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森林浴の効果 - 森林医学研究会
購鞭雛難球鍵灘灘灘騨慰離難懸騰 拶樵噸r晶群照触;;ぞll留曇愚㌶編ll∵1掛 。ゴ豊晦饗毅lll l・ ヨ キ …醜 ’口ぐ』’:m’ ” 臣 刀u 森林浴の効果 Effect of Forest Bathing Trip on Human Health ei。g、Li李 卿 (日本医科大学衛生学公衆衛生学) E-mail : qing-li@nmsac.jp 響藍謬課㌦ mn需崔蝿騨瑠 壁望: 1 Ke膨lw毒言亀 s“魏朧灘膨 亀 A forest bathing trip is a short, leisurely trip visiting a forest, called “Shin- ●森林浴 ●NK活性 rinyoku” in Japanese, which is similar to natural aromatherapy. Since ePerforin 2004, a serial studies have been conducted to investigate the effect of eGranzyme forest bathing trips on human immune function in both males and females eGranulysin in Japan. A three-day/two-night trip to forest areas significantly increased natural ki闘er(NK)activity and the numbers of NK, perfo而, granulysin, and 。 granzyrnes A/B-expressing cells and significantly decreased T cells and the urinary adrenaline. The increased NK activity lasted for more than 30 days after the trip in both rnales and females. This suggests that if peeple take a forest bathing trip once a month, they may be able to maintain a hjgher level of NK actMty. ln contrast, a city tourist visit did net increase NK actMty, numbers of NK cells, or the level of intracellular granuly$in, perforin, and granzymes A/B. Phytoncides, such as alpha-pinene and beta-pinene were detected in forest air. These findings indicate that forest bathing trips jncreased NK activity, which was mediated by increases in the number of NK cells and the levels of intracellular perforin, granulysin, and granzymes A/B. ge,L一一一一一一一一一一一一一一・一一一一一一一一一一一”t 惑壕搬騰著者プ。フィ_)レi 鷲 1 李 卿 i … … , i i日本医科大学衛生学公衆衛生学講師/森i ほ じ じ し 1林医学研究会代表世話人/中国・漸江林; ア ロ ド 碍㌧∴。魂ま心めに 鱒曲 搬= 睾鞭 嚇轡 置無隠 れ以来,徐々に国内で普及してきた。 森林に身を置くと,なんとなく心が 森林浴は,血糖値,血圧およびストレ 落ち着き,居心地のよさを感じるとい スホルモンを低下させ,自律神経のバ う人は多いだろう。しかし,「森林浴 ランスを整え,リラックス効果をもた をするとストレスホルモンが減少し, らすことが報告されている。しかし, 免疫力が上がり,癌をはじめとするさ 森林浴が生体の免疫機能に対する影響 まざまな病気の予防につながる」と聞 については明らかにされていない。森 けば,驚かれる人が多いのではないだ 林浴の免疫系に対する効果を明らかに ろうか。 することは,予防医学・社会医学上極 m /M rp Iu OP/nt:za廓ve i n ロ ロ し コ i学院客員教授 i 「森林浴」は1982年に提唱され,そ コ ほ し ロ i 1984年中国・山西医科大学卒業,医i ロ コ ロ コ 1学博士。日本医科大学助手を経て!1 コ ロ コ コ i1999年同大学講師。2001年スタンi ロ ロ コ ロ 1フォード大学医学部留学。 1 6 8 ロ ロ コ ロ ;研究分野=森林医学,環境免疫学,環境; コ ロ コ ロ i医学 i 巳 1 6 1 Lq一 一一一_■■■_■一1 050(362) アンチ・エイジング医学一日本論加齢医学会雑誌 Vol.5 No.3 Presented by Medical*Online 講鰍 馨渉 ’詮 蕪 〆 攣∵窯∵} 霧彊窮塁 鰻懸騨2 恥緯 灘穿 む や び 織購繍!、、 ま 蕪鱗㌶. {. 搾」. 騨藤 めて重要であると考えられる。 NK活性を抑制することを明らかにし, NK活性, NK細胞内の抗癌たんぱく ヒトの免疫反応は,体液性免疫と細 ストレスがストレスホルモンの分泌を 質,尿中アドレナリン濃度などである。 胞性免疫に分類される。体液性免疫は, 介してNK:活性を抑制することを立証 対象者は長野県飯山市(2005年9月, 主にBリンパ球から分泌される抗体に したD。 男性)2),上松町(2006年9月,男性)3) よって惹起される反応であるが,細胞 以上の背景を踏まえて,筆者らは森 および信濃町(2007年9月,女性)4) 性免疫は,T細胞やNK(natural killer) 林浴がストレスの低減によって,スト の森林環境中に2泊3日間滞在し,そ 細胞によって惹起される反応である。 レスによるNK活性の抑制を解除し, れぞれ3ヵ所の森林遊歩道を散策し また,リンパ球などから産生されるサ NK活性を上昇(回復)させる効果が た。1日目の朝,東京を出発し,午前 イトカイン(インターロイキン2,イ あるのではないかという仮説を立て, 中現地に到着し,午後から最初の ンターフェロンなど),マクロファー 森林浴による生体免疫機能への影響に 2.5kmの森林遊歩道(写真1)を2時 ジ,穎粒球および補体も免疫反応に参 関する研究を実施してきた。 間かけて散策した。散策については, 各対象者の日頃の運動量を考慮した上 加する。 繊細灘ゆいて で,散策コースと距離を設定し,散策 然に殺す細胞であり,腫瘍細胞の発生・ 森林浴実験:の対象者は,東京都内大 宿泊地は森林遊歩道の近くのホテルと 増殖・転移を抑制する免疫学的監視機 手企業に勤める35~56歳の健常な男 した。2日目の朝8時に採血し,血液 能,感染症の防止,免疫機能の制御に 性社員12名,および東京都内大学病 を日本医科大学に持ち帰り各種検査を おいて重要な役割を果たす。一方で, 院に勤務する25~43歳の健常な女性 行った。対象者は引き続き午前2時間, ストレスがNK活性を抑制することは 看護師13名である。研究に先立ち, 午後2時間ずつ,それぞれ2.5kmの森 多数の研究によって証明された。筆者 日本医科大学の倫理委員会の審査を受 林遊歩道を散策した。3日目の朝8時 も,マウスを用いた実験では,身体的 けて承認された。また,すべての被験 に採血し,血液を日本医科大学に持ち および精神的ストレスが血清中ストレ 者から文書でインフォームド・コンセ 帰り同様の検査を行った。また,対照 スホルモン濃度を上昇させ,マウスの ントの手続きを取った。測定項目は として森林浴前のデータを出発の3日 NK細胞,すなわちナチュラル・キ ラーはその名称のとおり,癌細胞を自 写真1.森林中での散策(ヒノキ) 途中に数回休憩を取った(写真2)。 写真2.森林中での休憩 アンチ・エイジング医学一日本抗加齢医学会雑誌 Vol.5 No.3 051 (363) Presented by Medical*Online も検討した。一般旅行として,東京・ 長野間とほぼ同じ距離にある緑の少な いN市の都市部に2泊3日滞在し,宿 耀愈 一般旅行によるNK細胞機能への影響 森林浴前 森林浴1日 2日 @oo oo oo oo また,森林浴実験の対照実験:として, ∩U ハU 2 4一 データを採取した。 (」ミ)癒認羅とZ 30 B ω8 6 4 2 1週間と1ヵ月にそれぞれ採血して (訳)摯煎〉乏 40 饗艦唾 A 浴の持続効果を調べるために森林浴後 懸驚 繋響 羅騨 前に東京の職場などで採取した。森林 ** oo 森林浴前 森林浴1日 2日 図1.森林浴はヒトNK活性およびNK細胞数を増加させる *:p<0.05,**:p〈0.01(森林浴前との比較),#:p<0.05(森林浴1日後との比較) (文献2より引用改変) 泊地も都市部のホテルとした。対象者 は全員が森林浴実験のメンバーであ り,散策時間,散策距離,ホテルでの と考えられる。また,NK活性の日内 ズムを検討するために,NK細胞内の 生活様態および測定項目はすべて森林 変動の影響を排除するために,今回の 抗癌たんぱく質Perforin, Granulysin, 浴実験と同様であった。 実験では,採血時間はすべての調査日 Granzyme A/Bのレベルを測定した。 において朝8時とした。飲酒による 図22)は,森林浴がヒトNK細胞内 臨i聾}森林浴の効果 NK細胞機能への影響を排除するため の抗癌たんぱく質のレベルを増加させ 羅騨糊講讐亘 に,対照日も含めてすべての実験期間 ることを示した。NK細胞内の抗癌た 中に被験:者全員に禁酒してもらった。 んぱく質において,森林浴後はいずれ NK細胞数への効果 したがって,今回の森林浴後のNK活 も森林浴前より有意に高レベルを示 図12)は,森林浴によるNK活性 性およびNK細胞数の上昇は森林浴に し,森林浴がNK細胞内の抗癌たんぱ (A)およびNK細胞数(B)への効果 よるものと考えられる。 く質を増加させたことが明らかと 1.森林浴によるヒトNK活性および なった2)。一方で,一般旅行による を示しており,森林浴後1日目と2日 影響は認められなかった3)。 目はいずれも森林浴前より有意に高い 2.森林浴によるNK活性上昇のメカ レベルを示し,さらに森林浴後2日目 ニスム は1日目よりも有意に高いレベルを示 NK細胞は,主に3種類の抗癌たん し,森林浴はNK活性およびNK細胞 ぱく質Perforin, Granzyme, Granulysin 図33}は,男性被験:者における森 数を上昇させたことが明らかとなっ (抗癌3兄弟)を放出して癌細胞を傷 林浴によるNK活性上昇の持続効果を た2)。また,森林浴がヒトのNKT細 害する。NK細胞の機能が高まれば, 示した。森林浴後1週間経過しても被 胞数を上昇させたことも明らかとなっ 生体の抗癌能力も高まると考えられ 験者のNK活性(図3), NK細胞数, た5〕。一方で,一般旅行による影響は る。NK細胞の抗癌機能は通常, NK 細胞内の抗癌たんぱく質が森林浴前よ 認められなかった3>。 細胞活性およびNK細胞数を測定する りも有意に高いレベルを示した。さら 一般的に,運動がヒトのNK活性お ことによって評価される。最近,筆者 に,森林浴後1ヵ月経過しても被験者 よびNK細胞数に影響を与えると報告 はスタンフォード大学で修得した方法 のNK活性(図3), NK細胞数,細胞 されているが5)6>,今回の実験では, を改良し,抗癌たんぱく質の測定を 内のGranulysinおよびGranzyme Bが 各被験者の森林浴時および旅行日の運 NK細胞の抗癌機能の評価に導入し 森林浴前よりも有意に高いレベルを示 動量を平日の運動量に合わせて設定し た5)一7)。 し,森林浴の持続効果が認められた3)。 たため,運動による影響が排除される 森林浴によるNK活性上昇の講演ニ これは,月に1回忌林浴すれば,生体 05:2 (364) アンチ・エイジング医学一日本抗加齢医学会雑誌 VoL5 No.3 Presented by Medical*Online 3.森林浴の持続効果 蓼騨難聯軟耀轡鰐霧置嘩鞭騨謬二二欄竃鎌講護縛 ・ .・ 売’ /u: 國=森林浴前 国:1日 ■:2日 1,800 1,500 25 含 ミき1200 ぎ20 謹 900 興15 墾… 300 GranuIysin Perforin Granzyme A Granzyme B 図2.森林浴はヒトリンパ球内の抗癌たんぱく質を増加させる 図3.森林浴はヒトNK活性を上昇させ,持続効果が認められる **:p<0.01(森林浴前との比較),#:p<O.05(森林浴1日後との比較) *:p<O.05,**:p<0。01(森林浴前との比較) (文献2より引用改変) (文献3より引用改変) - 森林浴(女性) 6 6 5 5 4 4 3 3 2 2 1 1 一 一 ■ 一 一h @窯 送 唾目 喚 w 糊 馨 一 一 ぺ講 帰 一 撫1 斗 無 一 一 一 (AU爪ドムへuo\凶適)A⊃玉ムZh卜 09876543210 1 相漉w ** T 1囲1臨 @轟 *:p<0,05,**:p<0.01(森林浴前との o o 森林浴前森林浴1日 2日 図4.森林浴と一般旅行による尿 中アドレナリンへの影響 森林浴前森林浴1日 2日 旅行前 旅行1日 2日 比較) (文献3,4より引用改変) は常に高い免疫機能を維持できること のリンパ球が増え,穎粒球が減少する 示した。男女に関係なく,森林浴は有 を意味する。また,女性被験者におい ことが報告されている。本研究では, 意に尿中アドレナリンの濃度を減少さ ても同様な効果が確認された4)。 森林浴が有意に末梢血のリンパ球の割 せたが,一般旅行による尿中アドレナ 合を増加させ,穎粒球の割合を減少さ リンの濃度の減少は認められなかっ 4.森林浴によるリラックス効果 せ,間接的に森林浴によるリラックス た。これは森林浴がヒトをリラックス 筆者らの研究では,さまざまな角度 効果を実証した2)。 させ,ストレスを減少させた最も重要 から森林浴のリラックス効果を実証し (2)森林浴によるストレスホルモン な証拠である3)4)。また,森林浴後 た。 への影響 に「疲労」などの自覚症状の有訴率も (1)森林浴による白血球への影響 図43)4》は,森林浴および一般旅 大きく減少し,特に精神的疲労症状は ヒトはリラックス状態では,末梢血 行による尿中アドレナリンへの影響を 約4倍以上低下したことから,森林浴 アンチ・エイジング医学一日本四加齢医学会雑誌 Vol.5 No.3 053 (365) Presented by Medical*Online 灘二品難二藍灘品品灘顯欝晶晶灘縣灘羅難欝難灘鍵雛麟灘難 騰纒難難騨難灘油滴難簿螺響馨;灘騰懲難 は精神的疲労にはより効果的であるこ とが明らかとなった。 ee (3)森林浴による感情・気分への影響 ■躍国一→・.NK.↑ POMS(Profile of Mood States)の /Y’x gg}[aa」z!iiEE が有意に上昇し,「緊張・不安」「早 / 結果より,森林浴後,「活気」の得点 一pm-pm一 うつ」「敵意・怒り」「混乱」「疲労」 の得点が有意に低下し,森林浴は「う (癌細胞) つ状態」の改善に有効であることが示 唆された2)4)。 さらに筆者らは,in vitro法を用い アポトーシス(細胞死) て森林由来のフィトンチッド(ヒノキ NK細胞上昇 材・葉油,α一pineneなど)が直接にヒ ↑=増加 図5.森林浴によるNK活 性上昇の順序 (文献3,4より引用改変) トNK細胞内抗癌たんぱく質の増加を もたらし,NK活性を上昇させること を明らかにした7)。この結果は,森林 浴がヒトNK細胞によい影響を与える 上昇が癌による死亡の減少に寄与する 明し,森林は癌による死亡の減少に寄 ことを支持するものである。 可能性があると考え,各都道府県の森 与していることが示唆されている8)。 以上の結果より,森林浴がストレス 林率と癌の標準化死亡比(standardized の解消によって,ストレスによるNK mortality ratios:SMR)との関連性 活性の抑制を解除し,結果的にNK活 について検討した。 性を上昇(回復)させた。また,森林 森林率(%)は,森林の面積が土地 森林浴は男女に関係なく,ヒトNK からのフィトンチッドも2つの機序で 面積に占める割合である。各都道府県 細胞数および細胞内の抗癌たんぱく質 NK細胞を活性化させた。その1は, の森林率のデータは林野庁のデータ の増加をもたらし,NK活性を上昇さ フィトンチッドが呼吸を通して吸入さ ベースより入手した。各都道府県の癌 せることが明らかとなった(図5)3)4)。 れ,血液に入り,直接にNK細胞に作 のSMRならびに喫煙率は厚生労働省 森林から放出されたフィトンチッドお 用した。その2は,フィトンチッドが および愛知県がんセンターのデータ よび森林浴によるリラックス効果が, 嗅覚神経を通して脳の沈静化をもたら ベースより入手した。これらのデータ この活性化に寄与したと考えられ し,自律神経のバランスを制御するこ を用いて,喫煙および地域差による影 る9)1。)。森林浴はNK活性を上昇させ, とによってストレスホルモンの分泌を 響を考慮した上で各種癌のSMRと各 癌の予防効果に寄与することが期待さ 抑え,NK細胞の活性化に寄与した。 都道府県の森林率との関連性を検討し れる。 灘i灘il撫φ た。その結果,各都道府県の肺癌,乳癌, ミ まがゆへば ノぬちヌ ミ へ い り ヘド へ り へ 門門難亡上, 子宮癌,前立腺癌,腎臓癌,大腸癌の 白白1聾i難鋤課題 SMRと各都道府県の森林率との間に li慧難灘灘灘蕪霧膿::,謡欝 1.病気の予防法・治療法としての 鑑翻臨無職蜘翻翻融轡脚顎購融蜘 /mb/“ 一 有意な逆相関を示し,森林率の高い地 森林浴がヒトNK活性を上昇させる 域に住む住民の癌のSMRが森林率の 確立 背景を踏まえ,筆者は,森林占有率の 低い地域に住む住民より低いことが判 たとえば,免疫機能低下の患者さん 054 (36の アンチ・エイジング医学一日本抗加齢医学会雑誌 Vol.5 No.3 Presented by Medical*Online 籔灘懸灘騨獺灘懸灘懇鑛灘二 等1:蹴侶弓ぞ喪ぜボ・写警♂1野㌦躍購野㍗轡:劉晩避劉下垂門門 畠講麟盛 野噸駐 ・㌔輩.・ (癌患者さんなど)に森林浴をしても される。 al : A forest bathing trip increases human natural killer activity and らって,そのNK細胞活性の回復を検 expression of anti-cancer proteins in 討し,病気の予防法・治療法として確 5.森林浴の将来像 立する。森林のもつ健康保持・増進効 夏と秋では森林浴・温泉を楽しみ, 正{omeost Agents 22:45-55,2008 果を癌の予防に活用できれば,国民の 冬と春ではスキーによってスキー場の 5) Morimoto K, Ll Q:Chapter 2:Life- 医療・保健・福祉レベルを向上でき, 森林浴・温泉を楽しむことによって, style and natural killer activity. ln 国民医療費の削減にも貢献できる。 年中森林浴を楽しむことを目指す。 female subjects. J Biol Regul Natural Killer T-Cells, ed by Fournier NV. NewYork, Nova Science Publish- ers, 51-80, 2008 2.森林浴効果と森林の種類との関係 今回は長野県飯山市,上松町および 信濃町の森林遊歩道で森林浴効果を確 認できたが,都市部の森林遊歩道にお ■謝 辞 6) Li Q, Morimoto K, Nakadai, A, et al: 本研究の共同研究者は,日本医科大学の 川田智之主任教授,千葉大学の宮崎良文教 授,森林総合研究所の香川隆英室長および 大阪大学の森本兼嚢教授である。 いても同様な効果があるかどうかを検 討する必要がある。 Healthy lifestyles are associated with higher levels of perforin, granulysin and granzymes A/B 一expressing cells in peripheral blood lymphocytes. Prev Med 44 : 117-123, 2007 7) Li Q, Nakadai A, Matsushima H, et ●文 献 al : Phytoncides (wood essential oils) 1) Li Q, Liang Z, Nakadai A, et al: induce human natural killer cell activ- 3.温泉との相乗効果 Effect of electric foot shock and これまで森林浴効果を解明するため psychological stress on NK, LAK and に森林浴時に温泉を利用しなかった。 col 28 : 319-333, 2006 CTL activities, NK receptors and mRNA transcripts of granzymes and しかし,実際に森林浴の後に温泉に入 ity. lmmunopharmacol lmmunotoxi- perforin. Stress 8 : 107-116, 2005 るのはより自然なスタイルであり,今 2) Li Q, Morimoto K, Nakadai A, et al: 後,森林浴と温泉との相乗効果を検討 Forest bathing enhances human natu- 8) Li Q, Kobayashi M, Kawada T:Rela- tionships between percentage of forest coverage and standardized mortality ratios (SMR) of cancers in する必要がある。 all prefectures in Japan. The Open ral killer activity and expression of Public Health Journal 1 : 1-7, 2008 anti-cancer proteins. lnt J lmmunop- 9) Li Q:Effect of forest bathing trips on athol Pharmacol 20:3-8, 2007 4.スキーとの相乗効果 3) Li Q, Morimoto K, Kobayashi M, et Health Prev Med 2009 (in press) スキー場の多くは,森林の中に建設 al : Visiting a forest, but not a city, されていることから,冬にはスキーを increases human natural killer activ- 楽しみながらの森林浴の効果も期待さ れる。さらに,温泉の利用によってス キー・森林浴・温泉の相乗効果も期待 human immune function. Environ ity and expression of anti-cancer 10)李 卿:免疫機能と森林セラピー. 大井 玄,宮崎良文,平野秀樹編,森林 医学ll.東京,朝倉書店,98-120,2009 proteins. lnt J lmmunopathol Pharma- col 21 : 117-127, 2008 4) Li Q, Morimoto K, Kobayashi M, et アンチ・エイジング医学一日本抗加齢医学会雑誌 VoL5 No.3 055 (367) Presented by Medical*Online