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Telomere length provides a new technique for aging animals 方法

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Telomere length provides a new technique for aging animals 方法
2002/02/07 廣田忠雄 Telomere length provides a new technique for aging animals
結果
・ハイブリの結果には再現性
Haussmann MF, Vleck CM (2002) Oecologia 130: 325‐328 が あ っ た (Fig.1a) 。 mung ・年齢の情報は、生態を理解する上で欠かせない情報である。しかし、野生動物の履歴を完全に
追うことは難しく、詳細に理解されている例は少ない。齢に依存する形質で推定できなくはない
が、大雑把なクラス分けしかできない場合が多かった。よりコストがかからず、かつ対象動物に
損傷を与えずに例を推定する方法があれば有効なツールになるだろう。 bean nuclease 処理後には、
プローブが付かなかったの
で、プローブは末端だけにハ
イブリされているようであ
・細胞の分裂回数には限界があることが、培養細胞では観察されている。またこの細胞の老化に
は、テロメアの短縮が関与していると示唆されている。テロメアは真核生物の染色体の端にある
る(Fig.1a)。 ・テロメアの平均長には、雌
繰返し配列であり、脊椎動物では(T2AG3)n のタンデムリピートが保存されている。複製の際に
雄 差 は な か っ た (F1,29=0.24, DNA ポリメラーゼが行き届かないために、テロメアは細胞分裂の度に短縮していく。しかし生
殖細胞やガン細胞では、テロメアの長さはテロメアーゼによって維持されている。それでもやは
り、テロメアーゼが発現していない細胞では、テロメアが減少していることが多数の研究で報告
されている。 p=0.63)。 ・テロメアの平均長は、齢と
ともに減少し ていた ( 下表; F2,28=11.04, p=0.0003)。 テロメア[英 telomere]テロメア配列とよばれる反復配列(例えば哺乳類では TTAGGG が数百回)
をもつ特殊な塩基配列から構成され、その DNA 端は安定性に必要なヘアピン構造を示す。テロ
メアが失われると正常な染色体行動が妨げられ細胞周期の進行が停止する。また、新生動原体
(neocentromere)としての役割や、中間期に核膜に付着し減数分裂における対合に何らかの役割を
果しているという考えもある。ライムギでは、1‐3 個の濃染する大きな染色小粒からなる構造
(protelomere)が末端にあって、これにつづく内側に淡染する小さい染色小粒群からなる構造
(eutelomere)があり、酵母ではこの部位で核膜と付着している。DNA 複製ではこの末端部分は完
全には複製されない。したがってそのままでは細胞分裂がくりかえされるたびにこの部分は短く
なっていくことになるが、これとが細胞分裂の回数に一定の限度があること、すなわち細胞寿命
と関係しているとの説もある。これを補うものとして、このテロメア部分を伸長する酵素テロメ
ラーゼ(telomerase)が見出されている。この酵素はテロメアの繰返し配列と同じ配列をもつ RNA
を含む、一種の RNA 依存性 DNA ポリメラーゼで、この RNA 部分を鋳型としてテロメアを伸
長させる。 テロメア長[bp] (平均±SE) < 4 ヶ月 8,656 ± 104 a 11‐15 ヶ月 8,448 ± 115 a > 18 ヶ月 7,979 ± 104 b ・回帰分析の結果、鳥の赤血
球のテロメア長は年に 516±94 bp 減少していると推定された(Fig.2)。 考察
・本種のテロメア長の減少率は、人間の白血球(31‐33 bp/年)より大きかった。より短命のマウス
の脾臓細胞では、600bp/年と推定
されている。 ・血は、鳥の損傷を最小限にでき
るので、齢推定に優れている。血
球は分裂しないので、血球のテロ
メア長は造血幹細胞のテロメア
長を反映している。人間の造血幹
細胞ではテロメーゼ活性がある
ものの、時間によるテロメア長の
減少は実験的に確認されている。 方法
・齢が既知のキンカチョウ 27 羽(1‐24 ヶ月齢)と、24 ヶ月齢以上の 4 羽の血液サンプル(50μl)を用
いた。 ・DNA を抽出し、テロメアを切断しない制限酵素(HaeIII, HinfI, MspI)で消化した。アガロースゲ
ルで泳動し、32P でラベルした(C3TA2)4 をプローブとしてハイブリを行った。 ・細胞によって分裂回数も異なるし、染色体によって切断される部位も異なるので、断片長の平
均値を算出した。断片の濃度を考慮するため、OD で重みづけして平均値を算出した。 ・本報では、キンカチョウの寿命
の半分程度しか調べていないの
で、齢とテロメア長の相関が生涯
にわたって線形である保証はな
い。人間では、生涯にわたって線
・テロメアの配列は、末端以外にもセントロメアに存在する。プローブが本当に末端の G strand
に付いているのか否かを確認するために、一本鎖だけを特異的に消化する mung bean nuclease
で処理した後にも、ハイブリを行ってみた。 1
2002/02/07 廣田忠雄 形との報告が多いが、誕生直後の減少が早いとの報告例もある。 Figure 2 Time spent courting live
females in 10-min trials with 95%
confidence intervals. Red,
comparisons between sympatric
populations; black, comparisons
between allopatric populations; blue,
comparisons between males and
females of the same genotype. MP, H.
melpomene (Panama); CP, H. cydno
(Panama); MG, H. melpomene
(Guiana). Reproductive isolation caused by colour pattern mimicry
Jiggins CD et al. (2001) Nature 411: 302‐305 ・アマゾンに生息するドクチョウの擬態は、自然淘汰による種分化の好例である。種間交雑によっ
て擬態模様がくずれると、擬態としての役を為さないし、擬態模様が配偶者認識に使われていれ
ば繁殖成績も落ちるので、雑種は適応度が低いと考えられる。その為、擬態によって交尾前隔離
も交尾後隔離も生じうる。 ・本報では、ミュラー型擬態でこのドクチョウ(Heliconius 属)をもちいて、配偶者選択を調査した。
ドクチョウでは、非常に近縁な種間でも擬態模様が異なり、適応放散が生じていると考えられて
メスに対する選択実験
※ドクチョウでは、メスの羽化
直後に交尾がおこり、メスは拒
否することが出来ないので、同
類交配はオスの選択に起因する
と考えられる。 いる。H. melpomene と H. cydno は中央アメリカからアンデスの丘陵地にかけて同所的に存在する
が、擬態模様や生息地の利用形態が異なる(Fig.1)。両種間では、野外でも交雑・戻し交配がおき
ている。この際、雑種オスには稔性があるものの、雑種メスは不妊である。H. melpomene は黒・
赤・黄の H. erato と同じ模様をもち、H. cydno は黒・白の H. sapho と同じ模様をもっている。分
子系統樹による推定では、H. melpomene と H. cydno の分岐年代は 100 万年前であり、H. erato と
方
法
方
法
方法
交尾実験
H. sapho より最近分岐したと考えられる。したがって、H. melpomene と H. cydno が H. erato と H. sapho のミュラー型擬態を形成するように分化したと考えるのが自然である。 2つの種/個体群それぜれに、羽化したてのメス1匹とオス成虫を1匹を用意し、合
計4匹を 1×2×2 m のインセクタリゥムに放ち観察。最初の交尾のみ解析に用いた。オスは 1 度だ
け使用。 求愛時間の測定 羽化したてのメス1匹と、オス成虫 2‐3 匹をインセクタリゥムに放ち、10 分間
観察。交尾した場合、やさしく引き離して観察を続行。オスは 1 度だけ使用したが、メスは 3‐4
匹から無作為に選び用いた。 結
果
結
果
結果
・パナマで同所的に生息する個体群では、H. melpomene と H. cydno は全く交雑しなかった(Tables 1,2)。また、オスの求愛時間も同種個体に対しての方が長かった(Fig.2)。 ※しかし、異種のみを提示した前の実験では、交雑は生じた。 ・H. cydno がいない仏領ギアナの H. melpomene のオスは、H. cydno に対してパナマ個体群の 20
倍も長く求愛した(Fig.2)。実際に生じた交雑も、仏領ギアナのオスの方がパナマのオスよりも多
かった(G1=3.78. p=0.06; Table 2)。 ・仏領ギアナの H. melpomene は、同種のパナマ個体群に対しても同等の求愛時間を示したが、パ
Figure 1 Heliconius melpomene melpomene (left, French Guiana), H. melpomene rosina (centre, Panama),
H. cydno chioneus (right, Panama) are shown together with co-mimics (below) H. erato hydara, H. erato cf.
petiveranus and H. sapho sapho respectively. Molecular phylogenies (enclosing butterflies) show that the two
races of H. melpomene and H. cydno form an unresolved trichotomy. Mitochondrial sequences suggest
H. melpomene is paraphyletic with respect to H. cydno, whereas unpublished sequences from nuclear loci
show reticulate or mutually monophyletic relationships between the two species (V. Bull and M. Beltrán,
personal communication). Divergence between mitochondrial sequences of H. erato and H. sapho is almost
three times that between H. melpomene and H. cydno (percentage distance across 940 base pairs of the COI,
leu-tRNA and COII genes), suggesting that H. melpomene and H. cydno diverged to mimic H. erato and H.
sapho rather than vice versa. mtDNA, mitochondrial DNA. COI, Cytochrome oxidase I; COII, cytochrome
oxidase II.
ナマの H. melpomene は求愛時間を大きく減少させていた(Fig.2)。両個体群間で交雑が起きた場合、
オスは必ず仏領ギアナの者だった(Table 1)。 Table 1 交尾実験の結果
パナマで同所的にいる個体群
♀\♂ H. melpomene H. cydno
H. melpomene 14 0 H. cydno 0 11
パナマと仏領ギアナに異所的に生息する個体群
2
2002/02/07 廣田忠雄 ♀\♂ H. m (パナマ)H. m (ギアナ)
H. m (パナマ) 9.5 4 H. m (ギアナ) 0 13.5
♀\♂ H. m (ギアナ)H. c (パナマ)
H. m (ギアナ) 14.5 0 H. c (パナマ) 3 12.5
Table 2 各個体群間の相対的な交尾頻度
♀\♂ H. m (パナマ)H. c (パナマ) H. m (ギアナ)
H. m (パナマ) 1 0 (0‐0.167) 0.348 (0.099‐0.921) H. c (パナマ) 0 (0‐0.167) 1 0.222 (0.051‐0.641) H. m (ギアナ) 0 (0‐0.182) 0 (0‐0.154) [1]
※交尾頻度は、H. m (ギアナ)×H. m (ギアナ)を基準として算出。
( )内は信頼限界。
Figure 3 Relative probabilities of male
approach and courtship of colour pattern
models. Comparisons between Panama
populations (sympatry) (a) and with the
Guiana population (allopatry) (b). Values are
estimated relative to within-race controls
(equal to 1 in each case). Paired data points
for experiments using real wings (left) and
coloured paper models (right) are shown for
each comparison. Values of QA (approach)
and QH (hovering courtship) were estimated
with support limits under the ten-parameter
model. Setting real wing and paper model
parameters equal gives no significant
reduction of fit (G5 = 3.70). モ デ ル に 対 す る 選 択 実 験 (Fig.3)
方
法
方
法
方法
・2×2×2 m のインセクタリゥムに 5‐15 匹のオスを放ち、メスの翅かモデルを提示した。翅もモデ
ルも、ドクチョウの飛翔を模して動かした。モデルの周辺 30cm に竹で作った枠をおいた。 ・5 分を 1 試行とし、オスと同じ模様を用いた対照実験と、異なるモデルを用いた実験を、無作
為に繰り返した。オスが竹の枠に侵入したら「接近」とし、その枠の中で静止飛翔をしたら「求
愛」と記録した。いずれの翅/モデルとも 10 試行以上行った。 結
果
結
果
結果
可能性も否定できない。 ・H. melpomene のパナマ個体群のオスは、同所的に生息する H. cydno のメスの模様に対して、同
種の半分しか接近せず、求愛にいたっては殆ど行わなかった。 強化説[英 reinforcement hypothesis]:生殖的隔離の強化を種分化の重要な一過程であるとする
説。T.ドブジャンスキー(1937)の提唱。地理的隔離を受けて遺伝的分化を起こした2集団が、隔
離要因の消失によって再び分布を接するようになったとき、相互の生殖的隔離(機構)が十分に分
化していなければ交雑して適応度の低い雑種個体を産出すると考えられる。このような状態では
配偶者の識別を行い同類交配を促進するような突然変異は適応度が高いので集団中に広まり、こ
の過程で交配前隔離(機構)の強化(reinforcement)が起こる可能性がある。これが種分化に大きく
関与するという。しかし、この仮説から導かれる一予測である、生殖的隔離に役立つ形質の近縁
の2種間の差 が異所的な集 団間でよりも 同所的な集団 間で大きいと いう生殖的形 質置換
(reproductive character displacement)は、これまでごくわずかな例しか知られていない。またそ
の後の理論的検討からも、同所的集団で生殖的隔離の強化が起こることは稀と結論されている。 ・H. cydno のパナマ個体群のオスの場合、同所的に生息する H. melpomene の模様に対する求愛の
頻度は同種の 1/3 しかなかったが、接近は同種に対する頻度と変わらなかった。 ※ドクチョウが一般的に赤い花を好むためかもしれない。 ・H. melpomene の仏領ギアナ個体群の場合、H. cydno に対する接近・求愛は、パナマ個体群より
も高頻度だった(G1=8.02. p<0.l01)。 ・翅を用いた場合と、紙モデルを用いた場合で、接近・交尾頻度に有意な差がみられなかったの
で、オスの配偶者選択は視覚によって行われていると言っていい。一方で生のメスを用いた実験
では、H. melpomene の2つ個体群間で同類交配がみられたが、翅やモデルを用いた実験では識別
されていないようだった。 ※視覚以外の要因が関与しているかもしれない。 ・今回の結果から、擬態模様は配偶者選択にも用いられているばかりか、種分化にも重要である
ことが分かった。雑種が生じることからも H. melpomene と H. cydno の交尾後隔離は不十分であ
り、同類交配による交尾前隔離が種分化を進行させていると言える。雑種がもつ中間的な模様は、
警告模様として認識されないことは確認されており、分断性淘汰は強く働いているようである。 考察
・H. cydno と同所的に生息している H. melpomene パナマ個体群の方が、仏領ギアナ個体群よりも
・他のドクチョウでは、種内でも模様の多型性は非常に高い。したがって、擬態模様の変化が種
選択的であることは、
“強化説”と矛盾しない。しかし、H. sapho に対して生じた形質置換である
3
2002/02/07 廣田忠雄 的分化がおきている複数の集団を1つの個体群として評価してしまうので、個体群内の変異が大
きくなるためだと思われる。 分化に至る現象はそれほど頻繁ではないのかもしれない。しかし、H. melpomene と H. cydno のよ
うに模様が劇的に変化した場合には、配偶者認識も共進化するようである。加えて、両種は生息
地も多少分化している。H. melpomene は模様の同じ H. erato と同様、主に2次林かギャップに、
・Cumbria (N=31)と Tyne Valley (N=30) の個体群のサンプルを用い、10 年ごとにデータをプー
H. cydno は H.sapho と同じく主に1次林に生息している。このように、擬態模様と生息地利用に
ズレが生じたため、同類交配が有利になり、“強化”が生じたのであろう。同類交配が、生態の
分化の副産物として生じた例は、他にミバエ・トゲウオなどでも知られている。 ルし、1960‐2000 年の変化を調べた。 地域 Impact of Landscape Management on the Genetic
Structure of Red Squirrel Populations
FST P Tyne Valley ‐0.015 0.728 Cumbria 0.148 < 0.0001 Cumbria では、特に 1980 年の前後で遺伝構成の変化が大きく、1980 年以前(N=9)と以後(N=21)
に群分けすると、FST が 0.170 と大きくなった。 Hale ML et al. (2001) Science 293: 2246‐2248 ・生息地の分断化は、個体群の遺伝的多様性を低下させ、絶滅リスクを増加させる。だが、分断
・各個体群間の Pairwise FST と根井の標準遺伝距離(DS)を用い、個体群の分子系統樹を作成した
化が進んでも生息地間の交流が保たれていれば、断片化した生息地も大きな 1 つの生息地として
(Fig.1)。その結果、北部・東部・西部の 3 地域がクラスター化された。地域間の変異も考慮した
機能しうる(stepping‐stone patch)。 AMOVA を行うと、 ・キタリス(英名 Red squirrels, 学名 Sciurus vulgaris)の個体群も様々な地域で減少しているが、
イングランド北部と Scottish Border では生息地の分断化が進んでいるものの、個体群密度は高い。
そこで生息地間にどの程度交流が保たれているか検証するため、各生息地で遺伝的構成を調べ、
地理的距離との相関を検証した。 変異の要因 地域間 地域内の個体群間 地域内の個体群内の個体間 FST =0.215 FCT =0.165 FSC =0.059 P < 0.0001 < 0.0001 < 0.0001 ・Genotype Assignment test によっても、3地域間の分化を調べた(Fig.2)。この検定では、各個
体の遺伝子型がそれぞれの地域に属する尤度を計算し、各個体が本来属していた個体群に割り当
てられる頻度が有意に多いか、ならべかえ検定で確かめる。 ・また、これらの地域では過去 20 年の植林(Kielder forest)によって、生息地の断片化が解消され
た。その効果を検証するため、過去に採取されたサンプルを Hancok Museum と Tullie House
から入手した。 地域 南部 東部 西部 方法
・102 個体の皮膚サンプルを使用。 ・4 種のマイクロサテライト領域を調査(Scv3, 8, 9, 10)。 頻度 24/37 34/42 12/13 P 0.001 < 0.001 < 0.001 この際、Cumbria の個体群では 1980 年以前は西部に属していたが(8/9)、1980 年以降は南部に属
・1.5, 2.0, 2.5, 3.0 km 間隔で個体群を分けた場合の遺伝構成を解析。この時、1.5km 未満の距離
していた(16/21)。 を設定すると個体群サイズが小さくなりすぎ、3.5 km 以上の距離を設定すると全個体が1つの個
体群に入ってしまう。 ・Kielder forest の植林は 1920 年に始まったが、生息地の空白を埋めるほど拡大されたのは
た。計算には ARLEQUIN を用いた。 1950‐60 年代だった。しかし、実際に Cumbria の遺伝構成が変化するには、更に 20‐30 年を要し
た。その原因は、樹木が生長してキタリスに適した環境を与えるのに、時間が必要であったため
と思われる。 結果と考察
・Kielder forest を通じての遺伝子交流が、南部から Cumbria への方向に偏っていたのは、Cumbria
・個体群間の遺伝的分化は、FST(全体の遺伝的変異に占める、個体群間の変異の割合)を指標とし
・いずれの距離でも、有意な遺伝的分化が検出された。 距離 1.5 km 2.0 2.5 3.0 FST 0.161 0.146 0.141 0.063 に比べ Kielder forest の方が個体群密度は低いものの、面積が広く絶対的な個体数が多かったた
めと思われる。 P < 0.0001 < 0.0001 < 0.0001 0.027 ・Kielder forest の存在によって、Cumbria の平均ヘテロ接合度は 0.333 から 0.488 に増加した。
しかし本種では、parapox virus によって個体群が絶滅した例が知られているので、個体群の再
結合が病気の蔓延をかえって早めてしまう可能性も否定できない。 地理的距離が近いほど、FST が大きくなる傾向があった。この結果は、本種の分散最大距離が 1.5km
以下であることを示唆する。個体群間の距離を長くすると FST が大きくなるのは、実際には遺伝
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