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欧米における3Gオークション等の影響

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欧米における3Gオークション等の影響
資料7-1
欧米における3Gオークション等の影響
2011年7月25日
A.T. カーニー株式会社
吉川 尚宏
©2011 A.T. KEARNEY K.K. All Rights Reserved.
禁無断転載・複製
 各国における3Gの普及動向
 欧州の動向
 米国の動向
 まとめ
A.T. Kearney 22/110725
1
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各国の携帯電話・3G普及率の推移
オークションを実施していない仏国の3G普及率は、オークションを実施した米英よりも低い
携帯電話の普及率
実質3G普及率
3G普及率
(%)
(%)
(%)
100
140
英
独
130
120
90
日
90
80
110
70
70
仏
日
米
100
90
80
日
80
米
60
米
50
英
60
50
40
40
60
30
英
仏
50
20
独
40
10
10
0
0
0
70
00
02
04
06
08
00
02
04
06
08
仏
独
30
20
00
02
04
06
08
出所:ITU、Wireless Intelligence
注:携帯電話の普及率=携帯電話加入者数/総人口、3G普及率=3G利用者数/携帯電話加入者数、実質3G普及率=携帯電話の普及率×3G普及率
全てQ4末の数値
A.T. Kearney 22/110725
2
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 各国における3Gの普及動向
 欧州の動向
 米国の動向
 まとめ
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3
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欧州通信業界の主な変遷
主要通信事業者は国をまたいだM&Aを繰り広げ、業界再編が加速している
主要キャリアのM&Aの変遷
BT
One2One
【英国】
分離
O2
O2
TモバイルUK
Everything
Everywhere
y
事業統合
買収
Orange
Orange UK
3 UK
TIW UMTS
Vodafone
買収
DT (T-Mobile)
【独国】
Vodafone
VodafoneがSFRに出資し
たが、最終的には出資引
き上げ
Mannesmann
T-Mobile
Vodafone
Vodafone D2
E-plus
E-plus
VIAG Interkom
O2
O2 Germany
買収
【仏国】
FT
Orange
SFR
SFR
Bouygues Telecom
Bouygues Telecom
買収
【スペイン】
Telephonica
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4
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(参考)主要通信事業者の主なM&A状況(欧州)
2000年
VODAFONE
(英)
DEUTSCHE
TELEKOM
(独)
FRANCE
TÉLÉCOM
(仏)
2002年
• 独マンネスマン
を約1,830億ドル
で買収(2000)
• スロベキア • 米Powertelを約59億
ドルで買収
テレコムを
約10億ユー • 米ボイスストリームを
約240億ドルで買収
ロで買収(
(2001)
2000)
• 英オレンジ • 米・独グローバルワンを
約43億ドルで買収
を約432億
•
蘭イクワントを約54億ユ
ユーロで買
ーロで買収
収(2000)
• ポーランドTPSAを約34
億ユーロで買収(2001)
出所: Deloitte社HP
2004年
2006年
• トルコTelsimを約
46億ドルで買収
(2005)
• ブルガリア •
Orbitelを買収
(2005)
•
オーストリアのテリ •
ングを約13億ユー
ロで買収
ポーランドのPTCを
約12億ユーロで買
収(2006)
• 西アメナを約64億
ユーロで買収
(2005)
2008年
2010年
• 伊・西Tele2を約 • 南アフリカ
Vodacomを約17
8億ドルで買収
億ポンドで買収
(2008)
(2009)
オレンジネーデ • 仏フランステレコム
ルランドを約13 と英国における携
帯電話事業を統合
億ユーロで買
(2010)
収(2007)
• 独ドイツテレコムと
英国における携帯
電話事業を統合
(2010)
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5
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英国
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3Gオークションの概要(英)
オークション落札価格の高騰等が原因で財務状況が悪くなり、3G事業を売却した企業も存在
実施時期
落札事業者名
落札額
• Vodafone Limited
• TIW UMTS
2000年
• Orange
59.6億ポンド
• 特になし
43.8億ポンド
• 現3UK
• TIW(カナダ)とハチソンワンポア(香港)の
合弁だったがTIWが株式を売却
40.9億ポンド
• 現Everything Everywhere
• フランステレコムが買収後、Tmobileと統合
• One2One Personal
Communications
40.3億ポンド
• BT
40.3億ポンド
計
その後の変遷
約225億ポンド
(約4.5兆円)
出所: Radiocommunications AgencyのSpectrum Auctions website、「諸外国の電波利用料制度」(総務省)
• 現Everything Everywhere
• ドイツテレコム(T-Mobile)が買収
(T-Mobile)後、Orangeと事業統
合
• 現O2
• BTが事業売却のために分離上
場させ、その後、テレフォニカが
買収
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6
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英国
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主要通信事業者のシェアの推移(英)
4社でシェアを分けていた英国だが、OrangeとT-Mobileとの合併により、3強へと変化した
携帯電話加入者数のシェア(英)
ドイツテレコム系とフラン
ステレコム系が英国携帯
電話事業を統合
(%)
100
90
0
21
22
24
25
80
70
25
26
26
25
24
23
29
28
2000
79%
60
4
5
5
6
6
7
25
25
24
23
22
22
8
3 UK
(Hutchison)
T-Mobile
42
Everything
Everywhere
(FT/ DT)
23
22
22
21
21
21
24
23
24
25
25
26
27
27
O2
(Telefonica)
26
26
25
24
24
25
25
24
23
Vodafone
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
78%
76%
75%
70%
70%
71%
71%
72%
72%
92%
50
40
25
30
20
10
0
上位3社
シェア
出所: Wireless Intelligence
注:上位3社=Vodafone、Telefonica、France telecom/Deutsche Telekom
全てQ4末の数値
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7
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英国
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(参考)3G加入者におけるシェア(英)
3G加入者における各社のシェア(英)
(%)
100
90
31
80
49
70
15
73
60
13
95
50
9
5
30
2
7
20
10
上位3社
シェア
3
18
16
33
11
16
23
26
26
27
O2
(Telefonica)
25
25
24
24
Vodafone
8
40
0
23
3 UK
(Hutchison)
T-Mobile
Everything
Everywhere
(FT/ DT)
17
18
16
19
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
5%
25%
42%
56%
62%
65%
83%
4
1 0
出所: Wireless Intelligence
注:上位3社=Vodafone、Telefonica、France telecom/Deutsche Telekom
全てQ4末の数値
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8
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英国
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オークション後のVodafone、BTのCF状況(英)
00年のオークション時に、BTは落札のために多額の投資が必要となり、投資CFが大幅マイナス、また
資金繰りのために財務CFが大幅プラスとなった。投資CFの水準はその後、低迷
営業CF
投資CF
(十億ドル)
財務CF
(十億ドル)
(十億ドル)
22
10
30
20
5
25
0
20
18
Vodafone
16
14
10
Vodafone
5
-15
0
8
-20
6
2
15
10
-10
12
4
BT
-5
オークション落
札資金を集め
た可能性
-5
BT
-25
独マンネスマン
買収の影響の可
能性
0
-30
BT
オークション
による投資
額増加の可
能性
-35
99 01 03 05 07 09
-10
-15
Vodafone
-20
99 01 03 05 07 09
99 01 03 05 07 09
出所:Cap IQ
注:全て3月末時点の数値(09年度の場合は10年3月時点)
「営業CF」とは本業による収入と支出の差額、「投資CF」とは固定資産や株、債券などの取得や売却をした時の現金の流れ、「財務CF」とは資金の調達と返済による現金の流れを
それぞれ表す
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独国
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3Gオークションの概要(独)
落札額の高騰に加え、3Gネットワーク構築のための高額投資に財務状況が耐えられなくなり、サービ
スの提供を断念した事業者も存在
実施時期
2000年
落札事業者名
落札額
その後の変遷
• T-Mobile
(ドイツテレコム)
76.9億ドル
• 特になし
• Viag Interkom
76.6億ドル
• 現O2
• Quam
(テレフォニカ/ソネラ)
76.4億ドル
• 事業凍結(2003)
• マンネスマン
76.4億ドル
• 現ボーダフォン
• 2000年にボーダフォンが買収
• E-plus
(KPN)
76.2億ドル
• 特になし
• Mobilcom
(オレンジが資本参加)
75.9億ドル
• 免許返上(2003)
計
約458億ドル
(約5.8兆円)
出所:CNN Money (2000/08/17)、「諸外国の電波利用料制度」(総務省)、DRIテレコムウォッチャー
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独国
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主要通信事業者のシェアの推移(独)
00年時点ではDTとVodafoneの完全2強時代だったが、現在ではO2とE-plusが順調にシェアを伸ば
し追い上げてきている
携帯電話加入者数のシェア(独)
(%)
100
90
6
14
7
8
9
10
12
13
13
13
14
16
13
12
13
O2
(Telefonica)
13
14
15
15
17
18
18
E-Plus
(KPN)
36
35
34
32
32
Vodafone
Deutsche
Telekom
80
70
60
40
39
38
38
38
37
50
40
30
20
40
41
42
41
39
37
37
37
36
36
34
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
80%
80%
80%
79%
76%
74%
72%
72%
70%
68%
66%
10
0
上位2社
シェア
出所: Wireless Intelligence
注:上位2社=Vodafone、Deutsche Telekom
全てQ4末の数値
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11
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独国
禁無断転載・複製
(参考)3G加入者におけるシェア(独)
3G加入者における各社のシェア(独)
(%)
100
90
80
10
13
13
13
14
15
17
13
O2
(Telefonica)
14
15
16
17
17
18
E-Plus
(KPN)
36
34
32
30
28
28
Vodafone
39
38
38
39
39
40
38
Deutsche
Telekom
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
88%
88%
85%
81%
75%
70%
67%
70
60
38
50
40
30
20
10
0
上位2社
シェア
出所: Wireless Intelligence
注:上位2社=Vodafone、Deutsche Telekom
全てQ4末の数値
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独国
禁無断転載・複製
オークション後のDeutsche TelekomのCF状況(独)
00年はオークション落札のために多額の投資が必要となり、投資CFが大幅マイナスとなった。また、
資金繰りのために財務CFが大幅プラスとなった可能性
営業CF
投資CF
(十億ドル)
財務CF
(十億ドル)
(十億ドル)
0
25
20
15
-5
20
オークション
落札資金を集
めた可能性
10
-10
5
15
-15
米ボイスストリ
ーム買収の影
響の可能性
10
0
-5
-20
-10
5
オークションによ
る投資額増加の
可能性
-25
-15
-30
0
00
02
04
出所:Osiris
注:全てQ4末(12月)の数値
06
08
10
-20
00
02
04
06
08
10
00
02
04
06
08
10
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仏国
禁無断転載・複製
3G免許付与の概要(仏)
オークションは実施されていない。免許額が引き下げられたものの、免許枠は埋まらず1つは未割当。
競争環境の醸成がおこらなかったために3Gの普及が遅れた可能性が高い
付与時期
免許取得
事業者名
1免許あたりの
金額
• オレンジ
(フランステレコム)
• 特になし
【当初】
0.6兆円/1免許
2001年
• SFR
(ビベンディ/ボーダフォン)
2002年
-
• ブイグ・テレコム
• 未割当
出所: NNA.EU、 日本経済新聞(2001/12/04 )、日経BPネット( 2002/04/17)
その後の変遷
【改定後】
約6.2億ユーロ
(約750億円)
+
売上高の1%
• 2011年にビベンディがボーダフォ
ンの所有するSFRの株式44%を取
得し、完全子会社化
• 2002年にドコモと提携し、iモードサ
ービスを展開(資本関係無し)
• 特になし
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仏国
禁無断転載・複製
主要通信事業者のシェアの推移(仏)
OrangeとSFRの2強で仏市場は寡占化されている
携帯電話加入者数のシェア(仏)
(%)
100
90
18
18
15
16
17
17
18
17
17
18
18
Bouygues
Telecom
48
48
50
49
47
47
46
46
47
47
47
Orange
(France
Telecom)
34
34
35
35
36
36
36
36
36
35
35
SFR
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
82%
82%
85%
84%
83%
83%
82%
83%
83%
82%
82%
80
70
60
50
40
30
20
10
0
上位2社
シェア
出所: Wireless Intelligence
注:上位2社=France Telecom、SFR
全てQ4末の数値
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仏国
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(参考)3G加入者におけるシェア(仏)
3G加入者における各社のシェア(仏)
(%)
100
90
5
24
24
80
8
11
15
Bouygues
Telecom
43
Orange
(France
Telecom)
SFR
33
36
43
70
42
60
50
40
76
76
30
67
59
49
46
42
2007
2008
2009
2010
95%
92%
89%
85%
20
10
0
2004
上位2社
シェア
100%
出所: Wireless Intelligence
注:上位2社=France Telecom、SFR
2005
100%
全てQ4末の数値
2006
100%
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仏国
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免許付与後のFrance TelecomのCF状況(仏)
01年当初の免許取得料は高額だったが、02年に改正されたため、投資CFも財務CFもすぐに安定に
戻っている
営業CF
投資CF
(十億ドル)
財務CF
(十億ドル)
25
20
(十億ドル)
0
40
-5
35
英Orange買収、当初の
免許取得のための資金
を集めた可能性
30
-10
25
-15
15
西アメナ
買収の影響
の可能性
20
-20
15
-25
10
10
5
-30
0
英オレンジ
買収の影響
の可能性
5
-35
英Orange買収、当初の
免許取得額の影響の
可能性
-40
0
-5
-10
-45
00
02
04
出所:Cap IQ
注:全てQ4末(12月)の数値
06
08
10
-15
00
02
04
06
08
10
00
02
04
06
08
10
A.T. Kearney 22/110725
17
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禁無断転載・複製
 各国における3Gの普及動向
 欧州の動向
 米国の動向
 まとめ
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18
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米国
禁無断転載・複製
主要通信事業者の主なM&A状況(米)
主要通信事業者3社によってM&Aが繰り広げられ、業界再編が加速している
2000年
AT&T
VERIZON
SPRINT
NEXTEL
• 米SBCコミュニケ
ーションズと米ベ
ルサウスによる合
弁会社として設立
「シンギュラー・ワ
イヤレス」(2000)
• 英ボーダフォン・エ
アタッチと米ベル・
アトランティックに
よる合弁会社とし
て設立(2000)
2002年
2004年
2006年
2008年
2010年
• 米Centennialを約9億ド
• シンギュラー・ワイ • AT&T(旧SBCコミュニ
ヤレスがAT&Tワイ ケーションズ)が米ベル
ルで買収
ヤレスを約410億ド サウスを約670億ドルで • 米Cellular One
ルで買収(2004)
買収、新生AT&Tに
( Dobson
(2006)
Communications 社)を
約28億ドルで買収
• 米UNICEL(RCC
• 米ベライゾン・コ
ミュニケーションズ 社)を約27億ドル
で買収(2007)
が米MCI(旧ワー
ルドコム)を約67億
ドルで買収(2005)
• 米スプリント
が米ネクステ
ルを約350億
ドルで買収
(2004)
• 米SureWest のワイ
ヤレス事業を約7千
万ドルで買収
• 米Alltelを約280億ド
ルで買収
(2008)
• 米VELOCITAを買 • 米Virgin Mobileを
• 米アラモサ
収
買収(2009)
(系列会社)
を約34億ドル • 米ネクステルパー
で買収
トナーズを買収
(2005)
(2006)
出所: 情報通信総合研究所(2007/10)、各社ニュースリリース、「Telco2015 five telling years, four future scenarios」(IBM)、日経コミュニケーションズ(2006/04/01)
ITメディアニュース(2008/06/06)
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米国
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3Gオークションの概要(米)
資金が豊富な大手2社の落札額シェアが大きいものの、地方向けライセンスでは新規参入事業者も多
くの免許数を落札している
落札
落札
事業者名
免許数
実施時期
落札額
その後の変遷
• VERIZON
109
93.6億ドル
• 特になし
大手2社で
落札額の84%
• AT&T
227
66.4億ドル
• 特になし
2008年
アナログ放送
跡地
• その他事業者
754
30.0億ドル
• 中小規模通信事業者99社が落札
• 地方向け免許428のうち、新規参
入事業者が305を獲得
• 非落札免許
(9)
-
• 最低落札価格を上回る入札が
なかったケースもあり
1,090
190億ドル
(約1.8兆円)
計
出所: 「オークション制度について」(総務省)、IT pro(2008/03/21)
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米国
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主要通信事業者のシェアの推移(米)
米国における主要通信事業者3社のシェアは、00年の約48%から10年には約79%へ拡大し、寡占化
が進んでいる
携帯電話加入者全体における各社のシェア(米)
シンギュラー・ワイ
ヤレスのAT&Tワイ
ヤレス買収の影響
(%)
スプリントのネ
クステル買収の
影響
ベライゾンのオー
ルテル買収の影響
100
90
35
80
70
52
46
48
14
40
30
9
23
13
24
13
23
26
25
26
23
23
13
21
18
27
21
その他
17
16
SPRINT
NEXTEL
32
33
VERIZON
AT&T
24
25
25
26
27
26
26
28
29
30
31
24
20
10
21
48
60
50
26
16
17
16
15
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
48%
54%
52%
52%
65%
74%
74%
75%
74%
79%
79%
0
3社シェア
合計
出所: Wireless Intelligence
注:全てQ4末の数値
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米国
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(参考)3G加入者におけるシェア(米)
3G加入者における各社のシェア(米)
(%)
100
90
80
12
16
18
19
20
20
21
23
28
70
29
28
28
26
14
17
その他
19
18
SPRINT
NEXTEL
48
42
VERIZON
19
23
AT&T
23
60
50
40
30
65
57
53
52
52
47
44
20
10
0
3社シェア
合計
1
7
13
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
88%
84%
82%
81%
80%
80%
79%
86%
83%
出所: Wireless Intelligence
注:全てQ4末の数値
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米国
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オークション後のAT&TとVERIZONのCF状況(米)
両社共08年はオークション落札のために多額の投資が必要となり、投資CFが大幅マイナスとなった。
また、資金繰りのために財務CFが大幅プラスとなった可能性
営業CF
投資CF
(十億ドル)
(十億ドル)
35
AT&T
オールテル
買収の影響
30
VERIZON
MCI買収
の影響
25
ベルサウス
買収の影響
20
10
-10
5
-15
-25
5
-30
0
-35
出所:Osiris
注:全てQ4末(12月)の数値
06
08
10
オークション
落札資金を集
めた可能性
VERIZON
10
04
15
-5
-20
02
(十億ドル)
0
15
00
財務CF
0
AT&T
-5
-10
オークション
による投資
額増加の可
能性
VERIZON
-15
AT&T
-20
00
02
04
06
08
10
00
02
04
06
08
10
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 各国における3Gの普及動向
 欧州の動向
 米国の動向
 まとめ
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まとめ(1/2)
 オークションを実施しなかったからといって、必ずしも3Gの普及が早く進んだわけでは
ない。欧州では仏国はオークションを実施していないが、3Gの普及スピードはオーク
ションを実施した英国よりも遅い
 オークションで免許を落札したにも関わらず、事業の凍結(独国Quam, Mobilcom)
や事業の売却(英国BT)が起こったケースが存在する
 オークションが行われたときには、投資CFのキャッシュアウトは増大し、資金調達を
行うため、財務CFもプラスに転じるケースが多い。投資CFのキャッシュアウトの水準
は、オークション実施によって明確に抑制されたかどうかまではわからない
 なお、3Gオークションの政策効果についてさまざまな分析が既に試みられている。た
とえば、黒田敏史、バケロ・マリアは次のような分析結果を発表している1)
•
オークションの実施の有無で、第三世代携帯電話の普及率、企業数、投資、料
金水準等に影響があった
•
3Gの普及率を低下させたメカニズムは、市場競争の不足である可能性がある
1)黒田敏史、バケロ・マリア、「3Gオークションの政策効果に関する分析」 情報通信学会第28回学会大会 個人研究発表 2011年
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まとめ(2/2)
 今後、以下の検討を深める必要がある
•
対象範囲
 どの周波数帯を対象とするのか
 あまり遠い先に割り当てられる周波数を前提としても、市場環境が大きく異
なっている可能性があるため、具体的制度設計がやりにくい
•
制度設計
 新規事業者枠の設置をどうするか
 ネットワークの他の事業者への開放を義務付けるか
競争政策と関連付けて、オークションの制度設計を議論しないと、
消費者への価格転嫁や設備投資の遅れが懸念される
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(参考)加入者一人当たりの月額売上高(ARPU)の推移
オークションを行った米国の事業者のARPUはほぼ変化はない
ARPUの推移(連結)
(ドル)
55
VERIZON(米)
AT&T(米)
50
FRANCE
TÉLÉCOM(仏)
45
40
35
VODAFONE(英)
30
25
DEUTSCHE
TELEKOM(独)
20
0
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
出所: Wireless Intelligence、Group_Tracking
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(参考)台湾での経験 ~3Gオークション
2002年に台湾でアジア初の3G オークションを実施。最低価格を設定した上で入札を行い、計489億
台湾ドル(1,865億円)で落札
オークション概要
 オークション期間:2002年2月
 ライセンス期間:16年
 3Gライセンス数:5
オークション結果
 上位5社が各ライセンスを1つずつ落札し、落札価格は合
計で1,865億円に上った
(億台湾ドル)
0
20
40
60
80
100
120
 オークション方法:
• 政府が各ライセンス毎に160億円から290億円の範囲で
最低ビッド価格を設定
• 設定された最低価格から入札スタート
 ライセンス申請者:6社が申請
申請者
申請者の業種
Asia Pacific
台湾で唯一CDMA2000を運営する固定電話事業者
Broadband
Pacific Electric Wire & Cable Co、Fubon、
Evergreen、Acer 、Continental Engineering Corp、
Yageo Co、 Verizon Communicationsinの合弁会社
台湾政府 とFubon Group、 Lin-Yuan Groupの合弁会
中華電信
社
遠電信伝
AT&Tが出資する台湾の携帯電話事業者
Yulon Motors, and Asia Pacific Broadband Wireless
Taiwan PCS
Communicationsが出資する会社
3GO
携帯電話事業者
台哥大
Asia Pacific
Broadband
106
(403億円)
台哥大
103
(392億円)
中華電信
102
(388億円)
遠電信伝
102
(388億円)
Taiwan PCS
77
(294億円)
合計:489億台湾ドル
(1,865億円)
(1) ライセンス交付時の2002年2月11日の終値1台湾元= 3.8147円で計算
出所: 3GNewsroom
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(参考)台湾での経験~3Gライセンス価格のバリュエーション
いくつかの経済モデルを活用することで、想定されるライセンス金額の事前評価を実施。土地取引に
おける公示地価のような役割を果たす
周波数ライセンスの価値算定方法
価値評価方法
概要
比較法
既に参入が行われた国での実際のライセンス価格を参考に、対象
各国の人口やARPUなどの差を考慮して算定する手法
収益還元法
事業者が周波数ライセンスを獲得して事業を行った場合の収益に
基づき、ライセンスの価格を試算する方法
アドミニストレイティブ・
プライシング手法
特定の周波数ライセンスが発行された場合と、発行されずに代替的
な手段で同様のサービスが提供された場合との差から、特定の周
波数の価値を算定する方法
出所:吉川尚宏、田崎嘉邦「周波数オークション」 知的資産創造 2001年6月号
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台湾での経験~WiMAXオークション
落札価格の高騰を抑えるため、売上の数%をライセンスフィーとして支払う比率のオークション方式を
採用
オークション概要
オークション結果
 オークション時期:2007年7月
ライセンス料比率
(対売上費)
 ライセンス期間:14年半
 周波数帯:2.5〜2.6GHz
 WiMAXライセンス数:6
 オークション方法:
• 書類審査と面接によって13社から8社に絞り込み
• 8社間で、売上の数%をライセンスフィーとして支払う、比率
をビッド
(%)
0
5
10
大衆電信
× 売上(1) = フィー(2)
15
12.9
威達有線電視
8.7
全球一動
7.3
(百万台湾ドル)
158
20
275
24
330
24
329
20
392
20
572
24
 ライセンス申請者:通信事業者のみでなく、13社が申請
申請者
大衆電信
威達有線電視
全球一動
大同電信
威邁思電信
遠伝電信
中華電信
中華連網寛頻
台信連合数位
旺旺電信
亜太固網寛頻
医僑
蓑宇通
(1)
(2)
(3)
出所:
申請者の業種
PHSサービス事業者
ケーブルテレビ事業者
通信コンサルティング会社の子会社
IT関連通信機器メーカーの大同がWiMAX事業のために設立
通信事業者と機器メーカーがWiMAXのために設立
携帯電話事業者
携帯電話事業者
ADSLやIP電話サービス事業者
SIや通信機器メーカーが設立
公衆無線LANやIP電話サービスなど
国際電話やしない電話、ADSLサービス事業者
石油化学製品製造事業者
通信事業者や投資会社、メーカーなどが設立
大同電信
威邁思電信
遠電信伝
6.2
5.2
4.2
合計:133百万台湾ドル(
482百万円)
3Gライセンス価格の合計3,055百万台湾ドル(
11,654百万円)(3)に対して割安
ライセンス交付時の2007年7月26日の終値1台湾元=3.6286 円で計算
エリア(北区と南区)によって県の数が異なるためフィーが異なる。フィーは1年分
落札価格合計をライセンス期間の年数で割り、1年分に換算
日経デジタルコア2009年9月「「WiMAX」で国際競争力強化・台湾のIT戦略」、インプレイスR&D「台湾のブロードバンド事情】壮大なM-台湾計画に基づく国際戦略を聞く」
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