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4.育苗箱全量施肥技術

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4.育苗箱全量施肥技術
4.育苗箱全量施肥技術
1)技術の特徴
育苗箱全 量施肥は 、ある 一定期間 窒素の溶 出が極端 に小さい タイプの 被覆尿素を用
い て、本田 の施肥窒 素分の全 量をあ らかじめ 育苗箱内 に施肥し ておき、 苗と共に本田
に 持ち込む 施肥法で ある。こ れまで の施肥法 と大きく 異なるの は、被覆 尿素の場合に
は 、窒素成 分の溶出 か穏やか であり 、作物と 接触させ ても濃度 障害が生 じないため、
種子と肥料を直接接触させて施肥できる。
育苗期間 の窒素の 溶出が 極少であ り、本田 に移植し てから生 育後期ま で、水稲の生
育 パターン に沿って 溶出か持 続する 被覆尿素 を用いる ため、苗 の濃度障 害や徒長はな
く 、ほぼ良 好な苗の 確保がで きると ともに、 本田にお ける施肥 (元肥お よび追肥)が
省略される。
また、移 植時に土 中に、 しかも水 稲の根部 に施肥さ れるため に肥効は 高く、水稲に
対 する窒素 の施用量 は通常の 栽培に 比べて2 割から4 割%以上 節減する ことかできる
とともに、肥料の流亡も少なく環境に優しい技術である。
2)技術の具体的方法
(1)本施肥法 には、窒 素含有率 が40%であり 、施肥 後地温25℃に おける最初の約30日は
溶出 がきわめ て小さく 、その後 の急激に 溶出す る特性を 持つ肥効 調節型の被覆尿素
肥料を用いる。
(2)作付する 品種と育 苗日数、 10a 当たりの 使用箱 数により 、箱当た りの窒素量・被覆
尿素量を決定する。
(3)山土を用 いる場合 は、床土 準備の 時に必要 量を山土 や焼き籾 殻と混合 し準備する。
(4)播種や覆 土は、育 苗管理は 慣行に 準ずるが 、過度の 灌水は避 け、温度 管理にも注意
する。
3)技術上の留意点
(1)被覆尿素 の箱当た りの施肥 量は、 本田に持 ち込む窒 素量と使 用する箱 数により決め
るがやや少な目に設定し、当年度の天候によっては調整できるようにする。
(2)肥効 の発現は 温度の影 響が大き く、初期 生育が やや遅れ 肥効が後 効きする場合もあ
る。 特に低温 年は肥効 の遅延が 大きく、 穂数不 足や登熟 阻害、玄 米蛋白含量の増加
による食味低下が見られる事があるので施肥量に注意する。
(3)最高分げつ期頃より肥効の発現がみられ 、年次によっては過繁茂や受光体勢の悪化 、
いも ち病や紋 枯病、コ ブノメイ ガ等の発 生が助 長される 場合があ り、病害虫の発生
には特に注意し、的確に防除する。
(4)被覆尿素に燐酸やカリ成分は含まれないので、必要量は別途元肥時に施用する。
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