Comments
Description
Transcript
問 - LEC東京リーガルマインド
はしがき 本書は, 『出る順宅建』シリーズのアウトプット編として,従来から 大好評をいただいているハンディタイプの過去問集です。 宅建試験は,近年では合格率が 15%~ 17%台という難関試験ですの で,効率の良い学習が求められます。そこで,本書では,以下のような 工夫をしています。 ①インプット用のテキストである『出る順宅建 合格テキスト』と完全 リンク 『出る順宅建 合格テキスト』を読み,該当分野を『ウォーク問』で問 題演習をすることによって,効率良く知識確認をすることができま す。 ひとこと ②誤りの選択肢に,一言解説を掲載 誤りの選択肢については,冒頭の一言解説を一読すれば,どの部分が 誤りなのかを一目でチェックすることができます。 ③選択肢ごとに『出る順宅建 合格テキスト』の「公式」番号を掲載 正誤を判断できなかった選択肢については,該当する「公式」に戻っ て復習することで,効率的に弱点補強をすることができます。また, 重要な選択肢には☆マークが付いています。 ④問題ごとに4段階の重要度ランクを掲載 もっとも重要度の高い「特Aランク」から, 重要度の低い「Cランク」 までの4段階に分けていますので,優先順位を明確にして復習するこ とができます。 ⑤ LEC 専任講師による「宅建本試験の解き方講座」を掲載 重要項目の末尾に LEC 専任講師による解き方講座を掲載しました。こ れにより,効率の良い解法テクニックを身に付けることができます。 本書を最大限に活用し, ぜひとも 2013 年の合格を勝ち取ってください。 2012 年 12 月吉日 株式会社 東京リーガルマインド LEC 総合研究所 宅建試験部 C O N T E N T S はしがき 『ウォーク問』5大特長 こうして使えば効果バツグン! インターネット情報提供サービス 宅建業法 宅建業の意味 ………………………………………………… 3 事務所の設置 ………………………………………………… 23 免許の申請 …………………………………………………… 29 免許の効力 …………………………………………………… 39 事務所以外の場所の規制 …………………………………… 49 取引主任者の登録 …………………………………………… 57 取引主任者証 ………………………………………………… 71 取引主任者総合 ……………………………………………… 77 手続きの総合問題 …………………………………………… 97 営業保証金 ………………………………………………… 109 弁済業務保証金 …………………………………………… 129 保証金総合 ………………………………………………… 147 媒介・代理契約 …………………………………………… 151 広告等に関する規制 ……………………………………… 175 重要事項の説明 …………………………………………… 187 37条書面 …………………………………………………… 209 35条・37条書面 ………………………………………… 221 その他の業務上の規制 …………………………………… 229 クーリング・オフ ………………………………………… 233 手付金等の保全措置 ……………………………………… 245 自己所有に属しない物件の契約締結の制限 …………… 253 瑕疵担保責任についての特約の制限 … …………………… 自ら売主制限総合 … ………………………………………… 住宅瑕疵担保履行法………………………………………… 業務上の規制総合 … ………………………………………… 報酬額の制限 … ……………………………………………… 監督処分 … …………………………………………………… 監督処分・罰則 … …………………………………………… 宅建業法の総合問題 … ……………………………………… 255 257 277 283 305 313 325 327 『ウォーク問』5 大特長 過去の出題で変わった点は 改題として掲載! 過去に出題された問題で,改正法等に対応するようかたちを変 えた問題は, 「改題」として掲載しています。したがって, 『ウォー ク問』を解くことによって,2013 年度の本試験に出題される最 新の知識を身に付けることができます。 なお,試験に関係する法令には,必ず改正があります。LEC では, 「法改正・統計情報」をインターネット上で公開しています。 詳細は,巻頭「インターネット情報提供サービス」のページをご 覧ください。 『ウォーク問』5 大特長 とにかく持ち歩くのに便利! いつでもどこでも『ウォーク問』! ページのオモテには問題文,ウラには解説文が載っている 1 枚 完結型です。 ハンディタイプなので,とにかくどこへ行くにもいっしょに持 ち歩いてください。 また一度開いたら閉じにくい特殊製本を採用しているので,片 手でも開きやすくなっています。ちょっとした空き時間などを有 効に活用して問題演習に取り組んでください。 『ウォーク問』の名前は,「いつでもどこでも場所を選ばず解け る」ことから付けられたのです! 『ウォーク問』5 大特長 最重要問題を厳選! 『出る順宅建 合格テキスト』 に完全対応! 過去に出題された問題の中から,本年度の試験対策に必要不可 欠の問題を厳選して収録しました。本書に収録された問題を徹底 的に学習することで,本試験を突破するための実力がつきます。 また,解説右側にある公式番号は『2013 年版 出る順宅建 合 格テキスト』の「公式」に完全対応していますから,本書と併用 していただくことで理解を深めることが可能です。 『ウォーク問』5 大特長 直近 3 年間の出題を分析し, 全問に重要度ランクを表示! 実際に出題された試験問題のうち,直近3年間の出題を表にし て分野ごとにまとめました。 この「最近の出題傾向」の表を見ることで,最近の宅建試験は どこから出題されているのか傾向がつかめますから,効率的な問 題練習ができます。 さらに,各問題文の見出しに,重要度を表すランクを特 A・A・ B・C と4段階で表示して,特に重要な問題がひと目で分かるよ うにしました。 重要度を見ることで,自分がどの問題から手を付けるべきかが 分かり,直前期に確実な点数アップ対策がとれます。 …… 最重要の問題 …… かなり重要な問題 …… まあまあ重要な問題 …… 参考程度の問題 『ウォーク問』5 大特長 ひとこと 一言解説で「誤りのポイント」をスピー ドチェック! 選択肢の中には,本試験によく出題されている重要知識が隠れ ています。そこで,近年の本試験問題の傾向を分析し,重要な肢 には☆印を付けました。☆のついている選択肢から優先的に復習 してください。 誤りの選択肢には,どこが誤っているかがひと目でわかるよう 「一言解説」を入れました。宅建試験に合格するためには『ウォー ク問』を繰り返し解くことが不可欠。 「一言解説」だけで理解で きれば,詳しい解説を読む手間が省けます。これにより,効率の 正解肢 4 合格者正解率 不合格者正解率 受験者正解率 ☆❶ 誤 後で返納するのではなく,引換え交付となる。 登録の移転の申請とともに取引主任者証の交付を申請したと 出る順宅建 よい学習が可能となります。 2 公 式 20 き,新たな取引主任者証の交付は,従前の取引主任者証と引換え に行われる(規則 14 条の 14)。よって,本肢は誤り。 ☆❷ 誤「速やかに」「甲県知事に」提出しなければならない。 取引主任者が,事務禁止処分を受けたときは,速やかに,取引 公 式 21 主任者証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければなら ない(業法 22 条の2第7項)。したがって,Aは, 「速やかに」 「甲 県知事」に取引主任者証を提出しなければならない。よって,本 肢は誤り。 ☆❸ 誤 交付申請前6カ月以内に行われる講習を受講。 取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは登録を している都道府県知事が指定する講習で交付申請前6カ月以内に 行われるもの(法定講習)を受講しなければならない(業法 22 条の3第2項,22 条の2第2項)。 「1年以内」ではない。よって, 公 式 20 こうして使えば効果バツグン! 1度解いて正解できなかった問題だけを 切り離す できなかった問題のみを,直前期に集中して問題練習できます。 問題の下にある「正解チェック欄」を有効活用してください。 『出る順宅建 合格テキスト』の 項目ごとにはさみ込んで使う 『出る順宅建 合格テキスト』を読んだ後,その項目を本書で問 題練習する際,あるいは並行して解き進む際,項目ごとに問題を 切り離して『出る順宅建 合格テキスト』にテープやノリなどで 止めてはさめば,必ず問題練習をするクセがついて,さらに効果的 です。 こうして使えば効果バツグン! 解説ページの「正解率」を有効活用する LEC では,2000 年以降多くの受験者の方々に解答番号の再現 をお願いし,このデータをコンピュータで集計した問題ごとの正 解率を出しています。 このうち正解率の高い問題を中心に,特に合格者正解率が 70%以上の問題は確実に正解できるようにしましょう。 ※2 012 年の問題の正解率は,合格発表後ホームページで公開します。 詳しくは「インターネット情報提供サービス」のページをご覧ください。 正解肢 3 合格者正解率 不合格者正解率 72.8% 41.0% 受験者正解率 59.5% 電車の往復時間を利用して問題を解く 解答時間を 1 問 2 分ぐらいと決めて,通勤電車のなかで問題を 解いてみましょう。 「電車に乗っている時間に何問やるぞ!」と いう気合いが入るのと同時に,短期間で集中力をつけることがで きます。 もちろん, どんな使い方をしても通勤時間の利用は効果的です。 電車やバスのなかでどんどん解いてみてください。 こうして使えば効果バツグン! 「正解チェック欄」で, 間違えた問題を繰り返し解く 各問題文の下段に「正解チェック欄」を設けて,1 回問題を解 くごとにその結果を記入できるようにしました。 この「正解チェック欄」を使うことで,どの問題を自分が間違 えたのかが記録に残り,弱点がはっきり分かるので,復習の目安 となります。試験前日には,2 回以上間違えた問題だけを解くと いうような使い方もできます。 こうして使えば効果バツグン! どれだけ実力が付いたか, 「実力診断模試」で自己分析 『ウォーク問』で分野別にすべての問題を解き終わり,間違え た問題のチェックがすべて終わった方は,出題範囲を限定しな い総合問題である「実力診断模試」を 120 分間で解き,本試験を シミュレートしてください。 個人成績表で受験者中の自分の順位を把握するとともに,弱点 を発見し,本試験までに克服してください。 ( 2013 年向け「実力診断模試」は,7 月末実施予定です。弊社 ホームページよりお申込みください。 ) 宅建業法 最近の出題傾向 2010 2011 2012 2010 2011 2012 宅建業の意味 広告等の規制 事務所の設置 重要事項の説明 免許 37 条書面 事務所以外の場所 その他の業務上の規制 取引主任者 自ら売主制限 営業保証金 報酬額の制限 弁済業務保証金 監督・罰則 媒介・代理契約 ★法改正点は本試験に頻繁に出題されます。 税法改正情報は LEC 宅建ホームページ www.lec-jp.com/takken/ にアクセスしてください(2013 年8月末予定)。 2 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 ●宅建業法 宅建業の意味 問 1 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」とい う。 )に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定 によれば,正しいものはどれか。 ❶ 建設会社Aが,所有宅地を 10 区画に分割し,宅地建物取引業者Bの 代理により,不特定多数に継続して販売する場合,Aは免許を受ける必 要はない。 ❷ 農業協同組合Cが,所有宅地を 10 区画に分割し,倉庫の用に供する 目的で,不特定多数に継続して販売する場合,Cは免許を受ける必要は ない。 ❸ 甲県住宅供給公社Dが,住宅を不特定多数に継続して販売する場合, Dは免許を受ける必要はない。 ❹ 宅地建物取引主任者Eが,E名義で賃貸物件の媒介を反復継続して 行う場合,Eが宅地建物取引業者Fに勤務していれば,Eは免許を受け る必要はない。 (本試験 2003 年問 30 出題) 正解 チェック 欄 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 3 ☆❶ 誤 3 不合格者正解率 92.7% 70.3% 受験者正解率 80.9% Aは宅地の売主なので免許必要。 宅地の所有者が,宅建業者の代理により宅地を不特定多数に継 出る順宅建 正解肢 合格者正解率 2 公 式 1 続して販売する場合,その効果は所有者に帰属する(民法 99 条 1 項)。この場合,所有者Aが自ら宅地を不特定多数に継続して 販売することになるので,Aは免許を受ける必要がある(業法 2条2号,3条1項)。よって,本肢は誤り。 ☆❷ 誤 農業協同組合も免許必要。 所有宅地を 10 区画に分割し,不特定多数に継続して販売する 公 式 1 場合,宅建業にあたり,免許を受ける必要がある(業法2条2号, 3条1項)。農業協同組合であっても同様である。よって,本肢 は誤り。 ☆❸ 正 国および地方公共団体には宅建業法の規定は適用されず (業法 78 条1項),免許を受ける必要はない。そして,地方住宅 公 式 2 供給公社は地方公共団体とみなされる(地方住宅供給公社法 47 条,施行令2条1項4号)。したがって,地方住宅供給公社Dは 免許を受ける必要はない。よって,本肢は正しく,本問の正解肢 となる。 ☆❹ 誤 宅建業を行う以上,免許必要。 自己名義で賃貸物件の媒介を反復継続して行うことは宅建業に あたり,免許を受ける必要がある(業法2条2号,3条1項)。 宅建業者に勤務している取引主任者が行う場合でも,同様である。 したがって,Eは免許を受ける必要がある。よって,本肢は誤り。 4 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 公 式 1 ●宅建業法 宅建業の意味 問 2 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」とい う。 )に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 ❶ Aが,競売により取得した宅地を 10 区画に分割し,宅地建物取引業 者に販売代理を依頼して,不特定多数の者に分譲する場合,Aは免許を 受ける必要はない。 ❷ Bが,自己所有の宅地に自ら貸主となる賃貸マンションを建設し, 借主の募集及び契約をCに,当該マンションの管理業務をDに委託する 場合,Cは免許を受ける必要があるが,BとDは免許を受ける必要はない。 ❸ 破産管財人が,破産財団の換価のために自ら売主となって,宅地又 は建物の売却を反復継続して行い,その媒介をEに依頼する場合,Eは 免許を受ける必要はない。 ❹ 不特定多数の者に対し,建設業者Fが,建物の建設工事を請け負う ことを前提に,当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続して あっせんする場合,Fは免許を受ける必要はない。 (本試験 2007 年問 32 出題) 正解 チェック 欄 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 5 2 不合格者正解率 96.3% 80.8% 受験者正解率 89.9% ☆❶ 誤 Aは宅地の売主なので免許必要。 宅地の所有者が,宅建業者の代理により宅地を不特定多数の者 出る順宅建 正解肢 合格者正解率 2 公 式 1 に継続して販売する場合,その効果は所有者に帰属する(民法 99 条1項)。すなわち,所有者自身は,自ら宅地を不特定多数の者 に継続して販売することになるので,免許を受ける必要がある(業 法2条2号,3条1項)。したがって,Aは,免許を受ける必要 がある。よって,本肢は誤り。 ☆❷ 正 自己の所有地にマンションを建築し,自ら賃貸すること や,マンションの管理を行うことは,宅建業の「取引」に含まれ 公 式 1 ず,宅建業にはあたらない。他方,Cは,Bからの代理の依頼を 受けて建物を不特定多数の者に反復継続して賃貸することになる ので,Cの行おうとする行為は宅建業にあたる。したがって,C は免許を受ける必要があるが,BおよびDは免許を受ける必要は ない(業法2条2号,3条1項)。よって,本肢は正しく,本問 の正解肢となる。 ☆❸ 誤 Eは建物の売買の媒介をしているため,免許必要。 宅地または建物の売買の媒介を業として行うことは,宅建業に 公 式 1 あたり,免許を受ける必要がある(業法2条2号,3条1項)。 したがって,Eは,免許を受ける必要がある。よって,本肢は誤り。 ☆❹ 誤 建物の敷地は「宅地」。あっせんは「媒介」。 建物の敷地に供せられる土地は宅地であるから,その売買の あっせん(媒介等)を反復継続して行うことは,宅建業にあたる(業 法2条1号,2号)。したがって,Fは,免許を受ける必要があ る(業法3条1項)。よって,本肢は誤り。 6 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 公 式 1 ●宅建業法 宅建業の意味 問 3 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」とい う。 )に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 ❶ 農地所有者が,その所有する農地を宅地に転用して売却しようとす るときに,その販売代理の依頼を受ける農業協同組合は,これを業とし て営む場合であっても,免許を必要としない。 ❷ 他人の所有する複数の建物を借り上げ,その建物を自ら貸主として 不特定多数の者に反復継続して転貸する場合は,免許が必要となるが, 自ら所有する建物を貸借する場合は,免許を必要としない。 ❸ 破産管財人が,破産財団の換価のために自ら売主となり,宅地又は 建物の売却を反復継続して行う場合において,その媒介を業として営む 者は,免許を必要としない。 ❹ 信託業法第3条の免許を受けた信託会社が宅地建物取引業を営もう とする場合,免許を取得する必要はないが,その旨を国土交通大臣に届 け出ることが必要である。 (本試験 2010 年問 26 出題) 正解 チェック 欄 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 7 4 不合格者正解率 87.2% 60.8% 受験者正解率 77.6% ☆❶ 誤 宅地の売買の代理を業とするから免許必要。 農業協同組合は,免許不要の例外にあたらない。そして,宅地 出る順宅建 正解肢 合格者正解率 2 公 式 1 の売買の代理を業として行う以上,宅建業にあたり,免許を必要 とする(業法2条2号,3条1項)。よって,本肢は誤り。 ☆❷ 誤 「自ら貸借」は免許不要。 自ら借り受けた建物を他に転貸する行為も「自ら貸借」に該当 公 式 1 し,「取引」にあたらないため,免許を必要としない(業法2条 2号,3条1項)。よって,本肢は誤り。 ☆❸ 誤 宅地・建物の売買の媒介を業とするから免許必要。 宅地・建物の売買の媒介を反復継続して行う以上,媒介の依頼 公 式 1 者を問わず,「宅建業」にあたるから,免許を必要とする(業法 2条2号,3条1項)。よって,本肢は誤り。 ☆❹ 正 信託業法3条の免許を受けた信託会社は,免許に関する 規定が適用されないから,宅建業を営もうとする場合でも,免許 を取得する必要はないが(業法 77 条1項),信託会社が宅建業 を営もうとする場合は,その旨を国土交通大臣に届け出なければ ならない(業法 77 条3項)。よって,本肢は正しく,本問の正 解肢となる。 8 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 公 式 2 ●宅建業法 宅建業の意味 問 4 宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち,正しいも のはどれか。 ❶ Aが,その所有する原野を宅地予定地として区画割りした後,宅地 建物取引業者Bに代理権を授与して,その土地の売却を一括して依頼し, BがAの代理人として不特定多数の者に反復継続して売却する場合,A は,宅地建物取引業の免許を必要とする。 ❷ 甲県に本店を置き,乙県に支店を有する運送会社Cが,乙県にある 駐車場跡地を区画割りし,宅地として不特定多数の者に反復継続して売 却するため,乙県においてのみ宅地建物取引業を営もうとする場合,Cは, 乙県知事の免許を必要とする。 ❸ 宗教法人Dが,寺院の移転改築費に充てるため,寺院跡地を区画割 りし,宅地として不特定多数の者に反復継続して売却する場合,Dは, 宅地建物取引業の免許を必要としない。 ❹ E社が従業員の福利厚生事業の一環として自社の工場跡地を区画割 りし,宅地としてその従業員のみを対象に反復継続して売却する場合, E社は,宅地建物取引業の免許を必要とする。 (本試験 1988 年問 35 出題) 正解 チェック 欄 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 9 1 不合格者正解率 受験者正解率 ☆❶ 正 原野でも宅地予定地であれば建物を建てる目的があると いえるので,「宅地」にあたる(業法2条1号)。また,AがB 出る順宅建 正解肢 合格者正解率 2 公 式 1 に代理を依頼して不特定多数の者に反復継続して宅地を売却する 行為は「宅建業」にあたる(業法2条2号)。したがって,Aは 免許が必要である(業法3条1項)。よって,本肢は正しく,本 問の正解肢となる。 ☆❷ 誤 甲県の本店も事務所なので,大臣免許が必要。 宅建業以外の事業を主たる事業として営む者が,ある支店にお 公 式 6 いてのみ宅建業を営む場合には,その支店のほか,本店も宅建業 者の事務所とされる。したがって運送会社Cは,2以上の都道府 県の区域内に事務所を設けて宅建業を営むことになり,国土交通 大臣の免許を受けなければならない(業法3条1項,施行令1条 の2)。よって,本肢は誤り。 ☆❸ 誤 宗教法人も免許必要。 Dは,宅地を不特定多数の者に反復継続して売却するのである 公 式 1 から,免許が必要である(業法2条2号,3条1項)。よって, 本肢は誤り。 ☆❹ 誤 従業員のみが対象なので「業」にあたらず,免許不要。 「業」にあたるためには,不特定の人と取引を行うことが必要 である。E社は,従業員のみに売却するのであるから,特定人へ の売却である。したがって「業」にあたらないから,免許は不要 である(業法2条2号)。よって,本肢は誤り。 売却を「一括して依頼」したとしても,依頼を受けた宅建業者 が反復継続して取引するのであれば,免許を受ける必要がある。 10 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 公 式 1 ●宅建業法 宅建業の意味 問 5 次の記述のうち,宅地建物取引業法の免許を受ける必要 のないものはどれか。 ❶ 建設業法による建設業の許可を受けているAが,建築請負契約に付 帯して取り決めた約束を履行するため,建築した共同住宅の売買のあっ せんを反復継続して行う場合 ❷ 地主Bが,都市計画法の用途地域内の所有地を,駐車場用地2区画, 資材置場1区画,園芸用地3区画に分割したうえで,これらを別々に売 却する場合 ❸ 地主Cが,その所有地に自らマンションを建設した後,それを入居 希望者に賃貸し,そのマンションの管理をCが行う場合 ❹ 農家Dが,その所有する農地を宅地に転用し,全体を 25 区画に造成 した後,宅地建物取引業者Eに販売代理を依頼して分譲する場合 (本試験 2001 年問 30 出題) 正解 チェック 欄 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 11 3 不合格者正解率 98.0% 81.5% 受験者正解率 88.5% ☆❶ 必要 共同住宅も建物であるから,その売買のあっせん(媒 介等)を反復継続して行うことは,宅建業に該当する(業法2条 出る順宅建 正解肢 合格者正解率 2 公 式 1 2号)。したがって,Aは,宅建業の免許を受ける必要がある(業 法3条1項)。よって,本肢の場合,宅建業の免許を受ける必要 がある。 ☆❷ 必要 用途地域内の土地は,原則として宅地に該当するから, 用途地域内の所有地を数区画に分割して別々に売却することは, 公 式 1 宅建業に該当する(業法2条1号,2号)。したがって,Bは, 宅建業の免許を受ける必要がある(業法3条1項)。よって,本 肢の場合,宅建業の免許を受ける必要がある。 ☆❸ 不要 「自ら貸借」は免許不要。 マンションを建設すること,およびそのマンションを賃貸する 公 式 1 ことや,その管理を行うことは,宅建業の「取引」に含まれず, 宅建業に該当しない(業法2条2号)。したがって,Cは,宅建 業の免許を受ける必要はない(業法3条1項)。よって,本肢の 場合,宅建業の免許を受ける必要がなく,本問の正解肢となる。 ☆❹ 必要 自己の所有する宅地を 25 区画に造成した後に分譲す ることは,たとえ販売代理を宅建業者に依頼したとしても,宅建 業に該当する(業法2条2号)。したがって,Dは,宅建業の免 許を受ける必要がある(業法3条1項)。よって,本肢の場合, 宅建業の免許を受ける必要がある。 本問は,宅建業の意味に関する理解を問う問題である。宅建業 の意味に関する問題を解くにあたっては,①誰が,②何を,とい う点をチェックしよう。 12 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 公 式 1 ●宅建業法 「宅建業の意味」が問われたら 本試験において,宅建業法の第一問として問われることが多い 項目です。 この問題につまずくと後の問題に大きく影響を与えます。万全の状態 で挑めるようにしておくべきです。 宅建業の免許の要否が問われますので, 「宅地」 「建物」 「取引」 「業」 とは何か,意味をしっかり理解したうえで,問題演習を繰り返してくだ さい。宅建業法全体を通じ,学習の早い段階で問題演習に取り組むこと が合格への近道です。 学習上の注意 「宅地」とは 「建物」とは 「取引」とは 「業」とは それぞれのキーワードを正確に理解してください。 そして,問題文から登場人物の行為を読み取ってください。 「宅地」ま たは「建物」の「取引」を「業」として行っ ているでしょうか。行っているのであれば, 免許が必要です。 LEC 専 任 講 師 水 野 健 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 21 土地家屋調査士 「合格」発表の日 (ウォーク問①から続く) やはり人生, 「失敗」から学ぶことがあるのは確かです。先輩の言葉を 真に受けて,一度目の宅建受験で失敗した私は,その苦い経験を教訓に, 何を受験するにも全力で取り組むようになりました。後日,宅建試験に 合格することができたのは言うまでもありません。 そして人生, 「成功」から学ぶことがあるのも確かです。皆さんも宅建 試験の学習を通じて,ご自分の勉強方法に自信を持てたら,スキルアッ プを目指して,次の資格にチャレンジしてください。 私が取得・開業している土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記 の専門家です。土地や建物を調査測量し,登記を申請するのが主な仕事 です。将来的に安定した収入が期待でき,独立開業も可能な資格です。 土地家屋調査士試験で問われているのは, 民法や不動産登記法など,宅建試験でおなじ みの科目です。宅建で基礎を勉強するので, 土地家屋調査士の試験勉強をスムーズに進め ることができます。 皆さんも土地家屋調査士という魅力的な資 LEC 専任 講 師 池 永 徹 博 土地家屋調査士:平成 7 年合格 格をめざしてみませんか。 (ウォーク問③へ続く) 土地家屋調査士試験についての詳細な情報はコチラ! w w w . l e c-jp.com/ chousash i / 22 LEC東京リーガルマインド 2013年版出る順宅建ウォーク問過去問題集②宅建業法 出る順宅建シリーズ 2013 年版 出る順宅建 ウォーク問 過去問題集 2 宅建業法 1988 年 8月 24日 第 1版 第 1 刷発行 2013 年 1月 10日 第 26版 第 1 刷発行 編著者 ● 株式会社 東京リーガルマインド LEC 総合研究所 宅建試験部 発行所 ● 株式会社 東京リーガルマインド 〒 164-0001 東京都中野区中野 4-11-10 アーバンネット中野ビル ☎ 03(5913)5011(代 表) ☎ 03(5913)6336(出版部) ☎ 048(999)7581(書店様用受注センター) 振 替 00160-8-86652 www. lec-jp.com/ 本文フォーマットデザイン●エー・シープランニング 千代田 朗 本文イラスト●髙橋 雅彦 印刷・製本●倉敷印刷株式会社 ⓒ 2013 TOKYO LEGAL MIND K.K., Printed in Japan 複製・頒布を禁じます。 ISBN978-4-8449-9616-3 本書の全部または一部を無断で複製・転載等することは,法律で認められた場合を除き,著作者及び 出版者の権利侵害になりますので,その場合はあらかじめ弊社あてに許諾をお求めください。 なお,本書は個人の方々の学習目的で使用していただくために販売するものです。弊社と競合する営 利目的での使用等は固くお断りいたしております。 落丁・乱丁本は,送料弊社負担にてお取替えいたします。出版部までご連絡ください。