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工場 ITのインフラとしての ORiN
ORiNミーティング2006 1/28 工場ITのインフラとしてのORiN (株)デンソーウェーブ 犬飼 利宏 ORiN2 SDK オライン・ツー・エスディーケー 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 工場ITソリューション・ビジネスの環境変化 現在 クライアント O SIer X 2/28 デバイスメーカ A 【環境変化】 z ソリューションの質向上要求 (一品モノから汎用品へ,海外同時展開) z 海外のスタンダードパッケージの台頭.例:SAP z 業務のアウトソーシングによるソリューションの共通化.例:3PL 将来 ソリューション選択肢拡大 (4)直接ソリューションビジネス参入 Cli - O SI - X Dev - A Cli - P SI - Y Dev - B Cli - Q SI - Z Dev - C 【本日の内容】 ORiNは(1)∼(4)に対し どのような技術支援が できるのか? (2)対応IFの拡大 (3)ソリューションビジネス拡大 (1)デバイス選択肢拡大 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 製品ライフサイクルの変化 近年の需要・供給曲線 3/28 Q. 垂直立ち上げへの取り組みは重要か? 日経デジタルエンジニアリング, 2003年7月号,10月号 機会損失 製造設備の垂直立上げが重要! 115社からの回答 preparation vertical start-up 「設備を構成するハード・ソフトの高度 な再利用性が不可欠.」 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 ORiN開発の背景 生産管理 工程管理 稼動監視 4/28 不具合解析 Before ◆ 機器,ネットワーク,プロトコルに依存 → 『一品物』 (専任のソフト開発者) → 低い信頼性&低い保守性 After ORiN ◆ 機器,ネットワーク,プロトコル非依存 → 『汎用品』 → 高い信頼性&保守性&再利用性 設備監視・制御ソフトウェアの高度な再利用性(標準化)を目指している. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 戦略的標準化プロジェクト 5/28 ■過去の同様な標準化の試みから,次の3点が重要であると認識. 1. 既存技術の最大公約数ではなく,これから必要になる新規分野での戦略的な標準化. ⇒ 参加各社が規格に魅力を感じる規格作り. 2. 仕様作りだけでなく実装も並行して推進.⇒ すぐ使って試せる環境作り. 3. 汎用性(標準化)と拡張性の高度なバランスを確保.⇒ 各種装置に柔軟に対応可 能な技術開発. (例) • オブジェクトの事前登録(CAOモデル) • APIの動的変更(ダイナミックバインディング) 「新規分野で技術開発と標準化を並行して推進する.」 国(NEDO)の支援を受けて1999年開発スタート! 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 6/28 ORiNとは? デバイスに依存しないでアプリケー ションを開発できる! アプリケー ション App. X App. Y App. Z OPC UPnP DDE 他規格のアプリケーション アプリケーション向け インターフェイス エンジン 抽象デバイス Dev. B ORiN 2 デバイス向け インターフェイス プロバイダ A Co. B Co. C Co. D Co. アプリケーションに依存しないで 全ての機能を公開できる! デバイス デバイスを抽象化し統一的・透過的なアクセス手段を与える技術. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 7/28 モデル化対象リソース コントローラ (例. ロボット, PLC, NC, スキャナ) メッセージ ファイル ・・・ ・・ タスク(ジョブ) ファイル管理 タスク管理 コントローラ(メイン) 言語解釈 拡張カード ・・・ ・・ コマンド 揮発性リソース 教示ボックス I/O 不揮発性リソース 変数 ロボット管理 起動生成 ■ 2タイプのデバイスをモデル化 「プル型」と「プッシュ型」デバイス サーボ プル型 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 プッシュ型 8/28 CAOオブジェクトモデル CAO Engine CaoEngine CaoWorkspaces CaoWorkspace CaoControllers CaoController CaoVariables CaoVariable CaoFiles CaoFile CaoTasks CaoTask CaoRobots CaoRobot CaoExtensions CaoExtension CaoCommands CaoCommand CaoMessage CaoEngineStatus Legend Object Collection CAO Provider CaoProvController CaoProvVariable CaoProvFile CaoProvTask CaoProvRobot CaoProvExtension CaoProvCommand CaoProvMessage コントローラのリソースに対応するシ ンプルなモデル. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 9/28 ORiN機能エンティティ z ORiNアプリケーション z ORiNミドルウェア(⇒ ORiN) z デバイス z ゲートウェイアドイン(⇒ ORiNオプション) OPC Client Non-ORiN Application UPnP Control Point ORiN Application Application Gateway Ethernet, Field Bus, etc ORiN Middleware Gateway Provider Controlled Device Non-ORiN Device 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 10/28 ORiN2 SDKの商品構成 ■ 商品の概要 変数・I/O・ファイル・ロボット動作 ORiNアプリ ORiN2 SDK Ethernet, RS232C, 他 プッシュ型デバイス プル型デバイス ■ 商品の構成 ■ SDK(ソフトウェア開発キット)とは? 「あるテクノロジー(プログラミング言語やAPIな ど)を利用してソフトウェアを開発する際に必要 なツールのセットのこと.」 【IT用語辞典より】 一般的にツールには, (1) ランタイム プログラム, (2) サンプル プログラム, (3) ユーティリティ プログラム, (4) マニュアル, が含まれます. コンフィギュレーション設定や, 自動プログラム生成など. … … + CDメディア … … ライセンス証と ユーザ登録用紙 ORiN技術・ノウハウの結晶 大規模ソフトウェア(約50万行) 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 (デモ)スキャナを使ったVBアプリ作成 11/28 【例題】 QRコードスキャナ(プッシュ型デバイス)から読み込んだデータをテキストコントロール (text1)に表示するVBプログラム. Private eng As CaoEngine Private WithEvents ctrl As CaoController Private Sub Form_Load() Set eng = New CaoEngine ' QRCodeとの接続処理 Set ctrl = eng.Workspaces(0).AddController("Sample", "CaoProv.DENSO.QRCode", _ "", "Conn=com:1:38400:N:8:1, Mode=5, Protocol=0:0:0") End Sub データの受信 Private Sub ctrl_OnMessage(ppCaoMess As CAOLib.ICaoMessage) text1.Text = ppCaoMess.Value End Sub ・ ORiNの統一されたデバイスモデルに従った 一貫性のあるプログラミングが可能. ・ 製品のプロトコルの違いをプロバイダで吸収. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 (デモ)CaoSQLを用いたWEBアプリケーション 12/28 【作業手順】 ステップ1: CaoSQLに必要な情報を格納する場所を確保. ステップ2: ASPでCaoSQLから値を収集し画面を生成. (この段階で動作テスト可) ステップ3: CaoSQLを実際のデバイスに結合. Intranet Webサーバ(IIS) ASP CaoSQL スクリプトで直接 CaoSQLから値を 収集する. 監視・管理系アプリケーショ ン用ミドルウェア.アプリと デバイスの接点となる. ORiN CAO 開発時間は8時間.CaoSQLがどのデバイスから 値を収集してくるかは,ASPプログラムから隠蔽さ れる.⇒ アプリケーションの汎用性向上. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 13/28 ORiNアプリケーション事例 エラー・状態メール通知 時刻同期ツール ファイルマネージャ イメージロガー データロガー Page Jumper POP(生産指示) 稼動管理 イベント音声通知 ネットワークあんどん 断線検出 Pinger 制御ログアナライザ ロボット教示ツール 設備シミュレータ 3次元遠隔監視 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 ORiNアプリケーションの分類 Proprietary Tool ■特徴: メーカ専用ツール 14/28 ■例: • 制御ログアナライザ • オフライン教示ツール 2 ORiN ■特徴: • ネットワークベース • 監視系システム Open System ■例: • 設備監視システム • シリンダ劣化モニタ ■特徴: • PCベースコントローラ • カスタムアプリケーション • 制御系システム ■例: • 設備コントローラ • 検査装置 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 Semi-Embedded System Open System 15/28 包括的設備管理システム 300台以上のFA機器が接続され様々なアプリが稼動中! Factory Server Line Server Ethernet DH+ MELSEC NET DENSO Controller Digital Panel DENSO Robot Ethernet Mitsubishi PLC AB PLC 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 Semi-Embedded System 16/28 PC統合型生産設備 パソコンを設備の中心に置いた汎用性の高い生産設備の提案 ソフトウェア構成 ハードウェア構成 【特徴】 • ORiN2で全てのデバイスを抽象化. • VBで全てのシーケンス制御を実現. • PLCに比べ制御プログラム開発期間を大幅に短縮. 2005国際ロボット展で参考出品 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 工場ITのプラットフォームとしてのORiN ライン設計 運用・監視 部品工程 得意先 設備プログラム 仕入先 仕入先 受入・検査 設備のライフサイクル セル設計 【メリット】 両方の軸を支えるITシステムの 基盤としてORiNを用いることで, ・開発効率の大幅な向上, ・一貫性が向上による2007年問題対策, などの効果が期待できる. 17/28 組立工程 出荷 得意先 モノの流れ 保全 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 開発者にとってのメリット 18/28 「アプリケーションやソリューションの開発効率の大幅な向上」 活用技術 開発者メリット 1 ORiN ORiNの統一されたデバイスモデルに従って,VBなどで簡単にアプリケー ションを開発できる. 2 ORiN既存 アプリ 汎用性の高いORiNアプリを活用して,効率的なソリューション提案ができ る. 3 DDE (CaoSQL) DDEを活用してエクセル等とプログラムレスで接続でき,現場レベルのア プリ開発が容易になる.⇒ [NEXT] 4 OPC (CaoOPC) 市販OPCクライアント製品が接続可能になる.⇒ [NEXT] 5 CAP CAP等の技術を活用して,リアルタイムデータを扱うWEBアプリケーション 開発が容易になる.⇒ [NEXT] 6 CRD 様々なデータを統一された形式で表現でき,データの再利用性が向上す る. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 CAPを使ったインターネット対応アプリ 19/28 インターネットを活用した新しいソリューション提案 ①スキャナのデータをそのまま インターネットに配信. (CAPメッセージに自動変換) CAP Msg. FW FW インターネット ②ローカルにスキャナが接続 されている場合と同じプログ ラミングが可能. 【備考】 CAP (Controller Access Protocol) はORiN協議会が規定した インターネット対応の通信仕様です. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 DDEを使ったエクセル連携 20/28 プログラミングレスでスキャナのデータをエクセル等へ転送 CaoSQL(DDEサーバ) エクセル(DDEクライアント) 【備考】 DDE (Dynamic Data Exchange) はマイクロソフトが規定した データ交換用の通信仕様です. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 OPCを使った市販アプリの活用 21/28 市販ソフトを使って効率的にソリューションを提案 RSView32 (OPCクライアント) CaoOPC (OPCサーバ) 【備考】 OPC (OLE for Process Control) はOPC協議会が規定した データ交換用のソフトウェアインターフェイス仕様です. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 (デモ)デバイスプロバイダの作成 (1)デバイス選択肢拡大 22/28 【ポイント】 • アプリケーションやソリューションの再利用性向上にはデバイス からの独立が不可欠. • ORiNはデバイスから独立させる汎用的な枠組みを提供する. • ORiN2 SDKは,様々なデバイス向けプロバイダや,新規プロバ イダ開発を支援するプロバイダウィザード等を提供する. 「CAO Provider Wizard ‒ プロバイダ自動作成ウィザード」 スケルトンプログラム の自動生成(VC++) 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 各種IFへの一括対応 (2)対応IFの拡大 23/28 【ポイント】 • デバイスメーカはORiNだけでなく様々なIF仕様に対応すること が市場で求められるようになる. • ゲートウェイアプリによりORiN対応だけで様々なIF仕様に対応 することができる. 一括実現 ORiN OPC DDE 対応マークで接続性 をアピール. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 ソリューションの使い回し (3)ソリューションビジネス拡大 24/28 【ポイント】 • ソリューションビジネスの収益性はソリューションの再利用性に 比例する. • 工場の多くのITシステムのアーキテクチャは似ている. • ORiNを使うことで,ITシステムの再利用性が飛躍的に向上し, ソリューションの使い回しがきく. 「工作機械の稼動管理システム」 「エネルギー監視システム」 (3) ロジック・GUI カスタマイズ (2) プロバイダ切り替え (1) デバイス切り替え 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 WEBベースソリューション (4)直接ソリューションビジネス参入 25/28 【ポイント】 • ソリューションビジネスを自ら展開することで,デバイスの普及 を図る.例:日立ミューチップ • WEBベースソリューションは,クライアント(現場)の意見を短時 間で反映しやすいアーキテクチャ. • ORiNを使えば,ホームページ作成程度のプログラミング技術 からシステム開発が可能になる. 「工場ポータルサイト」(稼動監視等) 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 (参考)ORiN1とORiN2の比較 ORiN 1 (2002年リリース) 26/28 ORiN 2 (2005年リリース) Windows Windows / Linux など (CORBA仕様はOS非依存) 言語 アプリケーション部:Visual Basic, C++ など エンジン,プロバイダ部: C++ アプリケーション部:Visual Basic, C++, VB.NET, C#, JAVA, VBScript エンジン,プロバイダ部: C++ (CORBA仕様は言語非依存.ただし,現実的には バインドされている言語だけなのでVisual Basicな どは使えない.) 通信 DCOM/WEBサービス(RAP) DCOM/CORBA/WEBサービス(CAP)/ HTTP(e-CAP)/TCP(b-CAP)/UPnP 対象機器 比較的機能が高いコントローラ(PLC,ロボコン,N C) 比較的機能が高いコントローラ(PLC,ロボコン, NC)から単機能コントローラまで(DA/AD変換ボー ド,DIOボード)まで. 対象分野 FA FA/HA/ROBOT XMLスキーマ(RRD) XMLスキーマ(CRD), UPnP Device Description OS デバイス プロファイル フレームワーク 抽象コントローラを定義し,アプリケーションはその コントローラを操作する.プロバイダは抽象コントロー ラと実コントローラとの違いを埋める. ← インターフェイス アプリケーション向けIFとデバイス向けIFを規定. ← 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 (参考)ORiN1とORiN2の比較(続き) 27/28 ORiN 1 (2002年リリース) ORiN 2 (2005年リリース) ORiN 1 SDKに,サンプル,ドキュメント,簡単なテス トツールなどが入っている. 「プロバイダウィザード」はプロバイダのC++スケルト ンプログラムを自動生成できる. ORiN 2 SDKに,サンプル,ドキュメント,統合テス トツールなどが入っている. 「プロバイダウィザード」はプロバイダのC++スケル トンプログラムを自動生成できる. コンフィギュレー ション サービス RaoConfigによるセキュリティ設定など. CaoCofingによるセキュリティ設定や言語ロケール 設定など. CaoSQLConfigによるモジュール構成とソフトウェ ア配線,データ型変換など. アプリケーション 開発支援 アプリケーション開発は,市販の開発環境(Visual Studio,VS.NET,Eclipse)などが使える. モジュール開発 支援 応用例 備考 ← ・稼動管理システム ・シリンダ劣化監視システム ・ファイルマネージャ ・イメージデータロガー ・モバイルモニタ ・3D設備監視システム,など. ・生産システムの分散シミュレーションシステム ・出荷検査装置 実際の工場で200台以上のFA機器がORiNで接続さ れ,上記のようなアプリケーションが稼動している. ORiN 2はORiN 1のフィールドテストから得られた 評価結果から,数百項目以上の改造が実施され た新しい仕様です. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006 12. まとめ 28/28 z ORiNはORiN協議会で仕様は策定され,SDKはORiNシ ステムを開発するためのツール群である. z ORiNとは工場IT向けのソフトウェア基盤であり,システ ム開発の効率を大幅に向上させる. z ORiNは特にソリューション・ビジネスで有効なツールで ある. 2006年8月31日 ORiNミーティング2006