Comments
Description
Transcript
特集1 鉄道事故と安全 特集2 保存鉄道(その 4)
apan Railway & Transport Review 第三十三号(2002年12月) 今日の鉄道事故 論説 特集1 鉄道事故と安全 鉄道技術の発達と安全対策 齋藤 雅男 国連連合開発計画鉄道システム工学専門家 独立した事故調査_市民の権利と 社会の義務 ピーター・ファン・フォレンホーフェン 国際交通安全協会 (ITSA) 議長 欧州交通安全審議会委員 航空・鉄道事故調査委員会とその活動 佐藤 泰生 国土交通省 航空・鉄道事故調査委員会委員 編集長のデスクから ルーアン・アランソン有料道路会社 会長 事故がもたらす分断された英国鉄道への 不安 リチャード・ホープ 独立した第三者機関による事故原因の調査は、真相究明の唯一の方法であり、犠 牲者と家族を助け、また類似の事故が二度と起きないようにするための教訓を 残してくれる。ヨーロッパ交通安全審議会の創設者である著者は、アメリカと ヨーロッパにおける事故調査組織確率への歩みを振り返りつつ、独立した事故 調査がなぜ必要なのか、また独立した事故調査の組織と方法はいかにあるべき かを議論する。 1 9 9 1 年に発生した信楽高原鉄道列車衝突事故は、 日本における鉄道事故調査組 織の確立を促進することになった。新たに発足した航空・鉄道事故調査委員会の 委員が、同委員会鉄道部会の使命、組織、 調査対象事故、事故調査の方法などを解 説する。 信楽高原鉄道と地下鉄日比谷線の事故 フランスは米国NTSBのような事故調査 委員会を設立するのか クロード・アブラアム 鉄道の安全向上のために多大の努力がなされたにもかかわらず、鉄道事故は絶 えず起こり、人々の信頼を損ねてきた。事故は新しい安全対策の導入を促進し、 過去の事故例の教訓、新技術の導入、釣り合いのとれたシステムの構築が鉄道の 安全を向上させてきた。日本における過去の鉄道事故例を紹介しながら、事故の 性質が単純な人間の過失から、技術的要因と人的要因との錯綜へと変わってき たことを説明する。 レールウェイ・ガゼット・インターナ ショナル誌編集顧問 大多数の国には独立した航空事故調査組織があり、このモデルは次第に他の交 通機関にも適用されつつある。 アメリカのN T S B を先例として、 フランス政府の 運輸担当の高官であった著者はヨーロッパとフランスの現状を検討し、将来航 空、海上、陸上の各交通機関の事故調査組織が統合される可能性について論じ る。 民営化された英国の鉄道は、国鉄時代よりも安全性が低下したのか?一連の重 大事故は民営化の結果生じたのか?なぜ英国では自動列車停止装置の導入が遅 れているのか?高名の鉄道ジャーナリストが最近の鉄道事故の背景を解説し、 安全向上のための問題点と今後の見通しについて自説を開陳する。 特集2 保存鉄道(その 4) いまや廃線となった加悦鉄道の保存車両の保守と修繕について概説し、また京 加悦鉄道の遺産と木製蒸気機関車模型 都大学に保存されている、おそらく教育用に用いられた木製蒸気機関車模型を 堤 一郎 城下 荘平 職業能力開発総合大学校・能力開発センター研究員 京都大学総合博物館助教授 1891年に英国で作られ、 日本鉄道、国有鉄道、西濃鉄道、 大井川鉄道によって長く 使われた蒸気機関車2 1 0 9 号は、1 9 7 6 年に退役し大井川鉄道の駅に展示された。 1992年、 日本産業考古学会は同機を推薦産業遺産として認定し、大井川鉄道は同 機を日本工業大学に寄付することを決めた。 1993年、 動態に復元された2109号機 は埼玉県の同大学工業技術博物館に移された。 機関車No. 2109の修理と能動保存 丹治 明 鈴木 昭 紹介する。 日本工業大学 工業技術博物館 学芸員 日本工業大学 工業技術博物館 名誉教授 もう一つの視角から 文化と技術 マスラウル・ヒダヤッ インドネシア鉄道 人事・総務部長 インドネシア国鉄の幹部が久しぶりに日本を訪問し、なにがしかの変化に気が ついた。人々は今も早足で歩き、あっという間に朝食をすませる。しかし、列車の 中で読書する人は目立って少なくなり、車内で携帯電話を使わないでという放 送が頻繁に行われているというのに、ほとんどの人々は携帯電話でメールを送 ることに熱中している。 日本の鉄道事業者7 関東南部地域 高嶋 修一 東京大学大学院博士課程学生 本シリーズ第7 回は、 東海道、 内房、 外房などのJ R 東日本各線、小田急、 東急、京急 などの私鉄各線、 横浜市営地下鉄などを紹介する。 トピックス 2002年5月から2002年7月まで 写真特集 東北新幹線八戸延伸開業 / JR東日本の事故防止教育 Copyright © 2002 EJRCF. All rights reserved.