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日本産水生ミミズ類ユリミミズ属(イトミミズ科)の分
類について
大高, 明史
弘前大学教育学部紀要. 68, 1992, p.27-40
1992-10-30
http://hdl.handle.net/10129/551
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Text version
publisher
http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/
弘前大学教育学部紀要 第 6
8号 二27
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日本産水生 ミミズ類 ユ リミミズ属
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イ トミミズ科 ) の分類 につ いて
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ユ リミミズ属 (
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) は,水生 のグループであるイ トミミズ科 (
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) に属
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す る ミミズ綱 (
とい う柔 らかい内部形態 を使 うために注意深 い解剖学的観察が必要 とな り, したが って属の決
定が困難 な場合が多 い。 しか し,ユ リミミズ属で は雄性管末端 の陰茎の まわ りに他 の属 には見
られないほ ど厚 く観察 しやすいキチン質 のさや (
陰茎鞘) を持 つために,成熟個体が得 られる
限 り, イ トミミズ科 として は例外的に属の識別が容易である。 しか しその反面,種 の鑑別 に利
用で きる形質が少な く, さらにそれ らの変異が非常 に大 きい種 を含 む ことか ら,属内の分須体
系 は研究者間で必ず しも合意 を見ていない。
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0年以来水生 ミミズ類の分類 お よび生態 を扱 うなか
で, 日本産種 として さらに本属 に 2種 (
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) を認 めている。ユ リミミズ
属 は池沼や水 田,溝 な どにご く普通 に見 られ るとい う点で,同 じ くイ トミミズ科 に属す るイ ト
* 弘前大学教育学部自然科学科教室,〒036 弘前市文京町 1;DepartmentofNaturalScience,
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x)と並んで最 も目に触れ る機会の多い水生 ミミズ類 のひ とつであ り,湖沼の
ベ ン トス として量的 に重要なグループで もある
ここで は, 日本産 のユ リミミズ類 を同定す る
。
ことを念頭 において,形質 を扱 う上での問題点 を示 した うえで,各種 についてシノニムの整理
と形態的特徴や分布 を概説 し,検索表 を示 した。
2.分類形質
1
9
67
)に詳 しい説明がなされている。 Fi
gur
elにユ リミミ
ミミズ類 の体制 については山口 (
ズ属 の剛毛束 と生殖器官の配置 を模式的 に示 した。ユ リミミズ属 は,厚 いキチ ン質でで きた陰
茎鞠 を持 つ点や,輸精管膨隆部 の形が三 ケ月形 をしていて, その凹部側 中央 に短 く細 い柄 を介
して一個 の前立腺塊が付属 していること (
Fi
g.1B),第 2体節以降の各体節 の背腹 に一対ずつ
Fi
g.1
C)が二又型 の鈎状剛毛 だけか ら構成 されている とい う特徴 によって,
分布す る剛毛束 (
イ トミミズ科の他 の属か らはっ きりと区別 され る。 一方,未成熟個体 では生殖器官 を欠 くため
に, これ らの形質の うち剛毛 に関す る情報 しか得 られない。ユ リミミズが持つ ような二又形剛
毛 は, イ トミミズ科 はもち ろん,他 の科 に属す る水生 ミミズ類 に も広 く見 られ るために,未成
熟個体 でユ リミミズ属 を同定す るのは生殖器官以外 にユニー クな特徴 を持つ種が得 られた場合
を除いて は現在 の ところむずか しい。ユ リミミズ属 にお ける種 の分類形質 としては,剛毛 と陰
茎鞠 の形態が最 も重要である。 剛毛 に関 して は, その大 きさやひ とつの剛毛束 を構成す る剛毛
の本数,先端 の分岐 した上下歯の長 さや太 さの違 いな どが分類 に用い られ る。 また,陰茎鞠 に
ついて は全体 の形や開口部 の形 な どが重要である
。
この他,虫体や体節のプロポー ション,腸
の始 まる体節 の位置 も種 の鑑別 に利用で きる形質である
。
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Ⅱ
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Ⅵ
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日本産水生 ミミズ類 ユ リミミズ属 (
イ トミミズ科) の分類 について
陰茎鞠 と剛毛 について は, この両者が硬 いキチ ン質の構造であるため, カバーガラスで虫 を
押 しつぶ したプ レパ ラー トで容易 に観察す ることがで きる。生体 を使 ったその場限 りの観察で
あれば,封入液 は水で も十分 だが,保存で きるプレパ ラー トが必要な場合や固定標本 を使 う場
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これ らの封入剤 は軟質部 を とか して しまうために,硬 い部分以外 の観察がで きない とい う難点
はあるものの陰茎鞘や剛毛の観察 には適 している。未固定 あるい はアル コール固定 の標本 を使
うと軟化がすみやかである。 しか し, ホルマ リン固定標本 を用いた場合 には,上の封入剤 を使
って も虫体 の軟化があ まりお こらず押 しつぶ しが うま くいかない。 このため, ホルマ リン標本
の場合 は, アル コール シ リーズによる脱水後バルサムで封入す るほうが よい。 剛 毛や陰茎鞠 を
観察す るためのプ レパ ラー トを作 る際 には,長 い虫体 を全部 を封入す る必要 はない。陰茎鞠 は
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体節 の まわ りに乳 白
雄性孔が開 く第 3
8体節 にあ り,成熟個体で は第 X体節 か ら刃Ⅰまた は刃I
Fi
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。 また剛毛が種 の特徴 を最 もよ く示すの は環帯 よ りも前
色 に肥大 した環帯がある (
の体節である。 したが って, プレパ ラー トは環帯 を完全 に含 む前方部分 を封入すればよい。 こ
m以下である。
の部分 は大型 の個体 で も 1c
ミミズ類 は,筋化 の時点ですでに親 と同 じ形 をしているために,量的形質 の中には成長 に伴
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として,体 のサイズ (
ホルマ リン湿重量)の指標 としての第 ⅥⅠ
Ⅰ
体節の体幅 と,形態 を記載す る
際 にしば しば使 われ るい くつかの形質 との関係 を示 した。 これ らの形質 の うち,体長や体節数,
剛毛 の長 さや本数 は体 のサイズに相関 して変化す ることがわか る。 したが って,同定 にこの よ
うな形質 を用 いる際 には個体 の大 きさを考慮 に入れ る必要がある。 加 えて,剛毛束 を構成す る
剛毛本数や剛毛の大 きさ,末端 の歯 の長 さな どは,一個体 の うちで も体節 の位置 によって異 な
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いった形質 は体 のサイズ とは相関が認 め られず (
Tabl
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, したが って体 の大 きさを考慮せず
に使 える。 しか し,成熟個体 の うちで も受精嚢 内に精子束 を持 つ交尾後 まもない個体 に比 べて,
その他 のステージの もの は陰茎鞘 のサイズにば らつ きが大 き く,特 に しば しばその長 さが短 い場
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。 これ は,後者のステー ジの個体 の中に陰
合が あることが知 られている (
茎鞠 が形成途 中や退化途 中の個体 が含 まれているため と思われ る。 こうした形成が不完全 な陰
茎鞠 で はさらに,分類 に重要な開 口部 も未発達 のために種独 自の形 を とらない場合が多 い。 し
たが って,正確 な同定 には受精嚢 内 に精子束 を持 つ個体 (
交尾後個体) を使 う必要が ある。
3. 日本産種 の形態 と分布
日本産 のユ リミミズ属 6種 について, 日本産標本 の観察 に基 づいた形態 と,分布 ・生態 の概
要 を以下 に述 べ る。 シノニム リス トについて は原記載 と, 日本産種 に関係 す る もの を含 む重要
な ものだけに とどめた。人名 由来 の学名 にちなんだ和名がつ け られた種 の中 には,後 に先取権
によ り学名が入れ替 わ ったために和名 の由来が はっ きりしな くなった ものが あるが (ウイ リー
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) とモ トム ラユ リミミズ (
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に一般 的 となっていることか ら, これ らは残 した。形態 の記載 は,特 に ことわ りのない場合 は
成熟個体 に, また生殖器官 について は交尾後個体 の観察 に基づいてい る。剛毛や陰茎鞘 の計測
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Jami
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3
M,
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4
C,H,
8.
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Oht
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b,
p.1
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Fi
gs
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1
(
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ta1
.
,
1
9
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0,p.1
0
6,Fi
gs
.ト7
.
生体 は明 るい赤色で,体 の後部 はやや黄色味 を帯 び る。大型 の個体 で は長 さ8
0
mm,前方部 の
体幅0.
9
mm,体節数 1
5
5に達 す る。環帯 は乳 白色 で第 Ⅹ体節 の中央部 か ら第 刃Iまた はXI
I
I
体節
まで を とりか こむ。剛毛束 は背腹 ともに,前方体節 で 5-9本,後方体節 で 1-3本 の,結節 を
Fi
g.
2
A)か ら構成 され る。前方体節 に
中央 よ りもやや末端側 に持 ち先端が 2叉 した鈎状 剛毛 (
お ける剛毛 の上下歯 は,長 さ ・太 さ ともほぼ等 しいのが普通 だが,個体群 間で変異が大 き く,
日本産水生 ミミズ類 ユ リミミズ属 (
イ トミミズ科) の分類 につ いて
31
上歯が下歯 より長 い場合 もしば しばで,また逆 に下歯 の方が長 い こともある。陰茎帝 は長 さ2
8
0
7
0
4
〃m で,長 さに対 する基部 の直径 の比 は 61
3
倍である。陰茎鞘 の先端 は柄 に対 してほぼ直
角 に曲が って開口す るか (
Fi
g.2B)
,丸 くふちの滑 らかな, またはふちが緩やか に波 うった板
Fi
g.
2
C)
。腸管 は第 Ⅰ
Ⅴまたは第 Ⅴ体節か ら始 まり,黄細胞 もこ
状 のフー ドとなって開口す る (
の部位か ら腸管 を とりか こむ。生体 は刺激す るとコイル状 に巻 く。
本種 の 日本か らの記録 は Ha
t
ai(
1
8
9
9)が東京の標本 に基づいて Li
mno
dr
i
l
u
sgo
t
o
iを記載 し
た ことに始 まる。 No
mur
a(
1
91
3)は, Hat
ai(
1
8
9
9)の この記載 に 2種が混 じっていることを
mno
dr
i
l
u
sgo
t
o
t
指摘 し,日本 (
盛 岡,東京,鹿児島)とス リランカか らの新 たな標本 を用いて Li
を再 記載 した。一 方, St
e
phe
ns
on (
1
91
7
) は Annandal
eが京都 か ら持 ち帰 った標 本 の中 に
Nomur
a(
1
91
3)の L.
go
t
o
iを認 め, これを St
e
phe
ns
on自身が 1
91
2
年 にラホール (
パ キスタン)
mno
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u
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o
c
i
al
i
sとシノニ ムで あ る こ とを明 らか に した。 しか し,Che
n
か ら記載 した Li
(
1
9
4
0)
が指摘 しているように,Li
mno
dr
i
l
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ss
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c
i
al
i
sはヨーロッパか ら1
8
6
2
年 にすでに記載 さ
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m
Te
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iCl
apar
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deと明 らかに同一種であ り,結局本種 の有効名 は
れている Li
L.ho
j
f
me
i
s
t
e
r
iである 本種 に対 して はゴ トウイ トミミズ とい う和名 も使われている (
た とえ
9
64
)
0
ば津 田,1
。
本種 は世界中に広 く分布す るが,地域個体群 の中には陰茎鞠 や剛毛 に関 して他 と異なった形
態 を持 つ ものが知 られてお り, そのい くつかについて は分類学的位置 について議論がなされて
i
nkhur
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71
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9
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いる (
た とえば Br
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m(
Fi
g.
2B)
E
j本産種 の中に もその陰茎鞠 が先端部 でほぼ直角 に曲が って開口す る'
と,陰茎帝 の先端 に板状 のフー ドを持 つ '
'
pl
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oppe
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or
m(
Fi
g.
2
C)の 2つの型が知 られ
Fi
g.2.Chae
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3
2
大
高
明
史
ている (
Oht
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9
8
5
b)
。前者 の分布 はほぼ全世界的であ り,後者 は日本 を含 むアジア東部 と
北 アメ リカ大陸の西部 に分布 している。 日本産標本 に関 して両者 は陰茎鞠 の開 口部 の形 の他 に,
陰茎鞠 のプロポー シ ョンもやや異 なるが, その他 の形態 には違 い は認 め られていない。 また,
t
t
ypi
cal
'
'
両者 はともに日本 中に広 く分布す るが,その生息場所 には違 いが見 られ る。つ ま り,t
f
or
m は比較的 きれいな水域 に出現 し,修正 カール ソン指数 (
Ai
z
akie
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9
81
)が5
0
以上 の
t
pl
at
et
oppe
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f
or
m はもっぱ ら有機的 に汚染 された水
湖沼 にはめったに見 られないのに対 し,t
域 に出現す る。現段階で は両者 を同一種 内の生態型 と見 なすのが妥当だ と思われ る(
Oht
aka,
e
t
a1
.
,1
9
9
0)
。 しか し,同時 にこれ らの事実 は両者が別種 である場合 とも矛盾 しない ことか ら,両
者の関係 を明 らか にす るには今後遺伝的背景や生態等の比較検討が必要である。
分布 : 前述 の とお りコスモポ リタンな種類 である。 日本 の湖沼で は最 も普通 のイ トミミズ
科 ミミズ類 であ り,湖沼の深底部 で はしば しば優 占的な底生動物 となる。 また河川や水 田, た
め池,一時的な水 た ま りに もよ く見 られ るほか,河 口な どの汽水域 に も出現す る。本種 は同 じ
b
l
f
e
xt
ub
l
f
e
xと並 んで酸素欠乏 に きわめて強 く,ヒルや魚類 な どの補食者が
イ トミミズ科の Tu
As
t
on,1
97
3
)
。 このため,
住 めない ような低酸素条件下で も生存で きることが知 られている (
きわめて有機汚濁が進 んだ ような場所で はしばしば莫大 な密度 になることがある。 また生活史
の可塑性が高 く (
Ke
nne
dy,1
9
6
6)
,有機物 の多い場所で は通年 の繁殖が観察 されている (
たと
えば北浦 ;大高,未発表)
0
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和名 :ウイリーユ リミミズ
(
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91
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A,B.
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9
71
,p.
4
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g.8.
生体 は濃 い赤色で,後部 は灰色 または黄色味 を帯 びる。虫体後部 は細長 く,大型個体で は長
さ9
7
mm,前方部 の体幅0.
8
mm,体節数2
2
7に達す る。環帯 はやや乳 白色 で,第 Ⅹ体節 の中央部
か ら第 刃Ⅰ体節 を占める。剛毛束 は背腹 とも前方体節で は 3-6本,後方体節で は 1-3本 の,結
Fi
g.
2
D)か ら構成 され る。前方体節で は剛毛
節 を中央 よ りも末端側 に持 つ 2叉型 の鈎状剛毛 (
末端 の上歯 は下歯側 に湾 曲 し, その長 さは下歯 の 3倍 に達す る。後方体節 の剛毛 は末端歯が短
くなるが,や は り上歯が下歯 よ りも長 い (
Fi
g.2
E)
。陰茎鞘 (
Fi
g.2F) は長 さ1
6
42
4
0
/
J
m で,
長 さは基部 の直径 の3.
64.
2
倍 である。陰茎鞘 の柄 は短 くまっす ぐで,先端 は トランペ ッ ト状 に
開 口し,板状 のフー ドは持 たない。開 口部 のふちはなめ らかか,やや波 うっている。腸管お よ
び黄細胞 は第 Ⅴ体節か ら始 まる。生体 は刺激す る とコイル状 に巻 く。
本種 は剛毛先端 の上歯が湾曲 し,かつ下歯 の 3倍 ほ どの長 さがある点で同属 の他種か ら明確
に区別 で きる。 このため,未成熟個体で も種 の同定が可能 な種類 である。虫体 は後述 のフ トゲ
日本産水生 ミミズ類 ユ リミミズ属 (
イ トミミズ科) の分類 について
3
3
ユ リミミズ (
L.
gr
a
ndi
s
e
t
o
s
u
s
)ほ どで はないが,ユ リミミズに比べ る と大型で細長い。 これ は
本種 の体節数が多 く,かつ後方部 の各体節が直径 に くらべて長 さの方が長い ことによる。 また,
体壁が厚 い ことか らユ リミミズに比べて硬 く見 えることも特徴 である。
Ke
nne
dy,1
9
6
5)
。 日本での記録 は次 の とお りで,北海道か ら九州 ま
分布 :コスモポ リタン (
で広 く分布 していることが うかが えるが,ユ リミミズほ ど普通で はない :盛 岡,東京,鹿児島
(
Nomur
a,1
91
3
)
;札幌,鹿児島県蘭牟 田池 (
Yamaguc
hi
,1
9
5
3
)
;渡島大沼湖群 (
伊藤 ,1
97
8
)
;阿
9
8
0
)
;新潟市佐潟 (
大高 ら,1
9
91
)
;支第湖,千葉県四街道市,東金市,大網
寒湖 (
伊藤 ・宇野 ,1
白里町,尾瀬上 の大堀川,尾瀬かたわれ田代 (
新記録)。
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)
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8
6
8
和名 :モ トムラユ リミミズ
(
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Li
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b,p.2
6,Fi
g.7.
生体 は明 るい赤色,後方部 はやや黄色味 を帯 びる。体長 8
0
mm,前方部 の体幅 0.
8
mm,体節
6
0に達す る。環帯 は乳 白色 を帯 び,第 Ⅹ体節の中央部か ら第 刃I
体節 まで を占める。成熟個
数1
体 の背腹剛毛束 は,前方体節で 5-8本,後方体節で 1-3本 の,結節 を末端 か ら柏よりやや基
部側 に持つ 2叉型鈎状剛毛 (
Fi
g.
2
G)か ら構成 され る。剛毛の上下歯 は太 さが同 じだが,上歯
7
倍)。陰茎鞠 (
Fi
g.
2H)は非常 に細長 く (
8
8
02
0
9
5
/
J
m)
,長 さ
は下歯 よ りも常 に長 い (
平均 1.
03
8
倍 である。陰茎鞠 の柄 を形成す るキチン質 の壁 には基部 か ら先端 まで特 に
は基部 の直径 の2
Fi
g.2
I
)O
厚 い部分 はないO陰茎鞠 の先端 には洋 な し型 のフー ドが柄 に対 して斜 めに付属す る (
Ⅴない し第 Ⅴ体節か ら始 まる。
腸管 は第 Ⅰ
本種 は外見がユ リミミズ とよ く似ているが,剛毛の上歯が下歯 よ りも長 い ことと, きわめて
細長 い陰茎鞠 を持つ ことで区別がで きる。 この うち,陰茎鞘先端 のフー ドの形 はよ く安定 した
形質である。 Yas
udaandOki
no(
1
9
8
8)は諏訪湖 においてユ リミミズ とモ トムラユ リミミズの
剛毛 の上下歯 の比 を統計的 に比較 し,重 な りがそれぞれの種 において 6%未満 と小 さい ことか
ら, この形質で両者が区別で きることを見ている。似 たような剛毛 を持 つ他 の種がいない こと
を前提 にすれ ば, この方法 は両種 を未成熟段階で も識別 で きることを示 している。 なお諏訪湖
のモ トムラユ リミミズについて は, その陰茎鞘が他 の場所 (
札幌,水戸)の ものに比べて際だ
Oht
aka,1
9
8
5
b)
0
って短 い ことが知 られている (
Br
i
nkhur
s
tandJami
e
s
on,1
97
1
)
。 日本 に も広 く分布 し,同属 の中
分布 :コスモポ リタン (
で はユ リミミズに次 ぐ普通種 である。富栄養化 した水域 で はしば しばユ リミミズ と同所的 に高
密度で出現す る (
た とえば諏訪湖 ;Ya
s
udaandOki
no,
1
9
87
,
1
9
8
8)
。 日本での これ までの記録
Nomur
a,1
9
2
9
)
;
渡島大沼湖群 (
伊藤 ,1
97
8
)
;
阿寒湖 (
伊藤 ・
は次 の とお りである :東京,仙台 (
9
8
0
)
;
札幌,水戸,諏訪湖 (
Oht
aka,1
9
8
5
b)
;支第湖,霞 ヶ浦,榛名湖,琵琶湖南湖,琵
宇野, 1
3
4
大
高
明
史
琶湖北湖 (
新記録)。 Ya
s
udaandOki
no (
1
9
87
) による と諏訪湖 での本種 の繁殖 は1
1月か ら 5
月 までの冬季 を中心 とした時期 に限 られている。
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8
71
)
和名 (
新称):ソコユ リミミズ
(
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97
1
,
p.
47
0,
Fi
g.
8.
4
D,
E.
生体 は明 るい赤色 で後方部 で しだいに黄色味 を帯 びる。 固定 した段 階でのサイズ は,体長 1
3
2
5
mm,前方部 の体幅0.
30.
5
mm,体節数 4
5
7
9
。環帯 はやや乳 白色 を帯 び,第 Ⅹ体節の後半
か ら第 刃Ⅰ
体節 まで を占める。背腹 剛毛束 は前方体節 で 3-7本,後方体節 で 1-3本 の,轄節 を
Fi
g.3
A,B)で構成 され る。剛毛末端 の上歯
中間 よ りもやや末端側 に持 つ 2叉型 の鈎状剛毛 (
Fi
g.
3
C,
D)
は下歯 に比 べわずか に長 く, またわずか に細 いか, ほぼ同 じ太 さである。陰茎斡 (
は長 さ1
7
0
2
2
0
〟m で,長 さは基部 の直径 の2.
83.
9
倍,まっす ぐな柄 の先端 に,薄 く,へ りが ゆ
る く波 うってやや反 り返 った板状 の フー ドを柄 に対 して垂直 に付 ける。咽頭 は第 Ⅴ体節 ない し
問
冊
第 ⅤⅠ
体節 で急 に広が り腸 とな る。
Ke
nne
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1
9
6
9)はヨー ロ ッパ産 L.
pr
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aの交尾後 の6
2
個体 について陰茎鞘 の計測 を
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V;K andL,pe
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ss
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hs
.
日本産水生 ミミズ類 ユ リミミズ属 (
イ トミミズ科)の分類 について
3
5
行い,基部 の直径 に対す る長 さの比 として,平均 4.
3(
SD0.
7
) とい う値 を出 している。 日本
産標本 1
3個体 の この値 の平均値 は3.
2(
SD0.
3)であ り,平均値 で比べ るとヨーロッパ産 の値
よ りも小 さい。 しか し, ヨー ロッパ産個体群 は同時 に変異の幅が大 きく, さらに剛毛や陰茎鞠
o
f
un先端 の形 な どの分類上重要 とされ る形態 について は, 日本産 の標本 とこれ までの L. pr
di
c
o
l
aの記載 とはよ く一致 してい ることか ら両者 は同一種 と見 な した。本種 は剛毛 の形態や陰
茎鞠 の外観がユ リミミズによ く似 ているが,陰茎鞠 のプロポー シ ョンや フー ドの形で両者 はは
っきりと区別 で きる。 また,成熟個体 で比較 す る と,体 の大 きさや体節数, 剛毛や生殖器官の
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hner(
1
98
7)はさらに,ユ リミミズ
大 きさな どがいずれ もユ リミミズに比べて小 さい 。St
Vない し第 Ⅴ体節か ら始 まるのに対 し,本種 はそれ よ りも一
やモ トムラユ リミミズの腸管が第 I
第節か ら始 まるため,未成熟個体 で も区別が可能 であることを兄
体節分後 ろの第 Ⅴない し第 ⅤⅠ
い出 している。
Br
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nkhur
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965)
。 これ まで知 られている主な生息場所 は深 い河川
分布 :コスモポ リタン (
や大 きな湖沼の深底部 のような冷水域であるが, イギ リスでは小 さな池や汚染 された小 川 か ら
Br
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nkhur
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,1
9
65)
。 日本 での産地 は今 の ところ琵琶湖北湖 の深底部 のみであ
の記録 もあ る (
る。 この琵琶湖深底部 で は本種 は普通 に見 られ,かつ同属 の他種 は見つか っていない。
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和名 :フ トゲユ リミミズ
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固定 した段 階で,大型個体 は長 さ1
3
0
mm,前方部 の体 幅0.
60.
8mm,体節数2
7
0に達 す る。
体 の前方部 は濃 い赤色 だが,後方部 は白色 を帯 び糸状 にたいへん細長 くなる。体壁 お よびクチ
クラが厚 く,全体 に硬 い感 じがす る.環帯 は乳 白色で,第 X体節か ら第 刃I
体節 を占める。背腹
多 くの場合 2本 または 3本)
,後方体節で 1本 (まれに 2本)
の剛毛束 は,前方体節 で 1-4本 (
の,結節が末端側 か ら1
/
3また はそれ よ りも末端側 にあ り,上下歯 の長 さが短 く先端が鈍 い鈎状
剛毛で構成 され る。腹側 の第 1
Ⅴ体節か ら第 Ⅹ体節 までの剛毛 (
Fi
g.
3F,
∫)は,同体節の背側 (
Fi
g.
3H)お よび他の体節 の ものに くらべ きわだって大 き く,歯 の先が丸 み を帯 びた巨大剛毛 とな
Ⅰ
体節で最 も大 きくなる。陰茎鞠 (
Fi
g.3
Ⅰ
)は先端部 の丸
る。 この巨大剛毛 は第 ⅥⅠまたは第 ⅥⅠ
882
77
/
J
m,長 さは基部 の直径 に対 し約 2倍 であ
いスペー ド型で,壁 は厚い。陰茎鞠 の長 さは1
体節か ら始 まる。
る。腸管 は第 Ⅴまたは第 ⅤⅠ
ユ リミミズ属 の陰茎鞠 は多 くの種 で円筒型 であるのに対 して,本種 ではスペー ド型 をしてい
る。同 じ くスペー ド型 の陰茎鞠が北 アメ リカ大陸の西岸 に分布す る L.s
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1
96
5) はこのスペー ド型陰茎鞠 の共有 を重視 して, フ トゲユ リミミズの
ている。 Br
i
l
u
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niのシノニム として扱 った。
巨大剛毛 を個体変異 とみな し, これ を巨大剛毛 を持 たない L.s
3
6
大
高
明
史
しか し, のちの観察 によって, フ トゲユ リミミズの巨大剛毛 はどの標本 において も例外 な く見
られ る固有 の形態であ り, さらに剛毛束 を構成す る剛毛 の本数や,陰茎鞠 の基部 の広が りや先
端 の形 といった重要 な形質 が いずれ も L. s
i
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aniとは異 なってい る こ とがわか り,Oht
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(
1
9
8
5
b) は両者 を別種 とした。最近 中国か ら記載 された L.amb
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9
9
0)の陰茎鞠 もフ トゲユ リミミズによ く似 ているが, この種 の剛毛 は
末端歯が短 い 2叉か丸 みを帯 びた単一で,巨大剛毛 はない。
本種 は,糸状 の きわめて細長 い後休部 や巨大剛毛, スペー ド型 の陰茎鞠 といった独特 の特徴
を兼ね備 えているために同定 の容易 な種類 である。後休部が細長 くなるのは,体節数が多い こ
とに加 えて, この部分 の各体節 の長 さが直径 の約 2倍 と同属 の他の種 に比 べて縦長であること
による。陰茎鞠 を除いた各生殖器官の形 はユ リミミズ属で はどれ もよ く似 てお り本種 も例外で
はないが, 日本産標本でその大 きさを比較す ると, フ トゲユ リミミズはユ リミミズやモ トムラ
ユ リ ミ ミズ に比 べ て輸 精 管 膨 腔 部 や受 精 嚢 膨 大 部 の大 きさが約 半 分 と小 さい (
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9
8
5
b)
0
分布 : 本種 の模式産地 は東京であ り (
Nomur
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9
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2
)
, これ まで 日本 の他 に もアムール川
流域 (
Sokol
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9
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)
,中国東北部 (
山口,1
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4
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,中国珠江 (
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)
, ミャ
ンマー (
Nai
du,1
9
6
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,マ レーシア (
Br
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1
9
71
)か らの報告があ り, ア
ジア東部 に広 く分布 しているもの と思われ る。 日本 国内での記録 は以下 の とお りで,底泥 に植
No
mur
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9
32
)
;水戸市千波湖,
物遺骸 を多 く含 む浅 い池沼や湖沼沿岸部 によ く見 られ る:東京 (
Oht
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8
5
b)
;新潟市佐潟 (
大高 ら,1
9
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)
;新潟県瓢湖,北浦 (
新記
諏訪湖,琵琶湖南湖 (
録)0
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後休部 を欠 く不完全 な-個体 における形態 は以下 の通 り。生体 は明 るい赤色 で,体長 4
2
mm
以上,前方部 の体幅0.
7
mm,体節数61
以上。各体節 の剛毛束 は,前方部 で 91
6
本 (
Fi
g.4)
,
中・
後方部で 3-7本 の,結節 を中央 よ り末端側 に持 つ 2叉型鈎状剛毛 (
Fi
g.
3
J)か ら構成 され
る。各剛毛 の上下歯 は長 さ ・太 さともほぼ等 しいか上歯が下歯 よ りもやや細 い。陰茎鞠 は小 さ
く,円筒型 でキチ ンの壁 は薄 い。左右 の陰茎鞠 (
Fi
g.
3
K,L) は長 さ1
2
0お よび1
5
0
pm,長 さは
7
倍 および3.
6
倍である。陰茎鞠末端部 は柄がやや広が った形で
基部 の直径 に対 してそれぞれ2.
開口 し. フー ドを持 たない。
本種 は不完全標本 1個体が得 られているのみである。 この個体 は陰茎鞘 を持 つ ものの,環帯
が はっ きりしていない ことや授精嚢 内に精子束が見 られない ことな どか ら,成熟が不完全であ
る と思われ る。標本 はラク トフェノール液で封入 したために,柔 らかい器官の形態 は観察で き
なかった。 しか し, この標本 は重要な分類形質である剛毛 と陰茎鞘 の両者 において, これ まで
知 られてい るどの種 に も該 当 しない次 のようなユニー クな特徴 を持 っている。 1)前方体節 (
Ⅰ
Ⅰ
Ⅸ)にお ける剛毛本数が剛毛束当 り 91
6
本 と大変多い (
Fi
g.
4
)
。剛毛先端 の上下歯 のプロポ
ー シ ョンはユ リミミズによ く似 ているが,ユ リミミズ も含 め これ まで知 られている同属 の種 で
日本産水生 ミミズ類ユ リミミズ属 (
イ トミミズ科)の分類 について
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剛毛束あた り1
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本 を越 える数の剛毛が報告 された例 はな く,個体 の大 きさもユ リミミズに比べ
て特 に大 きくはない。 2)陰茎鞘が フー ドを持たない単純 な円筒状 をしている。 この形態 に関
しては,本標本が成熟 の不完全 な個体 であることを考慮す ると疑問が残 る。 つま り,本標本で
見 られるようなキチンの薄い壁 は他 の種 における発達 また は退化途 中の陰茎鞠 に広 く見 られ る
状態 とよ く似 ていることか ら, この陰茎鞠 もまたそのような不完全な状態なのか もしれない。
この個体 は末記載種である可能性が高いが,上記 のように重要な分類形質である陰茎静の形態
に不明な部分が残 ることか ら, ここでは種小名不称種 として取 り扱 った。分類学的位置 を確定
するためには,今後新 たな標本 の観察が必要である。
分布 :支第湖湖畔沖水深 8mの砂泥底 よ り得 られた。 この場所では同属のモ トムラユ リミミ
ズが同時 に採集 されている。
4.検索表
日本産ユ リミミズ属 6種 の検索表 を示す。陰茎鞠の長 さに対す る基部 の幅の比 は観察標本内
の レンジで示 した。 なお,モ トムラユ リミミズを除 く 5種の この形質について,統計値か ら求
gu
r
e5に示 した。
めた期待分布 曲線 を Fi
1.第 Ⅰ
Ⅴか ら第 Ⅹ体節の腹側剛毛 は,他の体節の ものに比べて著 しく大 きい。陰茎鞠 はスペー
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ド型.虫体後部 は糸状で長 い -・
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・
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- フ トゲユ リミミズ L.
・
--体節間で剛毛の大 きさに著 しい違 いはない。陰茎鞘 は円筒型 ----- ----・
-・
-・2
-
2.前方体節の剛毛本数 は, 1剛毛束あた り10本 を越 える。剛毛先端 の上下歯 はほぼ同 じ長 さ
・
剛毛本数 は 1剛毛束 あた り1
0
本以下
3.陰茎鞘 は長 さが基部 の直径の 5倍未満
--・
陰茎鞘 は長 さが基部 の直径の 5倍以上
4.陰茎鞘 は長 さが基部 の直径の3.
6
4.
2
倍で,先端 は トランペ ッ ト状 に開口する。剛毛の上歯
は下歯 の 3倍 に達する ---・
・
-----・
----・
.
・ウイリーユ リミミズ L.u
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--陰茎鞘 は長 さが基部 の直径の2.
83.
9
倍で,先端 にふちのなめ らかな板状 のフー ドを付 け
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・
・
・
- ソコユ リミミズ L
,
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る.剛毛 の上歯 は下歯 よりもわずかに長い
5.陰茎鞠 は長 さが基部 の直径の 61
3
倍で,先端 は直角に曲がって開口す るか,曲が らずに,
ふちのなめ らかなまた は波 うった板状の フー ドを持つ。剛毛 の上下歯 は長 さ ・太 さともほ
ユ リミミズ L.h
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Hme
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ぼ同 じだが変異が大 きい
--陰茎鞘 は長 さが基部の直径の2
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8
倍で,先端 に洋な し形のフー ドを柄 に対 して斜めに付 け
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る。剛毛の上歯 は下歯 よりも長 い ・
・
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- モ トムラユ リミミズ L.c
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).
5.謝辞
水生 ミミズ類の分類 を進 めるにあた り,多 くの助言 をいただいた北海道大学山田真弓名誉教
授,同馬渡峻輔教授,同片倉晴雄助教授 ,Aq
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TN,USA)の R.0.
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t博士 に深 く感謝の意 を表 します。また,責重な標本 を提供 していただいた北海道水
産鰐化場伊藤富子博士 (
支帯湖産 L.u
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)と滋賀県琵琶湖博物館準備室内田臣一博士
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千葉県産 L u
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s)に深 く感謝いた します。
3
9
日本産水生 ミミズ類 ユ リミミズ属 (
イ トミミズ科) の分類 について
6.引用文献
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,A.Ot
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について.弘前大学教育学部紀要 6
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