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IBM が新任ラインマネジャー研修を強化

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IBM が新任ラインマネジャー研修を強化
IBM が新任ラ イ ン マ ネジ ャ ー研修を 強化
ビ ジ ネス パーソ ン
特性を 測る 「 ハーマ ン モ デル」 を 積
極活用
( 日経情報ス ト ラ テ ジ ー)
2006 年 8 月 31 日 記者: 杉山 泰一
世界最大のIT( 情報技術) ソリューショ ン
ベンダーである米IBMは、 新任のラインマネ
ジャー向けの研修を強化した。 研修で教えた
内容を、 ラインマネジャーが日々の仕事や戦
略立案に従来以上に活用できるよう に工夫し
たのだ。 特に、 自身や部下などの思考パター
ンやコミ ュニケーショ ン・ スタイルなどの特
性を 4 通りに分類する手法「 ハーマンモデル」
の使い方をより深く 体得できるよう にした。
IBM が日本での新任ラ イ ン マネジ ャ ー研修
を 行う 千葉県千葉市の幕張事業所
ハーマンモデルは、 大脳生理学理論などを
元に開発した手法で「 脳優勢度調査」 とも呼
ばれる。 米ゼネラル・ エレクト リッ ク( GE) で能力開発部門の責任者だったネッ ド ・ ハーマン氏
が1977 年に基本モデルを開発。その後改良を重ねて、90 年代から現在までに米インテル、米P&G、
米コカコーラ、 資生堂、 キヤノ ンなどが採用。 IBMは99 年から、 ラインマネジャー研修に取り入
れている。
人材を 4 つのタ イ プ に分類
ハーマン モ デルでは、 ま ず 120 問から 成る ア ン ケート 調査を 実施。 その回答結
果から 人材を「 問題解決能力が高い( 論理的、 分析的、 事実重視、 数量的) 」 「 管
理能力が高い( 系統だっ た、 順序だっ た、 計画的、 詳細な) 」 「 チームワーク 力
が高い( 対人的、 感じ に基づく 、 運動感覚性の、 感情的) 」 「 創造力が高い( 全
体的、 直観的、 統合的、 合成的) 」 の 4 タ イ プ に分類する 。
IBM では研修にハーマン モ デルを 盛り 込んで以来、 2005 年ま での 6 年間、 日本
だけで計 1800 人程度が講義を 受けた。 グロ ーバルに見れば、 計 30 万人以上いる
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IBM グループ 社員のう ち 少なく と も 1 万人は受講経験がある 。 し かし 、 単にハー
マン モ デルの講義を し ても 、 なかなか現場で活用でき ないラ イ ン マネジ ャ ーも い
る のが実情だ。
そこ で昨年から 、 ハーマン モ デルの活用事例を ま と めた冊子を 配布し 始めた。 さ
ら に、 手法を 身体に覚え込ま せる やり 方を 導入。 具体的には、 事前にハーマン モ
デル調査を 受けた 20 人強の研修者を 、 新規ビ ジ ネスを 立ち 上げる 戦略を 作る ため
に 4 チームに分ける 。
優れた戦略を 作る べく 競わせる のだが、 途中で人材の交換を 自由にさ せる 。 する
と 、 最後にはど のチームにも 4 タ イ プ の人材が入る よ う になる と いう 。 ま た、 こ
の演習と は別に、 同タ イ プ の研修者を グループ 化し た後、 各人に自分と は異なる
タ イ プ のグループ のと こ ろ に行っ ても ら い、 思考パタ ーン の違いを 体感さ せる 。
人材タ イ プ を 把握し チ ーム力強化に役立て る
IBM がハーマン モ デルの活用を 重視する 理由は、 肩書き に関係なく 全社員にリ
ーダーシ ッ プ を 求める 点、 多様性のある 人材を 集めてチームを 作る こ と を 重視す
る 点、 お客様と の円滑なコ ミ ュ ニケーシ ョ ン を 大切にする 点が挙げら れる 。
日本 IBM 研修サービ スの渡邉桂子プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナル研修リ ーダシ ッ プ プ ロ グ
ラ ム担当次長は、 「 IBM でリ ーダーシ ッ プ と いえば、 人を 通じ て高い業績を 達成
する こ と を 指す。 元 CEO( 最高経営責任者) のルイ ス・ ガースナーは、 『 昨日ま
でやり たく ない、 でき ないと 思っ ていたこ と を 、 人にさ せる 力がリ ーダーシ ッ プ 』
と よ く 言う 。 そし て、 リ ーダーシ ッ プ は訓練で磨ける も のだ」 と 説明する 。
ハーマン モ デルを 使っ て自身や部下のビ ジ ネスパーソ ン と し ての特性を 分析す
れば、 ラ イ ン マネジ ャ ーは自分のチームの強みや弱みを 把握し たり 、 部下の指導
や育成が容易になる 。 ま た、 ハーマン モ デルの利用に慣れてく れば、 「 お客様と
少し 話を すればど のタ イ プ に当てはま る 人なのかが分かり 、 ど んな説明の仕方を
すれば円滑で有効なコ ミ ュ ニケーシ ョ ン を と れる かが分かる 」 と 渡邉次長は言う 。
日本では、 ハーマン ・ イ ン タ ーナシ ョ ナル・ ジ ャ パン ( 東京都千代田区) がハ
ーマン モ デルの利用方法を 教える 研修サービ スを IBM 以外の企業に提供し ている 。 同社の半澤道夫社長は、 「 ハーマン モ デルは、 その人がど んな職種やマネジ メ ン
ト レ ベルに適し ている かを 判断する のにも 有効だ」 と 強調。
さ ら に、 「 チームが最も 力を 発揮し やすい人数は 7 人。 8 名だと 2 つに分裂する
傾向あり 。 7 人のう ち 4 人ま たは5 人がA , B , C , D のいずれかの象限で強
い優先のプ ロ フ ィ ールを 持ち 且つお互いに補完関係にあり 、 1 人又は2 人が各象
限ほぼ同じ スコ ア のバラ ン ス型で構成さ れている チームの生産性が最も 高い。 前
者がチームでの検討へのそれぞれの象限特有の明確な代案を 提示し 、 後者がコ ミ
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ュ ニケーシ ョ ン ブ リ ッ ジ と し て機能する 。 こ のチームの多様性が創造性や思考の
幅と 深さ を も たら す。
日本アイビーエム株式会社
リーダーシップ・プログラム担当次長
渡邉桂子 Keiko Watanabe
インタビュアー: 株式会社日本エル・ シー・ エー 知識開発室 田畑耕一/高田晋治
これまで日本企業のほと んどが、 こぞって効率性や画一性を追求してきた名残り で、 未だ「 横並び意識」 から脱却でき
ないビジネスマンが少なく ないよう に思われます。
そう したビジネスマンに対し、 多様性や個性について、 心から実感していただく 非常に有効なツールと して、 脳優勢度
調査「 ハーマン・ モデル」 をこれまで何度か弊誌で取り 上げ( 弊誌 10 月号「 脳の特性に基づく 創造的チーム・ ビルディ ン
グ」 参照)、 また、 拙著「 イノ ベーショ ン・ マネジメ ント 」 でも紹介させていただきました。
最近では、 一般的に、 脳に対する関心も高まり 、「 ハーマン・ モデル」 も徐々にビジネス界に浸透しつつあり ます。 その
中でも、 特に効果的に「 ハーマン・ モデル」 を活用している企業の一つが日本IBM。
150 カ国以上で展開する全グループ企業で、 新任マネジャー研修「 Basic Blue( ベーシック・ ブルー)」 のカリ キュラムと
して「 ハーマン・ モデル」 を採用しており 、 2005 年には、 管理職にノ ミ ネート されている主任クラスの「 プレ・ マネジメ
ント 」 研修にも導入していく 計画だと いいます。
そこで今回は、 日本 IBM のよう な先進的な企業が、「 ハーマン・ モデル」 などのツールを駆使し、 どこまで深く 人間
について思考を巡らせているのかを、 読者の皆様に知っていただきたく 、 同社でリ ーダーシップ研修のファシリ テーター
をされている渡邉桂子さんにお話を伺いました。
弊誌10 月号「 脳の特性に基づく 創造的チーム・ ビルディ ング」 で予備知識をお持ちの上、お目通しいただければ幸いです。
――「 ハーマン・ モデル」 の開発者ネッド ・ ハーマンが書いた著書「 ハーマン・ モデル」 の中で、 貴社に関する記述がい
く つか出てく るんですが、 実際には、 いつ頃から研修プログラムと して採用されているんですか。
渡邉 個々の細かい取り 組みに関してはわかり かねますが、 全グループ会社共通の、 新任マネジャー研修「 Basic Blue」 に
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取り 入れたのは1998 年ですね。
「 Basic Blue」 は、 数多く あるリ ーダーシップ研修の中の一つのコースで、「 ハーマン・ モデル」 のカリ キュラムは、 5 日
間ある研修の初日の、 半日を使って実施しており ます。
――以前、 お話をお伺いした GE さんは、「 全員がリ ーダーシップを持たねばならない」 と いう 考え方の会社でしたが、 貴
社のリ ーダーシップ研修は全社員を対象に、 指導力・ 統率力を養う と いったものではない。
渡邉 そう ですね。 当社では、 職位を 10 等級のバン ド に分けており ま し て、 バン ド 8 以上の管理
職がリ ーダーシッ プ研修の対象と なり ま す。 一般の企業で言う と 、 課長さ んぐ ら いから ですかね。
と 言いま すのは、 私ど も の社内は、 他社さ ん のよ う に、 課長を 経験し た ら 部長、 次は事業部長
と いう 昇進で はな く 、 全て バン ド ( 職位) で 昇進が管理さ れて おり ま す。 課長や部長と いう のは
職能格と いう 別の基準で、 こ れは業績だけ で はな く 社歴に連動し ま す。 ですので 、 私が次長と い
っ て も 、 私の下にいく つか課があ る かと いう と 、 そ う ではな く て 、 職はバン ド 9 ですが、 職能格
が次長と いう こ と です。
――なる ほど 。 バン ド 8 にな っ た ばかり のマネジ ャ ーが「 Basic Blue」 を 受講する と いう こ と です
ね。
話を 戻し ま すと 、 Basic Blue に「 ハーマン ・ モデル」 を 採用し たのが 1998 年と いう こ と でし た
が、 やはり 、 90 年代半ばに、 元 CEO のルイ ス ・ ガース ナー氏によ っ て行われた一連の改革の中で
「 ハーマ ン ・ モデル」 が評価さ れ、 導入に結びついた と いう こ と で し ょ う か 。 と いう のは、 そ れ
ま で 貴社は「 官僚的な 組織の象徴」 と し て 語ら れる こ と が多く て 、 ハーマン ・ モ デルの特徴で あ
る 「 個性・ 多様性の尊重」 と いう 観点で行く と 、 合わなかっ たよ う に思え ま すから 。
渡邉 採用し た 経緯はよ く わか り ま せん が、 一つ言え る こ と は、 当社はガース ナー氏の就任か ら
始ま っ た 大規模な ト ラ ン ス フ ォ ーメ ーシ ョ ン の前から 、 ダ イ バーシ テ ィ ( 多様性) を 重要視する
企業だっ た と いう こ と です。 私は 86 年の入社で すが、「 ク リ エイ テ ィ ブな こ と を やる には、 多様
性が必要だ」 と いう 考え は、 私の中にはずっ と あ り ま し た。
長く 、 100 カ 国以上の国々でビ ジ ネス を 展開し てき たわけですから 、 ダ イ バーシ ティ を 尊重する
風土が根付いている のは不思議なこ と ではないと 思いま す。
――ハーマン ・ モ デルを 活用する ねら いはど う いう と こ ろ にあ る ん ですか。 やはり ダ イ バーシ テ
ィ の理解と いう と こ ろ でし ょ う か。
渡邉 そ う で すね。 ラ イ ン マネ ジ ャ ーに初めて 昇進し て く る 人と いう のは、 当然、 そ の下の層の
ト ッ プタ レ ン ト が上がっ て く る わけ ですが、 ス タ ン ド プレ ーで は優秀で も 、 部下を 上手く 使っ て
優秀なチーム プレ ーができ る かと いう と 、 必ずし も そう いう わけにはいき ま せん。
そこ で、 ま ず、 基本的な診断であ る HBDI( Herrmann Brain Dominance Instrument) を 受けても ら
っ て 、 自分自身の思考の特性を 理解し て も ら う 。 こ れが結構、 的を 射た 結果が出る ので、「 あ あ 、
そう だそう だ」 と 盛り 上がる んですよ ね。 ご 存知でし ょ う けど 。
そ し て 、 一緒に受講し て いる マネ ジ ャ ーと 比べて 、 違い
を 認識し 、 自分を 理解し た 上で、 で
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は何を し なければなら ないか、 と いう こ と を 考え ても ら う よ う にし てる んですね。
「 自分が足り な い部分を ど う やっ て 補う んで し ょ う か 」 と か「 他のタ イ プ の人に対し て 、 ど う
いう 風に接する べき か」 と か、 考え てみてく ださ いと 。
――自分がマ ネ ジ メ ン ト する チーム を ホ ールブレ イ ン ( 全て のタ イ プが揃っ た 全脳型) にする た
めに、 欠け て いる 部分を ど う やっ て 自分が担っ て いく のか と か 、 ど う いう 役回り を 果た し て いく
かと かを 考え ても ら う と いう こ と ですよ ね。
渡邉 そ れと 、 重要な のが、 自分のモデルを わか っ た 上で 、 じ ゃ あ 、 自分はど う な り た いのか 、
と いう こ と を 考え て も ら う こ と です。 そ し て 、「 な り た い自分に近づく た め、 何を し な け ればな ら
ないか」 と いう ア ク ショ ン プラ ン を 立てても ら いま す。
――それはラ イ フ プラ ン のよ う な長いス パン のも のではない。
渡邉 そ う で す。 研修が終わっ て 、 じ ゃ あ 、 来週、 職場に戻っ て か ら 、 ど ん な こ と を し ま すか 、
と いっ たよ う なこ と ですね。
――私も フ ァ シリ テータ ーになっ た際、 HBDI を 知っ てよ かっ たなと いう 実感があ り ま し た。
一緒に仕事を し て いて 、 な かな か理解でき な い人物がいた んですが、「 ハーマン ・ モデル」 によ
っ て 、 な ぜ理解で き な いのかがわか っ た 。 そ し て 、 お互いにど のよ う に補い合え ばいいのかも わ
かり ま し た。
し かし 、 研修を やる 側にし てみる と 、 効果の測定が非常に難し いと 思う んですが。
渡邉 確かに、 研修後、 ど う いう 風に現場で 活用し て いる か、 っ て いう のは、 ち ょ っ と 測定で き
ないですね。
で も 、 当社の場合、 も っ と 基礎研究的な 活動の成果か ら 、 マネ ジ ャ ーの性格や能力がど のよ う
に会社の業績に影響を 与え る か について 、 一定の見解を 導き 出し て おり ま すので 、 そ こ は、 あ え
て測る 必要はないんです。
こ れは、 IBM のマネ ジ メ ン ト モ デルと いう んですけ ど 、 も う 少し 詳し く 申し 上げま すと 、 会社
の業績に 30%ぐ ら いの影響を 与え る のが、 組織風土であ り 、 こ の組織風土に影響を 与え る のが、
マネジャ ーのマネジメ ン ト ス タ イ ルです、 と 。
そし てマネジメ ン ト ス タ イ ルと は、 マネジャ ーの役割であ っ て、 リ ード し 、 管理し 、 実行する 。
こ の「 リ ード 、 マネ ージ 、 ド ゥ 」 と いう 3 つの行動に、 大き く 影響する のが、 マネ ジ ャ ーのキ ャ
ラ ク タ ーや思考特性、 能力であ る と いう 考え 方です。
だから 、 先ほど のお話にも あ り ま し た が、 マ ネ ジ ャ ー自身が自分を よ く 知り 、 部下と 良好な 関
係を 築き 、 お互いを 補い合わな いと 、 業績も 上がら な いと いう こ と が、 社内で共通認識と し て 出
来上がっ ている わけです。
結局、 最終的な 数字で成果を 測る わけ ですから 、「 ハーマン ・ モデル」 の活用如何を 評価する 必
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要はない。 こ れは昨今騒がれている コ ン ピ テン シーも 同じ ですよ ね。
――場を 提供し た り 、 支援はする け れど 、 成果を 上げる た めのプロ セス は個性に任せて 、 評価処
遇には結び付けない。
渡邉 そ う で すね。 当社は、 よ く 成果主義にス ポ ッ ト を 当て て 取り 上げら れま すが、 むし ろ 社内
で強調し て いる のは、 長期的な 人材育成な ん です。 リ ーダ ーシ ッ プ は皆、 人材育成の結果と し て
成果がついてく る と 考え ていま す。
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――HBDI の結果を 、 採用な ど の場面で活用する 企業も あ り ま すが、 貴社ではそ う いう 予定はな い
んですか。
人材に結果を フ ィ ード バッ ク し て あ げて 、 適し た 仕事を 見つけ て あ げる な んて こ と も で き る と
思う んですけど 。
配置やチーミ ン グ でも 、 例え ば「 B のよ う にキ チッ と 実行し て管理し てく れる 人が必要なので、
そ れにマ ッ チする 人がほし い」 と いう よ う な と き に、 プロ フ ィ ールがデータ ベース で 管理さ れて
いて 、 すぐ にリ ス ト ア ッ プ さ れる と いう よ う な 、 そ う いう 活用の仕方は、 ま ださ れて いな いわけ
ですね。
渡邉 そ れはな いですね。 た だ、 チーミ ン グ の際の活用の仕方は、「 Basic Blue」 の講座に盛り 込
んでおり ま すので、 あ る 程度、 考慮さ れている のではないでし ょ う か。
私がチーム 構成を 考え る 場合も 、 私のチーム は全員がフ ァ シ リ テ ータ ーですから 、「 C の部分が
欠けている 人は、 やはり 向いてないんじ ゃ ないか」 と いう よ う に考え ま す。
――な る ほど 。 基本的な 知識は提供し て いる ので 、 あ と の応用は、 個々人で 考え て く ださ いと い
う ス タ ン ス だと いう こ と ですよ ね。
渡邉 た だ、 ラ イ セン ス な ど の問題も あ り ま すので、 勝手にいろ ん な 場面で HBDI のサーベイ を
やる わけ にいかな いと いう こ と も あ り ま すが、 私個人と し て は、 全社的に、 採用や配置に応用し
たいと いう 気持ちはあ り ま す。
――ちなみに、 渡邉さ んの HBDI は、 A の強い三重優勢と いっ たと こ ろ じ ゃ ないですか( 笑)。
渡邉 私はホ ールブレ イ ン ( 四重優勢) な ん ですよ 。 こ ん な 短い時間で はわから な いと 思いま す
が。
――ホ ールブレ イ ン は、 全体の 3%ぐ ら いの割合し かいないんですよ ね。
渡邉 え え 。 一応「 ハーマン ・ モデル」 の解説では、 コ ン ピ テ ン シ ーが素晴ら し け れば、 CEO に
も なれる けど 、 そう でない場合は有能な秘書になれる と 書いてあ り ま し た。
僭越ながら 、 秘書と し ては優秀じ ゃ ないかと 思いま すね( 笑)。
た だ、 私は先天的に、 辺縁系の方が強く て 、 大脳新皮質の方は弱い。 当社で数字を 扱っ た り 、
ク リ エイ テ ィ ブな 仕事を し た か ら 伸びた と 分析し て いま す。 使わな く な る と 、 すぐ 、 収縮する ん
ではないでし ょ う か。
――IBM が大脳新皮質を 鍛え てく れたと ( 笑)。
と こ ろ で、 貴社の企業のプロ フ ィ ールはと いう と 、 ど んな形になる んでし ょ う か。
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渡邉 一般的に考え る と 、 我々はテ ク ノ ロ ジ ーの会社ですので、 A の強いロ ジ カ ルな 人間が多い
よ う に思いま すね。
た だ、 経営陣は、 常に「 単な る 管理者はいら な い、 リ ーダ ーが欲し い」 と 言っ て おり ま し て 、
先ほ ど の「 リ ード 、 マネ ージ 、 ド ゥ 」 のリ ード に必要な 創造性⋯ 、 要する に、 D の部分の能力を
重視し ており ま す。
常識を 打破し 、 絶え 間な い変革を 続け て いく んだと 。 そ し て 、「 変革を 担う 人物こ そ がリ ーダ ー
なんだ」 と 唱え ており ま す。
ですから 、 エグ ゼク テ ィ ブにな る よ う な 人、 も し く はそ の候補生で D の部分が弱い人はいな い
と 思いま すよ 。
でも 、 未だ管理能力⋯ 、 B の部分を 特に重視する 会社が少なく ないんでし ょ う かね。
――そう ですね。 上から する と 、 安心なんだと 思いま す。
あ ま り 下に D タ イ プの人間ばかり いる と 、 ま ず、 自分の指示し た こ と が、 ち ゃ んと 遂行さ れる
のか と いう こ と が心配ですし 、 ま た 、 自分よ り 新し いこ と を 発想で き る 部下に嫉妬する こ と にも
なり ま ねま せん。
で すので、 我々も 、 こ れま で 数多く の企業を 見て き ま し た け ど 、 ま だま だ、 そ う し た 人材を 持
て余し ている 会社が結構あ る と 感じ ていま す。
渡邉 そ う いう 意味で は、 当社は特異な 部類に入り ま すね。 突拍子も な いこ と を 言っ て も 、 変人
扱いさ れな い、 と いう よ り 、 突拍子も な いこ と を 言わな いと 、 出世も で き な い。 そ ん な カ ルチャ
ーが定着し ており ま す。
競合他社と 同じ こ と を やっ て 、 ク オ リ テ ィ を 良く する だけ では、 マーケ ッ ト で は勝ち 残れな い
ですから 。
――D の能力が弱いと 、 会社に居づら く なる よ う な創造性の高いカ ルチャ ーだと 。
渡邉 指示待ちで、 言われたこ と を やっ ている だけの人材だと 、 居づら く なる と いう よ り 、 ま ず、
職種がかなり 限ら れてき ま す。
そ う いう 仕事は、 今後、 ま すま すセ ン タ ーに集約化し 、 レ イ バーコ ス ト の低いと こ ろ に持っ て
いこ う と か、 そんな動き になっ ていま すから 。
そ う し た 意味で、 創造性を 高める 自己革新を し て も ら う た めにも 、「 Basic Blue」 と いう か 「 ハ
ーマン ・ モデル」 はリ ーダーの育成に多大なる 貢献を し ている と 評価し ており ま す。
P.8
ハーマンモデルの
事例紹介
Herrmann International Japan
Basic Blue
におけるハーマンモデル適用事例
B
Company:
Herrmann International
IBM
課題: “BASIC BLUE”( 新 任 マ ネ ー ジ ャ ー 向 け の 新 し い プ ロ グ ラ ム )
・地 球 全 体 ( 南 極 大 陸 を 除 く す べ て の 大 陸 の 1 6 7 国 ) で
同じ効果をもたらすこと
・マネジメントスタイルの多様性を認識し、理解しあうための
効果的な手法を提供すること
2
P.9
©Herrmann International Japan
Basic Blueと は?
パフォーマンスを向上させるため
…に
・ リーダーシップ開発を一時的な 講習会 として終わらせない。
・ 事業戦略(e-business)を自ら体現⇒E-Learningを最大限活用。
- Web Based Training(40科目)による継続的教育プロセスとフェイス ツー
フェイスのクラスルーム体験(互いに学び合う場)の併用
・ パフォーマンス向上のために設定された課題は、
- 従業員との関係、報酬、多様性およびマルチカルチャーに係る問題
- マネジメントおよびリーダーシップにおいて求められるコンピテンシー開発を加速
- 新任マネージャーがチームのパフォーマンスを最適化できるように、
部下に対する良いコーチ、サポーターになることを指導。
・ 2000年1月開始。既に2000人の新任マネージャーが受講済み。
3
実施プロセス
HBDIフィードバックと
ワークショップ
E-Learning
(6ヶ月)
グループ・メンバ
および
ファシリテーター
がE-mail等により
相互交流
HBDI
アセスメント
ラーニング・ラボ
集合研修(1週間)
集合研修時は既知の仲で
ロケット・スタート
4
P.10
©Herrmann International Japan
Basic Blue
ハーマン・モデル適用の効果
1.プログラム中の個別のテーマを結びつけるツール(共通
言語)としてホール・ブレインコンセプトを活用することで
学習効果を大幅に高めることに成功。
個別のテーマとは、
・ 従業員との関係
・ 組織の風土
・ コンピテンシー
・ パフォーマンス
マネジメント
・ 多様性/マルチカルチャー問題
5
Basic Blue
2 参
. 加者は、個性の違いに起因する人間関係
の壁を乗り越え、
・プロセスの多様性を認識すると同時に
・目的の共通性を再認識した。
3.国別に個別の変更をすることなく使える、
真にグローバルな新任マネージャー教育プログラ
ムの開発に成功した。
6
P.11
©Herrmann International Japan
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