...

女性スタッフだけの便利屋 金澤瑠璃さん

by user

on
Category: Documents
48

views

Report

Comments

Transcript

女性スタッフだけの便利屋 金澤瑠璃さん
100 人いたら 100 通りの悩みがある。
女性スタッフだけの便利屋
株式会社クライアントパートナーズ
金澤瑠璃 さん
カナザワ ルリ
今回私は、女性スタッフだけの便利屋、株式会社クライアントパートナーズの金澤さん
にインタビューしました。金澤さんは「便利屋はほとんどの相談に応えられます! 」と言い
ます。どんな依頼にも応えるスーパーマンのような職業です。
便利屋とはどんな職業?
誰に相談すればよいか分からない、誰かに頼みたいが相手がいない!そんな時に助
けてくれるのが便利屋です。また家事や力仕事よりもむしろ人の精神的な部分、とても繊
細な心の悩みを助ける仕事が多いそうです。具体的にどんな依頼があるのか聞いてみ
ました。
☆電気交換☆掃除☆浮気調査☆人数不足の店にアルバイトとして働く☆ゴキブリ退治
☆ご飯を作って欲しい ☆一緒にショッピング ☆一緒にポケモンGOをする ☆人間関
係の相談など
「ご飯を作って欲しい」
依頼人(20 代女性)
彼女は、「おばあちゃんの手作り料理が食べたい。」という依頼をしました。なぜこのような依頼を
したか。両親は共働きであり、彼女の面倒はおばあちゃんがしてくれていました。幼い時から両親に
甘える事が出来ず寂しい思いをしていました。また今彼女は一人暮らしをしている為ますます寂し
い気持ちになっていました。そんな時「おばあちゃんの手作り料理が食べたい。」と便利屋に依頼
すると、本当に彼女のおばあちゃんと同じ年くらいのスタッフが訪れ、手料理を作ってくれました。
ただ作って帰るのではなく、お話もしました。彼女はお腹も心も満たされ大満足。スタッフが帰る時
彼女は「また来てね!」と心からの笑顔で見送っていきました。
一見驚いてしまうような依頼が多くありませんか?しかし金澤さんは「全然珍しい依頼
ではありません」とおっしゃっていました。金澤さんは「ひたすら謝る」という仕事もしたそう
です。取引先でトラブルが起こり、金澤さんが代行して何を言われても謝り続けるという依
頼をしたそうです。取引先はきちんと納得してもらえたそうです。
私「その依頼は断りたいと思わなかったのですか?」
金澤さん「そもそも仕事を好き嫌いで考えていません。嫌とか考えていたら仕事を任され
なくなってしまいます。仕事は好きなことだけ出来ることじゃないからね。」
なぜこの仕事に就いたのですか?
金澤さん「人の役に立つ仕事がしたかったからです。」学生の頃は将来やりたいことが
決まっていなくて、そんな自分に嫌気がさしていました。そんな時、今の会社の社長と出
会い「やりたい事が無いのではなく、出来ることがないのでは?」と言われました。便利屋
を知ったきっかけは知人の紹介です。便利屋が自分に適しているかは、便利屋の仕事
をしてから気付きました。また自分に適していると考えるだけではなく、社会は今何を必
要としているか、その中で自分は何が出来るかを考えました。
どんな人にこの仕事は向いていますか?
☆困っている人を助けたいと思える人 ☆優しい人 ☆柔軟性がある人 ☆誠実な人
☆気配りが出来る人
依頼人(中年男性)
優しい人、柔軟性がある人、とは?
男性から「女装したいので手伝って下さい。」と依頼されました。
始めに一緒に女性洋服店に行きコーディネートを考えました。次に服装に合ったメイクを男性に
施します。こうして出来上がった男性はとても満足していました。一見他の人がこの光景を見たら
少し驚きます。しかし便利屋のスタッフは人を助けたいと思う気持ちが人一倍、二倍あるため、誰
よりも優しく依頼人に寄り添ってサポートします。
失敗談
金澤さん「尾行する依頼を受けた際、自分が大丈夫と思う距離で尾行していたら見失っ
てしまったことがあります。依頼者にはありのままを報告し謝りました。」
私「失敗から学んだことは何ですか?」
金澤さん「自分があっている、知っていると思うことで間違えたり、失敗すると気づいたこ
と。自分が間違うかもしれない、と思うことは何度も注意をするし、慎重になりますよね。
一度の失敗で簡単にあきらめず、なぜ失敗したかをきちんと分析し、次に繋げられるよう
にすることです。」
金澤さんの仕事のルール
金澤さん「120%で仕事をすることです。なぜならばみんな 100%を当たり前として仕事
をしています。あとの 20%で人と差をつけて、また仕事がもらえるようにします。この
20%は、損、得を意識しない。ちょっとした気遣いやコミュニケーション、感性を伴うこと
をしています。そうするとお客様との距離がグッと縮まります。時にはお客様の本音が聞
ける事もあります。」
どのような本音が聞けたのか。
依頼人(年配男性)
年配の男性から「一緒に船に乗りたい。」という依頼が来ました。男性はスタッフと楽しそうに会
話をしながら船に乗りました。乗り終えた後、男性が言いました。「ここ何十年を一日に凝縮して過
ごした気分だ。」と。また心を開いた男性は過去に妻を亡くしていることを打ち明けてくれました。ス
タッフも男性の心の内を聞けて、より良い仕事ができたと実感し嬉しかったそうです。
伊藤「私はコミュニケーションが苦手です。どうすればできますか?」
金澤さん「コミュニケーションとは、心にあることを表すこと。だから心をきれいにすること
がすごく大切です。また、コミュニケーションは 5 つで成り立っています。1「質問をする」2
「質問に応える」3「話す」4「聞く」5「間」このどれかが出来ていないと思われます。練習
すれば必ず上達します。後はコミュニケーションに関する本を読むことをオススメしま
す。」
↓オススメの本を紹介して頂きました。
中学生、高校生に伝えたいこと
・学生時代は色々経験が出来ます。勉強すること、部活をやること、友達と遊ぶこと。な
んでもいいから、一生懸命やると自分が好きになります。分からないことは今のうちにたく
さん聞きましょう。
・時間のあるうちに、たくさん本を読んで下さい。
・歴史上の偉人からかっこいい生き方を学んでください。
自分のことばかりではなく、人のことを考えられる、かっこいい大人になってください。生き
方を学ぶには、司馬遼太郎さんの本などがいいと思います。
編集後記
私は将来就職したい仕事がまだ決まっていないと相
談したら、「私も大学生の頃将来やりたいことが決まって
いなかったよ。」とおっしゃっていました。話を共感して
いくうちに気持ちが楽になり、もっと相談したいと思いま
した。他のスタッフの方からはお菓子を頂き友達の家に
来たような感覚でした。オフィスの雰囲気も清潔感が
ありました。
女性スタッフだけの便利屋
株式会社クライアントパートナーズ
URL:http://www.clientpartners.jp/
(取材日 2016 年 8 月 23 日)
目白大学 社会学部 メディア表現学科
伊藤里沙子
Fly UP