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マネジメントコメンタリー(MC)と管理会計との繋がりにおけるビジネス
マネジメントコメンタリー(MC)と管理会計との繋がりにおけるビジネスモデル 財務会計論 A M1 丸田夏実 Abstract(要旨) MC は財務的位置、財務的業績、財務的記述と関連付けた全体のキャッシュフローを示す 文脈を供給する義務的な解説書ではない。 MC の枠組みにおいて、その財務的記述は MC 部署の“ビジネスの本質“により要求さ れた情報を支持する際、ビジネスモデルの役割に集中している。 さらに、管理的・財務的で非財務的な情報を提供する際、“ビジネスの本質“の情報の質 を高める管理会計の潜在的な役割が発見された。 Key words:ビジネスモデル、管理会計、マネジメントコメンタリー Introduction(導入) MC は IFRS の運用規定(IFRS、2010)において管理活動や会社に課されている全体的 なリスクレベルを評価する際にステークホルダーを支える情報体制として近年提案された。 この書類が示すことには: “MC は財務的位置、財務的業績、全体のキャッシュフローを示す文脈を供給する義務的な 解説書である。それはまた管理に会社の目的や目的を達成するための戦略を説明する機会 を与えるものである。利用者は日常的に MC によって提供されているそのタイプの情報の 目的を達成するための管理の戦略の継続と同様に全体の予想や一般的なリスクを評価する ために利用している”(IFRS,2010:p.5)。 MC は強制的な方式が使用されるような特別な形態やコンテンツを表すものではない。そ れゆえ、MC は会社によってさまざまで、経営の性質、戦略や内容の方針によって違ってく る。このため、個人の管轄下の法や経済の側面を含め、この記事に記されるモデルによっ て経営の状況によって情報を調整する原則を導く。 IASB の計画から引き出された 2 つの基本的な原則(1、会社の業績や位置、進行状況に 関する分析方法を提供すること 2、得られた質的結果の説明や結果に至らしめた出来事に より情報が既に財務会計に載せられていることを指摘し、批判すること)がある。 これらの原則に従うため、MC は先見的な情報を含むべきである。企業の将来の業績で期待 されるものは何かについてのマネジメントの分析を言及している:将来を予言することを 支持するような情報ではなく、管理者が利用したがる目的、戦略やツールを詳細するもの である。 MC の構成要素の分析はこの文献と管理会計が提供する情報との可能な関係に焦点を当 てている。管理情報によってのみ MC が活かされる。この概念は、既にこの文献のカギと なるマネジメントの観点を考慮する特徴として委員によって明確にされてきたが、マネジ メントコメンタリーの要素の定義段階により注目されてきている。IASB は 5 つのカギとな る要素を見出した。それは顕在的・潜在的な投資家の見方や一般に、主にマネジメントコ メンタリーに含まれる情報が直接的にユーザーに影響を与える基本的な要素である。 ・一つめの要素はいわゆるビジネスの本質である。会社の主要な活動や会社が扱う外的環 境の知識に傾倒している。 ・二つめのカギとなる要素は目的と戦略である。会社が採用する戦略や管理者によって設 定された目標達成に成功する可能性を評価するのに必要な情報である。 ・三つめの基本的な要素は資源、リスクそして関係性である。目的は会社にとって利用可 能な資源、短期的であれ長期的であれ、長期的持続的な資源のフローを生み出す会社の能 力や能力の活用範囲が晒されているリスクを評価することである。 ・MC の内容における四つめのカギとなる要素は期待されているものに関して得られた結果 である。このケースにおける目的は、会社がターゲットに達し、確立した戦略に従い、資 源やリスク、関係をマネージすることが出来たかを理解することである。 ・MC について考える最後の五つめの要素は行動と業績指標と結びついている。このことは 目的や事前に確立された戦略に基づく会社を評価しマネージするためにマネジメントに利 用される業績の重要な指標や尺度に焦点を当てている。 五つのカギとなる要素は互いに影響し、補完しあっているが、独立していない。会社の 行う仕事や様々な要素間での相互作用における分析に関するマネジメントの観点はユーザ ーが財務報告書において期待される価値や、マネジメントの目的、目的を達成しようとす る戦略について理解することを支援し得る。 MC のフレームワークにおいて、その論文はビジネスの本質の必要な情報を支えるビジネ スモデルの概念の役割やビジネスの本質の説明能力を拡大する管理的財務的および非財務 的情報を提供する管理会計の潜在性に焦点を当てている。 この目的のために、MC におけるビジネスモデルの概念の重要性は次のようなセクション において概念を批判する人たちによる議論をよんでいる。その後、管理会計の貢献性につ いてフォローし、MC に関する特徴についてのセクションを提供する。最終的に結論のセク ションでこの論文を締めくくる。 1、MC によるビジネスモデルという概念の重要性 ICAEW から発行された最近の報告書によると、ビジネスモデルの主張は常に異なった企 業が同じ資産についてルールが会社のビジネスモデルによるような異なったやり方で説明 しているので、財務報告の基準において常に曖昧である。例えば、IAS39 のもとでは、同 じ資産でも売買目的か非売買目的か、リスクヘッジか否か、満期保有か否か、公平価値に より評価または管理された企業グループの資産の一部なのかによって異なる扱いをする。 これらの選択肢はすべて、会社のビジネスモデルに依存する。ごく最近になって財務報告 に関連する企業のビジネスモデルへの明示的な言及が、金融商品会計に関連して主に浮上 してきた。財務報告における≪ビジネスモデル≫の概念はしかしながら、尺度を決定する 手助けとなる。財務報告に対して企業の理論から支持を引き出すものとして認識され、財 務報告に対するビジネスモデルアプローチとして詳述される様々な可能なアプローチがあ る。ある範囲まで、どのようにビジネスが機能するか、会社の業績がどのように判断され るかについて異なる見方が実現すると思っている(ICAEW,2010)。 ビジネスの本質に貢献を受ける MC セクションを鑑みると、MC とビジネス分析の管理 ツールとの近接的繋がりがはっきりと見て取れる。このセクションでは、マネジャーはユ ーザーが会社自身だけでなく、会社が扱う外的環境について理解するための財務報告書を 理解出来るよう活動の詳細を提供するべきである。この情報は会社の業績、有効な戦略の 選択や予測を評価し理解する上での初めのポイントである。会社の特徴的な活動の本質に よって、MC は次のような側面を含むべきである。 a)会社が扱うセクター b)主要な市場やそれぞれの市場での会社の競争的位置 c)会社や会社の扱う市場に影響を与える法や規制、マクロ経済環境のカギとなる特徴 d)主要製品、サービス、過程、分配チャネル e)ビジネスの構造やどのように価値を生み出すのか ビジネスモデルの概念が 2010 の最終バージョンにおいて明確に使用されていなかったと しても、上述した側面をこの概念は暗示している。しばしばこの概念は使われるけれども、 共有している部分がほとんどないためビジネスモデルという用語は単一の意味を持たない。 長きに渡って、たくさんの定義が提案されてきたが、普遍的に有効なものは認識されてこ なかった。このことは、マネジャー自身が会社を特徴付けるビジネスモデルの説明の提供 に困難を帰したほとんどのケースにおいてこの概念の本当の意味について混乱をもたらし たことを意味した。 ビジネスモデルという用語はごく最近になって使われ始めた。BM の概念の普及は 19 世 紀のインターネットの成長に従い生じた dot.com 現象によって報じられた。ビジネスモデ ルとこの現象の近接的繋がりはインターネットベースのモデルである、e ビジネスモデルに 焦点を当てた多くの研究によって説明され、dot.com がドナーを魅了するまで普及する初期 の年から開発された。その後、BM の概念は会社が扱う環境に関係なくどんなビジネスのタ イプでもよく適応出来ると認識されるようになった。: 詳細の多かれ少なかれ、全ての複雑 性を単純化させ、ビジネスの機能について情報伝達をする試みである。 Chesbrough&Rosenbloom(2002)によると、ビジネスモデルの概念の起源は 1962 年にま で遡り、チャンドラーの戦略と構造における機能的役割に見出される。この著者によって 示される戦略の概念は長期における主な目的、実行計画の採用や目的を達成するのに必要 な資源の配分に関して説明したものである。 更なる概念の範囲の変化はアンソフから起こった。それは、経営戦略を考慮するにあたっ て Andrew(1980)によって提唱された経営戦略や企業の戦略の定義を反映したものであっ た。Chesbrough and Rosenbloom(2002)によると、本当の先駆けとなるビジネスモデルの 定義も考えられた。Zott, Amit and Massa(2011)の最近の貢献によって違いや可能な共通性 の側面を調査することで学術文献における BM の概念の定義が見直されてきた。表の 1 で はフィールドリサーチにおいて確認された主要なビジネスモデルの定義を示している。 Zott,Amit and Massa(2011)はまた、ビジネスモデルの定義が 3 つの違った現象を説明す るのに用いられていることを指摘している。1)e-business の発展や組織内の IT の導入 2) 価値創造や競争優位、組織の業績のような戦略的問題 3)イノベーションのマネジメントや 技術。この 3 つのカテゴリーは相互に排他的ではなく、それらの定義は作成者たちにビジ ネスモデルについて 3 つの要素で学問を区別することを可能にする。ビジネスモデルと戦 略的側面との関係における要素の分析はこの仕事の目的にとって特に意義がある。 戦略論では、ビジネスモデルの研究は主に三つの側面に注目している。1.ネットワーク化 された価値創造の本質 2.ビジネスモデルと企業の業績との関係 3.ビジネスモデルとその他 の戦略の構想との区別。戦略論の学者は一般的に企業の活動に興味があるので(どのように 企業は他社と差別化するのかなど)、活動や企業が顧客に価値創造し与えるために利用する 活動システムの規範を中心としている(または少なくとも含んでいる)学問の流れにおいて、 多くのビジネスモデルの概念化が提唱されている(Seddon et al., 2004)。 常識的に受け入れられている記述に関して、学者は少なくともビジネスモデルではない ものについて理解する手助けをしてきた。 “初めに、ビジネスモデルは供給業者から会社または顧客までの価値創造のための直線的 なメカニズムを含むものではない。ビジネスモデルによる価値創造はもっと複雑で多数の 行為者の中での関係や活動の交換と相互に繋がっている。次に、ビジネスモデルは製品市 場戦略や企業戦略と同じではない。三つめに、ビジネスモデルは内部の企業組織を考慮す る問題を否定することは出来ない。活動システムは中心的な会社に焦点を当てたとしても、 典型的な企業の境界を広げることになる。しかしながら、ビジネスモデルは競争的優位の 源になり得る”(Amit, Zott and Massa, 2011:pp.13-14)。 2、経営の本質と関連しているビジネスモデルの要素と MC の要求する条件 ビジネスモデルの分類は何のために提供されるのかという目的や情報の受け手による使用 方法を考慮しなければならない。この観点において Lambert(2008)は少なくともビジネス モデルの情報において三つの別個のユーザーグループについて言及している。 -ビジネスコンサルタント、アナリスト、法の専門家たち、研究者や顕在または潜在的な投 資家を含め全体として外部に位置する者をユーザーという。外部に属するユーザーはビジ ネスモデルに全体としての企業の概念を理解する手助けをするよう要求する。 -マネジャーとその他の意思決定者はビジネスモデルと関連したニーズに多様な範囲で応え る者である。マネジャーは全体的な他の人たちに会社のロジックについて情報伝達や、理 解を促進させるモデルを必要としている。ビジネスモデルはイノベーションや投資、財政、 そして組織戦略としての意思決定と同様の変革のマネジメントのような企業の発展に関す る意思決定の手助けをするべきである。 -情報システムの開発者。ビジネスマネジャーと違った必要性のために、区分されたカテゴ リーを是認するマネジャーの部分集合やその他の意思決定者のこと。情報システムの開発 者はエンジニアリング、知識マネジメント、そしてワークフローや過程目標の定義におけ るシステムの必要性を促すビジネスの詳述を求める。 もし、私たちが財務アナリストと、BM について意見交換するなら、このユーザーの類似 論を考慮に入れることは重要である。Nielsen and Bukh(2011)はどのビジネスモデル類型 論がまたどのようにこれらの狭いおよび広い概念の理解における要素の組み合わせがアナ リストの理解に最も近いかを主張している。ビジネスモデルを会社の戦略の基盤として考 えると、著者たちは特に財務的な市場に関する参加者を含んだステークホルダーに質を提 供する能力に基づいた BM の類似論のフレームワークを提案している。 この見方において、 どのように会社が価値を創り出し、運営および戦術上の戦略が互いに主張しあっているの かについて記述する説明は明確でなければならない。表の 2 はフレームワークの提案につ いて要約している。 最初のカテゴリーに関して、一般的なビジネスモデルはメタモデルとして考えられる。 高層の競争環境の文脈において、三つの内的に関係する側面によって全てのビジネスモデ ルのためのメタモデルが提供されることを示している。1.会社の典型的な考え方の特徴 2. オペレーティングシステム(所与の過程やバリューチェーン)3.価値を創り出す能力(資源能 力)一般的なビジネスモデルはある要因がビジネスにおいて成功の機会を生み出すというセ クターモデルと関連している。この意味において、ビジネスモデルはセクターの一般的な 特徴を反映していると言える。それゆえ、ビジネスモデルの一般的な記述を提供すること はその他のセクターの組織関係の全体に対応することを意味する。このことは例えば、シ ェアバリューのような多様な要素に基づいた評価をする際に特に役に立ち得る。 狭いタイプのビジネスモデルは組織内部の考慮のみに基づく。この観点を共有する学者 はビジネスモデルが会社によって開発された価値創造の論理や使用される基盤を説明すべ きであると信じている。要するに、狭い見方によると、ビジネスモデルは価値創造に必要 な有形および無形資産の組み合わせについて説明すべきである。 最後に、三つめのビジネスモデルのタイプは価値創造に協力しているその他の者と関係 して特定の会社の戦略的ポジショニングに焦点を当てた企業の全体的なシステムに関する ものである。この観点から、付加的な外的圧力と同様に供給業者と最終顧客との関係が考 慮される。このケースに関して組織間のバリューチェーンを挙げる。特に、ビジネスモデ ルにおける六つの重要な要素が確立される。それは外的圧力、市場、過程、提携、製品や サービスの特徴(形態) 、顧客である。一般のビジネスモデルと比較すると、より広範囲な アプローチは単純に含まれる要素を定めるより、どのように関係性を構築するかを求める。 加えて、3 つ目のビジネスモデルは会社の関係や役割を拡大したもののことであるが、一般 的なモデルは主に価値創造に必要な資源に焦点を当てている。 Nielsen and Bukh(2011)の調査の証明によると、ビジネスモデルは産業構造、特に産業 やセクターでの経営に関するものだと考えられる。ビジネスモデルは競争という別個の方 法として(産業の競争方法として)概念化される。その結果、ビジネスモデルに関して狭 いまたは広い理解を含む要素を導入するので、特定のビジネスモデルの類型論はアナリス トの理解に近かった。例えば、アナリストは経営の方法を示す際に、価値を創造する基盤、 リンク、過程、そして因果の関係性の独特性を記述し、役割や関係性と同様に全ての企業 のシステムや価値を創造するための会社の構造に集中した。 ビジネスモデルの研究のための概念フレームワークにおいて、Lambert(2008)はフレーム ワークの階層的構造の型として会計の専門家によって何年も改善されてきた財務報告の概 念フレームワークを使い、顧客価値をカギとなる要素として主張している。この表現を用 いて会社が顧客に提供する価値の対象を示したい。運営上のレベルにおいて、顧客価値は 製品やサービス、情報によって示される。それらは製品やサービス、そして情報の組み合 わせによって実現化され得るということにおいて単純でも複雑にもなり得る。顧客価値の 重要性はビジネスモデルにおけるその他全ての要素は顧客価値から派生しており、顧客価 値なしには会社は存在せず、少なくとも存在理由を持たない。その他の要素は実際、顧客 価値に繋がりがない場合、意味を成さない。一度この概念を定義すれば、顧客を概念化す る問題に対応しながらも、価値その他全てのモデルの要素は直行的に定まる。ビジネスモ デルの基本的な要素はそれゆえ詳述の通りである。それらは(Lambert, 2008): ・価値提案(顧客価値) :顧客に提供する価値の対象物。製品やサービス、情報などこれら を組み合わせたもの。 ・顧客:顧客価値の対象となる総体。顧客やその他の会社のグループ。需要やサービスの 条件に関して違いが存在する場合、新しい顧客のグループが認識されるよう必要がある。 ・リターン値:総体が受け取る顧客価値のリターン。金銭やその他の非金銭的な値のもの。 リターン値は異なる時間において認識され得る。 ・チャネル:どのように価値の交換が成されるのか説明するもの。顧客価値やリターン値 における 1 つまたはそれ以上を移送するもの。1 つ以上のチャネルは移送に影響を与えるよ うに利用される。 ・付加価値プロセス:この要素は資源や活動、顧客価値を生み出す全体的能力の相互に結 びつける。それは製造過程や卸売の操作、サービスの過程であり得、どのように顧客価値 を提供するかを説明するもの。より細かいレベルにおいて、付加価値プロセスは実際顧客 価値やチャネルを創りだす次のような要素で構成されている。 -資源:IT のハードウェアとソフトウェア、知的財産、財務的、物的・人的資産、およ び供給業者から提供されるものや内部から生み出されるもの。 -活動:資源を顧客価値に変換するまたは、全体や提携者の能力を利用するチャネルの 移送を運営化する行為。 -能力:活動を行う全体によって要求される専門用語。資源(人的その他双方の)から 得られる。能力は提携によっても与えられる。 -戦略:顧客価値レベルや全体的なレベルでの全ての組織を含んだもの。どのように誰 によって活動が成されるか、および付加価値プロセスの本質に関する決定はこの要素によ って取り扱われる。 -組織構造:戦略のように、組織呼応像は総体や付加価値プロセスに影響を与える。付 加価値プロセスにおいて決定的で結果的なものである。 ・供給業者:設備や機械など消耗品を含む付加価値プロセスにインプットを与える総体。 ・提携:顧客に価値を提供する総体を支援する価値の領域におけるその他の総体;時にチ ャネルを提供したり、他方で付加価値プロセスにおいて必要な部分をアウトソースさせた りすることで総体を支援する。 このような内容によって、ビジネスモデルは会社の詳細な成長レベルを戦略レベルから、 運営を通した経済的なレベルまで観ることを可能にしている。戦略レベルにおいて、顧客 に提案される価値や会社が保持しているパートナーシップや提携のネットワークを説明す ることが可能である。運営上のレベルにおいては会社が価値を提供することが出来る内部 のプロセスや資源、能力を外出化することを可能にしている。;経済的レベルにおいては、 最後に、ビジネスモデルによって利益の生成メカニズムに焦点を当てることが出来る。こ のスキーマによる表現は組織で働く個人や外部のステークホルダー、財務報告の受け手に おいて役に立つ。 3、企業の本質について MC の要求する条件に応える管理会計の潜在的な貢献性 BM はマネジメントがどのように企業を見ているかをダイナミックに説明する描写を提 供している。MC の評価の尺度や指標のフレームワークの見方によると、金融および非金融 的指標が定義された目的を尊重した常用の変化を評価するために使われることが必要であ る。マネジャーはまた、対応する期間の末日まで、業績を測る活動から得た結果において 記録されるどんな変化も正当化しなければならない。この情報はステークホルダーが最近 のマネジメントが道標に関する条件に則しているかを見るのに役立つ。 MC では企業の業績との繋がりは非財務的な尺度や業績指標や財務報告の伝統的測定基 準を通して伝達されていることは明白である。 ≪マネジメントコメンタリーは業績が将来の業績や全体的な予測におけるマネジメントの 評価を暗示し得る程度まで、全ての財務的、非財務的な業績に関する明確な記述を含むべ きである。これらのような役に立つディスクロージャーによりユーザーは全体的な業績、 位置、過程や予測について自身で評価することが出来る。 マネジメントコメンタリーは一定期間の総体の進行過程や業績の説明と期末の会社の位置 を含むべきである。この説明は財務報告を扱うユーザーにビジネスに影響を与える主要な 流行や要因についての示唆を与える。これらの説明を提供する際、マネジメントは目的を 達成するため、総体の結果、マネジメントの対象(目的) 、そしてマネジメントの戦略との 関係を描写すべきである。 業績の尺度は総体の重大な成功要因を反映している定量的なものである。指標はどのよう にビジネスがマネージされるか、また間接的な業績の証拠を提供する定量的な尺度を描写 する口述的な証拠になり得る。マネジメントは記述された目的に対する進行過程を評価す るためにマネジメントに利用される業績の尺度や指標(財務・非財務両方とも)を公開す べきである。マネジメントはなぜ業績尺度から得られた結果が一定期間で変わるのか、ま たどのように指標が変更されるのかについて説明すべきである。この情報公開は財務報告 を扱うユーザーにとって達成されようとしている目標や目的の程度を評価する手助けとな り得る≫(IFRS, 2010:pp.14-15)。 MC のこのポイントにおいて、管理会計は業績情報の提供に重要な役割を果たす。 管理会計の貢献はビジネスモデルによる表示と比べ、業績についての的確な情報を提供す る能力とリンクしている。 財務的条件において、この繋がりは Osterwalder(2004)により提唱されたビジネスモデル において明白である。このモデルにおいて、価値提案はビジネスの基盤と顧客とを結びつ け、販売後の関係に貢献するものとして考えられる。基盤となる要素(専門知識、パートナ ーネットワークや価値形態)や顧客に関連するアイテム(顧客との関係、分配チャネル、対象 とする顧客)と結びついて、モデルの中心に価値提案が存在する。財務的側面は明白にモデ ルの一部として記述されている(図 1)。 それでも ≪これらの説明は財務報告を扱うユーザーにビジネスに影響を与える主要な流 行や要因についての示唆を与える≫ことを考慮する≪一定期間の総体の進行過程や業績の 説明と期末の会社の位置≫の報告による MC の再考はビジネスモデルにより示されるビジ ネスの主な価値誘因に関する情報について強調している。ビジネスモデルの概念により包 括的で、より正確な会社の非財務的価値誘因の創造が可能になる。このケースにおいて、 ビジネスモデルはどのように主要な非財務・財務業績変数が互いに関係しあっているかを 説明する手助けとなるべきである。 この視点において、業績評価システムの多様なレベルの普及を考慮する場合、管理会計 とのリンクが浮上している。特に最も有名な BSC アプローチがその一つである(Kaplan and Norton, 1992 and 1996)。 MC ディスクロージャーの観点から、BSC モデルはビジネスの異なる視点で共有される 戦略の目的(イノベーションや学習、内部のプロセス、顧客、財務)間の原因と結果の関 係を調べるアプローチを提供するという意味において BM の概念を補完する。目的は組織 内に戦略を伝達することを明らかにする一方で、価値の誘因やそれらの適切な尺度やマネ ジメントについてよく理解するのに役立つことである。一般的に BSC モデルは、価値ベー スのマネジメントの文献と同様に(Ittner and Larcker, 2001)、因果の≪ビジネスモデル≫ またはどのように組織が価値を創りだし伝達するかという経済的要件を構築する≪戦略マ ップ≫を含んでおり、全ての業績評価システムを基にするべきである。ビジネスモデルは 業績評価システムにおいてどのように重要な非財務・財務変数が互いに関係しあっている かを理解する手助けとなるべきである(図 2)。 会社によって実行される BSC はそれゆえ適切な業績のディスクロージャー(情報公開) という MC の課題を達成するための適切な尺度を構築する手助けとなる。 さらに、BM や業績に関する BM のテスティングにおいてさらに興味深いことがある。 ある調査(Weill et al., 2005)でビジネスモデルの違いによる業績の違いの関係が見出され た。その論文は 4 つの基本的なビジネスモデルのタイプを定義づけている。 (創造者、分配 者、地主と仲介者)そして、関連する資産のタイプ(財務、物的、無形、人的)を考慮す ることによって 4 つの基本的なビジネスモデルのなかで 16 の特徴的な変数が定義づけられ た。このフレームワークを使用することで、決算期の 2000 年にアメリカ経済でトップ 1000 の企業の利益の流れが分類され、彼らの財務業績が分析された。その結果ビジネスモデル は産業分類より財務の業績を予測することができ、他のモデルより上手く機能したビジネ スモデルもあると判明した。 一方で、最近の研究により単一の会社のレベルにおいて BM をテストする重要性が示さ れてきた(Merchant and Sandino, 2009; Huelsbeck, Merchant and Sandino, 2011)。こ こでの問題は原因と結果の関係や≪ビジネスモデル≫という用語が BSC のような業績評価 システムにおける尺度の組み合わせを表現するのに用いられるということについて事前の 仮説に対する評価に関するものである。管理会計の学者は公式の経験的なテストに対する これらのモデルを試験することが重大であると述べている(Ittner and Larcker, 2003; kaplan and Norton 2004, 2008)。一般的に、彼らはこれらの試験に用いられる尺度が互い に企業の BM に沿って期待されるものかどうか、また改善された業績を導くかどうかを明 らかにすると主張している。その試験はまたマネジャーが尺度の関係性に影響を与える状 況を把握する手助けをする。この分野の研究が向上することで、MC のビジネスモデルに関 する業績尺度の情報の改善に影響が与えられてきた。 管理会計は SMA 技術のような特定の会計のツールを実行する際に MC をより高めること が出来る。経営戦略に関する≪外的適応≫、≪コストベース≫および≪業績≫の特徴は幅 広く SMA 技術によって抵抗される情報に対応することが出来る(Cinquini and Tenucci, 2010)。SMA の“外部適応”は競合、供給業者や顧客についての会計情報の重要性に関係 している。SMA 技術は“コストベース”で戦略的意思決定を支える会計情報の役割を考慮 したものである。コストに加えて“業績”(財務・非財務)情報の関連性はまた、包括的な 結果の尺度を提供する必要性のために増加してきた。 SMA のツールにより提供された情報は BM を伝達し、より理解するのにとても有効であ る。特に、SMA ツールの中にはバリューチェーン分析、プロセス分析、ベンチマーキング やすでに述べたバランススコアカードのように BM や会社の戦略に繋がるような側面を持 つ評価を促すものもある。例えば、Shank and Govidarajan(1993)は戦略コスト管理(アメ リカの SMA へのアプローチ)が多くの相互に関連する要因から影響を受けており、コスト 行為を理解するにはあらゆる仕事の状況においてコストドライバーの複雑な相互作用を理 解することが必要であると主張している。彼らはマネジメントにとってコスト維持の究極 的な理由としての戦略的で遂行的なコストドライバー(Riley の 1987 年の分類から由来す る)を考慮しより管理する必要性を強調している。会社のコストドライバーだけでなく利 益/バリュードライバー(誘因)に関する正確な知識は≪ビズネスの本質≫やマネジメント コメンタリーにおける BM の分類に役立ちうる。 この観点で主張されているように、管理会計は MC、少なくとも 2 つのセクション/カギ となる要素に対して尺度やツールを提供することに貢献している。:その尺度やツールとは “ビジネスの本質”で、もし実行されれば業績評価システムとの相互関係を通して、ビジ ネスモデルのディスクロージャーや尺度、そして“行為や業績の指標”の理解を助けるも のである。 MC のための情報を提供する管理会計の役割に焦点を当てる際に考慮すべきその他の問 題はリスク管理に関するものである。この意味において、管理会計は MC の“資源、リス クや関係性”のセクションにおいて総体の晒されている主要なリスク、そのリスクを緩和 し乗り切るための計画や戦略、およびリスク管理戦略の効果に関する情報を提供すること で貢献できる。MC に要求されているように、管理会計はユーザーが期待される成果と同様 に総体のリスクを評価する手助けが出来る。 MA の文献において、近年この問題に関する側面への関心が高まってきた。Bhimani が 示唆するように、≪外部に会社の戦略マネジメントの行為やコスト抑制努力の効果に関す る情報を伝達する企業にかかる圧力は最近のことではあるが、ますます拡大している現象 である。会社の委員たちは内部のマネジメントや会社の戦略の決定の質を取り締まるべき という期待が膨らんでいる。管理会計、コーポレートガバナンスやリスク管理との関係は 学術文献において最小の範囲でしか取り上げられてこなかった≫(Bhimani, 2009:p.3)。 4、結論 IASB によって提案された MC の導入は主に≪ガイド≫(フレームワーク)を意味してお り、義務的な≪スタンダード≫ではない。それにも拘らず、会社は IAS-IFRS と一致させ ようとして、MC の準備やプレゼンテーションのために委員により提案されたモデルから多 様化しているかもしれない。いずれにせよ、基本的な言及のみを示している。 MC は 5 つのセクションで構成されている。特にそのうちの 2 つは、私たちの観点から、 MC と企業分析のマネジメントのツールとの、かなり重要な潜在的繋がりを提示するもので ある。ビジネスの本質のセクションでは、マネジャーはユーザーが財務報告において会社 だけでなく会社が扱う外部の環境を理解できるように活動に関する記述を提供すべきであ る。この情報は会社の業績や有効な戦略の選択や予測について評価し理解するための最初 のポイントである。同様に、ビジネスの本質を理解することは≪ビジネスモデル≫と言わ れる分析方法を含む;ビジネスモデルとは私たちが論じてきた学問において議論されてい る概念である。それゆえ、ビジネスモデルはマネジメントコメンタリーを準備する際に重 要な基本的な要素を示している。 他方で、財務報告は企業のビジネスモデルやその免責について事実かどうかのチェック を示すべきである(ICAEW, 2010)。この論文に書いてあるように、MC はコミュニケーシ ョン(情報伝達)やディスクロージャー(情報公開)に刺激を与える。しかし、重大な分 析や BM の業績に関する“テスティング”に照らした BM の再考を促進させる。この目的 のため、リンクは新たな文献や管理会計のツール(そして特に戦略的管理会計)との間に 出現する。そのようなツールによって、実際、製品の情報は異なる会社を特徴づけるビジ ネスモデルの適切な理解や評価を得、業績の尺度や財務的戦略とその目的に従い、デザイ ンされたビジネスの戦略の基礎において原因と結果の関係の示唆を提供することが出来る。 加えて、管理者と組織内の残りの人(銀行、投資家、アナリストなどの外部のステークホ ルダーと同様に)との間の情報伝達がビジネスモデルの情報を共有することで上手く促進 される。 2 番目の管理会計に影響を受けている MC のセクションは、管理的な目的だけでなく情報 伝達やステークホルダーとの関係の質を向上させるために業績の尺度の効果的な組み合わ せを模索することの重要性を認識させる行為や業績指標に関するものであった。MC のフレ ームワークの観点から、マネジャーには財務・非財務双方ともに、定義された目的に関す る状況の進行を評価するのに用いられる尺度や指標を伝達することについて問われてきた。 MC のこの点において、業績評価システムのような管理会計のツールの存在は高質な業績情 報を提供するのに重大な役割を果たし得る。 この論文は MC セクションの“ビジネスの本質“のための必要な情報を支える“ビジネ スモデル“の概念の役割や MC のセクションに関連する有効な管理財務的で非財務的情報 を提供する管理会計の潜在性について議論してきた。はっきりしてきたことは、最終的に 好結果の MC における相互関係や BM の定義、および管理会計の役割は主に意思決定の構 造や会社の情報の戦略、どのようにマネジャーが MC を操るかに依存しているということ である。管理会計のフィールドではこれらの問題が研究そして実務の場においてもかなり 関係性を強めてきているということは事実である。