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TPPに関する説明会 概要メモ
TPPに関する説明会 概要メモ 日 時:平成25年3月6日(木)13:30 ~ 14:30 場 所:都道府県会館3階 知事会会議室 出席者:内閣官房 澁谷内閣審議官 高橋内閣参事官 内田参事官補佐 【澁谷内閣審議官】 ・ 2月22日~25日、シンガポールで開催されたTPP閣僚会合の結果について説明し たい。 ・ 新 聞報 道で は、「 次回 の閣 僚会 合 の日 程も 決ま ら ない 」、「 長期 化必 至」 と いっ た内 容だが、実態は相当異なる。 ・ 閣僚会合の日程は決まっていないが、2回の閣僚会合で方向性を出したので、あと は実務者で詰めるというのが今回の閣僚会合の結論である。 ・ 最終局面、山は越えたと認識している。来週、日米の物品の実務者の協議を再開す ることを記者発表した。交渉は各分野で精力的に行っている。 ・ これまでも要請があれば、担当者が都道府県に出向いて説明をさせていただいてい たが、最終局面ということもあり、要請があれば、積極的に出向いて、説明する機会 を設けたいと思っている。 ・ 大詰めを迎えるに当たって、県の皆様、各県の関係団体の皆様と意見交換をさせて いただく機会を設けたいと思っているので協力をお願いしたい。 (マスコミ退室) 【澁谷内閣審議官】 ・ 2月22日~25日、シンガポールで閣僚会合が開催され、甘利大臣が出席された。 ・ 17日 ~ 21日 、 シ ン ガ ポ ール で 首 席 交渉 官 会 合 が開 催 さ れ 、ま た 、 並行 し て 、 知的 財 産、環境など各分野のワーキンググループ、分科会が開催されている。 ・ 日本国政府からは120名規模で交渉団が現地に入った。 ・ 閣僚会合の初日はバイの会談が中心に行われ、全体会合は1時間ほどで終わった。 ・ 甘利大臣は初日に6か国の大臣とバイの会談を行い、2日目以降は、SPS、投資、 金融サービスなど資料に記載している分野の順に12人の閣僚全員で全体会合の中で 議論を行った。 ・ ここに記載していない電気通信、協力はもう終わっていると考えていただいていい。 閣僚で議論する必要のないものは取り上げていない。 ・ SPSについては、紛争処理の手続きについての議論は方向性が出たのではないか と思う。細かい詰めを事務的にしろ、という指示が出た。SPS、TBTについては、 我が国が現行制度を大きく変更をしなくてはいけないということにはなっていない。 ・ 投資については、ISDSについてある国が反対していた。今回も慎重な意見を言 っていたが、全体の流れを見ながら判断したいという発言もあり、条件を見ながらま とめる方向に入ってきているのではないかと思う。 ・ 金融サービスは2つぐらいしか論点がなく、これは極めて技術的な話。 ・ 法 的 ・制 度 的 事 項 は テ ク ニ カ ル な 話 。 各 分 野で 手 に 負 えな い も の がこ こ に 流 れて く る。ここは最終決着の直前に議論されるのではないかと思う。 ・ 国有企業については、難航分野の一つであったが、12月のシンガポールでの閣僚会 合で国有企業の定義を限定的にしようという方向性が出され、今回の議論でその範囲 についてほぼ目星が付いた。それを踏まえ規律や例外を設けるのかなど、技術的に実 務者、分科会での詰めで大丈夫というところまでもってこれた。 ・ 電子商取引は、ほとんど論点はないが、クローズもしていない。テキストから反対 意 見 が な く な っ た 段 階 で ク ロ ー ズ と な る が 、 反 対 し て い る 国 は、全 体が 決 着 す れば お - 1/5 - りるという寸止めの状態になっているものがかなりある。 ・ 原産地規則は、検証手続きについての技術的な詰めを専門家に議論してもらうこと になった。個別品目ごとの原産地のルール決めが半分くらいしか終わっていない。そ れについては引き続き分科会でやって行く。これはいつも交渉の最後まで残る分野。 ・ 貿易円滑化はもうほとんど議論されていない。 ・ 知的財産は、難航分野の一つと言われていたが、12月の時点で3ケタあった論点が、 閣僚会合の結果、残り1ケタになっている。残りの中に著作権、医薬品などが残って いることは事実だが、この論点についてもかなり方向性のようなものが示唆されてい る。 ・ 国有企業と知的財産は、去年までの雰囲気だととても終わらないような状況であっ たが、今回、もう閣僚で議論する必要がないところまできているので、山を越えたと いうのが真相だと思う。 ・ その2つと環境以外はほとんど寸止め状態になっている。 ・ 労働、環境は揺り戻しがあり、総論部分の書きぶりについて若干後退した部分があ る。日本の漁業補助金が変な議論にはなっていないので心配いらない。 ・ 農業のテキスト等については議論すらされないで終わっている。 ・ ルールの分野については、先が見えてきた状況である。 ・ 市場アクセスの分野は、日米の交渉があまり進んでいないという報道がなされてい るが、終わっている国は1つもない。ルールも市場アクセスも進展、もう少しなので 両方ともがんばるというのが今回の結論。 ・ 首席交渉官会合では日本の衆参の農水委員会の決議の英訳を鶴岡首席から改めて各 国の首席に配って中身の説明をして理解を求めている。 ・ 閣僚会合の3日目、24日だが、3時間にわたって市場アクセスの議論が行われた。 ・ 三つ目の●にあるが、甘利大臣はマレーシア、ベトナム、オーストラリアなどの国 とバイの会談を行い、各国の大臣に対して、衆参の農水委員会の決議などを詳しく説 明していた。その上で、日本は100%の撤廃はできないけれども、それぞれの国の 関心品目について誠実に交渉には対応しますという話をしている。 ・ 日本は決議・公約を守らなければいけないけれどもその範囲で何ができるかという ことを真剣に検討するという話を大臣からしている。各マーケットアクセスの交渉チ ームも各国に働きかけをしており、市場アクセスの交渉については、5品目以外につ いては随分議論が深まったのではないか。 ・ 2ページの一番上の●、甘利大臣は重要5品目についてきちんと粘り強い説明をし た。 ・ 包括的でレベルの高い合意を100%の関税撤廃だとよく言われるが、レベルの高 いということを言うのであれば、日本は物品以外の市場アクセスについては、最高レ ベルのオファーを出しており、全体のバランスを見て判断してほしいということも主 張し、理解が得られたと思う。 ・ ルールの分野はかなり進展しており、物品を含めた市場アクセスについては、引き 続きバイで進展させ、ルールが完全に終わるであろう時に市場アクセスも同時決着す るというタイムフレームで、これから交渉を精力的に行っていくというのが、今回の シンガポールでの閣僚会合の結論である。 ・ 一方、日米については、1月下旬に甘利大臣からフロマン代表に電話をして、大江 代理・カトラー次席代行の協議を再開させようと持ちかけ、1月下旬からの事務的な 協議が再開している。それでも距離感が縮まらないので、2月15日、大臣がワシント ンDCまで飛んで、フロマン代表とじっくり議論した。それを受けて閣僚会合の直前、 東京で大江代理とカトラー次席代行との協議が行われたが、距離感は縮まらない。初 日の22日の閣僚会合の夜、フロマン代表との会談があったが、これも溝が埋まらず、 3日目の夜、再度会談を行った。 - 2/5 - ・ 日本がカードを切ったのではないかとの報道があるが、カードを切れるような雰囲 気ではない。 ・ 来週の11日・12日、ワシントンDCで大江代理とカトラー次席代行との協議を再開 することを日米が同時発表した。日米は厳しい状況であるがそれ以外の国とも協議を 進めている。 ・ 新聞では「次回の閣僚会合の日程すら決められず」とあるが、これは甘利大臣が次 回の閣僚会合をセットするのはやめようと全体会合の中で提案されて、ほとんどの大 臣の賛同を得てそうなった。どうしても閣僚会合が必要と言うのであれば首席交渉官 会 合 の 結 果 を 聞 く た め に 閣 僚 が 1日 だ け 集 ま れ ば い い 。 そ れ は 様 子 を見 な が ら 決め れ ばいい、というのが甘利大臣の意見。この提案が多くの国の賛同を得た。 ・ 今後のスケジュール感は、3月中に各分科会で事務的に詰めを行い、その様子を見 ながら、首席交渉官会合や閣僚会合になるのかも知れないが、まだ、何も決まってい ない。5月17日に中国でAPECの貿易担当閣僚会合があるのでそれに合わせて閣僚 会合が開かれるのではないかという報道が流れているが、事実ではない。 ・ オバマ大統領の4月22日の来日の際に、日米の物品の話が議論になるとフロマン代 表が記者団に語っていたそうであるが、甘利大臣は、首脳会合は、日米全体の課題を 見ながら大統領府・官邸で議論する話であって、特定の案件が議論される言うのはお かしいのではないかと言っている。 ・ いつ終わりになるのか、公式には決まっていない。感覚的には、漂流でもない、決 裂でもない、山を越えて最終局面に入っている状況。 ・ 日本がメキシコに対して豚肉の関税を引き下げるという提案をしたという報道があ った。メキシコと交渉はしたが、そのような提案はしていない。 ・ これまで説明会を東京で行ってきたが、皆さん方から積極的に県庁の中だけでなく、 関係団体の方にも声をかけていただいて、来てくれというのであれば喜んで伺わせて いただきたい。 ・ 国会会期中でもあり、私自身が行けるとは限らないが、行ける者が伺い、ご説明さ せていただきたい。県内の関係団体の方も集めていただいて、ご説明できればありが たい。 <質疑応答> Q 資料に各国とバイの会談を行ったとあるが、チリが抜けている。これは閣僚の交渉 は行われなかったが、事務的な協議は行われたという理解でよいか。 A チリは政権交代があって新しい政権に交渉権限が付与されるのが3月11日以降らし い。したがって、チリは副大臣兼首席交渉官が来られていたが、オブザーバー参加と いうことであった。そのためバイの会談はやっていない。ただ事務レベルの交渉は行 った。 Q 国会決議に中に「重要5品目など」とあるが、資料の2ページ目では「重要5品目」 と な っ て い る 。 重 要 5品 目 以 外 で も重 要 な 品 目が い く つ もあ る 。「 など 」 の 取 り扱 い について今後とも引き続きご配慮をお願いしたい。 A 「など」がないから「など」はいいんだということではなくて、資料は概要版であ り、「など」がないからといってあまり心配されなくてもいい。 Q 西村副大臣の2月27日のテレビ番組での発言についてお聞きしたい。西村副大臣は、 「 溝 を 縮 め る 方 法 論 につ い て は 合 意し た 」 と 発言 し た が、「方 法 論 」と は ど の よう な ことを意味しているのか。 - 3/5 - A 事務レベルの協議を進めるということと、自民党の西川先生が事務方に権限を与え てやろうということが合意事項であるとおっしゃった。 Q 市場アクセスについて、各国共通関税にするのか、それともばらばらに関税率をセ ットしていくのか。 A 共通の状況表にするのかどうか、今回も議論されていない。 Q 日墨(メキシコ)にはすでにFTAがある。もう一度メキシコとやるのはリオープン する議論。ある国の交渉のやり方として、FTAを持っているところとは関税交渉は リオープンしない方向でやるということを志向しているという報道がある。その辺の 整理はどうなっているのか。 A ある国がすでにFTAを結んでいるところとはやらずにそうでない国とバイでやっ ているというのは事実であるが、その国とFTAを結んでいる国がそれで納得するか というと決してそうではないようだ。日本がこれまで結んだFTAは自由化率が他の 国に比べて低い水準であることは事実なので、協定締結後の状況の変化も含めて更に 関心品目があるかどうかをお聞きしているということ。リオープンというと大げさで あるが、そこはオープンに議論するというスタンスでやっている。 Q 昨日の業界団体向け説明会の後に、記者の質問に答えて影響試算をやることになる だろうという話があったようだが、方法について現時点で決まっていれば教えていた だきたい。 A 昨日、記者には、経済効果の説明はしなくてはいけないという話をした。署名の後 はテキスト、付属文書全て公表される。そこから国会で審議されるまで時間があるの で、その間に、効果について国会にどのような説明をするかを検討中。前回の焼き直 しにはならないと思う。各国でやり方がバラバラなのもどうかと思い各国と話を始め たところ。 Q A 説明会には幅広くステークホルダーを集めて差し支えないか。 どのような方々と意見交換した方が良いのかは各県の判断にお任せしたい。 Q 韓国が事前協議を開始しているという報道がある。韓国のTPPとの関わりが今後 どうなっていくのか、教えていただきたい。 A 事前協議ではなく、予備協議と言っている。韓国は関心を表明している状況であっ て、そのあと各国と予備協議をやって、その結果を踏まえて正式な参加の意思表明が ある。正式な参加表明があって事前協議となる。事前協議となるといろいろな国が条 件を付ける。韓国とすでにFTAを結んでいる国は、その実施状況をみて、これを求 めたいということを韓国に言うと思う。日本との予備協議は今日(6日)行われた。 ・ 基本的なスタンスは、10月のバリでのステートメントに書かれていたが、APEC の域内で12か国以外の国が関心を示してくれるのはウェルカムである。ただウェルカ ムであることと、すぐに入れるかということはまた違う。韓国が手順を踏んでという ことになる。 Q A Q A 今回の交渉にスケジュール的にも影響がなさそうな感じということか。 まだ予備協議の段階なのでコメントしにくい。 自動車の関税に関する協議はどのようになっているのか。 日米で当然議論はしている。向こうは事前協議の段階で関税撤廃と言っている。こ ちらは農産物などセンシティブなものは撤廃できないと言っているので、まずは撤廃 しないと言っている方の品目の議論を先にしているという状況。今は農産物中心の議 論をしている。 - 4/5 - Q A 農業テキスト、繊維テキストとはどういった内容のものになるのか。 農業のテキストは時間がなくなって議論していない。農業のテキストのイメージは、 FTA、EPAのテキストと同じような内容。あまり心配するような内容はないと思 う。繊維のテキストは、ある2国間の議論がもめていて、他の議論が進まないので、 ここだけ特出しでテキストを作るということ。主として原産地規則の話。 Q A 重要5品目の関税を引き下げる提案を行っているのか。 「決議を守ったと評価いただけるような納め方をしないといけない」と大臣も国会 で言っている。そういうことに尽きる。 Q 説明会の開催について、時期や平日・土日などどちらでもいいのか。首席交渉官会 合の後でも構わないのか。 A 皆さんが一番良いと思う日を選んでいただければいい。対応できる者が行く。 (以上) - 5/5 -