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CODEN:KDCHEW
ISSN 0916-0892
九州大学中央分析センター報告
−
− 第 27 号 −
−
REPORT
OF
THE CENTER OF ADVANCED INSTRUMENTAL ANALYSIS
KYUSHU UNIVERSITY
NUMBER 27
2009
九州大学中央分析センター
目 次
研 究 報 告
1.金属酸化物担持金ナノ粒子を利用した有機合成反応
濱崎 昭行,山根 義弘,原口 慎吾,劉 小浩,徳永 信…………… 1
2.ボトムアップアプローチによるカーボンナノチューブ電極触媒の設計
藤ヶ谷 剛彦,中嶋 直敏…………… 7
3.アルカンチオール単分子膜修飾電極に固定化した
チトクロームcの直接電子移動反応の研究
中野 幸二,吉武 忠輝,山下 泰徳,宗 伸明,今任 稔彦……………17
4.パンノキ樹木からのチロシナーゼ阻害成分
~HPLC分析におけるクロロフォリンの挙動~
清水 邦義,近藤 隆一郎……………25
中央分析センター機器の利用状況……………………………………………………………………………32
平成21年度中央分析センター委員会委員 …………………………………………………………………39
大型装置を利用した研究成果 …………………………………………………………………………………42
分析センター業務記録……………………………………………………………………………………………52
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
− 研 究 報 告 −
金属酸化物担持金ナノ粒子を利用した有機合成反応
濱崎 昭行,山根 義弘,原口 慎吾,劉 小浩,徳永 信
九州大学大学院理学研究院化学専攻
Metal oxide supported gold nanoparticles catalyzed organic reactions.
Akiyuki HAMASAKI, Yoshihiro YAMANE, Shingo HARAGUCHI,
Xiaohao LIU and Makoto TOKUNAGA
Department of Chemistry, Graduate School of Sciences, Kyushu University,
6-10-1 Hakozaki, Higashi-ku, Fukuoka 812-8581, Japan
Abstract
Utilization of metal oxide supported gold nanoparticles as catalysts for several organic reactions was investigated.
Iron oxide supported gold nanoparticles (Au/Fe2O3) showed good performance for chemoselective reduction of aromatic
nitro groups to amino functionalities in the presence of carbon–carbon triple bonds, and successive intramolecular
cyclization resulted in the formation of indole derivatives. Gold nanoparticles on Cobalt oxide (Au/Co3O4) have been
found to generate cobalt carbonyl (Co2(CO)8) like active species under CO/H2 atmosphere. Au/Co3O4 could be used as a
substitute of Co2(CO)8 for many organic reactions.
1.はじめに
化学の世界では、古くから遷移金属を触媒とした反応が開発されてきた。その中にあって、金は触媒とし
ての利用に向かないと考えられてきたが、一度金の触媒活性が見出されると、活発に研究が展開され始めた1)。
さらに金のサイズが極めて小さくなり直径数ナノメートル以下になると、バルクとは全く異なる特性を示す
ことが見出され、近年では金ナノ粒子に関する研究報告が増加の一途を辿っている。
インドールはトリプトファンのようなアミノ酸や、アルカロイドなどの天然物に見られる炭素骨格であり、
それらの中には重要な生理活性を持つ物質も多い。それ故に、フィッシャー法などの古典的手法を始め、多
くのインドール骨格合成法が現在までに報告されている。我々は酸化物担持金ナノ粒子を種々有機反応に適
用し、その触媒活性について検討を行った。ここでは酸化鉄担持金ナノ粒子を用いた官能基選択的なニトロ
基の還元とそれに続く分子内環化によるインドール誘導体の新規ワンポット合成法について述べる。また、
酸化コバルト担持金ナノ粒子をコバルトカルボニルの代替触媒としたポーソン–カーン反応についての検討
結果も併せて報告する。
2.実験方法
金属酸化物担持金ナノ粒子の調製は、共沈法により行った。目的量の塩化金酸四水和物および硝酸鉄九水
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
和物、または硝酸コバルト六水和物の水溶液を炭酸ナトリウム水溶液に加え、生じた沈殿を乾燥および焼成
することで酸化鉄担持、または酸化コバルト担持金ナノ粒子を得た。
各反応はガラスチューブを装着したステンレス製オートクレーブ中で行い、反応の解析は薄層クロマトグ
ラフィー(関東化学)、ガスクロマトグラフィー(Agilent GC 6850 series II)、ガスクロマトグラフ質量分析
計(Thermo Fisher Scientific Polaris Q)、核磁気共鳴装置(日本電子JNM-ECS400、JNM-AL400)を用いて行っ
た。また、一部の核磁気共鳴スペクトルの測定は、九州大学先導物質化学研究所(Bruker DRX-600)に、透
過型電子顕微鏡(TEM)測定は九州大学中央分析センター(日本電子JEM-2100XS)および首都大学東京(日
本電子JEM-2100F、春田正毅教授、石田玉青助教)に測定を依頼した。
3.結果と考察
3.1 酸化鉄担持金ナノ粒子を触媒としたインドールおよびアニリン誘導体の合成2)
インドール骨格の新規合成法として、2位にアルキニル基を有するニトロアレーンからのワンポット変換
を試みた。まず1-ニトロ-2-(2-フェニルエチニル)ベンゼン(1a)を基質として条件最適化を行った(Table 1)。
酸化チタン担持金ナノ粒子を触媒として反応を行うと、63%の目的とするインドール化合物2aと共に、6%の
3aおよび3%の4aが得られた(entry 1)。触媒を酸化鉄担持金ナノ粒子として同様の条件で反応を行うと、酸
化チタン担持の場合よりも良好な収率を与えた(entry 2)。反応温度を160℃とすると大きな収率の低下が見
られたが(entry 3)、水素圧を2.0MPaへ上昇させると120℃の場合と同等の結果となった(entry 4)。本反応
において許容される温度範囲は比較的広く、140℃から100℃ではそれほど大きな結果の違いは見られなかっ
た(entries 5–8)。反応温度を80℃以下にすると、反応効率の低下が見られ、目的とする1aの収率は低下した
(entries 9–11)。ここで、1aの収率のみを考慮すると80℃以下の反応温度は不適と考えられるが、1aが生成す
る際の前駆体である2aとの合計収率として見ると、60℃から80℃の温度帯で最高となっている。つまり、2a
から1aへの変換効率を向上させることができれば、この温度帯が最適条件となり得ると考えられる。
Table 1. One-Pot, One-Step Synthesis of Indole 2a by Supported Au Catalysts
under Hydrogenation Condition.
yield (%)
entry
catalyst
t (°C)
P (MPa)
convn (%)
2a
3ac
1
Au/TiO2
120
1.2
100
63
6
2b
Au/Fe2O3
120
1.2
100
69
0
7
3b
Au/Fe2O3
160
1.2
97
51
0
4
b
4
Au/Fe2O3
160
2.0
100
67
0
16
5b
Au/Fe2O3
140
2.0
100
73
0
14
6b
Au/Fe2O3
120
2.0
100
73
0
13
7b
Au/Fe2O3
110
2.0
100
77
0
14
8b
Au/Fe2O3
100
2.0
100
76
3d
13
9
Au/Fe2O3
80
2.0
100
60
24
10b
Au/Fe2O3
60
2.0
100
32
51
1
11b
Au/Fe2O3
40
2.0
38
3
30
1
a
b
a
c
d
4ad
3
3
1a (0.5 mmol), toluene (2.0 mL), 1 h, Au/TiO2 (1.2 atom % Au/(Au+Ti), 2.3 mol %
Au/1a).
b
Au/Fe2O3 (5.0 atom % Au/(Au+Fe), 2.3 mol % Au/1a).
yield.
――
c
Isolated yield.
d
GC
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
Table 1の結果によると、反応の第一段階であるニトロ基の還元は比較的低温でも良好に進行し、反応温度
が上昇するに従って三重結合の還元が起こることが見て取れる。そこで、反応条件をより最適化すべく、ワ
ンポット-二段階での反応を検討した(Scheme 1)。60℃でニトロ基の官能基選択的還元を進行させ、その
後水素圧をかけない状態で120℃に加熱すると、三重結合が還元された副生成物4aの生成は効果的に抑制さ
れ、目的とするインドール体1aの収率を87%まで向上させることができた。
Scheme 1. One-Pot, Two-Step Synthesis of 2a by Supported Au
Catalysts under Hydrogenation Condition.
様々な基質について、ワンポット-一段階(Method A: 2.0 MPa H2, 120℃, 1 h)、またはワンポット-二段
階(Method B: 2.0 MPa H2, 60℃, 1 h → 0.1 MPa H2, 120℃, 1 h)それぞれの方法で反応を行った結果をTable 2
に示す。三重結合の還元が抑制されるワンポット-二段階法(Method B)が全ての基質において、より良い
収率を与えた。電子求引性のトリフルオロメチル基を持つ1eでは多量の4eが副生し(33%)、目的物は低収率
に留まった(entry 10)。また、トリメチルシリル基を有する1hでは、ニトロ基は還元されるもののインドー
ルへの環化反応が完全に抑制された(entries 15, 16)。
Table 2. Synthesis of Indoles by Supported Au Catalysts under Hydrogenation Condition.a
entry
substrate
R1
R2
methodb
yield (%)
1
1a
Ph
H
A
73
2
1a
Ph
H
B
87
3
1b
4-MeC6H4
H
A
67
4
1b
4-MeC6H4
H
B
87
5
1c
4-FC6H4
H
A
66
6
1c
4-FC6H4
H
B
86
7
1d
4-MeOC6H4
H
A
75
8
1d
4-MeOC6H4
H
B
81
20
9
1e
4-CF3C6H4
H
A
10
1e
4-CF3C6H4
H
B
43
11
1f
cyclohexenyl
H
A
77
12
1f
cyclohexenyl
H
B
94
13
1g
tert-butyl
H
A
66
14c
1g
tert-butyl
H
B
81
15
1h
SiMe3
H
A
0
16
1h
SiMe3
H
B
0
17
1i
n-C6H13
H
A
56
18
1i
n-C6H13
H
B
75
19
1j
Ph
Me
A
45
20
1j
Ph
Me
B
81
a
1 (0.5 mmol), toluene (2.0 mL), Au/Fe2O3 (5.0 atom % Au/(Au+Fe), 2.3 mol % Au/1).
b
Method A: one-pot, one-step condition (2.0 MPa H2, 120°C, 1h). Method B: one-pot,
two-step condition (2.0 MPa H2, 60 °C, 1 h, then 0.1 MPa H2, 120 °C, 1 h). c H2 pressure
of the first step was 1.0 MPa.
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
Au/Fe2O3触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)画像をFigure 1に示す。反応前(a)における金ナノ粒子の平均
粒径は2–3nm程度であるが、反応後(b)では多少その増大が見られた。回収触媒を用いたリサイクル実験では、
インドール化合物の収率が40%程度へと低下したが、平均粒径増大の影響が現れたものと推測される。
(a)
(b)
Figure 1. TEM images of Au/Fe2O3. (a) before the reaction and (b) after the reaction.
3.2 コバルト酸化物担持金ナノ粒子を用いたポーソン−カーン反応
最近我々は、酸化コバルト担持金ナノ粒子(Au/Co3O4)を一酸化炭素および水素から成る合成ガス雰囲気
下で加熱すると、金近傍の酸化コバルトが還元されコバルトカルボニル(Co2(CO)8)類似の活性種が生成す
ることを見出し、ヒドロホルミル化3)やアミドカルボニル化(若松反応)4)に適用してきた。先に述べたインドー
ル合成を含む一般的な金ナノ粒子が触媒する反応では、その活性を担っているのは金であるが、Au/Co3O4か
ら生じる活性種は担体である酸化コバルトに由来するところが興味深い点である。今回Au/Co3O4を触媒とし
て、[2+2+1]環化反応であるポーソン-カーン反応について検討を行った。
ポーソン-カーン反応は元々分子間反応として報告されたが、反応性や位置選択性の問題が生じることか
ら、分子内形式での反応が一般的である。そこで、化合物5aを基質として反応条件の最適化を行った(Table 3)。
反応を100℃で行うと、20時間における6aの収率は29%であり、大部分の基質が未反応のまま残存した(entry
1)
。反応効率を向上させるため160℃に昇温すると、20時間で基質は消失したが、得られた化合物は二重結
Table 3. Condition Optimization of Au/Co3O4 catalyzed Pauson–Khand Reaction.
entry
cat. (% Co/sub.)
CO/H2 ratio
t (°C)
T (h)
yield (%)a
1
11
3
100
20
29
2
11
3
160
20
46b
3
11
1
100
20
5
4
11
CO only
100
20
0
5
11 c
3
100
20
0
6
3
3
100
20
0
11
3
100
60
81
7
a
Isolated yield.
b
Saturated hyxahydropentalen-2-one product was obtained instead of
6a. c Co3O4 was used instead of Au/Co3O4.
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
合が還元されたヒドロペンタレン-2-オン化合物であった(entry 2)。entry 1に比べ水素分圧(entry 3)、ま
たは一酸化炭素分圧(entry 4)を上昇させると、反応効率は劇的に低下した(entries 3, 4)。以上の結果を総
合し、本反応では100℃で長時間反応を行うentry 7を最適条件と判断した。
Table 3より得られた最適条件で、基質一般性の検討を行った。アルキン上(entries 1, 2)、またはオレフィ
ン上(entry 3)における置換基の有無は、反応効率に大きな影響は与えなかった。リンカー部分の構造は、
近接効果の大きなマロン酸エステルやトシルアミド(entry 4)では非常に良好な結果を与えたが、エーテル
の場合には反応性の低下が観察され、160℃の反応温度下で30%程度の収率に留まった。
ポーソン-カーン反応に用いた金ナノ粒子触媒の透過型電子顕微鏡画像をFigure 2に示す。(a)は金を担持
していない酸化コバルトであり、(b), (c)はそれぞれ10atom %、25atom %の金を担持したものである。(b), (c)
Table 4. Substrate Scope of Au/Co3O4 Catalyzed Pauson–Khand Reaction.
X
2
R1
CO/H2
Au/Co3O4
R1
X
R
DME
100 °C, 60 h
O
R2
5
entry
1
6
R ,R ,X
1
product
2
yield (%)a
R =H
1
R2 = H
91
X = C(CO2Et)2
2
R1 = Me
R2 = H
66
X = C(CO2Et)2
3
R1 = Ph
R2 = Me
89
X = C(CO2Et)2
4
R1 = Ph
R2 = H
96
X = NTs
5
R1 = Ph
R2 = H
30b
X=O
a
(a)
Isolated yield. b The reaction was conducted at 160 °C.
(b)
(c)
Figure 2. TEM Images of Au/Co3O4. (a) Co3O4, (b) 10atom % Au/Co3O4, (c) 25atom % Au/Co3O4.
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
の比較から、担持量が増加するにつれて金の粒径も増大することが見て取れる。ヒドロホルミル化における
触媒活性を10atom %担持および25atom %担持したもので比べると、前者の方が良好な活性を示したため、粒
径が大きくなると活性が低下することが示唆される。
4.ま と め
今回我々は、金属酸化物担持金ナノ粒子を触媒とした反応開発を行った。インドール誘導体の合成では、
反応温度と水素圧をそれぞれの段階に最適に調節することで、反応効率の著しい向上を達成した。本反応で
は芳香族ニトロ基の官能基選択的還元、およびそれに続く環化をワンポットで行うことができ、操作の簡便
な新規インドール合成法となるものである。ポーソン–カーン反応においては、リンカー部分がエーテル構
造の場合のみ反応性の低下が見られたが、アルキン・オレフィンの置換による立体的影響も少なく、幅広い
基質で効率良く反応が進行した。
実際に反応を触媒する活性種は、酸化鉄担持金ナノ粒子を用いたインドール誘導体の合成では担持された
金であり、酸化コバルト担持金ナノ粒子を用いたポーソン–カーン反応では、担体である酸化コバルトに由
来する。このように担体によって変わる金ナノ粒子触媒の特性をうまく利用することで、多種多様な有機反
応への展開が考えられ、新しい化学の扉を開く可能性を秘めていると期待される。
参考文献
1. Hashmi, A. S. K.; Hutchings, G. J. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 7896.
2. Yamane, Y.; Liu, X.; Hamasaki, A.; Ishida, T.; Haruta, M.; Yokoyama, T.; Tokunaga, M. Org. Lett. 2009, 11, 5162.
3. Liu, X.; Haruta, M.; Tokunaga, M. Chem. Lett. 2008, 37, 1290.
4. Hamasaki, A.; Liu, X.; Tokunaga, M. Chem. Lett. 2008, 37, 1292.
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
ボトムアップアプローチによるカーボンナノチューブ電極触媒の設計
藤ヶ谷 剛彦 1,中嶋 直敏 1, 2
1
九州大学 大学院工学研究院応用化学部門,2 JST-CREST
Development of Novel Electrocatalyst for Fuel Cell Composed from
Polybenzimidazole/Carbon Nanotube Composites
Tsuyohiko Fujigaya 1 and Naotoshi Nakashima 1,2
1
Department of Applied Chemistry, Graduate School of Engineering. Kyushu University, 744,
Motooka Nishi-ku Fukuoka, Japan,
2
JST-CREST, 5 Sanbancho, Chiyoda-ku, Tokyo 102-0075, Japan
Abstract
Polybenzimidazole (PBI) is widely known as a promising candidate for electrolyte membrane of polymer electrolyte
fuel cell (PEFC) operating under dry condition. On the other hand, carbon nanotubes (CNTs) have been emerged as a
better carbon support material than conventional material such as carbon black. We have reported the PBI is adsorbed
onto the surface of CNTs and acts as the good solubilizer. By taking advantage of stable wrapping of PBI on CNTs, we
utilized this composite as a novel carbon supporting materials for loading the metal catalyst such as platinum (Pt). As
the result, the PBI-wrapped CNTs show better efficiency of Pt loading than that of pristine CNTs due to the coordination
between Pt ion and PBI. Furthermore, the obtained electrocatalyst (CNT/PBI/Pt) shows excellent Pt utilization
efficiency mainly due to the formation of ideal interfacial structure constructed by the CNTs, PBI and Pt.
1.はじめに
カーボンナノチューブ(Carbon nanotube : CNT)はグラフェンを丸めたベンゼン環のみからなる一次元円
筒状物質であり、その層の数に応じて単層、二層、多層カーボンナノチューブという分類がなされる1)。こ
のCNTは非常に強固でありながらもしなやかであり、金属より電気も熱もよく通すにもかかわらず有機分子
のように比重が軽いという性質を併せ持つ炭素新素材である。
組成式で表現すれば単なる「C(炭素)」であり、いささか無表情なイメージであるが、眺める方向によ
り魅せる表情は実に生き生きとして豊かである。例えば筆者は高分子化学の分野に従事しており、CNTを一
種の「共役系導電性高分子」として眺めることが多い。するとCNTはセンサー、電子素子、電極、アクチュ
エータ、帯電防止剤等々すでに多岐にわたり提案されている導電性高分子アプリケーションの全てに展開可
能であることに気づく。他方、その導電性や機械的強度からCNTを金属代替材料と捉えても、電極材料、原
子間顕微鏡探針、配線材料、電子放出源、ヒートシンク、フィラー添加材などの様々な用途が見えてくる。
このようにCNTにはさまざまな用途展開の候補が挙げられているが未だに実用化の段階に至っている材料は
ない。その理由としてはコストの高さもさることながら、ハンドリングの悪さゆえ期待した物性や複合化効
果が得られないという点が大きい。CNTは単位長さあたり0.9eV/nm(計算値)2)という非常に強固な凝集構造
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
を形成するために、溶媒に不溶な物質とされ、研究開発の素材としては非常に扱いにくい。このような状況
の中でCNTの凝集構造をほどく様々な方法が提案されている。代表的なアプローチとしてCNT表面と相互作
用の強い分子をCNTの分散を助ける分子、すなわち「可溶化剤」として用いる「物理吸着法」という手法が
挙げられる3-6)。この手法はCNT表面への共有結合的修飾を利用する「化学修飾法」7-9)と異なり再現性よくか
つCNTの物性を損なうことなく分散を可能にするのが特徴である。最も効率の良い分散状態はCNTの1本1
本までほどけた「孤立分散状態」であり、このような状態になることで半導体の単層カーボンナノチューブ
(SWNT)であれば近赤外領域に発光が観測されるようになる10)。これまでに中嶋らは様々な分子が可溶化剤
としてCNTを溶液中に孤立分散させることを報告している3)。特にピレン誘導体11)、ポルフィリン誘導体12)、
DNA13)、芳香族ポリイミド14)など主にベンゼン環を多く持つような分子が可溶化作用を有していることが明
らかにされてきた3-6)。これらの可溶化は、可溶化剤分子がCNT表面にπ-π相互作用などにより吸着し被覆
することで溶媒和を可能にして達成される。本稿においては最近新たにCNT可溶化作用が見出されたポリベ
ンズイミダゾール(PBI)についての研究を紹介する。本研究を通じてCNT可溶化が最終目的材料に対して
どのような役割を果たすかをご理解いただけたらと思う。
2.実 験
2.1 PBIの合成
ポリリン酸(600g)に3-3’Diamino benzizine 4塩酸塩水和物(18.01g)を加え140ºCで3時間加熱攪拌した。
塩酸ガスの発生が停止した後、イソフタル酸(7.33g)を加え、N2雰囲気下200ºCで12時間攪拌した。反応終
了後、反応溶液を水に再沈殿させ、ファイバー状の物質を回収した。NaHCO3水溶液中に1晩浸漬し水で十分
洗浄した後、P2O5存在下60ºCで3日減圧加熱乾燥させた。
2.2 PBIによるSWNTの可溶化
PBI(20mg)をDMAc(5ml)に十分溶解させた。ここにSWNT(5mg)を加え、バス型ソニケーターで1
時間超音波処理を行った。この溶液を10000×gで1時間遠心分離(himac CF15R, HITACHI)し、その上澄み
溶液を回収した。
2.3 PBIによるSWNTの可溶化
PBI(20mg)をDMAc(5ml)に十分溶解させた。ここにMWNT(1mg)を加え、バス型ソニケーターで1
時間超音波処理を行った。この溶液を500×gで1時間遠心分離し、その上澄み溶液を回収した。
2.4 PBIフィルムへの白金配位
PBI/DMAc溶液(4mg/ml、適量)をガラス基板上にキャストし、120ºCで加熱真空乾燥させた。乾燥後ガラ
ス基板上からフィルム(厚さ数μm)を剥ぎ取った。このフィルムをH2PtCl6水溶液(10mM)に入れ、1週
間浸漬させた。浸漬後水で十分フィルムを洗浄した。このフィルムをエチレングリコール水溶液(EG:水
=3:2v/v, 30ml)に加え140ºCで8時間還流した。これらのフィルムは水で十分洗浄後、デシケーター中で真
空乾燥させた。
2.5 MWNT/PBI複合体への白金担持
PBI(5mg)をDMAc(5ml)に添加し十分溶解させた。この溶液にMWNT(5mg)を加え超音波処理する
――
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
ことでPBIをMWNT上へ吸着させ、PBI/MWNT複合体を作製した。吸引ろ過(孔径0.2μm, ミリポア社製)
によりの過剰なPBIを除去し、固体としてMWNT/PBIを回収した。MWNT/PBI(10mg)をエチレングリコー
ル水溶液(EG:水=3:2v/v, 17ml)に加え分散させた。ここにH2PtCl6のエチレングリコール水溶液(1.4mM,
33ml)を加え、室温で2時間、140ºCで8時間還流することによりPtを担持させた。反応後吸引ろ過により
回収し、水で洗浄、乾燥して固体としてMWNT/PBI/Ptを回収した。
2.6 測 定
赤外吸収スペクトル(IR)測定はNicolet社製PROTÉGÉ 460および日本分光社製FT/IR-620(九州大学中央
分析センター所有)を用いて行った。可視・近赤外吸収測定および近赤外蛍光スペクトル(PL)測定はそ
れぞれ日本分光社製V-570 UV/VIS/NIR spectrophotometerおよびHORIBA IOBIN YVON社製NanoLog, TRIAX
320で測定した。SWNT/PBI、MWNT/PBIおよびMWNT/PBI/Pt複合体の透過型電子顕微鏡(TEM)観察は日
本電子社製JEM-2010(印加電圧:120kV)で行った。またMWNT/PBIの原子間力顕微鏡(AFM)測定はマ
イカ基板にキャストしたサンプルを島津製作所社製SPM-9600により行った。X線光電子分光(XPS)測定
はULVAC-PHI社製ESCA 5800(X線源:Al, Kα、C1sを284.50eV)。TGAはSIIナノテクノロジー社製SSC 5200
(5ºC/min、Air 200ml/min)で測定した。X線回折(XRD)測定は理学社製Multi Flexにより行った。電気化学
測定はALS社製electrochemical analyzer 1230Aで行った。上記操作で回収したMWNT/PBI/Pt及びMWNT/Pt(各
1mg)をDMAc(0.5ml)に加え、バス型ソニケーターで分散させ、GC電極(直径:5mm)にキャスト(5μl)
した。GC電極乾燥後この電極を作用極とし、CV測定を行った。電解質:H2SO4水溶液(1.0M)、参照極:
Ag/AgCl、対極:Pt、掃引速度:50mV/min、測定範囲:-0.13-1.0V vs. Ag/AgCl電解質を測定前に30分間N2バ
ブリングにより脱気した後CV測定を行った。
3.結果と考察
3.1 PBIによるCNT可溶化
PBIは一般的には芳香族テトラアミンと芳香族ジカルボン酸
H
N
を縮合剤中で重合してできる縮合系高分子である。ここでは
PBIの中で最も一般的なイソフタル酸と3,3’-ジアミノベンジ
N
ジンとを縮合することで合成されるpoly[2,2'-(m-phenylene)-5,5'-
N
N
H
n
Fig. 1. Chemical structure of PBI
bibenzimidazole](Fig. 1)のことを指している。このPBIはラダー
型構造に起因して耐熱性に富み、すでに消防服などに実用化さ
1.5
15)
れている機能性ポリマーである 。PBIはポリイミドなど他の
メチルピロリドン(NMP)などの汎用溶媒に可溶であることが
特徴である。我々はこれまでのCNT可溶化の研究から、このよ
うな芳香族構造を多く有する分子がCNT可溶化に有利である知
Absorbance
耐熱性高分子と異なり、ジメチルアセトアミド(DMAc)やN-
1
0.5
見を得ていた。実際、PBIは予想した通りにCNTをよく溶解さ
せることを見い出した16)。PBIによるCNTの可溶化はごく一般
的なCNT可溶化と同様の手続きでありPBI溶液(ここではDMAc
溶液)にSWNT(ここでは市販のHiPicoを用いた)を添加し超
音波照射および遠心分離処理を施すことで行われる。Fig. 2に得
――
0
600
800 1000 1200 1400
Wavelength / nm
1600
Fig. 2. Absorption spectrum of SWNT
dissolved in PBI solution of DMAc.
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
られた上澄み黒色溶液の吸収スペクトルを示す。可視・近赤
外領域にわたりSWNTに特徴的なファンホーフ特異点間遷移
に由来する複数のピークが観測できたことから溶液の黒色
はSWNT由来であることがわかる。さらにSWNTの吸光度か
ら、可溶化量が非常に多いことがわかり、PBIとSWNTの相
互作用の強さが示唆された。さらに興味深いことに、近赤外
蛍光スペクトル測定においてはSWNTが孤立分散状態になっ
たときのみに見られる様々なカイラリティー由来のSWNTか
らの発光10)が見られたことからPBIはSWNTを孤立状態で可
溶化していることが明らかになった(Fig. 3)。SWNTとPBI
との相互作用の強さは、PBI可溶化SWNT溶液をろ過および
Fig. 3. PL spectra of SWNT dissolved in
PBI solution of DMAc
DMAc洗浄して得られた固体(SWNT/PBI)のX線光電子分
光(XPS)測定(Fig. 4)においてPBIの存在を示唆するN1sピー
C1s
クが見られたことおよびSWNT/PBIが再びDMAcに再可溶化
リマーによる可溶化が報告されているが、このように実用
化されているポリマーにおける可溶化は他に例がない。
このPBI可溶化SWNT溶液をガラス基板にキャストするこ
とにより複合体フィルムを作成した。作成したフィルムは見
SWNT/PBI
SWNT
Intensity (a.u.)
可能であったことからも推察される。これまでに様々なポ
O 1s
N
1s
た目にはSWNTの再凝集が見られない均一なフィルムであっ
た。この複合フィルムの引っ張り強度を測定したところわ
ずか0.06wt%のSWNT添加でヤング率は1.6GPaから2.5GPaへ
と約1.6倍もの,また引張強度は平均で120MPaから172MPa
へ約1.4倍もの増加を示した(Fig. 5)。従来のCNT/ポリマー
800
600
400
200
Binding Energy / eV
0
Fig. 4. XPS spectra of SWNT (gray line)
and SWNT/PBI (black line)
複合樹脂においては数%の添加が必要であったこととは対照
的である。複合化材料の破断強度を解釈するCoxの式によると17)、効率的な補強効果を得るためには複合材
そのものの強度もさることながら、ホスト樹脂との界面に
おける相互作用の強さが非常に重要であることが示されて
200
いる。ここで見られた少量の添加による強度の飛躍的な向
上は「SWNT可溶化」という現象を通じて間接的に示唆さ
Stress / MPa
150
れたPBIとSWNT間の相互作用の強さを反映しているもの
と考えられる。CNT可溶化には界面活性剤による「ミセル
100
可溶化」18-28)のように正味の強い相互作用を伴わない可溶
50
0
PBI
SWNT/PBI
0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8
Strain /%
Fig. 5. Strain-stress curves of PBI film (dotted
line) and PBI/SWNT film (solid line)
化メカニズムもあることから、もちろんCNTを可溶化する
ことは強い相互作用を有する必要十分条件ではない。従っ
てSWNTとPBIとの相互作用メカニズムや相互作用の程度
をラマン分光法等で正確に理解する必要がある。さらには
SWNT添加量を変化させた系における補強効果の定量的な
検討をすることでより理解が深まると期待している。
― 10 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
3.2 PBI可溶化CNTの燃料電池材料への展開
ところで、PBIは酸ドープすることにより高温無加湿条件においてもプロトン伝導性を示すことから、
Nafionに替わる燃料電池電解質材料としても注目されている29, 30)。高温無加湿状態での運転は装置の簡略化
や触媒反応速度の向上、触媒被毒の低減などの点で様々な利点を有している31)。一方、CNTはその強い電気
化学耐性32-35)、電気伝導性36, 37)、比表面積38)、純度39)の点から従来燃料電池触媒担体として用いられるカー
ボンブラック(CB)より圧倒的に耐久性、触媒利用率などで優れていることが多くの研究から明らかになっ
ている33-35, 40-47)。従って、我々はPBIとCNTという組み合わせを燃料電池材料用途に展開するという着想に至っ
た。本稿においてはCNT/PBI複合体の燃料電池触媒層への展開を報告する。
本研究においては実用化を視野に入れた研究ということで、SWNTより安価なMWNTを用いた。純度にも
よるが、現在MWNTはSWNTと比較して5分の1程度のコストで入手が可能である。経験上、MWNTの方
がSWNTより可溶化が困難であると危惧していたがPBIは非常に優れたCNT可溶化剤であり、上記した可溶
化操作によりMWNTも高い濃度で可溶化
することがわかった(Fig. 6)48)。SWNTと
異なりMWNTは発光しないために孤立分
散であるか否かを発光測定によっては判
断できない。そこで可溶化溶液を透過型
電子顕微鏡(TEM)用グリッドにキャス
Fig. 6. Schematic illustration of MWNT/PBI preparation
トしてTEM観察を行い、分散状態を観察
したところ複数のウォールが確認できる
直径20nm程度のバンドルのない孤立した
MWNTが観察された(Fig. 7)。このこと
から溶液中においても孤立分散していた
ことが示唆される。またPBI可溶化MWNT
溶液をマイカ基板にキャストして原子間
力顕微鏡(AFM)測定を行った結果、同
様におよそ20nm程度の高さを持つチュー
Fig. 7. TEM of MWNT/PBI composite
ブ状構造が見られたことからもTEMの結
果が支持された(Fig. 8)。
こ のPBI可 溶 化MWNT
溶 液 を ろ 過 し、PBIの 良
Intensity
溶 媒 であるDMAcで 十 分
に洗浄することでMWNT
と相互作用していないフ
MWNT
MWNT/PBI
リ ー のPBIを 除 去 し た 複
合 体( 以 下MWNT/PBI)
黒色粉末を得ることがで
800
きる。この粉末を解析す
ることで複合化状態を評
価した。まずMWNT/PBI
Fig. 8. AFM image of MWNT/
PBI composite
― 11 ―
600
400
200
Binding Energy / eV
0
Fig. 9. XPS spectra of MWNT (gray
line) and MWNT/PBI (black line)
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
のXPS測定結果(Fig. 9: black line)をMWNTのみのXPSス
100
ペクトル(Fig. 9: gray lineとともにに示した。MWNTのみ
らPBIが完全に洗い流されることなく存在していることが
わかった。MWNT/PBI粉末をさらに熱重量分析によって
評価した結果、Fig. 10に示したように520 ℃と700 ℃付近
にそれぞれPBIとMWNTの燃焼に由来する重量減少がみら
れたことからもPBIの存在が確かめられた。ここで明らか
となった複合体中のPBIとMWNTとの重量比(23:77)
、お
よび既知のPBIとMNWTの密度(PBI:1.33g/㎤
2.0g/㎤
49)
、MWNT:
)などからPBIとMWNTの体積比(VPBI:VMWNT)
50)
を計算しPBIの被覆厚を式(1)を用いて見積もることが
Weight / %
には見られなかったN1sピークが現れたことから複合体か
PBI
80
60
MWNT
40
20
0
MWNT/PBI
MWNT
PBI
100 200 300 400 500 600 700 800
o
Temperature / C
Fig. 10. TGA curves of MWNT (dotted line)
and PBI (thin solid line) MWNT/PBI
(bold solid line)
できる。この計算はあくまでもPBIがMWNT表面に均一に
被覆していると仮定した場合(Fig. 11)の概算だが、計算
の結果およそ2nmで被覆されていると算出された。
rPBI=
1+
VPBI
- 1 rMWNT ・・・・(1)
VMWNT
この複合体を燃料電池触媒に展開するため
Fig. 11. Illustration of PBIwrapped MWNT
に、MWNT/PBI複合体に白金粒子(Pt)の担
持を行った(Fig. 12)。白金担持はいわゆる
ポリオール法51)と呼ばれるエチレングリコー
ル水溶液中における白金塩(ここでは塩化
白金酸;H2PtCl6・6H2O)の加熱還元により
行った。TEM観察により得られた白金複合
Fig. 12. Schematic illustration of Pt loading on MWNT/PBI
体( 以 下MWNT/PBI/Pt) の 直 接 観 察 を 行 っ
たところ白金粒子が均一に担持されているこ
とが確認できた(Fig. 13)。TEM像からカウ
ントした白金の平均粒径はdTEM=4.0±1.8nm
であり、X線回折(XRD)測定から求めた平
均 粒 径dXRD=4.86±0.47nmと よ く 一 致 し て い
た。興味深いことに比較として作製したPBI
被覆のない無垢のMWNTに白金担持を行っ
Fig. 13. TEM image of MWNT/PBI/Pt
たMWNT/Ptにおいては均一な担持粒子では
なく白金粒子の凝集物が多く観察された(Fig. 14)。この事実はPBIが均一な白金担時になんらかの役割を果
たしていることを意味する。
Fig. 15にMWNT/PBI/PtおよびMWNT/PtのTGA曲線を示している。MWNT/PBI/Ptにおいては500 ℃付近に
MWNTに対応する、また520℃付近からPBIの燃焼に由来する重量減少とPtに由来する800℃における燃え残
りがあることがわかる(Fig. 15: solid line)。MWNT/PBI/PtにおけるMWNTの燃焼温度(500℃)がMWNT/
― 12 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
Weight /%
100
80
MWNT
60
PBI
40
Fig. 14. TEM image of MWNT/Pt
0
PBIの場合(700℃)より低温側にシフトしているのは
白金が担持されたために燃焼しやすくなったからであ
Pt
MWNT/PBI/Pt
MWNT/Pt
20
100 200 300 400 500 600 700 800
o
Temperature / C
Fig. 15. TGA curves of MWNT/Pt (dotted line) and
MWNT/PBI/Pt (solid line).
る。Fig. 15における2つのデータの比較よりPBI被覆に
よりMWNTへの白金担持量が増加している明らかとなった。PBIで被覆した場合、実に仕込んだ98%もの白
金がMWNT上に担持されたことになる。これらの結果より、PBI被覆はMWNT上により多くの白金を収率よ
くかつ均一に担持するのに重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
CNT表面は非常に疎水的であり、強酸処理によりカルボキシル基などを導入しない限り白金塩が吸着でき
ず、Fig. 14に示したように金属粒子の担持効率が非常に悪いこということはすでに報告がある40)。ではなぜ
PBI被覆することで白金が均一に担持できたかということについてメカニズムを検討した。Fig. 16にPBIフィ
ルムを白金塩水溶液に浸漬させ、洗浄した後の赤外吸収スペクトル(Fig. 16: left)および遠赤外吸収スペク
トル(Fig. 16: right)を示す。浸漬前のPBIフィルムのスペクトル(Fig. 16: dotted line)と比較して1550cm-1
付近のC=Nバンドに29cm-1におよぶシフトおよび561cm-1付近のPt-Nバンドの出現が見られたことからPBIの
イミダゾール環はPt塩と錯形成することが明らかとなった52, 53)。すなわちPBIはPt塩吸着の足場となり、そ
こから還元が起こったためにMWNTへの均一かつ効率のよい担持が実現できたことが分かる。MWNT上に
Ptが均一に担持されていたという事実は逆に言えばPBI被覆がMWNT表面に均一になされていたことを示し
ているに他ならない。CNTを可溶化することはすなわちCNTの溶媒分散を可能にしただけではなく、CNT上
への均一な表面修飾を可能にしたのである。ポリマー被覆という温和な操作条件で担持効率をあげられる本
アプローチは実用化を考慮に入れた際に強酸による化学的処理を利用する手法より圧倒的に有利である。こ
れまでにCNTへのポリマー被覆によ
り金属微粒子の担持を実現した系
PBI
PBI(浸漬後)
はpolystylene sulfonate54)、DNA55)、
polypyrrole56)などで知られているが、
これらのポリマーはあくまでも担持
に対する「のり」の役割しか果たさ
ない。しかし本アプローチにおける
PBIは「のり」の役割に加えてプロ
トン伝導体という機能性も担ってい
る点で従来概念より実用性の面で前
進している。
さらにより詳細な触媒構造を検討
1700
1600
1500
1400
1300
-1
Wavenumber / cm
1200
600 550 500 450 400 350 300 250
-1
Wavenumber / cm
Fig. 16. Mid-IR (left) and Far-IR (right) spectra of PBI film (dotted line)
and PBI film after immersion in H2PtCl6 aqueous solution (solid
line).
― 13 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
40
Pt
PBI
Current / mA mg-1 of Pt
MWNT
2 nm
Fig. 17. High resolution TEM image of MWNT/PBI/Pt (left)
and illustration of ideal interfacial structure (right)
するために高分解能TEM測定で白金粒子付近の界面構造
観察を行った。典型的な像をFig. 17に示す。MWNTにPBI
20
0
-20
-40
-60
MWNT/Pt
MWNT/PBI/Pt
0
0.2
0.4
0.6
0.8
Potential / V vs. Ag/AgCl
1
Fig. 18. CV curve of MWNT/Pt (dotted line) and
MWNT/PBI/Pt (solid line) measured in
0.1 M H2SO4 aqueous solution.
が吸着し、その上に白金粒子が一部埋もれるような形で
担持されていることがわかる。この構造はいわゆる理想的とされる界面構造57)であり、電子・燃料ガス・プ
ロトンのすべてが触媒表面にアクセスしやすい状態になっている。従って可溶化操作を経る方法で作成され
た本触媒複合体は界面構造の点においても電極触媒として極めて有望であると期待できる。そこで実際に電
気化学測定により電気化学的触媒活性表面積(ECSA)を評価した。得られたMWNT/PBI/Pt触媒をグラッシー
カーボン電極に乗せ十分に酸素を追い出した0.1 M硫酸水溶液中でCV測定を行った結果をFig. 18に示してい
る。
-0.2Vから0.1V(vs. Ag/AgCl)の領域に白金表面への水素分子の吸着および水素原子の脱離に由来するピー
クが見られる。このピーク積分面積からECSAを見積もることがで
Table 1. ECSA of MWNT/Pt、
MWNT/PBI/Pt、and CB/Pt
ECSA
[m2/g of Pt]
MWNT/Pt
22.5
MWNT/PBI/Pt
44.0
CB/Pt
54.859)
き、その結果を表1に示してある。PBI被覆がある場合(MWNT/
PBI/Pt)は、被覆のない場合(MWNT/Pt)と比較してECSAの大き
な向上があることがわかる。また本系はすでに多くの研究により最
適化されたCB/Pt系とほぼ同等のECSAを持っていたことから実用
化レベルのECSAであると言えよう。
ところで、この複合体粉末(MWNT/PBI/Pt)のSEM観察を行うと、
Fig. 19のようにCNTのファイバーが絡み合った構造であることが分
かる。この構造は電極内において燃料ガスを効率よく供給排出する
ために理想的なガスパスを与えると期待できる。CNTを触媒担持体
として用いることは電気・熱伝導性、電気化学的安定性のみならず
ミクロ構造構築の面においても有利であると言えよう。コストの面
以外においてCNTの触媒担持体利用を妨げる要素はないことになる。
これまでのPBI系燃料電池の研究においては電極触媒層に使われ
るプロトン伝導ポリマーとしてはNafionを用いる場合も多く58)、
PBI系の特徴である高温無加湿運転という用途には理想的ではない
組み合わせであった。電極触媒層にもPBIを用いる本システムは電
解質膜と触媒層とのプロトン移動の際の界面抵抗とならないため
Fig. 19. SEM image of MWNT/PBI/Pt
に従来システムより性能の向上が期待できる。現在触媒の粒径、
― 14 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
担持量など最適化すべき課題はたくさんあるが、この触媒がCNTを利用したオールPBIベースという従来系
から大きく前進した新しい高分子電解質型燃料電池構築に向けて極めて重要な研究となることは間違いな
い。現在単セル試験を実施し、本触媒を中心とする燃料電池システムの構築に向けて研究を加速させている。
4.ま と め
本稿においては筆者らが2006年に初めて見出した「PBIによるCNTの可溶化」を発展させた研究について
紹介した。それまでのCNT可溶化研究においては「可溶化する」こと自体が新しい研究でありそこに力点が
置かれていたが、最近では「可溶化するとどんな良いことがあるか?」という疑問に答えられる研究にフェー
ズをあげている。今回紹介したPBI可溶化CNTの例においては、可溶化させたPBIがCNTを均一に被覆し、そ
のために均一に触媒粒子を酸処理なしで担持させることに成功している。さらにはこの手法で作成した触媒
複合体が理想的な触媒界面構造を持ち、優れた触媒系を与えることも明らかとなった。「CNTの可溶化」が
単なる可溶化研究でとどまらなかった好例であると位置付けている。今後、実際の燃料電池運転における性
能に対してもこのボトムアップ的手法により組み上げた触媒系が単に混ぜただけの触媒系より優れているこ
とを示すことが現在の目標である。
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46) Y. Mu, H. Liang, J. Hu, L. Jiang, and L. Wan, J. Phys. Chem. B 109, 22212 (2005).
47) W. Li, X. Wang, Z. Chen, M. Waje, and Y. Yan, J. Phys. Chem. B 110, 15353 (2006).
48) M. Okamoto, T. Fujigaya, and N. Nakashima, submitted (2008).
49) S. C. Kumbharkar, P. B. Karadkar, and U. K. Kharul, J. Membr. Sci. 286, 161 (2006).
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51) W. Li, C. Liang, W. Zhou, J. Qiu, Z. H. Zhou, G. Sun, and Q. Xin, J. Phys. Chem. B 107, 6292 (2003).
52) F. Gumus, I. Pamuk, T. Ozden, S. Yildiz, N. Diril, E. Oksuzoglu, S. Gur, and A. Ozkul, J. Inorg. Biochem. 94, 255 (2003).
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54) A. Kongkanand, K. Vinodgopal, S. Kuwabata, and P. V. Kamat, J. Phys. Chem. B 110, 16185 (2006).
55) X. Han, Y. Li, and Z. Deng, Adv. Mater. 19, 1518 (2007).
56) V. Selvaraj, M. Alagar, and K. S. Kumar, Applied Catalysis, B: Environmental 75, 129 (2007).
57) H. Munakata, T. Ishida, and K. Kanamura, J. Electrochem. Soc. 154, B1368 (2007).
58) H.-J. Kim, S. J. An, J.-Y. Kim, K. M. Jin, S. Y. Cho, Y. C. Eun, H.-K. Yoon, Y. Park, H.-J. Kweon, and E.-M. Shin,
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59) J. J. Wang, G. P. Yin, J. Zhang, Z. B. Wang, and Y. Z. Gao, Electrochim. Acta 52, 7042 (2007).
― 16 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
アルカンチオール単分子膜修飾電極に固定化した
チトクロームcの直接電子移動反応の研究
中野 幸二,吉武 忠輝,山下 泰徳,宗 伸明,今任 稔彦
九州大学大学院工学研究院 応用化学部門
Electrochemistry of Direct Electron-Transfer Reaction of
Cytochrome c Covalently Attached on Alkanethiol Monolayer Electrode
Koji Nakano, Tadateru Yoshitake, Yasunori Yamashita, Nobuaki Soh, Toshihiko Imato)
Department of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, Kyushu University
Abstract
With the advantage of carbodiimide coupling chemistry, horse heart cytochrome c (cyt c) has been covalently
immobilized onto self-assembled monolayers (SAMs) from 11-mercaptoundecanoic acid (MUDA) developed on
polycrystalline gold electrode surfaces. Cyclic voltammetric measurements have gathered a series of the electrochemical
reaction parameters for the direct electron transfer reaction for the surface-attached cyt c molecules as follows: Γ = 9.3
±2.3 pmol cm-2 (n=8), E°' = 234±4 mV (n=8, SHE), FWMH = 116±10 mV (n=8). In addition, detailed analysis of the
electrode reaction kinetics based on the Laviron's method gave a heterogeneous electron transfer rate constant (ks) of 2.5
±1.0 s-1 (n=8), which was further evidenced by electrochemical impedance spectroscopy measurements data, ks = 2.1±
0.5 s-1 (n=5). Experiments on the protein direct electron transfer measurement was successfully extended to alkanethiols
with different spacer methylenes, 6-mercaptohexanoic acid and 16-mercaptohexadecanoinc acid. Finally, the set of the
ks data obtained here have achieved to give linear relationship with the particular electron transfer distance that a simple
cyt c /monolayer/gold geometry model predicts. Obtaining these, we have concluded that the direct electrochemistry of
cyt c in a covalently-attached reaction format could be explained and rationalized by the Marcus theory.
1.はじめに
細胞はしばしば効率の良いエネルギー変換工場に例えられる。その本質は、各種のタンパク質が関与した
多重の酸化還元反応にある。加えて、ひとつひとつの素反応を受け持つタンパク質が、お互いに連携してよ
どみなく全反応を進めるために都合の良い配置で脂質膜に固定されており、高い反応のスループットを実現
している。最近、電気化学の新しい考え方や実験法を通じて生命現象の電気化学的側面を解明する研究-バ
イオエレクトロケミストリーがいろいろな研究分野で広がりを見せている。それらの成果は、高効率な物質
変換・合成操作、高性能バイオセンサー等にただちに応用できる点でも興味が持たれる。
チトクローム類は、呼吸鎖電子伝達系において主要な役割にあることから、電気化学の分野でも興味ある
研究対象に取り上げられてきた。しかし、タンパク質の場合、低分子化合物とは異なり活性中心がペプチド
鎖で覆われた構造にあり、このため固体電極上では酸化還元反応を起こすことができない。これまで、低分
子滴定剤を利用した吸光光度滴定法が専ら用いられてきたが、残念ながら速度論的な検討が不可能であり、
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九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
電気化学平衡に議論が限定されていた。1980年代になり、チトクロームcの電極反応を促進する低分子化合
物(プロモーター)がいくつか見いだされ、電極反応の観察がなされるようになった。それらのプロモー
ター分子は、作用極に結合させた状態でも電極反応の観察に有効であることも分かってきた。これらの成果
を背景に、ω-カルボン酸タイプのアルカンチオールを用いて電極表面に自己組織化単分子膜(self-assembled
monolayer, SAM)を形成し、その表面にチトクロームcを静電的に吸着させると、メディエーター分子等の
介在なしに、可逆性良く電子移動を起こすことが見いだされ、このような直接電子移動反応の確立により研
究が加速した1)。
筆者らは、類似の系として、SAM表面のカルボキシル基との共有結合生成を利用したチトクロームcの固
定化について報告した(Scheme 1)2)。我々の系でも、チトクロームcと担体に用いた固体電極とのあいだで
電子移動が起こり、簡単なサイクリックボルタンメトリー測定でチトクロームcの電極反応を議論すること
ができた。なお、酸化還元活性種が表面に固定化された条件下の反応なので物質移動過程を考慮する必要が
なく、観測される電流値を電子移動速度定数と反応種濃度の積で単純化して表すことができるメリットもあ
る。本報告では、ω-カルボンキシアルカンチオール単
分子膜にチトクロームcを固定化した修飾電極系におい
て、チトクロームcの直接電子移動反応の速度論的研究
を報告する。まず11-メルカプトウンデカン酸を用いた
単分子膜修飾電極について、サイクリックボルタンメト
リー特性に基づき固定化の特徴を議論した。次に不均一
系電子移動速度定数を決定し、電気化学インピーダンス
スペクトル測定による結果と比較した。Marcusの式によ
れば、電子移動速度はドナー・アクセプター距離と一定
の関係にある。ここでは、6-メルカプトヘキサン酸、お
よび16-メルカプトヘキサデカン酸を用いた修飾電極系
でも実験を行い、電子移動距離(膜厚)と速度定数との
関係を調べた結果についても述べる。
Scheme 1. Illustration for the interfacial structure
for the cytochrome c-attached
alkanethiol monolayer electrode.
2.実験方法
2.1 試 薬
6-メルカプトヘキサン酸(MHA)、および11-メルカプトウンデカン酸(MUDA)は、それぞれ6-ブロモヘ
キサン酸、11-ブロモウンデカン酸をチオ尿素と反応させた後、生成したチウロニウム塩を水酸化カリウム
水溶液で加水分解することで得た。16-メルカプトヘキサデカン酸(MHDA)の合成には、まず16-ヒドロキ
シヘキサデカン酸を臭化水素酸(48%)と氷酢酸の1:1混合物中で臭素化することで16-ブロモヘキサデカン
酸を得た。これを開始物質とし、上記の方法に準じてMHDAを合成した。なお、その他の試薬類は市販の特
級試薬を用いた。
チトクロームcはウマ心臓由来のものを用い、あらかじめゲルクロマトグラフィー(Whatman CM52)で精
製した。分取したタンパク質成分は、まず限外ろ過法により濃縮した、次に脱塩(Whatman DE52)して以
降の測定に用いた。なお以上の精製操作は、チトクロームcの変性を防ぐために全て低温下(5℃)で行った。
吸収スペクトル測定の結果では、タンパク質純度の指標としてのR値(A409/A278)は約5であり十分な純度が
得られたと判断した。溶液のタンパク質濃度は調製操作ごとに異なったが、多くの場合、10-20μMの範囲で
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九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
あった。
2.2 修飾電極の調製
電極には研磨ガラス上に蒸着した金薄膜を用いた。作用極は、表面の一部だけが溶液に接するように自製
のガラスセルに固定し(電極面積0.32cm2)、0.1M硫酸水溶液(0.01M塩化カリウム)中で電位掃印を繰り返
して前処理した。清浄な表面を得た後に超純水で洗浄後し、セル内にアルカンチオールのエタノール溶液
(1mM)を加えて12-24時間放置することでSAMを形成させた。以上の操作は室温下で行った。
チトクロームcの共有結合固定は、水溶性カルボジイミド試薬を用いるzero-length法により行った。SAM修
飾電極調製後、セル内にシクロヘキシルモルホリノエチルカルボジイミド水溶液(10mM)を加えて表面カ
ルボン酸を活性化した。30分間の放置後、溶液を捨て超純水で迅速にリンスした。引き続きチトクロームc
水溶液(500μL)を添加し、1時間の固定化反応を行った。タンパク質修飾電極は、溶液を捨て超純水でリ
ンスしたのち、直ちに測定に用いた。なお以上の操作は、チトクロームcの変性を防ぐために全て低温下(5℃)
で行った。
2.3 機器および電気化学測定
サイクリックボルタンメトリー(CV)測定にはセイコーEG&G PAR社263a型ポテンショスタットを用いた。
電気化学インピーダンススペクトル(EIS)測定は、Solartron社1253型周波数応答分析器に同1286型ポオテン
ショスタットを組み合わせて行った。セルは通常の三電極構成とし、対極に白金ワイヤ、参照極には銀—塩
化銀(飽和KCl)を組み合わせた。ここで作用極は、より正確な電気化学パラメーター決定のためにあらか
じめ凹凸を調べた。いくつかの電極を選んでヨウ素吸着法によりチェックした結果、電極の幾何学的面積に
対する実効面積比(ラフネスファクター)として1.6を得た。なお測定は全て室温下で行ったが、およそ22±2℃
であった。
3.結果と考察
3.1 MUDA修飾電極系でのCV測定
酵素やタンパク質などの生体分子は、固相担体に吸着にさせると、高次構造が微妙に変化して本来の性質
を損ないやすい。極端な場合には、高次構造が全く変化し、水不溶性の凝集物を与える。いわゆる変性であり、
電気化学測定の場合には、電極表面に吸着して電極反応が阻害される例も多い。我々は以前に、MUDA電極
へのチトクロームcの共有結合固定について、
原子間力顕微鏡(AFM)を用いたタンパク質分子の1分子観察、
および高感度反射法を用いた赤外吸収スペクトル測定を報告した。我々の得た知見では、まず基板のAFM観
察においては、タンパク質の変性による不規則な構造の凝集物は見あたらず、基板表面の全領域にわたって、
粒状の物質が均一に分散して単分子層を形成している様子が観察された。一方、赤外吸収スペクトル測定を
もとに、ポリペプチド鎖由来のアミドIバンドの波形分離を試みた。その結果、α-へリックスとβ-シート、
さらには一連のβ-ターンのそれぞれの成分を分離・抽出して定量することに成功した。それらの結果は、
水溶液中での赤外吸収スペクトル測定の結果と良く一致し、各成分が固定化後も良く保存されていることが
確認できた。以上の結果から、SAMと組み合わせた共有結合法とすることで、タンパク質の変性を抑制しつ
つ固定化できると結論づけた2)。
図1に代表的なCVを示す。まず、チトクロームcを固定化していないブランクのMUDA単分子膜修飾電極
では、測定した電位範囲内では容量性電流しか観察できなかった。またボルタモグラムの電流値から見積もっ
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九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
た 二 重 層 容 量 は、6.0±2.2μF cm-2で あ っ た。
なおこれは、MUDA単分子膜の電気容量と電極
界面の電気容量を含めた値であるが、両者を分
離して定量するには至っていない。これに対し
て、MUDA電極にチトクロームcを固定化した
電極では、明瞭な酸化還元波を示すことがわか
る。図には示していないが、ピーク電流値は電
位の掃印速度と一次の関係を示し、表面固定化
系に特有の挙動を示した。ピーク電位の中間値
として決定した式量電極電位は234±4 mV(n=8,
SHE)となり、従来の報告値とほぼ同等の値と
なった。また酸化ピークの電気量に着目して計
算したところ、タンパク質の固定化量は9.3±
2.3pmol cm-2(n=8)となった。この値は飽和吸
Fig. 1. Cyclic voltammograms for the MUDA monolayer
electrode (broken line) and for the same electrode
after cytochrome c immobilization (solid line).
Electrolyte solution, 4.4 mM KH2PO4–K2HPO4
(pH 7); scan rate, 100mV s-1; temperature 22±2℃.
着量(16pmol cm-2)の63%に止まる。さらに、
以前に報告のあった静電相互作用による固定化法と比較してもやや小さな値になった。チトクロームcは、
活性中心が分子の一方に偏在した特徴的な立体構造を持っている。このため、分子の配向性次第でも電気化
学的な活性が変化する。今回の固定化法では、分子配向の制御はできていないので、見かけ上の活性低下を
もたらした可能性があり、今後より詳細に検討する必要があると考えられた。
一方、ピークの半値幅は反応の非理想性の尺度になる。本系では、酸化ピークについて116±10mV(n=8)
であり、理論値(90/n mV, nは反応の電子数)と比べてやや大きな値になっているこれは、電極に固定化さ
れた化学種の反応性が均一でないことに由来するが、酸化還元電位だけでなく速度定数にも一定の分布があ
ると考えるのが妥当である。このため正確に解析するためには、複雑な手続きが必要になってくる。ここで
は、簡易的に、式量電位だけに分散を任意に導入し、Gauss分布を仮定してピーク幅の変化を調べた結果、
本系では50mVの分散があるものと推論した。このような式量電位の分布は、固定化に伴って活性中心の構
造が微妙に変化していることを示すものと考えられ、前述したAFMや赤外吸収スペクトル測定の結果とはや
や矛盾する。しかし式量電位は、タンパク質が固定化された周囲の環境、およびそれによる酸化体と還元体
の安定性の違いにも影響される。詳細な議論は、関連分野における今後の研究の推移を見守りたい。
一方、酸化還元活性種が表面に固定化された系では、理論的には、ピーク電位差のない対称性の良い酸化
還元波を与えることが分かっている。しかし図1に見られるように、現実の系はピーク電位差を持ったボル
タモグラムが観察される。これは、電子移動反応が有意の速度でしか起こらないためである。逆に、これを
利用すると電子移動速度を見積もることができる。Lavironの方法3)に従って解析した結果、MUDA膜に固定
化した状態でのチトクロームcの不均一系電子移動速度定数(ks)として2.5±1.0s-1(n=8)を得た。この値は、
以前に報告のあった静電相互作用による固定化系と同等であった。
3.2 MUDA修飾電極系でのEIS測定
EISは、作用極の電位を一定に保った条件下で微小な正弦波交流を重畳し、測定系からの応答を観測する
手法である。このときの電極電位変動に追随して酸化還元反応が起これば、観察される電流応答も同一周
期・位相で変動することになる。同じ理由で、電流応答の周波数分散は電子移動の速度に依存するので、イ
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九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
ンピーダンススペクトルを解析して速度定数
Cdl
を決定することができる。一方、系内に容量
Rs
成分が存在すると電流応答の位相が変わるの
RCT
Ca
で、適当なモデル(等価回路)を適用して応
答を比較すれば、二重層容量などの電極反応
パラメーターを決定することができる。これ
らの利点が広く認識され、EISは、電極反応
の速度論的解析のための有効なツールになっ
ている。
図2に本系での測定結果を示した。図2は
Fig. 2. Complex capacitance plots for the MUDA monolayer
electrode (open circle) and for the same electrode
after cytochrome c immobilization (filled circle). The
inset is the equivalent circuit. Electrolyte solution, 4.4
mM KH2PO4–K2HPO4 (pH 7); electrode potential,
+28 mV (Ag/AgCl); applied sinusoidal voltage, 10
mV(p-p); temperature, 22±2℃.
インピーダンス表示ではなく、測定データを
変換した複素キャパシタンスになっているこ
とに注意されたい。まず、MUDA電極では単
一の半円の軌跡となった。MUDA膜そのもの
は酸化還元不活性なので、このようなケース
では、溶液内のイオン伝導に由来する抵抗成
分(溶液抵抗,Rs)、および単分子膜を含んだ界面の電気二重層に対応する容量性成分(Cm)だけを示すこ
とによる。測定系に対応する等価回路としては、単純に系内の電流の経路からイメージされるように、両成
分が直列に接続された電気回路が当てはめられるが、今回の結果は、このような等価回路が与えるインピー
ダンススペクトルに一致している。
ここでMUDA膜にチトクロームcを固定化すると、低周波領域にもう一つの半円の軌跡が付随して現れた。
また図には示していないが、電極電位を正負いずれかの方向に120mVずらして電位規制した条件下で測定す
ると、低周波成分だけが消失してMUDA膜単独のときのデータと一致する結果となった。このことから、低
周波成分はチトクロームcの電極反応に由来することがわかる。通常、電気二重層の充電は瞬間的に起こる
のに対し、電子移動反応は有意の速度でしか起こりえないこととも対応している。また先の等価回路の考え
方を基本にすると、MUDA膜の容量成分に並列して、チトクロームcの電極反応による電流経路が加わった
モデルが想定される。即ち図2に示すように、チトクロームcの固定化に付随する容量成分(Ca)と電子移
動反応に由来する抵抗成分(電荷移動抵抗,RCT)からの直列回路である。事実、インピーダンスプロット
において半円の軌跡を与えることにも対応している。このような等価回路では、詳細な理論は省略するが、
軌跡の頂点における周波数が電子移動速度定数に対応することが分かっている。本系では、ks = 2.1±0.5s-1
(n=5)と決定でき、CV測定の結果と良く一致した。
3.3 MHAおよびMHDA単分子膜修飾電極系での検討
Marcusによって示されたように、ドナー・アクセプター系での電子移動速度は、ドナー・アクセプター距
離と一定の関係にある4)。アルカンチオール類は、良くパッキングした均一な単分子膜を形成するので、ア
ルキル基の数の増加に対応して膜厚も増加する。これを利用して、表面固定種と電極間の電子移動距離を調
節することが一般に行われている。ここでは、MHA、およびMHDA単分子膜修飾電極系での速度定数の決
定について述べる。
まず、より鎖長の短いMHA単分子膜系でのCVを図3に示した。MUDA単分子膜系と同様に、非常に可逆
― 21 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
性の良いボルタモグラムを示すことがわか
る。単分子膜表面へのチトクロームcの結合
は、 固 定 化 量9.4±3.3 pmol cm-2(n=4) と、
MUDAとほぼ同じ結果となった。一方ksにつ
いては、5.3±1.6s-1(n=4)が得られた。MHAは、
チオール基とカルボキシル基を結びつけるメ
チレン数がMUDAよりも少ないので、SAM
の膜厚は薄い。結果として電子移動距離が短
くなるので、速度定数が増大したと考えて良
い。その他の電極反応パラメーターとしては、
式量電位として249±24mV(n=4)、ピーク半
値幅として105±5mV(n=4)をそれぞれ得た。
前者は15mV程度正方向にシフトしているが、
これは、チトクロームcの酸化体がより安定
Fig. 3. Cyclic voltammograms for the MHA monolayer
electrode (broken line) and for the same electrode after
cytochrome c immobilization (solid line). Electrolyte
solution, 4.4 mM KH2PO4–K2HPO4 (pH 7); scan rate,
100 mV s-1; temperature, 22±2℃.
化されるためと考えられた。一方ピーク半値
幅は11mV減少しており、反応の理想性が向上することが分かった。
MHA系について、次にEISを用いて検討した。図には示していないが、この場合にはMHA膜単独、および
チトクロームc固定化後のいずれも、単一の半円の軌跡だけを示した。しかしその軌跡の半径は、MHA単独
の場合に比べてチトクロームc固定化後は著しく増大しており、電極電位の設定次第ではMHAと同一の軌跡
に変化することも確認できた。CV測定の結果が示すように、MHA修飾膜系ではMUDAよりも電子移動速度
が向上した。これにより、インピーダンスの周波数分散が起こる領域が高周波側にシフトし、結果として二
重層領域と重なって現れたものと考えられる。両者を分離して解析するにはより詳細な測定と煩雑なデータ
処理が必要であり、ここでは以後の研究に委ねさせて頂きたい。
次に、より鎖長の長いMHDA単分子膜についての結果を示す(図4)。この場合には、約500mVにおよぶ
非常に大きなピーク電位差を示した。これは、
(5.2±0.5) x 10-3 s-1(n=5)という非常にゆっ
くりした電子移動速度定数に対応しており、
メチレン炭素数で10個から15個への増加がこ
のように劇的な変化をもたらすことは興味深
い。またこのように過大なピーク電位差が
あるので、ピーク電位の中間値(180±4mV,
n=5)を式量電位とすることは妥当でない。
またピーク半値幅は218±12mV(n=5)となっ
たが、バックグラウンドの反応電流(水の電
気分解)が重畳して現れる電位領域にシフト
しており、これまでと同様の議論は難しく
なってくる。これらの理由により、以降のボ
ルタモグラム解析は困難であった。なおチト
クロームcの固定化量そのものは8.7±2.8pmol
Fig. 4. Cyclic voltammograms for the MHDA monolayer
electrode (broken line) and for the same electrode after
cytochrome c immobilization (solid line). Electrolyte
solution, 4.4 mM KH2PO4–K2HPO4 (pH 7); scan rate,
100 mV s-1; temperature, 22±2℃.
― 22 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
cm-2(n=5)と、これまでの単分子膜系にほぼ準ずる結果であった。
アルキル鎖長の増加がもたらす電子移動速度の大幅な低下は、EISにおいても影響が顕著であった。この
場合には、測定した周波数範囲(10 mHz~25kHz)では軌跡が得られなかった。従ってより低周波域での測
定が必要になってくるが、装置の都合もあり実験できていない。
3.4 不均一系速度定数変化に関する電子移動距離からの考察
Marcusによれば、電子移動速度定数(ket)はドナー・アクセプター距離をdÅ、核間最小距離をdÅとして
以下の式で表される4)。
ここで、νは頻度因子(1.2x1012 s-1)、βはトンネリング因子であり通常の場合は1である。一方、d0は3Å
とされており、電子移動の活性化エネルギーΔG*については、多くの場合8kJ mol-1が採用されている。
次に、スキーム1に準じて電極界面をモデル化して電子移動距離を見積もる。まず、CPKモデルから単分
子膜の膜厚を推定した。その結果、MHA(23Å)、MUDA(25Å)、およびMHDA(31Å)と決定できた。こ
れにチトクロームcおけるタンパク質殻からヘム中心ま
での距離(5Å)を加えると、実質的な電子移動距離が
得られる。以上の結果を前節までに述べたksと対応づ
けてプロットした。その結果、速度定数の対数値が電
子移動距離と一次の関係にあることが確認できた(図
5)。
今回の実験は、三種類のアルカンチオールについて
の結果であり、データも限られたものに過ぎない。し
かし、チトクロームcと固体電極という、ある意味異質
なドナー・アクセプターの組み合わせについても、低
分子化合物の会合を基本としたMarcusの理論に準じて
電子移動が起こることは大変興味深い。
Fig. 5. Plots of logarithmic ket vs. electron transfer
distance for the cytochrome c-attached
alkanethiol monolayer electrode.
4.結 論
本報告では、ω-カルボンキシアルカンチオールとして6-カルボキシ、11-カルボキシ、および16-カルボキ
シ誘導体を選び、金電極表面に自己組織化単分子膜を形成させ、さらにその外部にチトクロームcを共有結
合させてタンパク質修飾電極を得た。調製したタンパク質電極系において、サイクリックボルタンメトリー
測定を行い、固定化反応の基本的特徴を明らかにした。また、Lavironの方法に準じて電子移動速度の解析を
行って不均一系電子移動速度定数を決定するとともに、いくつかの系については電気化学インピーダンスス
ペクトル測定の結果と比較した。さらに、修飾電極表面の単純なモデル化により電子移動距離を見積もり、
Marcusの式に準じて電子移動速度と対応づけることに成功した。本研究の成果は、チトクロームcの電極反
応の特徴を明らかにしただけでなく、タンパク質と固体電極という異質なドナー・アクセプターの組み合わ
せについても、Marcusの理論に準じて現象を整理できることを示した点で大変興味深いものと考えている。
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九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
謝 辞 等
本研究は、一部、文部科学省科学研究費補助金、および、日本学術振興会グローバルCOEプログラムの補
助を受けて行った、記して謝意を表する。なお本研究の一部(図1)は、既報(参考論文2)にて報告済み
であることを付記しておく。
参考文献
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九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
パンノキ樹木からのチロシナーゼ阻害成分
~HPLC分析におけるクロロフォリンの挙動~
清水 邦義,近藤 隆一郎
九州大学大学院 農学研究院 森林圏環境資源科学講座
Tyrosinase inhibitors from the wood of Artocarpus incisus
-Behavior of chlorophorin in HPLC analysisKuniyoshi Shimizu and Ryuichiro Kondo
Laboratory of Systematic Forest and Forest Products Sciences, Faculty of Agriculture,
Kyushu University
Abstract
The color of mammalian skin and hair is determined by a number of factors. The most important factor is the
degree and distribution of melanin pigmentation. Melanin synthesis inhibitory compounds are useful not only for the
material used in cosmetics as skin-whitening agents but also as a remedy for disturbances in pigmentation. Tyrosinase
(phenol oxidase) is known to be a key enzyme for melanin biosynthesis in plants, microorganism and mammalian
cells. Therefore, many tyrosinase inhibitors have been tested in cosmetics and pharmaceuticals as a way of preventing
overproduction of melanin in epidermal layers. Several polyphenols with tyrosinase inhibitory activities have been
isolated from the wood of Artocarpus incisus. Their structure-activity relationships showed that the 4-substituted
resorcinol moiety in their structure is important for revealing the potent tyrosinase inhibition. Among them, chlorophorin
showed the strongest inhibitory activity with IC50 of 0.26μM. The behavior of chlorophorin in HPLC analysis is
discussed.
1.緒 言
紫外線から誘起される色素沈着メカニズムは、多岐に渡っている。少なくとも、紫外線照射における活性
酸素種の生成、ケラチノサイトでの各種炎症性シグナル物質の産生、それに引き続くメラノサイトの活性化、
メラニン生合成酵素であるチロシナーゼなど一連の酵素活性の亢進、さらには,生成したメラニンのケラチ
ノサイトへの受け渡しなどが、色素沈着メカニズムに関与していると考えられる1)。
特に、これらのメラニン生成メカニズムの中で、チロシナーゼ酵素は、重要な役割を担っており、メラニ
ン生成を抑制するためのチロシナーゼ阻害剤の探索が、広くなされている。メラニンは、皮膚内において、
L-チロシンを基質としてチロシナーゼによって、L-DOPA,
DOPAキノンへと酸化され、複雑な酸化重合反応
を経て、生成される。したがって、これまでに、色素沈着症の治療や美白剤の原料として、皮膚内に存在す
るチロシナーゼ活性を阻害してメラニン生成を阻害する物質、例えば、コウジ酸2)やアルブチン3)などが美白
剤化粧品として用いられてきた。
筆者らは、これまでに未だ不明な点の多く残されている熱帯産樹木心材成分に、美白剤原料を求め、パプ
― 25 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
アニューギニア産樹木であるクワ科のArtocarpus incisus(パンノキ)の心材抽出物が強力なチロシナーゼ阻
害活性を有することを見出し、一連の阻害成分を、単離・同定した4, 5)。本稿では、これらの構造活性相関に
ついてまとめると共に、最も強力な阻害物質として単離・同定されたchlorophorinのHPLCにおける興味深い
挙動について紹介する。
2.実 験
2.1 チロシナーゼ活性測定法
チロシナーゼは、マッシュルーム由来チロシナーゼ[EC 1.14.18.1](シグマ)を用い、既報に従い、それ
ぞれ基質としてL-チロシンもしくはDL-DOPA6)を用いて、反応により生じるドーパクロムの極大吸収波長で
ある475nmの吸光度を測定し、活性を算出した。ポジティブコントロールとしては、強力なチロシナーゼ阻
害物質として知られているコウジ酸2)を用いた。
2.2 パンノキ樹木抽出物からの活性成分の単離・同定
詳細は既報に従った4, 7)。簡潔に概要を下記する。パンノキ(A. incisus)の材部を琉球大学演習林より入手
した。樹皮部ならびに随部の抽出物には、チロシナーゼ阻害活性が観察されなかったので、材部に着目した。
材部の木粉37kgを蒸留ジエチルエーテル(約130L)を用いて10日間室温抽出を行った。得られた抽出液は、
エバポレーターを用いて減圧濃縮し、抽出物330グラムを得た。さらに、ジエチルエーテル抽出物に対して、
ジエチルエーテル、ジエチルエーテル/ヘキサン、メタノールと順次結晶化操作を行い、容易に結晶化する
成分と母液(89g)とに分離した。母液画分に阻害活性が集中したために、母液画分に着目し、各種カラム
クロマトグラフィー(オープンシリカゲルカラムクロマトグラフィー、中圧シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、逆相分取HPLC)を行い、活性成分を単離し、NMR、MSを駆使して同定した。
3.結果及び考察
Fig. 1 に示すように、A. incisusの心材抽出物から単離されたチロシナーゼ阻害活性物質の構造を比較する
HO
HO
OH
HO
O
HO
R
O
R
OH O
OH O
R=OH: (+)-dihydromorin IC50=25μM
R= H: (+)-norartocarpanone IC50=1.76μM
HO
OH
R=prenyl: artocarpesin: IC50=13.5μM
R=CHCHCH(CH3)2:isoartocarpesin: IC50=21.1μM
OH
HO
HO
OH
O
R
OH
OH
R=prenyl: 4-prenyloxyresveratrol IC50=0.66μM
R= geranyl: chlrophorin IC50=0.26μM
artocarbene IC50=2.45μM
Fig. 1. Chemical structures and IC50 of active components from A. incisus.
The boxed part: 4-substituted resorcinol skeleton. (substrate: L-tyrosine)
― 26 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
ことにより、チロシナーゼ阻害活性発現には、ボックスで囲
HO
んだ4位置換レゾルシノール構造が活性発現に重要であるこ
MeO
OH
O
とが示唆された。しかしながら、同樹木より単離された化合
OH O
物であるartocarpin(16)は4位置換レゾルシノール構造をB
環に有しているにも関らず、チロシナーゼ阻害活性を示さな
16
Fig. 2. The chemical structure of artocarpin
(16) isolated from A. incisus.
The boxed part: 4-substituted resorcinol
skeleton
かった(Fig. 2)。したがって、4位置換レゾルシノール構造
だけでなく、他の構造的特徴も活性発現に重要な役割を果た
していることが予想された。そこで、詳細な構造活性相関に
ついて検討した。まず、Fig. 1 に示した化合物群がフラボノイド及びスチルベンに属することから、当該グルー
プに属する25種の化合物に対して、チロシナーゼ阻害活性を検討した(Table 1, Fig. 3)。
5種のスチルベン(21-25)で検討したところ4位置換レゾルシノール構造を有する4種のスチルベン類
(22-25)に強力なチロシナーゼ阻害活性が観察されたが4位置換レゾルシノール構造を有さないpinosylvin
(21)は、強力な阻害活性を示さなかった。したがって、スチルベンに関しては、4位置換レゾルシノール
構造が活性発現に極めて重要であることが示唆された。
Table 1. Inhibitory activity of 4-substituted resorcinols on tyrosinase (substrate: L-tyrosine)
No. name
R3
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
(±)-flavanone
(-)-pinocembrin
(±)-naringenin
(+)-aromadendrin
(±)-fustin
(±)-taxifolin
(+)-dihydromyricetin
(+)-dihydromorin
(+)-norartocarpanone
flavone
chrysin
apigenin
kaempferol
quercetin
myricetin
artocarpin
morin
artocarpesin
isoartocarpesin
(-)-angolensin
21
22
23
24
25
pinosylvin
oxyresveratrol
4-prenyloxyresveratrol
chlorophorin
artocarbenec
a
R5
R6
R7
R2'
H
H
H
OH
OH
OH
OH
OH
H
H
OH
H
OH
OH
OH
Pr
OH
H
H
H
OH
OH
OH
H
OH
OH
OH
OH
H
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
CHCHCH(CH3)2
H
Pr
CHCHCH(CH3)2
H
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
H
H
OH
OH
OH
OH
OCH3
OH
OH
OH
H
H
H
H
H
H
H
OH
OH
H
H
H
H
H
H
OH
OH
OH
OH
R3
OH
OH
OH
OH
R4
H
H
Pr
Ger
R5
OH
OH
OH
OH
R2'
H
OH
OH
OH
R4'
H
OH
OH
OH
R3'
R4'
H
H
H
H
OH
OH
OH
H
H
H
H
H
H
OH
OH
H
H
H
H
H
H
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
H
H
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
OH
R5'
H
H
H
H
H
H
OH
H
H
H
H
H
H
H
OH
H
H
H
H
IC50(µM)
(C2, C3)
2S, 2R
2S
2S, 2R
(2R, 3R)
(2R, 3R),(2S, 3S)
(2R, 3R),(2S, 3S)
(2R, 3R)
(2R, 3R)
2S
>200
>200
>200
lag time decreasea
lag time decreasea
lag time decreasea
lag time decreasea
25
1.76
>200
>200
>185
103
lag time decreasea
lag time decreasea
>228
>330
13.5
21.1
>200
>4 6
0.98
0.66
0.26
2.45
means promotion effect which could act as cofactor like diphenol
c
See Fig. 3.
R3'
R2 '
R7
O
R6
R5'
R3
R5
R3 '
R4'
O
1-9
R2 '
R7
O
R6
HO
H
R2 '
OH
R3
R5'
R3
R5
Pr:
R4'
Me
MeO
O
10-19
O
20
Ger:
Fig. 3. Chemical structures of 1-24
― 27 ―
R4
R5
21-24
R4 '
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
続いて、20種のフラボノイド(1-20)について検討した。その結果、B環に4位置換レゾルシノール構造
を有する4種のフラボノイドのみ(8, 9, 18及び19)に高いチロシナーゼ阻害活性が観察された。しかしながら、
16, 17及び20はB環に4位置換レゾル
シノール構造を有するにも関らず、高
い阻害活性を示さなかった。これらの
HO
HO
HO
OH
HO
O
結果からフラボノイド類に関しては、
OH
O
R
4位置換レゾルシノール構造だけでな
OH O
OH O
18: R=Pr, IC50=13.5μ
M
19: R=CHCHCH(CH3)2, IC50=21.1μM
9: IC50=1.76μM
く、さらに他の構造的特徴が活性発現
には、必要であることが示唆された。
4位置換レゾルシノール構造を有す
るフラバノン及びフラボン型フラボノ
HO
HO
R3
O
イドの場合には、3位に置換基を有す
すようにB環に4位置換レゾルシノー
ル構造を有したとしても、3位になん
R1
OH O
OH O
8: IC50=25μM
減することが判明した(9→8、18及び
OH
O
R2
OH
る場合に、チロシナーゼ阻害活性が激
19→16及 び17)。 つ ま り、Fig. 4 に 示
HO
OH
Steric hindrance
16: R1=Pr, R2=CHCHCH(CH3)2,
R3=OCH3, IC50=25μM
17: R1=OH, R2=H, R3=OH,
IC50>330μM
Fig. 4. The effect of the introduction of C3 substituent of flavonoids
which have 4-substituted resorcinol skeleton on tyrosinase
(substrate: L-tyrosine)
らかの側鎖置換基を有する場合には、
その立体障害のために、4位置換レゾルシノール
構造部分がチロシナーゼに結合できず阻害活性が
低減したことが考えられる。
ま た、 一 方、( - ) -angolensin(20)(Fig. 3) も
4位置換レゾルシノール構造を有するにも関らず、
阻害活性を示さなかった。しかし、上述のような
立体障害による活性の低減効果は、考えにくい。
したがって、阻害活性低減要因を明らかにするた
めに、4位置換レゾルシノール類の特に側鎖に着
目した構造活性相関検討を行った。Table 2 に示す
Table 2. Inhibitory activity of 4-substituted resorcinols
on tyrosinase (substrate: L-tyrosine)
No.
26
27
28
29
30
31
(26-30)を有する場合、阻害活性が消失した。また、
アゾ基(31, 33)を有する場合にも阻害活性が著し
く減少した。カルボニル基及びアゾ基は、両置換
基ともに、オルソ位の水酸基と水素結合を形成可
能である。この分子内水素結合が存在することに
よって、活性発現に必須なレゾルシノール部分が
N
N
32
227
N
33
N
N
185
S
O
H
34
35
36
37
38
39
40
41
H
O
Cl
CH3
CH2C6H5
CH2(CH2)4CH3
CH2(CH2)10CH3
CH2CH3
CH2CH2CH3
R
H
O
しく減弱したと考えられる。さらに、側鎖の極性
― 28 ―
436
H
チロシナーゼに強固に結合できず、阻害活性が著
のチロシナーゼ阻害活性に及ぼす影響について検
IC50 (μM)
>200
>200
>200
>200
>200
N
ように、4位置換基の構造によって、大きく活性
が変動することが判明した。特に、カルボニル基
Substituent (R)
CHO
COCH3
COOH
CONHCH2CH2OH
COC6H5
H
O
58.0
13.0
12.0
2.80
1.98
1.63
1.10
0.91
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
討した。Fig. 5 に示すように、側鎖に水酸基やカルボニル基などの極性基が存在すると活性が弱く、逆に疎
水性が高いと強力な阻害活性を示すことが判明した。これらの結果をFig. 6 にまとめた。このように静的な
平面構造からの考察から、チロシナーゼ阻害活性発現に必要な部分構造についての知見の蓄積に成功した。
これらの知見を元に、さらに有用な用途に応じた多機能性分子の創製が可能となろう。しかしながら、一方
で、天然物の溶液中での構造は、動的に変化し、それらの動的変化構造と、生体分子の相互作用についても
勘案する必要がある。その一例を紹介したい。
Table 1 に示したように、chlorophorin(24, 2,3',
OH
4,5'-tetrahydroxy-4'-geranylstilbene) は、 検 討 し た
OGlu
すべての化合物の中で最も高い阻害活性(IC50 =
hydrophilic
substituent
HO
0.26μM)を示した。本化合物は、HPLCで単離
IC50=8.85μM
する際に、興味深い挙動を示し、単離されている
OH
かの判断を迷わせた。上記したように、A. incisus
の抽出物は、チロシナーゼ阻害活性を指標とし
OH
て、結晶操作後に、各種クロマトグラフィーによ
HO
IC50=5.66μM
り分画された。分取逆相HPLCにより精製した、
OH
chlorophorinを含む画分の分析逆相HPLCクロマト
グラムをFig. 7 に示す。ピークAならびにピーク
HO
Bの二つのピークが観察された。分取逆相HPLC
IC50=0.91μM
により精製を試み、ピークAのみを完璧に分取し
たとしても、その後、分析すると、二つのピー
OH
ク(A及びB)が観察された。逆に、ピークBの
みを完璧に分取したとしても、同様であった。何
IC50=0.50μM
度も何度も繰り返し検討したが、どちらをとって
Fig. 5. The chemical structures and IC50 of 4-substituted
resorcinols. (substrate: L-tyrosine) Glu: glucose
moiety.
も必ず、二つのピークに戻ることから、何らか
の互変異性体の存在が示唆された。幸い、PDA
HO
O
H
HO
O
O
N
hydrophobic
substituent
HO
H
N
R
OH
R
O
The formation of intramolecular
hydrogen bond decrease activity.
HO
R
O
OH
R
HO
Introduction of bulky substituent causes weaker activity.
Hydrophobic and less bulky substituents are preferred.
Replacement of substituent with hydrogen atom
dramatically decrease activity.
Fig. 6. Summarized structure-activity relationships of compounds with 4-substituted
resorcinol skeleton
― 29 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
A
B
329 nm
B
305 nm
A
281 nm
Fig. 7. The HPLC chromatogram of chlorophorin (24)
HPLC analysis: Inertsil ODS-3 (4.5 x 150 mm), eluent:
acetonitrile: H2O = 55: 45, detection: 280 nm, flow rate: 1.0
mL/min
Fig. 8. UV-Vis spectrum of peak A and B
(photodiode array) 検 出 器 な ら び にAPCI(atmospheric
A
pressure chemical ionization)MS検出器を有するHPLCで
分析することにより、謎がほどけてきた。Fig. 8 にそ
れぞれのピークのUV-Visスペクトルを示した。ピーク
Bは、329nm, 305nmに極大吸収波長を有し、ピークAは、
281nmに極大吸収を示した。さらに、Fig. 9 に示すよう
に、両ピークのAPCIMS(ポジティブ)スペクトルは、
一致した。加えて、分取HPLCで精製後、溶媒を留去
後、冷暗所に放置後に、小量溶媒に溶解後、HPLC分析
B
に供したところ、ほぼピークBのみが観察された。さ
らに、室温で、光を遮断せずに、溶媒に溶解させ、そ
の後、24時間放置後、HPLC分析に供したところ、ピー
クAならびにピークBがほぼ同等のピーク面積で出現し
た。このことから、両ピークは、単一の化合物であり、
安定なピークBの構造からピークAの構造へ容易に移行
する互変異性体と考えられた。さらに幸いなことに、
NMR分析では、安定なピークBのトランス型構造で存
Fig. 9. APCI spectrum of peak A and B
在していると考えられ、シス型の異性体Aと思われる
構造はほとんど見られなかった。これらのことから、chlorophorinは、溶液中では、Fig. 10 に示すような、
シス-トランス互変異性体の構造を取りながら、チロシナーゼ阻害活性を示していると考えられる。
この溶液中におけるシス-トランス互変異性が、生物活性にどのように影響を与えるかは今後の研究課題
であるが、天然物と生体分子の相互作用は、単純な平面構造だけでなく、経時的なダイナミックな構造変化
も勘案する必要がある。今後、chlorophorinの薬理活性発現機構の研究を通して、その一端を垣間見ていきたい。
4.総 括
A. incisus樹木心材から強力なチロシナーゼ阻害物質として、分子内に4位置換レゾルシノール構造を有す
― 30 ―
九州大学中央分析センター報告 第27号(2009)
OH
HO
OH
OH
hv
HO
OH
OH
HO
B
A
Fig. 10. Tautomerization of chlorophorin
る一連のフラボノイド及びスチルベンを見出した。活性発現には、分子内の4位置換レゾルシノール構造が
関与していると考え、4位置換レゾルシノール類の構造活性相関を特に、その側鎖置換基の構造に着目して
行い、ある特定の構造的特徴(疎水性・分子内水素結合・立体障害)が阻害活性に大きく影響を与えている
ことを見出した。また、それらの化合物の中で、最も高い阻害活性を示したchlorophorinは、溶液中では、シ
ストランス互変異性体として存在していることが示唆された。
参考文献
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Photobiol. 63, 1-10, 1996.
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biosynthesis. Holzforschung 59, 514-518, 2005.
― 31 ―
平成21年度機器利用状況
A.エスカ表面分析装置
◦CPUからの貴金属の回収
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◦金属硫化物への金(Ⅲ)錯イオンの吸着/還元挙動
理学研究院
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◦金属カルコゲン化物への金(Ⅲ)錯イオンの吸着挙動
理学研究院
赤松 美里
横山 拓史
物質理工学
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◦プラズマ処理ポリマー
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量子プロセス理工学
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◦Ge上の絶縁膜形成技術の確立
◦ULSI用MISFETにおけるGe上の絶縁膜形成
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◦加工環境コントロールによる機能性材料の加工に関する研究
◦Zr合金の腐食特性評価
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三浦 則雄
NFD
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― 32 ―
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物質理工学
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中央分析センター
鈴木 寛
◦エタノール/水混合溶媒中メリチンのCOSYとNOESY
◦糖誘導体のNMR測定
D.FT-IR
◦光学材料応用を目指したハイパーブランチポリマーの合成に関する研究
先導研
井上 梓
横山 士吉
先導研
森 裕一
井上振一郎
◦ダイヤモンド膜の形成と評価
量子プロセス
古閑 彰
堤井 君元
◦BN膜の電気特性の調査
量子プロセス
堀 拓郎
堤井 君元
◦立方晶窒化ホウ素薄膜の形成
量子プロセス理工学
水迫 優晴
堤井 君元
◦炭素膜の生成と評価
量子プロセス理工学
古閑 彰
堤井 君元
◦CBNの基礎特性の解明
量子プロセス理工学
堀 拓郎
堤井 君元
◦CBN薄膜の形成と半導体特性に関する研究
量子プロセス理工学
水迫 優晴
堤井 君元
◦Bドープ超ナノ微結晶ダイヤモンド薄膜の創製
量子プロセス理工学
大曲 新矢
吉武 剛
◦高分子材料による光ナノ構造の研究
― 33 ―
E.顕微FT-IR
◦光学材料応用を目指したハイパーブランチポリマーの合成に関する研究
先導研
井上 梓
横山 士吉
◦ポリマーブレンドの相分離構造の確認
九州工業大学
Wong Yan
西田 治男
◦PL/PLLAブレンドの加水分解
九州工業大学
王 岩
白井 義人
◦有機FETのS-D電極修飾
先導研
飯野 久朗
藤田 克彦
◦有機FETの絶縁膜に関する研究
先導研
飯野 久朗
藤田 克彦
◦MeCUC分子結晶の構造と相転移挙動
理学研究院
◦窒素ドープUNCD薄膜
◦金属処理剤開発
量子プロセス
佐々木茂男
アリヤミ サウサン
産学連携センター
吉武 剛
溝口 誠
F.レーザーラマン分光光度計
◦樹脂流動制御成形品の物性について
九州工業大学
権藤 聖仁
森 直樹
農学研究院
小川由紀子
北岡 卓也
G.超高感度示差走査熱量計
◦低分子ヒドロゲル化剤の物性
◦石鹸の熱測定
中央分析センター
坂下 寛文
H.高感度示差走査熱量計
◦酸化物熱電発電材料の研究・開発
物質理工学
山本 五郎
大瀧 倫卓
◦ダイヤモンド薄膜の研究
量子プロセス理工学
松本精一郎
堤井 君元
◦BNの電気特性の解明
量子プロセス理工学
堀 拓郎
堤井 君元
◦BN膜の基礎特性の解明
量子プロセス理工学
堀 拓郎
堤井 君元
◦CBN薄膜の形成と半導体特性に関する研究
量子プロセス理工学
水迫 優晴
堤井 君元
◦BN薄膜の作製と評価
量子プロセス理工学
古閑 彰
堤井 君元
◦窒化ホウ素の形成と特性評価
量子プロセス理工学
水迫 優晴
堤井 君元
◦窒化ホウ素薄膜の作製と評価
量子プロセス理工学
池田 知弘
堤井 君元
◦ナノダイヤモンド膜の電気特性評価
量子プロセス理工学
池田 知弘
堤井 君元
◦ナノダイヤモンド膜の合成と電気特性評価
量子プロセス理工学
嶋田翔三郎
堤井 君元
◦異方性ナノカーボン膜
量子プロセス理工学
中島 誠宏
堤井 君元
先導研
田中 一郎
岡田 重人
I.高周波2極スパッタ装置
J.雰囲気中液体急冷装置
◦ガラス作製
― 34 ―
K.レーザー粒径解析装置
◦ナノ磁性粒子の脂質二重膜透過実験
エネルギー理工学
完山 伸之
横峯 健彦
◦土壌の粒径分布解析
中央分析センター
井上 弦
◦標準試料粒子混合溶液の粒径解析
中央分析センター
坂下 寛文
L.ICP質量分析装置(伊都地区)
◦カーボンナノチューブの反応とカイラリティ分離
工学研究院
加藤 雄一
中嶋 直敏
工学研究院
権藤 亮介
君塚 信夫
◦金ナノロッドの体内動態
工学研究院
カン ビョンイル
片山 佳樹
◦デンドリマーの体内動態
工学研究院
栗原 亮介
片山 佳樹
◦金ナノロッドを用いた体内動態
工学研究院
秋山 泰之
片山 佳樹
◦金ナノロッドの体内動態
工学研究院
大賀 晃
片山 佳樹
◦経皮デリバリーシステムの開発
工学研究院
野瀬 圭介
片山 佳樹
◦路面排水における重金属流出特性
工学研究院
市川 瞬平
久場 隆広
◦地下水中のホウ素の測定および各種金属イオンの測定
工学研究院
安藤 利博
神野 健二
◦溶液中のヒ素の吸着特性に関する研究
工学研究院
田尻 竜章
神野 健二
◦地下水におけるヒ素の動態に関する研究
工学研究院
田尻 竜章
神野 健二
◦金鉱床ポテンシャル評価
工学研究院
米津幸太郎
渡辺公一郎
◦ヌクレオチドと希土類イオンからなるナノ粒子の特性と機能
◦ガラス固化体の長期性能に及ぼすオーバーパック腐食生成物に影響に関する定量的評価
工学研究院
酒谷 圭一
出光 一哉
小山慶太郎
出光 一哉
◦ガラス固化体の長期性能に係る各種反応パラメタの体系的評価
工学研究院
◦ガラス固化体の長期性能に及ぼすオーバーパック腐食生成物に影響に関する定量的評価
工学研究院
多田 雅彦
出光 一哉
工学研究院
牧垣 光
出光 一哉
工学研究院
魏 云梅
島岡 隆行
◦ガラス固化体の長期性能に係る各種反応パラメタの体系的評価
◦焼却残渣による二酸化炭素吸着能に関する研究
◦半導体機器洗浄水溶液中の含有元素分析
システム情報科学研究院
◦新規なシロキサンゲル触媒の化学
先導研
栗焼 久夫
湯浅 章弘
永島 英夫
◦マルチサイズ解析による東アジアにおける大気中での粒子の動態に関する研究
理学研究院
上石 瑛伍
宇都宮 聡
◦ミミズ・イネが共存する土壌中のREEの測定
理学研究院
米津幸太郎
横山 拓史
◦金属ナノ粒子の水素吸着特性
理学研究院
小林 浩和
北川 宏
◦機能水の分析
農学研究院
濱崎 武記
白畑 實隆
農学研究院
倉田 晃行
小林 善親
◦インジウム関連工場従事者のバイオロジカルモニタリング
医学研究院
出水 明子
田中 昭代
◦肝特異的MRI機能化造影剤の開発
医学研究院
◦シロイヌナズナにおける銅イオンの吸収・蓄積に対する窒素の影響
― 35 ―
村田 正治
◦金属表面に誘起された水酸の定量
歯学研究院
川内義一郎
石川 邦夫
◦Pt製剤の体内動態に関する検討
薬学研究院
岡崎 史泰
松永 直哉
◦抗腫瘍性白金錯体の開発
薬学研究院
中武 秀聡
麻生真理子
渡辺 治隆
土井 道生
Shamim Uddin
黒澤 靖
◦気孔開口メカニズムの解明:開口に伴う浸透物質のレベル変動の解析
高等教育開発推進センター
◦バングラデシュの地下水ヒ素汚染に関する研究
熱帯農学研究センター
M.フーリエ変換赤外分光光度計(伊都地区)
◦DDS担体としての酸化ペクチンの利用
工学研究院
武井 孝行
川上 幸衛
◦天然高分子由来架橋剤の調製
工学研究院
武井 孝行
川上 幸衛
工学研究院
佐藤 光伸
川上 幸衛
工学研究院
吉本 篤司
今任 稔彦
◦酸化ペクチンゲルの調製およびドラッグデリバリーシステムへの応用
◦PHQ-DNAの合成
◦和周波発生分光法を用いた(ポリスチレン/固体)界面における局所コンフォメーション
工学研究院
甲斐 直樹
長村 利彦
◦(高分子/無機)界面における分子鎖凝集構造の評価
工学研究院
甲斐 直樹
田中 敬二
◦非溶媒と接触した高分子薄膜の構造解析
工学研究院
新 史紀
田中 敬二
◦トリシクロデカン系/ポリスチレン系高分子の相溶性
工学研究院
石川 元人
長村 利彦
◦PVAナノファイバー膜の粘弾特性・分子運動特性
工学研究院
中原 純一
長村 利彦
工学研究院
松尾 篤憲
北條 純一
◦ホットソープ法によるTiO2粒子の合成
工学研究院
深蔵 俊陽
北條 純一
◦マイクロ波水熱処理による籾殻からの活性炭合成
工学研究院
古賀 貴寛
北條 純一
◦メソポーラスシリカを利用した複合機能触媒の合成
工学研究院
山下 翔悟
北條 純一
◦ビタミンB12-TiO2ハイブリッド触媒の機能特性
工学研究院
永見 容子
久枝 良雄
◦酵素を内包したイオン液体ポリマーの開発
工学研究院
井野圭志朗
後藤 雅宏
◦脂肪酸アミン類を用いたフラーレンの組織化
工学研究院
松岡 健一
山田 淳
◦D-A連結化合物における光誘電子移動反応による磁場効果
工学研究院
元田 有紀
山田 淳
◦ビタミンE添加PTFEの研究
工学研究院
中嶋 和弘
村上 輝夫
◦イオン液体を用いたキャビテーション効果による微粒子合成
◦誘電泳動を利用した異種ナノ材料間界面の構築とセンシングデバイスへの応用
システム情報科学研究院
今坂 公宣
末廣 純也
吉村 哲子
白谷 正治
◦低コスト高効率太陽電池のためのアモルファスシリコンの開発
システム情報科学研究院
◦合成雲母の赤外分光分析
比較社会文化研究院
石田 清隆
◦天然および合成雲母族鉱物の赤外吸収スペクトル
比較社会文化研究院
石田 清隆
◦固体表面でのポルフィリン誘導体を用いた配位高分子膜の構築
理学研究院
本山宗一郎
北川 宏
中園 学
財津 潔
◦ポリフェノールデンドリマーと四級アンモニウムとの相互作用
薬学研究院
― 36 ―
◦ブロック共重合体の合成と相分離ナノ構造体の形成
未来化学創造センター
加藤 邦久
安達千波矢
◦グリース潤滑膜における基油と増ちょう剤の挙動
工学研究院
金満 秀和
杉村 丈一
◦植物油の高面圧下におけるトライボ特性の評価
工学研究院
坂本 弘
村上 輝夫
工学研究院
鎗光 清道
村上 輝夫
◦銀ナノワイヤーの合成
工学研究院
倉光 雄大
岸田 昌浩
◦高分子二層膜カプセルの創製
工学研究院
櫻井 大輔
岸田 昌浩
◦細胞包括カプセルを利用した三次元組織体の開発
工学研究院
松山 智洋
川上 幸衛
◦光架橋高分子の作製
工学研究院
牟 倡駿
川上 幸衛
◦N-混乱ポルフィリン誘導体の合成と物性評価
工学研究院
鷲頭 敬規
古田 弘幸
◦異種ポルフィリン類のアニオンとの相互作用
工学研究院
藤野敬太郎
古田 弘幸
◦金属錯体修飾オリゴヌクレオチドの合成
工学研究院
河本 篤志
今任 稔彦
◦生細胞測定用酸化還元型蛍光プローブの開発
工学研究院
亀田 真吾
今任 稔彦
◦ヒドロキシソラレン、ソラレンカルボン酸の合成
工学研究院
吉田 亘児
今任 稔彦
◦phen錯体-DNAコンジュゲート形成
工学研究院
古江 誠
今任 稔彦
◦フォトクロミック化合物のバイオ応用についての検討
工学研究院
山口 幸子
今任 稔彦
◦per-6-iodo-β-シクロデキストリンの合成
工学研究院
松尾 和宣
今任 稔彦
◦ソラレンN-ヒドロキシスクシニイミドエステルの合成
工学研究院
森 美詞
今任 稔彦
◦蛍光プローブの開発
工学研究院
瀬戸 大輔
今任 稔彦
◦エレクトロクロミック高分子の合成
工学研究院
安岡 里奈
長村 利彦
◦エレクトロクロシック多分岐高分子の開発
工学研究院
金 善南
長村 利彦
◦近赤外応答分子の合成
工学研究院
曽田 泰宏
長村 利彦
◦非線形光学に基づく高分子界面構造解析
工学研究院
甲斐 直樹
田中 敬二
◦脂質被膜型Fe(Ⅱ)錯体におけるスピン状態の制御
工学研究院
忽那 真也
君塚 信夫
工学研究院
古賀 春香
片山 佳樹
◦細胞内シグナル応答型遺伝子発現制御システムの開発
工学研究院
戸井田 力
片山 佳樹
◦細胞内シグナル応答型遺伝子発現制御システムの開発
工学研究院
富山 哲朗
片山 佳樹
入江 惇史
高原 淳
永野 槙佑
高原 淳
◦蛋白質・リン脂質・ヒアルロン酸からなる境界潤滑膜の分析
N.超伝導核磁気共鳴吸収装置(伊都地区)
◦プロテインキナーゼCα活性検出のための蛍光プローブの開発
◦酸素耐性動的共有結合骨格を有するラジカル高分子反応の開発
先導研
◦光照射によるジスルフィド交換反応を利用したポリマーの構造変換
先導研
◦天然物からの抗菌性化合物の同定
農学研究院
松井 利郎
◦天然由来アントシアニンの構造解析
農学研究院
松井 利郎
◦バイオマスからの高吸水性ポリマーの開発と応用に関する研究
農学研究院
― 37 ―
大曲 真依
原 敏夫
◦生体内化学反応解析を指向した機能性プローブの開発
稲盛フロンティア研究センター
◦熱帯性花木ジャカランダの花弁アントシアニン
堂浦 智裕
熱帯農学研究センター
山東 信介
宮島 郁夫
◦Control of molecular aggregation and orientation in organic thin films aiming for high carrier mobility and its
application to organic solar cells
未来化学創造センター
Kim Jun Yun,大石 康介 安達千波矢
◦ブロック共重合体の合成と相分離ナノ構造体の形成
未来化学創造センター
加藤 邦久
安達千波矢
未来化学創造センター
柴野 祐紀
安達千波矢
未来化学創造センター
原田 了輔
小江 誠司
◦ドナー性ペリレンジイミドを用いた有機太陽電池
◦新規金属錯体の合成と反応性
― 38 ―
関 係 委 員
九州大学中央分析センター委員会委員(平成20年4月~平成22年3月)
委
員
長
セ
長
教 授
北 條 純 一
長
教 授
島ノ江 憲 剛
長
〃
中 嶋 直 敏
長
〃
末 岡 淳 男
総合理工学研究院長
〃
寺 岡 靖 剛
理
〃
渡 部 行 男
〃
酒 井 健
〃
向 田 昌 志
准教授
岩 井 芳 夫
教 授
下 田 満 哉
〃
森 田 光 博
副
委
員
伊
工
ン
セ
タ
ン
タ
都
学
ー
分
室
研
究
学
ー
研
院
究
院
〃
工
学
研
究
院
〃
農
学
研
究
院
〃
(任期:平成19年4月1日~平成21年3月31日)
比較社会文化研究院
教
授
北 逸 郎
(任期:平成19年4月1日~平成21年3月31日)
医
学
研
究
院
〃
池 田 典 昭
歯
学
研
究
院
〃
野 中 和 明
薬
学
研
究
院
〃
財 津 潔
長
〃
末 岡 淳 男
芸 術 工 学 研 究 院
〃
福 島 重 廣
システム情報科学研究院
〃
宮 尾 正 信
総 合 理 工 学 研 究 院
〃
原 田 明
応 用 力 学 研 究 所
〃
中 村 一 男
先導物質化学研究所
〃
友 岡 克 彦
工
学
研
究
院
工 学 部 等 事 務 部 長
東 島 利 昭
筑 紫 地 区 事 務 部 長
戸 川 英 明
― 39 ―
九州大学中央分析センター運営委員会委員(平成20年4月~平成22年3月)
委
員
長
セ
副
委
員
ン
セ
タ
ン
ー
タ
ー
長
教 授
北 條 純 一
長
教 授
島ノ江 憲 剛
伊
都
分
室
長
〃
中 嶋 直 敏
工
学
研
究
院
〃
今 坂 籐太郎
理
学
研
究
院
〃
徳 永 信
医
学
研
究
院
〃
池 田 典 昭
薬
学
研
究
院
〃
財 津 潔
総 合 理 工 学 研 究 院
准教授
永 長 久 寛
システム情報科学研究院
〃
栗 焼 久 夫
農
〃
松 井 利 郎
先導物質化学研究所
教 授
友 岡 克 彦
中 央 分 析 セ ン タ ー
准教授
坂 下 寛 文
学
研
究
院
九州大学中央分析センター(伊都分室)委員会委員(平成20年4月~平成22年3月)
委
員
長
教 授
中 嶋 直 敏
(環 境 都 市)
〃
島 岡 隆 行
(機 械 系)
准教授
河 野 正 道(平成20年度)
〃
北 原 辰 巳(平成21年度)
(化 学 工 学)
〃
藤 野 茂
(応 用 化 学 ・ 機 能)
〃
榎 本 尚 也
(応 用 化 学 ・ 分 子)
〃
阿 部 正 明
(地球資源システム工学)
〃
今 井 亮
(材 料 工 学)
〃
西 岡 浩 樹
(航 空 宇 宙 工 学)
〃
高 橋 厚 史
(海洋システム工学)
〃
後 藤 浩 二
(エネルギー量子工学)
〃
稲 垣 八穂広
システム情報科学研究院委員
〃
栗 焼 久 夫
人間環境学研究院委員
〃
小 山 智 幸
工学研究院委員
分
室
長
総合理工学研究院委員
(箱崎地区グループ)
〃
橋 爪 健 一
理 学 研 究 院 委 員
地 球 惑 星 科 学 部 門
〃
石 橋 純一郎
生
門
〃
荒 田 博 行
生 物 機 能 科 学 部 門
〃
松 井 利 郎
生物資源開発管理学部門
〃
角 田 住 充
農 学 研 究 院 委 員
物
科
学
部
― 40 ―
九州大学中央分析センターの職員
セ
副
伊
ン
セ
都
タ
ン
ー
タ
分
ー
室
長
教 授
北 條 純 一( 兼 任 )
長
教 授
島ノ江 憲 剛( 兼 任 )
長
〃
中 嶋 直 敏( 兼 任 )
准教授
坂 下 寛 文( 筑 紫 地 区 )
助 教
三 浦 好 典( 筑 紫 地 区 )
〃
渡 辺 美登里( 伊 都 地 区 )
教務員
岩 永 知 奈 ( 伊 都 地 区 )
― 41 ―
大型装置を利用した研究成果
超伝導核磁気共鳴吸収装置
1.
K. Watanabe, M. Harada-Shiba, A. Suzuki, R. Gokuden, R. Kurihara, Y. Sugao, T. Mori, Y. Katayama, T. Niidome, In
vivo siRNA delivery with dendritic poly(L-lysine) for the treatment of hypercholesterolemia, Molecular BioSystems, 5,
1306 – 1310 (2009)
2.
Y. Sugao, K. Watanabe, Y. Higuchi, R. Kurihara, S. Kawakami, M. Hashida, Y. Katayama, T. Niidome, NFkB decoy
delivery using dendritic poly(L-lysine) for treatment of endotoxin-induced hepatitis in mice, Bioorg. Med. Chem., 17,
4990-4995 (2009)
3.
K. Kawamura, M. Kuramoto, T. Mori, R. Toita, J. Oishi, Y. Sato, J.-H. Kang, D. Asai, T. Niidome, Y. Katayama,
Molecularmechanism of Caspase-3-induced gene expression of polyplexes formed polycations grafted with cationic
substrate peptides, J. Biomater. Sci. Polym. Ed., 20, 967-980 (2009)
4.
D. Asai, J.-H. Kang, R. Toita, A. Tsuchiya, T. Niidome, H. Nakashima, Y. Katayama, Regulation of transgene
expression in tumor cells by exploiting endogenous intracellular signals, Nanoscale Res. Lett., 4, 229-233 (2009)
5.
T. Mori, T. Hirano, A. Maruyama, Y. Katayama, T. Niidome, Y. Bnado, K. Ute, S. Takaku, Y. Maeda, Poly(N-npropylacrylamide) shows highly cooperative phase transition, Langmuir, 25, 48-50 (2009)
6.
K. Oishi, K. Toyao, and Y. Kawano, Suppression of estrogenic activity of 17β-estradiol byβ-cyclodextrin,
Chemosphere, Vol. 73, pp1788-1792. (2008)
7.
H.Yonemura, Y.Wakita, S.Moribe, S.Yamada, Y.Fujiwara and Y. Tanimoto, Effects of Magnetic Processing on
Electrochemical and Photoelectrochemical Properties of Electrodes Modified with Nanoclusters of a Phenothiazine-C60
Linked Compound, Journal of Physics: Conference Series, Vol.156, pp.1-10(2009.3)
8.
T. Maki, N. Soh, T. Fukaminato, H. Nakajima, K. Nakano, T.Imato, "Perylenebisimide-linked nitroxide for the
detection of hydroxyl radicals", Anal. Chim. Acta, 639, 78-82 (2009).
9.
中野幸二,吉武忠輝,山下泰徳,宗 伸明,今任稔彦,“アルカンチオール単分子膜修飾電極に固定化した
チトクロームcの直接電子移動反応の研究”, 中央分析センター報告第27号(掲載予定)
10. 藤原 広匡、山辺 純一郎、西村 伸、加硫アクリトニトリルブタジエンゴムの膨潤状態、溶液および固
体1H, 13C NMRによる構造解析、高分子論文集、Vol.66, No.9, pp.363-372(Sep., 2009)
ICP質量分析装置
1.
Y. Akiyama, T. Mori, Y. Katayama, T. Niidome, The effects of PEG grafting level and injection dose on gold nanorod
biodistribution in the tumor-bearing mice, J. Control. Release. 139, 81-84 (2009)
2.
T. Niidome, Y. Akiyama, M. Yamagata, T. Kawano, T. Mori, Y. Niidome, Y. Katayama, Poly(ethylene glycol)-modified
gold nanorods as a photothermal nanodevice for hyperthermia, J. Biomater. Sci.-Polym. Ed., 20, 1203–1215 (2009)
3.
S. Yamashita, Y. Niidome, Y. Katayama, T. Niidome, Photochemical reaction of poly(ethylene glycol) on gold nanorods
induced by near infrared pulsed-laser irradiation, Chem. Lett., 38, 226-227 (2009)
― 42 ―
4.
T. Kawano, Y. Niidome, T. Mori, Y. Katayama, T. Niidome, PNIPAM gel-coated gold nanorods for targeted delivery
responding to a near-infrared laser, Bioconjugate Chem., 20, 209-212 (2009)
5.
K. Sao, M. Murata, K. Umezaki, Y. Fujisaki, T. Mori, T. Niidome, Y. Katayama, M. Hashizume, " Molecular design of
protein-based nanocapsules for stimulus-responsive characteristics", Bioorganic Medical Chemistry, 17, 85-95(2009).
6.
K. Sao, M. Murata, K. Umezaki, Y. Fujisaki, T. Mori, T. Niidome, Y.oshiki Katayama, M. Hashizume, "A novel
protease activity assay using a protease-responsive chaperon protein", Biochemical and Biophysical Research
Communications, 383, 293-297(2009).
7.
H. Kobayashi, M. Yamauchi, R. Ikeda, H. Kitagawa, Atomic-Level Pd-Au Alloying and Controllable HydrogenAbsorption Properties in Size-Controlled Nanoparticles Synthesized by Hydrogen Reduction Method, Chem. Commun.,
4806-4808 (2009).
8.
H. Kobayashi, M. Yamauchi, H. Kitagawa, Y. Kubota, K. Kato, M. Takata, Hydrogen Absorption in the Core/Shell
Interface of Pd/Pt Nanoparticles, J. Am. Chem. Soc., 130, 1818-1819 (2008).
9.
M. Yamauchi, H. Kobayashi, H. Kitagawa, Hydrogen Storage Mediated by Pd and Pt Nanoparticles, ChemPhysChem,
10, 2566-2576 (2009), (Invited Review).
10. 小林浩和, 山内美穂, 北川 宏, 金属ナノ粒子の水素吸蔵, ナノ空間材料の創製と応用展開 フロンティ
ア出版, 印刷中
11. A. Imai, and Y. Nagai, Fluid inclusion study and opaque mineral assemblage at the deep and shallow part of the Batu
Hijau porphyry Cu-Au deposit, Sumbawa, Indonesia. Resour. Geol., 59, 231-243. (2009)
12. L. O. Suerte, A.Imai, and S. Nishihara, Geochemical characteristics of intrusive rocks, southeastern Mindanao,
Philippines: Implication to metallogenesis of porphyry copper-gold deposits. Resour. Geol., 59, 244-262. (2009)
13. A. Imai, L. O. Suerte, and S. Nishihara, Origin of bornite pods in intrusive rocks at the Kingking porphyry Cu-Au
deposit, southeastern Mindanao, Philippines. Resour. Geol., 59, 307-313. (2009)
14. A. Imai, K. Sanematsu, S. Ishida, K. Watanabe, and J. Boosayasak, J., Rar Earth Elements in Weathered Crust in Snbearing Granitic Rocks in Southern Thailand. Proceedings of the International Symposia on Geoscience Resources and
Environments of Asian Terranes, Special Issue of Bulletin of Earth Sciences of Thailand, 232-237. (2008)
15. C. Wiraseranee, K. Yonezu, T. Yokoyama, D. Witwattanadate, Q. Leepawpanth, A. Imai, K. Watanabe, Recovery
of Precious Metals from Computer Microprocessor by Coprecipitation with Manganese Hydroxide. Proceedings of
International Symposium on Earth Science and Technology 2008, 557-564. (2008)
16. R. Takahashi, K. Watanabe, A. Imai, H. Matsueda, Victor M. Okurugin, Genesis and Formation of Ore Deposits in
Kamchatka Peninsula, Far Eastern Russia. Proceedings of International Symposium on Earth Science and Technology
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4.
Hitoshi Matsuo, R. Bairava Ganesh, Satoshi Nakano, Lijun Liu, Yoshihiro Kangawa, Koji Arafune, Yoshio Ohshita,
Masafumi Yamaguchi, Koichi Kakimoto, "Thermodynamical analysis of oxygen incorporation from a quartz crucible
during solidification of multicrystalline silicon for solar cell", Journal of Crystal Growth, Vol.310, (2008) 4666-4671.
5. H. Matsuo, R. Bairava Ganesh, S. Nakano, Lijun Liu, K. Arafune, Y. Ohshita,M. Yamaguchi,
K. Kakimoto, "Effect of crucible rotation on oxygen concentration during unidirectional solidification process of
multicrystalline silicon for solar cells", Journal of Crystal Growth, Vol.311, (2009) 1123-1128.
6.
S. Hisamatsu, H. Matsuo, S. Nakano, K. Kakimoto, "Numerical analysis of the formation of Si3N4 and Si2N2O during
a directional solidification process in multicrystalline silicon for solar cells", Journal of Crystal Growth, Vol.311, (2009)
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7.
H. Matsuo, S. Hisamatsu, Y. Kangawa, and K. Kakimoto, "Distributions of light elements and formation of
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オージェ電子分光分析装置
1.
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Low Temperatures, Journal of the Korean Physical Society, Vol. 54, No. 1, pp. 451-454, (Jan. 2009)
2.
M.Kurosawa, Y. Tsumira, T. Sadoh, and M. Miyao, Interfacial-Oxide Layer Controlled Al-Induced Crystallization of
Si1-xGex (x: 0-1) on Insulating Substrate, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.48, No.3, B002-1-3, (Mar. 2009)
3.
T. Sadoh, H. Ohta, and M. Miyao, Effects of Si Layer Thickness on Solid-Phase Crystallization of Stacked Ge/Si/SiO2
Structures, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.48, No.3, B004-1-3, (Mar. 2009)
4.
M. Kurosawa, N. Kawabata, T. Sadoh, and M. Miyao, Orientation-controlled Si thin films on insulating substrates by
Al-induced crystallization combined with interfacial-oxide layer modulation, Applied Physics Letters Vol.95, No.13,
― 50 ―
132103-1-3, (Sep. 2009)
5.
黒澤昌志 ,川畑直之,佐道泰造,宮尾正信,アルミニウム誘起層交換法によるSiGe/ガラスの低温成長,電
子情報通信学会 信学技報 SDM2009-5, pp19-21, (2009年 5月)
ESCA
1.
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Stabilisation of the Superionic Phase to Room Temperature in Polymer-Coated AgI Nanoparticles, Nature Materials, 8,
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2.
T. Yamada, M. Sadakiyo, H. Kitagawa, High Proton Conductivity of One-Dimensional Ferrous Oxalate Dihydrate, J.
Am. Chem. Soc., 131, 3144-3145 (2009).
3.
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structural evaluations of high-k gate dielectrics fabricacated using plasma oxidation and the subsequent annealing for a
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4.
K. Hirayama, W. Kira, K. Yoshino, H. Yang, D. Wang, H. Nakashima, Electrical characterization of High-k Gate
Dielectrics on Ge with HfGeN and GeO2 interlayers, Thin Solid Films, doi: 10.1016 / j.tsf.( 2009).
5.
V. Gupta, T. Kawaguchi, N. Miura, Synthesis and Electrochemical Behavior of Nanostructured Cauliflower-shape Co–
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6.
P. Singh, T. Onodera, Y. Mizuta, K. Matsumoto, N. Miura, K. Toko, Dendrimer Modified Biochip for Detection of 2,4,6
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7.
V. V. Plashnitsa, P. Elumalai, T. Kawaguchi, Y. Fujio, N. Miura, Highly Sensitive and Selective Zirconia-Based Propene
Sensor Using Nanostructured Gold Sensing Electrodes Fabricated from Colloidal Solutions, J. Phys. Chem. C, 113 (18),
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― 51 ―
中央分析センター業務記録
(自 平成20年12月1日 ~ 至 平成21年12月10日)
(1)中央分析センター運営委員会
平成21年3月19日(木)(書面回議)
平成21年4月29日(月)(書面回議)
平成21年5月12日(火)
平成21年5月13日(水)(書面回議)
平成21年6月15日(月)(書面回議)
平成21年8月20日(木)
平成21年10月19日(月)(書面回議)
平成21年11月30日(月)(書面回議)
(2)中央分析センター委員会
平成19年3月25日(書面回議)
平成21年6月16日(書面回議)
平成21年8月25日(書面回議)
平成21年10月23日(書面回議)
(3)センター報告及びセンターニュースの発行
中央分析センター報告第26号と、中央分析センターニュースVol..28、No.1~4を発行しました。
(4)分析基礎セミナーの開催
第21回 : H21. 4. 16 「走査電子顕微鏡を使いこなす」
第22回 : H21. 5. 14 「正確に測る」
第23回 : H21. 5. 28 「X線分析で何ができるか」
第24回 : H21. 6. 18 「分光分析で何ができるか」
第25回 : H21. 7. 16 「無機元素を測る(溶液編)」
第26回 : H21. 9. 17 「熱分析の基礎と応用」
第27回 : H21. 10. 14 「走査型プローブ顕微鏡で何ができるか」
第28回 : H21. 10. 28 「分離分析の基礎と応用」
第29回 : H21. 11. 11 「表面分析装置で何ができるか(part1)」
第30回 : H21. 11. 25 「表面分析装置で何ができるか(part2)」
(5)第13回国立大学法人機器・分析センター会議
この会議が平成21年10月30日(金)、神戸大学で開催されました。
― 52 ―
(6)第12回九州・山口地区機器・分析センター会議
この会議が平成21年11月27日(金)九州大学伊都キャンパスにて開催されました。
出席者 下崎 敏唯(九州工業大学) 境 健太郎(宮崎大学) 多和田 眞吉(琉球大学) 池田 進(佐賀大学) 佐藤 美保子(佐賀大学)
今戸 啓二(大分大学) 藤井 寛之(山口大学) 森福 洋二(山口大学)
真木 俊英(長崎大学) 津田 信明(長崎大学) 根建 心具(鹿児島大学)
大園 義久(鹿児島大学) 北條 純一(九州大学) 島ノ江 憲剛(九州大学)
中嶋 直敏(九州大学) 坂下 寛文(九州大学) 渡辺 美登里(九州大学)
三浦 好典(九州大学) 岩永 知奈(九州大学) 原野 浩(九州大学)
永島 英夫(九州大学) ① 永島副学長(九州大学)より、
「大学連携研究設備ネットワークによる設備相互利用と共同研究の推進」
について状況説明があり、機器分析センターの積極的参加・支援について要望があった。
② 各大学より、アンケート調査結果に基づき、化学ネットワークや企業からの利用状況、新規導入機器(概
算要求、学内措置、補正予算)等の近況報告があった。
③ 分析機器維持費の捻出方法(利用料金、受益者負担、学内特別予算、運営費、間接経費からの補助等)
に関して、報告と議論が行われた。
④ 繰越金会計や(利用料金の)大学間移算に関して、現状報告と問題点の議論がなされた。
⑤ 技術職員の定年に対する補充問題について議論がなされた。
⑥ 中古機器の移管・有効利用について、中古機器、廃棄処分される機器の情報収集を行い、情報の共有
化を図るためWeb公開を行うこと、情報は九州工大に集め、九州工大の機器分析センターホームページ
で公開することを再確認した。
⑦ 琉球大学より、平成22年度に(琉球大学で)開催される、全国の機器・分析センター会議への参加協
力要請があった。
⑧ 次期開催校
次回は宮崎大学で開催することになった。
(7)「先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)」報告について
潜在的ニーズの発掘のため、下表のようなさまざまな広報活動や講習会等を行った結果、本事業の内容・趣
旨が広く産業界に周知され、本学中央分析センターと産業界との交流が深まり、多くの課題申請に繋がりまし
た。地場企業は自ら分析装置を所有していないところが多く、先端研究分析装置の講習・利用により、技術者
の先端装置に対する知識や能力の向上、問題解決に向けてのアプローチ方法の多様化(分析センターでは12台
の種々の先端装置を提供しているため)への認識の拡大などに貢献することができました。
平成20年度は戦略分野利用拡大2件、新規利用拡大22件の合計24件の課題を実施しました。
行 事 名
開 催 日
概 要
福岡県庁訪問
2008. 5. 21
場所;福岡県庁
概要;広報・情報収集、パンフレット30部送付
福岡アイスト訪問
2008. 5. 21
場所;福岡アイスト
概要;広報・情報収集、訪問、パンフレット30部送付
― 53 ―
バイオアーキテクチャー
センターシンポジウム
2008. 5. 27
場所:医学部百年講堂
概要:広報・講演
佐賀県庁訪問
2008. 6. 19
場所;佐賀県庁
概要;広報・情報収集
企業訪問
2008. 6. 19
場所;一番食品株式会社
概要;広報・情報収集
福岡ナノテク推進会議
2008. 6. 25
場所;福岡県庁
概要;パンフレット150部送付
財)福岡県中小企業振興
センター情報誌
2008. 9. 8
場所;財)福岡県中小企業振興センター情報誌
概要;広報
1日中小企業企業庁in山口
2008. 11. 11
場所;海峡メッセ下関
概要;広報、パンフレット100部送付
アグリビジネス創出
フェア2008in九州
2008. 11. 12
場所;久留米リサーチセンタービル展示場
概要;広報・情報収集
パンフレット改訂
2009. 3. 19
場所;九州大学知的財産本部
概要;既存パンフの改訂
技術相談
2008. 4. 1~
2009. 3. 31 場所;九州大学知的財産本部
概要;14件の機器利用相談
組織連携企業訪問
2008. 4. 1~
2009. 3. 31 場所;組織連携企業
概要;広報・情報収集
中央分析センター
基礎セミナー
2008. 4. 1~
2009. 3. 31 場所;九州大学伊都キャンパス
概要; 計12回、広報(250社×12回)、分析装置の基礎的解説
X線光電子分光分析
装置実習講習会
2008. 4. 1~
2009. 3. 31 場所;九州大学筑紫キャンパス
概要;計9回、装置取扱いの原理からデータ収集、解析まで
オージェ電子分光分析
装置実習講習会
2008. 4. 1~
2009. 3. 31 場所;九州大学筑紫キャンパス
概要;計2回、装置取扱いの原理からデータ収集、解析まで
本事業における装置の稼働状況(H20年度)は下表の通りです。
施 設 名
本事業における利用実績
X線光電子分光分析装置
機関における総利用実績
712.5時間
1089.8時間
オージェ電子分光分析装置
14.5時間
24 時間
電子線マイクロアナライザー
10 5時間
548時間
6時間
1943.75 時間
130時間
105 0時間
0時間
1600時間
20.5時間
727時間
25時間
353時間
核磁気共鳴吸収装置
四重極フーリエ変換質量分析計
X線単結晶構造解析装置
粉末X線回折装置
エネルギー分散型蛍光X線分析装置
― 54 ―
X線分析顕微鏡
22時間
75 時間
0時間
414時間
走査型電子顕微鏡EDX
77.5時間
1466.5時間
走査型プローブ顕微鏡
0時間
306.5時間
誘導結合プラズマ質量分析装置
1時間
600.5時間
フーリエ変換赤外分光光度計
12.5時間
511.5時間
レーザーラマン分光光度計
120時間
227.5時間
2次イオン質量分析計
15時間
15 時間
アスベスト無害化反応実験
72時間
72 時間
総 計
1333.5 時間
11024 .05時間
高分解能走査型電子顕微鏡
(8)本事業は平成21年4月1日から「先端研究施設共用イノベーション創出事業(産業戦略利用)」から「先端
研究施設共用促進事業(産業戦略利用)」【講習機能を備えた大学先端分析施設・機器の産業利用仕組みの構
築】へと名称が変わりました。
平成21年度は12月10日現在で、戦略分野利用拡大3件、新規利用拡大14件の合計17件の課題を実施中です。
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九 州 大 学 中 央 分 析センター報 告
第27号
平成21年12月31日発 行
九州大学中央分析センター(筑紫地区)
〒816 - 8580
福岡県春日市春日公園6丁目1番 地
TEL
092−583−7555−内線93−7362
FAX 092−593−8421
九州大学中央分析センター伊都分室(伊都地区)
〒812 - 8581
福岡市西区元岡744番地
TEL
092−802−2857
FAX 092−802−2858
ホームページアドレス
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印刷所 福岡市中央区港2丁目11番8号
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