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三菱電機技報2007年8月号 論文06

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三菱電機技報2007年8月号 論文06
特集論文
干渉型合成開口レーダによる
三次元地図作成
岡田 祐*
堀内健志**
大石 昇***
Ali Azarbayejani†
岩間 清††
3-Dimensional Map Reconstruction by Ku-Band Interferometric SAR
Yu Okada, Takeshi Horiuchi, Noboru Oishi, Ali Azarbayejani, Kiyoshi Iwama
要 旨
近年,地震や津波などの災害が全国各地で発生している
三菱電機では,このような目的で使用するKu帯の干渉
ため,その監視システムを構築して,災害発生時の危機管
型合成開口レーダ(Interferometric Synthetic Aperture
理を強化することが急務になっている。また,高精度の三
Radar:InSAR)システムと,三次元地図を作成するイン
次元地図を全国レベルで整備し,一元管理して必要な行
タフェロメトリ処理アルゴリズムを開発した。本稿では,
政・機関に配信できる三次元空間データ基盤の整備がます
干渉型合成開口レーダの原理を説明して,開発した航空機
ます重要になってきている。
搭載干渉型合成開口レーダシステム及びインタフェロメト
一方,航空機をプラットフォームとする干渉型合成開口
リ処理アルゴリズムを紹介する。
レーダは,機動性に優れ,電波を用いているので,昼夜,
また,フライト試験で取得したフィールドデータを用い
あるいは雲や噴煙の有無にかかわらず観測が可能である。
て,精度評価を行った。結果として,開発した干渉型合成
また,光学センサと比較して,広い範囲の三次元地図を迅
開口レーダによる三次元地図が,50cm×50cmのメッシュ
速に作成できる特長を持っている。このため,高精度の三
サイズにおいて高度精度50cmを達成したことを述べる。
次元地図作成用センサとしての利用が期待されている。
航空機搭載Ku帯干渉型SARシステムの開発
■短期取得・低コスト・広域
■早期災害把握に有効な全天候型センサ
共通データベース化
レーザ計測
雲
高精度三次元地図
被災地
取得データ
独自のインタフェロメトリ信号処理技術の開発
■新しい位相アンラップ処理技術
■位置・高さ精度50cm以内の三次元地図
SAR画像(ペア)
SARインタフェロメトリ
信号処理
航空機搭載Ku帯干渉型合成開口レーダによる三次元地図作成概念図
航空機に搭載するKu帯干渉型合成開口レーダは従来の光学観測による地図作成方法に比べ,昼夜あるいは雲や噴煙の有無にかかわらず広い
観測範囲をカバーできる。このため,日本全国の高精度三次元地図整備を行う際の主要センサとしての適用が期待される。
*
鎌倉製作所(理博)
**
同製作所 ***情報技術総合研究所 †Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc.(工博)
††
本社
23
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