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売上高 1 兆円に向け、体質強化・事業基盤の確立目指す
PALTAC (8283・東証 1 部) 2015 年 9 月 30 日 売上高 1 兆円に向け、体質強化・事業基盤の確立目指す ベーシックレポート 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業界トップ メディパルホールディングス(7459)の連結子会社。化粧品・日用 品、一般用医薬品等の卸売業界首位。フルラインの品揃えと高品質・ (株)QBR 真下 弘司 ローコストの大規模物流セン ター(RDC)に特徴。北海道 から沖縄までの全国をカバー 会 所 社 在 社 概 地 大阪市中央区 長 木村 清隆 設 立 年 月 資 本 要 場 日 U R L 2010/3/18 価 2,217 円 2,657 円 (15/7/30) 1,345 円 (15/1/14) 昨年初来高値 昨年初来安値 発行済株式数 63,553,485 株 売 買 単 位 100 株 時 価 総 額 140,898 百万円 予 想 配 当 46.0 円 会 予 想 社 ) E P S 162.08 円 ( ア ナ リ ス ト ) 実 績 業 P B R 績 2015/3 2017/3 売上高 百万円 向 高まるとして、中間流通機能の強化と継続した生産性の向上に取り組 むとともに、売上高 1 兆円に向け企業体質の強化を図り、事業基盤の 確立を目指す。 一次費用の発生で今期は営業減益へ QBR 予想の 16/3 期の単独業績は、売上高が前期比 4%増の 8262 億円、 営業利益は同 5%減の 135 億円。続く 17/3 期は、売上高が前期比 3% 増の 8473 億円、営業利益は同 10%増の 148 億円を予想する。会計方針 の変更等に伴い QBR 予想を見直したが、実質的な予想に変更はない。 足元の業績は、消費者マインドの改善や訪日外国人のインバウンド消 費の拡大などにより順調に推移。16/3 期は RDC 関東稼動などに伴う一 時的な費用の発生で営業減益を予想。17/3 期は一時的な費用がなくな り営業増益を予想する。 前期比 % 営業利益 百万円 前期比 % 経常利益 百万円 前期比 % 当期純利益 百万円 前期比 % EPS 円 績 794,221 -1.3 14,177 1.1 16,322 3.4 10,267 11.8 161.56 想 (2015 年 7 月発表) 822,300 3.5 13,000 -8.3 15,400 -5.6 10,100 -1.6 158.94 ア ナ リス ト 予想 826,200 4.0 13,500 -4.8 15,800 -3.2 10,300 0.3 162.08 ア ナ リス ト 予想 847,300 2.6 14,800 9.6 17,200 8.9 11,200 8.7 176.25 実 会 2016/3 0.96 倍 動 化粧品・日用品、一般用医薬品の市場は成熟化しつつあるが、サプ ライチェーン全体の最適化・効率化など中間流通業の役割はますます 卸売業 主 要 指 標 2015/9/28 現 在 ( では、最終年度の 18/3 期に単独ベースで売上高 8800 億円、営業利益 165 億円の達成を目指している。 種 株 18/3 期に売上高 8800 億円、営業利益 165 億円 現在進行中の中期経営計画(18/3 期までの 3 カ年、15 年 7 月発表) http://www.paltac.co.jp/ 業 売業約 2000 社との取引基盤 15,869 百万円 (2015/3/31 現在) 上 要メーカー約 1100 社、主要小 を有する。 1918/5 金 する営業・販売網を確立。主 社 予 注:15/3 期の実績は 16/3 期からの会計方針の変更を遡及修正した数値を記載 アナリストレポート・プラットフォーム 1 えんけつ 会 社 会 社 概 概 要 要 メディパルホールディングス(7459)の連結子会社(発行済株式数の 50.1%をメディパルが保有)。化粧品・日用品、一般用医薬品卸業界のトッ 会社概要 プ企業。広域をカバーする大規模物流センター(RDC。詳細は後述)を全国 に設置し、入庫から出荷までの高品質・ローコスト体制を構築。 15/3 期の報告セグメント別売上高構成比は、卸売事業 98%(うち化粧品 25%、日用品 43%、医薬品 15%、健康・衛生関連品 16%、その他 1%未満) 、 物流受託事業 2%。 卸売事業は、北海道から沖縄までの全国をカバーする営業・販売網を確立。 主要メーカー約 1100 社、主要小売業約 2000 社との取引基盤を有する。全国 のドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア、スーパーマー ケットのほかディスカウントストアやネット企業とも取引を行い、商品供給 とあわせローコスト物流機能と需要開発や店舗作業の効率化などストアソ リューション機能を提供。 なお、15/3 期までは卸売事業と物流受託事業に区分していたが、卸機能 を強化するために経営管理手法を再構築するなかで事業区分を見直した結 果、卸売事業と物流受託事業を一体的な事業と捉え、16/3 期 1Q から卸売事 業の単一セグメントに変更した。 図1.卸売事業の商品分類別・販売業態売上高(15/3期) その他 0% 健康・衛生 関連品 16% 医薬品 15% 日用品 43% 化粧品 26% 25% 商品分類 主な商品群 シャンプー、コンディショナー、洗顔、 化粧品 基礎化粧品、メイク、男性化粧品 洗剤、方向消臭剤、オーラルケア、 日用品 ティッシュペーパー、殺虫剤、カイロ 感冒薬、胃腸薬、ビタミン剤、目薬、 医薬品 ドリンク剤、漢方薬 健康・ サプリメント、コンタクト用品、 衛生関連品 子供用紙オムツ、介護用品 (出所)会社資料からQBR作成 アナリストレポート・プラットフォーム 2 会 社 概 要 図2.卸売事業の販売業態別売上高(15/3期) DS、Su.C 6% GMS 6% 会社概要 その他 3% SM、SSM 7% CVS 8% HC 11% Drug 59% 略称 Drug HC CVS SM SSM GMS DS Su.C 業態名 ドラッグストア ホームセンター コンビニエンスストア スーパーマーケット スーパースーパーマーケット ゼネラルマーチャンダイジングストア ディスカウントストア スーパーセンター (出所)会社資料からQBR作成 アナリストレポート・プラットフォーム 3 会 社 経 概 営 要 者 代表取締役社長 木村 清隆 会社概要 企 業 代表取締役会長 三木田 國夫 理 念 『誠実と信用』の基本精神のもと『美と健康』に関する商品をフルライン で取り扱う中間流通業として、サプライチェーン全体の効率化に貢献できる 機能強化に取組んでいる。小売業とメーカーをつなぐ流通の要として、効果 的な販売活動支援、システム構築、高品質・ローコストの物流機能などの強 化を図り、流通業の発展に貢献する。顧客満足の最大化と流通コストの最小 化により、最終的に消費者の満足につなげたいとしている。 沿 革 1898 年 12 月、化粧品・小間物商「おぼこ号角倉支店」として創業 1918 年 5月 合資会社角倉商店設立 1928 年 12 月 1951 年 1月 1976 年 10 月 パルタックに商号を変更 2005 年 10 月 メディセオホールディングスと経営統合。メディセ 業容の拡大を図るため、株式会社に改組 大粧に商号を変更 オ・パルタックホールディングス(現メディパルホー ルディングス)の完全子会社に 2008 年 4月 コバショウと合併。パルタック KS に商号を変更 2009 年 4月 Paltac に商号を変更 2010 年 3月 東証一部上場 2015 年 7月 PALTAC に商号を変更 (出所)有価証券報告書 アナリストレポート・プラットフォーム 4 会 大 社 概 株 要 2015 年 3 月 31 日現在 主 会社概要 株主 1 2 メディパルホールディングス 日本マスタートラスト信託銀行 (信託口) 所有株式数 (株) 所有比率 (%) 31,853,485 50.12 2,471,800 3.89 2,071,700 3.26 1,921,900 3.02 1,344,400 2.12 1,297,700 2.04 1,179,300 1.86 790,600 1.24 649,200 1.02 606,900 0.95 NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE 15PCT 3 TREATY ACCOUNT (常任代理人:香港上海銀行東京支店) 4 5 6 7 8 9 10 日本トラスティ・サービス信託銀行 (信託口) NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE NVI01 (常任代理人:香港上海銀行東京支店) Paltac 従業員持株会 資産管理サービス信託銀行 (年金信託口) 日本トラスティ・サービス信託銀行 (信託口 9) THE BANK OF NEW YORK MELLON SA/NV 10 (常任代理人:三菱東京 UFJ 銀行) ライオン (出所)有価証券報告書 アナリストレポート・プラットフォーム 5 事 業 卸 売 概 事 要 卸売事業は、化粧品・日用品、一般用医薬品などの生活必需品を、全国の 業 ドラッグストアやホームセンター、コンビニエンスストア、スーパーマーケ 会社概要 ット等に販売。生産(メーカー)から消費者の手に渡るまでの販売(小売業) を1つの輪(チェーン)として捉え、サプライチェーン全体の最適化・効率 化に取り組むとともに、需要予測や店舗管理・商品構成などの生産性向上に 向けた提案・取り組み(ストアソリューション)を行っている。 現在の売上高から計算した年間出荷個数は約 25 億個。国民 1 人当たり年 間約 20 個の生活必需品が同社を通じて手元に届く計算。 同社の競争力および差別化の源泉は、自社開発の物流機器と情報システム を駆使した生産性の高い RDC(Regional Distribution Center:リージョナ ル・ディストリビューション・センター)。全国 17 カ所(RDC 関東を含む) に配置した RDC は、優れた物流ノウハウ(生産性・効率性や納品精度の高さ など)と得意先への提案力(需要予測や店舗管理・商品構成など)に定評が ある。98/9 期の RDC 近畿開設以降、1000 億円を超える投資を行い、RDC を 全国に展開、ローコストオペレーションの基盤を確立している。 15 年 8 月には RDC 関東(埼玉県白岡市)が稼働。東北自動車道と首都圏 中央連絡自動車道(圏央道)が交差する好立地にあり、年間出荷能力は 800 億円で総投資額は 115 億円。最大市場の関東エリアにおける出荷能力増強や 物流生産性向上に加えて、小売業・メーカーとの取り組み強化による事業拡 大を目指す。さらに関東エリアの既存の RDC(群馬、東京、横浜)との連携 や、RDC 近畿から 18 年間培った運営ノウハウを結集し、最高の生産性を実 現する。 図3.設備投資累計額と販管費率の推移 (億円) 1,600 8.0% 1,367 1,400 1,200 7.19% 937 1,000 800 1,202 7.02% 1,209 1,081 7.0% 974 795 6.37% 6.5% 6.64% 600 7.5% 6.02% 400 投資累計額(左目盛り) 200 販管費率(右目盛り) 6.0% 6.15% 6.07% 5.5% 0 5.0% 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3計画 (注)RDC近畿開設(98/9期)からの累計額 (出所)会社資料 アナリストレポート・プラットフォーム 6 事 業 概 要 図4.RDC関東 会社概要 (出所)会社資料 アナリストレポート・プラットフォーム 7 事 業 概 要 中 期 経 営 計 画 会社概要 現在進行中の中期経営計画(18/3 期までの 3 カ年、15 年 7 月発表)では、 最終年度の 18/3 期に単独ベースで売上高 8800 億円、営業利益 165 億円の達 成を目指している。 中期経営計画の基本方針と重点戦略は図 5 の通り。化粧品・日用品、一 般用医薬品の市場は、少子高齢化による人口減少や小売業の合従連衡など成 熟化しつつある。このような環境下、サプライチェーン全体の最適化・効率 化など中間流通業の役割はますます高まるとして、中間流通機能の強化と継 続した生産性の向上に取り組むとともに、売上高 1 兆円に向け企業体質の強 化を図り、事業基盤の確立を目指す。 具体的には、基幹システムをはじめとする既存システムの刷新・改善、 全ての業務の見直しによる生産性の向上、15 年 8 月に稼働した RDC 関東を 核に既存センターとの連携によるエリア全体での生産性の向上に努め、そこ で培ったノウハウを全センターに反映する。また中間流通業においては人材 が最大の経営資源であるとして持続的成長を実現させる人材の育成などに 取り組むとしている。 図5.中期経営計画の基本方針と重点戦略 (出所)会社資料 表1.会社計画の単独業績 10/3期 11/3期 12/3期 13/3期 14/3期 通期 通期 通期 通期 通期 実績 実績 実績 実績 実績 売上高 7,175 7,348 7,420 7,607 8,049 売上原価 6,545 6,737 6,804 6,993 7,414 売上総利益 630 611 617 614 635 販管費 516 516 492 485 495 営業利益 115 95 124 129 140 経常利益 127 115 140 149 158 純利益 67 34 62 84 92 (注1)会社計画は15年7月29日付 (注2)15年7月に会計方針を変更。15/3期以降は新基準での遡及適用後の数値 (注3)14/3期以前は簡易的方法による遡及適用後の数値 (出所)会社資料 アナリストレポート・プラットフォーム (単位:億円) 15/3期 16/3期 18/3期 通期 会社 会社 実績 計画 計画 7,942 8,223 8,800 7,322 7,594 8,127 620 629 673 478 499 508 142 130 165 163 154 185 103 101 120 8 業 界 分 析 表 2 で上場している競合 3 社の 15/3 期の業績、図 6~図 9 で過去 6 期の 同 業 他 社 比 較 業績を比較した。 会社概要 対象となる 15/3 期の化粧品・日用品、一般用医薬品の市場規模は約 3 兆 2000 億円(同社調べ)で、同社のシェアは約 25%で首位。市場全体は少子 高齢化などの影響で過去 10 年間はほぼ横ばいで推移。今後も少子高齢化に よる人口減少は続くが、商品単価の上昇等で補い市場規模は横ばいが続くと 予想する。 4 社の業績をみると、売上高に関しては景気に左右されにくい生活必需品 を主として取り扱っており各社とも安定して推移。しかし、利益面では格差 が鮮明になる。同社は収益性の高さ、安定性で他社を圧倒している。業界唯 一のフルラインの商品構成、全国に配置した RDC を源泉とするローコスト体 制、業界最大規模の情報量を活用した情報分析力・提案力などが背景だ。 こうして得られた利益を RDC などに継続的・積極的に投資、さらなる競争 力につなげる成長サイクルを構築、健全な財務体質も競争力の源泉になって いる(図 3、図 9 参照) 。 表2.競合他社との業績比較(15/3期) PALTAC(8283) あらた(2733) 15/3期 売上高 15/3期 売上高 実績 比率 実績 比率 売上高 7,942 100.00% 6,388 100.00% 売上原価 7,322 92.20% 5,742 89.89% 売上総利益 620 7.80% 646 10.11% 販管費 478 6.02% 622 9.73% 営業利益 142 1.79% 25 0.39% 経常利益 163 2.06% 25 0.39% 純利益 103 1.29% 11 0.18% 主な 化粧品・日用品、 化粧品・日用品 一般用医薬品 取扱商品 (注)PALTACは会計方針の変更等を遡及適用後の数値 (出所)各社資料 大木(8120) 15/3期 売上高 実績 比率 1,878 100.00% 1,691 90.08% 186 9.92% 188 10.03% -2 -0.11% 6 0.31% 3 0.17% (単位:億円) 中央物産(9852) 15/3期 売上高 実績 比率 1,302 100.00% 1,165 89.45% 137 10.55% 142 10.88% -4 -0.33% -4 -0.32% -17 -1.27% 一般用医薬品 化粧品・日用品 図6.売上高の推移(10/3期~15/3期) (億円) 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 PALTAC(8283) あらた(2733) 大木(8120) 中央物産(9852) (出所)各社資料からQBR作成 アナリストレポート・プラットフォーム 9 業 界 分 析 図7.営業利益の推移(10/3期~15/3期) 会社概要 (億円) 160 140 120 100 80 60 40 20 0 PALTAC(8283) -20 あらた(2733) 大木(8120) 中央物産(9852) (出所)各社資料からQBR作成 図8.ROE(自己資本当期純利益率)の推移(10/3期~15/3期) 20% 15% 10% 5% 0% PALTAC(8283) あらた(2733) 大木(8120) 中央物産(9852) -5% -10% -15% (出所)各社資料からQBR作成 図9.自己資本比率と総資産(15/3期) 自己資本比率 50% 40% PALTAC(8283) 自己資本比率:45.1% 総資産:3181億円 中央物産(9852) 自己資本比率:35.8% 総資産:423億円 30% あらた(2733) 自己資本比率:25.4% 総資産:2118億円 20% 大木(8120) 自己資本比率:15.2% 総資産:752億円 10% 0% 0 500 1,000 (出所)各社資料からQBR作成 アナリストレポート・プラットフォーム 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 総資産(億円) 10 業 績 16/3 期 1Q の単独業績は、売上高が前年同期比 8%増の 2100 億円(会社 市場環境回復、 会社概要 1Q は売上高・利益 とも計画を上回る 計画は 2022 億円) 、営業利益は同 36%増の 38 億円(同 28 億円)となり、 売上高・利益とも計画を上回った。化粧品・日用品、一般用医薬品の市場は、 消費者マインドの改善や訪日外国人のインバウンド消費の拡大などにより 市場環境が改善。15/3 期 1Q は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動 や消費者の節約志向等から市場は低迷していた。増収効果と生産性向上の取 り組み(業務全般の見直しによる販管費の削減など)などが奏功、営業利益 は増加した。 なお当期から会計方針の変更等を実施、(1)販管費に計上していたセンタ ーフィー(納入先の流通業者の配送センター使用料)を売上高から控除する 方法に変更、(2)営業外収益に計上していた仕入割引を売上原価に含めて処 理する方法に変更、(3)売上高に計上していた不動産賃貸収入を営業外収益 に変更した。 16/3 期の単独業績に関して会社は、売上高が前期比 4%増の 8223 億円、 一次費用の発生で 減益を見込む通期 計画据え置き 営業利益は同 8%減の 130 億円を計画。期初計画では各々8500 億円、93 億 円としていたが、上記の会計方針の変更等に伴って、計画値を見直した。イ ンバウンド需要などの動向が不透明だとして実質的な計画値に変更はない。 消費税率引き上げ等の影響が一巡、小売業・メーカーとの取り組み強化によ るインストアシェア(顧客店舗における同社のシェア)の拡大により増収を 見込むが、大型物流センター新設に伴う一時的な費用の発生で営業利益は減 少する見通し。当期は「RDC 関東」 (埼玉県白岡市)の新設と「RDC 東北」 (岩 手県花巻市)の増設、および青森県内における 2 カ所の FDC(RDC を支援す る仕分センター)の新設を予定。これらの投資に伴い備品の購入など一時的 な費用 14 億円が発生する予定。 表3.16/3期1Qの単独業績 15/3期 16/3期 16/3期1Q 1Q 1Q 前年 会社 差異 実績 実績 同期比 計画 売上高 1,936 2,100 +8% 2,022 +78 売上原価 1,790 1,941 +8% 1,871 +70 売上総利益 147 159 +8% 151 +8 販管費 119 121 +2% 123 -2 営業利益 28 38 +36% 28 +10 経常利益 32 43 +34% 33 +10 純利益 18 29 +64% 22 +7 (注1)会社計画は、15年7月29日付 (注2)差異は、16/3期1Q実績と同会社計画との比較 (注3)進捗率は、16/3期1Q実績と同上期会社計画との比較 (出所)会社資料からQBR作成 アナリストレポート・プラットフォーム (単位:億円) 16/3期上期 会社 進捗 計画 率 4,141 51% 3,829 51% 312 51% 251 48% 61 62% 70 62% 46 63% 11 業 績 QBR 予想も実質据 え置く。17/3 期は 会社概要 業績の回復を見込 んだ 会計方針の変更等に伴い QBR 予想も見直したが、従来から売上高・利益 とも会社計画を上回る水準を予想していたこともあり、実質的な予想に変更 はない(売上高と営業利益を新基準に基づき修正、経常利益と純利益は変更 なし) 。 QBR 予想の 16/3 期の単独業績は、売上高が前期比 4%増の 8262 億円(旧 基準に基づく前回 QBR 予想は 8540 億円) 、営業利益は同 5%減の 135 億円(同 98 億円) 。 続く 17/3 期は、 売上高が前期比 3%増の 8473 億円 (同 8760 億円) 、 営業利益は同 10%増の 148 億円(同 110 億円)を予想する。 売上高に関しては、同社の取扱品目は生活必需品が中心の商品構成である ことから通常であれば 2~3%程度の安定した成長を予想。16/3 期は消費税 率引き上げの反動などのマイナス影響がなくなることに加えて、ドラッグス トアなどでインバウンド消費の増加が期待されることから高い成長を見込 んだ。利益面では引き続き販管費の効率化等は進むと予想するが、RDC 関東 稼働などに伴う一時的な費用の発生で営業減益を予想。17/3 期は増収効果 と一時的な費用がなくなり営業増益を予想する。 表4.会社計画とQBR予想の単独業績 15/3期 16/3期 16/3期 通期 会社 前期 QBR 前期 実績 計画 比 予想 比 売上高 7,942 8,223 +4% 8,262 +4% 売上原価 7,322 7,594 +4% 7,627 +4% 売上総利益 620 629 +1% 635 +2% 販管費 478 499 +4% 500 +5% 営業利益 142 130 -8% 135 -5% 経常利益 163 154 -6% 158 -3% 純利益 103 101 -2% 103 +0% (注1)会社計画は15年7月29日付 (注2)15年7月に会計方針を変更。新基準での遡及適用後の数値 (出所)会社資料、予想はQBR アナリストレポート・プラットフォーム (単位:億円) 17/3期 QBR 前期 予想 比 8,473 +3% 7,830 +3% 643 +1% 495 -1% 148 +10% 172 +9% 112 +9% 12 (出所)㈱QUICK 上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。 上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。 上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。 2013/3 株 価 推 移 2014/3 2016/3 予 (アナリスト) 2015/3 株価(年間高値) 円 1,242 1,428 1,783 - 株価(年間安値) 円 924 1,082 1,145 - 月間平均出来高 百株 39,283 27.256 23.962 - 高 百万円 760,684 804,944 794,221 826,200 売 上 営 業 利 益 百万円 12,917 14,022 14,177 13,500 経 常 利 益 百万円 14,880 15,779 16,322 15,800 当 期 純 利 益 百万円 8,397 9,185 10,267 10,300 業 績 推 移 E P S 円 144.41 144.54 161.56 162.08 R O E % 7.1 7.1 7.4 7.1 流 動資産合 計 百万円 211,367 227,203 220,954 - 固 定資産合 計 百万円 91,484 97,985 97,174 - 資 計 百万円 302,851 325,189 318,128 - 貸借対照表 流 動負債合 計 百万円 161,019 178,601 163,379 - 主 要 項 目 固 定負債合 計 百万円 16,075 14,160 11,353 - 負 計 百万円 177,094 192,761 174,733 - 株 主資本合 計 百万円 123,241 129,692 137,960 - 純 資 産 合 計 百万円 125,756 132,427 143,395 - 営業活動による CF 百万円 11,792 3,340 23,204 - 投資活動による CF 百万円 -9,982 -11,686 365 - 財務活動による CF 百万円 -2,705 1,191 -15,464 - 現金及び現金同等 物 の期末残 高 百万円 20,556 13,402 21,507 - キャッシュフ ロー計算書 主 要 項 目 産 債 合 合 アナリストレポート・プラットフォーム 13 リ 事 関 ス ク す 業 る リ 会社概要 分 析 に ス ク ① 競合による投資コストの増加と価格競争リスク 他事業者との競合規模や同社の事業領域が拡大しており、これらに対応す べく物流・情報システム機能の充実・拡大に伴う設備投資が必要となる可能 性がある。この場合、減価償却費の増加や設備の運営・管理に係る人件費・ 諸経費等の増加により業績に影響を及ぼす可能性がある。また、販売価格競 争の激化により、同社が期待する利益率の確保が十分にできない場合は、業 績に影響を及ぼす可能性がある。 ②債権回収リスク 同社は、販売先との継続取引に伴う債権について、当該販売先との密な連 携体制の強化や同社内における債権管理の徹底、さらには取引信用保険の加 入等により貸倒発生のリスクを抑える活動を行っているが、結果として販売 先の破産、民事再生等による債務不履行が発生した場合は、業績に影響を与 える可能性がある。 ③特有の法的規制等に係るもの 一般用医薬品及びその関連商品は、主に医薬品医療機器等法(旧薬事法) など関連法規の規制を受けており、同社の各事業所は所轄の都道府県知事よ り必要な許可、登録、指定及び免許を受け、あるいは監督官公庁に届出の後、 販売活動を行っている。このため、法令違反等によりその許認可等が取り消 された場合や許認可等が得られない場合は、販売できる商品が制限され事業 活動及び業績に影響を及ぼす可能性がある。 ④システムトラブル 同社は、重要な営業・物流施設である RDC の運営・管理において、複雑に プログラミングされた独自の物流システムを用いるなど、同社の事業運営は、 コンピュータネットワークシステムに依拠している。同社では基幹コンピュ ータ機器は、耐震設備及び自家発電装置を備えたデータセンターに設置し、 別媒体(ディスク及び磁気テープ)により定期的にデータのバックアップを 行い、またコンピュータウィルスの侵入を防ぐ対策を講じているが、大規模 な自然災害や事故又はコンピュータウィルスの侵入等により機能停止した 場合、販売・物流に大きな支障が生じる可能性がある。 アナリストレポート・プラットフォーム 14 デ ィ ス ク レ ー マ ー 1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。 )が実施する「アナリストレポー ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。 会社概要 2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作 成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社Q BR(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。 3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに 誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま せん) 。 4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。 5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の 取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変 動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資 の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適 合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお 願いいたします。 6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当 該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の ものであり、今後予告なく変更されることがあります。 7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及 びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が 欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる 情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。 8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作 権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに 複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。 <指標の説明について> 本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。 参照 URL ⇒ http://www.jpx.co.jp/listing/reports/analyst-report/03.html アナリストレポート・プラットフォーム 15