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平成28年度花壇コンクール表彰式の講評(PDF:200KB)

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平成28年度花壇コンクール表彰式の講評(PDF:200KB)
平成 28 年度明石市花壇コンクール講評
平成28年5月26日
審査委員長 来住 富士子
本日、受賞されました皆様、まことにおめでとうございます。
今年もすばらしい花壇を見せていただきました。
みなさまの努力にただ感心するばかりです。
今年は、暖冬と言われながらも 寒暖差が激しく、春のような暖かさが来たかと思うと、
零下まで下がったりと油断できない冬でした。
毎年 何が起きるかわからない天候ですが、
冬の寒さに負けないりっぱな株を育てたい、という意欲が、ここ数年 参加される皆様に
強く感じられ、寒冷紗や不織布を使って寒さ除けされる団体が多くなりました。
昨年 11 月に配布いたしました苗は、ビオラの白、青、レモンイエロー、
オレンジのキンセンカ、ピンクのデージーの 3 種類 5 色でした。
一昨年の冬は雨が多く、花びらの大きいパンジーの花痛みが目立ったので、
今年は、パンジーを使わずにビオラばかりにしてみましたが、いかがだったでしょうか。
雨ばかりでなく、寒さにも強いビオラなので、安心して育てることができたのではないかと
思います。
また、久しぶりに採用したキンセンカですが、今回の品種は、草丈が低く、花付きもよく、
今年の花壇の中で一番元気に、そして長く楽しめたのではないでしょうか。
それでは、上位の花壇からお話しさせていただきます。
●シルバーの部
最優秀賞の
明石高年クラブ錦会
丘の上の高台で、何もさえぎるものがないこの花壇の立地は、
よく言えば日当たりがよく、風通しも良い恵まれた環境に思えますが、
実は冬の間は、風当たりが強すぎて、冷たい風が葉を痛め、成長がにぶってしまいます。
例年 その状況をやり過ごしていたことを教訓にして、今回は早めに霜よけネットを張って、
1 月の 寒波の影響を受けなかったことが よい結果をもたらしたようです。
1
デザインは干支の「さる」を選ばれましたが、
「さる」の顔が思い描いていたようにならず、
3 月中旬になって配色を変える植え替えを決断し、実行したことに驚かされました。
すでに植物がしっかり根付いているこの時期の植え替えは、かなり勇気のいる選択だったと
思います。よほど注意深く、丁寧に行ったのでしょう。
できあがった花壇は、それぞれの花は生き生きと生い茂り、
サルの顔はうらやましいくらい すっきり整った顔立ちに生まれ変わりました。
また、地域の高年クラブや幼稚園児を招くなど、花壇づくりを自分たちだけでなく、
地域を巻き込んで 交流の場としていることが高い評価につながりました。
●シルバーの部
優秀賞
朝霧松寿会
急な階段を登りつめた先に 見えてきた花壇の第一印象は、とにかく美しい、
よく手入れされた花壇だなぁということでした。
5 種類の花 それぞれがみごとに咲きほこり、みだれた花や弱った株が
ひとつも見つけられず、すべてが見頃状態、本当に手入れの行き届いた花壇でした。
デザインは、シンボルマークの 羽を広げた鶴 ということですが、この鶴の羽の色を
淡いレモン色のビオラを使って、その縁取りに 白のビオラを使ったことが
成功のカギだったと思います。
まるで一羽の鶴が、ふわりと そこに舞い降りたような 印象を与えました。
この配色のすばらしさが、よい得点につながったと思います。
●シルバーの部
優良賞
いずみが丘高年クラブ
この花壇もいろいろと制約の多い花壇です。
花壇の中心に桜の木があるため 日陰になることはもちろん
花壇に桜の根が入ってくるため たがやしにくく、
養分がうばわれて 花の成長が遅れたりと 苦労は絶えません。
しかし その逆境を楽しむかのように にぎやかな花壇を作られました。
カラフルにペイントされた大小様々な石のオブジェを 花壇に並べることによって、
今回のテーマである「だんらん」の雰囲気をよくだしていました。
2
桜の大きな屋根の下で、まるでガーデンパーティーを楽しんでいるような
楽しいストーリーが見えてきて、地域のみなさんに愛されている様子が想像できました。
自家製の肥料を使ったり、株を大きく育てるために ビオラの花摘みを続けたりと、
努力の甲斐もあって すばらしい花壇となりました。
●一般の部
最優秀賞
明石市立大観幼稚園
今回のデザインは、世界的に有名な犬のキャラクターのスヌーピーでした。
このデザインに決めるまでの 用務員さんと幼稚園の先生との微笑ましいエピソードも
添えられていて、かわいらしい、元気なスヌーピーを見せてくれました。
一次審査の写真では、スヌーピーの輪郭がレンガでくっきりと描かれていましたが、
二次審査当日には、レンガが隠れるほど それぞれの花が みごとに成長し、
白と青のスッキリしたスヌーピーの顔が、カラフルなモザイク模様で彩られていました。
あかねが丘学園の卒業生であるボランティアの方々のご協力もあり、花の痛みもなく、
隅々までよく管理されていて、非常にバランスのとれた 完成度の高い花壇でした。
●一般の部
優秀賞
大久保東第4住宅植栽クラブ
団地の中の長方形の花壇ですが、今回はその長さを利用して 春の野山の風景を
うまく表現していました。
山の頂上から見下ろすと、大地を蛇行する川の流れ、一面の花畑、
そこに舞い降りた一匹の蝶
まるで絵本の中に迷いこんだような みごとな植栽に うっとりしてしまいました。
山という立体的なデザインを作り上げるために 多くの男性が協力している姿が頼もしく、
花壇づくりをみんなで盛りたてていこうとする姿勢が、すばらしいと思いました。
少し育ちすぎているようにも見受けられましたが、植栽クラブだけの花壇にすることなく、
住民からデザインを公募するなど、マンション全体の取り組みとしているところも
高く評価されました。
3
●一般の部
優良賞
明石市立二見西小学校
学校の校舎から顔をのぞかせているアンパンマンとバイキンマンのデザインです。
二見西小のモダンな校舎のデザインを取り入れたり、古タイヤや廃材を利用したりと
たくさんの工夫が見られました。
校舎に囲まれた 中庭に作られた花壇は、日当たりも悪く、水はけも悪いという条件ながら、
惜しみない努力を注がれて、子供たちに愛される花壇を作り上げられました。
子供たちを楽しませたい、子供たちを元気にしたい、その熱い思いが強く感じられました。
まだ一年目の花壇です。
これからも手をかけてやることで
さらなる努力を期待しています。
もっとすばらしい花壇になるはずです。
今回名誉花壇として参加してくださった、高年クラブ藤が丘寿会さんと
明石市立高齢者大学校 あかねが丘学園景観園芸コースのみなさん、
5 年もの間 最高の花壇を作り続けるには、たくさんのご苦労があったことと思います。
今回は参考花壇として、参加して下さいましたが、
毎回コンクールが終わると 一番になった花壇を見たい、という要望が 多数寄せられ、
各団体が競って見にいかれました。
えいよ
コンクールの レベルアップに 貢献して下さった、という 栄誉をたたえたいと思います。
また、最近 JR 大久保駅の 駅前の変化にお気付きでしょうか。
南口ロータリーの一角に 色鮮やかな花壇が作られています。
この花壇は、花壇コンクールに参加されている、今回奨励賞に輝いた
大久保ダイヤハイツふれあいの会のみなさんが、ボランティアとして
植栽・管理されているもので、駅を利用されるみなさんにとても喜ばれて、
評判の花壇となっています。
この他にもたくさんのすばらしい花壇への取り組みを 見せていただきました。
日当たりが悪い分、手作りの堆肥で土づくりをすることで、りっぱな花を咲かせたり、
一つの花壇だけでなく、公園全体が美しくなるよう手入れしたり、
花壇で育てた花を 切り花として地域で利用したりと、
花壇からそのまわりへと
活動の輪が広がっています。
4
この花壇コンクールの本来の目的である
「美しいまちづくりと 花づくりを楽しむことによって、健康を維持し、
また交流の場をつくる」という観点から
その交流の輪をさらに広げてもらいたいということで、今年度 審査項目に
「コミュニティ寄与度」が加わりました。
これによって参加者のみなさんが、ますます積極的に
花壇から地域へと広がっていくことを 期待しています。
実は、この花壇コンクールの二次審査が行われたのが、4 月 14 日と 15 日です。
ちょうどこの日に熊本の地震がおこりました。
その日からニュースは地震一色に変わり、
土砂とガレキにおおわれた映像が、連日 映し出されました。
東日本大震災の時もそうでしたが、この暗い日々のあとに 必ず花で地域を元気づけよう
という活動がおこってきます。
植物の生き生きとした生命力、カラフルな花色は、人々の心を元気にし、
勇気づけてくれます。
今回も多くの花壇を見せていただきましたが、
今回ほど 花壇づくりに関わって下さっている方々の 熱意に驚かされたことはありません。
地域の人のため、子供たちのため、みんなに喜んでもらいたい、みんなを元気にしたい、
そういった思いが、この明石のまちにあふれていました。
あらためて、この花壇コンクールが、明石のまちを美しく、
また人々に元気を与えてくれる活動に 育っている ということを 実感すると同時に
このコンクールに参加して下さっている 明石の多くの方々に
感謝申し上げたいと思います。
審査委員長として
この花壇コンクールに関われたことを 誇りに感じています。
最後になりましたが、多くの方々のご尽力により、
すばらしいコンクールとなりましたことを こころよりお喜び申し上げ、
簡単ではございますが、審査の講評とさせていただきます。
ありがとうございました。
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