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行政手続・民間取引IT化の目指すべき方向(案)<議論用メモ
資料1-1 行政手続・民間取引IT化の 目指すべき方向(案) <議論用メモ> 平成28年12月5日 内閣官房IT総合戦略室 目指すべき方向(目標と全体像) 本WTでは、政府全体の大目標に向けて、新たなIT基盤や全数調査(全体把握)等 を踏まえた、政府横断的なアプローチにより、今後の対応策を検討。 なお、規制改革推進会議では、大目標に向けて、重点的アプローチで対応策を検討。 生産性の抜本的向上 安全・安心・ 快適な国民生活 名目GDP600兆円の実現 世界最高水準のIT利活用社会 アクションプラン改定 新たなIT基盤 (マイナンバー制度・法人番号) の活用 全数調査 B to G , C to G ,C to B IT総合戦略本部 規制制度改革WTほか 世界で最もビジネス しやすい国 デジタル社会進化のた めの規制の徹底改革 規制改革、行政手続 の簡素化、IT化の 一体的推進 <重点的審議事項> ①税・社会保険関係 事務のIT化・OS化 ②官民データ活用 ③IT時代の遠隔診療 と遠隔教育 等 重点分野の幅広い選 定と規制・行政手続コ スト削減目標の決定 規制改革推進会議 行政手続部会 主に B to G その他、様々なアプローチ 画期的・効率的な サービス体験の提供 その他、様々なアプローチ 本日議論 新たな有望成長市場 の創出・拡大 規制改革推進会議 投資等WG 1 今後の行政手続IT化の基本的方向①(案) 今後、単に行政手続のオンライン化を推進するだけでなく、利用者視点のサービスデザイン 志向に基づく行政サービスを再構築する。 その際、マイナンバー制度・法人番号を徹底活用することにより、利用者に対して、デジタル による画期的・効率的なサービス体験(圧倒的ユーザビリティ)を提供することを目指すこ ととしてはどうか。 <世界最先端IT国家創造宣言(2016.5.20改定)> 「マイナンバーや法人番号の利活用も踏まえ、利用者の利便性や公共価値(Public Value)を高める観点で 業務改革を進め、行政運営の効率化と利用者志向の電子行政サービスの実現を目指す」 行政サービスの利用者に対して「画期的・効率的なサービス体験」を提供 (サービスデザイン志向に基づく圧倒的ユーザビリティの実現) マイナンバー制度・法人番号の徹底活用 ※マイナンバー制度(公的個人認証を含む)・法人番号の整備により、本人確認が容易になるとともに、システ ム横断的に国民・事業者を突合することが可能に。 2 今後の行政手続IT化の基本的方向②(案) 利用者に対して、画期的・効率的なサービス体験を提供するとの目標のもと、マイナンバー 制度・法人番号を積極的に活用することにより、以下を目指し取り組むこととしてはどうか。 デジタルファーストの実現(原則、個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結され得る仕組み) ワンストップの実現(一か所で全ての関連サービスが実現する仕組み) ワンスオンリー原則の実現(一度提出した資料は、二度提出する必要がない仕組み) 「画期的・効率的なサービス体験の提供」 ①デジタルファーストの実現<デジタルを前提とした、個々の手続自体の見直し> ☆地方手続を含めた原則オンライン化の推進と、デジタルを念頭においた手続自体の見直し • 低いオンライン利用(自治体含む) • 紙の手続を前提としたオンライン化 (添付書類のPDF化等) • マイナンバーカードを活用した本人確認 • デジタル化を前提とした手続に向けた見直し • モバイル化、AI化などを踏まえた手続の構築 ※本人確認が容易で、圧倒的にユーザビリティの高い形(最少のクリック数など)で手続が行われる仕組み ※自治体手続が確実にオンライン化・標準化されるための仕組みの導入 ②ワンストップの実現<フロントヤード連携> ☆地方手続を含め、ワンストップで手続、通知がなされる仕組み • 法令、組織(省庁、自治 体)ごとに、一方向の手続 を実施 • 法令、組織(省庁、自治 体)を意識することなく、一か 所で双方向のやりとりを実施 ※国税、地方税、社会保険等が、一か所でまとめて申請、やりとりできる仕組み ※自治体ごとに申請するのではなく、一か所で申請、やりとりできる仕組み ③ワンスオンリー原則の実現<バックヤード連携> ☆一度行政に提出した資料は、二度提出する必要がない仕組み • 手続毎に、同じようなデー タ・資料を何度も提出 • 手持の提出済みデータを 確認しながら入力 • 他の手続きで提出したデータ・ 資料を、再度提出する必要なし • 行政側から既に提出済データが 自動的に入力画面に掲載 ※既に行政の保有している情報が、申請時に記入(プレプリント)される仕組み ※これらを通じて、最少のクリック数で申請が可能な仕組み (注)これらの3項目は、独立して取り組むものではなく、画期的・効率的なサービス体験を提供すべく、互いに連携して取り組むことが必要。 3 今後の民間取引IT化の基本的方向(案) 行政手続と同様、民間取引においても、デジタルの活用により、画期的・効率的なサービス 体験を提供すべく、デジタルファーストの実現に向け、書面原則や対面原則からの脱却を目 指すこととしてはどうか。 ※なお、民間取引におけるワンストップやワンスオンリー原則の実施主体は、基本的には民間で あることから、政府としては主にデジタルファーストの実現を目指す。 画期的・効率的なサービス体験の提供 デジタルファーストの実現<デジタルを前提とした、個々の取引制度の見直し> ①書面原則からの脱却 ☆デジタルが正として取引できる仕組み • 書面を作成して、自署・ 押印の上で取引を実施 • 書面はコストをかけて厳 重に保存 • デジタルで(自署・押印 等は、代替手段利用)で 取引が完了 • 書面保存コストの削減 (散逸の防止) ②対面原則からの脱却 ☆非対面(オンライン)でも取引できる仕組み • 窓口の開設時間に併せ て、移動し、対面にて取 引を実施 • 取引のための移動コスト をかけずに、都合のいい 時間に取引が完了 4 【参考】「デジタルファースト」について 行政手続・民間取引に係る「デジタルファースト」とは、「原則として、個々の手続・サービスが一貫して 電子的に(デジタルで)完結され得る状態(電子が正本として扱われる状態)」を目指すこと。 本WTにおいて、個々の手続に係る「デジタルファースト」を推進するにあたっては、優先順位をつけて取 り組むとともに、単に電子を「正」とするだけでなく、規制・手続自体について、デジタルを前提とした見直 し・BPRを行うことにより、画期的・効率的なサービス体験を目指すものとする。 一般的に、「デジタルファースト」とは、新聞等での作成プロセスについて利用される用語。 『デジタルファースト』 (デジタル大辞泉より) 「従来、印刷物として提供されていた新聞・雑誌・書籍を、初めから電子出版の形式で提供すること。電子書籍のみで提 供される場合と、のちに印刷物として出版される場合(ペーパーレイター)がある。」 行政手続・民間取引においては、「デジタルファースト」に相当する文言には以下の用例がある。 『IT利活用に係る基本指 針』(2015.6.30 IT総合戦 略本部) 「5つの基本原則」①電磁的処理の原則(IT優先の原則) 「ITを極力優先し、行政手続等におけるITの利用に関し、電磁的方法による処理が可能な業務は、原則として電磁的 に処理すること」 『最先端社会・スマートネイ ションの実現に向けて』 (2016.4.28 新経済連盟) 3.デジタル・ファーストの徹底① 『対面・書面原則を転換し、「原則IT」をルール化する』ことは昨年の政府の成長戦略に記述済み。あとは一刻も早く実 現する段階。(略)」 『データ利活用推進のための 環境整備を求める』 (2016.7.19 日本経済団 体連合会) 2.紙から電子へ 「インターネットの普及に伴い、ネットワークを利用して効率的に業務を行う環境がグローバルに整いつつあるが、前提として 紙で行われている業務や手続きを電子化することが必要となる。現状では行政手続き等において紙の手続きが原則となっ ており、データを利活用する際の大きな阻害要因となっている。手続きにおいて、紙は「副」で電子が「正」と原則を転換す べきである。(略)」 なお、欧州等では、電子政府に係る同様の概念として、「デジタル バイ デフォルト」との文言が使用されている。 『EU eGovernment Action Plan 20162020』(2016.4.19 EU) 「7つの原則」・Digital by Default(デジタル バイ デフォルト) 「行政機関は、(選択あるいは必要により連結されない人のために他のチャネルを開放しつつも)、優先すべきオプション (preferred option)として、デジタル(機械判読可能情報を含む)でサービスを提供すべきである。加えて、行政 サービスは、一つのコンタクトポイント(one-stop-shop)又は、異なるチャネルを通じて、提供されるべきである。」 5 【参考】世界最先端IT国家創造宣言(2016.5.20改定)(抜粋) <行政手続のIT化に関連する記述> 世界最先端IT国家創造宣言2016 • ハローワーク、年金、国税、登記・法人設立等関係のシステム改革や業務改革(BPR)については、政府 CIO に よるレビュー等を通じて、運用コストの大幅な削減を図りつつ、マイナンバーや法人番号の利活用も踏まえ、行政機関 間の分野横断的な情報連携等を進めることにより、利用者視点での改革を推進。あわせて、各府省庁の個別業務 についても、システム改革とともに業務プロセスを見直すなどの業務改革(BPR)を推進。 世界最先端IT国家創造宣言 工程表(2016) • 国の IT 化・業務改革(BPR)の推進に当たっては、IT 総合戦略本部 e ガバメント閣僚会議の下に設置されて いる「国・地方 IT 化・BPR 推進チーム」において取りまとめられた施策を中心に、個人番号(以下、マイナンバー) や法人番号の利活用も踏まえ、利用者の利便性や公共価値(Public Value)を高める観点で業務改革を進め、 行政運営の効率化と利用者志向の電子行政サービスの実現を目指す。 • 特に行政組織や業務横断的なデータの利活用に係る取組を重点的に進め、政策企画や評価の高度化、行政運 営の効率化、サービスの品質向上を目指す。 • 一億総活躍社会の基盤となるべく、利用者へ価値を提供する視点から、拡張性、相互運用性等を確保した基盤の 整備を行い、社会変化や技術変化に迅速に対応が可能なオープンな利用環境を通じて、利便性の高い電子行政 サービスの提供を行う。 • 調達、制度、法人情報等、行政機関が保有する情報の流れを俯瞰し、情報の生み出す価値を最大化する行政プ ロセス改革を実現する。 • 利用者の利便性向上に向けた政府の Web サイトの見直しを進めるとともに、API 連携等の官民連携を促進する 仕組みを実現する。 6 ご議論いただきたいポイント マイナンバー制度・法人番号の活用により、画期的・効率的なサービス 体験の提供を目指すことについて ⇒ この考え方で良いか。追加すべき内容はないか。 画期的・効率的なサービス体験の提供に向けて 行政手続では、「①デジタルファースト」「②ワンストップ」「③ワンスオンリー原則」の 実現を目指すことについて 民間取引では、デジタルファーストの実現のために、「①書面原則からの脱却」 「②対面原則からの脱却」を目指すことについて ⇒ この考え方で良いか。追加すべき内容はないか。 特に、「デジタルファースト」の考え方について、どう考えるか。 その他 7