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一歩先を行く品質 - SolarWorld
REAL VALUE 一歩先を行く品質 品質 www.solarworld.jp はじめに | 3 Value you can count on ̶ お客さまにとって真に価値ある製品を。 日々発展しつづける太陽光発電技術は、世界中で再生可能エネルギーの頂点の一角を担う存在となりました。よりクリーンで 安全、そして公平性の高いエネルギーを求める動きは、今後もとどまることはないでしょう。 ひとことで太陽光発電と言ってもどれも同じでありません。技術開発に見切りをつけ現状維持で満足している企業が多い中、 私たち SolarWorld が常に国際基準を上回る独自の品質基準をさらに強化して、次世代に向けた最新技術の開発に日々取り 組んでいます。私たちが 40 年以上にわたり培ってきた幅広い専門知識と熟練技術は、 すべての製造工程で活かされています。 私たちが提供する製品は、実際の使用環境で 25 年以上耐える品質を誇ります。この絶対の信頼性こそが SolarWorld の求 める真の品質であり、世界中の拠点で全従業員が一丸となって製造に取り組んでいます。“Quality made by SolarWorld” ─ 世界中のお客さまに、最高の品質を。 安心して末長くお使いいただける製品を目指して ─ お客さまにとって真に価値ある製品をお届けします。 SolarWorld AG 最高経営責任者 Dr.-Ing. E. h. Frank Asbeck 業 界トップの 性 能 材料を厳選し高効率 PERC セル技術を採用。 同クラスのモジュールと比べて発電量がさらに上昇しました。 徹底した品質管理と最新技術から生まれた製品をお届けします。 新世代モジュールはすべて「長く使えるものに真の価値がある」を 基本理念に開発されています。 性能 業 の プ ッ ト 界 発 電 量 25 年 高品質・高性能の製品からは安定して高い発電量が期待できます。 SolarWorld の新型モジュール Bisun では発電量がさらに上昇しました。 25 年以上にわたり確実にエネルギーを供給し、製品の付加価値を高めます。 実際の使用環境で 25 年以上耐える品質 ─ この絶対の信頼性こそが私たちの求める品質基準 “Made by SolarWorld” です。 国際基準をはるかに上回る性能と品質を誇る SolarWorld モジュール。 安心して末長くお使いいただける製品をお届けします。 業界トップの品質 検査、検査、 また検査 太陽の恩恵を余すことなく 安心して受けられるために 8 | 製造工程における品質 検査、検査、また検査 太陽の恩恵を余すことなく 安心して受けられるために 太陽光モジュールが屋根に設置され、太陽エネルギーからクリーンな電気を作り出すまでには、気が遠くなるほど長く厳しい 工程が待っています。 搬入品検査、製造工程の監視、モジュール試験室での様々な試験。これらは太陽光モジュールに対する私たちの高い要求に 起因するものです。しかし私たちの要求はこれだけに留まらず、常にさらなる信頼性を追求しています。そこで当社では、複 数の第三者試験機関に太陽光モジュールの性能テストを依頼し、認証を受けました。 テュフ・ラインランドの「パワーコントロール」 私 たちが 出来 ないことはお 客 さまにもお 約 束しません。だからこそ SolarWorld は、テュフ・ラインランドの “Power Controlled” 認証を取得した数少ないメーカーであり続けることができるのです。Power Controlled 認証マークは、当社 太陽光モジュールの公称出力が守られ、独立試験機関によって規則的に監査さていることを保証します。私たちの太陽光モ ジュールが常に定格出力通り、もしくはそれを上回る性能を発揮することをお約束します。 テュフ・ラインランドは、SolarWorld が使用しているフラッシャーの光度、スペクトル、均一性を毎年検査し、校正を行います。 太陽光モジュールの性能は、フラッシャーで測定されます。性能が安定した SolarWorld の太陽光モジュールは、消費者や 投資家の皆さまにとって次のことを意味しています。それは、みなさまの投資と利益は保証されているということです。 SolarWorld 製太陽光モジュールの出力測定誤差は 2%で、この結果はテュフ・ラインランドによる検査でも証明することが 可能です。ここまで正確に定格出力を約束できるメーカーは他に存在しません。私たちは、信頼できる太陽光発電システム と確かな投資をお客さまにお約束します。 PV+Test の最優秀製品 最高品質は計測可能です。それは PV 専門誌「pv magazine」の PV+Test でも認められています。多結晶の Sunmodule Plus SW245 poly は、新しく厳格化されたテストにおいて最高成績の「優」評価を獲得した唯一の太陽光モジュールです。 テストでは、耐劣化性、電気的な安全性、加工処理、出力、文書、保証などの各項目について評価されます。当社製太陽光モ ジュールは、電気的な安全性、文書、保証の項目で最高成績を獲得しました。温度サイクル試験、高温多湿試験のカテゴリー では、非常に良い成績を得ました。検査官は特に、製品寿命の決定的な基準となる当社製太陽光モジュールの卓越した完 成度に印象づけられました。 優れた耐候性 テュフ・ラインランド(TÜV Rheinland)とアメリカの試験機関 PV エボリューションラボ(PV Evolution Labs)により、電 位によって誘発された劣化(PID)現象に起因する出力劣化に対して、当社製太陽光モジュールが優れた耐候性を保持して いることが確認されました。このような出力劣化は、太陽光モジュールに高電圧がかかっている場合に発生することがありま す。例えば、多数の太陽光モジュールを直列に接続している屋外設備などで発生します。当社製太陽光モジュールに対して は PID テストを連続で 4 回実施しましたが、このテストにおいても当社製太陽光モジュールの信頼性は揺らぎませんでした。 また、空気中の湿度が高いと PID 現象の影響がさらに高まることがあります。そのため PV エボリューションラボでは、当社 製太陽光モジュールを非常に高い湿度条件下に置きましたが、この厳しい条件下においても当社製太陽光モジュールは問 題なく高性能を発揮しました。 10 | 製造工程における品質 左から: 鋳型に入れられたシリコン | 品質管理 材料選定 太陽光モジュールに使用する全ての材料は、構成材料として長期の使用に耐えうるか、厳格な基準により検査されます。当 社ではガラス、封止材、バックシート、ジャンクションボックスをそれぞれ単独、および他の材料と組合せた場合の状態で検 査し、さらに複数回の負荷をかけるという厳格なテストで評価します。当社は製造メーカーとして実施可能なテストは全て行 います。材料に対する機械試験、電気試験、熱試験、目視点検を徹底することにより、当社の太陽光モジュールには最上級の 材料のみが使用されていることが証明されます。 バックシート 当社 の 太陽光モジュールに使用できるバックシートは 80 種類以上あります が、そのうち私たちの品質要求をクリアしているのは 8 種類のみです。そして 私たちが本当に納得できるものは、その中からさらに絞り込まれた 3 種類の みで、これらだけが実際に当社の太陽光モジュールに採用されます。 太陽光モジュールに使用できるバックシートは SolarWorld の 太陽光 モジュールに使用されるバックシートは、天候 や 紫 80 種類以上ありますが、そのうち私たちの品 外線 の 影響をほとんど受 けません。長年 にわたって環境 の 変化 に耐え、モ 質要求をクリアしているのは 8 種類のみ。残 ジュールを保護しなくてはならないため、バックシートは貼られる側の材質と り 72 種類のバックシートが当社の製品に使用 されることはありません。 の相性が特に良いものを選ばなければなりません。当社はこうした試験によ り、太陽光モジュールの寿命を保証しています。 材料 の開発 当社では、当社サプライヤと協力して多くの材料を開発、最適化しています。特許取得のジャンクションボックス、モジュール 用フレームは当社による独自開発の製品です。 ジャンクションボックス 耐久性と安全性の高い当社のジャンクションボックスには、多くの長所があります。小さく、薄く、放熱しやすい構造になって いるため、常に適温を維持することができます。ジャンクションボックスのモジュール裏面への取り付けや、その後の電極の 溶接工程は、フルオートメーションで行われます。ジャンクションボックス内の電極は一般的にはんだ付けされますが、私た ちは溶接処理を行っています。溶接された電極部は、様々な荷重や熱に対しても抜群の耐久性能と安全性能を発揮します。 ジャンクションボックスが高品質シリコンで充填されることにより、電極部は塩害や錆などの腐食から守られ、湿潤で海に 囲まれた日本のような気候には最適です。ジャンクションボックスはもちろん、使用されるシリコンの品質と同様、厳密に検 査されます。このようにして、すべての検査に合格したジャンクションボックスが取り付けられている安全性の高い太陽光モ ジュールだけが SolarWorld の生産工場から出荷されていきます。 左から: ジャンクションボックス | アルミニウムフレームとコーナーブロック 左から: 安全ガラス | セルの品質検査 材料検査 SolarWorld に搬入される様々なモジュールの構成部品は全て、経験豊かな従業員によって厳密にチェックされ、欠陥の無 い最高品質の材料だけが製造ラインへ送られます。安全ガラスやバックシートなど、太陽光モジュールを風雨から守るため の材料には特に目を光らせて検査を行います。 安全 ガラス 安全ガラスは、歪み、直角度、寸法、端面の処理といった幾何学的特性を中心に注意深く検査され、さらに結晶や気泡、端の 損傷がないか確認されます。材料特性と誤差は、品質保証協定において厳密に定義されており、これに適合する材料のみが 次のステップへと進んでいきます。私たちがこれらの非常に高い品質にこだわるのには理由があります。SolarWorld のモ ジュールは、アルプス地方をはじめ、特に積雪の多い地域でも使用されます。そのため、荷重強度を高めることに重点を置 き、厚めの低鉄ガラスを採用しています。特別な反射防止コーティングにより、変換効率と実発電量の両方が最適化されま す。SolarWorld のモジュールはこうして過酷な条件下でもその力を十二分に発揮できるのです。 ソーラーセル(太陽電池) 当社では全てを自社製造しています。当社製太陽光モジュールには、自社製ウェハ、そして高効率のソーラーセルを使用して います。ソーラーセルの製造プロセスは、太陽光モジュールを構成する各材料に最適化されています。当社では、ソーラーセ ルを次の工程に送る前に外観および電気的基準に従って一枚ずつ厳格に検査します。それにより、色合いが均等で電気特 性が同等なソーラーセルのみが当社製太陽光モジュールに取り付けられることを保証できます。 製造工程における品質 | 13 ナンバリング/シリアル 番号管理―材料 の追跡 モジュール製造工程に入るとすぐにモジュールのガラスにシリアル番号を付与します。この番号はバーコードとしてガラス内 面に印刷され、それぞれのガラスを製造プロセス全体にわたって漏れなく追跡できるようになります。それぞれの太陽光モ ジュールについては、通過した製造工程に関する情報だけでなく、フラッシャー(出力測定)や安全テストの計測値、また品 質評価や物流に関するデータもシリアル番号を利用して記録しています。さらに、それぞれの太陽光モジュールにどの材料 が取り付けられたのか、追跡調査することができます。これらのデータを継続的に記録することにより、太陽光モジュールひ とつひとつが寿命を終えるまでの全ての性能データを証明することができます。 連結―ストリング ソーラーセル同士は「ストリンガー」と呼ばれる機械によって直列につながれていきます。オートメーション化されたこの工 程では、セルの表面側が隣のセルの裏側とストライプ状にはんだ付けされます。2 台のカメラシステムがセルとストリングを 常時監視し、不良がないか検査すると同時にセル間の距離(幅)もチェックします。はんだ付けの品質は、引張試験により検 査されます。 つのセルマトリックスは 4∼6 本のセルストリングで構成されています。全自動マトリックスユニットが、準備さ れた封止材とソーラーガラス上にストリングを配置し、それらを つのユニットとしてつなぎます。全ての生産工程が、機器 と熟練した作業員により監視されます。 左から: モジュールガラスへのシリアル番号付与 | ストリングの製造 確かな品質と性能、 そして保証 お客さまの投資が実を結ぶために 16 | 製造工程における品質 加熱封止―ラミネーター 太陽光モジュールはさまざまな気象条件にさらされます。そのため、ラミネーションは当社の太陽光モジュールの品質を左 右するものであり、長期耐久性と出力性能の基礎となる極めて重要な工程です。ラミネーターは巨大な真空装置で、 ソーラー ガラス、封止材、バックシート、ソーラーセルを高温下でラミネートして耐候性の高いユニットに仕上げます。当社は引張試験 を定期的に行い、各構成部品間で安定したラミネーションが出来ていることを確認します。良質で安定した結合が、ラミネー トされた各構成部品の剥がれを防ぎます。工程管理として、ラミネーター内のセンサーが温度と圧力を自動測定しており、均 質な温度と圧力の分布を確保します。さらに、当社の経験豊かなモジュール専門家がラミネーションの目視検査を行います。 表面、裏面、エッジの状態が完壁な製品のみが次の製造工程へと送られます。 照射―フラッシャー(出力測定) フラッシャーと呼ばれる出力測定装置が、各太陽光モジュールの最大出力を測定します。測定は、日射強度 000W/m²、セ ル 温度 25℃、照射角度 90 度、太陽光スペクトル : AM(エアマス).5 の 標準試験(STC)条件 の 下で実施されます。測 定で記録された I-V 特性曲線は、太陽光モジュールの出力を示し、お客さまにとって非常に重要なデータとなります。フラッ シャーでは、太陽光モジュールの電気的な安全性も検査されます。測定終了後、太陽光モジュールは出力別に分類されます。 SolarWorld は定格出力、もしくはそれを越える出力性能をもつモジュールのみを出荷します。私たちはこれを「プラス分類」 とよび、お客さまに最大限のシステム効率を保証します。 SolarWorld は、フラッシャーの測定精度を確保するための様々な努力をおこなっています。各太陽光モジュールの定格出 力はここで決定されるので、測定精度の正確さは性能試験の要です。当社はプロセス管理の一環として、テュフ・ラインラン ドの基準モジュールを使用し、フラッシャーを定期的に検査、校正しています。第三者機関であるテュフ・ラインランドは、自 らが実施する Power Controlled 認証検査の際、太陽光シミュレーターの校正を毎年行い、均一性、光スペクトル、光度を 測定します。さらに、SolarWorld AG とテュフ・ラインランドは、それぞれが毎月、製造された太陽光モジュールのランダム サンプリング調査を実施し、モジュールの性能と品質を検査しています。これ以上に優れた測定法はありません。私たちは当 社製太陽光モジュールの卓越した品質を自負しており、お客さまに自信をもって 25 年間のリニア出力保証と 0 年間の製品 保証を約束しています。また、Sunmodule Protect シリーズでは 30 年間のリニア出力保証、0 年間の製品保証を提供し ています。 左から: ラミネーター | フラッシャー 左から: ソーラーセル製造工程での検色 | モジュール製造工程でのレイアップ検査 徹底した検査―EL 測定 全ての太陽光モジュールには、その製造工程中に少なくとも二度の徹底した検査が実施されます。最初の工程では、セル マトリックス内にセルの破損や欠陥がないか、ラミネーション前に検査が行われます。私たちは製造プロセスの最終段階で も一切妥協をせず、徹底した品質検査を行います。全ての太陽光モジュールに EL 測定を行い、全てが良好と判断されたモ ジュールのみが最後の目視点検へと送られます。全ての機能検査をクリアした製品のなかから、さらに経験豊かな当社技術 者による最終目視点検で合格したモジュールのみが出荷を許可されます。 フルオートメーション―当社の製造設備 当社製品の品質は、フルオートメーション化された生産ライン、製造工程と材料フローの徹底した監視、定期的な電気測定 と光学測定の実施、そして中間製品の検査により保証されています。生産ラインは独自の仕様と品質基準に従って設計され ています。ソーラーセルはフルオートメーション加工され、手作業する必要はありません。モジュールガラス、封止材、バック シートの積層もフルオートメーションで行われます。ジャンクションボックスは、太陽光モジュール裏面へ取付ける前に再度、 その機能を検査します。モジュールフレームの取り付け、接合材シリコンの注入もフルオートメーションで行われます。 18 | 製造工程における品質 性能を証明 それぞれの太陽光モジュールの出力は「フラッシャー」と呼ばれるパルス光シミュレーターを使用して測定されます。試験は 日射強度 .0 kW/m²、セル温度 25℃、照射角度 90 度、太陽光スペクトル : AM(エアマス).5 の標準試験(STC)条件の 下で実施されます。 太陽光モジュールの性能は、I-V 特性曲線に記録されます。太陽光モジュールの電気的な安全性もフラッシャーを使って検 査・確認されます。試験後、太陽光モジュールは性能別に分類されます。SolarWorld は定格電力、もしくはそれを越える性 能をもつモジュールのみを出荷します。私たちはこれを「プラス分類」とよび、お客さまに最大限のシステム効率を保証しま す。SolarWorld は、シミュレーターの精度を確保するための様々な努力をおこなっています。各太陽光モジュールの定格出 力はここで決定されるので、精度は性能試験の要です。当社はプロセス管理の一環としてフラッシャーを定期的に検査・校 正しています。検査にはテュフ・ラインランドの基準モジュールを使用します。また、SolarWorld のフラッシャーはテュフ・ ラインランド(TÜV Rheinland。ドイツの製品安全認証機関)の “Power Controlled” 認証プログラムにおいて毎年その精 度が検査されます。 さらに、SolarWorld AG とテュフ・ラインランドは、太陽光モジュール製品の標本調査を双方のモジュール試験ラボにおい て毎月行い、その性能・品質検査を実施しています。品質の高さが製品保証に反映されています。当社では Sunmodule シ リーズに対して 25 年間のリニア出力保証、両面ガラスモジュールの Sunmodule Protect では 30 年間のリニア出力保証 をお客さまに提供しています。そして両方の太陽光モジュールに 0 年間の製品保証を約束しています。 リニア出力保証 * SolarWorld のリニア出力保証: Sunmodule Protect SolarWorld のリニア出力保証 *: Sunmodule Plus SUNMODULE PROT ECT 30 年間出力保証 の 一般的な段階的保証システム 一年間のリニア出 保証付きモジュール性能 力低下はわずか 0.35% モジュール出力の 保証: 21 年後において 90 % 30 年後において 86 .85% 保証による付加価値 97% 90% 86.85% 80% 年数 0% 1 5 10 15 20 25 * 購入時に有効な SolarWorld サービス保証書に従うものとします。 www.solarworld.de/service-certificate 30 左から: ウェハ測定 | ストリング製造 経年劣化試験 太陽光モジュールは、設置された後一体どのように一生を過ごすのでしょうか? 年月の経過とともに性能はどう変化していく のでしょうか? これらの疑問にお答えするために、SolarWorld では専門家が長期試験を実施しています。ここで得られた結 果を製品開発に活かし、太陽光モジュールの耐久性、安全性、発電効率を絶えず改善しています。 人工気象室 における長期試験では、太陽光モジュールの 全ライフサイクルがシミュレートされます。国際電気標準会議 (IEC)は太陽光モジュールの国際的な規格・基準を定めており、人工気象室による様々な試験を指定しています。 国際規格適合試験 SolarWorld では、国際規格 IEC 基準で要求されている試験よ さらに次 のサイクルでは、偶発的な故障 あるいは 材料 の 磨耗 りも数多くの 試験を実施しています。これらの 試験によって当 による老朽化から生じうる故障をシミュレートします。これらの 社製品の性質に関する貴重な情報を収集し、製品の改善に取 試験の結果を元に、製品の耐久年数を延ばし、性質を最適化し、 り組んでいます。試験サイクルの初期段階では設計ミス、製造 不良率を下 げることができます。IEC 試験には、工場から定期 ミス、材料 の 欠陥などから生じる初期不良を検知します。これ 的に無作為で選び出されたサンプルを使用します。この太陽光 らの 試験 はすでに製品開発段階中、つまり製品 の 市場 への 導 モジュールはそれぞれの試験サイクルの後点検され、その性能 入以前に実施されます。 がテストされます。 徹底した試験は 私たちの仕事 お客さまには一切手間をおかけしません 22 | モジュール試験ラボ 徹底的な試験は私たちの 仕事 お客さまの手間を省きます 太陽光モジュールはかなり丈夫でなければはなりません。強い陽射し、凍てつく寒さ、嵐や大雪など、きわめて厳しい気象条 件に長年にわたり晒されるからです。そして、これらすべてに耐えうる性能こそ、私たちが求めている性能なのです。材料と 太陽光モジュールの性能を限界まで引き出すことで、お客さまに最大限の発電効率をお約束できるのです。 当社の中央研究・開発試験機関はドイツのザクセン州フライベルクにあります。ここでは全ての必要な試験・検査を実施して います。この実験室は、ドイツ電気技術者協会(VDE)によって、産業研究所としてドイツで初めて DIN EN ISO/IEC 7025 の認証を受けました。そのため実験室の品質管理、および試験方法は、国際的な独立試験機関や校正機関が設ける厳しい 規格に準拠しています。アメリカ・オレゴン州ヒルズボロにある SolarWorld の品質試験ラボでは、多くの試験が実施され ています。また、ドイツ・フライベルクの研究開発機関との密接な共同作業も行われています。 SolarWorld の技術者たちは、材料、試作品、太陽光モジュールを徹底的にテストします。性能を決定するための試験、人 工気象室試験、電気的・機械的試験、及び UV テストはヨーロッパとアメリカの基準に基づいて行われます。ただ、私たち の要求はこれだけではまだ満たされません。太陽光モジュールは、一部を独自で開発した革新的な試験設備によって、国際 規格よりもさらに厳しく徹底的にテストされます。太陽光モジュールは、この試験ラボにおいてさらなる試験工程へと送られ、 場合により標準試験が 3∼6 回繰り返し行われます。全ての SolarWorld の太陽光モジュールは、 自ら設定した厳格な性能・ 安全標準を例外無く満たしていなくてはなりません。この徹底した質の追求により SolarWorld 製品の高品質が維持され、 世界中のお客さまに満足していただける製品をお届けできるのです。 私たちが求める品質やテスト内容の基準になるものは常に、太陽光モジュールが実際に使用されている屋外の現実の気象 条件です。SolarWorld のモジュール試験ラボでは、外の環境と極力同じ条件で試験を行うことを目指しています。 左から: モジュール試験ラボ | 紫外線による耐劣化テスト | 偏荷重試験 左から: 人工気象室 | 温度衝撃試験 人工気象室での試験 温度 サイクル 試験 や 凍結試験・高温多湿(ダンプヒート) 試験を実施し、様々な気象条件下における太陽光モジュー ルの 耐性を調べます。私たちは IEC 規格よりもはるかに厳 しくこれらの 試験を実施します。例えば 温度 サイクル 試験 温度サイクル試験 IEC 規格: ‒40∼+85℃(200 サイクル) SolarWorld 温度サイクル試験: ‒40∼+85℃(600 サイクル) SolarWorld 温度衝撃試験: ‒40∼+85℃(925 サイクル) ひとつをとっても、IEC 規定が 200 昼夜 のサイクルを指定 しているのに対し、私たちは 標準で 600 昼夜 のシミュレー ションを 行 います。新しいモジュールタイプの 開発 では、 925 SolarWorld 標準 のサイクルの 回数を 000 昼夜、または それ以上まで拡大して試験を行います。 私たちはサイクル試験の加速率を大幅に上げた装置を開発 し、25 年分 の負荷をシミュレーションした温度衝撃試験を 行います。はじめに、太陽光モジュールを少なくとも 30 分 ブンへ 0 秒以内に移し、30 分間高温に晒します。太陽光 モジュールの老化を短期間で促進させるために、この工程 を 925 回繰り返します。 私たちの 太陽光モジュールが 極度 の 気象条件 にも耐えう SolarWorld は、25 年間のリニア出力保証をお約束できる のです。 サイクル ることがこの 試験 によって証明されています。それにより 200 600 年×365日=9125日/昼夜サイクル 25 間、マイナス 40℃の低温に晒した後、85℃に予熱したオー 24 | モジュール試験ラボ 左から: EL 測定 | サーモグラフィー測定 ホットスポットテスト さらに、長期的に太陽光モジュールにダメージを与える「ホットスポット」をサーモグラフィーカメラで調べます。ホットスポッ トは、セルの一部が木や煙突などの陰になると、そこが電気抵抗となって発熱することで発生します。私たちはこれらの検査 によって、お客さまに高品質の SolarWorld 製品をお約束します。 セルや太陽光モジュールには、時として経験を積んだ専門家の目でも発見することのできない微細な割れ(マイクロクラッ ク)や接触不良といった不具合が発生します。 EL 測定では、太陽光モジュールに電気を流し、発光ダイオードとして操作し、その光をカメラで撮影します。不具合のある箇 所は他の場所よりも発光が弱く、暗く見えます。これにサーモグラフィーを加え、画像による診断を強化します。SolarWorld の技術者は、サーモグラフィーカメラがとらえる熱分布画像から、セル、電極、ジャンクションボックスにおける直列抵抗、高 温部分、導電損失箇所などを見分けることが出来ます。 電気試験 電気的な安全性は、太陽光モジュールの性能を示す重要な要素です。私たちは太陽光モジュールの絶縁性に問題がないか、 電気試験を行い確認します。この試験は太陽光モジュールが乾燥した状態と濡れた状態の両方の条件のもとで実施されま す。私たちは、機械的荷重試験の後と、さまざまな気温変化によるシミュレーションの後に太陽光モジュールの検査を行い ます。 機械的荷重試験 高所や厳冬においては、強い風圧、上昇気流や積雪によって太陽光モジュールに大きな負荷がかかります。太陽光モジュー ルはこのような極度の気象条件にも耐えられなければなりません。加圧吸引の繰返しによる機械的荷重試験を行うことで、 太陽光モジュールの耐久性を保証しています。 左から: 部分放電試験 | 絶縁耐圧試験 26 | モジュール試験ラボ 紫外線経年劣化試験 紫外線経年劣化試験 紫外線経年劣化試験 太陽光モジュールは、屋外に設置されるため長年にわたり強 IEC 規格 い紫外線に晒されます。したがって、太陽光モジュールは基 中央ヨーロッパにおける平均年間紫外線量 SolarWorld の標準試験(ヨーロッパ想定) 本的に耐紫外線性でなくてはなりません。耐紫外線性テスト SolarWorld の標準試験(砂漠地帯想定) を行うために、私たちは独自の試験を開発しました。 3000 試 験 は 気 温 60 ℃、測 定 波 長 領 域 280∼400nm において 行 い、25 年間分 の 紫外線量をシミュレートします。これは 300kWh/m² に相当します。これに比べて IEC テスト規格 で定められている紫外線総量はわずか 5kWh/m² です。し かし、一年間 の 紫外線量 は中央 ヨーロッパだけで 50kWh/ m² に達します。 1300 SolarWorld の太陽光モジュールは過酷な紫外線経年劣化試 験を難なくクリアし、使用されている材料の耐久性と品質が証 明されています。その高い耐紫外線性により、SolarWorld の 太陽光モジュールはヨーロッパだけでなく紫外線量が特に多 合、最大 3000kWh/m² までの試験を行います。 kWh/㎡ い国々でも使用することができます。砂漠地帯を想定した場 15 50 傾斜偏荷重試験 太陽光モジュールは通常、屋根の上に水平にではなく、傾斜に合わせて斜めに設置されます。そのため、雪や氷は下へ滑り、 モジュール下方のフレームに負担がかかります。 通常の機械的荷重試験では、水平に置かれた太陽光モジュールに均一の負荷をかけます。より現実的な状況を再現するた めに、SolarWorld のモジュール試験ラボは傾斜偏荷重試験を開発しました。このテストでは、斜めに設置された太陽光モ ジュールに最大 トンの負荷を加えます。圧力はその際、傾斜設計によりフレーム下部に集中します。 このテストにより、私たちの太陽光モジュールの安全ガラスやフレームが、偏荷重に対し全く影響がないことが証明されてい ます。その高い安定性と強力な接合によって、屋根に積もる大雪にも難なく耐えることができます。 傾斜偏荷重試験 半球ライティングテスト 半球ライティングテスト より実環境に近い条件下で太陽光モジュールのテストを行うために、モジュール試験ラボの研究員は半球ライティングテス ト装置を開発しました。 このライティングテストでは、太陽の動きを水平・垂直軸を利用して再現します。さらに温度、風、太陽光の入射角度、光ス ペクトル、直接光、散乱光など様々な環境条件を再現することができます。光学式の測定装置、光束計を用い、再現する光の 条件を正確に定義し、太陽光モジュールの性能を測定します。 ライティングテストから得られたデータを分析し、光や温度が変化しても、太陽光モジュールが求められている性能を発揮し ていることを確認します。 モジュール試験ラボ | 29 フィールドテスト 自然界の多様な気象条件に対する耐性を調べるために、私たちは人工気象室内だけでなく、もちろん屋外でも試験を行って います。さまざま気候帯に太陽光モジュールを設置し、現地の気象条件下での性能を調べています。観察期間を変えながら 太陽光モジュールの性能や密着性を検査し、そこから得られる劣化に関する知識をそのまま今後の太陽光モジュールの改 良に役立てます。 モジュール強度試験と雹耐性試験 屋根などに設置される太陽光モジュールは当然、空から落ちてくる雹(ひょう)のような重く、硬い物体にも耐えられなくては なりません。そのために私たちは太陽光モジュールを徹底的に「打ちのめし」その安全性を確認しています。 雹耐性試験では、直径 5 ミリ、重さ 535 グラムの鉄球を最高 4 メートルの高さから太陽光モジュールの上に落下させ、雹 による実際の落下衝撃を再現します。落下地点には少なくとも の異なる地点を選び、同じ地点に最多で 20 回鉄球を落 下させます。IEC 規定で指定されている鉄球の重さはわずか 7.53 グラムです。 私たちはまた、太陽光モジュールに対する機械的衝撃負荷も再現します。私たちはまた、太陽光モジュールに対する衝撃負 荷も再現します。この試験では垂直に立てられた太陽光モジュールの中央に、鉛をつめた 45kg の袋を ∼3 回最長で 22 センチの距離から振り子状にぶつけます。これでガラスが割れないか、もしくはひび割れ状態が基準範囲内であれば試験に 合格したとみなします。 左から: 雹耐性試験 | モジュール強度試験 30 | 認められた品質 お客さまへ信頼性をお届けする、更なる認証の 数々 アンモニア耐性 SolarWorld の太陽光モジュールは、農場でも長期にわたり安心してご使用いただけます。ドイツ農業組合(DLG)、テュフ・ ラインランド、および認証機関 SGS の認証マークがこれを証明しています。DLG の試験室において、アンモニアを含む厩舎 の空気に太陽光モジュールが 20 年間耐えられるかを調べます。その際温度、湿度、アンモニア濃度を農場の環境に合わせ ます。このテストにおいて、私たちのモジュールの耐アンモニア性が非常に優れていることが証明されています。搬入品検査、 製造工程の監視、モジュール試験ラボでの様々な試験。これらは太陽光モジュールに対する私たちの高い要求に起因するも のです。しかし私たちの要求はこれだけでは満たされず、複数の独立試験機関に太陽光モジュールの性能テストを依頼して 認証をさらに追加しました。 塩水噴霧試験 SolarWorld の太陽光モジュールは、塩分の多い環境にも影響を受けません。IEC 670 に基づく塩水噴霧試験に合格し ており、海岸地方での使用にも最適です。 砂漠地帯 での 適合性 当社製太陽光 モジュールの 砂漠地帯 における性能を調 べるにあたって、私たちは 同時 に 2 つの 認証機関 に適合検査を 委託しました。SGS と VDE の 両機関 は、当社 の 太陽光 モジュールが 厳しい 砂嵐 や 強風 に 耐えうることを 認定していま す。そしてこのような過酷な環境条件下においても、太陽光モジュールの機能性や安定性に全く影響はありません。また、 SolarWorld 独自のジャンクションボックスは密閉性に優れ、砂塵侵入を効果的に防ぐことも認められています。 DIN EN 60068-2-68 で規定されている砂塵試験では、サウジアラビアのような砂漠地帯の気象条件を再現します。砂塵 試験では、特別に混合された砂を空気圧で太陽光モジュール全体に吹きつけます。SolarWorld の太陽光モジュールは試 験後の絶縁検査と出力測定に合格し、砂漠地帯での使用にも最適な製品であることを証明しています。 規格およびガイドライン SolarWorld AG は以下の認証を取得しています: ISO 900 に基づく品質マネジメントシステム ISO 400 に基づく環境マネジメントシステム BS OHSAS 800 に基づく労働安全衛生マネジメントシステム SolarWorld Industries Sachsen GmbH、SolarWorld Industries Thüringen GmbH、 SolarWorld Industries America Inc. は以下の認証を取得しています : ISO 5000 に基づくエネルギーマネジメントシステム 当社製品は次の認証を取得しています: IEC 625、IEC 6730-、IEC 6730-2:設計適格性確認および形式認証 UL 703:安全性(アメリカ) ドイツ電気技術者協会(VDE): Sunmodule Plus と架台システム Sunfix plus のコンビネーション EN 350- 耐火性:クラス E 難燃性 IEC 62804ドラフト 203-2: PID 耐性 IEC 670 ed. 2.0:塩水噴霧試験 IEC 6276 ed. .0:アンモニア腐食耐性 当社製品は次の最新の規格およびガイドラインに準拠して作製されています: EN 99 に基づく支持構造物への影響 EN 993 に基づく鉄骨構造物の設計 EN 995 に基づく木造構造物の設計 EN 999 に基づくアルミニウム構造物の設計 32 | 持続可能性 持続可能性―企業活動の 核 環境資源、経済資源、社会資源に対して責任を持って十分な配慮を行うことは、SolarWorld AG 設立当初からの私たちの 基本理念です。 「環境に優しい製品は環境に優しく製造しなければならいない」をモットーに、当社は環境と資源に最大限配 慮し、当社製品が与えるさまざまな影響について、製品の全ライフサイクルとその先をも考慮した生産を行っています。持続 可能で環境にやさしいエネルギー供給へ、当社製品による世界規模でのさらなる貢献をめざし、絶えず製品改善に努めてい ます。当社は Solar2World を主催し、発展途上国におけるクリーンで公平なエネルギー供給の実現にむけ、世界各地で太 陽光発電支援プロジェクトに取り組んでいます。環境、従業員、お客さまに対して責任ある行動をとること―私たちにとっ てこれが Quality made by SolarWorld の品質を守るための前提条件です。 エネルギー 収支 私たちは、太陽光モジュール 製造時 のエネルギー消費量を全 れたエネルギーを作り出したことになるのか計算します。私た 製造工程にわたり継続的に削減しています。定期的にライフサ ちの気候・環境にやさしい製造プロセスは、短時間でのエネル イクル 分析を行い、 枚 の 太陽光モジュールが 実際 にエネル ギーの回収時間を実現し、CO₂ 排出量を削減します。 ギーを作り始めてからどの時点で、自らの製造のために使用さ 東京:.3 年 大阪:.4 年 札幌:.5 年 福岡:.4 年 京都:.5 年 盛岡:.5 年 一歩先を行く品質 私たち SolarWorld は総合的なアプローチで最高品質を追求しています。太陽光モジュールだけでなく、太陽光発電システ ム全体に携わっています。太陽光発電設備への投資も他の投資と変わらず、良い品質に投資することではじめて確実に期待 収益を受け取ることができるのです。 私たちの目標は、SolarWorld の情熱と最高品質の製品によって、お客さまの投資が最大限の実を結ぶことです。 お問い合わせ SolarWorld の品質管理システムや製品に関するお客さまのご意見・ご質問・ご要望を承っております。 お電話、もしくはメールにてお 気軽 に: [email protected] ソーラーワールドジャパン株式会社 〒 00-662 東京都千代田区永田町 2-- 山王パークタワー 3F TEL : +8-3-6205-326 FAX: +8-3-6205-300 www.solarworld.jp テキストの内容や写真は版下作成時のものです。予告なく変更されることがあります。2016年6月作成 電話 03-6205-326