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国際資料研究所報 Documenting Japan International Report 国際資料

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国際資料研究所報 Documenting Japan International Report 国際資料
ISSN 1342-632X
国際資料研究所報 Documenting Japan International Report 国際資料研究所報 Documenting Japan International Report国際資料研究所報 Documenting Japan International Report国際資料研究所報 Documenting Japan International Report
DJI レポート
No.65
20060120
国際資料研究所報 Documenting Japan International Report 国際資料研究所報 Documenting Japan International Report国際資料研究所報 Documenting Japan International Report国際資料研究所報 Documenting Japan International Report
〒251-0045 神奈川県藤沢市辻堂東海岸3-8-24 fax+phone 0466-31-5061
Email:djiarchiv@ybb.ne.jp
アーカイブ元年からアーカイブ 2 年へ
電子記録の超長期保存の必要性主張
新たな課題
国際資料研究所 代表 小川千代子
アーカイブの仕事は、現代の思いと記録を未来に伝えることだ。それは現代に連なったこれまでを固
定し、それを時空を超えさせることでもある。言い換えれば未来へのアカウンタビリティを果たす、即
ち過去を生き残ってきた情報源を確保し、維持し、手入れして、そこに新たな情報を付加して保存して
いくことであろう。とりわけ、社会に浸透した電子記録については、従来言われた 10 年から 30 年で
はなく、30 年以上の超長期保存への道筋を考えることが今やアーカイブの仕事の中で欠かせない。
2004 年、日経新聞に「アーカイブズ零(ゼロ)年」というタイトルで日本の記録や文書の保存が未
整備、混沌状態にあることを紹介した連載記事があった。これを受け 2005 年は「アーカイブ元年」と
位置づけ、文書基本法の実現と、平成の大合併がすすむ市区町村のアーカイブ整備の 2 項目をそのハシ
ラとした。2005 年は、まさにアーカイブ元年と呼ぶにふさわしいさまざまな動きがみられた。
■ アーカイブ元年(2005 年)の主な動き
2月
2月
3 月 31 日
4月1日
5月
6月
7月
8月
11 月
内閣府「公文書の適切な保存と利用に関する懇談会」報告書が、
『公文書ルネッサンス』として出版刊行。
岐阜女子大学主催によるデジタルアーキビスト資格二種講習会開始
公文書館推進議員懇談会発足。 代表世話人 福田康夫衆議院議員。政府や自治体が作成する公文書の保存、
管理に関する法制度整備に向け動き出した、文書管理法の制定などに取り組むことを確認、公文書を歴史資
料として後世に伝える体制作りを目指す。
岡山県立記録資料館発足。全国 47 都道府県中 30 番目の公文書館。その後全国で始めて、国立公文書館と
所蔵資料の横断検索システムを稼動させた。
菊池光興国立公文書館長、ICA の第 1 副会長に選出(http://www.archives.go.jp/news/050517.html)
全史料協は国立公文書館からの依頼を受け、ICA の B 会員として菊池氏を支持する投票を行った。
国立公文書館長が総務大臣あてに、市町村合併時の公文書保存を要請する書面提出。総務大臣は都道府県の
合併担当にこれを通達した。
記録管理の世界標準、ISO15489 が翻訳され、JIS X0902-1 として刊行。
総合研究開発機構 NIRA の委託研究で、
「公文書管理法(仮称)の研究」が始まる。
国立公文書館が邦訳 ICA「電子記録:アーキビストのためのワークブック」を発表
アーカイブ元(2005)年、国レベルでは議員団体が結成され、内閣府・国立公文書館は積極的な運
営を展開し、好条件が整備されてきた。アーカイブ 2(2006)年以降もこの傾向は続くだろう。この機
をとらえ、文書基本法も、市町村アーカイブ整備も、大いに進展してほしい。 また、電子記録の長期保
存にむけて、
混沌とした現状を踏まえた上でアーカイブ関係者は積極的な発言をする必要がある。更に、
国際的な発信も、グローバル化の趨勢において欠かせない。アーカイブ 2 年の目標は次の 4 点である。
■アーカイブ 2 年(2006 年)の目標
1. 文書基本法の実現
2. 市区町村のアーカイブ整備
3. 電子記録の超長期保存の必要性主張
4. 日本のアーカイブ活動の国際的発信
おもな内容
アーカイブ元年からアーカイブ二年へ………………………1
第 38 回 ICA 円卓会議@アブダビ決議………………………2
グローバル化時代のアーカイブ………………………………3
メルボルン便り………………………………………………4
DJI レポート
No.65
20060120
災害報告・新潟の大停電…………………・…………………5
文献紹介/消息………………………………………………6
国際資料研究所の活動/巻末随想…………………………7
広 告…………………………………………………………8
DJI レポート
第 38 回 ICA 円卓会議@アブダビ
2005 年 11 月 27 日―12 月 1 日
各国国立公文書館長、各国全国専門家団体、ICA 会
員は、アブダビで開催された第 38 回 ICA 円卓会議にあ
たり、以下を決議する:
1.一般決議
1.1 適切な処理とアクセス方法が講じられた記録・アー
カイブなしにこの情報社会は必要な記憶が危険にさらさ
れることを認め、
チュニスで開催された世界情報社会サミットのフォロー
アップに責任ある団体に対し、伝統的であれデジタルで
あれあらゆる種類の記録を永久に保存しアクセスを提供
する必要があることを考慮するよう懇請する;
IFLA が 2005 年 11 月 11 日に採択し最終決議書として
承認された「図書館に関するアレクサンドリアマニフェス
ト、行動する情報社会1」を支持しする。
1.2 2005 年 10 月ユネスコ総会が 10 月 27 日をオーデ
ィオビジュアルアーカイブの国際デーとする提案を採択
したこと、及び媒体の如何にかかわりなくアーカイブに
関するグローバルアプローチを持つ必要性があることを
考慮し、
ユネスコに対し、この国際デーの目的をオーディオビジ
ュアルアーカイブに限定することなく、人類の記憶の基
盤としてあらゆるアーカイブに拡張するよう求める。
2.良好なガバナンスと開発に関する決議
2.1 国連ミレニアムの目標に関する宣言(?)が良好な
ガバナンスと透明性にむけた開発及び貧困の撲滅に関
連していることを考慮し、世界銀行その他のスポンサー
による腐敗に立ち向かう努力、組織の記録の混乱を見
過ごすために生じる社会・政治・経済コスト、ならびに効
率、生産性、説明責任の観点から見た良好な記録管理
がもたらす利益を考慮し、
途上国支援に責任ある国際団体に次を求める:
アーカイブ機関が腐敗と戦い、良好なガバナンスを推
進するための支援を模索し、及びその目標として政府
が国のアーカイブ政策を設けることを奨励すること、
適切な記録管理に関する義務条項及びこれらプログラ
ムの効果を確保するために必要とされる説明責任を、そ
の支援プログラムに含めること、
ICA をこれらプログラムの考案及び実施についての重
要なパートナーとして考慮すること、
あらゆる政府、特に途上国の政府に対し、記録のライフ
サイクル全般を制御することが出来る法令の採択及び
全国アーカイブシステムの設置、ならびにアーカイブ担
当機関がこれを行う手段を附与することにより、国際条
約に沿う純粋なアーカイブ方針を実施するよう懇請し、
政府及び国際団体に対し、記録管理をその活動とプロ
グラムのための制御と評価プロセスの中に含めるよう懇
請する。
2.2 世界規模でめまぐるしく発展する電子政府(e-ガバ
メント)及び電子商取引(e-コマース)、とりわけ公共機関
が、絶えず技術変革が行われる環境にあること、及びデ
ジタル記録の取り込み、管理及び保存を失敗した場合
には文字通り「健忘症」に陥る危険があることを考慮し、
あらゆる政府に対し、アーカイブ機関・団体のリーダー
シップ(指導力)を認識し、この件にかかわり必要な権限
を附与する法令上の手段を採択することを求め、
あらゆるアーカイブ機関に対しては、その国で電子政府、
電子商取引を実施している組織の管理と統治(ガバナン
ス)のにおいて、模範的電子記録保管が留意されるよう、
積極的な広報活動を行うことを求める。
2.3 個人情報(データ)の管理のための電子システムが
1
www.ifla.org/III/wsis/AlexandriaManifesto.htm
No.65
20060120
決議書
歯止めなく開発され、不法にプライバシー情報が利用
できるようになってしまう危険があることを考慮し、
個人情報(プライバシー)保護を保障する法令がまだ採
択されていない各国政府に対し、これを行うことを求める。
3.企業の社会的責任に関する決議
統合、買収その他企業のグローバル化の結果が与える
個人及び集合的記憶とその文化遺産に対するインパク
トの可能性、国連がそのグローバルパクトイニシアチブ
により企業の社会的責任への対応を奨励する努力、な
らびに効率、生産性、業務品質の観点から、企業が適
切な記録管理により得られるであろう利益を考慮し、
企業、とりわけ多国籍企業に次を懇請する:
・社会が企業を位置づける信頼性を保証するであろう良
い情報記録管理システムを取り入れること
・統合/買収契約には、アーカイブ記録とレコード記録
の保護及びアクセスを保証する条項を設けることで、企
業活動を行う各国に対する責任を果たすこと
国際雇用機関及び世界の経済リーダーに対し、 組織
における品質管理に関する ISO9000 標準企業の実施、
及び社会的責任に関する ISO2600 の策定に当たり、ア
ーカイブの保管問題を配慮するよう求め、
そうした組織の経験と熟練を共有することに同意する。
4.災害防止と復旧に関する決議
近年の災害経験の再建から、防災に勝る節約はないこ
とを学び、
国連システムの関連機関、具体的には ICCROM 及び
その他国際組織、たとえば国際赤十字社、赤新月社は、
ICBS(国際ブルーシールド委員会)による防災及び災
害復旧の努力の遂行、強化を支援し、
ICA 国レベルメンバーには、各国ブルーシールド委員
会を創設して、紛争や全国災害(自然災害の間違い
か?)の場合に文化財保護を行うよう要請し、
EU 欧州共同体に対しては、2005年11月14日付で採
択された EU におけるアーカイブに関する報告書付属
資料【委員会勧告】の実施に必要な手段を賦与するよう
懇請する。
5.アフリカのアーカイブに関する決議
5.1 2003 年ケープタウン円卓会議および 2004 年ウィーン
ICA 大会の宣言中に盛り込まれたアフリカのアーカイブアジェ
ンダを再確認し、
5.2 NEPAD の各機関及びアフリカ共同体に対し、このア
ジェンダの実施のために緊急な注意を払うよう強く求め
る。
ICA に対する決議
1. WSIS 世界情報サミットフォローアップのための ICA
委員会委員長に、チュニスサミットにおいて行われたコ
ミットメントの実施を担当する各団体に、継続的に注意
喚起を行うことを依頼する。
2.ICA 計画委員会に対して、ICA ウェブサイトに防災及び
復興のための助言、指針、模範事例を提供するクリアリン
グハウス創設を目指すパイロットプロジェクト開始を依頼する。
執行委員会にはこの優先すべきプロジェクトに必要な手
段を割り当てることを依頼する。
3.フランス語圏アフリカ及びインド洋各国公文書館長
が今回、特にアフリカ大陸のうち西アフリカ、中欧アフリ
カ地域の地域支部は、一方で有効な専門的協力体制
に問題を抱え、もう一方では ICA のガバナンスと専門的
構成に関し実行ある参加を行うことが困難であることが
東映されたことを考慮し、
執行役員会に対し、この問題を取り上げ、2006 年の年
次総会で関係のすべての国が相互に専門協力の十分
な機会を確保できるような解決策と共に、ICA のガバナ
ンスと専門的構成の面から適切な地理的割り当てを提
示するよう要請する。(以下略) 【訳・国際資料研究所】
-2-
DJI レポート
No.65
20060120
ICA 円卓会議「グローバル化時代のアーカイブ」
小川
■」」会議概要
2005 年 11
月 27 日 か ら
12 月 1 日まで
の 5 日間、アラ
ブ首長国連邦
首都のアブダ
ビで、第 38 回
ICA 円卓会議
2
(CITRA)が開催された 。ほぼ毎年開催される
この ICA 円卓会議では,その時々の世界のアーカ
イブのホットイシューが議論される。今回は「グ
ローバル化時代のアーカイブ」をテーマに取り上
げた。国立公文書館ウェブサイトに「現代社会に
おいて、政府・国際機関、企業等のそれぞれのア
ーカイブが、良好なガバナンスを実現する上で果
たす役割について、様々な側面から発表が行われ
ました。また、相次ぐ大規模災害に対するアーカ
イブズの対応についても取り上げられました。」
3
と解説されているとおり、今回の円卓会議では、
国際機関と共に企業の記録管理、アーカイブ管理
についての発表が含まれた。
■」」発表テーマ
これまでの ICA 円卓会議では、主として国レベ
ルのアーカイブ機関(国立公文書館や政府文書
局)、並びにその国の専門家団体が直接かかわる
問題を取り上げてきたのだが、21 世紀になって、
国際機関や多国籍企業という存在が、国境を超え
たガバナンスを担うことに注目が集まるように
なった。国家、国境をこえる難民や政治的亡命者
の存在とその存在証明を保障するために、2003 年
の円卓会議では国際機関が果たすべき役割に注
目が集まった4。このときには、多国籍企業が国際
ICA(国際文書館評議会)円卓会議は、4 年に一度の ICA
大会の年を除き、毎年開催される。大会はオープンだが、
円卓会議は ICA のカテゴリーA 及び B 会員で構成され、
主催者からの参加要請(INVITATION)が参加の条件とな
る。筆者は、平成13~15年度文部科学省科学研究費補
助金基盤研究(B)
(1)
「広領域分野資料の横断的アーカ
イブズ論に関する分析的研究」
(課題番号:13480102、研
究代表者:静岡大学教授 八重樫純樹)の一環として派遣
され、主催者から参加要請を得た日本のカテゴリーB 会員
である全史料協の代表の立場でこの円卓会議に参加した。
記して謝意を表する。
3 http://www.archives.go.jp/news/051213.html
4 本誌 No.53+54 「第 37 回 ICA 円卓会議決議勧告」
2
千代子
機関や国際 NGO と並列される形でその記録に関心
が集まったと記憶する。
■」」企業アーカイブの存在意義
今回の円卓会議では、企業の社会的責任とアー
カイブがひとつの柱であった。この中で、世界に
冠たる2つのフランスの企業アーカイブの報告
があった。報告はフランスの巨大ガラス企業サン
ゴバン社および欧州第 1 位、世界第3位の製薬企
業サノフィ・アバンティス社の、共に文書局長で
あった。どちらの企業にとっても、記録の管理と
アーカイブの保存とは、グループ内の根幹にかか
わる戦略的、継承財産あるいは歴史的重要性を帯
びた重大な機能とされている。文書局の業務の中
核目標は、必要情報を多くのエージェントに迅速
的確に提供すること、市場の競合相手からグルー
プの利益を守ること、次号の沿革と継承財産を保
存することであり、記録は単なる管理対象という
こと以上に、戦略的なツールとしての位置づけが
与えられているという説明が行われた。
「そもそも記録が長期に渡りきちんと管理され
ているのでなければ戦略を講じることはおろか、
説明も証明も出来ないし、基礎情報がなければ、
国際的な義務を履行することなど遠く及ばない」
■」」菊池館長、ICA 副会長に就任
同時に開催された ICA 年次総会の中で、昨年初
めに行われた ICA 役員選挙の結果の報告が行われ、
同時に今回の選挙で選出された人物はそれぞれ
選挙管理委員長から当該役職への就任の意向を
確認される場面があった。日本の国立公文書館長、
菊池光興氏は ICA 副会長に選出されていたが、壇
上で改めて選挙管理委員長のノルダ女史は菊池
氏に向き合い、「ミスター菊池、あなたは厳正な
る選挙の結果、ICA 副会長に選出されました。あ
なたはこの重大な任務に就任する意思がありま
すか?」と問いかけた。菊池氏が「Yes。私はそ
の意志があります」と応じると、ノルダ女史は「で
は、あなたを副会長に任じます」と述べ、自ら菊
池氏の胸にバッチをつけると、祝福の抱擁を交わ
した(写真)。フラッシュが一斉にたかれた。
ICA の役員を選挙で選出したのは、これが初め
てであった。このような選挙結果の通告と、本人
の就任意志確認のプロセスを目の当たりにする
のも、初めてのことだった。立候補したとはいえ、
選挙結果と就任意思が一致しているとは限らな
いことを改めて考えさせられる場面であった。
-3-
DJI レポート
メルボルン便り
―オーストラリア・ビクトリア州の
アーカイブ事情―
岩下ゆうき5
■」」モナッシュ大学大学院で電子記録の保存に
ついて学ぶため日本を離れることを決意し、オー
ストラリア・ビクトリア州・メルボルンに到着し
たのは 2005 年 6 月 1 日のことだった。
とは言え、
まずは語学学校に通わなければならない。この準
備期間を利用して Melbourne Museum、National
Gallery of Victoria、Immigration Museum、State
Library of Victoria などメルボルン都心に位置
する主要な文化施設を含め、2 つのアーカイブを
訪れた。
■」」メルボルンに来て最初に足を踏み入れたア
ーカイブはモナッシュ大学文書館(University
Archive)だった。ICA ウィーン大会で知り合った
University Archivist、Kathryn Dan 氏に連絡を
とり、6 月 29 日、語学学校の授業の合間をぬって
見学させてもらった。モナッシュ大学大学文書館
は図書館の近くに立ち並ぶ事務棟の一つ、その地
下にひっそりとある。入り組んだ建物で、外に案
内板はあるものの大学文書館の入り口を見つけ
るのには少し時間がかかった。表札もごくシンプ
ルなもので、小さな事務所に書庫が隣接している。
隣 の 建 物 に あ る 記 録 管 理 事 務 局 ( Records
Management Office)にも案内してもらったが、
大学文書館より記録管理事務局はかなり広く職
員や利用者も多い。カラフルな書庫は印象的だっ
た。学生向けに大学文書館に関するオリエンテー
ションはなく、認知度も低いようだ。他の大学文
書館とは違い、モナッシュ大学文書館は大学の記
録のみを収集していて、その他の地域文書や特殊
コレクションを持たないので訪れる人が少ない
ということだった。
■」
」さて、ビクトリア州といえば Public Record
Office Victoria(以下、PROV)である。PROV の
位置する建物は National Archives of Australia
State Office と共同で使用されていて、
Victorian
Archives Centre(以下、VAC) と呼ばれる。VAC
では一般向けのツアー(書庫見学含む)が毎月数
回あり、予約すれば誰でも無料で参加できる。11
月 12 日、このツアーに参加した。VAC はメルボル
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ンの中心部から電車で一駅と程近く、トラムやバ
スを利用することもできる。最寄り駅を下り、ひ
とけのない静かな道路沿いに 15 分ほど歩くと洒
落たエントランスにお目にかかる。受付付近には
何種類ものパンフレット・ポストカードなどが並
べられており、来館者の目を引きつける。当日の
ツアー参加者は私を含め 3 人、ガイドはボランテ
ィア含む 2 人だった。残念ながら一般向けツアー
のためか写真撮影は閲覧室・書庫ともに許可され
なかったが、広々とした閲覧室と巨大な書庫には
圧倒された。当日は土曜日の午前中だったが、閲
覧室には 10 人ほどの利用者がスタッフに案内さ
れながら調べものをしている姿が見えた。地下書
庫の広さは端まで見渡せないほどであったが、よ
く閲覧されるものは入り口付近に配架している
ということだった。見学ツアーを意識してか、書
庫のいたるところにお宝的資料(モノ資料含む)
が展示されていた。もちろん書庫内だけでなく、
入口をくぐってすぐ真正面にメインの展示スペ
ースがある。また、隣接する駐車場から受付へ向
かう通路に沿ってちょっとした展示も見ること
ができる。
■」」ビクトリア州・メルボルンの観光には欠か
せない出発点、Melbourne Visitor Information
Centre には観光客のための膨大な量のパンフレ
ットが用意されている。そこで、ビクトリア州に
存在する文化施設をくまなく紹介する
「Victoria’s Cultural Guide 2005-2006」とい
う小冊子を見つけた。最初からページをぱらぱら
とめくると、PROV の紹介が掲載されていることに
驚いた。都心に位置するいくつかの施設を訪れた
経験から、ビクトリア州、そしてオーストラリア
は、図書館・博物館・美術館といった文化施設に
非常に優しい、かつ意志をもってそれらを発展さ
せているという印象を私はもっている。そしてそ
の中にはアーカイブもしっかりと位置づけられ
ているのである。
5
Monash University English Language Centre,
English Language Bridging Program for Monash
University
-4-
ビクトリア州公文書館正面入口(筆者撮影)
DJI レポート
新潟発災害報告
No.65
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大停電
◆ファックスが来た◆
暮も押し詰まった 12 月 22 日、年内最後の授業
を終えて帰宅した。人気のない家の中は冷え切っ
ていた。照明をつけ、ガスファンヒーターのスイ
ッチを入れた。書斎でファックス(写真)を発見した
のは、翌天皇誕生日の昼過ぎだった。
ファックスは、新潟県立文書館の本井晴信氏か
ら、手書きで、停電の様子が書き綴られていた。
E メールが日常化した昨今、手書きの文面をファ
ックスで受け取るのは久しぶりで人のぬくもり
がうれしい。だが、記された停電の現実は厳しい。
◆大停電の報告◆
「今日は最悪の日です。 朝 8 時前から 3 時すぎ
まで大停電で、仕事にならんし、このまま夜にな
ったらどうしようか、心配しました。昨夜来の大
暴風雪は少しよわくなりましたが、安心できませ
ん。これが大寒のさなかだったら、ギンギンに凍
って大変なことになるところです。高層マンショ
ンなんか、水が全く上がっていかないから、悲劇
です。職場のいろいろな設備は電気が基本だから、
こうなると県庁もほとんど機能しません。せめて、
ラジオは常備いります。道路は信号が一切ないか
ら、非常に危ない。地震と違って普通に車は走れ
ますからいいけどひどい渋滞になります。昼間だ
けで済んでよかった。
PC Tel みんな不通。非常電源の重油があっと
いう間に消費されます。急遽追加給油を、と頼ん
でも、ポンプを動かす電源がないからダメ。半日
の稼動がせい一杯。
」
◆停電で何が起こるか◆
本井氏の言うとおり、現代の職場は電気の供給
がなくなると「仕事にならん」の一言で終わって
しまいそうだ。まず、照明がなくなる。建物入り
口の自動ドアは電気がなければ手動ドア。図書館
に見られる出入り管理システムは、当然休止。エ
レベーは、動かなくなる。中に閉じ込められたま
ま何時間も、ということにならなければ、不幸中
の幸いということだろう。エスカレータはタダの
階段にはや変わり。階段として機能するだけマシ
だ。最近普及著しい洗面所の自動水道は、どうな
るのだろうか。栓をひねれば水が出る昔風の水道
のほうがこういうときには頼もしい。建物のあち
こちに取り付けられた監視カメラとモニター装
置は、電気がなければ機能しない。暖房、空調も
みな電気がなければ動きようもない。
いやいや、非常電源供給装置があるから大丈夫、
と思っていたら、それは半日ほどで自家発電機を
動かす重油があっという間に消費されてしまっ
たというではないか。しかも、そのための重油を
追加給油しようとしたら、そのための給油ポンプ
が停電のために動かないので、給油できないとい
うことだったそうだ。手動
給油ポンプの準備も、大切
だ。電話も、昔風のダイア
ル式黒電話なら停電時でも
機能が維持されたものだが、
最近の電話は電源がなけれ
ば動かないらしい。ファックスはなおさらだ。事
務所に欠かせないコピー機は電気で動く。だから
停電時にはコピーは出来ない。電子自治体の進展
により、職場は誰もがコンピュータを使うのは今
では当たり前だ。コンピュータによる情報通信と
文書事務作業が、事務室の業務の基本である。し
かし、コンピュータこそは、電気がなければ全く
機能は失われてしまう。「機械可読記録」と呼ばれ
る電磁的記録類は、電力供給がなければ機械が動
かないので、不可読記録と化すに違いない。テレ
ビもダメになるのは当たり前。だからせめてラジ
オを、と本井氏はファックスの中で主張していた。
これも、電池切れにならぬように注意を払わねば
なるまい。
本井レポートを見ていくと、停電は道路の信号、
水道ポンプなどのライフラインを直撃すること
がわかる。そういえば、1959年に名古屋で伊勢湾
台風に遭遇したとき、我が家は数日間は電気もつ
かず、水道も出なかった。でも、なぜかガスだけ
は止まらなかった。新潟大停電ではガス供給への
影響はなかったのだろうか。
◆停電はどこで起こるか◆
1 月 11 日、本井氏から封書が届いた。新聞切り
抜きコピーのウラのポストイットに「停電の話は
これでおしまい!」とあった。届いた新潟日報の
コピーには、電力会社の大きなおわび記事もあっ
て、確かにこの大停電については一応の決着を見
るところまで調査も進んだ模様。
翌 1 月 12 日もう一通封書が届いた。「12 月の
大停電が、一時のローカルニュースとして、首都
圏ではもう忘れられているくらい軽く思われて
いるようだ。ぜひ一度、東京でこの寒い時期に停
電を経験してもらえるといいのですが」のメモ。
そのとおりだと思う。
◆「災害は忘れたころにやってくる」◆
数年前に、ワシントン DC 近辺で大停電が起き
たときには、現地に住む親戚から、コンピュータ
もダメ、炊事洗濯何もかもストップ、という体験
談を聞いた。しかし、それは文字通り「海の向こ
うの話」だった。よもや、日本でそんなことが起
こるとは、全く予想していなかった。そして、実
際に大停電が起きたら生活面では何が起こるの
か、職場ではどんなことが出来なくなるのかなど、
考えたこともなかった。それでも、停電は突然起
きた。次の停電はどこで起こるのだろう。
(ち)
-5-
DJI レポート
No.65
20060120
●◆▼やぶにらみ文献紹介【●図書◆論文▼逐次刊行物■その他】
▼外交史料館報 第 19 号
2005 年は日魯通好条約 150 周年で日露戦争講和条
約締結 100 周年ということで、口絵写真に日ロ関係の
条約書等が紹介され、日露・日ソ関係の論考 3 本他
を掲載。B5 判 212 頁、外務省外交史料館 平成 17
年9月
▼松本市史研究―松本市文書館紀要―第 15 号
講演・金沢勇二「デジタル化時代の資料保存の動向
と課題」、文書の管理と保存・田玉徳明「長野県にお
ける公文書保存のあゆみ」、市史研究・小松芳郎「日
露戦争の出征兵士と青年会」他、B5 判 115 頁、松本
市発行、平成 17 年 3 月
■電子記録:アーキビストのためのワークブック
ICA 国際文書館評議会が2005年4月に発表した
電子記録管理に関する報告書の日本語訳が昨年 11
月、国立公文書館の HP に公開された。電子記録の
長期保存は世界のアーキビストにとって共通の大問
題。しかもなお、現場としては明確な解決策は見えて
いない。その中で、国立公文書館により、日本語で読
める文献が公開されたのは福音。
近い将来に現実化する電子媒体による公文書等の
移管に備え、効率的な管理・保存に向けた最適な保
存媒体と管理方策等の検討の中で、電子記録の長
期保存等に関心を持つ向と情報資源の共有を図る
のが目的。
http://www.archives.go.jp/hourei/ICASTUDY16_EL
ECTRONIC_RECORDS_JPN.pdf
なお、ICA のダウンロードセンターには英語、スペイ
ン語も掲示がある:
http://www.ica.org/biblio.php?pdocid=285
■英国国立公文書館「電子記録オンライン」でデジタ
ル資料をデジタル提供 Electronic Records Online
英国国立公文書館は、電子媒体による(=ボーンデ
ジタル)公文書を受入れている。そして、その中
のいくつかはすでにウェブ上で検索閲覧コピー
入手も出来るパイロットプロジェクトが動いて
いるということを、英国国立公文書館のホームペ
ージを眺めていて発見した。このパイロットプロ
ジェクトでは、1990 年代の文書や写真資料などを
検索・閲覧の対象にしている。ただし、モノによ
ってコピーは課金対象だ。課金対象の資料では、
クレジットカードによる支払い手続きをとって
◇◆◇アーキビストの消息 ◇◆◇
からでなければ、公開されている資料画像にたど
り着くことができない。日本のアジア歴史資料セ
ンターの場合は掲出された資料の閲覧とコピー
は無制限で無料だが、英国はここがちょっと違う。
http://www.nationalarchives.gov.uk/ero/default.htm
■公文書館資料に見る北谷のあゆみ―図録― 平
成16年度北谷町公文書館企画展
本書は、企画展が終了した後に編集発行されたもの
である。冒頭頁で北谷町長辺土名朝一氏は、発刊に
よせて「北谷町は沖縄戦において米軍の上陸地点と
なり上陸と同時に村の全域が占領され当時の村に関
する行政文書のすべてを消失しました。そのため、現
存する行政文書は戦後の文書であります。」と述べ、
公文書館長崎原盛和氏は「戦後の米軍統治下から
本土復帰までのさまざまな困難を乗り越えていく住民
の当時の状況や、今日の北谷のまちづくりの礎となる
先人たちの行動を垣間見ることが出来る構成」と企画
展を説明する。この頁は、沖縄・北谷の人々の経験
がただならぬものであったこと、戦前期の行政文書等
の不存在という事実を裏付ける深く厳しい背景情報
を抱えていることを、率直かつ冷静に私たちに伝えて
くれる。
内容は「ふるさと再建」「平和への想い」の 2 部構成
で、公文書と共に多くの写真資料の掲出がある。図
録部分が 20 頁、写真入りの年表「北谷のできごと」8
頁、展示リスト 3 頁に奥付を含め全 32 頁構成。A4 判。
北谷町公文書館 2005 年 11 月 30 日発行
展示は 2005 年 3 月 15 日から 25 日まで、北谷町役
場町民ギャラリー他で開催された。
●国家の品格☆☆☆
著者は数学者藤原正彦。『若き数学者のアメリカ』が
世に出たころ、胸をワクワクさせつつ引き込まれて読
んだことを思い出す。今回もまた一気読み。とりわけ
84 頁 「真のエリート」2 条件、128 頁「卑怯を憎む」は
印象的。新潮新書、190 頁、05 年 11 月。680 円+税
★☆★(^-‘)やぶにらみメモ (ち)の足跡☆★☆
●『デジタル情報クライシス』
「第 4 章 今日の文書は明日の古文書」対談、中
島洋編著日経 BP、2005 年 11 月、1600 円+税
凡例■機関●ひと
■社名変更 2005年11月1日から 高橋情報システ
ム株式会社⇒株式会社インフォマージュ、英語名
Infomage Co.LTD.
◆訃報◆
山口衛氏 2005年9月19日逝去。指定難病のALSで約
15年闘病。その間山梨県にALS協会山梨支部を立上げ、
自立呼吸が困難になった後も呼吸器を装着したALS患者
の闘病の意義につき、米国カリフォルニア州で開催され
た世界ALS大会で論文を発表した。学生時代からクラシッ
ク音楽を愛し、オーケストラではフルート奏者。享年57。
井上定幸氏
2005年11月9日逝去 近世史研究者
で、元群馬県立文書館長。海外の文書館に積極的に出
向き各国の公文書館見学記を発表された。享年79。
★情報をお寄せくださった皆様、ありがとうございました
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DJI レポート
No.65
20060120
DJI国際資料研究所の主な活動 2005 年 10 月 1 日~12 月 31 日
<執筆>
10 月 24 日、12 月 5 日 内閣府「電子媒体による公文書等
「歴史資料の選び方―公文書保存の方策 覚書―」
『松本市史研究―松本市文書館紀要―』第 15 号、松本
市発行、平成 17 年 3 月
の管理・移管・保存に関する研究会」、東京
10 月 13,18,26 日,11 月 14,21 日,12 月 19 日
<講演>
11 月 2 日「ドキュメント・マネジメントと公文書管理及び各国の動向」
NOMA 公開セミナー,東京
10 月 28-29 日,12 月 24-25 日 横断的アーカイブズ論研究会、
中能登町,石川県;近大会館、大阪
11 月 7 日,12 月 16 日 記録管理学会文書管理法制化推進
プロジェクト、日本レコードマネジメント、国立情報学研究所、東京
11 月 9-11 日 全史料協全国大会、福井県国際交流会館
11 月 22 日 ねこ会議、学習院女子大学、東京
11 月 25-12 月 1 日 CITRA 国際文書館評議会円卓会議、
同 SPA 専門家団体部会、アブダビ,アラブ首長国連邦
12 月4日 全史料協資料保存委員会、藤沢市役所
12 月 21 日 全史料協総務委員会、愛知県公文書館,名古屋
<見学>
10 月 11 日 統計と国勢調査 国立公文書館秋の展示
10 月 27 日 東京大学史史料室、本郷、東京
10 月 28 日 ふるさと創修館、中能登町、石川県
10 月 29 日 室生犀星記念館,前田土佐守家資料館,金沢
11 月 5 日 山中湖情報創造館、山梨県
11 月 6 日 松本市文書館、松本、長野県
11 月 11 日 福井県立文書館、福井
12 月 1 日 アルアイン博物館、ドバイ博物館,アラブ首長国連邦
12 月 8 日 国立公文書館、東京
12 月 24 日 水洗い地蔵、大阪
12 月 7 日「デジタル・アーカイブへの期待―アーキビストの視点
から―」デジタルアーカイブセミナー 2005,東京
<出講>
10 月 6,13,20,27 日 11 月 17,24 日 12 月 8,15,22 日 文化・
人間情報学基Ⅳ「アーカイブの世界」,東京大学大学院情報学環
10 月 18,25 日 11 月 1,6,8,15,22 日,12 月 6,13,20 日 文書
館学、東京学芸大学
12 月 10 日「アーカイブについて」「アーキビストの活動」,藤女子
大学,札幌
<発表>
11 月 10 日 「電子文書化と文書管理システム」、全史料協大会
第 2 分科会、福井県国際交流会館
<参加>
10 月 5 日 大学史資料協議会総会 慶應義塾大学、東京
10 月 15 日,12 月 17 日 原子力市民講座 東京大学
10 月 17 日,12 月 19 日 日本規格協会 TC46SC11WG3 会議、
赤坂、東京
10 月 19 日 JHK 情報保存研究会役員会、もんじょ箱、東京
公文
書管理法(仮称)研究会、東京
<巻末随想>
●11 月 3 日は晴天特異日といわれ、この日はめった
に雨が降らないそうだ。特異日とは、広辞苑は「天
気がよいとかいったことが集中的に繰り返し出現す
る暦日」と説明している。この定義どおりなのかど
うかはわからないが、筆者にとって 10 月のある日は、
さながらイベントの「特異日」だった。定例会議、海外
開催や異分野のアーカイブ関連シンポジウム等々が同じ日に
集中したのである。
●もちろん、その中には必ずしも出席しなければな
らないというほどのものではないものもあった。そ
れに、体はひとつ、時間は 24 時間である。当然なが
ら参加できるのはひとつだけ。そこで、体力、気力、
地理的・時間的な移動距離などの条件を組み合わせ
て、結論をだした。
●このとき思った。20 年も昔、アーカイブの勉強を始め
たころ、最初に資料評価では、①証拠価値、②情報
価値、③業務価値、④歴史価値、⑤現物価値の 5 つ
の観点と、⑥物理的な分量とスペースの関係を勘案する、
と習った。つまり、評価のためのモノサシの使い方を最
初に身につけさせてくれたのである。
●モノサシの一つ一つの「目盛」はそれほど明確でもな
いが、資料の価値を複数の側面から測っていくとい
う手法は悪くない。一つ一つの資料を手に取ると、
その資料は手の中から『自分の証拠価値、情報価値、
業務価値、歴史価値、現物価値はそれぞれこのよう
にある』と主張してくるように感じる。それぞれの
項目を相対的に数値化していくと、客観的とまでは
言わないが数値でその価値を表現することが可能に
なる。こうして数値化された『価値』の高いものが、
保存収納スペースに見合う分量であれば、資料のアー
カイブ保存が可能、と判断することが出来る。
●2004 年、内閣府研究会が報告書をまとめた直後、
「歴史資料として重要」を抜きにした『公文書等の
保存・利用懇談会』が発足した。当時筆者は、国立
公文書館が「現用以外の公文書等」を収集対象とす
ることを乗り越え、現用公文書にもその目配りを始
めたととらえた。しかし、今になってみると、むし
ろ公文書館が収集対象とすべき非現用公文書であっ
ても、その価値を『歴史資料として重要』のみにみ
るのではなく、証拠価値、情報価値、業務価値、現
物価値もあわせて評価する必要があることが、その
時点で意識されていたのかもしれないと感じる。
●確かに、社会は価値の多様化の時代を迎え、キーワー
ドとしてデジタル・アーカイブが普及著しい。唯一性の高い
原本文書に拘泥しすぎていてはこれからの文書館は
本来の機能や役割を見失いかねない。資料評価の5
観点を教わったとき、もうひとつ忘れがたい言葉を
聞いた。
「コンピュータ時代のアーキビストは、原本の保存以上
に“情報”の長期保存に力を注ぐべきであろう。」
●記録の作成、確実な管理と信頼性の確保など、社
会的な倫理の屋台骨は良質な記録の作成維持管理に
ある。今年はアーカイブ2年、情報と記録の長期保存は、
その情報源である組織の品格と文化を映し出すモノサシ
として位置づけていきたい。(ち)
Documenting Japan International Report 国際資料研究所報
DJIレポート
ISSN 1342-632X
No.65
20060120
発行所:国際資料研究所 Documenting Japan International 代表 小川 千代子
〒251-0045 神奈川県藤沢市辻堂東海岸 3-8-24 fax+ phone 0466-31-5061
Email:djiarchiv@ybb.ne.jp DJIレポートの年間購読料は、送料とも2,000円です。〒口座番号 00130-4-727359 加入者名:国際資料研究所
DJI レポート電子版 url: http://djiarchiv.exblog.jp/
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DJI レポート
No.65
20060120
発行所:国際資料研究所 Documenting Japan International 代表 小川 千代子
〒251-0045 神奈川県藤沢市辻堂東海岸3-8-24 fax+ phone 0466-31-5061
Email:djiarchiv@ybb.ne.jp DJIレポートの年間購読料は、送料とも2、000円です。〒口座番号00130-4-727359 加入者名:国際資料研究所
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コスモス 1/4頁
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