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結腸癌を伴った播種性糞線虫症の 1例

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結腸癌を伴った播種性糞線虫症の 1例
日消外会誌 24(9)i2476∼
2480,1991年
結腸癌を伴 った播種性糞線虫症 の 1例
大田
城間
喜名 盛 夫
寛
治
金 城
古
治
謝 景 春
大 嶺
靖 昭
琉球大学第 2 外 科
大田 守 雄
草 場
今回, わ れわれ は横行結腸癌 を伴 った播種性 糞線虫症 の 1 例 を経験 した。症例 は6 9 歳女性 , 主 訴 は
腹部膨満感 お よび腹痛. 術 前 の注腸造影 で, 右 側横行結腸癌 を疑われた. 入 院直後 よ り咳嗽 が続 くた
め喀疾検査 を施行 した。喀疾細胞診で糞線虫の フ ィラ リア型幼虫 お よび ラブジチス型幼虫 を多数検 出
した。 また, 喀 疾細菌培養検査 では グ ラム陰性禅菌 ( E . C o l i ) が検 出 された。播種 性糞線虫症 と診断
し, 内 視鏡 にて十 二 指腸下行脚 よ り生検 を施行 , 十 二 指腸粘膜 の腺細胞 お よび腺腔 内に多数 の虫体 を
認 めた 。t h i a b e n d a z o l e の
内服を術前 よ り開始 し, 手 術 は横行結揚部分切除術 お よび人工 肛 門造設術 を
施行 した. 術 後 も t h i a b e n d a z o l e に
よる治療 を引 き続 き行 い, 肺 炎 は軽快 した。現在 で は流行地 以外 で
も糞線虫症 に遭遇す る可能性 が あ り本症 に留意す る必要 が あ る。
Key words:
strongyloidiasis, thiabendazole, colon cancer
は じめ に
糞線虫症 (strOngyloidiasis)は
熱帯,亜 熱帯地域 に
広 く分布 し,本 邦 では九 州南部,奄 美大 島,特 に沖縄
県 では依 然 として 高率 に認 め られ る ヒ トを宿主 とす る
).糞 線虫症 は軽症 の場合 にはほ とん
寄生虫症 で あ る1ン
どが無症状 に経過す ることが多 く,人 体 内 に長期 間寄
生す る.重 症化 は慢性消耗性疾患,癌 ,悪 性 リンパ腫,
され ない. 右 上 腹部 に手舎大 の可動性 良好 な腫瘤 を触
知 した.
入院時検査成績 : 軽 度 の貧血 , 低賓 白血 症 を認めた。
c , r e a c t i v e p r O t e i n ( C R P ) 定量 で8 , 2 m g / d l , A d u l t
T , c e l l L e u k e m i a A n t i g e n ( A T L A ) 抗 体陽性 ( 抗体
価3 2 0 倍
) で あ った 。 腫 瘍 マ ー カ ー は c a r c i n o e m ,
b r y o n i c a n t i g e n ( C E A ) 3 . 3 n g / m l 軽度上昇
と
してい
自血 病,腎 不全 な どの基 礎疾患 が あ る場合 が多 く,ま
たが, 体 fetOprotein (AFP), carbohydrate antigen
た 宿 主 抵 抗 力 の 減 弱 が 誘 因 と な る とい わ れ て い
るゆつ。今 回われわれ は結腸癌 を伴 った播種 性糞線虫症
ま, Su―polysaccharide(SU,PS)陰
で“
の 1例 を経験 した ので報告す る。
p r o t e i n d e r i v a t i v e o f t u b e r c性u で
l iあn り
( P, P D ) 陰
19‐
9 ( C A 1 9 - 9 ) は 正常範 囲内であ った。免疫学 的検査
性, purined―
症 例
患者 !69歳,女 性.
主訴 :腹 部膨満感,上 腹部痛,
家族歴 i特 記す べ き こ とな し.
よ び concanavalin‐
A
phytohemagglutin(PHA)お
A)は
い
(CON‐
ずれ も低値 を示 した (Table l),喀 疾
既往歴 i39歳,肺 結核.42歳 ,糞 線虫症 で治療 を受
E.coliが検 出 された。便検査 お よび尿検査 で も糞線虫
けた。
現病歴 i平 成元年 12月上 旬 よ り下痢 ,腹 部膨満感,
腹痛 出現.同 年 12月19日上 記症状持続す るため近 医入
院.注 腸造影検査 にて横行結 腸癌 を疑われた。平成 2
年 1月 5日 精査 お よび手術 目的 にて 当科入院.
現症 :身 長 144cm,体 重44kg,体 格やや小,栄 養中
等度,軽 度 の貧 血 を認 め るが黄痘 はない。肝陣 は触知
<1991年 4月 17日受理>別 刷請求先 1大 田 守 雄
〒903-01 沖縄 県西原 町字上原207 琉 球 大学 医学部
第 2外 科
細胞 診 で 糞線虫 の フ ィラ リア型幼虫 お よび ラブジチス
型幼虫 が 多数検 出 され (Fig.1),喀 疾細菌培養検査 で
が検 出 された.
胸 部 X線 写 真 i両 肺尖 部 に 陳 旧性 の肺 結 核 陰影 な
らびに両側性肺 炎像 を認めた (Fig.2左 ).
腹 部 単純 X線 写 真 !立 位 で Neveau像 お よび ガ ス
像 を認 めた (Fig。2右 ).
注腸造影 !右 側横行結腸 に Apple core signを認 め
た (Fig.3).
上部 消化管 内視鏡検査 :十 二 指腸球部 の粘膜面 は浮
腫,び らん状 を呈 し,粘 液 の付着 が著 明であ った 。十
二 指腸下行脚 の触襲 は肥厚 し,か つ 乱れ,大 部 分 は浮
1991年9月
169(2477)
Table l
(1)CBC
WBC
LaboratOry data on ad■
lission
(3)Serology
5,400/mm3
RBC 347× 104/mm3
107g/di
312%
Hb
Ht
PLT 383x104/mm3
Eo
2%
Stab
55%
Seg
18%
(2)Biood chemistry
TP
59g/dl
ALB
TB
COT
CPT
LDH
Na
K
Cl
26g/dl
06 mg/dl
221U/L
181U/L
808 1U/L
130 mEq/L
43 mEq/L
96 mEq/L
HBsAg
(―
)
HBsAb
(―
)
Wasserman (―
CRP
)
820 mg/dl
Anti―
ATLA x 320
Fig. 2 Preoperative chest roentogenogram shows
scar lesions due to tuberculosis in the bilateral
apical areas and multiloculated nodular lesions
due to infection in the bilateral lungs (left).
Preoperative roentogenogram of the abdomen
revealed remarkable dilatation of the small intestine with niveau (right).
(4)Immunochemistry
lgG
1709 mg/dl
lgA
344 mg/dl
lgM
l12 mg/dl
lgE
43 mg/di
SU―PS
(一
)
PPD
PHA
14641 CPM
CON― A17799 CPM
(5)Tumor marker
CEA
33 ng/ml
AFP
2 9ng/ml
CA-19-9 358U/ml
Fig. 3 Barium enema shows an apple core sign on
the right side of the transverse colon.
Fig. 1 A filariaform larva (upper) and rhabditisform larva (lower) of Strongyloidiasis stercoralis detectedin the sputum (H.E. x160).
赫
車
B o r r m a n n 2 型の病変 を認めた ( F i g . 6 ) 。以上 の術前
検査所見 よ り結腸癌 を伴 った播種性糞線虫症 と診断 し
た。 入院直後 よ リグ ラ ム陰性浮菌性 の肺炎, イ レ ウス
症状, お よび低蛋 白血 症 な どが増悪 し, 全 身状態不 良
とな った 。術 前 よ りt h i a b e n d a z o l e を
2,Og/日 (3日
間) , 3 . O g / 日 ( 3 日 間) , 合 計 1 5 g 使 用 した。 同時 に肺
腫状 にな っていた ( F 七. 4 ) 。 同部位 よ り生検 を施行 し
炎治療 目的で抗生 剤 を併用 した, 一 期的手術 は危険 と
た. 十 二 指腸粘膜 の腺細胞 お よび腺腔 内に多数 の糞線
判断 し, 平 成 2 年 1 月 2 9 日に脊髄麻酔 に よる横行結腸
虫 の虫体 を認めた ( 酎せ. 5 ) .
部分切除 と人工肛 門造設術 を施行 した。
下 部 消化 管 内視鏡 検 査 : 右 側 横 行 結 腸 に全 周 性 の
手術所 見 : 横 行結腸 の肝弯 曲部 寄 りに径5 ×4 c m の
170(2478)
結陽癌 を伴 った播種性糞線虫症の 1例
日消外 会誌 2 4 巻
9号
Fig. 6 Colonofiberscopic IIndings of the trans‐
verse colon. A tumor of Borrmann 2 type is
demonstrated.
Fig. 5 Many parasites (arrow) are seen in the
glandular cysts and intercellular spaces of the
duodenalmucosa (H.E. x50).
Fig. 7 Macroscopic view of the abdominal
organs.The colon and small intestinesoral to the
mass (arrow) of the transversecolon are evidently dilated. Numerous disseminatedlesions are
seen on the colon and the greater omentum.
一
一
一
F
一一
一
Fig. 4 Endoscopic finding of the descending portion of the duodenum. Edematous and erosive
changesof the mucosa were evident.
Fig. 8 The findings of mucinous carcinoma is
demonstrated in a microscopic examination of
the resectedspecimentaken from the mass of the
transversecolon (H.E. x100).
腫瘍 を認 めた。腫瘍 の 口側 の腸管 は著 明 に拡張 してい
た。腹水 は認 め られ なか ったが,小 腸,結 腸 の漿膜 面,
大 網 お よび腸 間膜 に 無 数 の癌 性 腹膜 播 種 が 認 め られ
た,肉 眼的 には S2,N2,P3,HOで
,Stage V的と判 断
した (Fig.7).横 行結腸 の部 分切除術 を施行 し,日 側,
1991年9月
171(2479)
肛門側にそれぞれ人工肛 門を造設 した。 また,経 鼻的
にイ レウスチ ューブを十二指腸下行脚 に留置 し,術 後
の 糞線 虫 治療 に そ な えた。組 織 学 的 に は mucinous
carcinomaであった (I「
i g.8).
術後経過 :イ レウスチ ューブよ り糞線虫治療 目的で
て 内視鏡 を用 いた十 二 指腸粘膜生検 に よる糞線虫幼虫
の証 明 が納 ら1め
に よって報告 され ,現 在 では糞線 虫症
の有効 な確定診断の一 手段 とな って い る。 われわれの
症例 で も内視鏡的十 二 指腸粘膜生検 に よ り糞線虫 の虫
体 を認め ,診 断 に有用 で あ った 。重症化す る と略疾 ,
thiabendazole l.Ogを
1日 3回 注入 した。術後 5日 目
には十二指腸液,喀 痰,便 に糞線虫を認 め な くなった。
検尿,胸 水,腹 水,髄 液,胆 汁 な どか ら虫体 が検 出 さ
以後,thiabёndazole 3.Og/日で 内服 を続 けたが,め ま
い,肝障害 な どの副作用 が 出現 したため一 時中止 した。
る と E.Coliや Klebsiellaなどの グ ラ ム陰性禅 菌 に よ
術後 19日 目に退院 したが,術 後 4か 月 日に結腸癌 の全
身転移 に よ り死亡 した。
考
れ る こ とがあ る。 いわ ゆ る播種性糞線虫症 の状態 にな
る敗血症や 肺炎 な どが惹起 され,糞 線虫 に対す る治療
だ けで な く,グ ラム陰性禅菌や栄養障害 な どにた いす
る強力 な治療 お よび全 身管理 が必要 にな って くる.わ
れわれの症例 では喀疾検査 で フ ィラ リア型 だ けで な く
察
最近 では交通機 関 の発達 な どに よ り流行地以外 で も
糞 線 虫症 の 報 告 が 散 見 され る よ うに な り。つあ らゆ る
ラブジチス型幼虫 も認 めた こ とに よ り肺 内へ の異所寄
生 が考 え られた (Fig。1)。結腸癌 を伴 った播種 性糞線
地域 において,慢 性 の消化器症状 を示す症例 で は,常
に本症 を念頭 にお く必要 が あ る。城 間 らゆに よれば,糞
虫症 と診 断 し,術 前 よ りthiabendazoleによる治 療 を
線虫症 は20歳代 か ら60歳代 までの 男性 に多 い とされて
合併 した 糞線虫症 に対 しては術前 か ら十 分 な駆 虫 を行
い る。症状 は消化器系 の症状 が 多 く,下 痢 あ るいは軟
便,る いそ う,嘔 吐,腹 鳴,麻 痺 性 イ レ ウス,上 腹部
開始 し,術 後 も引 き続 き治療 を施行 した。悪性腫瘍 に
を主 とす る腹痛 ,下 肢疼痛 な どで あ る。重症化 す る と
い,手 術 に臨むべ きで あ る.糞 線虫症 は軽症 の場合 は
ほ とん どが無症状 に経過す ることが多 いが,癌 lり
,悪性
リンパ腫 19,自 血病り,腎 不全 1。
な
,蛋 白漏 出性腸症 1つ
食欲不振,全 身俗怠感,浮 腫,貧 血 ,心 摩元進 な どの
症状 が 出現 し対症療法 では改善 され な い。
どの基 礎疾患 が あ る場合 に重症化す るこ とが多 い とい
われてい る。内科的治療 が優先す るが,消化管 出血 Iゆ
や
臨床検査所見で は,貧 血 ,低 蛋 白血 症,低 コ レス テ
ロール血 症,自 血 球増 多 な どがみ られ る。仲 田 らのは
ATL(成 人 T細 胞 白血 病)に つ いて,糞 線虫保有者 の
ATLA抗 体 陽性率 は60%(男 女 ともに一 般健康 人 の 2
イ レウスい)などを来 し,外 科的緊急処置 が な され て し
∼ 3倍 )で あ り,Tリ
ンパ球 サ ブセ ッ トの検査 では,
ま うこ とも少 な くな い。
一般的治療 としては,thiabendazoleを1回 25∼50
mg/kgの 3日 間違用を 1ク ール とし,数 クール繰 り返
す方法 がある。糞線虫症 の完全治癒 は困難 で,再 発 が
糞線虫症 の重症度 の高 い集 団で は,OKT4+,OKT4■
/
OKT8tの 比率 が高 い と報告 してい る。われわれの症例
多 く,治 療 は患者 の全身状態 および副作用 の発現 に注
意 し,長 期間 の反復投与 が必要である。われわれの症
で は ATL抗
例 では術前 よ り糞線虫症を診断 しえたので,術 前 よ り
駆虫を開始 し,基 礎疾患 の治療 に臨む ことがで きた。
文 献
1)城 間祥行 :沖紐における糞線虫症の研究.お 茶の
水医誌 7:1501-1506,1959
2)政 真哉 :糞線虫 に関する研究.鹿 児島大医誌
体 陽 性 で ATL抗
が,OKT4t,OKT4■
体 価 は320倍 で あ った
/OKT8tの 比率 は正常であ った。
消化管 X線 所見 は,十 二 指腸,空 腸 の著 明な炎症,
浮腫 に よる狭 窄 また は麻痺性 イ レウス に よる上 部消化
管 の拡張 と腸管 粘膜 ひだの肥厚,壁 硬直 な どで, し ば
しば腸 管 は鉛管状 を呈す る1の
.十 二 指腸第 3部 の狭 窄
に よる十二 指腸 内圧元進 と,乳 頭炎 に よる乳頭粘膜 の
硬化 に よって乳頭閉鎖不全 を来すために総胆管,棒 管
へ の バ リウムの逆流 がみ られ る こ とが あ る11).
内視鏡検査 では十二 指腸 お よび空腸 に粘膜 の浮腫 ・
混濁,粘 液 の付着,び らん,出 血 ,潰 瘍形成,触 髪 の
消失,線 毛配列 の乱 れ ,血 管透見 な どがみ られ,近 接
観察 では線毛 の腫大,太 鼓 ばち様変化 が み られ,全 体
として粗 線毛 の外観 を呈す る といわれ て い る121。
ゎれ
われの症例 で も同様 の所見 を認 めた.1973年 には じめ
12 t 726--747, 1960
3)Scowden EB,SchaFfnerヽ
V,StOneヽ VJ: OVer_
whellning stronglyloidiasis. Medicine 57 1
527--544, 1978
4)Schumaker JD,Band JD,Lensmeyer GL et ali
Thiabendazole treatment of severe stron‐
gyloidiasis in a hemodialyzed patient Ann lnt
Med 89:644--655, 1978
5)大 腸癌研究会編 :大 腸癌取扱 い規約.改訂 4版 ,金
原 出版,東 京,1985
6)長 谷川博 t糞 線虫 の全身感染 に基 因す る と思われ
172(2480)
結腸癌 を伴 った播種性糞線虫症の 1例
日消外会議 24巻
9号
る上 腸 間 膜 動 脈 性 十 二 指 腸 閉 塞 の 1 例 . 医 療
26 i 53--58, 1962
7 ) 加 藤義昭, 一柳 貢 , 佐野峯雄 : 糞 線虫症 に よる蜜
1 4 ) 出 下俊 一 , 永 田 剛 , 古林正夫 ほか : 胃癌 に合併 し
た 無 症 候 性 糞 線 虫 症 の 1 例. 熱 帯 医 2 4 :
209--217, 1982
白喪失性腸症 の 1 例 . 胃 と腸 5 : 4 9 - 5 4 , 1 9 7 0
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15)Rogers WA,Nelson B: Strongyloldiasis and
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azoleが著効 を示 した慢性血 液透析患者 の 糞線虫
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17)奥 田邦雄,川 口元也,中村善啓 ほか :糞 線虫症 の 1
剖検例,こ とにその タンパ ク漏 出機序 につ いて.内
10)松 山正也,山城宗亮,山内昌和 :糞 線虫症 一 そ の消
化管 X線 像 につ いて一。臨放線 16:835-842,
1971
1 1 ) 松 永圭一 郎, 別府良彦, 今村和之 ほか i V a t e r 氏
乳
頭不全症を合併 した重症糞線虫症 の 2 例 . 臨 と研
52 :2088--2093, 1975
12)河 北 誠 ,城間祥行,上塚俊逸 ほか :重 症糞線虫症
の 内 視 鏡 的 観 察. C a s t r o e n t e r o l E n d o s c
43--49, 1973
13)納 利 一 ,山 口淳正,堀 雅 英 ほか :内 視鏡的十二
指腸粘膜生検 に よる糞線虫幼虫 の証明.医 の あゆ
夕
共 84: 198--199, 1973
Malignant Lymphoma JAMA 195:685-687,
手
斗 24! 963--968, 1969
18)Dellacona S,Spter N,Wessely Z et ali Mas‐
sive colonic hemo町hage Secondary to infection
with StrOngyloldes stercoralis NY State J Med
1 5 : 84: 397--399, 1984
19)島 山俊夫,香月武人,野崎藤子 ほか :十二 指腸乳頭
閉鎖不全を伴 ってイ レウス症状 を呈 した重症 糞線
虫症 の 1治 験例。 日消病会 議 77,1963-1967,
1980.
A Disseminated Strongyloidiasis Associated with Colon Cancer -A
Case Report-
MorioOhta,OsamuOhta,OsamuKinjo, YasushiOhmine,HiroshiShiroma,
MorioKina, KageharuKojaandAkira Kusaba
The SecondDepartmentof Surgery,Faculty of Medicine,University of the Ryukyus
Wepresenta caseof disseminated
Strongyloides
stercoralisinfectionassociated
by coloncancer.A 69-year-old
womanwas admittedto the RyukyuUniversityHospitalbecause
of abdominaldistentionwith painand
Japanese
productivecough.A largetumor was foundnearthe hepaticflexureof the transversecolonby bariumenemaand
endoscopic
examination.Numerousfilariform as well as rhaMitiform larvaeof stercoralisweredetectedin the
sputum.Cultureof the sputumyieldedEscherichiacoli.Endoscopic
biopsyof the mucosallayerof the duodenum
revealedtypical larvae of stercorails. The patient was treated by oral administration of thiabendazole(2-3
mglday)for 6 daysbeforesurgery,and underwentpartial resectionof the transversecolonand colostomy.The
microscopicdiagnosisof the resectedspecimenwas mucinouscarcinoma.Administrationof thiabendazole
was
continuedthrougha nasogastric
tubepostoperatively
andthe productivecoughwasgreatlyalleviated.Coexistence
in patientswith chronicabdominaldistresssymptomsdeserves
of stronglyoidiasis
moreattention.
Reprint requests: Morio Ohta The SecondDepartmentof Surgery,Faculty of Medicine,Universityof the
Ryukyus
207Uehara,Nishihara,Okinawa,903-01,
JAPAN
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