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おっぱい通信第10号

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おっぱい通信第10号
おっぱい通信 第10号
今年もインフルエンザが流行する季節となりました。そこで、今回はインフルエンザワクチンと抗イン
フルエンザ薬について Q&A により、お話したいと思います。
授乳していますが、インフルエンザワクチンを接種しても問題ありませんか?
A, インフルエンザワクチンは病原性をなくしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で
増えることがなく、母乳を介して赤ちゃんに影響を与えることはありませんので、授乳期間中にインフ
ルエンザワクチンを接種しても問題ないと言われています。
なお、お母さんのワクチン接種により、赤ちゃんへのインフルエンザの予防効果を期待することはで
きません。
授乳期間中にインフルエンザウイルスに感染したら、インフルエンザの治療薬を
服用しても大丈夫ですか?
A, 抗インフルエンザ薬であるタミフル、リレンザは、ともに動物実験によると乳汁に移行することが
報告されていることから、添付文書上では授乳を避けることと記載されていますが、米国 CDC(疾病
対策センター)は授乳婦に抗インフルエンザ薬の使用を勧めています。また、日本産婦人科医会でも、
母乳を介した新生児に対する副作用の根拠がよくわかっていないので、治療上必要と判断される場
合は授乳婦の同意を得た上で使用してよいとしています。
タミフルはお母さんが服用した量の 0.5%を赤ちゃんが摂取すると考えられています。この量であ
れば赤ちゃんに対する影響は少ないと言われています。また、吸入薬のリレンザは全身に吸収されに
くいので、母乳に移行する量は限定的で、有害な作用が出るリスクは低いと言われています。なお、他
の抗インフルエンザ薬(ラピアクタ、イナビル)については、使用例が少ないために安全性はまだ確立
されていません。
インフルエンザは一般的には、罹患しても自然治癒する疾患です。したがって、抗インフルエンザ薬
は服用せず、解熱剤などの一般的な薬だけを必要に応じて使用するという選択もあります。これらの
情報を基に、医師と相談の上、治療薬を選んでいただくとよいと思います。
授乳期間中にインフルエンザウイルスに感染した場合も、母乳育児をやめる必要はありません。
インフルエンザウイルスは主に気道系の上皮細胞で増殖しますので、血液中にウイルスが存在するこ
とは極めて稀です。また、存在した場合でも非常に微量であると言われていますので、母乳中にイン
フルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して赤ちゃんに感染を起こすことはほとんどないと考えられ
ています。ただ、お母さんと赤ちゃんは濃厚に接触するため、赤ちゃんに感染する可能性は高くなりま
す。感染予防のためにマスクをし、赤ちゃんの顔に咳やくしゃみをかけないよう注意しましょう。そして
授乳前には石けんでよく手洗いをするように心がけましょう。
国立病院機構 福島病院 薬剤科
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