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第 3 章 魅力的な観光エリアの形成と観光ルートの検討

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第 3 章 魅力的な観光エリアの形成と観光ルートの検討
第 3 章 魅力的な観光エリアの形成と観光ルートの検討
3−1.観光エリアの魅力向上
6 県が広域に観光連携していくためには、個々の観光地や観光エリア一つひとつが個性
や魅力を高めることが先ず必要なことであり、そうした観光地・観光エリアを相互に結び
つけることで圏域全体として相乗的な魅力を向上させることができる。
ここでは 6 県内の観光エリアについて、広域観光推進に向けた現状と課題を整理した。
(1)観光エリアの設定
旅行者が旅先を人に説明する際には、目的とする特定の観光地や宿泊地を含めたある一
定の範囲を総称する。本調査では、そうした「旅行者が一般的に認識している観光旅行先
の範囲」を「観光エリア」として便宜的に設定し、その範囲を基本として分析を行うこと
とした。
今回対象とする 6 県において、以下に示す 35 の観光エリアを設定した。
35 の観光エリア
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各観光エリアの主な観光資源(1)
エリア名
①富山市周
辺
主な観光地・観光施設
薬資料館等) ○海王丸パーク(射水市) ○(株)生産技術・ロボッ
ト産業(富山市)
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②加賀温泉
郷
③白山
④能登半島
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○ほたるいかミュージアム・海上観
○国宝・瑞龍寺
ィッシャーマンズワーフ海鮮館
○瑞泉寺・いなみ木彫りの里
○金沢市街
○茶屋街
○兼六園(金沢城)
○金沢 21 世紀美術館
○片山津温泉
○辰口温泉
神社
○こきりこ祭り
○山代温泉
○和倉温泉
○金沢武家屋敷
○近江町市場
○粟津温泉
○あわら温泉
○白山比咩
○能登金剛
○永平寺
○芝政
○のとじま水族館
○丸岡城
○松島水族
○越前竹人形の里
○一乗谷朝倉氏遺跡
○九頭竜峡
○恐竜博物館
○三方五湖
○氣比の松原(氣比海岸、氣比神宮など)
○常神半島
○蘇洞門
○鯖街道(熊川宿など)
○神宮寺
○新潟市街(マリンピア、新潟ふるさと村ほか) ○新潟市郊外(豪農
ԘᣂẟᏒ
の館)
[台豪英]
金沢[韓台中香米豪
能登[韓中米豪英]、
輪島[台米豪英]、和
倉温泉[台米]
東尋坊[台米豪]、永
越前[台]、陶芸館[台]
○平泉寺白山神社
○大野まちなか
○明通寺
高岡[香米]、五箇山
平寺[韓米豪英]
○越前陶芸村
○越前海岸
台豪]、黒部峡谷[台]
加賀温泉郷[台]
○千里浜(なぎさドライブウエイ) ○輪島(朝市、温泉)
○東尋坊
英]、宇奈月温泉[韓
英]
ふれあい昆虫館
○キリコ祭り(能登)
館
○庄川
○湯涌温泉
○山中温泉
○千枚田
ルート[韓台米豪
○となみチューリップフェア
○白山(スーパー林道) ○那谷寺・総持寺
○いしかわ動物園
立山黒部アルペン
○氷見温泉・氷見フ
○金屋町・土蔵造りの町並み(高岡市)
○御食国若狭おばま食文化館
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○宇奈月温泉
○世界遺産五箇山合掌造り集落
○城端むぎや祭
①金沢周辺
○黒部峡谷・トロッコ電車
○YKK(株)黒部事業所(黒部市・アルミファスナー産業)
温泉・庄川峡・大牧温泉
富山[香米英]
○全日本ちんどんコンクール
○おわら風の盆
○魚津埋没林博物館・魚津水族館
光
③氷見・高
岡・砺波
参考※
○岩瀬の町並み・北前船回船問屋森家(富山市)○富山市民俗民芸村(売
○立山黒部アルペンルート
②立山黒部
※1
○サッカーJ リーグ
○岩室温泉(酒蔵見学他)
□新潟県立
植物園
恐竜博物館[台]
おばま・箸匠せいわ
[台]、敦賀[米]
新潟まつり[米]、新
潟[英]
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○笹川流れ
○村上市街(町屋のひな祭り、屏風祭り)
○瀬波温泉
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○新発田(新発田城、足軽長屋、清水園、酒蔵めぐり)
○月岡温泉
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○阿賀野川ライン
□楽市ジパング
るさと館(和紙づくり)
□狐の嫁入り屋敷
□奥阿賀ふ
□五泉市(チューリップ)
○弥彦(神社、弥彦温泉、弥彦スカイライン) ○良寛めぐり
□県央
メッセピア、□巻カーブドッチ
○長岡(花火、山古志、国営越後丘陵公園、県立歴史博物館ほか)
○片貝花火
○寺泊(魚のアメ横、海水浴)○良寛めぐり
□与板(直
江兼継像)□越後雪割草街道、□柏崎(海水浴、花火ほか)
○苗場・湯沢・魚沼(高原、温泉、スキー、小説「雪国」関連(高半)、
Ԟ㝼ᴧ
ぽんしゅ館ほか) ○奥只見湖・尾瀬
○松之山温泉
○十日町雪祭り
越後湯沢[台米豪]
○大地の芸術祭(十日町地区)○FUJI ロックコンサート(苗場)
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○上越市街(高田の桜、春日山城、岩の原葡萄園ほか) ○妙高(高原、
温泉、スキーほか)
○親不知・子不知
□マリンドーム能生
□親不知ピアパーク
○佐渡(佐渡金山、小木のたらい舟、トキ) ○アース・セレブレーシ
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ョン(佐渡)
□西三川ゴールドパーク(砂金とり)、□尖閣湾、
□夫婦岩、□アルコール共和国
佐渡島[韓台中米豪
英]
各観光エリアの主な観光資源(2)
エリア名
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主な観光地・観光施設
○長野市街(善光寺ほか)
参考※
※1
長野[韓香米豪英]、、須
○小布施
坂[米]・小布施[米英]・
湯田中温泉地獄谷公苑
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○斑尾高原
○志賀高原
○戸隠(戸隠神社、戸隠高原ほか)
○野沢温泉
○戸狩温泉
○湯田中温泉
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○上田(上田城ほか)
○菅平高原
○軽井沢
址)○戸倉上山田温泉
○別所温泉
○鹿教湯温泉
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○白馬
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○松本(松本城ほか)
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○白骨温泉
○渋温泉
[米豪英]、志賀高原[米豪
英]、野沢温泉[米英]、戸
隠[豪英]、スキー博物館
[英]
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○小諸(小諸城
軽井沢[台香米英]、別所
温泉[米]
白馬[米豪英]
○大町(黒部ダムほか)
松本[韓中米豪英]
○浅間温泉
安曇野[米豪]、上高地[台
○穂高・安曇野
○上高地
○乗鞍高原
中豪英]、乗鞍[米豪英]、
穂高[英]、白骨温泉[豪]
○諏訪(諏訪湖、諏訪大社ほか)○上諏訪温泉
○白樺湖
○蓼科高原
○霧ヶ峰
○美ヶ原
○飯田(天竜峡ほか)
○高遠
日本アルプス[韓]、諏訪
[台]、白樺湖[香]、美ヶ
原[豪]
○駒ヶ岳
○奈良井宿
○昼神
飯田[台]
温泉
木曽[韓英]、飯田[台]、
○木曽(妻龍宿)
○開田高原
○岐阜城(金華山)
妻籠[台中米豪]
○河川環境楽園(アクアトトぎふ他)
○長良川の鵜飼
○日本昭和村
○お千代保稲荷
○関ヶ原古戦場
○郡上八幡
○御嶽山
岐阜[韓英]
○日本ライン下り
○谷汲山華厳寺
□うだつの上がる町並み
□養老の滝
郡上八幡[豪英]
馬籠[中米豪英]、多治見
○馬籠宿
○恵那峡
○日本大正村
□市之倉さかづき美術館
[米豪]、八百津[米]、中
津川[英]
白川郷[韓台香米豪
○高山の古い街並み
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○白川郷(世界遺産合掌造り集落等)
○北アルプス(乗鞍連峰、乗鞍スカイライン)
○下呂温泉
○奥飛騨温泉郷
英]、荘川[韓英]、高山[韓
台香米豪英]、下呂温泉
[台香米豪]、奥飛騨
[香]、飛騨古川[香英]
※1
ゴシック・アンダーラインは「旅行者アンケート」
(第 1 章)で「問 14.今後訪れてみたい場所」として回答が多か
った箇所。なお、□は問 14 で具体名を提示しなかった観光地。
※2
訪日旅行者向けのガイドブックに掲載されている旅行地
出典:
「JNTO 訪日旅行誘致ハンドブック」国際観光振興
機構
観光エリアと主な観光資源分布
(2)観光エリアの現状と課題
北陸圏及び隣接県が魅力的な観光地として訴求力を高めるためには、1つひとつの観光
エリアが官民一体となって観光地としての魅力を高めていくことが基本といえる。
ここでは、先に設定した 35 の観光エリアの現状と課題や魅力向上のための戦略について
各県のヒアリング等をもとに整理するとともに、広域的視点からの各観光エリアの位置づ
けや課題を洗い出し、今後の広域観光推進に向けた視点を検討した。
1) 富山県(3エリア)
①富山市周辺エリア(富山市・射水市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
商業・サービス業等の活発な経済活動が行われ、高次都市機能が集積している
県都が形成されているとともに、山岳から海に至る豊かで美しい自然や特色ある
歴史・文化などに恵まれた、個性豊かな中核都市地域。
「おわら」等の全国的にも知名度の高い観光資源を有しており、北陸新幹線、
富山空港、伏木富山港(富山地区)等の整備充実により、国内外との広域的な観
光・交流の広がりが期待される。
②魅力向上のための戦略と主な施策等
○伝統文化の活用、体験型観光の導入などにより、広域観光・国際観光拠点の形成
・おわら風の盆等の伝統文化、八尾、岩瀬等の伝統あるまち並みなどを活かした
観光の推進
・富山のくすり、ます寿し等の産業観光や、深層水体験、ほたるいか観光、なし
狩り等の体験型観光など、新たな観光形態への取組みの推進
○北陸新幹線、富山空港、伏木富山港(富山地区)等の広域高速交通基盤の整備充実、
県内各都市や交通・観光拠点をつなぐアクセスの向上
・富山空港の利便性、安全性の向上など機能強化
・北陸新幹線富山駅や富山空港の広域交通拠点を核とした公共交通網(並行在来
線、JR高山本線、富山地方鉄道、富山ライトレール、バス等)の充実と、自動
車交通との連携・補完による地域交通ネットワークの構築
・地域高規格道路の整備(富山高山連絡道路、富山高岡連絡道路)
○農林水産業の持続的、安定的な発展を図りながら、地域資源を活かした特産品づ
くりやグリーン・ツーリズムの推進
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・県庁所在地として富山市街地の都市的機能は高い。
・おわら風の盆など国内旅行で人気が高いものもあるが、他の観光資源の知名度を
更に高める必要がある。
・将来、新幹線駅ができることで鉄道や空路など高速交通の結節点(要衝)となる。
・JR 高山線が、首都圏から飛騨高山エリア【岐阜】への鉄道による最短経路となる
点は特筆される。
②立山黒部エリア(魚津市、黒部市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
北アルプスの山岳地域から日本海に至る高低差の大きい地形は、優れた眺望と
豊かな自然を生み出しており、黒部峡谷、宇奈月温泉、蜃気楼等の優れた観光資
源を有している。
②魅力向上のための戦略と主な施策
○黒部峡谷、宇奈月温泉等の恵まれた観光資源を活かした広域観光・国際観光拠点
形成
・ 立山黒部アルペンルートなど雄大な自然を活かした国際的山岳観光の推進
・ 黒部峡谷、宇奈月温泉、富山湾の三大奇観(蜃気楼、ほたるいか、埋没林)
、ヒ
スイ海岸、魚津たてもんや深層水などを活かした観光の推進
・ アルミ、ファスニング、電源開発等の地域産業を見学する産業観光や、りんご
狩り等の体験型観光など、新たな観光形態への取組みの推進
○県東部の新たな玄関口である北陸新幹線新黒部駅(仮称)及び周辺地域の整備充
実、県内各都市や交通・観光拠点をつなぐアクセスの向上
・北陸新幹線を含めた公共交通網(並行在来線、富山地方鉄道、バス等)の充実
と、自動車交通との連携・補完による地域交通ネットワークの構築
・新黒部駅(仮称)へのアクセス(道路、鉄道、バス等)の整備
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・立山黒部アルペンルートが、国内外いずれにおいても観光の中心である。また、
長野県とを直結する唯一のルートであるが利用料金など課題もある。
・宇奈月温泉や黒部峡谷も人気の高い資源であるが、黒部峡谷は行き止まりであり
広域的観光がしにくい。
・糸魚川エリア[新潟県]と接しているものの、相互の行き来は少なく、異なるデ
ィスティネーションと認識されている。
③氷見・高岡・砺波エリア(氷見市・高岡市・南砺市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
①現状と課題
氷見・高岡は、高岡御車山祭や射水各地の曳山祭りなどの曳山行事、国宝瑞龍
寺(高岡市)
、重要文化財勝興寺(高岡市)、高岡古城公園(高岡市)、倶利伽羅源
平古戦場(小矢部市)、縄文の桜町遺跡(小矢部市)
、柳田布尾山古墳(氷見市)
等の歴史的文化財、高岡市山町筋等の伝統あるまち並みなど歴史的・文化的資産
に恵まれている。
砺波は、世界文化遺産である五箇山の合掌造り集落、瑞泉寺や善徳寺などの大
規模寺院建築、こきりこ唄や麦屋節等の伝統芸能、城端と井波の門前町等の伝統
的なまち並み景観などの観光資源を有する。
北陸新幹線や東海北陸自動車道、能越自動車道の整備充実に伴い、高山、岐阜、
名古屋等の飛騨・東海地方や、石川県、福井県との交流による発展が期待。
②魅力向上のための戦略と主な施策
○富山湾等の自然景観や伝統文化の活用、体験型観光の導入など、広域観光・国際
観光拠点の形成
・東海北陸自動車道の全線開通を活かした東海地域からの誘客の促進
・高岡御車山祭に代表される各地の曳山祭り、国宝瑞龍寺、倶利伽羅源平古戦場
等の歴史的文化財、高岡市山町筋等の伝統あるまち並みなどを活かした観光の推
進
・富山湾越しに見た立山連峰などの自然景観や、海王丸パーク、新湊大橋(仮称)
などを活かした観光の推進
・アルミ、銅器、漆器等の地域産業を見学する産業観光や、地引き網体験、ほた
るいか観光等の体験型観光など、新たな観光形態への取組みの推進
○北陸新幹線、東海北陸自動車道、能越自動車道等の広域高速交通基盤の整備充実、
県内各都市や交通・観光拠点をつなぐアクセスの向上
・新高岡駅(仮称)周辺地域の整備、高岡駅の交通結接機能の充実
・北陸新幹線を含めた公共交通網(並行在来線、JR城端線・氷見線、万葉線、
バス等)の充実と、自動車交通との連携・補完による地域交通ネットワークの構
築
・東海北陸自動車道の全線開通、能越自動車道の整備促進
○伝統文化、体験型観光、全国的なイベントの活用
・五箇山合掌造り集落等の伝統文化、スカイフェスとなみ等の各種スポーツイベ
ント、となみチューリップフェアなどを活かした観光の推進
・利賀芸術公園の国際的な舞台芸術の拠点性を活かした観光の推進
・アルミ、木彫り等の地域産業を見学する産業観光など、新たな観光形態への取
組みの推進
・氷見漁港や高岡・南砺の歴史文化、世界遺産の五箇山など、北陸らしさを備えた
資源が豊富。
・東海北陸道と北陸道が交差し、広域観光の要衝となる。北陸新幹線の新駅は、現
在の駅とやや離れており二次交通の確保が課題。
・能登半島エリアや金沢周辺エリア[石川]、飛騨高山エリア[岐阜]など、知名度
の高いエリアと接し、相互を結ぶ通過地でもあり、立地条件が良い。
2) 石川県(4 エリア)
①金沢周辺エリア(金沢市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現況と課題
芸術やファッションなど多彩な、近代文化を備えつつ兼六園、金沢城公園、伝統的な
街並みや伝統工芸などの歴史的資源が承継され、新旧の文化が融合した特徴のある地域、
知名度も高い
②魅力向上のための戦略と主な施策
「高速交通網の整備進展に伴う更なる観光客の増加に対応した、本物を提供する質の
高い観光地づくり」
○まちなか観光の充実
歩いて巡るまちなか観光の促進、コンベンション開催の推進、兼六園や金沢城公園
を活用した趣のある多彩なイベントの推進、夜の観光資源の開拓
○伝統文化の継承と活用
兼六園、金沢城を核とした加賀百万石関連遺産群の保存と活用の推進、伝統工芸、
芸能の次世代への継承、地域の歴史資源の発掘と活用
○アクセス環境の向上
北陸新幹線、東海北陸自動車道、金沢外環状道路など高速交通・道路網の整備促進
と北陸新幹線開通に対応する2次交通網の整備
・最も全国的な知名度が高く、国際観光においても看板となる北陸観光の中心的エリア、
「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」として世界遺産登録の取り組みが進められて
いる。
広域的視点
・平成 26 年度には北陸新幹線が金沢まで延伸され、首都圏からの誘客が大いに期待さ
からの位置
れる。
づけ・課題 ・国内外のツアー旅行の多くは当エリアを訪れることから、この効果をいかに隣接エリ
ア又は圏域全体に波及させるかが課題。
・情報発信などの面でも、圏域を先導する役割を果たすべきエリアといえる。
②加賀温泉郷エリア(加賀市、小松市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現況と課題
加賀温泉郷として有名な温泉が集積する地域。那谷寺や古墳などの歴史資源、九谷焼
や山中漆器などの伝統的工芸品の産地としても知名度が高い
②魅力向上のための戦略と主な施策
「更なるおもてなしの向上と温泉地のまちづくりなどを通じた観光振興」
○温泉地の活性化
そぞろ歩きが似合う情緒のある温泉地の演出、加賀温泉郷が一体となった情報発信
への取り組み、温泉旅館の再生、温泉地での日帰り対応の強化、健康維持と癒しの温
泉地づくり
○地域産業の観光資源化
九谷焼や山中漆器などの伝統的工芸品に加え、機会や食品などを含めた地域産業の
観光への活用(産業観光の推進)
○広域連携とアクセス環境の向上
北陸新幹線の整備促進、小松空港の路線充実と小松空港からの2次交通の整備、永
平寺や丸岡などの著名な観光地を有する福井県の観光地との広域連携強化
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・石川県のみならず、北陸を代表する知名度の高い温泉地が集積する宿泊拠点としての
性格が強いエリア。
・高速道路のほか、小松空港も近く交通アクセスは至便。北陸新幹線開業に伴う、金沢
駅からの誘客。
・近年の旅行形態の変化などにより入り込み客数が減少傾向にあり、顧客のニーズを捉
えたきめ細かなサービスや街づくり等の環境整備など一層の魅力向上が期待される。
③白山エリア(白山市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現況と課題
白山国立公園を擁し、野生生物の豊富な原生林や古くからの山村文化が残っている。
また、白山麓のスキー場群をはじめとしたスポーツやレクリエーションの場として親
しまれている。
大自然を生かしたトレッキングや山麓特有の生活文化体験など受け入れ態勢の整備
や情報発信の工夫により、一層の誘客拡大が期待される。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「貴重な財産である豊かな自然環境の保全と、生活文化など様々な魅力を知っても
らうための仕組みづくりと全国発信」
○貴重な自然環境の維持・保全と活用
国立公園施設の整備促進、豊かな自然を保全しつつ活用するエコツーリズムの推
進
○山村体験など地域の文化に根ざした資源の活用
白山の自然及び文化遺産の保存と活用の推進、農山村文化を活かした交流の推進、
体験型修学旅行の誘致など受入体制の整備、スポーツ観光の振興
○アクセス環境の向上
国道157の整備推進によるアクセス環境の向上
・白山麗の自然と文化やレクリエーションエリアとして個々の資源の魅力は高い。
「霊
峰白山と山麓の文化的景観」として世界遺産登録の取り組みが進められている。
広 域 的 視 点 ・中でも、飛騨高山エリア[岐阜]を結ぶ白山スーパー林道は、春夏秋と季節の自然
か ら の 位 置 を楽しめるコースとして人気があり、7月の東海北陸道全線開通により、金沢−高山
の周遊の利便性が大きく向上する。
づけ・課題
・環白山広域観光推進協議会が組織されモデルコースの設定・売り出しやホームペー
ジの運営など共同でPRが行われている。
④能登半島エリア(七尾市、輪島市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現況と課題
豊かな自然環境と地域の祭や独自の食文化があいまって「日本の原風景」ともいう
べき素朴さが残っている。輪島の朝市、和倉温泉は有名。
伝統的工芸品として有名な輪島塗は、新たな需用創出の試みとして、洋食器やアク
セサリーの開発にも取り組んでいる。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「豊かな自然環境と地域の祭りや独自の食などの伝統文化資源を生かした観光振興」
「能登空港や能越自動車道・東海北陸道整備による交通基盤の拡充を活かした交流人
口拡大」
○豊かな自然環境の保全活用
豊かな自然を活用して農林漁業を体験するグリーンツーリズムの推進
○地域に根ざした生活文化の継承と発信
発酵食文化、民話等地域文化に根ざした観光メニューの創出、輪島塗、珠洲焼き
などの伝統的工芸品やキリコ祭り等伝承行事を活かした観光振興
○都市部からのアクセス環境の整備
能越自動車道の整備促進、能登空港の路線充実と国際チャーター便の就航促進、
北陸新幹線開通を睨んだ能登空港と周辺地域、金沢エリア等との2次交通の充実
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・豊かな自然と輪島塗などの伝統工芸など豊富な地域の資源を活かした観光が積極的
に展開されている。
・和倉温泉や輪島など、宿泊拠点も有しており、何日か滞在しても
飽きのこない十分な観光資源がある。
・能登空港整備後、インバウンド観光が促進され、能登 in の台湾チャータ便による訪
日旅行のゲートウエイとなっている。
・元々国内観光の知名度があり、能越道の整備によって、氷見高岡砺波エリア[富山]
とのアクセスが強化され、広域観光周遊の可能性が一層広がる地域である。
3) 福井県(4 エリア)
①福井・坂井エリア(福井市、坂井市、あわら市、永平寺町)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
(福井市内観光)
JR 福井駅を起点とした市内観光への誘導、県都にふさわしい福井駅周辺のインフラ
整備、
「北の庄城址」
「福井城址」
「養浩館」と、
「一乗谷朝倉氏遺跡」
「永平寺」
「丸岡
城」「東尋坊」をつないだ滞在型観光の推進、市内に豊富に存在する歴史的遺産や公
共文化施設の活用
(一乗谷朝倉氏遺跡)
山城の発掘整備によるさらなる魅力の充実、「歴史」以外の魅力の向上、丸岡城・
永平寺など他の観光地からのアクセスの向上
(東尋坊)
観光客への呼び込みマナーの向上、ごみや雑草のない美しい観光地づくり、平日休
業しているお店の解消などによる賑わいの確保
(永平寺)
「知る」
・
「体験する」など多様化する観光ニーズへの対応、再度訪問につながるよ
うな仕掛けづくり、観光客への呼び込みマナーの向上
(あわら温泉)
街なか散策に誘導する仕掛けづくり、あわら湯のまち駅前にある遊休地の利活用に
よる賑わいの創出、「個人・小グループ」に対応する施設改善、子供向けの遊び場所
の充実
②魅力向上のための戦略と主な施策
(福井市内観光)
○新しい福井駅での観光情報の提供(駅のマルチビジョンの活用等)
○「街なか休憩所」の普及やきめ細かな案内表示、イラストマップの設置
○福井駅を中心とする観光ネットワーク化の推進
○交通アクセスの向上(観光周遊バス、観光乗合タクシーなど)
など
(一乗谷朝倉氏遺跡)
○発掘のスピードアップと、山城発掘の早期着手
○薪能やホタル祭りなどのイベント開催による新たな来訪者の確保
○当時の風情を活かしたもてなしの提供、土産品充実による滞在時間延長
○丸岡城、永平寺から一乗谷朝倉氏遺跡に通じるアクセスの改善
など
(東尋坊)
○エコツーリズムや街なか散策との連携による割引制度の導入
○地域の民宿や公共の温泉との連携による割引制度などの導入
○土産物店の外観統一など一体的な雰囲気の演出
○地元NPOなどと連携した周辺景観の整備
(永平寺)
○永平寺道路を活かした新たなコースの設定
○寺院と旅行エージェントの連携強化
○雪景色の積極的なPR
○あわら温泉や丸岡城との連携強化
など
(あわら温泉)
○観光客のニーズに対応した宿泊形態・料金の設定
○インターネット予約などによる、個人・小グループ客への対応
○旧「有楽荘」跡地の大テントによる活用例
○宿泊客が参加でき、大人も子供も楽しめる手づくりイベントの開催
○人をひきつける「匂い(
(だんご、せんべいなど))による温泉街散策の演出 など
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・あわら温泉は北陸を代表する知名度の高い温泉地であり宿泊拠点となる。
・永平寺は国内観光で根強い人気。
・北陸新幹線は現状で金沢までの整備であること、小松空港が最寄りの空路であること
など、石川県内エリアとの関係強化が課題
・首都圏との関係においては、東海道経由と時間距離に大差はない。。
②丹南エリア(鯖江市、越前市、池田町、南越前町、越前町)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
(越前海岸)
「通過型」から「滞在型」への仕掛けづくり、海水浴離れなど多様化するレジ
ャーへの対応、
「美しい夕陽」資源の活用、河野海岸有料道路の利用促進
(産業観光(丹南地域))
陶芸、漆器、和紙、打刃物などの伝統産業集積を活かした観光の推進、観光客
の本物志向への対応、再訪を促す仕掛けづくり
②魅力向上のための戦略と主な施策
(越前海岸)
○サンセットを楽しめる「湯めぐりパスポート」の発行
○民宿の連携による予約窓口の一本化、観光客のニーズに対応した宿泊形態・料
金の設定
○オーナー水仙畑などグリーン・ツーリズムの推進
○スキューバダイビングなど海洋性レクリエーション・メニューの充実
○「波の華」など冬の日本海ならではの風物詩のPR
○有料道路の利用促進策の検討
(産業観光(丹南地域))
○他の観光地と結びつけた広域的な観光コースの開発、旅行商品化の推進
○伝統工芸士自らが解説するなど本物のサービスの提供
○製造工程を見学・体験できるようにするための施設の改修(制度融資の活用)
○教育旅行への取組み
○リピーターの確保 (例)陶芸:成形→絵付け→完成品(展覧会の開催)
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・広域周遊観光面では、求心力のある資源に乏しいものの、越前陶芸村は体験型観
光施設として訪日外国人旅行でも紹介されている。
・関西や中部からの周遊観光の通過点にならないための工夫が求められる。
③大野・勝山エリア(大野市、勝山市)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現況と課題
(恐竜街道)
・日本最大の県立恐竜博物館などを活用した恐竜街道イメージの醸成、誘客の推進
・スキージャム勝山や六呂師高原など、周辺観光地との連携
②魅力向上のための戦略と主な施策
(恐竜街道)
○県立恐竜博物館を拠点にした観光コースづくり
○年間を通じた恐竜化石発掘体験
○恐竜モニュメントや表示板の設置による恐竜イメージの定着化
○共通割引パスポートの発行などによる周辺観光地との連携
○恐竜をテーマにした土産品の開発
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・九頭竜狭など、国内観光で根強い人気。また恐竜博物館は、北陸内では異色の存
在として広域観光の訪問地(ターゲット)として認知されつつある。
・郡上八幡エリア[岐阜]を結ぶルートは、広域観光において重要なルートといえ、
高規格道路の整備も予定。
④嶺南エリア(敦賀市、小浜市、美浜町、若狭町、おおい町、高浜町)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現況と課題
(三方五湖周辺)
「通過型」から「滞在型」への仕掛けづくり、「三方五湖」や「レインボーライン」
の有効活用
(小浜市「三丁町界隈」
)※京文化が漂い、千本格子の家々が軒を連ねる歴史的景観形成地区
まちおこし気運の醸成、町の雰囲気を十分楽しむための街なか散策の仕掛け充実
②魅力向上のための戦略と主な施策
(三方五湖周辺)
○親水性のある休憩スポットの整備
○ヨシやヒシなどによる水質浄化や景観形成のための水生植物の植栽
○風情ある船小屋の保存と復原
○カヌー大会や釣り大会などの全国大会の開催
○祈願成就ツアー(梅丈岳山頂公園の成就の願掛け「誓いの鍵」、「天狗のかわら投
げ」
)
(小浜市「三丁町界隈」
)
○「ガッタリ(収納式床机)
」の復活や「街なか休憩所」の普及
○空家を土産品店やギャラリーなどに活用
○人をひきつける「匂い(だんご、せんべいなど)」による街なか散策の演出
○伝説や歴史のある観光コースの設置
○駅∼空印寺(八百比丘尼)∼三丁町散策(抹茶)∼小浜町並み保存資料館∼御食
国若狭おばま食文化館
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・福井県のなかでも最も関西寄りに位置し、首都圏からの周遊がしづらいエリアの1
つ。
・三方五湖や氣比の松原などの既往資源のほか、
「原発」も産業観光のテーマになりう
る。
・舞鶴若狭道の整備により、関西や山陰を含めた広域ルートの可能性が期待される。
・集客力のある温泉地が存在しないものの、民宿主体の宿泊サービスは他エリアには
無い特徴を出すことができる。
4) 新潟県(10 エリア)
①新潟市エリア(新潟市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
新・新潟市の都市イメージの確立、海外での知名度の向上
②魅力向上のための戦略と主な施策
「政令市効果を活用し、
「食と花」と「みなとまち」の新潟市の都市イメージ発信」
「佐渡、岩船地域などとの広域連携による観光展開」
「政令市と農業都市をアピールし、海外での知名度向上」
「北東アジアからの農業視察ツアー、教育旅行の誘致」
○誘客促進活動・食と花をテーマにした旅行商品の開発(佐渡,岩船地域との連携)
○大観光交流年に向けた首都圏キャンペーン及びセールスの実施
○「食と花」
「みなとまち」を発信するイベントの開催
○おもてなし体制の充実、○市街地の観光施設を循環するバスの運行
○中心市街地でのまちあるきコースの整備、○観光文化検定の実施
○観光ボランティアガイドの育成、○海外観光客の誘致
○現地セールス,観光説明会開催,観光展参加・現地エージェント下見招待旅行の
実施
○観光関係者や学校関係者と連携した受け入れ体制整備を推進するための場づくり
○報奨金制度を活用した商品造成旅行社への支援
・ 合併後は政令市として周辺の地域経済を一層牽引している。また市街地では、サミ
ットや J リーグなど、大規模なイベント・催しが開催される。
広域的視点
・ 市街地内では都市型観光が中心、河川周辺や郊外(農村)では農や自然を生かした観
からの位置
光まちづくりが進められている。
づけ・課題 ・ 新幹線を始め、新潟空港や佐渡及び北海道航路などの拠点であるが、2014 年問題
や新潟空港の利用促進など対応すべき課題もある。
②村上・山北エリア(村上市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
村上町屋商人会を中心に町屋住宅を活用した人形さま巡りや屏風まつり等を開催
し、全国から観光客が訪れるようになっている。新潟空港からの直行乗り合いタク
シーの運行、市内循環バス運行など二次交通の整備を行っているものの、運行日や
運行本数の拡大が課題。通年観光の実現に向け、官民連携による努力はしているも
のの、数と種類が不足している感がある。また、外国語表記の案内看板や観光施設
内の誘導表示等、外国人観光客の受け入れ体制を進めていく必要がある。瀬波温泉
を中心とした宿泊施設でも「おもてなしの向上」を図る必要がある。
②魅力向上のための戦略と主な施策
○受け入れ体制の整備
・瀬波温泉の受け入れ体制の整備(各旅館ホテルなど宿泊施設館内の外国語案内表
示の増設、職員の受け入れに関する意識の向上、職員の対応能力の向上)
・観光誘導看板への外国語表記化の推進
・市民及び観光関係職員の意識向上の推進(
「本市が観光地である。
」ことに対する
市民や観光関係担当者の意識を高め、外国人観光客への対応能力の向上、おもてな
しの向上)
・二次交通の整備促進(市民の足となる公共交通網の整備と観光客の利便性の向上)
・通年観光施設の魅力向上の促進
など
○外国人観光客誘致活動の推進
・誘致宣伝活動の推進(関係団体や機関との連携を深め、外国人観光客の誘致宣伝
活動の推進
・外国人観光客の情報収集の促進(関係団体や機関との連携を深め、来客情報の収
集と、本市への誘致)
・関係機関・団体等との連携促進
など
・ 瀬波温泉が観光の中心であったが、近年では村上市街の町歩きが全国的に注目され
広域的視点
ている。笹川流れなど海沿いの景勝地は、他県での知名度は十分といえない。
か ら の 位 置 ・ JR きらきら羽越号など、広域観光連携の対象は鶴岡市・酒田市など東北側となる。
づけ・課題 ・ 日沿道は朝日 IC までの供用が予定されており、高速交通アクセスの環境改善が期
待されている。
③新発田エリア(新発田市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
市町村合併により新発田市は、全国有数の泉質と宿泊施設を誇る「月岡温泉」の
ほか、天然記念物「大峰山橡平サクラ樹林」
、「加治川」や「藤塚浜」など山から海
までの自然資源を有し、城下町としての歴史と伝統に育まれた文化資源を活かした
まちづくりが求められている。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「まずは市民が気づくこと、自ら誇れる地域をつくること、来訪者に感動してもらえ
ること」
1) 城下町を極める∼旧市街地の風情と活力の創造∼
城下町新発田の文化や佇まいを最大限に引き出し、まちの人々が誇りを持って来訪
者に対応する意識の醸成
2) 温泉を活かす∼多様な温泉資源価値の向上∼
月岡温泉をはじめ市内9ヵ所ある各温泉の特色を活かし、温泉相互や他の観光施設
と関連付け、魅力を一層高める。
3) 食を活かす∼和菓子、地場産農産物等の活用∼
地域食材を活かした観光の振興
4) 山から海までを活かす∼観光資源どうしの連携∼
多様な自然資源と歴史文化資源など一体とした観光メニューを提供する。
5) 力強い仕組みをつくる∼実施体制と発信のしくみづくり∼
市民、事業者、行政がそれぞれの役割を果たし一体となって観光に取り組む等
・ 新発田市は城下町として名高く、町中に歴史・文化的資源があるものの、十分に活
広域的視点
用されていない。
からの位置
・ 月岡温泉は国内外から多くの観光客が訪れている。新潟空港利用のインバウンド旅
づけ・課題
行客の泊地として利用されている。
④阿賀野川エリア(五泉市・阿賀町など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
高速道路網の普及により、遠方からも気軽に来てもらえるようになった反面、福島
県への通過点として素通りされている現状である。
宿泊はもとより、立ち寄り観光地としても魅力的なエリアであるという要素を作り
出す必要がある。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「自然の豊かさをアピールし、それに伴う温泉やアウトドア施設、スキー場等の PR
に積極的に取り組む」
「地元で普段から食している山菜や郷土料理をピックアップし、観光客にとって魅力
的なものとなるよう商品化を含めて検討していく取組に対する支援」
○阿賀町観光振興計画(現在策定中)に基づいた観光 PR の取組
○新潟県 DC を活用した PR
○体験型修学旅行の継続的な受入実施と、外国人修学旅行等の受入を見据えた活動
に対する支援
・ 狐の嫁入り(阿賀町)など、個性的なイベントが知られているが、全国クラスの知
広域的視点
名度は無い。
からの位置
・ 特に磐越道整備後は、新潟市エリアと福島県側(会津若松等)の結びつきが強くな
づけ・課題
り、既に当該エリアは新潟∼福島間の通過地点として素通りするケースが多い。
⑤三条・燕エリア(三条市・燕市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
ものづくりのまちとしてのイメージが強く、観光地としてのイメージが希薄。このた
め、良好な自然景観や多様な観光資源を活かしきれていない状況にあり、今後は産業観
光をテーマとした観光地としての魅力向上に努める必要がある。宿泊施設がビジネス対
応中心で、女性客、ファミリー客向けの宿泊施設が不足しており、宿泊滞在型観光地と
しての魅力が弱い。さらに「食」=「味覚」を楽しませる要素も不足。
地域として観光客誘致の統一的な取り組みが不足しているのが現状。
②魅力向上のための戦略と主な施策
・三条から会津を結ぶ八十里越の歴史をテーマとし、吉ヶ平や雨生ヶ池等の観光資源
を取り込んだ自然と歴史の散策コースづくり。
・農家民泊と自然体験をセットにしたエリアの素晴らしさを満喫する農業体験をテー
マとした観光の提供。や、普段の生活をテーマとし、地域の個性を観光資源として提
供を行う。
・食の観光を提供する。
・世界に発信する洋食器、鍛冶や刃物作りの体験、山の素材を利用した各種ものづく
りの体験など、三条・燕の持つ「ものづくり」の各種体験をテーマとした観光の提供。
ものづくりのブランド力と知名度の向上を図る。
・観光産業と、分水地区の良寛等の自然観光の連携強化による観光ルートの確立。
・エリア全体として一体的な観光宣伝強化
・民間の「良寛の里活性化研究会」との協働による広域の良寛関係PR強化
・ 三条・燕の特性である「ものづくり」を産業観光に活かし他エリアに無い個性を演
広域的視点
出することが望ましい
からの位置 ・ 弥彦神社は、どちらかと言えば国内においては域内観光向けの資源だが、海外向け
には周辺の酒蔵や魚市場どおり等と併せて定番コースとなっている。
づけ・課題
・ 新幹線駅や高速 IC による高速交通体系の利便は高い。
⑥長岡・柏崎エリア(長岡市・小千谷市・柏崎市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
長岡市では、山から海まで広域的に充実した地理的要素、歴史文化的要素、大花火大
会や牛の角突きなど全国的に知名度の高いイベントなど、多種多様な資源の利活用と情
報発信が必要。柏崎市は、地元や近隣の日帰り客の割合が高く、夏を過ぎると極端な観
光オフシーズンとなることから、通年型・対峙型の観光地づくりが求められている。
②魅力向上のための戦略と主な施策
【長岡市】
・長岡の個性を感じる伝統的産業の体験やグリーン・ツーリズムなどによる体験型観
光・滞在型観光の仕組みづくりの推進
・目的別観光ルートなど周遊性に富む魅力的な観光ルートの開発、広域観光の拠点都
市化の積極的な推進
・高速交通体系による立地の優位性の活用と、北陸新幹線の延伸による観光客の減を
防ぐため、首都圏での観光キャンペーンなど誘客活動の展開。
【柏崎市】
・海里山の連携による特有のブルー&グリーン・ツーリズムや体験型観光、まちなか
観光、産業観光などの振興
・海岸線のレクリエーション施設や、じょんのび村、かやぶきの里など中山間の観光
施設を有機的に結びつけた周遊・滞在型観光の推進
・ 新幹線駅を有し、高速道路も北陸道と関越道の JCT があるなど、高速交通体系が充
実するエリア。
広域的視点 ・ 越後三大花火大会はすべて当エリア内で開催される。知名度の高いイベントは大き
な連携要素となることから、他エリアの夏祭りとの連携や他の資源との組み合わせ
からの位置
たルート提案が課題。
づけ・課題
・ 北陸新幹線開業による観光客の減少が懸念されており、主に首都圏を対象とした誘
客推進のための取り組みが喫緊の課題といえる。
⑦魚沼エリア(魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
湯沢町∼旧小出町にかけた上越線沿線地域は、温泉と冬季スキー観光を基幹とし
て発展。今後もこれらを核としながらも、地域の自然資源や人文資源を有効活用し、
四季を通じ人が繰り返し訪れる観光が求められている。
十日町市は、松之山をはじめとした温泉や祭り、スキー場、リゾートホテルなど
の観光資源があるほか、広大な自然の中に設置される「大地の芸術祭」作品のレベ
ルの高さと作品数は国内外で高い評価を受けている。
②魅力向上のための戦略と主な施策
【魚沼市・南魚沼市等】
(地域に散在する魅力ある観光資源の有機的連携)スキーなど
スポーツ観光推進/地域特性を活かした四季観光の推進/体験・交流観光の推進/利
雪・遊雪観光の推進 など
【十日町市等】
(賑わいを生み出す交流活動推進)イベント充実/地域間交流の推進/
体験型交流の推進/交流拠点の活用とネットワーク化など、
(地域資源を活用した観光
推進)芸術・アート作品の活用/観光資源の周遊計画化など、
(魅力あるリゾート形成)
滞在型保養地の充実/当間高原リゾートとの連携/教育・スポーツ分野等との連携強
化
・ 越後湯沢や苗場のイメージは、スキーや温泉であったが、高原観光やイベント(FUJI
ROCK)が開催されるなど、通年に渡った観光に取り組んでいる。
広 域 的 視 点 ・ 北陸方面へアクセスするほくほく線との乗換駅となる。将来、北陸新幹線開通によ
る課題は問題となっている。
からの位置
づけ・課題 ・ 大地の芸術祭(十日町市)は、首都圏など広域観光の誘客可能なイベント。
・ ほくほく線や上越新幹線など、北陸新幹線開業による観光客の減少が懸念されてお
り、主に首都圏を対象とした誘客推進のための取り組みが喫緊の課題といえる。
⑧上越市エリア(上越市・妙高市など)
①現状と課題
【上越市】上杉謙信公のふるさとであるなど、長い歴史や文化によって育まれた豊富
な観光資源を有しているが、上越新幹線沿線都市と混同されるなど知名度があまり高
くない。大規模な宿泊施設や食事会場などが少なく、団体客の受入れが困難。市域が
広く、資源も点在しているため、交通網整備を含めたルート整備が必要。
【妙高市】上信越高原国立公園に指定されている妙高山麓一帯は、その雄大な自然を
活かし早くから温泉やスキー場の開発が行なわれてきたが、平成3年をピークにスキ
ー客が減少し観光産業の低迷が深刻化している。多様化するニーズに応じて、温泉と
自然景観を活かしたトレッキング、登山など「癒し・感動」を満たす商品開発や地元
食材を利用した「本物・健康」志向商品の提供などが必要。
観 光 エ リ ア ②魅力向上のための戦略と主な施策
の 現 状 と 魅 【上越市】
力 向 上 の た ・ 今ある地域資源を有効に活用するための事業推進と情報発信。
・ 観光客をおもてなしする意識醸成、受入態勢整備
めの課題
・ 周辺地域との補完によりる相互の魅力向上
○情報発信の強化と大河ドラマ「天地人」推進事業、○越後田舎体験推進事業、○
フィルムコミッション事業、○広域連携推進(広域観光ルートを設定)など
【妙高市】
・ 既存施設の充実、新たな観光拠点の整備とともに、妙高ならではの特色ある観光振
興を推進
・ VJC事業や国際観光テーマ地区推進協議会と連携した情報収集・発信。
・ 近隣市町村や県と連携した広域的観光誘客への取り組み
○観光拠点の整備、○自然・温泉・食材等を活用した観光推進、○国内友好都市と
の交流の推進、○豪州からのスキー客を主とした外国人観光客の誘致
・ 北陸道と上信越道の分岐にあたり交通の利便は高い。長野県側とのアクセスが良
く、県内他エリアよりも関係は深い。
・ 直江津港を発着地とする佐渡エリアを結ぶ航路がある。
広 域 的 視 点 ・ 妙高は高原リゾート型観光地としてディスティネーションは長野エリアと一体。ま
た、雪や温泉など個々の資源の質の評価は高く、豪州からのスキー客誘致に長野と
からの位置
連携して取り組んでいる。
づけ・課題
・ 北陸新幹線の新駅は、既存市街地から離れた位置となるが、周遊観光の面ではメリ
ット有り。
・ 北陸新幹線開業に伴い上越駅等からの二次交通整備が課題
⑨糸魚川エリア(糸魚川市など)
①現状と課題
・ 自然資源、文化的資源、ヒスイやフォッサマグナなど稀有な資源に恵まれている。
さらに農林水産物や伝統行事など観光の素材を豊富に有している。
・ しかしながら、それぞれのつながりや人的味付けが弱く、総合的な魅力が乏しく通
過型となり、通年・滞在型へと対応ができていない。
・ 人を中心に資源を活かす工夫とPRにより、地域の総合力を高め誘客につなげる意
識の醸成が急務。
観光エリア
②魅力向上のための戦略と主な施策
の現状と魅
「接客・観光案内の向上:地域全体のもてなし対応の向上」
力向上のた
「観光資源の活用と連携」
めの課題
「滞在型体験機能の充実:ニューツーリズムへの対応」
「県内外の観光拠点との広域的な観光ルートの展開の促進」
・観光協会の合併促進:観光事業者等の観光客へのもてなし対応(食事、癒し、健
康、リフレッシュ等)の意識啓蒙・充実
・2009 新潟県大観光交流年推進協議会への参画
・世界ジオパーク認定に向けた取組み
・定期観光バス運行支援
・ 親不知・子不知や翡翠などの資源があるが、観光エリアとしての体力は他に比べ弱
い。
広域的視点
・ 広域周遊観光の場合、上越エリアと立山黒部エリア[富山]の間にあって観光客は通
からの位置
過するケースが多い。
づけ・課題 ・ 白馬大町エリアとの結びつきがあるものの、高速交通網整備の計画もあるが現状で
物理的なつながりは弱い。
⑩佐渡エリア(佐渡市)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
豊かな自然や薫り高い文化が集積し、多くの観光資源に恵まれているものの、観光
入り込み数は減少。個人のライフスタイルや価値観を把握した上で、潜在的ニーズを
探り、独自のポテンシャルを活かした新たな観光施策の樹立が求められている。
②魅力向上のための戦略と主な施策
○一丸となった観光振興策の立案と推進体制の確立
○「スペシャリティ」を打ち出した観光資源開発
地域資源を活かした旅行商品化/ホスピタリティの醸成と人に優しい観光地づく
り/地域ぐるみの受入環境づくり
○個人・グループ客に対するきめ細やかな情報提供ともてなし充実
個人情報案内機能の充実/個人客・グループ客へのサービス対応の充実 など
○体験滞在型観光地づくりへの取り組み
○観光宣伝活動の強化
島民コネクションの活用/島民向け観光情報提供の充実/イベント開催による集
客力強化 など
○佐渡までのアクセス改善と島内公共交通機関の利便性向上
トータル交通コストの縮減/島内交通ホスピタリティ向上 など
・ 全国的な知名度は高く、国内外旅行の人気も少なくない。
・ 佐渡金山、朱鷺、たらい舟など観光資源も豊富。
広域的視点
・ 離島であるがゆえに、船もしくは飛行機でのみアクセス可能。特に冬期は悪天候に
からの位置
よる欠航が不定期に生じる。また料金も割高感がある。
づけ・課題 ・ 年に1回開催のアースセレブレーションは、訪日外国人に人気。
・ 外客 FIT 向けの二次交通、ガイド、フェリーへの荷物運搬が課題
5) 長野県(9エリア)
①長野周辺エリア(長野市、中野市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
長野地域は、国宝善光寺を中心に、周辺部に上信越高原国立公園があり、四季折々
の自然や風情ある温泉、雪質の良いスキー場を有している。さらに、歴史・文化の
香る街並みや地域自慢の食など豊富な観光資源を有し、多くの観光旅行者が訪れて
いる。近年はオリンピックの開催を契機に外国人旅行者が増大するなど広がりをみ
せる。今後は、観光事業者、地域住民、市町村や県などが協働し、顧客満足度を高
めるおもてなしの心の醸成を図ることが必要。また、観光地の連携による広域観光、
農業体験や森林セラピーなどの体験型観光、善光寺や松代・須坂・小布施などでの
歴史・文化にふれる交流型観光の推進が必要。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「新しい観光商品やサービスの開発・提供」
「オリンピック開催の知名度や施設を生かすとともに、北陸新幹線の長野・金沢間の
開通による人的・経済的交流の拡大を見据えた受入体制の整備の推進」
○観光旅行者の満足度を高める「おもてなし」の観光の推進
・観光事業者の接客技術の向上と地域住民のおもてなしの心の醸成、特産の農産物
を使った新たな名物料理の開発など地域資源を活用した特色ある「おもてなし」の
実践支援
○それぞれの観光資源の魅力を引き出す広域観光の推進
・北陸新幹線の長野・金沢間の開通を見据えた、新潟、北陸地方との連携の促進
・善光寺御開帳を見据えた広域観光ルートの開発など
○自然と地域資源を生かした体験型観光の推進
・トレッキング、マウンテンバイク、カヌー、新たなスキー・スノーボードの楽し
み方、森林セラピーなど観光旅行者のニーズに応える体験観光プログラムの開発や
体験型観光のための環境整備
○地域の歴史、文化にふれる交流型観光の推進
・地域住民、観光事業者、市町村や県が協働した多彩な歴史、文化を生かした観光
プログラムの開発、提供など
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・善光寺は全国的な知名度も高い観光資源である。冬季オリンピック開催地として、
海外の知名度も高い。
・新幹線や高速道路など高速交通の利便が良い。長野市周辺や白馬・野沢温泉、志賀
高原、妙高高原エリアなどに多くの温泉地やスキーエリアがあり、成田 in の訪日旅行
者の交通拠点となっている。
②志賀・野沢温泉・飯山エリア(飯山市、山ノ内町など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
オリンピック開催地などの国内有数のスキー場を中心とした雪国ならではのスポ
ーツ、レジャーのメッカで、湯量豊富な温泉や豊かな自然に恵まれた地域であり、
観光が農業とともに主力産業として発展。しかし、観光旅行者数や観光消費額は長
期減少傾向にあり、地域が一体となって観光の再興を図ることが喫緊の課題。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「地域一体となったおもてなしの提供や農業と連携させた観光振興」
「北陸新幹線飯山駅(平成 26 年度開業予定)を新たな機軸とした長野エリアや新潟県
など隣接地域との広域連携による誘客促進」
○付加価値の高い観光地づくり
・健康・保養、雪国の伝統文化、食、遊び、温泉など冬の魅力あふれる旅行商品の開
発やサービスの提供/地域が一体となった温もりのあるおもてなしの実践
○農業と連携した観光魅力づくり
・地域の生活文化を実感できる農業体験やグリーン・ツーリズムの推進
○広域観光の推進
・観光資源の発掘、再評価による新たな広域観光ルートの開発
・観光地間の情報共有化と観光旅行者への効果的な発信
・地域幹線道路や二次交通などの整備と隣接する新潟・群馬県を含めた広域の連携に
よる誘客促進
広 域 的 視 点 ・北陸新幹線開業に伴い、飯山駅を拠点とした誘客促進が課題となる。
か ら の 位 置 ・JR 飯山線でつながる新潟県魚沼地域や、妙高を中心とした新潟県上越エリアとの広
域連携
づけ・課題
③上田・軽井沢エリア(上田市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
浅間山、八ヶ岳、千曲川など豊かな自然に恵まれ、軽井沢を有するわが国有数の観
光エリアであるとともに、温泉保養地、国宝などの歴史的文化遺産、スポーツエリア
など、多彩な観光資源が集積した地域。
また、高速交通網の整備により、首都圏・日本海圏・太平洋圏を結ぶ交通の結節拠
点となっているが、その反面、通過型観光地化が懸念。
集客力の高い高原リゾート軽井沢と、近隣にある観光資源を結びつけることなどに
より、地域全体で、年間を通じた滞在型観光地の形成をめざしていく必要がある。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「軽井沢と近隣にある多彩な観光資源を結合させた広域的周遊滞在型観光地づくり」
「歴史・文化の探訪、スポーツ合宿やトレッキング、温泉保養、農村体験など、地域
の個性と強みを生かした観光旅行者の多様なニーズに対応する観光地づくり」
○個性と強みを生かした滞在型観光の推進
・環境・健康長寿への関心の高まりとニーズに応じ、小海線ハイブリッド車両や森林
セラピー基地、温泉、長寿食、農業体験などを組み合わせた滞在型観光プログラムの
開発
・少雨多照の気候と標高差を巧みに生かし生産された地域の農産物を活用する「食」
の開発や地産地消の推進、地域性に富んだ特産品の開発、伝承など
○広域観光の推進
・北陸新幹線の延伸を見据え、県内の隣接地域や群馬県などと連携した広域観光ルー
トの開発
・日本風景街道に登録された「浅間・白根・志賀さわやか街道」、
「ルート299北八ヶ
岳しらかば街道」
、「浅間ロングトレイル」などを活用した連携
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・軽井沢は全国的な知名度も高く、国内(特に首都圏)を中心に多くの集客がある。
・新幹線や上信越道など高速交通の利便も良い。
・周遊ルートとしては、草津温泉など群馬県との関係も強いエリアである。
④白馬・大町エリア(大町市、白馬村など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
日本有数のスキー場、立山黒部アルペンルートや温泉を中心に、観光が発展。観光
ニーズの多様化などにより観光旅行者は減少傾向にあることから、今後はインバウン
ドをはじめ、森林セラピー、スポーツ合宿やウォーキングを目的とした観光など、個
性や魅力を生かした観光の取組が必要。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「各地域の観光資源の個性と魅力を生かした観光プログラムの創造と人材の育成、地
域性に富んだ食の提供による広域的な観光の振興」
「地域の統一的な観光イメージの創造による広域的、統一的な観光情報の発信や平成
21 年春開園予定の国営アルプスあづみの公園の活用」
「立山黒部アルペンルートでつながる富山県、国道 148 号でつながる新潟県、隣接す
る松本地域、長野地域などとの連携」
○地域の個性と魅力を生かした観光の振興
・立山黒部アルペンルートでつながる富山県、国道 148 号でつながる新潟県、隣接す
る松本地域、長野地域などとの連携による広域的な観光宣伝活動や新たな広域観光ル
ートづくり
○外国人旅行者誘致の推進
・オーストラリア人スキー客をはじめとした外国人旅行者の受入体制の整備
・立山黒部アルペンルートや白馬山麓周辺のトレッキングなど、グリーン期における
外国人旅行者の誘客促進
○“こころ”と“食”で「もてなす」観光地づくり
○広域的、統一的な観光情報の発信
・広域で統一した観光イメージの創造、定着化や観光情報の発信、イベントの開催
・国営アルプスあづみの公園を活用したイベントの開催、周遊旅行商品の開発。
・白馬や八方尾根スキーエリアは、冬季オリンピック開催地として海外の知名度も高
い。
広域的視点
・近年の VJC 等の誘客効果により、豪州を中心とした欧米のスキー旅行者が急増して
からの位置
いる。
づけ・課題
・訪日スキー客は長期滞在するが現在のところ行動範囲はエリア内に留まっているが
他エリアへ広がる動きも見せている。
⑤松本エリア(松本市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
① 現状と課題
日本を代表する山岳景観や、多くの温泉地、安曇野の田園風景など豊かな自然に恵
まれている。また、国宝松本城などの歴史遺産、多くの美術館、サイトウ・キネン・
フェスティバルに代表される文化・芸術活動など、多様な文化資産がある。
これらの資源の連携による広域観光、先進的な文化・芸術イベントなどの開催、さ
らには、信州まつもと空港を活用した国際観光などが課題。
② 魅力向上のための戦略と主な施策
「山岳景観や多くの温泉地、美術館・公園・堰(せぎ)
・街道・伝統工芸などの多様な
文化・歴史資産、豊富な特産品を有機的に連携させた観光振興」
「隣接する大町・白馬地域(塩の道ルート)や木曽地域(中山道)、岐阜県・富山県(ぶ
り街道・中部縦貫自動車道)などとの連携による広域観光エリアづくり」
○ 地域資源を有機的に連携させた魅力ある観光地づくり
・山岳景観や多様な文化・歴史資産、特産品を連携させた滞在型観光プランの開発
・サイトウ・キネン・フェスティバルなど知名度の高いイベント開催の定着
・大北地域や木曽地域など隣接する地域や岐阜県・富山県などとの連携による広域観
光エリアづくり
・中部縦貫自動車道・松本糸魚川連絡道路などの主要幹線道路や主要観光地へのアク
セス道路、信州まつもと空港の毎日運航の早期実現など交通アクセスの向上
○ 外国人旅行者の受入体制の整備
・台湾・韓国・香港・中国などからの国際チャーター便の誘致や外国語による観光パ
ンフレットの作成、案内標識の整備
○ホスピタリティの向上と人材育成
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・松本城をはじめとした都市観光は、国内外の知名度が高く、広域観光の拠点となる。
・北陸新幹線のルートから外れているものの、長野エリア、飛騨高山エリア、木曽エ
リアなど広域周遊ルートの要衝となる。
・金沢市や高山市との観光協定等による広域連携の強化
⑥上高地・乗鞍エリア(松本市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
日本を代表する山岳や温泉地、スキー場など豊富な観光資源に恵まれているもの
の、最近一部温泉地で低下したイメージの回復や温泉地としての魅力の発信不足、
利用者の変化に伴う対応の遅れが課題。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「豊富な観光資源を活用した体験型観光の推進による地域活性化」
「地域ぐるみによるホスピタリティの向上」
○ 体験型観光の推進
・満足度の高い体験型観光地の確立のためのエコツーリズムの先進的取組
・大学、医療機関との連携による温泉を活用した健康増進プログラムづくりと提供
・冷涼な気候や高地トレーニングに適する特性を生かした学生
・社会人のスポーツ合宿の誘致
○利用者の視点に立った質の高い受入れ態勢の整備
・登山道・山小屋の整備や登山ガイドの育成
・案内表示板・道標等への外国語表記など外国人が一人歩きできるリゾートづくり
・市、環境省、地元住民等による平地遊歩道のバリアフリー化の研究推進。
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・北アルプスを中心とした山岳・自然観光の中心地として、知名度が高い。
・松本と飛騨高山の知名度が高いエリア間にあり広域周遊ルートとして質が高い区
間。また、当該ルートは、首都圏と北陸を結ぶルートとして知られ、中部縦貫道整
備による効果が期待される。
⑦諏訪・蓼科・八ヶ岳エリア(諏訪市、塩尻市、茅野市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
日本列島のほぼ中央に位置し、首都圏とのアクセスに恵まれた立地条件を有してい
る。また、諏訪湖や八ヶ岳に代表される雄大な自然環境に囲まれ、諏訪大社・縄文文
化など歴史的な史跡が数多く存在するとともに、多様な美術館・博物館が多数立地す
る、文化の薫りが高い地域。今後はこうした豊富な観光資源と有利な立地条件を有効
活用した滞在型観光に向けた取組が必要。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「参加することで喜びを覚える体験型観光と地域の特性を生かした食文化との融合に
よる通過型観光地から滞在型観光地へのシフトの推進」
「多様な観光資源と首都圏とのアクセスに恵まれた立地条件を生かした広域観光の推
進とターゲットを絞った誘客宣伝活動の展開」
「山梨県との連携による広域観光ルートの開発」
○既存の観光資源の再構築と体験観光の融合による滞在型観光の推進
・グリーン・ツーリズム、エコツーリズムなどの体験型観光や大学、医療機関、観光
事業者との連携による健康増進が実感できる滞在型観光の推進
・地元企業の協力による精密機械などのものづくり体験のできる産業観光の推進など
○地域性あふれるおもてなしと食の提供
○効果的な誘客宣伝活動の展開
・重点エリアを定めた国内外での誘客や海外旅行業者などへの積極的な売り込みの実
施、海外からの学習旅行の誘致など
・姉妹都市など国際交流に長じた諏訪地域の特性を生かした通訳や観光ガイドなどの
人材育成など
・諏訪と隣接する県内の他圏域や山梨県などとの連携による広域観光ルートの開発
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・長野県のなかでも、高原観光の拠点の1つとして知られ、国内外旅行者の人気も高
い。
・白樺湖周辺は、訪日外国人ツアーの宿泊拠点となっている。
⑧伊那・駒ヶ根・飯田エリア(伊那市、駒ヶ根市、飯田市など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
長野県の南部に位置し、中央アルプスと南アルプスに挟まれた大きな谷の中央を天
竜川が流れ、のどかな平野、山あいの秘境、季節の花や温泉などの自然環境と豊かな
農産物に恵まれている。また、数百年受け継がれてきた民俗芸能や祭りが多数残る文
化的な地域。一方でこの地域を訪れる観光旅行者は約8割が日帰り客となっており、
通過型の観光地となっている。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「隣接する木曽地域や静岡、愛知各県など近隣地域との連携による広域観光の推進」
「工場見学や農業体験など農業・林業・工業などとの連携や祭りや伝統芸能などの豊
かな文化資源などを活用した体験型・滞在型観光の推進」
○おもてなしの観光地づくりの推進
・地域食材を活用した名物料理や新たなメニューの開発など地域性あふれる「食」に
よるおもてなしの推進
・観光ガイドなど観光を支える人材を育成し、地域のきめ細かな観光情報などの地域
の魅力を提供し、観光旅行者と地域住民との対話や交流を促すなど滞在型観光
○広域観光の推進
・愛知県、静岡県をはじめとした近隣県や木曽・諏訪地域などの県内地域と連携した
誘客宣伝活動、広域的な旅行商品の開発など
・JR 中央本線と JR 飯田線との乗継の円滑化や定期バスの利便性向上の促進
○他産業と連携した体験型観光の推進
・農業、林業、工業、自然・スポーツなどを組み合わせた「体験型」観光プログラム
づくりなどの整備による滞在型観光の推進 など
広域的視点
からの位置
づけ・課題
・中山道の繋がりで隣接する岐阜県側エリアと一体となり街道観光の特徴を有する。
・長野県内にあって、JR 東海エリアに属している。
⑨木曽・中津川・恵那エリア(木曽町、南木曽町など)
観光エリア
の現状と魅
力向上のた
めの課題
①現状と課題
歴史的文化資源が多く、旧中山道の町並みは海外からも注目されている。信仰の山
として全国に知られる御嶽山をはじめ、木曽駒ケ岳、恵那山、山麓の高原、木曽川で
は、四季を通じて本格的な自然を体験することができる。
また伝統工芸や独特の食文化が継承され、人と自然が調和した文化的景観を現代に
残すこの地域は、豊かな観光資源を有している。
一方で近年は、観光旅行者数が減少傾向にあり、通過型の観光地化が懸念されてい
る。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「観光旅行者の満足度の高い滞在型観光地への転換を図るための、エリア内の観光資
源相互の連携強化による地域情報の発信や観光ルートの開発」
「情報発信の充実など街道巡りや外国人旅行者の受入環境の整備」
○自然、歴史、文化、特産品などの地域資源のブランド化やその普及
・観光旅行者が体験とふれあいを通して地域の生活文化を体感できるような体験プロ
グラムの提供など
・地元農林産物を生かした郷土料理、菓子などの創出・普及
○癒しと健康づくりの拠点となる滞在型観光地づくり
・飛騨街道、木曽古道などの街道・古道や赤沢自然休養林などの森林セラピーを活用
したウォーキングルートの基盤整備
○国内外から来訪しやすい観光地づくり
・妻籠・馬籠宿など木曽路への外国人観光旅行者の受入れ拡大のための海外へのマー
ケティングや案内標識・ホームページなどの多言語化への取組 など
広 域 的 視 点 ・ 中央高速道ルート上にあって中部∼首都圏を周遊する訪日旅行の通過路となって
いる。
からの位置
・長野県内にあって、JR 東海エリアに属している。
づけ・課題
6) 岐阜県(5エリア)
①岐阜・各務原エリア(岐阜市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
・岐阜城、長良川鵜飼い、薄墨桜など、全国的有名な観光資源や全国に誇れる地域
資源を数多く有しているが、観光地としてのイメージは弱い。
・岐阜県への玄関口、元気な名古屋に隣接し交通アクセスに恵まれており、日帰り
観光客の割合が多い。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「観光資源の知名度の向上・日帰り観光客をターゲットにした誘客宣伝の展開
○新たな誘客の仕組みづくりの展開
・東海北陸自動車道の全線開通を契機としたドライブ旅行の推進
○豊かな自然環境と地域のじまんとなる「食」などの資源を生かした観光振興
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・金華山や長良川の鵜飼いなど、知名度の高い資源を有するが、愛知県に至近で北
陸から遠隔地にあるため、北陸を中心とした周遊観光の訪問地としてイメージしに
くい。
②大垣・関ヶ原エリア(大垣市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
・ものづくり産業の集積地であるとともに、関ヶ原古戦場や養老の滝など、歴史的
に名高い観光資源を有し、地理的には、北伊勢圏、名古屋市圏及び関西圏に近い好
立地条件にもかかわらず、充分な情報提供が行き届いていないため、観光地として
の認識が低い。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「新たな観光資源となる「徳山ダム」や、
「養老鉄道」などをテーマにした圏域観光
振興の展開」
○新たな誘客の仕組みづくりの展開
・東海北陸自動車道の全線開通を契機としたドライブ旅行の推進
・東海環状自動車道西回りルートの開通に向けた誘客活動
○新たな観光資源を通じた情報提供
・「徳山ダム」を拠点とした誘客宣伝の展開
○モノづくり文化をいかした産業観光の推進
○体験型・滞在型観光の推進
・体験型の長期宿泊滞在地開発に向けた調査・研究の実施
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・岐阜エリアと同様に、愛知県に至近で北陸から遠隔地にあるため、北陸を中心と
した周遊観光の訪問地としてイメージしにくい。。
③郡上八幡・美濃市エリア(美濃市、美濃加茂市、郡上市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
・郡上八幡や「うだつの上がる町並み」
(美濃市)など、高速道路沿線に魅力ある観
光資源を数多く有しているものの、小規模町村が多く効果的、効率的な情報発信が
なされていない。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「東海北陸自動車道、東海環状自動車道の結節点である地の利をいかした誘客戦略
の展開」
○新たな誘客の仕組みづくりの展開
・東海北陸自動車道の全線開通を契機としたドライブ旅行の推進
○北陸地方、東三河地方からの誘客をターゲットにした情報発信
・北陸地域におけるキャンペーンの実施
・三村(日本昭和村、日本大正村、博物館明治村)や花フェスタ記念公園など、集
客力のある観光施設と周辺施設を含めた、地域の個々の魅力の情報発信
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・国内においても「郡上八幡」という地名の知名度は高い。
・東海北陸道沿線にあり、
主に自動車による中部圏からの北陸旅行の経路上にあたる。また、永平寺勝山大野
エリア[福井]と接し、岐阜から福井へ入るルートの分岐点でもある。
・愛知県から比較的近い位置にあるため、北陸の周遊旅行では通過されやすい。
④木曽・中津川・恵那エリア(恵那市、中津川市など)
観光エリアの
現状と魅力向
上のための課
題
①現状と課題
・東海環状自動車道の開通や馬籠宿の編入、土岐プレミアム・アウトレットの開業
など“新たな風”を追い風とし、新たな誘客活動の展開が必要となっている。
・また、低迷する地場産業である陶磁器産業を活性化するためにも、産業観光を中
心とした誘客活動を展開する必要がある。
②魅力向上のための戦略と主な施策
「美濃焼きを核とした産業観光の推進や、集積しているアート施設等の地域資源を
近隣県と連携し情報発信する」
○新たな誘客の仕組みづくりの展開
・東海北陸自動車道の全線開通を契機としたドライブ旅行の推進
○産業観光施設の情報発信
・モデルコースの造成
○美濃焼を核とした産業観光施設や自然・歴史・文化等の資源を活用した施設を隣
接県(長野県等)エリアも含めてネットワーク化した広域的な情報発信
○中山道をテーマにした広域連携事業の推進
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・中央道ルート上にあって、長野県エリアとの周遊観光の関係が深いエリア。
中部∼首都圏を周遊する訪日旅行の訪問地となっている。
・隣接する木曽・飯田エリア[長野]と一体として、街道観光の特徴を有する。
⑤飛騨・高山エリア(飛騨市、高山市、下呂市など)
①現状と課題
・高速交通体系の整備による近接性の向上に伴い、日帰り観光客が増加する一方で、
宿泊客数が減少し、とりわけ東海北陸自動車道の全線開通により、滞在時間の短縮
化がさらに加速すると見られることから、滞在型観光としての新たな魅力の創出や、
誘客の仕組みづくりを展開する必要がある。
②魅力向上のための戦略と主な施策
観 光 エ リ ア の 「観光客の滞在時間を増やして通過型から滞在型観光地への転換に向けた取り組み
現 状 と 魅 力 向 の推進」
上 の た め の 課 ③取り組みの方針・具体的な施策
○新たな魅力の開発(創出・再発見)
題
・圏域内の宿泊客向けの旅行商品の開発
・食と温泉に重点をおいた誘客活動の展開
○新たな誘客の仕組みづくりの展開
・圏域内市町村の観光資源をとりまとめた旅行商品の造成
・東海北陸自動車道の全線開通を契機としたドライブ旅行の推進
・隣接県(富山県等)との連携事業の展開
広域的視点か
ら の 位 置 づ
け・課題
・高山の街並みや白川郷、下呂温泉など、全国的に知名度の高い観光資源を有し、
金沢等と並んで国際観光の看板となるエリア。
・地理的に、北陸三県と長野県を結ぶ広域周遊観光の要として欠かせないエリアと
いえる。
・東海北陸道のほか、中部縦貫道整備が一層その役割を高めるものと思われる。
(3)観光エリアの魅力向上と広域観光連携の視点
1) 観光エリアの魅力向上
広域観光連携推進に向け、観光エリアの魅力向上のための視点を以下に考察する。
(新たな観光形態への取り組み)
・ 殆どの観光エリアで、それぞれの地域資源を活かした体験型観光プログラムづくり
が課題として挙げられている。
・ そうした取り組みを目指している地域では、「リピーターの確保」や「本物志向へ
の対応」などの目標が共通して掲げられている。
<主な事例>
○アルミ・銅器・漆器等の地域産業を見学する産業観光(氷見・高岡・砺波)
○トレッキングなど白山の豊かな自然を活用したエコ・ツーリズム(白山)
○オーナー水仙畑などグリーン・ツーリズム(丹南)
○海里山の連携によるブルー&グリーン・ツーリズム(長岡・柏崎)
○農家民泊、農業漁業体験など(能登ほか多数)
(まちなか散策・街並み鑑賞・歩きの観光)
・ 金沢や高岡、小浜、高山、木曽など、多くの観光エリアにおいて、まちなかや旧街
道を歩いて巡る観光を推進するエリアが数多く存在する。
・ そうしたエリアに共通する課題として挙げられているのは、域内公共交通の充実や
案内機能の強化、観光ボランティア育成などである。
(温泉観光地の活性化)
・ 加賀温泉郷やあわら温泉、宇奈月温泉など、古くから有名な温泉地の多くで、「活
性化」をキーワードとして、旅館などの宿泊施設再生だけでなく、温泉地全体の演
出など様々な取り組みが提案されている。
・ また近年のニーズに対応して、「個人や少人数のグループ」を対象とした施設改善
などが取り組まれている。
(全国的又は大規模イベント、キャンペーンの活用)
・ 国内のみならず国外からも一定規模の集客が見込める祭りやイベントを活用した
観光推進を図っている例も見られる。
<特徴的なイベント例>
○利賀芸術公園の国際的な舞台芸術の活用(氷見・高岡・砺波)
○サイトウ・キネン・フェスティバル(松本)
○アースセレブレーション(佐渡)
○2009 新潟県大観光交流年
(広域交通拠点を核とした公共交通網整備)
・ 新幹線や高規格道路の整備充実によるインパクトは、広域での誘客促進を図ってい
くための「きっかけ」として、大きな期待がかけられている。
・ そうしたインフラが自地域内に整備されている観光エリアでは、より「広域観光」
に対する意識が強い傾向がみられる。
・ 一方で、そうしたインフラの整備・充実によってストロー効果等のマイナスの影響
を受けるおそれのある地域等では、「通過型」から「滞在型」に向けた対応がより
大きな課題として位置づけられる傾向がみられる。
(広域交通拠点を核とした公共交通網整備)
・ 富山や高岡、金沢などの北陸新幹線駅や富山・能登・小松などの空港が、広域的な
観光・交流の拠点として位置づけられており、そうした玄関口における交通結節機
能が課題としてあげられている。
・ これにあわせて、並行する在来線のほか、地方鉄道、バスなど地域交通ネットワー
ク等の充実による二次交通環境整備も必要な取り組みとして位置づけられている。
観光エリアの魅力向上には、1つの観光エリア自体が魅力を高める「観光エリア内での連
携」とともに、複数の観光エリアでの相互連携の 2 つの対応があると考えられる。
上記の要点をもとに、今後の観光エリアの魅力向上に向けた視点を以下に整理する。
広域観光連携の推進に向けた観光エリアの魅力向上の視点
■観光エリア内での連携
○エリア内もしくは隣接エリアにおいて大きな集客の見込める観光地や祭り・イ
ベントをきっかけにして、より多くの来訪者を誘導する仕掛け
○観光エリア内の未だ知られていない固有の観光資源や体験型観光を積極的に組
み合わせた新たな観光の推進
○ニーズに応じて新たな取り組みを展開している観光地においては、観光エリア
が一体となり効果的かつ多様な PR 活動による「旧来型観光地」のイメージの
解消
■複数の観光エリアでの相互連携
○より広域的な観光を促す共通のテーマやストーリーによる連携関係さがし
○新幹線や高速道路の高速交通体系の積極的な活用と、新幹線駅など新たな広域
交通の拠点性を高め、観光エリア相互を円滑に回遊できる環境づくり
○共通のテーマをもつ観光エリア同士の連携による新たなディスティネーション
イメージの植え付けと来訪意欲の喚起
2) 観光エリアをつなぐ「テーマ・ストーリー」
観光エリアの魅力を高める1つの考え方として、
「複数の観光エリアの相互連携」とい
う視点が考えられることは先に述べた。
ニーズが多様化する現在では、これまでの物見遊山的な周遊旅行よりも、あるテーマ・
ストーリーをもった旅行を行うスタイルが一般的といえる。発地や国内・訪日旅行の別
にかかわらず、近年は有名観光地を巡る周遊旅行だけでなく、
「特定のテーマ・ストーリ
ー」を掲げた商品も数多く販売されている。
北陸圏(3 県)に隣接県を加えた 6 県を1つの圏域として捉えたとき、旅行者が選択
できる観光の種類は多種多様であるが、共通するテーマ・ストーリーで複数の観光エリ
アが連携し発信することで、当圏域ならではのより深い、特色ある旅を提供することが
できる。その「テーマ・ストーリー」の積み重ねが当該圏域全体の魅力を高めていくこ
とにつながるものと考えられる。
圏域の個性や特色を出すことができる主なテーマ・ストーリーと観光資源
主なテーマ・ス
主な組み合わせの対象となる観光資源
トーリー
温 泉
宇奈月温泉(立山黒部)、加賀温泉郷、和倉温泉(能登)、あわら温泉(福井・坂
井)
、 湯田中渋温泉郷・野沢温泉(志賀・野沢温泉・飯山)、上諏訪温泉(諏訪・
蓼科・八ヶ岳)
、白骨温泉(上高地・乗鞍)、湯沢地区温泉(魚沼)、下呂温泉・奥
飛騨温泉郷(飛騨・高山)など多数
食
海の幸、山の幸、米、酒、高原野菜、果物、和菓子(城下町)、など多数
雪
祭 り
古い街並み・歴
史・街道文化
匠・伝統の技
文化、芸術・ア
ート
新潟・長野をはじめとしたスキー場、海・里・山(アルプスなど)の雪景色、立
山黒部アルペンルート(雪の大谷)、雪祭り、雪国の生活文化、など
おわら風の盆(富山)
、こきりこ祭り(氷見高岡砺波)
、キリコ祭り(能登)
、三国
祭り(福井)
、お水送り(福井)、長岡花火等(長岡・柏崎)、大地の芸術祭(魚沼)
、
アースセレブレーション(佐渡)、高山祭り(飛騨高山)
、諏訪御柱祭(諏訪)
、長
良川鵜飼い など
金沢、越中八尾、井波、城端、山中温泉、越前大野、熊川宿、村上、出雲崎、須
坂、上田、松本、上諏訪、奈良井、馬籠、飛騨古川、高山、白川郷、郡上八幡、
美濃、多治見 など
金箔工芸(金沢)
、和紙(五箇山など)、陶芸(九谷焼、美濃焼他)・越前陶芸村、
ガラス工房、漆器(越前、輪島、山中、木曽、村上等)、越前竹人形の里、富山民
俗民芸村 など
若狭∼高岡の万葉文化、佐渡の能文化、金沢百万石城下町文化、北前船文化、
21 世紀美術館(金沢)
、大地の芸術祭、文学(室生犀星、泉鏡花、、坂口安吾、島
崎藤村)など
風景・絶景
農山村の風景(里山、棚田、農村平野、散居村、合掌造り集落など)や海辺の漁
村・湊町など「ふるさと」を感じさせる原風景
東尋坊、千里浜、三方五湖、黒部ダム、雨晴海岸、山岳(アルプス、白山ほか)、
親不知、佐渡海岸など、自然地形による絶景
太古の歴史
県立恐竜博物館・白山恐竜パーク白峰(福井)、魚津埋没林博物館、新潟歴史博物
館(縄文土器)
、野尻湖遺跡(長野) など
歴 史 的 建 造 物 兼六園、松本城、黒部ダム、寺社仏閣(永平寺、善光寺、瑞龍寺など)、世界遺産
(合掌造り集落等) など
等
産業観光
YKK アルミファスナー産業(黒部)
、眼鏡産業(福井)、原子力技術(若狭、柏崎)、
金属産業(三条・燕)
、セラミック産業(岐阜) など
3) 広域連携による魅力向上の視点からみた主な観光エリアの位置づけ
・ 広域観光連携が推進する将来の姿は、北陸圏及び隣接三県にある全ての観光エリア
が多種多様に「連携」していることが理想といえるが、各観光エリアの有する観光
資源や地理的特性、交通環境などの特性から、知名度や利便性といった点で「連携
相手としての魅力」に偏りがあることも否定できない。
・ また、具体的にどのような連携関係をつくることができるのか、他の観光エリアの
未だ知られていない資源や価値の存在を知る手だてが少ないという点も課題とい
える。
・ そうした点では、各観光エリアが「魅力的な連携相手」として認知されるよう、他
のエリアに頼ることなく各観光エリア一つひとつが常に磨きをかける姿勢をもつ
ことは、必要不可欠なことと考えられる。
・ また、連携するための共通テーマ・ストーリーを見いだすため、相互に情報を発信
共有する環境づくりも必要といえる。
・ 一方で、当該エリア内により多くの来訪者を呼び込むという観点からは、各種マー
ケットや旅行会社(エージェント)等に対して圏域全体の広域連携による魅力を戦
略的かつ効果的に売り込んでいく必要があると考えられる。
・ なお、既に本調査の対象地域(6 県)では、観光エリア間で具体的に進んでいる連
携関係も多数存在しており、広域観光推進協議会等を中心としたこうした取り組み
は今後とも積極的に展開されるべきものと考える。
・ 以上の点をふまえ、今後、当該エリアにおいて広域観光連携を推進していくうえで
特に担うべき役割があると考えられる観光エリアについて、その「位置づけと今後
の留意点」を整理すると次図の通りとなる。
広域的視点からみた主な観光エリアの位置づけと留意点
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