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資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー: 建設プロジェクト
Oracle White Paper 2009年1月 資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー: 建設プロジェクトにおける資本計画から完成まで すべてのプロセスをつなぐ Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー 概要………………………………………………………………………………………………………………… 1 はじめに……………………………………………………………………………………………………………… 2 テクノロジーに対応したプロジェクト遂行ライフサイクル… ……………………………………………………… 3 AEC業界の生産性を妨げる壁… …………………………………………………………………………………… 4 積極的なプロジェクト管理… ……………………………………………………………………………………… 5 リスク管理………………………………………………………………………………………………………… 7 ビジネス・プロセスの自動化(生産性低下傾向の食い止め)…………………………………………………………… 8 PrimaveraソリューションによるAEC業界の生産性向上…………………………………………………………… 9 顧客の成功事例:Satterfield & Pontikes… ………………………………………………………………………10 仮想プロセスによる大幅な節約… …………………………………………………………………………………10 結論…………………………………………………………………………………………………………………11 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー 概要 経済危機に直面していると、建築、エンジニアリング、建設(AEC)業界を長年悩ませてきた問題は見失われがち です。 しかし、この業界が資本プロジェクト遂行における効率の悪さと生産性の伸び悩みという体系的な問題を 抱えているという事実は、依然として残ったままです。この問題で、景気後退期に収縮したわずかな利益幅がさ らになくなり、好景気に得た利益や再投資能力が消耗される事態にもなりかねません。 プロジェクトを常に成功に導き、すべての関係者に適切な価値と利益をもたらすべく、AEC業界は、オーナー、請 負業者、設計者、サプライチェーン全体の間で展開される、人的および契約上のプロセス、関係、そして力学を 再確認する必要に迫られています。また、中心となるイネーブリング・テクノロジー・ソリューションについて調 査し、投資回収率(ROI)を確保するためにこれらがどのように相互作用するかを確認する必要があります。 このホワイト・ペーパーでは、プロジェクト設計、プロジェクト実行、組織ガバナンスという、資本プロジェクト遂 行のライフサイクルにおける3つの主要ソリューション領域について説明します。とくに、プロジェクト実行の領 域と、一貫したプロジェクト成功を実現するために現在使用できる手段に重点を置きます。プロジェクト遂行に おける効率を見いだし発展させ、プロジェクト生産性を向上させるには、テクノロジーの使用を通じて以下の領 域を強化する必要があります。 ・ 積極的なプロジェクト管理 ・リスク管理 ・ 重要なAECビジネス・プロセスの自動化 1 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー はじめに 予期せぬ経済変動は、プロジェクトの遂行と企業の業績に大打撃を与える可能性があります。その上、AEC業界 が抱える永久の課題 - 厳しい予算、低い利益率、増大するコスト- は、景気後退期には深刻化する一方で す。市況に関係なく、常に資本プロジェクトを成功に導くことは、AEC組織を財政面で安定させ、オーナーのROI 確保につながります。 しかし、経済の変化により、マネジメント層は重要なことから目をそらしがちです。過去40年にわたって、資本プ ロジェクトの遂行における生産性は下降の一途をたどっています。1964年以降、非農業部門におけるAEC以外 の産業の総計で、生産性は2倍以上向上しているにもかかわらず、AEC業界の生産性は毎年0.59パーセントの 割合で悪化しているのです。※1 この無視することのできない生産性低下とプロジェクト遂行の妨げになるAEC業界固有の非効率性は、問題を 明確に特定し解消する必要があります。これが実現すれば、AEC業界は市場の収縮を切り抜けるだけでなく、今 後30年間に見込まれる世界的な建設需要の高まりに乗じて利益を得る態勢を整えることができるのです。 ※1 Paul Teicholz、 『 Labor Productivity Declines in the Construction Industry: Causes and Remedies』 2004年4月(2008年9月23日にアクセス)、以下のWebサイトに掲載 www.aecbytes.com/viewpoint/2004/issue_4.html. 2 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー テクノロジーに対応したプロジェクト遂行ライフサイクル AEC業界の生産性が低下するのは、健康面や安全性を第一に考えていることが例にあげられます。これが正当 かつ重要な理由であることは事実ですが、この生産性の低下は、AEC業界がプロジェクトを合理化する能力を もっていないということを物語っています。生産性向上を経験した製造業などの業界とAEC業界の明らかな違 いの1つは、プロジェクト遂行ライフサイクルにおいて、AEC業界が支援テクノロジーに対して非定型かつニッ チな手法を取ることにあります。 このような傾向をなくし、業界の課題を解決するチャンスはあります。プロジェクトのライフサイクルで必要とさ れるテクノロジー・ソリューションは、設計、実行、運用ガバナンスの3つの領域に大きく分けられます。見込まれ る利点を明らかにするため、このホワイト・ペーパーでは、資本プロジェクトの実行部分に重点を置き、統合プ ログラム管理ソリューションを使用してすべての関連ビジネス・プロセスとデータ・ストリームを結合し、資本プ ロジェクトの開始から完了までをサポートするための中心となる要件について説明します。 3 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー AEC業界の生産性を妨げる壁 Paul Teicholzは、自身の書いた記事『Labor Productivity Declines in the Construction Industry: Causes and Remedies』※2の中で、AEC業界の生産性低下傾向について調査し、次の4つの主な問題点を明らかにしました。 ・ 設計-入札-構築(DBB)ビジネス・モデル:DBBビジネス・モデルにより構築プロセスから設計フェーズが分離 されるため、プロジェクト実行中に変更や矛盾が増加し、結果的に遅延、 クレーム、追加コストが発生しています。 統合プログラム管理ソリューションは、 どのような契約手法が採用された場合も、プロジェクトの設計フェーズと 構築フェーズを統合することで、 この壁を乗り越えられるよう支援します。 この統合により、マネジャー層は作業の 責任を分担できるだけでなく、統一および体系化されたバリュー・チェーンの恩恵を被ることができます。 ※2 同書 ・ ITの相互運用性:過去35年にわたって、AEC業界でのITの新規導入は増え続けてきましたが、多くのアプリ ケーションはそれぞれが独立したまま実行されており、円滑なコミュニケーションが妨げられています。その 結果、この分断されたテクノロジー環境は、紙の無駄遣いと非効率的な手動プロセスの温床となっています。 しかし、Webベースの統合プログラム管理を利用することにより、人の手を介する必要が軽減され、有意義な コラボレーションの機会を増やす相互運用性と自動化のネットワークが実現します。また、データが集計され るため、すべての関係者はいつでもプロジェクト・ステータスを追跡できます。 ・ ITのリーダーシップ:建設業界は、小規模顧客、ベンダー、設計者、総合建設請負業者、下請業者からなるさま ざまなグループで特徴づけられるため、ITを新規導入する責任はその煩雑さの中に紛れてしまいがちです。 コストのかかるインフラストラクチャやトレーニング要件に関する懸念を最小化する統合プログラム管理ソ リューションを提供することで、プロジェクト・マネジャーが主導権を握り、パートナー全体におけるテクノロ ジー統合に対して意欲を高めることができます。 ・ 不十分な人材:研究開発には高コストとリスクがつきまとうという認識から、建設業界は他の業界よりも遅れ て新しいテクノロジーへ移行してきました。その結果、AEC業界は、最新の優れた技術に携わりたいと願う学 生の関心をうまく引くことができませんでした。 しかし、最新のWebベース・ソリューションは、オーナー、請負 業者、設計者の業務を自動化するだけでなく、新時代のテクノロジー通の心もとらえます。 4 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー 積極的なプロジェクト管理 どういう形であれ、オーナー、請負業者、および設計者は、資本供給プロジェクトを開始または請け負う場合、投 資に見合う収益を獲得し、最大のコスト・パフォーマンスで各要件を満たそうと努力します。新しい地域に店舗 を開く小売チェーンであろうと、老朽化した学校を建て替える地方であろうと、プロジェクト・オーナーは、金銭 的なROIを得るか、または他の関係者の利益につながるという前提に基づ いて資本計画を作成します。 しかし、プロジェクトの目的と目標を記述した計画が文書化されたあと、請負業者は従来どおり、単独のプロジェ クト管理ツールを使用します。請負業者の開発する遂行計画は、コストや納期など、契約上の義務を守ることに 重点を置いていることが多く、本来の目標や意図を反映していません。 さらに、プロジェクト参加者が異なるシステム間で作業する場合、情報は個別のファイルや紙の文書で渡されま す。 したがって、更新や変更が発生するたびに、関係者は電話や電子メール、ファクシミリ、または郵便物をやり 取りし、各自の文書を手作業で更新しなければなりません。 プロセスとシステムの統合の欠如により、プロジェクト・リーダーは、さまざまな活動や変更が資本計画全体に もたらす本当の影響を把握できずにいます。こうした状況はずっと変わっていません。業界全体を通じて、プロ ジェクトの実行が本来の意図、計画、および作業の目的となる指標から、ほぼ完全に切り離されています。 プロセスとテクノロジーの融合による動的な予測の実現 プロジェクトの実行が常にプログラムの要件を満たすようにするには、次の2つの指針を確立する必要がありま す。まず、情報提供依頼書(RFI)や変更要求の処理など、プロジェクトのプロセスと要件を厳密に定義します。2番 目に、これらのプロセスを、単に情報を取得して配信するだけでなく、ふさわしいコンテキスト内でその情報を分 析する手段を提供するテクノロジー・ソリューションに組み込みます。このデータを使用して、関係者は十分な情 報に基づいた意思決定により実行プロセスを促進し、これらの決定を遂行するためのアカウンタビリティをプロ ジェクト・チーム全体に推進できます。 十分な情報に基づいた意思決定を促すには、関係者がプロジェクトに関するすべての最新情報とステータスを活 用して透明性を確保するとともに、プロジェクト・パフォーマンスをシミュレートし、プロジェクト遂行のあらゆるス テージでその成果を評価する強力な予測エンジンを使用することが不可欠です。 予測の力 資本供給プロジェクトでは、異なる現場条件、不安定な天候、資材の遅れ、過失、またはそのすべてなどに起因し て、日常的に変更が発生します。これらの問題に対応する従来のアプローチは、無数の断片的情報や関係を監視 するプロジェクト・マネジャーやプランナーを利用して、そのプロセスを継続するという方法でした。あらゆる小さ な変更、ささいな決定、 ドキュメントの紛失がプロジェクト遂行のライフサイクルに与える真の影響を見抜くこと は、職人技でもなければ実現できることではありません。 5 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー より優れた意思決定をおこなうためには、最新情報へ簡単にアクセスできることが重要であることは明らかです。 しかし、プロジェクト全体の成功にとって同じくらい重要(場合によってはそれ以上に重要)なのは、現在下されて いる決定に基づいてその成果を予測する能力です。コスト、期間、 リソース使用、そして範囲の変更に関して正確 なパフォーマンス予測ができれば、プロジェクト・マネジャーは確信をもって決定を下すことができます。 プロジェクトはきわめて多数の可変事項の影響を受けるため、すべてのデータ管理に予測ソリューションを活用 する能力と、別のシナリオの実現可能性を正確に評価する手段を提供する能力があれば、プロジェクト遂行のラ イフサイクル全体を通じて意思決定の質と確実さを大幅に向上できます。 支援テクノロジー 今日では、強力な予測エンジンに対する大量データのリアルタイム移入を可能にするテクノロジーが簡単に利用 できます。 このテクノロジーは、導入、メンテナンス、そして使用が容易でありながら、ある修正がROI目標に与える 影響について、その必要な可視性を提供します。 たとえば、オーナーの資本計画では、建設プロジェクト完了の5年以内に建物や設備の採算が取れることを予測し ているとします。プロジェクトが現場で実行の現実に直面すると、必然的に当初の前提と方策に変更が発生し、当 初見込まれた収益の額やスケジュールが変わり、遅延とコストの増加が発生します。 しかし、詳細に計画して実行 することで調整や変更が必要になることが明らかになり、これらが繰り返し発生することで最初の資本計画を改 善する必要が生じた場合、関係者はプロジェクトの当初の意図、目標、ROIをできる限り達成するように、提供され た情報とツールを活用できます。 リアルタイムの情報に基づき効率化 AEC業界向けの統合プログラム管理ソリューションは、 この目的を達成するための手段を容易にします。すべての プロジェクト関係者が、事前に設定済みのダッシュボードを利用して、あらゆる建設イニシアチブ、タスク、活動、 変更、 リスク、そしてコストを参照できるため、効率が向上します。統合プログラム管理ソリューションにより、電子 メール・メッセージやファクシミリを調べて、手作業で情報を更新する手間が省けます。また、ワンクリックで概要 ビューから詳細ビューへとドリルダウンできるため、必要なデータにいつでもリアルタイムでアクセスできます。 こ れにより、十分な情報に基づいた意思決定や積極的なプロジェクト管理が実現します。 また、変更が送信されると、Webベースの統合プログラム管理ソリューションにより、すべてのメンバーに対して 情報が更新します。最新データを備えたオーナーと請負業者は、最終的な収益に終始目を光らせながら、遅延の 原因を明らかにしてリソースを再割当てすることができます。 最後に、コスト、 リソース、期間、範囲、そしてリスクからなるリアルタイム建設モデリングを促進できるのは、強力な 予測エンジンを備えた統合プログラム管理ソリューションだけです。この包括的な可視性を得られることで、プロ ジェクト・チーム全体で複数のシナリオや選択肢を評価できるようになります。 これにより、必要な変更に対応し、取 組みの優先順位を変更して、各フェーズの目標を達成します。さらに、本来の資本計画における目標を達成するよ う、最大限の努力を払うことができます。 6 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー リスク管理 多くの建設プロジェクトには多数の企業がかかわっており、大規模な予算を伴うことになります。さまざまな不測 の事態が起こることもあるでしょう。このような場合、 リスクを軽減することが、プロジェクトを成功に導き、長期的 な業務目標を達成するための鍵となります。 実際、不十分な範囲の定義、設計クリープ、コストの上昇等の一般的な問題により、 リスク管理戦略の開発と企業 の資本計画との統合が求められています。 しかし、この業界では、この絶対不可欠な機能の開発と導入に直接の 責任を負うマネジメント層やプロジェクト・マネジャーは驚くほど少ないのです。 リスク把握の重要性 一般的な建設プロジェクトにおいて、資本計画に組み込まれているリスク要因はどれだけあるでしょうか。KPMG Internationalがおこなった調査『Embracing change? Global Construction Survey 2008』によると、その数は 想像よりも少ないものでした。世界中の主要な建設請負業者のCEOおよび上級マネジメント層に対しておこなわ れたこの調査では、回答者がプロジェクトでリスクを見つけて特定したと感じている度合いと、そのデータをプロ ジェクト管理プロセスに取り入れた頻度との間で、明らかな食い違いが見られました。 この調査によると、81パーセントの回答者は、個々のプロジェクト・レベルでビジネスへの脅威を効果的に特定および 評価したと感じています。重大な資本プロジェクトの実行を妨げるコスト・リスクを定量化した回答者は38%にとどまり ました。指標を作成したのが42%であることと比べると、 この数字の隔たりから、"リスクを特定して評価する明確なプ ロセスが欠如していることがわかります。 これにより、入札価格に見合った利益幅が損なわれる可能性があります。" リスク管理戦略に対して直接責任を取らないオーナーや請負業者は、発生する問題をめぐる対立や論争、あるい は貴重なリソースの活用を妨げるコスト超過やスケジュール遅延に対して未解決のままにしてしまうことがあり ます。KPMGは、"困難なプロジェクトや失敗しそうなプロジェクトに関与していると、企業全体の評判を危うくする 可能性がある" ※3と言っています。 統合プログラム管理によるリスクの可視化 統合プログラム管理ソリューションは、プロジェクト遂行に対する差し迫った脅威を乗り越え、組織のリスク回避策 を策定して実行するものでなければなりません。プロジェクト固有のリスク・レジストリを作成・維持し、"もっとも 起こりそうな"シナリオを使用して遂行パフォーマンスをシミュレートすることで、全体的なプロジェクト・パフォー マンスとROIに与える影響を最小限におさえるための効果的な危機管理計画を作成できます。 統合プログラム管理ソリューションを利用することで、あらゆる種類のオーナーやAEC組織のマネジメント層は、個 別プロジェクト・レベルとプログラム・レベルでのリスク要因を把握し、全体としてプロジェクトに与える度重なる影 響を測定できます。 プロジェクトに対する潜在的リスクを把握し、適切なリスク軽減戦略を開発することは、請負業者に付加価値をもた らします。 とくに入札局面において、AEC組織はリスク軽減とプロジェクト・リスク評価の知識を活用することで、最低 価格をつけた競合他社をしのぐ重要な競争優位性が得られるだけでなく、将来のプロジェクトによい結果をもたら す持続的パートナーシップが築けます。 7 ※3 KPMG International、 『Embracing change? Global Construction Survey 2008』2008年 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー ビジネス・プロセスの自動化(生産性低下傾向の食い止め) AEC業界の内部で、もっとも急を要する課題はなにかという議論にはさまざまな意見があがるでしょうが、プロ ジェクト遂行に関して改善しなければいけないことがたくさんあるという点については誰もが同意するでしょう。 特に、コミュニケーションを円滑化し、関係者間でのコラボレーションを強化し、主要なビジネス・プロセスを自動 化する必要があるのです。 プロジェクト関係者は、依然として大部分のやりとりを電話、電子メール、ファクシミリ、郵便物に頼っていますが、 テクノロジーは、紙の文書による支配から解放し、そのための遅れを軽減する機会を提供します。テクノロジーに より、情報の配信と意思決定がオンライン化およびリアルタイム化されることで、 ドキュメント中心環境がデータ 中心ネットワークに取って代われることとなります。 シームレスな連携を実現する標準化 相互運用可能なテクノロジーの導入によって、一貫性のある繰り返し可能なビジネス・プロセスと業務手順を実 現するための標準化をおこなうことは、重要な第一歩となります。それぞれのAECプロジェクトはたがいに異なり ますが、非常に多くのビジネス・イニシアチブは、プロジェクトや関係者が違っても変わりはありません。 変更管理、調達、ワーク・パッケージなど、一貫して正しく完了した場合のプロジェクトを成功に導く基本的な実行 タスクについて考えてみます。 これらの活動を標準化した上で、ワークフローとコラボレーションに対応した統合プログラム管理ソリューション を使用し自動化することは、プロジェクト遂行を効率化し、AEC業界の生産性低下傾向を食い止めるために非常 に重要です。 統合プログラム管理ソリューションは、すべての重要メンバーが同じツールと情報に基づいて作業を進める環境 を提供します。これにより、予算内かつスケジュール通りのプロジェクト遂行に取り組む際のシームレスなコラボ レーションが実現します。PricewaterhouseCoopersは、統合プログラム管理ソリューションは、"建設業界を改革 する潜在能力があり、建設での無駄と非効率を招く最大の原因である間違いや論争を減らすことができる可能性 がある"といっています。※4 ※4 PricewaterhouseCoopers、 『11th Annual Global CEO Survey』2008年 8 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー PrimaveraソリューションによるAEC業界の生産性向上 オラクルは、建設プロジェクトに含まれるすべての異なる要素を統合することで、オーナーやAEC組織の生産性向 上を支援します。Primaveraソリューションを利用すると、すべてのプロジェクト関係者に一定の透明性が提供され るため、プロジェクトの成功を正確に予測することから、 リスクの軽減と経済的圧力に適応できるようになります。 あらゆる規模のプロジェクトとプログラムに合わせて容易に拡張できるPrimavera統合プログラム管理ソリュー ションは、統合とコラボレーションを強化するための機能を提供します。これらの機能には、ポートフォリオ管理、 リソースおよびキャパシティ管理、予算およびコスト分析、計画およびスケジュール管理、変更およびリスク管理、 タイム・キャプチャ、ビジネス・プロセスの自動化などが含まれます。 これらのソリューションが組織にもたらす利点は、次のとおりです。 ・リアルタイムのポートフォリオ・ガバナンス ・ 最適なポートフォリオの組合せによる戦略的目標の達成 ・ 完全な財務透明性の提供 ・ 実行のコントロール ・より正確なリソースの計画と予測 ・ 計画外変更と優先順位修正に対する管理の向上 ・ 適切なプロジェクトへのリソース割当て ・リスクにさらされる可能性の迅速な評価と排除 すでにこのソリューションを活用しているオーナー、請負業者、そして設計者からは、次のような質に関する利点と 量に関する利点が報告されています。 ・プロジェクトと業務目標の適合強化 ・プロジェクト収益性の向上 ・ 市場化までの期間の短縮 ・ 管理プロセスの標準化 ・ 管理にかかわる時間の短縮とコストの削減 ・リスクにさらされる可能性の軽減 ・レポートとスケジュールに関する生産性の向上 ・ 内部および外部のコンプライアンス・イニシアチブの合理化 9 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー 顧客の成功事例:Satterfield & Pontikes 2005年11月、テキサスとルイジアナを拠点とする総合建設請負業者、Satterfield & Pontikes Construction, Inc. は、ヒューストンでの新施設建設の管理を開始しました。 11ヵ月後に従業員が入居した、LEEDゴールド認証取得済みの6万平方フィートの3階建てビルは、2006年の American Institute of Architects National Technology in Architectural Practice会議で、Inspirational Pilot Projects Demonstrating New Ways Forward賞を受賞しています。 不十分な可視性、困難なレポート作成、収益目標、チーム管理などの課題に直面していたSatterfield & Pontikes ですが、新しい本社ビルの構築を予算内かつスケジュールどおりに完了させるために、Primaveraテクノロジーに よる総仮想プロセスを使用しました。 プロジェクト期間中に作成された唯一の紙文書は、届出や建物検査に必要な書類のみであり、そのほかのすべて の記録は、スキャンやネイティブ・ファイルを使用して作成され、Primaveraソリューションから送信されました。そ の結果、Satterfield & Pontikesは事務員を削減し、情報提供依頼書(RFI)や提出書類への対応時間を数日から数 時間へ、場合によっては数時間から数分に短縮することに成功しました。 Primaveraの統合プログラム管理ソリューションを導入する前に、Satterfield & Pontikesが頼りにしていた社内 のプロジェクト管理システムには、 ドキュメントやコスト・データ、およびスケジュール・データを含む、プロジェクト 全体を1つの情報ポータルで表示する機能が欠如していました。 プロジェクト期間を短縮し、全体的な生産性を向上させ、すべてのチーム・メンバー間でのコミュニケーションとコ ラボレーションを実現するソリューションを採用した今、数々の数字がその成果を物語っています。 仮想プロセスによる大幅な節約 Primaveraソリューションを導入して以降、Satterfield & Pontikesは以下の節約に成功しています。 ・ 200,000ドル以上の給与および提携に関する経費 ・ 毎年80,000ドルのレガシー会計システムに関するコスト ・ 毎年108,000ドルの合計サポート・コスト ・ 330,000ドルの本社プロジェクト期間における管理経費 また、Satterfield & Pontikesがヒューストンに建築した施設は、以下の賞を受賞しています。 ・ 2008 APEX Award—Best of the Best Associated General Contractors of America ・ 2007 Excellence in Construction—Commercial Associated Builders and Contractors, Inc. ・ 2007 Design Award Texas Society of Architects ・ 2007 Landmark Awards—Best Green Project, Houston Business Journal ・ 2007 Architecture Honor Award AIA Houston 10 Oracle White Paper -資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー 結論 低迷する経済や生産性と効率性の継続的な闘いをよそに、AEC業界の成長は加速し、技術革新が強化されたこと で、再活性化を図る準備が整っています。積極的なプロジェクト管理、より一層のリスク管理、そしてプロセスの自 動化推進を通じて、AEC組織は運営を合理化し、実行力を高めることができます。 オラクルのPrimavera統合プログラム管理ソリューションを利用することで、オーナー、請負業者、そして設計者 は、建築プロセスにおける多数の要素を戦略的業務目標に合わせることができるため、スケジュール、コスト、 リ ソース、 リスクなどを可視化して、コントロールすることができます。また、すべてのパートナー間で共通のコミュ ニケーション・プラットフォームを使用することで、コラボレーションと実行が大幅に改善されるため、節目ごとに 一貫した成果が得られるとともに、期待したROIが実現します。 11 資本プロジェクト遂行の改革とテクノロジー: 建設プロジェクトにおける資本計画から完成まで すべてのプロセスをつなぐ Oracle Corporation Worldwide Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. Worldwide Inquiries Phone +1.650.506.7000 +1.800.ORACLE1 Copyright © 2009, Oracle and/or its affiliates.All rights reserved.本文書は米国で出版されました。本文書は情報提供のみを目的として提供されており、 ここに記載される内容は 予告なく変更されることがあります。本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく、 さらに、口述による明示または法律による黙示を問わず、特定の目的に対する商品 Fax +1.650.506.7200 性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み、いかなる他の保証や条件も提供するものではありません。オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否定し、本 文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします。本文書はオラクル社の書面による許可を前もって得ることなく、いかなる目的のためにも、電子ま たは印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません。 oracle.com Oracleは米国Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の登録商標です。その他の名称はそれぞれの会社の商標です。 日本オラクル株式会社 〒107- 0 0 6 1 東 京 都 港 区北青山2 -5 -8 オラクル青 山センター or acle . c o m / j p お問い合わせ窓口 [email protected] 代理店名 08019376