...

PDFファイル - 應用外語系日文組

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

PDFファイル - 應用外語系日文組
高 苑 科 技 大 學
Kao Yuan University
院別:商業暨管理學院
系別:應用外語系
學制:日間部 4 年制大學部
103 學年度 專題研究報告
題目:
(日) 台湾の米
(中)台灣的米
研究組員
學號
姓名
學號
姓名
4000103022
蔡宗軒
4099103634
靳依珊
4000103564
黃哲瑋
4000103135
陳怡真
4000103277
陳子浤
前期指導老師:張明仁
後期指導老師:稲垣孝雄
中華民國 103 年 12 月
目次
序論(陳子浤) ..................................................................................................................................... 1
第 1 章 イネの台湾への伝播と変遷(陳怡真) ........................................................................... 2
1-1 イネの台湾への伝播 .............................................................................................................. 2
1-2 日本統治時代の蓬莱米の導入.............................................................................................. 4
1-3 現代台湾の生産現状 .............................................................................................................. 4
第 1 章まとめ................................................................................................................................. 6
第 2 章 米の分類(靳依珊) ............................................................................................................ 7
2-1 インディカ種とジャポニカ種とジャバニカ種................................................................. 7
2-2 粳米と糯米............................................................................................................................... 9
2-3 台湾における分類 ................................................................................................................ 10
第 2 章まとめ............................................................................................................................... 12
第 3 章 台湾米の銘柄(陳子浤) .................................................................................................. 13
第 3 章まとめ............................................................................................................................... 18
第 4 章 台湾の米の栽培・収穫・精米方法(黃哲瑋) ............................................................. 19
第 4 章まとめ............................................................................................................................... 24
第 5 章 台湾の米料理(蔡宗軒) .................................................................................................. 25
第 5 章まとめ............................................................................................................................... 28
結論(蔡宗軒) ................................................................................................................................... 29
参考文献(陳怡真)........................................................................................................................... 30
序論
米は台湾人の主食だと言われ、台湾には様々な品種がある。では、栽培植物としてのイ
ネはいつ台湾へ伝播し、台湾人はいつから米を食べるようになったのだろうか。また、そ
の米にはどのような分類があり、どんな品種があるのだろうか。そして、どうやって栽培
し、その米を使ったどんな料理があるのだろうか。
以上のような視点から、このプロジェクトでは台湾の米について調べて、日本人や日本
語を使う人に台湾の米を紹介したいと思う。
レポートの構成は以下のようになっている。まず、第 1 章「イネの台湾への伝播と変遷」
で、イネの伝播、導入を紹介する。次に、第 2 章「米の分類」で、米(イネ)の種類を紹
介する。そして、第 3 章「台湾米の銘柄」で、現在台湾で生産されている米の銘柄を紹介
する。さらに、第 4 章「台湾の米の栽培・収穫・精米方法」で、以前の農法と現在の農法
について比較して述べる。最後に、第 5 章「台湾の米料理」で、台湾の代表的な米料理を
紹介する。
研究の方法は、書籍や論文の資料やインターネット上の資料を調べ、整理する。また、
専門用語が多いため、図や表を利用し、各項目の補充説明をする。1
1
本稿の中の中国語の漢字に使用するフォントの規則について説明しておく。本文中、中国語の人名・地名など
の固有名詞のうち、日本語文字コード上にも同じ漢字がある場合は、日本語フォントの「MS 明朝」
(MS Mincho)
を使用し、それ以外は中国語フォント「新細明體」
(PMingLiU)を使用した。また、この規則に従い、図表の表
題及び表中の一部分は太字フォントの「MS ゴシック」
(MS Gothic)と「微軟正黑體」
(Microsoft JhengHei)を
使用した。ただし、脚注部分と参考文献一覧の部分は、中国語の著者姓名・論文名・書籍名・ウェブサイト名の
漢字にすべて中国語フォント「新細明體」
(PMingLiU)を使用した。
1
第 1 章 イネの台湾への伝播と変遷
本章では、まずイネの台湾への伝播の過程について述べ、次に日本統治時代の蓬莱米の
導入を見て、最後に現代台湾の生産の現状について紹介する。
1-1 イネの台湾への伝播
まず、台湾のイネの系統の変遷と考古学の成果について、李(2008:1)1は以下のよう
に説明している。
在来稲の種類について
(1)在来稲の系統
台湾在来稲の系統を構成するのは一つは十七世紀からオランダ商隊や漢族の移民
の影響により、中国南方から伝来した多種類のインディカ種2である。もう一つは、原
住民が伝統的に栽培していたイネである。
文献記録によると、先述した中国南方のインディカ種が伝来する前に、原住民はす
でにイネを栽培している。また、その原住民たちの伝統的なイネについては、民族誌
には、焼畑で栽培し、雑穀と間作、多種類の稲を利用しているという記録がある。
また農学者の調査により、その種類はジャワニカ・ジャポニカ・インディカ種があ
る。
(2)考古学的資料―籾圧痕と炭化米
現在までに、籾圧痕が検出された遺跡は六ヶ所ある。その中の四遺跡において土器
籾圧痕の形態同定が行われた。結果は、新石器時代中期のもインディカ種であって、
新石器時代晩期のものはインディカ種とジャポニカ種の両方があるというものであ
る。
2000 年以後、炭化米の発見が増加しこれまで炭化米が出土した遺跡は計十六ヶ所で
ある。これまでの研究成果によると、南西部では新石器時代早期から晩期までジャポ
ニカ種が中心である。北部は新石器時代晩期にジャポニカ種が検出される。中部の鉄
器時代ではインディカ種が検出される。
このように、
台湾には 17 世紀ごろから中国南方からインディカ種のイネが伝えられたが、
それ以前に原住民が伝統的に栽培していたイネの系統もあったようである。その原住民の
祖先たちが新石器時代に栽培していたイネについては、遺跡から出土した土器の籾圧痕3や
1
李作婷(2008)
「台湾先史時代におけるイネ珪酸体の形状解析研究―新石器時代晩期と鉄器時代の栽培イネに
ついて―」
(2008 年九州史学会発表資料)p.1
http://bull3.nmns.edu.tw/nmnscgi/showfile?0:0:0:::../upload/fulltext/000003791/209000c/@08%A4E%A6%7B%A5v%26%
2323398%3B%26%2320250%3B%26%2312524%3B%26%2312472%3B%A5%D8.pdf:52:A128%A1%AF%A7%F5%
A7%40%B4%40%A1%AD%A5x%26%2328286%3B%A5%FD%A5v%AE%C9%A5N%26%2312395%3B%26%2312
362%3B%26%2312369%3B%26%2312427%3B%26%2312452%3B%26%2312493%3B%AF%5E%BB%C4%CA%5E
%26%2312398%3B%A7%CE%26%2329366%3B%B8%D1%AAR%AC%E3%A8s%26%238213%3B%B7s%A5%DB
%BE%B9%AE%C9%A5N%26%2326217%3B%B4%C1%26%2312363%3B%26%2312425%3B%26%2337444%3B%
BE%B9%AE%C9%A5N%26%2312434%3B%A4%A4%A4%DF%26%2312392%3B%26%2312375%3B%26%231239
0%3B%26%238213%3B:::: 2014.11.3
2
イネの分類については、第 2 章で詳しく述べる。第 1 章では、分類上の名前は説明なしにそのまま使う。
3
「土器を作るために粘土を捏ねたり、形を作っている最中に作業をしている側にあるものなどがその中に入っ
てしまうことや器の表面や裏面、底面などに偶然そのものの型が押し付けられて圧痕を残します。混入するもの
2
炭化米1の考古学的調査によると、台湾南西部ではジャポニカ種が中心で、北部や中部では
晩期ごろからインディカ種も見られるようである。次の図は李(2008:4)2による台湾の
農耕文化年表である。
図 1 台湾先史文化年表および先史農耕相関状況
また、上で述べた籾圧痕や炭化米を分析する以外に、イネのプラント・オパールを分析
する方法でイネの種類を判別する研究も行われ始めている3。
台湾の先史時代に伝播した最初のイネ(古代米)は、ジャポニカ種かインディカ種か。
それは今後の考古学的調査の進展を待たなければ答えは出ないが、アジアにおけるイネの
伝播ルートを解明する上で非常に重要である。
には稲・麦・ドングリ・豆類・その他の植物種子やヤスデ・イモムシなどの動物です。圧痕では底部についてい
る木の葉や敷物などです。こうした土器に残された圧痕や石器・木器・骨角器などを作る時についた道具の痕な
どを総称して痕跡といいます。
こうした痕跡から大昔の人びとの生活環境を知る上で必要なさまざまな情報が得
られます。
」以上、横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化センター(2002)
『埋文よこはま』5, p.1
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/cms_files_maibun/pr_brochure/MAIY_05S.pdf
1
「炭化米とは、文字の通り米が真っ黒に炭化したものだ。通常炭化は燃焼によって起こされるが、最近の研究
で炭化米は土の中で化学作用によって引き起こされたもので、内部構造や DNA なども保持されている。
」以上、
『多様性生物希少標本ネットワーク”a specimen room 標本室”
』
「展示会レポート:かはく生物多様性シリーズ
2010 第 5 弾」http://hyouhon.jp/html/event30r-1.html 2014.11.5
2
李作婷(2008)
「台湾先史時代におけるイネ珪酸体の形状解析研究―新石器時代晩期と鉄器時代の栽培イネに
ついて―」
(2008 年九州史学会発表資料)p.4
http://bull3.nmns.edu.tw/nmnscgi/showfile?0:0:0:::../upload/fulltext/000003791/209000c/@08%A4E%A6%7B%A5v%26%
2323398%3B%26%2320250%3B%26%2312524%3B%26%2312472%3B%A5%D8.pdf:52:A128%A1%AF%A7%F5%
A7%40%B4%40%A1%AD%A5x%26%2328286%3B%A5%FD%A5v%AE%C9%A5N%26%2312395%3B%26%2312
362%3B%26%2312369%3B%26%2312427%3B%26%2312452%3B%26%2312493%3B%AF%5E%BB%C4%CA%5E
%26%2312398%3B%A7%CE%26%2329366%3B%B8%D1%AAR%AC%E3%A8s%26%238213%3B%B7s%A5%DB
%BE%B9%AE%C9%A5N%26%2326217%3B%B4%C1%26%2312363%3B%26%2312425%3B%26%2337444%3B%
BE%B9%AE%C9%A5N%26%2312434%3B%A4%A4%A4%DF%26%2312392%3B%26%2312375%3B%26%231239
0%3B%26%238213%3B:::: 2014.11.3。図は李作婷が臧振華(1999)
『臺灣考古』文建會の年表を一部参考にして作
成したもの。
3
「イネプラント・オパールは葉身上の機動細胞に由来するものである。イネの機動細胞に蓄積してきた珪酸体
は、植物が枯死して土壌に埋蔵された後に、細胞の形状を留めて、土壌粒子の一部として残留したものである。
したがって、そのイネプラント・オパールの形状は、
(中略)形状解析を行なうと、由来するイネの亜種を推定
することが可能であるといわれる。
」以上、同上、p.2
3
1-2 日本統治時代の蓬莱米の導入
次に、日本統治時代の台湾の米への影響について、山田(2003:29)1は、以下のように
述べている。
日本植民地時代(1895~1945 年)台湾は、農業台湾と言われたように、農業およびそ
の関連産業が重視されていた。その中でも米穀業、すなわち稲作と籾摺・精米、そして
米穀の集荷・貯蔵・流通・販売などは、糖業と並んで重視された。
台湾総督府の米穀政策で一番有名なのは、蓬莱米の開発と奨励であろう。日本から持
ち込んだジャポニカ系のウルチ米稲を台湾の気候に適させるよう、品種改良や栽培方法
の開発を行ったものである2。1920 年代初頭に開発は成功し、1925 年に当時の伊澤総督
から蓬莱米と命名された。
このように、日本統治時代に、日本からジャポニカ種粳米3を導入して、台湾の気候に合
うように品種改良や栽培方法の開発を行った。その結果、1920 年代に開発された品種が「蓬
莱米」と命名されたことがわかる。
では、蓬莱米の誕生によって、台湾の米はすべて蓬莱米が栽培されるようになったのだ
ろうか。これについて、山田(2003:41)4は、以下のように述べている。
島内生産量について見れば、蓬莱米やモチ米の生産面積増加によって、在来ウルチ米
は面積を減らしたものの、生産量は維持傾向にあった。蓬莱米は、対日移出を主な目的
として生産された。それに対し在来ウルチ米は、
(中略)台湾人の主食としての役割が大
きかった。そのため島内需要は堅調で、
(中略)日本植民地時代において生産量は落ち込
まなかった。
このように、インディカ種在来粳米は台湾人の主食だったため、日本統治時代にも継続
して生産され、蓬莱米は主に日本へ輸出されたことがわかる。
1-3 現代台湾の生産現状
前節で日本統治時代に蓬莱米が導入されたが、
在来米の生産も継続していたことを見た。
台湾独立後、蓬莱米の生産比率が増加し、在来米の生産比率は減少する。では、現在はど
のぐらいの割合で生産されているのだろうか。行政院農業委員會農糧署の統計データ5によ
ると、2013 年の蓬莱米生産は 142 万 1,696 トンで、在来米は 1 万 4,132 トンである(糯米
は含まない)
。つまり、蓬莱米と在来米の生産比率は、およそ 100:1 の割合である。すで
に、台湾人の主食は蓬莱米になっている。
では、約 1 万 4 千トンの在来米は、どのようにして消費されているのだろうか。行政院
1
山田敦(2003)
「日本植民地時代台湾の米穀生産と流通」―インディカ系在来米を中心として
―http://www.koryu.or.jp/08_03_03_01_middle.nsf/2c11a7a88aa171b449256798000a5805/7bbe96f2dab2f3a849256d1300
0a87d7/$FILE/yamadaatsushi2.pdf p.29
2
「実際には交配によってではなく、耕作方法の変更、
(中略)苗代日数を短縮し若苗を使用することで、台湾
の風土に適することに成功した。
」以上、同上、p.42
3
当レポートでは、
「粳米」
「糯米」という表記を使う。ただし、引用部分は原文のままにしてある。
4
同註 1、p.41
5
行政院農業委員會農糧署『農糧統計資料庫』
「稻米生產/2.07 稻米生產按種類分生產量-稻穀(年)
」
http://210.69.71.166/Pxweb2007/Dialog/statfile9L.asp 2014.11.26
4
農業委員會臺中區農業改良場のウェブサイト1によると、一般的に在来米は「米粉、菜頭粿
(蘿蔔糕)
、粄條」等の加工食品として食べられている。
また、現在の台湾の米について、
「Taiwan Today」のウェブサイト2は、以下のように述べ
ている。
現在の米は、日本から導入された当時の品種ではなく、ほとんどが台湾の農家の手で
独自に改良された品種である。
昔あった日本から持ち込まれた
「蓬莱米
(ジャポニカ米)
」
と「在来種(インディカ米)
」のみの分類は、すでに変わってきている。
(中略)
今日、台湾の稲作技術は高いレベルにまで発達。現在食されている米は、日本から導
入された当時そのままの品種ではなく、大多数が台湾の農業従事者が品種改良したもの
なのである。
このように、蓬莱米は日本統治時代に導入されて以来、台湾の農家によって品種改良が
進んでいる3。
1
『行政院農業委員會臺中區農業改良場』
「請問何謂在來米、蓬萊米以及糯米?」
http://tdares.coa.gov.tw/view.php?catid=4587 2014.11.26
2
中華民国(台湾)外交部『Taiwan Today』
「改良重ね“おいしさ”増す「台湾米」
(上)
」
http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=180686&ctNode=1778&mp=9 2014.11.26
3
現在台湾で生産されている米の銘柄については、第 3 章で詳しく紹介する。
5
第 1 章まとめ
本章を通してわかった台湾へのイネの伝播と変遷を整理すると、
以下の図のようになる。
図 1 台湾へのイネの伝播と変遷1
インディカ種
籾圧痕:新石器時代中期のは
ジャポニカ種
新
石
器
時
代
インディカ種。
炭化米:台湾中部では鉄器時
代にインディカ種が検出され
る。
17 世紀からオランダ商隊や漢
族の移民の影響により、中国
南方から多種類のインディカ
種が伝来。
炭化米:台湾南西部では早期
から晩期までジャポニカ種が
中心。北部では晩期にジャポ
ニカ種が検出される。
鉄
器
時
代
17
世
紀
在来米
在来米(インディカ種在来粳
米)は台湾人の主食だったた
め、日本統治時代にも継続し
て生産。
日
本
統
治
時
代
日本からジャポニカ種粳米を
導入し、台湾の気候に合うよ
うに品種改良や栽培方法の開
発を行った。
蓬莱米
蓬莱米は主に日本へ輸出。
生産量減少
在来米は「米粉、菜頭粿(蘿
蔔糕)、粄條」等の加工食品
として食べられている。
1
生産量増加
現
代
筆者作成。
6
台湾農家による品種改良。
台湾人の主食は蓬莱米に。
第 2 章 米の分類
米(イネ)には様々な分類法がある。本章ではその分類を紹介して、それぞれの米の違
いを説明する。
2-1 インディカ種とジャポニカ種とジャバニカ種
イネの分類について、
「ミツハシライス」のウェブサイト1は以下のように説明している。
お米は、植物界・被子植物門・単子葉植物網・イネ目・イネ科・イネ属・イネに分類
される植物のタネです。
世界中でイネ科イネ属に属しているものは 20 数種類が知られています。でもそのほ
とんどが野生種で、栽培されているのは、アフリカイネ(学名:オリザグラベリア)と
アジアイネ(学名:オリザサティバ)の 2 種類です。主にアフリカイネはアフリカ大陸
のニジェール川流域で栽培され、アジアイネは世界中で栽培されています。
図 1 イネの種類2
1
2
『ミツハシライス』
「稲の種類」http://www.3284rice.com/chishiki/quest1.html 2014.10.13
同上。
7
このように、栽培されているイネは、アジアイネとアフリカイネがあり、アジアイネは
さらにジャポニカ種(日本型)とジャバニカ種(ジャワ型)とインディカ種(インド型)
に分けられる。前ページ図 1 の説明では、ジャポニカ種だけに粳米(うるち種)と糯米(も
ち種)の区別があるように書いているが、実はインディカ種にも粳米と糯米がある。
「農林水産省」のウェブサイト1は、以下のように述べている。
普通、私たちが食べているもち米はジャポニカ種ですが、インディカ種にも、もち米
があります。ラオス全域やタイの北部と東北部などではインディカ種のもち米を蒸した
ものを主食としています。
また、
「嗜好品文化研究会」のウェブサイト2(で前川健一)は、以下のように述べてい
る。
正解を言えば、ジャポニカとインディカそれぞれに、ウルチとモチの区別がある。だ
から、インディカのモチ米というのもあるのだ。
このように、ジャポニカ種とインディカ種それぞれに粳米と糯米の区別があることには
注意しなければならない。ジャバニカ種に粳米と糯米の区別があるかは不明である。
さらに、ジャポニカの種類について、
「アットホーム」のウェブサイト3(で佐藤洋一郎)
は、以下のように述べている。
さらにジャポニカというのは、温帯ジャポニカといって一般に水稲と呼ばれている水
田栽培向きの品種と、熱帯ジャポニカという一般に陸稲と呼ばれている畑作向きの品種
の 2 種類に分れます。
(中略)実は私は、この長江流域を起源とする品種もジャポニカだ
と思っているんです。またその栽培方法は、ただ地面にモミを播くだけという雑駁(ざ
っぱく)農耕だったのではないかと考えています。
このように、ジャポニカ種は温帯ジャポニカ種(水田栽培向きの品種)と熱帯ジャポニ
カ種(陸稲、畑作向きの品種)の 2 種類に区別される。
以上の内容を整理してジャポニカ種とインディカ種を詳しく区別すると、以下の図のよ
うになる。
図 1 ジャポニカ種とインディカ種4
ジャポニカ種(分類 1)
インディカ種(分類 1)
粳米
糯米
粳米
糯米
ジャポニカ種(分類 2)
温帯ジャポニカ種
(水田栽培向き)
熱帯ジャポニカ種
(陸稲、畑作向き)
1
『農林水産省』
「消費者の部屋/消費者相談/過去の相談事例/平成 18 年 8 月/インディカ種のもち米という
ものはありますか」http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0608/02.html 2014.11.27
2
『嗜好文化研究会』
「研究会の記録/第 1 回研究会:タイ米/「タイ人のコメ選び」前川健一」
http://www.cdij.org/shikohin/minutes/minutes22_1.html 2014.11.27
3
アットホーム『大学教授対談シリーズ:こだわりアカデミー』
「稲のたどってきた道:佐藤洋一郎」
http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000116_all.html 2014.11.27
4
筆者作成。なお、温帯ジャポニカ種、熱帯ジャポニカ種それぞれに粳米と糯米の区別があるのかは不明なので、
ジャポニカは 2 段に分けて表示した。
8
2-2 粳米と糯米
前節では、ジャポニカ種とインディカ種それぞれに粳米と糯米があることを確認した。
この節では、粳米と糯米の違いについて述べる。
粳米と糯米の違いについて、株式会社もちやのウェブサイト1は以下のように述べている。
米の主要成分は炭水化物で 70~75%含まれています。その主体はデンプンで、このデ
ンプンはアミロースとアミロペクチンという成分から構成されています。
表 1 うるち米ともち米の違い2
粳米
糯米
米粒は半透明でガラス状
米粒は粳米より丸みがあり、乳白色
でんぷんの構成
でんぷんの構成
アミロース:約 20%
ほとんどアミロペクチンのみからなる
アミロペクチン:残りの約 80%
特性
特性
一般に、アミロース含量の低い米の方がそ アミロペクチンのみで出来ていることか
れだけアミロペクチンが多いため粘りのあ ら、加熱により粘りの強い飯になります。
るよい米と言われています。
また、粳米と糯米のでんぷんの違いについて、全国米穀販売事業共済協同組合3のウェブ
サイトは以下のように述べている。
「うるち米」と「もち米」の両者の違いは、でんぷんの性質の違いにあります。この
でんぷんは、
「アミロース」と「アミロペクチン」で構成されています。アミロースは硬
さを作り、アミロペクチンは粘りを作ります。うるち米はアミロースが 15~35%、アミ
ロペクチンが 65~85%の含有量に対して、もち米はアミロペクチン 100%でアミロース
1
『もちや』
「うるち米ともち米の違い」http://www.mottie.co.jp/useful/knowledge/difference/ 2014.11.10
同上。
3
全国米穀販売事業共済協同組合『全米販』
「コメ情報/普段食べているお米(うるち米)ともち米はどこが違
いますか?」http://www.zenbeihan.com/data/faq/ 2014.12.08
2
9
が 0%です。
このように、アミロースは硬さを作り、アミロペクチンは粘りを作ることがわかる。
以上、この節では粳米と糯米の違いについて述べた。でんぷんの構成から見ると、粳米
は、硬さを作るアミロースを少し含んでいるが、糯米は粘りを作るアミロペクチンが 100%
である。また、外観から見ると、粳米は半透明でガラス状、糯米は乳白色で丸みがある。
2-3 台湾における分類
この節では、台湾における米の分類について述べる。
台湾の糯米について、
「Taiwan Today」のウェブサイト1は以下のように述べている。
台湾で栽培されている主な品種について今回はもち米について紹介する。台湾では、
日本で食べられているもち米(短粒種)のほか、細長いインディカ種も栽培されている。
短粒種もち米―ふっくら丸く季節のイベントに欠かせない
もちや白玉、八宝飯(中華おはぎ)など、お祝いや節句に出される食べ物には、ふっ
くら丸いもち米が重要な役割を果たしている。またもち米の中で最もポピュラーなもの
がこれで、日本でいう「もち米」はこの種類を指す。
(中略)
各種のもち米の中でも、さまざまなメニューに応用できる短粒種は、丸みを帯び、味
は甘く、温かくても冷めてももっちりした食感を楽しめる。甘酒や酒かすから白玉、ち
まき、甘いおもち、中華おはぎ、甘みのある粥などデザート感覚の甘味から、油飯(中
華おこわ)
、糯米腸(もち米の腸詰め)
、中華ちまきなどさまざまな料理に変身する。
長糯米―程よい歯ごたえのもっちり感
(中略)
もち米は白米と見た目も味わいも違い、はっきりと区別することができる。長糯米は
台湾で「秈米」とも呼ばれ、細長い形で白色不透明、粘り気は強い。特に飯団(台湾風
おにぎり)や中華おこわ、中華ちまき、甘酒、白玉、鹹米糕(煮込んだ豚モモをかけて
食べる白飯)
、珍珠丸(飲茶に出てくるもち米肉団子)などの料理に適している、また玄
米の状態では玄米茶にも使われる。
(中略)
黒糯米―滋養たっぷりの古代米
いわゆる「紫米(黒米)
」のことで、古代には皇帝が食したという貴重な米だった。
健康への関心が高まる現代でも、再び滋養によいとして人気が高まっている。
紅糯米―先住民族の命の糧
先住民族のアミ族は、冠婚葬祭や大事な祭りのときにはいつも蒸した紅糯米を用意す
る。赤く光沢があり、いわゆる香り米(ジャスミンライス)の一種で、花蓮県光復郷の
アミ族の伝統的な農作物である。
「紅粟米」とも呼ばれる。
このように、台湾にある糯米は、短粒種と長糯米、そして黒糯米(黒米)や紅糯米(赤
米)などの古代米2に区別される。短粒種は、日本のもち米と同じである。また、長糯米は
1
『中華民国(台湾)外交部『Taiwan Today』
「改良重ね“おいしさ”増す「台湾米」
(中)
」
http://taiwantoday.tw/fp.asp?xItem=180873&CtNode=1778 2014.12.8
2
「古代米(こだいまい)とは、現代において栽培されるイネの品種のうち、
「古代から栽培していた品種」
「古
代の野生種の形質を残した品種」として標榜されるものを指す言葉である。
(中略)もっぱら販売上の宣伝文句
10
中国語で「秈米」とも呼ばれ、細長い形で白色不透明、粘り気は強い。
次に、行政院農業委員会のウェブサイト1は、
「米の分類方法はいろいろあるが、一般的
に「糯稻」
「秈稻」
「粳稻」の 3 つに分類される。
(筆者訳)
」と述べて、台湾の米を以下の
表のように分類している。
表 1 米の分類 12
米粒の外観
ご飯の特徴
分類
粳米
一般的な用途
短粒で、丸い。一部の品種は局
「秈米」と「糯米」の
所的に乳白色。
中間。
一般的なご飯。
炊いたご飯は、粘りが
秈米
細長い。透明度が高い。
なく、くっつかない。 蘿蔔糕、米粉、炒飯。
(パサパサ、パラパラ)
糯米
粳糯
秈糯
短粒で、丸い。白色不透明
炊いたご飯は、軟らか
酒造用の米、米糕。
細長い。白色不透明。
く、粘り気が強い。
八寶粥、粽子(ちまき)
。
最後に第 1 章と 2-1 でわかったことと、
2-3 でここまで見た内容を総合的に整理したのが、
次の表である。
表 2 米の分類 23
分類
補足説明
●蓬莱米とも呼ばれる。
粳米
(ジャポニカ種粳米)
●アミロースを含むが、粘りが強い。
●在来米とも呼ばれる。
秈米
(インディカ種粳米)
●長糯米とも呼ばれるが、実は粳米?
●アミロースをやや多く含むので、パサパ
サ、パラパラ。
糯米
●日本の糯米と同じ。
粳糯
(ジャポニカ種糯米)
●アミロペクチン 100%なので、粘りがと
ても強い。モチモチ。
秈糯
(インディカ種糯米)
●アミロペクチン 100%なので、粘りがと
ても強い。モチモチ。
黒糯米(黒米)
古代米
インディカ種かジャポニカ種かは不明。
紅糯米(赤米)
として使用された用語であるため、古代米に属する品種の範囲は必ずしも明確でない。赤米・黒米・緑米のよう
な色素米に限定して指すこともあり、香米を含めることもあり、また丈が高い・ノギが尖っているなど野生種的
な形質を持つ品種まで大雑把に含めることもある。
(中略)海外では、ジャポニカ種(日本型、短粒種)インデ
ィカ種(インド型、長粒種)ジャバニカ種(ジャワ型、大粒種)の赤米、黒米、緑米をすべて Wild rice として
売られている。
」以上、日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「古代米」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E7%B1%B3 2014.12.10
1
行政院農業委員會『稻米館』
「稻米的種類」
http://kmweb.coa.gov.tw/subject/ct.asp?xItem=107400&ctNode=3096&mp=174&kpi=0 2014.12.10
2
同上。表中の日本語は筆者訳。
3
筆者作成。
11
第 2 章まとめ
2-1 では、インディカ種とジャポニカ種の違いを中心に述べた。そして、ジャポニカ種
とインディカ種それぞれに粳米と糯米の区別があることがわかった。
2-2 では、粳米と糯米の違いについて述べた。でんぷんの構成から見ると、粳米は、硬
さを作るアミロースを少し含んでいるが、糯米は粘りを作るアミロペクチンが 100%であ
る。また、外観から見ると、粳米は半透明でガラス状、糯米は乳白色で丸みがある。
2-3 では、台湾における米の分類と名称について総合的に整理した。
12
第 3 章 台湾米の銘柄
本章では現在台湾で生産されている米の銘柄を紹介する。
台湾米の銘柄について、
「看雑誌」というウェブサイトを参考にして、以下のように整理
して見た。
台湾米の銘柄1
銘柄名
説明
主要産地:台中霧峰
図 1 益全香米(台農 71 号) 2
台湾蓬莱米の中で最も重要な「香米」の品
種である。米粒に淡い里芋の香りがあり、炊
くとさらに香りが強くなって室内に溢れる。
日本種と台湾種の交配に長年心血を注いだイ
ネの専門家故郭益全博士を記念して、
「台農 71
号」を「益全香米」と名付けた。短粒で丸み
を帯び、水晶のような透明感がある。
「台粳 9
号」と似ているが、柔らかさと粘度で勝って
いる。原産地、主要生産地は台中の霧峰で、
台湾全土で栽培されているが、原産地から離
れた場所で栽培したものは香りが少ない。3
図 2 台粳 2 号4
主要産地:嘉南平原、花蓮、台東
粒が大きく、中央中心部の白濁率が低いの
で、水晶のような透明感がある。炊くと粘度
と弾力性が出るので、歯ごたえがよく香りも
強い。台湾米の優良品種で、チャーハンや泡
飯(ご飯にお湯をかけた中華風お茶漬け)や
弁当に適している。5
1
筆者作成。表中の説明はすべて筆者訳である。以下のページも同様。
紅谷資訊『ipeen 愛評網』
「益全香米」http://nana960701.pixnet.net/blog/post/56038117 2014.10.23
3
華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=2
2014.10.23
4
快樂電台購物網『快樂愛台灣』
「台梗 2 號」http://www.happygogo.com.tw/DOC_1601.htm 2014.10.23
5
同註 3。
2
13
図 3 台粳 8 号1
主要産地:苗栗、嘉南平原、宜蘭
収穫率が高く安定している。粒がやや大きく
丸みを帯びている。透明度が高くて外観がいい
ので、台湾で多く栽培されている。外観はいい
が、保存性が悪いので、収穫後約 2 か月を過ぎ
ると味が落ちるのが欠点である。2
図 4 台粳 9 号3
主要産地:彰化、台中、雲林、花蓮、台東
品質が高く、栽培リスクが低く、収穫量が安
定しているので、現在最もよく見られる品種で
ある。粒が大きく、全体的に白さが強く、米質
が安定している。味がよく、保存性もいい。外
観だけでなく、歯ごたえや粘度や弾力性も優れ
ている。炊飯後、冷めても粒の表面が乾燥しな
いので、寿司専用に栽培されることが多い。ま
た、国内研究チームによって、人体の免疫力を
高め、腫瘍細胞を駆逐する能力があることが認
められた。4
図 5 台粳 16 号5
主要産地:嘉南平原、花東
収穫率が高く、適応性が強いので、特に南部
と東部で広く栽培されている。粒は丸みを帯
び、粒ぞろいがよく、アミロペクチンが少ない。
味と品質が優良で安定している。ご飯でも、お
粥でも、おかずなしでそのまま食べられる味で
ある。6
1
宜蘭縣政府文化局『走讀宜蘭』
「台梗 8 號」http://mookyilan.ilccb.gov.tw/modules/xcgal/displayimage.php?pid=709
2014.10.23
2
華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=2
2014.10.23
3
宏達裕碾米工廠『望鄉米』
「台梗 9 號」http://hometownrice.com/wang-xiang-jia-zu/tou-jia-te-bie-tui-jian/ 2014.10.23
4
同註 2。
5
『一時的心情..說了..寫了..就好了.. 隨意窩 Xuite 日誌』
「分享體驗~「吃米樂 貼心讚聲」良質米試吃:新聯豐米
廠-奇力米/台梗 16 號」
http://blog.xuite.net/a890152/wretch/147839015-%E5%88%86%E4%BA%AB%E9%AB%94%E9%A9%97~%E3%80%8
C%E5%90%83%E7%B1%B3%E6%A8%82+%E8%B2%BC%E5%BF%83%E8%AE%9A%E8%81%B2%E3%80%8D
%E8%89%AF%E8%B3%AA%E7%B1%B3%E8%A9%A6%E5%90%83%EF%BC%9A%E6%96%B0%E8%81%AF%
E8%B1%90%E7%B1%B3%E5%BB%A0-%E5%A5%87%E5%8A%9B%E7%B1%B3%2F%E5%8F%B0%E6%A2%97
16%E8%99%9F~%5E0%5E 2014.12.16
6
同註 2。
14
図 6 台南 11 号1
主要産地:嘉南平原、花東
台湾で栽培面積が最大。特に南部や花蓮、台東で
多く栽培されている。外観は透明度が高く、粒ぞろ
いもよく、保存に耐える。4 か月貯蔵しても、食味
は良好である。2 期作中、第 1 期のものは A~B ク
ラスの質で台粳 9 号より優れており、第 2 期のもの
は B クラスで台粳 9 号と同じである。全台湾で生産
量が最大で、関係品種が最多である。寿司や弁当の
ご飯に適している。2
図 7 桃園 3 号3
主要産地:桃園
最近人気がある蓬莱米の香米の品種で、里芋の香
りがある。米粒は大きく、粒ぞろいがよく、丸くて
水晶のような透明感がある。品種が優良で、香りが
長持ちするので、
「新厝香」
「新香米」と命名された。
炊いたご飯は「粘り気があるが、粘りが強すぎない」
独特の歯ごたえがある。冷めても風味が落ちない特
徴がある。今のところ、栽培面積は大きくなく、桃
園を中心に栽培されており、南部では手に入りにく
い。4
主要産地:台中、宜蘭三星
一般的に「秈米」
(長米、在来米)は、炊いた後、
硬くパサパサ感があって粘りがないので、台湾人の
多くは好まない。チャーハン(米粒がパラパラ)に
したり、加工して米粉などにすることが多い。しか
し、この米は粳米(蓬莱米)と競えるほどの秈米の
品種である。味は一般の粳米よりはるかに優良で、
食物繊維が多く低澱粉の特徴を持つ。粘りがなく、
軟らかく、歯ごたえがあって、噛んでいる時も淡い
甘みがあり、お腹にもたれることはない。6
図 8 台中秈 10 号5
1
行政院農業委員會農糧署-南區分署『嘉義縣義竹鄉-五王台南十一號米』
「台南 11 號」
http://www.tnfd.gov.tw/index.php?act=article&code=print&ids=4862 2014.10.28
2
華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=3
2014.10.28
3
『痞客邦 PIXNET』
「台灣。遇到米真好‧就是愛米。台灣優質品!!」
http://justnike.pixnet.net/blog/post/48337460-%5B%E6%B4%BB%E5%8B%95%5D-%E5%8F%B0%E7%81%A3%E3%
80%82%E9%81%87%E5%88%B0%E7%B1%B3%E7%9C%9F%E5%A5%BD%E2%80%A7%E5%B0%B1%E6%98%
AF%E6%84%9B%E7%B1%B3%E3%80%82%E5%8F%B0%E7%81%A3%E5%84%AA 2014.12.1
4
同註 2。
5
『PC home』
「台中秈十號 300 克包裝」http://www.pcstore.com.tw/yeyangrice/M17795477.htm 2014.12.1
6
同註 2。
15
図 9 高雄 139 号1
主要産地:台東、花蓮
外観は他の品種ほど水晶のような透明感がない
が、長期保存ができて、鮮度も落ちず、味もよく、
炊いたご飯は軟らかい上に粘りがある。粒は大きめ
で、丸い短粒形である。稲穂からの収穫量が多い品
種として、花蓮、台東一帯で栽培されている。寿司
を作るのに適している。2
図 10 高雄 145 号3
図 11 黒糯米(紫米)6
主要産地:高雄、屏東、宜蘭、花東
高雄 139 号と日本のキヌヒカリとの交配によって
作られた。高雄 139 号の外観の悪さを改善しただけ
ではなく、日本品種の血統を継いだので粒が小さく
粘りがある上に、味のよさも向上した(高雄 139 号、
台粳 9 号より優れる)
。外観は水晶のように透明感が
あり、粒ぞろいがよく、白濁部分が少ない。完全米
率4は、
普通の品種の 68%に比べて 71.8%以上と高い。
炊いたご飯は冷めても弾力と香りを保持しているの
で、高級寿司、
「燴飯」
(あんかけご飯)
、廣東粥(広
東風お粥)
、弁当のご飯などに適している。現在、高
雄屏東地区で一番多く栽培されている品種である。5
主要産地:花蓮光復、壽豐、雲林
黒糯米または紫米と呼ばれる。花蓮県光復郷アミ
族の伝統的な農作物で、もともと「黒粟米」と呼ば
れていた。栽培が難しく、生産量も少ない。多種の
ビタミンやミネラル、鉄分、メラニン色素、4 種の
必須アミノ酸を含む。低糖分で食物繊維が多く、栄
養価が高いので、老人や妊婦、骨折や貧血に効果が
ある。また、アントシアニンを多く含むので、抗癌
作用のあるミラクルフードと言われる。黒糯米は、
全世界にあるが生臭いものが多い。しかし、台湾の
黒糯米は、香りがいい。7
1
『痞克邦 PIXNET』
「國人最愛米 台梗 9 號拿第一」http://akico0505.pixnet.net/blog/post/227215289 2014.12.8
華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=3
2014.10.28
3
『愛逛街』
「
《三好米》高雄 145 號 3.4K」http://iguang.tw/yahoo_303056.htm 2014.12.8
4
「玄米の品質、一般にいう良し悪しの判定は、その外見上の色や形に基づいて行われる。充分に登熟し、しっ
かりとした粒形を持つ米粒は完全米とされ、一方どこかに異常がある米粒は一括して「不完全米」とされる。不
完全米は、俗に屑米(くずまい)とも呼ばれる。
」以上、日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「完全米」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%B1%B3 2015.1.15
5
同註 2。
6
『米屋 RICE HOUSE』
「
《米屋》嚴選黑糯米 600g 12 包」
http://www.rice-house.com/production-detail.asp?pid=739&product_sub_type_id=19 2014.12.8
7
華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=4
2014.10.28
2
16
図 12 紅糯米1
主要産地:花蓮光復
香米の 1 種。花蓮県光復郷アミ族の伝統的な農作
物で、もともと「赤粟米」と呼ばれていた。毎年 7
月に収穫する 1 期作である。栽培管理が難しいので、
1 ヘクタール当り 2 千キロしか収穫できない。収穫
に時間とコストがかかるので、アミ族自身も重要な
祭礼の時だけ使用する。ビタミン A と E、カロチン、
鉄分、蛋白質を多く含むので、視力の保護や出産後
の滋養に効果がある。2
以上、現在台湾で生産されている代表的な米の銘柄を紹介した。
では、どれが最も人気がある銘柄なのだろうか。
「行政院農業委員會」のウェブサイト3は
以下のように述べている。
農糧署が 2005 年 10 月に全国の糧食業者を対象に行った調査によると、消費者の人気
が高かった米の銘柄の 5 位以内は、すべて政府の推薦する良質米の銘柄だった。結果は
以下の表のとおりである。
(筆者訳)
表 1 人気が高い米の銘柄一覧表
米の銘柄
支持数
支持の割合(%)
順位
台粳 9 号
16
23.5
1
台農 71 号
11
16.2
2
高雄 139 号
7
10.3
3
台粳 16 号
6
8.8
4
台粳 8 号
5
7.4
5
越光
5
7.4
5
このように、
「台粳 9 号」が 1 位、
「台農 71 号」が 2 位、
「高雄 139 号」が 3 位になって
いる。
では、どの銘柄が台湾で最も生産量が多いのだろうか。
「Taiwan Today」のウェブサイト
は以下のように述べている。
4
国内で最大の栽培面積を誇るのは「台南 11 号」で、市販の米として最もポピュラーな
品種である。行政院農業委員会のもと農作物の試験や改良に取り組む農業改良場の後押
しで、パンやまんじゅう、クッキー、ケーキなどの焼き菓子への応用も進み、どんな役
1
『台灣好食材 Fooding』
「紅糯米」http://www.fooding.com.tw/ingredient-shares.php?sid=100120 2014.10.28
華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=4
2014.10.28
3
『行政院農業委員會』
「統計與出版品/強化優質台灣米產銷體系成果」http://www.coa.gov.tw/view.php?catid=11108
2014.11.24
4
中華民国(台湾)外交部『Taiwan Today』
「改良重ね“おいしさ”増す「台湾米」
(上)
」
http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=180686&ctNode=1778&mp=9 2014.11.24
2
17
もこなす、米の中の名優だ。栽培地域は全土に広がり、南部と花蓮・台東地方が最多と
なっている。
このように、
「台南 11 号」が国内で最大栽培面積を占めていることがわかる。
第 3 章まとめ
本章では台湾の米の代表的な銘柄の主要産地や特徴を見た。消費者の人気が高いのは、
「台粳 9 号」が 1 位、
「台農 71 号」が 2 位、
「高雄 139 号」が 3 位である。また、
「台南 11
号」が国内で最大栽培面積を占めており、市販の米として最もポピュラーだということが
わかった。
18
第 4 章 台湾の米の栽培・収穫・精米方法
台湾の稲作は以前に比べて近代的な機械化農業に変わってきた。本章では以前の農法と
現在の農法について、栽培から収穫さらには精米まで、比較して述べる。以下、各種のウ
ェブサイトを参考にして、整理してみた。
表 1 代掻き1
図 1 以前の代掻き2
図 2 現在の代掻き3
田植えの前に、まず「代掻き」をして、槌を軟らかくしなければならない。
「代掻き」
には「粗耕(粗く耕す)
」
「細耕(細かく耕す)
」
「蓋平(平坦にする)
」の 3 つの段階があ
る。以前は家畜(水牛)に鋤を引かせていたが、現在は機械を使って耕している。4(筆
者訳)
図 1 は水牛を使った台湾の伝統的な代掻きで、図 2 はトラクターを使った現在の代掻
きである(耕運機を使うこともある)
。
1
筆者作成。以下、表 9 まで同様。
『Doggy Willie 創造您的感動連結』
「
「南下日記」產品的故鄉」http://doggywillie.pixnet.net/blog/post/24326963
2014.10.7
3
『池上鄉農畜業輔導推廣網』
「池上米介紹-池上米認證廠商 羅淑貞」http://atp.cs.gov.tw/store/rf.php?mid=70
2014.10.7
4
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「稻」http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%BB 2014.10.7
2
19
表 2 育苗
図 1 以前の育苗
図 2 現在の育苗2
1
まず田地の一部に苗代を作って苗を育てる。苗代は中国語で「秧田」と呼ばれ、種籾
を撒いた後に、籾焼きした灰を土の上に撒くことが多い。
現在は専門の育苗センターで苗をパレットに入れて育てている。いい苗が稲作の成功
の鍵になる。苗の高さが 8cm になったら、田植えができる。3(筆者訳)
図 1 は、伝統的な苗代で苗を育てている風景である。図 2 は育苗センターで育ててい
る風景である。
表 3 田植え
以前の田植え
図 4 現在の田植え4
図 1 手作業の田植え5
図 3 挿秧輪6
図 2 秧標7
以前は手作業で田植えをした。
「秧縄」
(縄)
「秧標」
(距離を測る竹製の棒状の道具)
、
「挿秧輪」
(距離を測って線を引くローラー式の道具)などを使って、苗の間隔を揃えた。
現在は田植え機を使うことが多い。時間短縮と労力削減ができるが、田植え機の入れな
い場所もある。田植え機は水田を旋回して作業するので、最初の田植えでは水田の四角
外周部分を残しておき、他の部分が終わってから植える。しかし、水田の四隅は田植え
機が使えないので、手作業で植えることになる。8(筆者訳)
『行政院農業委員會』「農耀國際/水稻秧苗培育技術」http://flora.coa.gov.tw/view.php?id=323 2014.10.12
『高效能水稻育苗自動化聯盟運作辦公室』
「秧苗箱田間自動化搬運系統」
http://rice-seedling.blogspot.tw/2013/04/blog-post_5887.html 2014.10.7
3
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「稻」http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%BB 2014.10.7
4
『宜蘭民宿 SUNDAY HOME』
「豐收的七月」 http://sundayhome.pixnet.net/blog/post/20151572 2014.10.7
5
『上下游 NEWS&MARKET』
「春漫爛」http://www.newsmarket.com.tw/blog/30051 2014.10.8
6
『臺中市政府教育局』
「整地播植器具館/播種栽植器具/栽植類/輪式正條密植器」
http://student.kmes.tc.edu.tw/taiculture/tool/A/02/01/11/A-02-01-11-12.htm 2014.11.20
7
『臺中市政府教育局』
「整地播植器具館/播種栽植器具/栽植類/秧標」
http://student.kmes.tc.edu.tw/taiculture/tool/A/02/01/11/A-02-01-11-11.htm 2014.11.20
8
『一粒米百粒汗』
「米的一生」http://163.32.83.200/student/C017/b/indexb.htm 2014.10.7
1
2
20
表 4 施肥
図 1 以前の施肥
図 2 現在の施肥2
1
以前の台湾農家は堆肥を作る習慣があった。普通は農家が便所や豚小屋の近くに肥溜
めを設け、一家と豚の排泄物を集めて発酵させ、2、3 ヶ月後には、施肥に使用した。
発酵時に、残飯、果物の皮、各種植物の残骸(稲藁など)なども加えた。堆肥は天然で
お金がかからないが、かなり臭く、効果も化学肥料よりよくないので、日本植民地時代
に化学肥料が導入されると、台湾の農民はそれを使うようになった。3(筆者訳)
有機肥料のほうが高く、大量に使わなければならないので、多くの農民はまだ化学肥
料を使っている。科学肥料は元々悪くないが、使い方を誤ると、土壌の塩分含有量が上
がり、塩分と作物が水分を奪い合って、最悪の場合は作物が枯れてしまう。また、窒素
肥料を使いすぎると、酸性土壌になり、生態を破壊してしまう。4(筆者訳)
図 1 は手で有機肥料を散布する風景である。図 2 は機械で化学肥料を散布する風景で
ある。
表 5 除草
図 1 以前の手作業による除草5
図 2 現在の除草剤の散布6
図 3 除草機の使用7
1
『暨大公民素養陶塑計畫網』
「水沙連大學城∕大學城拍寫簿∕04/09 施肥日」
http://c3.academic.ncnu.edu.tw/node/1192 2014.11.6
2
『葉淑蕙的田言祕語 (有機、米) :: 隨意窩 Xuite 日誌』
「從有機稻田看台灣稻米產業發展」
http://blog.xuite.net/sunsuivi/blog/38840677-從有機稻田看台灣稻米產業發展 2014.11.6
3
『蘋果日報』
「蘋果即時新聞「劉志偉:有機不一定安全」
」
http://www.appledaily.com.tw/realtimenews/article/new/20140912/468145/ 2014.11.10
4
『財團法人國語日報社』
「臺灣讀報教育資源網∕讀報每周精選∕使用有機肥健康又環保」
http://www.mdnkids.com.tw/nie/nie_indicate/Unit7/W-970611-15/W-970611-15.htm 2014.11.11
5
『田鱉 埤塘 谷津田』
「田鱉田事 挲草囉」http://giantwaterbug.blogspot.tw/2013/03/blog-post_7412.html 2014.11.14
6
『主婦聯盟環境保護基金會』
「
「有機之談-農藥你我他」之省思」http://www.huf.org.tw/essay/content/1588 2014.11.14
7
『歡迎光臨豐年社』
「雜誌園地/豐年半月刊/文章推薦/「水田中耕除草機」除草有一套」
http://www.harvest.org.tw/Articles/ArticleContent/88512?page=1&actionname=Magazine_ArticlesRecommend&unit=193
2014.11.25
21
「挲草」は伝統的な除草である。苗の間に跪いて、苗の周りの雑草をむしり取る。取
った雑草を土に埋めれば、雑草は再生せず、苗の肥料になる。1(筆者訳)
現在の除草は除草剤、除草機などを使う方法がある。
日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』2によると、
「除草剤は、接
触した全ての植物を枯らす非選択的除草剤と、農産物に比較的害を与えず対象とする植
物を枯らす選択的な除草剤に分けられる。
」
除草機は高さと角度が調整でき、雑草を泥水に埋める。3(筆者訳)
図 1 は手作業で除草をする風景である。図 2 と図 3 は除草剤や除草機を使って除草す
る風景である。
表 6 殺虫・除草
図 1 合鴨農法
図 2 農薬散布5
4
合鴨農法は、イネを植えると同時に雛鴨を養殖する。雛鴨が水田の害虫や雑草を食べ
るので農薬を使う必要がなく、
(鴨の排泄物が肥料になるので)有機米を生産すること
ができる。鴨が成長したら、売ることもできる。6(筆者訳)
日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』7によると、
「農薬とは、農
業の効率化、あるいは農作物の保存に使用される薬剤の総称。殺菌剤、防黴剤、殺虫剤、
除草剤、殺鼠剤、植物成長調整剤等をいう。
」
現在は農薬散布による殺虫や除草が一般的だが、農薬の安全性に問題があるため、以
前行われた合鴨農法を再び取り入れる農家も増えている。
1
『心豐自然田』
「挲草隨筆」http://hfnaturefarm.blogspot.tw/2010/09/blog-post_6257.html 2014.11.13
日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「除草剤」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%A4%E8%8D%89%E5%89%A4 2014.11.14
3
『歡迎光臨豐年社』
「雜誌園地/豐年半月刊/文章推薦/「水田中耕除草機」除草有一套」
http://www.harvest.org.tw/Articles/ArticleContent/88512?page=1&actionname=Magazine_ArticlesRecommend&unit=193
2014.11.25
4
『大紀元』
「彰化縣芬園鄉農民嘗試種稻養鴨吃掉害蟲」http://www.epochtimes.com/b5/5/3/22/n861101.htm 2014.11.24
5
『觀樹教育基金會 學校是從一棵樹下開始的。-Louis Kahn』
「食在很重要/台灣及世界各國的農藥使用量」
http://www.kskk.org.tw/food/node/65 2014.11.24
6
同註 4。
7
日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「農薬」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E8%96%AC 2014.11.24
2
22
表 7 収穫
図 1 鎌による稲刈り
図 3 コンバインによる収穫3
1
図 2 脱穀機2
以前は鎌で刈り取って、束ねてから脱穀機で籾米を分離した。現代はコンバインを使
用して、稲穂を巻き込んで籾米と稲の茎を分離する。4(筆者訳)
表 8 乾燥
図 1 籾米の天日干し
図 3 乾燥機7
5
図 2 扇車6
以前は三合院の庭で、収穫した籾米を天日干しした。その後、実のない籾などの不純
物を取り除くため、
「扇車」
(唐箕)を使って風力を起こして、軽いごみを吹き飛ばし、
8
重い籾米を選別した。 (筆者訳)
現在はほぼ機械で、約 1 日かけて乾燥させる。収穫時の籾米は水分が 25%前後だが、
(最もおいしいと言われる)14.5%ぐらいまで乾燥させる。9(筆者訳)
1
『高雄市政府民政局』
「活動花絮/高雄市 100 年成年禮活動【稻米飄香 成年禮讚】
」
http://cabu.kcg.gov.tw/Activities/ActivitiesDetail.aspx?menuid=116&ActivitiesID=39# 2014.11.24
2
『東里家風百年古厝』
「打榖機」http://folkbandb.smartweb.tw/index.php?module=faq&mn=2&f=content&tid=8564
2014.10.11
3
『flickr』
「Arte Lee/珍藏集/稻田紀錄 Paddy Field records,Taiwan」
https://www.flickr.com/photos/31285482@N08/3609594354/in/set-72157618937880110 2014.11.26
4
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「稻」http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%BB 2014.11.26
5
『客家委員會 數位臺灣客家庄』
「新瓦屋第一期稻作-禾埕曬穀」
http://archives.hakka.gov.tw/blog/18215405/articleAction.do;jsessionid=538D9DF87B4B82C6F5A37AE465856E46?metho
d=doViewBlogArticle&articleId=MzI2NjI= 2014.11.27
6
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「扇車」http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%89%87%E8%BB%8A
2014.11.27
7
『2003 台灣學校網界博覽會-台東縣馬蘭國民小學-池上米』
「稻穀碾成白米/舊式稻穀碾製流程」
http://library.taiwanschoolnet.org/cyberfair2003/C0334950068/makerice/a3.htm 2014.11.29
8
同註 4。
9
同註 7。
23
表 9 脱穀・精米
図 1 以前の精米機
図 2 現代の精米機2
1
以前の精米過程は、精米する前に、籾米は「選石機」という機械で石や砂、金属、プ
ラスチックなどの雑物を篩い分ける。次に、籾米を「粗選機」に入れて小石や雑草など
を篩い分ける。籾摺り機に籾米を入れると、数段階の選別、送風過程を経て、玄米と籾
殻に分けられる。
(中略)さらに、玄米を精米機に入れて、玄米から糠を取り除いて、
白米にする。3(筆者訳)
現代の精米機は、籾米を「粗選機」と「抜石機」に入れて雑物を取り除き、次に「礱
榖機」に入れて玄米と籾殻に分ける。
(中略)玄米を精米機に入れて精米した後、
「振動
機」で細かい糠を篩い分ける。現代の精米は品質が重視されるので、その後も選別作業
がある。細かい糠を篩い落とした白米は、
「洗米機」に入れて、まだ米粒の表面にこび
りついている糠を洗い落とす。その後、
「色彩選別機」に入れて、外観がよくない米や
虫食いの米を取り除く。4(筆者訳)
第 4 章まとめ
この章では、以前の農法と現在の農法について、栽培から収穫さらには精米まで、比較
して述べた。以前の手作業に比べて、機械などの導入で手間や人手や時間を節約できるよ
うになった。また、精米作業における糠取りは、機械を使って以前より細かい作業ができ
るようになり、米の選別も機械の導入で以前より白米を厳選することができるようになっ
た。
1
『臺南市後壁區新嘉國民小學』
「碾米一業/碾米設備今與昔-木造碾米機」
http://www.hces.tn.edu.tw/beauty/rice032.htm 2014.12.1
2
『臺南市後壁區新嘉國民小學』
「碾米一業/碾米設備今與昔-新式碾米機」
http://www.hces.tn.edu.tw/beauty/rice033.htm 2014.12.1
3
同註 1。
4
同註 2。
24
第 5 章 台湾の米料理
本章では、台湾の代表的な米料理を紹介する。台湾の代表的な米料理について、いろい
ろなウェブサイトを参考にして、以下のように整理してみた。
表 1 台湾の代表的な米料理1
料理
図 1 油飯2
図 2 糯米腸4
説明
「蒸糯米飯」とも呼ばれ、中国の華南及び
台湾の伝統的な米料理である。一般的に、も
ち米を蒸して、炒めた具材と混ぜる。具材と
しては豚肉(細切り)
、しいたけ、オニオンチ
ップス(刻んだ玉ねぎを揚げたもの)
、
するめ、
干しえび、栗などをごま油と醤油で調味した
ものを使用することが多い。
台湾では旧暦 7 月 7 日に「拜床母」と呼ば
れる伝統行事がある。
「床母」という神に「油
飯」
「麻油雞」
「芹菜(中国セロリ)
」などを捧
げて祭る。幼児が「床母」の保護を受けて無
事成長することを祈る。
男児が 1 歳になった時、台湾では「油飯」
を寝室中に置いて「床母」を祭り、幼児の無
事成長を祈る。また、
「油飯」を親戚、友人や
仲人に送って、吉事を報告することを「彌月
油飯」と呼ぶ。3
調味したもち米を豚の大腸に詰めたもの。
台湾南部ではピーナッツを加えてから蒸す。
長さは約 15~20 センチぐらいである。以前は
蒸すのが主な調理方法で、その後薄切りにし
て「甜辣醬」
、ケチャップ、
「醬油膏」などの
調味料をつけて食べた。
「糯米腸」
を使った
「大
腸包小腸」という料理もある。
「糯米腸」をホ
ットドッグのパンのように使って、炭焼きし
て半分に切った後、台湾ソーセージを挟んだ
ものである。5
1
筆者作成。表中の日本語はすべて筆者訳である。
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「油飯」http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B9%E9%A3%AF
2014.10.16
3
張宏宇等(2009)
『福爾摩莎語言文化詞典-傳統飲食篇』 文鶴出版 p.5
4
筆者撮影(2014 年 10 月 11 日、高雄市の徳民路で購入し、自宅で撮影。
)皿の上方は糯米腸、下方は大腸包小
腸である。
5
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「糯米腸」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%AF%E7%B1%B3%E8%85%B8 2014.10.8
2
25
図 1 豬血糕1
豚の血ともち米を混ぜて、
蒸したもの。
台湾北部の「花生豬血糕」は、蒸した後
に醤油を塗り、大量のピーナッツの粉を
まぶして「香菜」を加え、竹串に刺した
ものである。南部では「甜辣醬」
、
「醬油
膏」
、生姜の細切りなどをつけて食べる。
油で揚げて一口大に切り、塩コショウを
振りかけて食べたり、鍋料理の具材とし
て使われることもある。2
「紅龜糕」とも呼ばれる。客家語では、
「紅粄」と言う。閩南人、台湾人、潮州
人、客家人などが、お祝いや祭祀の際に
もち米で作る食品である。福建、広東、
台湾、マレーシア、シンガポールなどの
地域で見られる。形は扁平で、掌くらい
の大きさ。紅い外側に亀甲模様があり、
内部には餡が入っている。植物の葉を下
に敷く。
水に浸したもち米を磨り潰してペース
トにし
(米漿)
、
米袋に入れて水分を絞る。
半固体になったら、袋から取り出す。食
紅を加えてから、搗く。それから、掌の
大きさに分けて、その中に餡を入れ(甘
い小豆餡、各種塩味の餡もある)
、
「粿印」
という器具の上に置いて亀甲模様をつ
け、油を塗り、バナナの葉に置き、蒸篭
で蒸す。餅のような食感である。亀甲模
様以外に、福運、官位俸禄順調、長生き
の意味を持つ漢字の「福禄寿」を押すこ
ともある。4
図 2 紅龜粿3
1
中華民國外交部『台灣美食文化網』
「豬血糕」
http://taiwanfoodculture.net/ct.asp?xItem=48071&ctNode=2660&mp=1501 2014.10.27
2
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「米血糕」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E8%A1%80%E7%B3%95 2014.10.1
3
台視全球資訊網『我的美食 DIY』
「紅龜粿」http://www.ttv.com.tw/cuisine/Detail2.aspx?rid=1744 2014.10.26
4
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「紅龜粿」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E9%BE%9C%E7%B2%BF 2014.10.16
26
図 1 碗粿1
在来米を磨り潰してペーストにして(米
漿)
、碗に入れ、エシャロット、豚挽肉、シ
イタケ、調味料を加えて、蒸す。
味は甘いものと塩味のものがあり、塩味
のものがよく見られる。甘いものは砂糖と
混ぜてから蒸す。塩味のものは米漿を一回
蒸して、具材を載せてから、また蒸す。醤
油、
「辣椒醬」
、おろしにんにくなどの調味
料をかけて食べる。2
「米篩目」とも呼ばれる。米漿(米を磨
り潰してペースト状にしたもの)とさつま
いもの粉と混ぜて、竹製の「米苔」という
道具の上で捏ね、その穴から出たものを茹
でたものが「米苔目」である。
主に塩味で、肉の細切り、しいたけ、干
しエビなどの具材とスープで煮込んで食べ
るほか、具材と炒める調理方法もある。
また、氷、シロップ、小豆、緑豆、サト
イモ団子などと混ぜたら、
デザートとなる。
図 2 米苔目3
4
「米漿」は、粥でもなくご飯でもなく米
で作られたものである。台湾では、ピーナ
ッツとごまを入れて香りを加えて、飲みや
すくする。ピーナッツを黄色くなるまで煎
って、米とごまと一緒に水に漬ける。軟ら
かくなったら、
ミキサーでペーストにして、
水を加えて鍋に入れ、中火でかき混ぜなが
ら煮る。最後に赤砂糖を入れて、色と甘み
を加える。6
豆乳と違って、色が濃くコーヒー色で、
とろみがある。農村時期の台湾では、貧し
い家庭は粉ミルクのかわりに「米漿」を子
供に飲ませた。7
図 3 米漿5
1
中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「碗粿」http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%97%E7%B2%BF
2014.11.3
2
張宏宇等(2009)
『福爾摩莎語言文化詞典-傳統飲食篇』文鶴出版 p.10
3
中華民國外交部『美食文化網』
「米苔目」http://taiwanfoodculture.net/ct.asp?xItem=48069&ctNode=2660&mp=1501
2014.10.27
4
同上。
5
筆者撮影(2014 年 11 月 3 日、永平四海豆漿で購入し、自宅で撮影。
)
6
柏瀚國際科技『覓食網』
「台灣的米漿做法」http://www.findfoods.com.tw/?p=305 2014.10.6
7
張宏宇等(2009)
『福爾摩莎語言文化詞典-傳統飲食篇』文鶴出版 p.126
27
第 5 章まとめ
本章では、台湾の代表的な米料理について見た。米を原料にして、固体状のもの、半固
体状のもの、液体状のもの、麺のようなものなど、いろいろな形にして料理にしているこ
とがわかった。また、一般的に夜市で売られていていつでも日常的に食べられる料理もあ
るし、特別な日(男児の誕生祝いや新年の祝い)に作る料理もある。
28
結論
第 1 章では、米は台湾への伝播と変遷を紹介した。新石器時代のイネについては、遺跡
から出土した土器の籾圧痕や炭化米の考古学的調査によると、台湾南西部ではジャポニカ
種が中心で、北部や中部では晩期ごろからインディカ種も見られることがわかった。そし
て、17 世紀にオランダ商隊や漢族の移民により、中国南方から多種類のインディカ種が伝
来した。それから、日本統治時代に、日本からジャポニカ種粳米を導入して、台湾の気候
に合うように品種改良や栽培方法の開発を行い、1920 年代に開発された品種が、その後「蓬
莱米」と命名されたことがわかった。また、インディカ種在来粳米は台湾人の主食だった
ため、日本統治時代にも継続して生産され、蓬莱米は主に日本へ輸出されたことがわかっ
た。最後に、現在の米は、日本から導入された当時そのままの品種ではなく、大多数が台
湾の農業従事者が品種改良したものであることが分かった。
第 2 章では、米の分類を紹介した。まず、インディカ種とジャポニカ種の違いを中心に
述べた。そして、ジャポニカ種とインディカ種それぞれに粳米と糯米の区別があることが
わかった。それから、粳米と糯米の違いについて述べた。でんぷんの構成から見ると、粳
米は、硬さを作るアミロースを少し含んでいるが、糯米は粘りを作るアミロペクチンが
100%であり、外観から見ると、粳米は半透明でガラス状、糯米は乳白色で丸みがあること
がわかった。最後に、台湾における米の分類と名称について総合的に整理した。
第 3 章では、台湾の米の代表的な銘柄の主要産地や特徴を見た。消費者の人気が高いの
は「台粳 9 号」が 1 位、
「台農 71 号」が 2 位、
「高雄 139 号」が 3 位であることがわかった。
また、
「台南 11 号」が国内で最大栽培面積を占めており、市販の米として最もポピュラー
だということがわかった。
第 4 章では、以前の農法と現在の農法について、栽培から収穫さらには精米まで、比較
して述べた。以前の手作業に比べて、機械などの導入で手間や人手や時間を節約できるよ
うになった。また、精米作業における糠取りは、機械を使って以前より細かい作業ができ
るようになり、米の選別も機械の導入で以前より白米を厳選することができるようになっ
た。
第 5 章では、台湾の代表的な米料理について見た。米を原料にして、固体状のもの、半
固体状のもの、液体状のもの、麺のようなものなど、いろいろな形にして料理にしている
ことがわかった。また、一般的に夜市で売られていていつでも日常的に食べられる料理も
あるし、特別な日(男児の誕生祝いや新年の祝い)に作る料理もあることがわかった。
最後に、このレポートが日本人や日本語を使う人が台湾の米について理解する一助とな
れば幸いである。
29
参考文献
書籍(中国語)
(著作年順)
●張宏宇等(2009)
『福爾摩莎語言文化詞典-傳統飲食篇』文鶴出版有限公司
論文(日本語)
(著作年順)
●横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化センター(2002)
『埋文よこはま 5』
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/cms_files_maibun/pr_brochure/MAIY_05S.pdf
●山田敦(2003)
「日本植民地時代台湾の米穀生産と流通―インディカ系在来米を中心と
して―」
http://www.koryu.or.jp/08_03_03_01_middle.nsf/2c11a7a88aa171b449256798000a5805/7bbe96f2d
ab2f3a849256d13000a87d7/$FILE/yamadaatsushi2.pdf
●李作婷(2008)
「台湾先史時代におけるイネ珪酸体の形状解析研究―新石器時代晩期と
鉄器時代の栽培イネについて―」
(2008 年九州史学会発表資料)
http://bull3.nmns.edu.tw/nmnscgi/showfile?0:0:0:::../upload/fulltext/000003791/209000c/@08%A4
E%A6%7B%A5v%26%2323398%3B%26%2320250%3B%26%2312524%3B%26%2312472%3
B%A5%D8.pdf:52:A128%A1%AF%A7%F5%A7%40%B4%40%A1%AD%A5x%26%2328286
%3B%A5%FD%A5v%AE%C9%A5N%26%2312395%3B%26%2312362%3B%26%2312369%3
B%26%2312427%3B%26%2312452%3B%26%2312493%3B%AF%5E%BB%C4%CA%5E%26
%2312398%3B%A7%CE%26%2329366%3B%B8%D1%AAR%AC%E3%A8s%26%238213%3
B%B7s%A5%DB%BE%B9%AE%C9%A5N%26%2326217%3B%B4%C1%26%2312363%3B
%26%2312425%3B%26%2337444%3B%BE%B9%AE%C9%A5N%26%2312434%3B%A4%A
4%A4%DF%26%2312392%3B%26%2312375%3B%26%2312390%3B%26%238213%3B::::
ウェブサイト(日本語)
(サイト名五十音順)
●日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「完全米」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%B1%B3
●日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「古代米」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E7%B1%B3
●日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「除草剤」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%A4%E8%8D%89%E5%89%A4
●日本語版フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
』
「農薬」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E8%96%AC
●『嗜好文化研究会』
「研究会の記録/第 1 回研究会:タイ米/「タイ人のコメ選び」前川
健一」http://www.cdij.org/shikohin/minutes/minutes22_1.html
●全国米穀販売事業共済協同組合『全米販』
「コメ情報/普段食べているお米(うるち米)
ともち米はどこが違いますか?」http://www.zenbeihan.com/data/faq/
●『大学教授対談シリーズ:こだわりアカデミー』
「稲のたどってきた道:佐藤洋一郎」
http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000116_all.html
●『多様性生物希少標本ネットワーク”a specimen room 標本室”』
「展示会レポート:かは
30
く生物多様性シリーズ 2010 第 5 弾」http://hyouhon.jp/html/event30r-1.html
●『農林水産省』
「消費者の部屋/消費者相談/過去の相談事例/平成 18 年 8 月/インデ
ィカ種のもち米というものはありますか」http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0608/02.html
●『ミツハシライス』
「稲の種類」http://www.3284rice.com/chishiki/quest1.html
●『もちや』
「うるち米ともち米の違い」http://www.mottie.co.jp/useful/knowledge/difference/
●中華民国(台湾)外交部『Taiwan Today』
「改良重ね“おいしさ”増す「台湾米」
(上)
」
http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=180686&ctNode=1778&mp=9
●中華民国(台湾)外交部『Taiwan Today』
「改良重ね“おいしさ”増す「台湾米」
(中)
」
http://taiwantoday.tw/fp.asp?xItem=180873&CtNode=1778
ウェブサイト(中国語)
(サイト名画数順)
●『一時的心情..說了..寫了..就好了.. 隨意窩 Xuite 日誌』
「分享體驗~「吃米樂 貼心讚聲」
良質米試吃:新聯豐米廠-奇力米/台梗 16 號」
http://blog.xuite.net/a890152/wretch/147839015-%E5%88%86%E4%BA%AB%E9%AB%94%E9
%A9%97~%E3%80%8C%E5%90%83%E7%B1%B3%E6%A8%82+%E8%B2%BC%E5%BF%
83%E8%AE%9A%E8%81%B2%E3%80%8D%E8%89%AF%E8%B3%AA%E7%B1%B3%E8
%A9%A6%E5%90%83%EF%BC%9A%E6%96%B0%E8%81%AF%E8%B1%90%E7%B1%B3
%E5%BB%A0-%E5%A5%87%E5%8A%9B%E7%B1%B3%2F%E5%8F%B0%E6%A2%9716
%E8%99%9F~%5E0%5E
●『一粒米百粒汗』
「米的一生」http://163.32.83.200/student/C017/b/indexb.htm
●『上下游 NEWS&MARKET』
「春漫爛」http://www.newsmarket.com.tw/blog/30051
●『大紀元』
「彰化縣芬園鄉農民嘗試種稻養鴨吃掉害蟲」
http://www.epochtimes.com/b5/5/3/22/n861101.htm
●『心豐自然田』
「挲草隨筆」http://hfnaturefarm.blogspot.tw/2010/09/blog-post_6257.html
●『主婦聯盟環境保護基金會』
「
「有機之談-農藥你我他」之省思」
http://www.huf.org.tw/essay/content/1588
●『田鱉 埤塘 谷津田』
「田鱉田事 挲草囉」
http://giantwaterbug.blogspot.tw/2013/03/blog-post_7412.html
●中華民國外交部『台灣美食文化網』
「豬血糕」
http://taiwanfoodculture.net/ct.asp?xItem=48071&ctNode=2660&mp=1501
●『池上鄉農畜業輔導推廣網』
「池上米介紹-池上米認證廠商 羅淑貞」
http://atp.cs.gov.tw/store/rf.php?mid=70
●『行政院農業委員會』
「統計與出版品/強化優質台灣米產銷體系成果」
http://www.coa.gov.tw/view.php?catid=11108
●『行政院農業委員會臺中區農業改良場』
「請問何謂在來米、蓬萊米以及糯米?」
http://tdares.coa.gov.tw/view.php?catid=4587
●『行政院農業委員會』
「農耀國際/水稻秧苗培育技術」http://flora.coa.gov.tw/view.php?id=323
●『米屋 RICE HOUSE』
「
《米屋》嚴選黑糯米 600g 12 包」
http://www.rice-house.com/production-detail.asp?pid=739&product_sub_type_id=19
●宜蘭縣政府文化局『走讀宜蘭』
「台梗 8 號」
31
http://mookyilan.ilccb.gov.tw/modules/xcgal/displayimage.php?pid=709
●台視全球資訊網『我的美食 DIY』
「紅龜粿」
http://www.ttv.com.tw/cuisine/Detail2.aspx?rid=1744
●『台灣好食材 Fooding』
「紅糯米」http://www.fooding.com.tw/ingredient-shares.php?sid=100120
●快樂電台購物網『快樂愛台灣』
「台梗 2 號」http://www.happygogo.com.tw/DOC_1601.htm
●『東里家風百年古厝』
「打榖機」
http://folkbandb.smartweb.tw/index.php?module=faq&mn=2&f=content&tid=8564
●『宜蘭民宿 SUNDAY HOME』
「豐收的七月」http://sundayhome.pixnet.net/blog/post/20151572
●『客家委員會 數位臺灣客家庄』
「新瓦屋第一期稻作-禾埕曬穀」
http://archives.hakka.gov.tw/blog/18215405/articleAction.do;jsessionid=538D9DF87B4B82C6F5A
37AE465856E46?method=doViewBlogArticle&articleId=MzI2NjI
●華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」
http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=2
●華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」
http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=3
●華人希望文化事業公司『看雜誌』
「台灣米的經典品種」
http://www.watchinese.com/article/2013/4984?page=4
●『高效能水稻育苗自動化聯盟運作辦公室』
「秧苗箱田間自動化搬運系統」
http://rice-seedling.blogspot.tw/2013/04/blog-post_5887.html
●『高雄市政府民政局』
「活動花絮/高雄市 100 年成年禮活動【稻米飄香 成年禮讚】
」
http://cabu.kcg.gov.tw/Activities/ActivitiesDetail.aspx?menuid=116&ActivitiesID=39#
●『財團法人國語日報社』
「臺灣讀報教育資源網∕讀報每周精選∕使用有機肥健康又環保」
http://www.mdnkids.com.tw/nie/nie_indicate/Unit7/W-970611-15/W-970611-15.htm
●柏瀚國際科技『覓食網』
「台灣的米漿做法」http://www.findfoods.com.tw/?p=305
●宏達裕碾米工廠『望鄉米』
「台梗 9 號」
http://hometownrice.com/wang-xiang-jia-zu/tou-jia-te-bie-tui-jian/
●『痞客邦 PIXNET』
「台灣。遇到米真好‧就是愛米。台灣優質品!!」
http://justnike.pixnet.net/blog/post/48337460-%5B%E6%B4%BB%E5%8B%95%5D-%E5%8F%
B0%E7%81%A3%E3%80%82%E9%81%87%E5%88%B0%E7%B1%B3%E7%9C%9F%E5%A
5%BD%E2%80%A7%E5%B0%B1%E6%98%AF%E6%84%9B%E7%B1%B3%E3%80%82%E
5%8F%B0%E7%81%A3%E5%84%AA
●『痞克邦 PIXNET』
「國人最愛米 台梗 9 號拿第一」
http://akico0505.pixnet.net/blog/post/227215289
●『葉淑蕙的田言祕語(有機、米)隨意窩 Xuite 日誌』
「從有機稻田看台灣稻米產業發展」
http://blog.xuite.net/sunsuivi/blog/38840677-從有機稻田看台灣稻米產業發展
●『愛逛街』
「
《三好米》高雄 145 號 3.4K」http://iguang.tw/yahoo_303056.htm
●行政院農業委員會農糧署『農糧統計資料庫』
「稻米生產/2.07 稻米生產按種類分生產量稻穀(年)
」http://210.69.71.166/Pxweb2007/Dialog/statfile9L.asp
●『暨大公民素養陶塑計畫網』
「水沙連大學城∕大學城拍寫簿∕04/09 施肥日」
http://c3.academic.ncnu.edu.tw/node/1192
32
●『臺中市政府教育局』
「整地播植器具館/播種栽植器具/栽植類/秧標」
http://student.kmes.tc.edu.tw/taiculture/tool/A/02/01/11/A-02-01-11-11.htm
●『臺中市政府教育局』
「整地播植器具館/播種栽植器具/栽植類/輪式正條密植器」
http://student.kmes.tc.edu.tw/taiculture/tool/A/02/01/11/A-02-01-11-12.htm
●行政院農業委員會『稻米館』
「稻米的種類」
http://kmweb.coa.gov.tw/subject/ct.asp?xItem=107400&ctNode=3096&mp=174&kpi=0
●『臺南市後壁區新嘉國民小學』
「碾米一業/碾米設備今與昔-木造碾米機」
http://www.hces.tn.edu.tw/beauty/rice032.htm
●『臺南市後壁區新嘉國民小學』
「碾米一業/碾米設備今與昔-新式碾米機」
http://www.hces.tn.edu.tw/beauty/rice033.htm
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「米血糕」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E8%A1%80%E7%B3%95
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「米苔目」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E7%AF%A9%E7%9B%AE
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「油飯」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B9%E9%A3%AF
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「紅龜粿」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E9%BE%9C%E7%B2%BF
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「扇車」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%89%87%E8%BB%8A
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「碗粿」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%97%E7%B2%BF
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「稻」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%BB
●中文版自由的百科全書『維基百科(Wikipedia)
』
「糯米腸」
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%AF%E7%B1%B%E8%85%B8
●行政院農業委員會農糧署-南區分署『嘉義縣義竹鄉-五王台南十一號米』
「台南 11 號」
http://www.tnfd.gov.tw/index.php?act=article&code=print&ids=4862
●『蘋果日報』
「蘋果即時新聞「劉志偉:有機不一定安全」
http://www.appledaily.com.tw/realtimenews/article/new/20140912/468145/
●『歡迎光臨豐年社』
「雜誌園地/豐年半月刊/文章推薦/「水田中耕除草機」除草有一套」
http://www.harvest.org.tw/Articles/ArticleContent/88512?page=1&actionname=Magazine_Articles
Recommend&unit=193
●『觀樹教育基金會 學校是從一棵樹下開始的。—Louis Kahn』
「食在很重要/台灣及世界
各國的農藥使用量」http://www.kskk.org.tw/food/node/65
●『Doggy Willie 創造您的感動連結』
「
「南下日記」產品的故鄉」
http://doggywillie.pixnet.net/blog/post/24326963
●『flickr』
「Arte Lee/珍藏集/稻田紀錄 Paddy Field records ,Taiwan」
https://www.flickr.com/photos/31285482@N08/3609594354/in/set-72157618937880110
●紅谷資訊『ipeen 愛評網』
「益全香米」http://nana960701.pixnet.net/blog/post/56038117
33
●『PC home』
「台中秈十號 300 克包裝」http://www.pcstore.com.tw/yeyangrice/M17795477.htm
●『2003 台灣學校網界博覽會--台東縣馬蘭國民小學--池上米』
「稻穀碾成白米/舊式稻穀碾
製流程」http://library.taiwanschoolnet.org/cyberfair2003/C0334950068/makerice/a3.htm
34
Fly UP