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資料3-1 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書 に係る公聴会の概要 1 公聴会の開催状況 【小樽会場】 日 時:平成28年7月27日 午後6時30分~午後8時00分 場 所:小樽市銭函市民センター 公述人:4名(札幌市在住2名、小樽市在住2名) 傍聴人:9名(一般9名、報道0名) 【石狩会場】 日 時:平成28年7月27日 午後6時30分~午後8時00分 場 所:石狩市花川南コミュニティセンター 公述人:4名(札幌市在住1名、石狩市在住3名) 傍聴人:16名(一般14名、報道2名) 2 公聴会における意見の概要 別紙のとおり (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【小樽会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <小樽会場 公述人1人目(札幌市) 公述内容> 私は札幌市手稲区に住んでいます。自宅から車で銭函海岸まで10分程で行けますし、少し足を 伸ばせば、石狩海岸のハマナス群生地や石狩の砂丘地帯に到達します。ここでは、子供達や孫達 とキャンプ・海水浴・釣り・バードウォッチングで四季をとおして遊ぶ貴重な場所です。 石狩海岸は、北海道自然環境保全指針によって「すぐれた自然地域」に指定される程自然の姿 が非常に豊富なところです。石狩海岸から洋上を眺めると、左側には積丹半島の山並みが見えま すし、右側には暑寒別連峰のスカイラインが雄大な流れになって、かなり感じのいい眺めになっ ています。 この広大な地平線と山並みを含め、海岸線のカシワ林や貴重な動植物、野鳥など全てを含んだ 石狩海岸を「すぐれた自然地域」としていると思います。従って、このような豊かな自然環境に 不釣合いな巨大風車を建設することは、北海道の自然環境保全指針に反する行為であり、北海道 の行政の立場からも認められないことだといえます。 こんな自然のままの環境に、巨大洋上風車群は全くそぐわない人工物で、しかも景観を破壊す るものであり、とうてい受け入れられません。"景観"という財産を勝手に破壊する権利は、事業 者にも地方行政にもありません。 石狩湾は、サケ・ニシン・カレイ・シャコ等が水揚げされる良好な漁場です。事業実施区域は 石狩湾新港沖合の港湾区域内で、漁業権は設定されていないとはいっても、海は連続しており、 石狩湾全体の生態系は一体のものです。 洋上風発は、海面からの高さは札幌テレビ塔の147mより高く、風車の最大高は海面より165mに もなる巨大さです。このような高さの建造物を立てるということは、当然土台もそれを支えるた めに堅牢なものでなければなりません。アセス書によれば、基礎部分はジャケット式で、海底に 固定したタワー設置台(ジャケット)の上部に風車を設置するようです。ジャケットを固定するた めに海底にクイを打つことになりますが、海底のボーリング調査は実施したのかどうか、それか ら、その結果はどのようなものだったのでしょうか。激しい波浪を受けても耐えうるような構造 になっているのか判断がつきません。クイの周りには、これを補強するための捨石を大量に投入 するようです。しかし、日本や海外の例ですが、ケーソンや捨石の周りは激しい乱流が発生し砂 の流出がしばしば起きています。 デンマークのホーンスレウ洋上風発では、2002 年完成以来故障が続き、2009 年に全ての風発 80 基が最大で 1.5m 沈下したという。デンマーク工科大学の調査では、波の洗掘でモノパイル周辺の 水圧が変化したためだそうです。 いずれにしても、巨大な人工物が海底・海中に設置されることから、当然海流や砂の流れに大 きな変化が発生することになります。 おたるドリームビーチ(大浜海水浴場)は、石狩湾新港の建設が始まった1970年代から海岸侵食 が見られるようになりました。造成された港により砂の自然的供給が遮断されてしまったためと 考えられています。道(旧小樽土木現業所)は、1995年(平成7年)から10年程砂入れや護岸工事 1 を行っていたが、財政難で2005年(平成17年)に中止。現在も多少弱まったとはいえ、海岸侵食は 続いており、海の家の経営者は内陸側への移転等の問題を抱えているという。26基の洋上風発設 置により、これらの問題は更に深刻化するのではないかと思えるし、今までにない傾向も出てく る可能性もあるのではないかと思われる。 従って、小樽市としては、これらの懸念を払拭すべく、石狩市に対して考えられる状況や保全 対策を強く求めるべきではないでしょうか。 石狩湾新港の建設は、1970年代に始まったが、2000年12月(平成12年)の低気圧による波浪で北 防波堤と西防波堤が被災し、2001年12月には東防波堤が被災したそうです。いずれも発達した低 気圧による波浪で海底地盤が洗掘されて、消波ブロックや防波堤本体の沈下としいう被害が発生 したそうです。 予期しない波浪とはいえ、完成から1年もたたないうちに防波堤本体の沈下という被害が発生 していることは目を覆いたくなる事象です。(平成22年:石狩湾新港管理組合議会定例会会議録) そもそも冬季の石狩湾は、"石狩湾小低気圧"が発生するという学術的研究・発表のある特異な 気象環境です。このように厳しい気象条件の洋上に札幌テレビ塔より高い風車を建設するので、 甚大なダメージを受けるであろうことは容易に想像できます。 科学的調査・計算によって造られたはずの防波堤等が、いとも簡単に沈下するという被害を受 けているのが、安全で安心して厳しい波浪などから我々を守ってくれているはずの石狩新港の現 実です。人智の想像を超えた破壊力が発生していることを前提にしなければならないと思いま す。石狩湾洋上風発のジャケット基礎は、いかにもたよりない構造物に見えてなりません。巨大 なケーソンで堅牢に作ったはずの新港自体が沈下するのだから、石狩湾の自然環境がいかに厳し いものかということを十分に認識すべきです。 解消のできない負の遺産を石狩市は抱え込むことになるのではないでしょうか。 巨大な風車のため、ここから発生する騒音・低周波音、バードストライク、シャドーフリッカ ーなど想定される問題は限りなく大きく、人の生存権にまで影響するようなことになってはいけ ないと思います。 このことは、石狩市民ばかりではなく、小樽市民や札幌市民もしっかりと自分たちの問題であ ると受け止め、本事業に関心を持つべきだと思います。 石狩市・小樽市・札幌市は、万が一風発の沈下や倒壊などの事故が発生したとき、又は、騒音 や低周波音による健康被害が顕在化したときの責任の所在や保障対応を迅速に実行するための取 り決めを事業者に対して強く求めるべきだと思います。 うやむやな形で責任逃れやタライ回し的対応がないよう見守り、安全・安心して生活できる石 狩圏・札幌圏であってほしいと心から願うものです。 手稲区に日ハムは来てほしいけれど、隣接する石狩海岸洋上には、巨大風車は歓迎しません。 力いっぱい拒否します。これからも声を大にして訴えていきます。 以上で石狩湾新港洋上風発についての公述を終わります。 2 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【小樽会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <小樽会場 公述人2人目(小樽市) 公述内容> 「銭函海岸の自然を守る会」の代表をしております。貴重な自然砂浜海岸とそこに営まれる命 (もちろん人間も含みますが)を守る活動を行っているものです。 公述をはじめるに当たり、まず私の立ち位置を明確にしておきます。私は原発の再稼働には断 固反対するものです。大体、この地震列島に 50 を超える原発が建設されていること自体が狂気の 沙汰ではないかを思っています。一方、私は風のエネルギーを利用しないままにしておくことは 全く勿体ないことだと思っています。だからといって風発を無条件で推進する立場は取りません。 むしろ「クリーンな再生可能エネルギー」の美名に隠れて貴重な自然を荒し、住民の健康に被害 を与えている「現在の風発事業」を許すわけにはいきません。 本題に入ります。 まず、発電機の仕様が準備書段階で大幅に変更されたことについてです。 グリーンパワーインベストメント(以下GPI)を含め、配慮書や方法書の段階で発電機の機種 や仕様、設置場所などを明らかにしない事業者がほとんどで、私たちはその都度パブコメや説明 会などで批判をして来ました。 今回のGPIの準備書では、方法書段階での 2,500kW が突然 4,000kW に巨大化されました。そ のこと自体はパブコメでも抗議しましたが、見逃せないのは事業者が開催した説明会でのやり取 りと、「準備書に対するパブコメへの事業者の見解(以下「事業者見解」)」です。これを資料 1 と し、お配りした資料プリントに載せましたので、資料 1 をご覧ください。 4 月 16 日、17 日と連続して開かれた説明会(なぜか石狩市のみで、小樽市では開催されなかっ た)の質疑応答の中で、事業者が「単機出力は 5,000kW、6,000kW、7,000kW かも知れない」と発 言し、そのことを抗議したパブコメに対して「事業者見解」では次のように述べています。『(風 発の)単機出力は 4,000kW 以上になる可能性もありますが、その場合は発電所の総出力の増加によ り、環境影響評価の再手続きが必要とならないよう基数を減らす計画』。 同様に、北海道自然保護協会・石狩市民の会・銭函海岸の自然を守る会の3者連名の批判にも 次のように答えています。『事業規模に関しては、最新鋭の大型風力発電機の採用を想定するこ とで、逆に設置基数を減らすことができており、必ずしも影響が大きくなっているとは限らない』。 ここに見られる事業者の姿勢は「総出力でやりくりするのはアセスの再手続きを避けるため。 大型の機種を採用してより強力な低周波音・超低周波音をまき散らしてもそれは関係ない。つま り、頭から低周波音・超低周波音が市民に健康被害を与える、という発想がない」ということで しょう。 2点目。必要な数値は計算しなければならない。計算したくない人あるいは計算できない人は、 この時点で排除するやり方です。 この準備書は全体で 800 ページを超えているにもかかわらず、読者が本当に必要としている情 3 報はきわめて少ないのが特徴です。不親切というより、情報を故意に隠して分からなくしている のではないかと、勘繰りたくなるほどなのです。いや、勘繰りではありません。いたるところに その兆候が出てきます。 例えば 4,000kW と巨大化した風車が「どの程度の音圧レベルの低周波音を発生して、何㎞離れ るとどの程度減衰するのか」を知りたいと思っても、そのことを記した表などはありません。自 分で計算をするより他はないのです。それどころかその計算の基礎となる「音源(風車 1 基)の パワーレベル」さえ示していないのです。ここから計算しないと進まないのです。準備書 p360 に 手掛かりがありました。お配りした資料2をご覧ください。 資料2:準備書の P360 の表「音源のパワーレベル(周波数特性)」(1/3オクターブバンド(平坦 特性)) です。パワーレベルがどのくらいか書いていないでしょう。中心周波数が 1 Hz のとき 153.8 dB、 1.25 Hz のとき何 dB と、それしか書いていない。計算するしかないのです。計算の過程は省略し ますが、概算でパワーレベルを 157 dB として以後の計算式に用います。この計算が間違いでない ことは、GPIが「事業者の見解」13 ページで証明してくれました。『ご指摘の通り音響パワー レベルは 157 dB となります』。最初から準備書に書くべきではありませんか。 3点目。あなたの住居にどの程度の低周波音・超低周波音が届くのかという問題です。 どこまで信頼できるか分かりませんが(この事業者、このコンサルタント、信用できないこと が多すぎるのですが)、とりあえずは準備書に載っている数値や計算式を使って計算してみるこ とにします。 資料3をご覧ください。音源からの距離と低周波音の音圧レベルです。ややこしい式が書いて ありますね。L=PWL-8-20log10 r この式は「NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)」の式です。 のちの公述人で、この式自体に異議を唱える方がいるかもしれません。 資料の表の見方ですが、例えば左上、一番近い風車から 6 ㎞の地点は石狩市役所で 73dB。表の 右下を見ると、22 ㎞離れたところは小樽市役所の位置で 62dB。 この表で示した数値はあくまでも直近の風車 1 基当たりから受け取る音圧レベルです。石狩湾 新港の北防波堤沖の狭い区域に 4,000kW 級の風車が 26 基林立する計画です。遠くなるほど相対的 な風車間の間隔は小さくなりますから、小樽市役所からみたら 1 点から 26 基分が押し寄せてくる と考えて正しいと思います。資料4をご覧ください。 資料4:多数の風車による音圧レベルの「重合効果」は 1 基だけの音圧レベルに 10dB を加えた 値になると見積もって差し支えないでしょう。たった 10dB しか上がらないのかと安心する方もい るかもしれないが、dB が3つ上がれば倍になります。 計算値と準備書に載っている数値とが合わないことがあります。例えば資料5をご覧ください。 「こども保育園つばき」と同距離の音圧レベル(準備書 368 ページ)です。 「風力発電機からの 音圧レベル」は、一番上の赤で表したグラフ。カラーでないので、こちらで色を付けました。 このグラフを見れば、1 Hz で約 85 dB が読みとれます。その 85 dB から右下に4つくらい点があ りますが、だいたいこれらのパワーでこの風車のパワーが決まります。超低周波音の音圧レベル は、計算するまでもなく軽く 90 dB を超えることが予測されます。 4 ところが、 『子供の健康影響を考えた場合……低周波音・超低周波音の影響が考えられる……保 育所から近い所に建設することは許されない』とのパブコメに対する事業者見解は『予測される 超低周波音の寄与値は一般環境中の住宅系地域に相当する 66 dB 程度と考えられます』 なのです。 なぜこれほどの差がでてくるのか、この説明に関しては、後ほどの公述人が行います。 4点目。アセス書を粉飾するだけの資料は挙げないでもらいたい。コウモリ類の取り扱いに関 して述べます。 このコンサルタント会社がGPIのコンサルタントとして私たちの前に現れたのは今回が初め てですが、この会社とは今までに長い付き合いがあります。そこで説明会でもパブコメでも、さ んざんコウモリの肺溢血について論争しました。 今回のGPIの準備書では「わずか 4 ヶ所の測定地点、3 日間のみの調査」で『コウモリ類は発 見されなかった』でお茶を濁しました。国後沖でコウモリ類を発見した学術的な報告がある中で、 たった 4 ヶ所たった 3 日の調査。このこと自体許されないのですが、このコンサルタント会社は 別の事業者のアセス書の中で、次の資料6で掲げているようにコウモリの肺溢血に関する論文を 挙げているのです。 論文の題は和訳すれば「気圧(変動による)外傷は、風車におけるコウモリの事故死の重要な原 因である」です。ところが某事業者の準備書では『…本事業においては、風力発電機間は本種が 迂回可能な空間が確保されていること、(あるいは、飛翔する空間は樹林内や水面上等、比較的高 度が低いこと)、…餌となる昆虫類を誘引する夜間照明は行わないことから、電力発電機のブレー ド、タワーに接触する可能性は低いものと予測する』です。 何かずれていると思いませんか。論文、本当に読んでいるのでしょうか。 最後に、コンサルタント会社を含む事業者の体質を一言ずつで表現すれば、 「隠す」 「思い込みを利用する」 「ごまかす」 「開き直る」 これはこの事業から撤退してもらわなければならない。この杜撰さ、狡猾さ、恐ろしさは原発 に匹敵する。私は言う、これはもう「原発村字風力」。そういうやり方でクリーンなエネルギーを とるなんて言わないでもらいたい。 以上で終わります。 5 小樽会場 公述人2人目 配付資料 6 7 8 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【小樽会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <小樽会場 公述人3人目(小樽市) 公述内容> 今回の洋上風車群からの超低周波音・低周波音の健康影響について、私も被害を受けるのか… …という強い恐れを抱いて、公述人になりました。 超低周波音については、どの事業者も「健康影響は全く、あるいはきわめて少ししかありませ ん」と、環境アセスで言い逃れをしてきました。これは「G特性周波数重み付けによる音圧レベ ルの評価法(以下G特性)」という、事業者にとっては「誠に便利な道具」を活用してきたからで きたことです。 私はここで、この「G特性」を持ち出すことの不当性とその危険性について述べたいと思いま す。 まず、石狩市での実例からです。 先ほどの公述の中で「こども保育園つばき」のことが出ておりました。そのときの資料5のグ ラフをもう一度ご覧下さい。 この保育園に近い「調査地点№1」はグラフの読みから、90 dB を超える「大変に危険な地域」 であるのに、事業者は「問題ない」と言わんばかりの 66 dB という、より低い数値を持ち出して いました。この 66 dB こそ、これからお話しする「G特性値」です。「G特性値」で表示するこ とで、基準値 100 dB を大きく下回るので「影響ありません」ということになるのです。 新港東地区にあるこの保育園は、昨年 12 月に認可されたばかりで、直近風車から約 4 ㎞の地点 です。石狩市では、 「働く親世代を支えたい」として、新港地区の事業所内に、これからも保育所 を増やす可能性を示しているそうで、とても心配です。 欧米では、洋上風車は岸から 40 ㎞まで離すようになってきていると聞きました。これだけを考 えても石狩湾での今回の洋上風車は許せません。 次に、G特性評価法とはどうかということをお話したいと思います。 「G特性周波数重み付け」評価法は、1995 年に ISO で国際規格化されたものです。普通 ISO7196 と呼ばれています。そのルーツはずっと古く、すでに 1980 年にG1特性という名で ISO に出 されていました。当時の日本では低周波音・超低周波音の公害問題が浮上してきておりました。 しかし、一般生活環境内での比較的低いレベル下で生じていて、欧米の「工場内の作業環境での 大音圧レベル下」を背景に設定されていたG1特性は、当時の日本では評価されませんでした。G 1 特性(今日のG特性)は 1960 年代半ばから 1970 年代半ばにかけて実施された、N.S.Yeow artほかの聴覚閾値実験に基づいています。 ここでお手元の資料をご覧ください。資料 1 のところです。 資料 1 には、耳や体全体に強力な音圧をかけて、超低周波音を感じる最小の音圧レベル(閾値) を求めた、多数の当時の実験者によるデータが同一座標に集められています。 この中で先行者のYeowartらのデータ(赤色づけした直線で示しておきました)は、1 Hz 9 にむかって一段と高い音圧レベルの閾値ラインを示しています。Yeowartの閾値直線に基 づいて今日の「G特性評価法」を示す超低周波音領域での周波数補正値(周波数重み付け)が決 められました。そこには 1 Hz に向かうに従って、「ヒトの聴覚の感度は直線的に鈍くなる」とい う視点が貫かれています。 では、具体的な「G特性の補正値」の決め方に移ります。 この補正法の特徴は、資料 2 のグラフですが、10 Hz・100 dB を超低周波音での人の聴覚の感 度基準(補正値はゼロ dB)にすえて、同じ大きさに感ずる(つまり等感にする)補正値を周波数 ごとに決めてゆくところにあります。そうして 100 dB になるように使うわけです。従って補正値 はグラフの傾きの急激さから、1 Hz に近づくにつれて実測値を極端に小さく見積もってゆきます (マイナスの値を大きくするのです)。 資料3は、周波数ごとの補正値を示す数値表とそのグラフです。 G特性評価法は致命的欠陥があります。補正表が示すようにG特性補正値は、1 Hz では実測値 を 43 dB も低く見積もって評価することになります。実はここにこの評価法の大きな問題点=欠 陥が隠されています。 資料 1 を眺めればお気づきのことと思いますが、Yeowartらの閾値直線を決定する上で、 測定データは極めて不十分であるということができます。1.6 Hz、1.25 Hz、1 Hz は、外挿した 直線でもって補正値が想定されます。はたして、リアルな直線部分とみなせるかどうか、断言は できません。また、1.5 Hz 付近に、2 Hz のデータと横並びのデータが一ヶ所あり、その評価をど うするのかは微妙な判断です。こうして表に対応する 1.6 Hz から 1 Hz までの大きな補正値を使 って 1 Hz 近傍の実測値をすべて引き下げてしまうことが、G特性の特徴なのですが、妥当である のかどうかが問われています。 このような実験は追試することが極めて難しいのです。被験者への大きなリスクが予測される からです。 G特性評価法を現実の風車に当てはめてみましょう。 資料4をご覧ください。 この風車は、以前、銭函海岸での事業計画に採用が予定されているとされたものです。Aライ ン周波数のスペクトルで表示します。これをG特性評価で補正してみるとBラインスペクトルに 大変身します。1 Hz から 1.6 Hz は、見事に低く見積もられ、落とされていますが、この風車が放 出するエネルギーの大部分はこの帯域に集中しているのです。78 dB にあたります。 一方G特性評価法では、科学的根拠が見あたりませんが、数値表が示すように 10 Hz から 25 Hz まではプラスの補正を受けていて、実測値が引き上げられることでAラインの上に小山を作って います。本来のG特性適用対象は超低周波音領域とその境界あたりかと思うのですが、数値表に 従えば、さらに不当に越境して低周波音領域(31.5~80 Hz)も実測値を切り下げて落としてしま います。 低周波音領域の音に対し、人体は敏感に反応し前庭器官との関わりが注目されています。先に 述べた「保育園つばき」の 66 dB はこのような意味不明の小山を生じるG特性評価法の特性から 出てくるものです。 これから健康問題を探ってゆく上で、本質的な帯域をすっかり落としてしまって、内容のない 10 帯域を風車で示しているのがG特性ではないのか、とまで思います。このような評価法は科学的 と言えるのでしょうか。 次に、聴こえない音は本当に健康には関係がないのか?ということです。 超低周波音領域で、全体(OA値といいます)でG特性 100 dB 以下ならば、「聴こえない音が 健康に影響するはずがない」という主張がまかり通っています。かつての原発での「安全神話」 のようなものです。 最近は「風車騒音」問題には超低周波音は「聴こえないのだから」関係ないのだ、という説が 強まり、アセスでの評価法も「一般環境騒音」として「A特性による騒音レベルの処理で十分で ある」という流れが環境省サイドから出されていることを大変危惧します。 最後にG特性評価法とは異なる評価法である「圧迫感・振動感を感じる音圧レベル」について 一言します。 先ほどの「保育園つばき」のグラフ(資料5)を、もう一度ご覧下さい。事業者は「風車からの 予測ライン(赤く色づけたライン)が「きにならない」レベルを下回っているので問題はない」 といいます。しかしこれは事業者の誤解、いや、知っていて大いに歪曲しているのかも知れませ ん。 このラインは、これまでに何度も北海道のアセス審議会で注意されてきましたが、50 パーセン タイルのラインです。全体で「気にならない人」が 50%になった時の一番低い閾値を示す人のラ インです。 つまり、このラインより下に「気になる人」が 50%いる、ということです。 まとめです。 今回の洋上風力発電事業の巨大さとリスクの大きさに対する事業者側の取り組み姿勢は、誠実 さを疑います。これだけでなく、「現時点では知見は不十分で」と放言する(環境省「中間とりま とめ」(平成 28 年 2 月))無責任さに、ますます不安が増大します。 この事業計画を取りやめることを要求します。 11 小樽会場 公述人2人目 配付資料 12 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【小樽会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <小樽会場 公述人4人目(札幌市) 公述内容> よろしくお願いします。 実験を用意しました。数式を書き立てても数字を言われても、多くの人はわからないので、い ったい何がどうなっているのかということを実験してみます。 普通、音は遠くに行くほど小さくなるので、風車音の影響はまさか小樽までは届かないだろう と思うかもしれない。先ほどの公述人の話で、元々の音が大きいので 20 ㎞離れていてもかなり大 きい音になるとおっしゃっていましたが、実際にはそれ以上にずっと大きい音になります。 今の評価の方法は、間違った数式を使っている。式の前提として「半自由空間を仮定し」と根 拠とされるNEDOの書類には書いてあるが、半自由空間というものは実際にはありません。 これから体験してもらいます。 実験 1 普通の音の距離依存: iPad でせせらぎの音を流し、近くや遠くで聞いて遠ざかると音 が小さくなることを確認します。 実際には、(風車の周りには)地面や海面があります。 冷やした机を冷えた地面や海面だと思ってください。 音波の進む向きは気温の低い方へと曲がり、海面や地面で跳ね返ります。昼間の暖かいとき は、海の温度より空気のほうが暖かくなっている。夜になると、陸と海とで温度差ができ、陸の 冷たい空気が海のほうへ流れ込んでいって、下が冷たい空気、上が暖かい空気という逆転層と言 われるものができる。つまり、夜になると空の上で音波は跳ね返えされる。昼は海面に音が張り 付く。 ここでみなさんに海面近くでは遠くの風車の音が間近に聞こえるということを体験してもらい ます。 実験 2 音波の伝導: 机の上に砕いたドライアイスを帯状に敷き、冷却します。机の端でせせ らぎの音を流し、机の反対端の、ドライアイスの敷いている高さに耳をつけて、音が間近に聞 こえることを体験します。つまり、冷えた部分に沿って音が伝わる様子を確認します。対照実 験として、冷却していない机の場合も試みます。 小樽は背後に山がパラボラ状にあるので、跳ね返ってどこかに集まり、どこかの家がひどいこ とになります。また、音の周期と波が届くタイミングが合う(強め合いの干渉をする)場所にた またま人がいると、そこの人だけ大きな被害を受けることになります。 もしかしたら多くの人は大丈夫かもしれないけれど、深刻な被害を受ける人たちの場所がぽつ ぽつぽつとまだらにできることが予想されます。 13 業者の提出している式が間違っていると私は言ったのですが、業者の答えは「他の式を使った 先例がない」とのこと。今までずっと間違った式を使ってきたから、その間違った式を使い続け るという主張です。 確かに小さい風車に対してはいいかもしれませんが、風車が大きくなりすぎて、天井にひっか かってきている。空はどこまでも抜けているのではなくて、高さのリミットはあって、たとえば 雲の高さなどがありますね。そういう天井にもうひっかかってきている。小さな風車の場合は3 次元的にわっと拡がる音だったのが、大きな風車の場合は、空で跳ね返る、地面や海面で跳ね返 るということになるので、2次元的に拡がります。 もうひとつの特徴です。純音を出してみます。 実験 3 純音の距離依存: iPad で 5,000Hz の純音を流し、近くや遠くで聞いて、距離が離れて も音があまり小さくならないことを確認します。 純音の特徴は、あちこちの居心地のいいところで居座って(共鳴)、そこがまた音源となる。 人の声で話すような音源とまったく違う拡がり方をする。 風車の音について、今の評価の元となっている理論は、小さな風車の場合のものであり、大き な風車にそのまま当てはめることができない。 低周波音は聞こえないから実感がないと思うのですが、皆さんに実感していただくことができ ます。窓を閉めて入口の開き戸をこのように開け閉め(継続してすばやく小刻みに開け閉めする) します。ここの建物は空気の通りがいいので(この場では)難しいのですが、ご自宅でも簡単に試 すことができます。窓を閉めて同じようにドアをしばらく開閉します。気密性が高い家だと、窓 を閉めてドアをしばらく開閉していると、家の中の思わぬ窓がばたばたし始める。開閉している うちに楽に開閉できるタイミングが見つかりますのでそのタイミングで開け閉めします。この状 態で共振が起きており、振動が蓄積されていきます。家の中の思わぬところで、気持ち悪いとか 言い出す人が出るかもしれません。 業者が根拠としている式は、もう現状に合わなくなっています。この大きさの風車には使えな い理論で評価をしています。実際に風車が建った後で、こんなはずではなかったといわれること が予想されます。風車からの低周波音・超低周波音の大きさの評価方法は、理論と実験・実測の 両面において根本的に見直す必要に迫られています。 以上です。 14 小樽会場 公述人4人目 配付資料 15 16 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【石狩会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <石狩会場 公述人1人目(石狩市) 公述内容> 石狩市在住です。 私は、石狩市の海浜植物保護活動の拠点である石狩浜海浜植物保護センターのボランテイアと して、平成16年から活動を始め、石狩浜定期観察の会ができるとそれに加わって、平成26年まで の11年間、4月の半ばから10月末までの期間、ほぼ2週間に一度、はまなすの丘に足を運んでき ました。 今はボランティアをしていません。なぜかというと、保護センター民営化の話が進む中で、厚 田市民風力発電からの寄付金(環境まちづくり基金、発電量1kWhにつき0.5円、年間500~600万 円)が民営化の財源として予定されていたからです。風力発電で儲けたお金が風力発電に反対し ている人の活動の場へつぎ込まれるのです。ひどい話です。『真綿で首を締める』とはこのこと か、と私は考え、今は保護センターのボランティアはしていません。 さて、本題に入ります。 石狩海岸は、砂浜のみならず砂丘、砂丘土の海岸草原や天然のカシワを主体とする海岸林がま とまって残っている、全国的にも非常に希少な自然海浜です。特に石狩砂丘は「日本の地形レッ ドデータブック」にも取り上げられ、未来に残すべき地形であると言えます。 陸域の自然の豊かさと、海域の自然の豊かさとは密接に関係しています。石狩湾は、砂浜海岸 から石浜・礫浜海岸、断崖絶壁の岩石海岸までをも含む多様な環境の自然海岸が存在し、それら の環境を反映した多様な漁種が存在する良好な漁場となっています。 東日本大震災では、想像を絶する自然の力により、東北地方の海岸の松林(人工林)がことごと くなぎ倒された光景が深く目に焼き付きました。あの時から石狩市民である私は、石狩湾とそれ を取り巻く石狩海岸の自然の素晴らしさと大切さを再認識しています。石狩湾で獲れた新鮮で安 全な魚介類を日々口にできることの幸せを身にしみて感じています。 この自然度の高い石狩湾の最奥部に石狩湾新港があります。石狩湾新港が建設されてから、小 樽ドリームビーチの砂浜がどんどん削られてしまっています。石狩湾新港建設に際して、当然の ことですが、環境影響評価が行われました。建設することにより、小樽ドリームビーチの砂浜が どんどん削られていくことが、予測できたでしょうか?予測できなかった潮の流れ・砂の動きが あったのです。北海道で最も多い海水浴客を記録した年もあった、あの小樽ドリームビーチの砂 浜の砂はどこに行ったのでしょうか? いま、石狩湾新港で計画されている(仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業は、砂の動きを予測で きなかった石狩湾新港の防波堤よりも、さらに沖側に建設されます。潮の流れの変化、それによ って引き起こされる砂の動きを予測することは、さらに困難かと思います。本当の環境影響を予 測できない環境影響評価は、何のためにするのでしょうか? 準備書44~53ページの水象の状況での石狩湾内の潮の流れの把握は非常にお粗末だと思いま す。表層、中層、深層など海流の究明がされずに、「流れは不安定」、「流れは複雑」というの 17 では、環境への影響は予測並びに評価はできないと思います。376~390ページでは、水質の調査 を行っただけで、石狩湾全体への影響は調べていません。私たちが知りたいのは、石狩湾全体に 及ぼす影響です。 準備書72~75ページの地質の状況についてですが、地方独立行政法人北海道総合研究機構環 境・地質研究本部地質研究所が石狩湾新港付近の詳細な研究・報告書(「石狩湾奥の沿岸堆積物 と海岸浸食」濱田誠一、菅一哉、北海道立地質研究所報告第72号31-71、2001など)を出してい るが、既存資料の調査ができていないと考えます。これでは、流砂等の環境影響の予測並びに評 価はできないと思います。 要するに、洋上風力発電の環境影響評価の手法が確立されていないのです。手法が確立してい ないなら、環境影響評価はできないことになります。建設の計画は立たないはずです。 漁業についての環境影響評価も同様に洋上風力発電の環境影響評価の手法は確立されていない と思います。漁業者は、洋上風力発電が計画されている海域が、石狩川を遡るサケの通り道だと 言っています。海の中のサケの通り道に、風力発電所を建てるという愚挙を行ってはならないと 思います。石狩湾新港洋上風力発電事業者を公募したのは、石狩湾新港管理組合のトップの高橋 はるみ北海道知事であります。北海道知事が北海道の特産であるサケなどの漁業資源をないがし ろに扱ってはならないはずです。 これらのことから、(仮称)石狩湾洋上風力発電事業計画は、撤回すべきだと思います。 事業所内保育所について。 準備書 8 ページ、第 2.2-4 図に、最寄りの住宅及び配慮すべき施設までの距離が、図に示され ています。しかし、石狩湾新港地区にある物流業の事業者は、事業所内に石狩市が 2015 年 12 月 に認可した認可保育園を開設しています。石狩市は「従業員が多い石狩湾新港で同様の施設を増 やし、働く親世代を支えたい」(北海道新聞、2015 年 12 月 9 日石狩版)としています。石狩湾新港 地区の事業所内に、これからも保育所が増える可能性があります。子供の健康影響を考えた場合、 風力発電施設を洋上とはいえ、低周波音・超低周波音の影響が考えられる場合、保育所から近い 所に建設することは許されないことです。洋上風力発電事業はこの点からも建設に疑問をもちま す。 2016年4月15日19:30~NHK総合テレビ、北海道クローズアップ「電力小売り全面自由化」とい う番組で洋上風車を計画中の株式会社グリーンパワーインベストメントのことが取り上げられて いました。 番組内で「・・事業の見通しが立たなくなることを恐れた銀行から融資を断られた。」と言っ ていました。銀行から融資を断られ、北電との連系の協議も進んでいない、そもそも、北海道と 本州を結ぶ北本連系線の送電は非常時用のためのものであって、北本連系線を通して電気を本州 に売ることもできないのである。 自然を破壊し、漁業を破壊し、低周波音・超低周波音による健康被害まで引き起こすような、 むだな電力の風力発電所はいらないのである。 株式会社グリーンパワーインベストメントのホームページ(2015.12.24)に、NEDOから「着 床式洋上ウインドファーム開発支援事業」に採択され、50%の補助金がもらえるとの記載があり ました。なぜ、このような事業にわれわれの納めた税金が使われるのか、腹立たしく思います。 18 再生可能エネルギーは、国民が納めた再エネ発電賦課金によりまかなわれています。5月分か ら、1 kWhにつき2円25銭になりました。今後どこまで再エネ発電賦課金が増えるのかも心配で す。 また、グリーンパワーインベストメントは、2015年2月、ソフトバンクが筆頭株主だったので すが、三菱商事などからも株式を取得したアメリカのパターンエナジーが過半を握った、と報道 がありました。外国資本の日本進出です。再生可能エネルギーの固定価格買取制度は20年間の高 額買取を保証していますから、私たちの納めた再エネ発電賦課金は、外国に流れて行くというこ とになります。 むだな風力発電所はこれ以上作らないでください。 2016年4月16日(土)、17日(日)に石狩市の2ヶ所で説明会がありました。新聞紙上や石狩市の ホームページ上で公告はされましたが、インターネット環境にいない人や新聞をとっていない人 もいる中、ほぼ全戸配布の石狩市の広報には準備書縦覧・説明会開催を載せませんでした。小樽 市広報5月号には載っていましたが、説明会が終了した後のことでした。市民のことを全く考え てないといえる事業者に、距離を感じるのみです。 説明会では、株式会社グリーンパワーインベストメントが事業概要について話した折に、「発 電能力104,000kW規模」と言うだけで、風力発電機の単機の出力も基数も言いませんでした。す ると、質疑応答のなかで単機出力は5,000kW、6,000kW、7,000kWかもしれないと言うのです。環 境影響評価準備書では、3ページに4,000kW最大26基と書かれである部分もありますが、4ページ にはカッコ付きでの表示もあり、実にいい加減な記載だと思います。 16ページ、風力発電機の概要に「定格風速14m/s」とありますが、19ページの風力発電機の騒 音に関する事項では、定格風速14m/sに達した時が、最も大きな騒音になると考えられるのです が、定格風速の数字まで出てこないのは、実におかしいと思います。基本的な事項である諸元が あいまいなままの環境影響評価準備書は、信頼がおけないと思います。素人である一般の市民が 納得できるように書かなければならないと思います。 その下の図の、第2.2-8図 風力発電機から発生する騒音の周波数特性[email protected]/sというのも、 定格風速に達していない風速では、最大の騒音は出ないと思います。納得がいきません。 平成24年10月22日、経産省の環境審査顧問会風力部会資料3-36-4(仮称)石狩湾新港洋上風力 発電事業環境影響評価方法書 補足説明資料では、 1-14. Wind Turbine Noiseに卓越した純音成分はないのか(およそ100Hz~200 Hz ) (聴覚上の 問題) (回答)風車メーカーよりFFT分析結果の入手に努め、純音成分の有無を確認し、準備書(評価 書)に記載します。 とあります。 一般市民として納得するために、低周波音、超低周波音領域がはっきりわかるように、0~ 200Hzを重点的に見やすく表示してください。これでは、特性がよく出ないと思います。せっか くのFFT分析が意味を持たない図表です。ただ載せているだけの図表では、何も伝わりません。 最後に、洋上風力発電については、日本の自然環境を真っ当に評価する手法は確立していない と思います。また、低周波音、超低周波音についても評価の手法は確立していません。このよう 19 な状態で、沿岸から4キロメートルもない所に、104,000kW、最大で26基もの風車を建設するとい う(仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業は環境保全など図られていないので、止めるべきである。 石狩湾新港洋上風力発電所の事業者を公募した石狩湾新港管理組合の長である高橋はるみ北海 道知事に、以上、意見を述べました。 20 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【石狩会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <石狩会場 公述人2人目(石狩市) 公述内容> 石狩湾新港というと企業や工業地帯を思い浮かべますが、日本有数の自然が残る所です。幅 500m長さ15kmに及ぶカシワの天然海岸林は自然豊かで、たくさんの野鳥、コウモリ、エゾヤマア カアリ、キタホウネンエピなど市民が大切にしたいものばかりです。 石狩湾周辺部は春と秋に、日本海側沿いにたくさんの野鳥が通過する渡りのルートとなってい ます。 先日、7/24(日)の手稲水再生プラザから新川沿いにバッタ塚まで往復わずか3時間の探鳥会中 に、オジロワシの亜成長やハイタカ、トビなどの猛禽類が出現しました。他にも約30種類近くも の野鳥が観察されています。 このような地域において、陸地から1kmほどの洋上に4,000kW×26基の大型風力発電の建設 は、バードストライクや風圧による野鳥への影響は計り知れないと思われます。 しかし事業者の見解は「効果的な手法が確立されていないので、今後の海外の事例や実証研究 等の結果を踏まえ、より有効な手法の検討を引き続き行う」とあり、環境に多くの影響が出る可 能性があるにもかかわらず、全く誠意のない回答で建設を進めようとしております。 4,000kW×26基の大型風力発電は、海上から羽根の上部まで165m、これは約50階建てのビルの 高さに相当します。風力発電と風力発電との間隔は228m。参考までに石狩市内で言うと石狩生 協から石狩病院までの距離が219mです。羽根の直径は130mです。非常に近いところで、互いの羽 根が回っているのです。海上から羽根の下部までは35mです。これが港から約1㎞のところに9基 並び、3列で26基となっている。 羽根が常に回っている、このような危険な場所を天然記念物指定の鳥や多くの野鳥がどのよう に回避できるというのでしょう。事業者は何を根拠に「風力発電機への衝突数も少ないものと予 測しております。」言えるのでしょうか。 バードストライクの調査は機械のメンテナンス時に目視でおこなう、また事後調査を行うとあ ります。しかし、バードストライクの調査は今のやり方や回数では、陸地でもその実数を把握す るのは困難です。すぐさま動物や鳥類の餌になり持ち去られます。ましてや洋上でのバードスト ライクはすぐに流れてしまいます。24時間体制の監視カメラでモニターをする必要を強く感じま す。天然記念物とは国民の財産です。事後調査の方法などもっと詳しく説明する義務があると思 います。 次に沿岸からの距離についてお話します。 石狩での洋上風力発電は港から1kmくらいしか離れていません。5km以内に企業や住宅があ り、10km以内で札幌の屯田、篠路、手稲まで含まれます。この5kmという距離は洋上風力発電で は大変近く、ヨーロッパでの洋上風力発電はイギリス、デンマーク、ドイツで20km、35km、 100kmなど離れています。 ヨーロッパでは大型化するにつれて、陸上で野鳥のバードストライクや低周波被害など問題が おこり、洋上に転換していきました。 21 石狩湾の洋上風力発電は4,000kWと、私たちがまだ見たことがない大型のものです。放水路3基 は1,500kW前後で高さは119mです。洋上の高さは165m。その高さのものが沿岸から1kmのとこ ろに26基あるのを想像してみてください。私は新港の放水路の3基の近くで30分ぐらいいると具 合が悪くなってきます。近くの住民の方なども低周波音で具合悪い方がいると聞いています。厚 田風力発電2,000kW×2基の近くに行った時も、下の道路1~2㎞くらいの場所でグアグアンと音が 聞こえたことがあります。その日も30分ほどいたので具合悪くなりました。4,00OkW×26基によ る低周波音被害は、企業で働く人や住民にかなり出てくると思います。建設してからでは遅いの です。エコパワー2基との問題も全く解決しないままです。 新港西に風力発電から5km以内に事業内保育園があります。低周波被害はだいじょうぶでしょ うか? 2010年のデータですが、ヨーロッパでは沿岸から平均100㎞の距離があります。大型風力発電 は自然環境を無視したもので離れていれば良いとは決して思いませんが、しかし沿岸からの距離 を日本は全く考慮していません。無視してはいけないと思います。 世界はCO2削減のためといって驚くべき洋上風力になっています。三菱重工が洋上風力発電 8,000kW×49基を受注というニュースがありました。三菱重工とデンマークのヴェスタス社の合 弁会社MHIヴェスタスは、7月8日、スウェーデン国営のエネルギー会社から、世界最大出力と なる8,000kW 級の洋上風力発電設備を49基受注という発表。受注額は数百億円。ほかにイギリス の洋上に世界最大8,000kWの風力発電機32基が2017年に運転開始ヘ。洋上風力発電で世界をリー ドするイギリスの沖合で、出力8,000Kwの超大型機32基を導入する計画が進んでいます。定格出 力8,OOOkW、羽根の直径160m、高さ187m、ナセル重量約390t。この計画がC02削減のためとは私に はとても思えません。 なぜこの話をするかというと、今世界の風力発電はどんどん大きくなっているのです。石狩に 計画されている4,000kWの風力発電も5,000kWになる可能性があると事業者は言っています。環境 影響は同じと説明会で言っていましたが、だれが考えても同じとは思えません。4,000kWでのア セスが終わったあとで、5,000kWに変えるのは、総発電量が同じでもよくないと環境影響評価審 議会でも意見が出ていました。沿岸から1kmほどしか離れていない大型風力発電計画。それは私 たちに必ず健康被害をもたらします。 事業で発電された電気を北海道で使用しなくても北海道の電気は十分足りています。景気低 迷、節電で総電気使用量は2010年に比べて減少しています。石狩湾新港では北海道電力LNG発 電、北ガスのアセスなしのLNG発電が予定され、北海道では十分すぎる電力があります。 夏の北海道の電力需要は350万kWほど、供給量は500万kWほどで、150万もの電気予備力があり ます。冬の電力需要は400万kWから500万kWくらいと冬に最大電力需要となります。冬も急な火力 発電トラブルなどを考慮して70万kWの電力予備力が必ずあります。ついでに言いますが、これは 泊原子力発電がなくても十分やれるということです。 北電はトラブルがあったときに電気使用量を少なくすることをお願いできる企業と契約を結ん でいます。私たちもこのようなときに協力すればよいことです。少しでも環境をよくするとは、 発電所を建てるのではなく、そのときにきちんと節電することです。日本では決して停電させな いよう30分おきに電力の需要と供給の調整をしています。その中に風任せの風力発電があったら どうでしょうか。常に火力発電で調整しているのです。ドイツやデンマークでは外国の原子力発 電や火力発電で調整しています。そのような中であえて洋上風力発電を建設する必要があるとは 22 思えません。石狩市ではすでに天然ガス発電の工事が始まっています。それなのに石狩で風力発 電建設とはいったいなぜでしょう。 今日の環境影響の話ではありませんが、バックアップ発電に再生工ネルギーのバイオマス発電 があるなどとは言わないでください。今バイオマス発電はアジア、アフリ力、南アメリ力の木を 切った物を先進国が輸入して発電しています。自国の廃材を利用しているわけではありません。 廃材利用のバイオマス発電はほんの少しです。おまけに火力を安定させるために輸入石炭を混ぜ ています。そして電気料金と一緒にひかれている税金のような再エネ賦課金は天井知らずに上が っていっています。 再度言いますが、ヨーロッパの風力発電がよいといっているわけではありませんが、平均 100km離れているのです。この石狩湾の洋上風力発電は10km以内に石狩市民も札幌市民も小樽市 民も入り、24時間365日低周波にさらされることになります。巨大な風力発電がたくさんできる ということは広範囲に影響を及ぼします。 景観も台無しになります。石狩から小樽・手稲を見た場合、手稲・小樽から反対側の山々を見 るとき、そこに巨大な風力発電が見えるのです。とても残念なことです。 最後にまた言います。C02削減しているとは思えず、野鳥や住民を苦しめる風力発電計画は絶 対やめるべきです。 23 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【石狩会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <石狩会場 公述人3人目(札幌市) 公述内容> 手短ですが、大事なことについて発言したいと思います。 石狩新港北防波堤外に、4,000kW 26 基という大型で大規模な風力発電施設を作るということは、 海外でも国内でも例を見ない計画である。 石狩市・札幌市・小樽市という人口密集地に近接して建設するという極めて危険で無謀な計画 については、事業者であるグリーンパワーインベストメントでは、5,000kW で建設するという話も 出ており、とてもではないが黙って見過ごすことはできない状況である。 この石狩市・札幌市・小樽市という人口密集地には、ほぼ 200 万人が住んでおり、この人たち に 24 時間 365 日超低周波音を暴露するということは非常に健康上問題がある。 この大型で、大規模な風車群から発生する超低周波は、すでに聞こえない音であり、単なる振 動でしかないが、あまりにも大きい振動であり、そのブレードの先端は音速に近く、マッハ数と 呼ばれる数値に極めて近いものであり、マッハ 0.9 であるとか、まさにそれに近い数値となり、 その衝撃波はブレードの回転に合わせて、ほぼ毎秒1回1Hz という超低周波というべき領域の周 波数が発生することとなる。 この超低周波は、その音圧の大きさと衝撃の強さで、遥か遠くまで減衰することなく、大きい 振動として 20 キロ先でも 60 デシベルというようなボリュームで届くことになる。 さらに小樽市へは、海を渡って到達するため、障害物がなく、しかも海面に張り付いて振動が 伝わるため、さらに減衰することは少なく、一見かなり離れているように見えても、その音圧は 直近の石狩市などと比較しても遜色ないボリュームで届くことになる。 これらの音である振動は、騒音とは異なって、風向きとは関係ない。同心円状に伝わっていく。 騒音であれば風向きと関係あるので、風下では聞こえるが風上では聞こえにくいというのがある が、この振動は同心円状に拡がるので、風下であろうと風上であろうと、常にそれなりに伝わっ ていく。 札幌市は石狩市の背後にあり、住宅、商業施設、公共施設、その他大型構造物も多くあり、だ んだん狭められている地形に低周波は徐々に集積され反射され、あらゆるところで集積拡散され て、住民にウインドタービンシンドロームと呼ばれる被害をもたらすことは想像に難くない。 被害が出た場合、それが洋上風発の超低周波が原因であると特定するのは極めて難しいことに なる。それを被害者が証明しなければ被害と認められないというならば、まったく被害者は救わ れることはない。 この大型で大規模な洋上風力発電を運用するということは、常にこのあたりの石狩市をはじめ 札幌市・小樽市の多くの住民に対して 24 時間 365 日超低周波の強烈な振動を与え続けることにな り 多くのウインドタービンシンドローム被害者を出すことは、まったく否定できるものではな い。 事業者は、低周波ないし超低周波の現況値と予測値が少ない変化でしかないことをあげて、国 の基準に沿っていると言い訳をしている。数値を見ればいかにもその通りであるが、内容は全く 24 違い、小さいボリュームの低周波・超低周波の短時間ないし断続的な曝露と、24 時間 365 日もた らされる大きい超低周波振動の長時間の曝露とは、全然別物というしかない。もっともこれは国 の基準にも示されていないので、気にするには当たらない、あるいは触れる必要もないというこ とで収められてしまうことになる。 果たしてこのようなことが予測されるにもかかわらず、関係市町村・自治体・北海道は、その 建設を許していいものかどうか、国である経産省・環境省には、きわめて慎重に誠意をもって検 討されるよう願う次第である。 25 (仮称)石狩湾新港洋上風力発電事業環境影響評価準備書に係る公聴会【石狩会場】 平成28年7月27日(水)18:30~20:00 <石狩会場 公述人4人目(石狩市) 公述内容> 花川北に住んでいます。 今、自然観察とかいろいろと関わっていて、今年は石狩の花川地区の小学校が石狩浜の浜学習 ということで、 (石狩海浜を)ずいぶん利用してきました。 はまなすの丘公園を案内して、あるいはキャンプ場横の砂丘を使って海浜植物の植生調査をし たり、砂丘ができる仕組みを説明したり、そのようなことをやってきました。海と砂丘草原、き れいな美しい自然、こういう自然がずっと子供たちに伝わっていくといいなと思っています。 まず、安全性にかかわることです。 陸上に建設された風力発電施設で、ブレードの落下事故が発生している。もし、冬季にこの洋 上風力発電施設でそのようなことが発生した場合、北西の季節風に吹き飛ばされ、海上に落ちた 場合でもまた海から陸に向かって波に押し流され、LNG タンク群や石油タンク群、LNG 火力発電所 を直撃する事態が発生するのではないかと懸念される。これは大事故に直結し、LNG タンクの爆発 となれば、広島の原爆の何倍かの威力があると聞いており、新港地区および石狩市の広範囲に被 害が及ぶと考えられる。この点、安全と言い切れるのか。疑問である。つまり、この場所は洋上 風車が立地できない場所だと思います。 次に健康影響に関わることです。 騒音・超低周波音の影響を評価するための測定点(予測地点)に No.1(工業専用地域)のそば にある通称漁民団地の住宅、石狩中学校、No.2(準工業地域)のそばにある花畔の住宅、新港西 にできた事業所内保育園も加えるべきなのではないか。 科学的な方法により評価しており不確実性はないので事後評価は必要ないとしているが、用い ている計算式の条件は現実をきちんと反映できるものになっていないし、現実の気象条件、地理 的条件など、不確実性だらけで、誰も今行われている方法に不確実性がないなどと思っていない。 事後の評価をきちんとするためにも、住宅と最寄りの配慮を要する施設については測定点として 加えるべきです。 低周波音・超低周波音の評価はG特性音圧レベルで評価している。ただし、G特性音圧レベル は、人間の聴覚では捉えにくい、あるいは捉えられない低周波音・超低周波音を、聞こえるかど うかのみで評価したものであるので、低周波音・超低周波音を物理的なエネルギーとしてまるま る評価したものではないことは心に留めておかなければならない。ごく一部のエネルギーを評価 したにすぎない。 準備書の p363、第 8.1.1.2-2 図「風力発電機から発生するG特性音圧レベルの寄与値」を見る と、石狩市役所、花川小学校、石狩中学校、札幌市の水再生プラザの辺りに 65 dB のラインがよ ぎっている。60 dB のラインは遠く更に約5㎞先にある篠路駅、八幡をよぎっており、札幌の手稲 区にも及んでいるがこの部分の地図は掲載されていない。 26 (自作の地図[札幌市手稲区・北区がわかる地図に 60 dB ラインを補完したもの]を示す) 石狩コミュニティウィンドファーム(2,300kW×9 基)での同様の図では、65 dB ラインは石狩 市役所より約 1.3km 海よりの地点(花畔の住宅地) 、中央水路小樽側の新港低温倉庫、漁民団地の 海側をよぎっている。60 dB ラインはこのラインより約 1.5km 内陸側にあり、石狩市役所よりや や内陸の地点、小樽市銭函5丁目のマルスイ冷蔵、石狩中学校付近をよぎっている(石狩コミュ ニティウィンドファームと洋上風車の「風力発電機から発生するG特性音圧レベルの寄与値」の 図を示す) 。 両者を比較すると、いかに洋上風車のパワーが強烈であるかわかる。石狩コミュニティウィン ドファームは、準備書に対する道知事意見で、住宅 240 軒、110 事業所への健康影響が強く懸念さ れると評価された。その心身に係る参照値(80 Hz、41 dB の 10 パーセンタイル値)のラインは 60 dB と 65 dB の間にあったことを考えると、洋上風車による影響は明らかに、石狩市の住宅地 を通り越し、札幌市北区と手稲区に及ぶと推測される。 事業者による説明会では、当然ながら影響がほとんど出ない評価法による結果しか示しておら ず、 しかもG特性音圧レベルの評価では、 基準としては使ってはならないといわれている ISO-7196 による 100 dB を持ち出して、稼働後の予測値はこれ以下だから影響がないと主張している。事業 者の態度は詐欺師そのものである。 このようなことになるのは、環境省が低周波音・超低周波音による健康影響について真摯に市 民の立場にたって調査研究しないことによる。国策の名の元に北海道や東北地方に大型風力発電 施設の計画が目白押しであるが、ほとんどの計画で、住居との距離が十分確保できていない。洋 上に至っては風車の規模が桁違いに大きくなっており、たかだか海岸から4km 離した程度では、 例にあげた石狩コミュニティウィンドファームと同程度の音圧レベルになどならず、より内陸へ の影響が予見される。ヨーロッパにおいて洋上風車については 40km 離す必要があると言われてい る。ヨーロッパのような大陸棚がない日本では、大規模な洋上風車は無理である。経産省と事業 者はいい加減に目を覚ましてほしい。 漁業への影響、海洋生物への影響についてです。 計画地は石狩湾内である。風車の回転に伴う様々な音成分はタワーを通じて海底に伝わる事が 考えられる。また海水を通しても伝搬する。周波数が低い音は減衰しにくい。湾内で反射、共鳴 などが起こるかも知れない。シャコやホッキ貝、カレイなどの底生生物、海水中を遊泳する各種 の生き物への影響は十分研究されていないのではないか。 また、漁師さんの話では、丁度洋上風車の建設場所が、石狩湾に入ってきた鮭が大挙して集結 する場所になっているとのこと。鮭に影響がでなければ良いのだがと心配の声がでている。 また、26 基の風車が林立することで漂砂の動きにも影響がでるのではないか。砂を必要とする 底生生物への影響はでないのか。石狩湾新港ができたことにより漂砂が石狩側にとどまり小樽側 の砂浜海岸は浸食を続けている。さらに影響はでないのか。石狩湾の生態系への影響が心配であ る。 海に関する事項についても事後調査はしないとありました。石狩湾内の生態系と漁業資源を守 るために、水産試験所などの協力をいただき、事業者まかせにしない、きちんとした調査が必要 なのではないでしょうか。 27 私達(石狩湾岸の風力発電を考える石狩市民の会)は月に一度、風車学習会を開催している。 そこで低周波である 50Hz、45dB の音の試聴を行っていたが、3回目に行った時に会員数名が気分 が悪くなる(吐き気、頭痛)事態になった。風車による健康被害は、風車ができ稼働してしばら くしてから症状がでるとのこと。会員も反復暴露により感受性が高まったと思われる。また、化 学物質過敏症で電磁波過敏症の知人も、石狩市内既存の風車のそばで気分が悪くなる。 このような事から、潜在的に低周波音に過敏な方は結構いると思われる。大型風車が建設され ることで低周波音や超低周波音により健康被害を受ける人が少なからずいると予想される。 28