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なぴあ79号 - 長崎県国際交流協会

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なぴあ79号 - 長崎県国際交流協会
長崎県国際交流協会広報誌
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AS RN SOC
E
AS
VOL
2013.9
79
ろ』 H25.7.25
座『英語でいろい
青少年国際理解講
Contents
公益財団法人
▶
出島
ローソン
◀至大波止
至出島バイパス▶
至浜町
長崎国際テレビ
ホンダクリオ
長崎税関
長崎県
国際交流協会
出島ワーフ
長崎県美術館
至戸町
長崎市民病院
駐車場
▶
終了したイベント等の報告…………………………………… 2
・医療通訳育成講座
・青少年国際理解講座
・国際理解講座
これから開催されるイベント………………………………… 3
・ながさき国際協力・交流フェスティバル
協会からのお知らせ…………………………………………… 3
・ながさき国際協力・交流フェスティバル ボランティア募集
・賛助会員および法人会員募集
長崎県海外技術研修員~長崎での新しいスタート~……… 4
留学生からの寄稿文~自分にとっての平和~……………… 5
国際協力・国際交流など団体の紹介………………………… 6
・日本語ネットワーク IN 長崎
世界でキラリ☆青年海外協力隊……………………………… 7
異文化への憧憬~さるく旅から……………………………… 8
長崎県国際交流協会
〒850-0862
長崎県長崎市出島町2番11号
TEL 095−823−393
1/3929
FAX 095−822−1551
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a@n
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Eメール n
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p://www.n
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な ぴ あ
(2)第79号
2013年9月
終 了 し た イ ベ ン ト な ど の 報 告
■■■■■ 医療通訳育成講座 ■■■■■
中国語は、7月4日、5日の2日間、英語は8月1日、2日の2日間で開催されました。講師は、MI
Cか
ながわの佐藤ペティ―さん(中国語担当)と森田直美さん(英語担当)です。ロールプレイが中心で、患者
役は外国人、医師役は主に現役の医療従事者が務め、その内容は、整形外科や内科での検査結果の説明、産
婦人科、小児科、循環器内科での診察、高額療養費制度など多岐に
わたるものでした。受講生は、グループに分かれて、ひたすら練習
をしました。恥ずかしがらず、貪欲に学ぼうという姿勢がとても美
しかったです。
■■■■■ 青少年国際理解講座 ■■■■■
英語でいろいろ 7月25日
タイトル通り、英語でいろいろするイベントです。イギリス、コンゴ、インド、ベトナムの方々が英語で
母国を紹介したり、一緒にゲームをしたりして楽しみました。コンゴやインドは国内でいくつかの言語を話
すため、公用語として英語も話します。その発音は、アメリカやイギリスのとは少し違い、子どもたちにとっ
ては新鮮な発見だったかもしれません。
世界体験旅行
たらみ公民館主催の「夏休みこども祭り」で、世界体験旅行を実施しました。子供たちは、この旅行だけ
に使えるパスポートを手に、韓国・ミャンマー・コンゴ民主共和国・イギリスを旅します。旅先では、講師
の外国人に母国について教えてもらったり、その国の伝統的な遊びを教えてもらったり、民芸品を実際に手
に取って見せてもらったり、様々な体験をします。子供たちは、学んだことをパスポートに書き込み、オリ
ジナルのパスポートを作り上げます。その中には、講師の外国人の母国語で書かれたサインもあります。きっ
と忘れられない夏休みの思い出になったことでしょう。
KOBARA クバーラ in ながよ 主催:長与町国際交流協会 講師:佃 麻実(NPO法人九州海外協力協会)
アフリカのインド洋に浮かぶ島、マダガスカル。そこに住む子供たちは「クバーラ」という鬼ごっこをし
て遊びます。それにルールを定め、スポーツにして現地で広げたのが、なんと日本人です。
最初に、マダガスカルがどういうところなのかを映像を交えて学びます。その後に、マダガスカルに思い
を馳せながら、クバーラのスタートです。各チームに外国人が入り、勝つために一緒に作戦を練ります。も
とは鬼ごっこなのに、頭脳プレーも必要です。みんなが夢中になります。優勝したのは、イギリス人が仲間
の「TEAMジェームズ」でした。おめでとう!!
■■■■■ 国 際 理 解 講 座 ■■■■■
ミャンマー出身のタンジンウェンさん(長崎総合科学大学 留学生)が、滑石公民館で、ミャンマーにつ
いて英語と日本語を交えて、母国について語りました。ミャンマーの方からお話を聞く機会がないからなのか、
タンさんの人柄なのか、参加者からの質問が止まりませんでした。
英語でいろいろ
世界体験旅行
クバーラ 作戦タイム
クバーラ 試合中
国際理解講座
な ぴ あ
2013年9月
第79号(3)
これから開催されるイベントの紹介
な が さ き 国 際 協 力・交 流 フ ェ ス テ ィ バ ル
今回で第1
5回を数えるイベントです。
県内の国際協力・
国際交流等団体が集い、活動に懸ける自分たちの想い
や情熱を乗せて、団体の活動や魅力についてお伝えし
ます。ステージパフォーマンスでは、日本の文化を学
ぶ留学生や在住外国人が、日本人と一緒に日本の文化
を披露します。また、外国の家庭料理の出店もあります。この他にも、外国人とするゲームや民族衣装の体
験など、小さなお子様から大人まで楽しめること間違いなしです。外国人にも、日本の文化に触れ、日本人
が外国との活動を行っていることを知ってもらう良い機会なので、お知り合いの外国人もぜひお誘いくださ
い。新しい人との出会いや、外国人と触れ合うチャンスが詰まったイベントです。
皆さまお誘い合わせの上お越しください。
開催日時:平成 25 年 10 月 27 日(日) 10:00〜15:00
開催場所:出島交流会館(長崎市出島町 2-11)
※長崎県美術館となり
アトラクション ★展示 ★販売 ★フリーマーケット ★体験 ★料理 ★ステージパフォーマンス
はこちら
★民族衣装の試着 ★世界の言葉でこんにちはゲーム ★団体の活動を知ってクイズ
協会からのお知らせ
ながさき国際協力・交流フェスティバル ボランティア募集
ながさき国際協力・交流フェスティバルに協力してくださるボランティアを募集します。内容は、設営、
撤収作業、会場の見回りなど。外国人も参加する楽しいフェスティバルです。詳細については、お問い
合わせください。
活動日時:平成25年10 月 27 日(日) 9:00〜16:00(予定) 活動場所:出島交流会館(出島町 2-11)※ 長崎県美術館となり
募集締切:平成25年10 月 4 日(金)
応募条件:10月22日(火)(18:30 ~)に開催するボランティア説明会に
ご出席いただける方。
賛助会員および法人会員、随時募集中
当協会は、世界の人々と共生する国際的に魅力ある地域づくりを目的としています。その為に、国際
化推進のための講座開催および支援、情報収集および提供、活動への協力のためのボランティア育成お
よび支援、地域在住の外国人への支援など様々な事業を行っております。当協会では、これらの事業に
賛同しご支援いただける法人または個人を募集しております。
●年会費:個人会員/1口3,000円 法人会員/1口10,000円
●会員の皆様には、年5回発行する広報誌「なぴあ」をお届けします。
な ぴ あ
(4)第79号
2013年9月
長崎での新しいスタート
ショウ
ライ
海外技術研修員 尚 磊
自己紹介
ショウライ
皆さん、こんにちは。今年7月から研修員として中国上海から参りました 尚 磊と申します。河南省の出身
です。8月から来年2月末まで長崎県海外技術研修員として研修させていただくようになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
上海の市役所関連部署で、国際交流の仕事をしていました。その中で、日本についての知識不足を実感し
ており、是非今回の研修のチャンスを生かして、日本行政事務を勉強しながら、日本港湾の内容を取り込ん
でいこうと考えています。帰国後、日本での研修から学んだことと新しい情報を同僚たちにシェアして、特
に相互交流の促進に貢献できたら幸いだと思います。
長崎で最初の一ヵ月
今年7月に、中国での日常を離れて、長崎で初めて長期海外生活をするようになりました。今、教科書や
ドラマから学んだ日本に関することは、目の前で魔法のように展開しています。青空と海辺の景色を満喫し、
のんびりとしている長崎の雰囲気の中で、たくさんの面白いことを味わい、日本と中国との伝統的なつなが
りを体験し、自分にとっては新しいスタートになりました。
日本文化体験教室
国際交流協会の日本文化体験教室に参加しました。琴、折り紙と書道を選びましたが、一番不思議なのは、
琴だと思います。音痴の私は今までまったく興味がなくて、騒音のような音を出したらみんなに笑われるか
もと思いましたが、同じ研修員の友達に強く誘われて一緒に琴の教室に行きました。日本の琴は、外見から
言うと、中国の「古筝」という楽器に似ていますが、弾いてみたら音色が全然違い、日本の古典らしい情緒
が漂っていて非常に澄んだ音で、心を震わせて落ち着かせるような不思議な力があります。先生のお陰で、
1回も経験のない素人なのに、「桜」という簡単な曲が弾けるようになりました。他のみなさんも、習えば習
うほど琴の趣を深く感じ、これからもっともっと練習したいなあと言って、来月の琴教室も楽しみにしてい
ます。
新しい友達たち
長崎に滞在したこの1ヵ月の中で、一番嬉しかったのは、一緒に研修へ来た各国の研修員たちと知り合っ
て良い友達になれたことです。無邪気な陳さん、ほがらかな薫さん、落ち着いているチャンさん、人なつっ
こい林さん、大人っぽいふりをしている黄さん、みんなは、一緒に日本語研修して、一緒に買い物して、一
緒に食事して、お互いに助け合って、悩みと笑いをシェアして、自分の大学時代に戻っ
た気がしています。今まで出会うこともなく、それぞれの人生を歩んでいたみなさんが、
長崎という交差点で逢いました。1ヵ月経て長崎の生活にも少しずつ慣れてきて、これ
からもっと多くの日本人と友達に
なって、長崎で一生忘れられない思
い出をたくさん作りたいと思います。
頑張ります!
研修証明書取得
琴体験教室
私
な ぴ あ
2013年9月
第79号(5)
自分にとっての平和
子供の頃の平和
子供の頃、世界は「平和」だと思っていました。なんの心配もなく、毎日過ごしました。
しかし、200
1年9月1
1日、私の世界が完全に変わりました。当時、私は小学校1年生
でした。その日学校から帰ってきた時にお母さんがあわてた様子で「みんなテレビを
カストロ・ナタリー
見なさい、大きな事故があったよ」と言って、家族全員をテレビの前に集めました。
長崎総合科学大学
情報学部 1 年生
テレビの画面にニューヨークの人々が叫びながら逃げ回ったり、ビルから飛び降りた
りしている映像が映っていました。まるで世界の終わりといった感じでした。その時は何が起きたかあまり
理解できていませんでしたけど、だだ「この世界にとても悪い人がいるんだ」と思いました。
メキシコの現実
しかし、アメリカでこんなに悪いことが起こっても、こどもの私は故郷のメキシコはいつも「平和」だと
感じていました。当時のメキシコは今より安全で、子供たちはひとりで学校や公園に行ったり、女性がひと
りで町を歩いたり、ドアを開けっ放しにしたりすることは可能でした。しかし、2006年に新しい大統領が麻
薬組織を撲滅すると決意して、メキシコ麻薬戦争を始めました。6年間にわたって76,780人が死亡し、その
6年間で、私の故郷は「平和」から「混乱状態」になりました。人々は次から次へと町を出てアメリカへ逃げ、
私の友達もどんどん町を離れて行きました。「なになにさんが殺されたよ」とか「だれだれさんの息子が誘拐
されたよ」などという話も増えました。自分の故郷と国がそんなふうに変化するのを見るのは、とても悔しかっ
たです。「この世に平和なんかないよ」と思うようになりました。
長崎に来て
そんな私も長崎に来て、ちょっと楽観的に考えるようになりました。60年前に長崎に来られたメキシコ人
の神父様がこうおっしゃいました。「あの頃の長崎には、貧しい人がいっぱいいましたよ。原子爆弾の影響は
まだまだ残っていて絶望的な状況でした。しかし、今の長崎は平和のシンボルです」。私はこの話に感動しま
した。長崎だけでなく、日本は戦争で壊滅した状態からたった68年間で安全な経済大国になりました。日本
は完璧な国とは言えないかもしれませんが、今の日本には希望がいっぱいです。今の日本人は一生懸命、「平
和」な日本と世界を目指して努力しています。そういう日本を見てとても感動し、自分の国も同じようになっ
たらいいなと思いました。
自分がわかったこと
このような経験を通して、今の私にとっての平和とは何かがはっきりとわかりました。「平和」というのは
家族と一緒に暮らせること、性別、宗教、民族、国籍に関係なく平等であること、自分の考えを自由に言え
ること、人間がお互いに愛することができることです。今の世界の争いと人々の苦しさを見るのは悲しくて、
耐えられません。みんな同じ人間なのに、なぜ戦わないといけないのでしょうか?確かに人間は同じではあ
りません。しかし、どんな宗教、民族、国籍、性別でもみんな等しく次の二つのことを手にしています。そ
れは私たちはみんな人間であるということ、そして、みんな同じ地球に住んでいるということです。
平和を作るには何が必要?
平和な世界を作るために私たちには何ができるのでしょうか?平和は本当に存在するのでしょうか?それ
は難しい問題です。平和は突然来るものではなくて、長い時間をかけて少しずつ作っ
ていくものです。もっといい世界にしたいと望むなら、まず、鏡の中に見える自分
から始めないといけないと思います。自分のことを変えられなければ、世界は変え
られないのです。鏡の中の自分自身を見つめ直し、お互いを受け入れ尊重し合える
心を持ちましょう。そうすれば、本当に平和な世界が訪れるのではないでしょうか。
街の中心プラザの時計台
な ぴ あ
(6)第79号
2013年9月
日本語教室とともに20年
日本語ネットワーク IN 長崎 西久保 郁子
設 立目的
1
994年5月から、長崎で生活する外国人に日本語と長崎情報を提供し、より快適にすごしてもらい、国際
交流にささやかな貢献ができればとの思いから会を立ち上げました。
活 動内容
日本語教室開催:長崎市茂里町 県総合福祉センターにおいて。週一回(土曜日)午後2時~3時30分迄。
現 在の状況
来日して間もない全くの初心者から来日20年を越えた方まで、生徒さんは様々な状況にあります。留学生、
その家族、語学教師、研究者、企業勤務、国際結婚、お国もアジアからヨーロッパ、言葉もさまざま。
皆わきあいあい。覚えたばかりの日本語でコミュニケーション。それはにぎやかです。私達五人のボランティ
アで、それぞれのレベルに合わせて対応しています。
昨年度のクラスの風景
楽しいこともたくさんあります。その国のじかの情報に触れること、又お国の自慢料理を教えてもらえる
こと。お花見一緒に行ったこと等々。これが私共のささやかな国際交流だと思います。お知り合いの方が言
葉でお困りの時はぜひご紹介ください。
右の写真の皆様はそれぞれ日本の方
と結婚しもう20年以上長崎で暮らして
いらっしゃる方々です。それでも日本
で生まれ育った子供たちは母語が日本
語、親子でも言葉のギャップはなかな
か埋められないと悩みを持っておられます。
こうして時々集まり、どっとお国の言葉で話せると、ストレスの発散の場になるようです。
我が家でピザパーティをした時、チーズはいいけどお肉はダメ・・・あ~ごめんなさい。宗教上の制約・・
そんなことにも発見があったりして。
外国人に日本語を教えてみませんか?
ボランティアで、出来れば長く続けられる方。興味のある方は一度教室をのぞいてみてください。
私たちも月に一度研鑽のため勉強会をしております。日本語を外国の方に教えているつもりが、私たちが
その国の文化や、習慣を多く学ぶことにいつも気づかされております。
な ぴ あ
2013年9月
第79号(7)
世界でキラリ ★ 青年海外協力隊
フィリピン相撲
ドパップ大 会 in 長 崎!
木村 暁代(きむら あきよ)さん (フィリピン・青少年活動 OV)
皆さんこんにちは!長崎県のJICA窓口・国際協力推進員の木村です。「で、一体どんな仕事しているの?」とよく聞かれ
ます(笑)。今回は推進員の仕事の一つ「JICA国際理解教育出前講座」をご紹介します。
青年海外協力隊時代の任地と活動について 東南アジア・フィリピンの首都マニラから任地イフガオ州までは長距離バスで8~9
時間。山岳地帯イフガオの各地にある棚田群は「天国への階段」と呼ばれ、ユネスコ世
界遺産に指定されています。そこに暮らすのは約二千年前からの水田稲作の伝統を持つ
山岳少数民族の人々です。
私は青年海外協力隊として派遣された20
1
0年から20
1
2年の2年間、この州唯一の大学、
イフガオ州国立大学で、日本語クラスの指導の他、日本文化紹介や環境問題、伝統文化
や平和などをテーマに、様々な校内イベントを学生たちと一緒に企画しました。
「足を持って~、腕持って~、ハッケヨーイ!のこった!のこった!」
20
1
3年8月26日、諫早市たらみ公民館の夏まつりで、小学生に、
「フィリピン・
イフガオの相撲・ドパップ講座」を行いました。日本の相撲と違うルールは、片
足ケンケンで行い、両足を着いたら負け、また手のひらで押すのは反則であるこ
と。体が大きく力が強い子よりも、バランス感覚が優れた小さな体の子の方が活
躍したりと、予想もつかない展開に大盛り上がりでした!
また、イフガオの人びとの衣・食・住の写真を紹介し、日本の生活と同じとこ
ろ、違うところを探してみたり、日本の小学生の遊びとイフガオの遊びを比べて
みたりしました。世界には様々な環境で暮らしている人びとがいて、様々な文化
があること。どんな暮らしの中にも、遊びがあり、笑いがあること。そこには優
劣はないことを、子どもたちが体験を通じて感じてもらえればと思います。
このように、
「JICA国際理解教育出前講座」では、対象者の年齢やご希望に
合わせて、様々なアプローチで異文化や国際協力を知ってもらう取り組みをしています。国際協力推進員だ
けでなく、青年海外協力隊OB、JICA職員の講師派遣が可能ですので、ぜひご相談下さい。
(…思い起こせば、フィリピンでも、日本の相撲
を 紹 介 す る 大 会 を 開 催 し ま し た 。 私 っ て、 実 は
「すもう隊員」だったんですね!)
JICA 国際理解教育出前講座
たらみ公民館にて。
女子も大盛り上がり!
イフガオ大学での
日本相撲大会の様子!
お問い合わせ先はコチラ!
JICA デスク長崎 木村
E-mail : [email protected]
TEL:095-823-3931 FAX:095-822-1551
な ぴ あ
(8)第79号
2013年9月
異文化への憧憬~ さるく旅から
(⑧現代アートを愉しむ)
欧米の街歩きの魅力の一つは、現代アートに出会えることである。現代アートは、
目を背けたくなるもの、無意味に思える巨大なサイズのもの、ゴミを集めたようなも
の、意味の不可解な作品も少なくない。日本人は生真面目で、画一的・均質的思考に
なりがちなために、現代アートに無関心な人、拒絶する人が多いのだろうか。しかし、
わからないからといって多様な価値観を否定しない、寛容な精神を持つことも必要だ
ろう。多様な価値観に寛容なところほど、経済活動が活発化し、新しい産業やビジネ
スのきっかけがつかめると思う。以下、私が面白く、楽しめた、感動した作品を紹介
する。写真①は、ビルバオのグッゲンハイム美術館前のパピー犬型の植物オブジェで、
高名な美術家の作品。高さ1
3m、重さ25トン、内側から水を注ぐシステムで、キン
センカ、ベコニア、ペチュニアなど7万本以上の花が植えられている。作者によれば、
“愛、温かさと幸福”のシンボル。当初は、1
992年にドイツの展覧会で製作された。
長崎のシンボルとして、何か作品ができないものかと思う。写真②は、ハンブルクで
飲料水を運ぶ仕事をしていた実在の人物アート。多くの作家がデザインし、街を楽し
く、活気を生み出している。熊、豚、牛の同様のアートも見かける。現代アートは「常
に新しいものを追求していること、常識にとらわれない新しさや価値観の変化を求め
て、何らかの<問いかけ>や<メッセージ>を発していること。」「社会の現実をリア
ルタイムに映す鏡」と言われる。写真③は、管楽器サキソフォンを発明したサック
スの生誕地、ディナン/ベルギーで、彼にちなんだ町おこしが進められている。高さ
3.3mの巨大な金属製のオブジェが並んでいる。ここは景勝地で周辺景観との調和が
必要と思うが、視界はすべて美しい街並みなので違和感がない。現代アートは町おこ
しの有力な一手法となる。写真④は、世界遺産が近くにあるブレーメン駅前のテト
ラポッド。この消波ブロックは景観を損なうし、ヨーロッパの海岸では見かけない。
車進入止めではないし、駅前広場になぜ置いてあるのだろうと不思議。現代アートの
答えや定義はなく、「これはアートなのか」と問いかける創作活動こそがアートなの
かもしれない。写真⑤は、メッス駅前/フランスの改装中の店舗、ティッシュを丸め
たものを出入口の扉に吊るしている。貝殻など同様のアートも見かける。制作意図は
わからないが、立ち止まって見たくなる要素がある。写真⑥は、ヴェリニュス/リト
アニアで見かけた樹木の装飾、手編みのニットを着せている。アートの表現方法とし
て面白いし、何かへの愛情も感じる、自然は自然のままがよいとも思う。展示場所と
調和している。写真⑦は、1
5C~1
9Cまでの絵画を展示したボルドー美術館だが、現
代アートも展示している。好きな絵画がなかったので、アートに目がいった。最初、
面白くないことがあって、子供が拗ねて寝そべっている姿かと思った。鑑賞者でこの
アートに気を留める人はいなかったが、「問いかけ」や「メッセージ」は何か。写真
⑧はボルドー現代美術館で、かつて羊毛倉庫だった雰囲気を活かした大空間の展示、
インスタレーションができる。
ハンモックに寝ているところ
が心地よい。ハンモックは何
を表現しているのか。美術館
はリラックスして作品を楽し
む場所である。
⑤
①
②
③
④
⑥
⑦
⑧
Fly UP