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プランテーションは数万ヘクタールにのぼる規模のものもあり、その産物であるサトウキ ビ、パームヤシ、天然ゴム、キャッサバなどは併設の工場で加工され、砂糖、パーム油、タ ピオカデンプン、ゴムなどの製品は国内外に出荷されている。連続する広大な土地の利用に 伴う環境・生態系への影響、化学肥料や燃料の消費、産物加工プロセスからの排水等による 環境負荷など、プランテーションにおける生産活動に伴う多様な課題が指摘されている。プ ランテーション産物加工排水の多くは掘り抜きの池であるラグーンに 2、3 ヶ月滞留させた後、 河川放流やプランテーションの灌漑に利用されている。サトウキビの搾りかすであるバガス やパーム搾油 後のファイバ FFB 28t/ha ーはボイラー 燃料として利 用され、発電や 蒸気供給が行 われている。製 Oil palm plantation(1ha) 9土壌病害の発生 9輸送・散布のコスト高 そのまま散布 Ash EFB Fiber Shell Total By-product 脱水装置の設置 210kg (kg-K) 270kg (kg-K) 100kg (kg-K) 580kg (276kg-K) によってエネ ルギー的に自 エネルギー生成 部へのエネル 力を残してい ると判断され BDF製造 EFB: Empty Fruit Bunch FFB: 40 t/hr 繊維分離 製油工場 焼却灰: 0.7 t/hr Steam (140℃) 8,960 kg Mixed nuts 5000 kg Steam 7,360 kg Condensa 蒸熱処理 te Sterilized FFB 6,400 kg 35,200 kg 油水分離槽 脱果 Sterilized Fruit 26,600 kg 乾燥 & 破砕 Semi cleaned nuts 選別 Clean nuts 2,640 kg ハイドロサイクロン kernel 2,400 kg Press cake 9,904 kg すりつぶし & 搾油 Crude oil 26,800 kg 清澄 Crude oil 8,800 kg 浄化&乾燥 Waste Water 2,800 kg Water 6,504 kg 冷却池 Fat oil 3,600 kg Sludge 21,600 kg Fiber: 4.9 t/hr Kernel Cake: 1.3 t/hr Shell: 2.3 t/hr 130GJ/hr Water 3,600 kg 工場内の詳細な物質フロー 燃焼・発電 排熱 遠心分離 Sludge 18,000 kg 燃焼・発電 乾燥 BDF工場必要 エネルギー: 38GJ/hr 乾燥EFB エネルギー 62GJ/hr 工場必要 エネルギー: 64GJ/hr 排水 圧搾 BDF:8.7t/hr EFB:8.6t/hr プランテーション FFB: Fresh Fruit Bunch 乾燥 ギー供給の余 利用 CPO:8.7 t/hr 4,680 kg 立しており、外 7.0t (kg-K) 4.2t (kg-K) 2.8t (kg-K) 14.0t (kg-K) プランテーション内の詳細な物質フロー パーム製油工 ス残渣の利用 EFB Fiber Shell Total 焼却施設へ投入 糖工場および 場は、バイオマ 熱帯プランテーション地域において、合理的なバイオマス利活用システムの 設計における基礎的な情報であるプロセスフローや物質・エネルギー収支等に 関する調査を行っている。 対象作物:油パーム、 キャッサバ、 サトウキビ、ジャトロファ、アカシア、・・・ 調査地域:インドネシア、マレーシア・・・ Nutrient - pools ¾高いカリウム含有率 ¾輸送・散布が容易 ¾肥料コストの削減 追加的プロセス バイオマス利用プロセスの改善・設 計が出来るように、様々なバイオマス 利用技術も調査(メタン発酵、炭化、 BE等) 図6プランテーションにおけるバイオマス生産性と物質・エネルギー収支 る。 アカシヤ等の早生樹産業植林を含むプランテーションおよびその産物の加工工場における 物質・エネルギー収支、環境負荷の実態などについて、スマトラ島を中心とした調査・解析 が行われており、炭素と肥料成分である窒素およびカリについての物質フロー解析に加えて、 特にラグーンからの GHG 発生等の集積された情報がデータベース化されており、GHGの排 出削減と外部へのエネルギー供給増加を目的とした生産・加工工程の改善方法策定に加えて、 余剰のエネルギーやバイオマスを近隣地域の民生・産業用のエネルギー源として供給するシ ステムの設計を行うためのプログラムソフトが開発されている。すなわち、サトウキビやパ ームのプランテーションや加工工場での省資源・省エネルギーを徹底し、余剰のエネルギー やバイオマスを周辺地域や事業場に供給することで、地域のエネルギー自立を推進できる。 プランテーションで生産される BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)や BE(バイオエタ ノール)などのバイオ燃料については、わが国に輸入する場合を想定した生産・輸送に伴う エネルギー消費・GHG 排出なども予測が可能である(図6参照)。 209