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化 学 物 質 審 議 会 資 料 2 - 1 化審法の施行状況と最近の 動きについて 平成25年10月 経 済 産 業 省 化学物質管理課 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) 目的 ○人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある 化学物質による環境の汚染を防止。 概要 ○新規化学物質の事前審査 →新たに製造・輸入される化学物質に対する事前審査制度 ○上市後の化学物質の継続的なリスク評価(平成23年度より) →製造・輸入数量の把握(事後届出)、有害性情報の報告、有害性調査指示等により上 市されている全ての化学物質を継続的にリスク評価 ○化学物質の性状等(分解性、蓄積性、毒性、環境中での残留状況)に応じた規制措置 →性状に応じて「第一種特定化学物質」、「第二種特定化学物質」等に指定 →製造・輸入予定数量の把握、製造数量等の変更命令、製造・輸入許可、使用制限等 1 改正化審法の体系(23年4月1日~ ) ○上市前の事前審査及び上市後の継続的な管理により、化学物質による環境汚染を防止。 第一種特定化学物質 (28物質) 難分解・高蓄積・人への長期毒性又 は高次捕食動物への長期毒性あり ・製造・輸入許可制(必要不可欠用途以外は禁止) ・政令指定製品の輸入禁止 ・回収等措置命令 等 使用状況 等を詳細 に把握 ・製造・輸入実績数量、詳細用途等の届出義務 難分解・高蓄積・毒性不明 第二種特定化学物質 (23物質) 人健康影響・生態影響のリスクあり 使用状況等を 大まかに把握 低懸念高分子化合物 一般化学物質 (およそ28,000物質) 有害性や使 用状況等を 詳細に把握 中間物等 (政令で定める用途) ※別途40物質を今後指定する予定 国がリスク評価 少量新規 (年間1トン以下) 優先評価化学物質 (140物質) 事前確認等 高濃縮でなく低生産 (年間10トン以下) 環境中への 放出を抑制 事前審査 新規化学物質 監視化学物質 (38物質) 環境中への 放出を回避 上市 ・ 製造・輸入(予定及び実績) 数量、用途等の届出 ・ 必要に応じて予定数量の変 更命令 ・ 取扱についての技術指針 ・ 政令指定製品の表示 等 ・ 製造・輸入実績数量・詳細用 途別出荷量等の届出 ・ 有害性調査指示 ・ 情報伝達の努力義務 ・ 製造・輸入実績数量、用途 等の届出 ※物質数は平成25年9月時点のもの 2 新規化学物質の届出・審査 【事前審査制度】 ○我が国において新たに製造又は輸入される化学物質(新規化学物質)については、厚生労働大臣、経 済産業大臣及び環境大臣に対して届出を行い、三大臣の審査によって規制の対象となる化学物質であ るか否かが判定されるまでは、原則として、その新規化学物質の製造又は輸入をすることができない。 新規化学物質の評価項目 (1)自然的作用による化学的変化を生じにくいものであるかどうか(分解性) (2)生物の体内に蓄積されやすいものであるかどうか(蓄積性) (3)継続的に摂取される場合には、人の健康を損なうおそれのあるものであるかどう か(人への長期毒性) (4)動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがあるものであるかどうか (動植物への毒性) 3 新規化学物質の事前審査制度 ○ 新規化学物質の製造・輸入を行おうとする者は、所定の試験結果を添えて事前に三大臣に届 出。 ○ 三大臣は、「分解性」、「蓄積性」、「人への長期毒性の疑い」及び「生態毒性」の有無に ついて審査し、その結果を届出者に通知(判定通知書を送付)。 ○ 判定が第2号~第5号のいずれかであれば、製造・輸入が可能となる。 判定 特性 判定後 第1号 難分解性かつ高蓄積性かつ人健康又は生態への影響のおそれあ り 製造・輸入不可 第2号 難分解性かつ人健康影響の疑いあり(高蓄積性でない) 第3号 難分解性かつ生態影響のおそれあり(高蓄積性でない) 第4号 難分解性かつ人健康影響の疑いあり・生態影響のおそれあり(高蓄 積性でない) 第5号 人健康影響・生態影響疑いなし又は良分解性 第6号 いずれに該当するか不明 製造・輸入可能 追加の試験成績 を提出し再判定 4 新規化学物質の届出 ○新規化学物質の届出件数は増加傾向にあり、平成24年の届出件数は702件。 新規化学物質届出件数の推移 (届出件数) 800 700 600 500 通常新規 400 低生産量新規 (高濃縮でなく年間製造・輸入数量10トン以下) 300 200 100 0 '74 '75 西暦 暦年 製造 輸入 製造及び輸入 合計 '80 '85 '90 '95 '00 '05 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 (2011まで暦年) (件数) '74 S49 114 96 '75 50 45 37 '80 55 160 93 '85 60 286 90 '90 H2 218 54 '95 7 223 73 '00 12 291 82 '05 17 349 94 '06 18 381 101 '07 19 452 151 '08 20 502 164 '09 21 440 182 210 82 253 376 272 296 373 443 482 603 666 622 '10 22 402 151 27 580 '11 23 '12 24 684 684 702 702 (2011まで暦年、2012は年度) 5 新規化学物質の届出 ○新規化学物質の用途分類は以下のとおり。 塗料・コーティング剤、電気・電子材料の用途の割合が大きい。 用 途 塗料用・ワニス用・ コーティング剤用・ 印刷インキ用・複写 用・殺生物剤用溶 剤 2% 電池材料(一次電 池、二次電池) 2% 合成繊維、繊維処 理剤 2% その他 13% 塗料、コーティング 剤 26% 接着剤、粘着剤、 シーリング材 4% 印刷インキ、複写 用薬剤(トナー等) 5% プラスチック、プラス チック添加剤、プラ スチック加工助剤 7% フォトレジスト材料、 写真材料、印刷版 材料 8% 電気・電子材料 18% 中間物 13% 件数 割合 塗料、コーティング剤 181 25.8% 電気・電子材料 130 18.5% 中間物 91 13.0% フォトレジスト材料、写真材料、印刷版材 料 59 8.4% プラスチック、プラスチック添加剤、プラス チック加工助剤 50 7.1% 印刷インキ、複写用薬剤(トナー等) 33 4.7% 接着剤、粘着剤、シーリング材 27 3.8% 合成繊維、繊維処理剤 15 2.1% 電池材料(一次電池、二次電池) 14 2.0% 塗料用・ワニス用・コーティング剤用・印 刷インキ用・複写用・殺生物剤用の溶剤 13 1.9% その他 89 12.7% 合計 702 6 新規化学物質の判定結果 新規化学物質判定結果(平成24年度) 第1号(難分解性かつ高蓄積性かつ人健康影響の疑い又は生態影響あり) 第2号(難分解性かつ人健康影響の疑いあり(高蓄積性でない)) うち、(分蓄+スク毒)によるもの 第3号(難分解性かつ生態影響あり(高蓄積性でない)) うち、(分蓄+スク毒)によるもの 第4号 (難分解性かつ人健康影響の疑いあり・生態影響あり(高蓄積性でない)) うち、(分蓄+スク毒)によるもの 第5号(疑いなし又は良分解性) 0 47 47 4 4 59 59 344 うち、良分解であることによるもの 34 うち、(分蓄+スク毒)によるもの 34 うち、(高分子FS)によるもの 276 低生産(難分解性(高蓄積性でない)) 248 合計 702 7 少量新規化学物質の確認 ○少量新規化学物質の平成24年の申出件数は31,672 件、前年と比較して3,153件増加。 <少量新規化学物質の確認の申出件数の推移> (件数) 30000 20000 10000 0 50 55 60 H2 7 12 17 18 19 20 21 22 23 24 (年度) (件数) 西暦 ‘74 ‘75 ’80 ’85 ‘90 ‘95 ‘00 ‘05 ‘06 ‘07 ‘08 ‘09 ‘10 ‘11 ‘12 年度 S49 50 55 60 H2 7 12 17 18 19 20 21 22 23 24 製造 415 469 937 2,177 4,799 5,951 7,222 10,650 11,644 12,694 13,550 14,123 - - - 輸入 299 304 896 1,716 2,049 2,099 2,810 5,273 6,040 6,947 7,805 8,704 - - - - - - - - - - - - - - - 25,815 28,519 31,672 714 773 1,833 3,893 6,848 8,050 10,032 15,923 17,684 19,641 21,355 22,827 25,815 28,519 31,672 製造及び輸入 合計 (注)同一物質の届出を含む。 8 少量新規化学物質の確認 ○少量新規化学物質の用途分類は以下のとおり。電気・電子材料、中間物の用途の割合が大きい。 接着剤、粘着 剤、シーリング 材 3% 用 着色剤(染 料、顔料、 色素、色 材) 2% その他の原料、 その他の添加剤 3% その他 13% 化学プロセス調 節剤 3% 電気・電子材料 29% プラスチック、プ ラスチック添加 剤、プラスチック 加工助剤 4% 芳香剤、消臭剤 6% 塗料、コーティン グ剤 [プライ マーを含む] 6% 中間物 19% フォトレジスト材 料、写真材料、 印刷版材料 12% 途 件数 割合 電気・電子材料 9226 29.1% 中間物 6020 19.0% フォトレジスト材料、写真材料、印刷 版材料 3633 11.5% 塗料、コーティング剤 2043 6.5% 芳香剤、消臭剤 1973 6.2% プラスチック、プラスチック添加剤、 プラスチック加工助剤 1196 3.8% 化学プロセス調節剤 1098 3.5% その他の原料、その他の添加剤 921 2.9% 接着剤、粘着剤、シーリング材 879 2.8% 着色剤(染料、顔料、色素、色材) 701 2.2% 3982 12.6% その他 合計 31672 9 低生産新規化学物質の確認 <低生産新規化学物質の確認件数の推移> (件数) 1400 製造及び輸入 1200 輸入 1000 製造 800 600 400 200 0 16 17 18 19 20 21 22 23 24 (年度) (件数) 西暦 ’04 ‘05 ‘06 ‘07 ‘08 ’09 ‘10 ‘11 ‘12 年度 16 17 18 19 20 21 22 23 24 製造 72 156 261 341 477 569 - - - 輸入 29 71 110 174 250 302 - - - - - - - - - 1023 1175 1316 101 227 371 515 727 871 1023 1175 1316 製造及び輸入 合計 10 中間物・閉鎖系等用途・輸出専用品の確認件数の推移 ○中間物等の確認件数は以下のとおり。 中間物等の確認件数 250 輸入 製造 200 150 年度(平成) 16 17 18 19 中間物 106 146 108 175 製造 56 69 57 輸入 50 77 閉鎖系等 6 製造 輸入 21 22 23 24 83 165 207 212 217 70 43 67 99 136 76 51 105 40 98 108 76 141 1 2 0 2 3 8 6 5 1 1 1 0 2 2 2 2 1 5 0 1 0 0 1 6 4 4 46 52 41 50 30 39 51 48 41 製造 26 34 39 41 24 39 40 40 40 輸入 20 18 2 9 6 0 11 8 1 158 199 151 225 115 207 266 266 263 製造 87 104 97 111 69 108 141 178 117 輸入 71 95 54 114 46 99 125 88 146 輸出専用品 100 合計 50 20 0 16 17 18 19 20 21 22 23 24 16 17 18 19 20 21 22 23 24 16 17 18 19 20 21 22 23 24 中間物 閉鎖系等用途 輸出専用品 年度(平成) 11 低懸念高分子の確認件数の推移 ○低懸念ポリマーの確認件数は以下のとおり。 (参考)低懸念ポリマーの確認制度 高分子化合物であって、これによる環境の汚染が生 じて人の健康に係る被害又は生活環境動物の生息も しくは生育に係る被害を生ずるおそれがないものとして 三大臣が定める基準に該当する旨の事前確認を受け た場合、新規化学物質の届出をせずに製造・輸入がで きる。 ※平成22年度より制度新設 12 改正化審法における上市後の化学物質のリスク評価の流れ 一般化学物質 絞り込み 物質数 多 評価の 精度 優先度マトリックスにより、リスクが十分に低 いとは判断できず、さらにリスク評価を行う 必要がある化学物質を絞り込む。 スクリーニング評価 (リスクが十分に低いと言えない化学物質) 詳細用途別出荷量(化審法 に基づく優先評価化学物質 の届出データ) 簡易 優先評価化学物質に指定 絞り込んだ物質について、 各種のデータを用い、リス ク懸念の程度を詳細に評 価する。 リスク評価(一次) PRTRデータ 環境モニタリングデータ 有害性データ (長期毒性があればリスクが懸念される化学物質) 少 詳細 有害性調査指示 (製造・輸入事業者に長期毒性試験の実施を指示) リスク評価(二次) 有害性調査指示による長期毒性試験の 結果を踏まえて最終的にリスクを評価。 (リスクが懸念される化学物質) 第二種特定化学物質に指定 (必要により、製造・輸入数量を調整) 13 優先度マトリックスを用いたスクリーニング評価 ○それぞれの一般化学物質について、暴露クラス(推計排出量の大きさ)及び有害性クラス (有害性の強さ)を付与し、以下のマトリックスを用いてスクリーニング評価(リスクが 十分に小さいとは言えない化学物質の選定)を行う。 有害性クラス 強 2 3 4 外 1 高 高 高 高 外 2 高 高 高 中 外 3 高 高 中 中 外 4 高 中 中 低 外 5 中 中 低 低 外 外 外 外 外 外 外 リスクが十分に低いと判断できない 優先度「中」はエキスパートジャッジ 一般化学物質 暴露クラス 優先評価化学物質 1 大 小 弱 14 一般化学物質の製造・輸入実績の届出 ○22年度実績から、一般化学物質を年間1トン以上製造・輸入した事業者に対し、 その数量の届出義務を課す制度を導入。 ○これまでの届出件数は以下のとおり。 ・23年度(22年度実績分、実績値):31,301件(1,422社) 6,813物質 ・24年度(23年度実績分、実績値):30,354件(1,416社) 7,067物質 ○本届出実績を集計・公表するとともに、暴露クラスの推計に活用。 <届出物質の数量分布(23年度実績)> <用途分類(23年度実績)> (t) 1,000,000以上 合成ゴム、ゴム 用添加剤、ゴム 用加工助剤 2% 13 100,000 - 1,000,000 製造・輸入数量 その他の原料、 その他の添加 剤 2% 248 1,000 - 10,000 826 100 - 1,000 作動油、絶縁 油、プロセス 油、潤滑油剤 (エンジン油、 軸受油、圧縮機 油、グリース 等) 2% 1,614 4,307 1 - 100 0 その他の用途 11% 紙・パルプ薬品 2% 59 10,000 - 100,000 金属洗浄用溶 剤 1% 1,000 2,000 届出物質数 3,000 4,000 (物質) 水処理剤 3% プラスチック、プ ラスチック添加 剤、プラスチッ ク加工助剤 6% (注)リスク評価を行う必要がないものとして指定された化学物質は届出不要 中間物 36% 輸出用 17% 燃料、燃料添加 剤 18% ※出荷数量ベース 15 暴露クラスの付与について 製造・輸入数量・ 用途別出荷数量 ○全ての一般化学物質について、製造・輸入者から届 け出られた用途別出荷量をもとに全国総排出量を推 計し、暴露クラスを付与する。 スクリーニング 評価用 排出係数 一覧表 全国総排出量 (推計値) 有害性クラス 強 水域への排出量×0.5 生分解性の情報 難分解性/良分解性の 判定結果 暴露クラス (良分解性判定のとき) 大 小 弱 1 2 3 4 1 (>10000t) 高 高 高 高 2 (1000t~≦10000t) 高 高 高 中 3 (100t~≦1000t) 高 高 中 中 4 (10t~≦100t) 高 中 中 低 5 (1t~≦10t) 中 中 低 低 外 (≦1t) 外 クラス外 16 人健康影響の有害性クラス付けについて 4つの有害性項目のクラスのうち、 最も厳しいクラスを有害性クラスとして付与 有害性クラス 強 有害性の 項目 1 2 3 弱 4 クラス外 一般毒性 D≤0.005 GHS区分1 0.005<D≤0.05 0.05<D ≤0.5 GHS区分2 D>0.5 生殖発生 毒性 D≤0.005 0.005<D≤0.05 0.05<D≤0.5 D>0.5 変異原性 GHS区分 1A 発がん性 GHS区分 1A ・GHS区分1B,2 化審法の変異原 ・化審法「強い陽性」 性試験のいずれ ・化管法「クラス1」 も陽性※1 ・強弱不明の陽性 GHS区分 1B, 2 D:有害性評価値=NOEL等/不確実係数積 (mg/kg/day) • GHS区分外 化審法の変異原 • 化審法の変異原性 性試験のいずれ 試験のいずれも陰性 かで陽性※1 • in vivo試験で陰性※2 GHS区分外 ※1 軽微な陽性、強い陽性を除く ※2 in vitroで陽性がある場合、個別判断 17 生態影響の有害性クラス付けについて 各栄養段階の 慢性毒性値を 優先的に採用 有害性の評価対象となる3つの栄養段階 甲殻類 (ミジンコ) 藻類 魚類 各栄養段階の 最小毒性値を比較 (不確実係数を考慮) 最も厳しい最小毒性値からPNEC(mg/L)を導出 有害性クラス 強 弱 有害性クラス 1 2 3 4 クラス外 PNECの 区切り PNEC ≤0.001 0.001< PNEC ≤0.01 0.01< PNEC ≤0.1 0.1< PNEC ≤1 PNEC >1 18 一般化学物質のスクリーニング評価の進捗状況 ○一般化学物質のスクリーニング評価を23年度から開始。旧法の第二種及び第三種監視化学物質を含め、本 年4月までに140物質を優先評価化学物質に指定。 ○今年度は、23年度の製造輸入数量1トン以上の一般化学物質11,979物質のうち、製造輸入数量10トン超の一 般化学物質7,819物質についてスクリーニング評価を実施。暴露クラスの推計等を行い、40物質については、新 たに優先評価化学物質相当であると判定された。 ○今後は、国による有害性情報の収集と並行して、事業者からの情報収集を呼びかけるなどにより、スクリーニン グ評価/リスク評価の一層の推進を図る。 7,819物質 製造・輸入数量 年間10トン超 詳細リスク評価 スクリーニング評価 一般 化学物質 40物質を 新たに判定 優先評価化学物質 既に140物質 が指定 第二種 特定化学物質 優先評価 化学物質 一般 化学物質 一般化学物質11,979物質 (製造・輸入数量年間1トン以上) およそ11,000物質 19 詳細なリスク評価を実施中の優先評価化学物質① ○優先評価化学物質に指定されているものの内、リスク懸念があると認められ、評価の優先順位が高いと 考えられるものから詳細なリスク評価を進めている。 【平成24年度より詳細なリスク評価に着手している物質(18物質:人健康影響11物質・生態影響7物質)】 優先評価化学物質の名称 評価の観点 ヒドラジン 人健康影響 1,3-ブタジエン 人健康影響 ジクロロメタン(別名塩化メチレン) 人健康影響 1,2-ジクロロプロパン 人健康影響 クロロエチレン(別名塩化ビニル) 人健康影響 1,3-ジクロロプロペン(別名D-D) 生態影響 エチレンオキシド 人健康影響 1,2-エポキシプロパン(別名酸化プロピレン) 人健康影響 ホルムアルデヒド 人健康影響 アクリル酸n-ブチル 生態影響 アクリロニトリル 人健康影響 ベンゼン 人健康影響 イソプロペニルベンゼン(別名α-メチルスチレン) 生態影響 p-ジクロロベンゼン 生態影響 o-トルイジン 人健康影響 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール 生態影響 [3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]トリフェニルホウ素(III) 生態影響 4,4’-(プロパン-2,2-ジイル)ジフェノール (別名4,4’-イソプロピリデンジフェノール又はビスフェノールA) 生態影響 20 詳細なリスク評価を実施中の優先評価化学物質② 【平成25年度より詳細なリスク評価に着手する物質(8物質:人健康影響1物質・生態影響7物質)】 優先評価化学物質の名称 評価の観点 ヒドラジン 生態影響 ブロモメタン(別名臭化メチル) 生態影響 N,N-ジメチルホルムアミド 人健康影響 1,2,4-トリメチルベンゼン 生態影響 ナフタレン 生態影響 α-(ノニルフェニル)-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン) (別名ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル) 生態影響 過酸化水素 生態影響 アクリル酸 生態影響 ※ヒドラジンは人健康影響においては平成24年度より詳細なリスク評価に着手。 21 第一種特定化学物質の新たな指定及びその具体的措置について ○ エンドスルファン及びヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)の2物質については、難分解 性かつ生物蓄積性に加えて長期毒性を有することが明らかとなったことから、残留性有 機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)に基づき国際的に製造・使用を原 則禁止(廃絶)とすることが決定された(※)。 (※)エンドスルファンは平成23年の締約国会議、ヘキサブロモシクロドデカンは平成25年の締約国会議において決定された。 (※)原則として国連事務局からの通報後1年以内に締約国は所要の措置を講ずることとされている。 ○これを受け、我が国においても、これらの物質を化審法の第一種特定化学物質に指定し、 順次、以下の対策を講じていく。(10月4日の3省合同審議会で決定) 26年4月~(予定) エンドスルファン及びHBCDの製造・輸入及び使用禁止 26年8月~(予定) HBCDを使用した次の製品の輸入禁止 ①繊維用難燃処理薬剤、②難燃性EPS用ビーズ、③防炎生地及び防炎カーテン エンドスルファン 過去農薬として使用されていたが、現在は農薬取締法によ り農薬としての販売・使用は禁止されており、それ以外の用 途にも製造・輸入はされていない。 ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD) HBCDは難燃剤として住宅用断熱材や防炎カーテン等 に用いられていたが、我が国では代替に向けた取り組 みが着実に進みつつある。 HBCDの国内での製造は既に終了。平成24年度の輸 入量は約2,100トン。 22 規制改革実施計画(新規化学物質の審査制度の見直し) ◇本年6月14日(金)に閣議決定された規制改革実施計画において、化審法の化学物質審査 制度の見直し(3件)が盛り込まれた。 ◇今後、厚労省・環境省とともに具体策を検討する。 規制改革の項目(化審法関連3件) 事項名 規制改革の内容 実施時期 化学物質審査制度 の見直し①(少量新 規化学物質確認制 度等の総量規制の 見直し) 少量新規化学物質確認制度については、科学的考察を基に人の健康及び 生態系に対する安全性を確保しながら、事業者の新規化学物質の製造・ 輸入に係る予見可能性を担保する仕組みとするため、低生産量新規化学 物質に係る特例枠(10トン)との関係を考慮しつつ、一社単位で確認を行う ことについて検討し、結論を得る。 平成25年度検 討・結論 化学物質審査制度 の見直し②(少量新 規化学物質確認制 度の受付頻度の見 直し) 事業者が事業機会を逃すことなく競争力を高めることを可能とする観点か ら、事業者の実情を踏まえて、少量新規化学物質の確認の申出の受付頻 度を増加させることについて検討し、結論を得る 平成25年度検 討・結論 化学物質審査制度 の見直し③(化学物 質の用途等を考慮 した審査制度の構 築 安全性と新規化学物質の開発に要する費用や期間の効率化との両立を図 りつつ、化学物質の用途・曝露可能性等を考慮して人の健康及び生態系 への影響を評価する新規化学物質の審査制度の在り方について、合理化 の必要性が指摘されている個別の課題から検討を行い、結論を得る。 平成25年度検 討・結論 23 新規化学物質の審査制度の合理化 ○ 規制改革実施計画などを踏まえ、新規化学物質の審査制度の合理化をできるところから積 極的に推進。 ○ 本年9月には、一定の要件を満たした場合にはQSAR(定量的構造活性相関)の推 計結果から新規化学物質の生物蓄積性を判定できる仕組みを導入。 ○環境汚染を確実に防止しつつ、産業活動の円滑化などの要請に応える制度となるよう、 今後も合理化を進めていく。 新規化学物質の審査制度の合理化(既に実施済みのもの) 〔手続のスピードアップ〕 • 少量新規化学物質の確認数量について速報サービスを導入※電子による申出者のみ • 低生産の確認通知送付までの手続期間を約1ヶ月短縮 • 通常新規の判定通知送付までの手続期間を2週間短縮 〔微量の副生新規化学物質についての取扱いの合理化〕 • 新規化学物質の届出に関する事業者向けマニュアルを改正し、実用的な製法で分 離が困難であれば混合物として届け出ることが可能であることを明確化 〔QSARを活用した生物蓄積性判定の導入〕 • 生物蓄積性の類推等による判定の運用ルール案を作成・公表し、届出された新規 化学物質について、構造が類似し生物蓄積性が低い既知の化学物質がある場合 にはQSAR(定量的構造活性相関)の推計結果等から高蓄積性でないと判定でき る仕組みなどを導入 24 有機顔料中の非意図的PCBに係る対応 ○昨年2月、化成品工業協会から、一部の有機顔料に非意図的に副生したPCBが微量含有するという 報告を受け、経済産業省、厚生労働省、環境省(以下「3省」)は、PCBを副生する可能性のある有機 顔料を製造又は輸入している事業者に対し、PCBの有無等について分析し、3省へ報告するよう要請 (実態調査)。昨年5月と8月に結果を取りまとめ公表。 ○これらのうち、副生するPCBの含有量が国際的な基準(50ppm)を超えることが判明した17品目の有 機顔料については、製造・輸入・出荷の停止、出荷先及び用途等についての報告、出荷先からの回収 を直ちに指導。 ○その後、事業者から、一部の有機顔料について異なる方法で再分析を行ったところ、従来と異なる高 い値が得られる場合があるとの報告があり、これを踏まえ3省は、有識者による検討を実施し、分析方 法について検討を行い、関係事業者に対し再分析の要請を行った(昨年11月)。 ○再分析について、本年5月に結果を取りまとめ公表。その結果、新たに9品目の有機顔料について 50ppm超の副生PCBを含有していることが判明し、これらについても、製造・輸入・出荷の停止、出荷 先及び用途等についての報告、出荷先からの回収を直ちに指導。 PCB濃度 (ppm) 0.5以下 0.5超~1 1~5 5 ~10 10 ~15 15 ~20 20 ~25 25~50 50 超 合計 再分析 の結果 141 22 41 11 4 5 4 5 9 242 これまで との合計 359 51 89 29 13 7 10 13 17 588 (平成25年5月10日 報道発表資料より) 25 監視化学物質について ○監視化学物質の製造・輸入数量は、総じて見れば減少傾向にある。 <監視化学物質の届出数量の推移> H18 H19 H20 H21 (単位:トン) H22 H23 102 - 3,019 2,646 3 - 283 3 シクロドデカ-1,5,9-トリエン 1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン 1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン ジイソプロピルナフタレン 2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロ-2H-1,2,3-ベンゾトリア ゾール-2-イル)フェノール 水素化テルフェニル ジベンジルトルエン 345 3,901 - 774 316 3,206 - 780 288 2,744 - 812 228 2,613 - 186 549 476 123 3 2 2 373 905 610 1,089 364 1,079 1 632 430 1,125 49 976 N,N-ジシクロヘキシル-1,3-ベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド 3,383 3,048 2,312 2,089 2,136 1,832 187 202 191 96 99 114 ペルフルオロヘプタン 1,4-ビス(イソプロピルアミノ)-9,10-アントラキノン - - 33 - 29 - 37 6 59 6 55 4 ペルフルオロトリデカン酸 4-sec-ブチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール ジペンテンダイマー又はその水素添加物 塩素化パラフィン(C11、塩素数7~12) ポリブロモビフェニル(臭素数が2から5のものに限る。) 2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-sec-ブチル-4 -tert-ブチルフェノール 2,6-ジ-tert-ブチル-4-フェニルフェノール α-(ジフルオロメチル)-ω-(ジフルオロメトキシ)ポリ[オキシ(ジフルオロ メチレン)/オキシ(テトラフルオロエチレン)](分子量が500以上700以下のも のに限る。) - - 2 24 1 - - 2 5 - 2 - - - - 2 7 - - - - - - - - - - - - - 2 - - - - - 2 - - - - - - - - - - 18 2,2′,6,6′-テトラ-tert-ブチル-4,4′-メチレンジフェノール (※)監視化学物質について ・ 難分解・高蓄積性あり。毒性不明。(指定物質数:38物質) ・ 製造・輸入実績数量、詳細用途等の届出義務あり。 26 第二種特定化学物質について ○第二種特定化学物質の中で現在製造・輸入されているのはトリクロロエチレン、テトラ クロロエチレン及び、四塩化炭素のみであるが、それらの出荷数量(輸出及び中間物向 け)は減少傾向にある。 第二種特定化学物質の 出荷数量(輸出及び中間物向け以外)の推移 (単位:トン) (単位:トン) 第二種特定化学物質の出荷数量(輸出及び中間物向け以外)の推移 四塩化 炭素 34,396 23,159 89 1997年度 34,394 21,200 70 1998年度 33,179 17,585 37 1999年度 33,340 16,787 44 2000年度 31,952 14,089 27 2001年度 27,634 11,153 37 2002年度 24,863 11,148 29 2003年度 23,537 10,397 22 2004年度 22,233 9,191 22 2005年度 21,889 8,683 30 2006年度 18,351 7,013 27 2007年度 18,020 6,270 40 2008年度 14,284 5,198 20 2009年度 12,971 5,200 16 2010年度 13,142 5,703 17 2011年度 12,437 4,618 18 2012年度 11,628 4,391 15 トリクロロエチレン 30,000 20,000 テトラクロロエチレン 10,000 四塩化炭素 0 2012年度 658 1996年度 2011年度 1,747 24,648 2010年度 27,892 34,084 2009年度 34,541 1995年度 2008年度 1994年度 40,000 2007年度 3,681 2006年度 28,727 2005年度 35,002 2004年度 1993年度 2003年度 6,127 2002年度 30,009 2001年度 34,546 2000年度 6,420 1992年度 1999年度 6,492 30,059 1998年度 37,554 34,546 1997年度 36,762 1991年度 1996年度 1990年度 50,000 1995年度 6,904 1994年度 7,736 42,760 1993年度 45,483 46,201 1992年度 57,922 1991年度 1988年度 1989年度 1990年度 テトラクロ ロエチレン 1989年度 トリクロロ エチレン 1988年度 年 度 60,000 27