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ATLAS検出器のアップグレード - 首都大学東京 高エネルギー物理実験
ATLAS検出器のアップグレード 中村 浩二(KEK) On behalf of ATLAS collaboration 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 1 内容 • LHCとアトラス実験 – 海外の国際協力実験の様子 – 日本グループの貢献 • アップグレード計画 – 物理モチベーション – 検出器改良の全体像 • 日本グループが狙っていること – 内部飛跡検出器(ピクセル検出器) – トリガー (L1+HLT) – ミューオン (New small wheal) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 2 Large Hadron Collider (LHC) この辺 ジュラ山脈 欧州原子核研究所 CERN ジュネーブ空港 ジュネーブ市街地 11th Dec, 2014 トンネル 一周27km 地下100mのトンネル 陽子-陽子衝突型加速器 2010-2012 年 最大8TeV フレーバー研究会 @ 浜名湖 3 Large Hadron Collider (LHC) この辺 ジュラ山脈 欧州原子核研究所 CERN ジュネーブ空港 ジュネーブ市街地 11th Dec, 2014 トンネル 一周27km 地下100mのトンネル 陽子-陽子衝突型加速器 2010-2012 年 最大8TeV フレーバー研究会 @ 浜名湖 4 ATLAS 検出器 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 5 ATLAS 検出器 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 6 ATLAS 検出器 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 7 海外の国際協力実験 • LHC、アトラス実験 – 約3000人のコラボレーション – 日本所属の研究者120人 • たった4%の人でどれだけ貢献できて いるのか? – 現検出器の生産・運転 – 物理解析の主導 – アップグレード検出器のR&D アトラス実験に参加する日本人研究者の年齢分布 50 40 うち約40人がCERN に常駐 30 20 10 0 35歳以 36‐40 下 歳 44 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 10 41‐45 歳 46‐50 歳 51‐55 歳 12 7 8 56‐60 61歳以 歳 上 13 10 8 日本が大きく貢献した3つの現検出器 ソレノイド磁石 内部の半導体検出器 ミュー粒子検出器 • • ソレノイド : 日本製 SCT(ストリップ型飛跡検出器) – 90%のセンサーと30%のモジュール組み 立て • TGC(muon トリガーチェンバー) – 約80%のチェンバーを製作 – エレキの開発 • 11th Dec, 2014 Muon検出器用TDC フレーバー研究会 @ 浜名湖 9 物理解析 ~ヒッグス粒子~ 2012年7月4日 ヒッグス粒子発見か? 私が生きている間に見つかるとは 思っていなかった! アングレールさん ヒッグスさん CERN歴代の所長さんたち 日本の新聞 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 10 物理解析 ~ヒッグス粒子~ 2012年7月4日 ヒッグス粒子発見か? 私が生きている間に見つかるとは 思っていなかった! アングレールさん ヒッグスさん CERN歴代の所長さんたち 日本の新聞 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 11 日本人の貢献 現HWW グループリーダ 増渕達也さん(東大) 当時Hγγ グループリーダ 田中純一さん(東大) HWW グループ会議 現Hττコーディネータ 中村浩二(高エネ研) Hbb グループBBQ 前Hbb コーディネータ 江成祐二さん(東大) 11th Dec, 2014 その他、日本人のスタッフ、博士課程の学生さんも 多大なる貢献をしています。 (東大、高エネ研、阪大、神戸大、筑波大、九州大) フレーバー研究会 @ 浜名湖 12 ヒッグス精密測定 • 質量 : 125.36±0.37(stat)±0.18(syst) GeV (0.4%!) 信号の強さ (σxBRi/ σSMxBRSMi) >5σ 微分断面積 スピンパリティー 4.2σ 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 13 それ以外のトピック • LHCの様々な結果 – 標準理論の検証 これらの解析でも、日本人のスタッフ、 博士課程の学生さんが多大なる貢献をしています。 – トップの物理 (東大、高エネ研、阪大、神戸大、東工大、名古屋大) – 新しい物理の探索(陣内さん) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 14 内容 • LHCとアトラス実験 – 海外の国際協力実験の様子 – 日本グループの貢献 • アップグレード計画 – 物理モチベーション – 検出器改良の全体像 • 日本グループが狙っていること – 内部飛跡検出器(ピクセル検出器) – トリガー (L1+HLT) – ミューオン (New small wheal) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 15 アップグレード計画 • ちょっと複雑ですが… 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 16 アップグレード計画 • ちょっと複雑ですが… RUN 1 25fb-1 RUN 2 RUN 3 RUN 4 100fb-1 300fb-1 3000fb-1 現在 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 17 アップグレード計画 • ちょっと複雑ですが… RUN 1 25fb-1 RUN 2 RUN 3 RUN 4 100fb-1 300fb-1 Energy 8->13TeV Luminosity 2-2.5倍 3000fb-1 現在 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 18 アップグレード計画 • ちょっと複雑ですが… RUN 1 25fb-1 RUN 2 RUN 3 RUN 4 100fb-1 300fb-1 Energy 13->14TeV Luminosity 1.5倍 Energy 8->13TeV 3000fb-1 Luminosity 2-2.5倍 現在 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 19 アップグレード計画 • ちょっと複雑ですが… RUN 1 25fb-1 RUN 2 RUN 3 RUN 4 100fb-1 300fb-1 HL-LHC 最終段収束磁石の寿命 Tracker とともに交換 Energy 14TeV Luminosity 2.5倍 (5x1034) Energy 13->14TeV Luminosity 1.5倍 Energy 8->13TeV 3000fb-1 Luminosity 2-2.5倍 現在 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 20 物理的背景 1 : エネルギー • エネルギーを8TeVから13(14)TeVにあげる 13TeVでの生成断面積 8TeVの生成断面積 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 21 物理的背景 1 : エネルギー • エネルギーを8TeVから13(14)TeVにあげる 13TeVでの生成断面積 8TeVの生成断面積 生成断面積は大きいが 重心系エネルギーが足りなかった () 当然… 陽子 陽子 ? 詳細は陣内さん 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 22 物理的背景 1 : エネルギー • エネルギーを8TeVから13(14)TeVにあげる 13TeVでの生成断面積 8TeVの生成断面積 断面積が2.3-2.4倍 同じluminosityで感度50%増し! 当然… 陽子 陽子 ? 詳細は陣内さん 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 23 物理的背景 1 : エネルギー ttH プロセス • エネルギーを8TeVから13(14)TeVにあげる 13TeVでの生成断面積 8TeVの生成断面積 b Ytop 断面積が2.3-2.4倍 同じluminosityで感度50%増し! 𝑺 𝑩 当然… は1.8倍! b bb トップ背景事象 陽子 陽子 ? 詳細は陣内さん 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 24 物理の背景 : ルミノシティー • 3003000fb-1が必要か? – 新しい物理 – ヒッグスの測定 • 結合定数の測定、稀崩壊の探索 • 自己結合の探索 1000事象@300 fb-1 1000事象@3000 fb-1 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 25 物理の背景 : ルミノシティー • 3003000fb-1が必要か? – 新しい物理 – ヒッグスの測定 • 結合定数の測定、稀崩壊の探索 • 自己結合の探索 強い相互作用でできる新粒子 スクォーク、グルーイーノ 重心系がリミット(20%増し) 1000事象@300 fb-1 1000事象@3000 fb-1 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 26 物理の背景 : ルミノシティー • 3003000fb-1が必要か? – 新しい物理 – ヒッグスの測定 • 結合定数の測定、稀崩壊の探索 • 自己結合の探索 弱い相互作用でできる新粒子 チャージーノ、ニュートラリーノ 断面積が小さい (感度2倍!) 強い相互作用でできる新粒子 スクォーク、グルーイーノ 重心系がリミット(20%増し) 1000事象@300 fb-1 1000事象@3000 fb-1 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 27 物理の背景 : ルミノシティー • 3003000fb-1が必要か? – 新しい物理 – ヒッグスの測定 • 結合定数の測定、稀崩壊の探索 • 自己結合の探索 結合定数を 数%の精度で測定 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 28 物理の背景 : ルミノシティー • 3003000fb-1が必要か? – 新しい物理 – ヒッグスの測定 • 結合定数の測定、稀崩壊の探索 • 自己結合の探索 結合定数を 数%の精度で測定 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 29 物理の背景 : ルミノシティー • 3003000fb-1が必要か? 感度が高いのは ggHHbbγγ – 新しい物理 – ヒッグスの測定 • 結合定数の測定、稀崩壊の探索 • 自己結合の探索 H Cross section in fb-1 H 11th Dec, 2014 H 信号 ttH(γγ) H BoxとTriangleの間のinterference によっ てppHHの生成断面積が大きく変わる。 σ(HHH無)/σ(HHH有)~2 gg->HH σ [fb-1] ggHHbbγγだけで @ 14TeV 1.3 σ (SM HHの時) λHHH=0を棄却/兆候 λHHH/λSMHHH=1 34 fb-1 改善する λHHH/λSMHHH=0 71 fb-1 他崩壊を足して3σ SM -1 λHHH/λ HHH=2 16 fb フレーバー研究会 @ 浜名湖 30 HL-LHC : 加速器のアップグレード • ビーム増強、高品質化 – LHC入射器アップグレード – エミッタンスの抑制 – クラブ空洞の導入 • β*の低減(0.55m0.15m) – 新しいビーム光学&磁石配置 • 大きなビーム交差角 – ビーム最収束部磁石の高性能化 • … 11th Dec, 2014 • 収束4極磁石(Nb3Sn製 12.2T) フレーバー研究会 @ 浜名湖 31 検出器アップグレード 事象あたりの陽子衝突数 現在まで (0.7x1034cm-2s-1) 平均10-35 衝突 (デザインは25) 11th Dec, 2014 5x1034cm-2s-1では? フレーバー研究会 @ 浜名湖 32 検出器アップグレード 事象あたりの陽子衝突数 現在まで (0.7x1034cm-2s-1) 平均10-35 衝突 (デザインは25) 5x1034cm-2s-1では? 平均140衝突 これを識別する検出器が必要! 特にトラッキングが重要 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 33 検出器アップグレード 事象あたりの陽子衝突数 現在まで (0.7x1034cm-2s-1) 平均10-35 衝突 (デザインは25) 5x1034cm-2s-1では? 平均140衝突 HL-LHC μ=140 @ 5e34 1. 2 1. 0 15cm 0. 8 HL-LHC++ μ=140 @ 5e34 0. 6 0. 4 現行LHC μ=40 @ 0.7e34 0. 2 z [m] 0. 2 0. 1 0. 1 0. 2 これを識別する検出器が必要! 特にトラッキングが重要 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 34 検出器アップグレード 内部飛跡検出器 ストローチューブチェンバー(TRT) シリコンストリップ検出器(SCT) ピクセル検出器(Pixel) ミュー粒子検出器 トリガーチェンバー(TGC,RPC) ドリフトチューブチェンバー(MDT) [トロイドマグネット] 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 カロリメータ LAr 電磁カロリメータ ハドロンカロリメータ 前方カロリメータ [ソレノイドマグネット] 35 検出器アップグレード 内部飛跡検出器 ストローチューブチェンバー(TRT) シリコンストリップ検出器(SCT) ピクセル検出器(Pixel) 総入れ替え! すべてシリコン検出器 ミュー粒子検出器 トリガーチェンバー(TGC,RPC) ドリフトチューブチェンバー(MDT) [トロイドマグネット] カロリメータ LAr 電磁カロリメータ ハドロンカロリメータ 前方カロリメータ [ソレノイドマグネット] 検出器の入れ替えは無し 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 36 検出器アップグレード 内部飛跡検出器 ストローチューブチェンバー(TRT) シリコンストリップ検出器(SCT) ピクセル検出器(Pixel) 総入れ替え! すべてシリコン検出器 ミュー粒子検出器 トリガーチェンバー(TGC,RPC) カロリメータ ドリフトチューブチェンバー(MDT) 内層に新たなチェンバー LAr 電磁カロリメータ [トロイドマグネット] ハドロンカロリメータ (New Small Wheel) 前方カロリメータ [ソレノイドマグネット] 検出器の入れ替えは無し 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 37 内容 • LHCとアトラス実験 – 海外の国際協力実験の様子 – 日本グループの貢献 • アップグレード計画 – 物理モチベーション – 検出器改良の全体像 • 日本グループが狙っていること – 内部飛跡検出器(ピクセル検出器) – トリガー (L1+HLT) – ミューオン (New small wheel) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 38 内部飛跡検出器 現行の内部飛跡検出器 11th Dec, 2014 アップグレード後のデザイン(仮) フレーバー研究会 @ 浜名湖 39 内部飛跡検出器 現行の内部飛跡検出器 アップグレード後のデザイン(仮) 40-100cm 30-51cm 12cm ピクセル ストリップ 25cm 現行 アップグレード 半径 3.3-12cm 4-25cm 面積 2.7m2 8.2m2 半径 30-51cm 40-100cm 面積 62m2 193m2 : 122(B)+71(EC) Transition Radiation Tracker 11th Dec, 2014 56-107cm フレーバー研究会 @ 浜名湖 40 内部飛跡検出器 • ピクセル検出器が大事 – 運動量測定にはφ方向の分解能が 大事(ストリップ検出器) – η方向の分解能が必要な理由 ソレノイド磁場 • 長寿命粒子(b-jet, τ粒子)の二次崩壊点 を3次元的に再構成 • パイルアップ衝突点からの飛跡を識別 – 衝突点(z座標)の決定 ストリップ型 η φ ピクセル型 η φ 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 41 予想される性能と要求 • B-tagの性能を140陽子衝突くらいまで保つ。 同じ同定効率で比較して、fake rateは数倍程度悪化する。 (解析にもよるが)そんなにクリティカルではない。(fake rate<1%) • Trackingを用いてMETのパイルアップ依存性を軽減する。 B-tag fake rate (同じ同定効率での比較) 厚みとZ方向のピッチの最適化は必要 最適化と最後まで動く検出器を作ることが最も重要 Z方向のピッチ 厚み 厚み Z方向のピッチ 厚み 厚み 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 42 放射線耐性 • 3000fb-1で予想される放射線量 1e+17 strip detector 1e+16 1e+15 Pixel detector 11th Dec, 2014 1e+14 フレーバー研究会 @ 浜名湖 放射線量( 1MeV neq/cm2) – ピクセルの外側 3x1015 neq /cm2 内側 2.2x1016neq/cm2 43 放射線耐性 • 3000fb-1で予想される放射線量 Non Ionizing Energy loss 1e+17 strip detector 1e+16 1e+15 Pixel detector 11th Dec, 2014 1e+14 フレーバー研究会 @ 浜名湖 放射線量( 1MeV neq/cm2) – ピクセルの外側 3x1015 neq /cm2 内側 2.2x1016neq/cm2 44 放射線耐性 • 3000fb-1で予想される放射線量 1e+17 strip detector 1e+16 1e+15 Pixel detector 11th Dec, 2014 1e+14 フレーバー研究会 @ 浜名湖 放射線量( 1MeV neq/cm2) – ピクセルの外側 3x1015 neq /cm2 内側 2.2x1016neq/cm2 45 シリコンのバルク損傷とn-in-p検出器 • n型バルクとp型バルク – 放射線損傷でn型バルクはp型に型変 換する。 – 型変換すると空乏層の広がりが逆にな るので、読み出しには全空乏化が必要。 • センサーの耐圧で制限される。 もしくは両面プロセス(ただし高価) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 46 技術的な難しさ/開発要素 ~センサー~ • 2次元的に電極が配置されているので… – センサー構造が複雑 • (センサー単体試験用)バイアスレールやバイアス抵抗の構造 – 各ピクセルの電極からの信号を読みだすため、読み出しチップ (ASIC)とシリコンセンサーの電極をつなげる。 • (例) ASICをバンプボンディングという方法でセンサーに接着 Bias-rail Poly-Si Bump P-stop n+ -V 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 P-bulk 47 技術的な難しさ/開発要素 ~読み出し~ • 現在R&Dに使用中の読み出しチップ(FE-I4B) – IBL 用に開発 – サイズ ToT • 50μm(φ) x 250μm(η) pitch • 336 rows x 80 columns (2x2cm2) threshold – 130nm bulk CMOS process • Amp/Shaper/discriminator – 読み出し(初段トリガをもらって) 25ns x 15 clk • 4-bit ToT(time over threshold) readout • Output : 8b/10b encoded with 160Mb/s – 放射線耐性 • 300 Mrad ~ 6x1015neq/cm2. – Operation Temp • -40-60℃ • 新しいチップの開発 (by RD53) – 出力バンド幅増強の要請 – IBM130nm process の不透明な将来 New RD53 chip の開発(CMSと共同) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 ピクセルサイズ : 50x50μm2 65nm technology Up to 2Gb/s output 48 ピクセル検出器の種類 • ASIC + センサー接着型(バンプボンディング) – Planer型 – 3D センサー – ダイヤモンド • ASIC + センサー接着型(AC接続) – HV/HR-CMOS • 読み出し+センサー一体型 – CCD – SOI 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 49 ピクセル検出器の種類 • ASIC + センサー接着型(バンプボンディング) – Planer型 – 3D センサー – ダイヤモンド • ASIC + センサー接着型(AC接続) – HV/HR-CMOS • 高い放射線耐性 高速読み出し 高輝度ハドロンコライダー向けに開発 読み出し+センサー一体型 – CCD – SOI ピクセルサイズの細密化が可能 読み出し速度が遅く、放射線耐性に課題 電子陽電子コライダー向けに使用されることが多い 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 50 ピクセル検出器の種類 • ASIC + センサー接着型(バンプボンディング) – Planer型 (Silicon) – Planer型 (ダイヤモンド) – 3D センサー • Planer 型 ピクセル検出器 主流な型 バルク部がダイヤモンドのものも開発中 高放射線耐性、高価 ASIC + センサー接着型(AC接続) 読み出しチップ – HV/HR-CMOS • 読み出し+センサー一体型 – CCD – SOI (Silicon-On-Insulator) e- -h e e- h n+ h P-bulk -V 3D型 ピクセル検出器 IBLで初めて実現 高放射線耐性(定電圧で全空乏化) 歩留まり率が低い(60%) 読み出しチップ e e-h h eh -V 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 51 ピクセル検出器の種類 • ASIC + センサー接着型(バンプボンディング) – Planer型 (Silicon) – Planer型 (ダイヤモンド) – 3D センサー • Planer 型 ピクセル検出器 主流な型 バルク部がダイヤモンドのものも開発中 高放射線耐性、高価 ASIC + センサー接着型(AC接続) 読み出しチップ – HV/HR-CMOS • 読み出し+センサー一体型 – CCD – SOI (Silicon-On-Insulator) e- -h e e- h h HV-CMOS 価格を抑えるため産業界の製品を利用できないか? デジタルカメラのCMOSセンサーにバイアスをかけ空乏層 を作る。 数10Vの運転で読み出しチャージはplaner の1/10程 接着剤で読み出しチップを接着(AC)バンプボンドなしも可 低コスト。S/Nに課題 バンプなし P-bulk -V 3D型 ピクセル検出器 IBLで初めて実現 高放射線耐性(定電圧で全空乏化) 歩留まり率が低い(60%) 読み出しチップ e e-h h eh バンプあり Depleted (10-20um) -V p-substrate 11th Dec, 2014 n+ フレーバー研究会 @ 浜名湖 52 日本グループの開発研究 • 最も有力なPlaner pixel module の開発 (外層用). – センサータイプ(n+-in-p+ type) 読み出しチップ: FE-I4 – ピクセルサイズ: 50x250μm(50x50μm), 厚み : 150μm 国際的な競争は激しいが、日本グループが浜松ホトニクスと共同開発 したピクセルモジュールをATLAS検出器にインストールすることを目標 • • • • • バンプボンディング技術の確立 センサー構造の最適化 チップ-センサー間の放電対策 エッジ構造の最適化 モジュールの放射線耐性 2cm 2cm – 読み出しチップの放射線耐性の評価 • …… 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 53 2014 2013 アクティビティー(最近一年間) イベント 人 ()は学生 スタッフ 学生 10月 照射@東北大 KEK…3(0), 筑波…2(2), 東工大…2(2) 3 4 11月 テストビーム@DESY KEK…2(0), 筑波…1(1), 東工大…3(3), 4 京教…2(1), 阪大…1(1), お茶…1(0) 6 1月 照射@東北大 KEK…3(0), 筑波…2(2), 東工大…1(1), 3 阪大…1(1) 4 3月 テストビーム@DESY KEK…2(0), 筑波…2(2), 東工大…1(1), 3 京教…2(2), お茶…1(0) 5 5月 テストビーム@SLAC KEK…2(0), 筑波…2(2), 東工大…2(2), 2 京教…1(1), 阪大…3(3) 8 9月 照射@東北大 KEK…3(0), 筑波…2(2), 東工大…2(2), 3 阪大…2(2) 6 KEK…4(0), 筑波…2(2), 東工大…4(3), 6 京教…2(1),阪大…6(6) 12 10月* テストビーム@CERN *10月のテストビームではパラサイトで別のテレスコープのテストも実施 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 54 CYRIC@東北大 Testbeam@DESY 11th Dec, 2014 32コース Testbeam@SLAC フレーバー研究会 @ 浜名湖 55 最近の開発の現状と課題 • 基本的な課題 – バンプボンディングの技術の開発 – センサーエッジ部のFEとの間の放電。保護方法の開発。 – 照射後、バイアスレール、抵抗の下で検出効率の低下 バンプボンディング (2013年はじめごろ) 11th Dec, 2014 2012年9月の結果 (粒子検出効率) エッジ放電 フレーバー研究会 @ 浜名湖 56 バンプボンディング • 無鉛(SnAg) バンプボンディングの開発 b-source scan 2013年はじめ – センサーや読み出しチップの反りの補正 • IBLでもちいられたガラス製のサポートは、は Threshold sigma/Source Scan がす時に不具合歩留りの低下 • 薄いALの蒸着と真空吸着法を開発 Occupancy (KEK71) – 当初の問題と解決 Threshold Sigma • バンプの抵抗が大 under-bumpmetallisation (UBM) で改善. RJ4 RJ3 • 薄いセンサー (150um)/薄い Asic (150um)の バンプボンディングでバンプはがれを観測 真空吸着ジグの形の最適化でほぼ解決 Source Scan RJ4 – 温度サイクル耐性も確認 ほぼ完成 RJ3 現在 bad pixel cols • 今後の課題 – エッジ部分に若干見られるはがれの改 善真空ジグの改善で可能? – より安価な方法を探る RJ1 11th Dec, 2014 RJ2 Silicon-J Weekly Meeting フレーバー研究会 @ 浜名湖 2014/8/28 RJ1 RJ2 57 21 エッジ部の放電対策 • 現在の所、モジュール完成 後の対策のみ – シリコン製接着剤による保護 • エッジ全体/2つ角のみ • 照射による硬化 – パリレンコーティング • 放射線耐性に優れている • 1000Vの耐圧を確認 • 今後の課題 – センサーの表面プロセスと同 時に実装可能な保護の開発 • N+ edge? • DRIEエッジング+アルミナ蒸着? 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 58 テストビーム@ CERN and DESY • テストビームの目的 – 検出器としてのパフォーマンス(位置分解能など) – 検出効率のマップ(ピクセル構造による検出効率の低下の評価) • ビームライン – CERN H6 beamline : 120GeV π+ beam – DESY T22 beamline : 4 GeV e+ beam – SLAC ESA beamline : 2.5GeV, 13GeV e+ beam • 6 層のテレスコープ (ILC用に開発されたCMOS検出器 -- Mimosa26, 18.4x18.4μm2) – 多重散乱がないとき<5μmの軌道分解能 • 冷却:ドライアイス、チラー 検出効率のマップ テストビーム@CERN 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 59 ピクセル境界部での検出効率 • 2012年のCERNでのテストビーム でピクセル境界部の検出効率低 下を観測 • 構造から、バイアスレール構造の 下で起こっていると推測される Structure : Bias-rail and poly-si resister p-stop Bias-rail Pixel Efficiency map poly-si Non-irrad : 100V ~99.7% irrad : 1200V ~97% 陽子照射後 Efficiency Projection irrad : 1200V ~97% Overall efficiency ~97% is caused by inefficiency at pixel boundary region. 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 Charge loss (~10%) under the poly-si resister Efficiency loss under bias-rail. 60 メカニズムの理解と改良 • Original Structure Bump Poly-Si Bias-rail e e- h h eh • Type 10 P-stop Bump Poly-Si e- h e e- h 11th Dec, 2014 n+ n+ P-stop フレーバー研究会 @ 浜名湖 61 結果(150um, 5x1015 neq /cm2 Equivalent) 境界領域での検出効率の低下度 Traditional Structure Bias rail(Al)+ Resister(PolySi) Big improvement Type 19 Ideal situation. No bias rail and resister. Type 13 Bias rail+Resister(PolySi) Wide p-stop under bias rail Bias res. is inside of electrode Type 10 Shifted Bias rail position. Bias res. is inside of electrode Type 10 is the best option Almost similar to ideal case 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 62 読み出しチップの放射線耐性 • 読み出しチップの陽子照射後生存率 – CONDITION : 3x1015 neq/cm2 with 600nA beam current • 生存率 : 9 of 15 chips (60%) – CONDITION : 3x1015 neq/cm2 with 1000nA beam current • 依存率 : 8 of 24 chips (33%) – ビーム強度依存性がある可能性もあるが、極めて低い生存率 (3x1015 neq/cm2~150Mrad はデザインの半分) • 原因として考えられること – 放射線によるトランジスタの破壊?ビーム強度によらないはず? – ビームによるチップの発熱で熱破壊が起こっている? • 今後の課題 – IBLにもインストールされているチップなので精査する必要あり。 – ビーム強度を変えた放射線耐性の評価 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 63 議論(High Eta tracking) • 現在のトラッキングは |η|<2.4のみ • |η|<2.4まで拡大するとよいことがあるか? – – – – HZZ4l のアクセプタンスが35% up Missing Energy のパイルアップ依存性を軽減 VBSWW+jj でトップペア背景事象を落とすための前方b-tagging 他は? 何かあったら今すぐ叫んでください。 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 64 トリガー • 全部取れないので見たい事象の みを記録 – BELLE : 見たい物理(ϒ,ee,μμ,ττ)の 断面積が大体わかっている。 Efficiency は100%。 ”取れないならLuminosityを下げれ ばいい” by 中村勇さん 10桁 6桁 – ATLAS : 低い断面積の新物理を探 索 + QCD反応は見たい物理(e.g. Higgs)の10桁上 想像を絶する帯域争い • (とはいえ)共通して使えるものを やはり取りたい – (QCDを除く)レプトントリガー • これだけで6桁くらい落とせる • (信号を犠牲にしてでも)閾値をあげ る。どこまで下げられるかが鍵 • レプトン以外のオブジェクトと統合 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 65 トリガー • 全部取れないので見たい事象の みを記録 – BELLE : 見たい物理(ϒ,ee,μμ,ττ)の 断面積が大体わかっている。 Efficiency は100%。 ”取れないならLuminosityを下げれ ばいい” by 中村勇さん 10桁 6桁 – ATLAS : 低い断面積の新物理を探 索 + QCD反応は見たい物理(e.g. Higgs)の10桁上 想像を絶する帯域争い • (とはいえ)共通して使えるものを やはり取りたい – (QCDを除く)レプトントリガー • これだけで6桁くらい落とせる • (信号を犠牲にしてでも)閾値をあげ る。どこまで下げられるかが鍵 • レプトン以外のオブジェクトと統合 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 66 トリガー • Run2,Run3のトリガー データフロー 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 67 トリガー • Run2,Run3のトリガー データフロー 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 68 トリガー • Run2,Run3のトリガー ミューオン 電子・光子 データフロー 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 69 Run 2 & Run3 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 70 レベル1 ミューオン トリガー • フェイクトリガー問題 – Run1でエンドキャップ領域の L1muonトリガーには、データか ら再構成したMuonとのマッチ ングが取れないものが非常に 多い。ゴミばっかりとってた。 • 問題の原因 – (minimum bias event などによ る)陽子がビームパイプを叩く – 陽子(中性子)が生成 – 陽子が磁場で加速されトリガー を鳴らす 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 71 レベル1 ミューオン トリガー • Run2に向けて(Run1はL1MU15で9kHz) – 8TeV14TeV (断面積2.2倍) – 0.77x1034cm-2s-12x1034cm-2s-1 – L1MU15L1MU20 (rate が2/3になる) 9kHz x2.2 x (2/0.77) x 2/3 = 34kHz 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 72 レベル1 ミューオン トリガー • Run2に向けて(Run1はL1MU15で9kHz) – 8TeV14TeV (断面積2.2倍) – 0.77x1034cm-2s-12x1034cm-2s-1 – L1MU15L1MU20 (rate が2/3になる) 9kHz x2.2 x (2/0.77) x 2/3 = 34kHz 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 73 レベル1 ミューオン トリガー • Run2に向けて(Run1はL1MU15で9kHz) – 8TeV14TeV (断面積2.2倍) – 0.77x1034cm-2s-12x1034cm-2s-1 – L1MU15L1MU20 (rate が2/3になる) 9kHz x2.2 x (2/0.77) x 2/3 = 34kHz 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 74 レベル1 ミューオン トリガー • Run2に向けて(Run1はL1MU15で9kHz) – 8TeV14TeV (断面積2.2倍) – 0.77x1034cm-2s-12x1034cm-2s-1 – L1MU15L1MU20 (rate が2/3になる) 9kHz x2.2 x (2/0.77) x 2/3 = 34kHz 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 75 レベル1 ミューオン トリガー • Run2に向けて(Run1はL1MU15で9kHz) – 8TeV14TeV (断面積2.2倍) – 0.77x1034cm-2s-12x1034cm-2s-1 – L1MU15L1MU20 (rate が2/3になる) 9kHz x2.2 x (2/0.77) x 2/3 = 34kHz 最悪の場合こんなオプションも 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 76 New small wheel • Run3 に向けて新しいインナーのミューオンチェン バーをインストール New small wheel 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 77 New small wheel • Run3 に向けて新しいインナーのミューオンチェン バーをインストール New small wheel 東大ICEPP・神戸大を中心に 日本グループも貢献 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 78 レベル1電子/光子トリガー • トリガーの前に… Liquid Argon Calorimeter (LAr) 最初の5点を サンプリング 衝突は25ns 微分 400ns 大きなアンダーシュート Occupancy が上がると… パルスが重なり合う 正しいタイミングで 正しいエネルギーで トリガーする必要がある 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 79 レベル1電子/光子トリガー • レートの低減のために – 奥行き方向 : 各Layer毎 – 横方向 : 4倍細かいセグメント チャンネル数は10倍になる 電磁シャワーの形を正確に知るとジェットを除去できる いままで QCD ジェット 改良後 6桁 電子 光子 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 80 レベル1電子/光子トリガー • Demonstrator board 11th Dec, 2014 • • • Triggerの動作検証 高速データ通信のテスト フィルタリングアルゴリズムの開発 フレーバー研究会 @ 浜名湖 81 レベル1電子/光子トリガー • フィルターの改良 • 従来のフィルターでは検出できない信号もほぼ100%検出可能 エネルギー分解能が格段に向上(5倍程度) ファームウェアを実装、テストする予定 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 82 Run 4 (HL-LHC) 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 83 HL-LHCのL0/L1デザイン案 フロントエンドエレキ を総入れ替え L1でトラッキングの 情報を使える! (6μs以内にパターンマッチング) • バッファーを増やしもともとL1~2.5μsだったのを30-60μsに。 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 84 まとめ • LHC、アトラス実験は (ヒッグスメカニズムを含む)標準 理論の検証および新粒子の探索に大きく貢献した。 • (理論屋さんははっきりとしたスケールを教えてくれま せんが、)やはり13(14)TeVの衝突は待ち遠しい。 • 標準理論の固い物理(ヒッグスの稀崩壊や自己結合) や、断面積の低い新粒子探索はHL-LHCで探索する。 • 次世代加速器も視野に入れて、エネルギーフロンティ アの実験での新しい物理の発見を目指す。 – FCC-hh:世界的に実験からの技術的な要請で100TeVコラー ダーの可能性を研究する風潮がある – どのくらいのスケールのコライダーを作ればインパクトがあ るのか、ぜひ理論屋の方考えてみてください。 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 85 backup 11th Dec, 2014 フレーバー研究会 @ 浜名湖 86