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人口ボーナス消滅後の耐久消費財の成長展望 ~不動産

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人口ボーナス消滅後の耐久消費財の成長展望 ~不動産
BTMU(China)経済週報
2014 年 7 月 9 日 第 211 期
BTMU(China)経済週報
2014 年 7 月 9 日 第 211 期
人口ボーナス消滅後の耐久消費財の成長展望
~不動産、自動車、家電が中心に
トランザクションバンキング部
中国調査室
メイントピックス...................................................................................................................... 2
人口ボーナス消滅後の耐久消費財の成長展望 ~不動産、自動車、家電が中心に..........................................2
人民元市場動向(2014 年 6 月) ............................................................................................. 7
人民元は小幅乍ら反発の動きを継続。資金市場は半期末で金利上昇。 .............................................................7
全国情報 ............................................................................................................................. 8
【マクロ経済】 .............................................................................................................................................................8
1~5 月の全国一定規模以上工業企業利益、前年同期比+9.8%....................................................................8
6 月の PMI、4 ヶ月連続上昇の 51.0...................................................................................................................8
財政・税収体制改革のタイムテーブルが明確化 ................................................................................................8
上海自貿区ネガティブリスト、3 割弱減少 ..........................................................................................................8
【金融】.......................................................................................................................................................................9
1 日から銀行の預貸比率が調整、実体経済を支援 ...........................................................................................9
2014 年 3 月末時点の中国の対外債務残高は 8,839 億米ドル.........................................................................9
【産業】.......................................................................................................................................................................9
中国電信と中国聯通、FDD許可取得................................................................................................................9
100 都市新築住宅価格、2 ヶ月連続の前月比下落 ...........................................................................................9
中石化、混合所有制改革案を打ち出す...........................................................................................................10
万科の上半期の販売額は千億元突破=不動産企業の業績が両極化..........................................................10
地方情報 ........................................................................................................................... 11
【北京】1~5 月のオンライン小売高は前年同期比+47.7%の 458.3 億元 .......................................................11
【上海】上海の対外投資が初めて 200 億米ドルを上回る ................................................................................11
【大連】金普新区が 10 番目の国家級新区に承認 ...........................................................................................11
【深セン】前海の進出企業は年間 13 倍増加....................................................................................................11
【成都】神龍自動車第四工場が成都に.............................................................................................................11
【広東】新エネ車の普及応用を推進..................................................................................................................11
BTMU の中国調査レポート(2014 年 7 月)............................................................................. 12
Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (China)
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1
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2014 年 7 月 9 日 第 211 期
メイントピックス
人口ボーナス消滅後の耐久消費財 1 の成長展望 ~不動産、自動車、家電が中心に
人口ボーナスとは、一国の人口構成で年少人口、老年人口が少なく、生産年齢人口(中国では 15~59 歳)
が多い状態を指す。子供と高齢者の数に比べ、働く世代の割合が増えていくことによって、経済成長が後押
しされる。2013 年 1 月、国家統計局が発表したデータによると、2012 年、中国の生産年齢人口は前年比▲
345 万人と、初めての減少となった。人口ボーナスの消滅は中国経済が直面する大きな変化であり、あらゆる
面で中国の経済と社会生活に影響を及ぼすこととなろう。本稿では海通証券研究所の報告に基づき、人口
ボーナス消滅後の不動産、自動車などの耐久消費財産業の発展余力について考察してみたい。
Ⅰ.人口ボーナスが消滅、耐久消費財は発展エンジンに乏しい
人口ボーナスの消滅は若年人口の減少を意味しているが、海通証券研究所の統計によると、米国の年齢層
別の 1 人当たり支出データから、25~44 歳の若年人口は不動産、自動車、家電など耐久消費財の主力消費
層であることが分かった。若年人口が
【図表1】中国の25-44歳年齢人口推移
ピークになった後、不動産や自動車な
(千人)
500,000
ど耐久消費財需要の伸びが顕著に低
450,000
下することとなる。
400,000
中国の人口年齢構成について、国連
経済社会局人口部の予測によると、中
国の 25~44 歳年齢層の人口は 2015
年に最高値の 4.49 億人に達して以降、
長期的に減少傾向を示していく(図表
1)。これは不動産や自動車など耐久消
費財の主力消費者の減少を意味して
いる。
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050
(出所)国連経済社会局人口部
Ⅱ.不動産成長にピークが迫る
1
耐久消費財とは、使用寿命が長い何度も使用できる消費財をいう。耐久消費財の購買回数は低く、消費者は慎重に購買を決定す
る。典型的な耐久消費財として家電、家具、自動車などが挙げられる。
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過去 10 年間の高度成長は人口と都市化に受益
1998 年の住宅商品化 2 改革により不動産発展の黄金時代が幕を開けた。1998 年以来の 15 年間、商品住宅
の販売面積はほぼ 10 倍、販売額はほぼ 33 倍拡大した(図表 2)。不動産竣工面積、新規着工住宅面積の前
年比伸び率は年間平均でいずれも 15%以上を維持した(図表 3)。不動産の高度成長期は 10 数年間続いて
きた。
1998 年以降の不動産需要拡大は住宅商品化改革に伴う住宅の改善需要によるものであったが、さらに重要
な要因として、80~90 年代のベビーブームに生まれた世代が 2003 年から続々と 25~35 歳の住宅購入の
ピーク期に入ったこと、また、速い都市化プロセスに伴い、巨大な住宅需要が生み出されたことが指摘される。
これらの要因が過去 10 年間の不動産の爆発的な成長を促したといえよう。
不動産市場発展の見通し
米国・日本・韓国からみれば、千人当たり新規着工住宅戸数の低下はいずれも 25~44 歳年齢人口の最高値
になる前に出現したことから、不動産の供給ピークは需要ピークの前に現れることを意味する。中国の 25~44
歳の住宅購入需要人口は 2015 年に最高値になるから、中国は 2015 年までに不動産供給のピーク期を迎え
ると予想される。
1998 年の住宅商品化改革以降、中国の年間新規着工住宅戸数 3 は 1998 年の 200 万戸足らずから 2008 年
の 800 万戸弱に急増した。さらに、4 兆元の景気刺激策の下、2010 年は 1,200 万戸、2013 年は 1,400 万戸に
達した(図表 4)。中国の都市部人口ベースで計算する千人当たり新規着工住宅戸数はすでに 18.5 戸に接近
(図表 5)、米国や日本の史上最高値を既に超過したか、接近している。現在の都市部常住人口からみれば、
中国の新規着工住宅戸数はすでにピークに近づいていることが示されている。
一方、中国の現在の都市化率は 53%にとどまり、都市化には未だ大きな余地がある。総人口ベースの千人
当たり新規着工住宅戸数は約 9 戸であり、農村人口の市民化により不動産には更なる発展余地があるが、需
要は過去 10 年間ほど大きくないであろう。
また、1 人当たり住宅面積について、海通証券研究所の推計では、2014 年末時点の中国の都市部住宅総面
積 4 は 190.7 億㎡、都市部常住人口ベースの 1 人当たり住宅面積は 25.3 ㎡ 5 であることから、中高所得国(22
㎡)の水準(国連データ)を上回っている。
住房城郷建設部の目標によると、2020 年までに、中国の都市部 1 世帯当たり住宅面積は 90 ㎡に達すると見
2
住宅商品化とは、住宅の生産、分配、交換、消費を商品経済運営に取り入れる過程を指す。従来の国家・事業単位による統一分
配から、等価交換の原則で住宅を売出・賃貸するようになり、住宅商品を消費財市場に組み入れる。
3
国家統計局は新規着工住宅面積だけを発表、新規着工住宅戸数を発表していないが、分譲住宅販売面積と販売戸数から、平均
面積は1戸当たり約105㎡と計算されるため、新規着工住宅面積を105で割ることで新規着工住宅戸数を推算できる。
4
住房城郷建設部発表の「2005年都市部家屋概況統計公報」の中の既存住宅面積に、2年間遅延の新規着工住宅面積を加えるこ
とで2005年以来の既存住宅面積を推算できる。
5
国家統計局発表の都市部住民1人当たり住宅建築面積(32.9㎡)は戸籍人口ベースで計算され、常住人口ベースの水準を上回る
ことになる。
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込まれる。2020 年に中国の総人口は 14.5 億人、都市化率は 60%で推算すれば、都市部の常住人口は 8.7
億人、2012 年末の都市部 1 世帯当たり 2.86 人で割ると、3.04 億戸都市世帯となる。世帯あたり住宅面積目標
が達成できれば、住宅総面積は 2020 年に 274 億㎡に達すると予測される。2014 年末の推計既存住宅面積
190.7 億㎡でみれば、今後 6 年間の新規住宅面積は 83.3 億㎡になり、年平均面積は 13.9 億㎡になる。一方、
2013 年の新規着工住宅面積は約 14.5 億㎡であることから、今後の新規着工住宅面積は低下傾向にあると見
込まれる。
このように、不動産の新規および既存指標からいずれもピークに近づきつつあることが示唆されるが、新型都
市化および住宅面積のさらなる改善ニーズを考慮すると、新規着工面積・戸数は依然として一定の水準を維
持する見込みであるものの、2013 年の水準には及ばず、かつ増加ペースが落ちていくであろう。
Ⅱ.人口ボーナスの消滅に伴う自動車販売の変化
今後の成長潜在力は限られる
1 人当たり自動車保有台数は経済発展水準に密接に関係する。世界銀行の統計によると、2010 年時点、世
界の千人当たり自動車保有台数は 150 台に接近、うち、西欧国家は 500 台超、米国は 423 台、日本は 454
台、韓国は 275 台に達する。一方、中国の 2013 年の千人当たり自動車保有台数は 100 台を超え、2010~
2013 年の 3 年間に急増し、世界との差はほぼ半分に縮小した。巨大な人口規模基数および当面のエネル
ギー不足に制限され、中国の千人当たり自動車保有台数は米国や日本などの先進国に追いつくことは現実
的でなく、韓国に追いつくことも困難だとみられる。
道路千メートル当たりの車両数をみると、2013 年の中国は 31.54 台に達しており、オーストラリア、カナダを超
えた(図表 6)。他方、北京、上海、天津の道路千メートル当たり車両数は日本、シンガポール、韓国の水準に
到達あるいは超過しており、東部の広東、江蘇、浙江などの省の同指標はドイツ、フランスに相当する(図表
7)。中西部の貴州、雲南、甘粛、青海などの未発達地域だけは道路荷重がかなり低く、大きな発展余地があ
る。
若年人口のピークアウトは販売の低下を示唆
中国の自動車保有台数伸び率、新車販
売台数伸び率はいずれも生産年齢人口
に関わる。自動車の年間販売台数は
2000 年の 200 万台未満から 2013 年末の
2,100 万台に急増、年平均伸び率は 20%
弱になり、千人当たり民間用自動車保有
台数はほぼ 5 倍に拡大した(図表 8)。中
国の 25~44 歳年齢人口は 2015 年に
ピークアウトすることから、今後の自動車
販売台数伸び率も低下傾向になることが
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予測されよう。
中国の自動車業界の高成長を支えているのは、主力消費層の拡大による需要増のほか、マクロ経済および
住民所得の安定的な増加、国の関連する産業政策の支援、道路建設の整備に加え、産業構造の高度化、
自動車金融の発展、新興国市場の輸入需要拡大などの要因も挙げられる。人口の構造的な変化を一因とし
て、若年人口の減少による販売低下が予想されているが、その他の要因がプラスに働き需要の更なる喚起が
期待できよう。エネルギー構造や消費量による制限がある一方、新エネ車の潜在成長力も期待できる。
Ⅲ.家電成長のポイントはイノベーション
伝統家電の成長余地は限られる
25~44 歳年齢人口は同じく家電購入の主力層であるが、人口構成による影響は不動産や自動車ほど大きく
ない。第一に家電の使用年限が不動産や自動車より短いこと、第二に家電業界の技術革新による製品高度
化のニーズが大きい、という二つの要因が挙げられる。
都市部と農村部家庭の百世帯当たり耐久消費財保有台数からみると、中国は過去 20 年間に家電の普及率
が顕著に上昇し、ほぼ飽和状態にあった。都市部の百世帯当たりのカラーテレビ保有台数は 2012 年に 140
台、エアコンは 130 台、冷蔵庫と洗濯機は 80 台に達した。うち、冷蔵庫と洗濯機は 90 年代中期から鈍化傾向
を示しており、エアコンは 2000 年から上昇が加速している。全体的にみると、都市部の家電保有台数はすで
に高位にある一方、農村部では未だ成長余地がある(図表 8、図表 9)。
また、伝統的な家電の全体の成長余地はすでに限られており、今後、家電の高成長は新技術革新によるイン
ターネットと融合した家電のスマート化を期待するしかないとみられる。
新世代スマート家電が急増
2010 年以来、グローバルでスマート家電が急速に発展しており、とりわけ、スマートテレビの発展が顕著であ
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る。WINDデータによると、スマートテレビのグローバル市場での浸透率 6 は 2010 年の 2.6%から 2013 年の
33%に急増した(図表 10)。中国では、伝統的なテレビメーカーが相次いでスマート製品を発売したことに加
え、楽視、小米科技などのインターネット企業も同業界に進出したことから、中国のスマートテレビの浸透率は
世界平均水準をはるかに超えている。
コンサルティング会社の奥維諮詢(AVC)のデータによると、2013 年に中国のスマート家電産業の生産高は
1,000 億元、2020 年に同数値は 10 倍増の 1 兆元前後の規模に達すると見込まれる。2015~2020 年、スマー
ト洗濯機・エアコン・冷蔵庫の市場普及率は 15%から 45%、10%から 55%、6%から 38%にそれぞれ上昇し、
スマートテレビは 2020 年に 93%にも上昇すると見込まれる(図表 11)。
今後数年間、より多くの家電製品はスマート時代に突入し、デジタル化、三網融合(トリプルプレイ) 7 、物聯網
(モノのインターネット)、ビッグデータ、クラウド・コンピューティングなどの応用技術に基づいたスマート家電は
情報消費の中心を担うことになると見込まれる。
三菱東京 UFJ 銀行(中国)トランザクションバンキング部
中国調査室 孫元捷
6 市場浸透率とは特定地域において、どれだけ市場を獲得できているかを表す値であり、顧客浸透率ともいわれる。市場浸透率=
製品数または顧客数÷潜在ターゲット数×100の式で算出できる。
三網融合(トリプルプレイ)とは音声通話、データ通信、テレビ放送の三大ネットワークを、IP(Internet Protocol)技術を通じ、1本の
回線で提供できるようにする総合マルチメディアの技術革新を指す。
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人民元市場動向(2014 年 6 月)
人民元は小幅乍ら反発の動きを継続。資金市場は半期末で金利上昇。
月間終値ベースで今年初めて元高に転じた 5
月に続き、6 月の人民元も小幅乍ら上昇した。
6 月の人民元相場は、人民銀行基準値
6.1710、実勢値 6.2468 で始まった。月初は目立っ
た動きはなかったが、6 日から週末を挟み 10 日に
かけての 3 営業日で基準値が大幅に元高方向へ
シフトされた。5 日の基準値 6.1708 に対し 10 日は
6.1451 と、3 営業日合計で 257 ポイント(約 0.42%)
もの元高に振れたことから、この間に発表された 5
月の貿易統計で輸出が予想比堅調な伸びを示し
たこと等も相俟って、人民銀行による元高誘導再
開かといった報道も垣間見られる動きとなった。
然し乍ら、その後の基準値は月間を通じて 6.15
台で膠着、少なくとも基準値による元相場の方向
感創出には今のところ至っていない。
実勢値は基準値の上記元高シフトに誘導され
る形で月前半は元高が進行、6.20 突破を試す展
開となった。月央以降は基準値の膠着に連れて
実勢値も 6.23 を挟んだ水準で方向感を失った
が、月末にかけて地場銀行からの大口の元買い
に元は再び騰勢を強め、30 日には一時、4 月 10
日以来約 2 ヵ月半振りに 6.20 を突破した。
今月 9 日から 2 日間の予定で、北京にて今年
の米中戦略経済対話が開催される。3 月に約 2 年
ぶりに日中取引バンドを拡大するなど、段階的な
元相場改革を演出している中国だが、並行して
行われた人民銀行主導での元安誘導に対し、米
国側は神経を尖らせている様子も窺え、元相場に
関して無風であった昨年とは打って変わって、今
年は元相場もテーマの一つになる公算が高い。
資金市場では、半期末 6 月の季節要因を背景
とした資金需要に伴う金利上昇圧力はあったが、
人民銀行が月を通じて公開市場操作を通じ資金
供給を継続したことから、昨年 6 月のような混乱は
予想通り見られなかった。
(環球金融市場部市場営業グループ)
【図 1】人民元中間値とドルインデックス
Da ily QCNY=CFXS, Q=U SD
Pr ice
2014-1-29 - 2014-7-8 (PEK)
Price
87
6.25
86
6.2
85
6.15
84
6.1
83
6.05
82
6
81
5.95
80
5.9
79
.123
.1234
07
17 24
2014 ? ?
03 10 17 24
2014 ? ?
31
08 14 21 28
2014 ? ?
12 19 26 03 09 16 23
2014 ? ?
2014 ? ?
— 人民元ドル中間値(右側) — ドル index 時間線(左側)
30 07
(出所)ロイター
【表 1】為替市場:2014 年 5 月の変動幅
日付
始値
高値
安値
終値
USDCNY 基準値
6.1710
6.1710
6.1451
6.1528
USDCNY 実勢値
6.2468
6.2580
6.1998
6.2050
【図 2】O/N Shibor と 7 日間債券レポ利回り
Da ily QCN7DRP=CFXS, QSHICNYOND=
2014-4-4 - 2014-7-8 (GMT)
Price
CNY
4.4
4
3.6
3.2
2.8
2.4
2
.1234
08
14
21
2014 ? ?
28
05
12
19
2014 ? ?
26
03
09
16
23
2014 ? ?
— 7 日間債券レポ利回り — Over Night Shibor 金利
30
07
14 ? ?
(出所)ロイター
【表 2】資金市場:2014 年 5 月の変動幅(%)
日付
始値
高値
安値
終値
1 日間レポ 1
2.5368
2.9989
2.5368
2.9316
7 日間レポ 1
3.1927
4.0027
3.0192
4.0027
O/N Shibor
2.5210
3.0170
2.5210
3.0170
3 ヶ月 Shibor
4.8830
4.8830
4.7478
4.7499
(注) 1. 加重平均レポ利回り
2. 始値は第 1 営業日の終値
【表 3】人民元為替相場見通し
予想レンジ
2014 年
7 月~9 月
2014 年
10 月~12 月
2015 年
1 月~3 月
2015 年
4 月~6 月
USD/CNY
6.1000-6.3000 6.0000-6.2000 5.9500-6.1500 5.9000-6.1500
JPY/CNY
5.7000-6.3000 5.5000-6.1000 5.3500-6.0500 5.2500-5.9500
(単位;元。JPY/CNY は 100 円当り)
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2014 年 7 月 9 日 第 211 期
全国情報
【マクロ経済】
1~5 月の全国一定規模以上工業企業利益、前年同期比+9.8%
1~5 月の全国一定規模以上工業企業(国有企業または年商 500 万元以上の非国有企業)の利益総額は前
年同期比+9.8%の 2 兆 2,764 億元となり、伸び率は 1~4 月より 0.2 ポイント低下した。5 月の利益は前年同月
比+8.9%の 5,127 億元。
企業形態別にみると、国有企業の利益総額は同+3.4%の 6,013 億元、集団企業は同+0.9%の 286 億元、株
式企業は同+9.2%の 1 兆 3,381 億元、外資および香港・マカオ・台湾企業は同+12.4%の 5,530 億元、私営
企業は同+12.9%の 7,335 億元となった。業種別では、41 業種のうち、32 業種が増益、1 業種が横ばい、8 業
種が減益となった。電力・熱エネルギー生産供給業、自動車製造業、石油加工、非金属鉱産製品、電気機
械・器材製造業などは大幅な増益となったが、石炭採掘業、石油・天然ガス採掘業、非鉄金属精錬・加工業
は減益となった。
(6 月 27 日 国家統計局)
6 月の PMI、4 ヶ月連続上昇の 51.0
国家統計局によれば、6 月の製造業購買担当者指数(PMI)は 51.0 と前月比 0.2 ポイント上昇し、4 ヶ月連続
の上昇と、年内最高値を記録した。項目別では、新規受注指数は前月比 0.5 ポイント上昇の 52.8、新規輸出
受注指数は 1.0 ポイント上昇の 50.3、生産指数は 0.2 ポイント上昇の 53.0、従業員指数は 0.4 ポイント上昇の
48.6、原材料在庫指数は横ばいの 48.0。企業別では、大型企業は 0.6 ポイント上昇の 51.5、中型企業は 0.3
ポイント低下の 51.1、小型企業は 0.4 ポイント低下の 48.4。
製造業 PMI の持続的な上昇は、年初以来の経済下振れ圧力が緩和され、3 月からの一連の景気安定策の
効果が顕在化したことを示しているとみられる。6 月の非製造業の購買担当者景況指数(PMI)は 5 月より 0.5
ポイント低下の 55.0 となった。
(7 月 1 日 国家統計局、物流購買聯合会)
財政・税収体制改革のタイムテーブルが明確化
中共中央政治局会議は 6 月 30 日、「財政・税収体制改革の総体案」、「戸籍制度改革をさらに推進する意
見」という二つの文書を採択した。財政・税収体制改革について、予算管理制度の改善、税収制度改革の深
化、中央と地方の間の財政関係の見直し、の三つを推進する。新たな財政・税収体制改革は 2016 年までに
重点工作や任務を完了、2020 年までに現代財政制度を構築する予定。
(7 月 1 日付「経済参考報」)
上海自貿区ネガティブリスト、3 割弱減少
上海市政府は 1 日、中国(上海)自由貿易試験区(上海自貿区)での外資系企業に対する禁止・制限を示す
「ネガティブリスト」の 2014 年版を発表した。2013 年版に比べ、禁止・制限項目は 190 項目から 51 減少の
139 項目に、26.8%減少した。また、商貿物流、会計審計、医療、一般製造業などの分野にわたって、2013 年
をベースに、さらに 31 項目の新対外開放措置を打ち出す。今回の見直しからは、サービス業およびハイレベ
ル製造業を重点的に発展させるという国家戦略が示唆される。詳細は弊行ニュースレターをご参照。
https://Reports.btmuc.com/File/pdf_file/info003/info003_20140709_001.pdf
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2014 年 7 月 9 日 第 211 期
(7 月 2 日付「上海証券報」)
【金融】
1 日から銀行の預貸比率が調整、実体経済を支援
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は 6 月 30 日、7 月 1 日から、商業銀行の預貸比率の計算方法を調整
すると発表した。具体的に、分子となる貸出の部分には、一部の農業向け・小型零細企業向けの貸出、商業
銀行による国際金融組織・外国政府向けの貸出など 6 項目を預貸比率の対象から外す。分母となる預金の
部分には、銀行が企業か個人向け発行する大口譲渡性預金、外資法人銀行が海外親銀行から吸収する 1
年期以上の預金純額など 2 項目を預貸比率に含めた。
今回の調整について、短期的には小型零細企業向けや「三農」(農村、農業、農民)向け貸出の強化、銀行
業の実体経済への支援力の向上、長期的には資産負債管理力の向上に有利であるとみられる。
(7 月 1 日付「経済日報」)
2014 年 3 月末時点の中国の対外債務残高は 8,839 億米ドル
国家外貨管理局は 3 日、2014 年 3 月末時点の中国の対外債務残高(香港、マカオ、台湾除く)が 5 兆 4,376
億元(8,838 億 6,700 万米ドル)となったと発表した。このうち、中長期債務は 1 兆 1,876 億元(1,930 億 4,900
万米ドル)、短期債務は 4 兆 2,500 億元(6,908 億 1,800 万米ドル)。
短期債務残高のうち、企業間の貿易ファイナンスおよび銀行からの貿易ファイナンスの二者合計は 68.06%を
占めており、これら貿易関連外債はその他の対外債務リスクより低く、中国の外債リスクは安全的且つコント
ロール可能だと外貨局がコメントしている。
(7 月 3 日 新華網)
【産業】
中国電信と中国聯通、FDD許可取得
工業情報化部は 6 月 27 日、中国電信と中国聯通に対し、第 4 世代移動通信規格(4G)の「TD-LTE」と
「FDD-LTE」を組み合わせた試験ネットワークの敷設を認可した。工業情報化が昨年 12 月、キャリア 3 社向
けに交付した 4G の運営免許は中国移動が推進する通信規格 TD-LTE。中国電信と中国聯通が主力に据え
る FDD-LTE は免許を交付しておらず、これまで中国移動しか 4G サービスを提供できない局面は終了し、三
大通信キャリアは TD と FDD 併存の 4G 競争時代に入ったことを意味している。
ただし、両社の試行対象地域の中にいずれも北京が入らなかった。中国電信の対象地域の中に広州も入ら
なかった。これら中堅都市の欠席から、工業情報化部の FDD 網に対する認可が不徹底だと指摘されている。
今回認可した試験ネットワークは正式な免許ではないが、中国聯通と中国電信に対してプラス材料で、4G 投
資の追加、重点都市での 4G 網構築に注力するとみられる。
(6 月 30 日付「証券日報」)
100 都市新築住宅価格、2 ヶ月連続の前月比下落
中国指数研究院が 6 月 30 日に発表した 6 月の全国主要 100 都市住宅価格指数によれば、6 月の新築住宅
平均価格は前月比▲0.5%の 10,923 元/㎡となり、2 ヶ月連続の下落と、下落幅が 0.18 ポイント拡大した。100
都市のうち、前月比上昇となったのは 29 都市、前月比下落となったのは 71 都市。このうち、下落幅について、
温州、常熟が 4%、包頭、昆明、泰州が 3%、杭州など 6 都市は 2%を超えた。前年同月比でみると、6 月の新
築住宅平均価格は+6.48%の上昇となり、上昇幅は前月から 1.36 ポイント縮小し、6 ヶ月連続の縮小となった。
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BTMU(China)経済週報
2014 年 7 月 9 日 第 211 期
中国指数研究院は、一線都市および一部の二線都市の取引件数の下落幅は三・四線都市よりも大きいこと
から、全国平均住宅価格の下落をもたらしたと説明した。
(7 月 1 日付「経済参考報」)
中石化、混合所有制改革案を打ち出す
中国石油大手の中国石油化工(中石化)は 6 月 30 日、市場に期待されていた混合所有制改革の民間資本
導入案を発表した。民間資本の受け皿となるのは、中石化の全額出資子会社の中国石化銷售有限公司。同
社は 1985 年に設立され、所属生産企業の精製油の買付、調達、配達、決算などを統括する。中石化は 4 月
に販売業務の再編を行い、31 社の省級子会社、中石化燃料油銷售、中石化(香港)、中石化(香港)ジェット
燃料の業務、資産、人員をすべて全額出資子会社の中国石化銷售有限公司に集約した。
出資者の選別に当たっては、業界出資者、国内出資者、国民利益につながるという三つの条件を優先させる。
戦略的パートナーを導入することにより、石油提供業者から総合的なサービス業者への転換を求めるという。
(7 月 1 日付「中国証券報」)
万科の上半期の販売額は千億元突破=不動産企業の業績が両極化
中国不動産最大手の万科が 3 日に発表したところによると、2014 年 1~6 月の販売面積は 821.2 万㎡、販売
金額は 1,009.1 億元、2013 年同期対比それぞれ+14.6%、+20.6%となった。
不動産研究機関の億翰智庫の統計では、上半期業績のトップ 6 は順に万科、緑地、恒大、保利、碧桂園、中
海で、販売額はいずれも 500 億元を突破。トップ 30 社の中で三分の二の企業はその業績の前年同期比伸び
率は 2 桁増と予測されている。
中国指数研究院の報告によると、2014 年 1~6 月の販売額が 500 億元を突破した企業は 7 社、平均販売額
は 692 億元、前年の平均販売額を 19.5%上回る。200~500 億元の不動産企業は 8 社、平均販売額は 251
億元。100~200 億元の不動産企業は 13 社、平均販売額は 121 億元。50~100 億元の不動産企業は 25 社、
平均販売額は 73 億元。500 億元超企業の中で恒大、碧桂園の通年目標達成率はそれぞれ 64%と 45%、万
科、中海はいずれも通年目標の 50%を達成した。
(7 月 4 日付「中国証券報」ほか)
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BTMU(China)経済週報
2014 年 7 月 9 日 第 211 期
地方情報
【北京】1~5 月のオンライン小売高は前年同期比
+47.7%の 458.3 億元
【上海】上海の対外投資が初めて 200 億米ドルを
上回る
北京市商務委が 7 日に発表したデータによると、1~5
月、同市の一定規模以上卸売・小売企業のオンライン
小売高は前年同期比+47.7%の 458.3 億元となり、同
市の社会消費財小売高に占める割合は 13%、寄与
率は 64.7%に上昇した。2010 年の同市のオンライン
小売高は 120.1 億元だったが、2013 年に 926.8 億元と
ほぼ 7 倍に増加した。2013 年、全国の B2C トップ 9 社
のうち、北京に 5 社が集まり、取引規模は全国の
62.8%を占める。
5 月末時点で、上海企業の対外投資は累計で
214.2 億米ドルを超えた。1‐5 月に、上海市主管部
門が認可した対外直接投資プロジェクトが 170 件、
うち、民営企業は 132 件で、全体の 77.65%を占め
た。認可した対外直接投資金額は 35.32 億米ドル
となり、同+373.89%で急増した。うち、民営企業
の対外直接投資は 19.35 億米ドルで、全体の
53.51%を占めた。
(7 月 8 日付「北京日報」)
(6 月 25 日 文匯報)
【大連】金普新区が 10 番目の国家級新区に承認
【深セン】前海の進出企業は年間 13 倍増加
国務院はこのほど、遼寧省が申請した大連金普新
区の設立計画を承認した。上海市の浦東新区、天
津市の浜海新区などに続く全国 10 番目の国家級
新区となる。大連金普新区は大連市の中南部に位
置し、金州区の全域と普蘭店市の一部からなる約
2,299 平方キロメートルの区域。今後の基本方針と
して、北東アジア地域向けの開放・協力、東北地区
の全面振興、古い工業基地の発展方式の転換、制
度改革とイノベーション、新型都市化および都市と
農村の統一的発展、などを求める。
前海管理局が 1 日に発表した統計によると、今年
以来、前海の主要経済指標が倍増している。進出
企業は 593 社から 8,359 社、登録資本は 867 億元
から 5,225 億元、香港系企業は 45 社から 405 社、
金融企業は 434 社から 4,920 社、世界 500 強企業
は 17 社から 47 社、累計ベース外資利用額は 19.3
億米ドルから 62.6 億米ドル、クロスボーダー人民
元貸出は 57.5 億元から 360 億元、固定資産投資
は 27 億元 129 億元にそれぞれ増加した。
(7 月 3 日付「大連日報」)
(7 月 2 日付「深セン商報」)
【成都】神龍自動車第四工場が成都に
【広東】新エネ車の普及応用を推進
四川省人民政府と東風汽車は 7 月 2 日、戦略連携協
定について合意した。協定では、東風公司は四川省
を重要な戦略産業基地として、神龍自動車の成都進
出を後押しするほか、2017 年までに 123 億元を投入
し、年間生産台数 36 万台の神龍第四工場(成都子会
社)を建設する予定。他方、四川省も東風を重要な戦
略パートナーとして、今後、法令法規に基づき、東風
に対する支援措置を取る方針を決めたという。
広東省発展改革委は 6 月 24 日、「珠江デルタ地
域の新エネ車の普及応用を推進する実施意見」を
公布し、2015 年までに珠江デルタ地域で 4.5 万台
の新エネ車を普及させることを明らかにした。2015
年までに EV 公共バスの商業化運営を実現すれ
ば、珠江デルタ地域の EV 公共バスの保有台数は
4,000 台、公共バス全体の 15%を占め、全国の EV
公共バス普及の先行区になる。新規あるいは買い
替えの公共、公務、物流、環境衛生車の中の新エ
ネ車の比率は 30%を下回ってはならないとした。
(7 月 3 日 投資成都網)
(6 月 30 日付「南方都市報」)
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BTMU(China)経済週報
2014 年 7 月 9 日 第 211 期
BTMU の中国調査レポート(2014 年 7 月)
„
経済マンスリー
【中国】景気は急速な悪化に幾分歯止めも、不動産市場の減速感は強まる
http://www.bk.mufg.jp/report/ecomon2014/monthly_ch20140630.pdf
経済調査室
„
BTMU 中国月報 第102号(2014年7月)
http://www.bk.mufg.jp/report/inschimonth/114070101.pdf
国際業務部
„
ニュースフォーカス第12号
深セン市前海管理局「前海深港現代サービス業協力区外商投資企業管理弁法」を発表
https://Reports.btmuc.com/File/pdf_file/info005/info005_20140708_001.pdf
香港支店・業務開発室
„
経済レビュー
中国:減速する住宅市場と景気全体への影響度合い
https://Reports.btmuc.com/File/pdf_file/info005/info005_20140701_002.pdf
経済調査室
„
ニュースフォーカス第11号
中国国務院「香港特別行政区における一国二制度の実施」白書を発表
https://Reports.btmuc.com/File/pdf_file/info005/info005_20140701_001.pdf
香港支店・業務開発室
以上
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