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― 337 ― 【技術分類】4-2-1 調製処理機能を備えた包装容器

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― 337 ― 【技術分類】4-2-1 調製処理機能を備えた包装容器
【技術分類】4-2-1
調製処理機能を備えた包装容器、その他/通気・排気・ガス関連包装技法
/通気性包装容器
【技術名称】4-2-1-1
不織布を用いた高通気性包装容器
【技術内容】
布は繊維を糸にし縦糸と横糸にして織ったり編んだりしたものであるが、不織布は繊維そのものを
ふんわりと重ね(ウェブの形成)、それを熱や接着剤を用いたり、繊維同士を絡ませてシート状にした
もので、文字通り織らずに作った布である。繊維はどんなものでも使え、またいろんな作り方(工程)
によって、緻密なものから空隙の多いもの、柔らかいものから硬いもの、厚いものから薄いものまで
自在に作れる。また、織布に比べ、生産速度も数十倍から数百倍であり、労働力、設備コストの負担
も少なく、生産性が非常に高い。
紙も織らずに繊維(パルプ)を水の中で漉いて作るので、湿式不織布の作り方に似ているが、紙の
場合には繊維の長さが 1~5mm に対し、乾式法の不織布では 25~250mm、スパンボンド法ではエン
ドレスの長さの繊維を使っている。不織布の原材料は、プラスチックフィルムと同じポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどの樹脂を使うが、不織布はフィルムと異なり、通気性
があり、布・紙・フィルムの用途の多くをカバーすることができる。通気性(ポーラス)が基本的な
機能であるが、様々な方法で様々な機能を付加することができる発展性の大きな多用途素材で、吸水
性、撥水性、耐洗濯性、抗菌性、防臭、電気特性など、用途に応じて様々な機能を持たせている。
【図】
写真 1 レーヨンの不織布による吸水紙
写真3
ナイロンの不織布
出典(写真 1)
:株式会社アサクラ
写真2
写真4
スパンボンド法による不織布
木綿(コットン)による不織布
ホームページ、不織布製品一覧、食品包装関連
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ドリップシー
ト、トレーマット(左の写真)、検索日:2006 年 12 月 18 日、
http://www.asakura-inc.co.jp/dorixtupusi-to.htm
出典(写真2)
:株式会社アサクラ
ホームページ、不織布繊維の不思議発見!、2
U社・スパン
ボンド(拡大図)、検索日:2006 年 12 月 18 日、http://www.asakura-inc.co.jp/fusigi2.htm
出典(写真3)
:株式会社アサクラ
ホームページ、不織布繊維の不思議発見!、4
U社・ナイロ
ン不織布(拡大図)、検索日:2006 年 12 月 18 日、http://www.asakura-inc.co.jp/fusigi2.htm
出典(写真4)
:株式会社アサクラ
ホームページ、不織布繊維の不思議発見!、1
A社・コット
ン生まれの不織布(拡大図)、検索日:2006 年 12 月 18 日、
http://www.asakura-inc.co.jp/fusigi2.htm
【出典】
株式会社アサクラ
ホームページ、検索日:2006 年 12 月 18 日、
http://www.asakura-inc.co.jp/index.htm
【参考資料】
「不織布」
、包装技術便覧、1995 年 7 月 1 日、赤川直亮著、社団法人日本包装技術協会編、社団法人
日本包装技術協会発行、354-356 頁
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【技術分類】4-2-1
調製処理機能を備えた包装容器、その他/通気・排気・ガス関連包装技法
/通気性包装容器
【技術名称】4-2-1-2
ピンホールフィルムによるガス透過制御包装容器
【技術内容】
包装の機能には保護性や便利性、快適性などがあり、保護機能が最も重要なものといえる。これは、
食品の輸送・保存中に温湿度、酸素、光線、振動・衝撃などの環境条件によって促進される食品成分
の酸化・変色、吸湿・乾燥、破損などから食品を守ることにある。食品を包装容器により密封包装し、
環境中の酸素や水蒸気が包装内に浸入することを遮断することによりこれらの品質劣化を抑制するこ
とができる。そのために開発されてきたのが酸素バリアー性の包装材料であり、防湿包装容器である。
しかし、すべての食品がこのような包装形態での品質保持ができるわけではなく、密封包装すること
ができない食品もあり、そのためにピンホールフィルムによるガス透過制御包装容器が開発された。
密封できない理由、そのための包装容器について具体例を挙げてみると、
1.輸送・保存中に包装内でガスが発生する
キムチ、漬物、味噌などの発酵食品では、流通中でも微生物による発酵・熟成が続いているため、
食品中から発酵ガスが発生する。そのためガス抜きの通気孔が必要であり、ポーラス加工したトップ
シール蓋材などが開発されている。
2.輸送・保存中に包装内のガス組成が変化する
青果物は収穫後も呼吸を続けているため、ガスバリアー性の高いフィルムで密封してしまうと包装
内が低酸素、高二酸化炭素濃度となり、異臭が発生してトラブルとなってしまう。また、水蒸気透過
性が低いと包装内で蒸れてしまう。そこで野菜や青果用に通気性のある有孔フィルムが開発されてい
る(図1)。
3.包装容器を積み上げる際に圧力がかかる
精米を密封包装すると、充填時に空気が抜けにくく、積み上げた時に袋がふくれてしまい取り扱い
がうまくいかないという問題点がある。そこでやむを得ず小さな孔(1.5~2.5mmφ)をあけている
場合が多い。しかしこの場合、濡れると水が入ったり、湿気や埃が入りやすいといった問題もあり、
最近ではシール部にトンネルを設けて自然脱気できる袋も開発されている(図2)。
【図】
図1
野菜・青果用の通気性有孔フィルム
出典:株式会社ベルグリーンワイズ
ホームページ、商品カタログ、新鮮パック(FG25#無地規格
品)、野菜快適袋 11 号[6418]、検索日:2007 年 1 月 15 日、
http://www.bellegreenwise.co.jp/02fgp/detail_76.html
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図2
精米の自然脱気包装
出典:「包装…?
知ってなっ得」、2002 年 9 月、社団法人日本包装技術協会編、社団法人日本包
装技術協会発行、83 頁
●袋の形態
【出典】
株式会社ベルグリーンワイズ
ホームページ、商品カタログ、新鮮パック(FG25#無地規格品)、検
索日:2007 年 1 月 15 日、http://www.bellegreenwise.co.jp/01fg/cat_1_1.html
知ってなっ得」、2002 年 9 月、社団法人日本包装技術協会編、社団法人日本包装技術協
「包装…?
会発行、82-83 頁
【参考資料】
新潟大学工学部ホームページ、工学部マルチメディア教室
教材資料集
においと脱臭剤のはなし、
においのもとはタンパク質、検索日:2006 年 12 月 18 日、
http://irws.eng.niigata-u.ac.jp/~chem/itou/ice/ice_s6.html
「包装…?
知ってなっ得」、2002 年 9 月、社団法人日本包装技術協会編、社団法人日本包装技術協
会発行、82-83 頁
有限会社ポーラステクノ
ホームページ、加工例、検索日:2006 年 12 月 18 日、
http://www.poroustechno.com/sub4.html#
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【技術分類】4-2-1
調製処理機能を備えた包装容器、その他/通気・排気・ガス関連包装技法
/通気性包装容器
【技術名称】4-2-1-3
排気弁付き包装容器
【技術内容】
二酸化炭素等のガスを発生する食品について、密封包装により内容食品の品質保持を図りながら、
包装容器が膨張したり破袋することを防ぐために、排気弁の付いた包装資材が開発され、古くから焙
煎コーヒーなどで用いられている(図1)。最近では、酵母の生育を抑えない無添加の味噌で発生する
二酸化炭素を外部に放出するため、コーヒー袋用に開発された排気弁が味噌用容器に用いられている
(図2)。
なお、焙煎コーヒー用の包装資材の材料構成は、PET(12)・印/Al(9)/ONY(15)/LLDPE(60)、
OPP(20)/・印/VM-PET(12)/PE(15)/LLDPE(50)などが用いられている。
また、穀類・豆類の輸送用の包装には、これまで紙袋や布袋のように丈夫で通気性のある包材が用
いられてきたが、これらの包材は容易に積重ねができるという特長を持っている。近年、精米の包装
にプラスチック重袋が用いられるようになり、密封されると積重ねが難しくなるという問題が発生し、
これを解決するために袋に穴を開ける方法が一般に行われていた。しかし、精米などの品質保持のた
めにガスバリアー性の包材で密封包装やガス置換包装などが行われるようになると、積重ねの問題が
再び起こるようになり、外圧がかかると自然に袋の中の空気が抜け、空気の逆流は防止するという簡
便な方法が開発されている。
なお、米の包装資材の材料構成は、PE(25)・印/LLDPE(60)、LLDPE(40)・印/LLDPE(50)、
ONY(15)/LLDPE(50)、PET(12)・印/ONY(15)/LLDPE(60)、印・紙・PE(30)/LLDPE(55)など
である。また、密封包装、ガス置換包装では、MXD6ONY(15)・印/LLDPE(80)、OPP(20)・印/
VM-ONY(15)/LLDPE(70)などが用いられる。
【図】
図1
焙煎コーヒーの包装形態とガス抜きバルブ
出典:UCC 上島珈琲株式会社ホームページ、UCC 香り炒り豆
製品ラインナップ、フレッシュバ
ルブで新鮮、長持ち、検索日:2006 年 12 月 13 日、http://www.ucc.co.jp/kaori/seihin/index.html
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図2
生味噌の包装容器に用いられているガス抜き用排気弁
ガス抜き弁の構造(図2のA部分)
出典:「包装…?
知ってなっ得」、2002 年 9 月、社団法人日本包装技術協会編、社団法人日本包
装技術協会発行、(上)12 頁
無添加味噌
材料構成・構造、
(下)13 頁
図A
ガス抜き
弁の構造
【出典】
UCC 上島珈琲株式会社ホームページ、香り炒り豆
製品ラインナップ、検索日:2006 年 12 月 13
日、http://www.ucc.co.jp/kaori/seihin/index.html
「包装…?
知ってなっ得」、2002 年 9 月、社団法人日本包装技術協会編、社団法人日本包装技術協
会発行、12-13 頁
【参考資料】
「2006PPS データベース
用途別包材構成例」
、2006 年 3 月 31 日、株式会社東洋紡パッケージング・
プラン・サービス発行、224-227 頁(コーヒー)、97-100 頁(米)
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