Comments
Description
Transcript
全体 - 日本人材派遣協会
厚生労働省委託研究 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成 プロジェクト報告書 平成 20 年 3 月 社団法人 日本人材派遣協会 はじめに 近年、派遣スタッフは増加を続けており、また、少子高齢化・労働力人口の減少は既に 顕在化している。経済の持続的発展を遂げるためには、雇用形態に係らず生産性の向上、 人材の確保・育成が急務の課題となっている。 しかし、派遣スタッフの能力開発機会は、正社員のように継続的に与えられていないの が現実であり、かつ派遣スタッフはその多数を 20 代∼30 代の若年層が占めていることを考 えれば、こうした状況の放置は、これらの者の十分な職業能力の開発及び向上が図られぬ まま、職業キャリアの持続的な発展は困難となるであろう。そして、労働市場の流動化が 今後も進むであろうことが予測される中、労働力の需給ギャップを解消するためには、能 力開発の機会確保に加え、その能力を適正に評価する仕組みの構築が必要であり、これを 通じて労働者の能力が客観的に証明され、派遣元による積極的な雇用、及び派遣先による 活用が進むことが重要である。 平成 19 年度、社団法人日本人材派遣協会は、厚生労働省から、こうした能力開発の機会 確保と能力の適正評価に資するために「派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成の仕 組みの整備事業」を受託し、労働者派遣事業等関係者、学識経験者等によって構成される 「派遣労働者等の能力開発・キャリア形成プロジェクト」を設置した。そして、派遣スタ ッフの能力開発・キャリア形成の現状を調査・分析、派遣元に広く周知広報を行った。 当該事業は 3 ヵ年を要する事業であり、今年度は事務系職種に絞った形で調査・検討活 動を行ったところであり、本報告は、その活動を総括すべく作成されたものである。しか し、まだ途上のものであり不十分なところも多々あろうかと思う。今後の活動によって、 より充実した事業成果がなされることを期待しながら、この内容が派遣スタッフの能力開 発・キャリア形成支援に関心のある皆様のご参考になれば幸いである。 平成 20 年 3 月 派遣労働者等に係る 能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会委員長 大原博 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成 プロジェクト報告書 【目 次】 はじめに 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成の仕組みの整備事業について P1 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト、派遣労働者等に係る P2 能力開発・キャリア形成作業委員会 委員名簿・委員会実施記録 【総論】派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援 (佐藤博樹・佐野嘉秀) P9 【第1部】「調査結果の分析」 ①派遣スタッフの能力開発の現状と課題 (島貫 智行) P23 (松浦 民恵) P35 (木村 琢磨) P45 (香川 めい) P57 (松浦 民恵) P72 ∼派遣会社アンケート調査から∼ ②派遣スタッフのキャリア形成支援の現状と課題 ∼派遣会社ヒアリング調査から∼ ③派遣スタッフのキャリア形成要因 ∼派遣スタッフアンケート調査から∼ ④派遣スタッフのスキルアップ意欲を高める要因 ∼派遣スタッフアンケート調査から∼ ⑤派遣スタッフのキャリア形成要因 ∼派遣スタッフヒアリング調査から∼ 【第2部】「派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナー実施記録」 ①派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナーのご案内 P79 ②セミナー資料 P83 ③パネルディスカッション P112 「派遣スタッフのキャリア形成支援について考える」概要 【第3部】「アンケート調査・ヒアリング調査の結果」 ①派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート調査 P121 (派遣スタッフアンケート調査) ②派遣スタッフの能力開発に関するアンケート調査 P203 (派遣会社アンケート調査) ③派遣元ヒアリング調査 P271 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア 形成 の仕組 みの整備事業について 1 .趣 旨 近年、派遣労働者は増加を続 けており、また、製造業においては、業務請負会社に雇 用される請負労働者が製造業大規模事業場を中心に 多く働いているが、これらの労働者 の能力開発機会については、正社員との格差が 見られる。 さ ら に 、 派 遣 労 働 者 ・ 請 負 労 働 者( 以 下 「 派 遣 労 働 者 等 」 と い う 。 ) と も に 、 そ の 多 数 を 20 代 ∼ 30 代 の 若 年 層 が 占 め て お り 、 こ う し た 状 況 を 放 置 す れ ば 、 こ れ ら の 者 の 十 分 な職業能力の開発及び向上が図られず、職業キャリアの持続的な発展は困難となる。 このため、派遣労働者等の主要 な業務分野ごとに、 派遣元・請負企業と派遣先・請負 発注側企業の役割を踏まえた能力評価・能力開発のための望ましいモデル やキャリア形 成支援計画を策定するためのプロジェクト事業 を行うものである。 本 事 業 は 、主 要 業 務 分 野 ご と に 、モ デ ル 等 を 検 討 し て い く た め、平 成 19 年 度 か ら 平 成 21 年 度 ま で の 3 箇 年 計 画 と し て 実 施 。 平 成 19 年 度 に は 事 務 系 業 務 を 中 心 に モ デ ル 等 を 検討することとしている。 2 .事 業 概 要 派遣労働者等に係る能力開発・ キャリア形成の仕組みの整備 30代以下が7∼8割を占める 11.8 12.3 50代以上 派遣労働者 請負労働者 14.2 15.7 40代 37.7 34.3 30代 36.3 36.5 20代以下 0 20 40 60 ( %) 備考: 請負労働者については製造業のみ 製造業では「 単純な繰り返し作業である」 について派 あまり当てはまら 無回答 遣労働者等の約8割が該当 ない 9.6% 2.6% や や当てはまる 4 1.4% とても当てはま る 42. 2% 派遣労働者 全く当 て はまらない 4.2% あまり当てはまらな い 14 .9% とても当てはま る 3 2.4% やや当てはまる 46. 7% 全く 当 てはまらない, 4.8% 過去1年間にOFF−JTを受講した割合 0% 100% 5% 10% 15% 正社員 派遣労働者 20% 25% 30% 28.6% 35% 持続的発展は困難 請負労働者 無回答 1.2% 5.6% 資料: 能力開発基本調査( 2006 年) 備考: 従業員調査 1 これらの状況を放置すれば職業キャリアの 派遣・ 請負労働者の年齢構成 派遣労働者等の能力開発・ キャリア形成プロジェクト 関係団体への委託により実施 キャリア 派遣労働者等の能力開発・ 運営 形成プロジェクト委員会の設置・ キャリア 派遣労働者等の能力開発・ 形成に係る課題についての調査分析 能力 派遣労働者等の職業能力評価・ キャリア形成計画等の 開発モデル・ 開発 派遣元等、派遣先等、派遣労働者等 への普及等 平成19年度派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会 委員名簿 委員長 大原 博 株式会社ビッグアビリティ 副委員長 桑原 加鶴子 ヒューマンリソシア株式会社 副委員長 佐藤 博樹 東京大学 社会科学研究所 教授 委員 佐野 嘉秀 東京大学 社会科学研究所 客員准教授 委員 乾 委員 楢迫 敦子 キャプラン株式会社 経営企画グループ プロジェクト 推進部長 委員 家富 美和 株式会社スタッフサービス 委員 船津 由紀 マンパワージャパン株式会社 委員 高橋 慎二 アデコ株式会社 スタッフサポート部 委員 中森 まり 株式会社パソナ ジョブセンターインフォメーションチーム チーフジョブコーチ 委員 西澤 弘 独立行政法人 委員 松田 雄一 社団法人日本人材派遣協会 専務理事 委員 河邉 彰男 社団法人日本人材派遣協会 事務局次長兼企画広報課課長 オブザーバー 伊藤 正史 厚生労働省職業能力開発局 総務課基盤整備室 室長 オブザーバー 宇野 浩一 厚生労働省職業能力開発局 総務課基盤整備室 室長補佐 美由紀 テンプスタッフ株式会社 代表取締役専務 代表取締役 スタッフプランニング室 教育事業部 室長 人事本部 ゼネラルマネージャー 人材開発部 担当課長 労働政策研究・研修機構 部長 主任研究員 (順不同・敬称略) 2 平成19年度派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 委員名簿 委員長 佐藤 博樹 東京大学 社会科学研究所 教授 委員 松浦 民恵 株式会社 ニッセイ基礎研究所 委員 佐野 嘉秀 東京大学 社会科学研究所 委員 島貫 智行 山梨学院大学 現代ビジネス学部 委員 木村 琢磨 大阪経済大学 経営学部 委員 香川 めい 東京大学 委員 河邉 彰男 社団法人日本人材派遣協会 事務局次長兼企画広報課課長 委員 山本 和明 社団法人日本人材派遣協会 企画広報課係長 生活研究部門 副主任研究員 客員准教授 専任講師 専任講師 大学院教育学研究科比較教育社会学研究室 博士課程 (順不同・敬称略) 3 委員会実施記録 平成 19 年度第 1 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 8 月 7 日(火)10:00∼12:00 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.委員長挨拶と委員自己紹介 2.プロジェクトの全体の進行計画 3.スケジュール・第 1 回作業委員会の進め方 4.ヒアリンク調査に関して ・ヒアリング項目 ・ヒアリング対象会社の選定など 平成 19 年度第 2 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 10 月 31 日(水)10:00∼12:00 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.委員長挨拶 2.第 1 回、第 2 回作業委員会のご報告 3.派遣元ヒアリング調査報告書の確認 4−1.アンケート調査項目・対象の検討 ・派遣元アンケート調査(能力開発)の調査項目の検討 ・派遣労働者アンケート調査(キャリアアップ)の調査項目の検討 ・対象の検討と委員配分 4−2.平成 19 年度の報告会の基本構成の検討 平成 19 年度第 3 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 1 月 18 日(金)13:30∼15:30 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.委員長挨拶 2.第 3 回∼第 6 回作業委員会のご報告 3−1.派遣スタッフアンケート調査の結果報告・検討 3−2.派遣元アンケート調査の結果報告・検討 4.派遣労働者等能力開発・キャリア形成プロジェクト(平成 19∼21 年度 3 年計画) 成果物のイメージ及び次年度以降の方向性について 4 5.派遣労働者等能力開発・キャリア形成プロジェクト報告会の役割分担 ・パネルディスカッションのテーマについて 6.スケジュール確認 平成 19 年度第 4 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会 Ⅰ.日 時 平成 20 年 3 月 18 日(火)18:00∼20:00 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.委員長挨拶 2.第 7 回∼第 8 回作業委員会のご報告 3.派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナーの概要確認 4.同セミナーの配布資料の確認 5.派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト報告書の内容・検討 6.閉会挨拶 平成 19 年度第 1 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 9 月 18 日(火)10:30∼12:00、9 月 19 日(水)17:00∼18:00 Ⅱ.場 所 アルカディア市ヶ谷「18 日:赤城(西)」 、 「19 日:高尾」 Ⅲ.議 題 1.委員長挨拶と委員自己紹介 2.整備事業(プロジェクト委員会)の説明及び当作業委員会の全体の進行計画 3.派遣会社に対するヒアリング調査(9 月 18、19 日)について 4.次回以降の開催日時について 5.派遣会社に対するヒアリング調査を終えて 6.派遣スタッフに対するヒアリング調査について 7.派遣会社、マッチング担当者、派遣スタッフに対するアンケート調査について 平成 19 年度第 2 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 10 月 19 日(金)17:00∼21:00 Ⅱ.場 所 東京厚生年金会館 羽衣 Ⅲ.議 題 1.派遣元ヒアリング調査(9 月 18,19 日)報告書作成の進捗確認 2.派遣元アンケートの調査票項目検討 3.派遣労働者からのヒアリング調査 4.派遣労働者アンケートの調査票項目検討 5.次回以降の開催日時とスケジュール 5 平成 19 年度第 3 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 11 月 1 日(木)10:30∼13:00 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.第 2 回派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会議事報告 2.派遣労働者アンケート調査(キャリアアップ)の調査項目の検討 3.派遣元アンケート調査(能力開発)の調査項目の検討 4.平成 19 年度報告会について 5.今後のスケジュール 平成 19 年度第 4 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 11 月 15 日(木)18:30∼21:00 Ⅱ.場 所 アルカディア市ヶ谷「天城」 Ⅲ.議 題 1.今年度の成果物について 2.平成 19 年度報告会について 3.派遣スタッフアンケート調査(キャリアアップ)の調査項目の検討及び 派遣元アンケート調査(能力開発)の調査項目の検討 4.派遣スタッフアンケート調査の対象者について 5.今後のスケジュール 平成 19 年度第 5 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 19 年 11 月 22 日(木)13:00∼15:00 Ⅱ.場 所 東京大学 社会科学研究所赤門総合研究棟 5Fセンター会議室 Ⅲ.議 題 1.派遣スタッフアンケート調査(キャリアアップ)の調査項目の検討及び 派遣元アンケート調査(能力開発)の調査項目の検討 2.今後のスケジュール 平成 19 年度第 6 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 20 年 1 月 10 日(木)13:00∼17:00 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.派遣スタッフアンケート調査(キャリアアップ)の結果検討及び 派遣元アンケート調査(能力開発)の結果検討 6 2.今年度及び次年度以降における、当プロジェクト事業の予定 3.今後のスケジュール 平成 19 年度第 7 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 20 年 2 月 19 日(火)13:30∼16:30 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナーについて 2.報告書構成に関する検討 3.今後のスケジュール 平成 19 年度第 8 回 派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成作業委員会 Ⅰ.日 時 平成 20 年 3 月 6 日(火)13:30∼16:30 Ⅱ.場 所 社団法人日本人材派遣協会会議室 Ⅲ.議 題 1.派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナー確認 2.派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援報告書確認 3.今後のスケジュール 7 総論 派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援 佐藤博樹・佐野嘉秀 1.はじめに 企業の人材活用をみると、自社として直接雇用する社員だけでなく、派遣会社からの派 遣スタッフの活用も増えてきている。さらに派遣スタッフの活用数が増加するだけでなく、 派遣スタッフを活用する業務も、職場の補助的な業務だけでなく、基幹的な業務を含むよ うになってきている。派遣スタッフ活用の量的拡大と質的高度化である。こうした派遣活 用の変化の背景には、製品・サービス市場の不確実性の増大に対処するために、短期的な 景気や業績の動向に関わらず、派遣スタッフを恒常的に活用する企業が増えていることが ある。 企業が、今後も派遣スタッフを活用しながら生産性を維持向上させていくためには、派 遣スタッフが、活用業務に求められる職業能力を獲得することが前提条件となる。これを 実現するためには、派遣スタッフが、自らの職業能力を向上させるための機会を得ること が鍵となる(<派遣就業での能力・キャリア向上>)。 最近では、学校卒業後にそのまま派遣スタッフとして働くことを希望する者や、アルバ イトなどの就業経験はあるが正社員としての経験を持たずに派遣スタッフとして就業する ことを希望する者(<正社員未経験者の派遣就業>)、さらに正社員経験はあるが子育てな どのためのかなり長期のキャリア中断の後に派遣スタッフとして就業を希望する者なども 増えている(<職業中断者の派遣就業>)。こうした人々の就業希望を実現するためにも、 能力開発機会の提供が求められている。派遣スタッフの中には正社員への転換を考えてい る人も少なくなく、そうした人にとって派遣スタッフとして働く中で職業能力向上の機会 を得ることは、正社員転換の可能性を広げるものとなる(<派遣就業から正社員就業転換 >)。 派遣会社にとっては、派遣スタッフの確保や派遣先の派遣活用需要の充足、さらには付 加価値の高い業務に派遣できるスタッフを確保するためにも、派遣スタッフに対する職業 能力向上機会の提供が求められている。また、派遣スタッフとして働く人の中には、職業 能力の向上や従事する仕事の高度化などキャリア向上に関心をもつ人も多いことから、派 遣スタッフの定着や仕事意欲の向上のためにも、能力開発機会の提供やキャリア形成支援 の取り組みが重要となっている。 派遣スタッフが次第に職業能力を高めて、高度な仕事を担当できるようになっていくこ とは、派遣先に対する派遣会社の派遣料金引き上げのための交渉力を高めることにも貢献 でき、そのことは派遣スタッフの給与など労働条件の改善につながるものとなる。つまり、 派遣スタッフの能力開発やキャリア形成に対する支援は、派遣会社の業績向上にも貢献す るものとなる。 以上のように、派遣スタッフに対して職業能力向上を支援することは、派遣という働き 方の魅力を高めることに結び付き、派遣会社にとっては、派遣スタッフとして働く人材を 確保にも貢献でき、さらには派遣会社の業績向上にもつながるものといえる。 こうした問題意識に基づき、本調査プロジェクトでは、派遣スタッフの能力開発とキャ リア形成に対する支援の現状と課題を把握するため、派遣会社と派遣スタッフを対象とし 9 た調査を実施した。派遣会社に対するアンケート調査とヒアリング調査は、派遣会社によ る派遣スタッフに対する教育訓練機会の提供の現状・課題、希望する仕事へのマッチング を含めた派遣スタッフに対するキャリア形成支援の現状・課題を明らかにしようとするも のである。一方、派遣スタッフに対するアンケート調査とヒアリング調査は、派遣スタッ フのキャリア希望とキャリア形成の現状、さらには円滑なキャリア形成を支援したり実現 したりするために派遣会社、派遣先、派遣スタッフに求められる取り組みを明らかにしよ うとするものである。 調査結果の詳細は、各章の分析にゆずることとし、ここではアンケート調査の概要を紹 介するとともに、派遣スタッフの円滑なキャリア形成を実現するための課題を最後にまと めておこう。 2.アンケート調査の概要 2−1「派遣スタッフの能力開発に関するアンケート」調査の概要 ①派遣会社の多くは、高付加価値の派遣サービスを提供するために、派遣スタッフの職 業能力の維持向上の取り組みを重視していることが明らかにされた。派遣先の派遣受 け入れニーズや派遣スタッフ自身の職業能力向上のニーズに対応するために、派遣会 社は、即戦力の派遣スタッフの確保だけでなく、同時に既存の派遣スタッフの能力開 発も重視している。 派遣会社が、派遣スタッフに対して提供している能力開発機会の内容は、OAスキ ルやビジネスマナー、情報保護、コンプライアンスに関するものが中心となっている。 こうした教育研修機会は、派遣スタッフが派遣先で働く上で必要な知識やスキルであ る。一方、ビジネススキル研修や職能別研修等の専門的な研修、キャリアセミナーや カウンセリング等のキャリア研修を導入している割合は相対的に少ない。 派遣スタッフに対する能力開発が充実すると、それは派遣成約率の向上に一定のプ ラスの効果をもたらすことが確認できた。しかし、派遣会社の多くは教育訓練投資費 用の負担や回収リスクが大きいと認識しており、そのことが能力開発の充実を難しく している。派遣会社にとって、派遣スタッフに対する教育訓練投資を効果的に行なう ためには、派遣スタッフが自社の派遣スタッフとして継続的に就業することが前提条 件となる。 ②教育訓練を効果的に行い、かつ、それを派遣スタッフの継続就業率の向上に結び付け るためには、次の取組みが効果的と考えられる。 第 1 に、教育訓練の効果測定を行うことである。派遣会社の多くは、登録時に派遣 スタッフの能力評価を実施しているものの、その後の能力評価を教育訓練の効果測定 に活用している割合は少ないのが現状である。派遣スタッフの能力評価や稼働率等の 指標を用いて教育訓練の効果測定を実施することで、派遣先や派遣スタッフのニーズ に対応した教育訓練の内容としていくことができよう。 第 2 に、教育訓練とキャリア形成支援を連動させることである。現状の取組みは派 遣スタッフ本人の希望に合致した派遣先への配置が中心となっているが、今後は派遣 スタッフの能力開発を目的に加えた派遣先への配置が求められる。派遣スタッフに対 するキャリアに関する相談やアドバイスは、主としてコーディネーターや営業担当者 10 が実施しているが、今後は専門カウンセラーや相談窓口を設置し、現状よりも個別的 なキャリアに関する相談に対応することが考えられる。 第 3 は、能力開発に係る派遣先との連携である。現状での連携は、派遣先の仕事に 必要な職業能力に関する情報や派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研 修が中心となっているが、派遣先における派遣スタッフの活用ニーズにより対応した 教育訓練内容や派遣スタッフの長期的なキャリア形成に関して情報を交換することが 考えられる。 2−2「派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート」調査の概要 ①派遣スタッフの職業能力の向上を目的として派遣会社が提供している教育研修に関し、 派遣スタッフはその効果を比較的高く評価している。しかし、それらの教育研修より も、実際の仕事での経験の方が、派遣スタッフの職業能力の向上への貢献度は大きい と認識されている。言い換えれば、派遣スタッフの職業能力の向上には、派遣先での 実務経験が基本となるものであり、教育研修の受講はそれを下支えするものと位置づ けられる。この点は、直接雇用の社員として働く場合と同様の結果と言える。 ②派遣スタッフが、職業能力を高めたことによって高度な業務を担当するようになると いうよりも、まず担当する業務が高度化し、その高度な業務を経験することによって 職業能力が上がっていくという傾向が強いことが確認できる。担当業務が高度化する かどうかは派遣先の仕事配分の方針に左右されることが多いため、派遣スタッフの能 力向上やキャリア形成を進めるためには、派遣会社として派遣スタッフの担当業務の 高度化を支援することが鍵となる。 ③しかし、派遣先での担当業務の高度化などによる派遣スタッフの能力開発やキャリア 形成は、派遣先の派遣の活用方針や運用のみに左右されるものではない。派遣会社や 派遣先に対し、派遣スタッフ自身が仕事やキャリアに関する希望を伝えることが、担 当業務の難易度の上昇と職業能力の向上、さらには時間給水準のアップに貢献する契 機となり得る。派遣スタッフが、仕事やキャリアに関する希望を円滑に伝えるために は、派遣スタッフと派遣会社・派遣先との間に、良好なコミュニケーション関係が構 築されていることが必要となる。 ④こうした円滑なコミュニケーション関係の構築は、派遣スタッフ個々人のコミュニケ ーション能力に左右されること面も多いが、同時に、派遣会社として、派遣スタッフ のフォローや派遣先への訪問を通じ、日頃からコミュニケーションの改善に努めてい くことが重要となる。とりわけ、派遣スタッフ本人が派遣先に希望を伝えることが難 しい場合には、派遣会社の営業・コーディネーターが派遣スタッフの希望を聞き、そ れを派遣先に伝えていくことが不可欠となる。つまり、派遣会社が、派遣スタッフの キャリア形成を支援するためには、派遣先の要望に応じたマッチングのみならず、派 遣スタッフの要望も反映しながら、能力開発やキャリア形成に結び付くようなマッチ ングを行っていくことが必要となる。 ⑤他方、職業能力が上昇したと回答した派遣スタッフを取り上げると、そのことが必ず しも担当業務の高度化につながっていないことも多い。こうした問題を改善するため には、派遣スタッフのスキルを客観的に測定する職業能力の評価システムを構築する 11 ことが有益と思われる。評価システムの整備によって、派遣スタッフのキャリア形成 を考慮したマッチングや、派遣先における担当業務の高度化にも貢献できよう。 ⑥派遣スタッフの職業能力の向上に関する意欲を左右する要因に関する分析によれば、 能力向上意欲を高めるためには、実際に従事する仕事の難易度を適切に上げていく必 要がある。同時に、能力向上意欲の高い派遣スタッフほど、スキルを活かすことがで きる仕事や、より難易度の高い仕事に従事するような選択を意図的に行なっている傾 向があるだけでなく、業務を離れた教育研修の機会も有効に活用している。このよう な派遣スタッフは、 「意欲を高めるような仕事に就く→スキルアップ意欲が高まる→ス キルレベルが上昇する→意欲を高めるような仕事に就く」というプラスの循環にある と考えられる。こうしたプラスの循環に派遣スタッフを一人でも多く乗せられるよう、 派遣会社には、派遣スタッフ個々人のニーズや希望をきめ細かくに把握し、適切な情 報提供をしていくことが望まれる。 ⑦派遣スタッフの職業能力の向上意欲を実際の学習行動へと効果的に結びつけるために は、教育研究の場所や時間を問わない e ラーニングの講座をより充実させることや、 遠隔地に居住しているために教育訓練を受講することを断念している派遣スタッフに は、交通費を補助するなどを含めて、地方と都市との機会の格差を縮小させるような 対策を講じていくことも検討に値しよう。 3.まとめと今後の調査研究の課題 アンケート調査の分析結果に加え、ヒアリング調査の結果を踏まえて、派遣スタッフの 能力開発・キャリア形成支援のために求められる取り組み課題を整理しておこう。 ①派遣会社の中には、派遣スタッフに対する教育訓練機会の充実に取り組むものが少な くないことが明らかにされた。事務系の登録型の派遣スタッフに対する派遣会社が提 供する教育訓練は、OAスキルやビジネスマナー、コンプライアンスなどに関する研 修などが中心となっている。派遣会社が費用を一部ないし全部負担して、こうした研 修受講の機会を派遣スタッフに提供しているところが多い。その目的は、派遣先のニ ーズに合った派遣スタッフの育成のほか、派遣として就業を希望する登録者の確保や 派遣スタッフの定着促進にある。派遣会社が派遣スタッフに提供するこうした教育訓 練機会は、職業経験の少ない派遣スタッフや、育児等でキャリア中断のある人が、派 遣スタッフとしての就労を始めるためにも有効なものとなる。また、職種転換や資格 取得のための教育訓練は、派遣スタッフのキャリア転換のためにも活用できる。 ②派遣会社が実施する教育訓練の課題としてつぎのような点が指摘された。第 1 に、複 数の派遣会社に登録している派遣スタッフが、教育訓練を受講した派遣会社を派遣元 として選ぶとは限らないため、派遣会社として教育訓練投資の回収が難しいこと、第 2 に、教育訓練の実施に関して実際どの程度費用対効果が確保できているかを検証す ることが難しいこと、第 3 に、高度あるいは特殊なスキルに関する能力開発支援のニ ーズがあるものの、希望者数が少なくコスト面の負担が大きく実施できないこと、第 4 に、派遣スタッフが居住している地域が偏っていることから派遣スタッフが少ない 地域では規模のメリットが働かず教育訓練を実施しにくく、能力開発支援に地域間格 12 差が生じていること、などである。なお、第 1 の課題の解消のためには、教育訓練受 講後の就業率や派遣就業継続率を高める取り組みが有効となるが、このほかに、教育 訓練を受講した派遣会社で就業した派遣スタッフに対して受講料を払い戻し、その派 遣会社を派遣元として選ぶインセンティブを付与している事例もあった。 ③派遣スタッフの職業能力の向上のためには、派遣会社による教育訓練機会の提供(O ff−JT)だけでは不十分である。派遣先企業が直接雇用する社員の能力開発と同 様に、職場での実際の仕事経験(OJT)が、職業能力の向上にはきわめて重要であ ることによる。派遣スタッフの場合は、そうしたOJTの機会の提供が、雇われてい る会社(=派遣会社)ではなく、派遣先の職場によるものとなることに特徴がある。 その結果、OJTによる派遣スタッフの能力開発には、いくつかの困難が伴うもの となる。たとえば、派遣先の中には、補助的ないし定型的な仕事に限定して、派遣ス タッフに仕事を担当させる場合などがある。こうした派遣先では、従事できる業務の 範囲や業務のレベルが下位業務に限定される結果、派遣スタッフにとってはOJTに よる職業能力の向上が難しくなる。また、派遣先が変更されても、従事できる仕事の 範囲や業務のレベルが下位業務に限定される派遣先ばかりでは、OJTによる能力向 上が期待できない。 派遣スタッフが、OJTつまり仕事経験を通じて職業能力を向上させていくために は、派遣スタッフが、高度な仕事を担当させるような派遣先に派遣されることや、派 遣先を変わりながら高度な仕事を担当できるように、派遣会社として支援することが 求められる。派遣会社の支援として重要なのは、派遣スタッフの能力向上やキャリア 形成を考えた派遣先の選定と派遣先への配置である。つまり、派遣社員の職業能力の 貢献に寄与できるような派遣会社のマッチング能力が問われることになる。 ④派遣会社の中には、派遣先を選ぶ際に、派遣スタッフの能力開発やキャリア形成支援 を考慮しているところもある。しかし、派遣会社にとっては、派遣スタッフのキャリ ア形成支援を考慮して派遣できるだけの派遣先を量的に確保できなかったり、派遣ス タッフのキャリア形成支援よりも、顧客である派遣先からの派遣受入れニーズの充足 を優先せざるをえなかったりする場合も少なくない。さらに、複数の派遣会社に登録 しておき、派遣会社を頻繁に変更する派遣スタッフもある。こうした結果、派遣会社 が、派遣スタッフと希望するキャリア形成の方向を共有し、それを実現するために、 派遣スタッフの能力開発やキャリア形成を考慮し派遣先を選定することが難しいもの となる。 ⑤通常、派遣先での派遣期間が終了して次の派遣先を選定する際、派遣スタッフが次の 仕事へのキャリアアップについて明確な希望を持っている場合に、派遣会社のコーデ ィネーター(マッチング担当者)がそれを考慮して派遣先を選ぶというキャリア形成 支援を行うことになる。他方で、派遣先や派遣元を変えながらキャリア形成すること が一般的な登録型の派遣スタッフの場合では、派遣会社や派遣先は、派遣スタッフの 自分のキャリアに関する希望を尊重して、その実現を支援する役割を担っている。 13 従って、派遣スタッフは、自分の職業能力を継続的に向上し、希望するキャリアを 実現していくためには、本人がキャリア形成についての希望を明確にもつことが必要 となる。また、派遣先の選択の際に、派遣会社に自分のキャリア希望を伝えたり、派 遣先にもそれを伝え、キャリア希望を実現するために必要な仕事に関しては、積極的 にチャレンジしたりしていくことも大事になる。 派遣スタッフが自分のキャリア希望を実現するためには、派遣スタッフ自身が能動 的にキャリア形成について考え、仕事や労働条件の希望を客観的・具体的に派遣会社 あるいは派遣先に伝えるだけでなく、その希望を実現するために、派遣会社としては、 派遣スタッフがキャリア形成等についての希望を伝えやすい環境づくりはもとより、 派遣スタッフの能力開発や仕事を通じた職業能力の向上を支援することが重要な取組 みとなる。 ⑥しかし、派遣スタッフの中には、漠然としたキャリア希望を持ちながらも、従事した い仕事についての明確なイメージをもっていなかったり、派遣先や派遣元への働きか けに消極的であったりする人も少なくないのが現状である。こうしたことから、派遣 会社としては、派遣スタッフの職業能力向上や円滑なキャリア形成の円滑化のために、 派遣スタッフに対するキャリア形成に関するアドバイスや情報提供、さらには教育訓 練機会の提供を行う取組みが求められる。派遣スタッフが希望するキャリア形成を実 現していく上で、派遣会社が、派遣スタッフの長期的なキャリア形成を見据えたアド バイス、さらにはマッチングを行うことが大きく貢献することになる。その際、派遣 先と派遣スタッフの間に立つ営業担当者が、派遣先の意向のみを重視せず、派遣スタ ッフのキャリア形成の重要性を理解することが不可欠となる。 ⑦派遣スタッフのキャリア形成に関する自分の希望を現実のものとするためには、派遣 会社や派遣先の支援が大きな力となる。これらの支援を最大限に引き出すためには、 派遣スタッフは、派遣会社や派遣先と良い関係を構築することが前提条件となる。そ のためには、派遣会社や派遣先とのコミュニケーションを円滑にし、仕事ぶりに対し て信頼を得ること、さらにはスキルや能力のみならず意欲まで認めてもらうことが重 要となる。 一方、希望するキャリア形成の実現は、派遣スタッフの努力だけでは十分に解決で きない課題もある。職業能力を向上させても労働条件につながっていかない、あるい は正当に評価されないという状況が続けば、派遣スタッフが仕事へのモチベーション を維持するのは難しくなろう。 こうした問題を改善するために、派遣スタッフのスキルを客観的に測定する評価シ ステムを構築することが有益と思われる。評価システムの整備により、派遣スタッフ のキャリア形成も考えたマッチングや、派遣先での担当業務の高度化が進めやすくな ろう。 また、派遣という働き方を肯定的に捉えている派遣スタッフであっても、長期的な 派遣就労に関して不安を抱いている者も少なくない。派遣スタッフとしての長期的な キャリア形成に関する不安感どう取り除いていくかということも、派遣スタッフのキ 14 ャリア形成支援において大きな課題となっている。 ⑧派遣としての就業を希望する者やすでに就業している派遣スタッフは、過去のキャリ アやキャリア希望が多様である。過去のキャリアでは、正社員経験のある者だけでな く、学校卒業後にそのまま派遣スタッフとして働くことを希望する者や、アルバイト などの就業経験はあるが正社員としての経験を持たずに派遣スタッフとして就業する ことを希望する者(<正社員未経験者の派遣就業>)、さらに正社員経験はあるが子育 てなどのためのかなり長期のキャリア中断の後に派遣スタッフとして就業を希望する 者なども増えている(<職業中断者の派遣就業>)。こうした人々に関しては、その就 業希望を実現するための能力開発などのキャリア形成支援が求められている。また、 すでに就業している派遣スタッフの中には、(<派遣就業での能力・キャリア向上>) を目指している人だけでなく、正社員への転換を考えている人も少なくない(<派遣 就業から正社員就業転換>)。それぞれのキャリア希望に即した支援が派遣会社に求め られることになる。つまり、派遣スタッフのキャリア形成支援として、派遣スタッフ としてのキャリア形成支援と正社員転換支援の 2 つのモデルの構築が課題となる。 15 【参考資料】 今後作成すべき派遣労働者 キャリア形成支援 モデル等のイメージ ◎ 派遣労働者キャリア形成支援モデル(仮 称) ○ 派遣労働者のキャリアに 係る希望は 多様であり 、現 実 的 制 約の下で 可能な限りこれに 応えることが、 派遣と い う働き方をより魅力あ る選択肢とする上で 重要。また 、派遣 労働が拡大する 中で、派遣労働が、 就業経験、 職業能力形成の浅い 者にとって 、基礎 的・共通的能力習得、さらには次のキャリア 選択の局面での「on the job matching 」 の機能を果たす 、という 側面もあり 、既卒の若者等に と っ て、引き 続き安定し た就業 機会実現に困難 を伴う現 状の下で、 派遣労働がこうした役 割をより 積極的に果 たすこ とも期待。 ○ こうした現状、課題を踏 まえ、派遣労働者 それぞれが目指す キャリアの方向性 に応じ、 仕事のレベルアップや幅 の拡大等を 計画的に図 るとともに 、適切な 教育訓練機会を提 供することで、 能力開発 、ひいては 処遇、やりがいの向上 を実現することを目 指し、 派遣元・先、ま た、派遣労働者自身 に、その具体的姿・方向性を示 す「派遣労働者キ ャリア形成支援モデル(仮 称)」を 開発。 (盛り込むべき主な内容・ 構成) 以下のキャリア類型ご と に(*調査結果の 分析を踏まえ、モデル類型自体見直すことも 当然あり得 るもの)、派遣労働者自身の キャリア 設計の基本的考え 方、魅 力、派遣労働 者の計画的な仕事への配置 のあり方、留 意 点 等について、具体 の事例を交え示すととも に、各局面で派遣元 ・先が果たすべき役割、キャリア実現に向 けた公的支援の重点等に も言及。 ⅰ 派遣労働者としてのキャリアアップ・職種転換支援モデル ○ 派遣労働者と し て長期的 に就業を希 望する者を 対象に、本 人の希望 を踏まえ、 計画的 な仕事への配置 を通じた 能力開発、 キャリアアップを図る 、も し く は一定時期 にそれ まで蓄積した職業資産を活 かしつつ派遣労働 での職種転換を図 るモデル。 ⅱ 派遣労働者の正 社 員 転 換モデル ○ 派遣労働者としての経験 、培った能 力を活かし 、正社員に 転換の上 、一 層 計 画 的な能 力開発を図るモデル。 ⅲ 派遣労働を活用した基礎能力習得モデル ○ 就業経験の乏し い者が、 新たに派遣労働者と し て就業することで、 実務と教育訓練を 通じ職業人としての共 通 的、基礎的能力を培い 、これを活 かし、そ の後の様々 な形態 でのキャリアアップに結びつけるモデル。 ◎ 派遣労働者能力開発モデル(仮称) ○ 派遣労働者の職 業 能 力 開 発を図る上 で、派遣元 が派遣先等 の協力を 得つつ、効果的な 能力開発機会の 創造、実 現を図ることが重要な 課題であり 、派遣労働者の効 果 的な能 力開発、ひいては希望す るキャリア 実現を図 るためのモデル的な教育訓練(Off-JT) のプログラムと 、これを 含む中 長 期 的な能力開発計画、これを実現 するため派遣元・ 先がそれぞれ果 たすべき 役割、連 携 上の留意点 、公的支援 の仕組み を活用した 事業展 17 開のあり方等について、 事例、留意事項を含め 関係者に指 し示す「 派遣労働者能力開 発モデル(仮称)」を開発。 (盛り込むべき主な内容・ 構成) 職種共通、主要職種(域) の別に、以下のモデルを提示、実行体制の留意点(特 に派遣 元・先の情報共有化等の連 携、役割分担の あ り方、教育訓練成果の評価とこれを 踏まえた 仕事への配置・処遇等 への反映のあり方 等)、派遣労働者の自己啓発やこれに対す る支援の あり方、業界全体の取組み や公的支援の重 点 等にも言及。 ⅰ 教育訓練カリキュラムモデル ○ 段階・レベルごとの訓練目標・仕上がり 像、具体的な履修内容、標準的な時間配分、 指導者・設備・教材等の要件等を記述。 ⅱ 中長期的な能力開発計画モデル ○ 新規採用時、派遣前、 派遣期間中、派遣期間のインターバルといった各局面 の能力開 発の目的・ポイント、派 遣 元が果たすべき役 割・派遣先の協力 のあり方等を、キャリア 形成支援モデルとの関わ り を明らかにしつつ 記述。 ◎ 派遣労働者の能力評価基準活用視点(仮 称) ○ 「派遣労働者能力開発 モデル(仮称 )」、「派遣労働者キャリアモデル(仮称)」いずれ の活用に 当たっても、 派遣労働者の能 力、職 務(の 専門性 )等に 係る「 尺度」 として 、 職業能力評価基準が存在し 、活用が図られなければ、そ れ ぞ れ の派遣労働者にふさわし い分野・水準の教育訓練機会の提供、派遣先 (配属先)との的 確なマッチングは 叶わな いもの。 ○ 「職業能力評価基準 」 「フリーター等経験能力評価基準」等 、派遣労働者に適 合しうる 既存の能力評価基準を元に 、派遣労働者の特 徴、課題を踏まえ 、派遣元・先、派遣労働 者等の関係者に 活用の 方 向 性 等を指し 示す、「 派遣労働者の能力評価基準活用視点 (仮 称)」を開発。 (盛り込むべき内容・構成 ) 以下について、派遣元・ 先、派遣労働者それぞれの立場で活用可能な部分、効果的な活 用の方法、留意点(活用上 の制約を含む)等 について記述。 ⅰ 「フリーター等経験能力評価基準」活用視点 ⅱ 「職業能力評価基準」 活用の視点 18 19 【第1部】 「調査結果の分析」 派遣スタッフの能力開発の現状と課題 ∼派遣会社アンケート調査から∼ 山梨学院大学現代ビジネス学部専任講師 島貫 智行 Ⅰ.はじめに 本章の目的は派遣会社を対象としたアンケート調査のデータを用いて、派遣会社の立場から 派遣スタッフの能力開発の現状と課題を明らかにすることである。具体的には、派遣会社の事 業戦略と人事戦略、派遣スタッフに対する能力開発方針、教育訓練の実施状況、能力開発の課 題を概観する。その上で、派遣スタッフに対する能力開発を効果的に行なううえでの視点を検 討していく。 Ⅱ.調査の概要 以下で用いるデータは、社団法人日本人材派遣協会が平成 19 年 12 月に実施した「派遣スタ ッフの能力開発に関するアンケート」調査結果である。本調査は派遣スタッフの能力開発やキ ャリア形成支援のありかたを検討するにあたり、事務系職種の登録型派遣スタッフ(紹介予定 派遣は除く)の能力開発の現状と課題を明らかにすることを目的として実施された。事務系職 種とは一般事務や経理事務などの狭義の事務系職種に加えて、営業・販売・マーケティングな どを含めた広義の事務系職種を指している。 アンケート調査は日本人材派遣協会の会員企業 780 社を対象にインターネット調査で実施さ れ 71 社から回答があった(回答率 9.1%)。本章では回答企業 71 社のうち、自社又は自社のグ ループ企業で教育研修を実施していると回答した 69 社を分析対象とする。 回答企業の主な属性は以下のとおりである。1990 年(平成 2 年)以前に設立した企業が 50.7% であり、親会社を持たない独立系派遣会社が 36.6%ある。年間売上高 10 億円以上 100 億円未 満の中堅派遣会社が 43.5%、100 億円以上の大手派遣会社が 18.8%を占めている。最も人数の 多い職種が事務用機器操作と回答した企業が 59.1%あり、女性スタッフが 60%以上を構成する 派遣会社が 80.3%を占めている。回答数が少ないため調査結果の解釈には慎重でなければなら ないが、回答企業の属性を見る限り、派遣会社の能力開発の現状と課題の全体像を把握するう えで有効なデータと考えられる。以下では、このデータを用いて、派遣会社による能力開発の 現状と課題を概観していく。 Ⅲ.派遣スタッフに対する能力開発の現状と課題 1.派遣会社の事業戦略と人事戦略 まず派遣会社の事業戦略と人事戦略について見ていこう。図表 1 は派遣会社の事業戦略と人 事戦略についての回答結果である。「即戦力の派遣スタッフの登録を重視している」(91.3%)、 「高付加価値の人材派遣サービスを重視している」 (81.2%) 、 「派遣スタッフの質の確保を重視 している」 (78.3%)の回答割合が多い。派遣会社の多くは高付加価値の人材派遣サービスを提 供するために派遣スタッフの質の確保を重視している。即戦力の派遣スタッフの登録は派遣ス タッフの質を維持するうえで多くの派遣会社に共通の戦略といえる。一方、派遣職種の専門化 23 と派遣職種の拡大、既存の派遣先への継続的な配置と新たに派遣する派遣先の開拓のいずれを 重視するかについて派遣会社の回答はほぼ半分に分かれた。 図表1 事業戦略と人事戦略 ( 単位: %) 就業経験の少ないスタッフよりも即戦力の派遣スタッフの登録を重視 91.3 低コストよりも高付加価値の人材派遣サービスを重視 81.2 派遣スタッフの数の確保よりも質の確保を重視 78.3 既存の派遣先への派遣スタッフの継続的な配置よりも新たに配置する派遣先の開拓を重視 50.7 派遣職種の専門化よりも派遣職種の拡大を重視 40.6 2.能力開発方針 次に、派遣スタッフに対する能力開発方針について見ていこう。図表 2 は派遣スタッフに対 する能力開発方針についての回答結果である。 「派遣スタッフの能力開発は派遣先や派遣元が積 極的に行なう」(73.9%)、「派遣スタッフの能力開発は派遣先よりも派遣元が積極的に行なう」 (65.2%)の回答割合が多い。派遣会社は派遣スタッフの質を確保するうえで即戦力の派遣ス タッフの登録を重視しながらも同時に派遣スタッフの能力開発に積極的に取り組んでいこうと 考えている。又、 「今の仕事だけでなく次の仕事にも活かせる能力開発を支援する」と回答した 割合が 4 割程度ある。長期的な観点から派遣スタッフの能力開発を志向している派遣会社があ ることは注目される。 図表2 能力開発方針 (単位:%) 派遣スタッフの能力開発はスタッフよりも派遣先や派遣会社が積極的に行なう 73.9 派遣スタッフの能力開発は派遣先よりも派遣会社が積極的に行なう 65.2 派遣スタッフの能力開発はOJTよりもOff-JTによって行なう 49.3 今の仕事だけでなく次の仕事にも活かせる能力開発を支援する 39.1 派遣スタッフの能力開発のためには同じ派遣先よりも異なる派遣先を経験させる 30.4 派遣スタッフの能力開発のためには同じ仕事よりも異なる仕事を経験させる 24.6 3.能力開発を行なう理由 派遣会社が派遣スタッフの能力開発を重視する背景には何があるのだろうか。図表 3 は派遣 会社がスタッフの能力開発を行なう理由についての回答結果である。 「派遣先の専門的なニーズ を対応するため」(55.1%)が最も多く、続いて「派遣スタッフの定着を図るため」(44.9%)、 「能力向上に関する派遣スタッフの希望に応えるため」 (43.5%) 、 「 派遣スタッフ全体の能力水 準の底上げを図るため」(40.6%)となっている。一方、「派遣先に対する営業活動を有利に行 なうため」(5.8%)、「派遣料金の引上げに資するため」(5.8%)の割合は少ない。派遣会社は 派遣先の専門的業務や派遣スタッフの能力向上のニーズへの対応、派遣スタッフの定着やスタ ッフ全体の能力水準の底上げ等を目的として能力開発に取り組んでいる。 24 図表3 能力開発を行なう理由 ( 単位: %) 派遣先の専門的なニーズに対応するため 55.1 派遣スタッフの定着を図るため 44.9 能力向上に関する派遣スタッフの希望に応えるため 43.5 派遣スタッフ全体の能力水準の底上げを行なうため 40.6 派遣スタッフの長期的なキャリア形成を支援するため 33.3 派遣先のニーズの変化に対応するため 27.5 派遣会社としてのイメージアップのため 14.5 派遣スタッフの登録者数を増やすため 13.0 派遣先に対する営業活動を有利に行うため 5.8 派遣料金の引上げに資するため 5.8 その他 2.9 会社の費用負担による能力開発は行なっていない 1.4 同業他社も行なっているため 0.0 上記のいずれも重視していない 0.0 4.教育研修の実施状況 次に派遣スタッフに対する教育研修の内容を見ていこう。図表 4(a)は既に導入済の教育研 修についての回答結果である。 「ビジネスマナー研修」 (72.5%) 、 「OAスキル研修」 (69.6%)、 「情報保護研修」 (55.1%) 、 「コンプライアンス研修」 (40.6%)の回答割合が高い。 「ビジネス スキル研修」(37.7%)や「職能別研修」(33.3%)の導入割合はOAスキル研修の半分程度で あり、「キャリアカウンセリング(個別相談)」(29.0%)や「キャリアセミナー(集合研修)」 (17.4%)の導入割合はさらに少ない。 図表 4(b)は派遣スタッフに受講義務を課している教育研修についての回答結果である。括 弧内の%は既に導入済の派遣会社を母数とした場合の比率である。全体としては情報保護研修 やビジネスマナー研修、コンプライアンス研修、OAスキル研修に受講義務を課している割合 が多い。但し、既に導入済の派遣会社に限定すると、「情報保護研修」(84.2%)や「ビジネス マナー研修」(75.0%)、「コンプライアンス研修」(54.0%)は半数以上が受講義務を課してい るのに対して、「OAスキル研修」(33.3%)に受講義務を課している割合は 3 分の1程度であ る。又、導入済の企業に限れば「職能別研修」(39.1%)、「キャリアセミナー」(33.3%)に受 講義務を課している割合はOAスキル研修と同程度である 図表 4(c)は今後重視する教育研修についての回答結果である。同様に、全体としてはOAス キル研修や情報保護研修やビジネスマナー研修、コンプライアンス研修を重視する割合が多い が、既に導入済の派遣会社を母数とした場合、「OAスキル研修」(62.5%)、「コンプライアン ス研修」(75.0%)、「情報保護研修」(73.7%)、「ビジネスマナー研修」(58.0%)に加え、「職 能別研修」 (47.8%) 、 「ビジネススキル研修」 (42.3%)を重視する割合も高い。 「キャリアカウ ンセリング」(35.0%)や「キャリアセミナー」(33.3%)を重視するという回答も 3 割程度あ る。 派遣会社による教育研修の実施状況を概観すると、①導入状況や②受講義務、③今後重視す 25 る研修のいずれについても、OAスキル研修やビジネスマナー研修、情報保護研修、コンプラ イアンス研修を回答する割合が多い。事務系職種の派遣スタッフに対する能力開発は、OAス キル等の基礎的スキルを習得する教育研修が中心となっている。又、 「職能別研修」や「ビジネ ススキル研修」等の専門的研修や「キャリアセミナー」や「キャリアカウンセリング」等のキ ャリア研修を導入している割合は少ないが、既に導入している派遣会社の中には今後重視しよ うと考えている会社が 4∼5 割程度ある。 図表4 教育研修の実施状況 (単位:%) a) 導入済 b) 受講義務あり c) 特に重視 ビジネスマナー研修 72.5 39.1 (54.0) 42.0 (58.0) OAスキル研修 69.6 23.2 (33.3) 43.5 (62.5) 情報保護に関する研修 55.1 46.4 (84.2) 40.6 (73.7) コンプライアンス研修 40.6 30.4 (75.0) 30.4 (75.0) ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) 37.7 8.7 (23.1) 15.9 (42.3) 職能別研修(営業、経理、貿易など) 33.3 13.0 (39.1) 15.9 (47.8) キャリアカウンセリング(個別相談) 29.0 5.8 (20.0) 10.1 (35.0) キャリアセミナー(集合研修) 17.4 5.8 (33.3) 5.8 (33.3) 語学研修 14.5 0.0 (0.0) 4.3 (30.0) 公的資格( 簿記、証券外務員など) 取得に関する研修 13.0 2.9 (22.2) 4.3 (33.3) その他 11.6 4.3 (37.5) 5.8 (50.0) 業界セミナー 10.1 4.3 (42.9) 4.3 (42.9) 注) ( ) 内の数字はa)導入済に占める割合 5.未経験者やブランク経験者の能力開発 ここで正社員経験のない派遣スタッフ(以下、未経験者)や出産・育児等により就業期間に 空白期間が生じた派遣スタッフ(以下、ブランク経験者)に対する能力開発についても簡単に 見ておこう。 図表 5(a)は未経験者に対する教育訓練についての回答結果である。「特別の教育訓練を実施 している」 (27.5%) 、 「特別の教育訓練はないが、必要に応じて他の派遣スタッフと同様の教育 訓練を実施している」 (40.6%)を合わせると、約 7 割が未経験者に対して教育研修を実施して いる。 又、図表 5(b)はブランク経験者に対する教育訓練の実施状況についての回答結果である。 「特 別の教育訓練を実施している」(7.2%)、「特別の教育訓練はないが、必要に応じて他の派遣ス タッフと同様の教育訓練を実施している」 (49.3%)を合わせると、約 6 割がブランク経験者に 対して教育訓練を実施している。 派遣会社の 6∼7 割が未経験者やブランク経験者に対して教育訓練を実施していることから も、派遣会社が派遣スタッフの能力開発を重視していることがわかる。なお、未経験者の場合 ブランク経験者に比べて特別の教育訓練を実施している割合が 2 割程度多い。就業経験の少な い派遣スタッフにはOAスキルをはじめとする一連の基礎的スキルを習得させる必要があるた め、一定の受講者数が見込める場合には特別の教育訓練を実施することが効率的なのだろう。 26 図表5 未経験者やブランク経験者の能力開発 (単位:%) a) 未経験者 b) ブランク経験者 特別の教育訓練を実施 27.5 7.2 特別の教育訓練はないが、必要に応じて他の派遣スタッフと同様の教育訓練を実施 40.6 49.3 登録できるが、教育訓練は特に実施していない 29.0 43.5 2.9 0.0 登録しない、または登録できない 6.能力開発と事業上の効果 派遣スタッフへの能力開発は派遣会社の事業上の成果に効果があるのだろうか。派遣スタッ フに対する能力開発と派遣会社の事業上の効果との関係を見ていこう。派遣会社の多くが能力 開発に取り組む理由として派遣先のニーズへの対応や派遣スタッフの定着等をあげている。派 遣スタッフが教育研修を通じて必要なスキルを習得し、早期に派遣先に配置され、同時に長期 的に自社の派遣スタッフとして就業を継続することは派遣会社の事業にとって重要であろう。 以下では、こうした観点から、登録後 1 ヵ月以内に派遣先が決定する派遣スタッフの割合(以 下、成約率)及び自社の派遣スタッフとして通算 2 年以上就業しているスタッフの割合(以下、 継続就業率)の 2 つを派遣会社にとっての事業上の成果指標として、派遣会社による能力開発 の効果を検討しよう。 派遣会社による能力開発の充実度について、本章ではデータの制約もあり、派遣会社が既に 導入している教育訓練の種類を指標とする。具体的には、図表 4 に示した 12 種類の教育研修の うち、既に導入済の教育研修の数を用いる。派遣会社がより多くの教育訓練を導入しているほ ど、同社の派遣スタッフは派遣先での仕事やキャリア形成に必要な能力開発の機会に恵まれて いるということになる。 図表 6 は既に導入済の教育研修数の中央値以上を高実施群、中央値未満を低実施群と分けた うえで、各々の成約率と継続就業率を比較したものである。アンケート調査において成約率と 継続就業率はレンジ(例:0%、1∼5%未満・・・・51%以上)で設定されているため、各レン ジの中央値を用いて算出している。成約率に関しては能力開発の高実施群 32.9%、低実施群 23.3%であり、教育研修を充実している派遣会社ほど派遣スタッフの成約率が高い傾向が見ら れる。又、継続就業率に関しては高実施群 35.5%、低実施群 35.0%であり、僅かに高実施群の 数値が高いが、成約率ほどの差は見られなかった。能力開発と事業上の効果について見ると、 教育研修を充実し派遣スタッフの能力開発の機会を拡大することは、派遣スタッフの能力向上 を通じて、派遣先のニーズに対応できる派遣スタッフの配置につながることが示唆される。 図表6 能力開発と事業上の効果 a) 成約率 b) 継続就業率 N 高実施群 32.9 (23.0) 35.5 (21.5) 40 低実施群 23.3 (18.1) 35.0 (20.7) 29 全体 28.9 (21.5) 35.3 (21.0) 69 注) 数字は平均値( 単位: %) 、括弧内は標準偏差 27 7.能力開発の課題 派遣スタッフに対する能力開発を行なう上での課題を見ていこう。図表 7 は能力開発の課題 についての回答結果である。「派遣スタッフ自身が教育訓練を受講する時期を確保できない」 (47.8%)、「能力開発を実施しても派遣スタッフが他の派遣会社に移ってしまう」(42.0%)、 「教育訓練の効果を測定しにくい」 (37.7%) 、 「派遣スタッフの能力向上に対する取り組み意欲 が低い」(36.2%)、「派遣スタッフを教育訓練できる人材が不足している」(30.4%)、「能力開 発を行なうために自社の費用負担が大きい」 (34.8%)の回答割合が多い。派遣スタッフの能力 開発を行なううえで、派遣スタッフの能力向上への意識の低さ、派遣スタッフへの教育訓練費 用の負担や回収リスク等が課題となっている。 図表7 能力開発の課題 (単位:%) 派遣スタッフ自身が教育訓練を受講する時間を確保できない 47.8 能力開発を実施しても派遣スタッフが他の派遣会社に移ってしまう 42.0 教育訓練の効果を測定しにくい 37.7 派遣スタッフ本人の能力向上に対する取り組み意欲が低い 36.2 能力開発を行なうために自社の費用負担が大きい 34.8 教育訓練の利用率が低い 30.4 派遣スタッフを教育訓練できる人材が不足している 30.4 派遣スタッフの教育訓練の機会の提供に地域で差が生じている 26.1 教育訓練を行なっても派遣スタッフの就業につながらない 26.1 派遣スタッフ本人のキャリア形成に対する意識が低い 24.6 派遣スタッフの能力開発を効果的に行なう方法がよくわからない 11.6 技術革新や業務変更が頻繁なため、能力開発が追いつかない 5.8 派遣スタッフが希望している能力開発の内容がよくわからない 5.8 派遣先が派遣スタッフの能力開発に協力的でない 4.3 派遣先の能力開発ニーズに応えるための効果的な教育訓練の方法がわからない 4.3 派遣先の能力開発に対するニーズがわからない 2.9 その他 0.0 特に課題はない 0.0 Ⅳ.能力開発を効果的に行なうために 派遣会社による能力開発の充実は派遣スタッフの成約率に一定の効果が見られたが、派遣会 社の多くは派遣スタッフへの教育訓練投資費用の負担や回収リスクの大きさを課題としてあげ ている。派遣スタッフへの能力開発を効果的に行なううえでは成約率に加えて継続就業率を高 める必要があるだろう。本章ではデータの制約もあり、能力開発を効果的に行なうための視点 として、①教育訓練の効果測定、②キャリア形成支援への取り組み、③派遣先との連携の 3 つ を取り上げることにしよう。 1.教育訓練の効果測定 第一に、教育訓練の効果測定を取り上げよう。教育訓練の効果測定の状況を見る前に、派遣 28 スタッフの能力評価の実施状況を確認しておこう。図表 8 は派遣スタッフの能力評価の内容に ついての回答結果である。「派遣先での働きぶりや仕事内容に関する評価」(88.4%)や「これ までの仕事の経歴」 (84.1%)という回答が 8 割以上あり、 「仕事の経験年数」 (56.5%)や「直 近に担当した仕事の内容」 (46.4%) 、 「保有する資格」 (44.9%)の回答も 5 割程度ある。一方、 「特に能力評価を行なっていない」と回答した企業は皆無である。派遣会社は、派遣スタッフ が経験した仕事の内容や年数、派遣先での評価等の基準を用いて派遣スタッフの能力を評価し ている。 図表8 能力評価の内容 (単位:%) 派遣先での働きぶりや仕事内容に関する評価 88.4 これまでの仕事の経歴 84.1 仕事の経験年数 56.5 直近に担当した仕事の内容 46.4 保有する資格 44.9 自社で独自に開発した能力評価のテスト 24.6 公的ないし一般に市販されている能力開発のテスト 13.0 その他 1.4 とくに能力評価は行っていない 0.0 次に、能力評価の時期を見ていこう。図表 9 は派遣スタッフの能力評価の時期についての回 答結果である。「派遣スタッフとしての登録時」(82.6%)が最も多く、続いて「派遣先の契約 更新時」(39.1%)、「派遣スタッフの就業中」(39.1%)となっている。派遣スタッフの能力評 価は登録時に集中しているが、契約更新時や就業期間中も 4 割程度実施されている。 図表9 能力評価の時期 (単位:%) 派遣スタッフとしての登録時に 82.6 派遣先の契約更新時に 39.1 派遣スタッフの就業中に 39.1 派遣先の紹介時に 20.3 本人が希望した時に 20.3 派遣先の契約終了時に 14.5 派遣スタッフが就業していない時に 2.9 その他 4.3 上記のいずれも行なっていない 0.0 派遣スタッフの能力評価の実施状況を踏まえたうえで、教育訓練の効果測定を見ていこう。 図表 10 は教育研修の効果測定についての回答結果である。「受講した派遣スタッフの教育研修 に関する満足度の調査」 (46.4%)が最も多く、続いて「受講した派遣スタッフの能力評価の実 29 施」 (34.8%)、 「受講した派遣スタッフの派遣先での働きぶりや仕事内容の評価の実施」 (26.1%) となっている。派遣会社は派遣スタッフの能力評価を実施しているが、能力評価を教育研修の 効果測定に活用している割合は 3 割に過ぎない。派遣会社による能力評価は主として派遣先の 業務と派遣スタッフのマッチングに活用されており、教育訓練の効果測定という観点ではあま り活用されていない。又、「教育訓練の効果測定を実施していない」(24.6%)という回答が 4 分の 1 程度あり、教育訓練の効果測定を実施していない派遣会社も少なくない。 図表10 教育訓練の効果測定 (単位:%) 受講した派遣スタッフの教育研修に関する満足度の調査 46.4 受講した派遣スタッフの能力評価の実施 34.8 受講した派遣スタッフの派遣先での働きぶりや仕事内容の評価の実施 26.1 上記のいずれも測定していない 24.6 受講した派遣スタッフの稼働率の把握 17.4 受講した派遣スタッフの継続就業期間の把握 14.5 派遣スタッフの教育研修への出席率の把握 13.0 教育研修を理由に登録した派遣スタッフの人数や割合の把握 13.0 受講した派遣スタッフの資格取得率の把握 11.6 教育研修の定員充足率の把握 10.1 次に、教育訓練の効果測定と事業上の成果に与える影響を見ていこう。図表 11 は図表 10 に 示した教育訓練の効果測定の実施項目数の中央値以上を高実施群、中央値未満を低実施群と分 けたうえで、各々の成約率と継続就業率を比較したものである。派遣スタッフの成約率に関し ては効果測定の高実施群 29.6%、低実施群 28.2%であり、継続就業率に関しては高実施群 36.7%、低実施群 33.8%となっている。教育研修の効果測定を充実している派遣会社ほど、成 約率や継続就業率が高い傾向が見られる。派遣スタッフの能力評価や満足度、派遣先での評価 等の項目を用いて教育訓練の効果測定を実施している派遣会社は、自社の教育訓練が派遣スタ ッフの能力開発に活かされたのかを確認し、教育訓練を適切な内容に見直していることが考え られる。効果測定を通じた教育訓練の見直しは、派遣先や派遣スタッフのニーズにより対応し た教育訓練の提供を可能にし、結果として派遣スタッフの継続就業率を高めているのだろう。 教育訓練の効果測定が派遣スタッフの成約率だけでなく継続就業につながることが示唆される。 図表11 教育訓練の効果測定と事業上の効果 a) 成約率 b) 継続就業率 N 高実施群 29.6 (20.5) 36.7 (20.4) 35 低実施群 28.2 (22.7) 33.8 (21.8) 34 全体 28.9 (21.5) 35.3 (21.0) 69 注) 数字は平均値( 単位: %) 、括弧内は標準偏差 30 2.キャリア形成支援への取り組み 第二に、教育訓練以外のキャリア形成支援について取り上げよう。図表 12 は教育訓練以外の キャリア形成支援への取り組みについての回答結果である。 「派遣スタッフ本人の希望を尊重し た派遣先への配置」 (78.3%) 、 「コーディネーターや営業担当者による派遣スタッフへのヒヤリ ングやアドバイス」(81.2%)の回答が 8 割程度あり、「派遣先に対する派遣スタッフの仕事内 容に関する交渉」(46.4%)、「派遣先に対する派遣スタッフの能力向上に伴う派遣料金の交渉」 (46.4%)も半数程度ある。派遣会社によるキャリア形成支援は、派遣スタッフ本人の希望を 尊重した派遣先への配置やコーディネーターや営業担当者によるアドバイスが中心になってい る。 一方、「派遣先の能力を高められる派遣先への配置」(29.0%)、「派遣スタッフの能力の幅を 拡げられる派遣先への配置」(27.5%)、「教育訓練担当者やキャリアカウンセラーの育成」 (15.9%) 、 「 専門カウンセラーや相談窓口の設置」 (13.0%)を回答する割合は少ない。派遣ス タッフの能力を高めることを目的とした配置や派遣スタッフがキャリアを相談する専門カウン セラーや相談窓口等の設置を実施している割合は少ない。 図表12 教育訓練以外のキャリア形成支援の取り組み (単位: %) コーディネーターや営業担当者による派遣スタッフへのヒヤリングやアドバイス 81.2 派遣スタッフ本人の希望を尊重した派遣先への配置 78.3 派遣先に対する派遣スタッフの仕事内容に関する交渉 46.4 派遣先に対する派遣スタッフの能力向上に伴う派遣料金の交渉 46.4 コーディネーターと営業担当者の定期的な情報交換 39.1 派遣スタッフの能力を高められる派遣先への配置 29.0 派遣スタッフの能力の幅を拡げられる派遣先への配置 27.5 派遣スタッフの能力向上につながる派遣先の開拓 27.5 教育訓練担当者(トレーナー)やキャリアカウンセラーの育成 21.7 コーディネーターと営業担当者の計画的な育成 15.9 専門カウンセラーや相談窓口の設置 13.0 その他 1.4 上記のいずれも重視していない 1.4 次に、キャリア形成支援の取り組みが派遣会社の事業上の成果に与える影響を見ていこう。 図表 13 は図表 12 に示したキャリア形成支援の実施項目数の中央値以上を高実施群、中央値未 満を低実施群と分けたうえで、各々の成約率と継続就業率を比較したものである。派遣スタッ フの成約率に関しては高実施群 31.6%、低実施群 26.1%であり、継続就業率に関しては高実施 群 37.4%、低実施群 31.6%となっている。派遣スタッフのキャリア形成支援を充実している派 遣会社ほど成約率や継続就業率が高い傾向が見られる。派遣スタッフの能力開発を目的として 派遣先に配置することにより、派遣スタッフは派遣先での仕事経験を通じて能力を高める機会 を得られる。又、キャリアカウンセラー等による相談機会の充実は派遣スタッフのキャリア意 識の醸成を促し、派遣スタッフが主体的に能力開発やキャリア形成に取り組むようになること 31 が考えられる。教育訓練とキャリア形成支援への取り組みを連動させることが派遣スタッフの 継続就業につながることが示唆される。 図表13 キャリア形成支援への取り組みと事業上の効果 a) 成約率 b) 継続就業率 N 高実施群 31.6 (19.4) 37.4 (19.2) 34 低実施群 26.1 (23.4) 31.6 (22.8) 35 全体 28.9 (21.5) 35.3 (21.0) 69 注) 数字は平均値( 単位: %) 、括弧内は標準偏差 3.派遣先との連携 第三に、能力開発に関する派遣先との連携を取り上げよう。図表 14 は能力開発に関する派遣 先との連携 に つ い て の回答結果で あ る。「派遣先の仕 事に必 要な能力 に関する 情 報 交 換」 (72.5%)が最も多く、続いて「派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研修」 (55.1%)、 「派遣先の社員向けの教育研修に派遣スタッフが参加できるようにする」 (40.6%)、 「特定の派遣先のためにカスタマイズした教育研修」 (37.7%) 、 「派遣スタッフの派遣先におけ る職業能力の評価に関する情報交換」 (36.2%)となっている。派遣先の連携は、今の派遣先で の仕事に必要な能力に関する教育研修や情報交換が中心となっている。 一方、「派遣スタッフのキャリアプランに関する情報交換」(5.8%)の割合は少なく、「派遣 先と連携した能力開発は実施していない」(7.2%)も 1 割程度ある。 図表14 派遣先との連携 (単位:%) 派遣先の仕事に必要な能力に関する情報交換 72.5 派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研修 55.1 派遣先の社員向けの教育研修に派遣スタッフが参加できるようにする 40.6 特定の派遣先のためにカスタマイズした教育研修 37.7 派遣スタッフの派遣先における職業能力の評価に関する情報交換 36.2 派遣スタッフの能力開発の必要性などに関する情報交換 24.6 派遣先での指導体制に関する相談やアドバイスを行う 21.7 派遣スタッフのキャリアプランに関する情報交換 5.8 上記のいずれも実施していない 7.2 次に、派遣先との連携が派遣会社の事業上の成果に与える影響を見ていこう。図表 15 は図表 14 に示した派遣先との連携の実施項目数の中央値以上を高実施群、中央値未満を低実施群と分 けたうえで、各々の成約率と継続就業率を比較したものである。派遣スタッフの成約率に関し ては高実施群 31.9%、低実施群 25.0%であり、継続就業率に関しては高実施群 39.1%、低実 施群 30.3%となっている。派遣スタッフの能力開発に関して派遣先との連携を充実している派 遣会社ほど成約率や継続就業率が高い傾向が見られる。派遣先のニーズにより対応した教育研 32 修により、派遣スタッフは派遣先で必要な能力を習得するだけでなく、実際の仕事経験を通じ てより効果的に能力を高められるのだろう。又、派遣スタッフのキャリア形成に関する情報交 換により、派遣スタッフは今の派遣先でより能力を高められる仕事を担当する機会を得られる ことが考えられる。派遣会社が派遣先と連携した能力開発を行なうことが派遣スタッフの継続 就業につながることが示唆される。 図表15 派遣先との連携と事業上の効果 a) 成約率 b) 継続就業率 N 高実施群 31.9 (23.8) 39.1 (22.7) 39 低実施群 25.0 (17.7) 30.3 (17.8) 30 全体 28.9 (21.5) 35.3 (21.0) 69 注) 数字は平均値( 単位: %) 、括弧内は標準偏差 Ⅴ.小括 本章では、社団法人日本人材派遣協会が平成 19 年 12 月に実施したアンケート調査結果のデ ータを用いて、派遣スタッフの能力開発の現状と課題について概観してきた。主な結論として 以下を指摘することにしよう。 (1)派遣会社の多くは、高付加価値の人材派遣サービスを提供するために、派遣スタッフの 質の確保を重視している。派遣先の業務ニーズや派遣スタッフの能力向上のニーズに対応する ため、派遣会社は、即戦力の派遣スタッフの登録を重視しつつも、派遣スタッフの能力開発を 重視している。 (2)派遣スタッフに対する能力開発は、OAスキルやビジネスマナー、情報保護、コンプラ イアンスに関する教育研修が中心である。こうした教育研修は、派遣スタッフが派遣先で働く うえで必要な知識やスキルである。一方、ビジネススキル研修や職能別研修等の専門的な研修、 キャリアセミナーやカウンセリング等のキャリア研修の導入割合は相対的に少ない。 (3)派遣スタッフに対する教育研修が基礎的な内容に限定されている背景には、派遣スタッ フの能力向上やキャリア形成に対する意識が低いと考えていることや、派遣スタッフの教育訓 練投資費用の負担の大きさや回収リスクの大きさが課題となっている。 派遣スタッフに対する能力開発は成約率に一定の効果が見られたが、派遣会社の多くは教育 訓練投資費用の負担や回収リスクが大きいと認識しており、そのために能力開発を充実するこ とが難しくなっていると考えられる。従って、派遣スタッフに対する能力開発を効果的に行な ううえでは、派遣スタッフが長期的に自社の派遣スタッフとして継続就業することが求められ る。本章ではデータの制約もあり、派遣スタッフの継続就業率を高めるために能力開発を考え るための視点を仮説的に検討した。 第 1 は、教育訓練の効果測定である。派遣会社の多くが登録時に派遣スタッフの能力評価を 実施しているが、能力評価を教育訓練の効果測定に活用している割合は少ない。派遣スタッフ の能力評価や稼働率等の指標を用いた教育訓練の効果測定を通じて、派遣先や派遣スタッフの 33 ニーズに対応した教育訓練に見直すことが考えられる。 第 2 に、教育研修とキャリア形成支援の連動である。派遣スタッフ本人の希望に合致した派 遣先への配置が中心となっているが、能力開発を目的に加えた派遣先への配置が考えられる。 又、派遣スタッフへのキャリアに関する相談やアドバイスは主としてコーディネーターや営業 担当者が実施しているが、専門カウンセラーや相談窓口を設置し、派遣スタッフのより個別的 なキャリア相談に対応することが考えられる。 第 3 に、能力開発における派遣先との連携である。派遣先の仕事に必要な能力に関する情報 や派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研修が中心となっているが、派遣先のニ ーズにより対応した教育研修の実施や派遣スタッフの長期的なキャリア形成に関する情報交換 を行なうことが考えられる。 本章は派遣会社を対象としたアンケート調査結果をもとに派遣スタッフの能力開発の現状と 課題を確認し、若干の分析を通じて派遣スタッフの能力開発を効果的に行なうための検討を加 えた。だが、本調査は回収数が少ないため、教育訓練や効果測定、キャリア形成支援等の能力 開発と事業上の効果の関係についてはより丁寧な検討が必要である。又、本調査は派遣会社に よる能力開発に焦点を当てたものであり、今後は派遣先での仕事の割当や指導体制等も含めて 派遣スタッフの能力開発やキャリア形成支援のありかたを検討する必要がある。 以 34 上 派遣スタッフのキャリア形成支援の現状と課題 ∼派遣会社ヒアリング調査から∼ 株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部門副主任研究員 松浦 民恵 本調査研究においては、派遣会社を対象として、①派遣スタッフの能力開発支援に関す るヒアリング調査、②マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒア リング調査を、いずれも平成 19 年 9 月に実施した。①のヒアリング調査は日本人材派遣協 会の会員企業 6 社、②のヒアリング調査は同 7 社を対象としている。能力開発支援やキャ リア形成支援に関するヒアリング調査であることから、調査対象は、これらの取組に意欲 的な派遣会社が中心となっている。なお、派遣会社のヒアリング調査の実施は、作業委員 会の委員が担当した。 ここでは、このヒアリング調査の結果のポイントを紹介することとしたい。 (1)派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 本調査では、主に次のような項目についてヒアリングを行った。 ①能力開発の基本的考え方 ②能力開発支援の現状 ・会社負担による能力開発支援 ・自己啓発支援 ・職業経験のない派遣スタッフに対する能力開発支援 ・能力開発支援における派遣先と派遣会社の連携 ③能力開発支援の費用 ④能力開発支援を行ううえでの課題や問題点 ⑤派遣スタッフの能力開発に対する公的支援や業界団体の取組への要望 以下、項目に沿って結果のポイントを紹介したい。 ①能力開発の基本的考え方 どの派遣会社も、派遣スタッフの能力開発支援を重視する姿勢は鮮明である。中には、 次のように派遣スタッフの類型別に能力開発支援の方針を立てている派遣会社もある。 ・レベルアップ希望者:教育事業を行うグループ会社での専門教育受講の奨励。 ・未就労層:ビジネスの基礎を教育(社会人としての心得、マナー研修、OA研修等)。 ・異業種・異職種経験者:希望職種に関連する教育の受講。 ・育児中の女性:これまでのキャリアや希望に応じたキャリアの再形成 ・シニア層:OA研修や年下の指揮命令者とのコミュニケーション研修。 また、特定労働者派遣を実施している派遣会社では、専門的分野に特化し、未経験者を 採用して能力開発したうえで、派遣先でのOJTによって育成するという方針をとって 35 いる事例もある。 ②能力開発支援の現状 ・会社負担による能力開発支援 会社負担による能力開発支援としては、OA研修、ビジネスマナー研修、コミュニ ケーション研修を実施している派遣会社が多い。派遣会社と派遣スタッフの関係の希 薄化への対応の一環として、キャリアカウンセリングやキャリアデザインセミナーを 導入した派遣会社もある。 この他、営業職を派遣している派遣会社では、営業としてのマナーや営業業務を説 明するセミナーを開催している。MR(Medical Representative、医薬情報担当者) 育成のために、資格取得に必要なカリキュラムを実施している派遣会社もある。 能力開発支援の実施方法としては、自前の教育スクールの設置、eラーニング・シ ステムの導入、CD−ROMによるトレーニング、個別指導等がある。 ・自己啓発支援 自己啓発支援としては、試験の受験費用や資格取得のための費用の補助、自前や提 携の教育スクールでの受講費用補助等がある。研修を受けた派遣会社から派遣された いと派遣スタッフが思うように、受講後にそのスキルを活かして派遣された場合には、 派遣スタッフが負担した受講料の一部を払い戻している事例もある。 ・職業経験のない派遣スタッフに対する能力開発支援 職業経験のない派遣スタッフに専用の教育訓練をパッケージとして用意している 派遣会社もある。内容としては、OAスキル、ビジネスマナー等が中心となる。 特定労働者派遣で採用した新卒に対しては、新人研修を実施している事例もある。 ・派遣先と派遣会社の連携 派遣スタッフの能力開発支援において、派遣会社と派遣先が連携しているケースは 少ないが、人材の確保が難しい専門分野等においては、派遣会社と派遣先が連携しな がら未経験者を育成している事例もある。 MRの特定労働者派遣を行っている派遣会社は、派遣会社と派遣先で適宜役割分担 をしながら能力開発を行っている。派遣先から要望があった場合は、MRとして経験 を積んだマッチング担当者が、派遣のMRに随行して、OJTによる教育を行うこと もあるし、派遣先のベテランMRがOJTを行う場合もある。また、派遣先が、パイ ピングを担当できる人材を募集しても集まらず、かつ汎用的な知識・技能では戦力に なり得ないという課題を抱えていた派遣先が、派遣スタッフに対して派遣先独自の能 力開発プログラム(プラント関係の配管の設計・技術に関するパイピング講座)を実 施している事例もある。 また、大口の派遣先の場合には、派遣会社の能力開発プログラムを派遣先のニーズ に合わせてカスタマイズしたり、教育研修を派遣先と派遣会社で分担するといったよ うな連携が、比較的やりやすいという意見もあった。 36 ③能力開発支援の費用 能力開発支援の費用については、把握の仕方が派遣会社によって異なっており、単純に 比較することは難しい状況にある。ただし、能力開発支援の費用対効果がどうなっている かという点に重大な関心を持ち、何とかして効果を測定したいというニーズを持つという 点については、各社共通しているといえそうである。中には、教育訓練の受講者が自社を 通じてどの程度派遣されているかを把握している派遣会社もあった。一方、能力開発支援 の効果の測定が難しいと感じている派遣会社も複数みられる。 ④能力開発支援を行ううえでの課題や問題点 能力開発支援を行ううえでの課題としては、コストの問題が最も大きいようである。複 数の派遣会社に登録している派遣スタッフが多いなかで、能力開発支援の費用対効果をど う確保していくかという点は、派遣会社にとって悩ましい問題である。また、 「高度あるい は特殊なスキルに関する能力開発支援のニーズはあるが、コスト面の負担が大き過ぎて実 施できない」、「派遣スタッフのいる地域が偏っており、派遣スタッフが少ない地域では規 模のメリットが働かないため教育訓練を実施しにくい。このため、教育訓練機会に地域間 格差が生じている」というような問題提起もあった。 能力開発支援の費用対効果の測定とも一部重なるが、派遣スタッフのスキルの評価が難 しいという意見も出た。さらに、派遣会社と派遣スタッフの間の距離感が広がっているこ とを危惧する声もあった。 ⑤派遣スタッフの能力開発に対する公的支援や業界団体の取組への要望 派遣スタッフの能力開発に対する公的支援や業界団体への取組への要望としては、 「派遣 会社各社が共同で利用できる教育施設等を設けてほしい」、「地方で教育施設の紹介や研修 講師の斡旋をしてほしい」等があげられている。また、スキルのレベルが認定できるよう な指標を業界全体として設けてもらいたいという声もある。 一方、派遣会社によって考え方が違うので、業界団体として何かを行うのは難しいので はないかという慎重な意見もみられている。 37 (2)マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 本調査では、主に次のような項目についてヒアリングを行った。 ①マッチングの仕組みと現状と変化 ②マッチングと派遣スタッフのキャリア形成 ・希望やスキルの確認方法 ・キャリア形成と時給 ・マッチングによるキャリア形成の現状 ・マッチングによるキャリア形成の課題 ③正社員経験のない人やキャリア中断のある人の派遣可能性 ④マッチング担当者に求められる職業能力とその育成方法 ・マッチング担当者に求められる職業能力 ・マッチング担当者の育成方法 ⑤マッチング以外でのキャリア形成支援のための取組内容 ⑥紹介予定派遣のマッチングに関して、通常の派遣と異なる点、留意している点 以下、項目に沿って結果のポイントを紹介したい。 ①マッチングの仕組みと現状と変化 マッチングの仕組みとしては、営業担当者とマッチング担当者の役割分担をどうしてい るかがポイントになる。 営業担当者とマッチング担当者の役割を固定し、分業制に変更した派遣会社がある一方 で、役割を固定化せず、営業からマッチングまで一連の業務を担当させる方式を守ってい る派遣会社もある。分業制には効率化が図られるというメリットがあり、1 人がいろいろ な仕事を担当する中で生きたナレッジを蓄積し、対応できる幅も広がるというメリットが ある。なお、分業制をとる派遣会社の中には、営業担当者、マッチング担当者に加えて、 派遣スタッフのフォローや支援を専門に担当する部署・者を置いている事例もある。その 場合の流れとしては、登録センターあるいは支店で登録された後、派遣スタッフのスキル や要望を踏まえて、マッチング担当者が仕事のマッチングを行う。その後、実際に派遣さ れる段階で営業担当者に引き継がれ、さらに派遣先での派遣スタッフのフォローはフォロ ー専門の担当者が担当する。 また、仕事の担当を決める際の単位は、企業単位、エリア単位、職種単位等、派遣会社 によってさまざまである。 38 ②マッチングと派遣スタッフのキャリア形成 ・希望やスキルの確認方法 派遣スタッフの仕事に関する希望やスキルの確認は、登録時や派遣契約の終了・更 新時に行われているケースが多い。多くは営業担当者やマッチング担当者等によるヒ アリングを通じて、派遣スタッフの希望の変化が把握されているようである。こうし たやりとりの中で、派遣スタッフの長期的なキャリア形成に関する希望も確認されて いる。 把握するスキルの内容としては、データの入力速度、OAのスキル(Word・Excel・ PowerPoint・Access 等)、英語能力、経理や貿易実務の経験、取得資格等があげられる。 また、派遣契約の終了時に、派遣先あるいは派遣スタッフに、仕事の評価に関するア ンケート調査を実施している事例も複数みられる。 ・キャリア形成と時給 派遣スタッフの時給を見直す機会は、少なくとも年1回は設けているという派遣会 社が多い。ただし、派遣先が変更される際には、業務内容が変わることから、当然時 給も変更となる。また、同一派遣先で時給が全く上がらない場合には、派遣スタッフ の時給を上げて仕事を継続してもらえるように、派遣料金を上げるか、あるいは別の 派遣スタッフに交代するか、派遣先に選択肢を提示して選んでもらうという事例もあ った。 派遣会社としても、派遣スタッフに長く働いてもらうためには、労働条件を向上さ せてモチベーションを上げることが重要だという認識はあるものの、 「仕事範囲が限定 されている場合、ある程度以上の派遣料金アップは難しく、結果として時給も上げら れない」という声もある。時給が上がる要素としては、 「技術系などの専門的職種では、 1 つの職種をきわめることによって時給を上げていくことも可能である」、 「事務職の場 合は、より多くの知識が必要とされる仕事に変わっていくことによって時給が上がっ ていくというケースが多い」、「意欲や能力が高い派遣スタッフは、時給を上げるため に営業担当者が派遣料金の交渉をするまでもなく、派遣先に信用され、自然と派遣料 金・時給が上がっていく傾向がある」というような意見があった。 ・マッチングによるキャリア形成の現状 派遣スタッフがキャリア形成を考えて仕事の変更を希望する場合には、派遣会社と しても、すぐに変更が可能かどうかは別にして、基本的には派遣スタッフの意向に沿 う形で仕事を選定しようとしている。派遣スタッフの希望と実際の能力や経験に乖離 がある場合は、①希望通りの仕事を紹介できない理由を客観的に示して伝える、②希望 する仕事をするためにどのようなスキルを身に付けたらよいかアドバイスする、③将 来的に希望する仕事に結びつきそうな仕事、職場に派遣する等の対応をとっている。 たとえば、一般事務や受付で長期的に派遣を続けていても、時給を上げるには実際 限界があり、年齢やキャリアによって継続してきた業務に行き詰まるケースがあると いう。そういうときに、派遣という働き方を通じてキャリア形成をしていくためには どのような職種を選べばいいのか、あるいは正社員を志向するという道も考えられる 39 というようなことを、過去の実例を示しながらアドバイスをして、結果として正社員 を志向するようになれば、紹介予定派遣の案件を紹介する等の配慮をする。また、一 般事務としての就労が長く、派遣スタッフが将来のキャリアについて悩んでいる場合 は、営業事務の経験と英語の資格があれば貿易の仕事、簿記の資格があれば経理の仕 事、営業とのやりとりが得意で評価が高ければ秘書の仕事というように、資格や経験 をみながらキャリア形成についてアドバイスをしているという事例もあった。この他、 派遣スタッフが経験のない職種に転換するにあたっては、派遣会社が派遣スタッフに 研修等を受講させながら、研修を受講中であるということを派遣先に説明して未経験 の職種で受け入れてもらう、あるいはマッチングの時点では派遣先の求めるレベルに 達していないということを考慮して、通常の派遣料金よりやや低めの料金で派遣する というような事例がみられる。 一方、 「長期的なキャリアまで考えている派遣スタッフは少ない」、 「何社も派遣会社 を経験しながら職種を変更せず長期就労している派遣スタッフの場合はキャリアより も勤務条件に関する要望が多い」というような指摘もあった。派遣スタッフが自分の キャリアについて考えるのは、思ったような水準の時給にならない等の厳しい局面に 直面した時、あるいは新しい能力を身につけたいという意欲が出てきた時等であり、 通常は、その時の仕事内容にしか関心がないケースが多いという。また、そもそも派 遣スタッフのキャリア形成だけを考えて仕事のマッチングを行うわけではなく、派遣 先のニーズに応えることが重要であるという点を強調する事例も少なからずあった。 実際のところ、派遣会社としては、派遣スタッフの意識や状況によって、キャリア 形成支援のあり方は変わってくるようである。派遣スタッフ本人がどういう希望を持 っているか、どの点に重きを置いているかが明確でなければ、派遣会社としても支援 が難しい面があるということだろう。 ・マッチングによるキャリア形成の課題 マッチングによるキャリア形成の課題として、まずあげられるのは、派遣スタッフ の育成に対して派遣先の協力や支援が得られないという点である。派遣先の指揮命令 者が派遣スタッフの育成に関心がなかったり、派遣先の職場が人手不足で派遣スタッ フに仕事を教える人がいなかったりする場合は、派遣スタッフがスキルを伸ばしたい と思っても実現は難しいという。 次に、派遣先の要望と派遣スタッフのニーズが合致しない場合、派遣先の意向を優 先し、派遣スタッフのキャリア形成にまでなかなか目を向けられない営業担当者がい ることも課題としてあげられている。 また、一般事務の範疇で長く就労を続けてきた派遣スタッフのキャリア形成を課題 として捉えている派遣会社も多い。ある派遣会社のマッチング担当者は、 「派遣スタッ フとして経験は長いもののスキルの向上がない場合には、新しい派遣先を見つけるた めのマッチングは難しい」と警鐘を鳴らしている。しかしながら、長く就労した派遣 先で正社員になる、専門スキルを要する職種(翻訳、通訳、経理等)に転換して派遣 就労を続ける等、派遣スタッフに対して、長期的なキャリア形成を見据えたアドバイ スまではできていないという派遣会社がほとんどである。また、 「さまざまな企業で求 40 められるようなスキルを磨き、業務知識を身に付けたとしても、職種により派遣料金 がある程度固定されているため、スキルアップやキャリアがなかなか賃金につながら ないところに現実の壁がある」という問題提起もあった。 ③正社員経験のない人やキャリア中断のある人の派遣可能性 正社員経験のない人やキャリア中断のある人に対しては、既存の能力開発プログラムの 枠組みの中で教育している派遣会社がほとんどであった。たとえば、OAスキル研修、ビ ジネスマナー研修、コミュニケーション研修等を受講させ、これらの研修を受講済みであ ることを派遣先に伝えたうえで派遣している。 子育て中の派遣スタッフについては、時間的制約があったり、子どもの急な病気への対 応の体制が十分でない場合には、なかなか派遣先が見つからないという現実もある。 ④マッチング担当者の求められる職業能力とその育成方法 ・マッチング担当者に求められる職業能力 マッチング担当者の採用の際には、それまでの職業経験よりも、適性や意欲をみる という派遣会社が多い。適性の具体的な内容としては、人を支援する素養、柔軟性、 迅速なマッチングへのプレッシャーに耐えうるストレス耐性、人を見極めることがで きる感性等があげられている。 マッチング担当者に求められる職業能力としては、情報収集能力、把握能力、コミ ュニケーション能力の重要性を指摘する声が多い。把握能力とは、派遣先企業や派遣 スタッフの提示している条件の優先順位を、しっかりと把握できる能力を指す。この 他、正確な事務処理能力や期限・コンプライアンス重視の姿勢の重要性を指摘する声 もあった。 さらに、ベテランのマッチング担当者の条件としては、派遣先企業や派遣スタッフ の潜在的ニーズまで汲み取れる、派遣先や派遣スタッフに対して提案ができる、スキ ルが十分でない派遣スタッフを売り込める、派遣スタッフやマッチング担当の後輩の 力を伸ばしていける、苦情対応にも長けているというような点があげられている。 ・マッチング担当者の育成方法 マッチング担当者の育成については、労働者派遣法、情報管理など基礎的な部分は 座学で教育する事例があるものの、基本的にはOJTを重視している派遣会社が多い。 具体的には、マッチング担当者の先輩が個別に指導している事例が多く、最初に担当 する仕事としては、登録情報の更新、仕事のマッチングのための派遣スタッフ情報の 検索(どのような検索条件を指定するかという点にテクニックを要する)、典型的な事 務職などわかりやすい仕事のマッチング担当等があげられている。 ⑤マッチング以外でのキャリア形成支援のための取組内容 マッチング以外でのキャリア形成支援としては、キャリアに関する相談への対応をあげ る派遣会社が多い。キャリア相談のための専門の窓口を設置している事例や、専門家によ るキャリアカウンセリングを実施している事例もある。 41 ⑥紹介予定派遣のマッチングに関して、通常の派遣と異なる点、留意している点 紹介予定派遣のマッチングに関して配慮している点としては、将来の正社員1 としての就 労を前提に、かなり長期的な視点で必要な情報を収集するという事例が多かった。具体的 には、派遣先の業界情報や、会社としての女性活用の方針・状況、上場予定の有無等があ げられる。また、賞与制度や福利厚生等、正社員となった場合の労働条件についても、営 業担当者が派遣先に対して詳しくヒアリングを行う。 また、 「紹介予定派遣の場合、正社員として就労したいという派遣スタッフの意向をアピ ールするため、派遣スタッフと営業担当者の間で十分打合せをしたうえで派遣先との面談 に臨む」、「正社員への切り替え時には、派遣スタッフに対して、労働条件の相違を十分に 説明する」というような意見もあった。 一方、紹介予定派遣の場合は、派遣先企業の要求が通常の派遣以上に厳しく、派遣会社 の提案が通りにくいという声もあった。派遣スタッフから正社員になるケース全体をみる と、最初から紹介予定派遣で始まる案件よりも、通常の派遣の途中から紹介予定派遣に切 り替わるケースのほうが多い印象があるという指摘もあった。このような中、派遣会社と しても派遣スタッフに対する視線が通常よりも厳しくなり、少しでも不安材料があると紹 介を控える場合もあるようである。結果として、紹介予定派遣は通常の派遣の場合よりも 案件数が絞られていく。 最初から紹介予定派遣だったが、正社員としての採用に至らない場合は、どちらかとい うと派遣スタッフが断るケースが多いようである。これについては、最初から正社員で入 っていたらあえて退職しなかったかもしれないが、派遣期間という見極め期間があるがゆ えに、派遣先企業のよくない面もみえてきて、正社員になることを躊躇するようになる面 があるのではないかという意見があった。 紹介予定派遣は、派遣会社が派遣労働者・派遣先に対して職業紹介を行う(ことを予定 している)派遣を指すものであり、必ずしも正社員としての雇用だけでなく、契約社員等 の形態による雇用も含まれるが、ここでは正社員としての雇用を中心に意見を聞いている。 1 42 ⑦まとめ∼派遣会社ヒアリング調査から得られた示唆 最後に、2 つのヒアリング調査の結果のポイント、調査から得られた示唆を整理してお きたい。 派遣スタッフの能力開発支援における課題として、まずあげられるのは費用対効果の確 保をいかに図っていくかという点である。複数の派遣会社に登録している派遣スタッフが、 教育訓練を受講した派遣会社を派遣元として選ぶとは限らない。このような中で、教育訓 練を受講した派遣会社から派遣された派遣スタッフに対して受講料を払い戻し、その派遣 会社を派遣元として選ぶインセンティブを付与している事例もある。 能力開発支援の費用対効果という面では、たとえば研修の受講対象となる派遣スタッフ が少ない場合にも問題が生じる。具体的には、高度あるいは特殊なスキルに関する能力開 発支援のニーズはあるが、コスト面の負担が大き過ぎて実施できないという声があった。 また、派遣スタッフのいる地域が偏っていることから、派遣スタッフが少ない地域では規 模のメリットが働かず教育訓練を実施しにくい。結果として能力開発支援に地域間格差が 生じている。 能力開発支援の実施に関して、実際どの程度費用対効果が確保できているかを検証する ことが難しいという点も、大きな課題としてあげられる。教育訓練の受講者が、自社を通 じてどの程度派遣されているかを把握している派遣会社もあるが、能力開発支援によって どの程度スキルが向上したかを把握できている事例は見当たらない。派遣スタッフのスキ ルの把握はいずれの派遣会社も行っているが、スキルの向上に能力開発支援がどの程度寄 与しているかを測定するまでは実際難しいようである。 マッチングを通じたキャリア形成について、ある派遣会社は、 「能力開発プログラムの整 備に加えて、スキルを高めることによってどのような可能性が開かれるのかということを 示して方向づけをすることは、派遣会社としての仕事である」と述べている。将来のキャ リアがイメージできなければ、派遣スタッフとしても能力開発の必要性を理解するのが難 しい面があろう。また、せっかく資格を取得する等の能力開発を行っても、それを実際の 仕事に生かされなければ、派遣会社、派遣スタッフのいずれにとってもメリットにならな い。派遣スタッフがキャリア形成を実現していくには、派遣会社が、派遣スタッフの長期 的なキャリア形成を見据えたアドバイス、さらにはマッチングを行うことが大きく寄与す ると考えられる。その際、派遣先と派遣スタッフの狭間に立つ営業担当者が、派遣先の意 向のみを重視せず、派遣スタッフのキャリア形成の重要性を理解することが不可欠となる。 次に、ヒアリング調査においては、 「派遣先が派遣スタッフの教育に熱心で、社内で教育 体制を整えてくれるような場合は、派遣会社としても派遣スタッフの能力開発支援がやり やすくなり、スキルアップやキャリア形成につながっていく。また、派遣スタッフの能力 をきっちりと評価する派遣先や、不条理な差別をしない派遣先であることも、派遣スタッ フのキャリア形成のためには必要である」という指摘もあった。実際、派遣先の協力・支 援なくしては、派遣スタッフのキャリア形成を実現させることは難しい面が大きい。 キャリア形成の実現に向けては、キャリア形成に対する派遣スタッフ本人の意欲が前提 条件となる。派遣スタッフがどのようなキャリアを希望するかによって、派遣会社の支援 のあり方も変わってくる。まずは、派遣スタッフが自分のキャリア形成について考え、仕 事に対する希望を明確にする必要がある。また、希望はあっても現実と乖離しているとい 43 う場合には、両者を近づけるために、派遣スタッフ自身が能力開発や仕事を通じたスキル アップを行っていく必要がある。 派遣スタッフがキャリア形成を実現させ、モチベーションを維持・向上させながら就労 できることが、派遣会社にとってもメリットになることはいうまでもない。そのためには、 能力開発支援、マッチング、さらには長期的なキャリア形成をいかに連動させていくかが ポイントになる。 以 44 上 派遣スタッフのキャリア形成要因 ∼派遣スタッフアンケート調査から∼ 大阪経済大学経営学部専任講師 木村 琢磨 はじめに 本章では、「派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート」の調査データを用い、 派遣スタッフの教育研修の受講状況と教育研修に対する評価、キャリア形成の状況、およ びキャリア形成に寄与した要因を分析することによって、派遣スタッフのキャリア形成支 援のための課題について考察する 派遣スタッフのキャリア形成には、派遣会社による教育研修の実施のほか、派遣会社に よる支援、派遣先の受け入れ姿勢などが影響すると思われる。本章では、まず派遣スタッ フ自身の教育研修の受講経験と受講した教育研修への評価を見たうえで、派遣スタッフの キャリア形成の状況と、派遣会社・派遣先の取組み・環境とキャリア形成との関係につい て見ていくことにする。 1.教育研修の受講状況と評価 (1)派遣会社による教育研修の受講経験 図表 1-1は、過去 2 年間における、派遣会社が提供した教育研修の受講経験の有無を集 計したものである。回答者のうち「受講経験なし」は 50.2%であり、ほぼ半数が派遣会社 が提供する教育研修の受講経験がある。 受講した教育研修として圧倒的に多いのはOAスキル研修であり、回答者全体の約 3 割 (29.6%)、研修受講経験者の中では約 6 割が受講している。その他の教育研修は、いずれ も受講経験者が 10%未満にとどまっている。ここから、派遣スタッフが受講する、派遣会 社主催の教育研修は、主としてOAスキル研修であるといえる。 ただし、図表 1-1 で把握されているのは過去 2 年間の受講経験に限られているため、派 遣スタッフとして就労を開始した時期からの受講経験をとれば、各研修項目について、受 講経験者の比率はより高くなると思われる。 45 図表 1-1 派遣会社による教育研修 OAスキル コンプライアンス 情報保護 ビジネスマナー ビジネススキル 語学 キャリアカウンセリング 職能別研修 キャリアセミナー 公的資格取得支援 業界セミナー その他 受講経験なし あてはまるものはない N % 29.6 8.1 7.8 7.1 5.4 5.1 3.5 3.2 2.6 1.4 1.3 3.1 50.2 3.9 1012 (2)派遣会社による教育研修のスキル向上効果 次に、図表 1-1 で挙げた、派遣会社による教育研修に対する、派遣スタッフの評価を見 ることにする。図表 1-2 は、それぞれの教育研修を受講した人のうち、その教育研修が自 身のスキル向上に役立ったと評価している人の割合である。集計対象を各教育研修の受講 経験者に限定しているため、研修項目ごとに母数の値は異なっている。 図表 1-2 派遣会社による教育研修のうちスキル向上に役立ったもの (※母数=各教育研修の受講経験がある者) OAスキル 職能別研修 公的資格取得支援 業界セミナー ビジネスマナー 語学 ビジネススキル コンプライアンス キャリアカウンセリング キャリアセミナー 情報保護 その他 % 86.3 65.6 64.3 61.5 61.1 57.7 54.5 48.8 48.6 42.3 39.2 51.6 母数 300 32 14 13 72 52 55 82 35 26 79 31 図表 1-2 より、OAスキル研修は受講経験者の 86.3%がスキル向上に役立ったと評価し ており、派遣会社による教育研修の中でも高い評価を受けているといえる。そのほか、職 能別研修(営業・経理・貿易事務など)への評価も高い。公的資格取得支援や業界セミナ ーもスキル向上に役立ったと評価している人が 60%を超えているが、受講経験のある回答 者が 10 名程度と少ないため、参考程度に見ておくのがよい。語学研修、ビジネススキル研 修(コミュニケーションスキル、マネジメントスキルなど)が役立ったと評価する人は半 数強である。 46 派遣会社によるキャリア支援策であるキャリアカウンセリングやキャリアセミナーが役 立ったと考えている人は、受講経験者の半数に満たない。また、コンプライアンス研修や 情報保護に関する教育も、キャリア形成に役立ったと答えた人は半数に満たない。これら の教育研修は、派遣スタッフとして働くうえでの意識づけや、企業で働くための法律面で の常識を身につけさせるものであるため、スキル向上への貢献はそれほど大きくないもの と思われる。 (3)派遣先による教育研修 派遣スタッフは、派遣会社による教育研修のみならず、派遣先において、派遣先からの 教育研修を受けることがある。図表 1-3 は、過去 2 年間に、派遣先が実施する教育研修を 受講した人の割合を示したものである。集計結果によれば、派遣先による教育研修の受講 経験者は 28.6%である。派遣会社による教育研修の受講経験者よりは低い割合にとどまる ものの、その比率が約 3 割に及ぶことから、本調査の回答者の中では、派遣先での教育研 修の受講はけっして珍しいことではないといえよう。 図表 1-3 派遣先による教育研修の受講経験 % 28.6 71.4 1012 あり なし N 次に、派遣先での教育研修の受講経験がある回答者に対し、受講した教育研修の内容を たずねた結果が図表 1-4 である。本調査の回答者が派遣先で受講した教育研修は、約半分 がOA研修である。そのほか、ビジネスマナーや電話応対に関する研修の受講者も 18.7% いるが、これは派遣先で使用されている業務マニュアルや応対ルール等に対応するための ものと思われる。情報保護・セキュリティやコンプライアンスに関する研修の受講者は 10%台(15.9%、12.1%)であり、これはスキル形成というよりは、派遣先で働くために、 法的な面から必要とされている教育であると思われる。 図表 1-4 派遣先による教育研修の内容(※受講経験者のみ) OA研修 ビジネスマナー、電話応対 情報保護、セキュリティ コンプライアンス その他 N % 46.4 18.7 15.9 12.1 7.3 289 47 2.派遣スタッフのキャリア形成状況とその要因 前節で見たとおり、派遣会社による教育研修の主体となっているOA研修が、自身のス キル向上に役立ったと評価している派遣スタッフが多いことから、派遣会社が実施する教 育研修に対する派遣スタッフの評価は、おおむね良好であるといえる。それでは、そうし た派遣会社による教育などによって、実際に派遣スタッフのキャリア形成は進んでいるの だろうか。本節では、 「処遇の向上(時間給の水準の上昇) 」 「技能の向上(スキルレベルの 上昇) 」 「担当職務のレベルの向上(担当業務の難易度の上昇)」という 3 つを「キャリア形 成」を表すものととらえ、過去 2 年間における派遣スタッフのキャリア形成状況とその要 因について見ていくことにする。 (1)派遣スタッフのキャリア形成状況 図表 1-5 は、過去 2 年間における自身の「時間給の水準」「スキルレベル」「担当業務の 難易度」の推移について、「上昇」「やや上昇」「変化なし」「やや低下」「低下」の 5 段階 で評価してもらうことにより、過去 2 年間のキャリア形成状況を把握したものである。そ れぞれ「上昇」または「やや上昇」を選んだ場合、程度の差こそあれ、キャリア形成が進 んでいるものととらえることにする。 「上昇」と答えた人と「やや上昇」と回答した人の比率を合計した値は、時間給の水準 では 48.2%、スキルレベルは 65.0%、担当業務の難易度は 49.7%である。この数値から いえば、本調査の回答者のうち半数程度、スキルレベルを見れば 6 割以上が、過去 2 年間 にキャリア形成を進めているといえる。 スキルレベルについて「上昇」または「やや上昇」と答えた人の割合よりも、時間給水 準や担当業務の難易度について「上昇」「やや上昇」と答えた人の比率は約 15 ポイント少 ない。このことは、主に 3 通りの解釈が可能である。第一は、スキルレベルが上昇したに もかかわらず、派遣先の状況や方針により、それが時間給の増額や職務内容のレベル上昇 につながっていないというケースである。第二は、スキルレベルの上昇が派遣会社や派遣 先に的確に評価されていないために、時間給や職務内容に反映されていない状況である。 第三に考えられるのは、スキルレベルは上昇しているが、その上昇幅がわずかなものにと どまっているため、時間給の増額や難易度の高い職務への配置転換にまで至っていないケ ースである。 図表 1-5 過去 2 年間のキャリア形成状況(%) 時間給の水準 スキルレベル 担当業務の難易度 上昇 + やや上昇 48.2 65.0 49.7 上昇 9.6 16.0 15.1 やや上昇 変化なし やや低下 38.6 49.0 34.6 32.7 30.7 38.2 10.7 3.7 8.5 48 低下 N 8.4 0.6 1012 3.6 (2)時間給水準が上昇した理由 図表 1-5 で見たように、回答者のうち、キャリア形成を進めている派遣スタッフは少な くない。次に、時間給の水準、スキルレベル、担当業務の難易度が「上昇」または「やや 上昇」した人を対象として、それらが上昇した理由を見ることにする。 図表 1-6 は、過去 2 年間に時間給が上昇した人について、時間給が上昇した理由をたず ねたものである。最も多く挙げられているのは、「派遣先が変わった」であり(45.9%)、 時間給が上昇した人の半数弱が、派遣先が変更されたときに以前の派遣先よりも高い時間 給が適用されるようになったことが、時間給上昇の理由となっていることが分かる。 図表 1-6 過去 2 年間に時間給が上昇した理由(複数選択) (※過去 2 年間に時間給が上昇した人のみ) 派遣先が変わった 仕事が変わった 仕事の幅の拡大 派遣会社の担当者に交渉 長期間勤めた 働きぶりの評価 スキルの上昇 派遣会社の担当者が交渉 仕事が忙しくなった 他の派遣スタッフを含め全員が上がった 派遣先の担当者に交渉 資格取得 派遣先の業績が良くなった その他 わからない N % 45.9 26.8 23.2 22.5 21.5 18.0 13.3 9.6 8.6 6.4 5.3 0.6 0.4 4.5 1.4 488 「派遣先が変わった」よりも比率はかなり下がるが、同一派遣先で「仕事が変わった」 「仕事の幅の拡大」を理由として挙げた人も 20%を超えており、時間給上昇の理由として は比較的多い。一方、スキルの上昇を挙げた人は 13.3%と少ない。以上のことから、時間 給を上げていくためには、派遣先や仕事内容が変化することが必要であり、スキルの上昇 のみによって時間給を上げていくことは難しいものと思われる。 (3)スキルレベルが上昇した理由 図表 1-7 は、過去 2 年間にスキルレベルが「上昇」または「やや上昇」した人に対し、 スキルの上昇に役立ったことをたずねた結果である。多く挙げられているのは、 「仕事を通 じて自分で覚えること」(95.7%)、「派遣先社員から仕事を教わったこと」(77.5%)、「1 つの派遣先での仕事範囲の拡大」 (68.2%) 、 「異なる派遣先の経験」 (62.2%)であり、 「派 遣会社主催の教育研修」(23.6%)、「派遣先主催の教育研修」(21.6%)を挙げた人は多く ない。 49 図表 1-7 過去 2 年間のスキル上昇に役立ったこと(%:複数選択) (※過去 2 年間にスキルが上昇した人のみ) 37.7 23.9 16.6 21.3 7.9 9.0 9.0 3.5 5.2 2.9 58.1 53.6 51.7 40.9 27.1 15.3 15.3 20.1 16.4 9.6 た た 3.3 15.0 16.1 10.5 14.1 6.4 6.4 11.9 11.2 9.1 っ 95.7 77.5 68.2 62.2 35.0 24.3 24.3 23.6 21.6 12.5 役 立ま た な た か く っ っ 仕事を通じて自分で覚えたこと 派遣先社員から仕事を教わった 1つの派遣先での仕事範囲の拡大 異なる派遣先の経験 高いレベルの仕事への派遣 派遣元・先以外の教育研修(自発的に受講) 教育訓練給付金で受講した研修・講座 派遣会社主催の教育研修 派遣先主催の教育研修 派遣元・先以外の教育研修(業務の一環) た 役 立 たあ なま かり っ た 役 立 っ た っ 大 い に 役 立 っ 大 役 い に 立 +役 立 た 0.3 2.0 2.0 2.1 2.4 1.1 1.1 3.5 3.5 1.1 経そ 験 う は し な た い N 0.6 5.5 13.7 25.2 48.5 68.2 68.2 61.1 63.7 77.4 658 つまり、仕事における一般的なスキル形成と同様に、派遣スタッフについても、スキル 上昇のために最も効果的なのは、現場での教育・指導を受けることや経験をつむことによ って、実際の仕事を通じて習い覚えることである。図表 1-2 で見たように、派遣会社によ るOff-JT形式の教育研修もスキル形成には効果があるが、実際の仕事の経験に比べれ ば、派遣会社や派遣先によるOff-JTのスキル形成への貢献度は限定的なものである。 教育研修は、スキル形成の主たるものというよりは、派遣先での経験によるスキル形成を 支える施策と位置づけることが妥当であろう。 (4)担当業務が高度化した理由 図表 1-8 は、過去 2 年間に担当業務の難易度が「上昇」または「やや上昇」した人に対 し、担当業務が高度化した理由をたずねた結果である。ここで多く挙げられているのは、 「1 つの派遣先での仕事レベルの上昇」 (59.8%)であり、それに次いで多いのが「派遣先 変更に伴って難しい仕事に従事」するようになったことである(31.4%)。「独学で勉強し てスキルアップしたこと」は 3 番目に多いが、その割合は 16.5%であり高くはない。派遣 会社・派遣先・それ以外の主催による教育研修が担当業務につながったと回答した人はわ ずか数%である。 このように、教育を受けたりスキルが上がったりしたことによって担当業務が高度化し ていった例は少ない。スキル上昇をきっかけとして担当業務が高度化するのではなく、派 遣先の都合や派遣先の変更によって担当業務が高度化した結果、スキルが上がっていくと いう因果関係であると思われる。 50 図表 1-8 過去 2 年間に担当業務が高度化した要因(複数選択) (※過去 2 年間に担当業務が高度化した人のみ) 1 つの派遣先での仕事レベル上昇 派遣先変更に伴って難しい仕事に従事 独学で勉強してスキルアップしたこと 自分で派遣先の社員に要請 派遣会社主催の教育研修の受講 派遣元の担当者に派遣先でのレベルアップを要請 資格取得 派遣先主催の教育研修の受講 派遣会社・派遣先以外の教育研修の受講 (自発的) 派遣会社・派遣先以外の教育研修の受講 (業務の一環) その他 わからない N % 59.8 31.4 16.5 9.1 3.2 3.0 2.6 2.4 2.2 1.0 3.2 3.6 503 3.職場環境とコミュニケーションの効果 前節では、派遣会社や派遣会社による教育研修や現場での経験などが派遣スタッフのキ ャリア形成に与える影響を見てきた。しかしキャリア形成には、それらだけではなく、派 遣先の職場風土や、派遣会社とのコミュニケーションという形で現れる、派遣会社による サポートも影響すると思われる。そこで本節では、職場環境やコミュニケーションが、派 遣スタッフのキャリア形成に与える影響を見ることにする。 (1)派遣先の職場風土の影響 派遣スタッフのキャリア形成に影響する派遣先の職場の特性として、本調査では、派遣 先の派遣スタッフに対する教育姿勢と仕事配分の状況を取り上げた。教育姿勢については、 「派遣スタッフに熱心に仕事を教えてくれる」職場と「派遣スタッフに仕事を教えてくれ ない」職場とを、仕事配分については「派遣にもレベルの高い仕事を任せる」と「派遣は 提携業務・雑用のみ」の職場とを対比させる形で職場風土の類型化を行ったi。 図表 1-9 は、派遣先の職場風土のタイプごとに、過去 2 年間の時間給の変化を比較した ものである。教育姿勢においては派遣スタッフの教育に熱心であり、仕事配分においては 派遣スタッフにもレベルの高い仕事を任せる職場で働いていた人の方が、時間給が上昇(上 昇+やや上昇)した人の割合が高い。ただし、教育姿勢・仕事配分のいずれにおいても、 他方の風土タイプと比べて 8∼9 ポイント高いにすぎないことから、派遣スタッフに対する 派遣先の教育姿勢や仕事の配分の姿勢が、派遣スタッフの時間給の上昇に与える影響はわ ずかであるといえる。 51 図表 1-9 派遣先の職場風土と過去 2 年間の時間給の変化(%) 時間給の変化(過去2年間) 派遣先の職場風土 派遣スタッフに熱心に 仕事を教えてくれる 派遣スタッフに仕事を 教えてくれない 派遣にもレベルの高い 仕 事 仕事を任せる 配 派遣は定型業務・雑用のみ 分 教 育 姿 勢 上昇 + やや上昇 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 N 52.7 12.0 40.7 31.7 8.4 7.2 391 44.8 8.6 36.2 26.7 12.1 16.4 116 53.4 13.4 39.9 28.7 9.7 8.2 268 44.2 8.4 35.8 35.8 14.2 5.8 190 図表 1-10 は、派遣先の職場風土のタイプごとに、過去 2 年間のスキルレベルの変化を比 較したものである。教育姿勢の 2 タイプの間で、スキルレベルが上昇した人(上昇+やや 上昇)の割合にほとんど差はない。一方、仕事配分の 2 タイプの間では、約 21 ポイントの 差がある。ここから、派遣先の教育姿勢がスキルレベルの変化に与える影響はほとんどな いが、仕事配分はスキルレベルの上昇に大きくに影響していることがわかる。つまり、派 遣先において難しい仕事を任せてもらえることが、派遣スタッフのスキル上昇につながる 傾向があるといえる。 図表 1-10 派遣先の職場風土と過去 2 年間のスキルレベルの変化(%) スキルレベルの変化( 過去2年間) 派遣先の職場風土 教 育 姿 勢 派遣スタッフに熱心に 仕事を教えてくれる 派遣スタッフに仕事を 教えてくれない 仕 派遣にもレベルの高い 事 仕事を任せる 配 派遣は定型業務・雑用のみ 分 上昇 + やや上昇 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 N 71.9 18.7 53.2 24.8 2.6 0.8 391 67.2 25.0 42.2 27.6 4.3 0.9 116 77.2 24.6 52.6 20.9 1.5 0.4 268 55.8 10.5 45.3 38.9 5.3 0.0 190 図表 1-11 は、派遣先の職場風土のタイプごとに、過去 2 年間における担当業務の難易度 の変化を比較したものである。教育姿勢の 2 タイプの間で、担当業務の難易度が上昇(上 昇+やや上昇)した人の割合にほとんど差はない。派遣先の教育姿勢は、担当業務の高度 化には影響していないものといえよう。仕事配分の 2 タイプの間で、担当業務の難易度が 上昇した人の割合には大きな差があるが、仕事配分という職場風土の定義が担当業務の難 易度の広がりを示すものであるから、これは当然生じる差であるといえる。 52 図表 1-11 派遣先の職場風土と過去 2 年間の担当業務の難易度の変化(%) 担当業務の難易度の変化( 過去2年間) 派遣先の職場風土 教 育 姿 勢 派遣スタッフに熱心に 仕事を教えてくれる 派遣スタッフに仕事を 教えてくれない 仕 派遣にもレベルの高い 事 仕事を任せる 配 派遣は定型業務・雑用のみ 分 上昇 + やや上昇 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 N 54.5 16.4 38.1 33.2 9.0 3.3 391 53.4 19.0 34.5 32.8 6.9 6.9 116 67.5 25.7 41.8 21.3 8.2 3.0 268 32.1 8.9 23.2 53.7 10.5 3.7 190 (2)派遣会社・派遣先とのコミュニケーションの効果 派遣スタッフ自身の派遣会社・派遣先とのコミュニケーションの状況を表すものとして、 本調査では、時間給額や中長期的なキャリアに関する希望を派遣会社や派遣先に伝えてい るかどうかを把握した。そして、それらの希望について、 「派遣会社の営業やコーディネー ターに必要に応じて伝えている人」「派遣先の社員に日ごろから自分で伝えている人」「伝 えていない人」の 3 タイプに分けて集計したii。 図表 1-12 は、時間給額の希望に関する3つのコミュニケーションタイプの間で、過去 2 年間の時間給の変化を比較したものである。希望を伝えてこなかった人よりも、派遣会社 の営業やコーディネーター、または派遣先の社員に対して希望を伝えてきた人の方が、時 間給が上昇(上昇+やや上昇)した人の割合が 20 ポイント程度高い。ここから、派遣会社 や派遣先に希望を伝えることは、時間給額の上昇に効果を持つものといえる。 派遣会社の営業・コーディネーターに伝えた人と、派遣先の社員に伝えた人との間で、 「上昇+やや上昇」の比率は大きな差はないが、 「上昇」に限定すると、派遣会社の営業・ コーディネーターに伝えた人の 9.4%に対し、派遣先の社員に伝えた人は 26.7%とかなり 多い。ここから、時間給に関しては、派遣会社よりも派遣先に希望を伝えた方が、時間給 水準を大きく上昇させることにつながりやすいといえる。 図表 1-12 派遣会社・派遣先とのコミュニケーションと過去 2 年間の時給額の変化(%) 時間給の変化(過去2年間) 時間給額に関する希望 営業、コーディネーターに 必要に応じて 派遣先の社員に 日ごろから自分で 伝えていない 上昇 + やや上昇 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 N 55.9 9.4 46.5 24.8 9.9 9.4 810 53.3 26.7 26.7 33.3 6.7 6.7 997 36.7 6.3 30.4 46.8 7.6 8.9 158 53 図表 1-13 は、中長期的なキャリアの希望に関する 3 つのコミュニケーションタイプの間 で、過去 2 年間の時間給の変化を比較したものである。希望を伝えてこなかった人よりも、 派遣会社の営業やコーディネーター、または派遣先の社員に希望を伝えてきた人の方が、 時間給が上昇(上昇+やや上昇)した人の割合が 20 ポイント程度高い。ここから、派遣会 社や派遣先に希望を伝えることは、時間給額の上昇にプラスの効果を持つものといえる。 派遣会社や派遣先は、派遣スタッフのキャリアに関する希望を把握することによって、必 要な教育を施すことがあるものと思われる。 派遣会社の営業・コーディネーターに伝えた人と、派遣先の社員に伝えた人との間で、 「上昇+やや上昇」の比率は大きな差はないが、 「上昇」に限定すると、派遣会社の営業・ コーディネーターに伝えた人の 22.1%に対し、派遣先の社員に伝えた人は 37.0%とかなり 多い。ここから、中長期的なキャリアに関しては、派遣会社よりも派遣先に希望を伝えた 方が、スキルレベルを大きく上昇させることにつながりやすいといえる。 図表 1-13 派遣会社・派遣先とのコミュニケーションと過去 2 年間のスキルレベルの変化 (%) スキルレベルの変化( 過去2年間) 中長期的なキャリアに 関する希望 上昇 + やや上昇 営業、コーディネーターに 必要に応じて 派遣先の社員に 日ごろから自分で 伝えていない 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 N 73.3 22.1 51.2 24.4 1.7 0.6 840 77.8 37.0 40.7 18.5 3.7 0.0 985 55.6 12.8 42.9 39.5 4.9 0.0 329 図表 1-14 は、中長期的なキャリアの希望に関する 3 つのコミュニケーションタイプの間 で、過去 2 年間の担当業務の難易度の変化を比較したものである。派遣会社の営業やコー ディネーターに希望を伝えてきた人と、希望を伝えてこなかった人との間には、担当業務 の難易度が上昇(上昇+やや上昇)した人の割合には違いがない。ここから、派遣会社の 担当者にキャリアに関する希望を伝えることは、担当業務の高度化に影響を与えていない ことがわかる。 一方、派遣先の社員に希望を伝えてきた人のうち、70%以上が担当業務の難易度が上昇 しており、この比率は希望を伝えていない人のそれを 20 ポイント以上上回る。つまり、派 遣会社ではなく、派遣先の社員に中長期的なキャリアの希望を伝えることが、担当業務の 難易度の上昇につながることが分かる。職場内のどの業務を派遣スタッフに配分するかを 決定するのは派遣先であるから、派遣先に希望を伝えることが、担当業務の高度化につな がりやすいものと思われる。 54 図表 1-14 派遣会社・派遣先とのコミュニケーションと過去 2 年間の担当業務の難易度の 変化(%) 担当業務の難易度の変化( 過去2年間) 中長期的なキャリアに 関する希望 営業、コーディネーターに 必要に応じて 派遣先の社員に 日ごろから自分で 伝えていない 上昇 + やや上昇 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 N 52.3 18.0 34.3 37.2 5.2 5.2 840 70.4 40.7 29.6 25.9 0.0 3.7 985 48.0 14.3 33.7 41.9 7.9 2.1 329 小括 本章では、派遣スタッフへのアンケートに基づき、派遣会社・派遣先により提供される 教育研修への評価や、キャリア形成の状況、およびキャリア形成に影響を与える要因につ いて見てきた。 派遣スタッフのスキルの向上を目的として派遣会社から提供される教育研修に対して、 派遣スタッフは、スキル上昇への効果を高く評価している。しかし、それらの教育研修よ りも、実際の仕事での経験の方が派遣スタッフのスキル形成への貢献度は大きい。派遣ス タッフのスキル形成は、派遣先での実務経験を主として進めていくものであり、教育研修 の受講はそれを下支えするものと位置づけられる。 本アンケートの結果によると、派遣スタッフがスキルを高めたことによってより高度な 業務を担当するようになるというよりも、先に担当業務が高度化し、高度な業務を経験す ることによってスキルが上がっていくという傾向のほうが強い。つまり、スキルの上昇が 担当業務の高度化を牽引するのではなく、担当業務の高度化がスキルを上昇させることの 方が多い。 よって、派遣スタッフのキャリア形成を進めるためには、担当業務が高度化していくこ とが重要になるが、担当業務が高度化するかどうかは、派遣先の仕事配分の方針に左右さ れることが多い。 しかし、派遣スタッフのキャリア形成は、派遣先の方針のみに左右されるものではない。 アンケートの分析では、派遣スタッフから派遣先に自身のキャリアに関する希望を伝える ことが、担当業務の高度化につながることが見出された。また、派遣先への希望の伝達は、 時間給やスキルの上昇にも有効である。一方、派遣スタッフから派遣会社に希望を伝える ことは担当業務の高度化にはつながっていないが、時間給やスキルの上昇にはプラスの効 果がある。 以上より、派遣スタッフが派遣会社や派遣先に対して希望を伝えることは、時間給水準 やスキルレベル、担当業務の難易度の上昇という、キャリア形成に効果を持つといえる。 そうした希望を伝えるためには、派遣スタッフと派遣会社・派遣先との間に、良好なコミ ュニケーション関係が構築されていることが必要である。 そうしたコミュニケーション関係の構築は、派遣スタッフ個々人のコミュニケーション 能力に左右されることが多いが、派遣会社としては、スタッフフォローや派遣先への訪問 を通じ、日頃からコミュニケーションの改善に努めていくことが重要であろう。 55 本章での分析によれば、派遣会社よりも派遣先に希望を伝えた方がキャリア形成への効 果は大きいが、実際には派遣先の職場環境や人間関係等の問題から、派遣スタッフ本人が 派遣先の社員に希望を伝えることは難しいことがある。そうした場合においては、派遣会 社の営業・コーディネーターが派遣スタッフの希望を聞き、それを派遣先に伝えていくこ とが必要になる。また、派遣スタッフのキャリア形成を進めていくためには、派遣会社に は、派遣先の要望に応じたマッチングのみならず、派遣スタッフの要望を反映しながらマ ッチングを行っていくことが求められる。 本調査の回答者の中には、スキルレベルが上昇した派遣スタッフは少なくないが、それ が担当業務の高度化につながっていないことが多かった。その理由はさまざまであろうが、 スキルの向上を派遣スタッフの処遇に結びつけていく仕組みが十分に構築されていないこ ともその一因であろう。今後の対策としては、派遣スタッフのスキルを客観的に測定する 評価システムを構築することが必要だと思われる。そうしたシステムの整備により、派遣 スタッフのキャリア形成も考えたマッチングや、派遣先での担当業務の高度化が現在より も進めやすくなると思われる。 以 i 上 派遣先の職場風土に関する設問は、過去 2 年間に働いた派遣先の状況に当てはまるものを複 数選択方式でたずねる形式である。回答者の中には、教育姿勢について、 「派遣スタッフに熱心 に仕事を教えてくれる」と「派遣スタッフに仕事を教えてくれない 」の両方を選択した人もい た。派遣先の職場単位での風土をたずねているという設問の形式上、この 2 つの選択肢は対立 概念であり、同一の職場が双方の状況に当てはまることは現実的ではない。しかし、過去 2 年 間に複数の派遣先で仕事をしている派遣スタッフの場合、異なる複数の派遣先について回答し ている場合、このように双方を選択する可能性がある。ここでの分析では、風土の異なる複数 の派遣先を経験している人を含めると、 職場風土の影響を比較分析することが困難であるため、 「派遣スタッフに熱心に仕事を教えてくれる」を選択した場合は「派遣スタッフに仕事を教え てくれない」を選択しておらず、反対に後者を選択した場合は前者を選択していない回答者に 限定して分析を行った。同じ理由から、仕事配分に関しても 同様の方法で分析対象サンプルを 限定した。 ii 時間給額や中長期的なキャリアに関する希望を、派遣会社と派遣先の両方に必要に応じて伝 えている人もいるが、 「派遣会社の営業やコーディネーターに必要に応じて伝えた」 「派遣先の 社員に日ごろから自分で伝えた」の両方を選択した回答者は、時間給額に関する希望について は 4 名、 ・中長期的なキャリアに関する希望については 7 名と少なかったため、両方を選択した 回答者を片方のみを回答した者と区分することなく、片方のみを選択した者の中に含めて集計 した。よって 、 「派遣会社の営業やコーディネーターに必要に応じて伝えた人」 「派遣先の社員 に日ごろから自分で伝えた人」の中には、双方を選択した 4 名、7 名がそれぞれ含まれている。 56 派遣スタッフのスキルアップ意欲を高める 要因 ∼派遣スタッフアンケート調査から∼ 東京大学大学院 香川 めい 1.はじめに 本章は「派遣スタッフの キャリアアップに 関するアンケート 」のデータの分析 を 通じて派遣スタッフのスキルアップに対す る意欲について検 討する。正社員と 派遣 スタッフの間には教育訓練機会をめぐっても格差があるとの 指摘はすでに多くなさ れている。社内で育成を 行なうことを前提 として採用される 正社員と異なり、 派遣 スタッフの職業能力の伸 長やスキルの獲得 は個人の能動的な 行動に任せられている 部分が大きい。したが っ て、スキル獲得の 前提条件となるスキルアップに対す る意 欲の状況を明らかにすることは、派遣スタッフのキャリア形 成を考える上で重 要な 論点となる。以下では、 次の 3 つの側面の検討を通じて派遣 スタッフのスキルアッ プ意欲を明らかにすることを試みる。 (1)派遣スタッフにはどの程度スキルアップに対する 意欲があるのだろうか。 (2)派遣スタッフの 属性によってスキルアップ に対する 意欲に違いはあるのだろ うか。派遣スタッフのスキルアップ志向が 高いのはどのような場合だ ろ う か 。 (3)スキルアップ意 欲は実際 のスキルアップ行 動に結び つくのだろうか。ま た、 ス キ ル ア ッ プに 関す る意 欲や 行動 の違い に よ り処 遇に 違い が生 じるのだろう か。 続く2節では、(1)派遣スタッフのスキルアップ に対する意欲を概 観し、3節で は (2)スキルアップに対する意欲を異 ならしめる要因を 検討する。4節で(3)スキルア ップに対する意欲と行動 、行動と処遇の関 係を見たあと、5 節にて明らかになった 知見をまとめ、考察を行 なう。 2.派遣スタッフ のスキルアップに対する 意欲 最初に派遣スタッフのスキルアップに対す る意欲がどの程度 あるのかを確認し て おこう。図1は「現 在 担 当している仕事( 職種)でレベルアップすること 」、「 現在 とは別の仕事にスキルの 幅を広げること 」、「より高度なス キ ルを要する仕事に 変わ ること」という 3 つの方向性でのスキルアップに対する希望 の回答を見たものであ る。どの点に関しても「 そう思う」も し く は「ややそう思う 」と回答をする比 率が 高く、約 7 割から 8 割強の人がスキル上昇 について肯定的な 意識を持っていること が分かる。意欲の面か ら は、かなり高いスキルアップ志向を 持っていると言えるだ ろう。 これらの 3 つの項目のうち、肯定的な回答 が最も多いのは、 別の仕事への仕事 の 幅を拡大することであり 、5 人に 4 人以上がそのような意識を持っている。約 7 割 の人が肯定的な意識を持 っているとはいえ 、現在の担当職務 でのレベルアップ を望 57 図1 ス キ ル ア ッ プ に対す る希 望 28.7 現在の担当職務 38.3 8.0 25.0 67.0 別の仕事にスキル の幅拡大 39.8 44.5 1.9 13.8 84.3 より高度なスキルを 要する仕事への転換 34.0 3.5 23.8 72.7 0% そう思う 38.7 ややそう思う 10% 20% 30% あまりそう思わない 40% 50% 60% 70% 80% 90% まったくそう思わない む者の比率は他の 2 項目に比すると低い。 現在就いている仕 事でのレベルアップよ りも「別の仕事への幅の 拡大」や「より高 度なスキルを要す る仕事への転換」 とい う職務の幅を広げる方向 でのスキルアップ をより望む傾向にあるようである。 これら 3 つの項目を別々に検討するのは非 常に煩雑に な る た め、以下では、こ れ らの項目を合計する変数 を作成し、この変 数が総合的なスキルアップ意欲を示 すと 見なして分析を行って い く。具体的な手続 きとしては、ス キ ルアップに関する 希望 の回答に「そう思う 」(=4 点)、「ややそう思う 」(=3 点)、「あ ま り そ う思わない 」 (=2 点)、「まったくそう思わない 」(=1 点)と す る点を割り当て、3 つの項 目を 合計して「スキルアップ志向 スコア」を作成した i 。したがって、点数が高いほどス キルアップ意欲が高く、 低いほどスキルアップに対する意欲 は旺盛ではないという ことになる。 3.何がスキルアップへの意 欲を高め る の か 3−1基本的な属性の違 い 表 1 は学歴、年齢、主た る家計維持者別に スキルアップ志向 スコアの平均値を 示 したものである。 学歴に関しては、高学歴 であるほどスコア が高くなっているおり、高校以下で は 8.95 点、短大・高専では 9.01 点であるのに対し、大 学・大学院では 9.39 点となっ ている。 一方、本人の年齢 による違いについてはそれほど明確 な傾向があるわけではない 。 強いていえば 30 代後半から 40 代前半の層で若干ス コ アが高めな傾向はあるものの 、 45 歳以上ではスコアが低く な っている。年齢上昇とともに派 遣スタッフと し て の就 労可能性が低くなると通俗的には指摘されることがあるため 、年齢が高いほど スキ ルアップ志向が高い傾向 があるのではないかとも想定さ れ た が、年齢とスキルアッ プ志向の間には明確な傾 向は確認されない ようである。 58 100% ※ n=1,012 表1 基本属性 ご と のス キ ル ア ッ プ 志向 ス コ ア平 均 値 平均値 標準偏差 N 有意確率 学歴 高校以下 短大・高専 大学・大学院 8.95 9.01 9.39 1.791 1.749 1.792 240 419 353 .003 年齢 ∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼44歳 45歳∼ 9.11 9.06 9.18 9.26 9.00 1.729 1.756 1.722 1.858 2.074 172 307 300 152 81 .734 本人 9.44 配偶者 8.80 主たる 家計維持者 親 9.07 その他 9.38 注:有意確率は分散分析による。 1.774 1.812 1.675 1.710 403 351 245 13 .000 主たる家計維持者については、本人 が家計を担っ て い る場合のスコアが 最も高く 、 家計維持者が配偶者の場 合が最も低くなっている。生活を維 持するために仕事 をし ていくことが必要な場合 はスキルアップ意 欲が高くなるが、 そうでない場合、 特に 配偶者に家計を頼ることができる場合には スキルアップ意欲 はそれほど高く は なら ないということだろう。 本人ではない誰か を頼ることができるという意味では 同様 でも、家計維持者が親の 場合のスキルアップ意欲は相対的に 高い。親は家 計 維 持を 任せられる見込みの期間 が配偶者と比較すると短いため、将来的に仕事を続けてい く蓋然性が高いと見なされているからではないだろうか。 年齢とスキルアップ志向 の間には関係がないことが確認されたが、派遣ス タ ッ フ として働いている期間と の間ではどうだろうか。表 2 は、 「現 在の派遣先での就 労期 間」、 「現 在の派遣会社での 就労期間 」、そして「派遣スタッフとしての通算就労期間 」 の期間の長さごとにスキルアップ志向ス コ アの平均値を示したものである。 まず指摘できるのは、いずれの項目でも統 計的な有意差は認 められないこ と で あ る。その傾向が最も如 実に現れているのは通算派遣期間であり、通算 85 ヶ月以上派 遣されている場合で若干 スコアが低くなっているものの、それより短い場合はいず れの期間についても 9.15 で平均スコアは変わらない 。現在の 派遣先や現在の派遣会 社という、現在の 派遣と関わる項目 については 、派遣期間が短 い方がスコアが高 く、 長くなるとスコアが低下 するという傾向が 見受けられる。統計的な有意性はないと いう留保をつけた上で解 釈すると、新たな 派遣先に派遣されたばかりの状態で は、 仕事のやり方や環境に慣 れるという点も含 めて覚えなければいけないことが多 く、 スキルアップの必要性が 認識されるが、期 間が長くなるに従 い職場で要求さ れ るス キルを習得し、レベルが 高くなることが予 想されるため、スキルの上昇可能性 の幅 が頭打ちになってしまい 、結果的にスキルアップをそれほど 望まないという状 況に なっているのかもしれない。 59 表2 派遣期間 とス キ ル ア ッ プ 志向 ス コ ア平 均 値 派遣期間 平均値 標準偏差 N 有意確率 現在の 派遣先 1∼3ヶ月 4∼13ヶ月 14∼32ヶ月 33ヶ月以上 9.29 9.02 9.19 9.02 1.790 1.741 1.805 1.807 252 254 245 238 .232 現在の 派遣会社 1∼8ヶ月 9∼25ヶ月 26∼44ヶ月 45ヶ月以上 9.28 9.12 9.16 8.94 1.658 1.831 1.852 1.810 271 229 244 245 .203 24∼33ヶ月 9.15 34∼55ヶ月 9.15 通算 派遣期間 56∼84ヶ月 9.15 85ヶ月以上 9.07 注:有意確率は分散分析による。 1.670 1.863 1.758 1.870 259 246 256 228 .942 3−2仕事の内容・難 易 度がもたらす違い 表 3 には現在の仕事内容 ごとの、表 4 には現在従事している 仕事の数によるス キ ルアップ志向スコアの平均点を示している 。 該当者が 30 人未満の職種を除くと、平均スコアが最も高いの は英文事務の 9.87 点であり、貿 易 事 務・国際事務の 9.42 点が続いている。従 事 者が 505 人と最も多い 一般事務の平均スコアは 9.07 点とそれほど高く は な い。逆に 平均スコアが最も 低い のは受付の 8.57 点となっている 。総じて特 殊な技能や知識が 要求される職種で スキ ルアップ意欲が高く、受 付や販売というコミュニケーションスキルは要求され るも 表3 現在 の職 種と ス キ ル ア ッ プ志 向ス コ ア 平 均 値(MA) 平均値 標準偏差 N 広報・宣伝・IR ( 10.20 ) ( 1.373 ) ( 15 ) 英文事務 9.87 1.534 52 SE・プログラマ ( 9.78 ) ( 2.489 ) (9) 貿易事務・国際事務 9.42 1.764 45 営業 ( 9.30 ) ( 2.214 ) ( 10 ) 営業事務 9.24 1.676 164 総務・人事・法務 9.23 1.611 98 CADオペレータ ( 9.21 ) ( 1.805 ) ( 14 ) 経理・財務・会計 9.19 1.831 101 データ入力 9.18 1.725 252 秘書 9.17 1.993 48 一般事務 9.07 1.774 550 テレマーケティング 9.06 2.022 66 金融事務 8.94 1.661 64 販売 ( 8.92 ) ( 1.881 ) ( 12 ) 受付 8.57 1.685 35 注:( )は該当者が30人未満のカテゴリーを示す。 60 表4 現在担当 している職 種の 数と ス キ ル ア ッ プ 志向ス コ ア 平 均 値 平均値 標準偏差 1種類 9.00 1.813 2種類 9.20 1.748 3種類以上 9.37 1.712 注:有意確率は分散分析による。 N 有意確率 618 218 145 .051 のの特殊な知識が要求されない職種でスキルアップ意欲が低 い傾向がある 。これは 、 前者のような仕事は必要 とされる知識や技 能の水準が相対的 に高く、加えて日 々ブ ラッシュアップしていくことを求められるため、実際に働いていく中でスキル の不 足や上昇の必要性を認識 する機会が多いからではないかと考 えられる。 仕事の内容ではなく、仕 事の幅に注目して 平均スコアの違い を見たのが表 4 であ る。一般に単一の仕事よりも複数の仕事に 従事している方が 日々の業務内容は 複雑 になり、より高度なス キ ルや知識が要求されるだろう。ここでも、現在従事してい る仕事の種類が、2 種類 、3 種類と多くなるにつれ 、スコアの 平均値が上昇している ことが確認できる(統 計 的には 10%水準を許容すれば有意である )。 以上のようによりスキルレベルが高いと想 定される仕事をしているスタッフで ス キルアップ志向が高い傾 向が見られるのは 、もともと能力の 高いスタッフのスキル アップ意欲が高いという 個人レベルでの志向性によるものなのであろうか。それと も、現在仕事を遂行する 上で要求される知 識や技能によって 志向性が高まるという 状況対応的なものなのであろうか。ス タ ッ フ個人の能力も仕 事で要求されるスキル レベルも客観的に計測し 、比較することは 難しいが、こ こ で は「新人がひととおり 仕事をこなせるようになる期間」をスキルレベルの指標とみなして検討することに する。具体的には 、 「今の派 遣 先での仕事」と「派遣以外での 仕事を含め こ れ ま で従 事してきた仕事のうち最 も難易度の高い仕 事」をこなせるようになる期間別に スキ ルアップ志向スコアの平均点を比較する。 もし前者のみに違 いが確認されるのであ れば、スタッフ個人の能 力ではなく状況が スキルアップ志向 を規定する傾向がある ということになり、もし 後者のみに違いが 確認されるのであれば、状況よりも 個々 人が持っている能力がスキルアップを志向 する傾向があるということになるだろう。 表 5 にその結果を示している。現在の派 遣 先での仕事については、仕事を ひ と と おりこなせるようになる 期間が短いと平均 スコアが低く、期 間が長くなるにつれて スコアが高くなるという リニアな関係に あ り、統計的にも有 意な差があると認 めら れる。一方、個人の潜 在 的な能力水準の指 標とみなせる「経 験した中で最も難易度 の高い仕事」の場合にも 、同様の傾向は認 められるものの平 均スコアの差はそれほ ど大きくなく、統計的な有意性も認め ら れ な い。したがって、スキルアップ意欲 は、 個人の発現しうる技能よりも実際に要求される仕事の難易度 によって規定さ れ る側 面が大きいと考えられる 。ここから、外的 な条件を整備することによってスキルア ップの意欲が高まる可 能 性が示唆される。 61 表5 「ひ と と お り こ な せ る」 期間 ご と のス キ ル ア ッ プ 志向 ス コ ア平 均 値 期間 1ヶ月未満 現在の派遣先 平均値 S.D. N 8.77 1.877 246 経験した中で最も難易度高 平均値 S.D. N 8.90 2.052 51 1ヶ月∼半年 9.11 1.703 518 9.06 1.638 302 半年∼1年 9.51 1.820 167 9.11 1.930 260 1年以上 9.76 1.665 66 9.33 1.751 297 .000 有意確率 注:有意確率は分散分析による。 .175 3−3過去 2 年間の経験とスキルアップの 意欲 3−2 の分析では、現 在 難 易 度の高い仕事に従 事している場合に 、スキルアップ 意 欲が高い傾向があることが示された。本節 は現在ではなく過 去の経験と現在の スキ ルアップ意欲との関係について検討していこう。 過去 2 年間のキャリア形 成の状況はどのように影響しているのだろか。ス タ ッ フ のキャリアが上手く形成 されているのかを 測る指標としてここでは、処遇(時間給 水準)、担当業務の難易度 、及び技 能(本人 スキルレベル )の変化を用 いる。いずれ の点についても上昇する 方向で変化が生じていた場合、望ましい方向でキ ャ リ ア形 成が生じているとみなすことができる。上 手くキャリア形成 が行なわれてきた グル ープとそうでないグ ル ー プには違いがあるのだろうか。表 6 には表頭に示したこれ らの項目の変化の方向 、 「上昇 」 「変化な し」 「 低下」の別にキャリアアップ志向 スコ アの平均点を示している 。 時間給 水 準の結 果か ら確認 していこう。 時間給水準 「上昇 」群の 平均値は 9.20 点、「変化なし」で 8.99 点、「低下 」群で 9.21 点であり、変化がなかった場合 にス キルアップの意欲が最も 低い傾向がある。 しかし時間給水準 の変化による違い は統 計的に有意だとは認められない。担当業務 の難易度についてはどうだろうか。 ここ でも「上昇」群でスキルアップの意欲が最 も高く、次に高いのは「低下」群、 最も 低いのが「変化なし」の 場合である。スキルレベルの変化については、スキル が上 昇したと認識されている 人の平均スコアが 最も高く、 「変化な し」 、 「 低 下」と続 いて いる。担当業務の難易度 とスキルレベルについては統計的に 有意な差があると 認め られる。したがって、いずれの項目についても上昇方向への 変化があった人々 でス キルアップ意欲が高い傾 向が認められるが 、変化がなかった 、もしくは、低下 した 場合でいずれのスキルアップの意欲がより 高いのかは項目によって異な っ て い る。 低下方向での変化が生じ た場合にも意欲が 高い「時間給水準 」や「担当業務の 難易 度」は、派遣先の職場の 状況など本人の努 力のみでは如何ともしがたい要因の 影響 を反映して決定されることも多分にあると 考えられる。そのため、状況が悪化 した 場合に危機感を覚えてスキルアップ意欲を 高める方向で作用 するのではないだろう か。一方、スキルレベル はスキルそのものであり、加えて本 人の自助努力でどうに かなる項目である。意欲 との関連性は他の 2 項目よりも高いためよりス ト レ ー トな 形で結果が出たものと考 えられる。 62 表6 過去 2年 間の 変化と ス キ ル ア ッ プ 志向 ス コ ア平 均 値 時間給水準 平均値 S.D. N 担当業務の難易度 平均値 S.D. N スキルレベル 平均値 S.D. N 上 昇 9.20 1.732 488 9.37 1.691 503 9.50 1.664 658 変化なし 8.99 1.880 331 8.88 1.839 387 8.45 1.840 311 低 下 9.21 1.732 193 8.98 1.856 122 8.40 1.466 43 有意確率 .202 注:有意確率は分散分析による。 .000 .000 ここで注目したいのは、 時間給水準の変化 とスキルアップ意 欲との間に有意な 関 連が見られないものの、 担当業務の難易度 との間には有意な 関連が見られることで ある。金銭的な見返りによってではなく、 より難しい仕事へ と上手く移行していく ことの方がスタッフのスキルアップ意欲をより効果的に高め る可能性が示唆される。 より難易度の高い業務に 従事するためには 、意識的により難易度の高い仕事を さ せてくれる派遣先を選択 するか、派遣さ れ た後に担当業務を 変更する(される )と いう 2 つの方法が考えられる。これらの点 についてスキルアップ意欲による違 いは あるのだろうか。 1 点目についてはスキルアップ意欲と仕事選択基準の関係を 見ることにより検 討 可能であろう。図 2 は、スキルアップ志向スコアをカテゴリー化したものと ii 仕事 を引き受ける際に重視し た条件の関係を示 したものである。 意欲が高いス タ ッ フほ ど、どの条件についても 重視すると回答す る比率が高く、よ り幅広い条件を重 視し て仕事を選択してきたことが分かる。スキルアップ志向によって明確な違いが 見ら れるのは、「資格 やスキルを い か せ る」こと 、「スキルアップ ができること」の 2 項 図2 仕事 を引 き受 ける際 に重 視し た点 とス キ ル ア ッ プ 志向 ス コ ア (MA) 84.8 81.6 仕事内容 * 75.8 68.0 時間給水準 + 63.7 59.0 資格やスキル をいかせる *** 45.9 38.8 25.1 スキルアップ できる *** 37.2 21.6 12.3 時間給上昇 が見込める *** 14.7 11.2 3.1 高いスキル レベルが必要 *** 7.4 2.3 1.1 0 10 20 30 40 2 50 注: 有意確率はχ 検定による。+ p <.10, * p <.05, ** p < .01, * p < .001 63 60 70 3∼8点 80 9∼10点 90 100 11∼12点 (%) 目である。また全体的 に選択する比率が 低いために大きな 違いは出て い な い が、 「高 いスキルレベルが必要 」という条件 に関しても 11∼12 点と意欲が高い群で選択比率 が高くなっている。これらの項目はい ず れ もスキルに関連す る項目である。そもそ もスキルを伸ばしたり、 いかしたりすることへの関心が高い 人々が、それが可 能に なるような仕事を意識的 に選択し、そのような仕事に従事することにより、スキル アップへの意欲が高く保 持されるという仕事選択とスキルアップ意欲との間の 良好 な関係が形成されている 可能性をここから 読み取ることができるだろう。 2 点目については、担当 業務ではない仕事 の依頼を受けたときの対応から検討 す る。表 7 はスキルアップ志向スコアのカテゴリー別に担 当 業 務とは異なる仕事 の依 頼への対応――「断った 」、「できそうな仕 事のみ引き受けた 」、「難しい仕事も 引き 受けた」「そのような経験はない」 ――の分布を示したものである 。「断った」 と回 答する比率はスキルアップへの意欲に関わらず非常に小さく 、依頼を引き受け るス タッフが大半であるこ と が確認できる。違 いがあるのは、頼 まれる仕事の難 易 度に 対する行動である。できそうな仕事のみ引 き受けたと回答するのはスキルアップ意 欲の低い者でもっとも高 く、難しい仕事で も引き受けたと回 答するのはスキルアッ プ意欲の高い者で多い。 意欲が中程度(9∼10 点)のスタッフは両者の中間に 位置 しており、よりチャレン ジングな仕事への 依頼に対する対応 とスキルアップ意 欲の 間に正の関連があることが分かる。つまり スキルアップ意欲 の高いグループほ ど、 より難易度の高い仕事へ と職域を拡大する 機会を有効に活用 できる可能性が高 いと 言える。 以上より、スキルアップ 意欲の高いス タ ッ フは、過去の派遣先選択にしても、 派 遣後の仕事の割り振られ 方に際しても、スキルを伸ばせるような難易度の高い 仕事 に従事しやすいような選 択する傾向にあったことが示された 。このようにスタッフ の従事する仕事の難易度 を適切に上げてスキルアップ意欲を 高め、スタッフの 能力 を発揮するために、派遣会社はどのように 支援しうるのだろうか。派遣会社の スタ ッフフォローのありかた (コンタクトの頻 度、フォローの際 に伝えた内容)からこ の点について検討していこう。 表8 コ ン タ ク トの 頻度別 ス キ ル ア ッ プ 志向 ス コ ア平 均 値 平均値 標準偏差 1ヶ月に1度以上 9.12 1.721 3ヶ月に1度 9.19 1.776 半年∼1年に1度 9.24 1.967 ほとんどこない 8.64 1.995 注:有意確率は分散分析による。 N 有意確率 446 427 83 56 .175 64 表7 ス キ ル ア ッ プ 志向ス コ ア と担 当 業 務と 異な る仕事 の依 頼の 対応 (% ) 担当業務とは異なる仕事の依頼への対応 スキルアップ 志向スコア 断った 3∼8点 9∼10点 11∼12点 合計 1.74 1.44 0.88 1.42 注: χ2 =17.238, できそうな 仕事のみ 64.06 55.77 52.19 57.84 難しい 仕事も 22.03 31.73 37.28 29.63 頼まれた ことはない 12.17 11.06 9.65 11.12 計 N 100.0 100.0 100.0 100.0 345 416 228 989 p=.008 表 8 は派遣会社からのコンタクト頻度別に スキルアップ志向 スコアの平均値を み たものである。統計的な 有意性は認められ ないが、表から読 み取れる点に つ い て確 認しておこう。スキルアップ志向はコンタクトがほとんどない場合で際立って 低い が、多少なりともコンタクトがある場合の 差異は明確で は な い。強いて言えば 、頻 度が少なくなるほどスキルアップ志向ス コ アの平均点は上昇 する傾向があるようで ある。スタッフへのコンタクトをまったくしない場合は、スキルアップ志向を 下げ てしまう可能性がある。 しかし、頻度を上 げたからといって スキルアップへの 意欲 が高まるわけではなく、 適度なコンタクト が必要だということが指摘できよう 。 では、スキルアップ志向 の高いスタッフとそうでないス タ ッ フとで派遣会社と の コミュニケーションの内 容は異なるのだろうか。 「派遣先での業務内容や経験 」 、 「仕 事内容」そして「中 長 期 的なキャリアに関 する希望」の 3 点について見て い こ う。 表 9 はスキルアップ志向 スコアのカ テ ゴ リ ー別にこれら 3 つの点について「定期的 に伝えた」もしくは「 伝えなかった」スタッフの比率を 示したものである iii 。スキ ルアップ志向の高低によって違いが確認されるのは、業 務 内 容や派遣先での経 験と 中長期的なキャリアに関 する希望である。 スキルアップ志向 の高いスタッフは 、い ずれの点についても定期 的に派遣会社に伝 える傾向が確認できる。逆にスキルアッ プ志向が低いグループで は、 「伝えていない 」と回答 する比率が高くなっている 。業 務内容や経験、仕事に関 する希望と比較し て中長期的なキャリア希望を伝えていな いと回答する比率は意欲 の高低に関わらず 高い傾向にあるが 、スキルアップ志 向ス コアが 3∼8 点と低いグループ の約 4 割がこの点について派遣会社とコミュニケーシ ョンを取っていないことは注目に値しよう 。仕事に関する 希望については 、 「伝 えて いない」と回答するスタッフが少ないことから、定期的にではなくとも別の機 会に 表9 ス キ ル ア ッ プ 志向ス コ ア 別 スキルアップ 志向スコア 3∼8点 9∼10点 11∼12点 合計 有意確率 業務内容や派遣先 での経験 定期的に 伝えていない 8.0 10.3 9.5 8.4 14.7 6.1 10.2 8.5 派遣会社 に伝 えた内 容と 頻度 仕事に関する希望 定期的に 4.6 7.9 6.9 6.5 伝えていない 5.1 4.7 1.7 4.2 (MA) 中長期的なキャリアに 関する希望 定期的に 伝えていない 4.0 41.0 7.7 30.5 6.9 23.4 6.2 32.5 * + 2 注:有意確率はχ 検定による。 + p < .10, * p < .05, ** p < .01, *** p < .001 65 (%) *** N 351 430 231 1012 派遣会社とコミュニケーションをとっているスタッフが大半 であり、スキルアップ 志向による違いはないことが指摘できる。 これらの点から、 派遣スタッフのスキル アップ志向を上げるためには、派遣先での 業務内容や経験について定期的に確 認す るとともに、中長期的な キャリア形成についても把握することが重要であると 考え られる。これは、中 長 期 的なキャリア形成 の展望まで視野に 入れることにより 、ス タッフ本人が自分に足りない点や伸ばしていくべき点などを 自覚し、ど の よ う なス キルを獲得することが必 要かを認識できるからではないかと 考えられる。 4.意欲と行動、 行動と処遇 の結びつき ここまでは、スキルアップに対する 意欲の違いを生み 出す要因に注目してきたが 、 意欲があることと、実際 にスキルアップ行 動を取ることは異 なる次元の話であ る。 仮に意欲が旺盛で あ っ て もスキルアップ行 動を伴っていなければ、スキルを十 分に 伸ばすことはできないだろう。また、スキルアップ行動によって処遇が改善するの かどうかという点も、派 遣スタッフのキャリア形成と教 育 訓 練の関係を考える 上で は重要な点である。本節 では、スキルアップの意欲とスキルアップ行動の関係 につ いて検討した後に、派遣会社の提供する教育訓練の受講と時間給水準の変化の 関係 について検討する。 表 10 は派遣会社主催の 教育訓練について スキルアップ志向 スコアのカ テ ゴ リ ー ごとに過去 2 年間の受講経験と今後の受講希望の比率を示したものである。 過去 2 年間の受講経験( 表の左側)から見 ていこう。まず指 摘できるのは、い ず れの訓練内容についてもそれほど高い値はなく、受講率 はほとんどの項目で 10%未 満であることである。ま た、受講経験が全 くない者もスコアが 9∼10 点以下の 2 グ ループでは半数を超えている。全体的に経験比率が低い中で 、際立って比率が 高い のは「OAスキル研修」 であり、3∼8 点のグループで 23.9%、9∼10 点で 31.9%、 そして 11∼12 点で 34.2%の人が受講し た と回答している。 全体的な傾向と し てス キルアップ意欲の高いグループでやはり受講費比率が高い傾 向がある。統計的 に有 意な差があるのは 、 「OAスキル 研修」 、 「 ビジネスマナー」 、 「 語学研修」 、 「 職能別研 修」 、 「 業界セミナー」の 5 つの項目で あ り、 「 ビジネスマナー 」研修を除いてスキル アップ志向スコアが 11∼12 点のグループの受講比率 が最も高くなっている。また 、 何種類の内容の研修を受 講したのかを示し た、平均受講種類数でも 11∼12 点のグル ープのみで 1 を超えており、過去 2 年間に平均して 1 種類以上の研修を受講し たこ とが分かる。先に確認し た総じて高い意欲 という点から考えると実際のスキルアッ プ行動にはそれほど結びついていないものの、スキルアップ 意欲の高い人ほど 、何 らかの教育研修を受講していることが明らかになった。 66 表10 ス キ ル ア ッ プ志向 ス コ アと 派遣会社 の提 供する 教 育 訓 練 受 講 / 希望比率 受講内容 過去2年間の受講経験 ( %) これからの受講希望 3∼8点 9∼10点 11∼12点 有意確率 3∼8点 9∼10点 11∼12点 有意確率 23.9 31.9 34.2 * 45.3 50.9 48.1 8.8 7.2 8.7 2.8 4.9 4.3 6.8 7.9 9.1 2.0 3.0 2.6 3.7 9.1 8.7 ** 6.6 13.5 13.9 ** 3.7 5.3 8.2 + 13.7 13.7 25.1 *** 3.1 4.9 8.7 * 28.8 40.9 48.5 *** 2.8 4.2 3.0 10.0 15.8 19.0 ** 2.0 2.6 6.1 * 10.5 23.7 27.3 *** 1.7 2.3 4.3 3.1 3.3 5.6 0.9 1.6 1.7 17.4 20.9 30.7 *** 0.3 1.2 3.0 * 3.4 5.3 8.2 * 57.0 50.2 39.8 *** 10.8 9.3 5.2 + 0.598 0.812 1.004 *** 1.456 1.967 2.351 *** 351 430 231 351 430 231 注:比率の有意確率はχ2検定、平均値は分散分析による。 + p < .10, * p <0.5, ** p <.01, *** p < .001 OAスキル研修 コンプライアンス研修 情報保護 ビジネスマナー ビジネススキル研修 語学研修 キャリアカウンセリング 職能別研修 キャリアセミナー 公的資格取得支援 業界セミナー 受講したことはない/したくない 平均受講種類数 N 次にこれからの受講希望 について見て い こ う。過去 2 年間の受講経験と比較す る と全体的に選択比率が高 い傾向にある。過 去の受講経験が低 いのは、提供されてい る研修内容の魅力のなさにあるわけではなく、別の要因によるものであると考 えら れる。過去の受講経験と比較して希 望が明確に高い の は、 「0Aスキル 研修」 、 「 ビジ ネススキル研修」、「語学研修」、「キャリアカウンセリング 」、「職能別研修 」、「 公的 資格取得支援」の 6 つの項目であり、特に 「0Aスキル研修 」、「語学研修 」、「 職能 別研修」、「公的資格取得支援」の 4 つの項目については、スキルアップ志向スコア の高低に関わらず経験と 比較して希望が 20 ポイント以上高くなっている。これらの 項目は「OAスキル研修」を除い て経験比率は 10%未満であるが、スタッフの 潜在 的なニーズは高い内容と 考えられるだろう 。逆に、 「コンプライアンス研修」と「情 報保護」の 2 つの内容は、希望比率が経験比率よりも低くなっている。こ れ ら の項 目は派遣会社としては、 スタッフに習得しておいてほしい項 目であるかもしれない が、スタッフのニーズはそれほど高くはないということなのかもしれない。スキル アップ志向スコアに よ っ て有意な差が確認 されるのは 、 「ビジネスマナー」、 「ビジネ ススキル研修」、「語 学 研 修」、「キャリアカウンセリング 」、「 職能別研修 」、「公的資 格取得支援」、そして「業界セミナー」であり 、いずれの項目 についてもスキルアッ プ意欲が高いほど、希望比率も高いという 結果になっている 。 過去 2 年間の受講経験か ら見る限り、スタッフにそれほど活 用されているよ う に は見えない派遣会社が提 供する教育訓練であるが、受講のメリットはないのだろう か。教育訓練を受講することにより、ス キ ルは多少なりとも 上昇して当然だと 考え られるので、ここではスタッフの処遇、具体的には時 間 給 水 準の変化に対する 影響 について検討することにする。 67 表11 2 年間 の時 間 給 水 準の 変化 の規 定 要 因 ( 重 回 帰 分 析) b t値 β 0.005 -1.420 -4.139 3.773 1.846 0.000 -0.051 -0.136 0.124 0.061 -0.229 2.090 -0.863 -0.325 -2.089 -0.702 2.891 -1.890 -0.132 1.349 0.509 -0.396 -0.008 0.069 -0.031 -0.011 -0.068 -0.023 0.106 -0.070 -0.005 0.045 0.017 -0.013 0.755 -0.483 0.102 .061 3.136 ( .000 ) 940 0.025 -0.016 本人学歴(vs. 短大・高専): 高校以下 大学・大学院 0.066 -18.373 -0.577 *** 43.974 *** 5.863 + 通算派遣期間 派遣会社所在地:南関東ダミー スキルアップ志向スコア 過去2年間の受講経験: OAスキル研修 -2.936 語学研修 52.630 ビジネススキル研修 -23.332 職能別研修 -10.288 業界セミナー -114.971 公的資格取得支援 -33.333 コンプライアンス研修 65.347 情報保護 -45.077 ビジネスマナー研修 -3.131 キャリアカウンセリング 42.041 キャリアセミナー 17.414 その他 -12.772 職場の風土: 仕事を熱心に教えてくれる 8.732 派遣にもレベルの高い仕事を任せる -5.886 定数 3.365 R2 F ( sig. ) N 注: + p < .10, * p < .05, ** p < .01, *** p < .001 * * ** + 時間給水準の変化にいか なる要因がどのような影響を与えているのかを検討す る ため、表 11 に 2 年前から現在までの時間給水準の変化額を従属変数とする重回帰分 析の結果を示している。独立変数として、こ のモデルには本人学歴、通算派遣期間、 派遣会社の所在地(南関東ダミー )、スキルアップ志 向スコア 、過去 2 年間の受講経 験、派遣先の風土(「スタッフに熱 心に仕事を教えてくれる」 、 「 派遣にもレベル の高 い仕事を任せる」)を投入した。 決定係数 R 2 の値が.061 と小さいもののモデル自体は有 意である(p<.001 )。実際 の時間給水準ではなく、 あくまでも変化額 を従属変数としているためか、本人学歴 の効果は有意ではない iv 。つまり 、学歴が高ければ(もしくは低ければ )、時間給水 準が上がりやすい(下がりやすい)という 傾向はないということになる。一方 、通 算派遣期間の係数の符号 はマイナスであるので、派遣期間が 長くなると 2 年前の水 準と比較して時間給が下 がってしまう傾向 があることになる 。ただしこれはあくま でも変化の方向で あ る の で、派遣期間が長 いほど時間給水準 が低くなるというわけ ではない。派遣期間が長 い人ほど平均的に は時間給水準が高 いことが予想されるの で、派遣先の変化などが 生じたときに相 対 的に高い水準を維 持しにくいという 状況 68 を示しているのだと考えられる。スキルアップ志向と時間給水準の変化については 先に表 6 にて検討したが、他の要因をコントロールした本モデルでは、プラス の影 響力が確認される。スキルアップ志向ス コ アが 1 点高いことで、時間給水準の 変化 額を 6 円ほど高める効果 がある(た だ し統計的には 10%水準で有意である )。ま た、 派遣先の教育姿勢や仕事配分の状況はスタッフのスキルアップ意欲を高めることに は効果があることを先の 分析で確認したが 、時間給水準の変 化に対しては有意 な効 果は持っておらず、派遣 先の仕事を通じた 技能レベルの向上 が必ずしも適切に 時間 給水準に反映されていない可能性が示唆される。 過去の受講経験について 見ていこう。受講内容の効果はプ ラ スのものとマ イ ナ ス のものが混在しており、 派遣会社の提供す る教育訓練を受講 することの効果を 一概 に指摘することはできない。係数の 値がプラスなのは 、 「語学研修 」 、 「 コンプライア ンス研修」、 「キャリアカウンセリング 」、 「キャリアセミナー」の 4 つの内容で あ り、 初めの 2 つに関しては統計的に有意な効果 があると認め ら れ る。スタッフの「 コン プライアンス研修」に対 するニーズは高くないことを確認したが、時間給水準 を上 方に変化させる効果があるようである 。 「語 学 研 修」は実際の 受講経験はさして 多い とは言えないものの、ニーズは非常に高い 内容であり、スタッフにとってもスキル の上昇と処遇の改善の関 係が見えやすい項 目なのではないかと思われる。係数 の符 号がマイナスの 8 つの項目の中で統計的な有意性が 確認されるのは 、「業界セミナ ー」のみである 。 「業界セ ミ ナ ー」の受講経験 があるスタッフで は、過去 2 年間の間 に約 115 円時間給水準が下がったということが示されている 。なぜこのような 結果 となったのかの解釈は難 しいが、 「業界セミナー 」は知識の幅 を広げることには 貢献 するものの、何かの職種 に直接結びつくという性格のものではないことが影響 して いるのかもしれない。以 上より、派遣会社 の提供している教育訓練がすべてスタッ フの処遇の改善に資するわけではないものの、語学などの教育訓練には時間給水準 の上昇をもたらす効果があり、派遣会社の 提供する教育訓練 がスタッフのスキルア ップを通じたキャリア形 成に一定の効果を 持っていることが 明らかになった。 5.まとめと考察 本章は派遣スタッフのスキルアップに対す る意欲を中心に 、意欲を高め る要因や 、 実際の行動、処遇との関 連について検討を 加えてきた。 本章でまず明らかになったのは、総じて派 遣スタッフのスキルアップ志向は高 い ということである。この 点は、スキルアップを通じた派遣スタッフのキャリア 形成 を考える上でもう少し強 調されてもよいだろう。 スキルアップに対する意 欲を左右する要因 に関しては以下の 点が明らかになった。 ・ 本人が高学歴者、また 家計維持者である 場合にスキルアップに対する意欲が 高い 傾向がある。一方、年齢 や派遣を経験した 期間によって意欲 に違いは生じ な い 。 ・ 現在の仕事の難易度が高 いとスキルアップ に対する意欲が高 い。またスキルアッ プに対する意欲は本人が 潜在的に持っ て い るスキルレベルではなく、現 在 従 事し ている仕事で要求される スキルレベルによって規定される傾 向がある。 69 ・ 現在の状況に意欲が規定 されることは、過去 2 年間に担当業務の難易度が上 がっ たスタッフでスキルアップ意欲が高い と い う点からも支持される。また時間給水 準の変化はスキルアップ 意欲の高低に直接影響しない。意 欲を高めるという 点か ら見ると、金銭的な動 機 付けはさほど有効 ではない。 ・ したがって、スキルアップの意欲を高めるためには、実際 に従事する仕事の 難易 度を適切に上げていく必 要があるが、スキルアップ意欲の高 いスタッフほど 、ス キルをいかせたり、よ り難易度の高い仕 事に従事できたりするような選択を 意図 的に行なう傾向がある。 ・ スキルアップ意欲を高めるために派遣会社 ができる支援と し て有効なのは、スタ ッフの中長期的なキ ャ リ ア形成の希望を把 握することである 。 ・ 実際のスキルアップ行動 という点から見る と、派遣会社の 提供する教育訓練 の受 講比率は決して高いものではない。ただし 、今後の受 講 希 望は経験よりは高 いた め、提供されるメニュー が魅力的でないわけではなく、他 の要因によって実 際の 行動が妨げられている可能性が考えられる 。また、意欲の 高いスタッフほど 受講 経験も受講希望も高い傾 向がある。 ・ スキルアップ 行動を取 ることにより、時間給水準の 改善につながる場合 もある 。 派 遣 会 社の 提供 するすべての教 育 内 容が 時給水準 の改善 に つ な が る わ け で は な いものの、教育訓練機会 の受講は、処遇の 改善に一定の効果 を持つ。 スキルアップの意欲は現 在の仕事に大きく 影響されるが、スキルアップ意欲の 高 いスタッフほど、難易度 の高い仕事にスムーズに移行できるような選択を行な う傾 向があり、実際の業務を 離れた教育研修機会も有効に活用しているという姿が 浮か び上がってくる。このようなスタッフは 、 「 意欲を高め る よ う な仕事に就く→スキル アップ意欲が高まる→スキルレベルが上昇 する→意欲を高めるような仕事に就 く」 というプラスの循環の中 にいると考え ら れ る。このようなプラスの循環に派遣 スタ ッフを一人でも多くのせられるよう、派遣会社には、個々の スタッフのニーズ や希 望を細やかに把握し、適 切な情報提供をしていくことが望まれるだろう。 ここで、4節の分析で明 らかになったスキルアップの意欲が 必ずしも実際の行 動 に結びつかないという点 について考察を加 えたい。すでに指 摘したように、今 後の 受講希望については多く の項目で高く、提 供されているメニューの内容が行動 の少 なさの原因になっているわけではない。で は、何が受講を阻 んでいるのだろうか。 アンケートでは、 「派 遣 会 社から提供される 教育・研 修であればよいと 思うもの 」を 自由記述方式で尋ね て い る。この設問に対 する回答で多く見 られるのが、以下 のよ うな教育訓練の提供場所 や時間に対する不 満である。 「いつも混んでいるので受講 する気にあまりならない 為、稼動しているスタッ フ優先で受けれたら良い と思います 。」 「もっと通いやすい場所 でやってほしい。 就業後に参加は時間的に無理です 。」 「教育・研修は大 きい都市でないと受けられないものが多く、不公平を感じま す。仕事を す る の は同じ な の で、もっと 公平にお願いしたいです 。インターネ 70 ットでもっと多く のプ ロ グ ラ ムを組ん だ り、民間の企 業と連携したりして、も っとスキルアップが出来 る機会を与えて欲 しいです。」 「大体平日に行なわれているので、派 遣 先を休ん で ま で行け ま せ ん。家の近く で、土日の昼間に行な っ て欲しい」 「今までの研修内容でよいと思いますが、 もっと開催場所を 増やしてほしい 。」 派遣会社の提供する教育訓練・研修は都心 部にて平日の夕方 から開講されているこ とが多く、居住地域や勤務地によっては、 稼働中に受講したいと思っても受講 する ことが物理的に不可能であるという意見は 多い。また、教育訓練が提供されている 場所への交通費も自 己 負 担であるため 、なかなか受講 できないという意 見もあった 。 アンケート調査とは別に 行なった派遣会社 に対するヒ ア リ ン グ調査でも教育訓練機 会の地域格差問題は指摘 されており、派遣会社がこの問題を 認識していないという わけではない。しかし、 その対応はまだ不十分だと言えよう 。スキルアップに 対す るスタッフの高い意欲を 有効に実際の行動 に結びつける こ と は、スキルアップ を通 じてスタッフ自身の満 足 度を高め、キ ャ リ ア形成につながるだけでなく、派遣会社 の利益にも貢献し て い く と考えられる。スタッフのスキルアップに対する意欲 を行 動へと効果的に結びつけるためにも、受講 の場所や時間を問 わないeラ ー ニ ン グの 講座をより充実させる、 遠隔地に居住しているために教 育 訓 練を受講す る こ と を断 念しているスタッフには 、交通費を補助す るなどの地方と都 市との機会の格差 を縮 小させるような策を講じていくことが求められている。 以 i 上 したがって、スキルアップ志向スコアのとりうる値の範囲は 3 から 12 点となる。また全 体の平 均 値は 9.13、標準偏差は 1.783、最 頻 値 は 9 であった。 ii それぞれのカテゴリー に該当するケースのパーセンテージは、「3∼8 点」が 34.7%、「9∼10 点」が 42.5%、そして「11∼12 点」が 22.8%である。 iii アンケートでは「派 遣 先での業 務 内 容や経 験」と「仕事に関する希 望」、「中長期的なキャリア に関する希 望」は別の設 問で尋ねられている。前者については、派 遣 会 社の担 当 者(営業・コー ディネーター)に伝えた頻度が複 数 選 択 方 式 で尋ねられ、後者の 2 つの項目については誰にい つ伝えたかが複 数 選 択 方 式で尋ねられている。ただし、表に掲 載した項目 については、両者に 共通する内 容の選択肢 であり、比較可能であると判 断した。またいずれの設問 も複 数 選 択 方 式 での回答であり、χ2 検定 の結 果は、スキルアップ志向スコアカテゴリー3 項 目と選 択の有 無 2 項 目の 3×2 のクロス表に対して行なったものである。 iv 従属変数 を現 在の時間給水準 に変えた同様のモデルでは、高校以下 ダミー でマイナスの有 意な効果が確認される。短大・高専と大 学・大学院 の間には時 間 給 水 準 に大きな差はないもの の、学歴が高 校 以 下である場合は時 間 給 が低い傾 向があるということになる。 71 派遣スタッフのキャリア形成要因 ∼派遣スタッフヒアリング調査から∼ 株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部門副主任研究員 松浦 民恵 本調査研究においては、派遣という働き方を通じてキャリア形成を実現できている派遣 スタッフを対象としたヒアリング調査を実施している。日本人材派遣協会から会員企業を 通じて、派遣スタッフに対するヒアリング調査を依頼し、選定してもらった。派遣スタッ フの選定にあたっては、広義の事務系の職種で派遣スタッフとして継続的に就労しており、 かつ①スキル向上やキャリアアップ、②毎年の昇給、のいずれかが実現できていることを 条件とした。なお、ヒアリング調査の実施は派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成 作業委員会の委員が担当した(日本人材派遣協会や派遣会社の担当者は同席していない)。 また、調査は平成 19 年 10 月から 11 月にかけて実施した。 ヒアリング対象者は全て女性で、計 9 名のうち、正社員として就労した経験を持つ者は 7 名、経験した派遣先が 5 件以上の者は 3 名、4 年制大学卒は 7 名であった。また、派遣 就労を開始してから現在までの期間については、1∼3 年が 2 名、4∼6 年が 2 名、7∼9 年 が 3 名、10 年以上が 2 名という内訳になっている。 本調査では、主に次のような項目についてヒアリングを行った。 ①これまでの仕事とスキル ・スキルが向上した仕事の経験 ・スキルの向上に結びつくような仕事に従事できた理由 ・スキルの向上に結びついた能力開発機会の経験 ・スキルの向上と賃金 ②キャリアに関する考え方 ・キャリア形成に向けて心がけ、努力していること ・正社員との相違 ・これからのキャリア 以下、項目に沿って結果のポイントを紹介したい。 ①これまでの仕事とスキル ・スキルが向上した仕事の経験 スキルが向上した仕事の経験としては、 「業務上やりとりを行う人の幅が広がったこ とでコミュニケーション能力が向上した」、「仕事を通じて専門知識や語学能力を身に 付けることができた」 、 「仕事上の辛い経験によってストレス耐性が向上した、 「派遣先 で顧客のクレーム対応を経験し、顧客対応能力が向上した」等があげられている。 正社員として就労した経験がなかった派遣スタッフは、最初の派遣先で社会人とし 72 ての基礎ができたと述懐している。また、多くの派遣先を経験した派遣スタッフは「派 遣先によって仕事は異なり、一見バラバラのようではあるが、どこかでつながってい る面もある。たとえば、経理のルール、流れなどはどこの会社もある程度共通してお り、過去の経験が今に生きていると思える。ただ、派遣先によってシステムが違う場 合も多々あり、そういう面でとまどうこともあった」と述べている。 ・スキルの向上に結びつくような仕事に従事できた理由 スキルの向上に結びつくような仕事に従事できた理由としては、マッチング担当者 や営業担当者が評価・支援してくれた、派遣先の上司が一般の正社員と同様に仕事を 任せ、分け隔てなく活用してくれたというような周囲の支援があげられている。派遣 という働き方を通じてキャリア形成ができている派遣スタッフは、派遣会社や派遣先 との間で、良い関係を構築できている傾向が強い。 また、高めたい能力や希望するキャリアを明確に意識しながら、派遣スタッフ自身 が能動的に派遣先を選定してきたケースもみられる。 たとえば、ある派遣スタッフは、派遣先を選定する条件として、派遣会社に対して 次の 3 つの条件を提示している。 ・長期で働くことができる。 ・現状程度の水準の時給が維持できる。 ・正社員としての採用につながる可能性が高い。 正社員になることを希望しているが、紹介予定派遣に限定すると、派遣の案件が限ら れてしまうため、このような条件のもとで、一般の派遣として働いているという。 また、 「派遣会社のマッチング担当者は、疑問点をたずねれば教えてくれるが、何か を勝手に判断したり、押し付けたりしてすることはない」ので、自分で高めたい能力 をはっきりと意識し、マッチング担当者に説明しながら仕事を選択してきたという派 遣スタッフもいる。 ・スキルの向上に結びついた能力開発機会の経験 仕事上での必要性、あるいは将来を見越して、派遣会社が提供している、OAスキ ル研修等の能力開発機会を活用しているケースが多い一方で、派遣会社の能力開発機 会を活用する時間がとれず自分で勉強した、あるいは自分で費用を負担して外部の学 校に通ったというような事例もある。中には英語学校に通うだけでなく、留学やワー キングホリデーによって英語力を磨いた事例もあった。 ヒアリング調査が対象としている、キャリア形成ができている派遣スタッフの多く は、能力開発のためにたゆまぬ努力をしている。自分で勉強する、派遣会社の能力開 発プログラムを活用する等手段はさまざまであるものの、主体的にかなりの努力をし ているという点では共通している。 ただし、 「派遣会社の勧めで証券外務員の資格を取得したが、証券外務員の資格を必 要とする派遣先のニーズとタイミングが合わず、資格を活かせていない」という声も あり、能力開発を実際の仕事にどう結びつけ、スキルの向上をはかっていくかが課題 だともいえる。 73 ・スキルの向上と賃金 スキルと時給については、 「スキルの向上と時給アップは連動していない」、 「派遣先 が変わっても以前の派遣先でのキャリアが認められて時給が上がるということはあま りない」といった意見が少なからずみられる。実際、スキルは上昇したが、経験を積 んだ業務の派遣料金の相場が下がったため、昔より時給がずっと低くなっているとい う事例もある。また、「一般論として、まだ仕事のレベルが低い段階で、何かができる ようになったら時給を上げてくれるよう交渉しやすいと思うが、キャリアを積んでレ ベルが上限に行き着いてしまうと、もはや交渉も難しい」という問題提起もあった。 このように、スキルの向上が時給アップに結びつかないという状況が続けば、派遣ス タッフのモチベーションが低下していくことが懸念される。 実際に時給が上昇するのは、契約更新の際の営業担当者による交渉、派遣先の上司 の配慮、派遣スタッフ自身による営業担当者を通じた交渉が契機となっているケース が多い。派遣スタッフ自身による交渉については、単に時給を上げてほしいという言 い方ではなく、担当業務が拡大した内容、他の派遣スタッフの担当業務との差異等、 具体的・客観的な理由を説明したうえで交渉している事例が複数みられる。また、時 給アップが実現した背景として、普段の仕事ぶりや職場の業務の状況について、派遣 先の上司や営業担当者の理解を十分に得ていることをあげる声もあった。 ②キャリアに関する考え方 ・キャリア形成に向けて心がけ、努力していること 派遣という働き方を通じてキャリア形成を実現できている派遣スタッフが、キャリ ア形成に向けて心がけ、努力していることとしては、 「派遣先で与えられた仕事をこな すだけでなく、自分で仕事を探して獲得する」、「仕事を選択する際には、高望みしす ぎないことが重要だ。希望の中で優先順位をつけて、妥協できるかどうかの境目をは っきりさせながら、派遣先・仕事を選択するようにしている」、「営業担当者を通じて 時給アップの交渉を行う」等があげられる。 「専門性の向上か、仕事の幅の拡大のどちらかにつながるような仕事をしたいと考 えている。仕事の幅が広がると、会社の組織が見えてくる面もある」、「派遣だから仕 事ができないとは思われたくないので、与えられた仕事はきっちりとやるようにして いる」、「職場に根付いていくために、仕事をもらえるようにねばり強く働きかけ、与 えられた仕事には失敗を恐れず挑戦するよう心がけている」、「派遣先が仕事を依頼し やすいような行動を常に心がけている。意味がないと思う仕事でも、依頼があれば引 き受けるようにしている」というような声もあった。 全般に、派遣という働き方を通じてキャリア形成を実現している派遣スタッフにつ いては、能動的な行動特性が顕著だといえよう。 ・正社員との相違 正社員との比較においては、傾向としては派遣という働き方を肯定的に捉えている 面が強い。具体的に、派遣就労のメリットとしては、次のような点があげられている。 ・正社員時代は会社にスキルアップさせられているというイメージがあったが、派遣 74 スタッフになってからは、自ら危機感を持ちながら能動的にスキルの醸成に取り組め るようになった。 ・正社員は幅広い仕事を担当しなければならないが、派遣就労であれば専門的な仕事 に従事することができる。 ・正社員になると、忘年会の幹事等、仕事以外のさまざまなしがらみが生じるが、派 遣スタッフであればそういうしがらみに縛られずにすむ。 ・派遣就労の場合は、実際に仕事についてみてから自分に向いているかどうかが判断 できる。 一方、 「金銭面や安定性という面では正社員のほうが恵まれている」 、 「派遣スタッフ だと付与される仕事のみならず、社内で開示される情報の範囲まで限定される」、「正 社員としての採用を目ざして転職活動をした際、派遣としてのキャリアは全く評価さ れず、新人として一からやり直しになるような印象を受け、悔しい思いをした」とい うような声もあった。 ・これからのキャリア これからのキャリアとしては、ヒアリング対象者 9 名のうち、将来的には正社員か 派遣スタッフか迷っている者が 5 名にのぼる。ただし、このなかには、正社員か派遣 就労か迷っているものの、基本的には仕事本位でキャリアを決めたいという者も 2 名 含まれている。残りの 4 名のうち、2 名は正社員を希望、1 名は派遣スタッフとして働 き続けることを希望しており、あとの 1 名は就業形態に全くこだわっていない。 現時点では派遣就労を肯定的に捉えている事例についても、派遣就労に伴う長期的 なキャリア形成の不透明感、あるいは健康や雇用に対する不安から、正社員に魅かれ る面も大きいようである。 ③まとめ∼派遣スタッフヒアリング調査から得られた示唆 最後に、派遣という働き方を通じて、キャリア形成を実現できている派遣スタッフの事 例をもとに、キャリア形成に必要な要因を整理しておきたい。 キャリア形成に必要な要因として、まずあげられるのは、派遣スタッフ自身が能動的に キャリア形成について考え、仕事や労働条件の希望を客観的・具体的に派遣会社あるいは 派遣先に伝えるという点である。 次に、希望だけではキャリア形成は実現できない。キャリア形成を実現している派遣ス タッフは、希望に向かってたゆまぬ努力をしているという点も、重要なポイントである。 さらに、希望を現実に変えるうえでは、派遣会社や派遣先の支援が大きな力となる。こ れらの支援を最大限に引き出すためには、日頃から派遣会社や派遣先と良い関係を構築で きていることが前提条件となる。そのためには、派遣会社や派遣先とのコミュニケーショ ンを円滑にし、仕事ぶりに対して信頼を得ること、さらにはスキルや能力のみならず意欲 まで認めてもらうことが重要だろう。 一方、キャリア形成の実現に向けては、派遣スタッフの努力だけでは十分に解決できな い課題も残る。スキルアップが時給に連動しないという派遣スタッフの声は多い。また、 派遣という働き方が、キャリアとして正当に評価されず、悔しい思いをしている派遣スタ 75 ッフもいる。せっかく努力してスキルを向上させても労働条件につながっていかない、あ るいは正当に評価されないという状況が続けば、派遣スタッフが仕事へのモチベーション を維持するのは難しくなっていくだろう。 また、派遣という働き方を肯定的に捉えている派遣スタッフでも、長期的な派遣就労に 対する不安が顕著にみられている。長期的なキャリア形成に対する不透明感、健康や雇用 に対する不安をどう取り除いていくかという点が、派遣スタッフのキャリア形成において 大きな課題となっている。 以 76 上 【第2部】 「派遣スタッフの能力開発・ キャリア形成支援セミナー実施記録」 「派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナー」のご案内 主催:社団法人 日本人材派遣協会 <厚生労働省職業能力開発局委託事業> 現在、日々130 万人の派遣労働者が働いています。直接雇用と違い、派遣労働では、派遣スタッフが派 遣先を変わる中で継続性をもって能力開発を行うためには、派遣元・派遣先、それぞれの役割の中で、派 遣労働者の能力開発を行っていくことが重要です。 このセミナーでは、派遣労働者の能力開発・キャリア形成の実態を踏まえ、派遣元・派遣先・派遣労働 者、それぞれの立場で派遣労働者の能力開発を効果的に行うための方法などについて皆様で考えていきた いと思いますので、積極的にご参加いただきますよう、お願いします。 なお、本セミナーは厚生労働省委託事業として開催されることを申し添えます。 ■セミナー内容 今回のセミナーでは、事務系職種を対象として取り扱います。 ※「事務系職種」とは:一般事務や経理事務などの狭義の事務系職種に加えて、営業・販売、テレマー ケティングなどを含めた広義の事務系職種を指します。 1.派遣元調査の結果報告 派遣元が、事務系職種の派遣スタッフに対して、どのような能力開発を実施しているのかを調査いた しました。派遣元の、能力開発に関する考え方、教育研修のメニュー、職業能力の評価などの調査結 果についてご報告します。 2.派遣元の能力開発事例調査の結果報告 派遣元が、派遣スタッフの能力開発や仕事のマッチィングを通じて、キャリア形成を支援している事 例をご紹介します。 3.派遣スタッフ調査の結果報告 通算 2 年を超えて就業している派遣スタッフ 1000 名を対象に、スキルアップの実態について調査いた しました。派遣元での教育訓練、派遣先でのOJT、時間給の変化、スキルアップに役立った事項、 派遣元とのコミュニケーションなどの調査結果についてご報告します。 4.派遣スタッフのキャリア形成事例調査の結果報告 派遣スタッフが、キャリア形成を実現している事例をご紹介します。 5.パネルディスカッション「派遣スタッフのキャリア形成支援について考える」 派遣元各社で、派遣スタッフの能力開発やキャリア形成に携わっている方々をお招きして、各社の 考え、取り組み、そして今後のスタッフ支援のあり方について、意見交換をしていただきます。 ■対象者:派遣元を中心とした派遣スタッフを支援する立場の事業主等 ■申込方法:お申し込みのURLはこちら:http://www.jassa.jp/career/index.html ※社団法人 日本人材派遣協会のホームページ(http://www.jassa.jp/)からもお申し込みい ただけます。 お申し込みいただいた方には、メールにて受講票を送信します。印刷して当日会場にご持参 ください。 注意:電話・FAXによるお申し込みは受け付けておりません。 ■申込問合せ先:社団法人 日本人材派遣協会 企画広報課 電話 03-3222-1601 ■受講料:無料(ただし、事前のお申し込みが必要です) 79 【東京】平成 20 年 3 月 21 日(金) 13:00∼15:50 於)メルパルクホール(浜松町)http://www.mielparque.jp/tky/tky01.html 〒105-8582 東京都港区芝公園 2-5-20 【TEL】03-3459-5501 13:00 挨拶 伊藤 正史 (厚生労働省職業能力開発局 総務課基盤整備室 室長) 大原 博 (派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会委 員長/社団法人 日本人材派遣協会 副理事長) 島貫 智行 (山梨学院大学 現代ビジネス学部 専任講師) 松浦 民恵 (株式会社 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 副主任研究員) 13:15 派遣元調査の結果報告 13:35 派遣元の能力開発事例調査の 結果報告 派遣スタッフ調査の結果報告 佐野 嘉秀 13:55 (東京大学 社会科学研究所 客員准教授) 松浦 民恵 (株式会社 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 副主任研究員) 14:15 派遣スタッフのキャリア形成 事例調査の結果報告 14:25 14:40 休憩 パネルディスカッション 「派遣スタッフのキャリア形成支援について考える」 コーディネータ:佐藤 博樹(東京大学 社会科学研究所教授) パネラー:1.株式会社ビッグアビリティ(大原 博/代表取締役専務) 2.キャプラン株式会社(楢迫 敦子/経営企画グループ プロジェクト推進部長) 3.マンパワー・ジャパン株式会社(小川 慶幸/CS 推進室長) 4.株式会社パソナ(坪田 潔/執行役員) 【大阪】平成 20 年 3 月 24 日(月) 13:00∼15:50 於)シティプラザ大阪 2F SYUN http://www.cityplaza.or.jp/enkai/index.html 〒540-0029 大阪府大阪市中央区本町橋 2-31【TEL】06-6947-7702 13:00 挨拶 大原 博 (派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会委員 長/社団法人 日本人材派遣協会 副理事長) 13:10 派遣元調査の結果報告 佐野 嘉秀 (東京大学 社会科学研究所 客員准教授) 13:30 松浦 民恵 派遣元の能力開発事例調査の (株式会社 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 副主任研究員) 結果報告 13:50 14:10 14:20 14:40 派遣スタッフ調査の結果報告 木村 琢磨 (大阪経済大学 経営学部専任講師) 松浦 民恵 派遣スタッフのキャリア形成 (株式会社 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門 副主任研究員) 事例調査の結果報告 休憩 パネルディスカッション 「派遣スタッフのキャリア形成支援について考える」 コーディネータ:佐藤 博樹(東京大学 社会科学研究所教授) パネラー:1.株式会社ビッグアビリティ(大原 博/代表取締役専務) 2.アデコ株式会社(高橋 慎二/スタッフサポート部部長) 3.テンプスタッフ株式会社(河野 理英/西日本キャリアサポートチームマネージャー) 4.株式会社リクルートスタッフィング (正月 泰介/関西マーケティングソリューション部部長兼リクルーティング推進課課長) 80 【名古屋】平成 20 年 3 月 25 日(火) 13:00∼15:50 於)メルパルク名古屋 2F瑞雲 http://www.mielparque.jp/ngy/ngy01.html 〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵 3-16-16【TEL】052-937-3535 13:00 挨拶 大原 博 (派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト委員会委員 長/社団法人 日本人材派遣協会 副理事長) 13:10 派遣元調査の結果報告 島貫 智行 (山梨学院大学 現代ビジネス学部 専任講師) 13:30 香川 めい 派遣元の能力開発事例調査の 結果報告 (東京大学 大学院) 13:50 派遣スタッフ調査の結果報告 14:10 派遣スタッフのキャリア形成 事例調査の結果報告 14:20 14:40 休憩 パネルディスカッション 「派遣スタッフのキャリア形成支援について考える」 コーディネータ:佐藤 博樹(東京大学 社会科学研究所教授) パネラー:1.株式会社ビッグアビリティ(大原 博/代表取締役専務) 2.ヒューマンリソシア株式会社(杉本 有美/人材開発室チーフマネージャー) 3.株式会社スタッフサービス(家富 美和/営業統括本部 教育事業部ゼネラルマネージャー) 4.ピープルスタッフ株式会社(杉浦 奈津子/人材開発部 部長) 木村 琢磨 (大阪経済大学 経営学部専任講師) 香川 めい (東京大学 大学院) (順不同・敬称略) 81 派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナー 配布資料一覧 1.派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成の仕組みの整備事業について (省略 P1 参照) 2.人材派遣業界における派遣スタッフの能力開発の重要性について 3.講義資料 ①派遣スタッフの能力開発の現状と課題 ∼派遣会社アンケート調査から∼ (島貫・佐野) ②派遣スタッフのキャリア形成支援の現状と課題 ∼派遣会社ヒアリング調査から∼ (松浦・香川) 【参考資料】派遣スタッフのキャリア形成支援の現状と課題 ∼派遣会社ヒアリング調査から∼ (省略 第1部参照) ③派遣スタッフのキャリア形成の要因 ∼派遣スタッフアンケート調査から∼ (木村・佐野) ④派遣スタッフのキャリア形成の要因 ∼派遣スタッフヒアリング調査から∼ (松浦・香川) 【参考資料】派遣スタッフのキャリア形成要因 ∼派遣スタッフヒアリング調査から∼ (省略 第1部参照) 4.①派遣スタッフの能力開発に関するアンケート集計結果 ②派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート集計結果 (省略 第3部参照) 以 83 上 2.人材派遣業界における派遣スタッフの能力開発の重要性について 事業の使命:雇用の創造と経済の活性化を通じて 社会に貢献する 事業の機能:労働力需給調整 派遣スタッフの能力開発 ビジョン実現に向けた取り組み課題 派遣スタッフの能力向上 ビジョン実現を 考える2 つの視点 事業の使命を果たす ために必要なこと サービスの質の向上 派遣元社員の能力向上 適正料金水準の維持 派遣元・先の新たな関係構築 コンプライアンス 自主規制ルールの確立・徹底 規制緩和の働きかけ 情報管理体制の強化 社会的対話の積極化 現行規制の緩和・撤廃 派遣スタッフの継続就労促進 関係諸機関との連携強化 潜在市場への訴求 ポジティブ情報の収集・公開 信頼性 業界の健全な発展 成長性 派遣スタッフの福利向上 広報機能の強化 ∼2005 年 5 月 社団法人日本人材派遣協会「人材派遣将来ビジョン」より∼ 3‐① 派遣スタッフの能力開発の現状と課題 ∼派遣会社アンケート調査結果から∼ 島貫 智行 山梨学院大学現代ビジネス学部 佐野 専任講師 嘉秀 東京大学社会科学研究所 客員准教授 本日の報告内容 1.派遣スタッフの能力開発の現状と課題 (1)派遣会社の戦略と能力開発の方針 (2)能力開発の現状 (3)能力開発の課題 2.派遣スタッフの能力開発を効果的に行うために 1 事業戦略と人事戦略 • 高付加価値の人材派遣サービスの提供を目指して、派遣ス タッフの質を確保することを重視している 0 20 40 60 80 100 経験の少ないスタッフよりも即戦力のスタッフの登録を重視 低コストよりも高付加価値の人材派遣サービスを重視 派遣スタッフの数よりも質の確保を重視 既存派遣先への継続配置よりも新しい派遣先の開拓を重視 派遣職種の専門化よりも職種の拡大を重視 (複数回答:%) 2 能力開発の方針 • スタッフの能力開発に積極的に取り組もうとしている • 長期的な能力開発を重視する会社も4割程度ある 0 20 40 60 80 能力開発はスタッフよりも派遣先や派遣会社が積極的に行う 能力開発は派遣先よりも派遣会社が積極的に行う 能力開発はOJTよりも教育研修によって行う 今の仕事だけでなく次の仕事にも活かせる能力開発を支援する 能力開発には同じ派遣先よりも異なる派遣先を経験させる 能力開発には同じ仕事よりも異なる仕事を経験させる (複数回答:%) 3 能力開発の理由 • 派遣先や派遣スタッフのニーズへの対応、派遣スタッフの定 着・能力水準の底上げが中心である 0 20 40 60 派遣先の専門的なニーズに対応するため 派遣スタッフの定着を図るため 能力向上に関する派遣スタッフのニーズに対応するため 派遣スタッフ全体の能力水準の底上げを図るため 派遣スタッフの長期的なキャリアアップを支援するため 派遣先のニーズの変化に対応するため 派遣会社としてのイメージアップのため 派遣スタッフの登録者数を増やすため 派遣先に対する営業活動を有利に行うため 派遣料金の引上げに資するため (複数回答:%) 4 教育研修:導入状況 • ビジネスマナー、OAスキル、情報保護に関する教育研修の 導入割合が高い 0 20 40 60 80 ビジネスマナー研修 OAスキル研修 情報保護研修 コンプライアンス研修 ビジネススキル研修 職能別研修 キャリアカウンセリング(個別相談) キャリアセミナー(集合研修) 語学研修 公的資格取得研修 業界セミナー (複数回答:%) 5 教育研修:受講義務あり • 情報保護やビジネスマナー、コンプライアンス、OAスキルに 関する教育研修の受講が義務付けられている 0 20 40 60 情報保護研修 ビジネスマナー研修 コンプライアンス研修 OAスキル研修 職能別研修 ビジネススキル研修 キャリアカウンセリング(個別相談) キャリアセミナー(集合研修) 業界セミナー 公的資格取得研修 語学研修 (複数回答:%) 6 教育研修:重視しているもの • OAスキルやビジネスマナー、情報保護、コンプライアンスに 関する教育研修が重視されている 0 20 40 60 OAスキル研修 ビジネスマナー研修 情報保護研修 コンプライアンス研修 ビジネススキル研修 職能別研修 キャリアカウンセリング(個別相談) キャリアセミナー(集合研修) 語学研修 業界セミナー 公的資格取得研修 (複数回答:%) 7 未経験者やブランク経験者の能力開発 • 正社員経験のないスタッフや出産・ 育児等で就業期間にブラ ンクのあるスタッフに教育訓練を行う会社も半数以上ある 0% 20% 40% 60% 80% 100% 未経験者 ブランク経験者 特別の教育訓練を実施している 特別の教育訓練はないが、必要に応じて他の派遣スタッフと同様の教育訓練を実施している 登録できるが、教育訓練は特に実施していない 登録しない、または登録できない 8 能力開発と事業上の効果 • より多くの教育研修を導入している派遣会社ほど、派遣ス タッフの成約率が高い 登録後1ヵ月以内に派遣先が決定するスタッフの割合( %) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 通算2年以上継続就業 しているスタッフの割合(%) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 9 能力開発の課題 • 教育訓練コストの負担や回収リスクの大きさ、派遣スタッフ の意欲の低さなどが課題となっている 0 20 40 60 派遣スタッフが教育訓練を受ける時間を確保できない 能力開発を行なってもスタッフが他社に移ってしまう 派遣スタッフの能力向上への取り組み意欲が低い 教育訓練の効果を測定しにくい 能力開発 を行なう上で自社の費用負担 が大きい 派遣スタッフを教育訓練できる人材が不足している 教育訓練の利用率が低い 派遣スタッフの教育訓練機会に地域間で差がある 教育訓練を行なってもスタッフの就業につながらない 派遣スタッフのキャリアアップ に対する意識が低い (複数回答:%) 10 能力開発を効果的に行うために • 派遣スタッフの能力開発は、OAスキルやビジネスマナー、 情報保護、コンプライアンスに関する教育研修が中心となっ ている • その背景として、派遣会社にとっての教育訓練コストの負担 や回収リスクの大きさが課題となっている → 派遣スタッフの能力開発を効果的に行なううえでは、教育 研修を受講したスタッフが、①早期に派遣先に配置され、 ②同一派遣会社で継続的に就業することが重要になる 11 能力評価の基準 • これまで経験した仕事の内容や年数、派遣先での働きぶり などを基準に能力評価を実施している 0 20 40 60 80 100 派遣先での働きぶりや仕事内容の評価 これまでの仕事の経歴 仕事の経験年数 直近に担当した仕事の内容 保有する資格 自社開発した能力評価のテスト 公的又は市販の能力評価のテスト 能力評価は行なっていない (複数回答:%) 12 能力評価の時期 • 能力評価の時期は登録時に集中しているが、契約更新時、 就業期間中なども各4割に達する 0 20 40 60 80 100 派遣スタッフとしての登録時 派遣先の契約更新時 派遣スタッフの就業中 派遣先の紹介時 本人が希望したとき 派遣先の契約終了時 派遣スタッフが就業していないとき その他 上記のいずれも行なっていない (複数回答:%) 13 教育訓練の効果測定 • 効果測定としての能力評価の実施は3分の1にとどまる • 全体の4分の1は効果測定を実施していない 0 20 40 60 受講した派遣スタッフの能力評価の実施 受講した派遣スタッフの教育訓練に対する満足度調査 派遣スタッフの派遣先での働きぶりや仕事内容の評価 受講した派遣スタッフの稼働率の把握 受講した派遣スタッフの継続就業期間の把握 派遣スタッフの教育研修への出席率の把握 教育研修を理由に登録したスタッフの人数・割合の把握 受講した派遣スタッフの資格取得率の把握 教育研修 の定員充足率の把握 上記のいずれも測定していない (複数回答:%) 14 教育訓練の効果測定と事業上の効果 • 効果測定を通じた教育訓練の見直しが、派遣スタッフの継続 就業につながる可能性がある 登録後1ヵ月以内に派遣先が決定するスタッフの割合( %) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 通算2年以上継続就業 しているスタッフの割合(%) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 15 キャリアアップ支援への取組み • 派遣スタッフの希望を尊重した派遣先への配置やコーディ ネーター ・営業担当者によるアドバイスが行われている 0 20 40 60 80 100 派遣スタッフ本人の希望を尊重した派遣先への配置 派遣スタッフの能力を高められる派遣先への配置 派遣スタッフの能力の幅を拡げられる派遣先への配置 派遣スタッフの能力向上 につながる派遣先の開拓 派遣先に対する仕事内容に関する交渉 派遣先に対する派遣料金の交渉 コーディネーター や営業担当者によるアドバイス コーディネーターや営業担当者の定期的な情報交換 教育訓練担当者やキャリアカウンセラーの育成 コーディネーターと営業担当者の計画的な育成 専門カウンセラー や相談窓口の設置 (複数回答:%) 16 キャリアアップ支援への取組みと事業上の効果 • 派遣先への配置やキャリア相談などの支援が派遣スタッフ の継続就業につながる可能性がある 登録後1ヵ月以内に派遣先が 決定 するスタッフの 割合 ( %) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 通算2年以上継続就業 しているスタッフの割合(%) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 17 派遣先との連携 • 今の仕事遂行に必要なスキルに関する教育研修や情報交 換が行われている 0 20 40 60 80 派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研修 派遣先社員向けの教育研修に派遣スタッフを参加 特定の派遣先のためにカスタマイズした教育研修 派遣先の指導体制に関するアドバイスや相談 派遣先の仕事に必要な能力に関する情報交換 派遣先における能力評価 に関する情報交換 派遣スタッフの能力開発の必要性に関する情報交換 派遣スタッフのキャリアプランに関する情報交換 (複数回答:%) 18 派遣先との連携と事業上の効果 • 派遣先のニーズに対応した教育研修や派遣先との情報交換 が派遣スタッフの継続就業につながる可能性がある 登録後1ヵ月以内に派遣先が 決定 するスタッフの 割合 ( %) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 通算2年以上継続就業 しているスタッフの割合(%) 0 10 20 30 40 50 高実施群 低実施群 19 まとめ • 派遣会社の多くが、高付加価値の人材派遣サービスの提供 を目指して、派遣スタッフの能力開発に力を入れ始めている • だが、派遣スタッフの能力開発は、OAスキルやビジネスマ ナー、情報保護、コンプライアンスなどに限定されている • その背景には、教育訓練コストの負担と回収リスクの大きさ が考えられる • 能力開発を効果的に行ううえでは、スタッフを早期に配置し、 継続就業につなげることが 重要になる 20 まとめ • 派遣スタッフの能力開発を効果的に行ううえで、以下の 具体的ポイントをあわせて検討することが考えられる 1)能力開発の効果測定 ・教育研修の効果測定としての能力評価 2)能力開発とキャリアアップ支援の連動 ・能力開発を目的に加えた派遣先への配置 ・派遣スタッフの意識を高める相談機会の充実 3)派遣先と連携した能力開発 ・派遣先のニーズにより対応した教育研修 ・派遣スタッフのキャリアアップに関する情報交換 21 3‐② 派遣スタッフのキャリア形成支援の現状と課題 ∼派遣会社ヒアリング調査から∼ 松浦 民恵 株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部門副主任研究員 香川 東京大学 めい 大学院 派遣会社を対象としたヒアリング調査の 概要 ①派遣スタッフの能力開発支援に関するヒア リング調査(能力開発支援ヒアリング調査) 対象: 日本人材派遣協会の会員企業6社 ②マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア 形成支援に関するヒアリング調査(マッチング に関するヒアリング調査) 対象: 同7社 いずれの調査も2007年9月に実施。 能力開発支援ヒアリング調査の主な項目 ①能力開発の基本的考え方 ②能力開発支援の現状 l l l l 会社負担による能力開発支援 自己啓発支援 職業経験のない派 遣 スタッフに対 する能力開発支援 能力開発支援における派遣先 と派遣会社の 連携 ③能力開発支援の費用 ④能力開発支援を行ううえでの課題や問題点 ⑤派遣スタッフの能力開発に対する公的支援や業界 団体の取組への要望 ②能力開発支援の現状 会社負担による能力開発支援 ¡ ¡ ¡ ¡ OA研修、ビジネスマナー研修、コミュニケーション 研修を実施している派遣会社が多い。 派遣会社と派遣スタッフの関係の希薄化への対応 の一環として、キャリアカウンセリングやキャリアデ ザインセミナーを導入した派遣会社もある。 能力開発支援の実施方法は、自前の教育スクール の設置、e-ラーニング・システムの導入、C D-ROM によるトレーニング、個別指導等。 職業経験のない派遣スタッフに、専用の教育訓練 をパッケージ(OAスキル、ビジネスマナー等)として 用意している派遣会社もある。 1 ②能力開発支援の現状 自己啓発支援 ¡ ¡ 試験の受験費用や資格取得のための費用 の補助、自前や提携の教育スクールでの受 講費用の補助等。 派遣スタッフが、研修を受けた派遣会社によ る派遣を希望するように、受講後にそのス キルを活かして派遣された場合には、負担 した受講料の一部を派遣スタッフに払い戻し ている事例。 ②能力開発支援の現状 能力開発支援における派遣先と派遣会社の連携 ¡ ¡ ¡ 派遣スタッフの能力開発支援で、派遣会社 と派遣先が連携しているケースは少ない。 人材の確保が難しい専門分野等において は、派遣会社と派遣先が連携しながら未経 験者を育成している事例がある。 大口の派遣先の場合には、派遣会社の能 力開発プログラムを派遣先のニーズに合わ せてカスタマイズしたり、教育研修を派遣先 と派遣会社で分担するといったような連携が、 比較的やりやすいという意見。 ④能力開発を行ううえでの課題や問題点 ¡ ¡ ¡ 複数の派遣会社に登録している派遣スタッ フが多いなかで、能力開発の費用対効果を どう確保していくかという点は、派遣会社に とって悩ましい問題 。 高度あるいは特殊なスキルに関する教育訓 練や、派遣スタッフの少ない地域での教育 訓練が手薄に。 派遣スタッフのスキルの評価が難しいこと、 派遣会社と派遣スタッフの間の距離感が広 がっていることも課題 。 2 マッチングに関するヒアリング調査の 主な項目 ①マッチングの仕 組み の現状 と変 化 ②マッチングと派 遣スタッフのキャリアアップ l l l l 希望や スキルの 確認方法 キャリアアップと時給 マッチングによる キャリアアップの 現状 マッチングによる キャリアアップの 課題 ③正社員経験のない人 やキャリア中断 のある人の 派遣可能性 ④マッチング担当者の 求められる職業能力 とその育成方法 l l マッチング 担当者 に求められる職業能力 マッチング 担当者 の育 成 方 法 ⑤マッチング以外 でのキャリアアップ 支援 のための 取組内容 ⑥紹介予定派遣 のマッチングに関して、通 常の 派遣と異 なる点、 留意している点 ①マッチングの仕組みの現状と変化 ¡ ¡ ¡ 営業担当者とマッチング担当者の役割を固 定し、分業制を敷く派遣会社⇔役割を固定 せず、営業からマッチングまで一連の業務 を担当させる派遣会社。 派遣スタッフのフォローや支援を専門に担 当する部署・者を置いている事例も 。 仕事の担当の単位は、企業単位、エリア単 位、職種単位等、派遣会社によってさまざ ま。 ②マッチングと派遣スタッフのキャリアアップ 希望やスキルの確認方法 ¡ ¡ ¡ 希望やスキルの確認は、登録時や派遣契 約の終了・ 更新時に行われているケースが 多い。 長期的なキャリアアップに関する希望も把握。 把握するスキルの内容は、データの入力速 度、OAのスキル(ワード・エクセル・ パワー ポイント・アクセス等)、英語能力、経理や貿 易実務の経験、取得資格等。 3 ②マッチングと派遣スタッフのキャリアアップ キャリアアップと時給 ¡ ¡ ¡ 派遣スタッフの時給見直しの機会は、年1回 +派遣先変更時という派遣会社が多い。 派遣会社としても時給アップは重要という認 識⇔派遣料金がなかなか上がらないという 現実の壁。 時給が上がる要素としては・ ・ ・ l l l l 仕事の範囲の拡大 専門性 意欲 能力 等 ②マッチングと派遣スタッフのキャリアアップ マッチングによるキャリアアップの現状 ¡ 派遣スタッフからの 仕事の変更希望と実際の能力 や経験に乖離がある場合・・・ l l l ¡ 希望通 りの 仕事を紹介 できない理 由を客観的に 示して伝 える。 希望する仕事をするためにどのようなスキルを身につけ たらよいかアドバイスする。 将来的に 希望する仕 事に結びつきそうな仕 事、職場に 派 遣する。 派遣スタッフの意識や状況によって、キャリアアップ の支援のあり方は変わる。本人の希望が明確でな いと、派遣会社も支援が難しい。 ②マッチングと派遣スタッフのキャリアアップ マッチングによるキャリアアップの課題 ¡ ¡ ¡ 派遣先が派遣スタッフを育成しない・できな い状況 。 営業担当者が、派遣先の意向を優先し、派 遣スタッフのキャリアアップに目を向けられ ないことが要因の1つ。 一般事務の範疇で長く就労を続けてきた派 遣スタッフのキャリアアップ←多くの派遣会 社は、長期的なキャリアアップを見据えたア ドバイスまではできていない。 4 ④マッチング担当者に求められる職業能力とその 育成方法 マッチング担当者に求められる職業能力 ¡ ¡ 採用の際には、それまでの職業経験よりも、 適性(人を支援する素養、柔軟性、ストレス耐性、人を見る感 性 )や意欲をみるという 派遣会社が多い。 求められる職業能力は・ ・ ・ l ¡ 情報収集能力、把握能力、コミュニケーション能 力 等。 ベテランに求められるのは・・・ l 潜在的ニーズの把握能力、提案能力、売り込む 力、育成の能力、苦情対応能力 等。 ④マッチング担当者に求められる職業能力とその 育成方法 マッチング担当者の育成方法 ¡ ¡ 基本的にはOJT重視。 最初に担当する仕事は・・・ l l l 登録情報の更新 仕事のマッチングのための派遣スタッフ情報の 検索 典型的な事務職など、わかりやすい仕事のマッ チング担当 等 まとめ① ¡ 派遣会社による能力開発支援の課題は、支援の費 用対効果の確保、支援内容の地域間格差、スキル の評価等。 ⇒研修を受講した派遣会社から派遣された派遣スタッ フに対する、受講料返還等のインセンティブ付与。 ⇒研修を受講した派遣スタッフがその派遣会社を通じ てどの程度派遣されているか等の効果測定。 ⇒統一的なスキルレベルの認定指標や、共同の教育 施設を要望する声も。 5 まとめ② ¡ マッチングを通じたキャリアアップ に必要なのは・・・ ⇒派遣会社による、派遣スタッフの長期的なキャリア アップを見据えた支援。 ⇒派遣スタッフのキャリアアップの重要性に関する営 業担当者の理解。 ⇒派遣スタッフの育成に対する派遣先の協力・支援。 ⇒派遣スタッフ自身が自分のキャリアアップについて 考えること。 6 3‐③ 派遣スタッフのキャリア形成の要因 ∼派遣スタッフアンケート調査から∼ 木村 琢磨 大阪経済大学経営学部 佐野 専任講師 嘉秀 東京大学社会科学研究所 客員准教授 はじめに 本報告の目的 派遣スタッフのキャリア形成支援の課題について考察すること 報告内容 ・ 教育研修の受講状況と教育研修に対する評価 ・ キャリアアップの状況 ・ キャリアアップに寄与するものは何か 1 調査概要 『派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート』 ・調査方法: Web調査 ・調査対象:派遣スタッフ1,012名 ( 派遣スタッフとしての就業経験が通算2年以上) ・調査時期: 2007年12月 2 1.教育研修の受講状況と評価 (1)派遣会社による教育研修の受講経験 受講経験がある人の割合(%:※受講経験なし=50.2%) 29.6 OAスキル 8.1 コンプライアンス 情報保護 ビジネスマナー ビジネススキル 7.8 7.1 5.4 3 1 1.教育研修の受講状況と評価 (2)派遣会社による教育研修のスキル向上効果 スキル向上に役立った研修(%:※受講経験者中) 86.3 OAスキル 65.6 職能別研修 ビジネスマナー 61.1 57.7 語学 54.5 ビジネススキル 派遣会社による教育研修への派遣スタッフの評価は高い 4 2.派遣スタッフのキャリアアップ状況とその要因 (1)派遣スタッフのキャリアアップ状況 過去2年間の変化(%) 上昇 時間給 やや上昇 変化なし やや低下 低下 スキル 46.2 職務レベル 65.0 49.7 50% 25% 75% 100% ・キャリアアップの進んでいるスタッフも少なくない ・スキルに比べ、時間給や職務レベルは上昇しにくい 5 2.派遣スタッフのキャリアアップ状況とその要因 (2)時間給が上昇した理由( 複数選択:%) 45.9 派遣先の変更 26.8 仕事の変更 23.2 仕事の幅の拡大 スキルの上昇 13.3 ・時間給上昇の要因は、派遣先の変更、仕事内容の変化 ・スキルの上昇だけで時間給を上げていくことは難しい 6 2 2.派遣スタッフのキャリアアップ状況とその要因 (3)スキルレベルが上昇した理由( 複数選択:%) 仕事を通じて 自分で覚えた 95.7 派遣先社員から 仕事を教わった 77.5 派遣会社による 教育研修 23.6 派遣先による 教育研修 21.6 ・スキル上昇に有効なのは、実際の仕事の経験 ・派遣会社・派遣先によるOff-JTの効果は限定的 7 2.派遣スタッフのキャリアアップ状況とその要因 (3)担当業務が高度化した理由(複数選択:%) 1つの派遣先での 仕事レベルの上昇 59.8 派遣先変更に伴い 難しい仕事に従事 31.4 独学による スキルアップ 派遣会社による 教育研修 派遣先による 教育研修 16.5 3.2 2.4 ・スキルの上昇や教育研修が担当業務高度化の理由になることは 少ない ・担当業務が高度化 した結果 、スキルが上昇する 8 3.コミュニケーションとキャリアアップ (1)派遣先の教育姿勢とキャリアアップの関係(%) 派遣スタッフの教育に熱心 時間給の 上昇 熱心でない 52.7 44.8 71.9 67.2 スキルレベルの 上昇 職務レベルの 上昇 54.5 53.4 派遣先の教育姿勢がキャリアアップに与える影響は 比較的小さい 9 3 3.コミュニケーションとキャリアアップ (2)派遣先の仕事配分の方針とキャリアアップの関係(%) レベルの高い仕事を任せる 定型業務・雑用のみ 53.4 時間給の 上昇 44.2 スキルレベルの 上昇 職務レベルの 上昇 77.2 55.8 67.5 32.1 派遣先の仕事配分の方針が、派遣スタッフのスキル、 職務レベルの上昇に大きく影響している 10 3.コミュニケーションとキャリアアップ (3)派遣会社・ 派遣先への希望の伝達とキャリアアップの関係(%) 派遣会社 派遣先 時間給の 上昇 伝えていない 55.9 53.3 36.7 73.3 77.8 スキルレベルの 上昇 職務レベルの 上昇 55.6 52.3 70.4 48.0 派遣スタッフと派遣会社・ 派遣先とのコミュニケーション は キャリアアップを促進する効果を持つ 11 まとめ 派遣スタッフのスキル向上の主な要因は、派遣先で高度な 仕事を経験すること 高度な業務を担当できるかどうかは、派遣スタッフのスキル評 価以上に派遣先の仕事配分の方針に左右される 派遣スタッフと派遣先とのコミュニケーションが、派遣スタッフの 時間給、スキル・職務レベルの上昇を促進 派遣会社に求められる主な役割は 派遣スタッフと派遣先とのコミュニケーション の促進 派遣スタッフのスキルレベルの評価と派遣先への明示 12 4 3‐④ 派遣スタッフのキャリア形成要因 ∼派遣スタッフヒアリング調査から∼ 松浦 民恵 株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部門副主任研究員 香川 東京大学 めい 大学院 派遣スタッフを対象としたヒアリング調査 の概要 ¡ ¡ 派遣という働き方を通じて、キャリアアップが できている派遣スタッフが対象。 広義の事務系の職種で派遣スタッフとして継 続的に就労しており、かつ、 l l スキル向上 やキャリアアップ 毎年の 昇給 のいずれかが実現できている派遣スタッフ。 ¡ ¡ 日本人材派遣協会から会員企業を通じて、派 遣スタッフに対するヒアリング調査を依頼し、 選定してもらった。 調査は2007年10∼11月にかけて実施。 調査対象の派遣スタッフの属性 計9名(全て女性)。 うち、正社員として就労した経験を持つ 者は7名。 ¡ 経験した派遣先が5件以上の者は3名 ¡ 4年制大学卒は7名。 ¡ 派遣就労を開始してから現在までの期 間は、1∼3年が2名、4∼6年が2名、 7∼9年が3名、10年以上が2名。 ¡ ¡ ヒアリング調査の主な項目 ①これまでの仕事とスキル l l l l スキルが向上した仕事の経験 スキルの向上に結びつくような仕事に従事できた 理由 スキルの向上に結びついた能力開発機会の経験 スキルの向上と賃金 ②キャリア に関する考え方 l l l キャリアアップに向けて心がけ、努力していること 正社員との相違 これからのキャリア 1 スキルが向上した仕事の経験 業務上やりとりを行う人の幅が広がっ たことでコミュニケーション能力が向上。 ¡ 仕事を通じた専門知識や語学能力の 醸成。 ¡ 仕事上の辛い経験によるストレス耐性 の向上。 ¡ 顧客のクレーム対応の経験による、顧 客対応能力の向上 等。 ¡ スキルの向上に結びつくような仕事 に従事できた理由 マッチング担当者や営業担当者による 評価・支援。 ¡ 派遣先の上司が一般の正社員と同様 に仕事を任せ、分け隔てなく活用。 ¡ 高めたい能力や希望するキャリアを明 確に意識しながら、派遣スタッフ自身が 能動的に派遣先を選定 等。 ¡ スキルの向上に結びついた能力開発 機会の経験 ¡ ¡ 派遣会社が提供している、OAスキル研修 等の能力開発機会を活用 自分で勉強した、あるいは自分で費用を負 担して外部の学校に通った 等 ⇒主体的にかなりの 努力をしているという点で は共通(能力開発を実際の仕事に結びつけ、 スキルの向上をはかっていくことが課題 )。 2 スキルの向上と賃金 スキルの向上は必ずしも賃金と直結しない という実態。 ⇒このような状況が続けば、派遣スタッフのモ チベーションの低下が懸念される。 ¡ 実際に時給が上昇する契機となるのは・ ・・ ¡ l l l 契約更新の際の営業担当者による交渉 派遣先の上司の配慮 派遣スタッフ自身による、営業担当者を通じた交 渉 キャリアアップに向けて心がけ、努力 していること 派遣先で与えられた仕事をこなすだけでなく、 自分で仕事を探して獲得。 ¡ 仕事を選択する際には、希望の中で優先順 位をつけて、派遣先・仕事を選択。 ¡ 営業担当者を通じて時給アップの交渉を行 う 等。 ⇒能動的な行動特性が顕著。 ¡ 正社員との相違 ¡ 派遣就労のメリットは・・・ l l l l ¡ 能動的に スキルの醸 成に取 り組める 専門的 な仕 事に従 事することができる 会社のしがらみに縛 られずにすむ 実際に仕 事についてみてから自 分に向いているかどうか が判断 できる 等 一方、「金銭面や安定性という面では正社員 のほうが 恵まれている」、「派遣スタッフだと付 与される仕事のみならず 、社内で開示される 情報の範囲まで限定される」、「派遣としての キャリアが転職の際には評価されない」という ような声も。 3 これからの キャリア ¡ ¡ ヒアリング対象者9名のうち、将来的には正 社員か派遣スタッフか迷っている者が5名。 残りのうち、2名は正社員を希望、1名は派 遣スタッフとして働き続けることを希望、1名 は就業形態にこだわらない。 派遣就労を肯定的に捉えていても、長期的 なキャリアアップの不透明感、あるいは健康 や雇用に対する不安から、正社員に魅かれ る面も。 まとめ ¡ キャリアアップに不可欠な要因は・ ・ ・ l l l ¡ 派遣スタッフ自身が能動的にキャリアアップを考 え、仕事や労働条件の希望を客観的・具体的に 伝える 派遣スタッフ自身のスキルアップに向けた努力 派遣先や派遣会社と良い関係を構築 キャリアアップに向けた課題は・ ・ ・ l l スキルアップが時給に直結しないという実態 長期的な派遣就労に対する不安 4 派遣スタッフの能力開発・キャリア形成支援セミナー パネルディスカッション「派遣スタッフのキャリア形成支援について考える」概要 * 以下は、東京・大阪・名古屋のパネルディスカッションでの主要な意見をまとめたものです。 1.派遣スタッフのキャリア形成支援における派遣元の取り組み ①派遣会社の教育訓練機会の提供 ・ 派遣スタッフに関する教育研修は、費用対効果を常に考えなければいけない。 教育は大事だが、バランスも大事である。 ・ 一般派遣は職種も多岐に渡る事から、教育訓練はOA・マナー等を行ってい る。どこに行っても通用するようなスキルを上げることでマッチングの可能 性が広がり、時給・派遣料金が上がる。安心して仕事をさせることが出来る ので、3 者にとって非常に良好な関係がつくれると思う。 ・ 派遣スタッフは、派遣元の研修よりも派遣先でのOJTの方がキャリアアッ プに非常に効果があると考えていることにショックを受けた。 ・ 派遣会社以外でも、教育訓練に投資目標を持っているところは意外に少ない。 ・ すぐ効果が出る訓練はすぐ役に立たなくなる。重要な教育訓練は効果測定で きない。 ・ 研修を受けてもらわなければならないスキルレベルの派遣スタッフに、なか なか研修を受けてもらえない。どうやって受けなければいけないことに気づ いてもらうかが、派遣元の悩みどころである。 ・ 一方で、派遣会社は派遣スタッフに教育訓練をやらなくてよい、という考え 方もあると思う。基本的には即戦力を派遣するので、職業能力がある人に登 録してもらい、研修はコンプライアンス等に留めその人を派遣すればよい。 ・ 今、派遣会社で多く取られている教育訓練は、ボトムアップに注力されてい るが、派遣スタッフが高めたいスキルはキャリアによっても変わってくるの で、その人のキャリアに合わせた研修や教育支援をやっていきたい。 ・ 未就労の人に対して、何らかの教育をすることで就労に結びつける、という ことに重点を置いている。 ・ 未就業者や事務職未経験者向けの教育訓練に一番力を入れている。 ・ 特に登録型派遣スタッフの教育訓練投資は、回収しにくいのが現実である。 ・ 地方の派遣スタッフの教育体制は、講師の手配、研修機材の確保が困難なの で、実施に格差が出ている現状がある。 ・ ある程度事務経験はあるが、職種を転換し、スキルアップを図っていきたい 派遣スタッフ向けの講座を用意している。 ・ 「他社からの派遣が決まった」 「正社員に決まった」といった話もあり、キャ リア形成支援ができたのは非常にうれしいが、担当者としては、若干複雑な 面もある。 ・ 長期継続就業している派遣スタッフには、専門的で高価な研修を受ける機会 を与えている。 ・ 就業機会の確保が前提ではあるが、派遣スタッフのトレーニングが派遣ビジ 112 ネスの最も中心にあるものではないか。 ・ 学びたいというタイミングは人それぞれ。そのタイミングをどれだけ派遣会 社として見つけ得ることができるか。 ・ 派遣元による派遣スタッフの教育研修が全体としてはまだまだ進んでいない のが実態であると認識している。 ・ 特定のクライアント企業向けのトレーニングがある。トレーニングを受けて その企業への就業機会が広がっていくので、派遣会社は、ロイヤルティー、 定着率、リレーションをつくっていくために、そういう仕組みはなくせない と思う。 ②中期的なキャリア形成を考えた仕事への配置 ・ 職業能力を生かせる職場というだけでなく、2 年後、3 年後もう少し自分のス キルを高めたい、同じ仕事でももう少しレベルの高い仕事をしたいと考える 派遣スタッフも少なくない。派遣元はいろいろ考えなければいけない。 ・ マッチングはベースであるが、派遣スタッフ一人一人が求めているキャリア 形成支援、能力開発機会提供も今後大事になってくる。 ・ クライアント・派遣スタッフのニーズをしっかりとくみ取り、マッチング、 派遣スタッフの就業を的確にかなえてあげられることが一番のキャリア形成 につながる。 ・ 派遣スタッフが就きたい仕事を直ぐに紹介できるとは限らないので、派遣元 はその間の仕事をどうつないでいくかが大事である。ニーズをそのまま聞く のではなく、それを調整する能力が重要となってくる。 ・ マッチングで難しい点は、派遣の使い方も多岐にわたっている中で、キャリ アアップが可能な派遣先をいかに確保していくかである。 ・ まだ正社員経験がない人や生活優先の人などをどう分けてマッチングしてい くのか、サポートしていくのかが大事である。 ・ 派遣スタッフのキャリア形成支援を意識したマッチングを行うためには、そ の間に立つ営業担当者やコーディネーターの育成も必要である。 ・ 派遣スタッフのキャリアは、仕事の中で形成されていくものと考えている。 派遣会社は、派遣スタッフがこれから仕事に就いてキャリアをつくっていけ る環境を一緒になって考えていくべきである。 ・ OAスキルもそこそこで比較的長く派遣就労した派遣スタッフの、キャリア アップが図りづらくなっている。残念ながら、年を重ねるごとにマッチング も難しくなっている。 ・ たとえ時給が下がったとしても、将来につながる仕事はあると考える。 ・ 派遣先のニーズも相当変わってきた。派遣スタッフも正社員の就業経験がな い人や長期に仕事から離れた人、よりレベルの高い仕事、スキルを高めたい 人、あるいは正社員になりたい人というように多様になっている。 113 ③派遣元の派遣スタッフのキャリア形成支援とその評価 ・ 最近、登録時の面接やジョブ転機を迎えた人と話していても、どういう仕事 が自分に合っているか、どういう転職プランを持ったらいいのか、自身で悩 んでいる人が増えたと思う。 ・ これから派遣会社・派遣業界は、派遣スタッフのキャリア志向が強いのか弱 いのか仕分けをし、きめ細かい支援策を考えていく必要がある。 ・ 営業やコーディネーターが行うカウンセリングだと、最終的にどこかの仕事 に当て込むことが目標になってくるが、キャリアカウンセラーはそこを目的 とせず、長期的な視点でアドバイスをする為、違った効果が得られるのでは。 ・ 最終的には派遣スタッフがどういうキャリア志向を持っているのかをしっか りと見極めた上で仕事紹介をする事がベストだと思う。 ・ 派遣という働き方を選ぶことにより、今持っている能力を活用できるという だけではなく、次のステップへ進めるということを社会的にアピールしない と、派遣スタッフとして働く人は増えてこない時代になってきている。この 業界の魅力を高めるためには、マッチングだけではなく、キャリア形成支援 も大事である。 ・ 1 つの業務において長く派遣就労を繰り返すことで、年齢の経過とともに残 念ながらその先のキャリアアップが図りづらくなってしまう現実がある。そ ういった派遣業界に多大な貢献をしている人々に対する職種の転換をどう考 えていくか、これも業界全体の共通のテーマとして考えていく必要があると 思う。 ・ 経験が長いことは、確かにキャリアの 1 つには違いないが、それが時給アッ プの根拠のすべてだと思っている人も意外と多い。 ・ 進む方向性を決めてその分野で仕事をしていく人には、その方向性でどれだ け実力をつけて時給を上げていくかという観点でキャリア形成を図ることが 考えられる。 ・ 登録型派遣スタッフは、派遣でずっと仕事をしていきたいのか、将来正社員 に転換したいのか、どちらを選ぶかによって、我々の支援の仕方は変わって くると考えている。 ・ キャリアカウンセリングで、派遣スタッフの話を聞いたり、これからのこと を一緒に考えたりという中で、派遣で就労を継続していく人が非常に多いと いう現実がある。 ・ 今後、一人一人に向き合い派遣スタッフのキャリア を一緒に考えていく体 制・環境づくりが重要になってくる。 ・ 派遣スタッフがどういう仕事をしているかフォローしている派遣会社は少な い。好例として、常用型派遣を行う設計・技術系派遣会社などには、毎日仕 事が終わった後、日々の業務内容をインターネットで報告してもらう会社も あり、積み上げると 1 年間何をしたかわかる、というものもある。 ・ 派遣スタッフ本人がキャリア形成を図っていきたい場合は、その人に見合う 派遣先をどう確保していくか、ということではないか。 114 ・ 明確にキャリア・職業人生をどう考えるか答えを持っている人は少ない。 2.派遣スタッフのキャリア形成に関わる派遣元の派遣先への働きかけ ①派遣先での派遣スタッフの活用の考え方 ・ 派遣会社にとって、派遣先と派遣スタッフはクライアントだが、お互いが言 うことをそのまま聞くのではなく、それぞれどこまで譲れるのか、譲れない のかを理解しなければいけない。 ・ 弁護士など資格を取るのが大変な仕事でも実務経験が能力開発の一番の基礎 である。ただし、節目節目のOFF−JTの必要性も認識していて、両方の 連携は重要だと思う。 ・ 派遣先に、同じ能力でも意欲的なスタッフの方がより有益な事説明し、その 為の配慮を促すことが必要ではないか。 ・ 派遣会社は、派遣スタッフがキャリアアップをしたいというときに、紹介予 定派遣や正社員での働き方に転換しがちだと思う。日常面接で思うのだが、3 0 代半ばぐらいの派遣スタッフは、一番キャリアの転換に悩んでいて、正社 員志向に、キャリアアップというよりは安定感を求めて転職する人が増えて いる。 ・ 営業マンの経験の差は当然あると思う。単に仕事の内容を聞くだけで終わっ ているタイプと、人事施策で派遣スタッフをどういうふうに活用していきた いかまで聞けているものは分かれていると感じる。 ・ 26 業務の職域の範囲を非常に怖がっている派遣先もある。そういう部分が派 遣スタッフのキャリア形成を阻害している要因の1つと考えられる。 ・ 複数の派遣会社で大勢の派遣スタッフを定型業務で活用している派遣が行わ れている場合は、個別のキャリア形成をOJTで図っていくことがなかなか 難しい。 ・ 派遣先も自社の社員のOJTが大事。単に社員に仕事をしてもらうだけでは なく、どういう仕事を、どういうふうにしてもらうかが、能力開発になる。 そう考えると派遣社員にはそれが欠如している場合も結構多い。 ②派遣スタッフの希望の派遣先への伝達 ・ 派遣スタッフはいろいろな希望を持っている。派遣会社は派遣先に中長期的 に派遣スタッフの希望を生かせる仕事を与えていくように伝えることが大事 である。 ・ 専門的な仕事には未経験者を遠慮して欲しいという派遣先は多々あると思う。 しかし、過去にもそういった事例があるが、派遣元としては、一緒になって トレーニングやOJTを行い、スキルアップを図っていく提案をしていく必 要がある。 ③派遣先と派遣会社との連携 ・ 今後、いかにして派遣元が派遣先に、派遣スタッフの能力開発を働きかけて 115 いくのかが非常に重要なことだと思う。 ・ 派遣スタッフの能力開発について、派遣制度と現場の実態は全く違う。 ・ ある程度の教育をした人であれば受け入れてもらえる派遣先をお得意様とし て持つのも1つの手段。OJT等の訓練の準備がある派遣先も多いと思う。 ・ 派遣スタッフとして経験を積むことで、紹介予定派遣を利用して正社員にな るケースが増えてきた。派遣会社は、教育訓練で働けるスキルをつけて派遣 して、さらに正社員採用へつなげるという非常に大事な機能を果たしている。 3.派遣スタッフ自身のキャリア形成上の意見要望 ①派遣先との関係 ・ 派遣先が派遣スタッフを教育することが必要だと思わないことが問題である。 派遣先の管理職も自分の部下を教育する事が自分の仕事だと思っていない現 状である。 ・ 派遣スタッフを能力開発してキャリアアップ しても時給に反映されない事 が問題だと思う。派遣社員を十把一絡げにする派遣先もまだまだ少なくなく、 それぞれの能力に基づいた、給与支払い形態を、一企業の社員として今後は とらえる必要がある。 ・ 派遣スタッフは色々なキャリア志向を持っている。派遣先はその人たちの希 望をかなえられる仕事の仕方を提供するべきである。 ・ 派遣先で仕事をすること自体が、派遣スタッフの能力開発にも繋がるが、い つも同じ仕事では能力アップにはならない場合もある。派遣先でどういう仕 事を経験できるか、または周りがアドバイスしてくれるかが重要になる。 ・ 評価をして、良い人には時給を上げていく派遣先もある。しかし、評価をし てはいけないのではないか、派遣をどういうふうに使えばいいかなど法律の 抵触で非常に悩んている派遣先もあると思う。 ②派遣会社による派遣スタッフ意見の吸い上げ ・ 派遣で働いてキャリアアップした人は、派遣先や営業マン、コーディネータ ーに対して積極的だと思う。黙っていたのでは、派遣スタッフはキャリアア ップできない。 ・ 登録時に本人のキャリア志向、職業人生をを聞くが、そこでの情報把握に基 づいてどういう研修を提案していくのかが課題である。 ・ 積極的に言う派遣スタッフは少ない。アンケートやヒアリングシートなどで 情報を取りに行かないといけない。 ・ ヒアリングの機会を積極的に作らないと、派遣スタッフが意見や気持ちを伝 える場面は少ないと思う。契約更新時や終了して他の業務に新しく就くとき が我々のチャンスと考えている。そこで時間をかけて、しっかり話を聞く。 ・ 契約更新のときの話は、今の業務に問題があるかどうかに終始してしまう。 その人が先々どうしたいかまで聞けていない。 ・ 派遣スタッフと営業担当の信頼関係がないと派遣スタッフは希望や思ってい 116 ることは言わない。 ・ 派遣スタッフの気持ちと、仕事の流れをキャッチするタイミングを、逸する かつかめるかで、派遣スタッフへの能力開発が大きく異なってくる。 ・ 今は製造や軽作業も含めて、いろいろな派遣スタッフがいる。そういう人々 がこの先どの様に仕事をしていきたいかを引き出す事が、派遣会社としての 使命、立場であるのを認識し、社員を育てていくことが必要であると思う。 ・ 会社の立場ではなく、あくまでもキャリアの相談役、アドバイザーとして話 しを聞く体制というのは1つの大きなポイントだ。 ・ 派遣スタッフには色々な考え方の方がいるので、派遣でスキルアップしたい、 正社員になりたいという人はその意思を伝えたほうがいいと思う。 ・ 派遣会社の担当営業や担当コーディネーターに相談をしたい派遣スタッフは 結構いる。ただ、それを聞く姿勢が派遣会社側にあるのかというと疑問に思 う。相談をして、ネガティブに受け取られたくないと考えている派遣スタッ フもいるのではないか。 ・ 正社員でも、私はこんなふうにスキルアップしたいと明確に描けている人は 多くないと思う。 4.派遣会社による派遣スタッフ啓蒙 ①派遣会社内部の課題 ・ 派遣スタッフは、今どういう仕事につきたいかだけではなく、2 年、3 年後に やりたいことをコーディネーターや営業マンに伝えていくことも大事。 ・ 皆が転職してキャリアアップを望んでいるわけではない。どういった人がキ ャリアについて真剣に悩んでいるか、個として向き合えていない。 ・ ここ 10 年、派遣で働く人が多様化し、自分でキャリア形成を考えられる人た ちだけではなくなってきている。派遣スタッフもキャリア形成支援を求める 人たちが増えてきていると思う。 ・ 派遣会社は、それぞれのクライアントの中長期的ニーズを把握しながらマッ チングなどに結びつけていく人材をどう育てていくのかがこれからの大きな 課題となっていく。 ・ 日々の仕事・OJTの中でキャリアアップしたいのであれば、自分からアピ ールし、いろいろな仕事にチャレンジしなければいけないことに気づいてい ない派遣スタッフが非常に多い。派遣元も派遣スタッフに理解してもらう努 力をしなればいけない。 ・ 一括りで派遣スタッフをとらえてはいけない。派遣スタッフは一人一人、経 験も能力もキャリアアップに関しての考え方も違う。一人一人のキャリアの 考え方に沿って、派遣元はどんな支援ができるのかを考えることが大切だと 思う。 ・ 派遣スタッフのキャリア形成支援のために中長期的にやらなければいけない ことは、自社の社員の育成に時間とお金をかけていくことである。 ・ 営業担当によっては、派遣スタッフよりもクライアントの立場に立って物を 117 考えてしまったり、会社の都合を優先させてしまいがちの人もいる。 ・ 派遣スタッフにばかり、キャリアアップ・カウンセリングしようと言っても 難しく、社員がそういった取り組みを実践に移していかないと派遣スタッフ のレベルアップは図れない。 ・ 派遣会社の者が派遣スタッフ以上に自分自身を磨き、育っていかなければ派 遣スタッフもついてこない。同じ働く仲間として派遣スタッフをどれだけ思 えるかが、派遣会社・業界としてこれから一番重要になってくる。 ・ 会社単位でできない部分もあるので、派遣協会や業界全体で派遣元社員をど う育成していくかが非常に重要なポイントだと考えている。 ・ 業界全体・横断的な教育訓練システムを今日のセミナーをきっかけに全体と して考えていきたい。 ・ 営業マンやコーディネーターとは別に、キャリアカウンセリングの相談がで きる場所を置いている会社もある。そういう仕組みも大事である。 ②派遣スタッフへのキャリア形成機会の広報 ・ 派遣会社が行っている能力開発やスキルアップの制度を利用することで、待 遇や環境は変えられることを、派遣スタッフに認知してもらう活動が今非常 に重要である。当社は能力開発プログラム自体を開発していくことにも力を 入れている。現状では、派遣スタッフサポート部門・コーディネーターなど が、そういった認知活動、告知活動をしていくことに力を入れている。 ・ 当社からの告知は、どの人にも平等にしている。セミナー等へは、主に時給 が合わない、条件が合わないという事情で悩んでいて仕事に就いていない人 が多く参加している。 ・ 研修のときに「営業に頼るな」という話をしている。研修を受けて身につい たスキルを、自分できちんと伝えられるようになることは非常に重要だと思 う。 ・ 派遣スタッフ自身が積極的にコミュニケーションをとるように促すことも非 常に大事だと思うが、それでは情報収集にばらつきが出てくる。登録時、就 労中、更新・終了時等、紙ベースでも、口頭ベースでも、本人の情報収集を していくことが重要である。 ・ 能力開発の主体は、職種転換や待遇アップのためにキャリアアップしたいと いう人たちで、派遣会社や場を提供する側は、支援するスタンスを保ちたい。 ・ 仕事をすれば能力が高まるのではない。必要な能力がつけられる仕事に就け るアドバイスをしなければいけない。 ・ 自分の将来の方向性をきちんとつかむため、見つけるために、上手に派遣を 活用していくような、自立的な派遣スタッフを育成する。派遣会社としては それを促す為に、コンタクトをとっていく事が非常に重要である。 ・ 派遣スタッフに派遣という働き方を通じて有意義なキャリア形成を感じても らうことは業界全体として非常に大事な事である。 118 【第3部】 「アンケート調査・ヒアリング調査の結果」 派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート調査 1.調 査 票 2.集 計 結 果 3.クロス集計結果 派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート 事務系職種 の派遣スタッフの方で、派遣就業経験が通算 2 年を超えている派遣スタッフの方を対象に、キャリアアップに関する考え・現状 に ついてお伺 いします。 ここで「事務系職種 」とは、一般事務や経理事務などの狭義 の事務系職種に加えて、営 業・販売、テレマーケティングなどを含めた広い意 味での事務系職種を指 します。以下、派遣スタッフという場合は特に断 りがない限り、この広い意味 での事務系職種の派 遣スタッフの方を指す ものとします。 <職業経験について> 問 1 今までの派遣スタッフとして働いた期間 をお答えください( 派遣されていない待機 の期間は除きます)。 a) 派遣スタッフとして働 いたすべての期間( 今 の派遣会社を含む)の合計 必須 −− 年 −− ヵ月 b) 今 の派遣会社で派遣スタッフとして働 いた期間の合 計必須 −− 年 −− ヵ月 c) 現在の派遣先での働いている期間 必須 −− 年 −− ヵ月 例)仕事期間が1年間の場 合→ 「1年 0ヵ月」と記入 仕事期間が6ヵ月間の場合→ 「 0年6ヵ月」と記入 ※1ヵ月未満 の期間は1ヵ月に切 り上げてお答えください。 問 2 今までのあなたの職業経験について 経験 した雇用形態をすべて選び、それぞれにおいて働 いた期間(通 算の期間)を記入 してください。(複数選択可) 必須 ア) 正社員 イ) パート・ アルバイト(学生アルバイトを除く) ウ) 契約社員 エ) その他( 学生 アルバイトを除く ) (下記に具体的にお書きください) オ) 派遣以外の雇用形態の経験がない エ) その他(学生アルバイトを除く )(具体的な内容をお書 きください) 回答により必須 ア) 正社員-期間回答により必須 −− 年 −− ヵ月 イ) パート・アルバイト(学 生アルバイトを除く)-期間回答により 必須 −− 年 −− ヵ月 ウ) 契約社員-期間回 答により 必須 −− 年 −− ヵ月 エ) その他(学生アルバイトを除く)-期間回答により 必須 −− 年 −− ヵ月 例)働いた期間が1年間の場合→ 「 1年0ヵ月」と記入 働いた期間が6ヵ月間 の場合→ 「0年 6ヵ月」と記入 ※1ヵ月未満 の期間は1ヵ月に切 り上げてお答えください。 問 3 あなたにあてはまる以下 の条件の職種 を選んでください。 a) 現在の派遣先 で従事している仕事 (複数選択可) 必須 1. 一般事務 2. 営業事務 3. 貿易事務・ 国際事務 4. 英文事務 5. 金融事務 6. 経理・財務・会計 7. 総務・人事・法務 8. 広報・宣伝・I R 9. 秘書 10. 受付 11. データ入力 12. テレマーケティング 13. 営業 14. 販売 15. SE・プログラマ 16. CADオペレータ 17. その他( 下記 に具体的にお書きください) a)-17.その他(具体的な内容をお書 きください) 回答により 必須 b) 派遣スタッフとして過去 に経験 した仕事(現在の仕事を除く ) (複数選択可) 必須 1. 一般事務 2. 営業事務 3. 貿易事務・ 国際事務 4. 英文事務 5. 金融事務 6. 経理・財務・会計 7. 総務・人事・法務 9. 秘書 8. 広報・宣伝・I R 10. 受付 11. データ入力 12. テレマーケティング 13. 営業 14. 販売 15. SE・プログラマ 16. CADオペレータ 17. その他( 下記 に具体的にお書きください) 18. 何もない b)-17.その他(具体的な内容をお書きください) 回答により必須 c) 派遣スタッフ以外の働 き方で過去 に経験 した仕事 (複数選択可) 必須 1. 一般事務 2. 営業事務 3. 貿易事務・ 国際事務 4. 英文事務 5. 金融事務 6. 経理・財務・会計 7. 総務・人事・法務 8. 広報・宣伝・I R 9. 秘書 10. 受付 11. データ入力 12. テレマーケティング 13. 営業 14. 販売 15. SE・プログラマ 16. CADオペレータ 17. その他( 下記 に具体的にお書きください) 18. 何もない c)-17.その他(具体的な内容をお書きください) 回答により必須 問4 もし、以下 の仕事 のそれぞれを新人に覚 えさせるとすると、ひととおり 仕事をこなせるようになるまでに、どれくらいの期間がかかると 思 いますか。( それぞれ 1 つ選 択) a) 今 のあなたの派遣先での仕事 必須 1ヵ月未満 1ヵ月∼半年未満 半年∼1年未満 1年∼2年未満 2年∼3年未満 3年∼5年未満 5年∼10年未満 10年以上 わからない b) 今までの派遣 で経験 した仕事 のうち最も難 しい仕事 必須 1ヵ月未満 1ヵ月∼半年未満 半年∼1年未満 1年∼2年未満 2年∼3年未満 3年∼5年未満 5年∼10年未満 10年以上 わからない c) 今までの派遣以外での仕事のうち最も難 しい仕事 必須 1ヵ月未満 1ヵ月∼半年未満 半年∼1年未満 1年∼2年未満 2年∼3年未満 3年∼5年未満 5年∼10年未満 10年以上 わからない/派遣以外では働いていない 問 5 現在、あなたが働 いている派遣先 の職場( 部署)には、あなたを含 め何人の人が働いていますか。雇用形態別にお答えください。 a)正社員 必須 名 b)パート・契約社員・ アルバイト 必須 名 c)派遣スタッフ(※ あなた自身 を含む) 必須 名 d)その他 必須 名 ※該当する雇用形態の人 がいない場合、0(ゼロ)と記入してください。 ※職場(部署)とは、課またはそれに相当 する組織単位のことをいいます。 問 6 あなたに最も近いものを選 んでください。(それぞれ 1 つ選択) a) 現在、仕事をしていることの目的 必須 1. 家計を主として支えるため 2. 家計を補助するため 3. 自分の自己啓発に使うお金を稼 ぐため 4. 自分の趣味 ・娯楽に使 うお金を稼ぐため 5. 経済的目的よりも「生きがい」「社会参加」などのため 6. わからない 7. 仕事を続けるつもりはない b) 今 から5 年後を考えた場合、あなたが仕 事をすることの目的 必須 1. 家計を主として支えるため 2. 家計を補助するため 3. 自分の自己啓発に使うお金を稼 ぐため 4. 自分の趣味 ・娯楽に使 うお金を稼ぐため 5. 経済的目的よりも「生きがい」「社会 参加」などのため 6. わからない 7. 仕事を続けるつもりはない <仕事に対する考え方について> 問 7 仕事に関する以下 のa)∼c)の希望は、あなたの場合、どの程度あてはまりますか。( それぞれ 1 つ選択) a) 現在担当している仕事( 職種)でスキルのレベルをアップすること 必須 そう思う ややそう思う あまりそう思わない まったくそう 思わない b) 現在とは別の仕 事にスキルの幅を広 げること 必須 そう思う ややそう思う あまりそう思わない まったくそう 思わない c) より高度なスキルを要する仕 事に変わること 必須 そう思う ややそう思う あまりそう思わない まったくそう 思わない 問 8 以下のa)∼f)のことについて、あなたはどの程度満足していますか。あてはまるものを選 んでください。(それぞれ1 つ選択) a) 現在の時間給の水準 必須 満足している やや満足 している あまり満足していない まったく満足していない b) 現在の派遣先での仕事内容 必須 満足している やや満足 している あまり満足していない まったく満足していない c) キャリアの上昇 や仕事 のステップアップの機会 必須 満足している やや満足 している あまり満足していない まったく満足していない d) 派遣会社による教育・研修 の機会 必須 満足している やや満足 している あまり満足していない まったく満足していない e) 派遣先 における能力 向 上の機会 必須 満足している やや満足 している あまり満足していない まったく満足していない f) 仕事と生活のバランスのとりやすさ 必須 満足している やや満足 している あまり満足していない まったく満足していない 問 9 今後 の働き方に関するあなたの希望について、以下 のうち最 もあてはまるものを選 んでください。(1 つ選択) 必須 1. 現在の派遣先で派遣スタッフとして仕事を続 けたい 2. 別の派遣先で派 遣スタッフとして働きたい 3. 派遣先にはこだわらないが、派遣 スタッフとして働きたい 4. とにかく 正社員になりたい 5. 希望する条件が整 えば正社員になりたい 6. 現在の派遣先の正社員になりたい 7. 現在の派遣先とは別の会社の正社員 になりたい 8. 派遣スタッフ以外 や正社員以外で仕 事を続 けたい 9. 独立して事業を起こしたい 10. 就業形態にはこだわらず、仕事を続けたい 11. 仕事を続けるつもりはない 12. 特に考えていない 13. 上記のいずれもあてはまらない 問 10 派遣スタッフとしてあと何年くらい働きたいですか。あてはまるものを選んでください。( 1 つ選択) 必須 1. できるだけ早く 辞 めたい 2. 半年未満 3. 半年∼1年未満 4. 1年∼2年未満 5. 2年∼3年未満 6. 3年∼5年未満 7. 5年∼10年未満 8. 10年以上 9. 特に決めていないが結婚・出産等で区切りがつくまでの間 10. 特に決めていない/わからない 問 11 今 の派遣会社に登録した理由は何 ですか。(複数選択可) 必須 1. 働きたい仕事を紹介してくれそうだから 2. 働きたい派遣先を紹介してくれそうだからだから 3. 派遣会社が働きたい派遣先の関連会社だから 4. 知名度のある派遣会社だから 5. 紹介される仕事 の数が多そうだから 6. 長く働ける派遣先を紹介してくれそうだから 7. 就業中のフォローが親切 そうだから 8. 時間給水準が他 の派遣会社より高いから 9. 研修制度が充実しているから 10. 福利厚生が充実しているから 11. 自分のキャリアアップを支援してくれそうだから 12. 知り合いの派遣スタッフに勧められたから 13. その他(下記 に具体的 にお書きください) 14. 特別な理由はない( こちらを選択 した場合、他 の項目はチェックしないでください) 13.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 問 12 これまでに雇用保険の教育訓練給付制度(※)を利 用したことがありますか。必須 1.はい 2.いいえ ※雇用保険の被保険者(被保険者 であった人)が厚生労働大臣指定 の教育訓練・講座を受講 し修了 した場合 に、受講者本人が 教育訓練施設に支払った経費の一部が支給される制度 <過去 2 年間の派遣スタッフとしての仕事経験について> 問13 派遣会社(派遣元)の主催・提供による以下の教育訓練(研修 ・講座など)について、次のa)∼c)について、あてはまるものを選 んでく ださい。 a) 過去 2 年間に受講 したもの(複数選択可) 必須 1. OA スキル研 修 2. 語学研修 3. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) 4. 職能別研修(営業、経理、貿易 など) 5. 業界セミナー 6. 公的資格(簿記、証券外務員など)取得に関する研修 7. コンプライアンス研修 8. 情報保護に関する研修 9. ビジネスマナー研修 10. キャリアカウンセリング(個別相談) 11. キャリアセミナー(集合研修) 12. その他 13. 受けたことはない(こちらを選択した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 14. あてはまるものはない(こちらを選択した場合、他の項目はチェックしないでください) b) 過去2年間に受 講したものの中で、あなたのスキルアップに役立ったもの(複数選択可) 必須 1. OA スキル研 修 2. 語学研修 3. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) 4. 職能別研修(営業、経理、貿易 など) 5. 業界セミナー 6. 公的資格(簿記、証券外務員など)取得に関する研修 7. コンプライアンス研修 8. 情報保護に関 する研修 9. ビジネスマナー研修 10. キャリアカウンセリング(個別相談) 11. キャリアセミナー(集合研修) 12. その他 13. 受けたことはない(こちらを選択した場合、他 の項目はチェックしないでく ださい) 14. あてはまるものはない(こちらを選択した場合、他の項目はチェックしないでください) c) 今後、受 講したいもの(受講予定であるものを含 む)(複数選択可) 必須 1. OA スキル研 修 2. 語学研修 3. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) 4. 職能別研修(営業、経理、貿易 など) 5. 業界セミナー 6. 公的資格(簿記、証券外務員など)取得に関する研修 7. コンプライアンス研修 8. 情報保護に関する研修 9. ビジネスマナー研修 10. キャリアカウンセリング(個別相談) 11. キャリアセミナー(集合研修) 12. その他 13. 受けたことはない(こちらを選択した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 14. あてはまるものはない(こちらを選択した場合、他の項目はチェックしないでください) 問 14 過去 2 年間に、あなたは、派遣先が実施する研修を受けましたか。必 須 1. はい 2. いいえ 「 はい」の場 合、それはどのような研修 でしたか回答により 必須 例:OA研修、ビジネスマナーに関する研修 問15 過去2年間 では、あなたは、派遣会社 から紹介された仕事を引き受 けるかどうかを決める際、以下のようなことを重 視してきました か。(複数選択可) 必須 1. 仕事内容が自分 の希望 に合っていること 2. 働く会社(派遣先)の規模・業界・イメージなどが自分 の希 望に合 っていること 3. 働く時間・通勤の便が自分の希 望に合 っていること 4. 同じ派遣先で長く働けること 5. 時間給が自分の希望する水準にあること 6. 自分の持 っている資格やスキルを生かせる仕事 であること 7. 高いスキルレベルが必要 な仕事 であること 8. 自分のスキルを高 められそうな仕事であること 9. 将来、時間給のアップが見込めそうであること 10. 担当する仕事が変更される予定がないこと 11. 派遣先に、仕事を教えてくれる人がいること 12. その他 13. 特に重視 してきたことはない(こちらを選択した場合、他の項目はチェックしないでください) (※現在の派遣先で2年以上働いている人は、現 在の派遣先 の仕事を引き受けたときのことをお答えください) 問16 過去2年間 では、あなたは、派遣先で仕事を始める前に、派遣先を訪問 して派遣先 の担当者から仕事内容や職場の状況について説 明を受けましたか。( 1つ選択) 必須 1. いつも受けた 2. 大体受けた 3. 受けた場合と受けない場合が半々程 度 4. あまり受けなかった 5. 受けたことはない (※現在の派遣先で2年以上働いている人は、現在の派遣先 の仕事を引き受けたときのことをお答えください) 問 17 過去 2 年間について、あなたが働いた派遣先の職場にあてはまるものを選んでください。(複数選択可) 必須 1. 派遣先の人 たちは、派遣スタッフに仕 事を教えることに熱心 であった 2. 派遣先の人 たちは、派遣スタッフに仕 事を教えようとしなかった 3. 派遣先の社 員と派 遣スタッフとの間に「みぞ」を感じた 4. 派遣先の社 員か派遣スタッフかということはあまり 気 にならなかった 5. 派遣スタッフも、意欲やスキルがあればレベルの高い仕事を任 された 6. 派遣スタッフは、定型業務や雑用だけを担当 させられていた 7. あてはまるものはない(こちらを選択した場合、他の項目はチェックしないでください) 問18 過去2年間 に、あなたは、派遣先で働 いているときに、担当業務 とは別の仕事を同じ派遣先 で担当するよう頼まれた場合、普段どの ように対応 してきましたか。あなたの今までの対応に最も近 いものを選んでください。(1つ選択) 必須 1. 時間給に反映されるならば、できそうな仕事にかぎり、引き受 けた 2. 時間給に反映されるかどうかにかかわらず、できそうな仕事にかぎり、引き受 けた 3. 時間給に反映されるならば、難 しい仕事も引き受けた 4. 時間給に反映されるかどうかにかかわらず、難 しい仕事も引き受けた 5. 仕事内容の追加・変更はいっさい断 った 6. その他(下記 に具体的 にお書きください) 7. 仕事内容の追加・変更を頼まれたことはない 6.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問 19 あなたの2 年前から現在までの時間給額(同 じ年に金額が変化 した場合は平均的な額)をお答えください。 2 年前の時間給 必須 円 1 年前の時間給 必須 円 現在 の時間給 必須 円 ※働いていない期間については0(ゼロ)と記入 してください。 問 20 2 年 前から現在までの間 の以下 のa∼d の変 化について、それぞれ最もあてはまるものを選んでください。(それぞれ1つ選択) a) 時間給水準 必須 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 低下 変化なし やや低下 低下 変化なし やや低下 低下 変化なし やや低下 低下 b) あなた自身のスキルレベル 必須 上昇 やや上昇 c) あなたの担当業務の難 しさ 必須 上昇 やや上昇 d) あなたの仕事 への取り組み意 欲 必須 上昇 やや上昇 ( ※上がったり下がったりして最終的にあまり変化がない場合は、「変 化なし」 を選 んでください a) 時間給水準に、上昇、または、やや上昇 と回答 された方 に質問 です。 付問 1.過去 2 年間の間 に時間給が上がった理由を選んでください。(複数選択可) 回答により 必須 1. 派遣先が変わったため 2. 仕事が変わったため 3. 同じ仕事の中で仕事の幅 の広がったため 4. 仕事は同 じだが、スキルが高まったため 5. 仕事は同 じだが、同一派遣先 で長く勤 めたため 6. 他の派遣 スタッフも含め全員の時間給が上げられたため 7. 仕事が忙しくなったため 8. 働きぶりが評価されたため 9. 自分で派遣会社 の担当者に時間給 のアップをお願 いしたため 10. 自分で派遣先の担当者に時間給のアップをお願いしたため 11. 派遣会社の担当者が派遣先に交渉 したため 12. 派遣先の業 績が良く なったため 13. 資格を取得したため(下記に具体的にお書きください) 14. その他( 下記 に具体的にお書きください) 15. わからない(こちらを選択 した場合、他 の項目はチェックしないでください) 13.資格を取得 したため( 資格 の名称をお書 きください) 回答により 必須 14.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 b) あなた自身のスキルレベルに、上昇、または、やや上 昇と回 答された方 に質問 です。 付問 2.過去 2 年間でのあなたのスキルアップにとって、以下 のa∼ j はどのくらい役に立ちましたか。(それぞれ 1 つ選択) 回答により 必須 大いに 役立った a.派遣先の社員から仕事を教えてもらったこと b.派遣先での仕事を通じて自分 で覚えたこと c.異 なる派遣先で仕事を経験したこと d.1 つの派遣先で、仕事 の範囲 が広がっていったこと e.派遣会社 から、高 いレベルの仕 事を紹介されて派 遣 されたこと f.派遣会社が主催 した教育研修 g.派遣先が主催した教育研修 h.派遣会社・派遣先以外 で主 催された教育研修 (業務の一 環として受講 したもの) i.派遣会社・派遣先以外で主 催 された教育研修 (自発的に受講 したもの) j.雇用保険 の教 育 訓 練 給 付 制 度を活用 した研 修・講座の受講(h または i に該 当するものを除く) 役立った あまり 役立 まったく役立 そうした経 たなかった たなかった 験はない c) あなたの担当業務の難 しさに、上昇、または、やや上昇 と回答 された方に質問 です。 付問 3.過去 2 年間で、仕事がより高 いスキルを要するものへとレベルアップしたことのきっかけを選んでく ださい。(複数選択可) 回答によ り必須 1. 1 つの派遣先において、仕事の範囲がよりレベルの高 い仕事 に広がったこと 2. 派遣先が変わり、次の派遣先 でより難 しい仕事を紹介されたこと 3. 派遣会社の担当者に頼んで仕 事のレベルアップを派遣先 に要請 してもらったこと 4. 自分で派遣先の社員に希 望を申 し出たこと 5. 派遣会社が主催 した教育研修を受けたこと 6. 派遣先が主催した教育研修を受 けたこと 7. 派遣会社・派遣先以外 で主催された教育研修を受 けたこと(業務 の一環 として受講 したもの) 8. 派遣会社・派遣先以外 で主催された教育研修を受 けたこと(自発的に受講したもの) 9. 資格を取得したこと( 下記 に具体的にお書きください) 10. 独学で勉強 してスキルアップしたこと 11. その他( 下記 に具体的にお書きください) 12. わからない(こちらを選択 した場合、他 の項目はチェックしないでください) 9.資格 を取得 したこと(資格 の名称をお書きください)回 答により 必須 11.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 問21 正社員として働いていたときと比 べた場合、現在の仕 事において以下のa∼fはどのように変化 しましたか。それぞれ最もあてはまる ものを選んでください。( それぞれ1つ選 択) 必須 上昇 やや上昇 (増加) (やや増加) 変化なし やや低下 低下 正社員の就労 (やや減少) (減少) 経験がない a.月 の収入額 b.あなた自身 のスキル c.あなたが担 当 している仕 事 の 難 しさ d.仕事 に対する取り組み意 欲 e.仕 事 の中 で上司 などから指導 や教 育を受ける機会 f.教育研修 の機会 (正社員の就労経験がない場 合、「正社員の就労経験がない」を選択 してください。) <過去 2 年間の、派遣会社・派遣先とのコミュニケーションについて> 問22 過去2年間 では、派遣会社の担当者 (営業やコーディネーター等)は、どれくらいの頻度 で訪問 や電話 であなたのところにコンタクトがあり ましたか。最もあてはまるものを選 んでください。( 1 つ選択) 必須 1. 月に数回 2. 1 ヵ月に一度くらい 3. 3 ヵ月に一度くらい 4. 半年に一度くらい 5. 1 年に一度くらい 6. ほとんど(あるいはまったく )フォローに来ない 7. 仕事内容の追加・変更を頼まれたことはない ※2人の担当者に1回 ずつコンタクトされた場合は2回と数 えます。訪問 だけでなく 電話 でのフォローも含みます。 問23 過去2年間 では、あなたが派遣されている間 、派遣業務の内容や派遣先で経験 していることについて、派遣会社 の担当者( 営 業・ コ ーディネーター等)に対して伝えましたか。(複数選択可) 必 須 1. 年に1 回、半年 に1 回など、定期的に伝えた 2. スタッフフォローのときに伝えた 3. 必要だと思ったときに 自分 から伝えた 4. 派遣終了時に伝 えた 5. その他(下記 に具体的 にお書きください) 6. 伝えていない(こちらを選択した場合、他 の項 目はチェックしないでください) 5.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問 24 過去 2 年間では、あなたは、以下のことについて、誰に、どのように伝えましたか。 a) 仕事に関する希望(複数選択可) 必須 1. 登録時に派遣会社の登録担当者に伝えた 2. 派遣会社から仕事を紹 介されたときに伝えた 3. 年に1 回、半年 に1 回など、定期的に営業やコーディネーターに伝えた 4. スタッフフォローのときに営業やコーディネーターに伝えた 5. 必要だと思ったときに自分 から営業やコーディネーターに伝えた 6. 派遣終了時に営 業やコーディネーターに伝えた 7. 派遣先の社 員と定期的に面談 し、自 分で伝えた 8. 派遣先の社 員に日 ごろから自分 で伝 えた 9. その他( 下記 に具体的にお書きください) 10. 伝えていない(こちらを選択した場合、他 の項 目はチェックしないでください) 9.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 b) 時間給額に関する希望(複数選択可) 必須 1. 登録時に派遣会社の登録担当者に伝えた 2. 派遣会社から仕事を紹 介されたときに伝えた 3. 年に1 回、半年 に1 回など、定期的に営業やコーディネーターに伝えた 4. スタッフフォローのときに営業やコーディネーターに伝えた 5. 必要だと思ったときに自分 から営業やコーディネーターに伝えた 6. 派遣終了時に営 業やコーディネーターに伝えた 7. 派遣先の社 員と定期的に面談 し、自 分で伝えた 8. 派遣先の社 員に日 ごろから自分 で伝 えた 9. その他( 下記 に具体的にお書きください) 10. 伝えていない(こちらを選択した場合、他 の項 目はチェックしないでください) 9.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 c) 中長期的な自分のキャリアに関する希望(複数選択可) 必須 1. 登録時に派遣会社の登録担当者に伝えた 2. 派遣会社から仕事を紹 介されたときに伝えた 3. 年に1 回、半年に 1 回など、定期的に営業やコーディネーターに伝えた 4. スタッフフォローのときに営業やコーディネーターに伝えた 5. 必要だと思ったときに自分 から営業やコーディネーターに伝えた 6. 派遣終了時に営 業やコーディネーターに伝えた 7. 派遣先の社 員と定期的に面談 し、自 分で伝えた 8. 派遣先の社 員に日 ごろから自分 で伝 えた 9. その他( 下記 に具体的にお書きください) 10. 伝えていない(こちらを選択した場合、他 の項 目はチェックしないでください) 9.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問25 過去2年間 では、あなたは、派遣元に登録したとき以外で、自分のスキル、資格、仕事経験について、派遣会社にいつどのように伝えま したか(スキルチェックの受験を含 む)。(複数選択可) 必須 1. 派遣会社から仕事を紹 介されたとき 2. 派遣終了時 3. 派遣中のスタッフフォローのとき 4. 派遣の契約更新のとき 5. 派遣中、半年ごと、1 年ごとなど定期的に 6. 派遣中、必要に応 じて自分から伝えた 7. 派遣中でなくとも、必要に応じて自分 から伝えた 8. その他(下記 に具体的 にお書きください) 9. 伝えていない(こちらを選択した場合、他 の項 目はチェックしないでください) 8.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問 26 はじめて派遣スタッフとして仕事を始めたのはいつですか。 開始年月 必須 −− 年 −− 月 (現在の派遣会社、派遣先においてではなく 、あなた自身にとって最初 の派遣就労開始年月) 問27 あなたが、仕事内容や時間給などについて相談したとき、派遣会社の担当者は誠意を持って対応 してくれましたか。(1つ選択) 必須 1. はい 2. いいえ 3. わからない 4. 相談はしていない <派遣スタッフとして働いていく上 での希望・展望について> 問28 派遣会社 から提 供される教育・研修として、どのようなものがあればよいと 思いますか(自由記入) 。 ( 200 文字以内) 問29 派遣スタッフとして働くうえで、どのような公的支援が得られたらよいと思いますか( 自由記入)。 ( 200 文字以内) 問30 派遣スタッフとして働くうえで困っていること、悩 んでいることなどがあれば、お書きください(自由記入)。 ( 200 文字以内) 問31 あなたには、派遣 スタッフとしての仕事 は何歳くらいまであると思いますか。(1つ選 択) 必須 1. 30 歳く らいまで 2. 35 歳くらいまで 3. 40 歳くらいまで 4. 45 歳くらいまで 5. 50 歳くらいまで 6. 年齢は関係ない 7. わからない <あなた自身 について> F1 性別 必須 1.男性 2.女性 F2 年齢 必須 歳 F3 配偶者の有 無 必須 1.有 2.無 F4 子供 の有無 必須 1.有 2.無 F5 主たる家計維持者必須 あなた本人 配偶者 親 その他 F6 学歴(卒業) 必須 中学 高校 短大・高専 大学 大学院 F7 派遣会社との雇用期間 必須 期間の定めなし 期間の定めあり わからない F8 派遣先所在地( 都道府県) 必須 都道府県 ∼アンケートは以上です。ご協 力ありがとうございました。∼ 確認画面へ リセット 派遣スタッフのキャリアアップに関するアンケート [集計の見方] 調査期間 対象者 有効回答者 2007/12/03∼2007/12/04 事務系職種の派遣スタッフの方で、派遣就業経験が通算2年を超えている派遣スタッフの方 「事務系職種」:一般事務や経理事務などの狭義の事務系職種に加えて、営業・ 販売、テレマーケティングなどを 含めた広い意味での事務系職種を指します。 問3 a)において、17を選択し「何もしていない」 というような、調査時点で明らかに派遣就労していない、とみられる 記載がある場合は、全問の回答を無効とした。 [アンケート調査集計結果] ( 単位: 人) 回答者数 有効回答者数 有効回答率 1,030 1,012 98.3% <職業経験について> 問1 今までの派遣スタッフとして働いた期間をお答えください( 派遣されていない待機の期間は除きます) 。 ( 単位: 月) 最小 平均 a)派遣スタッフとして働いたすべての期間(今の派遣会社を含む) 24 63.9 の合計 b)今の派遣会社で派遣スタッフとして働いた期間の合計 1 31.6 c)現在の派遣先での働いている期間 1 21.9 問2 ( n=989) 最大 263 261 157 今までのあなたの職業経験について。(複数選択可) ア)正社員 イ)パート・ アルバイト(学生アルバイトを除く) ウ)契約社員 エ)その他( 学生アルバイトを除く) オ)派遣以外の雇用形態の経験がない ( 単位: 月) 有効回答数 ( n=1,012) 最小 860 85.0% 1 539 53.3% 1 333 32.9% 2 30 3.0% 3 42 4.2% − 139 平均 73.1 32.1 31.9 42.1 − 最大 370 192 224 192 − ( n=860) ( n=538) ( n=329) ( n=29) − 問3 あなたにあてはまる以下の条件の職種を選んでください。(複数選択可) (n=1,012) ( n=1,012) ( n=726) ( n=1,012) a)現在の派遣先で従事 b)派遣スタッフとして過 a) 及びb) で同じ番号を c)派遣スタッフ以外の している仕事 去に経験した仕事 選択した場合を1カウント 働き方で過去に経験 ( 現在の仕事を除く) とした場合のa) +b) の回 した仕事 答数 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 一般事務 営業事務 貿易事務・国際事務 英文事務 金融事務 経理・ 財務・ 会計 総務・ 人事・ 法務 広報・ 宣伝・ I R 秘書 受付 データ入力 テレマーケティング 営業 販売 SE・ プログラマ CADオペレータ その他 何もない ヘルプデスク 研究開発 製造 編集 翻訳・通訳 OAインストラクター 医療事務 接客 旅行添乗員 教師・ 講師 軽作業 550 164 45 52 64 101 98 15 48 35 252 66 10 12 9 14 33 − 7 0 1 3 18 3 1 0 1 3 1 (54.3%) (16.2%) (4.4%) (5.1%) (6.3%) (10.0%) (9.7%) (1.5%) (4.7%) (3.5%) (24.9%) (6.5%) (1.0%) (1.2%) (0.9%) (1.4%) (3.3%) − (0.7%) (0.0%) (0.1%) (0.3%) (1.8%) (0.3%) (0.1%) (0.0%) (0.1%) (0.3%) (0.1%) 663 303 63 52 102 150 158 21 65 122 416 142 17 47 13 19 33 85 3 6 2 3 10 7 3 1 2 0 2 (65.5%) (29.9%) (6.2%) (5.1%) (10.1%) (14.8%) (15.6%) (2.1%) (6.4%) (12.1%) (41.1%) (14.0%) (1.7%) (4.6%) (1.3%) (1.9%) (3.3%) (8.4%) (0.3%) (0.6%) (0.2%) (0.3%) (1.0%) (0.7%) (0.3%) (0.1%) (0.2%) (0.0%) (0.2%) 433 105 25 22 36 62 60 6 23 23 175 41 3 6 4 6 8 − − − − − − − − − − − − (59.6%) (14.5%) (3.4%) (3.0%) (5.0%) (8.5%) (8.3%) (0.8%) (3.2%) (3.2%) (24.1%) (5.6%) (0.4%) (0.8%) (0.6%) (0.8%) (1.1%) − − − − − − − − − − − − 486 258 48 28 102 133 138 24 59 101 171 62 122 187 40 19 98 42 0 2 7 5 6 7 15 16 8 12 8 (48.0%) (25.5%) (4.7%) (2.8%) (10.1%) (13.1%) (13.6%) (2.4%) (5.8%) (10.0%) (16.9%) (6.1%) (12.1%) (18.5%) (4.0%) (1.9%) (9.7%) (4.2%) (0.0%) (0.2%) (0.7%) (0.5%) (0.6%) (0.7%) (1.5%) (1.6%) (0.8%) (1.2%) (0.8%) ※ は「 17.その他」 の中から自由記入の内容を振り分けたもの。「17.その他」 の数字は※の数字を除いている。 問4 もし、以下の仕事のそれぞれを新人に覚えさせるとすると、ひととおり仕事をこなせるようになるまでに、どれくらいの期間がかかると 思いますか。(それぞれ1つ選択) ( n=1,012) a)今のあなたの派遣先 b)今までの派遣で経験 c)今までの派遣以外で での仕事 した仕事のうち最も難 の仕事のうち最も難 しい仕事 しい仕事 1ヵ月未満 1ヵ月∼半年未満 半年∼1年未満 1年∼2年未満 2年∼3年未満 3年∼5年未満 5年∼10年未満 10年以上 わからない /派遣以外では働いていない 246 518 167 50 5 4 4 3 15 (24.3%) (51.2%) (16.5%) (4.9%) (0.5%) (0.4%) (0.4%) (0.3%) (1.5%) 140 119 439 245 109 34 9 5 4 48 (11.8%) (43.4%) (24.2%) (10.8%) (3.4%) (0.9%) (0.5%) (0.4%) (4.7%) 109 361 233 159 61 25 11 5 48 (10.8%) (35.7%) (23.0%) (15.7%) (6.0%) (2.5%) (1.1%) (0.5%) (4.7%) 問5 現在、あなたが働いている派遣先の職場(部署)には、あなたを含め何人の人が働いていますか。雇用形態別にお答えください。 ( 単位: 人) 最小 中央値 平均 最大 4,000 a)正社員 0 10 42.7 契約社員・アルバイト b)パート・ 0 0 10.5 3,000 c)派遣スタッフ(※あなた自身を含む) 1 4 18.8 2,000 d)その他 0 0 1.4 100 問6 あなたに最も近いものを選んでください。(それぞれ1つ選択) ( n=1,012) a)現在、仕事をしている b)今から5年後を考えた ことの目的 場合、あなたが仕事 をすることの目的 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 381 271 77 167 103 11 2 家計を主として支えるため 家計を補助するため 自分の自己啓発に使うお金を稼ぐため 自分の趣味・娯楽に使うお金を稼ぐため 経済的目的よりも「生きがい」「 社会参加」などのため わからない 仕事を続けるつもりはない (37.6%) (26.8%) (7.6%) (16.5%) (10.2%) (1.1%) (0.2%) 339 303 61 93 145 52 19 (33.5%) (29.9%) (6.0%) (9.2%) (14.3%) (5.1%) (1.9%) <仕事に対する考え方について> 問7 仕事に関する以下のa)∼c)の希望は、あなたの場合、どの程度あてはまりますか。(それぞれ1つ選択) ( n=1,012) そう思う 問8 a)現在担当している仕事(職種)でスキルのレベルを アップすること 290 (28.7%) b)現在とは別の仕事にスキルの幅を広げること c)より高度なスキルを要する仕事に変わること 403 344 (39.8%) (34.0%) あまりそう思わな まったくそう思わ ややそう思う い ない 388 (38.3%) 253 (25.0%) 81 (8.0%) 450 392 (44.5%) (38.7%) 140 241 (13.8%) (23.8%) 19 35 (1.9%) (3.5%) 以下のa) ∼f) のことについて、あなたはどの程度満足していますか。あてはまるものを選んでください。(それぞれ1つ選択) ( n=1,012) 満足している a)現在の時間給の水準 b)現在とは別の仕事にスキルの幅を広げること c)キャリアの上昇や仕事のステップアップの機会 d)派遣会社による教育・研修の機会 e)派遣先における能力向上の機会 f)仕事と生活のバランスのとりやすさ 119 145 42 40 46 287 (11.8%) (14.3%) (4.2%) (4.0%) (4.5%) (28.4%) 141 やや満足している 407 448 248 265 252 478 (40.2%) (44.3%) (24.5%) (26.2%) (24.9%) (47.2%) あまり満足してい まったく満足して ない いない 364 (36.0%) 122 (12.1%) 336 (33.2%) 83 (8.2%) 469 (46.3%) 253 (25.0%) 471 (46.5%) 236 (23.3%) 484 (47.8%) 230 (22.7%) 199 (19.7%) 48 (4.7%) 問9 今後の働き方に関するあなたの希望について、以下のうち最もあてはまるものを選んでください。(1つ選択) ( n=1,012) 1. 現在の派遣先で派遣スタッフとして仕事を続けたい 119 (11.8%) 2. 別の派遣先で派遣スタッフとして働きたい 45 (4.4%) 3. 派遣先にはこだわらないが、派遣スタッフとして働きたい 84 (8.3%) 4. とにかく正社員になりたい 106 (10.5%) 5. 希望する条件が整えば正社員になりたい 342 (33.8%) 6. 現在の派遣先の正社員になりたい 70 (6.9%) 7. 現在の派遣先とは別の会社の正社員になりたい 61 (6.0%) 8. 派遣スタッフ以外や正社員以外で仕事を続けたい 7 (0.7%) 9. 独立して事業を起こしたい 21 (2.1%) 10. 就業形態にはこだわらず、仕事を続けたい 115 (11.4%) 11. 仕事を続けるつもりはない 8 (0.8%) 12. 特に考えていない 22 (2.2%) 13. 上記のいずれもあてはまらない 12 (1.2%) 問10 派遣スタッフとしてあと何年くらい働きたいですか。あてはまるものを選んでください。(1つ選択) ( n=1,012) 1. できるだけ早く辞めたい 160 (15.8%) 2. 半年未満 65 (6.4%) 3. 半年∼1年未満 88 (8.7%) 4. 1年∼2年未満 67 (6.6%) 5. 2年∼3年未満 49 (4.8%) 6. 3年∼5年未満 30 (3.0%) 7. 5年∼10年未満 32 (3.2%) 8. 10年以上 37 (3.7%) 9. 特に決めていないが結婚・出産等で区切りがつくまでの間 193 (19.1%) 10. 特に決めていない/わからない 291 (28.8%) 問11 今の派遣会社に登録した理由は何ですか。(複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 446 203 46 406 361 121 151 104 43 106 50 113 78 56 働きたい仕事を紹介してくれそうだから 働きたい派遣先を紹介してくれそうだから 派遣会社が働きたい派遣先の関連会社だから 知名度のある派遣会社だから 紹介される仕事の数が多そうだから 長く働ける派遣先を紹介してくれそうだから 就業中のフォローが親切そうだから 時間給水準が他の派遣会社より高いから 研修制度が充実しているから 福利厚生が充実しているから 自分のキャリアアップを支援してくれそうだから 知り合いの派遣スタッフに勧められだから その他 特別な理由はない ( n=1,012) (44.1%) (20.1%) (4.5%) (40.1%) (35.7%) (12.0%) (14.9%) (10.3%) (4.2%) (10.5%) (4.9%) (11.2%) (7.7%) (5.5%) 問12 これまでに雇用保険の教育訓練給付制度(※)を利用したことがありますか。 (n=1,012) 1. はい 200 (19.8%) 2. いいえ 812 (80.2%) ※ 雇用保険の被保険者(被保険者であった人)が厚生労働大臣指定の教育訓練・ 講座を受講し修了した場合に、受講者本人が教育 訓練施設に支払った経費の一部が支給される制度 142 <過去2年間の派遣スタッフとしての仕事経験について> 問13 派遣会社( 派遣元)の主催・提供による以下の教育訓練( 研修・ 講座など) について、次のa)∼c)について、あてはまるものを選んで ください。(複数選択可) ( n=1,012) ( n=465) ( n=1,012) a)過去2年間に受講し b)過去2年間に受講し b) ÷a) c)今後、受講したいも たもの たものの中で、あなた の( 受講予定であるも のスキルアップに役 のを含む) 立ったもの 1. OAスキル研修 2. 語学研修 3. ビジネススキル研修(コミュニケーショ ンやマネジメントスキルなど) 300 52 55 (29.6%) (5.1%) (5.4%) 259 30 30 (55.7%) (6.5%) (6.5%) (86.3%) (57.7%) (54.5%) 489 389 165 (48.3%) (38.4%) (16.3%) 4. 職能別研修(営業、経理、貿易など) 5. 業界セミナー 6. 公的資格(簿記、証券外務員など)取 得に関する研修 32 13 14 (3.2%) (1.3%) (1.4%) 21 8 9 (4.5%) (1.7%) (1.9%) (65.6%) (61.5%) (64.3%) 202 54 222 (20.0%) (5.3%) (21.9%) 82 79 72 35 26 31 508 39 (8.1%) (7.8%) (7.1%) (3.5%) (2.6%) (3.1%) (50.2%) (3.9%) 40 31 44 17 11 16 − − (8.6%) (6.7%) (9.5%) (3.7%) (2.4%) (3.4%) − − (48.8%) (39.2%) (61.1%) (48.6%) (42.3%) (51.6%) − − 41 26 113 147 38 14 90 91 (4.1%) (2.6%) (11.2%) (14.5%) (3.8%) (1.4%) (8.9%) (9.0%) 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. コンプライアンス研修 情報保護に関する研修 ビジネスマナー研修 キャリアカウンセリング(個別相談) キャリアセミナー(集合研修) その他 受けたことはない あてはまるものはない 問14 過去2年間に、あなたは、派遣先が実施する研修を受けましたか。 (n=1,012) 1. はい 289 (28.6%) 2. いいえ 723 (71.4%) 「 はい」 の場合、それはどのような研修でしたか OA研修 ビジネスマナー・電話応対 情報保護・ セキュリティ コンプライアンス 語学 年末調整 貿易事務 ※複数回答可 134 54 46 35 8 4 9 ( n=289) (46.4%) (18.7%) (15.9%) (12.1%) (2.8%) (1.4%) (3.1%) 143 問15 過去2年間では、あなたは、派遣会社から紹介された仕事を引き受けるかどうかを決める際、以下のようなことを重視してきました か。(複数選択可) 1. 仕事内容が自分の希望に合っていること 2. 働く会社( 派遣先)の規模・業界・イメージなどが自分の希望に 合っていること 3. 働く時間・ 通勤の便が自分の希望に合っていること 4. 同じ派遣先で長く働けること 5. 時間給が自分の希望する水準にあること 6. 自分の持っている資格やスキルを生かせる仕事であること 7. 高いスキルレベルが必要な仕事であること 8. 自分のスキルを高められそうな仕事であること 9. 将来、時間給のアップが見込めそうであること 10. 担当する仕事が変更される予定がないこと 11. 派遣先に、仕事を教えてくれる人がいること 12. その他 13. 特に重視してきたことはない 813 301 858 261 638 361 31 222 93 64 153 17 14 ( n=1,012) (80.3%) (29.7%) (84.8%) (25.8%) (63.0%) (35.7%) (3.1%) (21.9%) (9.2%) (6.3%) (15.1%) (1.7%) (1.4%) 問16 過去2年間では、あなたは、派遣先で仕事を始める前に、派遣先を訪問して派遣先の担当者から仕事内容や職場の状況について 説明を受けましたか。(1つ選択) 1. 2. 3. 4. 5. いつも受けた 大体受けた 受けた場合と受けない場合が半々程度 あまり受けなかった 受けたことはない 466 361 88 42 55 ( n=1,012) (46.0%) (35.7%) (8.7%) (4.2%) (5.4%) 問17 過去2年間について、あなたが働いた派遣先の職場にあてはまるものを選んでください。(複数選択可) ( n=1,012) 1. 派遣先は、派遣スタッフに仕事を教えることに熱心であった 417 (41.2%) 2. 派遣先は、派遣スタッフに仕事を教えようとしなかった 142 (14.0%) 3. 派遣先の社員と派遣スタッフとの間に「みぞ」を感じた 421 (41.6%) 4. 社員か派遣スタッフかということはあまり気にならなかった 329 (32.5%) 5. 派遣スタッフも、意欲やスキルがあればレベルの高い仕事を任 305 (30.1%) された 6. 派遣スタッフは、定型業務や雑用だけを担当させられた 7. あてはまるものはない 227 50 144 (22.4%) (4.9%) 問18 過去2年間に、あなたは、派遣先で働いているときに、担当業務とは別の仕事を同じ派遣先で担当するよう頼まれた場合、普段どの ように対応してきましたか。あなたの今までの対応に最も近いものを選んでください。(1つ選択) ( n=1,012) (13.6%) 1. 時間給に反映されるならば、できそうな仕事にかぎり、引き受け た 138 2. 時間給に反映されるかどうかにかかわらず、できそうな仕事に かぎり、引き受けた 434 (42.9%) 3. 時間給に反映されるならば、難しい仕事も引き受けた 4. 時間給に反映されるかどうかにかかわらず、難しい仕事も引き 受けた 48 245 (4.7%) (24.2%) 5. 仕事内容の追加・変更はいっさい断った 6. その他 7. 仕事内容の追加・変更を頼まれたことはない 14 23 110 (1.4%) (2.3%) (10.9%) 問19 あなたの2年前から現在までの時間給額(同じ年に金額が変化した場合は平均的な額) をお答えください。 ( 単位: 円) 最小 中央値 平均 最大 2年前の時間給 740 1,450 1,431 3,000 ( n=963) 1年前の時間給 700 1,470 1,455 2,800 ( n=962) 現在の時間給 670 1,500 1,473 3,000 ( n=1,008) 問20 2年前から現在までの間の以下のa)∼d)の変化について、それぞれ最もあてはまるものを選んでください。(それぞれ1つ選択) ( n=1,012) 上昇 やや上昇 変化なし やや低下 やや低下 a)時間給水準 97 (9.6%) 391 (38.6%) 331 (32.7%) 108 (10.7%) 85 (8.4%) 162 (16.0%) 496 (49.0%) 311 (30.7%) 37 (3.7%) 6 (0.6%) b)あなた自身のスキルレベル 153 (15.1%) 350 (34.6%) 387 (38.2%) 86 (8.5%) 36 (3.6%) c)あなたの担当業務の難しさ d)あなたの仕事への取り組み意 97 (9.6%) 264 (26.1%) 469 (46.3%) 130 (12.8%) 52 (5.1%) 欲 付問1 a) 時間給水順に、上昇、または、やや上昇と回答された方に質問です。 過去2年間の間に時間給が上がった理由を選んでください。(複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 派遣先が変わったため 仕事が変わったため 同じ仕事の中で仕事の幅の広がったため 仕事は同じだが、スキルが高まったため 仕事は同じだが、同一派遣先で長く勤めたため 他の派遣スタッフも含め全員の時間給が上げられたため 仕事が忙しくなったため 働きぶりが評価されたため 自分で派遣会社の担当者に時間給のアップをお願いしたため 自分で派遣先の担当者に時間給のアップをお願いしたため 派遣会社の担当者が派遣先に交渉したため 派遣先の業績が良くなったため 資格を取得したため その他 わからない 145 224 131 113 65 105 31 42 88 110 26 47 2 3 22 7 ( n=488) (45.9%) (26.8%) (23.2%) (13.3%) (21.5%) (6.4%) (8.6%) (18.0%) (22.5%) (5.3%) (9.6%) (0.4%) (0.6%) (4.5%) (1.4%) 付問2 b) あなたのスキルレベルに、上昇、または、やや上昇と回答された方に質問です。 過去2年間でのあなたのスキルアップにとって、以下のa.∼j.はどのくらい役に立ちましたか。(それぞれ1つ選択) 大いに役立っ た a. 派遣先の社員から仕事を教えてもらったこと 158 (24.0%) b. 派遣先での仕事を通じて自分で覚えたこと 248 (37.7%) c. 異なる派遣先で仕事を経験したこと 140 (21.3%) d. 1つの派遣先で、仕事の範囲が広がっていった 109 こと (16.6%) e. 派遣会社から、高いレベルの仕事を紹介され 52 て派遣されたこと (7.9%) f. 派遣会社が主催した教育研修 23 (3.5%) g. 派遣先が主催した教育研修 34 (5.2%) h. 派遣会社・派遣先以外で主催された教育研修 19 ( 業務の一環として受講したもの) (2.9%) i. 派遣会社・派遣先以外で主催された教育研修 59 ( 自発的に受講したもの) (9.0%) j. 雇用保険の教育訓練給付制度を活用した研 修・ 講座の受講(hまたはiに該当するものを除 31 く) (4.7%) 役立った 353 (53.6%) 382 (58.1%) 269 (40.9%) 340 (51.7%) 178 (27.1%) 132 (20.1%) 108 (16.4%) 63 (9.6%) 101 (15.3%) ( n=658) あまり役立たな まったく役立た そうした経験は かった なかった ない 13 36 99 (15.0%) (2.0%) (5.5%) 22 2 4 (3.3%) (0.3%) (0.6%) 69 14 166 (10.5%) (2.1%) (25.2%) 106 13 90 (16.1%) (2.0%) (13.7%) 93 16 319 (14.1%) (2.4%) (48.5%) 78 23 402 (11.9%) (3.5%) (61.1%) 74 23 419 (11.2%) (3.5%) (63.7%) 60 7 509 (9.1%) (1.1%) (77.4%) 42 7 449 (6.4%) (1.1%) (68.2%) 54 (8.2%) 32 (4.9%) 13 (2.0%) 付問3 c) あなたの担当業務の難しさに、上昇、または、やや上昇と回答された方に質問です。 過去2年間で、仕事がより高いスキルを要するものへとレベルアップしたことのきっかけを選んでください。(複数選択可) ( n=1,012) 1. 1つの派遣先において、仕事の範囲がよりレベルの高い仕事に 301 (29.7%) 広がったこと 2. 派遣先が変わり、次の派遣先でより難しい仕事を紹介されたこ と 158 (15.6%) 3. 派遣会社の担当者に頼んで仕事のレベルアップを派遣先に要 請してもらったこと 15 (1.5%) 自分で派遣先の社員に希望を申し出たこと 派遣会社が主催した教育研修を受けたこと 派遣先が主催した教育研修を受けたこと 派遣会社・派遣先以外で主催された教育研修を受けたこと( 業 務の一環として受講したもの) 46 16 12 5 (4.5%) (1.6%) (1.2%) (0.5%) 8. 派遣会社・派遣先以外で主催された教育研修を受けたこと( 自 発的に受講したもの) 11 (1.1%) 13 83 16 18 (1.3%) (8.2%) (1.6%) (1.8%) 4. 5. 6. 7. 9. 10. 11. 12. 資格を取得したこと 独学で勉強してスキルアップしたこと その他 わからない 146 528 (80.2%) 問21 正社員として働いていたときと比べた場合、現在の仕事において以下のa∼fはどのように変化しましたか。それぞれ最もあてはまる ものを選んでください。(それぞれ1つ選択) ( n=860) 上昇 ( 増加) a. 月の収入額 b. あなた自身のスキル c. あなたが担当している仕事の難しさ d. 仕事に対する取り組み意欲 e. 仕事の中で上司などから指導や教育を受ける 機会 f. 教育研修の機会 やや上昇 ( やや増加) 70 (8.1%) 191 (22.2%) 108 (12.6%) 98 (11.4%) 37 (4.3%) 23 (2.7%) 155 (18.0%) 368 (42.8%) 265 (30.8%) 201 (23.4%) 165 (19.2%) 82 (9.5%) 変化なし 93 (10.8%) 190 (22.1%) 195 (22.7%) 310 (36.0%) 235 (27.3%) 257 (29.9%) やや低下 ( やや減少) 165 (19.2%) 61 (7.1%) 160 (18.6%) 170 (19.8%) 165 (19.2%) 110 (12.8%) 低下 ( 減少) 377 (43.8%) 50 (5.8%) 132 (15.3%) 81 (9.4%) 257 (29.9%) 381 (44.3%) <過去2年間の、派遣会社・派遣先とのコミュニケーションについて> 問22 過去2年間では、派遣会社の担当者(営業やコーディネーター等) は、どれくらいの頻度で訪問や電話であなたのところにコンタクト がありましたか。最もあてはまるものを選んでください。(1つ選択) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 月に数回 1ヵ月に一度くらい 3ヵ月に一度くらい 半年に一度くらい 1年に一度くらい ほとんど( あるいはまったく)フォローに来ない 73 373 427 64 19 56 ( n=1,012) (7.2%) (36.9%) (42.2%) (6.3%) (1.9%) (5.5%) 問23 過去2年間では、あなたが派遣されている間、派遣業務の内容や派遣先で経験していることについて、派遣会社の担当者( 営業・ コーディネーター等)に対して伝えましたか。(複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 年に1回、半年に1回など、定期的に伝えた スタッフフォローのときに伝えた 必要だと思ったときに自分から伝えた 派遣終了時に伝えた その他 伝えていない 103 548 433 51 17 86 ( n=1,012) (10.2%) (54.2%) (42.8%) (5.0%) (1.7%) (8.5%) 147 問24 過去2年間では、あなたは、以下のことについて、誰に、どのように伝えましたか。(複数選択可) a)仕事に関する希望 ( n=1,012) b)時間給額に関する希 c)中長期的な自分の 望 キャリアに関する希望 1. 登録時に派遣会社の登録担当者に伝えた 2. 派遣会社から仕事を紹介されたときに伝えた 年に1回、半年に1回など、定期的に営業やコー 3. ディネーターに伝えた 667 418 66 (65.9%) (41.3%) (6.5%) 522 291 65 (51.6%) (28.8%) (6.4%) 404 168 63 (39.9%) (16.6%) (6.2%) 派遣先を営業やコーディネーターが訪問してきた 4. 時に伝えた 323 (31.9%) 191 (18.9%) 0 (0.0%) 必要だと思ったときに自分から営業やコーディ 5. ネーターに伝えた 302 (29.8%) 202 (20.0%) 172 (17.0%) 107 (10.6%) 32 (3.2%) 52 (5.1%) 57 69 2 42 (5.6%) (6.8%) (0.2%) (4.2%) 15 15 10 158 (1.5%) (1.5%) (1.0%) (15.6%) 0 27 2 329 (0.0%) (2.7%) (0.2%) (32.5%) 6. 7. 8. 9. 10. 派遣終了時に営業やコーディネーターに伝えた 派遣先の社員と定期的な面談の際に 派遣先の社員に日ごろから自分で伝えた その他 伝えていない 問25 過去2年間では、あなたは、派遣元に登録したとき以外で、自分のスキル、資格、仕事経験について、派遣会社にいつどのように伝 えましたか( スキルチェックの受験を含む)。(複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 派遣会社から仕事を紹介されたとき 派遣終了時 派遣中のスタッフフォローのとき 派遣の契約更新のとき 派遣中、半年ごと、1年ごとなど定期的に 派遣中、必要に応じて自分から伝えた 派遣中でなくとも、必要に応じて自分から伝えた その他 伝えていない 431 109 178 140 30 114 60 13 276 ( n=1,012) (42.6%) (10.8%) (17.6%) (13.8%) (3.0%) (11.3%) (5.9%) (1.3%) (27.3%) 148 問26 はじめて派遣スタッフとして仕事を始めたのはいつですか。 (n=1,012) 119 (11.8%) ∼1995年 278 (27.5%) 1996年∼2000年 615 (60.8%) 2001年∼ − 1986年 1987年 1988年 1989年 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 1 1 0 0 2 0 1 1 1 2 1 3 1 1 1 0 2 4 3 1 ( n=1,012) 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2 1 2 2 2 2 2 0 0 1 0 0 ( n=15) 1.5% 1 1 0 3 0 1 0 0 0 0 0 1 ( n=8) 0.8% 0 0 0 3 2 2 1 0 2 2 0 1 ( n=13) 1.3% 0 1 1 2 2 1 3 0 1 0 0 0 ( n=11) 1.1% 1 2 0 1 0 1 0 0 0 0 0 2 ( n=9) 0.9% 3 2 1 2 0 0 1 0 0 1 0 0 ( n=10) 1.0% 2 1 0 1 0 0 0 1 2 0 0 0 ( n=8) 0.8% 2 1 0 0 0 2 0 1 1 0 0 0 ( n=8) 0.8% 0 1 0 1 2 2 1 1 1 0 1 0 ( n=11) 1.1% 2 0 1 7 1 2 0 0 3 4 4 0 ( n=26) 2.6% 2 1 2 10 5 4 4 1 3 2 0 1 ( n=36) 3.6% 2 1 1 8 5 4 5 4 4 7 1 2 ( n=47) 4.6% 4 2 4 13 3 2 0 1 5 8 5 0 ( n=48) 4.7% 4 2 4 15 2 5 6 2 5 8 6 4 ( n=64) 6.3% 7 4 13 13 7 5 3 1 12 5 5 7 ( n=83) 8.2% 8 7 7 14 9 3 5 3 7 9 5 2 ( n=79) 7.8% 4 5 3 18 7 11 5 6 10 6 5 5 ( n=87) 8.6% 9 8 10 18 10 6 11 10 12 12 4 8 (n=122) 12.1% 14 9 11 16 8 11 9 12 7 19 4 12 (n=135) 13.3% 15 18 16 26 16 16 17 12 10 20 12 13 (n=192) 19.0% 問27 あなたが、仕事内容や時間給などについて相談したとき、派遣会社の担当者は誠意を持って対応してくれましたか。(1つ選択) (n=1,012) 1. はい 540 (53.4%) 2. いいえ 160 (15.8%) 3. わからない 219 (21.6%) 4. 相談はしていない 93 (9.2%) 149 <派遣スタッフとして働いていく上での希望・展望について> 問28 派遣会社から提供される教育・研修としては、どのようなものがあればよいと思いますか。(自由記入) ( n=619) ※複数回答 200 (32.3%) OAスキル 127 (20.5%) 語学 23 (3.7%) ビジネススキル(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) 15 (2.4%) 職能別研修( 経理) 9 (1.5%) 職能別研修( 貿易) 36 (5.8%) 職能別研修( その他) 13 (2.1%) 業界セミナー 89 (14.4%) 公的資格取得に関する研修(簿記、証券外務員など) 2 (0.3%) コンプライアンス 4 (0.6%) 情報保護 66 (10.7%) ビジネスマナー 5 (0.8%) キャリアカウンセリング(個別) 11 (1.8%) キャリアセミナー(集合研修) 11 (1.8%) プログラミング 6 (1.0%) CAD 180 (29.1%) その他 問29 派遣スタッフとして働くうえで、どのような公的支援が得られたらよいと思いますか。(自由記入) (n=623) ※複数回答 127 (20.4%) 交通費 59 (9.5%) ボーナス・ 賞与 63 (10.1%) 交通費等の控除 48 (7.7%) 育休・ 産休取得 45 (7.2%) 資格取得の援助 20 (3.2%) 退職金 25 (4.0%) 定期昇格 12 (1.9%) 住宅手当 その他 361 (57.9%) 問31 あなたには、派遣スタッフとしての仕事は何歳くらいまであると思いますか。(1つ選択) (n=1,012) 1. 30歳くらいまで 36 (3.6%) 2. 35歳くらいまで 228 (22.5%) 3. 40歳くらいまで 255 (25.2%) 4. 45歳くらいまで 131 (12.9%) 5. 50歳くらいまで 68 (6.7%) 6. 年齢は関係ない 210 (20.8%) 7. わからない 84 (8.3%) 150 <あなた自身について> F1 性別 1. 男性 2. 女性 38 974 (n=1,012) (3.8%) (96.2%) F2 年齢 最小 23 15歳∼24歳 25歳∼34歳 35歳∼44歳 45歳∼ 平均 35.4 (n=1,012) 最大 59 10 469 452 81 (1.0%) (46.3%) (44.7%) (8.0%) F3 配偶者の有無 1. 有 2. 無 391 621 (n=1,012) (38.6%) (61.4%) 174 838 (n=1,012) (17.2%) (82.8%) F4 子供の有無 1. 有 2. 無 151 F5 主たる家計維持者 1. 2. 3. 4. あなた本人 配偶者 親 その他 403 351 245 13 (n=1,012) (39.8%) (34.7%) (24.2%) (1.3%) 中学 高校 短大・ 高専 大学 大学院 4 236 419 345 8 (n=1,012) (0.4%) (23.3%) (41.4%) (34.1%) (0.8%) F6 学歴 1. 2. 3. 4. 5. F7 派遣会社との雇用期間 (n=1,012) 1. 期間の定めなし 380 (37.5%) 2. 期間の定めあり 526 (52.0%) 3. わからない 106 (10.5%) 期間の定めなし」の回答はもっと少ないと予測される。設問に対する誤解が生じていると思われる( 問9、問11参照) 。 ※ 本来、「 F8 派遣先所在地( 都道府県) 北海道 宮城県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 岡山県 広島県 山口県 香川県 愛媛県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 沖縄県 19 16 12 6 5 39 42 427 105 1 2 8 1 2 3 18 66 5 5 18 116 49 1 8 13 2 1 2 16 1 1 1 1 (n=1,012) (1.9%) (1.6%) (1.2%) (0.6%) (0.5%) (3.9%) (4.2%) (42.2%) (10.4%) (0.1%) (0.2%) (0.8%) (0.1%) (0.2%) (0.3%) (1.8%) (6.5%) (0.5%) (0.5%) (1.8%) (11.5%) (4.8%) (0.1%) (0.8%) (1.3%) (0.2%) (0.1%) (0.2%) (1.6%) (0.1%) (0.1%) (0.1%) (0.1%) 152 本集計に当たっては以下の修正を行った。 問1 修正① 修正② 修正③ 修正④ b) 「0」 年「0」ヵ月→「1」ヵ月に変更した(現在、派遣就業中のため0はありえない) 。 c) 「0」 年「0」ヵ月→「1」ヵ月に変更した(現在、派遣就業中のため0はありえない) 。 a) <b) は問1の回答全てを無効とした。 a) <c) は問1の回答全てを無効とした。 問2 修正① 修正② 修正③ 修正④ 修正⑤ 問3c) で18を選んだ回答は全てオ)の選択に変更した。 ア) ∼ エ)の選択をして、オ)も選択した場合はオ) を削除した。 エ) を選択しても、記載内容がア)∼ウ)に該当するという場合には選択肢をア) ∼ウ) に変更した。 ア) ∼エ)を選択した場合でも、職業経験年数が「 0」 回答は、有効回答とするが、平均の母数から除外した。 F2( 年齢)−15歳=「社員就労可能期間」が、ア)+ウ) =「 社員期間」 より長いものは、有効回答とするが、平均の分子・ 母数 から除外した。 問3 修正① b) c) において、1∼17の選択をして、18も選択をした場合は18を削除した。 修正② 問2でオ) のみを選択した場合には、c)の回答を全て18に変更した。 修正③ a) ∼c) いずれにおいても、17を選んで書いた内容において、1∼16の選択肢に該当すると思われる内容は、全て各番号に 振り分けた。 問5 修正① c) 「0」 人→「1」人に変更した(現在、回答者本人が派遣就業中のため0はありえない) 。 問11 修正① 1∼13の選択をして、14も選択した場合は14を削除した。 問13 修正① b) で選択した項目はa)でも選択とした。 修正② a) ∼c) いずれにおいても、1∼12を選択して、13ないし14を選択した場合は13及び14を削除した。 問15 修正① 1∼12の選択をして、13も選択した場合は13を削除した。 問17 修正① 1∼6の選択をして、7も選択した場合は7を削除した。 問19 修正① 「 現在の時間給」が0の回答はこの設問から数字を全て削除( ブランクと) した。 修正② 「 2年前の時間給」「 1年前の時間給」毎に、「0」回答数は平均の母数から除外した。 問20 付問1 修正① a) で「 変化なし」「 やや低下」「 低下」を選んだ場合は回答を無効とした。 修正② 1∼14の選択をして、15も選択した場合は15を削除した。 付問2 で「 変化なし」「 やや低下」「 低下」を選んだ場合の回答を無効とした。 修正① b) 付問3 修正① 1∼11の選択をして、12も選択した場合は12を削除した。 153 問23 修正① 1∼5の選択をして、6も選択した場合は6を削除した。 問24 ∼c) いずれにおいても、1∼9の選択をして、10も選択した場合は10を削除した。 修正① a) 問25 修正① 1∼8の選択をして、9も選択した場合は9を削除した。 154 問3 あなたにあてはまる以下の条件の職種を選んでください。(複数選択可) a)現在の派遣先で従事している仕事 ( 単位: %) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 一 般 事 務 営 業 事 務 貿 易 事 務 ・ 国 際 事 務 英 文 事 務 金 経 総 広 秘 受 デ テ 営 販 S C そ ヘ 研 製 編 翻 O 融 理 務 報 書 付 レ 業 売 E A の ル 究 造 集 訳 A 事 ・ ・ ・ ・ イ タ マ ・ D 他 プ 開 務 財 人 宣 通 ン デ 発 入 プ オ 務 事 伝 訳 ス ス 力 ケ ロ ペ ・ ・ ・ ト ク グ レ テ 会 法 I ラ ラ 計 務 R ク マ タ ン タ グ ー 1 ー 医 接 旅 教 軽 療 客 行 師 作 添 ・ 業 事 乗 講 務 員 師 ー ィ ー n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 56.5 13.3 5.0 4.7 7.6 10.8 10.8 1.4 4.7 2.5 23.7 5.4 0.7 1.8 0.0 1.8 3.6 0.0 0.0 0.0 0.0 2.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.0 278 3年以上5年未満 53.9 15.4 4.2 6.2 4.6 10.1 8.2 1.3 5.6 2.3 21.9 4.9 1.3 1.3 2.0 1.3 3.3 1.0 0.0 0.3 0.3 1.3 0.3 0.0 0.0 0.0 0.3 0.3 306 5年以上 53.3 18.7 4.2 4.7 6.8 9.3 10.0 1.6 4.2 4.9 27.8 8.4 0.9 0.7 0.7 1.2 3.0 0.9 0.0 0.0 0.5 1.4 0.5 0.2 0.0 0.2 0.2 0.0 428 男性 36.8 15.8 5.3 2.6 0.0 5.3 5.3 0.0 0.0 0.0 10.5 18.4 7.9 2.6 7.9 2.6 7.9 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 38 20歳代 61.1 15.6 5.4 4.8 4.2 7.8 5.4 0.6 4.8 3.6 24.0 6.0 0.6 1.8 0.0 1.8 2.4 0.6 0.0 0.0 0.0 1.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 167 30歳代 55.6 18.6 5.0 5.1 5.6 11.1 11.5 2.2 5.1 3.9 24.8 4.4 0.7 0.7 0.5 1.2 3.1 0.7 0.0 0.0 0.3 1.4 0.2 0.2 0.0 0.0 0.2 0.2 585 40歳以上 49.1 10.4 2.3 5.9 10.8 222 54.3 16.2 4.4 5.1 女性 全体 9.5 9.0 0.5 4.5 2.7 28.4 10.4 0.9 1.8 1.4 1.4 3.6 0.9 0.0 0.0 0.5 3.2 0.9 0.0 0.0 0.5 0.9 0.0 6.3 10.0 9.7 1.5 4.7 3.5 24.9 1.0 1.2 0.9 1.4 3.3 0.7 0.0 0.1 0.3 1.8 0.3 0.1 0.0 0.1 0.3 0.1 1,012 155 6.5 b)派遣スタッフとして過去に経験した仕事(現在の仕事を除く) (単位: %) 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 一 般 事 務 営 業 事 務 貿 易 事 務 ・ 国 際 事 務 英 文 事 務 金 融 事 務 経 理 ・ 財 務 ・ 会 計 総 務 ・ 人 事 ・ 法 務 広 秘 受 デ テ 営 販 S C そ 何 ヘ 研 製 編 翻 報 書 付 レ 業 売 E A の も ル 究 造 集 訳 ・ ・ タ マ ・ D 他 な プ 開 宣 通 い デ 発 入 プ オ 伝 訳 ス 力 ケ ロ ペ ・ ク グ レ テ I ラ R マ タ ン グ ー ー ィ O A イ ン ス ト ラ ク タ 医 接 旅 教 軽 療 客 行 師 作 添 ・ 業 事 乗 講 務 員 師 ー 2 ー 1 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 56.5 17.3 4.7 6.1 6.8 12.9 10.1 2.2 2.9 9.0 2.2 4.3 0.0 1.4 3.6 12.6 0.0 0.0 0.4 0.4 0.7 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 278 3年以上5年未満 61.1 27.1 4.6 4.2 10.8 13.4 13.7 1.3 6.2 11.8 37.9 13.1 1.0 4.9 1.6 1.6 2.3 10.5 0.3 0.3 0.0 0.0 1.0 0.7 0.3 0.0 0.3 0.0 0.7 306 5年以上 74.5 40.2 8.4 5.1 11.7 17.1 20.6 2.6 8.9 15.2 51.4 18.0 1.9 4.7 1.9 2.3 3.7 4.2 0.5 1.2 0.2 0.5 1.2 1.2 0.2 0.2 0.2 0.0 0.0 428 男性 42.1 23.7 2.6 0.0 2.6 15.8 18.4 5.3 0.0 2.6 28.9 28.9 15.8 15.8 5.3 0.0 15.8 5.3 0.0 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 2.6 38 20歳代 63.5 28.1 4.8 4.2 4.8 9.6 10.8 1.2 5.4 12.6 29.9 12.0 0.6 6.0 0.6 1.8 1.2 9.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 167 30歳代 64.4 33.0 6.5 5.6 8.9 14.0 15.9 2.2 6.0 12.8 42.2 11.1 1.2 2.9 1.0 1.9 3.2 9.1 0.3 0.7 0.2 0.3 0.9 0.9 0.5 0.0 0.2 0.0 0.2 585 40歳以上 73.9 24.3 7.2 5.4 18.5 20.7 18.0 1.8 9.5 11.3 48.6 20.7 1.4 6.3 1.8 2.3 2.7 6.3 0.5 0.9 0.5 0.0 2.3 0.9 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 222 65.5 29.9 6.2 5.1 10.1 14.8 15.6 2.1 6.4 12.1 41.1 14.0 1.7 4.6 1.3 1.9 3.3 8.4 0.3 0.6 0.2 0.3 1.0 0.7 0.3 0.1 0.2 0.0 0.2 1,012 女性 全体 7.6 28.8 156 c)派遣スタッフ以外の働き方で過去に経験した仕事 (単位: %) 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 一 般 事 務 営 業 事 務 貿 易 事 務 ・ 国 際 事 務 英 文 事 務 金 融 事 務 経 理 ・ 財 務 ・ 会 計 総 務 ・ 人 事 ・ 法 務 広 秘 受 デ テ 営 販 S C そ 何 ヘ 研 製 編 翻 報 書 付 レ 業 売 E A の も ル 究 造 集 訳 ・ ・ タ マ ・ D 他 な プ 開 宣 通 い デ 発 入 プ オ 伝 訳 ス 力 ケ ロ ペ ・ ク グ レ テ I ラ R マ タ ン グ ー ー ィ O A イ ン ス ト ラ ク タ 医 接 旅 教 軽 療 客 行 師 作 添 ・ 業 事 乗 講 務 員 師 ー 2 ー 1 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 52.2 29.5 5.0 2.5 9.0 15.1 15.8 2.5 4.7 12.2 15.5 6.5 15.1 21.6 2.5 2.5 8.6 4.3 0.0 0.7 0.4 0.4 0.0 0.0 2.2 2.5 1.4 1.1 0.4 278 3年以上5年未満 43.8 22.9 2.9 2.9 8.2 11.8 14.4 2.3 6.2 8.2 16.7 6.9 12.7 18.0 5.6 1.6 12.1 3.9 0.0 0.0 0.7 0.7 0.7 1.0 1.3 1.0 1.0 0.7 1.3 306 5年以上 48.4 24.8 5.8 2.8 12.1 12.9 11.7 2.3 6.3 9.8 18.0 5.4 9.6 16.8 3.7 1.6 8.6 4.2 0.0 0.0 0.9 0.5 0.9 0.9 1.2 1.4 0.2 1.6 0.7 428 男性 26.3 13.2 2.6 0.0 2.6 13.2 21.1 5.3 0.0 0.0 13.2 10.5 34.2 23.7 7.9 5.3 7.9 2.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.6 2.6 0.0 2.6 2.6 38 20歳代 34.7 18.6 4.2 1.8 4.2 5.4 3.0 4.2 7.2 13.2 7.2 10.2 18.6 1.8 1.8 8.4 12.0 0.0 0.6 0.6 0.6 0.0 0.0 1.2 3.0 1.8 1.2 0.6 167 30歳代 50.3 27.9 4.6 2.7 9.9 14.5 14.4 2.1 5.6 11.3 15.7 5.6 10.9 19.7 3.8 1.2 10.1 2.7 0.0 0.0 0.5 0.2 0.2 0.5 1.5 1.4 0.7 1.4 0.9 585 40歳以上 55.9 26.6 5.9 4.1 16.2 15.3 16.7 2.3 8.6 10.4 23.4 5.9 12.6 14.4 5.4 3.2 9.9 2.3 0.0 0.5 1.4 1.4 2.3 1.8 1.4 0.9 0.5 0.5 0.5 222 48.0 25.5 4.7 2.8 10.1 13.1 13.6 2.4 5.8 10.0 16.9 6.1 12.1 18.5 4.0 1.9 9.7 4.2 0.0 0.2 0.7 0.5 0.6 0.7 1.5 1.6 0.8 1.2 0.8 1,012 女性 全体 5.4 157 a)及びb)で同じ番号を選択した場合を1カウントとした場合のa)+b)の回答数 (単位: %) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 一 般 事 務 営 業 事 務 貿 易 事 務 ・ 国 際 事 務 英 文 事 務 金 融 事 務 経 理 ・ 財 務 ・ 会 計 総 務 ・ 人 事 ・ 法 務 広 報 ・ 宣 伝 ・ I R 秘 書 受 付 デ テ レ マ 営 業 販 売 S E ・ プ ロ グ ラ マ C A D オ ペ レ そ の 他 タ 入 力 ィ ケ テ ン グ ー 3 ー 2 ー 1 タ n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 61.3 9.4 3.3 2.8 4.4 9.4 8.3 1.1 2.2 2.2 21.0 5.5 1.1 1.7 0.0 1.1 2.2 181 3年以上5年未満 58.3 13.7 3.3 2.8 4.7 9.0 6.6 0.0 4.7 2.8 21.8 2.8 0.0 0.9 0.9 1.4 0.5 211 5年以上 59.6 17.7 3.6 3.3 5.4 7.8 9.3 1.2 2.7 3.9 27.2 7.5 0.3 0.3 0.6 0.3 0.9 334 男性 48.0 16.0 4.0 0.0 0.0 4.0 8.0 0.0 0.0 0.0 16.0 24.0 8.0 4.0 4.0 0.0 0.0 25 20歳代 66.7 14.4 3.6 1.8 0.9 6.3 4.5 0.0 1.8 2.7 20.7 5.4 0.0 0.9 0.0 1.8 0.9 111 30歳代 58.2 17.1 3.8 3.3 5.2 8.9 9.4 1.2 3.3 3.8 24.6 3.8 0.0 0.5 0.5 0.7 1.4 426 40歳以上 60.4 7.3 2.4 3.7 7.9 9.8 7.9 0.6 4.3 2.4 26.2 7.9 0.6 1.2 0.6 0.6 0.6 164 59.6 14.5 3.4 3.0 5.0 8.5 8.3 0.8 3.2 3.2 24.1 5.6 0.4 0.8 0.6 0.8 1.1 726 女性 全体 158 問4 もし、以下の仕事のそれぞれを新人に覚えさせるとすると、ひととおり仕事をこなせるようになるまでに、どれくらいの期間がか かると思いますか。(それぞれ1つ選択) a)今のあなたの派遣先での仕事 (単位: %) 5 年 1 年 未 満 2 年 未 満 3 年 未 満 5 年 未 満 1 0 年 未 満 1 0 年 以 上 ∼ 3 年 ∼ 2 年 ∼ 1 年 ∼ 月 半 年 ∼ 月 未 満 ヵ 1 ヵ 1 ∼ 半 年 未 満 わ か ら な い / 派 遣 以 外 で は 働 い て い な い n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 25.9 48.6 18.3 4.7 0.7 0.0 0.0 0.4 1.4 278 3年以上5年未満 22.2 54.9 16.7 3.6 0.3 0.3 0.3 0.3 1.3 306 5年以上 24.8 50.2 15.2 6.1 0.5 0.7 0.7 0.2 1.6 428 男性 23.7 42.1 18.4 13.2 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 38 20歳代 29.9 51.5 12.0 3.0 1.2 0.0 0.0 1.2 1.2 167 30歳代 23.6 50.9 17.8 5.0 0.5 0.3 0.3 0.0 1.5 585 40歳以上 22.1 53.2 16.2 5.0 0.0 0.9 0.5 0.5 1.8 222 24.3 51.2 16.5 4.9 0.5 0.4 0.4 0.3 1.5 1,012 女性 全体 159 b)今までの派遣で経験した仕事のうち最も難しい仕事 ( 単位: %) 5 年 1 年 未 満 2 年 未 満 3 年 未 満 5 年 未 満 1 0 年 未 満 1 0 年 以 上 ∼ 3 年 ∼ 2 年 ∼ 1 年 ∼ 月 半 年 ∼ 月 未 満 ヵ 1 ヵ 1 ∼ 半 年 未 満 わ か ら な い / 派 遣 以 外 で は 働 い て い な い n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 13.7 45.7 20.9 10.4 2.2 0.4 0.0 0.7 6.1 278 3年以上5年未満 12.1 42.8 25.2 9.5 3.9 0.7 1.0 0.3 4.6 306 5年以上 10.3 42.3 25.7 11.9 3.7 1.4 0.5 0.2 4.0 428 男性 15.8 36.8 21.1 13.2 7.9 2.6 0.0 2.6 0.0 38 20歳代 18.0 44.9 19.8 9.0 2.4 0.6 0.0 1.2 4.2 167 30歳代 10.8 42.9 25.6 10.9 3.8 0.7 0.5 0.0 4.8 585 9.0 44.6 24.3 11.3 2.3 1.4 0.9 0.5 5.9 222 11.8 43.4 24.2 10.8 3.4 0.9 0.5 0.4 4.7 1,012 女性 40歳以上 全体 160 c)今までの派遣以外での仕事のうち最も難しい仕事 (単位: %) 5 年 1 年 未 満 2 年 未 満 3 年 未 満 5 年 未 満 1 0 年 未 満 ∼ 半 年 未 満 わ か ら な い 1 0 年 以 上 ∼ 3 年 ∼ 2 年 ∼ 1 年 ∼ 月 半 年 ∼ 月 未 満 ヵ 1 ヵ 1 / 派 遣 以 外 で は 働 い て い な い n 派遣就労通算期間 3年未満 7.9 34.2 24.8 16.9 6.1 3.6 1.4 0.4 4.7 278 8.8 36.3 20.3 18.6 7.2 2.6 1.0 1.0 4.2 306 5年以上 14.0 36.2 23.8 12.9 5.1 1.6 0.9 0.2 5.1 428 男性 13.2 36.8 7.9 18.4 10.5 7.9 0.0 2.6 2.6 38 20歳代 9.6 38.3 22.8 14.4 6.6 1.2 0.6 1.2 5.4 167 30歳代 11.6 34.5 23.2 16.6 5.6 2.7 0.9 0.0 4.8 585 9.0 36.5 25.2 14.0 5.9 1.8 2.3 0.9 4.5 222 10.8 35.7 23.0 15.7 6.0 2.5 1.1 0.5 4.7 1,012 3年以上5年未満 性別・年代 女性 40歳以上 全体 161 問6 あなたに最も近いものを選んでください。(それぞれ1つ選択) a)現在、仕事をしていることの目的 ( 単位: %) 2 3 4 5 6 7 家 計 を 主 と し て 支 え る た め 家 計 を 補 助 す る た め 自 分 の 自 己 啓 発 に 使 う お 金 を 稼 ぐ た め 自 分 の 趣 味 ・ 娯 楽 に 使 う お 金 を 稼 ぐ た め 経 済 的 目 的 よ り も わ か ら な い 仕 事 を 続 け る つ も り は な い ﹁ 1 ﹂﹁ 生 き が い ﹂ 社 会 参 加 な ど の た め 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 30.9 30.9 8.6 17.6 11.2 0.7 0.0 278 3年以上5年未満 37.3 26.5 7.5 18.3 10.5 0.0 0.0 306 5年以上 42.3 24.3 7.0 14.5 9.3 2.1 0.5 428 男性 65.8 7.9 7.9 13.2 2.6 2.6 0.0 38 20歳代 35.3 21.0 10.8 19.2 12.6 1.2 0.0 167 30歳代 35.4 26.5 8.0 17.9 10.4 1.4 0.3 585 40歳以上 40.5 35.1 4.1 11.3 9.0 0.0 0.0 222 37.6 26.8 7.6 16.5 10.2 1.1 0.2 1,012 女性 全体 n 162 b)今から5年後を考えた場合、あなたが仕事をすることの目的 (単位: %) 2 3 4 5 6 7 家 計 を 主 と し て 支 え る た め 家 計 を 補 助 す る た め 自 分 の 自 己 啓 発 に 使 う お 金 を 稼 ぐ た め 自 分 の 趣 味 ・ 娯 楽 に 使 う お 金 を 稼 ぐ た め 経 済 的 目 的 よ り も わ か ら な い 仕 事 を 続 け る つ も り は な い ﹁ 1 ﹂﹁ 生 き が い ﹂ 社 会 参 加 な ど の た め 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 30.6 33.8 6.5 8.6 13.3 5.0 2.2 278 3年以上5年未満 31.4 32.4 5.2 9.5 14.4 5.9 1.3 306 5年以上 36.9 25.7 6.3 9.3 15.0 4.7 2.1 428 男性 71.1 2.6 0.0 5.3 7.9 2.6 10.5 38 20歳代 26.9 37.7 6.6 9.0 11.4 5.4 3.0 167 30歳代 29.4 31.6 6.3 9.7 15.2 6.0 1.7 585 40歳以上 42.8 24.3 5.9 8.6 15.3 3.2 0.0 222 33.5 29.9 6.0 9.2 14.3 5.1 1.9 1,012 女性 全体 n 163 問7 仕事に関する以下のa)∼c)の希望は、あなたの場合、どの程度あてはまりますか。(それぞれ1つ選択) (単位: %) b c 現 在 担 当 し て い る 仕 事 現 在 と は 別 の 仕 事 に ス キ ル の 幅 を 広 げ る こ と よ り 高 度 な ス キ ル を 要 す る 仕 事 に 変 わ る こ と ︵ a ︶ 職 種 で ス キ ル の レ ベ ル を ア n ッ プ す る こ と た く そ う 思 わ な い そ う 思 う や や そ う 思 う あ ま り そ う 思 わ な い ま た く そ う 思 わ な い そ う 思 う や や そ う 思 う あ ま り そ う 思 わ な い ま た く そ う 思 わ な い 32.7 35.3 25.2 6.8 38.1 46.4 14.0 1.4 33.1 38.5 23.4 5.0 278 3年以上5年未満 28.1 39.2 24.5 8.2 40.8 42.2 14.4 2.6 33.7 35.6 28.4 2.3 306 5年以上 26.4 39.7 25.2 8.6 40.2 44.9 13.3 1.6 34.8 41.1 20.8 3.3 428 男性 39.5 26.3 28.9 5.3 57.9 31.6 10.5 0.0 52.6 26.3 13.2 7.9 38 20歳代 25.1 40.7 25.1 9.0 41.9 42.5 13.2 2.4 35.3 38.3 22.2 4.2 167 30歳代 27.0 40.3 24.1 8.5 37.9 46.8 13.5 1.7 32.5 40.5 24.1 2.9 585 40歳以上 33.8 33.3 26.6 6.3 40.1 41.9 15.8 2.3 33.8 36.5 26.1 3.6 222 28.7 38.3 25.0 8.0 39.8 44.5 13.8 1.9 34.0 38.7 23.8 3.5 1,012 女性 全体 ま っ 性別・年代 あ ま り そ う 思 わ な い っ 派遣就労通算期間 3年未満 や や そ う 思 う っ そ う 思 う 164 問8 以下のa)∼f)のことについて、あなたはどの程度満足していますか。あてはまるものを選んでください。(それぞれ1つ選択 (単位: %) b c d e f 現 在 の 時 間 給 の 水 準 現 在 と は 別 の 仕 事 に ス キ ル の 幅 を 広 げ る こ と キ 派 遣 会 社 に よ る 教 育 ・ 研 修 の 機 会 派 遣 先 に お け る 能 力 向 上 の 機 会 仕 事 と 生 活 の バ ラ ン ス の と り や す さ ャ a ッ リ ア の 上 昇 や 仕 事 の ス テ ッ プ ア プ の 機 会 n ま 満 足 た し く て 満 い 足 る し て い な い や や 満 足 し て い る あ ま り 満 足 し て い な い ま 満 足 た し く て 満 い 足 る し て い な い や や 満 足 し て い る あ ま り 満 足 し て い な い ま 満 足 た し く て 満 い 足 る し て い な い や や 満 足 し て い る あ ま り 満 足 し て い な い ま っ あ ま り 満 足 し て い な い っ や や 満 足 し て い る っ ま 満 足 た し く て 満 い 足 る し て い な い っ あ ま り 満 足 し て い な い た く 満 足 し て い な い 9.5 41.8 37.9 10.8 16.0 42.5 33.7 7.8 5.2 26.1 42.2 26.5 2.9 29.4 42.5 25.2 3.9 26.1 47.4 22.5 29.4 46.1 20.3 4.2 306 12.1 36.7 36.4 14.7 12.9 43.2 33.9 10.0 3.0 22.7 50.2 24.1 4.9 23.8 46.5 24.8 4.2 23.6 47.9 24.3 29.2 46.3 18.9 5.6 428 5.3 47.4 34.2 13.2 15.8 47.4 26.3 10.5 7.9 36.8 36.8 18.4 2.6 26.3 28.9 42.1 5.3 28.9 42.1 23.7 13.2 52.6 18.4 15.8 38 20歳代 15.6 40.7 37.1 6.6 15.6 46.1 29.3 9.0 3.6 25.1 46.7 24.6 3.6 25.7 43.7 26.9 4.8 27.5 43.1 24.6 32.9 43.7 17.4 6.0 167 30歳代 12.0 41.5 33.5 13.0 14.9 43.2 33.7 8.2 4.1 23.9 46.7 25.3 4.4 28.2 46.5 20.9 4.6 25.6 46.5 23.2 30.4 46.2 20.0 3.4 585 9.5 35.1 41.9 13.5 11.7 45.0 36.0 7.2 4.1 23.4 46.8 25.7 3.2 21.2 51.8 23.9 4.1 20.3 55.9 19.8 22.1 51.8 20.7 5.4 222 11.8 40.2 36.0 12.1 14.3 44.3 33.2 8.2 4.2 24.5 46.3 25.0 4.0 26.2 46.5 23.3 4.5 24.9 47.8 22.7 28.4 47.2 19.7 4.7 1,012 男性 40歳以上 全体 や や 満 足 し て い る 278 5年以上 女性 ま 満 足 た し く て 満 い 足 る し て い な い 13.7 43.9 33.1 9.4 14.7 47.8 31.7 5.8 4.7 25.5 45.0 24.8 3.6 26.3 51.1 19.1 5.8 25.5 48.2 20.5 25.9 50.0 20.1 4.0 3年以上5年未満 性別・年代 あ ま り 満 足 し て い な い っ 派遣就労通算期間 3年未満 や や 満 足 し て い る っ 満 足 し て い る 165 問9 今後の働き方に関するあなたの希望について、以下のうち最もあてはまるものを選んでください。(1つ選択) (単位: %) 6 7 8 9 10 11 12 13 現 在 の 派 遣 先 で 派 遣 ス タ 別 の 派 遣 先 で 派 遣 ス タ 派 遣 先 に は こ だ わ ら な い が と に か く 正 社 員 に な り た い 希 望 す る 条 件 が 整 え ば 正 社 員 に な り た い 現 在 の 派 遣 先 の 正 社 員 に な り た い 現 在 の 派 遣 先 と は 別 の 会 社 の 正 社 員 に な り た い 派 遣 ス タ 独 立 し て 事 業 を 起 こ し た い 就 業 形 態 に は こ だ わ ら ず 仕 事 を 続 け る つ も り は な い 特 に 考 え て い な い 上 記 の い ず れ も あ て は ま ら な い 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 派 遣 ス タ フ と し て 働 き た い 仕 事 を 続 け た い n 12.9 4.3 7.2 13.3 34.2 5.4 5.0 0.7 1.8 11.2 1.4 1.8 0.7 278 3年以上5年未満 11.1 4.9 8.8 9.8 34.3 7.8 5.2 1.0 2.6 11.1 0.3 2.0 1.0 306 5年以上 11.4 4.2 8.6 9.1 33.2 7.2 7.2 0.5 1.9 11.7 0.7 2.6 1.6 428 5.3 2.6 2.6 23.7 34.2 5.3 5.3 2.6 5.3 10.5 0.0 0.0 2.6 38 20歳代 14.4 6.0 7.8 10.8 32.3 4.8 7.8 0.0 3.6 9.0 1.2 0.6 1.8 167 30歳代 10.9 4.3 8.5 10.4 34.5 7.4 5.0 0.9 1.7 11.6 0.9 2.9 1.0 585 40歳以上 13.1 4.1 9.0 8.1 32.9 7.7 7.7 0.5 1.4 12.6 0.5 1.8 0.9 222 11.8 4.4 8.3 10.5 33.8 6.9 6.0 0.7 2.1 11.4 0.8 2.2 1.2 1,012 男性 女性 全体 フ と し て 働 き た い ッ フ と し て 仕 事 を 続 け た い フ 以 外 や 正 社 員 以 外 で 仕 事 を 続 け た い 、 5 ッ 4 、 3 ッ 2 ッ 1 166 問10 派遣スタッフとしてあと何年くらい働きたいですか。あてはまるものを選んでください。(1つ選択) (単位: %) 7 8 9 10 で き る だ け 早 く 辞 め た い 半 年 未 満 半 年 1 年 2 年 3 年 5 年 1 年 未 満 2 年 未 満 3 年 未 満 5 年 未 満 1 0 年 未 満 1 0 年 以 上 特 に 決 め て い な い が 結 婚 ・ 出 産 等 で 区 切 り が つ く ま で の 間 特 に 決 め て い な い / わ か ら な い ∼ 6 ∼ 5 ∼ 4 n 18.0 6.1 9.7 7.9 5.8 2.9 2.9 1.8 20.5 24.5 278 3年以上5年未満 14.7 5.9 9.8 7.8 4.9 3.3 2.3 4.6 19.9 26.8 306 5年以上 15.2 7.0 7.2 4.9 4.2 2.8 4.0 4.2 17.5 32.9 428 男性 39.5 0.0 7.9 7.9 2.6 7.9 2.6 0.0 2.6 28.9 38 20歳代 15.6 10.8 14.4 7.2 6.0 4.2 1.2 0.0 26.3 14.4 167 30歳代 15.4 6.0 9.2 7.2 4.6 1.5 1.0 3.1 23.8 28.2 585 40歳以上 13.1 5.4 3.2 4.5 5.0 5.0 10.4 8.6 4.1 41.0 222 15.8 6.4 8.7 6.6 4.8 3.0 3.2 3.7 19.1 28.8 1,012 女性 全体 3 ∼ 性別・年代 2 ∼ 派遣就労通算期間 3年未満 1 167 問11 今の派遣会社に登録した理由は何ですか。(複数選択可) (単位: %) 6 7 8 9 10 11 12 13 14 働 き た い 仕 事 を 紹 介 し て く れ そ う だ か ら 働 き た い 派 遣 先 を 紹 介 し て く れ そ う だ か ら 派 遣 会 社 が 働 き た い 派 遣 先 の 関 連 会 社 だ か ら 知 名 度 の あ る 派 遣 会 社 だ か ら 紹 介 さ れ る 仕 事 の 数 が 多 そ う だ か ら 長 く 働 け る 派 遣 先 を 紹 介 し て く れ そ う だ か ら 就 業 中 の フ 時 間 給 水 準 が 他 の 派 遣 会 社 よ り 高 い か ら 研 修 制 度 が 充 実 し て い る か ら 福 利 厚 生 が 充 実 し て い る か ら 自 分 の キ 知 り 合 い の 派 遣 ス タ そ の 他 特 別 な 理 由 は な い ロ ッ が 親 切 そ う だ か ら リ ア ア プ を 支 援 し て く れ そ う だ か ら ッ 5 ャ 4 フ に 勧 め ら れ だ か ら n 45.7 18.7 6.1 39.6 32.4 8.3 11.9 7.6 2.2 10.1 4.7 15.5 7.2 5.8 278 3年以上5年未満 41.5 20.6 4.6 40.8 37.3 13.7 17.3 11.8 5.2 11.4 5.9 11.8 8.5 4.9 306 5年以上 44.9 20.6 3.5 40.0 36.7 13.1 15.2 11.0 4.9 10.0 4.4 7.9 7.5 5.8 428 男性 55.3 21.1 7.9 34.2 39.5 13.2 15.8 5.3 7.9 7.9 7.9 5.3 15.8 5.3 38 20歳代 38.9 20.4 6.6 47.9 38.9 10.8 13.8 8.4 3.6 9.6 6.0 14.4 5.4 4.2 167 30歳代 44.6 20.7 3.8 43.2 36.4 10.8 16.4 10.4 4.4 11.5 4.8 11.8 6.5 5.6 585 40歳以上 44.6 18.0 4.5 27.0 30.6 15.8 11.7 12.2 3.6 9.0 4.1 8.1 11.3 6.3 222 44.1 20.1 4.5 40.1 35.7 12.0 14.9 10.3 4.2 10.5 4.9 11.2 7.7 5.5 1,012 女性 全体 3 ー 性別・年代 2 ォ 派遣就労通算期間 3年未満 1 168 問12 これまでに雇用保険の教育訓練給付制度(※)を利用したことがありますか。 ( 単位: %) 1 2 は い い い え n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 23.7 76.3 278 3年以上5年未満 19.0 81.0 306 5年以上 17.8 82.2 428 男性 13.2 86.8 38 20歳代 9.0 91.0 167 30歳代 22.9 77.1 585 40歳以上 20.7 79.3 222 19.8 80.2 1,012 女性 全体 169 問13 派遣会社(派遣元)の主催・提供による以下の教育訓練(研修・講座など)について、次のa)∼c)について、あてはまるもの を選んでください。(複数選択可) a)過去2年間に受講したもの (単位: %) 6 7 8 9 10 11 12 13 14 O A ス キ ル 研 修 語 学 研 修 ビ ジ ネ ス ス キ ル 研 修 職 能 別 研 修 業 界 セ ミ ナ 公 的 資 格 コ ン プ ラ イ ア ン ス 研 修 情 報 保 護 に 関 す る 研 修 ビ ジ ネ ス マ ナ キ ャ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ そ の 他 受 け た こ と は な い あ て は ま る も の は な い ー ︵ ︶ ︶ 取 得 に 関 す る 研 修 n ︶ ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど 集 合 研 修 ︶ 個 別 相 談 ︶ 貿 易 な ど 研 修 ー ︵ 、 経 理 ョ シ 証 券 外 務 員 な ど 、 ー ニ ケ 、 ュ コ ミ 簿 記 営 業 ャ 5 ー 4 ︵ 3 ︵ 2 ︵ 1 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 32.4 2.9 7.6 4.0 1.8 1.1 5.8 7.9 9.0 2.9 1.8 2.9 47.8 4.3 278 3年以上5年未満 29.4 5.6 4.9 3.6 1.6 1.3 9.8 7.8 7.5 3.3 2.9 2.0 50.7 1.6 306 5年以上 28.0 6.3 4.4 2.3 0.7 1.6 8.4 7.7 5.6 4.0 2.8 4.0 51.4 5.1 428 男性 39.5 5.3 10.5 2.6 7.9 0.0 21.1 26.3 10.5 10.5 5.3 5.3 34.2 2.6 38 20歳代 32.9 3.6 7.2 4.2 1.8 0.6 8.4 9.0 12.0 3.0 2.4 1.8 43.1 3.6 167 30歳代 27.2 5.5 4.4 2.6 1.0 1.5 6.7 6.7 5.5 3.6 2.7 3.8 54.0 4.1 585 40歳以上 32.0 5.4 5.9 4.1 0.5 1.8 9.5 6.8 7.2 2.3 1.8 1.8 48.2 3.6 222 29.6 5.1 5.4 3.2 1.3 1.4 8.1 7.8 7.1 3.5 2.6 3.1 50.2 3.9 1,012 女性 全体 170 b)過去2年間に受講したものの中で、あなたのスキルアップに役立ったもの (単位: %) 6 7 8 9 10 11 12 13 14 O A ス キ ル 研 修 語 学 研 修 ビ ジ ネ ス ス キ ル 研 修 職 能 別 研 修 業 界 セ ミ ナ 公 的 資 格 コ ン プ ラ イ ア ン ス 研 修 情 報 保 護 に 関 す る 研 修 ビ ジ ネ ス マ ナ キ ャ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ そ の 他 受 け た こ と は な い あ て は ま る も の は な い ー ︵ ︶ ︶ 取 得 に 関 す る 研 修 n ︶ ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど 集 合 研 修 ︶ 個 別 相 談 ︶ 貿 易 な ど 研 修 ー ︵ 、 経 理 ョ シ 証 券 外 務 員 な ど 、 ー ニ ケ 、 ュ コ ミ 簿 記 営 業 ャ 5 ー 4 ︵ 3 ︵ 2 ︵ 1 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 59.4 4.5 9.0 6.0 1.5 1.5 6.0 5.3 11.3 2.3 3.0 4.5 100.0 9.0 133 3年以上5年未満 54.1 6.2 6.8 4.1 2.7 2.7 10.3 7.5 8.9 4.1 2.7 0.7 106.2 3.4 146 5年以上 54.3 8.1 4.3 3.8 1.1 1.6 9.1 7.0 8.6 4.3 1.6 4.8 118.3 11.8 186 男性 45.8 0.0 16.7 4.2 12.5 0.0 29.2 20.8 8.3 4.2 0.0 0.0 54.2 4.2 24 20歳代 56.2 5.6 6.7 2.2 1.1 0.0 10.1 9.0 16.9 3.4 2.2 2.2 80.9 6.7 89 30歳代 55.5 7.8 6.1 4.9 1.2 2.4 6.9 6.5 7.8 5.3 2.4 4.1 129.0 9.8 245 40歳以上 57.9 5.6 4.7 5.6 0.9 2.8 6.5 1.9 7.5 0.0 2.8 3.7 100.0 7.5 107 55.7 6.5 6.5 4.5 1.7 1.9 8.6 6.7 9.5 3.7 2.4 3.4 109.2 8.4 465 女性 全体 171 c)今後、受講したいもの(受講予定であるものを含む) (単位: %) 6 7 8 9 10 11 12 13 14 O A ス キ ル 研 修 語 学 研 修 ビ ジ ネ ス ス キ ル 研 修 職 能 別 研 修 業 界 セ ミ ナ 公 的 資 格 コ ン プ ラ イ ア ン ス 研 修 情 報 保 護 に 関 す る 研 修 ビ ジ ネ ス マ ナ キ ャ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ そ の 他 受 け た こ と は な い あ て は ま る も の は な い ー ︵ ︶ ︶ 取 得 に 関 す る 研 修 n ︶ ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど 集 合 研 修 ︶ 個 別 相 談 ︶ 貿 易 な ど 研 修 ー ︵ 、 経 理 ョ シ 証 券 外 務 員 な ど 、 ー ニ ケ 、 ュ コ ミ 簿 記 営 業 ャ 5 ー 4 ︵ 3 ︵ 2 ︵ 1 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 46.8 40.3 17.3 21.2 4.7 23.4 4.3 1.8 11.9 12.2 3.2 0.7 7.9 10.1 278 3年以上5年未満 45.4 37.9 17.0 19.9 6.2 22.9 2.6 3.3 11.1 18.6 5.2 1.6 11.1 7.8 306 5年以上 51.4 37.6 15.2 19.2 5.1 20.3 4.9 2.6 10.7 13.1 3.0 1.6 7.9 9.1 428 男性 50.0 36.8 26.3 13.2 18.4 34.2 10.5 2.6 15.8 10.5 5.3 0.0 10.5 5.3 38 20歳代 45.5 46.1 18.6 20.4 7.8 19.8 2.4 3.0 14.4 16.8 4.8 1.8 9.6 7.2 167 30歳代 49.4 38.3 16.6 20.9 4.1 22.1 3.9 2.4 11.8 14.9 3.8 1.4 8.4 9.2 585 40歳以上 47.3 33.3 12.2 18.5 4.5 21.2 4.5 2.7 6.3 12.6 2.7 1.4 9.5 10.4 222 48.3 38.4 16.3 20.0 5.3 21.9 4.1 2.6 11.2 14.5 3.8 1.4 8.9 9.0 1,012 女性 全体 172 問14 過去2年間に、あなたは、派遣先が実施する研修を受けましたか。 ( 単位: %) 1 2 は い い い え n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 33.5 66.5 278 3年以上5年未満 30.4 69.6 306 5年以上 24.1 75.9 428 男性 44.7 55.3 38 20歳代 34.1 65.9 167 30歳代 25.3 74.7 585 40歳以上 30.2 69.8 222 28.6 71.4 1,012 女性 全体 173 「はい」の場合、それはどのような研修でしたか ( 単位: %) O A 研 修 情 報 保 護 ・ セ キ ー ビ ジ ネ ス マ ナ ュ コ ン プ ラ イ ア ン ス ・ 電 話 応 対 語 学 年 末 調 整 貿 易 事 務 ィ リ テ n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 44.1 20.4 15.1 8.6 2.2 2.2 6.5 93 3年以上5年未満 51.6 22.6 18.3 8.6 2.2 0.0 2.2 93 5年以上 43.7 13.6 14.6 18.4 3.9 1.9 1.0 103 男性 35.3 11.8 41.2 29.4 0.0 0.0 0.0 17 20歳代 45.6 24.6 14.0 8.8 1.8 0.0 5.3 57 30歳代 45.3 18.9 14.9 12.8 3.4 1.4 2.7 148 40歳以上 52.2 14.9 13.4 9.0 3.0 3.0 3.0 67 46.4 18.7 15.9 12.1 2.8 1.4 3.1 289 女性 全体 174 問15 過去2年間では、あなたは、派遣会社から紹介された仕事を引き受けるかどうかを決める際、以下のようなことを重視してき ましたか。(複数選択可) (単位: %) 7 8 9 10 11 12 13 仕 事 内 容 が 自 分 の 希 望 に 合 働 く 会 社 働 く 時 間 ・ 通 勤 の 便 が 自 分 の 希 望 に 合 同 じ 派 遣 先 で 長 く 働 け る こ と 時 間 給 が 自 分 の 希 望 す る 水 準 に あ る こ と 自 分 の 持 高 い ス キ ル レ ベ ル が 必 要 な 仕 事 で あ る こ と 自 分 の ス キ ル を 高 め ら れ そ う な 仕 事 で あ る こ と 将 来 担 当 す る 仕 事 が 変 更 さ れ る 予 定 が な い こ と 派 遣 先 に そ の 他 特 に 重 視 し て き た こ と は な い ー の 規 模 ・ 業 界 ・ イ メ て い る こ と プ が 見 込 め そ う で あ る こ と 仕 事 を 教 え て く れ る 人 が い る こ と n っ ジ な ど が 自 分 の 希 望 に 合 て い る 資 格 や ス キ ル を 生 か せ る 仕 事 で あ る こ と ッ ︶ て い る こ と 派 遣 先 時 間 給 の ア 、 6 、 5 っ 4 っ 3 ︵ 2 っ 1 て い る こ と 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 82.7 30.6 85.3 19.1 63.3 35.3 2.2 23.0 7.9 8.3 16.2 1.1 0.7 278 3年以上5年未満 79.7 28.8 85.9 25.5 62.4 35.3 3.9 22.2 9.8 4.6 17.0 2.9 1.3 306 5年以上 79.2 29.9 83.6 30.4 63.3 36.2 3.0 21.0 9.6 6.3 13.1 1.2 1.9 428 男性 81.6 23.7 71.1 10.5 65.8 31.6 2.6 23.7 5.3 7.9 18.4 10.5 0.0 38 20歳代 80.8 32.9 82.0 21.0 66.5 25.1 4.8 20.4 9.6 10.2 19.2 0.6 0.6 167 30歳代 82.4 31.8 86.8 26.5 63.4 37.3 1.5 22.6 9.1 4.6 15.0 1.5 1.0 585 40歳以上 74.3 23.0 83.8 30.2 59.0 40.1 5.9 21.2 9.9 7.7 11.7 1.4 3.2 222 80.3 29.7 84.8 25.8 63.0 35.7 3.1 21.9 9.2 6.3 15.1 1.7 1.4 1,012 女性 全体 175 問16 過去2年間では、あなたは、派遣先で仕事を始める前に、派遣先を訪問して派遣先の担当者から仕事内容や職場の状況 について説明を受けましたか。(1つ選択) ( 単位: %) 2 3 4 5 い つ も 受 け た 大 体 受 け た 受 け た 場 合 と 受 け な い 場 合 が 半 々 程 度 あ ま り 受 け な か 受 け た こ と は な い っ 1 た n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 41.4 39.6 12.2 1.8 5.0 278 3年以上5年未満 46.7 37.6 7.5 3.9 4.2 306 5年以上 48.6 31.8 7.2 5.8 6.5 428 男性 47.4 39.5 10.5 2.6 0.0 38 20歳代 38.9 43.7 12.0 3.6 1.8 167 30歳代 48.5 33.5 8.0 4.3 5.6 585 40歳以上 44.6 34.7 7.7 4.5 8.6 222 46.0 35.7 8.7 4.2 5.4 1,012 女性 全体 176 問17 過去2年間について、あなたが働いた派遣先の職場にあてはまるものを選んでください。(複数選択可) ( 単位: %) 5 6 7 派 遣 先 は 派 遣 先 は 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 社 員 か 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ フ も フ は フ に 仕 事 を 教 え よ う と し な か フ か と い う こ と は あ ま り 気 に な ら な か 意 欲 や ス キ ル が あ れ ば レ ベ ル の 高 い 仕 事 を 任 さ れ た 定 型 業 務 や 雑 用 だ け を 担 当 さ せ ら れ た あ て は ま る も の は な い フ に 仕 事 を 教 え る こ と に 熱 心 で あ 派 遣 先 の 社 員 と 派 遣 ス タ ﹁ ﹂ っ っ た っ を 感 じ た た 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 n 41.0 14.4 39.2 35.3 25.9 23.4 4.7 278 3年以上5年未満 48.4 15.4 41.5 33.7 30.4 22.9 3.6 306 5年以上 36.2 12.9 43.2 29.9 32.7 21.5 6.1 428 男性 39.5 18.4 39.5 55.3 23.7 13.2 0.0 38 20歳代 47.3 15.0 44.3 37.7 34.1 29.3 1.8 167 30歳代 41.0 12.5 40.9 31.3 31.8 21.5 5.6 585 40歳以上 37.4 16.7 41.9 27.9 23.9 21.2 6.3 222 41.2 14.0 41.6 32.5 30.1 22.4 4.9 1,012 女性 全体 た 、 ッ み ぞ 、 ッ ッ ッ フ と の 間 に ッ 4 ッ 3 、 2 、 1 177 問18 過去2年間に、あなたは、派遣先で働いているときに、担当業務とは別の仕事を同じ派遣先で担当するよう頼まれた場合、 普段どのように対応してきましたか。あなたの今までの対応に最も近いものを選んでください。(1つ選択) ( 単位: %) 4 5 6 7 時 間 給 に 反 映 さ れ る な ら ば 時 間 給 に 反 映 さ れ る か ど う か に か か わ ら ず 時 間 給 に 反 映 さ れ る な ら ば 時 間 給 に 反 映 さ れ る か ど う か に か か わ ら ず 仕 事 内 容 の 追 加 ・ 変 更 は い そ の 他 仕 事 内 容 の 追 加 ・ 変 更 を 頼 ま れ た こ と は な い 引 き 受 け た っ 、 で き そ う な 仕 事 に か ぎ り さ い 断 た 、 難 し い 仕 事 も 引 き 受 け た 、 で き そ う な 仕 事 に か ぎ り っ 3 、 2 、 1 、 難 し い 仕 事 も 引 き 受 け た n 引 き 受 け た 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 15.8 42.8 5.0 18.7 1.8 2.5 13.3 278 3年以上5年未満 14.7 37.6 3.9 25.2 1.3 3.6 13.7 306 5年以上 11.4 46.7 5.1 27.1 1.2 1.2 7.2 428 男性 13.2 28.9 10.5 23.7 5.3 7.9 10.5 38 20歳代 19.8 45.5 5.4 16.8 1.2 1.2 10.2 167 30歳代 12.8 43.1 3.6 27.0 1.0 1.7 10.8 585 40歳以上 11.3 42.8 6.3 22.5 1.8 3.6 11.7 222 13.6 42.9 4.7 24.2 1.4 2.3 10.9 1,012 女性 全体 178 問20 2年前から現在までの間の以下のa)∼d)の変化について、それぞれ最もあてはまるものを選んでください。(それぞれ1つ選 択) ( 単位: %) 1 2 3 4 時 間 給 水 準 あ な た 自 身 の ス キ ル レ ベ ル あ な た の 担 当 業 務 の 難 し さ あ な た の 仕 事 へ の 取 り 組 み 意 欲 n 上 昇 や や 低 下 や や 低 下 9.4 10.1 40.8 30.7 10.8 上 昇 や や 上 昇 変 化 な し や や 低 下 5.8 16.5 48.6 30.6 4.0 7.5 16.3 51.6 29.4 5年以上 男性 3年以上5年未満 女性 20歳代 30歳代 40歳以上 全体 変 化 な し や や 低 下 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 や や 上 昇 上 昇 や や 上 昇 変 化 な し や や 低 下 や や 低 下 上 昇 0.4 12.6 38.1 37.1 9.4 2.9 9.0 29.5 47.5 10.8 3.2 278 2.6 0.0 16.0 33.3 38.9 9.5 2.3 12.1 21.9 46.1 14.1 5.9 306 8.9 35.7 33.2 11.4 10.7 15.4 47.4 31.8 4.2 1.2 16.1 33.2 38.6 7.2 4.9 5.8 428 5.3 36.8 31.6 10.5 15.8 21.1 39.5 36.8 0.0 2.6 18.4 44.7 31.6 2.6 2.6 15.8 34.2 42.1 2.6 5.3 38 10.1 40.6 34.2 12.0 42.5 32.9 や や 上 昇 変 化 な し や や 低 下 8.2 26.9 45.8 13.3 や や 低 下 8.4 4.2 20.4 49.1 26.9 3.0 0.6 18.0 29.3 40.7 9.0 3.0 7.8 25.7 46.1 16.2 4.2 167 8.9 39.7 32.3 11.1 8.0 14.9 49.4 31.6 4.1 0.0 14.5 34.4 38.1 9.2 3.8 9.7 27.5 43.6 13.8 5.3 585 10.4 33.3 33.8 11.3 11.3 14.9 49.5 30.2 3.6 1.8 14.0 37.4 37.8 7.2 3.6 9.5 21.2 54.5 5.4 222 3.7 0.6 15.1 34.6 38.2 8.5 3.6 9.6 26.1 46.3 12.8 9.6 38.6 32.7 10.7 8.4 16.0 49.0 30.7 179 9.5 5.1 1,012 付問1 a)時間給水準に、上昇、または、やや上昇と回答された方に質問です。 過去2年間の間に時間給が上がった理由を選んでください。(複数選択可) ( 単位: %) 9 10 11 12 13 14 15 派 遣 先 が 変 わ 仕 事 が 変 わ 同 じ 仕 事 の 中 で 仕 事 の 幅 の 広 が 仕 事 は 同 じ だ が 仕 事 は 同 じ だ が 他 の 派 遣 ス タ 仕 事 が 忙 し く な 資 格 を 取 得 し た た め た た め 派 遣 会 社 の 担 当 者 が 派 遣 先 に 交 渉 し た た め 派 遣 先 の 業 績 が 良 く な た た め 自 分 で 派 遣 先 の 担 当 者 に 時 間 給 の ア わ か ら な い 同 一 派 遣 先 で 長 く 勤 め た た め 自 分 で 派 遣 会 社 の 担 当 者 に 時 間 給 の ア そ の 他 ス キ ル が 高 ま 働 き ぶ り が 評 価 さ れ た た め た た め た た め プ を お 願 い し た た め プ を お 願 い し た た め た た め n 61.0 31.2 18.4 11.3 16.3 2.1 6.4 13.5 22.0 5.7 8.5 0.7 0.7 5.7 1.4 141 3年以上5年未満 45.5 25.0 19.2 16.7 24.4 5.8 8.3 17.9 21.8 3.8 9.0 0.0 0.6 3.2 0.6 156 5年以上 35.1 25.1 29.8 12.0 23.0 9.9 10.5 21.5 23.6 6.3 11.0 0.5 0.5 4.7 2.1 191 男性 75.0 50.0 12.5 0.0 18.8 0.0 0.0 0.0 6.3 0.0 0.0 0.0 0.0 12.5 0.0 16 20歳代 52.7 30.8 22.0 15.4 22.0 4.4 8.8 16.5 24.2 8.8 6.6 0.0 1.1 5.5 1.1 91 30歳代 40.5 22.9 26.4 13.7 21.1 6.0 9.2 21.1 25.0 5.3 13.4 0.7 0.7 3.9 2.1 284 40歳以上 50.5 30.9 16.5 12.4 22.7 10.3 8.2 13.4 16.5 3.1 3.1 0.0 0.0 4.1 0.0 97 45.9 26.8 23.2 13.3 21.5 6.4 8.6 18.0 22.5 5.3 9.6 0.4 0.6 4.5 1.4 488 女性 全体 た た め ッ 性別・年代 っ っ 派遣就労通算期間 3年未満 フ も 含 め 全 員 の 時 間 給 が 上 げ ら れ た た め っ 8 ッ 7 っ 6 ッ 5 、 4 、 3 っ 2 っ 1 180 付問2 b)あなたのスキルレベルに、上昇、または、やや上昇と回答された方に質問です。 過去2年間でのあなたのスキルアップにとって、以下のa.∼j.はどのくらい役に立ちましたか。(それぞれ1つ選択) 3 4 派 遣 先 の 社 員 か ら 仕 事 を 教 え て も ら 派 遣 先 で の 仕 事 を 通 じ て 自 分 で 覚 え た こ と 異 な る 派 遣 先 で 仕 事 を 経 験 し た こ と 1 つ の 派 遣 先 で 仕 事 の 範 囲 が 広 が っ て い っ た こ と 、 2 っ 1 た こ と た 役 立 た あ ま り 役 立 た な か た く 役 立 た な か っ た た ま っ 大 い に 役 立 っ た た た く 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い っ た ま っ た あ ま り 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い た 22.7 53.6 17.7 0.6 5.5 33.7 60.8 3.9 0.0 1.7 13.8 47.0 12.7 1.7 24.9 11.0 54.7 20.4 2.2 11.6 3年以上5年未満 26.9 56.3 10.6 1.9 4.3 40.4 54.3 5.3 0.0 0.0 26.9 35.6 11.1 1.4 25.0 19.2 50.0 13.9 1.0 15.9 5年以上 22.3 51.7 16.7 3.0 6.3 38.3 59.1 1.5 0.7 0.4 21.9 40.9 3.0 25.7 18.2 50.9 14.9 2.6 13.4 男性 30.4 52.2 17.4 0.0 0.0 30.4 56.5 13.0 0.0 0.0 21.7 52.2 17.4 0.0 0.0 20歳代 37.1 46.6 11.2 0.9 4.3 50.0 44.0 4.3 0.0 1.7 25.9 40.5 10.3 3.4 19.8 20.7 49.1 13.8 3.4 12.9 30歳代 22.1 57.4 12.5 2.7 5.3 37.8 59.0 2.4 0.5 0.3 21.5 36.7 10.4 1.9 29.5 16.8 55.3 14.9 1.3 11.7 40歳以上 16.8 49.7 24.5 1.4 7.7 28.7 67.1 3.5 0.0 0.7 16.8 50.3 9.8 2.1 21.0 13.3 43.4 20.3 2.8 20.3 23.9 53.6 15.0 2.0 5.5 37.7 58.1 3.3 0.3 0.6 21.3 40.9 10.5 2.1 25.2 16.6 51.7 16.1 2.0 13.7 女性 全体 役 立 っ 性別・年代 大 い に 役 立 っ 派遣就労通算期間 3年未満 っ た た た く 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い っ た ま っ た あ ま り 役 立 た な か っ 役 立 っ 大 い に 役 立 っ っ た く 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い っ っ た ま っ た あ ま り 役 立 た な か っ た 役 立 っ っ 大 い に 役 立 181 8.6 8.7 13.0 56.5 21.7 8.7 (単位: %) 8 9 10 派 遣 会 社 か ら 派 遣 会 社 が 主 催 し た 教 育 研 修 派 遣 先 が 主 催 し た 教 育 研 修 も派 の遣 会 社 ・ 派 遣 先 以 外 で 主 催 さ れ た 教 育 研 修 派 遣 会 社 ・ 派 遣 先 以 外 で 主 催 さ れ た 教 育 研 修 業 務 の 一 環 と し て 受 講 し た 自 発 的 に 受 講 し た も の 該雇 当用 す保 る険 もの の教 を育 除訓 く練 給 付 制 度 を 活 用 し た 研 修 ・ 講 座 の 受 講 ︵ た 役 立 た あ ま り 役 立 た な か た ま た く 役 立 た な か っ た 大 い に 役 立 っ た く 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い っ た ま っ た あ ま り 役 立 た な か っ た 役 立 っ た 大 い に 役 立 っ た く 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い っ ま n h ま た は i に ︶ た た ︵ た あ ま り 役 立 た な か っ た 役 立 っ 大 い に 役 立 っ そ う し た 経 験 は な い っ た く 役 立 た な か っ た た ま っ た あ ま り 役 立 た な か っ た 役 立 っ 大 い に 役 立 っ そ う し た 経 験 は な い っ た く 役 立 た な か っ た ま っ た あ ま り 役 立 た な か っ た 役 立 っ た 大 い に 役 立 っ っ た く 役 立 た な か そ う し た 経 験 は な い っ っ た ま っ た あ ま り 役 立 た な か っ た 役 立 っ っ 大 い に 役 立 ︵ 高 い レ ベ ル の 仕 事 を 紹 介 さ れ て 派 遣 さ れ た こ と ︶ 7 ︶ 6 、 5 そ う し た 経 験 は な い た 6.6 30.4 12.7 3.3 47.0 3.3 23.2 11.6 2.8 59.1 5.5 22.7 13.3 4.4 54.1 2.8 12.7 8.8 0.6 75.1 8.3 17.1 6.6 1.1 66.9 5.0 10.5 6.1 1.1 77.3 181 9.6 23.6 13.0 2.4 51.4 4.3 19.7 11.5 3.4 61.1 4.3 17.3 10.6 2.9 64.9 2.4 7.2 8.7 1.0 80.8 12.0 9.6 6.7 0.0 71.6 4.3 9.6 4.8 1.4 79.8 208 7.4 27.5 16.0 1.9 47.2 3.0 18.2 12.3 4.1 62.5 5.6 11.5 10.4 3.3 69.1 3.3 9.3 9.7 1.5 76.2 7.1 18.6 5.9 1.9 66.5 4.8 5.6 4.1 3.0 82.5 269 8.7 47.8 17.4 0.0 26.1 4.3 34.8 13.0 8.7 39.1 8.7 26.1 21.7 13.0 30.4 0.0 26.1 26.1 4.3 43.5 17.4 43.5 17.4 0.0 21.7 13.0 17.4 8.7 0.0 60.9 10.3 26.7 15.5 3.4 44.0 4.3 18.1 10.3 6.0 61.2 6.9 18.1 8.6 23 4.3 62.1 2.6 9.5 9.5 0.9 77.6 9.5 11.2 7.8 1.7 69.8 4.3 6.0 5.2 2.6 81.9 116 6.6 26.9 12.5 2.1 51.9 2.9 19.4 10.6 2.1 64.9 4.3 17.0 9.6 2.9 66.2 2.7 8.0 7.7 0.8 80.9 8.5 14.4 4.8 0.8 71.5 4.0 8.8 4.8 1.6 80.9 376 9.1 24.5 16.8 2.8 46.9 4.2 21.0 16.1 4.2 54.5 5.6 11.9 16.1 2.8 63.6 4.2 11.2 9.8 1.4 73.4 8.4 16.8 7.7 1.4 65.7 5.6 7.0 4.2 2.8 80.4 143 7.9 27.1 14.1 2.4 48.5 3.5 20.1 11.9 3.5 61.1 5.2 16.4 11.2 3.5 63.7 2.9 9.6 9.1 1.1 77.4 9.0 15.3 6.4 1.1 68.2 4.7 8.2 4.9 2.0 80.2 658 182 付問3 c)あなたの担当業務の難しさに、上昇、または、やや上昇と回答された方に質問です。 過去2年間で、仕事がより高いスキルを要するものへとレベルアップしたことのきっかけを選んでください。(複数選択可) (単位: %) 5 6 7 8 9 10 11 12 1 つ の 派 遣 先 に お い て 派 遣 先 が 変 わ り 派 遣 会 社 の 担 当 者 に 頼 ん で 仕 事 の レ ベ ル ア 自 分 で 派 遣 先 の 社 員 に 希 望 を 申 し 出 た こ と 派 遣 会 社 が 主 催 し た 教 育 研 修 を 受 け た こ と 派 遣 先 が 主 催 し た 教 育 研 修 を 受 け た こ と 派 遣 会 社 ・ 派 遣 先 以 外 で 主 催 さ れ た 教 育 研 修 を 受 け た こ と 派 遣 会 社 ・ 派 遣 先 以 外 で 主 催 さ れ た 教 育 研 修 を 受 け た こ と 資 格 を 取 得 し た こ と 独 学 で 勉 強 し て ス キ ル ア そ の 他 わ か ら な い 業 務 の 一 環 と し て 受 講 し た も の 自 発 的 に 受 講 し た も の た こ と プ し た こ と n ︵ っ た こ と プ を 派 遣 先 に 要 請 し て も ら ︵ っ 仕 事 の 範 囲 が よ り レ ベ ル の 高 い 仕 事 に 広 が 次 の 派 遣 先 で よ り 難 し い 仕 事 を 紹 介 さ れ た こ と ッ 4 ッ 3 、 2 、 1 ︶ ︶ 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 27.3 18.7 2.2 2.9 1.4 1.8 0.7 0.4 1.4 6.5 1.8 1.8 278 3年以上5年未満 27.8 16.0 2.0 6.9 2.3 1.0 0.7 1.6 1.6 6.9 2.0 2.9 306 5年以上 32.7 13.3 0.7 4.0 1.2 0.9 0.2 1.2 0.9 10.3 1.2 0.9 428 男性 42.1 23.7 0.0 5.3 0.0 5.3 2.6 5.3 0.0 7.9 0.0 2.6 38 20歳代 28.1 18.6 2.4 3.0 1.8 0.6 0.6 0.6 1.2 7.2 1.8 1.2 167 30歳代 31.1 13.7 1.5 4.8 1.4 1.2 0.3 0.9 1.0 8.4 1.7 1.5 585 40歳以上 25.2 17.1 0.9 5.0 2.3 0.9 0.5 1.4 2.3 8.6 1.4 2.7 222 29.7 15.6 1.5 4.5 1.6 1.2 0.5 1.1 1.3 8.2 1.6 1.8 1,012 女性 全体 183 問21 正社員として働いていたときと比べた場合、現在の仕事において以下のa∼fはどのように変化しましたか。それぞれ最もあ てはまるものを選んでください。(それぞれ1つ選択) c あ な た が 担 当 し て い る 仕 事 の 難 し さ 減 少 ︶ ︶ や や 減 少 低 下 ︶ ︶ ︶ や や 増 加 や や 低 下 ︵ 変 化 な し ︵ 増 加 や や 上 昇 ︵ 減 少 ︵ 上 昇 ︵ 低 下 ︶ や や 減 少 ︶ や や 増 加 や や 低 下 ︵ ︵ ︶ 全体 増 加 変 化 な し 13.5 11.8 19.7 50.2 9.6 46.3 25.3 8.7 10.0 6.1 24.5 23.1 24.5 21.8 7.4 20.7 9.0 19.1 43.8 19.1 39.5 24.6 10.2 6.6 14.8 25.4 23.8 17.6 18.4 10.7 18.9 11.5 18.9 40.0 32.0 42.9 18.4 4.0 2.7 14.9 38.4 21.6 15.7 9.3 6.7 16.7 3.3 13.3 60.0 20.0 36.7 23.3 6.7 13.3 10.0 36.7 10.0 16.7 26.7 20歳代 14.4 26.0 9.6 22.1 27.9 17.3 37.5 30.8 7.7 6.7 11.5 21.2 26.9 24.0 16.3 30歳代 8.2 19.3 11.7 18.7 42.1 23.1 46.5 18.2 6.1 6.1 12.2 33.3 21.2 18.2 15.1 40歳以上 4.9 10.8 10.3 19.7 54.2 22.7 36.9 27.6 9.4 3.4 14.3 28.6 26.1 17.2 13.8 8.1 18.0 10.8 19.2 43.8 22.2 42.8 22.1 7.1 5.8 12.6 30.8 22.7 18.6 15.3 5年以上 男性 女性 減 少 や や 上 昇 4.8 3年以上5年未満 性別・年代 上 昇 ︶ 派遣就労通算期間 3年未満 低 下 ︶ や や 減 少 ︶ や や 増 加 や や 低 下 ︵ 変 化 な し ︵ ︵ ︶ 増 加 や や 上 昇 b あ な た 自 身 の ス キ ル ︵ ︵ 上 昇 a 月 の 収 入 額 184 (単位:%) f 教 育 研 修 の 機 会 ︵ ︶ 低 下 減 少 ︶ や や 減 少 ︶ や や 増 加 や や 低 下 ︶ 増 加 変 化 な し ︵ 減 少 や や 上 昇 ︵ 上 昇 ︶ ︶ や や 減 少 低 下 ︵ ︵ ︶ や や 増 加 や や 低 下 ︶ 増 加 変 化 な し ︵ 減 少 や や 上 昇 n ︵ 上 昇 ︶ ︶ や や 減 少 低 下 ︶ ︶ や や 増 加 や や 低 下 ︵ 変 化 な し ︵ ︵ 増 加 や や 上 昇 e 仕 事 の 中 で 上 司 な ど か ら 指 導 や 教 育 を 受 け る 機 会 ︵ ︵ 上 昇 d 仕 事 に 対 す る 取 り 組 み 意 欲 5.2 21.8 35.4 25.3 12.2 2.6 20.1 27.1 20.1 30.1 3.1 10.5 26.2 14.8 45.0 229 13.3 21.1 35.9 20.3 9.4 7.4 20.7 25.4 16.4 29.7 3.9 6.3 30.9 12.5 45.3 256 13.9 25.9 36.5 16.0 7.7 3.2 17.6 28.8 20.5 29.9 1.6 11.2 31.5 11.7 43.2 375 16.7 23.3 33.3 13.3 13.3 10.0 40.0 13.3 16.7 16.7 13.3 16.7 33.3 13.3 20.0 30 10.6 23.1 31.7 24.0 10.6 10.6 14.4 25.0 26.0 24.0 2.9 10.6 32.7 14.4 38.5 104 12.2 23.7 34.8 20.1 9.2 3.3 20.3 28.1 18.9 29.4 2.5 9.8 28.9 13.0 44.9 523 8.9 22.7 41.9 17.7 8.9 3.0 15.8 28.6 16.7 36.0 1.5 7.4 30.5 11.3 49.3 203 11.4 23.4 36.0 19.8 9.4 4.3 19.2 27.3 19.2 29.9 2.7 9.5 29.9 12.8 44.3 860 185 問22 過去2年間では、派遣会社の担当者(営業やコーディネーター等)は、どれくらいの頻度で訪問や電話であなたのところにコ ンタクトがありましたかか。最もあてはまるものを選んでください。(1つ選択) (単位:%) 4 5 6 月 に 一 度 く ら い 月 に 一 度 く ら い 半 年 に 一 度 く ら い 1 年 に 一 度 く ら い ほ と ん ど ︵ 3 3 ヵ 2 1 ヵ 1 月 に 数 回 っ あ る い は ま ︶ た く ォ フ ー ロ に 来 な い 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 9.7 41.7 37.1 2.9 1.4 7.2 278 3年以上5年未満 7.5 37.9 38.2 10.5 1.6 4.2 306 5年以上 5.4 32.9 48.4 5.6 2.3 5.4 428 男性 7.9 47.4 28.9 7.9 2.6 5.3 38 20歳代 12.0 37.1 41.3 2.4 0.6 6.6 167 30歳代 6.3 35.6 45.6 5.6 1.5 5.3 585 40歳以上 5.9 38.3 36.0 10.8 3.6 5.4 222 7.2 36.9 42.2 6.3 1.9 5.5 1,012 女性 全体 n 186 問23 過去2年間では、あなたが派遣されている間、派遣業務の内容や派遣先で経験していることについて、派遣会社の担当者 (営業・コーディネーター等)に対して伝えましたか。(複数選択可) (単位:%) 2 3 4 5 6 ス タ 必 要 だ と 思 派 遣 終 了 時 に 伝 え た そ の 他 伝 え て い な い ッ 1 年 に 1 回 、 フ フ っ ォ 半 年 に 1 回 な ど た と き に 自 分 か ら 伝 え た ー ロ 、 の と き に 伝 え た 定 期 的 に 伝 え た n 派遣就労通算期間 3年未満 11.2 55.0 40.3 4.3 2.5 7.9 278 11.8 55.2 42.8 4.9 0.7 8.8 306 8.4 52.8 44.4 5.6 1.9 8.6 428 21.1 47.4 42.1 10.5 2.6 7.9 38 20歳代 11.4 59.9 43.1 7.2 1.2 6.6 167 30歳代 9.4 56.1 39.5 4.4 1.9 9.6 585 40歳以上 9.5 45.9 51.4 4.1 1.4 7.2 222 10.2 54.2 42.8 5.0 1.7 8.5 1,012 3年以上5年未満 5年以上 性別・年代 男性 女性 全体 187 問24 過去2年間では、あなたは、以下のことについて、誰に、どのように伝えましたか。(複数選択可) a)仕事に関する希望 (単位:%) 4 5 6 7 8 9 10 派 遣 先 を 営 業 や コ 必 要 だ と 思 派 遣 終 了 時 に 営 業 や コ 派 遣 先 の 社 員 と 定 期 的 な 面 談 の 際 に 派 遣 先 の 社 員 に 日 ご ろ か ら 自 分 で 伝 え た そ の 他 伝 え て い な い ィ デ ー 、 ー n タ に 伝 え た 72.7 43.9 6.8 31.3 24.8 8.3 5.8 5.4 0.4 3.2 278 3年以上5年未満 71.2 42.5 7.2 29.7 30.1 10.1 6.5 9.2 0.0 2.9 306 5年以上 57.7 38.8 5.8 33.9 32.9 12.4 4.9 6.1 0.2 5.6 428 男性 73.7 42.1 10.5 18.4 31.6 18.4 10.5 7.9 0.0 0.0 38 20歳代 71.3 46.1 9.0 28.7 25.7 8.4 7.8 8.4 0.0 2.4 167 30歳代 63.6 39.8 4.3 32.8 29.1 11.1 5.5 6.8 0.3 5.1 585 40歳以上 66.7 41.4 9.9 34.2 34.7 9.5 3.6 5.4 0.0 3.6 222 65.9 41.3 6.5 31.9 29.8 10.6 5.6 6.8 0.2 4.2 1,012 女性 全体 に 伝 え た ー ー 性別・年代 タ ネ に 伝 え た 派遣就労通算期間 3年未満 ネ ー ー タ デ ィ ィ ネ ー ー デ が 訪 問 し て き た 時 に 伝 え た デ ー タ ー 定 期 的 に 営 業 や コ ネ ィ た と き に 自 分 か ら 営 業 や コ ー 半 年 に 1 回 な ど ー 3 年 に 1 回 っ 2 派 遣 会 社 か ら 仕 事 を 紹 介 さ れ た と き に 伝 え た 、 1 登 録 時 に 派 遣 会 社 の 登 録 担 当 者 に 伝 え た 188 b)時間給額に関する希望 (単位:%) 4 5 6 7 8 9 10 派 遣 先 を 営 業 や コ 必 要 だ と 思 派 遣 終 了 時 に 営 業 や コ 派 遣 先 の 社 員 と 定 期 的 な 面 談 の 際 に 派 遣 先 の 社 員 に 日 ご ろ か ら 自 分 で 伝 え た そ の 他 伝 え て い な い ィ デ ー 、 ー n タ に 伝 え た 57.9 27.7 6.5 14.7 15.8 1.8 1.4 1.8 0.7 15.8 278 3年以上5年未満 50.3 29.7 5.2 18.6 19.9 3.6 1.0 1.6 1.3 14.4 306 5年以上 48.4 28.7 7.2 21.7 22.7 3.7 1.9 1.2 0.9 16.4 428 男性 63.2 36.8 13.2 15.8 15.8 5.3 5.3 2.6 0.0 7.9 38 20歳代 52.1 29.3 5.4 15.6 19.2 2.4 3.0 3.0 1.2 16.8 167 30歳代 49.6 28.4 5.3 21.5 21.2 3.6 1.2 1.0 1.4 15.7 585 40歳以上 54.5 27.9 9.0 14.9 18.0 2.3 0.5 1.4 0.0 15.8 222 51.6 28.8 6.4 18.9 20.0 3.2 1.5 1.5 1.0 15.6 1,012 女性 全体 に 伝 え た ー ー 性別・年代 タ ネ に 伝 え た 派遣就労通算期間 3年未満 ネ ー ー タ デ ィ ィ ネ ー ー デ が 訪 問 し て き た 時 に 伝 え た デ ー タ ー 定 期 的 に 営 業 や コ ネ ィ た と き に 自 分 か ら 営 業 や コ ー 半 年 に 1 回 な ど ー 3 年 に 1 回 っ 2 派 遣 会 社 か ら 仕 事 を 紹 介 さ れ た と き に 伝 え た 、 1 登 録 時 に 派 遣 会 社 の 登 録 担 当 者 に 伝 え た 189 c)中長期的な自分のキャリアに関する希望 (単位:%) 4 5 6 7 8 9 10 派 遣 先 を 営 業 や コ 必 要 だ と 思 派 遣 終 了 時 に 営 業 や コ 派 遣 先 の 社 員 と 定 期 的 な 面 談 の 際 に 派 遣 先 の 社 員 に 日 ご ろ か ら 自 分 で 伝 え た そ の 他 伝 え て い な い ィ デ ー 、 ー n タ に 伝 え た 43.9 16.2 5.8 0.0 13.3 4.0 0.0 2.2 0.0 32.4 278 3年以上5年未満 36.3 18.0 5.2 0.0 15.4 4.9 0.0 3.3 0.3 34.6 306 5年以上 40.0 15.9 7.2 0.0 20.6 6.1 0.0 2.6 0.2 31.1 428 男性 57.9 28.9 18.4 0.0 18.4 10.5 0.0 7.9 0.0 21.1 38 20歳代 37.7 15.0 9.0 0.0 15.0 6.0 0.0 3.6 0.0 34.1 167 30歳代 36.8 16.1 4.3 0.0 15.9 4.4 0.0 2.2 0.3 34.4 585 40歳以上 46.8 17.1 7.2 0.0 21.2 5.4 0.0 2.3 0.0 28.4 222 39.9 16.6 6.2 0.0 17.0 5.1 0.0 2.7 0.2 32.5 1,012 女性 全体 に 伝 え た ー ー 性別・年代 タ ネ に 伝 え た 派遣就労通算期間 3年未満 ネ ー ー タ デ ィ ィ ネ ー ー デ が 訪 問 し て き た 時 に 伝 え た デ ー タ ー 定 期 的 に 営 業 や コ ネ ィ た と き に 自 分 か ら 営 業 や コ ー 半 年 に 1 回 な ど ー 3 年 に 1 回 っ 2 派 遣 会 社 か ら 仕 事 を 紹 介 さ れ た と き に 伝 え た 、 1 登 録 時 に 派 遣 会 社 の 登 録 担 当 者 に 伝 え た 190 問25 過去2年間では、あなたは、派遣元に登録したとき以外で、自分のスキル、資格、仕事経験について、派遣会社にいつどの ように伝えましたか(スキルチェックの受験を含む)。(複数選択可) (単位:%) 6 7 8 9 派 遣 中 そ の 他 半 年 ご と 必 要 に 応 じ て 自 分 か ら 伝 え た 派 遣 中 で な く と も 伝 え て い な い の と き 1 年 ご と な ど 定 期 的 に 、 ー ロ 、 フ フ 、 5 派 遣 中 、 4 派 遣 の 契 約 更 新 の と き 必 要 に 応 じ て 自 分 か ら 伝 え た n 48.9 9.7 17.6 14.0 2.5 7.9 6.1 0.7 23.4 278 3年以上5年未満 43.8 11.1 15.7 12.7 4.2 9.8 4.6 1.3 30.4 306 5年以上 37.6 11.2 18.9 14.5 2.3 14.5 6.8 1.6 27.6 428 男性 47.4 10.5 26.3 21.1 7.9 10.5 5.3 0.0 23.7 38 20歳代 48.5 14.4 17.4 12.6 5.4 8.4 5.4 1.2 19.8 167 30歳代 41.4 10.8 16.6 13.2 2.1 10.4 5.8 1.5 30.6 585 40歳以上 40.5 8.1 18.9 15.3 2.7 15.8 6.8 0.9 24.8 222 42.6 10.8 17.6 13.8 3.0 11.3 5.9 1.3 27.3 1,012 女性 全体 3 派 遣 中 の ス タ ォ 性別・年代 2 派 遣 終 了 時 ッ 派遣就労通算期間 3年未満 1 派 遣 会 社 か ら 仕 事 を 紹 介 さ れ た と き 191 問26 はじめて派遣スタッフとして仕事を始めたのはいつですか。 ∼ (単位:%) 1 9 9 6 年 ∼ ∼ 1 9 9 5 年 2 0 0 1 年 2 0 0 0 年 n 派遣就労通算期間 3年未満 2.5 6.8 90.6 278 4.2 12.7 83.0 306 23.1 51.4 25.5 428 2.6 18.4 78.9 38 20歳代 0.0 7.8 92.2 167 30歳代 6.8 34.7 58.5 585 35.1 24.8 40.1 222 11.8 27.5 60.8 1,012 3年以上5年未満 5年以上 性別・年代 男性 女性 40歳以上 全体 192 問27 あなたが、仕事内容や時間給などについて相談したとき、派遣会社の担当者は誠意を持って対応してくれましたか。(1つ選 択) (単位:%) 1 2 3 4 は い い い え わ か ら な い 相 談 は し て い な い n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 57.6 11.9 19.8 10.8 278 3年以上5年未満 53.6 16.0 22.9 7.5 306 5年以上 50.5 18.2 22.0 9.3 428 男性 47.4 23.7 23.7 5.3 38 20歳代 56.9 12.0 21.6 9.6 167 30歳代 52.5 16.4 21.7 9.4 585 40歳以上 54.1 15.8 21.2 9.0 222 53.4 15.8 21.6 9.2 1,012 女性 全体 193 問28 派遣会社から提供される教育・研修としては、どのようなものがあればよいと思いますか。(自由記入) ︶ ︶ ) ビ ジ ネ ス マ ナ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ プ ロ グ ラ ミ ン グ C A D (単位:%) そ の 他 集 合 研 修 ︶ 個 別 ョ 、 ︶ 簿 記 シ キ ︵ ー ︵ ニ ケ 情 報 保 護 ー ︵ そ の 他 コ ン プ ラ イ ア ン ス ャ 貿 易 公 的 資 格 取 得 に 関 す る 研 修 ー 経 理 業 界 セ ミ ナ ー 職 能 別 研 修 ︵ 職 能 別 研 修 ュ コ ミ 職 能 別 研 修 ︵ ︵ ビ ジ ネ ス ス キ ル ャ 語 学 ︵ O A ス キ ル 証 券 外 務 員 な ど ︶ ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど n ︶ 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 25.0 20.6 4.4 0.6 1.9 6.3 3.8 15.0 0.6 0.0 11.9 1.9 0.0 0.0 0.6 30.6 160 3年以上5年未満 38.2 18.3 2.7 3.8 1.6 7.0 0.5 13.4 0.5 0.5 8.1 1.1 1.6 1.6 0.5 33.9 186 5年以上 32.6 22.0 4.0 2.6 1.1 4.8 2.2 14.7 0.0 1.1 11.7 0.0 2.9 2.9 1.5 24.9 273 男性 30.4 8.7 4.3 0.0 0.0 8.7 4.3 8.7 4.3 4.3 4.3 4.3 0.0 0.0 0.0 39.1 23 20歳代 30.6 26.5 2.0 0.0 0.0 4.1 2.0 20.4 0.0 0.0 16.3 2.0 1.0 1.0 0.0 26.5 98 30歳代 30.4 21.9 3.4 3.1 1.4 5.1 1.7 12.5 0.3 0.6 10.2 0.6 1.1 1.1 0.6 32.4 352 40歳以上 38.4 15.1 5.5 2.7 2.7 8.2 2.7 15.8 0.0 0.7 8.9 0.0 4.1 4.1 2.7 21.2 146 32.3 20.5 3.7 2.4 1.5 5.8 2.1 14.4 0.3 0.6 10.7 0.8 1.8 1.8 1.0 29.1 619 女性 全体 194 問29 派遣スタッフとして働くうえで、どのような公的支援が得られたらよいと思いますか。(自由記入) (単位:%) ボ ナ ス ・ 賞 与 退 職 金 資 格 取 得 の 援 助 育 休 ・ 産 休 取 得 交 通 費 等 の 控 除 ー 交 通 費 そ の 他 住 宅 手 当 定 期 昇 格 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 20.1 10.7 8.8 5.7 6.9 2.5 3.1 2.5 59.1 159 3年以上5年未満 18.8 9.4 6.6 11.6 6.1 2.2 3.9 1.7 63.5 181 5年以上 21.6 8.8 13.1 6.4 8.1 4.2 4.6 1.8 53.7 283 男性 22.7 9.1 13.6 0.0 4.5 4.5 0.0 0.0 63.6 22 20歳代 15.2 9.1 3.0 13.1 6.1 3.0 3.0 2.0 64.6 99 30歳代 22.2 10.5 11.1 8.9 6.6 2.8 3.6 2.2 56.0 361 40歳以上 19.1 7.1 12.1 2.1 9.9 4.3 6.4 1.4 57.4 141 20.4 9.5 10.1 7.7 7.2 3.2 4.0 1.9 57.9 623 女性 全体 195 問31 あなたには、派遣スタッフとしての仕事は何歳くらいまであると思いますか。(1つ選択) (単位:%) 1 2 3 4 5 6 7 3 0 歳 く ら い ま で 3 5 歳 く ら い ま で 4 0 歳 く ら い ま で 4 5 歳 く ら い ま で 5 0 歳 く ら い ま で 年 齢 は 関 係 な い わ か ら な い n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 6.8 28.4 25.2 9.0 4.0 19.8 6.8 278 3年以上5年未満 3.9 25.8 24.8 11.1 7.5 19.6 7.2 306 5年以上 1.2 16.4 25.5 16.8 7.9 22.2 10.0 428 男性 2.6 23.7 18.4 5.3 5.3 28.9 15.8 38 20歳代 19.8 40.7 15.6 3.6 1.2 14.4 4.8 167 30歳代 0.3 24.3 35.0 12.5 4.3 15.7 7.9 585 40歳以上 0.0 4.1 7.7 22.5 17.6 37.4 10.8 222 3.6 22.5 25.2 12.9 6.7 20.8 8.3 1,012 女性 全体 196 F3 配偶者の有無 ( 単位: %) 1 2 有 無 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 39.9 60.1 278 3年以上5年未満 39.2 60.8 306 5年以上 37.4 62.6 428 男性 26.3 73.7 38 20歳代 22.8 77.2 167 30歳代 39.5 60.5 585 40歳以上 50.5 49.5 222 38.6 61.4 1,012 女性 全体 197 F4 子供の有無 ( 単位: %) 1 2 有 無 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 18.7 81.3 278 3年以上5年未満 12.7 87.3 306 5年以上 19.4 80.6 428 男性 21.1 78.9 38 20歳代 2.4 97.6 167 30歳代 12.6 87.4 585 40歳以上 39.6 60.4 222 17.2 82.8 1,012 女性 全体 198 F5 主たる家計維持者 (単位: %) 1 2 3 4 あ な た 本 人 配 偶 者 親 そ の 他 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 34.5 36.0 27.0 2.5 278 3年以上5年未満 41.8 34.0 22.9 1.3 306 5年以上 41.8 34.3 23.4 0.5 428 男性 84.2 2.6 13.2 0.0 38 20歳代 40.7 21.0 34.1 4.2 167 30歳代 36.1 36.6 26.5 0.9 585 40歳以上 41.4 45.5 12.6 0.5 222 39.8 34.7 24.2 1.3 1,012 女性 全体 199 F6 学歴 ( 単位: %) 1 2 3 4 5 中 学 高 校 短 大 ・ 高 専 大 学 大 学 院 n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 0.7 18.3 40.6 38.8 1.4 278 3年以上5年未満 0.3 22.5 35.6 40.5 1.0 306 5年以上 0.2 27.1 46.0 26.4 0.2 428 男性 0.0 23.7 13.2 60.5 2.6 38 20歳代 0.6 16.2 35.3 47.9 0.0 167 30歳代 0.5 23.2 44.8 30.6 0.9 585 40歳以上 0.0 28.8 41.9 28.4 0.9 222 0.4 23.3 41.4 34.1 0.8 1,012 女性 全体 200 F7 派遣会社との雇用期間 (単位: %) 1 2 3 期 間 の 定 め な し 期 間 の 定 め あ り わ か ら な い n 派遣就労通算期間 3年未満 性別・年代 38.8 51.4 9.7 278 3年以上5年未満 38.9 51.0 10.1 306 5年以上 35.7 53.0 11.2 428 男性 34.2 60.5 5.3 38 20歳代 45.5 45.5 9.0 167 30歳代 36.1 53.0 10.9 585 40歳以上 36.0 52.7 11.3 222 37.5 52.0 10.5 1,012 女性 全体 201 派遣スタッフの能力開発に関するアンケート調査 1.調 査 票 2.集 計 結 果 3.クロス集計結果 派遣スタッフの能力開発に関するアンケート 貴社の派遣スタッフ(紹介予定派遣を除く) の中 で、事務系職種 の派遣スタッフに対 する能力開発についてお伺 いします。ここで「事務系職 種」とは、一般事務や経理事務などの狭義 の事務系職種に加えて、営業・ 販 売、テレマーケティングなどを含めた広義 の事務系職種を指しま す。以下、派遣スタッフという 場合は特 に断りがない限 り、この広義 の事務系職種 の派遣スタッフを指すものとします。 <能力開発の考え方> 問 1 (事業戦略 ・人事戦略の方針) 貴 社の事業戦略や人事戦略に関する考 え方として最も近いものを1 つ選 んでください。必須 A に近 い ややA に近 い ややB に近 い B に近い A:高付加価値の人材派遣 サービスの提供を重視 している B:低コストでの人材派遣サービスの提供を重視している A:派遣職種の拡 大を重視している B:派遣職種の専門化を重視 している A:新たに派遣 スタッフを配置する派遣先の開拓を重視している B:既存 の派遣先への派 遣スタッフの継続的な配 置を重視 している A:派遣スタッフの質の確保を重視している B:派遣スタッフの数の確保を重視している A:即戦力の派遣 スタッフの登 録を重視している B:就業経験の少ない派遣スタッフの登録を重視している 問 2 (能力開発方針) 貴社の派遣スタッフの能力開発に関する考え方として最も近 いものを 1 つ選 んでください。必須 A に近 い A:派遣スタッフの能力開発は派遣先や派遣会社が積極的に行 なう B:派遣スタッフの能力開発はスタッフ本人 の自主性に任せる A:派遣スタッフの能力開発は派遣元が積極的に行なう B:派遣スタッフの能力開発は派遣先に任せる A:派遣スタッフの能力開発は主として Off-JT によって行なう B:派遣スタッフの能力開発は主として OJT によって行なう A:派遣スタッフの能力開発のために異 なる派遣先を経験させる B:派遣スタッフの能力開発のために同じ派遣先を長く 経 験させる A:派遣スタッフの能力開発のために異 なる仕事を経験させる B:派遣スタッフの能力開発のために同じ仕 事を長く経験 させる A:今の仕事に活 かせる能力開発を支援する B:今の仕事だけでなく 次の仕事にも活かせる能力開発を支援する ややA に近 い ややB に近 い B に近い <派遣スタッフに対する能力開発 の現状> 問 3 (能力開発 を行なう理由 ) 貴社 の費用負担で派遣スタッフの能力開発を行 なう理由は何 ですか。(3 個まで選択) 必須 1. 派遣先のニーズの変化 に対応するため 2. 派遣先の専門的なニーズに対応するため 3. 能力向上に関する派遣スタッフの希望 に応えるため 4. 派遣スタッフの長期的なキャリア形成を支援するため 5. 派遣スタッフ全体 の能力水準 の底上げを行 なうため 6. 派遣会社としてのイメージアップのため 7. 派遣スタッフの登録者数を増やすため 8. 派遣スタッフの定着を図るため 9. 派遣先に対する営業活動を有 利に行うため 10. 派遣料金の引上げに資 するため 11. 同業他社も行なっているため 12. 会社の費用負担による能力開発は行なっていない 13. その他(下記 に具体的 にお書きください) 14. 上記のいずれも重 視していない(こちらを選択 した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 13.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 問 4 (能力評価)貴 社では、どのようなことを重視 して、派 遣スタッフの職業能力を評価していますか。(あてはまるものを全て選択) (複数 選択可) 必 須 1. これまでの仕事の経歴 2. 直近に担当 した仕 事の内容 3. 仕事の経験年数 4. 保有する資格 5. 派遣先での働きぶりや仕事内容に関 する評価 6. 能力評価のためのテスト(自社 で独自 に開発 したもの) 7. 能力評価のためのテスト(公的 ないし一般に市販されているもの) 8. その他(下記 に具体的 にお書きください) 9. とくに能力評価は行 っていない(こちらを選択 した場 合、他 の項目はチェックしないでください) 8.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問 5 (能力評価 の時期) 貴社 では派遣スタッフの能力評価をいつ実施していますか。(あてはまるものを全て選択) (複数選択可) 必須 1. 派遣スタッフとしての登録時に 2. 派遣先の紹介時に 3. 派遣先の契約更新時に 4. 派遣先の契約終了時に 5. 派遣スタッフの就業中に 6. 派遣スタッフが就業 していない時に 7. 本人が希望した時 に 8. その他(下記 に具体的 にお書きください) 9. 上記のいずれも行 なっていない(こちらを選択 した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 8.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問 6 (教育研修 の実施主体 ) 貴社 あるいは貴社 のグループ企業 では、派遣スタッフを対象 とした教育研修を実施 していますか。(1 つ選択) 必須 1. 自社として実施している 2. 自社では実施せずグループ企業として実施している 3. 自社とグループ企業の両 方で実施している 4. 実施していない 問 7 (教育研修 の内容) 貴社、又は貴社のグループ企業が実施している教育研修(提携スクールや通信教育などを除く)に関 してあてはま るものを全て選んで下さい。 (1) 既に導 入しているもの(複数選択可) 必須 a. OA スキル研 修 b. 語学研修 c. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) d. 職能別研修(営業、経理、貿易 など) e. 業界セミナー f. 公的資格(簿記、証券外務員など)取得に関する研修 g. コンプライアンス研修 h. 情報保護に関する研修 i. ビジネスマナー研修 j. キャリアカウンセリング(個別相談) k. キャリアセミナー(集合研修) l. その他 m. 上記のいずれも該 当しない( こちらを選択した場 合、他 の項目はチェックしないでください) (2) 全員、又 は一定の条件に合致するスタッフに受講を義務付けている講 座やコースが含まれているもの(複数選択可) 必須 a. OA スキル研 修 b. 語学研修 c. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) d. 職能別研修(営業、経理、貿易 など) e. 業界セミナー f. 公的資格(簿記 、証券外務員など)取得に関する研修 g. コンプライアンス研修 h. 情報保護に関する研修 i. ビジネスマナー研修 j. キャリアカウンセリング(個別相談) k. キャリアセミナー(集合研修) l. その他 m. 上記のいずれも該 当しない( こちらを選択した場 合、他 の項目はチェックしないでください) (3) 特に重 視しているもの(複数選択可) 必須 a. OA スキル研 修 b. 語学研修 c. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメントスキルなど) d. 職能別研修(営業、経理、貿易 など) e. 業界セミナー f. 公的資格(簿記、証券外務員など)取得に関する研修 g. コンプライアンス研修 h. 情報保護に関する研修 i. ビジネスマナー研修 j. キャリアカウンセリング(個別相談) k. キャリアセミナー(集合研修) l. その他 m. 上記のいずれも該 当しない( こちらを選択した場 合、他 の項目はチェックしないでください) 問 8 (教育研修 の受講者数) 過去 1 年間に貴社 あるいは貴社 のグループ企 業の教育研修を受講した貴社の派遣スタッフの人数を累計で 回答下さい。数字は概数 で構 いません。 必須 人 問 9 過去 1 年間 に貴社 あるいは貴社 のグループ企業のOAスキル研修を受講 した貴社の派遣スタッフの人数を累 計で回答下さい。数 字は 概数 で構 いません。 必須 人 付問 9-1 問 9 で回答 した人数 のうち、OAスキル研修を全額会社 の費用負担 で受講 した貴社の派遣スタッフの比率はどの程度 ですか。 必須 1. 0% 2. 1∼20%未満 3. 20∼40%未満 4. 40∼60%未満 5. 60∼80%未満 6. 80∼100%未満 7. 100% 問 10 貴社 あるいは貴社 のグループ会社には、貴社 の派遣 スタッフ向けのe ラーニングの仕組 みはありますか。 必 須 1.ある 2.ない 問 11 貴社 あるいは貴社 のグループ会社には、貴社 の派遣 スタッフ向けの提携 スクールの入学金や受講料 の割引制度がありますか。 必須 1.ある 2.ない 問 12 貴社 あるいは貴社 のグループ会社には、貴社 の派遣 スタッフ向けの通信教育の費用補助制度がありますか。 必須 1.ある 2.ない 問 13 (教育研修の効果測定 ) 貴社 では派遣スタッフへの教育研修の効果を測定するために、つぎのようなことを実施していますか。(あて はまるものを全て選択) (複数選択可) 必須 1. 受講した派遣スタッフの能力評価の実施 2. 受講した派遣スタッフの教育研修に関する満足度の調査 3. 受講した派遣スタッフの稼働率 の把握 4. 受講した派遣スタッフの継続就業期間 の把 握 5. 受講した派遣スタッフの派遣先 での働きぶりや仕事内容の評 価の実施 6. 受講した派遣スタッフの資格取得率の把握 7. 派遣スタッフの教育研修への出席率の把握 8. 教育研修の定員充足率の把握 9. 教育研修を理由 に登録 した派遣スタッフの人数や割合の把握 10. その他(下記 に具体的 にお書きください) 11. 上記のいずれも測 定していない(こちらを選択 した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 10.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 問 14 (教育訓練費用) 貴社の派遣スタッフに対する過去 1 年間 の教育訓練費用はどのくらいですか。教育訓練費用の範囲は貴社 の定義 で結構です。(1 つ選択) 必須 1. 1000 万円未満 2. 1000 万円∼3000 万円未満 3. 3000 万円∼5000 万円未満 4. 5000 万円∼1 億円未満 5. 1 億円∼ 1 億 5000 万円未満 6. 1 億 5000 万円以上 7. わからない 問 15 (教育訓練費用の管理基準) 貴 社では派遣スタッフの教育訓練費用をどのような基準 で管理 していますか。( 1 つ選択) 必須 1. 売上高に占める割合 2. 営業利益に占める割合 3. 登録している派遣スタッフ数の増減 4. 就業している派遣スタッフ数の増減 5. 前年度の教育訓練費用 6. その他 7. 特に管理する基準はない 問 16 (能力開発促進策) 貴社 では派遣スタッフの能力向上への取組 み意欲を高めるために実施 しているものを全て選 んでください。(複 数選択可) 必須 1. 派遣就業開始時 の教育研修受講のアドバイス 2. 派遣就業中 の教育研修受講のアドバイス 3. 派遣終了後 の教育研修受講のアドバイス 4. 郵送やメールによる教育研修 の周知 や教育研修受講のアドバイス 5. ホームページでの教育研修の周知・案内 6. 教育訓練の受講費用の支援制度の導入 7. 派遣スタッフの職業能力を評価 し、賃金に反映させる制度 の導入 8. その他(下記 に具体的 にお書きください) 9. 上記のいずれも実 施していない(こちらを選択 した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 8.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 問 17 (教育研修以外の取り組み) 派 遣スタッフの能力向上やキャリア形成のために貴社として重視 しているものを全て選んでください。(複数 選択可) 必 須 1. 派遣スタッフの能力を高められる派遣先への配置 2. 派遣スタッフの能力 の幅を拡げられる派遣先 への配置 3. 派遣スタッフ本人 の希望を尊重 した派遣先 への配置 4. コーディネーターや営業担当者による派遣スタッフへのヒヤリングやアドバイス 5. 専門カウンセラーや相談窓口の設置 6. 派遣スタッフの能力向上につながる派遣先の開拓 7. コーディネーターと営業担当者 の計画的な育成 8. コーディネーターと営業担当者 の定期的な情報交換 9. 教育訓練担当者(トレーナー)やキャリアカウンセラーの育成 10. 派遣先に対する派遣スタッフの仕事内容に関する交 渉 11. 派遣先に対する派遣スタッフの能力向上に伴う派遣料金 の交渉 12. その他(下記 に具体的 にお書きください) 13. 上記のいずれも重 視していない(こちらを選択 した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 12.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 問 18 (派遣先との連携 ) 派遣 スタッフの能力開発に関して、派遣先と連携して実施 しているものを全て選 んでください。(複数選択可) 必須 1. 特定の派遣先のためにカスタマイズした教育研修 2. 派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研修 3. 派遣先の仕 事に必要な能力に関する情報交換 4. 派遣スタッフの能力開発の必要性などに関する情報交換 5. 派遣スタッフの派遣先における職業能力の評価に関 する情報交換 6. 派遣スタッフのキャリアプランに関 する情報交換 7. 派遣先の社員向 けの教育研修に派遣スタッフが参加 できるようにする 8. 派遣先での指導体制に関する相談やアドバイスを行う 9. その他(下記 に具体的 にお書きください) 10. 上記のいずれも実 施していない(こちらを選択 した場合、他 の項目 はチェックしないでください) 9.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 <未経験者やブランク経験者の能力開発> 問 19 (未経験者の能力開発 ) 貴社は、実務経験 の少ない派遣スタッフ(例:正社員経験がない等)に対する教育訓練を実 施していますか。 (1つ選択) 必須 1. 実務経験が少ない派遣 スタッフのための教育訓練を実施 している 2. 特別の教育訓練はないが、必要に応 じて他 の派遣スタッフと同様 の教育訓練を実施している 3. 実務経験の少ない派遣スタッフも登録 できるが、そのための教育訓練は特 に実施 していない 4. 実務経験の少ない派遣スタッフは登録しない、あるいは登録 できない 付問 1 9-1 問 19 で1 と回答した場合、昨年 の受講者数 とそのうち実際 に派遣 された人数を回答してください。(数字は概 数で構いませ ん) 受講者数: 回答 により必須 人 そのうち実際に派 遣された人数: 回答 により必 須 人 付問 19-2 問 19 で1 と回答した場合、どのような教育訓練を実施 していますか。教育訓練 の内容・期間・方法等を具体的に記 入して ください。回答により 必須 ( 200 文字以内) 問 20 (ブランク経験者の能力開発) 出産や育 児などの事情により就業期間 にブランクのある派遣スタッフに対する教育訓練を実施してい ますか。(1 つ選択) 必須 1. 就業期間にブランクのある派遣 スタッフのための教育訓練を実施 している 2. 特別の教育訓練はないが、必要に応 じて他 の派遣スタッフと同様 の教育訓練を実施している 3. 就業期間にブランクがある派遣 スタッフも登録 できるが、そのための教育訓練は特 に実施 していない 4. 就業期間にブランクがある派遣 スタッフは登録 しない、あるいは登 録できない 付問 2 0-1 問 20 で1 と回答した場合、昨年 の受講者数 とそのうち実際 に派遣 された人数を回答してください。(数字は概 数で構いませ ん) 受講者数: 回答 により必須 人 そのうち実際に派 遣された人数: 回答 により必 須 人 付問 20-2 問 20 で1 と回答した場合、どのような教育訓練を実施 していますか。教育訓練 の内容・期間・方法等を具体的に記 入して ください。回答により 必須 ( 200 文字以内) 問 21 (特定職種の能力開発 ) 特定職種(例えば、貿易事務、金融事務、MRなど)の派遣スタッフを育 成するために設 けた教育訓練はあり ますか。 必須 1.ある 2.ない 付問 2 1-1 問 21 で1 と回答した場合、昨年 の受講者数 とそのうち実際 に派遣 された人数を回答してください。(数字は概 数で構いませ ん) 受講者数: 回答 により必須 人 そのうち実際に派 遣された人数: 回答 により必 須 人 付問 21-2 問 21 で1 と回答した場合、どのような教育訓練を実施 していますか。教育訓練の内容・期間・方法等を具体的に記 入して ください。回答により 必須 ( 200 文字以内) <派遣スタッフの能力開発を行なう上 での課題> 問 22 貴社が、派遣スタッフに能力開発を行なううえでの課題は何ですか。(あてはまるものを全て選択) (複数選択可) 必須 1. 派遣スタッフ本人 の能力向上に対する取り組 み意欲が低 い 2. 派遣スタッフ本人 のキャリア形成に対 する意識が低 い 3. 派遣スタッフ自身が教育訓練を受講する時間を確保 できない 4. 教育訓練の利用率が低 い 5. 能力開発を行なうために自社の費用負担が大きい 6. 能力開発を実施 しても派遣スタッフが他 の派遣会社に移 ってしまう 7. 技術革新や業務変更 が頻繁なため、能力開発が追 いつかない 8. 派遣スタッフの能力開発を効果的に行なう方法がよくわからない 9. 派遣先に対する営業活動を有 利に行うため 10. 派遣先が派遣スタッフの能力開発に協力的 でない 11. 派遣スタッフの教育訓練の機会の提供に地域 で差が生じている 12. 教育訓練を行なっても派遣スタッフの就業につながらない 13. 派遣先の能力開発に対するニーズがわからない 14. 派遣先の能力開発ニーズに応 えるための効果的な教育訓練の方法がわからない 15. 教育訓練の効果を測定 しにくい 16. 派遣スタッフを教育訓練 できる人材が不足している 17. その他(下記 に具体的 にお書きください) 18. 特に課題はない(こちらを選択 した場合 、他 の項目はチェックしないでください) 17.その他(具体的な内 容をお書きください) 回答 により必須 <公的支援や業界 の取 り組みへの要望> 問 23 貴社が、派遣スタッフに能力開発を行なううえで、公的機関や業界団体 に対する要望がありますか。(あてはまるものを全 て選択) (複数選択可) 必須 1. トレーニングセンターの設置など業界全体で派遣スタッフの能力開発を行なう仕組み 2. 派遣スタッフの能力 に関する共通 の評価基準の作成 3. 資格取得に対する派遣スタッフ個人 への公的 な助成 4. 派遣元が実施する未経験者やブランク経験者に対する教育訓練 に対する公 的な資金助成 5. 派遣スタッフの能力開発に関する講師や教材の紹介等の支援 上記以外 の要望があれば、以下に具体的 に記述 してください。 (200 文字以内) <派遣会社の基本属性 > F1 (派遣事業開始年) 貴社の派遣事業を開 始した年を西暦で回答してください。 必須 −− 年 F2 (労働者派遣事業の区別) 貴社 の労働者派遣事業について回答してください。 必須 1.一般労働者派遣事業 2.特定労働者派遣事業 F3 (資本形態) 貴社には親会社がありますか。 必須 1 ある(貴社 は子会社・ 関連会社) 2.ない(貴社 は独立企業) F4 (企業規模) 貴社の派遣事業の直 近の年間売上高について回答してください。(1 つ選択) 必須 1. 1 億円未満 2. 1 億円∼ 5 億円未満 3. 5 億円∼ 10 億円未満 4. 10 億円∼ 20 億円未満 5. 20 億円∼ 50 億円未満 6. 50 億円∼ 100 億円未満 7. 100 億円∼ 700 億円未満 8. 700 億円以上 <派遣会社の基本属性 > ※ 以下は事務系職種以外 の職種の派遣スタッフも含 めて回答 してください。なお、特に指示のない限 り、貴社に登録 している派 遣スタッフ 及び貴社が雇用している派 遣スタッフの両 方を含みます。 F5 (登録者数) 貴社に登録している派 遣スタッフ数を回答 してください。(登録者の範囲は貴社の定義で結構です。) 必須 人 F6 (稼働者数) 貴社 の派遣スタッフのうち、現在派遣先で就業中の派遣 スタッフの人 数を回答してください。(数字は概 数で構 いません。) 必 須 人 F7 (新規登録者数) 過去 1 年間に貴社に登 録した派遣スタッフの人数を回答してください。(数字は概数 で構いません。) 必須 人 F8-1 (職種構成) 貴社 の派遣 スタッフについて、最も人数の多い職種を選んでください。(1 つ選択) 必須 1. 事務用機器操作 2. ファイリング 3. 財務処理 4. 取引文書作成 5. テレマーケティング 6. 自由化業務(営業) 7. 自由化業務(販売) 8. 自由化業務(一般事務) 9. その他(下記 に具体的 にお書きください) 9.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 F8-2 (職種構成) 貴社 の派遣 スタッフについて、2 番目に多 い職種を選 んでください。(1 つ選択) 必須 1. 事務用機器操作 2. ファイリング 3. 財務処理 4. 取引文書作成 5. テレマーケティング 6. 自由化業務(営業) 7. 自由化業務(販売) 8. 自由化業務(一般事務) 9. その他(下記 に具体的 にお書きください) 9.その他(具体的な内容をお書きください) 回答 により必須 F9 (男女構成) 貴社の派遣スタッフのうち、女性の占 める割合はどのくらいですか。(1 つ選択) 必 須 1. 20%未満 2. 20∼40%未満 3. 40∼60%未満 4. 60∼80%未満 5. 80%以上 F10 (年齢構成) 貴社 の派遣 スタッフの年齢 について、最も人数 の多い区分から2 つを選んでください。(2 個選択) 必須 1. 20 歳未満 2. 21∼24 歳 3. 25∼29 歳 4. 30∼34 歳 5. 35∼39 歳 6. 40∼44 歳 7. 45∼49 歳 8. 50∼54 歳 9. 55∼59 歳 10. 60 歳以上 F11 (成約率) 貴社の派遣スタッフの中 で、登録後 1 ヵ月以内 (新規登録等必要な教育訓練を行なっている期間を除く)に派遣先 が決定す る人 の割 合はどのくらいいますか。(1 つ選択) 必須 1. 5%未満 2. 5%∼10%未満 3. 10%∼20%未満 4. 20%∼30%未満 5. 30%∼40%未満 6. 40%∼50%未満 7. 50%以上 F12 (派遣会社 での継続就業) 貴社の派遣スタッフの中 で、貴社 の派遣スタッフとして通算 2 年以上働いている派遣スタッフの割合はどのく らいいますか。(1 つ選択) 必須 1. 10%未満 2. 10%∼20%未満 3. 20%∼30%未満 4. 30%∼40%未満 5. 40%∼50%未満 6. 50%∼60%未満 7. 60%∼70%未満 8. 70%以上 ∼アンケートは以上です。ご協 力ありがとうございました。∼ 確認画面へ リセット 派遣スタッフの能力開発に関するアンケート [集計の見方] 調査期間 対象者 調査内容 2007/12/10∼2007/12/21 社団法人日本人材派遣協会会員( 平成19年12月5日時点) 派遣スタッフ(紹介予定派遣を除く) の中で、事務系職種の派遣スタッフに対する能力開発について 「事務系職種」:一般事務や経理事務などの狭義の事務系職種に加えて、営業・ 販売、テレマーケティングなどを 含めた広い意味での事務系職種を指します。 [アンケート調査集計結果] (単位:社) 対象者数 回答者数 回答率 780 71 9.10% <能力開発の考え方> 問1 (事業戦略・人事戦略の方針) 貴社の事業戦略や人事戦略に関する考え方として最も近いものを1つ選んでください。 A 高付加価値の人材派遣サービス の提供を重視している 派遣職種の拡大を重視している 新たに派遣スタッフを配置する派 遣先の開拓を重視している 派遣スタッフの質の確保を重視し ている 即戦力の派遣スタッフの登録を重 視している 問2 Aに近い 25 (35.2%) 6 (8.5%) 8 (11.3%) 24 (33.8%) 21 (29.6%) ややAに近い ややBに近い 33 10 (46.5%) (14.1%) 23 27 (32.4%) (38.0%) 28 27 (39.4%) (38.0%) 31 15 (43.7%) (21.1%) 44 5 (62.0%) (7.0%) ( n=71) B 3 低コストでの人材派遣サービスの (4.2%) 提供を重視している 15 派遣職種の専門化を重視してい (21.1%) る Bに近い 8 (11.3%) 1 (1.4%) 1 (1.4%) 既存の派遣先への派遣スタッフの 継続的な配置を重視している 派遣スタッフの数の確保を重視し ている 就業経験の少ない派遣スタッフの 登録を重視している (能力開発方針) 貴社の派遣スタッフの能力開発に関する考え方として最も近いものを1つ選んでください。 A 派遣スタッフの能力開発は派遣先 や派遣会社が積極的に行なう 派遣スタッフの能力開発は派遣元 が積極的に行なう 派遣スタッフの能力開発は主とし てOff-JTによって行なう 派遣スタッフの能力開発のために 異なる派遣先を経験させる 派遣スタッフの能力開発のために 異なる仕事を経験させる 今の仕事に活かせる能力開発を 支援する Aに近い 14 (19.7%) 11 (15.5%) 7 (9.9%) 1 (1.4%) 2 (2.8%) 10 (14.1%) ややAに近い ややBに近い 38 16 (53.5%) (22.5%) 35 22 (49.3%) (31.0%) 27 30 (38.0%) (42.3%) 20 39 (28.2%) (54.9%) 15 44 (21.1%) (62.0%) 32 25 (45.1%) (35.2%) 219 ( n=71) B 3 派遣スタッフの能力開発はスタッ (4.2%) フ本人の自主性に任せる 3 派遣スタッフの能力開発は派遣先 (4.2%) に任せる 7 派遣スタッフの能力開発は主とし (9.9%) てOJTによって行なう Bに近い 11 (15.5%) 10 (14.1%) 4 (5.6%) 派遣スタッフの能力開発のために 同じ派遣先を長く経験させる 派遣スタッフの能力開発のために 同じ仕事を長く経験させる 今の仕事だけでなく次の仕事にも 活かせる能力開発を支援する <派遣スタッフに対する能力開発の現状> 問3 問4 (能力開発を行なう理由) 貴社の費用負担で派遣スタッフの能力開発を行なう理由は何ですか。(3個まで選択) ( n=71) 1. 派遣先のニーズの変化に対応するため 19 (26.8%) 2. 派遣先の専門的なニーズに対応するため 39 (54.9%) 3. 能力向上に関する派遣スタッフの希望に応えるため 30 (42.3%) 4. 派遣スタッフの長期的なキャリア形成を支援するため 24 (33.8%) 5. 派遣スタッフ全体の能力水準の底上げを行なうため 28 (39.4%) 6. 派遣会社としてのイメージアップのため 10 (14.1%) 7. 派遣スタッフの登録者数を増やすため 9 (12.7%) 8. 派遣スタッフの定着を図るため 32 (45.1%) 9. 派遣先に対する営業活動を有利に行うため 4 (5.6%) 10. 派遣料金の引上げに資するため 4 (5.6%) 11. 同業他社も行なっているため 0 (0.0%) 12. 会社の費用負担による能力開発は行なっていない 2 (2.8%) 13. その他 2 (2.8%) 14. 上記のいずれも重視していない 0 (0.0%) (能力評価) 貴社では、どのようなことを重視して、派遣スタッフの職業能力を評価していますか。(あてはまるものを全て選択) (複 数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. これまでの仕事の経歴 直近に担当した仕事の内容 仕事の経験年数 保有する資格 派遣先での働きぶりや仕事内容に関する評価 能力評価のためのテスト(自社で独自に開発したもの) 能力評価のためのテスト(公的ないし一般に市販されているも の) 8. その他 9. とくに能力評価は行っていない 60 32 41 32 62 17 9 ( n=71) (84.5%) (45.1%) (57.7%) (45.1%) (87.3%) (23.9%) (12.7%) 1 0 (1.4%) (0.0%) 問5 (能力評価の時期) 貴社では派遣スタッフの能力評価をいつ実施していますか。(あてはまるものを全て選択) (複数選択可) ( n=71) 1. 派遣スタッフとしての登録時に 59 (83.1%) 2. 派遣先の紹介時に 14 (19.7%) 3. 派遣先の契約更新時に 29 (40.8%) 4. 派遣先の契約終了時に 10 (14.1%) 5. 派遣スタッフの就業中に 28 (39.4%) 6. 派遣スタッフが就業していない時に 2 (2.8%) 7. 本人が希望した時に 14 (19.7%) 8. その他 3 (4.2%) 9. 上記のいずれも行なっていない 0 (0.0%) 問6 (教育研修の実施主体) 貴社あるいは貴社のグループ企業では、派遣スタッフを対象とした教育研修を実施していますか。(1つ 選択) 1. 2. 3. 4. 自社として実施している 自社では実施せずグループ企業として実施している 自社とグループ企業の両方で実施している 実施していない 60 1 8 2 220 ( n=71) (84.5%) (1.4%) (11.3%) (2.8%) 問7 (教育研修の内容) 貴社、又は貴社のグループ企業が実施している教育研修(提携スクールや通信教育などを除く)に関してあて はまるものを全て選んでください。( 複数選択可) ( n=69) (1)既に導入しているも (2)全員、又は一定の条 (3)特に重視しているも の 件に合致するスタッフに の 受講を義務付けている 講座やコースが含まれ ている もの 問8 a. OAスキル研修 b. 語学研修 c. ビジネススキル研修(コミュニケーションやマネジメ ントスキルなど) 48 10 26 (69.6%) (14.5%) (37.7%) 16 0 6 (23.2%) (0.0%) (8.7%) 30 3 11 (43.5%) (4.3%) (15.9%) d. 職能別研修(営業、経理、貿易など) e. 業界セミナー f. 公的資格( 簿記、証券外務員など)取得に関する 研修 23 7 9 (33.3%) (10.1%) (13.0%) 9 3 2 (13.0%) (4.3%) (2.9%) 11 3 3 (15.9%) (4.3%) (4.3%) g. h. i. j. k. l. m. 28 38 50 20 12 8 3 (40.6%) (55.1%) (72.5%) (29.0%) (17.4%) (11.6%) (4.3%) 21 32 27 4 4 3 14 (30.4%) (46.4%) (39.1%) (5.8%) (5.8%) (4.3%) (20.3%) 21 28 29 7 4 4 6 (30.4%) (40.6%) (42.0%) (10.1%) (5.8%) (5.8%) (8.7%) コンプライアンス研修 情報保護に関する研修 ビジネスマナー研修 キャリアカウンセリング(個別相談) キャリアセミナー(集合研修) その他 上記のいずれも該当しない (教育研修の受講者数) 過去1年間に貴社あるいは貴社のグループ企業の教育研修を受講した貴社の派遣スタッフの人数を累 計で回答ください。数字は概数で構いません。 最小 2 中央値 200 平均 2,802 (n=68) 最大 50,000 教育訓練の受講者数÷稼働者数(問8÷F6) 20%未満 20%以上∼40%未満 40%以上∼60%未満 60%以上∼80%未満 80%以上∼100%未満 100%以上 12 17 6 9 4 18 (n=66) (18.2%) (25.8%) (9.1%) (13.6%) (6.1%) (27.3%) 221 問9 過去1年間に貴社あるいは貴社のグループ企業のOAスキル研修を受講した貴社の派遣スタッフの人数を累計で回答下さい。数 字は概数で構いません。 最小 1 中央値 210 平均 1,989 (n=47) 最大 30,000 OAスキル研修の受講者数÷稼働者数(問9÷F6) (n=46) 25 (54.3%) 20%未満 11 (23.9%) 20%以上∼40%未満 2 (4.3%) 40%以上∼60%未満 5 (10.9%) 60%以上∼80%未満 1 (2.2%) 80%以上∼100%未満 2 (4.3%) 100%以上 ※F6に無効回答が1つあった。 付問1 問9で回答した人数のうち、OAスキル研修を全額会社の費用負担で受講した貴社の派遣スタッフの比率はどの程度ですか。 (n=48) 1. 0% 1 (2.1%) 2. 1∼20%未満 5 (10.4%) 3. 20∼40%未満 2 (4.2%) 4. 40∼60%未満 1 (2.1%) 5. 60∼80%未満 1 (2.1%) 6. 80∼100%未満 7 (14.6%) 7. 100%以上 31 (64.6%) 問10 貴社あるいは貴社のグループ会社には、貴社の派遣スタッフ向けのeラーニングの仕組みはありますか。 (n=69) 1. ある 19 (27.5%) 2. ない 50 (72.5%) 問11 貴社あるいは貴社のグループ会社には、貴社の派遣スタッフ向けの提携スクールの入学金や受講料の割引制度がありますか。 (n=69) 1. ある 40 (58.0%) 2. ない 29 (42.0%) 問12 貴社あるいは貴社のグループ会社には、貴社の派遣スタッフ向けの通信教育の費用補助制度がありますか。 (n=69) 1. ある 27 (39.1%) 2. ない 42 (60.9%) 222 問13 (教育研修の効果測定) 貴社では派遣スタッフへの教育研修の効果を測定するために、つぎのようなことを実施していますか。(あ てはまるものを全て選択)( 複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 受講した派遣スタッフの能力評価の実施 受講した派遣スタッフの教育研修に関する満足度の調査 受講した派遣スタッフの稼働率の把握 受講した派遣スタッフの継続就業期間の把握 受講した派遣スタッフの派遣先での働きぶりや仕事内容の評価の実施 受講した派遣スタッフの資格取得率の把握 派遣スタッフの教育研修への出席率の把握 教育研修の定員充足率の把握 教育研修を理由に登録した派遣スタッフの人数や割合の把握 その他 上記のいずれも測定していない 24 32 12 10 18 8 9 7 9 0 17 ( n=69) (34.8%) (46.4%) (17.4%) (14.5%) (26.1%) (11.6%) (13.0%) (10.1%) (13.0%) (0.0%) (24.6%) 問14 (教育訓練費用) 貴社の派遣スタッフに対する過去1年間の教育訓練費用はどのくらいですか。教育訓練費用の範囲は貴社の定 義で結構です。( 1つ選択) ( n=69) 売上規模 1.1億 2.1億 3.5億 4.10億 5.20億 円未満 円∼5億 円∼10 円∼20 円∼50 円未満 億円未 億円未 億円未 満 満 満 1. 1000万円未満 2. 1000万円∼3000万円未満 教 育 訓 練 費 用 3. 3000万円∼5000万円未満 4. 5000万円∼1億円未満 5. 1億円∼1億5000万円未満 6. 1億5000万円以上 7. わからない 11 11 10 3 11 (4.3%) (15.9%) (15.9%) (15.9%) (14.5%) 0 0 0 1 0 (0.0%) (0.0%) (0.0%) (1.4%) (0.0%) 0 0 0 0 0 (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) 0 0 0 0 0 (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) 0 0 0 0 0 (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) 0 0 0 0 0 (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) 0 0 1 1 3 (0.0%) (0.0%) (1.4%) (1.4%) (4.3%) 6.50億 円∼100 億円未 満 3 (4.3%) 1 (1.4%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 7.100 8.700 億円∼ 億円以 700億円 上 未満 3 (4.3%) 2 (2.9%) 0 (0.0%) 2 (2.9%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (1.4%) 0 52 (0.0%) (75.4%) 0 4 (0.0%) (5.8%) 1 1 (1.4%) (1.4%) 2 4 (2.9%) (5.8%) 0 0 (0.0%) (0.0%) 2 2 (2.9%) (2.9%) 0 6 (0.0%) (8.7%) 問15 (教育訓練費用の管理基準) 貴社では派遣スタッフの教育訓練費用をどのような基準で管理していますか。(1つ選択) ( n=69) 1. 売上高に占める割合 8 (11.6%) 2. 営業利益に占める割合 1 (1.4%) 3. 登録している派遣スタッフ数の増減 1 (1.4%) 4. 就業している派遣スタッフ数の増減 2 (2.9%) 5. 前年度の教育訓練費用 15 (21.7%) 6. その他 6 (8.7%) 7. 特に管理する基準はない 36 (78.3%) 223 問16 (能力開発促進策) 貴社では派遣スタッフの能力向上への取組み意欲を高めるために実施しているものを全て選んでください。 (複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 派遣就業開始時の教育研修受講のアドバイス 派遣就業中の教育研修受講のアドバイス 派遣終了後の教育研修受講のアドバイス 郵送やメールによる教育研修の周知や教育研修受講のアドバイス ホームページでの教育研修の周知・案内 教育訓練の受講費用の支援制度の導入 派遣スタッフの職業能力を評価し、賃金に反映させる制度の導入 その他 上記のいずれも実施していない 12 7 2 9 18 11 4 1 9 ( n=71) (16.9%) (9.9%) (2.8%) (12.7%) (25.4%) (15.5%) (5.6%) (1.4%) (12.7%) 問17 (教育研修以外の取り組み) 派遣スタッフの能力向上やキャリア形成のために貴社として重視しているものを全て選んでください。 (複数選択可) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 派遣スタッフの能力を高められる派遣先への配置 派遣スタッフの能力の幅を拡げられる派遣先への配置 派遣スタッフ本人の希望を尊重した派遣先への配置 コーディネーターや営業担当者による派遣スタッフへのヒヤリングやアドバイ ス 21 20 56 57 ( n=71) (29.6%) (28.2%) (78.9%) (80.3%) 専門カウンセラーや相談窓口の設置 派遣スタッフの能力向上につながる派遣先の開拓 コーディネーターと営業担当者の計画的な育成 コーディネーターと営業担当者の定期的な情報交換 教育訓練担当者(トレーナー)やキャリアカウンセラーの育成 派遣先に対する派遣スタッフの仕事内容に関する交渉 派遣先に対する派遣スタッフの能力向上に伴う派遣料金の交渉 その他 上記のいずれも重視していない 9 20 11 28 15 33 32 1 1 (12.7%) (28.2%) (15.5%) (39.4%) (21.1%) (46.5%) (45.1%) (1.4%) (1.4%) 問18 (派遣先との連携) 派遣スタッフの能力開発に関して、派遣先と連携して実施しているものを全て選んでください。(複数選択可) ( n=71) 1. 特定の派遣先のためにカスタマイズした教育研修 26 (36.6%) 2. 派遣先のコンプライアンスや情報保護に関する教育研修 38 (53.5%) 3. 派遣先の仕事に必要な能力に関する情報交換 51 (71.8%) 4. 派遣スタッフの能力開発の必要性などに関する情報交換 18 (25.4%) 5. 派遣スタッフの派遣先における職業能力の評価に関する情報交換 26 (36.6%) 6. 派遣スタッフのキャリアプランに関する情報交換 4 (5.6%) 7. 派遣先の社員向けの教育研修に派遣スタッフが参加できるようにする 29 (40.8%) 8. 派遣先での指導体制に関する相談やアドバイスを行う 15 (21.1%) 9. その他 0 (0.0%) 10. 上記のいずれも実施していない 6 (8.5%) 224 <未経験者やブランク経験者の能力開発> 問19 (未経験者の能力開発) 貴社は、実務経験の少ない派遣スタッフ( 例: 正社員経験がない等) に対する教育訓練を実施しています か。(1つ選択) 1. 実務経験が少ない派遣スタッフのための教育訓練を実施して いる 19 ( n=71) (26.8%) 2. 特別の教育訓練はないが、必要に応じて他の派遣スタッフと同 様の教育訓練を実施している 3. 実務経験の少ない派遣スタッフも登録できるが、そのための教 育訓練は特に実施していない 4. 実務経験の少ない派遣スタッフは登録しない、あるいは登録で きない 28 (39.4%) 22 (31.0%) 2 (2.8%) 付問1 問19で1と回答した場合、昨年の受講者数とそのうち実際に派遣された人数を回答してください。(数字は概数で構いません) ( n=18) 最小 中央値 平均 最大 10 77.5 389 2,000 受講者数 5 45 192 1,000 そのうち実際に派遣された人数 実際に派遣された人数÷受講者数 20%未満 20%以上∼40%未満 40%以上∼60%未満 60%以上∼80%未満 80%以上 1 4 2 6 5 (n=18) (5.6%) (22.2%) (11.1%) (33.3%) (27.8%) 問20 (ブランク経験者の能力開発) 出産や育児などの事情により就業期間にブランクのある派遣スタッフに対する教育訓練を実施して いますか。(1つ選択) 1. 就業期間にブランクのある派遣スタッフのための教育訓練を実 施している 5 ( n=71) (7.0%) 2. 特別の教育訓練はないが、必要に応じて他の派遣スタッフと同 様の教育訓練を実施している 34 (47.9%) 3. 就業期間にブランクがある派遣スタッフも登録できるが、そのた めの教育訓練は特に実施していない 32 (45.1%) 0 (0.0%) 4. 就業期間にブランクがある派遣スタッフは登録しない、あるい は登録できない 付問1 問20で1と回答した場合、昨年の受講者数とそのうち実際に派遣された人数を回答してください。(数字は概数で構いません) ( n=5) 最小 中央値 平均 最大 20 38 38 60 受講者数 3 5 7 12 そのうち実際に派遣された人数 実際に派遣された人数÷受講者数 25%未満 25%以上 3 2 (n=5) (60.0%) (40.0%) 問21 (特定職種の能力開発) 特定職種(例えば、貿易事務、金融事務、MRなど) の派遣スタッフを育成するために設けた教育訓練は ありますか。 225 1. ある 2. ない 18 53 (n=71) (25.4%) (74.6%) 付問1 問21で1と回答した場合、昨年の受講者数とそのうち実際に派遣された人数を回答してください。(数字は概数で構いません) ( n=17) 最小 中央値 平均 最大 10 109 429 2,870 受講者数 1 30 314 2,870 そのうち実際に派遣された人数 実際に派遣された人数÷受講者数 20%未満 20%以上∼40%未満 40%以上∼60%未満 60%以上∼80%未満 80%以上 4 6 2 2 3 (n=17) (23.5%) (35.3%) (11.8%) (11.8%) (17.6%) <派遣スタッフの能力開発を行なう上での課題> 問22 貴社が、派遣スタッフに能力開発を行なううえでの課題は何ですか。(あてはまるものを全て選択) (複数選択可) ( n=71) 1. 派遣スタッフ本人の能力向上に対する取り組み意欲が低い 26 (36.6%) 2. 派遣スタッフ本人のキャリア形成に対する意識が低い 18 (25.4%) 3. 派遣スタッフ自身が教育訓練を受講する時間を確保できない 34 (47.9%) 4. 教育訓練の利用率が低い 21 (29.6%) 5. 能力開発を行なうために自社の費用負担が大きい 25 (35.2%) 6. 能力開発を実施しても派遣スタッフが他の派遣会社に移ってしまう 30 (42.3%) 7. 技術革新や業務変更が頻繁なため、能力開発が追いつかない 5 (7.0%) 8. 派遣スタッフが希望している能力開発の内容がよくわからない 4 (5.6%) 9. 派遣スタッフの能力開発を効果的に行なう方法がよくわからない 8 (11.3%) 10. 派遣先が派遣スタッフの能力開発に協力的でない 3 (4.2%) 11. 派遣スタッフの教育訓練の機会の提供に地域で差が生じている 19 (26.8%) 12. 教育訓練を行なっても派遣スタッフの就業につながらない 19 (26.8%) 13. 派遣先の能力開発に対するニーズがわからない 2 (2.8%) 14. 派遣先の能力開発ニーズに応えるための効果的な教育訓練の方法がわか 3 (4.2%) らない 15. 16. 17. 18. 26 22 0 1 教育訓練の効果を測定しにくい 派遣スタッフを教育訓練できる人材が不足している その他 特に課題はない 226 (36.6%) (31.0%) (0.0%) (1.4%) <公的支援や業界の取り組みへの要望> 問23 貴社が、派遣スタッフに能力開発を行なううえで、公的機関や業界団体に対する要望がありますか。(あてはまるものを全て選択) (複数選択可) 1. トレーニングセンターの設置など業界全体で派遣スタッフの能力開発を行 なう仕組み 36 ( n=71) (50.7%) 2. 派遣スタッフの能力に関する共通の評価基準の作成 3. 資格取得に対する派遣スタッフ個人への公的な助成 4. 派遣元が実施する未経験者やブランク経験者に対する教育訓練に対する 公的な資金助成 26 36 36 (36.6%) (50.7%) (50.7%) 5. 派遣スタッフの能力開発に関する講師や教材の紹介等の支援 34 (47.9%) <派遣会社の基本属性> F1 (派遣事業開始年) 貴社の派遣事業を開始した年を西暦で回答してください。 (n=71) 3 (4.2%) ∼1970年 3 (4.2%) ∼1980年 29 (40.8%) ∼1990年 20 (28.2%) ∼2000年 16 (22.5%) 2001年∼ F2 (労働者派遣事業の区別) 貴社の労働者派遣事業について回答してください。 ( n=71) 1. 一般労働者派遣事業 71 (100.0%) 2. 特定労働者派遣事業 0 (0.0%) F3 (資本形態) 貴社には親会社がありますか。 1. ある(貴社は子会社・関連会社) 2. ない(貴社は独立企業) 45 26 ( n=71) (63.4%) (36.6%) F4 (企業規模) 貴社の派遣事業の直近の年間売上高について回答してください。(1つ選択) ( n=71) 1. 1億円未満 3 (4.2%) 2. 1億円∼5億円未満 12 (16.9%) 3. 5億円∼10億円未満 13 (18.3%) 4. 10億円∼20億円未満 13 (18.3%) 5. 20億円∼50億円未満 13 (18.3%) 6. 50億円∼100億円未満 4 (5.6%) 7. 100億円∼700億円未満 8 (11.3%) 8. 700億円以上 5 (7.0%) <派遣会社の基本属性> ※ 以下は事務系職種以外の職種の派遣スタッフも含めて回答してください。なお、特に指示のない限り、貴社に登録している派遣スタッ フ及び貴社が雇用している派遣スタッフの両方を含みます。 F5 (登録者数) 貴社に登録している派遣スタッフ数を回答してください。(登録者の範囲は貴社の定義で結構です。) (n=69) 最小 平均 最大 13 29,626 500,000 227 F6 (稼働者数) 貴社の派遣スタッフのうち、現在派遣先で就業中の派遣スタッフの人数を回答してください。(数字は概数で構いませ ん。) 最小 10 平均 5,931 (n=69) 最大 100,000 F7 (新規登録者数) 過去1年間に貴社に登録した派遣スタッフの人数を回答してください。(数字は概数で構いません。) (n=69) 最小 平均 最大 14 8,941 150,000 F8 (職種構成) 貴社の派遣スタッフについて、多い職種を選んでください。(1つ選択) ( n=71) 最も人数運多い職種 2番目に多い職種 1. 事務用機器操作 41 (57.7%) 17 (23.9%) 2. ファイリング 3 (4.2%) 9 (12.7%) 3. 財務処理 3 (4.2%) 2 (2.8%) 4. 取引文書作成 2 (2.8%) 7 (9.9%) 5. テレマーケティング 0 (0.0%) 5 (7.0%) 6. 自由化業務(営業) 1 (1.4%) 3 (4.2%) 7. 自由化業務(販売) 5 (7.0%) 0 (0.0%) 8. 自由化業務(一般事務) 6 (8.5%) 13 (18.3%) 9. その他 10 (14.1%) 15 (21.1%) F9 (男女構成) 貴社の派遣スタッフのうち、女性の占める割合はどのくらいですか。(1つ選択) (n=71) 1. 20%未満 4 (5.6%) 2. 20∼40%未満 5 (7.0%) 3. 40∼60%未満 5 (7.0%) 4. 60∼80%未満 20 (28.2%) 5. 80%以上 37 (52.1%) F10 (年齢構成) 貴社の派遣スタッフの年齢について、最も人数の多い区分から2つを選んでください。(2個選択) (n=71) 1. 20歳未満 0 (0.0%) 2. 21∼24歳 3 (4.2%) 3. 25∼29歳 35 (49.3%) 4. 30∼34歳 53 (74.6%) 5. 35∼39歳 28 (39.4%) 6. 40∼44歳 12 (16.9%) 7. 45∼49歳 7 (9.9%) 8. 50∼54歳 1 (1.4%) 9. 55∼59歳 1 (1.4%) 10. 60歳以上 2 (2.8%) 228 F11 (成約率) 貴社の派遣スタッフの中で、登録後1ヵ月以内( 新規登録等必要な教育訓練を行なっている期間を除く) に派遣先が決 定する人の割合はどのくらいいますか。( 1つ選択) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. F12 5%未満 5%∼10%未満 10%∼20%未満 20%∼30%未満 30%∼40%未満 40%∼50%未満 50%以上 5 8 16 16 10 7 9 ( n=71) (7.0%) (11.3%) (22.5%) (22.5%) (14.1%) (9.9%) (12.7%) (派遣会社での継続就業) 貴社の派遣スタッフの中で、貴社の派遣スタッフとして通算2年以上働いている派遣スタッフの割合は どのくらいいますか。( 1つ選択) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 5%未満 5%∼10%未満 10%∼20%未満 20%∼30%未満 30%∼40%未満 40%∼50%未満 50%以上 51%以上 10 5 18 13 8 8 5 4 ( n=71) (14.1%) (7.0%) (25.4%) (18.3%) (11.3%) (11.3%) (7.0%) (5.6%) 229 本集計に当たっては以下の修正を行った。 問3 (能力開発を行なう理由) 修正① 1∼13の選択をして、14も選択した場合は14を削除した。 問4 (能力評価) 修正① 1∼8の選択をして、9も選択した場合は9を削除した。 問5 (能力評価の時期) 修正① 1∼8の選択をして、9も選択した場合は9を削除した。 問7 (教育研修の内容) 修正① 修正② 修正③ 修正④ 問8 問6で4を選択した場合は問7の回答を無効とした。 (2)の選択した項目は(1)でも選択とした。 (1)の未選択の項目は(3)でも未選択とした。 (1)∼(3)のいずれにおいても、a∼lの選択をして、mも選択した場合はmを削除した。 (教育研修の受講者数) 修正① 問6で4を選択した場合は問8の回答を無効とした。 修正② 「0」回答の場合は無効とした。 問9 修正① 問6で4を選択した場合は問9の回答を無効とした。 修正② 問7(1)でaを選択した場合以外の回答は無効とした。 修正③ 「0」回答の場合は無効とした。 付問1 修正① 問6で4を選択した場合は問9-付問1の回答を無効とした。 修正② 問9の回答が有効だった場合以外の回答は無効とした。 問10 修正① 問6で4を選択した場合は問10の回答を無効とした。 問11 修正① 問6で4を選択した場合は問11の回答を無効とした。 問12 修正① 問6で4を選択した場合は問12の回答を無効とした。 問13 (教育研修の効果測定) 修正① 問6で4を選択した場合は問13の回答を無効とした。 修正② 1∼10の選択をして、11も選択した場合は11を削除した。 問14 (教育訓練費用) 修正① 問6で4を選択した場合は問14の回答を無効とした。 問15 (教育訓練費用の管理基準) 修正① 問6で4を選択した場合は問15の回答を無効とした。 問16 (能力開発促進策) 修正① 1∼8の選択をして、9も選択した場合は9を削除した。 230 問17 (教育研修以外の取り組み) 修正① 1∼12の選択をして、13も選択した場合は13を削除した。 問18 (派遣先との連携) 修正① 1∼9の選択をして、10も選択した場合は10を削除した。 問19 (未経験者の能力開発) 付問1 修正① 問19で1を選択した場合以外の回答は無効とした。 修正② 「そのうち実際に派遣された人数」>「 受講者数」 という場合は無効とした。 修正③ 「受講者」=0の場合の回答は有効とした。 問20 (ブランク経験者の能力開発) 付問1 修正① 問20で1を選択した場合以外の回答は無効とした。 修正② 「そのうち実際に派遣された人数」>「 受講者数」 の場合は無効とした。 修正③ 「受講者」=0の場合の回答は有効とした。 問21 (特定職種の能力開発) 付問1 修正① 問21で1を選択した場合以外の回答は無効とした。 修正② 「そのうち実際に派遣された人数」>「 受講者数」 の場合は無効とした。 修正③ 「受講者」=0の場合の回答は有効とした。 問22 修正① 1∼17の選択をして、18も選択した場合は18を削除した。 F5 修正① F5×2≦F6はF5の回答を無効とした。 (特定派遣を兼業している可能性もあるが、F2で「 2.特定労働者派遣事業」 を選択した回答者がいないので登録者の2倍以 上の稼動者はいないと仮定) F6 修正① F5×2≦F6はF6の回答を無効とした。 (特定派遣を兼業している可能性もあるが、F2で「 2.特定労働者派遣事業」 を選択した回答者がいないので登録者の2倍以 上の稼動者はいないと仮定) F7 修正① F5×2≦F6はF7の回答を無効とした。 (特定派遣を兼業している可能性もあるが、F2で「 2.特定労働者派遣事業」 を選択した回答者がいないので登録者の2倍以 上の稼動者はいないと仮定。よってF7の人数の信頼度も低いと考えられので無効とした。) 231 問1 (事業戦略・人事戦略の方針) 貴社の事業戦略や人事戦略に関する考え方として最も近いものを1つ選んでください。 (単位: %) ッ ッ 37.8 42.2 17.8 2.2 8.9 33.3 44.4 13.3 13.3 33.3 40.0 13.3 35.6 44.4 20.0 独立系 30.8 53.8 7.7 7.7 30.8 26.9 34.6 10億円未満 46.4 39.3 14.3 や や A に 近 い や や B に 近 い B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い ッ A に 近 い ッ ッ 全体 や や B に 近 い A B 即就 戦業 力経 の験 派の 遣少 スな タい 派 フ遣 のス 登タ 録 をフ 重の 視登 し録 てを い重 る視 し て い る フフ のの 質数 のの 確確 保保 をを 重重 視視 しし てて いい るる B に 近 い B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い n や や B に 近 い B に 近 い 0.0 24.4 66.7 6.7 2.2 45 7.7 30.8 42.3 23.1 3.8 38.5 53.8 7.7 0.0 26 0.0 14.3 21.4 39.3 25.0 14.3 32.1 42.9 10.7 50.0 35.7 10.7 3.6 32.1 57.1 7.1 3.6 28 10億円以上100億円未満 20.0 56.7 16.7 6.7 6.7 40.0 30.0 23.3 10.0 46.7 30.0 13.3 20.0 56.7 23.3 0.0 33.3 60.0 6.7 0.0 30 100億円以上 7.7 7.7 0.0 38.5 53.8 7.7 30.8 30.8 38.5 0.0 15.4 76.9 7.7 0.0 13 35.2 46.5 14.1 4.2 8.5 32.4 38.0 21.1 11.3 39.4 38.0 11.3 33.8 43.7 21.1 1.4 29.6 62.0 7.0 1.4 71 資本形態 資本系 売上高 や や A に 近 い A B 派派 遣遣 スス タタ ッ ー ー ビビ スス のの 提提 供供 をを 重重 視視 しし てて いい るる A に 近 い A B 新既 た存 にの 派派 遣遣 ス先 タへ の フ派 を遣 配ス 置タ す るフ 派の 遣継 先続 の的 開な 拓配 を置 重を 視重 し視 てし いて るい る A B 派派 遣遣 職職 種種 のの 拡専 大門 を化 重を 視重 し視 てし いて るい る A B 高低 付コ 加ス 価ト 値で のの 人人 材材 派派 遣遣 ササ 46.2 38.5 7.7 7.7 233 7.7 50.0 34.6 7.7 38.5 46.2 問2 (能力開発方針) 貴社の派遣スタッフの能力開発に関する考え方として最も近いものを1つ選んでください。 (単位: %) フフ のの 能能 力力 開開 発発 はは 派ス 遣タ 先 やフ 派本 遣人 会の 社自 が主 積性 極に 的任 にせ 行る な う フフ のの 能能 力力 開開 発発 はは 派派 遣遣 元先 がに 積任 極せ 的る に 行 な う フフ のの 能能 力力 開開 発発 はは 主主 とと しし てて O O f J f T - に J よ T にて よ行 な てう 行 な う フフ のの 能能 力力 開開 発発 のの たた めめ にに 異同 なじ る派 派遣 遣先 先を を長 経く 験経 さ験 せさ るせ る フフ のの 能能 力力 開開 発発 のの たた めめ にに 異同 なじ る仕 仕事 事を を長 経く 験経 さ験 せさ るせ る ッ や や B に 近 い っ や や A に 近 い っ A に 近 い B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い 資本形態 資本系 26.7 46.7 22.2 4.4 17.8 53.3 26.7 2.2 11.1 42.2 40.0 独立系 7.7 65.4 23.1 3.8 11.5 42.3 38.5 7.7 21.4 57.1 14.3 7.1 17.9 35.7 39.3 売上高 全体 B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い A B 今今 のの 仕仕 事事 にだ 活け かで せな るく 能次 力の 開仕 発事 をに 支も 援活 すか るせ る 能 力 開 発 を 支 援 す る ッ ッ A B 派派 遣遣 スス タタ ッ ッ A B 派派 遣遣 スス タタ ッ ッ A B 派派 遣遣 スス タタ ッ ッ A B 派派 遣遣 スス タタ ッ ッ A B 派派 遣遣 スス タタ B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い B に 近 い A に 近 い や や A に 近 い や や B に 近 い n B に 近 い 6.7 2.2 28.9 51.1 17.8 2.2 22.2 60.0 15.6 13.3 51.1 31.1 4.4 45 7.7 30.8 46.2 15.4 0.0 26.9 61.5 11.5 3.8 19.2 65.4 11.5 15.4 34.6 42.3 7.7 26 7.1 10.7 32.1 42.9 14.3 0.0 28.6 60.7 10.7 3.6 14.3 71.4 10.7 14.3 42.9 35.7 7.1 28 10億円以上100億円未満 16.7 53.3 30.0 0.0 10.0 56.7 33.3 0.0 3.3 43.3 43.3 10.0 3.3 26.7 50.0 20.0 3.3 23.3 53.3 20.0 13.3 50.0 30.0 6.7 30 100億円以上 10億円未満 23.1 46.2 23.1 7.7 23.1 61.5 7.7 19.7 53.5 22.5 4.2 15.5 49.3 31.0 7.7 23.1 38.5 38.5 0.0 0.0 30.8 53.8 15.4 0.0 30.8 61.5 7.7 15.4 38.5 46.2 0.0 13 4.2 9.9 1.4 28.2 54.9 15.5 2.8 21.1 62.0 14.1 14.1 45.1 35.2 5.6 71 9.9 38.0 42.3 234 問3 (能力開発を行なう理由) 貴社の費用負担で派遣スタッフの能力開発を行なう理由は何ですか。(3個まで選択) (単位: %) 12 13 14 派 遣 先 の ニ 派 遣 先 の 専 門 的 な ニ 能 力 向 上 に 関 す る 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ リ ア 形 成 を 支 援 す る た め フ の 登 録 者 数 を 増 や す た め フ の 定 着 を 図 る た め 派 遣 料 金 の 引 上 げ に 資 す る た め 同 業 他 社 も 行 な フ の 希 望 に 応 え る た め フ 全 体 の 能 力 水 準 の 底 上 げ を 行 な う た め 派 遣 先 に 対 す る 営 業 活 動 を 有 利 に 行 う た め 会 社 の 費 用 負 担 に よ る 能 力 開 発 は 行 な そ の 他 フ の 長 期 的 な キ 派 遣 会 社 と し て の イ メ 上 記 の い ず れ も 重 視 し て い な い ジ ア ッ て い な い ︶ プ の た め て い る た め っ ズ に 対 応 す る た め ャ ズ の 変 化 に 対 応 す る た め 下 記 に 具 体 的 に お 書 き く だ さ い ︵ 11 ︵ 10 っ 9 ッ 8 ッ 7 ー 6 ッ 5 ッ 4 ッ 3 ー 2 ー 1 n 、 こ ち ら を 選 択 し た 場 合 ェッ 他 の 項 目 は チ ︶ ク し な い で く だ さ い 資本形態 資本系 26.7 51.1 46.7 33.3 40.0 8.9 17.8 51.1 6.7 0.0 0.0 2.2 2.2 0.0 45 独立系 26.9 61.5 34.6 34.6 38.5 23.1 3.8 34.6 3.8 15.4 0.0 3.8 3.8 0.0 26 10億円未満 10.7 53.6 39.3 39.3 46.4 17.9 7.1 50.0 7.1 3.6 0.0 7.1 3.6 0.0 28 10億円以上100億円未満 40.0 43.3 43.3 30.0 40.0 10.0 13.3 56.7 0.0 6.7 0.0 0.0 3.3 0.0 30 100億円以上 30.8 84.6 46.2 30.8 23.1 15.4 23.1 7.7 15.4 7.7 0.0 0.0 0.0 0.0 13 26.8 54.9 42.3 33.8 39.4 14.1 12.7 45.1 5.6 5.6 0.0 2.8 2.8 0.0 71 売上高 全体 235 問4 (能力評価) 貴社では、どのようなことを重視して、派遣スタッフの職業能力を評価していますか。(あてはまるものを全て選 択)(複数選択可) (単位: %) 3 4 5 6 7 8 9 こ れ ま で の 仕 事 の 経 歴 直 近 に 担 当 し た 仕 事 の 内 容 仕 事 の 経 験 年 数 保 有 す る 資 格 派 遣 先 で の 働 き ぶ り や 仕 事 内 容 に 関 す る 評 価 能 力 評 価 の た め の テ ス ト 能 力 評 価 の た め の テ ス ト そ の 他 と く に 能 力 評 価 は 行 自 社 で 独 自 に 開 発 し た も の 公 的 な い し 一 般 に 市 販 さ れ て い る も の ︵ 2 っ 下 記 に 具 体 的 に お 書 き く だ さ い ︵ ︵ 1 ︵ て い な い ︶ n 、 ︶ こ ち ら を 選 択 し た 場 合 ︶ 他 の 項 目 は チ ェッ ︶ ク し な い で く だ さ い 資本形態 資本系 82.2 44.4 53.3 42.2 84.4 20.0 13.3 2.2 0.0 45 独立系 88.5 46.2 65.4 50.0 92.3 30.8 11.5 0.0 0.0 26 10億円未満 92.9 42.9 57.1 57.1 82.1 17.9 7.1 3.6 0.0 28 10億円以上100億円未満 73.3 33.3 50.0 36.7 93.3 20.0 16.7 0.0 0.0 30 100億円以上 92.3 76.9 76.9 38.5 84.6 46.2 15.4 0.0 0.0 13 84.5 45.1 57.7 45.1 87.3 23.9 12.7 1.4 0.0 71 売上高 全体 236 問5 (能力評価の時期) 貴社では派遣スタッフの能力評価をいつ実施していますか。(あてはまるものを全て選択)(複数選択 可) (単位: %) 5 6 7 8 9 派 遣 ス タ 派 遣 先 の 紹 介 時 に 派 遣 先 の 契 約 更 新 時 に 派 遣 先 の 契 約 終 了 時 に 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ そ の 他 フ の 就 業 中 に フ が 就 業 し て い な い 時 に 本 人 が 希 望 し た 時 に 上 記 の い ず れ も 行 な 下 記 に 具 体 的 に お 書 き く だ さ い っ て い な い ︵ フ と し て の 登 録 時 に ︵ 4 ッ 3 ッ 2 ッ 1 ︶ こ ち ら を 選 択 し た 場 合 n 、 ェッ 他 の 項 目 は チ ︶ ク し な い で く だ さ い 資本形態 資本系 86.7 17.8 35.6 17.8 37.8 4.4 13.3 2.2 0.0 45 独立系 76.9 23.1 50.0 7.7 42.3 0.0 30.8 7.7 0.0 26 10億円未満 82.1 17.9 50.0 10.7 42.9 7.1 10.7 7.1 0.0 28 10億円以上100億円未満 83.3 13.3 40.0 16.7 40.0 0.0 20.0 3.3 0.0 30 100億円以上 84.6 38.5 23.1 15.4 30.8 0.0 38.5 0.0 0.0 13 83.1 19.7 40.8 14.1 39.4 2.8 19.7 4.2 0.0 71 売上高 全体 237 問6 (教育研修の実施主体) 貴社あるいは貴社のグループ企業では、派遣スタッフを対象とした教育研修を実施していますか。 (1つ選択) (単位: %) 2 3 4 自 社 と し て 実 施 し て い る 自 社 で は 実 施 せ ず グ ル 自 社 と グ ル 実 施 し て い な い ー 1 ー プ 企 業 の 両 方 で 実 施 し て い る プ 企 業 と し て 実 施 し て い る n 資本形態 資本系 82.2 2.2 15.6 0.0 45 独立系 88.5 0.0 3.8 7.7 26 10億円未満 85.7 0.0 7.1 7.1 28 10億円以上100億円未満 83.3 3.3 13.3 0.0 30 100億円以上 84.6 0.0 15.4 0.0 13 84.5 1.4 11.3 2.8 71 売上高 全体 238 問7 (教育研修の内容) 貴社、又は貴社のグループ企業が実施している教育研修(提携スクールや通信教育などを除く)に関し てあてはまるものを全て選んでください。(複数選択可) (1) 既に導入しているもの (単位: %) g h i j k l m n O A ス キ ル 研 修 語 学 研 修 ビ ジ ネ ス ス キ ル 研 修 職 能 別 研 修 業 界 セ ミ ナ 公 的 資 格 コ ン プ ラ イ ア ン ス 研 修 情 報 保 護 に 関 す る 研 修 ビ ジ ネ ス マ ナ キ ャ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ そ の 他 上 記 の い ず れ も 該 当 し な い ) n 、 ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど こ ち ら を 選 択 し た 場 合 ) ) 取 得 に 関 す る 研 修 集 合 研 修 ︵ ( 個 別 相 談 ︶ 貿 易 な ど ( 経 理 研 修 ー 、 証 券 外 務 員 な ど 、 ョ シ 、 ー ニ ケ ( ュ コ ミ 簿 記 営 業 ャ f ー e ︵ c ー b ( a ェッ 他 の 項 目 は チ ) ︶ ク し な い で く だ さ い 資本形態 資本系 80.0 11.1 40.0 31.1 0.0 8.9 51.1 62.2 80.0 17.8 11.1 6.7 4.4 45 独立系 50.0 20.8 33.3 37.5 29.2 20.8 20.8 41.7 58.3 50.0 29.2 20.8 4.2 24 10億円未満 53.8 7.7 26.9 23.1 11.5 11.5 26.9 50.0 69.2 34.6 7.7 11.5 11.5 26 10億円以上100億円未満 73.3 6.7 30.0 20.0 6.7 3.3 40.0 43.3 70.0 20.0 13.3 10.0 0.0 30 100億円以上 92.3 46.2 76.9 84.6 15.4 38.5 69.2 92.3 84.6 38.5 46.2 15.4 0.0 13 69.6 14.5 37.7 33.3 10.1 13.0 40.6 55.1 72.5 29.0 17.4 11.6 4.3 69 売上高 全体 239 (2) 全員、又は一定の条件に合致するスタッフに受講を義務付けている講座やコースが含まれている もの (単位: %) g h i j k l m n O A ス キ ル 研 修 語 学 研 修 ビ ジ ネ ス ス キ ル 研 修 職 能 別 研 修 業 界 セ ミ ナ 公 的 資 格 コ ン プ ラ イ ア ン ス 研 修 情 報 保 護 に 関 す る 研 修 ビ ジ ネ ス マ ナ キ ャ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ そ の 他 上 記 の い ず れ も 該 当 し な い ) n 、 ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど こ ち ら を 選 択 し た 場 合 ) ) 取 得 に 関 す る 研 修 集 合 研 修 ︵ ( 個 別 相 談 ︶ 貿 易 な ど ( 経 理 研 修 ー 、 証 券 外 務 員 な ど 、 ョ シ 、 ー ニ ケ ( ュ コ ミ 簿 記 営 業 ャ f ー e ︵ c ー b ( a ェッ 他 の 項 目 は チ ) ︶ ク し な い で く だ さ い 資本形態 資本系 26.7 0.0 11.1 17.8 0.0 2.2 40.0 53.3 42.2 4.4 2.2 2.2 22.2 45 独立系 16.7 0.0 4.2 4.2 12.5 4.2 12.5 33.3 33.3 8.3 12.5 8.3 16.7 24 10億円未満 26.9 0.0 11.5 3.8 7.7 3.8 15.4 34.6 34.6 11.5 3.8 3.8 34.6 26 10億円以上100億円未満 26.7 0.0 6.7 10.0 3.3 3.3 30.0 40.0 40.0 3.3 3.3 3.3 16.7 30 7.7 0.0 7.7 38.5 0.0 0.0 61.5 84.6 46.2 0.0 15.4 7.7 0.0 13 23.2 0.0 8.7 13.0 4.3 2.9 30.4 46.4 39.1 5.8 5.8 4.3 20.3 69 売上高 100億円以上 全体 240 (3) 特に重視しているもの (単位: %) g h i j k l m n O A ス キ ル 研 修 語 学 研 修 ビ ジ ネ ス ス キ ル 研 修 職 能 別 研 修 業 界 セ ミ ナ 公 的 資 格 コ ン プ ラ イ ア ン ス 研 修 情 報 保 護 に 関 す る 研 修 ビ ジ ネ ス マ ナ キ ャ キ リ ア カ ウ ン セ リ ン グ リ ア セ ミ ナ そ の 他 上 記 の い ず れ も 該 当 し な い ) n 、 ン や マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど こ ち ら を 選 択 し た 場 合 ) ) 取 得 に 関 す る 研 修 集 合 研 修 ︵ ( 個 別 相 談 ︶ 貿 易 な ど ( 経 理 研 修 ー 、 証 券 外 務 員 な ど 、 ョ シ 、 ー ニ ケ ( ュ コ ミ 簿 記 営 業 ャ f ー e ︵ c ー b ( a ェッ 他 の 項 目 は チ ) ︶ ク し な い で く だ さ い 資本形態 資本系 46.7 2.2 17.8 13.3 0.0 2.2 37.8 44.4 44.4 8.9 2.2 4.4 8.9 45 独立系 37.5 8.3 12.5 20.8 12.5 8.3 16.7 33.3 37.5 12.5 12.5 8.3 8.3 24 10億円未満 42.3 3.8 11.5 11.5 3.8 3.8 15.4 19.2 34.6 11.5 3.8 7.7 15.4 26 10億円以上100億円未満 40.0 0.0 16.7 10.0 6.7 3.3 30.0 40.0 43.3 10.0 0.0 3.3 6.7 30 100億円以上 53.8 15.4 23.1 38.5 0.0 7.7 61.5 84.6 53.8 7.7 23.1 7.7 0.0 13 43.5 4.3 15.9 15.9 4.3 4.3 30.4 40.6 42.0 10.1 5.8 5.8 8.7 69 売上高 全体 241 問8 (教育研修の受講者数) 過去1年間に貴社あるいは貴社のグループ企業の教育研修を受講した貴社の派遣スタッフの人数 を累計で回答ください。数字は概数で構いません。 教育訓練の受講者数÷稼働者数(問8÷F6) ( 単位: %) 8 0 % 以 上 4 0 % 未 満 6 0 % 未 満 8 0 % 未 満 1 0 0 % 未 満 1 0 0 % 以 上 ∼ 6 0 % 以 上 ∼ 4 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 未 満 n 資本形態 資本系 11.4 29.5 9.1 13.6 6.8 29.5 44 独立系 31.8 18.2 9.1 13.6 4.5 22.7 22 10億円未満 16.0 24.0 8.0 20.0 0.0 32.0 25 10億円以上100億円未満 17.2 31.0 3.4 6.9 10.3 31.0 29 100億円以上 25.0 16.7 25.0 16.7 8.3 8.3 12 18.2 25.8 9.1 13.6 6.1 27.3 66 売上高 全体 242 問9 過去1年間に貴社あるいは貴社のグループ企業のOAスキル研修を受講した貴社の派遣スタッフの人数を累計で回答下さ い。数字は概数で構いません。 OAスキル研修の受講者数÷稼働者数(問9÷F6) ( 単位: %) 8 0 % 以 上 4 0 % 未 満 6 0 % 未 満 8 0 % 未 満 1 0 0 % 未 満 1 0 0 % 以 上 ∼ 6 0 % 以 上 ∼ 4 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 未 満 n 資本形態 資本系 51.4 20.0 5.7 14.3 2.9 5.7 35 独立系 63.6 36.4 0.0 0.0 0.0 0.0 11 10億円未満 46.2 30.8 0.0 15.4 0.0 7.7 13 10億円以上100億円未満 57.1 14.3 9.5 9.5 4.8 4.8 21 100億円以上 58.3 33.3 0.0 8.3 0.0 0.0 12 54.3 23.9 4.3 10.9 2.2 4.3 46 売上高 全体 243 付問1 問9で回答した人数のうち、OAスキル研修を全額会社の費用負担で受講した貴社の派遣スタッフの比率はどの程度で すか。 (単位: %) 5 6 7 0 % 1 2 0 4 0 6 0 8 0 4 0 % 未 満 6 0 % 未 満 8 0 % 未 満 1 0 0 % 未 満 1 0 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 未 満 ∼ 4 ∼ 3 ∼ 2 ∼ 1 n 資本形態 資本系 0.0 8.3 5.6 0.0 2.8 8.3 75.0 36 独立系 8.3 16.7 0.0 8.3 0.0 33.3 33.3 12 10億円未満 7.1 14.3 7.1 0.0 0.0 0.0 71.4 14 10億円以上100億円未満 0.0 4.5 0.0 0.0 0.0 13.6 81.8 22 100億円以上 0.0 16.7 8.3 8.3 8.3 33.3 25.0 12 2.1 10.4 4.2 2.1 2.1 14.6 64.6 48 売上高 全体 244 問10 貴社あるいは貴社のグループ会社には、貴社の派遣スタッフ向けのeラーニングの仕組みはありますか。 (単位: %) 1 2 あ る な い n 資本形態 資本系 31.1 68.9 45 独立系 20.8 79.2 24 7.7 92.3 26 10億円以上100億円未満 30.0 70.0 30 100億円以上 61.5 38.5 13 27.5 72.5 69 売上高 全体 10億円未満 245 問11 貴社あるいは貴社のグループ会社には、貴社の派遣スタッフ向けの提携スクールの入学金や受講料の割引制度があります か。 ( 単位: %) 1 2 あ る な い n 資本形態 資本系 60.0 40.0 45 独立系 54.2 45.8 24 10億円未満 57.7 42.3 26 10億円以上100億円未満 50.0 50.0 30 100億円以上 76.9 23.1 13 58.0 42.0 69 売上高 全体 246 問12 貴社あるいは貴社のグループ会社には、貴社の派遣スタッフ向けの通信教育の費用補助制度がありますか。 ( 単位: %) 1 2 あ る な い n 資本形態 資本系 44.4 55.6 45 独立系 29.2 70.8 24 10億円未満 26.9 73.1 26 10億円以上100億円未満 43.3 56.7 30 100億円以上 53.8 46.2 13 39.1 60.9 69 売上高 全体 247 問13 (教育研修の効果測定) 貴社では派遣スタッフへの教育研修の効果を測定するために、つぎのようなことを実施していま すか。(あてはまるものを全て選択)(複数選択可) (単位: %) 7 8 9 10 11 受 講 し た 派 遣 ス タ 受 講 し た 派 遣 ス タ 受 講 し た 派 遣 ス タ 受 講 し た 派 遣 ス タ 受 講 し た 派 遣 ス タ 受 講 し た 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ フ の 教 育 研 修 に 関 す る 満 足 度 の 調 査 フ の 稼 働 率 の 把 握 フ の 継 続 就 業 期 間 の 把 握 フ の 派 遣 先 で の 働 き ぶ り や 仕 事 内 容 の 評 価 の 実 施 フ の 資 格 取 得 率 の 把 握 教 育 研 修 を 理 由 に 登 録 し た 派 遣 ス タ そ の 他 フ の 能 力 評 価 の 実 施 教 育 研 修 の 定 員 充 足 率 の 把 握 上 記 の い ず れ も 測 定 し て い な い ッ 6 ッ ッ 5 ッ 4 ッ 3 ッ 2 ッ 1 ッ フ の 教 育 研 修 へ の 出 席 率 の 把 握 フ の 人 数 や 割 合 の 把 握 n 資本形態 資本系 42.2 51.1 13.3 11.1 24.4 6.7 8.9 6.7 11.1 0.0 26.7 45 独立系 20.8 37.5 25.0 20.8 29.2 20.8 20.8 16.7 16.7 0.0 20.8 24 10億円未満 19.2 46.2 15.4 11.5 19.2 7.7 15.4 7.7 11.5 0.0 30.8 26 10億円以上100億円未満 40.0 40.0 13.3 13.3 26.7 10.0 3.3 0.0 13.3 0.0 30.0 30 100億円以上 53.8 61.5 30.8 23.1 38.5 23.1 30.8 38.5 15.4 0.0 0.0 13 34.8 46.4 17.4 14.5 26.1 11.6 13.0 10.1 13.0 0.0 24.6 69 売上高 全体 248 問14 (教育訓練費用) 貴社の派遣スタッフに対する過去1年間の教育訓練費用はどのくらいですか。教育訓練費用の範囲は貴 社の定義で結構です。(1つ選択) (単位: %) 3 4 5 6 7 1 0 0 0 万 円 未 満 1 0 0 0 万 円 3 0 0 0 万 円 5 0 0 0 万 円 1 億 円 わ か ら な い 5 0 0 0 万 円 未 満 1 億 円 未 満 1 億 5 0 0 0 万 円 以 上 ∼ 2 1 億 5 0 0 0 万 円 未 満 ∼ ∼ 1 ∼ 3 0 0 0 万 円 未 満 n 資本形態 資本系 80.0 6.7 2.2 2.2 0.0 2.2 6.7 45 独立系 66.7 4.2 0.0 12.5 0.0 4.2 12.5 24 10億円未満 96.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.8 26 10億円以上100億円未満 80.0 6.7 0.0 0.0 0.0 0.0 13.3 30 100億円以上 23.1 15.4 7.7 30.8 0.0 15.4 7.7 13 75.4 5.8 1.4 5.8 0.0 2.9 8.7 69 売上高 全体 249 問15 (教育訓練費用の管理基準) 貴社では派遣スタッフの教育訓練費用をどのような基準で管理していますか。(1つ選択) (単位: %) 3 4 5 6 7 売 上 高 に 占 め る 割 合 営 業 利 益 に 占 め る 割 合 登 録 し て い る 派 遣 ス タ 就 業 し て い る 派 遣 ス タ 前 年 度 の 教 育 訓 練 費 用 そ の 他 特 に 管 理 す る 基 準 は な い フ 数 の 増 減 フ 数 の 増 減 ッ 2 ッ 1 n 資本形態 資本系 11.1 0.0 2.2 4.4 20.0 8.9 53.3 45 独立系 12.5 4.2 0.0 0.0 25.0 8.3 50.0 24 10億円未満 11.5 0.0 3.8 0.0 11.5 3.8 69.2 26 10億円以上100億円未満 10.0 0.0 0.0 6.7 20.0 10.0 53.3 30 100億円以上 15.4 7.7 0.0 0.0 46.2 15.4 15.4 13 11.6 1.4 1.4 2.9 21.7 8.7 52.2 69 売上高 全体 250 問16 (能力開発促進策) 貴社では派遣スタッフの能力向上への取組み意欲を高めるために実施しているものを全て選んでくだ さい。(複数選択可) (単位: %) 3 4 5 6 7 8 9 派 遣 就 業 開 始 時 の 教 育 研 修 受 講 の ア ド バ イ ス 派 遣 就 業 中 の 教 育 研 修 受 講 の ア ド バ イ ス 派 遣 終 了 後 の 教 育 研 修 受 講 の ア ド バ イ ス 郵 送 や メ ホ 教 育 訓 練 の 受 講 費 用 の 支 援 制 度 の 導 入 派 遣 ス タ そ の 他 上 記 の い ず れ も 実 施 し て い な い ー ー ム ペ ジ で の 教 育 研 修 の 周 知 ・ 案 内 フ の 職 業 能 力 を 評 価 し 、 ル に よ る 教 育 研 修 の 周 知 や 教 育 研 修 受 講 の ア ド バ イ ス ッ 2 ー 1 賃 金 に 反 映 さ せ る 制 度 の 導 入 n 資本形態 資本系 17.8 4.4 0.0 15.6 26.7 20.0 8.9 2.2 8.9 45 独立系 15.4 19.2 7.7 7.7 23.1 7.7 0.0 0.0 19.2 26 10億円未満 14.3 7.1 7.1 17.9 14.3 14.3 3.6 0.0 21.4 28 10億円以上100億円未満 13.3 13.3 0.0 10.0 36.7 16.7 6.7 3.3 6.7 30 100億円以上 30.8 7.7 0.0 7.7 23.1 15.4 7.7 0.0 7.7 13 16.9 9.9 2.8 12.7 25.4 15.5 5.6 1.4 12.7 71 売上高 全体 251 問17 (教育研修以外の取り組み) 派遣スタッフの能力向上やキャリア形成のために貴社として重視しているものを全て選んでく ださい。(複数選択可) (単位: %) 11 12 13 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ コ 派 遣 ス タ コ コ デ デ ネ ネ フ の 能 力 の 幅 を 拡 げ ら れ る 派 遣 先 へ の 配 置 フ 本 人 の 希 望 を 尊 重 し た 派 遣 先 へ の 配 置 タ タ 教 育 訓 練 担 当 者 と 営 業 担 当 者 の 計 画 的 な 育 成 と 営 業 担 当 者 の 定 期 的 な 情 報 交 換 派 遣 先 に 対 す る 派 遣 ス タ 派 遣 先 に 対 す る 派 遣 ス タ そ の 他 フ の 能 力 を 高 め ら れ る 派 遣 先 へ の 配 置 専 門 カ ウ ン セ ラ フ の 仕 事 内 容 に 関 す る 交 渉 フ の 能 力 向 上 に 伴 う 派 遣 料 金 の 交 渉 上 記 の い ず れ も 重 視 し て い な い ィ ー ー ( ナ ー ) や キ ャ リ ア カ ウ ン セ ラ ー フ へ の ヒ ヤ リ ン グ や ア ド バ イ ス ト レ ー や 相 談 窓 口 の 設 置 ッ や 営 業 担 当 者 に よ る 派 遣 ス タ ー ー タ フ の 能 力 向 上 に つ な が る 派 遣 先 の 開 拓 ー ー ネ ィ ィ デ の 育 成 ッ 10 ッ 9 ー 8 ー 7 ッ 6 ー 5 ー 4 ッ 3 ッ 2 ッ 1 n 資本形態 資本系 31.1 24.4 77.8 80.0 4.4 26.7 17.8 35.6 22.2 40.0 37.8 0.0 2.2 45 独立系 26.9 34.6 80.8 80.8 26.9 30.8 11.5 46.2 19.2 57.7 57.7 3.8 0.0 26 10億円未満 50.0 42.9 71.4 82.1 10.7 39.3 25.0 32.1 14.3 57.1 42.9 3.6 0.0 28 10億円以上100億円未満 23.3 20.0 83.3 73.3 6.7 26.7 10.0 46.7 16.7 43.3 46.7 0.0 3.3 30 0.0 15.4 84.6 92.3 30.8 7.7 7.7 38.5 46.2 30.8 46.2 0.0 0.0 13 29.6 28.2 78.9 80.3 12.7 28.2 15.5 39.4 21.1 46.5 45.1 1.4 1.4 71 売上高 100億円以上 全体 252 問18 (派遣先との連携) 派遣スタッフの能力開発に関して、派遣先と連携して実施しているものを全て選んでください。(複数選 択可) (単位: %) 4 5 6 7 8 9 10 特 定 の 派 遣 先 の た め に カ ス タ マ イ ズ し た 教 育 研 修 派 遣 先 の コ ン プ ラ イ ア ン ス や 情 報 保 護 に 関 す る 教 育 研 修 派 遣 先 の 仕 事 に 必 要 な 能 力 に 関 す る 情 報 交 換 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ フ の 派 遣 先 に お け る 職 業 能 力 の 評 価 に 関 す る 情 報 交 換 フ の キ 派 遣 先 で の 指 導 体 制 に 関 す る 相 談 や ア ド バ イ ス を 行 う そ の 他 フ の 能 力 開 発 の 必 要 性 な ど に 関 す る 情 報 交 換 派 遣 先 の 社 員 向 け の 教 育 研 修 に 派 遣 ス タ 上 記 の い ず れ も 実 施 し て い な い ッ 3 ッ 2 ッ 1 ャ ッ リ ア プ ラ ン に 関 す る 情 報 交 換 フ が 参 加 で き る よ う に す る n 資本形態 資本系 40.0 64.4 73.3 26.7 33.3 6.7 35.6 17.8 0.0 8.9 45 独立系 30.8 34.6 69.2 23.1 42.3 3.8 50.0 26.9 0.0 7.7 26 10億円未満 21.4 32.1 67.9 14.3 28.6 3.6 39.3 25.0 0.0 21.4 28 10億円以上100億円未満 40.0 60.0 70.0 33.3 36.7 10.0 43.3 23.3 0.0 0.0 30 100億円以上 61.5 84.6 84.6 30.8 53.8 0.0 38.5 7.7 0.0 0.0 13 36.6 53.5 71.8 25.4 36.6 5.6 40.8 21.1 0.0 8.5 71 売上高 全体 253 問19 (未経験者の能力開発) 貴社は、実務経験の少ない派遣スタッフ(例:正社員経験がない等)に対する教育訓練を実施して いますか。(1つ選択) ( 単位: %) 3 4 実 務 経 験 が 少 な い 派 遣 ス タ 特 別 の 教 育 訓 練 は な い が 実 務 経 験 の 少 な い 派 遣 ス タ 実 務 経 験 の 少 な い 派 遣 ス タ フ も 登 録 で き る が フ は 登 録 し な い ッ ッ 、 、 必 要 に 応 じ て 他 の 派 遣 ス タ フ と 同 様 の 教 育 訓 練 を 実 施 し て い る n あ る い は 登 録 で き な い そ の た め の 教 育 訓 練 は 特 に 実 施 し て い な い ッ フ の た め の 教 育 訓 練 を 実 施 し て い る ッ 2 、 1 資本形態 資本系 22.2 44.4 31.1 2.2 45 独立系 34.6 30.8 30.8 3.8 26 10億円未満 25.0 32.1 39.3 3.6 28 10億円以上100億円未満 20.0 50.0 26.7 3.3 30 100億円以上 46.2 30.8 23.1 0.0 13 26.8 39.4 31.0 2.8 71 売上高 全体 254 付問1 問19で1と回答した場合、昨年の受講者数とそのうち実際に派遣された人数を回答してください。(数字は概数で構いま せん)(実際に派遣された人数÷受講者数) (単位: %) 6 0 % 以 上 4 0 % 未 満 6 0 % 未 満 8 0 % 未 満 8 0 % 以 上 ∼ 4 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 未 満 n 資本形態 資本系 0.0 22.2 11.1 22.2 44.4 9 独立系 11.1 22.2 11.1 44.4 11.1 9 10億円未満 0.0 16.7 33.3 16.7 33.3 6 10億円以上100億円未満 0.0 33.3 0.0 16.7 50.0 6 16.7 16.7 0.0 66.7 0.0 6 5.6 22.2 11.1 33.3 27.8 18 売上高 100億円以上 全体 255 問20 (ブランク経験者の能力開発) 出産や育児などの事情により就業期間にブランクのある派遣スタッフに対する教育訓練を実 施していますか。(1つ選択) ( 単位: %) 3 4 就 業 期 間 に ブ ラ ン ク の あ る 派 遣 ス タ 特 別 の 教 育 訓 練 は な い が 就 業 期 間 に ブ ラ ン ク が あ る 派 遣 ス タ 就 業 期 間 に ブ ラ ン ク が あ る 派 遣 ス タ フ も 登 録 で き る が フ は 登 録 し な い 、 フ と 同 様 の 教 育 訓 練 を 実 施 し て い る n 、 ッ フ の た め の 教 育 訓 練 を 実 施 し て い る ッ ッ 必 要 に 応 じ て 他 の 派 遣 ス タ ッ 2 、 1 あ る い は 登 録 で き な い そ の た め の 教 育 訓 練 は 特 に 実 施 し て い な い 資本形態 資本系 4.4 48.9 46.7 0.0 45 独立系 11.5 46.2 42.3 0.0 26 10億円未満 7.1 50.0 42.9 0.0 28 10億円以上100億円未満 0.0 46.7 53.3 0.0 30 23.1 46.2 30.8 0.0 13 7.0 47.9 45.1 0.0 71 売上高 100億円以上 全体 256 付問1 問20で1と回答した場合、昨年の受講者数とそのうち実際に派遣された人数を回答してください。(数字は概数で構いませ ん)(実際に派遣された人数÷受講者数) ( 単位: %) 2 5 % 未 満 2 5 % 以 上 n 資本形態 資本系 0.0 100.0 2 独立系 100.0 0.0 3 50.0 50.0 2 0.0 0.0 0 66.7 33.3 3 60.0 40.0 5 売上高 10億円未満 10億円以上100億円未満 100億円以上 全体 257 問21 (特定職種の能力開発) 特定職種(例えば、貿易事務、金融事務、MRなど)の派遣スタッフを育成するために設けた教育訓 練はありますか。 (単位: %) 1 2 あ る な い n 資本形態 資本系 22.2 77.8 45 独立系 30.8 69.2 26 10億円未満 14.3 85.7 28 10億円以上100億円未満 16.7 83.3 30 100億円以上 69.2 30.8 13 25.4 74.6 71 売上高 全体 258 付問1 問21で1と回答した場合、昨年の受講者数とそのうち実際に派遣された人数を回答してください。(数字は概数で構いま せん)(実際に派遣された人数÷受講者数) (単位: %) 6 0 % 以 上 4 0 % 未 満 6 0 % 未 満 8 0 % 未 満 8 0 % 以 上 ∼ 4 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 以 上 ∼ 2 0 % 未 満 n 資本形態 資本系 11.1 33.3 11.1 22.2 22.2 9 独立系 37.5 37.5 12.5 0.0 12.5 8 10億円未満 75.0 0.0 0.0 0.0 25.0 4 0.0 60.0 20.0 0.0 20.0 5 12.5 37.5 12.5 25.0 12.5 8 23.5 35.3 11.8 11.8 17.6 17 売上高 10億円以上100億円未満 100億円以上 全体 259 問22 貴社が、派遣スタッフに能力開発を行なううえでの課題は何ですか。(あてはまるものを全て選択)(複数選択可) (単位: %) 14 15 16 17 18 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ 技 術 革 新 や 業 務 変 更 が 頻 繁 な た め 派 遣 先 の 能 力 開 発 に 対 す る ニ 派 遣 先 の 能 力 開 発 ニ 教 育 訓 練 の 効 果 を 測 定 し に く い そ の 他 フ の 能 力 開 発 を 効 果 的 に 行 な う 方 法 が よ く わ か ら な い 教 育 訓 練 を 行 な 派 遣 ス タ フ が 希 望 し て い る 能 力 開 発 の 内 容 が よ く わ か ら な い 派 遣 先 が 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ フ 自 身 が 教 育 訓 練 を 受 講 す る 時 間 を 確 保 で き な い 能 力 開 発 を 実 施 し て も 派 遣 ス タ 派 遣 ス タ フ 本 人 の キ 能 力 開 発 を 行 な う た め に 自 社 の 費 用 負 担 が 大 き い 派 遣 ス タ フ 本 人 の 能 力 向 上 に 対 す る 取 り 組 み 意 欲 が 低 い 教 育 訓 練 の 利 用 率 が 低 い 特 に 課 題 は な い て し ま う 能 力 開 発 が 追 い つ か な い て も 派 遣 ス タ ッ 全体 フ が 他 の 派 遣 会 社 に 移 っ 売上高 ャ 資本形態 資本系 リ ア 形 成 に 対 す る 意 識 が 低 い フ の 能 力 開 発 に 協 力 的 で な い フ の 教 育 訓 練 の 機 会 の 提 供 に 地 域 で 差 が 生 じ て い る フ の 就 業 に つ な が ら な い ズ が わ か ら な い ズ に 応 え る た め の 効 果 的 な 教 育 訓 練 の 方 法 が わ か ら な い ッ 13 ー 12 ー 11 っ 10 ッ 9 ッ 8 ッ 7 ッ 6 、 5 ッ 4 ッ 3 ッ 2 ッ 1 フ を 教 育 訓 練 で き る 人 材 が 不 足 し て い る n 37.8 22.2 42.2 42.2 31.1 35.6 6.7 6.7 13.3 2.2 26.7 22.2 4.4 6.7 35.6 33.3 0.0 0.0 45 独立系 34.6 30.8 57.7 7.7 3.8 7.7 7.7 26.9 34.6 0.0 0.0 38.5 26.9 0.0 3.8 26 10億円未満 39.3 17.9 57.1 28.6 42.9 53.6 10.7 7.1 21.4 3.6 14.3 25.0 3.6 7.1 42.9 46.4 0.0 3.6 28 10億円以上100億円未満 33.3 30.0 43.3 33.3 23.3 33.3 3.3 6.7 6.7 3.3 20.0 20.0 3.3 3.3 30.0 26.7 0.0 0.0 30 100億円以上 38.5 30.8 38.5 23.1 46.2 38.5 7.7 0.0 0.0 7.7 69.2 46.2 0.0 0.0 38.5 7.7 0.0 0.0 13 36.6 25.4 47.9 29.6 35.2 42.3 7.0 5.6 11.3 4.2 26.8 26.8 2.8 4.2 36.6 31.0 0.0 1.4 71 7.7 42.3 53.8 260 問23 貴社が、派遣スタッフに能力開発を行なううえで、公的機関や業界団体に対する要望がありますか。(あてはまるものを全て 選択)(複数選択可) (単位: %) 3 4 5 ト レ 派 遣 ス タ 資 格 取 得 に 対 す る 派 遣 ス タ 派 遣 元 が 実 施 す る 未 経 験 者 や ブ ラ ン ク 経 験 者 に 対 す る 教 育 訓 練 に 対 す る 公 的 な 資 金 助 成 派 遣 ス タ ッ ニ ン グ セ ン タ ー フ 個 人 へ の 公 的 な 助 成 ッ の 設 置 な ど 業 界 全 体 で 派 遣 ス タ ッ フ の 能 力 に 関 す る 共 通 の 評 価 基 準 の 作 成 フ の 能 力 開 発 を 行 な う 仕 組 み ッ 2 ー 1 フ の 能 力 開 発 に 関 す る 講 師 や 教 材 の 紹 介 等 の 支 援 n 資本形態 資本系 46.7 33.3 57.8 42.2 46.7 45 独立系 57.7 42.3 38.5 65.4 50.0 26 10億円未満 46.4 42.9 46.4 64.3 60.7 28 10億円以上100億円未満 56.7 36.7 53.3 33.3 50.0 30 100億円以上 46.2 23.1 53.8 61.5 15.4 13 50.7 36.6 50.7 50.7 47.9 71 売上高 全体 261 F1 (派遣事業開始年) 貴社の派遣事業を開始した年を西暦で回答してください。 1 9 9 0 年 2 0 0 0 年 ∼ 1 9 8 0 年 ∼ ∼ ∼ ∼ 1 9 7 0 年 ( 単位: %) 2 0 0 1 年 n 資本形態 資本系 0.0 0.0 46.7 28.9 20.0 45 独立系 3.8 11.5 30.8 26.9 26.9 26 10億円未満 0.0 0.0 17.9 39.3 42.9 28 10億円以上100億円未満 3.3 3.3 53.3 26.7 13.3 30 15.4 15.4 61.5 7.7 0.0 13 4.2 4.2 40.8 28.2 22.5 71 売上高 100億円以上 全体 262 F2 (労働者派遣事業の区別) 貴社の労働者派遣事業について回答してください。 ( 単位: %) 1 2 一 般 労 働 者 派 遣 事 業 特 定 労 働 者 派 遣 事 業 n 資本形態 資本系 100.0 0.0 45 独立系 100.0 0.0 26 10億円未満 100.0 0.0 28 10億円以上100億円未満 100.0 0.0 30 100億円以上 100.0 0.0 13 100.0 0.0 71 売上高 全体 263 F8 (職種構成) 貴社の派遣スタッフについて、多い職種を選んでください。(1つ選択) 最も人数の多い職種 (単位: %) 8 9 事 務 用 機 器 操 作 フ 財 務 処 理 取 引 文 書 作 成 テ レ マ 自 由 化 業 務 自 由 化 業 務 自 由 化 業 務 そ の 他 ケ テ ィ イ リ ン グ ン グ ( 7 営 業 販 売 ) 6 ( 5 ) 4 ( 3 ー 2 ァ 1 一 般 事 務 ) n 資本形態 資本系 64.4 6.7 4.4 4.4 0.0 2.2 4.4 8.9 4.4 45 独立系 46.2 0.0 3.8 0.0 0.0 0.0 11.5 7.7 30.8 26 10億円未満 39.3 7.1 3.6 3.6 0.0 0.0 14.3 14.3 17.9 28 10億円以上100億円未満 70.0 3.3 0.0 3.3 0.0 3.3 3.3 3.3 13.3 30 100億円以上 69.2 0.0 15.4 0.0 0.0 0.0 0.0 7.7 7.7 13 57.7 4.2 4.2 2.8 0.0 1.4 7.0 8.5 14.1 71 売上高 全体 264 2番目に多い職種 (単位: %) 8 9 事 務 用 機 器 操 作 フ 財 務 処 理 取 引 文 書 作 成 テ レ マ 自 由 化 業 務 自 由 化 業 務 自 由 化 業 務 そ の 他 ケ テ ィ イ リ ン グ ン グ ( 7 営 業 販 売 ) 6 ( 5 ) 4 ( 3 ー 2 ァ 1 一 般 事 務 ) n 資本形態 資本系 20.0 13.3 2.2 8.9 8.9 4.4 0.0 17.8 24.4 45 独立系 30.8 11.5 3.8 11.5 3.8 3.8 0.0 19.2 15.4 26 10億円未満 39.3 10.7 3.6 0.0 0.0 3.6 0.0 17.9 25.0 28 10億円以上100億円未満 13.3 13.3 0.0 13.3 13.3 6.7 0.0 16.7 23.3 30 100億円以上 15.4 15.4 7.7 23.1 7.7 0.0 0.0 23.1 7.7 13 23.9 12.7 2.8 9.9 7.0 4.2 0.0 18.3 21.1 71 売上高 全体 265 F9 (男女構成) 貴社の派遣スタッフのうち、女性の占める割合はどのくらいですか。(1つ選択) ( 単位: %) 4 5 2 0 % 未 満 2 0 4 0 6 0 4 0 % 未 満 6 0 % 未 満 8 0 % 未 満 8 0 % 以 上 ∼ 3 ∼ 2 ∼ 1 n 資本形態 資本系 2.2 4.4 6.7 26.7 60.0 45 独立系 11.5 11.5 7.7 30.8 38.5 26 10億円未満 7.1 3.6 14.3 28.6 46.4 28 10億円以上100億円未満 6.7 13.3 3.3 23.3 53.3 30 100億円以上 0.0 0.0 0.0 38.5 61.5 13 5.6 7.0 7.0 28.2 52.1 71 売上高 全体 266 F10 (年齢構成) 貴社の派遣スタッフの年齢について、最も人数の多い区分から2つを選んでください。(2個選択) (単位: %) 9 10 2 0 歳 未 満 2 1 2 5 3 0 3 5 4 0 4 5 5 0 5 5 2 4 歳 2 9 歳 3 4 歳 3 9 歳 4 4 歳 4 9 歳 5 4 歳 5 9 歳 6 0 歳 以 上 ∼ 8 ∼ 7 ∼ 6 ∼ 5 ∼ 4 ∼ 3 ∼ 2 ∼ 1 n 資本形態 資本系 0.0 4.4 48.9 77.8 35.6 17.8 11.1 0.0 0.0 4.4 45 独立系 0.0 3.8 50.0 69.2 46.2 15.4 7.7 3.8 3.8 0.0 26 10億円未満 0.0 0.0 53.6 75.0 42.9 10.7 7.1 3.6 3.6 3.6 28 10億円以上100億円未満 0.0 6.7 36.7 76.7 43.3 20.0 13.3 0.0 0.0 3.3 30 100億円以上 0.0 7.7 69.2 69.2 23.1 23.1 7.7 0.0 0.0 0.0 13 0.0 4.2 49.3 74.6 39.4 16.9 9.9 1.4 1.4 2.8 71 売上高 全体 267 F11 (成約率) 貴社の派遣スタッフの中で、登録後1ヵ月以内(新規登録等必要な教育訓練を行なっている期間を除く)に派遣 先が決定する人の割合はどのくらいいますか。(1つ選択) (単位: %) 5 6 7 5 % 未 満 5 % 1 0 % 2 0 % 3 0 % 4 0 % 2 0 % 未 満 3 0 % 未 満 4 0 % 未 満 5 0 % 未 満 5 0 % 以 上 ∼ 1 0 % 未 満 ∼ 4 ∼ 3 ∼ 2 ∼ 1 n 資本形態 資本系 6.7 13.3 22.2 24.4 11.1 8.9 13.3 45 独立系 7.7 7.7 23.1 19.2 19.2 11.5 11.5 26 10億円未満 7.1 14.3 28.6 14.3 17.9 7.1 10.7 28 10億円以上100億円未満 6.7 10.0 16.7 23.3 13.3 13.3 16.7 30 100億円以上 7.7 7.7 23.1 38.5 7.7 7.7 7.7 13 7.0 11.3 22.5 22.5 14.1 9.9 12.7 71 売上高 全体 268 F12 (派遣会社での継続就業) 貴社の派遣スタッフの中で、貴社の派遣スタッフとして通算2年以上働いている派遣スタッフの 割合はどのくらいいますか。(1つ選択) (単位: %) 7 8 1 0 % 未 満 1 0 % 2 0 % 3 0 % 4 0 % 5 0 % 6 0 % 2 0 % 未 満 3 0 % 未 満 4 0 % 未 満 5 0 % 未 満 6 0 % 未 満 7 0 % 未 満 7 0 % 以 上 ∼ 6 ∼ 5 ∼ 4 ∼ 3 ∼ 2 ∼ 1 n 資本形態 資本系 17.8 11.1 15.6 24.4 8.9 11.1 4.4 6.7 45 独立系 7.7 0.0 42.3 7.7 15.4 11.5 11.5 3.8 26 10億円未満 25.0 7.1 25.0 21.4 7.1 3.6 3.6 7.1 28 10億円以上100億円未満 10.0 6.7 16.7 16.7 16.7 20.0 6.7 6.7 30 0.0 7.7 46.2 15.4 7.7 7.7 15.4 0.0 13 14.1 7.0 25.4 18.3 11.3 11.3 7.0 5.6 71 売上高 100億円以上 全体 269 派 遣 元 ヒ ア リ ン グ 調 査 1.実 施 要 綱 2.調 査 一 覧 3.調 査 報 告 派遣元ヒアリング調査実施要綱 ■実施期間:平成 19 年 9 月 18 日(火)∼平成 19 年 9 月 19 日(水) ■場所:アルカディア市ヶ谷 ■ヒアリング対象者:派遣会社 10 社 (うちAは 6 社に対して、Bは 7 社に対してヒアリングを行った) ■ヒアリング項目: A.派遣会社による派遣スタッフ の能力開発支援 に関して ※能力開発には短期的なものも含める。福利厚生 (趣味講座等)との境界線を確認する 1.派遣スタッフの能力開発支援 に関する基本的な考え方 及び過去にその変更があればどのような変更であったか 2.能力開発支 援の現状(目的、内容、受講者数、受講者の特徴など) 1)会社負担による能力開発支援 2)派遣スタッフの自己負担(一部を含む)がある能力開発支援 3)派遣先との連携による派遣スタッフの能力開発支援 4)その他の能力開発支援 5)派遣スタッフへの能力開発の必要性を理解促進しているか しているとすれば、どのような方法か 3.職業経験のない派遣スタッフ に対して能力開発をしてから派遣するような仕組みがあるか あればその内容は 4.貴社として負担している派遣スタッフに対する能力開発支援の費用の規模 (わかる範囲で、予算額、売上高に対する比率など) 5.能力開発支援を行ううえでの課題や問題点(もしあれば) 6.派遣スタッフの能力開発に関して公的な支援や業界団体としての取り組みへの要望など B.派遣スタッフのキャリア形成支援を考慮したマッチングに関して ※キャリア形成は、中長期的な視点を前提とする 1. マッチング の仕組みの現状と変化(営業スタッフ等との業務分担を含む) 2. マッチング と派遣スタッフのキャリア形成(マッチングとキャリア形成に関する基本的な考 え方を含む) 3. 正社員経験のない人やキャリア中断のある人の派遣可能性 4. マッチング担当者に求められる職業能力とその育成方法 5. マッチング以外でのキャリア形成支援のための取り組み内容 6. (紹介予定派遣を実施している場合)マッチングに関して、通常の派遣の場合と異なる点、 留意している点 以 273 上 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 A社 C社 能力開発支援の基本的な考え方 「 レベルアップ希望者」 「未就労層」 「異業種・ 異職種経験者」 「育児中の女性」 「シニア層」 それぞれの必要性に対応した5本の能力開 発方針。 教育事業を行うグルー ① レベルアップ希望者: プ会社での専門教育受講の奨励。 ビジネスの基礎を教育( 社会人と ② 未就労層: しての心得、マナー研修、OA研修等) 。 異職種経験者: 希望職種に関連す ③ 異業種・ る教育の受講。 これまでのキャリアや希望に ④ 育児中の女性: 応じた、キャリアの再形成 OA研修。年下の指揮命令者との ⑤ シニア層: コミュニケーション研修。 派遣スタッフの能力・ キャリア開発をサポート する観点から、登録時の能力開発( 最低限 必要) と就労中の能力開発( 派遣先の業務 上必要) のいずれについても、費用は会社 が負担することにしている。 長期的に同社のスタッフとして就労してくれ る派遣スタッフ、トレーニングによってスキル アップする可能性が高い派遣スタッフに、重 点的に教育訓練投資を行いたい。 派遣スタッフの能力開発によって、マッチン グの可能性を広げたい。コミュニケーション 能力等のヒューマンスキルを高めることは実 際難しいので、基本的にはテクニカルスキ ルのレベルに応じて、マッチングを行うよう 心がけている。 能力開発支援の現状 OA研修、ビジネスマナー研修、コミュニ e−ラーニング・ システム ケーション研修。 OAスキル、コミュニケーションやマネジメン いずれも受講は任意で、希望者を対象とす ト、営業スキル等のビジネススキル、I T関連 る( たとえ職業経験がなくても受講を義務化 スキルのコースを約200講座。1講座あたり4 してはいない) 。 ∼5時間を要し、講座ごとにテストがある。 派遣先から能力不足を指摘された派遣ス 派遣スタッフの職歴や登録時の意欲、就労 タッフについては、その部分を補うために研 中の働き振りなどを踏まえて、営業・ マッチン 修を受講させることがある。 グ担当者が講座の受講可否を決定。受講が OA研修はニーズが多いので随時実施して 許可された派遣スタッフにはI Dが発行され、 おり、1クラス最大定員6名で、多い時は1日 eラーニング・ システムにアクセスできることに 5∼6枠開講している。研修全体としては、1 なる。 ケ月に全32拠点で60、多い時は100コース 派遣スタッフの受講状況やテスト結果は全 ほど開催している。 て履歴として確認できる。 受講が許可された派遣スタッフは、受講する 講座を自由に選択できるが、受講の目的に 合わせた講座をパッケージにしてホーム ページなどで紹介している。 キャリアカウンセリング、キャリアデザインセミナー キャリアカウンセリングやキャリアデザインセ ミナーを以下の目的で導入した。 ・ 他社との差別化。 ・ 近年課題となってきた派遣会社と派遣スタッ フの関係の希薄化への対応の一環として、 登録者のキャリア形成支援と稼働者フォロー の双方を進め、派遣スタッフの会社への帰 属意識を高める。 ・ マッチング担当者の能力開発、スキルアッ プ、モチベーションの維持。 会社負担による 能力開発支援 キャリアカウンセリングについては、3∼4年 前に推進プロジェクトを設置し、現在では、 GCDF(グローバル・ キャリア・ ディベロップメ ント・ ファシリテータ) という米国発のカウンセ リング資格を有する社員が、派遣スタッフの キャリアに関する相談に対して、1対1で1回 約1.5時間対応している。現時点でのGCD F資格取得者は120名程度( 全社員の10% 程度) 。 キャリアデザインセミナーについては、GCD Fトレーナー資格を有する社員が中心となっ て、2年ほど前から実施している。 カウンセリングもセミナーも、参加は任意(派 遣スタッフの自発的な意思を尊重) 。 ハンズオントレーニング 派遣スタッフが直接支店に来訪して受講す る。 トレーナーがついて直接指導する上級コー スと、自社開発の自主学習プログラムを利用 する初・ 中級コースがある。 275 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 D社 F社 能力開発支援の基本的な考え方 営業職と販売職の登録型派遣を事業の主 体としている。 派遣会社として、派遣スタッフの支援をして いかなければならないと考えているが、一方 で、派遣後は派遣スタッフ自身のキャリアより も、派遣先の要望が優先される実態もある。 教育には以前から力を入れているが、人材 不足の中で、職業経験や事務経験のない人 を育成して派遣する必要が出てきたため、 以下のような理由により、近年無料のスクー ルを開講した。 派遣先で必要な就業スキルに満たない部分 の補填。 スキルのある人材ニーズへの、スピーディな 対応。 他の派遣会社との差別化による人材確保。 スタッフのCS( 顧客満足)の向上。 能力開発支援の現状 教育スクールの設置等 営業職の能力開発 教育スクールを全国に16ヶ所設置し、能力 開発を行っている。スクールで提供されてい るコースについては、登録スタッフが基本的 に無料で受講できる。 スクールでは、マイクロソフトオフィス系のス キル、ビジネスマナー、コミュニケーション能 力養成などの講座を開講。事務派遣に必要 な最低限の内容。 2006年度までの累計受講者数は約30万人。 受講者はこれから就業する人、すでに就業 中で業務に必要なためブラッシュアップする 人、それぞれ半々ぐらいいる。 この他、e-ラーニングについても一部無料で 提供している。 能力開発の必要性の啓発 登録時に配付するツールやホームページ等 で、能力開発の必要性を啓発。 スキルが不足しているスタッフ、現状の職務 に物足りなさを感じるスタッフには、営業・ マッチング担当者がスクールの受講を勧め ることもある。 会社負担による 能力開発支援 276 主要拠点では、登録面接の後、営業職を希 望する営業未経験のスタッフ向けに、営業と してのマナーや、営業業務の説明をするセミ ナーを開催している。 営業未経験者の場合、ノルマ制などに不安 を抱えていることが多いので、極端に厳しい ノルマが課される心配はないことや、営業と してのやりがいなどを説明する。 営業職は、紹介予定派遣の希望者が登録 者の7∼8割を占めている。履歴書や職務経 歴書のつくり方、自己PRの方法などもセミ ナーで解説する。 販売職の能力開発 販売職の方は、紹介予定派遣ではなく一般 の派遣を希望する人が多い。 登録時にマナーをチェックし、問題点があれ ばフィードバックをするが、特段のセミナー は実施せず個別に対応している状況にあ る。 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 G社 H社 能力開発支援の基本的な考え方 同社は、特定労働者派遣を実施している。 専門的分野においては、派遣先が求めるよ うな人材を確保するのが難しいので、未経験 の新卒や第二新卒を採用して能力開発をし たうえで、派遣先でのOJ Tによって育成する という方式をとっている。派遣スタッフの多く は将来的に正社員になることを望んでおり、 その実現を支援するという考え方のもと、能 力開発を実施している。 派遣スタッフのより良い将来やスキルアップ のために、能力開発が必要だと考えている。 また、能力開発プログラムは自前で実施した ほうが派遣先のニーズにより合致した教育が できる。 能力開発としては、未経験者に対する教育 訓練、現状の仕事に対する不足分を補填す る教育訓練、将来的なキャリアを見据えた資 格取得等の教育訓練などがあるが、いずれ も重要である。 能力開発支援の現状 貿易実務に関する能力開発 自社スクールでの集合講座 3次までの面接試験の後、採用前に2週間 に及ぶ貿易基礎講座を受講させる。途中5 ∼6回の確認試験があり、理解度が低い場 合には別途面談を行い、応募を諦めてもらう 場合もある。英語力、面接、適性検査に加 え、この貿易基礎講座の受講態度や理解度 をもとに、採用可否を判断する。 採用後にも、「 貿易実務講座」 、「 貿易実務 検定事前対策講座」 、「 ビジネスマナー研 修」 、「パソコン研修」 、「 簿記研修」 、「 コレス ポンデンス( 海外取引における通信業務) 」 、 「 関税」、「 海上保険」 等、貿易実務に特化し た講座・ 研修を実施している。 医療品分野のMR 会社負担による 能力開発支援 営業・ マッチング担当者が必要だと判断した 場合には、費用の全額を会社が負担する。 人気が高い講座は、ビジネス英語( 電話応 対やeメールの書き方など) とパソコン(エクセ ル) 。 集合講座の受講者の年間受講者は13,000 人である( 自己啓発支援を含む) 。 受講者は約6割が就業中のスタッフ、あとの 約4割が登録中のスタッフという内訳になっ ている。就業中のスタッフは営業担当者等に 勧められて受講するケースもあるが、登録ス タッフは概ね自発的判断で受講するケース が多い。将来的なキャリアの展望まで見据え て教育訓練を受講するのは、経験の長い、 あるいは年齢が比較的高い派遣スタッフで あるケースが多い。 CD-ROMトレーニング MR認定試験の受験資格を取得するために は、医薬情報担当者教育センター( MRセン ター) が定めた「 医薬情報担当者教育研修 要綱」 に基づく教育研修を受講する必要が ある。3次までの面接試験の後、採用される までに、グループミーティング、プレゼンテー ション、MRのための基礎的な講座等があ る。この研修は、派遣先を予め確定し、MR センターに派遣先と個人名を申請したうえで 始めなければならないというルールがある。 採用後には、MRセンターが定める最低限 の内容に同社独自の内容を加えた「 導入研 修」 を実施する。導入研修は420時間に及 び、基礎研修( 2ヶ月) 、マナー研修、製品研 修( 2ヶ月程度) 、OJ T研修( 1ヶ月) が含まれ る。研修費用だけでなく、泊まりがけで受講 する必要がある場合の宿泊費や朝晩の食事 代等を全て会社が負担している。 MRとして認定された後も、数十時間に及ぶ 継続研修を毎年受講しなければ、5年に1回 の更新のタイミングで認定を剥奪されること になるため、年2回、派遣先と協力しながら、 全ての派遣MRを対象とした研修を実施して いる。 OAのワード、エクセル、パワーポイント、アク セスについては、各スクールや支社のセル フトレーニング用のPCでCD-ROMを使っ て、トレーニングを行えるようにしている(予 約制) 。 個別( マンツーマン) 指導 営業・ マッチング担当者を通して依頼され、 どの部分の教育訓練が必要かというのを確 認し、時間などを設定して訓練を行う(派遣 先で訓練を行う場合もある) 。 訓練時間は短い( 長くて1日) 。 年間受講者は約3,000人。 277 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 A社 C社 能力開発支援の現状 自己啓発支援 職業経験のない 派遣スタッフに対する 能力開発支援 能力開発支援 における 派遣先と派遣会社 の連携 上記以外の能力開発支援については、ス タッフに受講料を一部負担させる形をとって いる。 グループ会社の教育研修は、登録スタッフ であれば入学金が免除され、稼働スタッフで あればさらに受講料が2割ほど割引になる。 受講後にそのスキルを活かして派遣された 場合には、負担した受講料の一部が、「 キャ リア手当」 として給与に上乗せされる形で払 い戻される。「 キャリア手当」 は、研修受講 後、同社から派遣されて就労しようというイン センティブを付与することを目的として導入 した。ただし、支払期間( 36ヶ月まで) 、水準 ( 月額上限1万円) には制限を設けている。 TOEI Cの受験費用の補助。 OAスキルや簿記・ 会計資格等の教育を実 施している提携スクールの利用割引制度 ( 入学料の免除、受講料の割引等の特典)。 特定労働者派遣で採用する新卒に対して は、4月∼5月にかけて新人研修を行ってい る。社会人の心得やビジネスマナーから、仕 事内容に応じた必要な技術( CAD等) に至る まで教育を行う。2007年度は新卒34名を対 象として実施し、その予算は1名あたり約30 万円であった。 その他の職業経験のない派遣スタッフに対 しては、ビジネスコミュニケーション研修、ビ ジネスマナー研修、OA研修の3つを組み合 わせた研修によって、ビジネスの基礎を教育 している。期間は対象者によってさまざまだ が、通常3日∼1週間程度かけて実施してい る。 第二新卒をはじめとして正社員歴1年未満 の派遣スタッフに対して、専用の教育訓練 パッケージを用意している。 内容は、主としてビジネスマナーとOAスキ ルである。対象となる派遣スタッフの登録状 況に応じて、1回10名程度で、年に数回実 施してきた。 受講者は2∼3年前までは増加していたが、 最近は正社員の就職環境が好転しているこ ともあり、若干減ってきている。 教育訓練の受講により、マッチングの可能 性は高まる。 出産や育児などで一定期間のブランクのあ る派遣スタッフに関しては、専用のトレーニ ングを用意せず、十分面接した上で個別に 対応している。 派遣先と同社のグループ会社が連携し、派 遣先独自の能力開発プログラムを実施して いる例がある( プラント関係の配管の設計・ 技術に関するパイピング講座) 。この連携の 背景には、この派遣先が、パイピングを担当 できる人材を募集しても集まらず、かつ汎用 的な知識・ 技能では戦力に成り得ないという 課題を抱えていたことがある。この講座の受 講者は「 キャリア手当」 支給の対象となる。 派遣先である証券会社や銀行等から、後方 事務を担当する人材として、証券外務員2種 の有資格者を要望されたことをきっかけとし て、証券外務員2種の講座を開講した。 派遣先と派遣会社が連携して能力開発を行 う事例はあまりない。 派遣スタッフが、派遣先が実施する情報保 護やコンプライアンスの研修を受講すること はある。 派遣前に予め派遣先の購買システム等に慣 れるためのトレーニングを実施する等、能力 開発プログラムを大口取引先のシステムに 合わせてカスタマイズすることもある。 能力開発支援の費用としては、講師料( 業 界セミナー等における外部講師、OAやCA D関連の常勤講師の人件費) の他、受講料 の派遣就労開始後の払い戻し( キャリア手 当) にかかる費用などがある。 能力開発支援の費用が売上に占める割合 はわずかであり、単独の費目では管理して いない。内容によって、研修費であったり、 福利厚生費として区分されていたり、複数の 費目に別々に計上されており、全体としての 金額は厳密に管理していない。よって、能力 開発支援の費用としての金額の目標値は設 定しておらず、上限管理もしていない。 能力開発支援にかける費用は近年増加傾 向にあり、今後も増加させていく予定。 能力開発支援の費用の総額は把握してい る。これまでは大きく費用が増加することは なかった。能力開発の費用の会社負担の是 非に関しては、過去社内でも議論になった ことがあるが、設立以来、無料受講の方針を 維持し続けている。 派遣スタッフがスキルアップしていくには、同 じ事務系の職種内でOAスキルを高めていく のが望ましい。一般事務から経理事務等に 転換するのは、派遣先でのOJ Tが必要とな ること、経理の資格取得までの費用は派遣 会社としてもコスト高になることから、実際に は難しい。 能力開発支援の費用 278 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 D社 F社 能力開発支援の現状 スクールで提供しているコースでも、アクセス 上級や1日集中のコース等は有料( 一般の 専門学校に比べると割安な価格設定) 。 提携している各種専門学校では、入学金免 除や受講料の割引などがある。 証券外務員2種の需要が高まってきたことも あり、資格取得に関わる費用は派遣スタッフ の自己負担だが、資格取得後、同社からの 派遣就業後一定期間(4ヶ月)を経過した場 合は、資格取得費用と同等の費用を奨励金 として派遣スタッフに支払う仕組みがある。 提携スクールの講座を派遣スタッフに紹介し ている。受講費用は派遣スタッフの自己負 担となる。 利用率はあまり高くない。 営業職もプレゼンテーション作成等のため、 パソコンのスキルが必要なので、提携スクー ルの講座やe−ラーニングの受講を勧めて いる。 アルバイトの就労経験しかないなど、事務職 の経験が浅い派遣スタッフに対しては、O A、ビジネスマナー、個人情報の取扱いなど をカリキュラムとして組んだ、最短9時間の コース(一般事務入門研修)を用意している。 何らかの職業経験( アルバイトとしての経験 を含む) のない人は、登録スタッフとして受け 入れていない。 営業職でも販売職でも、新たに知識や経験 を身につけることが重要なので、これまでの 経験は特に重視していない。 派遣先との連携による能力開発は難しく、 あっても例外的で、なかなか実現しない。 業務に即した研修は派遣先が行い、入門部 分の研修は派遣会社で行うというような形の 連携はある。ある程度の受注規模が見込め る派遣先とは、このような連携がやりやすい。 2005年に百貨店業界が設立した教育機関で、百 貨店の社員と一緒に、派遣スタッフにも研修を受 けさせた(費用は会社負担)。研修内容は、接客 の基本、笑顔の作り方、立ち位置、八大接客用 語、ロールプレイングなどである。この研修は現在 は行われていない。 以前は営業や販売の研修を実施していたが、定 員に満たない等の理由により中止になるケースが でて、現在では実施していない。 営業も販売も、能力開発支援というより、派遣先で のOJ Tで顧客と接しながらスキルを上げていくこと が主となっている。派遣スタッフは、派遣先で仕事 を学び、商品知識を身につけていく。 ただし、携帯電話の販売などの場合、座学の研修 を派遣先で用意する場合もある。 能力開発支援の費用として部署の予算があ るが、公表していない。上限が決まってい て、なるべく予算をかけず幅広いニーズに応 えられるよう努力している。 教育訓練の効果測定は難しいが、教育訓練 の受講者が同社から派遣されているかどうか は把握するようにしている。現在は受講者の 8割が同社から派遣されており、費用の回収 はできていると考えている。 百貨店業界の教育機関での研修を派遣ス タッフに受講させたり、外部講師やグループ 会社の講師を招聘した時には費用が発生し ていたが、現在のセミナーはすべて社内で 実施しており、講師は同社の社員なので人 件費の枠内である。 教育訓練として実施しているセミナーは、未 経験者を登録スタッフとして取り込むための 手段の一つであるので、セミナーにかかる費 用はスタッフの募集費用から捻出している。 自己啓発支援 職業経験のない 派遣スタッフに対する 能力開発支援 能力開発支援 における 派遣先と派遣会社 の連携 能力開発支援の費用 279 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 G社 H社 能力開発支援の現状 週末に24の無料カリキュラムを用意してい ・ 自社スクールでの集合講座 る。こうしたカリキュラムを行う狙いの一つとし 自社スクールの集合研修の料金体系は一 て、派遣スタッフの定着率を高めることがあ 般向け、登録スタッフ、就業中スタッフの3つ に分かれているが、基本的には有料(派遣 る。 スタッフの自己負担) である( ただし、営業・ マッチング担当者が必要と判断した場合の 費用は全額会社負担) 。 証券外務員に関しては、資格取得後3ヶ月、 同社を通じて派遣就労した場合には、受講 料相当額を払い戻す仕組みを取っている。 ・ 提携スクール OA、語学、ビジネス等の外部の研修を、教 育研修機関と提携して実施している。入学 金・ 受講料の割引を行っている。 自己啓発支援 ・ e−ラーニング 外部のe−ラーニングの会社と提携し、約 320の有料講座を提供している。地域格差に 配慮し、どこでも利用できるe−ラーニングを 導入したが、実際の利用者は首都圏在住者 が多い。年間1500件程度の利用がある。 貿易実務も医薬品分野も、未経験者を採用 して派遣する形をとっている。未経験者に対 して、上記のような能力開発を行っている。 特定労働者派遣として高校・ 大学の新卒派 遣を行っている。業務としては、高卒の場合 はアパレル等の販売、大卒の場合は銀行事 務、営業事務、貿易実務、外為、営業職等 がある。新卒の教育訓練は卒業前から行う。 新卒派遣とは別に、正社員としての就業経 験のない派遣スタッフに対して、ビジネスマ ナーの基礎やワード・ エクセルの初級クラス の教育訓練を行ってから派遣することもあ る。ただ、教育訓練を受けたことで、派遣先 が決まったというケースは、受講者の2∼3割 程度である。 未経験者、新卒派遣を銀行事務に派遣する 場合は、派遣前に計50∼60時間のプログラ ムを派遣スタッフに受講させている。 MRになるために受講しなければならない研 修のなかには「 製品研修」 等、派遣先でない と実施できないものもあることから、派遣会社 と派遣先で適宜役割分担をしながら能力開 発を行っている。 同社では、MRとして経験を積んだコーディ ネータが派遣先を訪問し、派遣スタッフの キャリア・ アップの相談、メンタル面のケアを 行う形をとっている。派遣先から要望があっ た場合は、派遣のMRに、コーディネータが 随行してOJ Tによる教育を行う。具体的に は、各製薬会社の営業所に赴き、そこでヒア リングをしながら日々の行動を指導する。も ちろん、派遣先のベテランMRがOJ Tを行う 場合もある。また、派遣MRの営業業績の管 理は派遣先が行う。 銀行事務の未経験者、新卒派遣に関して は、派遣先から指定された内容のプログラム を、派遣前に実施しているが、費用について は、派遣先企業が負担する場合もしない場 合もある。 MRの研修費用( 講師の費用等) は高いが、 基本的に3年間は育成期間として位置付 け、その後は派遣先の正社員となることを前 提に、その前にある程度の利益が確保でき るビジネスのスキームを作っている。育成期 間の派遣料金は、即戦力のMRの派遣料金 より低めに設定している。 育成期間の途中で正社員に転換してしまう ケースも稀にある。派遣期間にもよるが、2年 ぐらいで転換してしまう場合には、派遣先か ら紹介料をもらうこともある。 能力開発支援の費用には、人件費や教材 費、設備費用が含まれる。 非就業者が受講後2ヶ月以内に就業した比 率や、就業中のスタッフの受講者数を、「就 業貢献率」 として能力開発支援の効果を測 定している。非就業者への教育訓練によっ て就業に結びつくのは2割程度である。同社 で教育訓練を受けても、他社から派遣される こともあり、その効果を測定するのは実際難 しい。 スクール受講者の方が派遣就労の継続率が 高い。教育訓練の受講後に時給が上昇した かまでは把握していないが、実際のところ時 給アップにまで結びつけるのは難しいので はないかと考えられる。 職業経験のない 派遣スタッフに対する 能力開発支援 能力開発支援 における 派遣先と派遣会社 の連携 能力開発支援の費用 280 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 A社 C社 能力開発支援を行ううえでの 課題や問題点 高度なスキルや特殊なスキルに関する教育 訓練の場合、費用負担が大きく、ニーズが あっても実施できないケースがある。 教育訓練の実施状況に地域格差が生じて いる。東名阪地域の大規模拠点ならば、講 師や受講者が集まりやすく、頻繁に研修を 実施することができる。一方、地方拠点は営 業担当者10名ほどの小規模な拠点が多い ので、OA研修やビジネスマナー研修などの 基本的な研修も、頻繁に開催することは難し い。 稼働中の派遣スタッフのスキルを向上させる ために教育訓練を実施したいと思っても、派 遣スタッフがそのための時間を取れないとい うことも問題である。 最も大きな課題は無料で教育訓練を受講し たスタッフがすぐに他社に移ってしまうこと。 一方、費用が回収できないからといって派 遣スタッフへの能力開発支援を充実させな ければ、派遣スタッフが確保できなくなる可 能性が高まるため、教育訓練の機会を減ら すわけにもいかない。 派遣先のセキュリティが厳しくなり、他社との 競争も厳しくなる中で、派遣会社と派遣ス タッフの距離感が広がっているという危惧が ある。キャリアカウンセリング等の取組も、派 遣スタッフの帰属意識の向上、定着を目指 したものである。 一定期間、各派遣会社が共同で利用できる 教育施設等を設けてほしい。各地域の職業 安定所でそうした教育施設や研修講師の斡 旋をしてもらえると、地方でも研修の開催頻 度を上げ、派遣先や派遣スタッフのニーズ に応え、能力開発支援の地域格差を改善す ることができると考えられる。 教育訓練を受講した派遣スタッフが他社に 移るリスクを考えると、業界でトレーニングセ ンター等を設置し、業界全体で派遣スタッフ の教育訓練を行い、スキルアップを支援す る仕組みがあると良い。現行の人材派遣協 会のホームページにあるスキルチェックやテ スト等の仕組みを拡充することも一案であ る。 派遣スタッフのスキルアップや資格取得など が賃金に反映されることが重要だが、派遣ス タッフの能力開発やスキルアップを一つの 派遣会社で支援するには費用がかかり過ぎ るし、そのコストを回収できないリスクが常に つきまとう。 派遣スタッフの能力開発に対する公 的支援や業界団体の取組への要望 281 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 D社 F社 能力開発支援を行ううえでの 課題や問題点 能力開発支援の一番の問題はコストがかか ること。複数の派遣会社に登録しているス タッフが多いので、投資した費用の回収が 難しい。 地方と東京の格差も、課題としてあげられ る。e-ラーニングも提供しているが、地方で は自宅にパソコンがない人も多く、受講が難 しいケースもある。また、ビジネスマナーなど は、e-ラーニングには向かないので、地方で はどうしても手薄にならざるを得ない。 教育訓練の結果、スキルがどの程度上昇 し、実際派遣就労に結びついたかを評価す る仕組みづくりは、やはり難しい。OAスキル などは比較的評価しやすいが、評価が高く ても派遣就労に直接結びつかない面もあ る。一般事務に関する認定試験を行ってい るが、試験を受験する前に派遣先が決まっ たり、合格することが目的化してしまったり と、結果としてうまく運営できていない。 営業・ 販売職に対する現在の能力開発支援 はマナー研修までにとどまっており、スキル アップのための教育ができていない。たとえ ば事務職ならばOAスキルのような共通スキ ルの教育ができるが、営業職や販売職の場 合、接客のスキルアップ等を、どのように支 援したらいいのかが明らかにできていない。 また、営業・ 販売職としてのスキルの評価も 難しい。評価について、独自の指標を一部 作成し、それに基づいてチェックをしている が、より客観的な指標の必要性を感じてい る。過去に性格診断のようなものを導入した が、客観性や精度が十分でなく、利用価値 があるのかという疑問も呈されて行き詰まっ た。派遣先の評価は、結果だけによる評価 になりがちである。 助成金や税制の優遇など。 販売職には販売士という資格があるが、営 業職の資格はない。何か営業職のレベルが 認定できるような指標を業界全体として設け てもらえればよいと思っている。そうすれば、 派遣会社も客観的にスタッフの能力を評価 できるし、スタッフにとってもスキルの証明と して使用できるものになる。 派遣スタッフの能力開発に対する公 的支援や業界団体の取組への要望 282 派遣スタッフの能力開発支援に関するヒアリング調査 G社 H社 能力開発支援を行ううえでの 課題や問題点 NA 教育訓練の機会の地域格差をどう解消して いくかがこれからの課題である。スクールの ない地方のインフラを整備していく方法を考 えていく必要がある。 基本的なスキルを修得した上で派遣すると いう仕組みがあるのが理想である。現場との 兼ね合いもあり実現は難しいが、給料を補 償しても、時間をとって必要なスキルを確実 に獲得させた上で派遣できればいいと考え ている。 NA 会社によって考え方が違うので、業界団体 で何かを行うのは、難しいのではないかと思 う。 派遣スタッフの能力開発に対する公 的支援や業界団体の取組への要望 283 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 B社 E社 マッチングの仕組みの現状と変化 以前は、顧客に対する責任感を醸成し、担 当者間の食い違いを避けるため、営業担当 者が受注の獲得からマッチングまでを一貫 して担当していたが、派遣スタッフの稼動人 数が増加してきたことに伴い、効率性を重視 する考えから、現在は、マッチングの専門部 署、派遣スタッフのサポート専門部署を設 け、分業体制を敷いている。 スタッフの登録会、セミナーの企画・ 実施、 登録時の面談は、登録担当の部署が行って いる。営業担当者が顧客企業から注文を受 け、その受注内容を帳票に記入してマッチ ング担当者に提出する。その後、受注内容 に基づくマッチングはマッチング部署の担当 となる。マッチング部署が出した候補を、顧 客企業に派遣するかどうかは営業担当者が 最終的に決定する。なお、派遣契約が終了 した派遣スタッフへのヒアリングや、それに基 づく登録情報の更新は、営業担当者か、ス タッフのサポートを担当する専門部署が行 う。スタッフの仕事の希望はサポート担当が 聞くのが原則である。 マッチング担当者は登録センターもしくは マッチング部署に所属する。マッチング担当 者全体のうち、登録センターに常駐する者 は2割程度である。登録希望者は登録セン ターに来訪して登録を行う。その場で希望に 合致する仕事があれば、登録センターの マッチング担当者が仕事の案件を提案す る。その場で派遣先が決まらない場合も、就 業希望日の翌月末までは登録センターの マッチング担当者がフォローする。 企業からの受注に対応するマッチング部署 では、登録された派遣スタッフの情報をリア ルタイムで把握し、受注に合致するような派 遣スタッフを探す。派遣先の情報も、客観的 な部分に関してはデータベース化している。 ここのマッチング担当者は、チーム単位で業 務を遂行しており、そのチームが各エリアを 担当する営業担当に対応している。そのた め、基本的には担当エリアの受注案件しか 扱わない。 就業中の派遣スタッフのケアは営業担当者 が行い、月に1回はフォローするようにしてい る。 契約終了が決まった派遣スタッフに関して は、契約終了者を専門に扱うチームがスキ ルの更新や今後の希望をヒアリングし、希望 に応じた対応を行う。 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 希望やスキルの 確認方法 派遣契約の終了時にスキルチェック受けるこ とを派遣スタッフに勧めたり、本人からの希 望でスキルチェックを受け付けたりする。職 歴情報の更新は、ウェブサイト上で24時間で きるようになっている。ただし、登録スタッフ の定期的・ 継続的なスキルレベルの評価ま では完全にはできていない。 スキルチェックは、OAスキルのテストと、自 己申告による職種別の知識に関するチェッ クによる。この他、営業担当者やサポート担 当者が、派遣先からの評価を情報に記載 し、次のマッチングのときに参考にしている。 派遣先から派遣スタッフを評価してもらうの は、派遣契約が終了したときである。この 他、派遣開始後6週間経過時点で、アン ケートという形で、派遣先からの評価を聞くこ とにしている。派遣期間が長期に及ぶ場合 は、派遣スタッフと派遣先の両方にアンケー トをしている。 284 登録時に派遣スタッフの希望( いつから就業 可能か、派遣でいつまで働くつもりか、希望 職種、通勤時間、勤務場所、勤務先の環 境) を細かく確認する。将来のキャリアの希 望や保有資格は、マッチングの際に特に重 視する項目になる。 少なくとも月1回の訪問の際に、営業担当者 が派遣スタッフへのヒアリングを行っている が、将来的なキャリアの希望については、派 遣契約更新のタイミングで聞くことが多い。 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 I社 J社 マッチングの仕組みの現状と変化 2007年より、マッチング担当者の担当を「 職 種単位」 から「 企業単位」 に変更し、営業担 当者や企業と密に連携できるような仕組み に改めた。また、最近は、営業部署、マッチ ング部署など各部署間の人事異動を活発に 行うようになってきた。 このようななか、マッチング担当者も企業に 訪問するようになり、実際に見た会社の雰囲 気や職場環境を派遣スタッフに紹介できるよ うになった。また、派遣先企業の担当を固定 することにより、企業情報を営業担当者と マッチング担当者が共有できるようになっ た。その結果、派遣スタッフに対するマッチ ング担当者の説明が説得力を増し、マッチ ングの精度も上がるという効果が出てきてい る。 ただし、マッチング担当者側からは、企業担 当を持つことで全職種をフォローすることに なり、マッチングの対象スタッフが増えたこと から、「 休眠スタッフ」 のスキルの把握等が丁 寧にできなくなったという意見も出ている。 現在、既存の仕組み( 担当者の役割を固定 しない方式) と新しい仕組み( 役割の固定・ 分業化) を併用している状態。 従来あいまいだった、営業担当者とマッチン グ担当者の役割の境目を明確化するととも に、従来のマッチング担当者を、派遣スタッ フへの仕事紹介・マッチングだけを担当する 役割と、すでに就業中の派遣スタッフの更新 確認など定着・フォローを担う役割とに分け た。分業化した方が合理的だという判断で、 分業化していく方向にあるが、既存の仕組 みにおいては、共に働く中で自ずと生きたナ レッジを蓄積でき、社員一人一人の対応の 幅を広げる事ができるというメリットもあった。 派遣スタッフが登録センターで登録する前 に、登録予約を受け付ける部署が、登録予 定者の基本情報・状況を専用データベース に反映する。その情報を見て、マッチング担 当者が自分が担当している案件の中から、 希望・スキルに沿いそうなものをピックアップ し、来訪による登録前日までに、当日声掛け 希望のエントリーをデータベースにしておく。 登録センターで、派遣スタッフの希望や状況 等より細かいヒアリングをして、エントリーされ た案件の中から合致しそうなものを絞り込ん で提示する。さらに派遣スタッフが希望する 案件について、マッチング担当者が詳しい 内容を電話で説明する。 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 希望やスキルの 確認方法 登録の時に、将来のキャリアビジョン( どのぐ らいの期間派遣として働きたいか、正社員の 希望があるかどうか等) やスキルを確認して いる。派遣先に紹介するタイミングでも、必 ずこれらの情報を再確認する。 なお、登録スタッフのスキルに関する情報 は、実際に派遣されているかどうかにかかわ らず、定期的に収集するようにしている。派 遣期間にブランクがある場合も、毎月案内を 出し、追加の職歴を確認している。さらに、 他社からの派遣に切り替わった場合でも、契 約更新のタイミングで、案内を出して、派遣 スタッフの状況やスキルアップをフォローす るようにしている。 確認するスキルの内容は、入力速度、ワー ド・ エクセル・ パワーポイント・ アクセス等、O Aのスキル、経理、英語、貿易実務等であ る。取得資格等についても申請してもらって いる。 また、会社として、営業担当者には、契約更 新時に当初からの業務内容に変更がない か、状況を確認するよう徹底している。 た だ、派遣契約の内容を変えるほど大きな業 務内容の変化がある場合以外は、把握しき れていないのが現状である。派遣スタッフに 対して、業務内容の変更や能力の変化を申 請するよう働きかけてはいるが、まだ徹底で きていない。 285 派遣スタッフが就労中に資格を取得した場 合、営業担当者かマッチング担当者がデー タベースに随時反映していく。職務経験に ついては、派遣終了時点で実際に行ってい た業務内容を詳細に確認し、データベース を更新する。 派遣終了の際には派遣先にも派遣スタッフ の稼働状況に対する5段階評価を行っても らい、コメントも残してもらう。派遣歴の長いス タッフだと、この評価が蓄積されていき、職 歴・スキル・資格等とは別に、マッチング担当 者が仕事を紹介する際の貴重な判断基準 になっていく。 このほか、品質保持を目的とした社内の厳 密なルールに則って、定期的に、仕事開始 後の派遣スタッフの状況確認調査を、派遣 先、派遣スタッフの双方に対して紙面で実施 している。 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 K社 L社 マッチングの仕組みの現状と変化 登録センターがあるが、営業支店でも登録 することはできる。登録センターには面接専 門のスタッフがいるが、営業支店の場合は マッチング担当者が面接する場合もある。登 録後マッチングをするのは、派遣スタッフが 働きたいと考えている地域にある営業支店 のマッチング担当者で、営業支店のテリト リーの中でマッチングを行う。マッチング担 当者は、派遣スタッフの合意がとれた時点で 営業担当者に連携する。派遣先に派遣ス タッフを連れて行くのは営業担当者である。 なお、営業担当者やマッチング担当者のほ かに、派遣スタッフのフォローを専門に担当 している「 フォロー・ スタッフ」がいる。フォ ロー・ スタッフは、基本的には、業務量が適 正か、派遣スタッフが困っていないかといっ た状況を把握し、派遣スタッフを支えることが メインの業務である。 登録においては、登録担当者が登録のイン タビューからスキルの確認等を行い、希望条 件を聞いたうえでマッチングをする。派遣先 が決まれば、営業・ マッチング担当者に担当 を移管する。営業・ マッチング担当者は、派 遣先ごとに担当が決まっている。 最初の派遣先が決まるまでは登録担当者が マッチングをするが、派遣先との連絡調整の 段階に入ってからはマッチング担当者の担 当となる。派遣契約終了後の次の仕事は、 マッチング担当者が探す。 営業担当者は、派遣先の開拓のほか、派遣 スタッフのフォローもする。マッチングの結果 を営業担当者が確認をして、顧客企業への 紹介を最終決定する。 営業担当者は企業単位で担当が決まって いる。マッチング担当者の担当も企業単位 で決まっているが、仕事のマッチングは、他 の企業を担当しているマッチング担当者と連 携しながら行っている。営業担当者とマッチ ング担当者は厳密な対応関係にあるわけで はなく、マッチング担当者1人に複数の営業 担当者がいる場合もある。また、縦割りに なって最適なマッチングができなくなる弊害 を取り除くために、担当企業を持たず、全体 の調整を担当するマッチング担当者を、各 営業支店単位で配置している。 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 希望やスキルの 確認方法 派遣スタッフが長期的にどのような希望を 持っているかについては、必ず聞くようにし ている。よりよいマッチングを行うために、派 遣スタッフの長期的な希望を把握することは 不可欠である。 派遣スタッフの長期的希望は、情報として残 し、他のマッチング担当者にも連携するよう にしている。従来はマッチング担当者間で個 別に連携していたが、現在は担当企業を持 たないマッチング担当者が、こうした長期的 希望のマッチングへの反映をフォローする体 制をとっている。 派遣スタッフが新規の資格を取得した場合 等には、改めてスキル・ チェックに来てもらう ようにしている。フォロー・ スタッフも月1回は 必ず派遣先に訪問するので、その際に派遣 スタッフに対して、必要に応じてスキル・ チェックを行うよう働きかける。受講できる教 育訓練の内容についても、フォロー・スタッフ 等から定期的に情報を提供している。 286 登録の際に、登録担当者が、現在できるこ と、本人の短期的・ 長期的希望( やりたい仕 事) を聞く。 その後は、派遣されているか否かをかかわら ず、定期的にスキル評価をしている。それ以 外に、登録・ 派遣スタッフ本人からスキルアッ プができたという申告があれば、登録データ のスキル情報を随時更新している。 派遣中のスタッフについては、営業担当者 やマッチング担当者が、定期的に行うフォ ローの中で、派遣先にも確認をして、経験と してかなりスキルが高まったと判断されれ ば、派遣スタッフ本人に伝えた上でスキルや 経験に関する登録情報を更新する。 派遣されていない登録スタッフについては、 登録担当者などスタッフと連絡を取る担当者 が、マッチング業務の途中で電話連絡等に よる接触があるので、その際に情報収集を する。そのとき、たとえば新たに資格を取得 したとか、経験が増えたというような情報があ れば、来社してスキルの確認を受けることを 提案する。 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 M社 マッチングの仕組みの現状と変化 マッチング担当者が登録からマッチングまで を担当し、営業担当者が派遣先の新規開拓 や派遣スタッフの就労中のフォローを行なっ ている。 登録からマッチングまでのプロセスをマッチ ング担当者1人が担当しており、大手の派遣 会社と異なり、登録・ マッチング・ 就業中の フォローという業務ごとの完全な分業制では ない。 派遣先に関する顧客管理台帳には、派遣先 の事業内容、従業員数、売上、男女比、年 齢構成などの基本属性だけでなく、人選に あたっての留意点や職場環境等定性的な 情報も記載されている。マッチング担当者は こうした派遣先情報と派遣スタッフの情報を 照らし合わせてマッチングを行う。派遣スタッ フが現行の派遣先での就労を終了する際に は、営業担当者が派遣スタッフと派遣先担 当者にヒヤリングし、「 終了スタッフ通知書」 を 作成してマッチング担当者に周知する。 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 希望やスキルの 確認方法 派遣スタッフは、登録時に、経験職種やスキ ル、就労希望に関する自己申告シートと職 務経歴書を提出し、あわせてOAや英語の スキルチェックを受ける。この段階で、派遣ス タッフが希望する職種や就業期間、就業形 態( フルタイム勤務かパート勤務か) 、紹介 予定派遣の希望などのキャリア形成に関す る希望を把握することになる。これらは派遣 スタッフ本人による自己申告を基本とする が、マッチング担当者がヒヤリングをしながら 情報を補足していく。 派遣契約終了の際、営業担当者がマッチン グ担当者に連携する「 通知書」 には、終了時 点の担当業務やスキルレベル、今後の就労 希望等とあわせて、派遣先担当者による派 遣スタッフの評価も記載される。 登録の有効期間は2年間であるため、登録 スタッフには登録2年後に登録継続希望の 有無を確認し、希望者にはスキルチェックを 実施した上で、登録情報の更新を行ってい る。 287 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 B社 E社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 キャリア形成と時給 派遣スタッフに長く働いてもらうためには、労 働条件を上げてモチベーションを高めていく ことが必要である。 派遣料金アップの交渉によって、派遣スタッ フの時給を上げていくことも営業担当者の役 割であり、この交渉は年1回は必ず行うように 指導している 派遣先企業の人事部が派遣料金の決定権 を持っている場合、派遣先全体としての料金 相場が決められていることが多く、派遣スタッ フの派遣料金に個人差をつけることが難し いので、個別の料金アップも難しい。一方、 各派遣先の部署が派遣料金の決定権を 持っている場合は、比較的、個別の料金 アップが受け入れられやすい。 仕事範囲が限定されている場合、ある程度 以上の料金アップは難しくなる。こうなると、 時給水準の停滞が派遣スタッフの不満にな り、同じ仕事にも飽きてくることから、派遣ス タッフが仕事を長く続けることも難しくなる。 ただ、実際には、仕事の幅を広げてほしいと 考える派遣先のほうが多いようである。 技術系などの専門的職種では、1つの職種 をきわめることによって時給を上げていくとい う形もあるだろうが、事務職の場合は、より多 くの知識が必要とされる仕事に変わっていく ことによって時給が上がっていくという形が 多い。 そうしたスキルの向上による昇給だけでな く、役職者になりたいというスタッフには、正 社員の人材紹介の方を勧めることがある。 派遣料金の交渉について、交渉を行わなけ ればいけないという時期は特に設定されて いない。したがって、派遣先での業務の拡 大やスキルの上昇に伴う料金交渉は、個別 対応になる。 マッチングの際には、できる限り派遣スタッフ の希望に応じた仕事を紹介するようにしてい る。希望に沿った仕事はあるが、派遣スタッ フ自身のスキルが足りない場合は、教育研 修の案内をする。 派遣中のスタッフが、現在の担当業務よりも 難しい仕事をしたいと希望した場合、第一 に、現在の派遣先でそのような仕事ができる 機会がないかということを、営業担当者が派 遣先に相談する。その結果、そうした機会が なさそうだということであれば、営業担当者か ら派遣スタッフにその旨を伝え、契約の継続 更新をするか、他の仕事を探すか相談す る。 一般事務としての就労が長く、将来のキャリ アについて悩んでいる派遣スタッフに対して は、資格や経験をみながら将来についてア ドバイスすることがある。たとえばこれまで営 業事務を経験して、英語の資格を保有して いる場合は貿易の仕事を、簿記の資格を保 有している場合は経理的なものを、営業との やりとりが得意で評価も高ければ秘書の仕 事を勧める。 マッチングによる キャリア形成の現状 同社からの派遣実績が豊富にあり、派遣先 の評価が良い派遣スタッフに仕事を紹介す るのが、マッチング担当者としても安心であ る。逆に、他の派遣会社を短期間で渡り歩 いているような場合は、派遣スタッフ本人に 何か問題があったのではないかと懸念する 場合もある。 同社で派遣契約を終了した人が、次にまた 同社から派遣される割合は3∼4割程度であ る。 288 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 I社 J社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 キャリア形成と時給 マッチングによる キャリア形成の現状 時給の見直しは、基本的には年1回である。 ある程度の期間、派遣先で就業し、それなり の成果を上げている派遣スタッフに関して は、年1回にこだわらず、時給を上げてもら えるよう派遣料金の交渉を行うが、このような ケースはあまり多くはない。 同一派遣先で時給が全く上がらない場合に は、派遣スタッフからの希望で、派遣先を変 更するケースもある。この場合、時給を上げ て派遣スタッフに仕事を継続してもらえるよう 派遣料金を上げるか、あるいは別の派遣ス タッフに交代するか、派遣先に選択肢を提 示して選んでもらう。 契約更新時に派遣料金の改定を行う際は、 派遣先には派遣料金の水準が、派遣スタッ フには時給水準が、適正か否かを確認して いる。 派遣料金については基本的に年1回、派遣 先と改定の交渉を行うことになっている。普 段から派遣先の状況確認を行ってはいる が、年1回の料金交渉の資料とするために、 派遣スタッフの年間を通じた業務量の変化 や、責任や負荷の変化について、交渉の前 に再度詳しくヒアリングを行っている。 希望が明確な派遣スタッフや、年齢が若い 派遣スタッフについては、マッチング担当者 が、将来を見据えた助言をすることも多い。 逆に、何社も派遣会社を経験し、職種を変 更せずに派遣を続けている派遣スタッフの 場合は、今後のキャリアに対する希望という よりも勤務条件に関する要望が多く、自身の キャリアに関する相談は少ない。派遣スタッ フの意識や状況によって、キャリア形成に対 する支援方法は変わってくると思う。 一般事務や受付で長期的に派遣を続けて いても、実際のところ時給単価を上げるには 限界もあり、年齢やキャリアにより、継続して きた業務に行き詰まるケースもある。それなり に時給を上げながら派遣就労を続けていく ためにはどういうスキルを身につけ、どういう 職種を選べばいいのか、あるいは派遣から 正社員を目指すというような道も考えられる など、実例をもとに助言を行うことになる。 派遣就労が長い場合には、派遣スタッフが 自律的に自分の将来ビジョンを考え、キャリ アを構築しているようなケースも多く見られ る。 できるだけ派遣スタッフの希望に沿うように 仕事を探すという前提はあるが、希望と能力 や経験に乖離がある場合は、この段階では 希望通りの仕事を紹介できない理由を客観 的に示して伝える。同時に、将来的にその 仕事に就くにはどうすればいいのか、マッチ ング担当者としてこれまで接してきた他の派 遣スタッフの事例の中からロールモデルを紹 介する等、希望に至るまでの道筋の例を提 示し、将来につながるような別の仕事を紹介 することもある。 短期的にマッチングさえすればいいというこ とではなく、ベストでないにしろベター、何よ りも派遣スタッフが納得して、自分で仕事を 選ぶことが大事だと考えている。納得の上就 業しないと、やりたいことがある人の場合、就 業してから揺れて途中終了するケースが少 なくない。そうなると、派遣先に対するサービ スの質の問題にもつながるので、今経験す る仕事が将来にどうつながるのかという道筋 は、仕事紹介の段階で派遣スタッフに必ず 示すようにしている。 正社員志向のあるスタッフに対しては、紹介 予定派遣の案件を紹介する等の配慮をして いたが、最近、正社員で働きたいという派遣 スタッフが( 会社として特別な支援をしなくて も) 正社員になるようなケースも増えてきた。 長期の就労中に派遣スタッフのキャリアアッ プの目標が変化した場合には、派遣先でそ の機会が与えられそうであれば、派遣先と交 渉をするが、そうでない場合は派遣スタッフ も就労を継続しないだろうし、他の派遣先を 考えることになる。 現在の派遣先で長期稼働し、重宝されてい る派遣スタッフのキャリアアップの要望をかな えるためだけに、こちらから派遣先の変更を 提案することは、派遣先に多大な迷惑をか けることになるので基本的にはしない。 289 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 K社 L社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 業務内容のレベルが上がったので、時給を 上げる必要があるというような状況把握が必 要になるのは、通常年に1回程度だと思う。 ただ、派遣が一度終了して、次の派遣先に 行く場合には、当然のことながら業務内容が 変わるので、スキルもチェックし直すし、時給 も見直している。 実際、意欲や能力が高い派遣スタッフは、 営業担当者が時給を上げるための派遣料 金交渉をするまでもなく、派遣先に信用さ れ、自然と料金・ 時給が上がっていく傾向が ある。また、専門能力を持つ派遣スタッフの 時給は比較的上がりやすい。 スキルアップの情報は、少なくとも年1回行う 派遣先との派遣料金交渉の際に、料金アッ プを提案するための材料となる。 派遣スタッフの時給については経験やスキ ルのレベルによって差をつけている。 スキルを伸ばしたいと考えているスタッフは 多いが、仕事を選ぶ上で時給水準を主たる 選択基準としているスタッフは多くない。 派遣スタッフの仕事内容に対する要望に は、可能な限り配慮するようにしている。た だ、経験やスキルもないままに、たとえば経 理の仕事をしたいという要望に接する場合も ある。こういう場合は、実際すぐに経理の仕 事で派遣することは難しいが、経理と関係が あるような近辺の所属に派遣する一方で、簿 記等の勉強をするように働きかけ、一定期間 キャリアを積んだうえで経理の仕事に派遣す るケースもある。 与えられたチャンスを活用しながら能力を伸 ばしていける派遣スタッフは、成長していけ ると思う。 派遣スタッフが生きいきと働ける環境をめざ し、本人がどの点に重きを置いているかを確 認しながら仕事を探すようにしている。 たとえばTOEI Cの点数等で英語力が向上 したことが明らかになれば、それに合った仕 事を探すように努力する。派遣スタッフがス キルアップに意欲を持っている場合は、スキ ルが伸ばせそうな仕事に配置できるよう配慮 する。 ただし、マッチングにおいては、スキルだけ ではなく、企業の環境や雰囲気に合った人 柄かどうかという点が基本となるので、本人 の希望がない限り、スキルを伸ばすことを目 的として、より高い能力を必要とする業務を 意図的に選んで派遣するようなことは行って いない。 長期的なキャリアまで考えている派遣スタッ フは少ない。派遣スタッフが自分のキャリア について考えるのは、思ったような水準の時 給にならない等の危機に直面した時、あるい は新しい能力を身につけたいという意欲が 出てきた時等だと思われるが、通常は、その 時の仕事内容にしか関心がないケースが多 い。 少数派ながら、派遣で働く目的、将来的な キャリア・ ビジョンを明確に持っている派遣ス タッフもいるが、そういう人は派遣会社が目 的やビジョンを聞かなくても本人から伝えて くる。 派遣先が長期派遣を要望し、派遣スタッフも 派遣先に長くいたい、という場合には派遣先 企業での正社員登用につながるケースも稀 にある。 派遣先と派遣スタッフが現状に満足している にもかかわらず、キャリアアップのために派 遣先を変えるということは基本的にない。 これまでの派遣業務から職種の転換を希望 している派遣スタッフについては、本人が既 にその分野の仕事の経験があって、能力的 に担当が可能ということであれば、転換を意 識したマッチングを行う。もし経験がないとい うことであれば、研修等によってスキルの習 得に対して支援を行う。この場合、派遣先に 対しても、実務に役立つ研修を行っているこ とを説明し、それを前提に派遣スタッフを受 け入れてもらうようにしている。 キャリア形成と時給 マッチングによる キャリア形成の現状 290 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 M社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 派遣スタッフが経験のない職種に転換する 場合、最初の3ヶ月間は、通常よりやや低め の派遣料金で派遣先に受け入れてもらう場 合もあるが、3ヶ月経過した時点で、派遣ス タッフのスキルレベルや業務内容を確認し、 スキルアップしていると判断される場合に は、派遣料金アップの交渉を行っている。 派遣料金がアップした場合には、少なくとも その8割を派遣スタッフの時給アップに還元 している。 キャリア形成と時給 派遣スタッフ本人が中長期的なキャリア形成 に前向きな考え方を持っている場合は、少し でも本人の希望を反映した形でマッチングを 行いたいと考えている。特に、ある程度長期 的に同社で就労する可能性が高い派遣ス タッフに対しては、会社としてキャリア形成を 支援しやすい。 登録時に本人が派遣スタッフとして就労した い期間を確認した上で、登録から1年間は、 3、6、12ヶ月目のタイミングで、定期的に派 遣スタッフをフォローしている。高評価の派 遣スタッフについては、他社で就労したり、 正社員になった場合も最低1年間はフォ ローするようにしている。 マッチングによる キャリア形成の現状 派遣スタッフのスキルが、マッチングの時点 では派遣先の求めるレベルに達していない 場合でも、たとえば派遣料金を若干低くして 派遣先に受け入れてもらうこともある。最近 は正社員の実務経験を有する派遣スタッフ が少なくなってきている影響もあり、必要なス キルレベルに若干満たない派遣スタッフで も、派遣先に受け入れてもらえる余地が出て きた。 291 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 B社 E社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 マッチングによる キャリア形成の課題 派遣スタッフの意思と派遣会社の支援だけ では、派遣スタッフのスキルアップは実現し ないケースが多い。派遣先の指揮命令者が 派遣スタッフの育成には関心がなかったり、 派遣先の職場が人手不足で派遣スタッフに 仕事を教える人がいなかったりする場合は、 派遣スタッフがスキルを伸ばそうと思っても 実際難しい。 営業担当者の中には、派遣契約を継続させ ることを優先し、スタッフに現在の仕事を続 けさせるための説得に力を注ぎ、スタッフの キャリア形成になかなか目を向けられない人 がいる。 NA 正社員経験のない人やキャリアに中断のあ る人に対しても、派遣の機会は提供してい る。 派遣前に、必要に応じてビジネスコミュニ ケーション研修、ビジネスマナー研修、OA 研修を受講させ、未経験者であることやキャ リアに中断があるが、これらの研修を受講済 みであることを派遣先に伝えたうえで派遣す る。 正社員経験がないほうが先入観なく事務の 仕事に入っていくので、企業側が教えやす いと評価することもある。 それまでの職業経験の雇用形態よりも仕事 の中身を重視する傾向が高くなってきている ので、経験の内容をうまくアピールできれ ば、派遣の可能性は高まる。派遣の可能性 と年齢はあまり関係がなく、重要なのはやは り意欲である。 結婚、育児などでキャリアに中断のある人に 対して、特別な取り組みは行っていないが、 派遣前に希望をきいて、必要に応じて個別 に対応している。派遣として働き始める主婦 は増加している。子育て中の人は時間的な 制約が大きい場合が多いので、そこをクリア して初めてスキルの問題が出てくる。以前の 職業経験、ブランク期間中の資格取得等が あれば、それらを生かせる仕事の提案をす るようにしている。 正社員経験のない人やキャリア中断 のある人の派遣可能性 292 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 I社 J社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 派遣スタッフの長期的なキャリア形成支援 が、仕組みとして整備されているかというと、 まだそこまでには至っていない。 また、さまざまな企業で求められるようなスキ ルを磨き、業務知識を身に付けたとしても、 職種により派遣料金がある程度固定されて いるため、なかなかスキルアップが賃金につ ながらないという現実の壁がある。 一般事務系の派遣就労も長くなると行き詰ま るケースがある。稼働実績が良い人材ほど、 マッチング担当者の信頼も厚く継続的な派 遣就労が可能となる傾向が強い。しかし、稼 動歴が良かったが故に自分のキャリアにつ いて悩んだり、じっくり考える機会が持てな かったというような皮肉な結果となる面もあ る。 長く就労している派遣先で直接雇用される のが望ましい「 卒業」 の仕方の一つである が、一般事務系の職種だと若い人材も多い ので、現実的には直接雇用は難しいことが 多い。現在、派遣で年齢の壁を越えて長く 続けられるのは、翻訳、通訳、経理という専 門スキルを要する職種が多い。 一般事務系の派遣スタッフに対して、職種 転換等を含めた長期的なキャリア形成につ いてアドバイスしていきたいが、実際そこま でできていない。 育児休業を取得して復帰してくる派遣スタッ フには、復帰後の状況や希望に最も合った 派遣先を探すようにしている。 子育て中の派遣スタッフの場合、育児のサ ポート体制をどう整えていくかが、仕事を続 けていく上での重要なポイントとなる。 NA マッチングによる キャリア形成の課題 正社員経験のない人やキャリア中断 のある人の派遣可能性 293 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 K社 L社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 マッチングによる キャリア形成の課題 一般事務の範疇だけで時給を上げていくの は実際難しい。経験がなくても素直で意欲 があるほうが派遣しやすい場合もある。経験 をふりかざして、前の派遣先と比べるような 派遣スタッフは、派遣先でも敬遠される傾向 があり、時給もなかなか上がらない。派遣ス タッフにも、それなりの柔軟性が必要だろう。 企業が求めている派遣スタッフ像と派遣ス タッフ自身の職業観が違う場合には、マッチ ング担当者がキャリアに関する希望を聞き、 今後の仕事についてアドバイスをすることも ある。 派遣先での仕事の範囲が限定されている と、なかなか能力は高まらない。派遣先での 職務付与は、派遣スタッフのキャリア形成に 大きな影響を与える。 NA スキルや意識が高いかどうかは、正社員経 験の有無とあまり関係がなく、むしろ人による ところが大きい。 ただ、正社員経験があるほうが信用しやす いという印象を持つ派遣先もあり、そういう派 遣先からは正社員経験者を求められること が多い。 正社員経験があったとしても、長いブランク があると派遣先を見つけるのが難しい。 子育てしながら派遣で働くというケースもあ る。ただ、子どもが急に病気になった時に、 派遣スタッフ本人の他に迎えにいってくれる 人がいないような場合には、なかなか派遣先 が見つからない。 新卒者や事務職の未経験者には、原則とし て能力開発プログラム( ビジネスマナーや OAスキル等) を受講させてから派遣する。 事務職の経験者であるが、育児等によって キャリアに中断のある派遣スタッフについて は、今後の仕事に生かせる職業経験等を確 認したうえで、スキルの不足部分があれば研 修で補っていく。ブランク期間が長い場合、 OAスキルの教育が必要となることが多い。5 年程度のブランク期間があると、しばらく仕 事のリズムに追いつけない面もある。ただ、 仕事の能力自体は中断があってもあまり変 わらないと認識している。 なお、育児等で仕事ができない間も、同社 に登録していればe-ラーニングを活用する ことができる。 正社員経験のない人やキャリア中断 のある人の派遣可能性 294 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 M社 マッチングと派遣スタッフの キャリア形成 マッチングによる キャリア形成の課題 派遣スタッフとしての経験が長くてもスキル アップが十分でない場合には、新しい派遣 先へのマッチングは難しくなる。この場合、 派遣会社としては、スキルアップを図る、もし くは職種を転換する以外に選択肢はない が、他の職種にスキルの幅を広げていくこと は現実的には難しい。 派遣スタッフのキャリア形成のためには、同 じ職種でスキルアップできるような派遣先へ の配置が望ましい。ただし、派遣スタッフの スキルアップが可能な派遣先の確保は実際 難しく、この点が大きな課題となっている。 また、将来的なスキルアップの可能性につ いては、派遣スタッフ本人もわかっていない ことが多い。マッチング担当者が派遣スタッ フの可能性を引き出すようなマッチングを行 うことが重要になる。 さらに、マッチング担当者と営業担当者の連 携も課題だといえる。業務の特性上、営業担 当者は派遣先の視点に立つ傾向にあるが、 マッチング担当者と営業担当者がうまく連携 し情報を共有することが重要である。 正社員経験のない人やキャリア中断 のある人の派遣可能性 近年、正社員経験のない派遣スタッフが増 えてきているなか、契約社員やアルバイトの 経験しかない派遣スタッフでも就労できる可 能性はある。ビジネスマナーとOAスキルを 一通り習得した上で、派遣先に配置していく ケースが多い。既に同社の派遣スタッフが就 労している派遣先であれば、その派遣スタッ フが指導することもある。また、未経験の派 遣スタッフを指導する体制が整っている派遣 先もある。 出産・育児等でキャリアに中断のある派遣ス タッフも就労できる可能性はある。実務経験 がある場合、基本的なスキルは身に付いて いると考えられるため、ブランク期間中に活 用していないOAスキルを磨くためのトレー ニングを用意している。 295 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 B社 E社 マッチング担当者に求められる 職業能力とその育成方法 マッチング担当者に求められるのは、派遣ス タッフや派遣先に関する情報収集能力と把 握能力である。また、顧客企業から提示され た要件に完全に適合するスタッフを探すの は困難なので、このスキルはないけれど別の スキルがあるから、この案件に対応できるだ ろうというような柔軟性も、マッチングを行うう えでは重要である。 マッチング担当者として新卒も採用してい る。営業からの異動もあるが、それほど多く ない。マッチング担当者になると、まずマッ チング部署に配属される。そこで顧客企業 のニーズやオーダーについて学んでから、 登録センターに配属される場合もある。 マッチング部署の場合、派遣スタッフと対面 で話すことは少なく、電話での会話が主とな るので、コミュニケーション能力が特に重要と なる。派遣スタッフの本音( 本当にその仕事 をやりたいのか等) が、電話での会話でわか る必要がある。早い人だと3ヶ月くらいでコツ をつかんでくる。派遣スタッフや企業の提示 している条件の、優先順位をしっかり把握で きることが、よいマッチング担当者の条件で ある。 受注内容を字面のみで単純に見るだけでな く、顧客企業の業種、社歴などから、経験則 としてどのようなスタッフが適任であるかを判 断することが必要になる。そのためにOJ T、 Of f −J Tによってある程度の期間をかけて 教育していく。 また、マッチング担当者には営業の経験が あることが望ましい。営業経験者であれば、 3ヶ月ほどでマッチング担当として戦力にな るが、営業の経験がないと6ヶ月ほどかか る。現在のマッチング担当者の多くは営業経 験者である。 全くの新人に対しては、労働者派遣法、情 報管理など基礎的な部分を指導担当者 ( マッチングの経験者) が座学で指導をす る。その後営業担当者に2日間同行し、企業 のニーズを直接聞く訓練を行う。 新人のマッチング担当者が最初に行うのは 登録情報の更新である。次に、実際に仕事 の案内を行う。同社は、検索条件を入れると 条件に合致する派遣スタッフがピックアップ される人選システムを持っているが、どんな 検索条件を指定するかという点でテクニック を要するので、最初のうちは、上長が検索条 件を指定する。チームの中でマネジメントを している者が、新人の指導担当者になること が多い。 マッチング担当者に 求められる職業能力 マッチング担当者の 育成方法 296 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 I社 J社 マッチング担当者に求められる 職業能力とその育成方法 マッチング担当者に 求められる職業能力 マッチング担当者は、ほとんどが中途採用 者である。マッチング業務の経験がなく、派 遣業界のことを知らなくても、本人に仕事へ の前向きさや適性がみられれば採用する。 年齢的には、30代半ばぐらいまでの人を採 用するケースが多い。 マッチング担当者がある程度の業務をこな せるレベル以上に成長できるかどうかは、本 人の適性や気持ちによるところが大きい。経 験が長いからといって、マッチング担当者と して順調に成長していくわけでもない。派遣 スタッフを大切に思う気持ちがないと、マッチ ング担当者としてよい仕事はできない。 適性としては、素早い対応ができる、大量の 情報の中で優先順位を的確につけられるな ど、マッチングに関するセンスが特に重要と なる。 未経験者がマッチングを始めて、ある程度 一人前になるのは1年ぐらいだと考える。一 人前の条件として、登録内容を十分に理解 できることはもちろん、コミュニケーション能 力が不可欠。電話やメールを通じた限られ た会話のなかから、派遣スタッフの思いや能 力を見定められるかどうかが、一人前のマッ チング担当者として力量を問われるところで ある。 マッチング担当者のベテランとしての条件 は、派遣先や派遣スタッフに対する提案能 力や、スキルが十分でないスタッフの売り込 み、どういう力を伸ばしていけばいいかと いった、教育支援の面で長けていることであ る。ベテランとして残れるのは、新人マッチン グ担当者のうち約半数ぐらいだと思う。個人 差があるが、ベテランになるための期間とし て最低2年は必要だと思う。 マッチング担当者として、15年ぐらい前から 新卒を採用し始めたが、現在でも中途採用 の方が多い。年齢層としては30代前半ぐら いまでが多い。採用の際には、「 人を支援す る」 素養、臨機応変に状況を受け入れて対 応できる素養等を見ている。 マッチング担当者には、派遣スタッフに対す る暖かい目と、冷静なアセスメントの目の両 方が要求される。 ベテランになると、顧客企業の文書や口頭 での顕在的な人材ニーズだけでなく、表面 には出てこない職場の課題や潜在的な人材 ニーズまで汲み取れるようになる。蓄積され てきた派遣実績から導き出される隠れた ニーズや社風などを勘案し、表面的に要求 されている条件に優先順位をつけてマッチ ングをすることができるようになる。 マッチング担当者として採用した後、最初の 3ヶ月∼1年は指導担当者( 先輩) がペアで 指導する。研修期間中は日報を書かせて、 指導担当者が内容をチェックしてアドバイス 等をフィードバックする。週1回は所属の部 長も日報を見る。 人選に関する教育は、派遣先と派遣スタッフ を検索させることから始まり、①この仕事に合 う人を探すうえで重視すべきこと( どういう検 索条件を入れるか) 、②派遣スタッフの希望 内容の優先順位等を考えさせ、それについ て指導担当者と意見交換する等のOJ Tが主 体である。 マッチング担当者が採用されると、本社での 研修(3日)後各支店に配属される。配属後 1ヶ月ぐらいは指導担当者のもとで簡単な人 選の一部を補助的に行う。また、そのうち2週 間くらいは、法律の知識や、扱う仕事内容、 顧客企業や派遣スタッフへの対応、業務フ ローなど、マッチング担当者として必要な知 識を、支店のなかで各分野に最も詳しい者 が講師となって、マンツーマンで講習を行 う。 入社2ヶ月後くらいからは、通常一人で一通 りの仕事をこなさなくてはいけなくなる。2ヵ 月後に成約にかなり近いところまでいけるの が理想である。 マッチング担当者の 育成方法 297 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 K社 L社 マッチング担当者に求められる 職業能力とその育成方法 マッチング担当者に 求められる職業能力 マッチング担当者の 育成方法 マッチング担当者は中途採用が大層を占め る。営業担当者を経験したうえで、マッチン グ担当者に転換した人もいるが、少数派で ある。 マッチング担当者に不可欠な素養は、迅速 なマッチングへのプレッシャーに耐え得るス トレス耐性、人を見極める感性だと考える。 新人のマッチング担当者が自分の担当を持 てるようになってくるのは、だいたい3ヶ月程 度である。遅くとも6ヶ月程度たてば、必ず担 当を持つようになる。一方、ベテランになるま でには3年程度はかかる。3年に至るまでに 退職するマッチング担当者も少なくない。 ベテランのマッチング担当者は、単に仕事を 検索してマッチングするだけでなく、登録の 際に記憶にとどめておいた候補を提案でき る、周囲から候補を出させることができる等、 マッチングのための多様な引き出しを持って いる。また、派遣スタッフの見極めがしっかり とできることも、ベテランの条件としてあげら れる。結果として、ベテランのマッチング担当 者は、マッチングの精度が高く、派遣先の苦 情対応にも長けている。さらに、そうしたノウ ハウを後輩に教えることができる。 マッチング担当者として最も重要な条件は 熱意だと思う。熱意がなければ、業務知識に いかに優れていようと意味がない。マッチン グ担当者としての成果は、本人の意欲と素 養によって左右される。 また、マッチング担当者は社内的な事務処 理を担当することが比較的多いので、正確 な事務処理能力や、期限の遵守、コンプライ アンス重視の姿勢も重要だ。 マッチング担当者の育成は、基本的には OJTによる。営業支店において、マッチング 担当者の新人の上には、サブリーダー、リー ダー、マネジャーがおり、特にサブリーダー やリーダーが新人の指導を担う。 新人マッチング担当者の育成は、派遣スタッ フに状況を電話で聞くことからスタートする。 並行して派遣スタッフの面接も経験してい く。典型的な事務職等、わかりやすい仕事の 案件を1件だけ持って、そのマッチングに挑 戦するというようなやり方である。入社後1年 の間には、派遣に関わる法律、派遣スタッフ との接し方等、必要なことを学ぶための研修 もあり、OJTのかたわらでこうした研修も受講 することになっている。 新人のマッチング担当者には、まず簡単な 入力業務や電話応対を任せる。1年ほどで、 マッチング担当者としての仕事は一通り経験 することになる。 マッチングの経験が増えるほど、多くの状況 のパターンを理解できるので、顧客企業ご と、スタッフごとの最適な対応が、経験則で わかってくる。 マッチング担当者の評価は、派遣決定者の 人数といった定量的指標や、仕事に対する 姿勢という定性的な指標によって行ってい る。仕事に対する姿勢は、スタッフへの仕事 の案内時における話の仕方や、仕事の選び 方における視点・ 行動( 顧客企業ではなくス タッフの方を向いて仕事ができているか)に よって評価する。また、職種に関する理解度 がどの程度高まっているか、組織的な役割・ ミッションを理解して行動しているか、といっ た点もマッチング担当者の評価指標となる。 298 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 M社 マッチング担当者に求められる 職業能力とその育成方法 マッチング担当者に 求められる職業能力 マッチング担当者の 育成方法 マッチング担当者の大部分は中途採用であ る。マッチングの経験がなくても、派遣スタッ フや派遣先の立場の理解できる人や、派遣 スタッフの役に立ちたいという気持ちを持つ 人を優先的に採用している。 マッチング担当者に求められるのは、派遣ス タッフ、派遣先双方のニーズを把握できる能 力である。同社の派遣スタッフとして長期的 に就労してもらうためには、派遣スタッフのス キルやキャリア形成の希望などを踏まえて、 スキルアップできる派遣先に配置できる能力 が特に重要になる。さらに、能力だけでな く、派遣スタッフのキャリアをサポートしてあ げたいという本人の意識や意欲も同様に重 要と考えられる。こうしたマッチング担当者の 職業能力は、本人の属人的な能力に左右さ れる面が大きい。 マッチング担当者の育成は現場のOJ Tが基 本となる。派遣スタッフの電話対応から始め て、次に登録スタッフの面談を経験させ、 徐々にマッチング業務に移行していく。最初 はデータ入力業務などの定型的な案件や大 口取引先の案件等、比較的マッチングが容 易と思われる業務を担当させ、その後習熟 度合いを見ながら、案件のレベルを上げて いく。マッチングに関する指導は、日常の業 務の中で先輩マッチング担当者のアドバイ スによって行うことが多い。一通りのマッチン グ業務を習得するには1年程度を要する。 マッチング担当者のスキルや意識を高める ために、定期的にミーティングを行ってい る。業界・ 職種等や、スキルの評価基準につ いて勉強したり、実際のマッチングの事例を もとに意見交換したりしながら、マッチング担 当者として必要な知識の習得や情報の共有 化を図り、全体としてのレベルアップを目指 している。 299 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 B社 E社 マッチング以外でのキャリア形成支 援のための取組内容 キャリアに関する相談への対応 派遣スタッフからのキャリアに関する相談を 受ける部署があるほか、登録時にキャリアカ ウンセラーや産業カウンセラーの有資格者 が相談を受けることもある。また、ウェブサイ トにも相談受付のページを設けている。 派遣中は、サポート担当者が月に2回ほど 派遣スタッフと面談するので、その際にキャリ アに関する希望を聞くこともある。派遣先の 担当者と会って仕事の進捗具合を聞いた り、派遣スタッフの悩みについて相談する中 で、キャリアに関する希望についても情報が 得られることがある。 キャリア相談に関する専門の窓口は設置し ていない。 キャリア形成につながる要因 派遣スタッフのキャリア形成に最も重要なの は、キャリア形成に対するスタッフ本人の意 欲である。本人にやる気がなければ、いくら 研修をしても効果はない。ただし、能力開発 プログラムを整備するのに加えて、スキルを 高めることによってどのような可能性が開か れるのかということを示して方向づけをするこ とも、派遣会社としての仕事であると考えて いる。 また、派遣先が派遣スタッフの教育に熱心 で、社内で教育体制を整えてくれるような場 合は、派遣会社としても派遣スタッフの能力 開発支援がやりやすく、スキルアップやキャ リア形成にもつながっていく。また、派遣ス タッフの能力をきっちりと評価する派遣先 や、不条理な差別をしない派遣先であること もキャリア形成のためには重要である。 紹介予定派遣のマッチングに関し て、通常の派遣と異なる点、留意し ている点 注:紹介予定派遣は、派遣会社が派 遣労働者・派遣先に対して職業紹介 を行う(ことを予定している)派遣 を指すものであり、必ずしも正社員 としての雇用だけでなく、契約社員 等の形態による雇用も含まれるが、 ここでは正社員としての雇用を中心 に意見を聞いている。 紹介予定派遣の場合は、将来の正社員とし ての就労を想定し、派遣先の業界情報、会 社としての女性活用の方針・ 状況や上場予 定の有無など、長期的な会社の方針・ 計画 に関することも、マッチングに必要な情報とし て収集する。 この他、紹介予定派遣の場合は、賞与制度 や福利厚生制度についても派遣スタッフの 希望が出されるので、営業担当者の顧客企 業からのヒアリングやマッチングのときにそれ らの点も把握する。 派遣先での面接においては、将来のキャリ アビジョンについて質問が出されることが多 いので、マッチングにおいても、派遣スタッフ 本人が将来についてどのような希望を持っ ているのか、その希望と派遣先での就労が 適合しているかという点を判断材料とする 300 紹介予定派遣では、顧客企業の要求が厳し く、派遣会社からの提案も通りにくい。紹介 予定派遣の場合、事前に面接をするケース が多いが、将来のビジョンや仕事に対する 取り組み姿勢などを質問され、この段階で紹 介予定派遣に至らないケースも多い。 紹介予定派遣のために、面接対策講座や 履歴書の書き方講座などを開講している。 最初から紹介予定派遣で始まる案件より、途 中からの紹介予定派遣に切り替わる案件の 方が多い印象がある。最初から紹介予定派 遣の場合は、働いてみて派遣スタッフが採 用を断るケースが多い。企業の側は採用の 際に、正社員を選ぶ基準に達しているかどう かを見極めているため、就労後に企業が断 るケースは比較的少ない。 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 I社 J社 マッチング以外でのキャリア形成支 援のための取組内容 キャリア・ カウンセリングの資格を持っている キャリアカウンセリング マッチング担当者はいるが、専門の窓口は キャリアカウンセリングは、登録スタッフに限 ない。登録の窓口が、実質的な相談窓口と 定せず、広く一般に門戸を開いている。費 して機能している状況である。 90分) 用は無料だが、原則として一人1回( 派遣スタッフに対しては、派遣先が決まって のみに限定している。 いるかどうかにかかわらず、社内の能力開発 最近は正社員にはどうすればなれるのかと プログラムや社外の研修に関する情報を提 いった悩みも多い。長く就労してきた優秀な 供している。 派遣スタッフからの、将来の不安についての 相談が多い。カウンセリングなので、あくまで も本人が自分なりに気づき、アクションを起こ すかどうかが重要だと考えて支援に当たっ ている。 キャリアカウンセリングは、同社社員が資格 を取得して通常業務と平行して行っているた め、現場の情報や感覚を持ちながら相談を 受けることが可能となる。また、カウンセリン グは働く事にまつわるさまざまなケースを知 り、考える場にもなるので、カウンセラーとし ての経験は社員教育の一環としても有益だ と感じる。 カウンセリングの内容については、その都度 事例としてレポートにまとめ、年に2回カウン セラーが集まり、情報を共有化している。た だし、守秘義務の観点から、相談内容につ いては一切現場に公表しない。 教育訓練 仕事を紹介する時点でスキルに不足な点が あれば、それを補うような教育訓練を派遣ス タッフに紹介する。就労後に、スタッフから何 らかの技能や能力を身につけたいという希 望が出た場合は、マッチング担当者や営業 担当者が教育訓練の中から最適なプログラ ムを紹介する。 相談窓口、ホームページ 派遣スタッフは相談窓口に直接電話して相 談することができる。派遣スタッフに対して は、「 その他のご意見・ ご相談」 のための窓 口として案内している。また、ホームページ にキャリアサポートのページがあり、テクニカ ルスキルのトレーニングの案内や外部提携 教育機関の案内、社内キャリアカウンセリン グ・相談窓口等を紹介している。 紹介予定派遣のマッチングに関し て、通常の派遣と異なる点、留意し ている点 注:紹介予定派遣は、派遣会社が派 遣労働者・派遣先に対して職業紹介 を行う(ことを予定している)派遣 を指すものであり、必ずしも正社員 としての雇用だけでなく、契約社員 等の形態による雇用も含まれるが、 ここでは正社員としての雇用を中心 に意見を聞いている。 通常の派遣と紹介予定派遣とで、マッチング に関する大きな違いはない( 通常の案件で も、スキルだけでなく、総合的な観点から マッチングを行っている) 。 ただし、紹介予定派遣の場合は、正社員で 働きたいという派遣スタッフの意向をアピー ルする必要があるため、派遣スタッフと営業 担当者とで十分に打ち合わせをした上で、 企業の面談に臨んでいる。 また、紹介予定派遣の契約締結時、正社員 への切替時には、派遣スタッフに対して、労 働条件の相違を十分に説明するようにして いる。 301 紹介予定派遣の場合も、顧客企業に対する スタンスとしては、顕在・潜在ニーズを洗い出 し、より精度の高いマッチングを目指す通常 の派遣と基本的には異ならない。通常の派 遣でも長期の就労を前提としていることが多 い。 ただ、顧客企業の要求水準が通常派遣のそ れよりも高くなるため、派遣スタッフに対し て、アセスメントの視線がより厳しくなり、不安 なところがあると紹介は控える傾向が強い。 結果として、案件は通常の派遣の場合よりも 絞られる。 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 K社 L社 マッチング以外でのキャリア形成支 援のための取組内容 派遣スタッフがキャリア形成について悩んだ キャリア形成に関する相談への対応 ら、最初にフォロー・ スタッフに相談するケー キャリアカウンセリング・ キャリア相談は、登録 スが多いが、マッチング担当者に相談する 担当者が担当する。定期的に、キャリア形成 ケースもある。具体的には、「 将来海外留学 に関する意識づけや情報提供のためのセミ をしたい」 、「 いずれは正社員になりたいが、 派遣先を転々としているとマイナスになるか」 ナーを行うこともある。この他、相談を受けら れる窓口として、専門の相談部署も設けてい というような相談がある。こういった相談への る。 対応もキャリア形成支援の一環となってい る。 マッチング担当者には少ないながらキャリア カウンセラーの資格を持つ者もおり、近年そ の数は増えてきている。 派遣先と連携した教育 ある派遣先固有の業務を行う場合、その派 遣先しか教育できない場合があるので、業 界知識や専門用語などの研修を派遣先に 組んでもらうケースがある。このような研修が 行われるのは、長期間を前提とした派遣で ある場合が多い。 派遣先の職場の状況によって、派遣スタッフ を育ててもらえるかどうかは変わってくる。派 遣先での教育が必要な派遣スタッフは、原 則として教育体制の整っていない職場には 派遣しないようにしている。 紹介予定派遣のマッチングに関し て、通常の派遣と異なる点、留意し ている点 注:紹介予定派遣は、派遣会社が派 遣労働者・派遣先に対して職業紹介 を行う(ことを予定している)派遣 を指すものであり、必ずしも正社員 としての雇用だけでなく、契約社員 等の形態による雇用も含まれるが、 ここでは正社員としての雇用を中心 に意見を聞いている。 紹介予定派遣の場合は正社員になれる可 能性が比較的高いので、通常の派遣より少 し先をみてマッチングを考えるようにしてい る。少なくとも、正社員に登用された後にす ぐ退職してしまうというような事態は避けなけ ればならない。 もちろん、紹介予定派遣で派遣されても、結 果として正社員にならないケースも少なくな い。この理由としては、派遣スタッフ側の事 情のほうがどちらかといえば多い。派遣期間 中に職場を見極めようとすると、よくない面も みえてくる。最初から正社員で入っていたら あえて退職しなかったかもしれないが、見極 め期間があるがゆえに正社員になることを躊 躇してしまう面もあるようだ。 302 紹介予定派遣は、最終的には派遣先に正 社員として就職することを目指すので、マッ チングの際には、その企業でしたい仕事が 明確になっているかという点に特に留意す る。その上で、派遣先企業( 紹介先企業)に 関する情報を十分に提供する。通常の派遣 の場合よりも、派遣先の情報は豊富に収集 しなければならない。たとえば通常の派遣の 場合はあまり派遣スタッフに説明しない資本 金や成長性についても、紹介予定派遣の場 合は説明する。また、企業に関するその他 の情報の探し方も、派遣スタッフに教えるよう にしている。 マッチングを通じた派遣スタッフのキャリア形成支援に関するヒアリング調査 M社 マッチング以外でのキャリア形成支 援のための取組内容 マッチングには派遣スタッフの情報や生の 声を把握することが重要なので、営業担当 者が最低月1回派遣先の職場を訪問してヒ ヤリングする。また、派遣スタッフが直接事務 所に来たり、研修に参加したりするタイミング を捉えて、営業・ マッチング担当者が直接対 話するようにしている。 OAスキルを始めとして能力開発プログラム を一通り用意しているが、実際に参加するか 否かは派遣スタッフ自身の意欲によるところ が大きい。講習の案内を定期的に送付した り、給与明細に案内を同封したり、派遣ス タッフ本人のスキルアップに対する意欲を引 き出すための情報発信を継続して行ってい る。 紹介予定派遣のマッチングに関し て、通常の派遣と異なる点、留意し ている点 注:紹介予定派遣は、派遣会社が派 遣労働者・派遣先に対して職業紹介 を行う(ことを予定している)派遣 を指すものであり、必ずしも正社員 としての雇用だけでなく、契約社員 等の形態による雇用も含まれるが、 ここでは正社員としての雇用を中心 に意見を聞いている。 紹介予定派遣の場合、派遣スタッフが正社 員として長期的にその企業で就労することを 念頭に置いているため、通常の派遣よりも、 派遣先企業での中長期的なキャリア形成に 関する情報を把握するように努めている。例 えば、将来的に職種転換があるか、本人の 配置転換の希望がかなうのかなどである。 また、派遣先での社員に対する教育訓練の 取組みにも注意しており、一部の社員だけ の能力開発に注力しているのか、あるいは 全社員の能力開発を行おうとしているのかな ど、企業の能力開発に関する方針も確認し ている。 303 A社 1. 派遣社員の能 力 開 発に関する 基本的な考え 方 A社では、派遣 スタッフを「レベルアップ 希望者」 「未就労層 」 「異業種・異職種経験者 」 「育児中の女性」 「シニア 層」の5 つのタイプに分けてとらえ、それぞれの必要性 に対応し た5本の能力開発方針を有 している。 「レベルアップの希望者」 に対しては、特に 本人から給与の増 額(高い給与が得 られる 仕事の紹介)の希望が出された際に、教 育 事 業を行っているグループ会社での専門教育の 受講を勧めている。 「未就労層」は、第 二 新 卒や学校卒業後仕事が決まっていない人、フリーター などであ り、社会人の心得、マナー 研修、OA研修な ど、ビジネスの基 礎を身につけるための教育 をしている。 「異業種・異職種経験者 」に対しては、今後希望する職種に 関連するスキルについて、 A社が提供する研修を施す か、それでは不 十 分ということならば、グループ会社 での専門 教育の受講を勧める。 「育児中の女性」は、勤務経験があるが、 育児のために仕事 をしていない期間 、つまり 「ブランク」の あ る人たちである 。これらの 人たちに対しては 、キ ャ リ アの再形成として 、 本人のこれまでのキャリア や希望から判断し て最も適切な教育研修を提供し て い る。また 、 パートタイムでの派遣就労 の機会を営業活動 によって開拓し、 育児中の女性が子 育てと両 立しながら就労できる場を 意図的につくり出 そうとする活動も 行っている。 「シニア層」は、仕事に 関する知識と経験 は豊富であるが、OAスキルを補うための研 修や、年下の上司や指揮命令者がつくという 状況におけるコミュニケーションに 関する研 修を行っている。コミュニケーションの研修 は、シニア層と同年代の顧問を講師 として行 っている。同年代の講師か ら教育を受けることにより、シニア 層の人たちは、心理的な抵 抗なくコミュニケーション を学ぶことができると考えられている。 A社の労働者派遣事業よりも先に、グ ル ー プ会社の教育事業 が行われていた。 A社は、 教育事業において教育を受 けた人たちの就労 の窓口という位置 づけで設立された 。よって 、 「レベルアップ希望者」や 「未就労層」のキャリア形成に対す る支援という思想 は設立当 初からあった。 「シニア層」や「育児中の女性 」のキャリア形成支援は最近に な っ て手がけ るようになった。 2. 能力開発支援の現 状 (1)会社負担による能力開発支援 会社負担による教育研修として、ビジネスマナー研修、コミュニケーション研修 、OA 研修がある。これらは、正社員としての職業経験がない人(職業未経験者)や仕 事の中断 期間(ブランク)がある人 、事務職未経験者 で今後事務職と し て働きたいという 人も対象 としている。事務職を経験 していてもOA機 器を仕事で使っていなかった人に対 しても、 OAスキルなしでは今 後 紹 介できる仕事は少 ないため、OA研 修の受講を勧めている。O A研修はニーズが多いので 、東名阪地域の主要拠点で随時実施 しており、専属の インスト ラクターが講師を務め、1クラス最大定員6名で、1日多いときは5から6枠開講している。 305 マナー研修とコミュニケーション研修は、 定期開催のものと 不定期で開催するものとが ある。また 、月に1枠ほど 、OA研修 、マナー研修 、コミュニケーション研修をセットにし た3日間から1週間くらいの研修プログラムを 用意し、職業未経験者等を 対象に告知をして 、 就労のきっかけづくりとしている。 OA研修、マナー研修、 コミュニケーション研修はいずれも 任意のもので、受講希望者 に対して実施するものであり、たとえ職 業 経 験がなくても、受 講を義務化しているもので はない。そのほか、派遣先 から、個々のスタッフについて能力 がやや不足していることが 指摘された場合に、その部 分を補うためにこれらの研修を受講 させることがある 。 そのほかに、各拠点にて 業界セミナーを開 催している。業界 セミナーとは、あ る業界の 実務は未経験であるがその 業界で働くことを 希望している人たちに対し、当 該 業 界で就労 するためのノウハウや、業 界の現状などについて解説するセミナーである。セミナーの講 師は、その業界の企業の実務家や、税理士などで当該業界に精 通している人に依 頼してい る。小規模な拠点では、そ の業界を専門に担 当しているA社の 営業担当者が講師 を務める こともある。これらのセミナーは、1ヵ月に全32拠点で大体60∼70から、多いときには100 コースほど開催している。 例としては、証券業界のセミナーを 実施し、二種証券外務員を 取得することによって担当 できる仕事の内容 や、資格取得の講 座の紹介をしたことがあっ た。 (2)派遣スタッフの自己負担(一部負担を含む) がある能力開発支援 現在、A社が提供している 教育研修のほとんどが、スタッフに 受講料を一部負担 させる 形をとっている。グループ 会社の教育研修は 、A社の登録者であれば入学金免除 あるいは 受講料が20%ほど割引になるというサービス がある。入 学 金 免 除は登録スタッフ 全員が受 けられる特典であり、受講料割引はA社か ら の派遣で稼働中の スタッフのみが対 象となっ ている。 一部の教育研修講座については、受講後にそのスキルを活かしてA社で派遣スタッフと して働くと、あらかじめ支 払った受講料が給 与に上乗せされた 手当(★キャリア 手当)と いう形で払い戻されるものがある。グループ 会社が実施する有 料の教育研修や、 A社が実 施した有料の研修を受講し 終え、その後にそこで習得したス キ ルを活かした職種 でA社か らの派遣で就労した場合、 毎月、通常の給与 に手当を上乗せ し て支給している。 支払期間 を36ヵ月にするか 、月額上限を1万円とするかなど制限が設けられている 。この手当は 、研 修を受講した人に、A社の 派遣スタッフと し て働こうというインセンティブを与 えること を目的としている。 しかし、この手当のより重 要な意義は、第一 に、あと少し能力 をつければ就労に 結びつ く可能性が高まるという人 の、仕事の可能性 の拡大を後押しすること、そして第 二に、派 遣スタッフに、仕事に就くことへの興味を高 めさせ、学習意欲 を向上させることである。 この手当は、3次元CADの 機械オペレーター の教育から始ま っ た。制度導入のきっかけ は、ある派遣先に 、3次元CADが 使える人ならば派遣 してほしいという ニーズであり 、そ れに対応するため、登 録スタッフの学習 を促進する手段として採用した 。平成19年4月から この手当の適用を開始し 、現在6件の事例がある 。平成19年10月から手当を適用す る教育内 容を拡大し始めており 、2次元CADやその他の 設計ソフトも対象 とするようになった 。そ 306 のほか、インテリアコーディネーターで す と か、貿易、証券、 それからDTP関 連、IT 系などにも幅を広げていく 予定である。 ただし、この払い戻し的な 手当の対象講座や 、入学金免除、受講料割引などのサービス が受けられるのは、派 遣 業 務のスキルに直結 する内容のものに 限られており、趣 味の一環 としての要素が強い講座は 対象外とされている。 (3)派遣先との連携による派遣スタッフの能力開発支援 現在、実際に行っているのは、あるプ ラ ン ト会社と提携し、 A社のグループ会 社の教育 研修会社の協力も得て、パイピング講座と い うプラント関係の 配管の設計・技術 に関する 講座をつくった。この講座 は有料であるが、 派遣後の就労に よ る手当の支給対象講座とし た。受講者は登録スタッフ でまだ派遣されていない人た ち で あ り、講座修了後にこのプラ ント会社に派遣された。講座修了者のほとんどはこのプラント 会社に派遣され、 一部は特 定派遣として派遣された。 パイピング講座の 期間は3ヵ月ほどで、約20名が受講した。 このプラント会社は、パイピングを担当できる人材を募集しても集まらず、か つ汎用的 な知識・技能のみでは戦力 になりえないという課題を抱え て い た。そのため、プラント会 社は独自の教育プログラム をつくって実施することを考え、A 社との連携に踏み 切った。 また、派遣先独自のプログラムではないが 、証券会社や銀行 などから、後 方 事 務を担当 する人材として、二種証券外務員の有資格者 であれば派遣してほしいという要望 が出され たことがきっかけとなって 、二種証券外務員 の講座がつくられた。この講座は、CD−R OMを用いた自習形式と、 座学の講義形式のものとがある。 (4)その他の能力開発支援 A社は 特定労働者派遣 も実施 し て お り、各大学からの推 薦に よ り毎年4月 に採用 してい る。これらの派遣スタッフ は新卒者なので、4月から5月に か け て、新人教育と し て社会人 の心得に関する研修やビジネスマナー研修を 中心的に行っ て い る。それらに、仕事内容に 応じて、それぞれに必 要な技術に関する 約1ヵ月間の研修を組み合 わせて実施している 。技 術研修はCAD技術など汎用的な知識・技能 をつけるものであって、派遣先ご と の特性に 合わせたものではない 。新卒採用者 といってもまったく各技術の知識がないわけではなく 、 各方面での技術について大 学で学んできた人 が大半である。 平成19年 度は 全国 の特 定 労 働 者 派 遣の 新 卒 採 用 者34名を 東京 に集 め て新 人 教 育 研 修を 実施した。予算は受講者1人当たり 約30万円で行った。 3. 職業経験のない派 遣スタッフ に対して能力開発を し て か ら派遣するような仕組み 先述のとおり、職業経験 のない登録ス タ ッ フに対しては、ビジネスコミュニケーション 研修、ビジネスマナー 研修とOA研修の3つを組 み合わせた研修を 実施する。期間 はそのと きの対象者によってさまざまで、通常は3日間から1週間かけて 行っている。この 研修を受 講させてから、派遣先に対 し、職業経験はないがA社として教育研修を施した旨 を伝え、 派遣する。職業経験なくA 社の登録スタッフ となる人の多くは 若年者である。 307 4. 会社として負担している派遣 スタッフに対 する能力開発支援の費用 の規模 業界セミナー等における 外部講師の講師料 として、A社全体 で月間30万円から80万円の 費用がかかっている。OA 研修、CAD関連 の研修には常勤の 講師がいるので、 その人件 費として、東名阪地域の合 計で月間約100万円かかっている。おおかた 、講師料として1ヵ 月に140万円から200万円あたりを支出し て い る。そのほか、上 述の受講料の派遣就労開始 後の払い戻しに当たる手当 の支払にかかる費 用などが上乗せされる。 登録スタッフに対する教育訓練費用が売上 に占める割合はわずかであり、教育訓練費用 として単独の費目では管理 していない。教育訓練の内容に よ っ て、研修費であったり、福 利厚生費として区分されていたりして、複数 の費目に別々に計 上されており、教育訓練費 全体としての金額は厳密に 管理していない。 よって、教 育 訓 練 費としての金額の 目標値は 設定しておらず、上限管理 もしていない。 しかし、現在はスキルの あ る登録スタッフの 確保が難しくなっており、派遣会社 として 人材にスキルを身につけさせなければならない状況にあるので 、A社は登録スタッフの能 力開発のための諸施策の拡 充を進めているため、教育訓練にかける費用 は増加傾向にあり 、 今後、増加させていく予定 である。 5. 能力開発支援を行 ううえでの 課題や問題点 課題・問題点の第一は、 高度なスキルや特 殊なスキルに関す る教育訓練の場合 、費用負 担が大きくてニーズがあっても実施できない ケースがあることである。高いス キ ルを要す る仕事を依頼してくる派 遣 先との取引は、A 社にとって好ましいことである。派遣料金の 単価も高くなるし、派遣スタッフとしても高 い給料が得られるからである。し か し、実際 にそうした高いスキルを身 につけさせるための教育に必要なソフトウェアが非常 に高価で あったり、教育施設に特殊 な設備が必要であったりして、A社 が独自に用意できないこと がある。派遣先がそれらのソフトウェア や設備を提供することもあるが 、そうでない場合 、 派遣先や派遣スタッフか ら の教育ニーズがあっても、それに応 えられないことがある。 第二に、A社の中でも、 教育訓練の実 施 状 況に格差が生じているからである。 東名阪地 域の大規模拠点ならば、講 師や受講者が集まりやすく、頻繁に 研修を実施することができ る。一方、地方拠点は営業担当者10名ほどの小規模な拠点が多 いので、OA研修 やビジネ スマナー研修などの基本的 な研修も、頻繁に 開催することは難 しい。 第三に、稼働中の派遣スタッフのスキルを 向上させるために 教育研修を施したいと思っ ても、そのための時間が取 れないということである。 6. 派遣スタッフの能力開発に関 する公的な支 援や業界団体 としての取 り組みへの要 望 ある一定の期間、各派遣会社が共同で利用 できる教育施設備等を設けてほしい 。各地域 の職業安定所でそうした教育施設や研修講師 の斡旋をしてもらえると、地方でも 教育研修 の開催頻度を上げ、派遣先 や派遣スタッフからの要望に応えることができる。現 在、A社 の中で教育訓練の実施状況 に地域間格差が出 ているので、公的 な支援があれば、 そうした 状況の改善に役立つと考えられている。 308 B社 1. マッチングの仕組 みの現状と 変化 (1)スタッフの登録 スタッフの登録会やセミナーの企画・実施 は、登録担当の部 署(コーディネート部)が 行っている。登録時の面談 もこの部署が行う 。 その後、受注案件に基づ い てマッチングを す る段階から、マッチング担当部署が 担当す る。派遣契約が満了したスタッフへのヒアリングや、それに基 づく登録情報の更 新は、営 業担当者か、スタッフのサポートを担当する 専門部署(スタッフサポート部)が 行う。ス タッフの仕事の希望はサポート担当が聞く の が原則であるが、 サポート担当がスタッフに 会えないケースもあるので 、そのときはマッチング担当者が代 わりに行う。 (2)受注から候補者決定までの流れ まず、営業担当者が顧客企業から注文を受 け、その受注内容 を帳票に記入して マッチン グ担当者に提出する。その 後、マッチング担当者がそれを見て 内容を把握し、マッチング 業務に移行する。その際、 適任のスタッフを 新たな登録者から 獲得するために、 有料媒体 に受注内容の概略を記載し た求人広告を掲載 することもある。 マッチング業務で候補者 が出された場合、 その人を顧客企業 に派遣するかどうかは営業 担当者が最終的に決定する 。マッチング担 当 者が一次選考を し て、営業担当者が 最終選考 をするという形である。マッチング担当者は 、経験・スキルや 仕事に関する希望 から、受 注案件の仕事に適任と考えられる登録ス タ ッ フをリストアップ する。そして、登 録スタッ フに仕事の内容、派遣先の 特色等を伝え、スタッフがその仕事 を引き受ける意思 があるこ とを確認した上で 、営業担当者の判 断を仰ぐ 。原則として 、派遣人数1名の枠に対 してはマ ッチング担当者が1名まで候補者を 絞り込んでから営業担当者に最 終 決 定させる形をとる 。 マッチング担当者が人数枠 より多くの候補者 を挙げ、その中か ら営業担当者が絞 り込むと いう形ではない。 マッチング担当者が挙げ た候補者について 、営業担当者が不適任と判断し、再 度マッチ ング作業をするというケ ー スはある。顧 客 企 業から求められている条件や、どの 条件を重 視すべきか、必須要件は何 かということを営業担当者がマッチング担当者に正確 かつ十分 に伝えきれていない場合に 、そうしたことが 起こる。今後は、 求められている要 件の明確 化を徹底し、重要な要件を 満たしていれば、 マッチング担当者 が挙げた候補者を 派遣する という形をとっていこうとしている。 B社は、以前は営業担当者がマッチン グ作業をしていたが、3年前にマッチング 担当者が マッチングの専任担当者として、会社の職種 として設けられた 。そして現在では 、マッチ ング業務はマッチング担当 が行うことを原則 としている。し か し、受注件数に人員体制が 追いついておらず、マッチング担当者が 処理できているのは受注案件の7割程度であり 、残 りの3割は営業担当者によるマッチング作業で処理している。 以前は、顧客に対しての 責任感を醸成するために、営 業 担 当 者が営業活動、受 注の獲得 からマッチングまでを一貫 して担当していた 。営業担当者がすべて担当 することによって 、 担当者間での食い違いを避 けるという効果もあった。しかし、 派遣スタッフの稼動人数が 309 増加してきたことに伴い、 効率性を重視する 考えから、マッチングの専門部署の 必要性が 高まり、3年前から営業担当者とマッチング担当者の 分業体制が敷か れ た。 受注案件に最も適合した スタッフを選ぶ た め、つまり精度の 高いマッチングをするため には、実際に顧客企業に赴 き、直接担当者か ら話を聞いている 営業担当者がマッチングを した方がよいと考えられている。しかし 、営業担当者 は外勤営業業務を 担当しているので 、 マッチング業務までを担うとかなりの長時間労働となってしまう。また、営 業 業 務との兼 任であると、多くのマッチング作業を処理することはできない 。よって受注案件 の大量化 に対応するためには、マッチング専門部署がないと難しいと考 えられている。 分業体制に移行したことにより、大量の受注案件への対応の 効率性以外にも、 マッチン グが売上目標の達成という 視点に偏らなくなったメリットも得 られた。営 業 担 当 者がマッ チングを行うと、営業の売上目標の達成を重 視しがちになり、 スタッフの希望よりもとに かく候補者を派遣先に連れていくことに重点 が置かれてしまう 。一方、マ ッ チ ン グ担当者 は売上目標にこだわらずに 、スタッフの希望 を考えたマ ッ チ ン グが行える。 2. マッチングと派遣 スタッフの キャリア形成 B社から以前に派遣さ れ た実績がある人については、その派遣就労中にどのような経験 をしたのかをヒアリングし て、データベース に記録する。派遣就労中に新たな経 験をした のであれば、本人はそれを 今後活かしていきたいのか、そ れ と も別のことをやりたいのか もヒアリングする。そ れ ら の情報を、次のマッチングのときに 活用する。営業担当者は派 遣期間中にスタッフフォロー等の形で派遣スタッフとコミュニケーションをとっているの で、そのときにヒアリング をして、今どのような仕事をしているのか、ど の よ う な経験が 加わっているかを聞い て い る。 スタッフの登録の際にも 仕事に関する今後 の希望を聞いているので、スタッフ 情報のデ ータベースには、今後の仕 事の希望に関する データが記載されている。希望は変 わるもの なので、派遣契約が終了したときやマ ッ チ ン グで仕事を案内するときなどに、本 人の希望 を再確認し、変更があれば 登録データを変更 する。 マッチングの際には、で き る限り登録ス タ ッ フの希望に応じた 仕事を紹介するようにし ている。希望に沿った仕事 ではあるがスタッ フ自身のスキルが 足りていないという場合で あれば、B社が提供できる 教育研修の案内をする。たとえばO AスキルやCAD のスキル が足りないというような場 合には、Word 、Access、Power Point やAuto CAD のような講座を 提供することができる。しかし、すべてのスキルについて、不 足を埋める研修の 対応がで きるわけではない。スキル の足りないス タ ッ フであっても、派遣先がしばらくは OJTに よって教育してくれるのが 一番よいパターン である。 派遣中のスタッフが、現 在の担当業務よ り も難しい仕事をしたいという要望を 出してき た場合、B社がすることとしては、第一に、 現在の派遣先でそのような仕事ができる機会 がないかということを、営業担当者が派遣先 に交渉をする。そ の交渉の結果、派遣先がス タッフの希望を受け入れる 形で、より高度な 仕事がスタッフに 任されるようになることも ある。反対に、交渉の結果 、そうした機会がなさそうだということであれば、営業担当者 から派遣スタッフにその旨 を伝え、契約の継続更新をするかどうかの意思確認をする。そ して、本人に継続意思 がない場合、契約満了から間を 空けずに次の仕事 を紹介できるよう 、 310 契約満了の時期に先立って 、そのスタッフに 対して次に紹介す る仕事を営 業 担 当 者が探す ことになる。 派遣スタッフがB社の営業担当者に仕事の レベルアップに関 する要望を伝え て も、営業 担当者の中には、派遣契約 を継続させることを優先し、ス タ ッ フに現在の仕事を 我慢して 続けさせるための説得に力 を注ぎ、スタッフ のキャリア形成になかなか目を向けられない 人がいる。よって、そ う し た要望は、B社に 設けられており、 派遣スタッフか ら の相談を 受け付ける窓口部署に対してしばしば相談という形で出されてくる。 ここでまず重要なことは、 スタッフがやりたいことを明らかに することと、わがままを 言っているだけなのか 、それとも本 当にステップアップしたいのかを見 極めることである 。 本人が本気でステップアップしたいのであれば、何がやりたいのかを明確にして 、スタッ フ本人が損をせずにやりたいことに向かっていける方法を考え て提案する。たとえば、今 の仕事をやめて新しい仕事 を探すのがいいのか、それとも、現 在の仕事を続けるけれども 派遣契約の期間を短くして 他の仕事に移りやすい状況にしておくか、などの対策 を提案す る。そうした契約変更にかかわることはB社 側で対応し、その 一方でスタッフ本 人にはス テップアップのための勉強 に力を注いでもらうという提案をすることがある。 B社は教育事業を母体として設立さ れ た の で、もとより、人 を教育してから派 遣すると いう形が主体であった。よって、スタッフ本 人が希望す る な ら ば、スタッフがスキルを伸 ばせるように、現在の能力 よりも高い仕事へ 派遣して、派 遣 会 社としてスタッフ のスキル アップを支援することを方 針としてきた。 しかし実際には、スタッフ の意思とB社の支 援のみではス タ ッ フのスキルアップ は実現 されないケースが多い 。派遣先の指揮命令者が派遣スタッフの育成には 関心がなかったり 、 派遣先の職場が人手不足で 派遣スタッフに仕 事を教える人がいなかったりする場 合は、派 遣スタッフがスキルを伸ばそうと思っても難 しい。よって、マッチングの段階で はスキル が足りていなくとも、スタッフ本人は派遣先 で仕事をしながら スキルを伸ばして 仕事のレ ベルに追いついていこうと 考えている場合に は、マッチング担当者は、派遣先の 指揮命令 者や派遣先の責任者と話し 合い、そうしたスタッフが支障なく 働き、かつスキル を伸ばせ る環境にあるのかどうかを 事前に確認することが、派遣後のスタッフの満足度を 左右する ことになる。 B社は、発足当時はC A Dオペレータの派 遣を中心に行っていた。CADオペレータで の派遣は、長期的 な活用になることが多く、契約期間は1年契約が非常に 多かった 。派遣先 は長期的に活用することを 前提としているので、派遣スタッフ に対しても、ある 程度は派 遣先で教育するものであると考えているケ ー スが多かった。しかし、派遣職種が 拡大し、 臨時的・短期的な労働力として活用す る こ と を前提としている 派遣先も増えてきたので、 派遣スタッフを育成し な が ら戦力にしていくという考え方ではなく、即戦力としての派遣 スタッフを期待する派遣先 も多い。CADオペレータのような 技術職ではなく、 事務職の 派遣の場合は即戦力が求められることが多い 。特に外資系は即戦力を強く求める 傾向にあ る。 現実問題として、マッチングの際には、やはりB社からの派遣実績のあるスタッフの方 が仕事を紹介しやすい。派遣実績があれば、 そのスタッフの働 きぶりや、どのような人で あるのかを社内のメンバー が知っている。一 方、派遣実績の な いスタッフについては、登 311 録情報を見て判断するしかない。よって、B 社からの派遣実績 が豊富にあり、そこでの働 きぶりが良かったスタッフ に仕事を紹介するのが、マッチング担当者としても安心である 。 反対に、他の派遣会社を短期間の就労で渡り 歩いているような 人の場合、何かスタッフ本 人に問題があったのではないかと思ってしまうこともある。な お、B社での派遣 が満了し た人が、次にまたB社から 派遣される割合は 3割から4割程度 である。 3. 正社員経験のない 人やキ ャ リ ア中断のある 人の派 遣 可 能 性 正社員経験のない人やキャリア中断のある 人に対しても、派 遣の機会は提供している。 派遣前に、必要に応じてビジネスコミュニケーション研修、ビジネスマナー研修 とOA研 修を受講させ、未経験者であることやキ ャ リ アの中断があることに加え、これら の研修を 受講済みであることを派 遣 先に伝えたうえで 派遣する。 4. マッチング担当者 に求め ら れ る職業能力とその育成方法 マッチング担当者に求められるのは、第一に 、名前、年齢、勤務地、職種、その 職種に 対する経験、時給などのスタッフに関する基本的な情報、お よ び、すぐに働きたいのか、 もしくは今の時期であれば10月から働きたいのか、そしてそうしたスタッフが何 名いるの か、さらには受注案件で求 められている仕事 の開始時期、顧客企業のニーズな ど に関する 把握能力と、情報収集能力 である。B社はもともとCADオペレータの分野を強 みとして いた。CADオペレータについては、CAD ソフトの互換性、 図面などに関する 特殊な知 識がないとマッチングは難 しい。マッチング 担当者に対して、 そうした特殊な業 界・職種 の研修を現在行っている。 第二は柔軟性である。顧客企業から提示された要件に完全に 適合するスタッフ を探すの はきわめて困難なので、実際的な対応と し て は、このスキルはないけれども、ここのスキ ルがあるから、この案件に 当てはまるだろうというマッチング が必要になる。たとえば、 事務経験とエクセル、ワ ー ドのスキル・経験 が必須要件とされている場合でも、 エクセル やワードの実務経験がない 代わりに専用ソ フ トを使っていて事務経験があるスタッフを、 B社が提供するエクセル、 ワード研修を受講 させて派遣する、 というようなことである。 つまり、受注案件の内 容から判断して 、顧客企業は あ る経験が必須であると言っていても 、 その内容ならば必要ないのではないか、あるいはヒューマンスキルがあれば対応 できるの ではないかというような提 案ができる柔軟性 が求められる。 このような柔軟性を持つために、マ ッ チ ン グ担当者には営業担当の経験があることが望 ましい。営業経 験 者であれば 、3ヵ月ほどでマッチング 担当として戦力になれるが 、営業経 験がないと6ヵ月ほどかかる。現在 のマッチング担 当 者の多くは営 業 担 当の経験者である 。 マッチング能力が不十分 な場合、受注内容 に記載されている 条件の中で自分が 一番気に なった事項ばかりを重視し てマッチングするなど、顧客企業が 求めていない条件 を重視し てマッチングをしてしまうことがある。受注内容を字面のみで 単純に見るだけでなく、顧 客企業の業種、社歴な ど か ら、経験則としてどのようなス タ ッ フが適任で あ る か を判断す ることが必要になる。そのためにOJT、Off−JTによってある程度の期間 をかけて 教育していく。 312 5. マッチング以外で のキャリア 形成支援のための取り組み 内容 (1)教育研修の案内 B社では、営業担当者のほか、派遣ス タ ッ フのサポートを専 門に担当する部署 (スタッ フサポート部)の担当者が 派遣先に訪問している。営業担当者 とサポート専門担当者が、 派遣先に定期訪問した際、 B社が提供する各 種のセミナーや教育研修の案内を記 載したチ ラシを派遣スタッフに手渡 して、受講を勧めている。また、B 社では派遣就労を 条件に受 講料が払い戻される講座を 設けており、そうした講座や払い戻 しの仕組みに関す る案内も 派遣スタッフに直接手渡すことによって、派 遣スタッフに対し てキャリア形成、 学習の啓 蒙活動をしている。 学習の意識づけをするためのツールは、現在稼働しているスタッフまたは登録 している スタッフであれば、定期的に配付するチラシを給与明細に 同封したり、月に数回のeメール による一斉配信を行っ て い る。 各種のセミナー情報の告知 は、ウェブサイトが主体となっている。ウェブサイト上では 、 東名阪の地域別に、セ ミ ナ ーや研修のスケジュールがカ レ ン ダ ーで表示さ れ て い る。でき る限りスタッフにはウェブサイトでセミナー の情報を得てほし いと考えている。 (2)定期的・継続的なスキル評価 B社では、定期的・継 続 的な登録スタッフ のスキルレベルの 評価は完全にはできていな い。派遣契約の終了時にスキルチェックを受 けることを勧め た り、スタッフ本人 からの希 望でスキルチェックを受け 付けたりすることはある。また、職歴情報の更新は、 ウェブサ イト上で24時間できるようになっている。しかし、定期的・継続的にスキル評価 ができて いるかというとそうではない。 スキルチェックは、OA スキルのテストと 、自己申告による 職種別の知識に関 するチェ ックである。そのほか、派 遣先からの評価を 営業担当者やスタッフのサポート担当者がス タッフの登録情報に記載し 、次のマッチング の時に参考にしている。 派遣先から派遣スタッフを 評価してもらうのは、派遣契約が終 了したときである 。その ほか、派遣開始後6週間経過時点で 、アンケートという 形で、派遣先からの評価を 聞くこと にしている。派遣期間が長 期に及んだ場合は 、派遣スタッフと 派遣先の担当者の 両方にア ンケートに回答してもらっている。 派遣契約の終了が決定すると、終了に先立 ち、派遣先での経験内容を新たな職 歴として スタッフの登録情報に記載 する。派遣スタッ フが次の仕事を希 望する場合、スタッフの仕 事を途切れさせないためには終了の前に新た な仕事を紹介する 必要があるので、 職歴の情 報は終了前に更新し、その 新しい情報に基づいてマッチングをする。 313 (3)昇給 B社は、派遣スタッフに 長く働いてもらうためには、労 働 条 件を上げてモチベーション を高めていくことが必要であると考えている 。B社が派遣スタッフのキャリア形 成を支援 し、それによって能力の高 まった派遣ス タ ッ フが仕事の生産性 を向上させ、そ れ が派遣先 から評価されて時給の上昇 につながれば、派 遣スタッフ、派 遣 先、B社のすべて にとって 得になる。就労開始か ら1年を経過すれば、こなしている仕事の 量は増えているはずである から、それを根拠として派遣料金アップの交 渉を派遣先に持ちかける。こうした 交渉によ って派遣スタッフの時給を 上げていくことも 営業担当者の役割 である。 この交渉は1年に1回必ず行うように指導しているが、スタッフ の働きぶりがよくないた めに、そうした交渉を持ちかけられない場合 もある。専 門 的 職 種ならば生産性が 上がって いると思われることが多いので、必ず交渉をする。一般の事 務 職においても交渉 をする。 交渉の頻度は1年に1度が通常であるが、派 遣 先によってまちまちである。 こうした料金アップの交 渉の成功率は、営業担当者ごとにさまざまであり、ど の程度の 確率で成 功するのかは営 業 担 当 者の行 動が影 響している。 た と え ば派 遣 開 始から1 年経過 後、というような交渉の時 期になってから、 急に料金改定の交 渉を派遣先に持ちかけても 簡単には成功しない。その 前から、派遣先と のコミュニケーションの中で、将来 の料金ア ップの可能性を派遣先に示 しておくことが必 要である。た と え ば、最初はこの料 金である が、スキルが上がった場合 はいくら上げてもらえるか、などということを当初の 受注・マ ッチングの段階から聞いておくということも 重要である。 また、派遣先企業に お い て、人材派遣の料金決定についてどの部署が権限を持 っている かによっても、料金改定の 交渉の成功率は異 なる。人事部が決定権を持っている 場合、派 遣先企業全体としての料金相場が決められていることが多く、 派遣スタッフの派遣料金に 個人差をつけることが難しいので、個別の料 金アップは難しい 。一方、各派遣先職場の部 署が決定権限を持っている 場合は、比較的、 個別の料金アップ が受け入れられやすい。 一度の交渉では料金ア ッ プに成功し な く と も、次の契約更新 時には検討してほしいとい うような話を派遣先に伝えておくことによって、後に料金を上 げてもらえることもある。 派遣スタッフの中には、時 給が上がらなければ辞めたいという 希望を出す人もいるので、 その場合はその旨を派遣先 に伝えたうえで料金改定の交渉に入 ることもある。しかし、強 引に料金を上げようとすると取引そのものがなくなるおそれもあるので、派遣スタッフの スキルの伸び具合を明らかにして営業担当者 が派遣先に説明することによって、 派遣料金 のアップをお願いするという形である。 派遣の仕事範囲を狭く限 定する派遣先もあれば、できるようになれば仕事の幅 を広げて いってほしいと考える派 遣 先もある。前者の 場合、仕事範囲が 限定されている以 上、ある 程度以上の料金アップは難 しくなるので、派 遣スタッフは、時 給の停滞と仕事に 対する飽 きから仕事を長く続け に く い。比較的、後者 の、仕事の幅を広 げてほしいと考え る派遣先 のほうが多いようである。 ある派遣先で長く仕事を し、時給がある程度高くなった場合 、別の派遣先に移 ると時給 が下がってしまうことがある。派遣スタッフ 本人は、そうした 状況がしばしばあることを 認識していることが多く、 B社側からも、派遣先が変わった場 合はそうなることもあるこ とを事前に説明して納得してもらう。ただし 、経験の蓄積はあるので、前の派 遣 先に最初 314 に派遣された当初の水準にまで時給が落ちることはあまりない 。B社から長期間派遣した 実績があり、派遣先からの 評価が高い派遣スタッフの場合、B 社も次の派遣先に 対して、 その派遣スタッフの長所を 、より説得的に派遣先に説明することができ、派遣先 からも納 得されやすい。 現在のところ、特定の年 齢で派遣料金が頭 打ちになるという 傾向はB社では見 られてい ない。職種によって状況は 変わってくる。仕 事をしながら担当可能な業務の幅を 広げてい き、より高度なスキルを要 する職種へと変わっていくことによって、結果として 時給が継 続的に上がっているス タ ッ フもいる。た と え ば、一般事務職として派遣さ れ て い るスタッ フが、請求書の作成や伝票 の仕分けを担当していく中で経 理 業 務に関心を持ち、 簿記の勉 強をして資格をとり、次の 派遣契約では一般事務の経験と簿記 の有資格者として 派遣先に 売り込む。それによって、 次の派遣契約においては、未経験ではあるが簡単な経理業務が 任されるようになり 、そこから経理担当者としてのスキルを高めていくということがある 。 同様に、一般事務から貿易事務へ、と幅を広 げていくスタッフ もいる。 技術系などの専門的職種 では、1つの職種をきわめることによって時給を上げていくとい う形もあるだろうが、事 務 職の場合は、より 知識が必要と さ れ る職種に変わっていくこと によって時給がより高くなるという形が多い 。そうしたスキル の向上による昇給 だけでな く、役職者になりたいというスタッフには、 正社員の人材紹介 の方を勧めることがある。 (4)キャリアに関する相談の受付 B社では現在、派遣スタッフに対してセミナー等の形でのキャリアカウンセリングは行 っていない。B社には派遣 スタッフからのキャリアに関する相 談を受ける部署(CS課) があり、そこで対応をしている。そのほか、 登録時にキャリアカウンセラーや産 業カウン セラーの有資格者が相談を 受ける場合がある 。また、ウェブサイトに相談受付の ページを 設けている。 派遣中は、スタッフをサポートする部署(スタッフサポート部 )の担当者が月に 2回ほ ど派遣スタッフと面談するので、その際にキャリアに関する希 望を聞くこともある。希望 をパターン化されたアンケート形式で聞くような形ではないが 、派遣先の担当者 と会って 仕事の進捗具合を聞いたり 、派遣スタッフか ら打ち明けられた 悩みについて派 遣 先に相談 する中で偶発的にキャリア に関する希望について情報が得られることがある。 6. 紹介予定派遣のマッチングに 関して、通常 の派遣と異な る点、留意 している点 紹介予定派遣は、将来の 正社員としての就 労が前提となっているので、通常の 労働者派 遣の場合よりも、派遣先の 業界をマッチング 上、重視する。派 遣スタッフと し て は、正社 員となるとやはり業界を重 視する傾向がある 。それに加え、会 社としての女 性 活 用の方針・ 状況や、上場予定の有無な ど、長期的な会社 の方針・計画に関 することもマッチングに必 要な情報として収集する。 通常の派遣の場合 は、そこまで長 期 的な観点での会社 に関する 情報の収集は求められていない。 そのほか、通常の派遣は時給額のみが労 働 条 件として問わ れ る が、紹介予定派遣 の場合 は、賞与制度や福利厚生制度についてもスタッフの希望が出されるので、営業担当者の顧 客企業からのヒアリングや マッチングのときにそれらの点も重 視される。 315 また、紹介予定派遣の派 遣 前に行われる派 遣 先での面接においては、将来のキャリアビ ジョンについて派遣先から 質問が出されることが多いので、マッチングの段階で 、スタッ フ本人が将来についてどのような希望を持っているのか、そしてその希望と派遣先企業で の就業が適合しているのかというところを判断材料とする。 7. その他 派遣スタッフとしての就 労を選んだ理由は 個人により様々であり、それによってキャリ ア形成への意識も異なる。 紹介予定派遣ではなく通常の派遣で 仕事を始めた人の 中にも、 その後、正社員に転換したいという希望を出 すようになる人がいる。派遣就労か ら正社員 への転換を希望するようになる時期としては 、個人差はあるが 、28∼30歳あたりが多い。 また、この時期に正社員へ の転換を希望するようになるのは、 独身の人が多い。 派遣スタッフのキャリア 形成に最も重要なのは、スタッフ本 人のキャリア形成 に対する モチベーションである。本 人にやる気がなければ、いくら研修 をしても効果は な い。ただ し、研修プログラムを整備 するのに加えて、 スキルを高めることによってどのような可能 性が開かれるのかということを示して方向づけをすることも派遣会社としての仕 事である と考えている。 また、派遣先が派遣スタッフの教育に熱心 で、社内で教 育 体 制を整えてくれるような場 合は、派遣スタッフも能力開発がしやすく、 キャリア形成にもつながる。また、 派遣スタ ッフの能力をきちんと評価 する派遣先や、不条理な差別を し な い派遣先であることもキャ リア形成のためには必要である。 316 C社 1. 派遣スタッフの能力開発支援 に関する考え 方 会社 と し て派 遣ス タ ッ フの 能 力 開 発や キャリア 開発 をサ ポ ー トす る と い う基本的 な考 え方があり、会社の設 立 当 初よりスタッフの トレーニング費用 は原則会社負担と し、派遣 スタッフは無料でトレーニングを受講できる 。能力開発のサポートには、登録時 に派遣就 労する上で最低限必要と な るスキルを習得させるトレーニング と、就労中に派 遣 先の業務 上必要となるトレーニング の二つがあると考 えているが、いずれの場合にも派遣 スタッフ のトレーニング費用は無料 にしている。 2. 能力開発支援の現 状 第一は e ラーニング・システムで あ る。Word・Excel 等のOAスキル、コミュニケーシ ョンやマネジメント、営業 スキル等のビジネススキル、IT関 連スキルに関する トレーニ ングコースを約 200 講座設置している。1 講座あたり 4∼5 時間を要し、講座ご と にテスト が設けられている。講座の コンテンツは元々 契約会社が開発した e ラーニング・ システム をもとに、カスタマイズしている。派遣スタッフ全員が e ラーニングを受講で き る資格が あるが、会社としては、長期的にC社のスタッフとして勤続してくれるスタッフ やトレー ニングによってスキルアップする可能性の高 いスタッフに重 点 的に教育訓練投資 を行ない たいと考えている。そ の た め、派遣スタッフ の職歴や登録時の 向上意欲、就労中 の働き振 りなどを踏まえて、コーディネーターや営業担当者がどの派遣 スタッフにトレーニングを 受講奨励するかを現場レ ベ ルで決定している 。受講が許可さ れ たスタッフにはI Dが発行 され、e ラーニング・システムにアクセスできることになる。 派遣スタッフのトレーニン グ状況やテスト結果は全て 履歴として確認できる。講座は派遣 スタッフが自分で 選んで自 由に受講できるが、目的に 合わせた講座をパッケージにしてホームページなどで 紹介して いる。 派遣元で必要なスキルを習 得させてから派遣 するという考え方 があるため、登 録 時にス キルチェックを行ない、スタッフ本人の申告 レベルより低い場 合や本人の希望す る仕事レ ベルに満たない場合には 、コーディネーターがトレーニングの受講をアドバイスしている 。 コーディネーターはこれまでのマッチングの 経験上、派遣先ごとに必要なスキルレベルを ほぼ把握しており、そのレベルに達するまで トレーニングを実 施してから派遣するように している。 第二はキャリアカウンセリングである。3∼4 年前にキャリアカウンセリング推進 プロジ ェクトを設置し、GCDF(グローバル・キャリア・ディベロップメント・ファ シリテー タ)という米国発のカウンセリング資格を有 する社員が、派遣 スタッフのキ ャ リ アに関す る相談に対して、1 対 1 で 1 回約 1.5 時間対応している。現 時 点でのGCDF資格取得者 は 120 名程度であり、全社員の 10%程度である。毎年 20∼30 名ずつ新規に資格取得者を 増やしており、将来的には コーディネーター 全員に取得させたいと考えている。 第三はキャリアデザインセミナーである。人材開発部のG C D Fトレーナー資格 を有す る社員が中心となって実施 している。セ ミ ナ ーは 2 年前ほどから開始し、東京・ 大阪だけ でなく全国で実施するようになってきている 。セミナーへの参 加は派遣スタッフ 本人の自 317 発的な意思を尊重しており 、コーディネーターや営業担当者が スタッフにカウンセリング やセミナーへの参加を促すことまではしていない。これはキャリアカウンセリングも同様 である。 キャリアカウンセリングや キャリアデザインセミナーを導入し た経緯は、一つ に は他の 派遣会社との差別化にある 。近年派遣会社と 派遣スタッフとの 関係が希薄化しているとい う問題意識があり、登録者 のキャリア形成支援並びに稼働者フォローの複線化を 目的に導 入した。実際にキャリアカウンセリング を実施してみると 、 「正社員になりたいがどうした らよいかわからない 」、「派 遣で働いていると 将来の見通しが持 てない」等の相談 が寄せら れており、派遣スタッフ一 人ひとりの悩みや 不安に会社として 親身に対応することによっ てC社に対する帰属意識を 高めたいという意 図がある。もう一 つはコーディネーターの能 力開発やスキルアップ、モチベーション維持 である。単にスタッフに仕事を紹介 するので はなく、スタッフのキ ャ リ ア形成を考えることでより密度の高 いマッチングや仕事紹介が 可能になる。また専門職としての誇りと自覚 の涵養にも役立つ と考えている。資格取得費 用(約 40 万円)の約 8 割を会社で負担している 。コーディネーターの資格取得の 意欲は高 く、毎回定員を大きく上回 る応募者があり、 社内選抜を経て研 修に参加さ せ て い る。 第四は派遣スタッフの自己啓発の支援であり 、一つはT O E I Cの受験費用の補 助であ る。当社に登録するス タ ッ フであれば団 体 割 引で受験できる。 もう一つは提携スクールの 利用割引制度である。OA スキルや簿記・会計資格などの提携 スクールの入学料 が無料に なったり、受講料の割引などの特典を設けている。 第五に派遣スタッフが直接支店に来訪して受 講するハンズオントレーニングが あ る。ハ ンズオントレーニングには 2 種類あり、一つ はトレーナーが付 いて直接指導する 上級コー スと自社開発の自主学習プログラムを利用し た初中級コースがある。 派遣先と連携して派遣スタッフのスキルアップに取り組ん で い る事例はあまりない。派 遣スタッフが派遣先の研修 に参加しているのは、派遣先の情報保護やコンプライアンスに 関する研修である。一部の 大口取引先に関しては、派遣前に予 め派遣先の独自の 社内シス テムや購買システムに慣れるためのトレーニングを実施し て い る。自社開発のトレーニン グシステムを、大口取引先 のシステムに合わせてカスタマイズ することもある。 派遣先に とってはC社から多くのスタッフを受け入れ る代わりに、事前 に派遣元で一定の トレーニ ングを実施することにより 、派遣先での教育訓練や指導の手間 を省くことができるメリッ トがある。但し、この種の トレーニングは、 派遣スタッフのスキルアップというよりも、 ある派遣先で就労する上で の最低限の知識や スキルを身に付けてもらうという意味合いが 大きい。 C社としては、派遣スタッフにトレーニングを実施す る こ と でスタッフの配置 の可能性 を拡げたいと考えている。OAスキルなどの テクニカルスキル のレベルアップは 比較的容 易ではあるが、コミュニケーションなどのヒューマンスキルを 高めることは難し い。実態 としては、テクニカルスキルをレベルアップ することが派遣スタッフのマ ッ チ ン グの可能 性を高めるため、会社としては少なくともテクニカルスキルが 一定のレベルに達 した段階 で派遣先に配置するように 心がけている。 又、派遣スタッフがスキルアップしていく 場合、同じ事務系 の職種内でOAス キルを高 めていくのが最も容易な方 法である。例えば 、一般事務から経理事務に職種転換 を希望し 318 ても、簿記や経理の資格を 取得していない限 り仕事に就くのは 難しいと考え ら れ る。派遣 先は実務経験のあるス タ ッ フを優先して希望 してくるため、派遣先で経理の実務経験を積 ませてもらうことでスキルアップしていくことは困難である。 これは、派遣会社 にとって も同じであり、全てのトレーニング費用を負 担して経理の資格 を取得させるのは 時間とコ ストの面でマイナスが大き い。 3. 職業経験のない派 遣スタッフ に対して能力開発をしてから派遣するような仕組 みはあ るか 第二新卒をはじめとして 正社員歴 1 年未満の派遣スタッフに 対し、専用のトレーニング パッケージを設定している 。トレーニングの 内容は、主として 挨拶や電話応対、 名刺の受 け渡しなどのビジネスマナーとOAスキルを 習得する講座で あ る。開催はこの対 象となる スタッフの登録状況に応じ て、1 回 10 名程度で年に数回スポット 的に実施してきた 。受講 者は 2∼3 年前までは増加し て い た が、最近は 正社員の就職環境 が好転していることもあり 若干減ってきている。登 録 時に該当者として 認定されたス タ ッ フは一連のトレーニングパ ッケージを受講した後に派遣先に配置さ れ る が、実際にトレーニングを受講させることで マッチングの可能性は高くなる。 又、出産や育児などで一定期間のブランクのある派遣スタッフ に関しては、専用 のトレ ーニングをパッケージとしては用意し て い な い。一定 の派遣経験のある スタッフであれば 、 ビジネスマナーは身に付いているという前提 で、ブランク後の OAスキルを再チェックし た上で、必要なスキルがあれば支店に来てトレーニングを受講 してもらっている 。育児な どのブランクのある派遣スタッフの数は増えてきているが 、スタッフと 十分面談した上で 、 個別対応しているのが現状 である。 4. 貴社として負担している派遣 スタッフに対 する能力開発支援の費用 の規模 C社では能力開発に関わ る費用を総額としては把握している 。派遣スタッフに 対するト レーニングの要否は、現場 レベルでコーディネーターや営業担当者が日常のビジネスを優 先して判断しており、これまでは大きく教育訓練費用が増えるということはなかった。ト レーニング費用の会社負担 の是非に関しては 、過去社内でも議 論になってきたが 、C社で は設立以来トレーニング受講無料の方針を現 在も維持し続けている。 5. 能力開発支援を行 なううえでの課題や問題 点 最も大きな課題は無料で トレーニングを受 講したスタッフが 他社に移っ て し ま う場合が あることである。スキルアップし付加価値のあるスタッフを引 き止めるには、常 にいい仕 事を与えたり、就労中に十 分なフォローを行 なったり、時給アップを考えていくなどの対 策が考えられるが、最近の 派遣スタッフはドライになってきておりいずれも十分 とはいえ ない。逆に、トレーニング 費用が回収できないからといって派 遣スタッフへのトレーニン グを充実させなければ、派 遣スタッフはC社 で就労しなくなる 可能性が高く な る と考えら れる。したがって、トレーニングの機会を減 らすわけにもいかない。 以前は派遣先でのセキュリティーが今ほど 厳しくなかったので、営業担当者が 派遣先の 職場に行ってスタッフと そ の場で話もでき 、派遣元と 派遣スタッフとの 関係が非常に近く 、 319 営業担当者も担当している 派遣スタッフ全員 に十分なフォロー ができていた。だ が、最近 のように、派遣ビジネスに スピードが要求さ れ他社との競争も 厳しくなると、派遣会社と スタッフ一人ひとりとの付 き合いが希薄になってしまいがちであり、派遣元とスタッフの 距離感が広がっているという危惧がある。キャリアカウンセリングの取組みも、 スタッフ との 1 対 1 の対話を重ねることによって、スタッフにC社に対 する帰属意識を感 じてもら い、長期的にC社で就労してもらうことを目 指したものである 。 6. 派遣スタッフの能力開発に関 して公的な支 援や業界団体 としての取 組みへの要望 など トレーニングを受講したスタッフが他社に移 るリスクを踏まえると、業界でトレーニン グセンター等を設置し、業界全体で派遣スタッフをトレーニングしスキルアップ を支援す る仕組みがあると良い。現 行の人材派遣協会 のホームページに 見られるスキルチェックや テスト等の仕組みを拡充することも一案で あ る。 又、派遣という働き方は、 短期間の就労を繰 り返しながら給与 を得ているのが基 本であ るため、スタッフのスキルアップや資格取得 などが賃金に反映 されることが必要 と考えら れる。特に、派遣スタッフ の場合、自己啓発 によって能力開発 に取り組む傾向が 強くなる ので、資格取得に対して業 界から補助金が出 たり、あるいは業 界で特定の資格に 関する支 援講座を提供するなどのサポートが必要で あ る。派遣スタッフ の能力開発やスキルアップ を一つの派遣会社で担う に は費用がかかり過 ぎるし、そのコ ス トを回収できない リスクが 常につきまとっている。 320 D社 1. 派 遣 ス タ ッ フ の 能 力 支 援 開 発 に 関 する 基 本 的 な 考え 方 教 育に は 以 前 から 力 を 入 れ て お り 、平 成 9 年 より 派 遣 ス タ ッ フ に 対す る 無 料 のス ク ー ルを 開 講 し て い る 。 昨年度 ま で の累 計 受 講 者 数 は 30 万人 。 ス ク ー ル が 必 要な 理 由 ・ 教 育 訓 練 機 会 の確 保 は 派遣法 に 定 め ら れ て い る。 ・ 派遣先 で の 就 業ス キ ル に 満た な い 部分 の 補 填 。 ・ スキル の あ る 人材 ニ ー ズ にス ピ ー デ ィ に 対 応 し て い く た め。あ る程 度 の 教 育を 受 け た 人材 を ス ピ ー デ ィ に マ ッ チ ン グ する 。 ・ 人 材 確 保 。 一 般 事 務 入 門 研 修 の よ う な 育 成 型 研 修 を 本 格 化し て 以 降(平 成 17 年 11 月 ∼)、 平 成 19 年 8 月 ま で の受 講 者 数 約 2,000 人 のうち 、8 割 がD 社 か ら 就業 し て い る。た だ し、教 育 自 体は 他 の 派 遣 会 社 も 行っ て お り 、派 遣 ス タ ッ フ か ら D社 が 選 択 さ れ る 決 め 手と は な り に く い 。 ・ ス タ ッ フ の C S( 顧 客 満 足) の 向 上。 ス ク ー ルの 応 募 は 定員 の 3 ∼5 倍 あ る よ う な 状 況で 、ス キ ル ア ッ プ の 意 欲を 持 っ た ス タ ッ フ も か な り 多 い こ と が 推 察さ れ る 。教 育機会 を 提 供 し て い く こ と で 、 キ ャ リ ア 支 援 も行 っ て い こ う と し て い る 。 人 材 不 足 の 中で 職 業 経 験 や 事 務 経 験 の な い人 を 育 成 し て 派 遣 す る 必 要が 出 て き た た め 、 近 年は 育 成 に も力 を 入 れ る よ う に な っ て い る 。 2. 能 力 開 発 支 援 の 現 状( 目 的 ・ 内 容 ・受 講 者 数 な ど) (1)会 社 負 担 に よ る 能 力 開 発 支 援 ・ D 社ス ク ー ル(全 国 に 16 ヶ所) ・ マ イ ク ロ ソ フ ト オ フ ィ ス 系の ス キ ル 、ビ ジ ネ ス マ ナ ー 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 養 成 な ど の 講 座 を開 講 。 事 務 派 遣 に 必要 な 最 低 限の 内 容 。 ・ ア ル バ イ ト のみの 就 業 経 験し か な い な ど 事 務 経 験 の な い 人に 対 し て は 、O A 、ビ ジ ネ ス マ ナ ー、個 人 情 報 の 取 扱 い な ど を カ リ キ ュ ラ ム と し て 組 んだ 、最短 9 時 間 のコ ー スが あ る 。 ・ ス ク ー ル で 提 供さ れ て い るコ ー ス は 、D社 に 登 録 す れ ば 、基 本 的に は 無 料 で受 講 可 能 に な っ て い る。 ・ 受講者 は こ れ か ら 就 業 す る人 、す で に 就 業 中で 業 務 に 必要 な た めブ ラ ッ シ ュ ア ッ プ す る人 、 そ れ ぞ れ 半 々 ぐ ら い い る 。 ・ e-ラ ー ニ ン グ に つ い て も 一 部 無 料 で提 供 し て い る 。 321 (2)派 遣ス タ ッ フ の 自 己 負 担( 一 部 含 む)が あ る 能 力 開 発 支 援 ス ク ー ル で 提 供し て い る コ ー ス で も、 ア ク セ スの 上 級 などの コ ー ス や 1 日 集 中の コ ー ス な ど は 有料 で 提 供 し て い る 。 そ れ で も 、一 般 の 専 門 学 校 に 比 べ る と 割安 な 価 格 設 定 に な っ て い る。 二 種 証 券 外 務 員 の 需 要 が 高 ま っ て き た こ と も あ り 、 資 格 取 得 に 関 わ る 費 用は ス タ ッ フ の 自 己 負 担 だ が、資 格 取 得 後、当 社 か ら の 派 遣 就 業 後 一 定 期 間(4 ヶ 月)を 経 過 した 場 合 は 、 奨 励 金 と し て 資 格 取 得 に 関 わ る 費 用 と 同等 の 費 用 を ス タ ッ フ に 支 払 う と い う 仕 組 みもある。 各 種 専 門 学 校と の 提 携 も 数 多 く 行 っ て お り 、提 携 各 種 専 門 学 校 で は 、 入 学 金 免 除 や 受 講 料の 割 引 な ど が さ れ る 。こ の よ う な 連 携 は 近 年 増 加 傾 向に あ る 。 (3)派遣先 と の 連 携 に よ る 派 遣 ス タ ッ フ の 能 力 開 発 支 援 派 遣 先 と の 連 携に よ る 能 力 開 発 は 難 し く 、 例外的 に 一 部 あ る か な い か と い う と こ ろ で あ る 。 月 に一 度 く ら い の 頻 度 で そ う い う話( 派 遣 先 と 連 携 し た 訓 練) は 来る が 、 な か な か実 現 は し な い 。 業 務 に 即 し た研 修 は 企 業 で 行 う の で 、 入 門 部 分 の 研 修 は 、 派 遣 元 で 行 う と い う よ う な 形 の 連 携 はある 。 派 遣 先 と し て は 、 貿 易 事 務の 経 験 者 を 要 求 し て き た が 、人 材 の 確 保 が 難 し か っ た た め 、 専 門 用 語 や 、 貿 易 の 仕 組み な ど の 入 門 部 分 を 派 遣 元 で研 修 し 、 そ の 後 の 部 分 の育 成 は 派 遣 先 で 行 っ た と い う よ う な 例 は あ る 。 あ る 程 度 の 規模 の 発 注 が 見 込め る と こ の よ う な 連 携が 生 じ や す い 。 (4)そ の他 の 能 力 開 発 支 援 (5)派 遣ス タ ッ フ へ の能 力 開 発 の 必要性 を 理 解 促 進し て い る か 。し て い る と す れ ば 、ど のような 方 法 か 。 「 自 己 研 鑽 の 必 要 性 」 に つ い て は 、 登 録 時 に 配布 す る ツ ー ル や ホ ー ム ペ ー ジ な ど を 通 し て 告 知 して い る 。 仕 事 を 紹 介 す る と き に も 、 ス キ ル が 不 足 し て い る と感 じ る ス タ ッ フに 関 し て は、 コ ー デ ィ ネ ー タ ーが 受 講 を 勧め る こ と も あ る 。 就 業 後 1 、2 年経過 し た ス タ ッ フ で 、現状 の 職 務 では 物 足 り な い と 考 え ら れ る 場 合に は 、 営 業 が 希 望 をヒ ア リ ン グ し て 、 ス ク ー ル の 受講 を 進 め る ケ ー ス は あ る 。 また 、 担 当 業 務 の 拡 大 を 派 遣 先 に 提 案 す る こ と も あ る 。 就 業 中 の ス タ ッ フ の ケ ア は 営 業の 管 轄 な の で 営 業 が お こ な っ て い る 。 た だ し 、 当 月 中 に終 了 す る 予 定 の ス タ ッ フ は コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 管 轄 に な る の で 、 担 当 の コ ー デ ィ ネ ー タ ー が つ い て 、 希 望 の 確 認 や就 業 中 に 獲 得 した ス キ ル の更 新 を 行 っ て い る 。 322 3 . 職 業 経 験の な い 派 遣 ス タ ッ フ に 対 し て能 力 開 発 を し て か ら 派 遣 す る よ う な 仕 組 み があるか 。 あればその 内 容 。 職 業 経 験 が な い人 に 限 定 し た も の で は な い が 、販 売 職 や ア ル バ イ ト の 経 験 し か な い と い っ た 事 務 経 験 の 浅 い 人向 け に、一 般 事 務 入 門 研 修(9 時 間の パ ッ ケ ー ジ )を受 講 し て も ら う よ う に し て い る 。 ま た 、 就 業 し て か ら も 、 必 要 に よ っ て 受 講 す るケ ー ス も あ る ( ス ク ー ルで は 、 O A 講 座 を は じ め 、 ビ ジ ネ ス マ ナ ー や ビ ジ ネ ス 文 書 の書 き 方 、 敬 語 の使 い 方 、電 話 応 対 、来 客 応 対 な ど の マ ナ ー講 座 も 充 実さ せ て い る)。情 報 管 理 研 修 に つ い て も、登 録 時に 全 員 に 受講 し て も ら う し、ス ク ー ルの 各 講 座 の最 後 の 10 分 程 度 を 情 報 管 理 研 修に あ て て い る 。 新 卒 派 遣 は 、 最近 は 減 少 し て き て い る 。 4 . 貴社 と し て 負 担し て い る 派 遣 ス タ ッ フ に 対 する 能 力 開 発 支 援の 費 用 の 規 模 ( わかる 範 囲 で 、 予 算 額 、 売 上 高 に対 す る 比 率 など ) 部 署 と し て の 予算 が あ る が 、 公 表 で き る 数 字 は な い 。 上 限 が 決 ま っ て い て そ れ を 超 え な い よ う に管 理 し て い る 。 予 算 規 模 に つ い て は 、 近 年 増 加 し て い る わ け で は な い 。 な る べ く 予 算 を か け ず 幅 広い ニ ー ズに 応 え ら れ る よ う 努 力し て い る 。 教育訓練の効果測定は難しいが、教育訓練の受講者がD社から就業しているかどう か を把 握 し 、 部署 と し て 比率 を 把 握す る よ う に し て い る 。受 講 者 の 8 割 が D 社か ら 就 業 し て い る と い う こ と で 、回 収 は で き て い る と考 え て い る。 5 . 能 力 開 発 を 行 う う え で の 課 題 、問 題 点 一 番 の 問 題 は 会 社 経 費 で 行 っ て い る の で コ ス トが か か る こ と で あ る 。 複 数 の 派 遣 会 社 に 登 録 し て い る ス タ ッ フ が 多 い の で 、 投 資し た 分 の 回 収 が 難 し い 。 事務系 の 仕 事 に お い て 必 要 と さ れ る 基 礎 的 な 内 容 に 関 し て は無 料 で 提 供 し て い る が 、 これは 、 ス タ ッ フ の 要 望 によるところも大 き い 。 課 題 としては 地 方 と 東 京 の 格 差 が 挙 げられる。 提 供 できる 規 模 に 差が 出 て い る の で 、均 一 化 したい 。e ラ ー ニ ン グも 提 供 し て い る が、地 方 で は 自 宅 に パ ソ コ ン が な い 人 も 多 く 、 受 講 が 難 し い 。 ま た ビ ジ ネ ス マ ナ ーな ど は 、 e ラ ー ニ ン グ に は向 か な い の で 、 地 方で は ど う し て も 手 薄 に な ら ざ る を得 な い 。 ま た 、 育 成 の 結果 や 技 能 を 評 価 し た り 、 そ れ が ど の 程 度 就 業 に 結 び つ い た り し た の か を評 価 す る 仕組 み( = こ の 訓練 を 受 ければ 、こ う い う 仕事 に 就 業 で き る と い う証 明 ) に つ い て は 、何 度 か 試 み た こ と は あ る が 、 や は り 難 し い 。 O A ス キ ル などは 比 較 的 、 技 能 評 価 が し や す い が 、 評 価 し て も 就 業 に は あ ま り 影 響 が な い 。 資 格 も 取得 し て い る だ け で は 、 実務 で 使 え な い と い う 人 も い る 。基 準 を 作 成 す る こ と が な か な か 難 し い と 感 じ て い る 。 例え ば 、MOUS 検 定 な ど が そ う で あ る が 、 機 能の 名 前 の み を 知 っ て い て も 意 味 は な く 、実 務 で 求 め ら れ る こ と が 出 来 れ ば よ い の で 、 そ の 辺 り が 測 定で き る 仕 組 み を 作 り た い と 思 っ て い る が 、 派 遣 の 仕 組 みの 中 で 、 そ れ を い か し て い く こ と は 難 し い と感 じ て い る。 D 社で は 、一 般 事 務 に 関 する 認 定 試 験 (1 級 ∼3 級) を 試 験 問 題 を 作 成し て 行 っ て い る が 、 試 験 を 受験 す る 前 に 就 業 す る ケ ー ス が 多く 、 ま た 、 試 験 に 合 格 す る こ と が 目 的 化 してしまい、本末転倒になってしまう ケースもあり、うまくいかせていない。 323 6 . 派 遣 ス タ ッ フ の 能 力 開 発 に 関 し て 公 的な 支 援 や 業 界 団 体 と し て の 取り 組 み へ の 要 望など 助成金 や 税 制 の優 遇 な ど が あ げ ら れ る か と は 思う 。 324 E社 1.マッチングの 仕組みの現 状と変化 ※営業スタッフ等 との業 務 分 担を含む 登録センターに来てもらい 登録を行う。来 社 前にネット上から 職歴や希望を入力 してお いて、来社してから、完成 させていくケース と、来社時に一か ら入力するという ケースが あるが、一人のス タ ッ フが入力するのにだいたい 1∼2 時間かかる。登録は前半と 後半に分 かれ、前半部分では受付が 登録に必要な事務手続のみを行い、 後半部分で登録センターに 常駐しているコーディネーターがスキルの確 認や、これまでの 経験、今後の希望 などをヒ アリングしていく。その場 で希望に合致する 仕事があれば、登 録センターのコーディネー ターが仕事を紹介する。登 録センターでは、 スタッフの要望か ら、案件を提案す る。 登録センターとは別に企業 から入ってきたオーダーに対応する コーディネーター がいるセ クションがある(=企業側のコーディネーター)。登録センター で登録されたスタッフの情 報がリアルタイムで把握で き、こちらでは、 企業のオーダーに マッチするような スタッフ を探している。企業側からとス タ ッ フ側から双方から 人選を行うという 方式を取っている 。 登録センター常駐のコーディネーターが 2 割、あとの 8 割が企業側のコーディネーターで ある。 スタッフが希望する案件があった場合、スタッフの希望があればその場で日 程 調 整をして 職場見学に行く場合もある 。 その場で就業先が決ま ら な い場合は、就業希望日の翌月末まで 登録センターのコーディネ ーターはフォローしている 。 首都圏で言うと、就業先が 決定するのはスタッフ側から案件を 探すほうで多い。 スタッフ 側からのコーディネーター だと、就業希望地 が多少ずれた案件 の紹介など、線引 きを越え た紹介が可能なためである 。 企業側のコーディネーター は、チーム単位(5∼10 名)で業務を遂行しているが、 そのチー ムが、各エリアを担当する 営業に対応し て い る(池袋担当のチーム、新宿担当の チームな ど)。そのため、担当エリアの案件 しか基本的には 、扱わない 。派遣先の 情報は、客観的な 部分に関してはデータベース化している。 就業中のスタッフのケアは 営業が行い、月に 1 回はスタッフを フォローするようにしてい る。 契約終了が決まったス タ ッ フに関しては、終了者を専門に扱う チームが担当し、 スキルの 更新やスタッフの希望をヒアリングし、派遣 での就業を希望す る場合には、担当 がついて 仕事の紹介を行う。 2.マッチングと 派遣ス タ ッ フのキャリア 形成 ※マッチングとキャリア形成 に関する基 本 的な考え方を 含む 登録時にスタッフの希望( いつから就業可能 か、派遣で い つ ま で働くつもりか、 希望職 種、通勤時間、勤務場所、勤務先の環境)を 細かく確認する。将 来のキャリアに関 しては、 派遣でいつまで就業するつもりか尋ねる際に 、付随して聞けている。将来のキャリア希望 や、保有している資格はマッチングの際に重 視する項目になる 。 325 新規登録の場合には、希望 があまり明確で な い場合もあり、そういうケースでは 、いくつ かの選択肢を提示して、スタッフにやりたいことに気づいてもらえるようにして いる。 就業後のフォローは営業の 担当である。少なくとも月1回の訪 問の際に、ス タ ッ フへのヒ アリングを行っているが、 将来的な展望については、更新のタイミングできけることが多 い。希望の変更は営業から コーディネーター に伝達され、コーディネーターが登録情報の 更新を行う。また、登録後 の情報はネット上 で本人が修正できるため、新たな資 格などを 取得した場合は、本人が更 新を行う場合もあるし、コーディネーターに電話で申 告するケ ースもある。 一般事務としての就業が長 く、先のキャリア について悩ん で い るスタッフに対しては、資 格や経験をみてアドバイス することはある。 例えば、営業事務 をこれまで行っていて、英 語の資格を保有している場 合は、貿易の仕事 を、簿記の資格を 保有している場合 は、経理 的なものを、営業とのやりとりが得意で評価 も高ければ、秘書 の仕事を進めるといった形 の提案をする。 本人の自覚がなかったり、 アクションがなかったりする場合に 、派遣会社の方か ら「将来 的なビジョンを持った方がいい」というようなアドバイスを行 うことはできたら 理想であ る。 派遣料金の交渉について、 交渉を行わなければいけないという 時期設定は特に設 定されて いない。したがって、派 遣 先での業務の拡大 やスキルの上昇に 伴う料金交渉は個 別の対応 になる。 3.正社員経験のない人やキャリア中断のある人の派遣可能性 3-1.正社員経験がない場合 フリーター経験しかないような人でも、その 仕事をきちんとこなしていれば、派 遣の可 能性はあるし、実態もある 。(フリーター経験しかないような人の方が 、)先入観 がなく事 務の仕事に入っていくので 、企業側が教えやすいと評価することもある。それまでの職業 経験の雇用形態よりも仕事 の中身を重視する 傾向が高くなってきているので、何 をやって きたのか、その経験を う ま くアピールで き れ ば、派遣可能性は 高まる。元フリーターにつ いては、なぜフリーターを 選んできたのか、 なぜ今回派遣を選 択するのかについて、ヒア リングをする。「 ただ何となく面倒 だったから」と い う場合は長続きしないことが多いし 、 企業側も気にする 。年齢についても 派遣可能性を左右 する要因としては 、あまり関 係なく、 重要なのはやはり意欲で あ る。 3-2.キャリアに中断のある人の場 合 結婚、育児などでキャリアに中断のある 人に対して、特別な取り組みは 行っていないが 、 登録の際、マッチングの際 になど派遣の前に 希望をきいて、必 要に応じて個別に 対応して いる。主婦で派遣で働き始 める人は増加している。子育て中の 人が多く、スキル 以前に時 間的な制約が大きい場合が 多いので、そこを クリアして初めて スキルの問題が出 てくる。 以前の業務内容、またブランクの間(子育て 中)に勉強していたり、資格取得をしていた りするケースもあるので 、そ の よ う な情報をいかした 仕事の提案ができるようにしている 。 3-3.産休・育休について 326 派遣スタッフの育児休業は 、要件を 満たす場合取得で き、その期 間は給料は支払われない。 復帰の際には、前に就業していた就業先に戻 れる場合もあるし 、異なるところに 就業する 場合もある。異なる就業先 での復帰の際は、 希望をヒアリング して、仕事を紹介 する。育 児休業の取得を希望するスタッフは増加しており、雇用が継続 しているかどうかで社会保 険料や各種給付金、復帰時 に子どもを保育所 に預けられるかどうかが決まってくるので、 いろいろと調べて勉強しているスタッフも多 くなっている。 4.マッチング担当者に求められる職 業 能 力とその育 成 方法 4-1.マッチング担当者に求め ら れ る能力 コーディネーターとして新 卒も採用している 。営業からの異動 もあるが、コーディネー ター中の営業出身者はそれほど多くはない。 逆のコーディネーターから営業と い う異動は ほとんどない。コーディネーターになると、 最初に企業側のコーディネーターとして配属 される。そこで、企業側の ニーズやオーダー について学ん で か ら、登録センター に配属さ れる場合もある。 企業側のコーディネーター の場合、スタッフ と対面で話すことはなく、電話での 会話のみ であるので、コミュニケーション能力が重要 になってくる。スタッフの本音(本 当にその 仕事をやりたいのか、迷っているのかなど) が電話での会話で も分かることは非 常に重要 である。早い人だと 3 ヶ月くらいでコツをつかんでくる。 ベテランになると企業側と の調整も行えるようになり、営 業に代わって 、 「このような業務 を足してもらえないか」と か「この部分は人 選が困難ですがどうでしょう」な ど の提案が 行えるようになる。 スタッフや企業の提示している条件の優 先 順 位がしっかり把握 できるコーディネーターが よいコーディネーターで あ る。 4-2.新人の育成方法 全くの新人に対しては、派遣法、情報管理な ど基礎的な部分を トレーナー(コーディネ ーター経験者)が座学で指 導をする。その後営業に 2 日間同行し、企業の直のニーズをき いてくることを行う。 新人コーディネーターに最 初にやらせるのは 、2 年前、3 年前などの過去の登 録 情 報の止ま っているスタッフに連絡をして、情報の更新 を行うことである 。次の段階では、 実際に仕 事の案内をさせる。E社で は、検索条件を入 れると条件に合致 するスタッフがピックアッ プされる人選のシステムを 持っている。いかなる検索条件を指 定するかということにテク ニックを要するので、最初 のうちは、上長が 検索条件を指定す る。チームの中で マネジメ ントをしている者が、大体新人の指導担当者 になる。 4-3.登録センターでのコーディネーターに要求されるもの スタッフと対面するという 点が企業側のコーディネーターとは 大きく違う。スタッフの 希望を確認した後に、企 業 側のコーディネーターに、合致する 仕事はないかどうかの投げ かけも行う。その意味では 内部でのつながりも重要である。 327 5.マッチング以 外でのキャリア形成支援 のための取り 組み内容 キャリア相談をする専門の 窓口は設置していない。 6 .( 紹 介 予 定 派 遣 を 実 施 し て い る 場 合 ) マ ッ チ ン グ に 関 し て 、 通 常 の 派 遣 の 場 合 と 異なる点、留意している点 企業の採用基準が高くなり 、要望についても 一般派遣よりも緩 和されにくく、派遣会社 からの提案も通りにくい。 紹介予定派遣の場 合、事前に面接をするケースが多い が、将来 のビジョンや仕事に対する 取り組み姿勢な ど を質問され、このような部分で紹介予定派遣 に至らないケースも多い。 紹介予定派遣のために、面接対策講座や履 歴 書の書き方講座などを開講している 。 最初から紹介予定派遣で く る案件と、途中からの切り替え と で は後者の方が多い 印象であ る。最初から紹介予定派遣 で入ってくる案件 は紹介予定派遣全体の 3∼4 割くらいである。 ただ、新規からの紹介予定派遣の場合は、働 いてみてスタッフ が断るケースが多 い。企業 の側は採用の際に、正社員 を選ぶ基準に達しているかどうかを 見極めているため 、就業後 に企業から断るというケ ー スは多くない。 328 F社 1.派遣社員の能力開発に関 する基本的な 考え方 F社は、営業職と販売職 の登録型派遣を主 体とした会社で あ る。 販売職は、洋服、バッグ 、携帯の店頭販売 、デパートな ど で の総菜、スイーツ の販売な どあらゆるものの販売を手 がけている。販 売 職の派遣スタッフ の業務は、金銭の 授受は原 則として担当しないことになっているが、接 客、ディスプレイ 等の店舗での販売関連業務 はひととおり行う。 営業職の仕事は、新 規 開 拓、ルート営業な どアシスタント業 務が中心である。 派遣であ ると、顧客の前でのプレゼンテーションは求 められることは少 なく、顧客のフォローが中 心となる。派遣先の正社員 である営業マンの アシスタント業務 が中心となる。しかし、紹 介予定派遣の場合、将来は 正社員になることを前提としているので、仕事の範囲 は通常の 派遣よりも幅広い。 営業職は20代半ばから30代のスタッフが多 い。販売職は若 年 層が多いが、20歳ぐらいか ら40代ぐらいまで幅広い年齢層で構成されている。販売職のスタッフは、ア パ レ ル関係、 バッグ等の販売となると、 そのブランドで働 きたいとか、その 服が好きで働くという人が 多い。営業職は男性ス タ ッ フが多く、販売職 は女性スタッフが 多い。 派遣会社なので、何ら か の形でスタッフの 支援をしていかなければならないと 考えてい る。スタッフから、派遣後 に自分の次に対してのステップアップのアドバイスがもっと欲 しいという要望が出されたことがあるが、派遣後は、スタッフ 自身のキャリアよりも、そ こでスタッフに長く働いてほしいという企 業 側の要望が優先されており、なかなかそうし たアドバイスまではできていない。 2.能力開発支援 の現状 (1)会社負担による能力開発支援 大規模な営業拠点では、 登録担当の専任者 がいるが、それ以 外の拠点では、マッチング 担当者であるコーディネーターがスタッフの 登録業務も兼任している。 主要拠点では、登録面接 の後、営業職を希 望する営業未経験 のスタッフ向けに 、営業と してのマナーや、営業業務 の説明をするセミナーを開催し て い る。営業未経験者 の場合、 ノルマ制などに不安を抱えていることが多いので、極端に厳し いノルマが課さ れ る心配は ないことや、営業としてのやりがいなどを説 明する。営業職は 、紹介予定派遣の 希望者が 登録者の7割から8割を占めている。紹介予定派遣では派遣先か ら書類選考や面接試験が課 されるので、履歴書や 職務経歴書の つ く り方、自己P Rの方法などもセミナーで解説する 。 販売職の方は、紹介予定派遣ではなく一般 の派遣を希望する 人が多い。登録のときにマ ナーのチェックをし、問 題 点があればフィードバックをするが 、営業職のような セミナー をするというようなことは 行っておらず個別対応をしている。 現在はマナー研修まではできるが、それ以 上のスキルの教育研修は行え て い な い。たと えば事務職ならばOAス キ ルのような共通スキルの教育ができるが、営業職や販売職の場 合、接客のスキル等を、どのように測定し、 どのようにレベルアップの支援をしたらいい のかがF社でも明らかにできていない。営業 も販売も、派遣先 でのOJTという 形で顧客 329 と接しながらスキルを上げていくことが主となっている。 派遣スタッフは派遣先で 、派遣先の社員に 仕事を教え て も ら う。派遣スタッフ が教育す ることはない。商品知識等 については派遣後 に派遣先から教えてもらっている。 携帯の販 売などの場合、座学の研修 を派遣先で用意していることもある 。 (2)派遣スタッフの自己負担(一部負担を含む) がある能力開発支援 自社で多くの教育研修は 行っていないが、 他の教育研修会社 のスクールと提携 し、提携 校の講座としてスタッフに 紹介している。提携校の講座なので 有料となり、その 部分はス タッフの自己負担となる。 (3)派遣先との連携による派遣スタッフの能力開発支援 平成17年に百貨店業界が 設立した教育関連機関で、派遣スタッフに百貨店の社 員と一緒 に研修を受けさせた 。派遣スタッフ の受講料はF社が 負担した 。研修内容は 、接客の基本 、 笑顔の作り方、立ち位置、 八大接客用語、ロールプレイングなどである。この研 修は現在 は行っていない。 以前は営業の研修も実施 していたが、販 売 職も同様で、定員 に満たない等の理 由により 中止になるケースが出て、 現在は行っ て い な い。 (4)募集・マッチングと昇給 営業職の場合、過去に良い 営業成績をあげていても、会社や仕事内容、取扱商品 が変わ ると、成績が下がってしまうことがあるので 、誰が適任であるかを判断するのは 難しい。 営業職の場合、営業ス タ イ ルについての希望 がスタッフから出 されることが多いので、そ の場合は希望に合う仕事を 紹介していくことになる。 販売職の場合、特に洋服の 場合はそのブ ラ ン ドの服を着て仕事 をすることになるので、 スタッフ本人が好きなブランドの店舗で働くことを希望する。 よって、登録の段 階で希望 を聞き、求人を出す際にも 、派遣先の企業名 は出さないがレディースカジュアル 、キャリ ア層向けなどジャンルを明 示して募集する。 販売職の中でも仕事に難 易 度の差がある。たとえば、単価の高 い商品の場合は売 るのが 難しくなるので、より高度 な接客技術が必要 とされる。しかし 、スキルと時給、 および経 験と時給は明確には連動していない。派遣スタッフは、次の派遣先に移るときは 、時給額 にこだわるよりも、自分の 好きな店舗で働きたいという希望の 方が強い傾向が あ る。 販売職においては、未経験者が数ヵ月働いたのちに経験を積 んだ場合に時給を アップす る事もある。また、携 帯 電 話の販売の場合は 、商品知識のレ ベ ルを認定する派 遣 先の社 内資格が設けられている場 合があり、その資 格に合格すると、 時給の増額や一 時 金の支 給が行われることがある。 3.職業経験の な い派遣スタッフに対して 能力開発をしてから派遣 するような仕 組み 職業経験のない人は、登 録スタッフとして 受け入れていない 。アルバイトであっても、 社会人経験が半年なり1年あれば受 け入れている 。つまり 、フリーターは 受け入れているが 、 新卒者を受け入れて教育し て派遣するということは行っ て い な い。ある程度社会 を経験し 330 ていれば、紹介できる仕事 はあるということである。 販売職の場合、ア ル バ イ トの経験のみの人 もいるが、そ れ ほ ど多くはない。若 干でも正 社員の経験がある人が多い 。営業職の場合で も、若干の社 会 経 験があれば登録スタッフと して受け入れるという点で は違いはない。 販売職でも営業職でも、 これまでの経験にこだわって仕事をする人よりも、新 たな知識 や経験を見に付けたいという方のほうが柔軟 対応できる為仕事 を紹介しやすい。 よって、 業務経験をとりわけ重視するわけではないし 、あまり自分の経 験にこだわるような経験者 は派遣先からも求められていないことが多い 。当然、経験者もいるが、登録スタッフとし ては未経験者も積極的に取 り込んでいこうとしている。 F社は、教育研修を行っている会社と提携 して、スタッフに 講座を紹介しているが、あ まり利用率は良くない。営業職もプレゼンテーション作成などのためにパソコン のスキル が必要なので、それらの講座やeラーニング の受講を勧め て い る。しかし 、接 客 技 術に関し ては、提携校の有料講 座になるので 、本人の希望がなければ強くは勧めることができない 。 以前は未経験者 を派遣 することは難し か っ た が、1年 半ほど前 から、 未経験 でも素 養が あれば派遣先に受け入れられるようになってきている。営業職 ・販売職は1999 年から派遣 が解禁となり、当初は、派遣先は即戦力と し てイメージしていたようだが、なかなかそれ では人は確保できなかった 。それゆえ、未経験者でも受け入れられるようになってきてい るようである。また、営 業 職の場合は紹介予定派遣が多いので 、より長期間の就 労を前提 としているため、派遣先は 、過去の経験の量 よりも、人間性や 素養など、将来の 可能性に つながることを重視してスタッフを選別する 傾向がある。販 売 職も需要が多い の で、未経 験者でも受け入れられることは多い。 また、経験者を求めている 派遣先に対し、F 社の営業担当者が 、未経験者でも素 養のあ る人間が多いことを説明し 続けてきたことの 成果として、未経験者が受け入れられるよう になったということもある 。 4.会社として負 担している 派遣スタッフ に対する能力開発支援の 費用の規模 百貨店の教育機関での研修 や、外部講師やグループ会社の講師 を招聘したときは 費用が 発生していたが、現在 はすべて社内でセミナーを行っ て お り、講師はF 社の従業員なので 、 人件費の枠内である。 教育訓練として実施しているセミナーは、 未経験者を登録スタッフとして取り 込むため の手段である。よって、セミナーにかかる費 用はスタッフの募集費用から捻出している。 5.紹介予定派遣 営業職は紹介予定派遣がほとんどである 。派遣後の 紹介時の成約率は6割から7割である 。 成約しないときは、スタッフから断るケースが多い。紹介予定派遣の派遣期間は通常3ヵ月 が多く、この期間は数 値 目 標を課せられることは少なく、アシスタント的な業務 を任され ることが多い。3ヵ月働けば、派遣先からは派遣 スタッフの人間性 、業務適性、会 社の風土 との適性などを判断できる 。よって派遣先は 、最初から絞り込 まずにとりあえず 働いても らおうとする傾向がある。 一方、営業職で紹介予定派遣でなく通常の 派遣契約で就労することを希望しているスタ 331 ッフは、ほかに何か仕事の 目標がある人や、 反対に今現在は決 まった目標がなくとりあえ ず派遣で仕事をするという 人がいる。後者の 場合、働きながら 自分のやりたいことが定ま れば、紹介予定派遣に切り 替えたり、派遣をやめて転職したりする。未経験であまりスキ ルがないスタッフの場合、 まずは派遣で経験 を積んでから、そ の後に正社員を目 指せばよ いのではないかということをF社の方から提 案し、その後、紹介予定派遣に切りかわると いう人もいる。 営業職として長期間F社 で派遣就労し て い る人は多くはない 。営業職の場合、 途中で紹 介予定派遣に切りかわる人 もいるが、派遣で 働きながらも就職活動をしたり、人材紹介会 社から仕事を紹介してもらったりして、正 社 員の仕事に転職していく人が多い。 販売職の場合は、紹介予定派遣が少な い の で、派遣先を変えつつ長期間、F社 から派遣 されて働く人も営業職よ り は多いが、そ う し た長期就労者が販売職の稼動ス タ ッ フに占め る割合は高くない。 6.能力開発支援 を行ううえでの課題や問題点 今後は、自社でスタッフ の導入研修をやろうとしているが、 講師を誰に依頼するのかと いうことから現在、検討している段階である 。 能力開発支援を行ううえでの問題点は、能 力の評価方法で あ る。接客技術は目 に見えな いスキルなので、どの程度 のレベルにあるのかの評価が難しい 。また、経験は評 価できる が、特に素養・適正の部分 の評価は難しい。 接客の素養の有無 は、結局はF社の コーディ ネーターの主観で判断する 部分が多い。F社 でも自社独自の指 標を一部作成しており、そ れに基づいてチェックをしているが、より客観的な指標の必 要 性を感じている。 過去に性格診断のようなものを導入したが 、必ず し も客観性のあるものとはいい切れず 、 正確性も確実ではなかった 。また、本人の希 望と適性が一致していないこともあり、どち らか片方だけがあっても派 遣できないため、 診断にどのような 利用価値があるのかという ことでも行き詰まりになった。 派遣先からの評価は、結 果での評価になりがちである。派 遣 先もスタッフが顧 客に対し てどのような ア ド バ イ スを し て い る か と い う こ と ま で一 部 始 終 見 て い る わ け で は な いの で、スキルの評価は派遣先 に任せたからといって完全にできるわけではない。 7.派遣スタッフ の能力開発 に関する公的 な支援や業界団体と し て の取り組み へ の要望 販売職には販売士という資 格があるが、営 業 職の資格はない。 何か営業職のレ ベ ルが認 定できるような指標を業界全体として設けてもらえればよいと 思っている。そうすれば、 派遣会社も客観的にス タ ッ フの能力を評価できるし、スタッフ にとってもスキル の証明と して使用できるものになる 。 332 G社 1. 派遣スタッフの能力開発支援 に関する基本的考え方 派遣スタッフは本来、最 初からプロフェッショナルな人材であるべきなのかもしれない が、貿易実務や医薬品といった専門的な分野 においては、派 遣 先が求める人材を 確保する のが難しい。たとえばMR は全国に約 5 万人しかおらず、供給 が需要に追いつかない状況 になっている。MRの母 集 団が小さすぎて、 派遣スタッフを獲 得しようとしても 実際には 難しい。 過去には経験者を募集していた時期も あ っ た が、応募者の 数が減少し、ほぼ 10 年前に、 未経験の新卒や第二新卒を 採用し、同社で能力開発をしたうえで、派遣先でのOJTによ って育成するという方式に 転換した。派遣先 の理解を得ながらこうした方式を続 けていく なかで、応募者が増加し、 この方式が軌道に 乗ってきた。 登録型の派遣は基本的に経験者であることが 前提だが、同社の 場合は未経験者を 顧客と 一緒に育てるということが 、大きな相違点であると同時に強みにもなっている。 同社の派 遣スタッフの多くは 、将来的には派遣先で正社員になることを望ん で い る。同社としては、 派遣スタッフの希望する次 のキャリアを支援 していこうという コンセプトで能力開発を実 施している。実際に、派遣 スタッフの多くは 、正社員になって 退職していく。特 にここ 1 ∼2 年は、そういう流れになってきた。たとえば貿易実務の場合、年間 180 名程度採用し た派遣スタッフのうち、 約 3 年間で、もちろん結婚等 により退職する者 もいるが、100 名 弱は派遣先等で正社員と し て雇用されている 。 2. 未経験の派遣スタッフの能力開発支援 と派遣の仕組み∼貿易実務 (1)採用までのプロセス 貿易実務については、毎年 180 名ぐらい(ほとんどが 女性)採用する 。新卒は 1 割強で、 残りはフリーターと呼ば れ る人を含む第 二 新 卒である。4 月 1 日採用の新卒は正社員、4 月 2 日以降の中途採用は、 有期契約の契 約 社 員として雇用する 。契約社員でも採用 1 年後 には正社員に登用する制度 がある。契約社員 は月例給与の水準 が正社員より高い 一方で、 正社員にはある賞与・退 職 金がない。結果として、貿易実務の 場合、現在は正 社 員と契約 社員の構成は 6:4 ぐらいになっている。 貿易実務については、派遣先が決まらない 段階で、必要な人員数の見込みを立 てて採用 している。ただ、貿易実務 の派遣を経験した 正社員が採用を担 当しており、ある 程度派遣 先の風土やニーズを考慮しながら、採用を行 っている。 月に 2 回設けている入社保障日までに派遣先 が決まらない場合 、待機という取扱 いにな るが、待機は月に 1∼2 名程度に過ぎない。待機期間 は出社させ、給与は 100%支 給 す る 。 貿易実務の業務には、輸 出 入の手続きに係る 書類作成、海 外 営 業アシスタント業 務(価 格交渉まではしないが 、納期交渉をすることはある )、物流コーディネータ、生産管理にお ける調達の管理などがある 。輸出入の手続き に係る書類作成は 比較的定型なので 、育成期 間に携わることが多い。ただし、輸出入の手 続きにおいても、 品物によっては専門性を求 められる場合もある。 採用の際に考慮する能力と しては、英語の TOEIC(650 点を目処としている)、事務処理 333 能力(計算処理能力等を測 定する適性検査を 実施)などがあるが、同社としては 、仕事に 対する意欲を最も重視している。面接は三次 まであり、応募の 理由などについて 、かなり 突っ込んだ質問をして意欲 を見極める。さ ら に、応募者には、 採用前に約 2 週間に及ぶ貿 易基礎講座を無料で受講してもらう。途中 5∼6 回の確認試験が あ り、あまりに理解度が低 い場合には別途面談を行い 、応募をあきらめてもらう場合も あ る。英語力、面接 、適性検 査に加え、この貿易基礎講座の受講態度や理解度をもとに、採用可否を判断する 。 (2)採用後の能力開発支援 同社では、派遣スタッフに 対する能力開発支援として、次のような講座・研修を 実施し ている。 ・ 貿易実務講座 ・ 貿易実務検定事前対策講座 ・ ビジネスマナー研修 ・ パソコン研修 ・ 簿記研修 ・ コレスポンデンス(海 外 取 引における通 信 業 務) ・ 関税について ・ 海上保険 ・ ICC(信用状統一規制に 基づく取引)について 等 また、週末にも 24 の無料カリキュラムを用 意している。こうしたカリキュラム は、派 遣スタッフの定着率を高めることを企図して 実施している面もある。 (3)派遣先における育成 派遣先のOJTのなかで派 遣スタッフを育成 していくということについては、派遣先の 理解を得ている。たとえば 貿易実務の場合、 派遣先としては、 会社によって貿易 のシステ ムが異なるので、経験者であっても結局いろいろと教えなければならない。固定観念を持 つ経験者よりも、むしろ貿易実務の習熟への 意欲が高く素直な 未経験者のほうが 、教えや すいという声が多い。 また、プロジェクト単位で 期間を区切らず、 可能な限り長く勤 務してほしいという派遣 先が多く、実際 3 年程度の長期にわたる派遣 がほとんどである 。 3. 未経験の派遣スタッフの能力開発支援と派 遣の仕組み∼ 医薬品分野 のMR 医薬品の分野も、貿易実務 と同様、派遣スタッフを採用する特定派遣の方式をとってい る。同社が医薬品の分 野に進出したのは 平成 13 年なので、MRの派遣を実際に初 めてから ほぼ 3 年になる。 (1)採用までのプ ロ セ ス MRとして認定されるためには、厚生労働省認可の公益法人である財団法人医薬情報担 当者教育センター(以下 、 「MRセンター」と呼 ぶ)が実施するMR認定試験(年 1 回)に 合格しなければならない。MR認定試験を受 験する前提として 、MRセンターが 定めた「医 334 薬情報担当者教育研修要綱 」に基づく教 育 研 修を受講する必要 がある。 MRについても、三次まで 面接があり、そ こ で意欲が見極められる。さらに、グループ ミーティング、プレゼンテーション、MRのための基礎的な講 座などを通じて、 採用の可 否が判断される。後述するように大きなコ ス トをかけて育成することもあり、選 考は極め て厳しいものになる。結果と し て、平成 19 年には 300 名(男性:女性=7:3)の応募があ ったが、採用したのは 10 名(同 5:5)であった。 貿易実務の場合と異なり、MRは派遣先が決 まってから採用を 行う。MR受験の 前提と なる研修は、派遣先を予め 確定し、MRセンターに派遣先と個人名を申請したうえで始め なければならないというルールがある。 採用したのは 20 代がほとんどである。将来派遣先で正社員として雇用されるというキ ャリア・パスを視野に入れると、実際の と こ ろ採用段階で年齢 が高すぎると難し い。年齢 が高いと派遣先での賃 金 水 準が高くなる傾向 があるため、派 遣 先が正社員として 雇用する ことを躊躇する懸念が大き い。 (2)採用後の能力開発支援 MR受験の前提となる教育研修は、MRセンターが定めている 最低限のものでも 350 時 間である。同社の場合、 M Rセンターの求め る研修に、独自の 内容を加えた「導入研修」 を実施しており、その研修時間は 420 時間に及ぶ。 導入研修には、基礎研修(2 ヵ月 )、マナー 研修、製品研修(2 ヵ月程度 )、OJT 研修(1 ヵ月、実際に先輩の職場に 行って実地で研修 を行う)が含ま れ る。これらのすべてを受講 して、初めてMRの受 験 資 格を獲得できる。 MRの受験資格獲得の た め の研修期間中も給 与は支給するが、 やや低めに設定している (月 15 万円程度)。ただ、 研修費用だ け で な く、泊まりがけで 受講する必要が あ る場合の 宿泊費や朝晩の食事代等をすべて会社が負担 しているので 、待遇と し て は悪くないと思う 。 研修はかなり厳しいが、脱落者はほとんどいない。この理由としては、採用時の 選考で 十分な見極めを行っていること、同じ目標を 持つ新人MRが励 ましあいながら頑 張れるこ と等が考えられる。 MRと し て認定 された 後も、 数十時間 に及ぶ 継 続 研 修も毎年受講 しておかなければ、5 年に 1 回の更新のタ イ ミ ン グで認定を剥奪されることになる。 同社でも、年 2 回、派遣先 と協力しながら、すべての 派遣MRを対象とした研修を実施している。 (3)派遣元や派遣先による育成 派遣先にも正社員のMR がいる場合が多い 。正社員は病院を 、派遣のMRは開業医を担 当するなど、ある程度棲み 分けができているようだ。また、新 薬を売り出すタイミング、 あるいはコアとなる製 品 以 外の分野で派遣の MRを活用する派遣先もある。 受講しなければならない 研修のなかには「 製品研修」など、 派遣先でないと実 施できな いものもあることから、同 社と派遣先で適宜役割分担を し な が らMRを育成している。 同社では、MRとして経 験を積んだコーディネータが派遣先 を訪問し、派遣スタッフの キャリア・アップの相談、 メンタル面のケア を行う形をとっている。派遣先から 要望があ った場合は、派遣のMRに 、コーディネータ が随行してOJT による教育を行う 。具体的 335 には、各製薬会社の営業所 に赴き、そこでヒアリングを し な が ら日々の行動を指 導する。 もちろん、派遣先のベ テ ラ ンがOJTを行う 場合もある。また 、派遣MRの営業業績の 管理は派遣先が行う。 4. 能力開発支援の費 用の規模 MRの場合、研修費用(講 師の費用等)は 2 ヵ月で 500 万円程度かかるが、こ れ は全て 同社が負担している 。このように高 いコストをかけて 育成する派遣スタッフのほとんどは 、 一時的に同社で働き、将 来 的には正社員になりたいと思っ て い る。 このような状況を前提に、 同社では、基本的に 3 年間は育 成 期 間として位置付け 、この 期間である程度の利益がとれるビジネスのスキームを作っ て い る。派遣先と し て も、高い コストをかけて自社で育成 したMRが数年で 退職してしまうことを考えると、一定期間派 遣スタッフとして受け入れ 、働きぶりや能力 を見極めたうえで 正社員として採用 するほう がリスクは小さいだろう。 育成期間は、即戦力と し て の派遣の場合よ り も派遣料金が低い が、通常の事務などの派 遣料金に比べれば高水準である。MR1 人当たりの派遣料金は 一律に設定し て い る。派遣 スタッフの給与水準も 、MRの場合で初年度 400∼500 万円と、即戦力のMRよ り は低水準 に抑えている(ただし、これでも通常の登録型派遣スタッフよりは高水準だと思 う)。給与 については、賞与に か な り の差をつけているので、人によって バラツキがある。 育成期間 の途中 で正 社 員に転 換してしまうケースも 稀に あ る。派遣期間 にもよるが、2 年ぐらいで転換してしまった場合には、派 遣 先から紹介料をもらっている。 336 H社 1. 派遣スタッフの能力開発支援 に関する基 本 的な考え方 及び過去にその変 更があればどのような変 更であったか スタッフの将来や仕事面について、よりよい 将来やスキルアップをしていって欲 しいと いう考え方が会社と し て あ り、そのためには 、教育の機会を提 供していくことが 必要だと 考えているため、トレーニングには力を入れている。未経験者 に対する教育訓練 、現状の 仕事に対する不足分を補填 する教育訓練、そして将来的なキャリアを見据えた資格取得な どの教育訓練があるが、いずれも重要だと考 えている。 H社においてスタッフの教育訓練をおこなっているスクールは 全国に 16 ヵ所あり、OAと マナーに関しては、専属の 教育インストラクターがいる(25 人)。自社で内生化 した方が 派遣先のニーズにより合致 したプログラムが 提供できるので、 将来的には専属の インスト ラクターを増やしていきたいと考えており、 英語のインストラクターの採用を開 始したと ころである。教育訓練プログラムを作成する 際には、派遣先の 仕事、業務内容を 勘案して いる。また、スタッフの希 望や、申込みの多 い講座を中心に組 んでいる。H社で は、スク ールで集合的に教えるだけでなく、インストラクターとス タ ッ フ一対一で必要な スキルの み 1 を教えるというプログラ ムもあるが、外 部の講師だとこの マンツーマン指導 の対応は難 しい。 1 エクセルの集計の部分だけ、ビジネスマナーで も あ る会社の状況に特化 した受付マナーな ど。 2.能力開発支援の現状 (目的、内容 、受講者数 、受講者の特 徴など) H社においては、①自社スクールでの集 合 講 座、②個別(マンツーマン)指導、 ③外部 の教育研修機関との提携、 ④e ラーニング、⑤CD−ROMトレーニング、⑥主 に新卒派 遣で派遣先企業と提携した 教育訓練を行っている。 ①集合講座 (ビジネスマナー、英語、簿記 、パソコン) 料金体系は一般向け、登録 スタッフ、就業中 スタッフの 3 つに別れているが基本 的には有 料である。営業やコーディネーターが必要だ と判断した場合に は、無料に な る た め、無料 で受講する人も相当数いる 。人気が高い講座 は、ビジネス英語 (電話応対や e メールの書 き方など)とパソコン(エクセル)。 受講者は約 6 割が就業中のスタッフ、あとの約 4 割が登録中の スタッフという内 訳になっ ている。ウェブで講座を全部案内しており、 ウェブ経由での応 募が多い。登録スタッフは 自発的に判断して受講する 人が多いが、就 業 中のスタッフの場 合は、現在の業務 で必要な ため、営業社員に勧め ら れ て受講するという ケースもある。 将来的な展望まで見据えて 教育訓練を受講するのは、派遣経験 の長いスタッフや 年齢が相 対的に高いスタッフが多い 。例えば証 券 外 務 員の資格を取得し て、より時給の高 いところ で就業したいというような 希望を持っている 。証券外務員に関 しては、資格取得後 3 ヵ月 H社を通じて就業すると受講料相当額をキックバックする仕組 みを取っている。 集合講座の受講者の年間受講者は 13,000 人である。 337 ②個別(マンツーマン)指 導 営業やコーディネーターを 通して依頼され、 どの部分の教 育 訓 練が必要かというのを確認 し、時間などを設定して訓 練を行う。料金は 無料。訓練時間は短時間で長くても 1 日だが、 1 日かかるものはほとんどない。派遣先で訓 練を行う場合も あ る。年間受講者は約 3,000 人。 ③提携スクール OA、語学、ビジネスな ど の外部の教育研修機関と提携し て い る。入学金・受 講 料の割引 をおこなっている。 ④e ラーニング 外部の e ラーニングの会社 と提携して全部で約 320 講座、有料で提供している。 H社は全国展開しており、 全国にスタッフがいるので、地 域 格 差を考えて、e ラーニング も積極的に行っているが、 利用しているのは 首都圏在住者が多 い。年間で 1,500 件程度で ある。 ⑤CD−ROMトレーニング OAのワード、エクセル、 パワーポイント、 アクセスに つ い て は、CD−ROM での無料 トレーニングを各スクール や支社のセルフトレーニング用のP Cを使って行えるようにし ている。予約制である。 ⑥派遣先との連携による派 遣スタッフの能力開発支援 未経験者を対象にしている 銀行事務や新 卒 派 遣に関しては、派遣前にH社の方で 派遣先の 企業から指定された内容の トレーニングを行 って派遣している 。銀行事務で あ れ ば、合計 50∼60 時間のプログラムを組 んでいる。費用については、派遣先企業が負担する 場合もあ るし、しない場合もある。 3 . 職 業 経 験の な い 派遣 ス タ ッ フ に 対し て 能 力 開 発 を し て か ら派 遣 す る よ う な仕 組 み が あるか。あ れ ば そ の内容は。 正社員としての就業経験がない人に対して、 教育訓練を行ってから派遣することもある。 ビジネスマナーの基礎やワード、エクセルの 初級のクラスを受 講することが多い 。このよ うな教育訓練を受け る こ と で、派遣 された( 教育の効果が あ っ た)というのは 2∼3 割程度 である。 4.貴社として負担している派遣スタッフに対す る能力 開 発 支 援の費用の 規模 (わかる範囲で、 予算額、売上高に対する 比率など) 現在年間で 1 億 5000 万円くらい教育訓練費 として使っている 。これには、人 件 費や教 材費、設備が含まれている 。教育効果の測定 の仕方として、就 業にどの程度貢献 している かを、非就業者で受講後 2 ヵ月以内に就業し た比率や、就業中 のスタッフの受 講 者を「就 業貢献率」として示し て い る。非就業者で就 業に結びつくのは 2 割程度である。 338 また、スクール受講者の方 が長期の継続率が 高くなっている。 研修受講後に時給 が上昇 したかまでは把握していないが、実際の と こ ろ時給に結びつくのは難しいのではないかと 考えられる。 しかし、派遣の場合、H社 で教育訓練を受けても他社から派遣 されることもあり 、教育 訓練のリターンがあるかどうかを測定す る の は難しい。 5.能力開発支援を行ううえでの課題 や問題点( もしあれば) 教育訓練機会の地域格差をどう解消していくかがこれからの課 題である。ス ク ー ルのな い地方のインフラを整備していく方法を考えていく。 基本的なスキルを修得した 上で派遣す る と い う仕組みがあるのが理想である。現 場との兼 ね合いもあり実現は難し い が、給料を補償しても、時間を と っ て必要なスキルを 確実に獲 得させた上で派遣できればいいと考えている 。 6.派 遣ス タ ッ フ の能 力 開 発 に関 し て公 的な 支援 や 業界団体 と し て の取 り 組み へ の 要望など 会社によって考え方が違うので、業界団体で 何かを行うのは、 難しいのではないかと思 う。 7.その他 H社においては新卒派遣の ニーズは高く、現 在では高卒者の新卒派遣も行っ て い る。大 卒者で 300∼400 人、高卒者で 200∼300 人の規模で新卒派遣を 行っている。新卒派遣の場 合は、特定派遣の形をとっており、H社に入 社してから派遣するという仕組みになってい る。教育訓練は卒業前から 行う。新卒派遣は 2 年の有期契約であり、その後は、 派遣先の 企業で直雇用されることが 多い。紹介予定派遣の期間が 6 ヵ月と短く見極めが難 しいが、 H社の新卒派遣の場合は、 まず、派遣契約 が 1 年、2 年と長く、派遣先で直雇用 につなが らなくてもH社との雇 用 関 係は続いているため、給与は支給されるという点、あ る程度の トレーニングを実施し て か ら派遣するという 点が異なる。業務 としては、高卒で はアパレ ルなどの販売が多い、大卒 では銀行事務、営業事務、貿易実務 、外為、と営業職 がある。 派遣の場合、職種が限定されるので、英語を 使った仕事に就きたいなどという希 望が明確 な場合、正社員でなくとも 派遣で就業したいというニーズも出 てくる。高卒者の 場合は退 職率が高く、直接採用するのにはリスクが高 いので、企業か ら の依頼も多い。 派遣スタッフが自発的に言 い出したり、行動 したりしない限り 、派遣会社から研 修の受 講を強制したり、より高度 なスキルを修得させるように仕向けるのは難しい。就業開始し てからの方が学習意欲は高 くなる傾向があるのだが、時間的な 制約がある。また 、営業の 現場としても、現在就業している派遣先の仕 事から外してまでというのは難しいだろう。 ただ、派遣で間が空いたときに引きとめのため、受講を勧めるということはある 。 労働力不足ということもあり、スキルが多少未熟であっても派 遣できる状況になってきて いるので、登録スタッフの 学習意欲が下がってきているようである。 339 I社 1. マッチングの仕組 みの現状と 変化 派遣会社にとっては、派遣 スタッフも、企業 も、どちらもが顧 客であり、コーディネー タには、双方の希望を踏まえた最適な選択をするよう働きかけている。仕事の紹介時に、 スタッフとの関わりが多いのはコーディネータであるため、我 々コーディネータ は、スタ ッフの希望を極力尊重し つ つ、派遣先のニ ー ズとの間に妥協点 が見出せないかという観点 で仕事を進めており、営業 を通じて派遣先に 条件に関するお願 いをするような形 をとるこ とも多い。 従来、同社のコーディネータは、営業や企業 HP等からの情報 をもとに、派遣スタッフ のマッチングを行ってきた 。しかし、こ の や り方では、企業や 派遣スタッフとの 関係にお いて業務が機械的になる傾 向もあり、平成 19 年より、コーディネータの 担当を「職種単位 」 から「企業単位」に変更し、営 業や企業と密に連 携できるような仕 組みに改めた。同時に、 コーディネータの人員数も 増強した。これにより、今年度から コーディネータも 状況に応 じて企業に訪問しており、 会社の雰囲気等、 実際に自分の目で 見たオフィス環境 を派遣ス タッフに紹介できる事に よ り、ミスマッチを 防ぎ、仕事の説明 において説得力を 増す効果 が出ている。 営業部は第一営業部、第二営業部と、2 つの部署に分か れ て お り、コーディネータ部も 第一営業部対応、第二営業部対応に部内で分 かれている。各営業部単位の構成は 、営業ス タッフ 12 名に対して、コーディネータ 4 名となっている。 派遣スタッフのフォローは 基本的に営業が担 当するが、コーディネータも多くは メール や電話により、営業と並行 して派遣スタッフ のフォローを行っており、客 先 訪 問 時には担 当コーディネータとして、 就業中の派遣スタッフに挨拶をする 等、できる限り、 直接顔を 合わせて、関係を深めるようにしている。 このような仕組みに改めた 結果、コーディネータも派遣先の状 況を把握できるようにな り、マッチングの精度が上 がってきた。また、派遣先企業の担当 が固定されたことにより、 企業情報を営業とコーディネータが共有で き るメリットがあり 、営業としても担 当コーデ ィネータに、企業 の追加情報を随 時 伝えることができることから 、新しい仕組みについて、 営業サイドからの評価は高 い。ただし、コーディネータ側からみると、企業担当 を持つこ とにより、全職種をフ ォ ロ ーすることになり 、マッチングの対 象スタッフが増えたことか ら、中には、以前の職種別担当のほうが 、 「休眠 スタッフ」のスキルの把握まで丁 寧にでき ていたという意見もある。 登録担当、コーディネータ 、営業の各業務については、2 年ぐらい前までは、職種固定 で仕事を行うケースが多かったが、企業、派 遣スタッフ、社内 の各部署の状況を 理解でき ないと良い仕事もできないということで、最 近は、各部署間の 人事異動を活発に 行うよう になってきた。 2. マッチングと派遣 スタッフの キャリア形成 (1)派遣スタッフの長期的なキ ャ リ ア形成 キャリア形成に対する派遣 スタッフの希望については、登録の 時に、将来のキャリアビ 340 ジョン(どのぐらいの期間派遣として働きたいか、正社員への 希望があるかどうか等)を 確認している。また、登 録 後も、資格やス キ ル、その他登録データの変更と同じ く、将来 の仕事に関する希望を変更 することができる 。 以前は、正社員志向のある スタッフに対し て は、紹介予定派遣 の案件を紹介する 等の配 慮をしていたが、最近、正社員で働きたいという派遣スタッフ が(会社として特 別な支援 をしなくても)正社員になるようなケースも 増えてきた。派遣就労が長くなってきた場合 に、派遣スタッフが自律的 に自分の将来ビジョンを考え、キャリアを構築しているような ケースも多く見られる。 稼動中の派遣スタッフ本人 から長期的なキャリア形成に関する 相談が入った場合 、担当 の営業を中心として、コーディネータや登録担当も相談に対応 している。希望が 明確な派 遣スタッフや、年齢的に若 いスタッフについては、コーディネータが、将来を見 据えた助 言をすることも多い。逆に 、何社も派遣会社 を経験し、職種も 変更せずに派遣を 続けてい るような派遣スタッフの場 合は、今後のキャリアに対する希望 というよりも勤務条件に関 する要望が多く、自身のキャリアに 関する相談は少な い。ス タ ッ フの意識や状況によって、 派遣スタッフのキャリア形 成に関する支 援 方 法は変わってくると思う。事務や受 付で長期 的に派遣を続けていても、 実際のところ時給単価を上げるには 限界もあり、年齢 やキャリ アにより、継続してきた業 務に行き詰まるケースもある。それなりに時給を上げ て派遣就 業を長く続けていくためには、どういうス キ ルを身につけ、どういう職種を選べばいいの か、あるいは、派遣から正社員を目指すというような道も考えられ、こういう実 例をもと に助言を行う形となる。 但し、当社の中では、派遣 スタッフの長期的 なキャリア形 成 支 援が、仕組みとしてきち んと整備されているかというと、まだそこまでには至っ て い な い。また、様々な 企業で求 められるようなスキルを磨 き、業務知識を身 に付けたとしても 、職種により派遣料金があ る程度固定されているため 、なかなかスキルアップやキャリア が賃金に繋がらないところ に現実の壁がある。 (2)派遣スタッフのスキル・チ ェ ッ クや時給の 見直し 実際に派遣されているかどうかにかかわらず 、登録スタッフの スキルに関する情 報は定 期的に収集するようにしている。登録の時の スキル・チェック に加え、派遣先に 紹介する タイミングでも、必ずス キ ルを再確認する。 派遣期間にブ ラ ン クがある場合も、 毎月案内 を出し、追加の職歴を確認 している。他社からの派遣に切り替 わった場合でも、 契約更新 のタイミングで、案内を出 して、派遣ス タ ッ フの状況やスキルアップをフォロー するよう にしている。 確認するスキルの内容は、入力速度、ワード・エクセル・パワーポイント・ア ク セ ス等、 OAのスキル、経理、英語 、貿易実務等で あ る。また、取得資格等についても申 請しても らっている。 時給の改定は、基本的には年 1 回である。あ る程度の期間、派遣先で就業し、それなり の成果を上げている派遣スタッフに関しては 、年 1 回にこだわらず、時給を上げてもらえ るよう時給交渉を行うが、 このようなケース は、さほど多くはない。また、同一派遣先で 時給が全く上がらないような場合には、派遣 スタッフからの希 望で、派遣先を変 更するケ 341 ースもある。この場合、派遣先企業がス タ ッ フの継続を望んでいても、派遣スタッフの意 思が優先されるため、時給 を上げて派遣スタッフに仕事を継続 してもらうのか、 あるいは 派遣料を上げられず派遣スタッフを交代するのか、選択肢を提 示して選んでもらうことに なるので、派遣先とト ラ ブ ルになるようなことは殆どない。 契約更新時に料金改定を行 う際は、派遣先へ の請求、派遣スタッフへの支払の双 方に対 して、設定時給の水準が適 正か否かを確認している。また、会 社として、営業に は、契約 更新時に、当初からの業務内容に変更が出ていないか、常に状 況を確認するよう 徹底して いる。ただ、派遣契約の内 容を変えるほど大 きな業務内容の変 化がある場合以外 は、派遣 スタッフの能力向上の大枠 のみで、詳細まで 把握しきれていないのが現状である 。派遣ス タッフに対して、業務内容 の変更や能力の変 化を申請するよう 、働きかけてはいるが、ま だ徹底できていない。 3. 正社員経験のない 人やキ ャ リ ア中断のある 人の派 遣 可 能 性 育児休業を取得して復帰 してくる派遣スタッフもいる。派遣会社と雇用契約を 締結し、 育児休業を取得し、復帰し た段階で、再度、 そのときの状況や 希望に最も近い派遣先を探 すようにしている。子育て 中派遣スタッフの 場合、育児のサポート体制をどう整 えていく かが、仕事を続けていく上 での重要なポ イ ン トとなる。 4. マッチング担当者 に求め ら れ る職業能力とその育成方法 (1)マッチング担当者 の採用・育成 コーディネータは、ほとんどが中途採用者である。中途採用者 には、同業の派遣会社で コーディネータ業務を担当 していた人、販売経験のみで事務未経験者もいる。た だ、コー ディネータの経験がなく、 派遣業界のことを 知らなくても、本 人に仕事への前向 きさや適 性がみられれば採用するようにしている。年齢的には、30 代半ばぐらいまでの人 を採用す るケースが多い。 コーディネータとして採用 した後、最初の 3 ヵ月∼1 年は教 育 係(先輩)がペア で指導 する。日報(日報を書く の は研修時のみ)を 書かせて、教育係 が毎日内容をチェックして アドバイス等、フィードバックする形。週 1 回は所属の部長も 日報を見る。人選 に関する 教育は、派遣先と派遣スタッフを検索させることから始まり、 その際、①この仕 事に合う 人を探すうえで重視すべきこと(ど う い う検索条件を入れるか)、②派遣スタッフ の希望内 容の優先順位等を考えさせ 、それについて教育係と意見交換す るOJTが主体である。 (2)マッチング担当者 の職業能力 ある程度の業務がこなせるという状態までは 、多くのコーディネータが到達で き る。し かし、その後、コーディネータとしてさらに 成長できるかどうかは、本人の適性 や気持ち によるところが大きい。経 験が長いからといって、コーディネータとして順調に 成長して いくわけでもない。派遣スタッフを大切に思 う気持ちがないと 、コーディネータ としてよ い仕事はできない。適性としては、なかでも 素早い対応が で き る、大量の情報の 中で優先 順位を的確につけられるなど、マッチングに 関するセンスが特 に重要となる。 未経験者がコーディネータ を始めて 、ある程度一人前 になるのは 1 年ぐらいだと考える 。 342 一人前の条件として、登録内容を十分に理解 できることはもちろん、コミュニケーション 能力が不可欠。派遣先が決 まれば派遣ス タ ッ フと直接会う機会 があるが、派遣先 が決まる までは電話やメールを通じ てスタッフとコミュニケーションを 取ることが多く、 そういう 限られた会話のなかから、 派遣スタッフの思 いや能力を見定められるかどうかが 、一人前 のコーディネータとして力 量を問われるところである。 コーディネータのベテラン としての条件は、 派遣先や派遣スタッフに対する提案能力や、 スキルの足りないスタッフ の売り込み、どういう力を伸ばしていけばいいかといった、教 育支援といった面で長けていることである。 ベテランとして残 れるのは、新人コーディネ ータのうち約半数位だと思 う。人にもよるが 、ベテランになるための期間として 、最低 2 年は必要だと思う。 (3)マッチングに お け る課題 一部門あたりのコーディネータ(部長を除く )は 8 名(全員女性)(他にアシスタント が 1 名いる)である。内訳 は、新人を指導す るベテランが 3 名、新人指導していないベテ ランが 2 名、残りは新人となっている。 担当する案件は、ベテランコーディネータで 1 ヵ月約 40∼50 件である。 (新人で月 20 件強)ベテランは 1 日 2 件の新規案件が継続的に入 り、派遣ス タ ッ フをマッ チングしなければならない 状況であり、やや オーバーワークとなっている。 1 人あたりの案件が今の半 分ぐらいの規模でないと、業務の中 でマッチングにウエイト がかかり、スタッフフォローになかなか時間 が割けない状況になる。 5. マッチング以外で のキャリア 形成支援のための取り組み 内容 同社は、社内の能力開発プログラムを持っており、社外の研修 に関する情報も提 供して いる。派遣スタッフに対しては、派遣先が決 まっているかどうかにかかわらず、 研修の案 内を出している。社内のプログラム受講にあたって、派遣スタッフが負担するのは 1 万円 程度。 年度予算を作る際、派遣スタッフの能力開発費用を一定程度織 り込んでおり、これは派 遣部門の必要経費だと割り 切っている。 尚、キャリア・カウンセリングの資格を持っているコーディネータはいるが、専 任の窓 口はない。現状、登録の窓 口が、実質的な相談窓口として機能 している状況。 6. マッチングに関し て、通常の 派遣の場合と 異なる点、留 意している 点 通常の派遣と紹介予定派遣 とで、コーディネータのマッチング に関する大きな違 いはな い。 (通常の派 遣の案件でも、紹介予定派遣の案 件でも、スキルだけでなく、総 合 的な観点 からマッチングを行っ て い る。)但し、紹介予定派遣の場合は、通 常の派遣よりも 、正社員 で働きたいという派遣スタッフの意向をアピールする必要性があるため、企業の 面談の前 にスタッフと営業担当とで 十分に打ち合わせをした上で面談に 臨んでいる。また 、紹介予 定派遣の契約締結時、正 社 員への切替時には 、派遣スタッフに 対して、労働条件 の相違を 十分に説明するようにしている。 343 J社 1.マッチングの 仕組みの現 状と変化 ※営業スタッフ等 との業 務 分 担を含む 1-1.現在の状況 現在、既存の仕組みと新し い仕組みを併用している状態。既存 の方法では、営業 (主に 企業の窓口になる)とコーディネータ(主に スタッフの窓口になる)の役割の境 目が曖昧 だった。例えば 、クライアントである企業の 特性・ニーズや社内の状況に 合わせて 、コーデ ィネータがフレキシブルに 営業的な役割を負 う場合もあり、企 業にもスタッフにもきめ細 かく柔軟に、重層的に対応 してきた。新しい 仕組みでは、従来 のコーディネータ を、スタ ッフへの仕事紹介・マッチングだけをする役割と 、すでに就業中 のスタッフの更新確認など 定着・フォローを行う役割という 2 つにわけ、営 業は営業のみに特 化するという形で 、分業 化が進んでいる。 分業化した方がマッチング 効率が上がり、合理的だという判断 で、会社としては 分業して いく方向にあるのではないか。しかし、既存 の方法では、自分が 直接対応していなくとも、 例えば、同じクライアント を担当している営 業がどこでどんな アクシデントに遭 遇し、そ れにどう 対応したのかというような日 々の細 かな失 敗・成 功 体 験を日常的に 見聞きするこ とができ、共有し合えた。 共に働く中で自ず と生きたナレッジ を蓄積でき、社員一人一人 の対応の幅を広げる事ができた。 1-2.既存のマッチング方式での営 業との業務分担 営業とコーディネータがペ アになって一つの クライアントを担 当するが、そ れ ぞ れ担当 のクライアントを持っているので、どの対になるかはクライアントによって決定 される。 クレーム対応などについても人が相手であるので、その都 度 状 況を判断して、コーディネ ータが行くか、営業が行くかが決まる。スタッフへの対応については、例えばキャリア相 談などの場合は、コーディネータが行く こ と が多いが、決まっているわけではない。 1-3.現状のマッチングの流れ スタッフが登録センターで 登録する前に、登録予約を受け付け る部署が、登録予定者の 基本情報・状況を専用データベース にUPしてくれる 。その情報を 見て、コーディネータが 自分が担当している案件の 中から、希望・スキル に沿いそうなものをピックアップし 、前日 までに当日声掛け希望のエントリーをデータベースにしておく 。登録センターで 、スタッ フの希望や状況などより細 かなヒアリングをして、エントリー された案件の中か らマッチ しそうなものを絞り込み、 スタッフに提示す る。スタッフが希 望する案件を選択 し、案件 を担当しているコーディネータが電話でより 詳しい内容、細かなことを説明する 。 コーディネータ機能と営業 が完全に分離している新規の方式であれば、スタッフ が仕事の オファーを受けた場合、そこから先は営業につなげ、営業がクライアントに紹介 し、スタ ッフを職場環境確認に連れ て行く。スタッフ の紹介や売り込みについての書類は コーディ ネータが作成する。 344 2.マッチングと 派遣ス タ ッ フのキャリア 形成 ※マッチングとキャリア形成 に関する基 本 的な考え方を 含む 2-1.マッチングの基本的な考え方 基本的にはスタッフの希望 を第一に考える。 できるだけ希望に 沿うように仕事を 探すと いう前提はあるが、ス タ ッ フの希望している 職種が専門職種などで、希望と能力 や経験に 乖離がある場合は、残 念ながら労働市場状況・企業ニーズ等から 、今この段階では 希望通り の仕事を紹介できない理由 を客観的に伝える 。それと同時に、 今は難しいけれど 将来的に その仕事に就くにはどうすればいいのか、コーディネータとしてこれまで接してきた他ス タッフの事例の中から適す るロールモデル等 を紹介し、希望に 至るまでの道筋の 一例をイ メージが描けるように具 体 的に提示してあげたりもする。そ し て、スタッフにとって今ベ ストではないにしろ、将来自分の目指す方向 に近づける方法として、別の仕事を 紹介した りもする。短期的にマッチングさえすればいいということではなく、ベストでないにしろ ベター、何よりスタッフが 納得して、自分で 仕事を選ぶことが 大事だと考え て い る。納得 の上就業しないと、やりたいことがある人の 場合、就業し て か ら揺れて途中終了 するケー スが少なくなく、クライアントに対するサービスの質の問題にもつながるので、 今経験す る仕事が将来にどうつながるのかという道筋 は仕事紹介の段階 でのスタッフに必 ず示すよ うにしている。 2-2.就業後のスキルや希望の変化 をフォローする仕 組み サービス品質保持を目的とした社内の厳密な ルールに則って、 全社的に定期的に 仕事ス タート後のスタッフの状況確認調査を、就業先企業・スタッフ双方に、 紙面で行っている 。 ただしこれは、入ってから 、大体 1 ヵ月か 2 ヵ月後の調査。そ の後の部分に関しては、更 新のたびに口頭やメールで クライアント、スタッフ双方にヒアリングを行っ て い る。ヒア リング(更新確認 )はJ社 では最近直近契約最終日の 45 日前に行っている。スタッフの場 合は直接会って、ヒアリン グ(仕事の内容や 負荷や困っていることなど)を行うことがほ とんどである。 基本的に派遣料金は、年に 1 度派遣先企業側 に改訂交渉を行うことになっている 。普段か ら状況確認はこまめに行ってはいるが、年に 一度その交渉の資 料とするために、 スタッフ の年間を通じた業務量の変 化や責任の負荷についても再度詳し くヒアリングを行 っている 。 スタッフが稼働中に資 格 取 得した場合に関しては、随時担当の 営業かコーディネータがデ ータベースをアップデート していくが、職務経験については、 就業が終了した時 点で実際 に行っていた業務内容を詳 細に確認し、データベースをアップデートする。就業終了後の 職務内容のヒアリングは 、このスタッフの新たに加わったキャリア・強みをアップデートす ることであり、次に よ り こ のスタッフに適し た就業先を紹介しようと思えば、欠 かせない 情報となる。加えて、同じ 仕事がリプレイス になり、再度人選 をしなければならないとき の最も役に立つ貴重な生 情 報ともなる。就業終了の際にはクライアントにもスタッフの稼 働評価をおこなってもらい 、コメントも残してもらう。派遣歴 の長いスタッフだ と、この 評価が蓄積されて、職歴・スキル・資格等とは 別に、コーディネータが仕事を紹介 する際の 貴重な判断基準になっていく。 長期就業中にスタッフのキャリア目標が変化 した場合には、常識的な範囲内で、 派遣先で 345 その機会が与えられうるものであれば、J社 としても派遣先に 交渉をするが、そうでない 場合は、スタッフも就業を 継続しないだろうし、それは仕方ないと考えている。 他の派遣 先を考える。 現在の派遣先で長期稼働し 重宝されている派 遣スタッフのキャリアアップの要望 をかなえ るためだけに、こちらから 派遣先を変更することを提案することは、現クライアントに多 大な迷惑をかけることになるので基本的にはしない。 2-3.キャリアの長い派遣 事務系の派遣として、長くやっていると行き 詰まりはある。稼働実績が良い人材 である ほど、コーディネータとしても何より信頼が 置け次を紹介したくなるので、間を 空けずに 就業ができる。しかしこれは、人によっては 稼動歴が良か っ た が故に自分の次の キャリア について自分なりに悩ん だ り、じっくり考え る契機が持てなかったというような 皮肉なケ ースになってしまう。このような稼働歴が長 く評価が高いスタッフには、一番お 世話にな っているし、派遣で働く中 でより自分らしい 働き方を自ら見つ け幸せに卒業していってほ しいと思う一方で、稼動歴 がよいから安心し て次の仕事を紹介 してしまう現実がある。ス タッフ個 人のキャリア形 成を考 えると 仕事を 紹介す る側・働く 人を支 援する 側と し てジレ ンマがある。 長く稼動しているクライアント先で直接雇用 になるのが、望ましい卒業の仕方の 一つであ るが、一般事務系 の職種だと若い人 材もたくさんいるので、現 実 的には難し い こ と が多い。 現在、派遣で年齢の壁を越 えて長く続けられるのは、翻訳、通 訳、経理という専 門スキル を要する職種が多い。そのため一般事務の派 遣スタッフに対し て、現在の一般事務系職種 の限界や長期的なキャリア を考えた方向転換 を含めてのキャリアデザインに つ い て、アド バイスしていきたいが、一 人のスタッフに対 して一人のコーディネータが一貫し て仕事を 紹介し続けているわけないので、実際は実施 できたり、できなかったり、まちまちの現状 である。 3.正社員経験のない人やキャリア中断のある人の派遣可能性 育児休暇を取得しているというケースを担当 したことはないが 、そのようなケ ー スがあ ると聞いたことはある。 4.マッチング担当者に求められる職 業 能 力とその育成方法 4-1.マッチング担当者の職業能力 15 年くらい前から新卒を採用し始 めたが、現在でも 中途の方が多い。 年齢層としては 、 30 代前半くらいまで、採用の際に は、「人を 支援する」素養、 臨機応変に受け入 れ、対応 できうる素養等を見ているようである。 4-2.マッチング担当者の育成方法 採用されると本社での研修(3 日)後、各支店に配属 される。配属後大体 1 ヵ月くらいは、 OJT担当者が付き、簡単 な人選の一部を補助的に行う。また、そのうち 2 週間くらいは、 法律の知識や、扱 う仕事内容 、クライアント・スタッフ への対応 、業務フローなど コーディ 346 ネータとして必要な各知識 を、各支店でそれぞれの分野に最も 秀でている者が講 師となっ て、マンツーマンで講習を 行う。 入社 2 ヵ月後くらいからは、通常一人で一通りの仕 事をこなさなくてはいけなくなる。2 ヵ月後に成約にかなり近いところまでいけるのが理想である。 ベテランになると 、クライアントの 文書や口頭で出てくる顕在的な人材 ニーズだけでなく 、 表面には出てこない潜在的 な職場の課題や人 材ニーズまで汲み 取れるようになる 。取引の 長いクライアントが多い の で、蓄積さ れ て き た派遣実績から導 き出される隠れた ニーズや 社風などを勘案し、表面的 に要求されている 条件の中から更に 優先順位をつけて マッチン グができるようになる。コ ーディネータには 、派遣スタッフに 対する暖かい目と 、冷静な アセスメントの目の両方が 要求される。 営業とマッチングを分業化 すると、営業を始 めとした支店全体 とのナレッジの共 有が恒常 的にできないので、結果としてコーディネータの厚みのある幅 広いスキル育成が 難しくな るかもしれない。 5.マッチング以 外でのキャリア形成支援 のための取り 組み内容 ホームページにキャリアサポートのページがあり、テクニカルスキルのトレーニングの 案内や外部提携教育機関の 案内、社 内キャリアカウンセリング・悩み相談の窓口等 について 掲載している。 5-1.スタッフ相談室 直接電話 する。 ス タ ッ フに対 しては、「 その他 のご意 見・ご相 談」窓 口と し て案内 して いる。 5-2.キャリアカウンセリング 登録スタッフに限定せず広 く一般に門戸を開 いている。 無料。原則一人 1 回(90 分)のみ。 以前は、一般の就職活動に 悩んでいるような 「自分探し系」の 相談が多かったが 、最近は 雇用状況もよくなってきたので、正社員にどうすればなれるのかといった悩みも 多い。傾 向としては自社のスタッフ を長くやっている 人の相談が多くなってきている。優 秀なスタ ッフで長く就業しているのだが、このまま続 けて行っていいのだろうかといった 将来的な 不安についての相談が多い 。キャリアカウンセラーはJ社の社 員が資格を取得し て通常業 務と平行してカウンセリングを行っているが 、守秘義務の観点 から、相談内容について、 社内であろうとも一切現場 に公表しない。カウンセリングな の で一方的にアドバイス等は しない。その人の力を信じ 、あくまでも本人 が自分なりに気づ き、アクションを 起こすか どうかが重要だと考えて支 援に当っている 。自分な り に前向きな一歩が 踏み出せるように 、 少し背中を押して差し上げ る感じ。例外的に 、相談者が稼働スタッフで依頼があ れば、最 終本人の了解を取った上で 、内部の現場につなげることはあるが、その場合も事務局を通 し、誰がカウンセリングをしたか分からないようにしている。 カウンセリング内容については、その都度ケース事例としてレポートにまとめるし、年に 2 回まとめたレポート 等をもとにカウンセラーが一同に集 まり共有会を実施 している。 カウンセラーがJ社の人間 であり、普段各々 の担当部署で体感 した生の情報を持 っている 347 のでそれを必要に応じてカウンセリングに来 た人に提供できる 。カウンセリング を通し、 利害を超えて、より広く働 く事にまつわる色 々なケースを知り 考える場にもなるので、そ のナレッジをまた普段の自 分の現場での仕事 にもいかすことができる。社員教育 の一環と してもカウンセリングは役 立っていると感じ る。 5-3.教育訓練について 仕事を紹介する時点で不足 な点があれば、それを補うような教育訓練をスタッフ に紹介 する(クライアントがエクセルの VLOOKUP を要求しており、スタッフにその技能がないが就 業を強く希望している場合 など)。就業後に、スタッフから何らかの技能や能力を 身につけ たいという希望が出た場合 は、コーディネータや営業 がJ社のリソース の中から紹介する 。 6 .( 紹 介 予 定 派 遣 を 実 施 し て い る 場 合 ) マ ッ チ ン グ に 関 し て 、 通 常 の 派 遣 の 場 合 と 異なる点、留意している点 クライアントに 対する ス タ ン スと し て は上記 の顕在・ 潜在ニ ー ズを洗 い出し 、より 精度 の高いマッチングを目指す 通常の派遣と基 本 的には異ならない 。ただ、クライアントの要 求水準が派遣のそれよりも 高くなる。現状スタッフに対しては 、アセスメントの 視点がよ り細かくなり、少しでも不 安なところがあると紹介は控え て い る。可能性を含め て紹介す ることが、派遣の場合よ り も少なくなる。 尚、通常の派遣でも長期の 就業を前提としていることが多い の で、紹介予定派遣 だからと いって、特に長期的な視点 を重視しているわけではない。 348 K社 1. マッチングの仕組 みの現状と 変化 新宿に登録センターが あ る が、営業支店でも 登録することはできる。登録セ ン タ ーには 面接専門のスタッフが い る が、営業支店の場 合はコーディネータが面接する場合 もある。 登録の後、仕事のマ ッ チ ン グをするのは、派 遣スタッフが働きたいと考えている 地域にあ る営業支店のコーディネータで、営業支店の テリトリーの中で マッチングを行う 。コーデ ィネータは、派遣スタッフ の合意がとれた時 点で営業スタッフ に連携する。派 遣 先に派遣 スタッフを連れて行くのは 営業スタッフで あ る。 仕事内容だけでなく、派 遣 先の企業風土や、 すでに派遣されているスタッフとの 相性等 も、マッチングする上で重 要な要素になる。 営業スタッフには 、こうした情報を 含む幅広 い情報(机の並び方なども 含めて)をとってくるよう指示している。また、コーディネー タに対して、営業スタッフ から回ってきた書 類だけでなく、営 業スタッフと直接 コミュニ ケーションをとり、時には 直接派遣先に出向 き、多くの情報を 持ったうえでマッチングを 行うよう働きかけている。 実際、コーディネータも基本的には年 1 回ぐらいは訪 問し、担 当者や派遣スタッフと会っている。 営業スタッフは企業単位で 担当が決ま っ て い る。コーディネータの担当も企 業 単 位で決 まっているが、仕事のマッチングは、他の企 業を担当している コーディネータと 連携しな がら行っている。営業スタッフとコーディネータは厳密な対応関係にあるわけではなく、 コーディネータ 1 人に複数の営業スタッフがいる場合もある。 また、担当企業を 持たない コーディネータもいる。担当企業を持たない コーディネータは 、各営業支店単位 で配置さ れており、全体的な調整を 行ったり、派遣スタッフのマ ッ チ ン グの状況をフ ォ ロ ーしたり している。全体の 調整を担当するコーディネータを各営業支店に設置したのは平成 18 年度 だが、その数年前から試 験 的な取り組みはしていた。担当別に マッチングを検討 している と、縦割りになって最適な マッチングができなかったり、折角 の人材がマ ッ チ ン グに結び つかなかったりする弊害もある。そういう弊 害を取り除く た め に、全体の調整を 担当する コーディネータを置くようになった。 都内に い るコーディネータ数百人のうち、 全体の 調整を 担当す るコ ー デ ィ ネ ー タは 15 人ぐらいである。この他に 、有期契約のコーディネータ・アシスタントもいる。 なお、営業スタッフやコーディネータの ほ か に、派遣スタッフ のフォローを専門 に担当 している「フォロー・スタッフ」がいる。フォロー・スタッフ は、基本的には、 業務量が 適正か、派遣スタッフが困 っていないかといった状況を把握し 、派遣スタッフを 支えるこ とがメインの業務である。 派遣スタッフからみて最も近し い の はフォロー・スタッフだと 思う。 フォロー・スタッフは有期契約である。勤務時間は派遣ス タ ッ フの就業時間のみなので、 営業スタッフやコーディネータより業務負担 は少ない 。やや年配の女性 がフォロー・スタッ フを担当する場合が多い 。こ の よ う なフォロー・スタッフを置いたのは 10 年以上前である。 349 2. マッチングと派遣 スタッフの キャリア形成 (1)派遣スタッフの長期的なキ ャ リ ア形成 派遣スタッフが長期的にどのような希望を持 っているかについては、必ず聞くようにし ている。 「長期で働きたい」という場合も、派遣業界でいうところの「長期」と、派遣スタ ッフ本人のイメージと違っている場合もある 。長期の派遣を求 めるかどうか、といった派 遣先のニーズもある。よりよいマッチングを 行うために、派遣 スタッフの長期的 な希望を 把握することは不可欠で あ る。 派遣スタッフの長期的希望 は、情報として残 し、他のコーディネータにも連携するよう にしている。従来はコーディネータ間で個別 に連携していたが 、現在は担当企業 を持たな いコーディネータが、こうした長期的希望の マッチングへの反 映をフォローする 体制をと っている。 ただ、実際には、長期的な キャリア展開まで 考えている派遣スタッフは少ない。 派遣スタ ッフが自分のキャリアについて考えるのは、 思ったような水準 の時給にならない 等の危機 に直面した時、あるいは新 しい能力を身につけたいという意欲 が出てきた時等だ と思われ るが、通常は、その時の仕事内容にしか関心 がないケースが多 い。少数派ながら 、派遣で 働く目的、将来的なキ ャ リ ア・ビジョンを明 確に持っている派 遣スタッフも い る が、そう いう人は、派遣会社が目的 やビジョンを聞かなくても本人から 伝えてくる。派 遣 先が長期 派遣を要望し、派遣ス タ ッ フも派遣先に長くいたい、という場 合には派遣先企業 での正社 員登用につながるケースも 稀にある。派遣先 と派遣スタッフが 現状に満足しているにもか かわらず、キャリアアップ のために派遣先を 変えるということは基本的にない。 (2)派遣スタッフのスキル・チ ェ ッ クや時給の 見直し 派遣スタッフが新規の資格 を取得した場合等 には、改めてス キ ル・チェックに来 てもら うようにしている。フ ォ ロ ー・スタッフも月 1 回は必ず派遣先 に訪問するので、 その際に 派遣スタッフに対して、必 要に応じてスキル ・チェックを行うよう働きかける。 受講でき る教育訓練の内容に つ い て も、フォロー・スタッフ等 から定期的に情報 を提供している。 業務内容のレベルが上がったので、時給を上 げる必要があるというような状 況 把 握が必 要になるのは、通常年に 1 回程度の頻度だと 思う。ただ、派遣 が一度終了して、 次の派遣 先に行く場合には 、当然のことながら業務内容が変わるので、スキルもチェックし 直すし、 時給も見直している。 (3)マッチングとキャリア形成 派遣スタッフの仕事内容に 対する要望には 、可能な限り配 慮するようにしている。ただ 、 経験やスキルもないままに 、た と え ば経理の仕事をしたいという要望に 接する場合もある 。 こういう場合は、実際す ぐ に経理の仕事で派 遣することは難しいが、経理と関係 があるよ うな近辺の所属に派遣する 一方で、簿記等の 勉強をするように 働きかけ、一 定 期 間キャリ アを積んだうえで経理の仕 事に派遣するケ ー スもある。 与えられたチャンスを活用 しながら能力を伸 ばしていける派遣 スタッフは、成長 してい けると思う。実際、意欲や 能力が高い派遣スタッフは、営業スタッフが時給交渉 をするま でもなく、派遣先に信用さ れ、自然と時給が 上がっていく傾向 がある。また、専門能力を 350 持つ派遣スタッフは時給が 上がりやすい。 実際、事務の範疇だけで時 給を上げていくのはなかなか難しい 。むしろ、経験があまり なくても、素直で意欲があるほうが派遣しやすい場合もある。 先入観が強く、過 度の自己 主張がある場合には、実際 にはマッチングをしにくい面はある 。経験をふりかざして、前 の派遣先と比べるような派 遣スタッフは、派遣先でも敬遠さ れ る傾向があり、時 給もなか なか上がらない。派遣スタッフにも、それなりの柔軟性が必要 だろう。企業が求 めている 派遣スタッフ像と派遣スタッフ自身の職業観 が違う場合には、 コーディネータが 今後のキ ャリアに関する希望を聞き 、アドバイスをすることもある。 派遣先での仕事の範囲が限 定されていると、 なかなか能力は高 まらない。そ う い う意味 では、派遣先での職務付与 は、派遣スタッフ のキャリア形成に 大きな影響を与えるといえ る。 3. 正社員経験のない 人やキ ャ リ ア中断のある 人の派 遣 可 能 性 特に 30 歳ぐらいまでの年齢層には 、正社員経験が な い人が多い。 スキルや意識が高いかどうかは、正社員経験 の有無とあまり関 係がなく、むしろ 人によ るところが大きい。正社員 でもスキルを磨いてこなかった人もいれば、正 社 員 経 験がなく ても仕事を通じて高いス キ ルを醸成してきた 人もいる。 ただ、正社員経験があるほうが信用しやすいという印象を持つ 派遣先もあり、そういう 派遣先からは正社員経験者 を求められることが多い。 もちろん、正社員経験があったとしても、3 年以上働いていないなど、長いブランクが あると派遣先を見つ け る の が難しい。ここ数 年の情報化の進展 はめざましく、使 用する情 報機器も様変わりしてきているので 、ワープロしか使 えない人を派遣するのは実際難しい 。 なかには、長年のブランク で電話が怖い と い う人もいる。 子育てしながら派遣で働くというケースも あ る。ただ 、子どもが急に病 気になった時に 、 派遣スタッフ本人の他に迎 えにいってくれる 人がいないという 場合には、な か な か派遣先 が見つからない。 4. マッチング担当者 に求め ら れ る職業能力とその育成方法 (1)マッチング担当者 の採用・育成 コーディネータは中途採用 が大層を占める 。なかには 、営業スタッフを 経験したうえで 、 コーディネータに転換した 人もいるが、少 数 派である。 コーディネータの育成は 、基本的にはO J Tによる。営 業 支 店において、コーディネー タの新人の上には、サブリーダー、リーダー 、マネジャーが お り、特にサブリーダーやリ ーダーが新人の指導を担う 。 新人コーディネータの育成 は、派遣スタッフ に状況を電話で聞 くことからス タ ー トする。 並行して派遣スタッフの面 接も経験していく 。典型的な事 務 職 等、わかりやすい 仕事の案 件を 1 件だけ持って、その マッチングに挑戦 するというようなやり方である。入社後 1 年 の間には、派遣に関わる法 律、派遣スタッフ との接し方等、必 要なことを学ぶ た めの研修 もあり、OJTのかたわらでこうした研修を 受講することになっている。 351 (2)マッチング担当者 の職業能力 コーディネータに不可欠な 素養は、迅速なマッチングへのプレッシャーに耐え得 るスト レス耐性、人を見極める感 性だと考える ベテランのコーディネータ は、単に仕事を検 索してマッチング するだけでなく、 登録の 際に記憶にとどめておいた 候補を出すことができる、周囲から 候補を出させることができ る等、マッチングのための 多様な引き出しを 持っている。また 、派遣スタッフの 見極めが しっかりとできることも、 ベテランの条件としてあげられる。 結果として、ベテランのコ ーディネータは、マ ッ チ ン グの精度が高く、 派遣先の苦情対応 にも長けている。 さらに、 そうしたノウハウを後輩に 教えることができる。 新人コーディネータが自 分の担当を持てるようになってくるのは、だいたい 3 ヵ月程度 である。遅くとも 6 ヵ月程度たてば、必ず担 当を持つようになる。一方、ベ テ ラ ンになる までには 3 年程度はかかる。3 年に至るまでに退職するコーディネータも少 なくない。 5. マッチング以外で のキャリア 形成支援のための取り組み 内容 派遣スタッフがキャリア形 成について悩んだ 場合、最初にフォロー・スタッフに 相談す るケースが多いが 、コーディネータ に相談するケース もある。具体的には 、 「将来海外留学 をしたい」、 「いずれは 正社員になりたいが、派遣先を 転々としていると マイナスになるか 」 というような相談がある。 こういった相談へ の対応もキャリア 形成支援の一環となってい る。 コーディネータには少ないながらキャリアカウンセラーの資格 を持つ者もおり、 近年そ の数は増えてきている。 6. マッチングに関し て、通常の 派遣の場合と 異なる点、留 意している 点 通常の派遣では正社員になれる確立が非常 に低いが、紹介予定派遣の場合は正社員にな れる可能性が比較的大きいので、通常の派遣 より、もう少し先 をみてマッチング を考える ようにしている。少な く と も、正社員に登用 された後にすぐ退 職してしまうというような 事態は避けなければならない。 もちろん、紹介予定派遣で 派遣されても、結 果として正社員にならないケースも 少なく ない。この理由としては、派遣スタッフ側の 事情のほうがどちらかといえば多い。3ヵ月、 半年の間に職場を見極めようとすると、よくない面もみえてくる。最初から正 社 員で入っ ていたらあえて退職しなかったかもしれないのに、見極め期間 があるがゆえに、 かえって 正社員になることを躊躇してしまう面もあるようだ。 352 L社 1.マッチングの 仕組みの現 状と変化 登録においては、登録担当者が登録のインタビューからス キ ルの確認等を行い 、希望条 件を聞いたうえで仕事の案 内をする、そこまでが登録担当者の 役割である。そ こ で派遣先 が決まれば、営業担当者や コーディネーター に担当を移管する 。営業とコーディネーター は、派遣先企業ごとに担 当 者が決まっている 。 登録担当者は、登録に来 た人について、受注案件に対してマッチングをする。 派遣先が 決まるまでは登録担当者が マッチングをする 。派遣先が決まり 、派遣先との連絡調整の段 階に入ってからがマッチン グ担当者(コーディネーター)の担 当となる。マッチング担当 者は、派遣中のスタッフの 仕事の終了が近くなったときに、次 の仕事を探す た め のマッチ ングをする。また、自分が 担当している派 遣 先の依頼に応じて 人を探すためのマッチング をすることもある。 営業担当者は、派遣先の 開拓のほか、派 遣 中のスタッフのフォローもする。登録担当者 がマッチングをした後は、 営業担当者が確認 をして、顧客企業 への紹介を最 終 決 定する。 2.マッチングと 派遣ス タ ッ フのキャリア 形成 (1)マッチングとキャリア形成に関 する基本的な 考え方 L社のポリシー は、「派遣 ス タ ッ フが生 き生き と働け る環境を 探す」 ことである。 スタ ッフ本人がどこに重きを置 いているかということを認識して仕 事を探していくという考え 方である。 スタッフが登録に来たときに、登録担当者 は第一に、現在できることが何かを 聞く。そ して、本人の希望(や り た い仕事)を聞く。 希望は短期的なことと長期的な こ と を両方聞 く。どのくらい長期の こ と を聞くかは、スタッフがどの程度ま で長期的に考えているかに よる。登録後、たとえばTOEICの点数の上昇といったような形で スキルが上がったことが明 らかになれば、それに合っ た仕事を探すようにする。 登録担当者は登録時、コーチングのように 、本人の仕事の希 望とか可能性を引 き出せる ように面談をする。ス タ ッ フの才能を最大限 に引き出すのは、 スタッフに か か わ るL社の 社員全員のミッションで あ る。 (2)スタッフの能力評価の仕組み 派遣中であるか否かを問 わず、定期的に登 録スタッフのス キ ル評価をしている 。それ以 外に、スタッフ本人からスキルアップができたという申告があれば、随時、登録 データの スキル情報を更新している 。 派遣中のスタッフについては、営業担当者 やマッチング担 当 者が、派遣業務の 内容を把 握しながら、定期的に行う スタッフフォロー の中で、仕事の経 験が増えているか 、新たな 経験を積んでいるかどうかという情報が収集 できるので、派 遣 先にも確認をして 、経験と してかなりスキルが高まったと判断されることがあれば、スタッフ本人に伝えた 上でスキ ルや経験 に関す る登 録 情 報を更 新する 。こうしたスキルアップの 情報は、 少なくとも年1 回行う派遣先との料金改定交渉のときに、料 金アップを提案するための材料と な る。 353 派遣していないスタッフについては、登録担当者などスタッフ と連絡を取る担 当 者が、 マッチング業務の途中で電話連絡等による接 触があるので、そ の際に情報収集をする。そ のとき、たとえば新たに資 格を取得したとか 、経験が増えたというような情報があれば、 来社してスキルの確認を受 けることをス タ ッ フに提案する。派遣中でないス タ ッ フに対し ても、定期的な連絡により 、約80%は連絡が取れている。 派遣スタッフからのキ ャ リ アに関する相談を 受けるのは、登録担当者とマ ッ チ ン グ担当 者である。それぞれのスタッフには、自分の 担当である登録担当者が定められている。派 遣中のスタッフの場合、さらに自分の担当である営業とマッチング担当者が定められてい る。派遣中にスタッフとの 接触が最も多い の は営業担当者な の で、スキルや仕事 の希望に 関する情報がまずスタッフ から営業担当者に 伝えられ、それを 営業担当者が持ち 帰って、 担当の登録担当者、マッチング担当者等と相 談して、スタッフ にどのようなアドバイスを していくかを考えることがある。登録ス タ ッ フのスキル情報等 の更新は、ス タ ッ フからそ の情報を受けた人が随時行 う。 (3)マッチングにおけるキャリア形 成の視点 少しでも本人が今未知のものでもやれる環境 があった方が、スタッフは将来を見 据えて 仕事ができるので、ベースとしては 、スタッフ本人が 希望するならば今 は難しい仕事でも 、 その後のキャリア形成につながる仕事を与えていくという視点 をマッチングにおいて持っ ている。ただし、それにはもちろん派遣先の 理解が必要なので 、派遣先が許せばという条 件つきになる。紹介する仕 事に対してス タ ッ フのスキルが足りていない部分をL 社が提供 する研修で補ったうえで派 遣するということもある。 マッチングにおいては、 スキルだけではなく、企業の環境や 雰囲気に合った人 柄である かどうかということが基本 となるので、特に 本人の希望がない 限り、スキルを伸 ばすこと を目的として、本人が持っているよりも高い 能力を必要とする 業務を意図的に選 んで派遣 するということは行っていない。 現在またはそれまでの派遣業務から職種転換 を希望しているスタッフについては 、本人 が既にその分野の仕事の経 験があって、能 力 的に担当可能ということであれば、 そのまま 転換を支援することをマッチングの際に意識 する。もし経験がないということであれば、 研修等によってスキルを習 得することを支援 する。この場合、 派遣先に対しても 、実務に 役立つ研修を行っていることを説明し、そ れ を前提にスタッフ を受け入れてもらうように している。 派遣スタッフの時給は経験 やスキルのレベル によって差をつけているので、経 験 者と未 経験者とでは最初の段階で は差がある。ス キ ルを伸ばしたいと 考えているス タ ッ フは多い が、仕事を選ぶ上で時給額を主たる選択基準としているスタッフは多くない 。それよりも 、 働きがい、仕事のレ ベ ル、働きやすさというものをベースに仕事を選んでいるようである 。 派遣先の仕事に関して、それらの情報を収集 することが営業担当者の仕事になる 。スタッ フがスキル向上に意欲を持 っている場合は 、スキルが 伸ばせそうな仕事 であるかどうかも 、 派遣先からヒアリングした 職場の状況、教育体制等に基づいて 判断する。 354 3.正社員経験のない人やキャリア中断のある人の派遣可能性 事務職の経験がまったくない人たちや、正社員経験がなくアルバイト経験の み の人、新 卒者およびそれとほぼ同様 の人も登録ス タ ッ フとして受け入れている。新卒者や 未経験者 には別の制度を設けており 、基本的な教育プログラムを受講させてから派遣することを基 本にしている。そのプログラムの内容は、ビジネスマナー研修 や、基礎的なOA スキルの 研修である。 事務職経験者であるが 、育児等によってキャリアに 中断期間があるスタッフについては 、 それまでの本人の経験の中 で、今後活かせるものがあるかないかの確認をまず行 う。その うえで、これから 仕事をしていくにあたって不足している部分があれば 研修で補っていく 。 中断期間が長い人の場合、OAスキルの教育 ・研修が必要となることが多い。細 かい点で は、コピー機の使い方やカードキーの仕組みなどが中断前と変 わっているので、 そういう 仕組みが派遣先にあることを説明することが 必要な場合もある 。 5年程度の中断期間があると 、しばらくは仕 事のリズム感に追 いつけないこともあると思 うが、仕事ができるとかできないとかいうことについては、余 り差異はないと認 識してい る。ただし、時代の変化が 早いためにOA機 器などが大きく変 化しており、見なれないも のがあるととまどうこともあるので、事前にそれらの変化について、教えられるものは教 えるようにしている。 なお、登録スタッフな ら ばL社が提供する eラーニング、通信教育が受けられるので、 育児等で仕事ができない間 も、それらのツールを活用 して学習ができるようになっている 。 4.マッチング担当者に求められる職 業 能 力とその育成方法 マッチング担当者(コーディネーター)と し て最も重要な要件 は熱意であると考 えてい る。熱意がなければ、業務知識にいかに優れていようと意味がない。マッチング 担当者と してあげられる成果は、本 人の意欲と素養によって左右される 。また、営 業 担 当 者よりも 社内的な事務処理を担当することが多いので 、正確な事務処理能力や、期限の遵 守、コン プライアンス重視の支店も 必要になってくる 。それらのオペレーションが苦にならずにで きるということが適性の一 つとなる。 マッチング担当者に営業や 登録担当者を経験 させるかどうかは 、特に固定的なローテー ションが決められているわけではなく、人によってまちまちである。常に本人が 最大限に 能力を発揮できる環境をつくることを優先しているので、一概 にこうしなければいけない という考え方は持っ て い な い。 新任の マッチング担 当 者には 、ま ず は簡単 な入力業務や 電 話 応 対を任せ る。だいたい1 年ほどで、マッチング担 当 者としての仕事はひととおり経験することになる。そ の後、経 験期間が長くなっても担当業務の種類そのものはあまり変わらないが、深さは変 わってく る。たとえば、間接的に営業担当者から聞い た情報で対応するのか、直接顧客企業とやり とりをすることによって対 応するのか、ということである。 経験が増えるほど、多くの 状況のパターンが 理解できるので、 顧客企業ごと、スタッフ ごとにどのような対応をすればよいのかが経験則で分かってくるので、そうした 判断に基 づいて対応できるようになる。まだ感覚的に 対応の方法が分からないという場合 は、ある 一定期間は営業担当者の補 佐を受けながら対 応することになる 。マッチング担 当 者の経験 355 が浅ければ営業担当者が主 導し、逆に営業担当者の経験が浅ければマッチング担当者が主 導するというように、その 点は営業担当者と マッチング担当者 のペアリングによって様々 である。営業担当者とマッチング担当者は固 定ペアになっていることもあれば、 派遣先ご とに違う場合もある。経験 の多寡によって組 み合わせを決めているということもない。 マッチング担当者の評価 は、派遣決定者の 人数といった定量的指標や、仕事に 対する姿 勢という定性的な指標によって行っている。 仕事に対する姿勢 は、スタッフへの 仕事の案 内時における話の仕方や、 仕事の選び方における視点・行動を 評価している。マッチング 担当者のミッションはスタッフの仕事を探す ことなので、こ こ で重視するのは、 顧客企業 ではなくスタッフの方を向 いて仕事ができているかということである。これができている かどうかで、スタッフに話 をするとき、その 他業務に関する話 をしているときの 言葉遣い がまったく違ってくる。話 し方によって相手 が受ける印象がまったく変わってくるので、 それによって、スタッフの 立場に立てるかどうかが決ま っ て く る。 マッチング担当者の能力評価は、第一に、 職種に関する理 解 度が高まっているか、たと えば、今までは事務についてのみはなせたが 、それが金融関係 の専門的な仕事についても 分かるようになり、ス タ ッ フに説明ができるようになったとか 、さらに貿易事務 のことも 詳しくなったというようなことである。そのほか、組織的な役 割、ミッションをきちんと 理解して行動しているかどうかも評価指標となる。 5.マッチング以 外でのキャリア形成支援 のための取り 組み内容 (1)キャリア形成に関する相談への 対応 L社の場合、登録担当者 がキャリアカウンセリング・キ ャ リ ア相談を受ける担当者とし て位置づけられている。定期的に、キャリア 形成に関する意識 づけや情報提供のためのセ ミナーを行うことがあるが 、それはスタッフ 本人の啓蒙、自己啓発の一環として 受けるも のと位置づけられている。 L社では、人と人 のつながりを持っ た対応をしていくことにし ているので、登録担当者が キャリアに関する 相談を受け る こ と を基本としている 。自身の キャリアを相談することの 意味合いからして 、まったく知ら な い人よりも知っている人の ほうがよいという考えの下 、そうした体制にしている。ただし 、客観的に相談を 受けられ る窓口として、専門の相談部署も別途設けている。 (2)派遣先と連携した教育 ある派遣先固有の業務を 行う場合、その派遣先企業しか教育 が提供ができない 場合があ るので、そうしたときは、 派遣先企業と協力 をして、深い業界知識や専門用語などについ て、派遣先企業に研修体制を組ん で も ら うケースがある 。このような研 修が行われるのは 、 長期間を前提とした派遣である場合が多い。 派遣先の現場の状況によって、スタッフが 育ててもらえるかどうかは変わってくる。こ れは派遣先企業の体制の問 題であり、教えたくないというよりは、人員不足などによって 教育体制が整っていないというケースもある 。派遣先「企業」 というよりは「職 場」単位 の問題である。原則として 、派遣先の現場で 育ててほしいというスタッフは、教育体制の 整っていない職場には派遣 しない。その代わりに、育ててもらわなくともスキル を十分に 盛っていたり、自分で働きかけたりできるスタッフをそうした 職場には派遣する 。 356 6. 紹介予定派遣において、 通常の派遣 の場合と異な る点、留意している点 紹介予定派遣は、最終的に は派遣先に正社員 として就職することを目指すので、 その企 業で何の仕事をしたいかということが明確になっているかということをマ ッ チ ン グのとき に留意する。そして、その 派遣先企業(紹介先企業)に関する 情報を十分に提供 するのが 派遣会社の役割である。通 常の派遣の場合よ りも、派遣先の情 報は豊富に収集しなければ ならない。たとえば通常の 派遣の場合は あ ま りスタッフに説明 しない資本金や成長性につ いても、紹介予定派遣の場合は説明 をする。また、企 業に関するその他 の情報についても 、 詳しく説明するだけでなく 、情報の探し方についても教えるようにしている。 7.その他 ヒューマンスキルと い う面に お い て は、L 社は特 別プログラム を持っており、 それを1 つのきっかけにしながら本 人に、客観性を持 って自分を見詰め 直すという機会を 提供して いる。 また、マッチングの と き の判断基準として ヒューマンスキル を用いるという意 味で言え ば、登録時に登録担当者に 評価・判断させるようにしている。 357 M社 1. マッチングの仕組 みの現状と 変化 M社のマッチングの体制は 、コーディネーターが登録からマッチングまでを担当 し、営 業担当者が派遣先の新 規 開 拓や派遣スタッフ の就労中のフ ォ ロ ーを行なっている 。登録か らマッチングまでのプ ロ セ スをコーディネーター1 人が担当しており、大手の派遣会社と 異なり、登録・マッチング ・就業中のフ ォ ロ ーという業務ご と の完全な分業制ではない。 派遣スタッフは登録時に経験職種やスキル、 就労希望に関する 自己申告シートと 職務経 歴書を提出し併せてOAや 英語のスキルチェックを実施する。 この段階で、ス タ ッフが希 望する職種や就業期間 、就業形態(フ ル タ イ ム勤務かパート勤 務か)、紹介予定派遣の希望 などのキャリア形成に関す る希望を把握することになる。これらは派遣スタッフ 本人によ る自己申告を基本とするが 、コーディネーターがスタッフにヒヤリングを し な が ら情報を 補足していく。更に、派遣 スタッフは希望す る将来のキャリア に関してア ン ケ ー ト形式で 回答する。例えば、希望す る職場の規模や仕 事を選ぶにあたっての優先順位、未経験だが やってみたい仕事や将来的 に就業したい業務分野などである。 こうした登録時の キャリア に関する自己申告やアンケ ート、コーディネーターによる面談 を通じて、ス タ ッ フ本人の キャリアに対する考え方や 仕事と生活のバランス感覚などを把 握し、その後のマッチング に活かしている。 一方、派遣先の情報に関しては、派遣先の業 種や職種などの仕事案件ごとの派遣法上必 要な基本情報が記載された オーダーシートと 、派遣先に関するより具体的な情報 が記載さ れた顧客管理台帳により把 握する。顧客管理台帳には、派遣先 の業種や事業内容 、従業員 数、売上、男女比、年 齢 構 成などの基本属性 だけでなく、人選 にあたっての留 意 点や職場 環境に関する定性的な情報 も記載されている 。これにより、実 際の仕事で必要となるOA スキルのレベルやヒューマンスキルの重要度 、更に、職場の雰囲気などが把握できる。更 に、オーダー補足 シートには 、派遣先の仕事を 通じてどの程度スキルアップが見込 めるか、 将来的に昇給の可能性があるかなど、ス タ ッ フのキャリア形成 に関わる内容が補 完されて いる。これらはいずれも派 遣スタッフの関心 も高い内容であり 、マッチングにおいては重 要な情報となる。これらの 派遣先の情報は、 基本的に営 業 担 当 者による派遣先や 派遣スタ ッフへの情報収集によるものであるが、主要 な派遣先にはコーディネーターも職場訪問し ており、コーディネーター と営業担当者の間 の理解や認識が近 付くようにしている。 コーディネーターはこうした派遣スタッフ と派遣先の情報を 照らし合わせてマッチング を行なう。派遣スタッフが 現行の派遣先の就 労を終了す る こ と が決定すると、営業担当者 がスタッフと派遣先担当者 にヒヤリングし終 了スタッフ通知書 を作成してコーディネータ ーに周知している。通知書 には、終了時点の スタッフの担 当 業 務やスキルレベル 、今後の 就労希望などと併せて、派遣先担当者による スタッフの評価が 記載される。派 遣 先でのス タッフの実際の働き振りは 重要な情報であり 、評価情報はその 後のマッチングに 活かすよ うにしている。 このように、M社では、コーディネーターが 登録からマ ッ チ ン グまでをほぼ一貫 して行 ない、同時に営業担当者と 密に連絡を取り合 いながらマ ッ チ ン グの精度を高め、 スタッフ にもきめ細かいフォローを 行なっている。派 遣スタッフと派 遣 先の両方が見えているマッ 358 チングが分業が進んでいる 大手の派遣会社と は異なる中堅派遣会社の強み で あ る と考えて いる。 2. マッチングと派遣 スタッフの キャリア形成 派遣スタッフのキャリア 形成に関しては、 スタッフ本人が中長期的にキャリア 形成に前 向きな考え方を持っているならば、少しでも スタッフの希望を 反映したマ ッ チ ン グを行な いたいと考えている。そのためにはまず登 録 時のインタビュー が重要であり、派 遣スタッ フが将来のキャリア形成や 職業人生をどのように考えているのか、コーディネーターが丁 寧に聞き出すようにしている。 会社としてキャリア形成支援をしやすいのは、ある程度M社 で長期的に就労す る可能性 の高い派遣スタッフと い え る。登録時に本人 が派遣スタッフとして就労したい期 間を確認 した上で、登録から 1 年間は 3、6、12 ヵ月のタイミングで定期的 にフォローして い る。他 社で就労したり正社員と し て就労したス タ ッ フに関しても、能 力や意欲などから 長期的に M社で就労することが期待 される高評価のスタッフには最低 1 年間は追跡フ ォ ロ ーをして いる。M社の有効登録期間は 2 年間のため、登録スタッフ には 2 年後に登録継続希望の有 無を確認し、希望者にはスキルチェックを実施した上で登録を更新している。 派遣スタッフのスキルアップを考えると、 派遣会社としては スタッフが仕事を 通じてス キルアップできる派遣先を 確保することが重 要になる。マッチングの時点でスタッフのス キルが派遣先の求めるレ ベ ルに達していない 場合でも、例えば 派遣料金を若干低 くし(同 時に、スタッフの時給も低 くなるが)派遣先 に受け入れてもらうこともある。最 近は正社 員の実務経験を有する派遣 スタッフが少なくなってきている雇用環境の影響も あ り、若干 スキルレベルの満たないスタッフでも派遣先 が受け入れる余地 がある。仮に 3 ヵ月間の低 めの派遣料金でスタッフを 受け入れてもらう 場合、3 ヵ月経過した時点で、派遣 スタッフ のスキルレベルや業務内容 を確認し、スキルアップしていると 判断される場合に は派遣料 金アップの交渉を行なっている。派遣料金が アップした場合に は少なくともその 8 割はス タッフの時給アップとして 還元している。 派遣会社としてスタッフ のキャリア形成を 想定した場合に二 つのパターンが考 えられる 。 一つはスタッフの年齢が若く 30 歳代半ば位までの積極的なキャリア形成を描いている場 合であり、派遣会社と し て は、スタッフの専門性を高められる マッチングを行な い、教育 訓練の機会を十分に与えることである程度は サポートできる。 だが、一方で、派 遣スタッ フとして経験は長いものの 、スキルの向上がないまま年齢を重 ねてしまった場合 には、ス キルが陳腐化していることもあり、マ ッ チ ン グは難しくなる。 この場合、派 遣 会 社として は、OAスキルのレベルアップ、もしくは事務職種から例えば 介護職などへの大 きな職種 転換以外にあまり選択肢がない。 又、派遣スタッフのキャリア形成に つ な が るマッチングとしては、同じ職種で スキルア ップできるような派遣先の 仕事に配置することが最も望ましい 。他の職種にス キ ルの幅を 広げていくことは現実的に は難しい。同じ職 種の中でスキルアップしていきながら、派遣 先での評価を高め、結果として年齢を重ね て も派遣先で必要とされるスタッフになるとい うパターンがありえる。派 遣スタッフの経験 が長い場合でも、 例えばデータの入力業務の ような定型業務しか経験していない場合には 自らOAスキルを レベルアップしていく努力 359 をしないと長期的にキ ャ リ アを形成していくことは難しくなる 。 3. 正社員経験のない 人やキ ャ リ ア中断のある 人の派 遣 可 能 性 近年正社員経験のない派 遣スタッフが増えてきており、契約社員やアルバイト の経験し かないスタッフでも就労できる可能性はある 。正社員として一 定の実務経験を有 する派遣 スタッフが少なくなっているという事情も あ り、ビジネスマナーとOAスキルを 一通り習 得した上で派遣先に配置していく事例は多い 。既にM社の派遣 スタッフが就労している派 遣先であれば、M社のスタッフが指導したり 、派遣先に よ っ て は未経験の派遣スタッフを 指導する体制が整っているところもある。 一方、出産・育 児 等のキャリア中断 のある派遣ス タ ッ フも派遣就労で き る可能性はある 。 派遣の実務経験のあるスタッフは、基本的な スキルは身に付いていると考えられるため、 ブランク中に活用し て い な いOAスキルをブラッシュアップしてもらうトレーニングを用 意している。 4. マッチング担当者 に求め ら れ る職業能力とその育成方法 (1)マッチング担当者 の職業能力 コーディネーターに求められるのは、派遣 スタッフの能力や 就労希望、キ ャ リ ア意識と 派遣先の職場や仕事の特性 という双方のニ ー ズを把握できる能 力といえる。特に 長期的に M社の派遣スタッフとして 就労してもらうためには、派遣スタッフのスキルや将 来のキャ リア形成の希望などを踏まえて、スキルアップできる派遣先の 仕事に配置できる 能力が重 要になる。更に能力に加え て、派遣スタッフ のキャリアをサポートしてあげたいという本 人の意識や意欲も同様に重 要と考えられる。 但し、こうしたコーディネーターの 職業能力 に関してはまだ本人の属 人 的な能力によるところが大きい。 (2)マッチング担当者 の育成 コーディネーターの大部分 は中途採用である 。同業他社の経 験 者は採用しない方 針であ る。むしろコーディネーター経験がなくとも 、派遣スタッフとして就労経験が あ り、スタ ッフや派遣先の立場の理解 できる人やス タ ッ フの役に立ちたいという気持ちを持 っている 人を優先的に採用している 。実際に派遣先で 社員の能力開発や 教育訓練を担当していた派 遣スタッフがコーディネーターとして活躍し ている例もある。 コーディネーターの育成は 現場のOJTが基 本である。現時点 では育成に関する マニュ アル化は行なっていない。 具体的には、派遣 スタッフとの電話対応から始めて、 次に登録 スタッフの面談を経験さ せ て、徐々にマッチング業務に移行していく。一通りの マッチン グ業務を習得するには 1 年程度を要する。最 初はデータ入 力 業 務などの定型的な 案件や大 口取引先の案件など、比 較 的マッチングが容 易と思われる業務 を担当させ、その 後本人の 習熟度合いを見ながら、案 件のレベルを上げていく。マ ッ チ ン グに関する指導は 日常の業 務の中で先輩コーディネーターがアドバイス することが多い。 M社 では コーディネーター のス キ ルや 意識 を高 め る た め に定期的 に ミーティング を行 なっている。業界や職業、 職種等に関する知 識やスキルに関す る評価基準を勉強 したり、 実際のマッチングの事例をもとに意見交換しながら、コーディネーターとして必 要な知識 360 の習得や情報の共有を図り 、全体としてのレベルアップを目指 している。 (3)マッチングに お け る課題 派遣スタッフのスキルアップが可能な派 遣 先を確保す る こ と が最も大きな課題 である。 最近は全体として経験豊富 な派遣スタッフが 少なく、若干スキ ルの満たないスタッフでも 派遣先に受け入れてもらえているが、派 遣 会 社としては少し で もスタッフの能力開発や長 期的な就労につながる派 遣 先を増やしていくことがまず必要である。 又、派遣 ス タ ッ フ本人 の能力 を引き出 す た め のマッチング を行な う こ と も課題 である 。 派遣スタッフの将来性やスキルアップの可 能 性は、スタッフ本 人も分かっていないことが 多い。コーディネーターが 派遣スタッフの可能性を引き出せる マッチングを い か に行なえ るかが重要になる。 更に、コーディネーターと 営業担当者の連携 も課題といえる。 業務の特性上、コーディ ネーターはスタッフの視点 に、営業担当者は 派遣先の視点に立 つ傾向にあるのはやむを得 ない。だが、派遣スタッフ のキャリア形成のためのマッチング を行なうことがスタッフ本 人の満足や働きぶりにつながり、派遣先での スタッフの評価を 高め、結果として 派遣元に とっての利益になると考えられる。コーディネーターと営業担当者がうまく連携 し情報を 共有できるかが課題である 。 5. マッチング以外で のキャリア 形成支援のための取り組み 内容 マッチングにはスタッフ の情報や生の声を 把握することが必 要と考えているため、営業 担当者が最低月 1 回派遣先の職場を訪問して スタッフにヒヤリングしてフォローアップし ている。直接事務所に来た り研修に参加する タイミングを捉え て、営業担当者や コーディ ネーターがスタッフと直接対話できる機会をえるように心がけている。 また、OAスキルをはじめとして能力開発 のための講座やトレーニングの仕組 みは一通 り設置しているが、実際に 参加するか否かは スタッフ自身の意 欲によるところが 大きい。 M社では講習の案内を定 期 的に送付したり、 給与明細に案内を 同封したり、スタッフ本人 のスキルアップの意欲を引 き出すための情報発信を継続して行 なっている。 6. 紹介予定派遣のマッチングに 関して、通常 の派遣の場合 と異なる点 、留意し て い る点 紹介予定派遣の場合、派 遣スタッフが正 社 員として長期的にその企業でキ ャ リ アを形成 することを念頭に置いているため、通常の派 遣よりも、派遣先企業での中長期的 なキャリ アプランに関する情報を把 握するように努めている。例えば、将来的に職種転換があるか、 本人の配置転換の希望がかなうのかなどである。又、社員に対 する教育訓練の取 組みにも 注意しており、一部の社員 だけの能力開発に 注力しているのか 、あるいは全社員 の能力開 発を行なおうとしているのか、企業の能力開 発に関する方針を 確認している。 361