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波長掃引光源 - 日本大学理工学部
平成 25 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集 L-4 波長掃引光源を用いたファイバブラッググレーティングによるひずみの実時間測定の検討 Real-time Strain Measurement by Fiber Bragg Gratings using Swept Wavelength Light Source ○山口 達也1, 篠田 之孝 2 *Tatsuya Yamaguchi1, Yukitaka Shinoda2 Abstract: We are planning construction of structural health monitoring system using fiber Bragg gratings (FBGs). We constructed real-time measurement system with triangular approximation by using swept wavelength light source. This paper shows the results that measured the reflected wavelengths of two FBGs every 5ms in real-time. 1. はじめに 本研究の目的は橋梁やビルなどの人工構造物や危険区域等の健全度を把握するためのファイバブラッググレーティ ング(FBG)を用いた構造ヘルスモニタリングシステムの構築である[1]~[4].筆者らは発振波長を掃引できる波長掃引光源 を試作し,ひずみの実時間測定システムを構築した[5].本文は波長分解能を改善させるため三角近似による補間を行い, 複数の FBG の反射波長を 5ms 毎に実時間測定した報告である. 2. 実験装置 Tunable LASER 図 1 は試作した波長掃引光源(TL)の構成である.TL は半導体光増幅器(SOA),波長可変光フィルタ(OTF), SOA 2 個の光アイソレータによって構成した.SOA からの Isolater2 光は光アイソレータ 1,OTF,光アイソレータ 2 を介し Isolater1 Output て再び SOA に戻る.OTF に入射した光は発振器(OSC) Coupler の電圧で制御された波長のみが透過する.OTF を出射 OTF した光は光カップラで一部の光を取り出し,TL の出力 Control signal 光としている.TL は OSC で OTF の透過波長を制御す OSC Figure1. Construction of tunable LASER ることにより,発振波長の掃引を行っている. FBG1 図 2 は実験装置の構成である.実験装置は TL,2 個 Circulator λB1=1550[nm] FBG2 λB2=1555[nm] Tunable LASER のひずみ測定用の FBG,検出器からなる光学系と測定 系により構成されている.TL からの光はサーキュレー Stage 1 タを介し,ひずみ測定用の FBG1(λ B1=1550nm) , OSC FBG2(λB2 =1555nm)で反射される.反射された光は再 Sync びサーキュレータを介して,検出器に入射する.ひず ΔX1 Stage 2 Detector AD Figure2. Experimental setup みの印加は FBG を含む光ファイバの両端 1m を各々ス テージに固定し,各ステージを長さ(ΔX)方向に移動さ せることで行った.測定系は OTF の制御信号をトリガ 信号とし,検出器の信号を AD ボード(サンプリング周 波数 fs=400kHz)を介し,コンピュータ(PC)に取り込む. 測定システムは LabVIEW(National Instruments)を用い て構築した. 実験は TL の制御信号に三角波波形,掃引周波数 fm を 200Hz とし,時間間隔Δt (=1/fm)が 5ms で FBG の反 射波長を実時間で測定した. 図3は構築した測定システムの画面である.画面の Figure3. Screenshot of system 左側は測定波長の表示パネルとデータの集録設定等を 1:日大理工・院(前)・電気 2:日大理工・教員・電気 933 PC ΔX2 平成 25 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集 [nm] 行うコントロールパネルである.画面の右側は 5ms 毎 m2 に実時間でFBGの反射波長をモニタリングしている様 m1 ,λ 子である. Wavelength λ 3. 結果 図 4 は FBG に静的ひずみを印加したときの反射波長 の測定結果である.ひずみは各々のステージを 100μm 毎に 2000μm 移動させて行った.ひずみの印加に対し 1560 1558 FBG1 FBG2 1556 1554 1552 1550 0 500 て FBG1,2 の反射波長は長波長側に直線状にシフトし 1000 1500 Δ X1,Δ X2 [μ m] 2000 Figure4. Results of static strain ており,それぞれの傾きは最小二乗法より 1.16× 1557 10-3nm/μm,1.28×10-3nm/μm となった. [nm] 図 5 は FBG2 に動的ひずみを印加したときの反射波 Wavelength λ m2 長の測定結果である.FBG2 へのひずみの印加は 2s 毎 にステージ 2 を 300μm 移動させて行った.図 5(a),(b) はそれぞれ三角近似による補間の前後の結果である. 三角近似による補間を行うことで,波長分解能が改善 1556.9 1556.8 1556.7 1556.6 1556.5 1556.4 0 していることがわかる. 1 図 6 は FBG にひずみを印加したときの反射波長の測 2 3 time t[s] 4 5 6 4 5 6 (a) Original 定結果である.FBG1,FBG2 のひずみの印加は 0.2s 毎 1557 [nm] に各々ステージ 1,2 を 30μm 移動させて行った.図 m2 6(a),(b)は各々FBG1,FBG2 の結果であり,ひずみに Wavelength λ よる反射波長が 5ms 毎に実時間で測定できていること がわかる. 4. まとめ (1) 本システムは試作した波長掃引光源の掃引周波数 1556.9 1556.8 1556.7 1556.6 1556.5 1556.4 0 を 200Hz としたとき,5ms 毎に複数の FBG の反射 波長を測定できることを示した. 1 2 3 time t[s] (b) Approximation Figure5. Results of dynamic strain (2) 三角近似による補間を行い,反射波長の波長分解 1551.2 能を改善できることを示した. [nm] (3) 今後,波長掃引光源の掃引周波数を高くすること Wavelength λ m1 により,測定の時間分解能を向上させた実時間シ ステムを構築していく予定である. 1551.18 1551.16 1551.14 1551.12 1551.1 0 参考文献 0.2 0.4 [1] J.M.Lopez-Higuera ed., Handbook of Optical Fiber 0.6 0.8 time t[s] 1 1.2 1.4 1 1.2 1.4 (a) FBG1 Sensing Technology, Wiley(2002). 1556.58 [nm] [2] Andreas Othonos, Kyriacos Kalli, Fiber Bragg m2 Grating, Artech House(1999). Wavelength λ [3] A.D.Kersey et al., “Fiber Grating Sensors”, J.Lightwave Technol.,Vol. 15, pp. 1442-1463(1997). [4] 斉藤:電気学会計測研究会, IM-12-041(2012). [5] 山口, 横溝, 篠田:平成 25 年電気学会電子・情報・ 1556.56 1556.54 1556.52 1556.5 1556.48 0 システム部門大会, PS5-13, pp.1903-1904(2013). 0.2 0.4 0.6 0.8 time t[s] (b) FBG2 Figure6. Results of real-time measurement 934