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フィリピン、日本、オーストラリアのキュレーターが共同企画

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フィリピン、日本、オーストラリアのキュレーターが共同企画
PRESS RELEASE
2011 年 10 月 17 日
No. 643
フィリピン、日本、オーストラリアのキュレーターが共同企画
3.11 以降の日本現代美術 豪パースで展覧会
2011 年 11 月 12 日~12 月 31 日
Omnilogue: Alternating Currents 展
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では、「21 世紀東アジア青少年大交流計画」(JENESYS Programme)により 2010
年夏に日本に滞在する機会を得た東アジアのキュレーター/アーティストと、日本人キュレーターとの共同キュレーションによる展
覧会をオーストラリアのパースにて開催いたします。1ヶ月~数ヶ月にわたり日本の現代美術シーンを調査した各国のキュレーター
と日本人キュレーターが討議を重ね、日本の現代美術を紹介することを目指しています。
「Omnilogue」(オムニログ)は、2011 年から 2012 年にかけてパース、インドのニューデリー、そしてシンガポールで開催される三
つの現代日本アーティストのグループ展のタイトルです。展覧会は各都市の文化の固有性や地域の文脈を反映し、それぞれ異な
る展覧会名と学芸的テーマを設けていますが、多方向の議論を示唆する造語「Omnilogue(Omni+logue)」というタイトルのとおり、
現代美術をとおして、21 世紀の文化交流に関する新しい議論の可能性を切り拓くという目的を共有しています。
開催概要
展覧会タイトル:Omnilogue: Alternating Currents (オム二ログ:オルタネィティング カレント)
会期:2011 年 11 月 12 日(土)~12 月 31 日(土) 月曜休館 11am – 6pm
会場:Perth Institute of Contemporary Arts(PICA)(パース、オーストラリア)
Perth Cultural Centre, James Street, Northbridge Tel: 61 8 6228 9603 www.pica.org.au
主催:国際交流基金、Perth Institute of Contemporary Arts
特別協力:アレンス・アーサー・ロビンソン
参加キュレーター:
リー・ロブ(キュレーター, パース・インスティチュート・オブ・コンテンポラリー・アート)
橋本梓 (研究員、国立国際美術館)
ハイメ・パセナ (インディペンデント・キュレーター、マニラ、フィリピン)
‘Alternating Currents’とは?
「Current」という語には複数の意味があります。まず「現在」を指し示す語であり、今まさに起こっていることを指し示します。本展で
はさまざまな世代の、しかし今まさに紹介すべき6組の作家・グループを紹介しますが、彼らはいずれも音楽、パフォーマンス、映画、
インスタレーション、サウンド・アートなど領域横断的・複合的なアプローチを行っています。つまり「Current」とは、今回参加する日
本人作家たちが行うジャンル横断的なコラボレーションの動き、そして 21 世紀の新たな地域コミュニティとのコラボレーションを暗示
するものとなります。
また、「Current」とは水や流れ、流動的な動きも意味する語でもあります。これは、スワン川の流れるパースという場所を特に示唆
するものです。スワン川が流れ込むインド洋、そして今回の参加キュレーター・作家が作り出す「Current(流れ)」は日本・オーストラ
リアを含む東アジアの国々をひとつに結びつける母なる海に結びついてもおり、共同キュレーションによる展覧会という構造そのも
のを示唆しています。
さらに Alternating Current という語そのものは、電気の流れである「交流電流」を表します。交流電流とは、時間とともに周期的に
向きが正反対になり、大きさも異なる電流のことです。これは、この展覧会を通じて私たちが目指すもの――日本からパース、パー
スからオーストラリアといった一方通行の流れでなく、あるときは共鳴し、あるときはしりぞけあい、強く弱く響きあいながら行われる
重層的・双方向的な交流――を意味しています。
こうして、本展覧会のタイトルである Alternating Currents は、今回紹介する日本の作家たちが意欲的に取り組んでいる、幾つかの
新しい「コラボレーション」のありかたや、地域社会へのコミットの方法を指すものとなります。彼らの実践を通じて、どういったやり方
で、どのようなレベルの「コラボレーション」が可能となるのか。パースという地域社会にどのようにコミットすることになるのか。その
ことによって、いかなるフィードバックが生じるのか。キュレーターは、展覧会の準備期間と展示、そして会期中に開催されるイベン
トを通じて、この点を作家と探っていきます。
本リリースのお問合せ
国際交流基金文化事業部 造形美術チーム
広報担当 平昌子 (TAIRAMASAKOPRESSOFFICE)
mail: [email protected] tel: 090-1149-1111
〒160-0004 東京都新宿区四谷 4-4-1
www.jpf.go.jp TEL03-5369-6062
参加作家:
藤本由紀夫 Yukio Fujimoto
1950 年名古屋生まれ、大阪在住。大阪芸術大学にて電子音楽を学ぶ。80 年代
以後はオルゴールや日用品などを用いたサウンド・オブジェで知られる。2001 年
にベネツィア・ビエンナーレの日本館代表作家の一人に選出されるなど、国内外
で高い評価を得る。1997 年から 10 年間、美術館のさまざまなスペースを用いた
一日だけの展覧会「美術館の遠足」を開催し、空間をまるごと見る・聞く体験を演
出した。視覚/聴覚、みること/きくことのあいだにある不可視のつながりを提示
している。本展では、石炭を使ったサイト・スペシフィックな新作を発表予定。
DELETE ( KRAFTWERK/MAN MACHINE)
2005
vinyl record
泉太郎 Taro Izumi
1976 年奈良生まれ、東京在住。多摩美術大学院美術研究科修士課程修了。 映
像表現の可能性を追求し、ときに大規模なインスタレーションを展開する。近年は、
撮影されたもの・された場所に映像を投影し、プロセスと結果、過去と現在を混同
させることで、本来不可蝕である映像メディアの「手触り」を表出させる。2010 年、
神奈川県民ホールにて行われた個展「こねる」は、近年発表した作品の集大成と
も言える内容で、映像表現の新しい可能性を示唆した。本展では展示スペースの
吹き抜けを生かし、大規模な新作インスタレーションを発表予定。
「くじらのはらわた袋に隠れろ、 ネズミ」展示風景、アサヒアートスクエア、2010
ミクストメディア
毛利悠子 Yuko Mori
1980 年生まれ、東京在住 。多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、東京芸術
大学大学院先端芸術表現科にて修士号を取得。コンピューターの誤作動を増幅さ
せ視覚化した作品などで知られるが、毛利の試みは当初そう思われていたような
「メディア・アート」という枠にはおさまらない。とりわけ近年は、機械や物そのもの
を組み合わせることによって生じる有機的な繋がりの面白み、その滑稽さやグロテ
スクさに着目し、さまざまなガジェットやデバイスを組み合わせたインスタレーショ
ンを発表。他作家とのコラボレーションによるパフォーマンスも行っている。パース
では照明装置等を用いた新作を発表予定。
《エブリデイラオス》
ギャラリー20202(ツーオーツーオーツー)
2010
写真:松尾宇人
Nadegata Instant Party
中崎透、山城大督、野田智子の3名で構成される「本末転倒型オフビートユニット」。
2006 年より活動を開始。地域コミュニティにコミットし、その場所において最適な
「口実」を立ち上げることから作品制作を始めている。インスタレーション、イベント
などに様々な人々を巻き込み、「口実」によって「現実」が変わっていくプロセスその
ものが彼らの作品行為である。パースではウラン採掘の副産物の呼称である「イエ
ロー・ケーキ」をキーワードにしたプロジェクトを展開。会場であるPICAに「イエロー
ケーキ・ストリート」を開業する。
2010 Nadegata Instant Party
《24 OUR TELEVISION》2010, 国際芸術センター青森
〒160-0004 東京都新宿区四谷 4-4-1
www.jpf.go.jp TEL03-5369-6062
大友良英 Otomo Yoshihide
1959 年横浜市生まれ。東京在住。ギタリスト/ターンテーブ
ル奏者として、ジャズ、実験音楽などジャンルを問わず国
内外のさまざまな音楽家との演奏活動を行う。映画、TV ド
ラマの作曲も数多く手がけている。2006 年に山口情報芸
術センター[YCAM]で行われた「大友良英 /ENSEMBLES」
展に続き、2010 年には「水戸芸術館にてアンサンブルズ
2010-共振」を開催。音楽家のみならず美術家・建築家・地
域住民らとの幅広い協働プロジェクトであり、展示・コンサ
ート・パレードなどそこで起こる出来事すべてにおいて、参
加者のアイデアとエネルギーが響きあい、反発し、新しい
流れを生み出す。本展ではプロジェクトふくしま」に因んだ
映像作品を展示するとともに、12 月 10 日にパースの人々
を巻き込んだコンサートを予定している。
須川咲子 Sakiko Sugawa
1978 年京都生まれ、京都在住。ニューヨーク市立大学卒業。hanare のディ
レクター/ウェイトレスとして、21 世紀型公民館 Social Kitchen を運営。多様
な背景を持つ人々が集まり自由に会話し、食事し、議論ができる開かれた
場を提供している。個人としても、イスラエル・パレスチナ問題を扱う 40 年間
継続予定のプロジェクトを展覧会の形式で発表するなど、国内外で活動を
行っている。政治・民族・ジェンダー・食などの身近な社会問題に対して、よ
り現実的でハッピーなアプローチによる「抵抗」の方法を提案し続ける。東日
本大震災を受け、パースでは「日本再建支援国際会議」プロジェクトを展開
し、現地の移民やマイノリティに訴え、窮地にある日本に対する提案を求め
る。
本リリースのお問合せ
国際交流基金文化事業部 造形美術チーム
広報担当 平昌子 (TAIRAMASAKOPRESSOFFICE)
mail: [email protected] tel: 090-1149-1111
〒160-0004 東京都新宿区四谷 4-4-1
www.jpf.go.jp TEL03-5369-6062
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