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舛岡真理 研修員の声(PDF)

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舛岡真理 研修員の声(PDF)
平成 25 年度研修員 舛岡真理さんの声
プロフィール
学生時代より食糧援助分野に関わることを志し、海運関係での職務経験、大学院を経て,平
和構築人材育成事業に参加しました。海外研修先は国連世界食糧計画(WFP)ミャンマー事
務所で、現在も引き続き同事務所でロジスティクス・オフィサーとして勤務しています。
1. 平和構築人材育成事業に応募した理由を教えてください。
国内研修の内容や充実度に惹かれたこと、海外実務研修への参加が魅力的だったことの二点が
主に挙げられます。私は民間企業から大学院に進んだ後この研修に参加したのですが、平和構
築に関する授業や実務的な視点を学ぶ機会がなかったため、国内研修は非常に興味深く有益だ
と考えました。また学生時代からの食糧援助分野に対する興味を軸に、ロジスティクスでの勤
務経験を活かして WFP で働くことを目指していたので、海外実務研修先として特に WFP で経験
が積めることも大きな動機の一つでした。
2. 国内研修に参加した感想は?
参加することが出来て心から良かった、この一言に尽きます。授業も平和構築に関する見識が深め
られるアカデミックなものから実務的なものまで多岐に渡り、国際機関で働くうえで役立つスキ
ル・情報に重点が置かれたプログラム内容でした。これらは海外実務研修中にも非常に役立ってい
ると感じています。また、多彩なバックグラウンドと意志を持つ日本国内外の仲間や国際機関での
実務経験豊かな講師陣と出会うことで、世界が広がるように感じ、私にとってとても大きな一歩を
踏み出したと実感しました。講師の方々や同期の皆さんと実務研修や生活を共にし、研修先の施設
で遅くまで語り合い、経験を共有し刺激を受けたことは国内研修のハイライトの一つでした。この
仲間たちとの結束や出会いも、大変大きな財産です。
実践的な演習を通し、知識やスキルを深めるだけでなく自身の姿勢や価値、判断基準などについて
も真剣に考えることが出来、改めて問い直すことのできた貴重な経験は、平和構築に関連する仕事
を自身の将来と重ねることに繋がりました。
3. 海外実務研修での活動について教えてください。
海外実務研修では、WFP ミャンマー・ヤンゴン事務所・サプライチェーン・マネジメント・ユニッ
トにおいて、ロジスティクス・オフィサーとして、資金面・物質面に渡り包括的な管理を行いまし
た。パイプラインと呼ばれる WFP 特有のポジションで、リソースをオペレーションの川上から川下
まで(資金調達の時点から、何を買いどこに運ぶかの意思決定を通し、食糧が裨益者の手に渡るま
で)一貫して管理する機会に恵まれたため、WFP ミャンマーの業務を広範囲に渡り理解することが
出来たと考えます。仕事の過程で調達・ロジスティクス等のサプライチェーン・ユニットだけでな
く、プログラム、財務、ドナー・連携、国内のサブオフィス、そしてマネジメントなど多くのユニ
ットと関わるため、全体の調整役としての機能が非常に求められる仕事でした。また、国内のオペ
レーション業務に加えて、ミャンマーにおけるプロジェクト全体の予算を把握して調整したり、今
後二年間のプランを作ったりと、数字と格闘することが多かったのも特徴でした。主な業務内容と
しては、ミャンマー国内におけるプログラム内容と必要物資を把握し、調達する物の量と種類を決
定すること、在庫状況や国内のロジスティクス状況、所要日数、喫緊性、ドナーの要望、WFP とし
ての優先事項などを鑑み、他ユニットと連携の元分配の手配を行うこと、将来の在庫を予測しプロ
グラムユニットと共に分配計画を練ることなどが挙げられます。ロジスティクスの観点から困難な
部分を考慮して如何にきちんと届けるかが肝要となりますが、道路インフラの有無、雨季における
川の水かさ増における影響、倉庫の状況、それらを運営のニーズや調達・在庫状況と考え併せて地
に足の着いた詳細なオペレーションを経験できたことは非常に勉強になりました。物資が不足する
状況に直面した時など、それをいかに乗り切るかのシナリオとインパクトに関してできるだけ考察
し、マネジメントに提示する戦略的な側面も非常に面白かったです。また、地域事務局・本部の視
点から分析・把握をしたり、全体的なプロジェクトの予算管理などをすることも、WFP がどのよう
に動いているかを学ぶ良い機会となりました。
たくさんの方と話し、様々な数字を扱い、多くのユニットに関して学びながらミクロ・マクロなオ
ペレーションの双方を経験できたことは、今後の職務においても大きな経験・財産となると感じて
います。
4. 海外実務研修での感想は?一番印象に残っていることは?
こちらも、参加することが出来て心から良かった、この一言に尽きます。そして大変楽しく、毎日
が充実してわくわくするものでした。最初は慣れない国と仕事に躓くことも多かったですが、仕事
に慣れてきてからはどんどんと加速的に面白くなり、毎日に新鮮な学びや経験が多く、任されるこ
とも増え、一日ごとにもっと仕事が好きになる、そんな感覚でした。ヤンゴン事務所での仕事が主
で、フィールドに行く機会があまりなかったのが残念ですが、研修期間が始まってすぐに WFP がお
米を購入している農家の方々や国内避難民キャンプを訪れる機会がありました。このときに、誰の
ために仕事をしているかというビジョンがしっかりと描けたことが非常に良かったと印象に残っ
ています。
米農家の皆さんと。(ミャンマー・ラカイン州にて 2014 年 8 月)
UNV としてきちんと仕事が求められたことも、非常に有難かったです。WFP の一員としてどのよう
に貢献できるか、どうしたら成長できるか、具体的なアクションプランは何か、考えることのでき
る日々でした。私は WFP で働くことが大きな目標であり憧れだったので、実際に働いてみて改めて
この組織が好きだと思えたこと、また仕事の大変さ以上に、自分の信じることのために働けるのは
有難いと強く感じたことも重要な収穫であったと思っています。WFP での経験は自身の価値観や、
将来のビジョンや覚悟の確認ともなりまし
た。また、多くのプロフェッショナルな方々
の中で働けたことは挑戦と同時に自己鍛錬
の場となりましたし、国際機関の現場かつ
平和構築活動の前線で数多の価値観に囲ま
れつつ、一つのゴールを目指すという環境
には大変遣り甲斐を感じました。
この海外研修が、今後に繋がる貴重な経験
になったと確信しています。
国内避難民キャンプの子供たち(ラカイン州・2014 年 8 月)
5. 今後のキャリア・プランを教えてください。
今後も WFP で働きたいとの思いを強くしています。WFP のオペレーションに関する技術的な側
面や、それぞれの国独特のプロジェクト、またそれらが各国の人々や政府にとってどう受け止
められているかなど、WFP に関する色々な知見を深められたら、と感じています。同時に食糧
援助分野に対する勉強の足りなさを痛感しているので、いつかまたもう一度大学院にも行きた
いです。途上国や緊急支援における食糧支援と同時に先進国が抱える食糧の問題にも興味があ
るので、将来的に食糧援助分野にどのように携われるか、様々な可能性を模索していきたいと
思っています。
6. 事業への参加を考えている方にメッセージをお願いします。
強く参加をお勧めします。私にとっては、この研修がなかったら人生は全く違うものになって
いたと思えるほど、大きな転機と機会を与えてくれた研修でした。それまで描いていたことを
具現化してくれた研修でしたし、自分の力ではなかなか開けなかった扉を開いてくれた研修で
した。国内研修での新しい学び、また出会うことが叶った講師の方々や、同期とのつながりは
今後も続いていく宝物で、この研修には心から感謝しています。
また国際機関・特に自分が興味があり働きたいと思っていた機関で実際に働くことは、大きな
インパクトを自分自身にもたらすと考えます。平和構築の最前線で国連や担当機関がどのよう
な役割を果たしているか肌で学ぶことが出来、また思い描いていたことと現実をより合わせて
いく作業にもなりました。個人的には食糧援助分野に今後どう関わっていきたいかや、如何に
自分の強みを活かし弱みを克服するかを考えさせられる時間にもなり、これから力を入れるべ
き方向性を示してくれた経験でもあったと感じています。
そして最後に、何より、本当に楽しいです!私はミャンマーも仕事も大好きで、今から WFP ヤ
ンゴン事務所を離れる日を想うと辛いですが、国内研修及び海外研修を含め毎日がこんなに楽
しいとは最初は想像が出来ませんでした。事業への参加を考えている方々にはもう一度、心か
ら参加をお勧めしたいです。
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