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波付鋼管がい装ケーブルの取扱い方法

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波付鋼管がい装ケーブルの取扱い方法
電気設備技術基準において、波付鋼管がい装ケーブルとして、
(1
1)制御、計装ケーブルの遮へいの接地方法
鋼帯がい装ケーブルと同様裸直埋布設が認められています。
制御、計装ケーブルにおいては外部からの誘導障害による
また昭和51年10月の改正で、波付鋼管がい装ケーブルは水底
誤動作を防止するため遮へいを施すことが多いですが、そ
ケーブルとしての使用も認められました。
の接地の方法を誤ると折角の遮へいも役立たなくなります
波付鋼管がい装ケーブルは機械的強度が大きく、完全水密性
ので、次のようにかならず正しい接地を行ってください。
で屈曲性に富み、
かつ軽量であり従来の各種金属シースの種々
A.
静電遮へいの場合
の特長を兼ね備えております。
銅テープあるいは銅編組などによる静電遮へいを施したケ
しかし、波付鋼管がい装ケーブルは薄肉金属テープを用い、波
ーブルの場合、遮へいはその片端を確実に接地してくださ
付け加工を施していますので、延線時過大な張力を加えると伸
い。接地を施さなかったり、あるいは両端で接地したりす
び易い欠点もあります。
ると、遮へいの効果が著しく減少したり、かえって誘導を
この資料は波付鋼管がい装ケーブルの特色を充分生かしてご
拾ったりすることになります。
使用いただくために、布設工事等のケーブル取扱いに関してご
B.
電磁遮へいの場合
注意いただきたい事項をまとめ、需要家各位のご参考に供する
銅テープ+鉄テープあるいは銅テープ+波付鋼管がい装など
ものです。
による電磁遮へいを施したケーブルの場合、遮へいはその
両端を確実に接地してください。なおこの場合、接地抵抗
(2)
電気設備技術基準との関係
(地中電線路の場合)
はできる限り小さな値となるようにしてください。
電気設備技術基準・解釈に示される波付鋼管がい装ケーブルと
3.波付鋼管がい装ケーブルの取扱い方法
一般ケーブル、CDケーブル、鋼帯がい装ケーブルの比較を表
2-3-1に示します。
(1)
まえがき
〔注意事項〕
①波付アルミ管がい装ケーブルおよびアルミ被ケーブルは、
がい装
(鎧装)
ケーブルとして認められておりませんので、
裸直埋布設はできません。
②単心波付鋼管がい装ケーブルには、材質の鉄損発熱の関係より鋼は使
用できませんので、非磁性体であるアルミまたはステンレス鋼を使用するこ
とになります。
したがって裸直埋布設方式とする場合にはステンレス鋼を
用いた波付鋼管がい装となります。
波付鋼管がい装ケーブルは鋼、
アルミ、
ステンレスなどの薄肉金
属テープをケーブル周囲に円筒形に成形縦添えし、合わせ目を
連続溶接した後、
波付け加工を施したものです。
波付鋼管がい装ケーブルは、世界各国で実用化されており、
わ
が国でも大量に使用されています。
表2-3-1 77kV以下のゴム・プラスチックケーブルの直埋方法の比較
一般ケーブル
+上部を板
または樋で覆う
一般ケーブル
+コンクリート
トラフ
CDケーブル
鋼帯がい装
ケーブル
(単心は黄銅帯)
波付鋼管がい装
ケーブル
重量物の圧力を受ける場所
(土冠1.2m以上)
×
○
○
○
○
その他の場所
(土冠0.6m以上)
○
○
○
○
○
重量物の圧力を受ける場所
(土冠1.2m以上)
×
○
○
○
○
その他の場所
(土冠0.6m以上)
○
○
○
○
○
重量物の圧力を受ける場所
(土冠1.2m以上)
×
○
×
(上部側部を
(上部側部を
板または樋で覆う)
板または樋で覆う)
○
○
その他の場所
(土冠0.6m以上)
×
○
×
(
項 目
低 圧
(600V)
および制御
高 圧
(3,300V~ 6,600V)
特 高 圧
(11kV~ 77kV)
○:布設可 ×:布設不可
○
)(
上部側部を
板または樋で覆う
○
)
上部側部を
板または樋で覆う
技術資料
6
79
●防食層の破断強度
(3)
ケーブル取扱い上の注意事項
a. 一般注意事項
許容張力 Ts
〔N〕
=KJ×AJ
ケーブルの取扱いに当っては、
次の一般注意事項をお守りくださ
〔mm2〕
ここに AJ:防食層の断面積
い。
①
“8字取り”
は避けてください。
②
“Ω字取り”
延線をする場合には、表2-3-2の許容曲げ半径以
KJ:
上のできるだけ大きな半径で細心の注意を払って作業をしてく
ださい。
9.8〔N/mm2〕
ビニル、ポリエチレン KJ= 1.0〔kgf/mm2〕
4.9〔N/mm2〕
クロロプレン KJ= 0.5〔kgf/mm2〕
●波付鋼管がい装の弾性限度
③曲げる場合は、
できるだけゆっくり均一に曲げ、急激に曲げを
加えないようにしてください。
許容張力 Tp
〔N〕
=C×D
④バックテンションは、
ドラムのジャッキアップ、
ドラムの回転補助等
ここに D:ケーブル仕上り外径〔mm〕
の方法により、
なるべく小さくなるようにしてください。
ただし仕上り外径20mm以下の場合は
⑤延線時ケーブルがループを作った場合、
そのまま引張るとキン
D=20で計算する。
クを起こすので、
ループを作らないようにしてください。
特にドラムからの繰出しに際してドラムを早く廻しすぎるとループ
C:
が起こりやすくなりますので、
ご注意ください。
49〔N/mm〕
波付鋼管がい装の場合 C= 〔
5 kgf/mm〕
波付アルミ管がい装の場合 C=
⑥原則として管路布設は避けてください。
24.5〔N/mm〕
2.5〔kgf/mm〕
波付鋼管がい装ケーブルは直埋布設ができるので、管路布設
②プーリングアイ方式で延線する場合
の必要性はありません。
プーリングアイを引張ると張力は導体に加わります。
また、
管路布設の場合には、
延線時に波付鋼管がい装パイプが
この場合、
次の式で求める導体の許容張力の値を用います。
伸びる恐れがあります。
但し、
ケーブルが曲り部を通過する時は、比較的大きな摩擦力
が、
防食層と波付鋼管がい装に加わります。
b. 許容曲げ半径
従って曲り部での引入張力が、上述のTs+Tpを越えることが予
波付鋼管がい装ケーブルの許容曲げ半径は、
一般のケーブルと
想される場合は、
曲りに入る前にケーブルを中間引きし、
曲り部で
同等の値です。すなわち表2-3-2に示した曲げ半径以下に曲げ
の摩擦力を低下させる等の対策を取ってください。
ることのないようご注意ください。
許容張力 T
〔N〕
=K×n×Ac
表2-3-2 ケーブル許容曲げ半径
ここに n:線心数
許容曲げ半径
ケーブル
単心波付鋼管がい装ケーブル
ケーブル仕上り外径の10倍
多心波付鋼管がい装ケーブル
ケーブル仕上り外径の8倍
Ac:I線心当りの導体断面積〔mm2〕
68 〔N/mm2〕
K : 銅導体 K= 7.0〔kgf/mm2〕
c. 許容張力
ケーブルを引張る方法としては、
ワイヤグリップ等により、
ケーブル
を外側から把持して引張る方法と、
プーリングアイを用いてケー
ブルの導体を直接引張る方法の2通りがあります。
引張る方法に
硬アルミ導体 K=
39 〔N/mm2〕
4.0〔kgf/mm2〕
軟アルミ導体 K=
22 〔N/mm2〕
2.3〔kgf/mm2〕
ご注意
プーリングアイを必要とするルートの場合は、ケーブルご注文の時必ず片端、
または両端プーリングアイ付とご指定ください。
よってケーブル部分の分担張力が異なるため、許容張力も異な
る値となります。
d. 許容側圧
①ワイヤグリップ方式で延線する場合
波付鋼管がい装ケーブルの許容側圧は、
波付鋼管がい装の波
防食層の上からワイヤグリップ等で引張る場合の張力は、防食
の山が変形しないように決定され次のとおりです。
層と波付鋼管がい装に加わります。
この場合、過大な張力を加えると、防食層の破断や波付鋼管が
許容張力 2900
〔N/m〕
300
〔kgf/m〕
い装の伸びを生じます。
側圧はルートの直線部では自重が加わるだけなので問題ありま
従って許容張力は、防食層の破断強度と波付鋼管がい装の弾
せんが、
曲り部では内面に押しつけられる力が作用するため注
性限度のいずれか小さい方の値となります。
意が必要です。
曲り部における側圧は、
次の式で求めます。
6
R
向
技術資料
引入
方
側圧 P
〔kgf/m〕
=
T
80
引入れ張力 T
〔kgf〕
曲り部半径 R
〔m〕
ご注意
①曲り部では、
側圧が許容側圧を越えることのないようなRを選定してください。
②曲り部には、必ず滑り板を使用し縦コロは使用しないでください。
コロを使
用しますと、
コロとケーブルが点接触となるため、局部的に大きな側圧が加
わることがあります。
③波付鋼管がい装は、
引き摺られている状態では比較的波の山が変形しや
すいものです。万一波の山が変形しますと、本来優れている静圧縮特性、
衝撃特性を損う恐れもありますので、許容側圧以上の側圧を加えないよう
にしてください。
②引入法
布設ルートにガス、水道管等の埋設障害物が多い場合、
あるい
はケーブル埋設溝に沿った延線が不可能な場合などは、埋設
溝内にコロを設置しケーブルを延線する。
ご注意
①波付鋼管がい装ケーブルは極力人力で延線をするようにしてください。
②已むを得ずウィンチなどで延線する場合は、延線張力および側圧を十分検
討するようにしてください。
e. 波付鋼管がい装ケーブルの布設形状
b. 延線張力
①直埋布設
延線張力は次のようにして求めます。
直埋布設の場合、接続部があるときは下図に示すようにたるみ
例えば、下図のルートでA→Dへ延線する場合、各点の張力は
(オフセット)
をとるようにしてください。
TB~TDのように求めます。
図2-3-1 ケーブル許容曲げ半径
(TA)
A
約300mm
許容屈曲半径以上
(TB)
B
C(TC)
R
接続部
β
θ
TB=TA+μWAB
向
方
線
延
β
TC
TC=TBeμθ PC=── R
TD=TC+μWCD
β
:直線部約100mm
ご注意:ハンドボールの場合、
接続部は砂埋を行います。
②気中布設
ここに、
TA:逆張力
〔kgf〕
TB~TD:各点の張力〔kgf〕
オープンピット、棚上などに布設するときは、
ケーブルにたるみ
(ス
ネーク)
をとって布設するようにしてください。
D (TD)
PC:B~C間の側圧〔kgf/m〕
ケーブルを直線布設すると、
負荷電流および季節的な温度変化
μ:摩擦係数(コロの上を延線する場合0.2
で長手方向に熱伸縮し、
端末および接続部に無理な力を加える
曲り部滑り板の場合0.4)
恐れがあります。
たるみ
(スネーク)
をとることにより長手方向の熱
θ:曲り角度(ラジアン)
伸縮を横方向
(点線で示す形状)
へ逃します。
W:ケーブル質量〔kgf/m〕
図2-3-2
AB:A~B間の長さ〔m〕 CD:C~D間の長さ〔m〕
温度上昇後の形状
δ°
なお、
水平で曲りのあるルートでは、
曲り部に近い方から延線した
布設時の形状
方が張力が小さくてすみます。
(例)
λ
600V CVMAZV3×38mm2の場合、
ケーブル外径D=37
〔mm〕
λ :たるみのピッチ 3~6m
質量W=2.07〔kg/m〕
です。
このケーブルをコロを使用して300m
(スネークピッチ)
δο :たるみ幅
の直線ルートに延線する時の張力の検討は次のようになります。
1D前後
TB=μWAB
(初期スネーク幅)
=0.2×2.07×300
D :ケーブル外径
=124〔kgf〕
ご注意
①60mm2以下のケーブルのとき、
あるいは曲りの多いルートのときは、
たるみ
は不要です。
②棚上などに布設するときの支持間隔は、1.5m以下にすることをおすすめし
ます。
一方ワイヤグリップで引張るとすると、
ケーブルの許容張力は
(4)
ケーブルの延線
TP=C×D
TS=KJ×AJ
=5×37
=1.0×270
=185〔kgf〕
=270〔kgf〕
a. 延線方法
この例ではTB<TPおよびTB<TSなので、問題なく延線できるこ
波付鋼管がい装ケーブルの延線は現地の状況に合わせて次の
とがわかります。
ような方法があります。
6
技術資料
①落し込み法
布設ルートに障害物がなく、
ケーブル埋設溝に沿い延線が可能
な場合に、
地上(溝わきコロ上)
に延線し、
その後ケーブルを溝に
落し込む。
81
c. 延線時の注意事項
波付鋼管がい装ケーブルは、薄肉金属テープに波付加工を施
した波付鋼管がい装を被せているため、次のような波付鋼管が
適切に人員を配置
い装ケーブル特有の注意事項があります。
①ケーブルの線心と波付鋼管がい装のズレを防ぐため、延線前
にケーブルの端末で内部の線心と波付鋼管がい装を固定してく
ださい。
〈固定法〉
ドラムに適切な
回転力
(1)波付鋼管がい装シースと心線を適切な方法で固定する。
線路の曲り部等では
ケーブルを監視
(水密に注意する)
(2)細物波付鋼管がい装ケーブルはケーブル先端を折り返し
て、
ワイヤグリップ等で引く。
図2-3-4
バインド
(5)
ケーブル端の防水処理
心線または線心
ケーブル両端末は湿気の侵入を防ぐために密封されておりま
す。波付鋼管がい装シースは端末部分が密封されておれば錆
の心配はありません。従ってケーブル延線後は必ず両端未処理
に異常がないかどうか確認してください。
またケーブルを切断した場合は、
中間接続や終端接続作業に直
ケーブル
水密処理
ちに移行する場合を除き、必ずビニルキャップまたはクロロプレン
ワイヤグリップ
キャップをかぶせた後、防水テープを巻いて水分、湿気等が侵
入しないようにしてください。
(6)
波付鋼管がい装の剥取り法
波付鋼管がい装ケーブルの端末処理は、
パイプの剥取りを除い
図2-3-3
ては他の一般ケーブルと考え方はほぼ同一であります。
ケーブルを完全に
折り曲げる。
a. 防食層の剥取り
ケーブルに対してナイフを斜めに入れ所定寸法間の防食層を剥
②延線後ケーブルを切断する場合は、
切断前にケーブルの両端
取ります。
末を調べ、
線心とパイプのズレや、
パイプの伸び等の異常のない
ことを確認してからケーブルを切断してください。
b. 防錆剤の除去
③波付鋼管がい装は、
無理な張力
(許容張力の項をご参照くだ
パイプ上に塗布してある防食混和物を除去します。
さい)
を加えますと、
伸びてしまいます。
ルートが長い場合や曲り部が多い場合等、
延線張力および側圧
c. 波付鋼管がい装の剥取り
が大きくなり延線作業が困難になることがありますのでご注意く
種々の方法がありますが代表例をつぎに示します。
ださい。
①●波付鋼管がい装端部を金
④垂直あるいは傾斜のあるルートでは、線心と波付鋼管がい装
バサミで、たんざく状に切
がずれる恐れがありますのでご注意ください。
込む。
⑤延線中は、
ルートの曲り部や工作物、
地上物体との交叉、
接近
●切り込んだ部分を起し、
こ
場所その他適切な位置でケーブルを監視し、
ケーブルが引っ掛
の部分をペンチ等で平ら
かったり、
無理に曲げられたりしないようにしてください。
にする。
⑥波付鋼管上には、鋼管の腐食抑制のため防錆剤を塗布して
●右図に示す形状の工具の
います。
ケーブルを垂直または傾斜部に布設する場合には、端
先端に設けてある溝に挿
末部の鋼管と防食層のすき間より防錆剤が滲み出す可能性が
入する。
ありますので、端末施工時に鋼管と防食層の間のシールをお願
周りに沿って廻し、所定寸
技術資料
6
●工具を波付鋼管がい装の
いします。
法間の波付鋼管がい装を
剥取る。
(巻きとる。
)
備考:この方法は一番簡単な方法であり、
ケーブルコアに傷をつけずに安全性
が高いが、巻きとるので時間がかかります。
82
②●金ノコ
(波付鋼管がい装厚が薄いため、刃と刃のピッチが
(2)
アンモニアガスの発生
細かいものが望ましい。)
を用いコルゲートの山の頂点に沿
ゴムおよび合成樹脂は、アンモニアガスによって物理特性
って1~2山に渡り波付鋼管がい装を切断する。
山の頂点は
は変化しませんが、アンモニアを吸収することにより絶縁
すべり易いので波付パイプの斜面を切断してもよい。
抵抗は低下します。
アンモニアガスの雰囲気中で使用する場合は、ゴム、合成
ノコの方向
樹脂の上に鉛被、波付鋼管がい装、ラミネートシースのよ
うなガス遮断層を施したケーブルを用いることにより、絶
縁抵抗の低下を防いでください。
(3)
酸類に接触する場所
濃硫酸、濃塩酸、硝酸などの酸化性酸に対して耐えるゴム、
合成樹脂は、ふっ素樹脂を除いてはなく、いずれも酸化し、
脆化してしまいます。しかし、一般の無機酸(稀硫酸、稀
図2-3-5
塩酸など)
に対しては、黒色ポリエチレン、ビニルおよびク
ロロプレンが耐えるので、これらを被覆した電線、ケーブ
●2つのコルゲートの山の間に残っている部分は、金バサミで
ルを使用してください。室温においては、これら各材料の
切り離し、波付鋼管がい装を抜き取る。
(ハサミで切断する
うちでも黒色ポリエチレンが比較的良好です。
とき、
パイプを若干ねじり、切断部分をうかして作業するとう
まくできる。)
(4)
タール系溶剤に接触する場所
備考:金ノコでパイプを切るときおよびハサミでパイプ切断のときコアを
傷つける恐れがあるので充分練習し注意して行ってください。
石炭ガスの廃液またはタール処理において発生する芳香族
系溶剤に対して、ゴム、合成樹脂単独で耐えるものはふっ
●波付鋼管がい装を長く抜き取る必要のある場合には、抜き
素樹脂以外にはありません。したがって、現段階において
取り時に導体に導体の許容張力以上の力が加わらないよ
は、鉛被に黒色ポリエチレンか、またはニトリルゴムを防
うに、波付鋼管がい装を1m以下の長さで輪切りにして抜き
食層として施したものが最善の策といえます。できればケ
取る等の配慮をしてください。
ーブルがこれらの溶剤に浸漬されないよう、架空配線とす
過大な張力を加えたために、導体の断線およびキンク現象
ることをお奨めいたします。
を起こした事故例がありますのでご注意ください。
(5)
製紙廃液に接触する場所
(7)
接続部および接地処理法
製紙工場において問題となるのは、ターペンチン油です。
波付鋼管がい装ケーブル用の終端および中間接続部は、汎用
これに対しても、ほとんどのゴム、合成樹脂は単独では侵
仕様品と一部異るところがありますので、
波付鋼管がい装ケーブ
されます。
ル用であることを必ずご指定ください。
しかし、鉛や鉄の金属は侵されないので、鉛被ケーブル、
なお、
波付鋼管がい装表面にアース線をはんだ付けする際には
波付鋼管がい装ケーブル、あるいは金属ラミネートシース
波付鋼管がい装表面をワイヤーブラシまたはサンドペーパー等
ケーブルを使用してください。
により軽く削り取りヤニ入はんだとペーストを使い、
はんだ付けくだ
さい。
(6)
クレオソート油に接触する場所
ポリエチレンを除くそのほかのゴムおよび合成樹脂は、ク
4.特殊環境に対する考慮
レオソート油により膨潤劣化します。したがって、ケーブ
ル支持物として使用されるクリートで、クレオソート油を
(1)
腐食性ガスの発生する場所
真空含浸したものを用いる場合、あるいはクレオソート油
亜硫酸ガスは、電線、ケーブルに使用される銅、鉛、錫、
で防腐処理した電柱に電線を添わせて配線する場合には、
アルミニウム、鉄などを腐食します。また、ゴムおよび合
ポリエチレン電線を使用してください。
成樹脂を透過します。したがって、非常に濃度の高い亜硫
酸ガスの雰囲気中において使用できる完全な材料はありま
(7)
汚染性ガス、煙霧雰囲気または海岸に近い場所
せん。しかし、一般工業地帯における程度の濃度に対して
合成樹脂あるいは合成ゴム絶縁電力ケーブルのケーブルヘ
は、クロロプレンおよびビニル、黒色ポリエチレンの防食
ッドには、最近、合成樹脂や合成ゴム材料を応用したもの
が多く用いられておりますが、化学工場などの汚染性ガス
防止することができます。工場内の鋼帯がい装ケーブルな
あるいは煙霧の著しい場所においては、これらの表面が汚
どには、これらの防食層を施してください。
83
6
技術資料
層を施すことにより、ほとんど問題にならぬ程度に腐食を
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