めたDNA合成の程度は,眼側1列目が932dpm/ μgDNAと最も高く,2列目が802dpm/μgDNA, 6)では37で, 3 3ドC,95%OE5%C0,で1,365dpm/ と,培養条件の違いで異なった値を示しか 95%air-5%CO,培養条件で毛母細胞の 変性および毛球部の萎縮が軽度認められ,さらに3沁 列目が379dpm/μgDNA,鼻側の4列目が269dpm/μg TdRに一致する穎粒の分布は毛母細胞,外毛根鞘細胞 DNΛと最も低い値を示した.以上の結果から,眼側縦 および外毛根鞘周囲の結合組織内のそれぞれの細胞核 2列のvibrissaeを使用することが妥当と判断し,以 に認められた(Fig. 下の実験では1匹のマウスから左右の眼側縦2列の C02の培養条件でも同様に毛母細胞の変性および毛球 vibrissae.計18本を使用することにした. 部の萎縮が軽度認められたが,その程度は37で, 95% (3)培養時間の検討 air-5%C02のものよりも軽度であった(Fig. 6, Panel 9日齢マウスの毛包組織の伸長は,培養24時間で0.4 mm, 48時間で0.8mm, mmであった(Table 72時間で1.0mm, n. 96時間で1.3 毛伸長の平均は約0.3∼0.4 6, Panel 1). 37で,95%02-5% 2)jH-TdRの穎粒の分布は毛母細胞,外毛根鞘細胞お よび外毛根鞘周囲の結合組織内に認められた.31で, 95%02-5%C0,の培養条件では,培養72時間後の毛母 ㈲敏正舛計 772 ● ●●●● ●●●●.. ●●゜゜7 ● ● ≪/ludp) ● ●●●● (VNQ 6 ● VZU ui<ij│E│uiiupx-H. 4p 1 2 3 4 / 12 Fig. 2 Schematic The diagrams 3 4 Fig. 3 DNA of mouse vibrissal hair follicleswere synthesis lated from vibrissae. cultured divided verti- fO 1- 72h. The cO rresponds callv into 4 groups. hair follicles were number tO the hair f0 Hide in Fig. 2. Bars p<0.01 of vibrissal hair bulbs ISO- different sites. The represent (vs l and of each group column illustrated the mean土SD. n = 3バ 2). 細胞に明らかな変性は無く,ほぽ正常構築が保たれ, 3H-TdRの穎粒の分布は,主にAuber's臨界線以下の 培養が妥当と思われた. 毛母細胞の核に局在していた(Fig. 以上に示したいくつかの実験からvibrissaeを用い 6, Panel 3). (5)培養液中の牛胎児血清の影響 た器官培養法では9日齢のマウスの眼側縦2列,血清 培養液中の血清濃度の影響を,毛球部のDNA合成 無添加,培養条件31で,95%Oy5%C0,が培養条件と を測定することによって検討した.培養は9日齢のマ して最適と判断した.この培養条件を基に,マウス ウスvibrissaeを用いて,31で,95%Oy5%COズ)培 vibrissaeに対する各種抗癌剤とサイトカインの影響 養条件で72時間行った.その結果K 3, 5, 10およ を調べた. び20%の牛胎児血清を添加した群は血清無添加群とほ 2.各種抗癌剤の影響 ぼ同等の3H-TdRの取り込みを示し,血清濃度による 各種抗癌剤の毛球部のDNA合成への影響をFig. 影響はほとんど認められなかった(Fig. に示した.無添加群と比較してcytosine 7).図には示 さないが,毛の伸長および太さに対する作用にも差は およびmethotrexateでは1μg/mlから, 認められなかった.以上の結果からvibrissaeの器官 C,endoxanおよびadriacinでは10μg/ml以上の濃度 培養には血清は必須ではなく,血清中に含まれる微量 で明らかなDNA合成抑制がみられ,その抑制効果は な諸因子の影響を取り除くためにも血清無添加による cytosine arabinoside で最も強かっか(1μg/mlで76% Table l Elongation of mouse Incubation period (h) ご1 vibrissalhair folliclescultured for 96 h 48 72 96 0.81士0.02 1.01土0.10 i.:m土0.22 EIOngati(nO f O.ll士0.12 vibrissalhair follicles {mm} Results、、・erec χpressed as the mean上SI){n:-㈲ Table 2 Time course Incubation period (h) 'II-TdR uptake (dpnソμμDNA) of DNA synthesis in cultured 36 48 3(出土47 438上;惚 The hair follic】es were cultured in serum-free medium The assay was were expressed vibrissal hair bulbs 72 96 664上61 i1195% 739土135 O-, 5% CO, at 31で. carried out in trip]icateusing 6 hair bulbs as ( nc gr( up. Results as the mean上sn. 8 arabinoside mitomycin マウスvibrissae毛包器官培養 773 1 2 3 4 5 Fig. 4 Morphok gy of mouse vibrissa】hair follicles during 96h incubation The increase in hair follicle length was mainly due tO theelongation shaft.1 : Oh, 2: 24h, 3 : 48h, 4 : 72h, 5 : 96h. Magnification 抑制).一方, bleomycin, cisplatinはDNA合成を軽 period. of the hair x 16. − 1 度しか抑制しなかった. 1 3.各種サイトカインの影響 Fig. 9に示しか.無添加群と比較してTGF-α, β, KGF, a>│Ejan dPl-Hc 各種サイトカインの毛球部のDNA合成への影響を TGF- IGF-I, IL-1α,TNF-αなどで,ほぼ用量に 相関したDNA合成の抑制がみられ,特にTNF-αで lOng/ml力ヽら, IL-1αでlng/mlから著明なDNA合成 抑制が認められた(それぞれ66%, 5( %抑制).一方, ゜1 2 3 Fig. 5 Comparison synthesis of the culture conditions. of vibrissal hair HGF/SFは調べたサイトカインの中では唯一DNA during 合成を有意に増加させた(lOng/mlで46%増加).図に medium. Bars は示さないがHGF/SFは30 37で95% air-5% ng/mlの濃度でもlOng/ 72h incubation represent bulbs period was in the mean土SD. DNA measured serum-free nこ3.1: CO,、2:37で95%Oy5%C02、3: 3ドC95%02-5%C02. mlとほぽ同等のDNA合成を示しかことなどから HGF/SFの本培養条件における至適濃度は約lOng/ mlと判断した. ることを報告した.しかし,これらの実験ではヒト毛 包組織の入手に限界があり,この方法を種々の物質の 考 按 スクリーニング法として使うには,勤物の材料を使用 毛の成長機序を研究するために,従来種々の実験方 した安定供給が可能なiw vitro 0)評価系の確立が望ま 法が考案されてきた. れた. の評価系として37で, ∼5日間, 1990年, Philpottら8)は, in vitro 95% Kondoら9)は,36で, air-5% 95% CO,の条件で4 そこで今回,マウスのvibrissaeを用いて,まず種々 0,-5% の培養条件の比較検討を行った. CO,の条 件で6日間それぞれヒト毛包組織が培養可能であるこ とを報告した.さらに, Imaiら12)13)はヒト毛包の組織 Philpott'"はマウス の体毛を用いた毛包組織器官培養について報告してい るが,体毛では毛包組織が小さすぎて,毛包の外科的 器官培養の培養条件として,3ドC,95%Oy5%C0,の 摘出が困難であることを指摘している.一方,マウス 条件が組織の変性が少なく培養の条件として最適であ のvibrissaeは体毛に比較すると毛包が大きく取り扱 神藤 敏正 坪井 良治 774 千 賢 1 2 ごリ≒︷yjぢIで々 轍付 守 ’ い∼y4しア ノヘ いうじ 球↓ ・f ●●. ¥ノ‘べ じ/ 疹 炉 4 卜 1。 二 湘。 参● 挙 4 齢疹・ ∼∼ ︱ ゛タり ぐ Iア/? ●● 淋 亀 吋 卜 ⇔ 知 ∼ダy wj 参。’ φ .・.-i°・.・ ご ’)’万万t =、71 3 4 /./に,jダt“j ,ぐ ブ√年心叉レ:t し .・・ Fig. 6 Autoradiograph ed with ''H-thymidine of vibrissal hair follicle. The for 48h in a serum-free ・・/..ダ・・・學・ 4s.・w, ゝ・ hair follicles were mediumフIl-thymidine tion into the hair follicle was visualized 400 。1:37で95% 2:37で95%Oy5%C0。3:31で95% air-5% CO,, by autoradiography. incubat- incorpora- Magnificatic O, n X 5%CO。 775 マウスvibrissae毛包器官培養 (vnqS 組織を用いた報告16)もあるが,全てのvibrissaeの毛 niEuhijaJ│ii4un UMJ.-M 周期が同調していなかったことから醜第一期の成長 期毛で実験することが望ましいと考えられた. Vibrissae毛包組織の部位差による毛球部のDNA 合成は眼側縦2列で高いDNA合成が観察された (Fig. 3).マウス17)およびラット18)のvibrissaeの各部 位による毛伸長の程度は,眼側で大きいと報告されて Fig. 7 Effect medium The of fetal bovine on DNA serum らのことから,9日齢のマウスvibrissae左右各眼側 in the culture 縦2列の各9本のvibrissaeを実験材料に採取するの synthesis in vibrissal hair bulbs. hair follicles were -5%C02 おり,今回の実験結果と一致する所見であった.これ (勾 at 3rc. Bars cultured for 72h, 95%02 represent the mean土SD. が妥当と考えられた. Buhlら6)は,72時間の培養で毛伸長は観察されたも n = 3. のの,正常な組織構築は保持できなかったと報告して いる.今回の培養時間の検討では,毛伸長は96時間後 いやすく,今回の実験において検討した結果,9日齢 まで経時的に一定の割合で増加した(Table のマウスvibrissaeが器官培養系としては適切である スの加毎回での生理的なvibrissaeの毛伸長は約 ことが判明した(Fig. 0.6∼0. 8mm/dayと報告されており17),本培養方法で 1).マウスのvibrissae (よ,15力ゝ ら28日齢の間で第一期の休止期にあり,さらに第二期 は,その約1/2程度であった(Table の成長期に移行する.28日齢のマウスvibrissae毛包 培養時間に比例して一定の割合で増加した(Table T T スj 1). DNA合成も ・ ILJ ij 1 ″JPトーエの 0 0 lo' 10'210'1 1 10 1 ・(μg/ml) 10 10‘ 10' 1 10 10(μ9/ぶ)0 10゛ 10'2 10'' 1 10 10祐9/ml} Cisplatin jiiiiii a. u i↓ Adriacin 150 (lonuoo JO %) 3>│e│dnypi-Hc 100 50 0 Fig. 8 E斤ect of various bulbs. The anしneoplastic expressed mean土SD. anti-neoplastic hair follicles were agents for as percentages n = 3、*p<0.01. agents on DNA cultured in serum-free 72h in 95%02-5%C02 of those synthesis in vibrissal hair medium with at 31で. of the non、treated group. the indicated All Bars data 1).マウ were represent 776 神藤 敏正 ii 坪井 良治 & 』 TGF・ぼ TGF・β HGF/SF ゛‘ 150 150 150 100 10ひ 1 5 で o o。5 1 5 1o 0D で 20 (ng/ml) o e.5 1 5 10 0 0.5 1 5 10 幽 で 20 20 *ng/所 o 0.5 1 5 1o 20 *ng/叫 0 0.5 1 5 10 20 (ng/ml) o a,5 1 5 10 (ng/ml) 0 0,5 1 5 10 20<19''nl】 20(n*川 aFGF bFGF KGF TNF-a O Q 0.5 ? 5 10 20 fng/ml) o o 0.5 1 s 10 iiiij i;jjJ IGF-I IL・1α │し6 20 (ig'rni) o 0.5 1 5 102Q(n9/ml) o o 0.5 1 5 10 iiii 20 (嶮川 150 150150 1L 0, 100 100 0 Q 0 0.5 1 5 10 20(ng/ml) Fig. 9 Effect vibrissal hair the O 0 0.5 1 5 10 of indicated f the various bulbs. The reagents non-treated 20 (ng/ml) 0 0,5 1 5 10 20 cytokines hair for grO up. and follicles 72h. All Bars data represent growth were cultured were (nS'Tll} factors on in expressed mean士SD. DNA serumイree as n = 3, synthesis medium percentages in with of those *pく0.01. 2).また,蛋白合成,特に毛包構成成分として重要な た8)9) システインの取り込みは, ヒトの頭部手術材料から毛包を人手する場合は部位 DNA合成と同じようなパ ターンを示しか19) が必ずしも一定でなく,ホルモンの感受性23)も異なる 培養条件の検討では,酸素濃度が高いことおよび培 ことから,それぞれの実験結果の比較が困難となる. 養温度が低いことが形態保持・DNA合成の維持に適 今回マウスvibrissaeを用いることで,常に均質な毛 しているものと判断された(Fig. 6).その理由として 包組織が得られるという利点が考えられ,また実験結 37で,95%air-5%C02では毛母細胞の分裂が盛んで, 果もヒト頭部毛包を使用した場合の結果と類似してい 初期には3H-TdRの取り込みが著明に認められるが, た9) 毛包組織が生体から分離された状態では毛母細胞に余 料が容易に人手出来ること,②再現性および定量性に 力が無くなり,変性してしまうものと考えた. Ikeda 14)マウスvibrissaeを用いた器官培養法は,①材 おいて優れ,③血清の影響を受けない,など加言匯)の ら尚は皮膚器官培養法において温度を31°Cに低下さ 評価系として優れていることが示された.更に,本法 せ,Kondo22)は酸素濃度を95%に高めることで表皮細 を用いることで,脱毛や発毛作用を有する物質のスク 胞の変性が抑制されることをすでに報告している. リーニングなどに有用であり,また今後の毛成長機構 毛包組織の器官培養では培地に血清を添加する必要 解明にも有効な手法であることが示唆された. は無いと報告されているが8)19)今回の実験でも同様 そこで,この器官培養法を用いて各種の抗癌剤やサ の結果が得られた(Fig. 7).器官培養系に血清を必要 イトカインなどの影響を比較検討した(Fig. としない理由の一つとして毛特有の複雑な構造が考え 回の実験結果ではcytosine られる.一つの器官として毛乳頭細胞や毛母細胞から よりもDNA合成を強く抑制した(Fig. 自己分泌,傍分泌的に種々の成長因子が継続的に分泌 ら24)も, a driacinとcytosine されているからである8)9)また,毛伸長あるいはDNA 投与した実験で, 8, 9).今 arabinosideはadriacin 8). Hussein arabinoside をラットヘ cytosine arabinoside がadriacinよ 合成を抑制することが知られているTGF-βが血清中 り全身的な脱毛を強く示すと報告している.一方, に含まれていることも原因の一つとして考えられ platinおよびbleomycinは,毛球部構成細胞のDNA CIS- 777 マウスvibrissae毛包器官培養 合成の抑制は明らかでなかった(Fig. 異が何に起因するのかは現時点では明らかでなく,今 8).このことは cisplatinおよびbleomycinがS期∼S期後期および 後さらなる解析が必要と考えられた. G2前期までの細胞周期にある細胞に対して影響が少 一方,今回の実験では, ないことに起因するのかもしれない25)抗癌剤の脱毛 のDNA合成を促進させることがさらに確認された は一般的に,代表的な副作用として認識されていなが (Fig. 9). 1994年, ら,その対応は十分とはいえず,副作用による精神的 が既に報告したが36),培養ヒト毛乳頭細胞がHGF/SF 苦痛に悩むことが多い26)毛母細胞は生体内でも細胞 のmRNAを発現していること39),HGF/SFがヒト毛 増殖の特に活発な細胞と言われ2へ抗癌剤の生体細胞 包や毛球部出来のケラチノサイトのDNA合成を有意 HGF/SF力1毛球部構成細胞 HGF/SFの毛成長促進作用は我々 への感受性を確認する上で本法を用いることは有効な に増大させること39)40)についても我々が既に報告して 方法の一つと思われた. おり, サイトカインの中ではTGF-α,TGF-β, I, IL-la, KGE, IGF- HGF/SFは細胞の増殖・遊走・形態形成など多 彩な機能を持つことも報告されている41)今後は HGF/SFの活性化機構を更に詳細に明らかにするこ TNF-aで毛球部構成細胞のDNA合成の抑 制がみられ,その程度は特にTNF-αおよびIしhで とが重要と考えられ,我々はこれらについては現在研 著しかった(Fig. 究を続行中である. 9).毛成長とサイトカインの関係に 稿を終えるにあたり,終始研究の御指導および論文の御 関する研究では,毛包組織にEGFレセプター28) bFGF29)3o),TGF-β31)などが局在し, TGF・ ・2)や 小川秀興博士に深甚なる感謝の意を表します.また,研究実 KGF33)の遺伝子欠損マウスで毛包形成異常が生じた 施上適切な御助言を頂いた順天堂大学浦安病院皮膚科教授 ことなどが知られている.しかしながら,加z虜抑の毛 包組織器官培養法や泌が回の実験ではEGF, α, TGF-β,bFGFおよびIL1α8)34) 校閲を賜りました順天堂大学医学部皮膚科学講座主任教授 TGF- 高森建二博士およびいまい皮膚科クリニック今井龍介博士 に感謝します. 37)が予想に反して 毛成長を抑制することが報告されている.これらの差 献 文 !) Hattori of enzyme 2) M, Ogawa hair growth H: BiOchemical from the aspects activities,/ Dermatol, 10 : 45-54, Kollar ET ; An vibrissae in vitro development in study of Frater post -81, 4) R, Whitmore embryonic PG : In and 1983. hair embryonic skin,J InvestIDcrmatol, 46 : 254-262, 3) analysis of aging and mouse vitro growth of hair, / Invent Dermatol,ら1 : 72 D : Regional appendages Hattori M mouse specification in mammals, : A new hair method follicle purification growth and of Wy決丿脚 Dermatol, 58 : 539-546, 6) AE, Kcles in organ 315-320, 7) Sci, DJ, hair TT, mouse Holland vibrissae 如1- and MP, vitro丿Cell S,Hozumi scalp and Kondo of Green in MR, Kealey T : Studies morphology maintained rat hair follicles,J Cell 1989. Green MR, on of freshly 14) Imai K, T : Human Der derived from / Dermatol. 19: 348 MR, Kealey T : Rat hair Br J Dermatol, 127 ・. Y, Mochida K, K. H : Organ hair Jindo T, Ta・ culture condi- follic\es, JDermatol Sci, 1992. 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Epidermal 35) the hair, and curly whiskers L,Degenstein growth 34) Gabriel AR AB, growth of KJ, of the TGF<i 249-261, 10 development Dunn develop but Roberts of transforming Fowler architecture, 33) Guo Ellingswor- NL, J Cell Biol.105 : 2861-2876, べA^illiams RL, of skin, 1991. KC, Thompson MB: Role factor-βin factor in mouse EF, Flanders HYP, K, Ogawa localization basic th base- of diverse tissues,r Cell Biol. R, Tsuboi 31) Heine factor in 治山e Ogawa R, Imai H : The R, Takamori effect of K, Rubin hepatocyte 779 マウスvibrissae毛包器宮培養 growth factor/scatter factor on human folliclegrow出丿Dの■matol Sべ10 factor/scatter hair prol-onc( : 229-232, 1155:357-371, 1995. 41) Rubin JS, Bottaro DP: Hepatocyte Organ Culture Department of Mouse Vibrissal The and period were measured. were similar throughout mouse Its Application School of Medicine vibrissal hair follicleswere The diameters incorporation and then in terms of maintaining The presence of up t0 20% synthesis. These morphology fetal bovine serum during the 96 h CO2-95% air at 37で medium did not have any significant effect culture are to incubate of vibrissae closest to the eye in serum free- then analyzed the effects of various anti-neoplasitc agents and cytokines on DNA synthesis in vibrissal hair bulbs. Among mitomycin methotrexate, adriacin, tumor synthesis. In contrast, only hepatocyte 1y stimulated the DNA of vibrissae synthesis level of 山e hair bulb-consisting cells. in the growth the 2 rows manner superior to that in 5% results suggest that the optimal conditions for organ in 95%02石%C02 at 31イCfor 72 h. We the 2 rows synthesis than those from the other vibrissae. The length and the DNA hair folliclesisolated from C,endoxan, Hair of the vibrissal hair bulbs isolated from 3−to !2-day-old period. Hair folliclesobtained from higher levels of DNA normal 1640 medium. during the last 48 h of the 72 h synthesis of the isolated hair folliclesincreased in a time-dependent is a useful method determined synthesis levels of hair bulbs isolated from 3一一 to 15-day-old mice incubation period. The culture in 95%02-5%C02 at 31でwas inhibited DNA 21,1997) were micro-dissected and cultured in RPMI the 48 h incubation closest to the eye showed 9一dav-old mouse the c-met 1993. for publication February culture of mouse mice were proportional to age. The DNA on DNA its receptor, Tsuboi University folliclelength at specific time intervals and 'H-thymidine and DNA and product, BiocktTOBiof)hysノVcta, the effect of various anti-neoplastic agents and cytokines on hair growth. Individual vibrissal hair folliclesfrom B6C3Fi incubation Follicles and Ryoji Juntendo 6,1996, accepted optimal conditions for organ utilized to examine Hair Jindo of Dermatology, (Received December factor growth Toshimasa medium gene the tested reagents, cytosine arabinoside, necrosis factor-α,and interleukin-1αsignificantly growth factor/scatter factor (HGF/SF) significant- synthesis of hair follicles. I n conclusion, organ culture using vibrissal hair follicles by which to eχamine the effect of various reagents on hair follicles.The required materials are readily available, and the results are quantitative and not affected by any contaminants the serum. (Jpn J Dermatoに07: Key words: hair growth, 7卵∼779パ997) mouse vibrissal, organ culture, cytokines, anti-neoplastic agents in