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人 間 科 学 (XXIV)
人 間 科 学 (XXIV) 筒 井 健 雄 信州大学教育学部紀要第 6 0号 1 9 8 7年 8月 3 5 人間科学 (XXIV) 一一大学生における心身二元論一一 筒井健雄 研究 1 ( 19 8 1 " ' 1 9 8 2年のもの〉 目的 高橋(19 7 5 ) は、D e s c a r t e s的二元論は心理学のような心身相関の問題を扱う学問の世界 の日常的な認識論において,依然,われわれの思考を拘束しつづけており,心理学にとって e s c a r t e s的二元論がし、 真に深刻な問題は,むしろ,ここから発生する。かと述べている。 D かに心身相関問題の科学的解明にとって障害となっているかは多少なりともこの方面を探っ てみたことのある心理学者には自明のことということができょう。 D e s c a r t e s的二元論を克服するためには筒井(19 7 5 ) の提唱する、科学的存在観。による ことが現在のところ,ひとつの,妥当な方法である。その科学的存在観を大学生に教育し普 及するためには,まず彼らが無意識に抱いている心身二元論を知らなければならない。それ を知ってこそ,教育の方法が具体的になるからである。 e s c a r t e s的二元論は既に長 それでは,それを知るためにはどうしたらよいであろうか。 D い間伝えられてきているので,その影響はほとんど我々の無意識の層にまで浸透していると e s c a r t e sならばこう答えるであろうと思われる回答が出てく 考えてよい。そうしてみると D るような質問項目を用意して,それへの反応を調べてみればよいと考えられる。 e s c a r t e sは動物以下の存在を自動機械と考えていた。それらには精神などとい 例えば, D うものはなく死ねば完全に消滅するのである。しかし,彼にとって人聞は動物と違った特別 のものと考えられていたので、ある。彼は、精神は身体と全く別箇のものである J と述べて いる。(デカルト著,落合訳 1 9 5 6 ) したがって,物質,植物,動物,人間にかかわる簡単な質問項目を用意して D e s c a r t e sな らばこう答えるだろうと想定すると同時に現代日本の大学生集団ならば,こう答えるだろう と予想してみることにしよう。 物質であって,しかも動いているものの代表として地球を取り上げ,動物では食用であっ て植物に近いと思われる豚をあげ,さらに愛玩用として,より人間に近いペットを取り上げ e s c a r t e sに答えて る。したがって,地球,植物,豚,ペット,人聞が質問の対象である。 D もらうなら,動物に精神のようなものは無いのであるから,ベット以下のものは総て死ねば それで終りである。ただ人間についてだけは死んでも精神(魂〉は残るのである。 ところで,これらの質問項目に対して大学生ならばどう答えるであろうか。恐らく一人一 人の答はバラパラであろうが,集団としては一定の傾向が現われるであろう。例えば実体が 3 6 信州大学教育学部紀要 N . o60 壊れても,その機能が残るとする者の割合は物質よりも植物,植物よりも食用動物,食用動 物よりも愛玩動物,愛玩動物よりも人間となるに従って高くなるであろう。また二つの大学 生集団がある場合,宗教性の高い集団の方が機能を不滅とする割合が全体的に(特に豚,ペ Iとする。 ット,人聞において)高くなるであろう。先の予想、を仮説 1,後の予想、を仮説 I (宗教性の高さは科学性の低さを表わすとも考えられる〉 方法 被験者長野市にある清泉女学院短期大学一年生 1 1 8名 , 1 9 8 1年 6月2 7日調査。信州大学教 3名,女6 0名,計 1 5 3 名 , 1 9 8 2年 4月 8日調査。間後期の学生 育学部 2年生,男 9 2年生, 男5 3 名,女 6 8 名,計 1 2 1名 , 1 9 8 2年 1 0月1 4日調査。信州大学理学部 3年生他,男 1 2 0名,女 1 4 名,計 1 3 4名,(3年生の占める割合は83%,他は 3年生以上の者), 1 9 8 2年 7月1 9日調査。 以上,いずれの集団も,この調査を初めて経験する者ばかりである。 材料調査項目は以下に示すものである。 心にかかわる 6つの質問 分子生物学や遺伝子工学など生命科学の発達と共に心の問題が改めて人々の関心を集め始 めております。そこで,以下の 6つの心にかかわる質問をします。それらに対するあなたの 卒直な考えを示してください。 (1) 施行方法 Cardの所定欄に学生番号,氏名を記入してください。質問項目を読んで,その選択肢 1, 2, 3,のうちどれか一つ「自分に最もぴったりするもの J ,1"これがまあょいと思う もの」を選んでくださ L、。なるべくしか 2,を選ぶようにしてください。 ( I I ) 質問項目 (1) 心身問題について 1 死ぬと身体は消滅するが,心は何らかの形で残る。(霊魂不滅説) 2 死ぬと身体と同様,心もまた消滅する。(霊魂消滅説) 3 どうしてもきめられない。わからなし、。 (2J 一匹の豚が死にました。その豚の魂は? 1 どこかに残る。 2 消滅する。 3 どうなるのかわからなし、。 (3J ある一本の植物が枯れました。その植物の成長する力は? 1 どこかに残る。 2 消滅する。 3 どうなるのかわからない。 (4J ある人が死にました。その人の魂は 7 l どこかに残る。 筒井:人間科学 (XXIV) 3 7 2 消滅する。 3 どうなるのかわからない。 C5J もし地球が消滅したら,地球の自転や公転は? 1 どこかに残る。 2 消滅する。 3 どうなるのかわからない。 C6J 私の可愛がっていたベットが死にました。そのベットの魂は? l どこかに残る。 2 消滅する。 3 どうなるのかわからない。 質問項目 C I Jは信州大学教育学部学生についてのみ,回答矛盾者を除外したり,霊魂不滅 群,消滅群を設定するために使用した。 清泉女学院短期大学一年生では提示順序が地球,植物,豚,ベット,人間とし、う順序であ った。他の集団で提示順序を変えた理由はこの順序の違いによって反応値の順位に変化があ るかどうかみるためで、ある。 結果と考察 機能の不滅・消滅に関する大学生の集団毎の反応の違いは TABLE 1に示した。この表で は実体が消滅しても機能は何らかの形で残るとした者を、不滅群かとし,消滅するとした者 を、消滅群かとし,どうなるのかわからないとする者を、不明群。として表わしてある。な お,信州大学教育学部 2年生で 1 9 8 2年 4月 8日調査の集団を信大教(前期),同年 1 0月1 4日 調査の集団を信大教(後期〉と表わしである。 F I G . 1には各大学生集団毎の,また,質問項目毎の、不滅群'の割合を図示した。(この 割合(%)のことを機能不滅値とも呼ぶことにする。〉質問項目は地球,植物,豚,ベット, 人間の順に等距離に配置した。質問項目の順位に変化はなかった。 F I G . 1からわかるように信州大学理学部を除いて総ての集団の機能不滅値が物質から人間 へと次第に上昇している。この傾向は上に述べたように質問項目の提示順序にはよらないの である。以上の結果からみて,仮説 Iはほぼ実証されたとみてよいであろう。 理学部の場合は植物だけが異常に落ち込んでいるだけで,あとは仮説 Iを実証しているの である。理学部では調査中に一人の学生が、種が残ることはその植物が枯れても成長する力 が残ると考えてよいか γ との質問をした。このような質問は他の 3つの集団で、は無かった ものである。研究者はその時、種が残ることはその植物の生死とは別の事柄である。その植 物自体の成長力を考えてほしい J と答えた。こうした応答が影響した結果で、はないかと思 われる。結果論ではあるが,この時の適切な答は、どのように考えても結構です。自分で考 えて答えてください。かというものではなかったかと思うのである。 さらに第 2の仮説に関係するのは,学年が低く,宗教的な雰囲気の濃い集団ほど機能不滅 直線(それぞれの集団毎に地球,植物,豚,ペット,人間の順に機能不滅値の点を結ぶと, 3 8 信州大学教育学部紀要 N u6 0 TABLE 1 機能の不滅・消滅に関する大学生の % 反応(人数と割合〉 1 0 0 ( 信 1 前 5 大 3 期 名 教 〉 )( 信 〔 1 後 2 大 1 期 名 教 〉 〉( ( 女 清 1 1 短 8名 泉 大) 〔 理 信 1 3 学 4 名 大 部〕 。----0青泉女短大 百分率 百分率 百分率 百分率 争ー-信大教(後期) 地 球 不滅 3 5 . 6 1 2. 4 2 4 . 8 1 7 . 2 l の 消滅 5 8 . 5 8 2 . 4 7 3 . 6 7 8 . 4 不明 5 . 9 5 . 2 1 .7 4 . 5 不滅 4 9 . 2 3 0 . 7 3 3 . 9 1 0 . 4 消滅 4 9 . 2 6 8 . 6 6 2 . 0 8 6 . 6 不明 1 .7 0 . 7 4 . 1 2 . 9 豚 不滅 6 4 . 4 4 4 . 4 4 7 . 1 2 6 . 1 3 の 消滅 2 0 . 3 4 9 . 7 4 7 . 9 6 5 . 6 魂 不明 1 5 . 3 5 . 9 5 . 0 8 . 2 、 、 不滅 8 2 . 2 5 3 . 6 5 2 . 9 31 .3 運 動 2 物 植 の 長 成 力 J C ト ー - ーo信大教(前期) ー - i 言大理学部 5 0 ツ 4 ト 消滅 9 . 3 41 .2 4 3 . 8 5 9 . 7 の 魂 不明 8 . 4 5 . 2 3 . 3 9 . 0 不滅 8 9 . 8 6 2 . 7 6 2 . 0 3 7 . 3 消滅 4 . 2 3 3 . 3 3 3 . 1 5 4 . 5 不明 5 . 9 3 . 9 5 . 0 8 . 2 人 間 5 の 魂 O 2 3 4 5 F I G . 1 大学生の集団別機能不滅値 それぞれほぼ直線となる〉の勾配は急となり,学年が高く科学的な雰囲気の高い集団ほど緩 くなる傾向がみられることである。例えばカトリック系の短期大学一年生の勾配は 4集団の 中で最大であり,信州大学理学部 3年生の勾配(質関項目 2の植物を除いて考えれば)は最 小である。そして信州大学教育学部 2年生の 2集団はともに両者のほぼ中間に位置している のである。 この結果からみて,将来一般の人々の聞に科学的認識が広まれば広まるほど,この勾配は 緩くなってゆくであろうことが予測できるのである。 しかも,これらの機能不滅直線はある一点に集中する。その一点と、人間での 100%の機 能不滅点'とを結ぶと,この直線が地球,植物,豚,ベットなどの垂直線と交わる点の値 (機能不滅値〉が得られる。それらは地球40%,植物55%,豚70%,ベット 85%である。 これらの値は人間の精神は死後も不滅であると考える人々(霊魂不滅論者集団〉の中の何 %の人々が地球や豚やベットの機能が不滅であると考えているかを示す理論的な値と考える ことができる。 これらの機能不滅直線が統計的に有意差を持つものかどうか調べてみよう o X2検定をし てみると分布の型にはどれも危険率 5 %で有意差はない。(肥田野,瀬谷,大川, 1 9 67 ) 個々の機能不滅値毎の差をみるためにど検定を行なってみると,信大教(前期〕と信大教 筒井:人間科学 3 9 (XXIV) (後期)との聞には地球において危険率 2.5%で有意差がみられた。 2 (df=2. x = 8 . 8 2 . X20.025= 7 . 3 8 ) 他は全て有意差なしである。清泉女短期大と信大教(後期)との聞は地球と 植物が危検率 5 %で有意,あとの 3つは危険率0.5%で、有意で、あった。その他の直線の聞の 差は信大教〔前期〉と信大理での地球における差がみられないだけで,他は全て個々の対応 する点の聞には危険率0.5%で有意差がみられたので、あった。 信州大学教育部学の 2集団についての分析 信大教(前期〉と信大教(後期〉の 2集団については,その結果をさらに細かく分析する。 まず,質問項目ClJと (4Jとは同じ質問を形を変えて行なったものであるが,回答者の 中には回答の矛盾を示している者がみられる。前記 2つの集団から,それらの者達を除外し 0名である。また,信大教(後 た。除外者は信大教(前期)集団では男 5名,女 5名 の 計1 1名である。 期〉集団では男 2名,女 9名の計 1 この結果を TABLE 2に示した。この表の信大教(後期〉集団を男女別の群に分け,それ ぞれの機能不滅線(直線とはし、し、難しうを. FIG.2に示した。信大教(前期〉の図は似たも のなので省略する。 これを見ると,男女ともに機能不滅値が地球,植物,豚,ペット,人間の順に増加してい TABLE 2 機能の不滅・消滅に関する信大生の 反応 % f 言大教〔前期) 信大教(後期〕 8 0, . . ー か 一 一 ーo信大教(後期)女 女 ( 8 8 男 名) ( 51 男 名) ( 5 9 女 名) 5 5名) ( 百分率 百分率 百分率 百分率 地 不滅 球 の 消滅 動 き 不明 1 2 . 5 1 2 . 7 1 7 . 6 2 8 . 8 8 5 . 2 7 6 . 4 8 2 . 4 6 7 . 8 I 2 . 3 1 0 . 9 不滅 2 6 . 1 3 8 . 2 3 3 . 3 2 の 消滅 7 3 . 9 61 .8 6 4 . 7 5 7 . 6 2 . 0 6 . 8 物 値 長 成 力 不明 。 。。 6 0 3 . 4 不滅 4 5 . 5 4 9 . 1 3 9 . 2 5 4 . 2 3 の 消滅 4 8 . 9 4 7 . 3 5 4 . 9 4 2 . 4 魂 不明 5 . 7 3 . 6 5 . 9 3 . 4 Ja ¥ 不滅 4 8 . 9 6 3 . 6 4 3 . 1 6 2 . 7 ト 消滅 の 魂 不明 4 f i . f i ~4.fi 51 .0 3 5 . 6 5 . 7 1 .8 5 . 9 1 .7 人 不滅 間 5 消滅 の 魂 不明 5 6 . 8 7 2 . 7 5 2 . 9 7 2 . 9 3 9 . 8 2 3 . 6 3 9 . 2 2 5. 4 3 . 4 3 . 6 7 . 8 1 .7 豚 ー---信大教(後期)男 j 4 0 2 0 ツ 4 」 O 2 3 4 5 F I G . 2 信大教(後期〉集団の男女別機能 不滅値 4 0 信州大学教育学部紀要 N . o6 0 る。このことから男女の別なく仮説 Iは成立することが分る。 こ関しては,男性の方が女性よりも機能不滅値が全体的に低い。このことは男 次に仮説 IH 性の方が女性よりも科学性が高い,あるいは宗教性が低いことを示していると思われる。た だし,ど検定を試みると,分布の型においても,対応する個々の機能不滅値においても有 意差はなかった。 また,教育学部の男子学生の方が理学部学生 (83%が男子学生)よりも機能不滅値が高い。 ど検定により危険率 5%で有意であるのは信大教(前期〉との聞では項目 3の豚,項目 4 のペット,項目 5の人間である。信大教(後期〉との聞では項目 2の植物,項目 5の人間で ある。有意で、なかったものについてもさらに研究すれば有意差が見つかるかもしれなし、。理 学部生の方が教育学部生よりも科学性が高いと思われるから,こうした結果が出たのもうな づけるものがある。なお,教育学部生は 2年生で理学生はほとんどの者が 3年生であること も,この結果に作用した要因と考えられよう。 信大教育学部の女子学生と清泉女学院短大の学生とを較べると,後者の方が機能不滅値が 高い。 x2検定を行なってみると信大教(前期) (女〉との問では項目 2の植物だけが有意で なかっただけで項目 1の地球は危険率 1%で有意,あとの項目は0.1%で有意であった。信 大教(後期) (女)との聞では項目 1の地球が有意でなかっただけで 意 3の豚は0.5%で有意 2の植物は 5 %で有 4のベットと 5の人 聞 は0.1%で有意であった。やはり,学年差と科 % 1 0 01-・-霊魂不滅群(男) 学的認識の修得程度が関係すると思われる。 。ーーo 霊魂不滅群(女) 信州大学教育学部の 2集団 についての一層の分布 TABLE2に示した群をさらに質問項目C1J と C4Jで,残ると答えた群(霊魂不滅群)と消 滅すると答えた群(霊魂消滅群〉とどうなるのか わからないと答えた群(霊魂不明群)とに分ける。 5 0 0 名,女 信大教(前期〉集団は霊魂不滅群が男 5 4 0名であり,霊魂消滅群は男 3 5名,女 1 3名であり, 名である。信大教〈後 霊魂不明群は男 3名,女2 ーー--霊魂消滅群(男) 7 名,女4 3名であり, 期〉集団は霊魂不滅群が男 2 0----0霊魂消滅群(女) 0名,女 1 5 名であり,霊魂不明群 霊魂消滅群が男 2 が男 4名,女 1名である。霊魂不明群は数が少な いので除外して結果を TABLE3と F I G . 3v こ示す。 F I G . 3は後期集団の霊魂不滅群と霊魂消滅群の機 O 能不滅値を男女別に図示したものである。 TABLE3 ,F I G . 3を見ると,霊魂不滅群の機 能不滅線は男女とも極めてよく似ていることがわ FIG. 2 . ー ふ ー ーι 3 4 5 3 信大教(後期〉霊魂不滅・消滅 群の男女別機能不滅値 筒井:人間科学 4 1 (XXIV) TABLE 3 機能の不滅・消滅に関する霊魂不滅・消滅群の反応 言 { 大 教 霊塊不滅群 ( 前 期 〉 信 教 大 霊魂不滅群 霊魂消滅群 〔 後 期 〉 霊魂消滅群 3 5名〕 女(13 2 7 名 〉 女 ( 4 3 名) 男 ( 男 ( 5 0 名 〕 女 ( 4 0名〉 男 ( 名 〉 男 ( 2 0名) 女(15 名〉 長 力 成 百分率 2 2 . 2 2 5 . 6 1 0 . 0 3 3 . 3 6 l .5 7 7 . 8 6 9 . 8 9 0 . 0 6 6 . 7 2 . 8 1 5 . 4 o. 0 4 . 7 。 。 4 2 . 5 l .4 1 2 3 . 1 5l .8 4 6 . 5 1 0 . 0 6 . 7 5 7 . 5 8 8 . 5 7 6 . 9 4 8 . 1 4 4 . 2 9 0 . 0 9 33 o. 0 9 . 3 0 . 0 。 . 0 0.0 7 4 . 4 百分率 百分率 1 0 . 0 7 . 5 1 7 . 1 2 3 . 1 8 8 . 0 8 2 . 5 8 0 . 0 2 . 0 1 0 . 0 不滅 3 8 . 0 消滅 6 2 . 0 不明 球 の 消滅 動 き 不明 2 百分率 百分率 地 不滅 物 植 の 百分率 百分率 百分率 。 . 0 0.0 目 0 . 0 0 . 0 0 . 0 不滅 7 8 . 0 6 7 . 5 2 . 9 0 . 0 7 4 . 0 3 の 消滅 1 6 . 0 3 0 . 0 9 7 . 1 2 5 . 9 2 3 . 3 1 0 0 . 0 5 定 不明 6 . 0 2 . 5 。 . 0 1 0 0 . 0 0 . 0 o. 0 2 . 3 0 . 0 。 。 不滅 8 4 . 0 8 5 . 0 2 . 9 0 . 0 8l .5 8 6 . 0 0 . 0 0 . 0 ト 消 滅 の 魂 不明 1 2 . 0 1 5 . 0 9 7 . 1 1 0 0 . 0 1 8 . 5 1 4 . 0 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 4 . 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 o. 0 0 . 0 0 . 0 0.0 人 不滅 間 消滅 5 の 魂 不明 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 0.0 豚 ~、、 0 . 0 1 0 0 . 0 ツ 4 0 . 0 。 . 0 。 目 。 0 . 0 0 . 0 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 。 。 かる。前期集団も同様である。 TABLE2 ,F I G . 2で見られた男女差は霊魂不滅群と霊魂消 滅群の混合比の差にすぎないことが判明したのである。 霊魂不滅群の豚とペットは先に考察した理論値に極めて近い機能不滅値を示しているが, 地球と植物では理論値よりもかなり低 L、。霊魂不滅群が90%を占める清泉女学院短期大学の 機能不滅値が地球と植物において,それほど落ち込んでいないところから推察すると,自然 科学的な情報の影響によって,かかる結果が得られたのではないかと考えられるのである。 霊魂消滅群は総ての機能不滅値がゼロとなってよい筈なのに,地球と植物ではかなり高い 値を示している。このような結果が得られた理由を考えてみるに,恐らくエネルギ一保存の 法則などが影響しているのではないかと思われる。後期集団の霊魂消滅群では項目 1の地球 .6 4,P二 において男女差があるように見えるが,統計的な有意差はない。 (df=l, X2=1 0 . 0 5で N . S . ) 要 約 l 大学生の心身二元論は霊魂不滅群と霊魂消滅群とが様々な割合で、混った形となっている。 宗教性の強 L、集団は霊魂不滅群を多く含み,科学性の強い集団は霊魂消滅群を多く含んで いる。 4 2 信州大学教育学部紀要 N u6 0 2 霊魂不滅群は男女ともにほぼ一定の機能不滅値を示す。この研究から得られた理論値と し て は し 地 球4 0( % ) , 2 . 植物5 5( % ) , 3. 豚7 0( % ) , 4 . ベット 8 5( % ) , 5. 人 間1 0 0 (%),である。 科学的雰囲気の強い集団では霊魂不滅群も地球と植物の機能不滅値が理論値より低くな る傾向がある。霊魂消滅群は理論的には全ての項目においてゼロとなるべきではあるが, 実際には地球と植物の機能の不滅値が若干高くなっている。霊魂消滅群にこのような人が 若干でもいることは興味深い。 3 今後,大学生の機能不滅値直線(ほぼ直線といえる〉はおそらくどの集団においてもそ の勾配が緩くなってゆくことであろう。科学技術の進歩がますます著しくなってゆくと予 想されるからである。 研究 I I( 1 9 8 6年のもの〉 前述の研究 Iは1 9 8 1年から 1 9 8 2年にかけてのものであり,宗教とか信仰,あるいは死の問 題とかかわらせたものではなかった。 家の宗教は何か,信仰を持っているか,身近な人の死目に会ったことがあるか,仏壇や神 棚はあるかなど具体的な問題とのかかわりを見てみようとして,新たに次の項目を追加した。 (7) あなたの家の宗教はなんですか。 (1)わからない。 ( 2 ) 神道。 ( 3 ) 仏教。 ( 4 )キリスト教。 ( 5 )その他 (8J あなたは信何をもっていますか。 ( 1 ) な し , ( 2 ) 神道, ( 3 ) 仏教,(4)キリスト教, ( 5 )困った時だけ神仏に頼る, ( 6 )その他。 (9J 自分の身近な人の死に会ったことがありますか。 ( 1 ) な し 。 ( 2 )ある。ある場合,それは, ( 3 )父 。 ( 4 ) 母 。 ( 5 )きょうだい。 ( 6 ) 祖父。(7)祖母。 ( 8 )お 9 )おば。(1ゆいとこ。 じ 。 ( ( lO J あなたの家に仏壇はありますか ( 1 ) な し 。 ( 2 )ある。 ( l l J あなたの家に神棚はありますか。 ( 1 )なし。 ( 2 )ある。 9 8 6年 4月 3日。児童心理学聴講生 1 1 2名。このうち本調査を初めて経験し 調査した日は1 0 0名に限定した。除外した 1 2名 たと思われる第 2学年の者と, (1)と(4Jが合致した者 1 の内訳は,学年が違った者 6名 , (1)と(4Jの合致しなかった者 5名,答え方があいま いであった者 1名,であった。 なお, (1)と(4Jの一方が lか 2で,他方が 3の者は除外しなかった。そういう者は 6名し、る。 筒井:人間科学 4 3 (XXIV) 結果と考察 l 家の宗教と機能不滅値 TABLE 4と FIG.4を見ると,家の宗教が仏教であるとか,それ以外の宗教であると知っ 2 植物 ている者の機能不滅値は1.地球 3 .豚 4 . ペット 5 . 人間とし、う順序 に従って,なめらかに増加する。 それに反して,家の宗教が「わからなし、」者の集団は植物の所とベットの所に山があって 6 名で,仏教の 7 4名よりはるかに少ない。 不規則な変化を見せている。この集団のサイズは 1 名〉がなめらかな増加を見せているので, しかし,よりサイズの小さな仏教以外の集団 00 サイズが小さいせいとばかりは云えないように思われる。 「豚の魂は消滅するが,植物の成長力は不滅である」とか, r 人間の魂は消滅するが,ペ 3名おり,仏教以外の ットの魂は不滅である」とする逆転群は家の宗教が仏教である群には 1 群には 1名おり,家の宗教が「わからなし、」群には 6名いる。だから,宗教群にもいないわ / けではなし、。ただ,宗教群では割合が小さいのである。例えば,仏教以外の宗教群では 1 1 0 00.0%λ 仏教群では1 3/7407.6%) なのに対して, r わからな L、」群は6 / 1 6(37.5%) も逆転者がし、るのである。 その反対に「植物の成長力は消滅するが,豚の魂は不滅である」とか「ペットの魂は消滅 TABLE 4 % 1 0 0 家の宗教と機能不滅値 わからない 仏 教 ( 7 4名〉 00 名〉 百分率 百分率 百分率 地 不滅 球 l の 消滅 運 動 不明 1 8 . 8 1 8 . 9 2 0 . 0 7 5 . 0 7 8 . 4 6 0 . 0 6 . 3 2 . 7 2 0 . 0 不滅 6 2 . 5 3 6 . 5 6 0 . 0 消滅 3 7 . 5 6 0 . 8 不明 0 . 0 27 目 。 。 不滅 4 3 . 8 5 0 . 0 8 0 . 0 3 の 消滅 5 6 . 3 3 7 . 8 2 0 . 0 不明 0 . 0 1 2 . 2 0 . 0 、 、不滅 6 8 . 8 6 6 . 2 8 0 . 0 。 。 31 .3 2 5 . 7 2 0 . 0 8 . 1 0 . 0 5 6 . 3 7 5 . 7 8 0 . 0I 4 3 . 8 1 8 . 9 2 0 . 0I 0 . 0 5 . 4 物 植 2 カ 長 成 の 豚 魂 J a かー・・ 0 仏 教 。 仏教以外 06 名〉 4 0 . 0 '一一・わからない ---0 仏教以外 ?---o--~ / ノ 5 0 ツ 4 ト 消滅 の 魂 不明 、 ノ 不滅 5 間 の 消滅 魂 不明 O 2 3 4 F I G . 4 家の宗教と機能不滅値 ρ 4 4 信州大学教育学部紀要 N . o6 0 するが,人聞の魂は不滅である」とする者は仏教群には3 1名 ( 4l .9%) おり,仏教以外の群 わからなし、」群には 2名(12.5%) しかし、ないのであ には 3名 (30%) いるのに対して, i る 。 2 自己の信仰と機能不滅値 困った時や苦しい時の神頼みを「苦時信仰Jと名づけることにする。 地球の運動での機能不滅値は低く①信何,②無信仰,③苦時信仰など,ほとんど同じであ る。ところが TABLE 5,FIG. 5でも明らかなように,植物の所で散らばり始め,食用動物, 愛玩動物,人間と進むにつれて信何群が最高で,次に苦時信何群,最後が無信何群という具 合に三者は次第に差を増してゆくのである。人間の所での信何群と無信仰群との差はど検 6.41となり, 定をしてみると ,X2= 5 %の危険率で有意である。 地球そのものの運動が地球の消滅時には無くなるはずなのに,不滅とする者が,苦時信仰 l .4%もいるのは興味深い。 群では17.3%いるし,無信仰群でも 2 3 信仰する宗教の別と機能不滅値 なお,信仰群は仏教 6名,キリスト教 7名その他(神道 1名を含む) 7名とほぼ同数づっ 分れているので,これを表と図で示してみよう。 TABLE 6と FIG. 6からみると「その他」 TABLE 5 % 1 0 0 自己の信仰と機能不滅値 { 言 f 印 無 信 仰 苦時信仰 ( 2 0 名 〉 ( 2 8名) ( 5 2 名 〕 百分率 百分率 百分率 地 不滅 球 の 消滅 運 動 不明 2 0 . 0 1 .4 2 1 7 . 3 7 5 . 0 7 8 . 6 7 5 . 0 5 . 0 0 . 0 7 . 7 不滅 3 5 . 0 3 9 . 3 4 8 . 1 消滅 6 5 . 0 5 7 . 1 5 0 . 0 不明 0 . 0 3 . 6 1 .9 不滅 6 0 . 0 4 6 . 4 .9 51 3 の 消滅 3 5 . 0 4 2 . 9 3 8 . 5 不明 5 . 0 1 0 . 7 9 . 6 不滅 7 5 . 0 5 7 . 1 71 .2 ト 消 滅 の 魂 不明 2 0 . 0 3 5 . 7 2 3 . 1 5 . 0 7 . 1 5 . 8 不滅 9 0 . 0 5 7 . 1 7 5 . 0 5 の 消滅 1 0 . 0 3 2 . 1 2 3 . 1 0 . 0 1 0 . 7 1 .9 物 植 2 の 長 成 カ 豚 魂 J 。 、、 人 間 魂 不明 o 無信仰 0ーーー0 苦時信仰 5 0 ツ 4 争----.信仰 ふーー d O 2 3 F I G . 5 自己の信仰と機能不滅値 間 科 品 子 筒井:人 ( X X I V ) 4 5 群が一番機能不滅率が高く,次が仏教群で,一番低いのがキリスト教群である。キリスト教 群は地球から愛玩動物までのところは無信何群より低く,人間のところで仏教群よりも高く なる。これはまさに「デカルトの答え」に近いものである。仏教群は地球のような物質と植 物とを同一水準のものと見,動物と人間とは「生きとし生けるもの」として対等に見ている のである。「その他」群は地球から食用動物まで次第に上って来て,愛玩動物と人間とを対 等のものと考えているようである。 4 身近な人の死の体験と機能不滅値 図表による表示は省略せざるを得ないが,肉身あるいは身近な人の死を体験したか否かに よる機能不滅値の差はみられなかった。 5 仏壇・神棚の有無と機能不滅値 仏壇も神棚も無い群 08 名)以外は 3群とも地球から人間へと順に機能不滅値が増加して ゆく。ただ,この群 08 名)のみが植物とベットのところで山型の頂点を示しているのであ I G . 7に示された通りである。 る 。 これは TABLE7と F この群は自分の家の宗教が「わからなし、」群 06 名)とグラフの形が似ている。両群で重 0名の結果を比較してみよう。 複する者は 8名である。この 8名の結果と残った 1 TABLE 6 信仰する宗教の別と機能不滅値 教 ム イ (6名〉 キリスト教 その他 c7名) c7名) 百分率 百分率 百分率 地 不滅 球 l の 消滅 運 動 不明 3 3 . 3 0 . 0 2 8 . 6 6 6 . 7 8 5 . 7 7 l .4 0 . 0 1 4 . 3 0 . 0 不滅 3 3 . 3 2 8 . 6 4 2 . 9 2 の 消滅 物 植 6 6 . 7 7l .4 5 7 . 1 不明 0 . 0 0 . 0 0 . 0 不滅 8 3 . 3 2 8 . 6 7 l .4 3 の 消滅 1 6 . 7 5 7 . 1 2 8 . 6 魂 不明 0 . 0 1 4 . 3 0 . 0I J¥ 不滅 8 3 . 3 4 2 . 9 1 0 0 . 0I ト 消滅 1 6 . 7 4 2 . 9 0 . 0 0 . 0 1 4 . 3 0 . 0 不滅 8 3 . 3 8 3 . 7 1 0 0 . 0 5 の 消滅 1 6 . 7 1 4 . 3 0 . 0 0 . 0 0 . 0 0 . 0 力 長 成 豚 % 1 0 0 0--ー ー0 キ リ ス 卜 教 / 0-.-0 その他 の 魂 不明 人 間 魂 不明 。 / ' 5 0 d J , , , f , , ぴ ? ー ー --0 , , , , ツ 4 7 -- 0 ←---e仏教 O 2 3 4 5 F I G .6 信仰する宗教の別と機能不滅値 4 6 信州大学教育学部紀要 N o . 6 0 6 仏壇無・神棚無群での家の宗教の知・不知と機能不滅値 TABLE 8と FIG. 8を見ると仏壇も神棚も無いことが,そのまま,このようなプロフィー 自分の家の宗教がわからなし、」ということが主な原 ルを示す原因になるわけではなくて, I 因のようである。例えば仏壇や神棚は無くとも家の宗教が何であるか知ってうる群は「仏壇 も神棚もある」群とグラフが似ていて,しかも,より機能不滅値が高いのである。このこと からも親などから宗教的態度を伝えられないことが「食用動物よりも植物の成長力を不滅と 感じたり,人間よりもペットに愛着を感ずる者」が生ずる原因であるように思われるのであ る。こうした現象は 1982年頃から見られるようになったもので,最近の学生の中に少数では あるが,少しづっ増加している様子である。 なお,信{印を持った者は仏壇や神棚があるかないかにかかわらず,また家の宗教が何か知 っているいないにかかわらず,上記の逆転現象を示すことはないのである。 仏壇や神棚が家の宗教を自覚させるかどうかをみるために仏壇・神棚の有無にかかわる 4 つの群の中で、「家の宗教が分らなし、」者の人数と割合を調べてみよう。まず「有・有群」は 42人中 2人で 4.8%である。「有・無群」は23 人中 2人 で 13.0%である。「無・有群Jは17人 中 2人で 11.8%である。これら 3群に対し「無・無群」は 18人中 8人で 44.4%である。結論 TABLE 7 仏壇・神棚の有無と機能不滅値 % 1 0 0 仏壇.神棚 仏壇.神棚 仏壇.神棚 仏壇.神棚 有・有 有・無 ( 4 2名〕 ( 2 3名) 07 名) 08 名) 百分率 百分率 百分率 百分率 2 6 . 2 2 6 . 1 0 . 0 1 1 .1 消滅 6 9 . 0 6 9 . 6 8 8 . 2 8 8 . 9 不明 4 . 8 4 . 3 1 1 .8 0 . 0 不滅 3 5 . 7 3 0 . 4 5 8 . 8 6 1 .1 消滅 6 4 . 3 6 5 . 2 3 5 . 3 3 8 . 9 不明 0 . 0 4 . 3 5 . 9 0 . 0 不滅 5 0 . 0 3 9 . 1 7 0 . 6 5 5 . 6 3 の 消滅 4 2 . 9 4 3 . 5 2 3 . 5 3 8 . 9I 不明 7 . 1 1 7 . 4 5 . 9 不滅 6 4 . 3 6 0 . 9 7 6 . 5 7 7 . 8 消滅 3 1 .0 2 6 . 1 1 7 . 6 2 2 . 2 4 . 8 1 3 . 0 5 . 9 0 . 0 6 6 . 7 7 8 . 3 8 2 . 4 7 2 . 2 2 8 . 6 1 3 . 0 1 7 . 6 2 7 . 8 4 . 8 8 . 7 0 . 0 0 . 0 士 也 不滅 球 1 の 動 運 物 植 2 カ 長 成 の 豚 魂 J¥ 無・有 無・無 仏壇・神棚 争 一 一 ・ 0-ー ー ー 0 有・有 有・無 一 無・有 4 無・無 0-- 0 ・ - 5 0 5 . 6 ツ 4 ト の 魂 不明 人 不滅 間 5 消滅 の 魂 不明 O 2 3 4 5 F I G . 7 仏壇・神棚の有無と機能不滅値 筒井:人 間 科 TABLE 8 仏 壇 無 ・ 神 棚 無 群 で の 家 の 宗 教 の 1 百分率 百分率 不滅 2 0 . 0 0 . 0 消滅 8 0 . 0 1 0 0 . 0 不明 0 . 0 。 。 不滅 6 0 . 0 6 2 . 5 消滅 4 0 . 0 3 7 . 5 不明 0 . 0 。 。 豚 不滅 7 0 . 0 3 7 . 5 の 消滅 2 0 . 0 6 2 . 5 魂 不明 1 0 . 0 0 . 0 不滅 8 0 . 0 7 5 . 0 消滅 2 0 . 0 2 5 . 0 物 植 の 力 長 成 3 仏壇無・神棚無群 争ー--e知 ・ 教 不知(8名 〕 地 球 の % と 刀 土 て 名 〕 知(10 動 運 2 の 4 7 弓L 1 0 0 知・不知と機能不滅値 家 -(XXIV) 。 』 ー ー ーO 不知 Q 、 , 、 , , 、 , 、 , 、 ,、 ,、 、 , 、 、 , 、 . 、 ' ‘o ¥.: 5 0 、- 、' 、 , 、r 1 , 、 2 1 δ 1 Ja ¥ 1 ヅ 4 ト の 魂 不明 0 . 0 0 . 0 不滅 9 0 . 0 5 0 . 0 消滅 1 0 . 0 5 0 . 0 不明 0 . 0 0 . 0 人 間 の 魂 一 1 O 2 3 4 5 5 , 1 F I G .8 仏壇無・神棚無群での家の宗教 の知・不知と機能不滅値 として仏壇や神棚の存在は子どもに家の宗教を自覚させ, また,人間関係の重要であること を自覚させる効果を持つようである。 神棚の条件は無視して,仏壇が有るか無いかだけで比較してみると,仏壇無の方が仏壇有 6 . の群より機能不滅値が高くなる。また両群の差は(3)植物の所で最も大きくなれ ど = 93(df=2) となり,危険率 5%で有意である。このことから考えてみると,仏壇という具 体的なシンボルの無い方が植物以上の生物に対する抽象性・神秘性を高めるのかも知れない のである。 さらに神棚の有無だけでまとめてみた場合有無による両者の差は殆ど無いことがわかる。 神棚の影響は殆どないといえよう。 要 約 1 自分の家の宗教が何かわからない者の中には「食用動物の魂は消滅しても植物の成長力 は不滅である」とか「人間の魂は消滅しても,ペットの魂は不滅である」などの逆転現象 を示す者のいることが示された。 2 信仰群は無信何群より,物質と植物の所で、機能不滅値が低く,食用動物以上の所でそれ が高し、。さらには信何群を宗教別に分けてみると,キリスト教は機能不滅値が人間の所以 4 8 信 州 大 学 教 育 学 部 紀 要 Nu60 外は他のどの群よりも低く,無信仰群よりも低いのである。つまりキリスト教群は愛玩動 物以下の所では無信何群よりも,さらに無信仰的なのである。そして,人間の所で急に仏 教群より高くなるのである。こうして,キリスト教群は極めてデカルト的な結果を示して いることがわかるのである。仏教群も仏教らしい結果である。 3 肉身あるいは身近な人の死を体験したか否かによる機能不滅値の差はみられなかった。 4 仏壇も神棚も無い群は 1で、述べたような逆転現象を示す。これは,その群の中に家の宗 教がわからない者の割合が多くなることによって現われる現象と考えられる。また,神棚 の有無よりは仏壇の有無の方が影響が大きいようである。 引用文献 デカノレト 落合太郎(訳) 1956 方 法 序 説 岩 波 書 店 肥田野直・瀬谷正敏・大川信明 高橋湾子 大学出版会 筒井健雄 1 9 6 7 心理教育統計学培風館 1 9 7 5 心理学における方法論の史的展開八木菟(編〉心理学研究法 I 方 法 論 東 京 1 9一 7 7頁 1 9 7 5 人間科学三一書房 Summary HumanScience(XXIV) 一一一 OnMinda ndBodyD u a l i s mo fS t u d e n t s一一一 Thep h i l o s o p h yo fD e s c a r t e sh a s ap r e m i s er e g a r d i n g mind andbodyd u a l i s m . D e s c a r t e sa s s e r t st h a to n l yman'smindr e m a i n sa f t e rd e a t h .50,i fwewerea b l et oa s k hima b o u tt h ef u n c t i o n so ft h eE a r t h,ap l a n t,ap i g,ap e t,andamana f t e rt h e i r d e s t r u c t i o n , h i sanswerwouldbet h a to n l yt h emindo famani sf o r e v e randt h ef u n c t i o n s o ft h eo t h e rt h i n g sbecomee x t i n c t . Wh e no u rs t u d e n t sa r easkedq u e s t i o n sa b o u tf u n c t i o n s,t h e i ra n s w e r sv a r y .Ther a t e o ft h o s es t u d e n t swhoansweredt h a tt h ef u n c t i o no fat h i n gr e m a i n sa f t e ri t sd e s t r u c t i o n c a nb ec a l c u l a t e d .Ther a t eo ft h eE a r t hi st h esmal 1e s to ft h ef i v et h i n g s .Andt h eo r d e r o ft h er a t ei s; t h eE a r t h,ap l a n t,ap i g,ap e t,andam a n .T h i sh y p o t h e s i swasf o r m u l a t e d andt h e ns u b s t a n t i a t e de x p e r i m e n t a l l y . I ft h er a t e sa r eg r a p h i c a l l yr e p r e s e n t e d,as t r a i tl i n ei sp r o d u c e d .Themorer e l i g i o u s ag r o u pi s,t h es h a r p e rt h eg r a d i e n to ft h eg r o u p .T h i ss e c o n dh y p o t h e s i swasa l s o p r o p o s e da n dt h e ns u b s t a n t i a t e d . ( 1 9 8 7年 4月2 8日 受 理 )