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JP 2012-522015 A 2012.9.20 (57)【要約】 本願発明は、哺乳動物
JP 2012-522015 A 2012.9.20 (57)【要約】 本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の、何らかの原因、限定されないが例えば心血管 事象による死のリスクを予防または低減するための方法に関し、該方法はジペプチジルペ プチダーゼ4(DPP−IV)阻害剤を該哺乳動物またはヒトに投与することを含む。加 えて、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞および/または致命 的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための方法に関し、該方法はDPP−IV 阻害剤を該哺乳動物またはヒトに投与することを含む。 (2) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【特許請求の範囲】 【請求項1】 哺乳動物、例えばヒトの死のリスクを低減するための医薬の製造のためのDPP−IV 阻害剤の使用。 【請求項2】 哺乳動物、例えばヒトの死を予防するための医薬の製造のためのDPP−IV阻害剤の 使用。 【請求項3】 哺乳動物、例えばヒトの主要有害心血管事象(MACE)を予防するための医薬の製造 のためのDPP−IV阻害剤の使用。 10 【請求項4】 MACEが致命的でない心筋梗塞である請求項3に記載の使用。 【請求項5】 MACEが致命的でない脳卒中である請求項3に記載の使用。 【請求項6】 MACEがCV死である請求項3に記載の使用。 【請求項7】 該哺乳動物が、該DPP−IV阻害剤の投与に先立って、過去に心血管事象を経験して いる、請求項2に記載の使用。 【請求項8】 20 該DPP−IV阻害剤がサクサグリプチンである、請求項1、2、3、4、5、6、ま たは7のいずれか1つに記載の使用。 【請求項9】 該ヒトに投与されるサクサグリプチンの量が約0.5mg/日∼約400mg/日であ る、請求項8に記載の使用。 【請求項10】 該ヒトに投与されるサクサグリプチンの量が約2.5mg/日、約5.0mg/日、ま たは約10mg/日である、請求項8に記載の使用。 【請求項11】 該DPP−IV阻害剤がビルダグリプチンである、請求項1、2、3、4、5、6、ま 30 たは7のいずれか1つに記載の使用。 【請求項12】 該DPP−IV阻害剤がシタグリプチンである、請求項1、2、3、4、5、6、また は7のいずれか1つに記載の使用。 【請求項13】 ビルダグリプチンまたはシタグリプチンの量が25∼100mg/日であって、1日1 回投与または分割投与で投与される、請求項11または12に記載の使用。 【請求項14】 該ヒトがII型真性糖尿病である、請求項1∼13のいずれか1つに記載の使用。 【請求項15】 40 該ヒトがCV疾患歴、高血圧症、高コレステロール血症、混合脂質異常症、または喫煙 歴(現在/過去)を持つ、請求項1∼14のいずれか1つに記載の使用。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は哺乳動物、特にヒトにおいて心血管事象を含むがこれに限定されないあらゆる 理由による死亡リスクを予防または低減する方法であって、ジペプチジルペプチダーゼ4 (DPP−IV)阻害剤を哺乳動物またはヒトに投与することを含む方法に関する。本発 明はまた哺乳動物、特にヒトにおいて致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない 脳卒中のリスクを予防または低減する方法であって、DPP−IV阻害剤を哺乳動物また 50 (3) JP 2012-522015 A 2012.9.20 はヒトに投与することを含む方法に関する。 【背景技術】 【0002】 しばしば簡単に糖尿病(diabetes)と呼ばれる真性糖尿病(Diabetes mellitus)は、 代謝障害症候群であり、通常は遺伝的および環境的原因の組合せに起因し、異常に高い血 中糖レベル(高血糖)をもたらす。血中グルコースレベルは体内の複数の化学物質および ホルモンの複合的な相互作用により調節されるが、これらには膵臓のβ細胞において作ら れるホルモンであるインスリンが含まれる。糖尿病は体内のインスリン分泌またはインス リン作用のいずれかの欠陥により高い血中グルコースレベルに至る疾患の群を指す。世界 保健機構は、糖尿病患者数は2030年までに3億5000万人を超えると予測している 10 。 【0003】 糖尿病は心血管(CV)疾患のリスク上昇に関連しており、糖尿病患者における罹患お よび死亡の主要な原因である。American Academy of Physic ian Assistantsは、糖尿病を有する成人の心疾患死亡率は糖尿病を有さな い成人よりおよそ2から4倍高いと報告している。脳卒中リスクは糖尿病を有する人々に おいて2から4倍高い。糖尿病を有する人々における死のうちおよそ65%は心疾患およ び脳卒中によるものである。DPP−IV阻害剤は糖尿病を治療するのに有用な既知のク ラスの薬である。残念ながら、医薬品の使用は時に治療の利益を上回るレベルのリスクを 呈することがあり得る。したがって好ましい安全プロファイルを持つ糖尿病薬などの医薬 20 品の必要性がある。具体的には、糖尿病患者において心血管事象を含むがこれに限定され ないあらゆる理由による死亡リスクを上昇させることなくグルコースレベルを調節する療 法の必要性がある。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 意外なことに、抗高血糖薬の一クラスであるジペプチジルペプチダーゼ4(DPP−I V)阻害剤は、糖尿病のヒト患者における死のリスクを予防または低減することが見出さ れた。それらはまた糖尿病集団におけるCV死および主要有害心事象(MACE)のリス クを予防または低減することが見出された。この有益な効果はDPP−IV阻害剤のグル 30 コース低下効果と関係しているように思われず、それゆえこのクラスの薬はまた、糖尿病 でない集団を死および/または主要有害心事象の予防のために治療するのに用いられ得る 。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は哺乳動物、特にヒトにおいて全ての原因による死亡リスクを予防または低減す る方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物またはヒトに治療有効量のDPP−I V阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせて )と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体とを投与することを含む方法 に関する。特定の実施形態において、本発明は哺乳動物、特にヒトにおける心血管事象に 40 起因する死亡リスクを予防または低減する薬剤の調製または製造のための、DPP−IV 阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせて) と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明の方 法において有用な好ましいDPP−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホルミン は、哺乳動物、特にヒトにおける心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減する ためのサクサグリプチンとの併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0006】 本発明は哺乳動物、特にヒトにおいて心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低 減する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物またはヒトに治療有効量のDPP −IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わ 50 (4) JP 2012-522015 A 2012.9.20 せて)と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体とを投与することを含む 方法に関する。特定の実施形態において、本発明は哺乳動物、特にヒトにおける心血管事 象に起因する死亡リスクを予防または低減する薬剤の調製または製造のための、DPP− IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせ て)と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明 の方法において有用な好ましいDPP−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホル ミンは、哺乳動物、特にヒトにおける心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減 するためのサクサグリプチンとの併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0007】 本発明は哺乳動物、特にヒトにおいて致命的でない心筋梗塞および/または致命的でな 10 い脳卒中のリスクを予防または低減する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物 またはヒトに治療有効量のDPP−IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望に より異なる抗糖尿病薬と組み合わせて)と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体とを投与することを含む方法に関する。特定の実施形態において、本発明は哺乳 動物、特にヒトにおける致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中を予防 または低減する薬剤の調製または製造のための、DPP−IV阻害剤または医薬的に許容 されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせて)と、所望により少なくとも 1つの医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明の方法において有用な好ましい DPP−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホルミンは、哺乳動物、特にヒトに おける致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中リスクを予防または低減 20 するためのサクサグリプチンとの併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0008】 別の態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物、特にヒトにお いて2回目の心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減する方法であって、かか る治療を必要とする哺乳動物またはヒトに治療有効量のDPP−IV阻害剤または医薬的 に許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせて)と、所望により少な くとも1つの医薬的に許容される担体とを投与することを含む方法を提供する。特定の実 施形態において、本発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物、特にヒトにおける 2回目の心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減する薬剤の調製または製造の ための、DPP−IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩と、所望により少なくとも 30 1つの医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明の方法において有用な好ましい DPP−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホルミンは、哺乳動物、特にヒトに おける2回目の心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリ プチンとの併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0009】 別の態様において、本発明は2回の心血管事象を生き延びた哺乳動物、特にヒトにおい て3回目の心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減する方法であって、かかる 治療を必要とする哺乳動物またはヒトに治療有効量のDPP−IV阻害剤または医薬的に 許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせて)と、所望により少なく とも1つの医薬的に許容される担体とを投与することを含む方法を提供する。特定の実施 40 形態において、本発明は2回の心血管事象を生き延びた哺乳動物、特にヒトにおける3回 目の心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減する薬剤の調製または製造のため の、DPP−IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩と、所望により少なくとも1つ の医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明の方法において有用な好ましいDP P−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホルミンは、哺乳動物、特にヒトにおけ る3回目の心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチ ンとの併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0010】 別の態様において、本発明はI型またはII型真性糖尿病を持つ哺乳動物、特にヒトに おいて心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減する方法であって、かかる治療 50 (5) JP 2012-522015 A 2012.9.20 を必要とする哺乳動物またはヒトに治療有効量のDPP−IV阻害剤または医薬的に許容 されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせて)と、所望により少なくとも 1つの医薬的に許容される担体とを投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態 において、本発明はI型またはII型真性糖尿病を持つ哺乳動物、特にヒトにおける死亡 リスクを予防または低減する薬剤の調製または製造のための、DPP−IV阻害剤または 医薬的に許容されるその塩と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体との 使用に関する。本発明の方法において有用な好ましいDPP−IV阻害剤はサクサグリプ チンである。メトホルミンは、I型またはII型真性糖尿病を持つ哺乳動物、特にヒトに おける心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチンと の併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 10 【0011】 別の態様において、本発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴および /または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、特にヒトにおいて心血管事象に起因する 死亡リスクを予防または低減する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物または ヒトに治療有効量のDPP−IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望により異 なる抗糖尿病薬と組み合わせて)と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担 体とを投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態において、本発明はCV疾患 歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺 乳動物、特にヒトにおける死亡リスクを予防または低減する薬剤の調製または製造のため の、DPP−IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩と、所望により少なくとも1つ 20 の医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明の方法において有用な好ましいDP P−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホルミンは、CV疾患歴、高血圧症歴、 高コレステロール血症歴および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、特にヒト における心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチン との併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0012】 別の態様において、本発明は混合脂質異常症、喫煙歴(現在/過去)または冠動脈心疾 患を持つ哺乳動物、特にヒトにおいて心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減 する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物またはヒトに治療有効量のDPP− IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩(所望により異なる抗糖尿病薬と組み合わせ 30 て)と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体とを投与することを含む方 法を提供する。特定の実施形態において、本発明は混合脂質異常症、喫煙歴(現在/過去 )または冠動脈心疾患を持つ哺乳動物、特にヒトにおける死亡リスクを予防または低減す る薬剤の調製または製造のための、DPP−IV阻害剤または医薬的に許容されるその塩 と、所望により少なくとも1つの医薬的に許容される担体との使用に関する。本発明の方 法において有用な好ましいDPP−IV阻害剤はサクサグリプチンである。メトホルミン は、混合脂質異常症、喫煙歴(現在/過去)または冠動脈心疾患を持つ哺乳動物、特にヒ トにおける心血管事象に起因する死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチ ンとの併用療法に好ましい抗糖尿病薬である。 【0013】 40 別の態様において、本発明は医薬組成物の使用を提供する。本明細書の各実施形態によ り説明される本発明の方法は少なくとも1つの医薬的に許容される担体で構成される医薬 組成物を包含することが理解されよう。 【0014】 本発明の具体的な実施形態は以下の特定の好ましい実施形態についてのより詳細な記載 および特許請求の範囲から明らかになるであろう。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】図1はプール化されたサクサグリプチン臨床試験において死亡したまたはMAC E(別名CV死/MI/脳卒中)を患った2つのグループにおける被験者の経時的割合ま 50 (6) JP 2012-522015 A 2012.9.20 たはパーセンテージのグラフ図である。サクサグリプチンを毎日投与(2.5mg、5. 0mgまたは10.0mg)された患者は全SAXAグループを表し、プラセボまたはメ トホルミンを投与された患者は対照グループを表す。数例の被験者が試験から脱落したま たは最終時間ポイント(128週)に到達しなかったことを考慮した標準カプランマイヤ ー分析法が行われた。 【図2】図2はサクサグリプチン(2.5mg、5.0mgまたは10.0mg)を投与 された患者およびプラセボまたはメトホルミンを投与された患者についてのCV死および 全ての原因による死(あらゆる原因による死)の相対的発生のグラフ図であり、サクサグ リプチン:対照の比で表される。3つの方法(コックス、正確確率およびマンテルヘンツ ェル)がサクサグリプチン:対照の比を決定するのに用いられた。 10 【図3】図3はMACE事象を持つリスク増加を有する、第2b/3相プール化集団から の特定の被験者サブグループのグラフ図である。CV疾患歴、少なくとも1つのCVリス ク因子(T2DMに加えて);少なくとも2つのCVリスク因子(T2DMに加えて); 高血圧症歴;または高コレステロール血症歴を有する被験者および男性では、サクサグリ プチンを投与された場合に対照と比較して一次MACE事象の発生はより低かった。 【図4】図4はハザード比および対応する信頼区間95%という観点での、MACE事象 を持つリスクがより高い被験者における一次MACE事象のリスク低減のグラフ図である 。分析はコックス比例ハザードモデルを用いて行われた。 【図5】図5はサクサグリプチン(2.5mg、5.0mgまたは10.0mg)を投与 された患者およびプラセボまたはメトホルミンを投与された患者についてのCV事象(別 20 名ACE)、治験責任医師−CV死/MI/脳卒中(Inv−CV死/MI/脳卒中、別 名MACE)およびCEC−CV死/MI/脳卒中(CECが判定したCV事象)の発生 のグラフ図であり、サクサグリプチン:対照の比で表される。4つの方法(コックス、正 確確率およびマンテル−ヘンツェルによる発生率比ならびに発生率)がサクサグリプチン :対照の比を決定するのに用いられた。 【図6】図6はサクサグリプチン((2.5mg、5.0mgまたは10.0mg)を投 与された患者およびプラセボまたはメトホルミンを投与された患者についてのCV事象( 脳卒中、MI、CV死)の発生のグラフ図であり、プール化分析およびプール化分析を含 む個々の試験について、サクサグリプチン:対照の比で表される。分析はベイジアン95 %信用区間を有する発生率比である。 30 【図7】図7はサクサグリプチン(25mg/kg/日)または2つのプラセボコホート (水)のうちの1つについて投与後の、糖尿病でない雄性ラットの2年間にわたる生存の グラフ図である。 【図8】図8はサクサグリプチン(25mg/kg/日)または2つのプラセボコホート (水)のうちの1つについて投与後の、糖尿病でない雌性ラットの2年間にわたる生存の グラフ図である。 【図9】図9はサクサグリプチン(50mg/kg/日)または2つのプラセボコホート (水)のうちの1つについて投与後の、糖尿病でない雌性マウスの2年間にわたる生存の グラフ図である。 【図10】図10はサクサグリプチン(50mg/kg/日)または2つのプラセボコホ 40 ート(水)のうちの1つについて投与後の、糖尿病でない雄性マウスの2年間にわたる生 存のグラフ図である。 【図11】図11はプール化試験におけるサクサグリプチン、シタグリプチンおよびビル ダグリプチンについての低減された死亡発生の点推定および95%信頼区間をフィッシャ ーの正確確率検定分析を用いて比較したグラフ図である。 【図12】図12はプール化試験におけるサクサグリプチン、シタグリプチンおよびビル ダグリプチンについての低減された虚血性重篤有害(心臓または脳に関係した)事象(S AE)発生の点推定および95%信頼区間をフィッシャーの正確確率検定分析を用いて比 較したグラフ図である。 【図13】図13はシタグリプチンを投与された被験者についてのメトホルミンに対する 50 (7) JP 2012-522015 A 2012.9.20 相対的心臓発作リスクのグラフ図であり、傾向が調整されている。 【0016】 発明の詳細な説明 本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リスクを予防または低減 する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量 のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。全ての原因に よる死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5m g/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンはI 10 I型真性糖尿病(T2DM)患者および糖尿病を持たない動物の全ての原因による死亡を 予防または低減する。 【0017】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和 物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与す ることを含む。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチ ンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサ 20 グリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有 効量のサクサグリプチンはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防ま たは低減する。 【0018】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 を投与することを含む。CV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減す 30 るためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10m g/日である。治療的有効量のサクサグリプチンはII型真性糖尿病(T2DM)患者の CV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0019】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる 処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医 薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体を投与することを含む。CV事象によって引き起こされる死亡リスクを 40 予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/ 日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンは心血管疾患歴を持つ T2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0020】 別の態様において、本願発明は高血圧症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる 処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医 薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体を投与することを含む。CV事象によって引き起こされる死亡リスクを 50 (8) JP 2012-522015 A 2012.9.20 予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/ 日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンは高血圧症歴を持つT 2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0021】 別の態様において、本願発明は高コレステロール血症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該 方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチン またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。CV事象によって引き起こされる 10 死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンは高コレ ステロール血症歴を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予 防または低減する。 【0022】 別の態様において、本願発明は現在または過去に喫煙歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該 方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチン またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも 20 1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。CV事象によって引き起こされる 死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンは現在ま たは過去に喫煙歴を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予 防または低減する。 【0023】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞のリ スクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物または ヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、ま 30 たは塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与すること を含む。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの 治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリ プチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量 のサクサグリプチンはT2DM患者の致命的でない心筋梗塞を予防または低減する。 【0024】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的で ない心筋梗塞のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とす る哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容され る塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 40 体を投与することを含む。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するためのサ クサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好 ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日であ る。治療的有効量のサクサグリプチンはCV疾患歴を持つT2DM患者の致命的でない心 筋梗塞のリスクを予防または低減する。 【0025】 別の態様において、本願発明は高血圧症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的で ない心筋梗塞のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とす る哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容され る塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 50 (9) JP 2012-522015 A 2012.9.20 体を投与することを含む。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するためのサ クサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好 ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日であ る。治療的有効量のサクサグリプチンは高血圧症歴を持つT2DM患者の致命的でない心 筋梗塞のリスクを予防または低減する。 【0026】 別の態様において、本願発明は高コレステロール血症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処 置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に 10 許容される担体を投与することを含む。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減 するためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンは高コレステロール血症歴を持つT2 DM患者の致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減する。 【0027】 別の態様において、本願発明は現在または過去に喫煙歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処 置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に 20 許容される担体を投与することを含む。を予防または低減するためのサクサグリプチンの 治療的有効量は致命的でない心筋梗塞のリスク約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンは現在または過去に喫煙歴を持つT2 DM患者の致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減する。 【0028】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない脳卒中のリス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、また は塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを 30 含む。致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの治療 的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチ ン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサ クサグリプチンはT2DM患者の致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0029】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的で ない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 を投与することを含む。致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するためのサクサ 40 グリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし いサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 治療的有効量のサクサグリプチンはCV疾患歴を持つT2DM患者の致命的でない脳卒中 のリスクを予防または低減する。 【0030】 別の態様において、本願発明は高血圧症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的で ない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 を投与することを含む。致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するためのサクサ 50 (10) JP 2012-522015 A 2012.9.20 グリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし いサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 治療的有効量のサクサグリプチンは高血圧症歴を持つT2DM患者の致命的でない脳卒中 のリスクを予防または低減する。 【0031】 別の態様において、本願発明は高コレステロール血症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置 を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的 に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体を投与することを含む。致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する 10 ためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲で ある。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg /日である。治療的有効量のサクサグリプチンは高コレステロール血症歴を持つT2DM 患者の致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0032】 別の態様において、本願発明は現在または過去に喫煙歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置 を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的 に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体を投与することを含む。致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する 20 ためのサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲で ある。好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg /日である。治療的有効量のサクサグリプチンは現在または過去に喫煙歴を持つT2DM 患者の致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0033】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサ グリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。2回目のCV事象によ 30 って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有 効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投 与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサ グリプチンは1回目のCV事象を生き延びたT2DM患者の2回目のCV事象によって引 き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0034】 別の態様において、本願発明は2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に 関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグ リプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少 40 なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。3回目のCV事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのサクサグリプチンの治療的有効 量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投与 量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグ リプチンは2度のCV事象を生き延びたT2DM患者の3回目のCV事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0035】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の 50 (11) JP 2012-522015 A 2012.9.20 水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。 更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、 該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。サクサグリプチンの治療的有 効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン投 与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 【0036】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 10 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 治療的有効量のサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む 。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し 、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプ チン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。サクサグリプチンの治療的 有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン 投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 20 【0037】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡を予 防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スル ホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療 的有効量を投与することを含む。スルホニル尿素との組み合わせにおけるサクサグリプチ ンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素 との組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日 、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとスルホニル尿素の組み 合わせはT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 30 【0038】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組 み合わせの治療的有効量を投与することを含む。スルホニル尿素との組み合わせにおける サクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとスルホ 40 ニル尿素の組み合わせは心血管疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防ま たは低減する。 【0039】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。スルホニル尿素との組み合わせ におけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 50 (12) JP 2012-522015 A 2012.9.20 である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2. 5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチン とスルホニル尿素の組み合わせはT2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡 のリスクを予防または低減する。 【0040】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、 水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 10 容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。スルホニル尿素との組 み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与 量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグ リプチンとスルホニル尿素の組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血 症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって引 き起こされる死亡のリスクを予防または低減する。 【0041】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか 20 る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。スルホニル 尿素との組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサクサグリ プチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量 のサクサグリプチンとスルホニル尿素の組み合わせはT2DM患者の致命的でない心筋梗 塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0042】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お 30 よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ス ルホニル尿素との組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサ クサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療 的有効量のサクサグリプチンとスルホニル尿素の組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、 高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(過去/現在)を持つT2DM患者の致 40 命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0043】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまた はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与すること を含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため のスルホニル尿素との組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好まし 50 (13) JP 2012-522015 A 2012.9.20 いサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 治療的有効量のサクサグリプチンとスルホニル尿素の組み合わせは1回目のCV事象を生 き延びたT2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防また は低減する。 【0044】 別の態様において、本願発明は2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に 関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたは その医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを 10 含む。3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための スルホニル尿素との組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましい サクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治 療的有効量のサクサグリプチンとスルホニル尿素の組み合わせは2度のCV事象を生き延 びたT2DM患者の3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低 減する。 【0045】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 20 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホ ニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き 延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間 間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホ ニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは 1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのスルホニル尿 素との組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 30 0mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサクサグリプ チン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 【0046】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホ ニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き 延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間 間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 40 治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の 水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与 することを含む。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の心血 管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのスルホニル尿素との組み合 わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 【0047】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ 50 (14) JP 2012-522015 A 2012.9.20 トに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物 、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。グリブリドとの組 み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブリドの好ましい投与量 範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンと グリブリドの組み合わせはT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減 する。 【0048】 10 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つ の医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。グリブリ ドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン 投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブリドの好まし い投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のサクサグリ 20 プチンとグリブリドの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスク を予防または低減する。 【0049】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。 グリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日 30 ∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいサクサグ リプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブリド の好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のサ クサグリプチンとグリブリドの組み合わせはT2DM患者のCV事象によって引き起こさ れる死亡リスクを予防または低減する。 【0050】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、 40 水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与すること を含む。グリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましい サクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グ リブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有 効量のサクサグリプチンとグリブリドの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレス テロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者のCV事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0051】 50 (15) JP 2012-522015 A 2012.9.20 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、 および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投 与することを含む。グリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量 は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおけ る好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日 である。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である 。治療的有効量のサクサグリプチンとグリブリドの組み合わせはT2DM患者の致命的で 10 ない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0052】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容さ れる塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有 効量を投与することを含む。グリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療 的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わ 20 せにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/ 日である。治療的有効量のサクサグリプチンとグリブリドの組み合わせはCV疾患歴、高 血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2D M患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または 低減する。 【0053】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまた 30 はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬 的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するためのグリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの 治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み 合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および 10mg/日である。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15m g/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとグリブリドの組み合わせは1回目の心 血管事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減する。 40 【0054】 別の態様において、本願発明は2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に 関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたは その医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的 に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 治療的有効量を投与することを含む。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するためのグリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの 治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み 合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および 50 (16) JP 2012-522015 A 2012.9.20 10mg/日である。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15m g/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとグリブリドの組み合わせは2度の心血 管事象を生き延びたT2DM患者の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リス クを予防または低減する。 【0055】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブ リド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発 10 明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と 2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要 とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和 物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含 む。グリブリドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいサク サグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブ リドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0056】 20 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブ リド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発 明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と 3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要 とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のサクサグリプチンまたはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、 および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。グリブリ 30 ドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン 投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブリドの好まし い投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0057】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物 、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイドとの組み合わせにおけるサクサグリプ 40 チンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイド との組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日 、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとビグアナイドの組み合 わせはT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0058】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み 50 (17) JP 2012-522015 A 2012.9.20 合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイドとの組み合わせにおけるサク サグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ビグ アナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5 mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとビグアナイド の組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙 歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減す る。 【0059】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 10 哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイドとの組み合わせにお けるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ る。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg /日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとビグ アナイドの組み合わせはT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予 防または低減する。 【0060】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お 20 よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、 水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイドとの組み合 わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2 .5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチ ンとビグアナイドの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされ 30 る死亡リスクを予防または低減する。 【0061】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイド との組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400 mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン 投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサク 40 サグリプチンとビグアナイドの組み合わせはT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および /または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0062】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグ アナイドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼ 50 (18) JP 2012-522015 A 2012.9.20 約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグ リプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効 量のサクサグリプチンとビグアナイドの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレス テロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でな い心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0063】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまた はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に 10 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを 含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための ビグアナイドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサク サグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的 有効量のサクサグリプチンとビグアナイドの組み合わせは1回目のCV事象を生き延びた T2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減す る。 【0064】 別の態様において、本願発明は2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト 20 )の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に 関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたは その医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含 む。3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのビ グアナイドとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサ グリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有 効量のサクサグリプチンとビグアナイドの組み合わせは2度のCV事象を生き延びたT2 DM患者の3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 30 【0065】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグア ナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有 効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き延 びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間 隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サ クサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナ イド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効 40 量を投与することを含む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは1回 目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのビグアナイドとの 組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与 量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 【0066】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグア ナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有 50 (19) JP 2012-522015 A 2012.9.20 効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き延 びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間 隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サ クサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナ イド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効 量を投与することを含む。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回 目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのビグアナイドとの 組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与 量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 10 【0067】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物 、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬 的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。メトホルミンと の組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400m g/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投 与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。メトホルミンの好まし い投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に 20 許容される好ましい塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチンとメトホルミン の組み合わせはT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0068】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。メトホ ルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約 30 400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリ プチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。メトホルミン の好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの 医薬的に許容される好ましい塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチンとメト ホルミンの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ま たは喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防また は低減する。 【0069】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 40 哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む 。メトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいサ クサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。メト ホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホ ルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチ ンとメトホルミンの組み合わせはT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減する。 50 (20) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0070】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、 水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与するこ とを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0 .5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好 ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日であ 10 る。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である 。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。治療的有効量のサクサ グリプチンとメトホルミンの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血 症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者のCV事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0071】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩 20 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を 投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有 効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせ における好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10m g/日である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg /日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。治療的有効 量のサクサグリプチンとメトホルミンの組み合わせはT2DM患者の致命的でない心筋梗 塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0072】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お 30 よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの 治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組 み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、およ び10mg/日である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約25 00mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。治 40 療的有効量のサクサグリプチンとメトホルミンの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、 高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致 命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0073】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまた はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医 薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わ せの治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡 50 (21) JP 2012-522015 A 2012.9.20 リスクを予防または低減するためのメトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチ ンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンと の組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、 および10mg/日である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約 2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである 。治療的有効量のサクサグリプチンとメトホルミンの組み合わせはT2DM患者の2回目 のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0074】 別の態様において、本願発明は2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に 10 関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたは その医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬 的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するためのメトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチン の治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの 組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、お よび10mg/日である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2 500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。 治療的有効量のサクサグリプチンとメトホルミンの組み合わせは2度のCV事象を生き延 20 びたT2DM患者の3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低 減する。 【0075】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホ ルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本 発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象 と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必 30 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水 和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与すること を含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ま しいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である 。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。 メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。 【0076】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 40 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホ ルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本 発明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象 と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水 和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与すること を含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0. 50 (22) JP 2012-522015 A 2012.9.20 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ま しいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である 。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。 メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。 【0077】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡を予 防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チア ゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 治療的有効量を投与することを含む。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるサクサ 10 グリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾ リジンジオンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日 、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとチアゾリ ジンジオンの組み合わせはT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減 する。 【0078】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 20 の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。チアゾリジンジオンとの組み合わせ におけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサクサグリプ チンとチアゾリジンジオンの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血 症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡 リスクを予防または低減する。 【0079】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 30 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。チアゾリジンジオンとの組 み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン 投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効量のサク サグリプチンとチアゾリジンジオンの組み合わせはT2DM患者の心血管事象によって引 き起こされる死亡のリスクを予防または低減する。 【0080】 40 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、 水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。チアゾリジンジオ ンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいサクサグ リプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。治療的有効 量のサクサグリプチンとチアゾリジンジオンの組み合わせは心血管疾患歴、高血圧症歴、 50 (23) JP 2012-522015 A 2012.9.20 高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者のC V事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0081】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。チアゾ リジンジオンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好まし 10 いサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 治療的有効量のサクサグリプチンとチアゾリジンジオンの組み合わせはT2DM患者の致 命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0082】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む 20 。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけ る好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日 である。治療的有効量のサクサグリプチンとチアゾリジンジオンの組み合わせは心血管疾 患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(過去/現在)を持 つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予 防または低減する。 【0083】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 30 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまた はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与する ことを含む。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減す るためのチアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせ における好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10m g/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとチアゾリジンジオンの組み合わせは1 回目の心血管事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象によって引き起こされ る死亡リスクを予防または低減する。 40 【0084】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンま たはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与す ることを含む。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減 するためのチアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量 は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わ せにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10 50 (24) JP 2012-522015 A 2012.9.20 mg/日である。治療的有効量のサクサグリプチンとチアゾリジンジオンの組み合わせは 過去2度の心血管事象を生き延びたT2DM患者の3回目のCV事象によって引き起こさ れる死亡リスクを予防または低減する。 【0085】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾ リジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治 療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を 生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の 10 時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒト に、サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チ アゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するため のまたは1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのチア ゾリジンジオンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ま しいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である 。 【0086】 20 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾ リジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治 療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を 生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の 時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒト に、サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チ アゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するため 30 のまたは2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのチア ゾリジンジオンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ま しいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である 。 【0087】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物 、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意 40 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与すること を含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるサクサグリプチン の治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンま たはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5m g/日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲 は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は 、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容 される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHC lである。治療的有効量のサクサグリプチンとロシグリタゾンの組み合わせ、またはサク サグリプチンおよびピオグリタゾンの組み合わせはT2DM患者の全ての原因による死亡 50 (25) JP 2012-522015 A 2012.9.20 リスクを予防または低減する。 【0088】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与 することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるサクサグ リプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ロシグリ 10 タゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン投与量は 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投 与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与 量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬 的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される 塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチンとロシグリタゾンの組み合わせ、ま たはサクサグリプチンおよびピオグリタゾンの組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高 コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全て の原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0089】 20 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容され る塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効 量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける サクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいサクサグリプチン 投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好 ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ま 30 しい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ま しい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許 容される塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチンとロシグリタゾンの組み合 わせ、またはサクサグリプチンおよびピオグリタゾンの組み合わせはT2DM患者のCV 事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0090】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、 40 水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に 許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治 療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせ におけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいサクサグ リプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタ ゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾ ンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾ ンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医 薬的に許容される塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチンとロシグリタゾン 50 (26) JP 2012-522015 A 2012.9.20 の組み合わせ、またはサクサグリプチンおよびピオグリタゾンの組み合わせはCV疾患歴 、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT 2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡のリスクを予防または低減する。 【0091】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはそ の医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み 合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの 10 組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好まし いサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピ オグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロ シグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの 好ましい医薬的に許容される塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチンとロシ グリタゾンの組み合わせ、またはサクサグリプチンおよびピオグリタゾンの組み合わせは T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防 または低減する。 20 【0092】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチン、またはその医薬 的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、 またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタ ゾンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけ 30 る好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日 である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日で ある。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日で ある。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリ タゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。治療的有効量のサクサグリプチ ンとロシグリタゾンの組み合わせ、またはサクサグリプチンおよびピオグリタゾンの組み 合わせは、心血管疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴 (現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない 脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0093】 40 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまた はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグ リタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。2回目の心血管事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのロシグリタゾンまたはピオ グリタゾンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせ における好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10m 50 (27) JP 2012-522015 A 2012.9.20 g/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg /日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg /日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピ オグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。治療的有効量のサクサグ リプチンとロシグリタゾンの組み合わせ、またはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン の組み合わせは1回目の心血管事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0094】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 10 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンま たはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオ グリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。3回目の心血管事象 によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのロシグリタゾンまたはピ オグリタゾンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わ せにおける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50m g/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100m 20 g/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、 ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。治療的有効量のサクサ グリプチンとロシグリタゾンの組み合わせ、またはサクサグリプチンおよびピオグリタゾ ンの組み合わせは1回目の心血管事象を生き延びたT2DM患者の3回目の心血管事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0095】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグ リタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なく 30 とも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。 更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、 該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたはその医 薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン 、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリ タゾンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約 400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにお ける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/ 40 日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日 である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日 である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグ リタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。 【0096】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 サクサグリプチンまたはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグ リタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。 50 (28) JP 2012-522015 A 2012.9.20 更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、 該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、サクサグリプチンまたはその医 薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン 、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリ タゾンとの組み合わせにおけるサクサグリプチンの治療的有効量は約0.5mg/日∼約 400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにお ける好ましいサクサグリプチン投与量は2.5mg/日、5mg/日、および10mg/ 日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日 10 である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日 である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグ リタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。 【0097】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI 1356、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体を投与することを含む。全ての原因による死亡リスクを予防または低減する ためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療 20 的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼ 100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日 (1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日( 1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356はT2DM患者の全て の原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0098】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 30 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま たはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体を投与することを含む。全ての原因による死亡リスクを予防または 低減するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25m g/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25 mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50m g/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量の 40 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356はCV疾患歴 、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT 2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0099】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。CV事象によって引き起こされる 死亡リスクを予防または低減するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ 50 (29) JP 2012-522015 A 2012.9.20 チン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ られる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356は、T2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減する。 【0100】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事 10 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる 処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。CV事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与 または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2 回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日( 20 1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356は、CV疾患歴を持つT2DM患者のCV事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0101】 別の態様において、本願発明は高血圧症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる 処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。CV事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのアログリプチン、シタグリプチ 30 ン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与 または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2 回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日( 1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356は、高血圧症歴を持つT2DM患者のCV事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0102】 別の態様において、本願発明は高コレステロール血症歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト 40 )の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該 方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容され る塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。C V事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、 1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg /日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および10 50 (30) JP 2012-522015 A 2012.9.20 0mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356は、高コレステロール血症歴を持つT2DM患 者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0103】 別の態様において、本願発明は現在または過去に喫煙歴を持つ哺乳動物(とりわけヒト )の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該 方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容され る塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。C V事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのアログリプチン、 10 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、 1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg /日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および10 0mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356は、現在または過去に喫煙歴を持つT2DM患 者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0104】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ 20 び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。致命的でない 心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するためのアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/ 日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回) 、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、 30 および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356は、T2DM患者における致命的で ない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中を予防または低減する。 【0105】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを含む。致命 40 的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するため のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有 効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼10 0mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1 日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日 2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356は、CV疾患歴、高血圧症 歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者 の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中を予防または低減する。 50 (31) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0106】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的 に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与すること を含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有 効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼10 10 0mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1 日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日 2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356は、1回目のCV事象を生 き延びたT2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防また は低減する。 【0107】 別の態様において、本願発明は2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト )の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に 関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、治療的有効量のアログリ 20 プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に 許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体を投与することを 含む。3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100 mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日 1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2 回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356は、2度の心血管事象を生き 30 延びたT2DM患者の3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減する。 【0108】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体を投与することを含む。更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き 延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間 間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 40 治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体を投与することを含む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは 1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であ り、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25 mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および 100mg/日(1日1回)が挙げられる。 50 (32) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0109】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体を投与することを含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き 延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間 間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され 10 る担体を投与することを含む。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは 2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であ り、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25 mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および 100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0110】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス 20 クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。スルホニル尿素との 組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356の治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル 尿素との組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与 または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2 回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日( 30 1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356およびスルホニル尿素の組み合わせはT2DM患者の全ての 原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0111】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。スルホニル 40 尿素との組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356の治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ス ルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日 1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日 (1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100m g/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356およびスルホニル尿素の組み合わせは、CV疾患歴 、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT 2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 50 (33) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0112】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ス ルホニル尿素との組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲で ある。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であ 10 り、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25 mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および 100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびスルホニル尿素の組み合わせは、T 2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0113】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 20 またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを 含む。スルホニル尿素との組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356の治療的有効量は約0.5mg/日∼約400mg/日 の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg /日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回 )、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回) 、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびスルホニル尿素の組み合わ 30 せは、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在 /過去)を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減する。 【0114】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与 することを含む。スルホニル尿素との組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチ 40 ン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼ 100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日 (1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日( 1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量のアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびスルホニル尿素 の組み合わせはT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中 のリスクを予防または低減する。 【0115】 50 (34) JP 2012-522015 A 2012.9.20 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル 尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効 量を投与することを含む。スルホニル尿素との組み合わせにおけるアログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ましいアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25m 10 g/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25 mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50m g/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的有効量の アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびスルホ ニル尿素の組み合わせはCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ま たは喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致 命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0116】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 20 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩 、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するためのスルホニル尿素との組み合わせにおけるアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好ま しいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は 、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例え ば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回) 30 、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。治療的 有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およ びスルホニル尿素(sulfonyluea)の組み合わせはT2DM患者の2回目のCV事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0117】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わ 40 せの治療的有効量を投与することを含む。3回目のCV事象によって引き起こされる死亡 リスクを予防または低減するためのスルホニル尿素との組み合わせにおけるアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わせにおける好 ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量 は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例 えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回 )、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびスルホニル 尿素の組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者における3回目のCV事象によって引 50 (35) JP 2012-522015 A 2012.9.20 き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0118】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発 明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と 2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要 とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま 10 たはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含 む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは1回目の心血管事象と2回 目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのスルホニル尿素との組み合わせにおける アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わ せにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ 20 られる。 【0119】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発 明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と 3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要 とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま 30 たはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含 む。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の心血管事象と3回 目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのスルホニル尿素との組み合わせにおける アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。スルホニル尿素との組み合わ せにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ 40 られる。 【0120】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。グリブリドとの組み合わ せにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の 治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組 み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または 50 (36) JP 2012-522015 A 2012.9.20 BI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割 投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50 mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回) が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日 である。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356およびグリブリドの組み合わせはT2DM患者の全ての原因による死亡リスク を予防または低減する。 【0121】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 10 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬 的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。グリブリドとの 組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリ ドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与ま たは分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回 )、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1 20 日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15 mg/日である。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356およびグリブリドの組み合わせは、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレ ステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原 因による死亡リスクを予防または低減する。 【0122】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも1 30 つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。グリブ リドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 グリブリドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1 回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日( 1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg /日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日 ∼約15mg/日である。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356およびグリブリドの組み合わせは、T2DM患者のCV事象 40 によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0123】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む 。グリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 50 (37) JP 2012-522015 A 2012.9.20 である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり 、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25m g/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および1 00mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5 mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356およびグリブリドの組み合わせは、CV疾患歴、高 血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2D M患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0124】 10 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与する ことを含む。グリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg /日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回 20 )、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回) 、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は 、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のアログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびグリブリドの組み合わせは、T2 DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防また は低減する。 【0125】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 30 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を 投与することを含む。グリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼1 00mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日( 1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1 日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与 40 量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびグリブリドの組み合わせ はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過 去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリ スクを予防または低減する。 【0126】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩 50 (38) JP 2012-522015 A 2012.9.20 、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治 療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスク を予防または低減するためのグリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/ 日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg /日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/ 日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好まし い投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のアログリプ 10 チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびグリブリドの組み 合わせはT2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防また は低減する。 【0127】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リス 20 クを予防または低減するためのグリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好ましいアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg /日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25m g/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg /日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ま しい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。治療的有効量のアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびグリブリドの組 み合わせはT2DM患者における3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを 30 予防または低減する。 【0128】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は 1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回 目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とす る哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または 40 BI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。1回 目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは1回目の心血管事象と2回目の心血 管事象の間の時間間隔を延長するためのグリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリ 50 (39) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0129】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は 2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回 目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とす る哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または 10 BI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。2回 目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の心血管事象と3回目の心血 管事象の間の時間間隔を延長するためのグリブリドとの組み合わせにおけるアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。グリブリドとの組み合わせにおける好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリ 20 ドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0130】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイドとの組み 合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイド との組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 30 またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与また は分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回) 、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日 1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI 1356およびビグアナイドの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者の全ての原因 による死亡リスクを予防または低減する。 【0131】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 40 またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグアナイド との組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ビグ アナイドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回 投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1 日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/ 日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま 50 (40) JP 2012-522015 A 2012.9.20 たはBI1356およびビグアナイドの組み合わせの治療的有効量は、CV疾患歴、高血 圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM 患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0132】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ビグ アナイドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 10 またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ る。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、 1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg /日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および10 0mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356およびビグアナイドの組み合わせの治療的有効量は、T2DM 患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0133】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お 20 よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含 む。ビグアナイドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日 であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、 30 25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、お よび100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356およびビグアナイドの組み合わせの治療的有効量は、 CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去 )を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減す る。 【0134】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ 40 リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与す ることを含む。ビグアナイドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400 mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼10 0mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1 日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日 2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびビグアナイドの組み合わせの治療的 50 (41) JP 2012-522015 A 2012.9.20 有効量は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリ スクを予防または低減する。 【0135】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイ ド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量 を投与することを含む。ビグアナイドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリ 10 プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼ 約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/ 日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg /日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/ 日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびビグアナイドの組み合わせ の治療的有効量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または 喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的 でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 20 【0136】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩 、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リス クを予防または低減するためのビグアナイドとの組み合わせにおけるアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましいア 30 ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25 mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、2 5mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50 mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびビグアナイドの組み 合わせの治療的有効量は、T2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こされる死亡 リスクを予防または低減する。 【0137】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 40 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。3回目のCV事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するためのビグアナイドとの組み合わせにおけるアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおける好ましい アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、2 5mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、 25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、5 50 (42) JP 2012-522015 A 2012.9.20 0mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびビグアナイドの組 み合わせの治療的有効量は、T2DM患者における3回目のCV事象によって引き起こさ れる死亡リスクを予防または低減する。 【0138】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明 10 は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2 回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要と する哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。 1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは1回目の心血管事象と2回目の 心血管事象の間の時間間隔を延長するためのビグアナイドとの組み合わせにおけるアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおけ る好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投 20 与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され 、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日 1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0139】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明 は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3 30 回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要と する哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。 2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の心血管事象と3回目の 心血管事象の間の時間間隔を延長するためのビグアナイドとの組み合わせにおけるアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ビグアナイドとの組み合わせにおけ る好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投 与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され 40 、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日 1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0140】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与する ことを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400m 50 (43) JP 2012-522015 A 2012.9.20 g/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100 mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日 1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2 回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量 範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容され る好ましい塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま たはBI1356およびメトホルミンの組み合わせの治療的有効量はT2DM患者の全て の原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0141】 10 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を 投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約 400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいアログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日 20 ∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/ 日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日 (1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好まし い投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に 許容される好ましい塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356およびメトホルミンの組み合わせの治療的有効量は、CV疾患 歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0142】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 30 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25 mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、2 5mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50 40 mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミン の好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの 医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356およびメトホルミンの組み合わせの治療的有効量は、 T2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0143】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 50 (44) JP 2012-522015 A 2012.9.20 またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬 的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の治療的有効量を投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせにおけるアログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0 .5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好 ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量 は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例 えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回 )、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メト ホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホ 10 ルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびメトホルミンの組み合わせの治療的有 効量はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在 /過去)を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減する。 【0144】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、また 20 はその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の 組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせにおける アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせ における好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら れる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日であ る。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アログリプチン、シ 30 タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびメトホルミンの組み合わせ の治療的有効量はT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒 中のリスクを予防または低減する。 【0145】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミ ン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され 40 る担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。メトホルミンとの組み合わせ におけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治 療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組 み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または BI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割 投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50 mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回) が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg /日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびメトホルミンの組 50 (45) JP 2012-522015 A 2012.9.20 み合わせの治療的有効量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および /または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/また は致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0146】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩 、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬 的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事 10 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのメトホルミンとの組み 合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミン との組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与また は分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回) 、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日 1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約250 0mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびメトホルミ 20 ンの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こさ れる死亡リスクを予防または低減する。 【0147】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。3回目のCV 事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するためのメトホルミンとの組 30 み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。メトホルミ ンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与ま たは分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回 )、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1 日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約25 00mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。ア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびメトホル ミンの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者における3回目のCV事象によって引 40 き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0148】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを 含む。更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提 供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグ 50 (46) JP 2012-522015 A 2012.9.20 リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。1回目の心血管事 象後の生存期間を延長するためのまたは1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の 時間間隔を延長するためのメトホルミンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg /日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25m g/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg 10 /日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好 ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬 的に許容される好ましい塩はHClである。 【0149】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを 含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ 20 けヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提 供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。2回目の心血管事 象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の 時間間隔を延長するためのメトホルミンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。メトホルミンとの組み合わせにおける好ましいアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg 30 /日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25m g/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg /日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好 ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬 的に許容される好ましい塩はHClである。 【0150】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬 40 的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。チアゾリジンジ オンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり 、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25m g/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および1 00mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356およびチアゾリジンジオンの組み合わせの治療的有効量は、 T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 50 (47) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0151】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。チアゾ リジンジオンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリ 10 プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/ 日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回) 、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、 および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356およびチアゾリジンジオンの組み合わせの治療的有 効量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現 在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0152】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 20 哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む 。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼10 0mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1 日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日 2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプ 30 チン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびチアゾリジンジオンの組み合わせの 治療的有効量は、T2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防また は低減する。 【0153】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与するこ 40 とを含む。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好ましいアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/ 日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg /日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/ 日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびチアゾリジンジオンの組み 合わせの治療的有効量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡 50 (48) JP 2012-522015 A 2012.9.20 リスクを予防または低減する。 【0154】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を 投与することを含む。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける好まし 10 いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびチアゾリジンジ オンの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/また は致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0155】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 20 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジ ンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせにおけ る好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投 与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され 、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日 30 1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびチアゾ リジンジオンの組み合わせの治療的有効量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロー ル血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0156】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩 40 、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合 わせの治療的有効量を投与することを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死 亡リスクを予防または低減するためのチアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるアログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わせ における好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら れる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356および 50 (49) JP 2012-522015 A 2012.9.20 チアゾリジンジオンの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者の2回目のCV事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0157】 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み 合わせの治療的有効量を投与することを含む。3回目のCV事象によって引き起こされる 死亡リスクを予防または低減するためのチアゾリジンジオンとの組み合わせにおけるアロ 10 グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は 、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み合わ せにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ られる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356およ びチアゾリジンジオンの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者における3回目のC V事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0158】 20 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。更なる態様において、 本発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事 象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を 必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与する 30 ことを含む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは1回目の心血管事 象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのチアゾリジンジオンとの組み合 わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジ オンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与 または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2 回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日( 1日1回)が挙げられる。 【0159】 40 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、およびチアゾリジンジオンの組み合わせの治療的有効量を投与す ることを含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物 (とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長する 方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、およびチアゾリジンジオンの組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。 2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の心血管事象と3回目の 50 (50) JP 2012-522015 A 2012.9.20 心血管事象の間の時間間隔を延長するためのチアゾリジンジオンとの組み合わせにおける アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。チアゾリジンジオンとの組み 合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投 与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50m g/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が 挙げられる。 【0160】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による死亡リス 10 クを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒ トに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的 に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わ せにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の 治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンま たはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり 、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25m 20 g/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および1 00mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0 .5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0. 5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩 はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである 。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、およびロ シグリタゾンまたはピオグリタゾンの組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者の全て の原因による死亡リスクを予防または低減する。 【0161】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お 30 よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因による 死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物 またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはそ の医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み 合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの 組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。ロシグリ タゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/ 40 日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回) 、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、 および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲 は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は 、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容 される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHC lである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、 およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾンの組み合わせの治療的有効量は、CV疾患歴 、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT 2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する。 50 (51) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0162】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必要とする 哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、 またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピオグリタ ゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいアログリプチン、 10 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼10 0mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1 日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日 2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリタゾンの好ましい投 与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与 量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬 的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される 塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾンの組み合わせの治療的有効量は、T 2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する。 20 【0163】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかかる処置を必 要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリ タゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾンまたはピ オグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 30 である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好ましいアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/ 日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg /日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/ 日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリタゾンの好 ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ま しい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ま しい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許 容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾンの組み合わせの治療的有効 40 量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在 /過去)を持つT2DM患者のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減する。 【0164】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞およ び/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方法はかか る処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまた はピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシグリタゾ 50 (52) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリ タゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタ ゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい 10 医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾンの組み合わせの 治療的有効量は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒 中のリスクを予防または低減する。 【0165】 別の態様において、本願発明はCV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、お よび/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する方法に関し、該方 法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタ 20 ゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む。ロシ グリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけ る好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投 与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され 、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日 1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピ 30 オグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロ シグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの 好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾンの組み合 わせの治療的有効量は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ま たは喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致 命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する。 【0166】 別の態様において、本願発明は1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方法 40 に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩 、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与すること を含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため のロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせ における好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 50 (53) JP 2012-522015 A 2012.9.20 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら れる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日であ る。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日であ る。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン の組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者の2回目のCV事象によって引き起こされ る死亡リスクを予防または低減する。 【0167】 10 別の態様において、本願発明は過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する方 法に関し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される 塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的有効量を投与するこ とを含む。2回目のCV事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めのロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わ 20 せにおける好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ られる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日で ある。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日で ある。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリ タゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン の組み合わせの治療的有効量は、T2DM患者における3回目のCV事象によって引き起 30 こされる死亡リスクを予防または低減する。 【0168】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は1回目の心血管事象を生き 延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間 間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 40 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは 1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのロシグリタゾ ンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 50 (54) JP 2012-522015 A 2012.9.20 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリ タゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタ ゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい 医薬的に許容される塩はHClである。 【0169】 別の態様において、本発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生存 期間を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 10 医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。更なる態様において、本発明は2回目の心血管事象を生き 延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間 間隔を延長する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする哺乳動物またはヒトに、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその 医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの治療的 有効量を投与することを含む。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは 2回目の心血管事象と3回目の心血管事象の間の時間間隔を延長するためのロシグリタゾ 20 ンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおけるアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の治療的有効量は、約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリ タゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタ ゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい 30 医薬的に許容される塩はHClである。 【0170】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するための、サクサグリプチン、ま たはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または 低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg /日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチンおよび任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の全ての原因による死亡 40 リスクを予防または低減するのに有用である。 【0171】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の全ての原因によ る死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するための、サクサグリ プチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを 予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は 、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチンおよび任意 50 (55) JP 2012-522015 A 2012.9.20 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、 高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全 ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0172】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するための、サ クサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引 き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するため のサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし 10 いサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サ クサグリプチンおよび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、 T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに 有用である。 【0173】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めの、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象に 20 よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日で ある。サクサグリプチンおよび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる 医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現 在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防ま たは低減するのに有用である。 【0174】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 30 製造するための、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または 塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致 命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するの に有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼ 約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5m g/日、および10mg/日である。サクサグリプチンおよび任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/ま たは致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0175】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 40 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するための、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物 、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関 する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低 減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチンおよび任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロ ール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心 50 (56) JP 2012-522015 A 2012.9.20 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である 。 【0176】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するための、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容され る塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体の使用に関する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg 10 /日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチンおよび任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、1回目のCV事象を生き延びたT2D M患者の2回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0177】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するための、サクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 の使用に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低 減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5m 20 g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチンおよび任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、2度のCV事象を生き延びたT2DM患 者の3回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0178】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するための、サクサグリプチン、または その医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の使用に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心 血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管 30 事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン 、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体の使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg /日、5mg/日、および10mg/日である。 【0179】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するための、サクサグリプチン、または その医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の使用に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心 40 血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管 事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5m g/日、5mg/日、および10mg/日である。 【0180】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、また はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意 50 (57) JP 2012-522015 A 2012.9.20 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リス クを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量 は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、スル ホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T 2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0181】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ 10 ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリ プチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリ プチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチ ン、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在 /過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有 用である。 【0182】 20 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサク サグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニ ル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管 事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製また は製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg /日である。サクサグリプチン、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死 亡リスクを予防または低減するのに有用である。 30 【0183】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、 スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する 。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を 調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および 10mg/日である。サクサグリプチン、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つ 40 の医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール 血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって 引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0184】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使 用に関する。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製 または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 50 (58) JP 2012-522015 A 2012.9.20 範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。サクサグリプチン、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/ま たは致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0185】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 10 担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するのに有用な医 薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400m g/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、お よび10mg/日である。サクサグリプチン、スルホニル尿素、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロ ール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である 。 【0186】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ 20 ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リス クを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量 は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、スル ホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、1 回目のCV事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象のリスクを予防または低 減するのに有用である。 30 【0187】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩 、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスク を予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量 は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は 、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、スルホ ニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2 40 DM患者の2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3回目の心血管事 象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0188】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生 存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその 医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心 血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造す るためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和 50 (59) JP 2012-522015 A 2012.9.20 物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わ せの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。 【0189】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生 存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその 医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、スルホニル尿素、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心 10 血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水 和物、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合 わせの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日 の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および1 0mg/日である。 【0190】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、また はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬 20 的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関す る。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日で ある。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 サクサグリプチン、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 からなる医薬は、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに 有用である。 【0191】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 30 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、または その医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使 用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製ま たは製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10m g/日である。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日 である。サクサグリプチン、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ 40 または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防ま たは低減するのに有用である。 【0192】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサク サグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリ ド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減 するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日 50 (60) JP 2012-522015 A 2012.9.20 、5mg/日、および10mg/日である。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0. 5mg/日∼約15mg/日である。サクサグリプチン、グリブリド、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0193】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、 グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に 10 許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防ま たは低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0 .5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5 mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブリドの好ましい投与量範囲は 、約0.5mg/日∼約15mg/日である。サクサグリプチン、グリブリド、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴 、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の 心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0194】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お 20 よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つ の医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的 でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましい サクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリ ブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。サクサグリ プチン、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスク 30 を予防または低減するのに有用である。 【0195】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/また は致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造す るためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 40 好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日であ る。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。サ クサグリプチン、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体か らなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙 歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でな い脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0196】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 50 (61) JP 2012-522015 A 2012.9.20 塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日で ある。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 サクサグリプチン、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 からなる医薬は、1回目のCV事象を生き延びたT2DM患者の、1回目の心血管事象を 生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2度めの心血管事象のリスクを予防または低減す るのに有用である。 10 【0197】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩 、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造す るためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日であ る。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。サ 20 クサグリプチン、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体か らなる医薬は、2度のCV事象を生き延びたT2DM患者の3回目の心血管事象のリスク を予防または低減するのに有用である。 【0198】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の生 存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその 医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許 容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用 に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物 (とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加する 30 ための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容され る塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。サク サグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサク サグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブリ ドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0199】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生 存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその 医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許 40 容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用 に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物 (とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加す るための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容さ れる塩、水和物、または塩の水和物、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。サ クサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサ クサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。グリブ リドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0200】 50 (62) JP 2012-522015 A 2012.9.20 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、また はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスク を予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量 は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は 、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、ビグア ナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2D M患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0201】 10 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死 亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプ チンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプ チン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン 、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は 、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過 20 去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用で ある。 【0202】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサク サグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナ イド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲で ある。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/ 30 日である。サクサグリプチン、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するのに有用である。 【0203】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、 ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。 心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調 40 製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日 の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および1 0mg/日である。サクサグリプチン、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症 歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0204】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 50 (63) JP 2012-522015 A 2012.9.20 の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用 に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防また は低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5m g/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、ビグアナイド、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の致 命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するの に有用である。 【0205】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 10 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを 予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は 、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、ビグアナ イド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患 歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ 20 T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防 または低減するのに有用である。 【0206】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスク を予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量 は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は 30 、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、ビグア ナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は1回目の CV事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象のリスクを予防または低減する のに有用である。 【0207】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩 、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを 40 予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は 、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、 2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、ビグアナ イド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、2度のC V事象を生き延びたT2DM患者の3回目の心血管事象のリスクを予防または低減するの に有用である。 【0208】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはそ の医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少な 50 (64) JP 2012-522015 A 2012.9.20 くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心 血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造す るためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和 物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせ の使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10m g/日である。 【0209】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 10 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはそ の医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ビグアナイド、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心 血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水 和物、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わ せの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。 20 【0210】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、また はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医 薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関 する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製 造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ る。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日 である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日で ある。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。サクサグリプチン 30 、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は 、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0211】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、また はその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の 使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製 または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 40 範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500m g/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。サクサグ リプチン、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からな る医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴( 現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するの に有用である。 【0212】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサク 50 (65) JP 2012-522015 A 2012.9.20 サグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホル ミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低 減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約1 00mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい 塩はHClである。サクサグリプチン、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされ る死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 10 【0213】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、 メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防 または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約 0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2. 5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。メトホルミンの好ましい投与量範 20 囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される 好ましい塩はHClである。サクサグリプチン、メトホルミン、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロ ール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0214】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1 30 つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命 的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するため のサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし いサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。メ トホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メト ホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。サクサグリプチン、メトホル ミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM 患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低 減するのに有用である。 【0215】 40 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/ま たは致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日で ある。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日であ 50 (66) JP 2012-522015 A 2012.9.20 る。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。サクサグリプチン、 メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、 CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去 )を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリス クを予防または低減するのに有用である。 【0216】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、およ 10 び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象 によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製 造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ る。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日 である。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日で ある。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。サクサグリプチン 、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は 1回目のCV事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象のリスクを予防または 低減するのに有用である。 【0217】 20 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩 、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日で ある。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日であ る。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。サクサグリプチン、 30 メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、 2度のCV事象を生き延びたT2DM患者の3回目の心血管事象のリスクを予防または低 減するのに有用である。 【0218】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはそ の医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的 に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 使用に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳 動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加 40 するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容 される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する 。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし いサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。メ トホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メト ホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。 【0219】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはそ 50 (67) JP 2012-522015 A 2012.9.20 の医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的 に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 使用に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳 動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増 加するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許 容される塩、水和物、または塩の水和物、メトホルミン、またはその医薬的に許容される 塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供す る。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ま しいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。 メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メ 10 トホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。 【0220】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、また はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡 リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチ ン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、 チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 20 薬は、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である 。 【0221】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因に よる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサ グリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサ 30 グリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリ プチン、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体か らなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙 歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減す るのに有用である。 【0222】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサク サグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリ ジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心 40 血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製 または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10 mg/日である。サクサグリプチン、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つ の医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こ される死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0223】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた 50 (68) JP 2012-522015 A 2012.9.20 めのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、 チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関 する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医 薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400m g/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、お よび10mg/日である。サクサグリプチン、チアゾリジンジオン、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレス テロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象 によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0224】 10 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 の使用に関する。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を 調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および 10mg/日である。サクサグリプチン、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 20 【0225】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞のリスクを予防または低減するのに有用 な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日 、および10mg/日である。サクサグリプチン、チアゾリジンジオン、および任意に少 30 なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コ レステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の致命的 でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有 用である。 【0226】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡 40 リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチ ン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、 チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は1回目のCV事象を生き延びたT2DM患者の2回目の心血管事象のリスクを予防ま たは低減するのに有用である。 【0227】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩 50 (69) JP 2012-522015 A 2012.9.20 、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬 的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リ スクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン 量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。サクサグリプチン、チ アゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 はT2DM患者の2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3回目の心 血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0228】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 10 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはそ の医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様に おいて、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回 目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 の組み合わせの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400 mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、 および10mg/日である。 20 【0229】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生 存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその 医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様にお いて、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目 の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 の組み合わせの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400 30 mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、 および10mg/日である。 【0230】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、また はその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグ リタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有 用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/ 40 日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg /日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/ 日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイ ン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。サクサ グリプチンおよびロシグリタゾンまたはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の全ての 原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0231】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 50 (70) JP 2012-522015 A 2012.9.20 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチ ン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまた はピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減す るのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、 5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0 .5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0. 5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩 はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである 10 。サクサグリプチンおよびロシグリタゾンまたはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、 高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2 DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0232】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのサク サグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリ タゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死 20 亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプ チンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプ チン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの 好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好 ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好 ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に 許容される塩はHClである。サクサグリプチンおよびロシグリタゾンまたはサクサグリ プチンおよびピオグリタゾン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体か らなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防また は低減するのに有用である。 30 【0233】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こ される死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのサク サグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサク サグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリ 40 タゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタ ゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい 医薬的に許容される塩はHClである。サクサグリプチンおよびロシグリタゾンまたはサ クサグリプチンおよびピオグリタゾン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ま たは喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡 リスクを予防または低減するのに有用である。 【0234】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お 50 (71) JP 2012-522015 A 2012.9.20 よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩 の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を 調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日、および 10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約5 0mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約10 0mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であ 10 り、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。サクサグリプチン およびロシグリタゾンまたはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の致命的でない心筋 梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0235】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩、水和物、 または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容され 20 る塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的で ない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用 な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日 、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/ 日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日 ∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン 酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。サクサグ リプチンおよびロシグリタゾンまたはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴 30 、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の 致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する のに有用である。 【0236】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される 塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬 的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関す る。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有 40 用な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/ 日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg /日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/ 日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイ ン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。サクサ グリプチンおよびロシグリタゾンまたはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、1回目の心血管事象を 生き延びたT2DM患者の、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト) の2回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 50 (72) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0237】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその医薬的に許容される塩 、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的 に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する 。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用 な医薬を調製または製造するためのサクサグリプチンの量は、約0.5mg/日∼約40 0mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/日、5mg/日 、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/ 10 日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日 ∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン 酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。サクサグ リプチンおよびロシグリタゾンまたはサクサグリプチンおよびピオグリタゾン、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は2度の心血管事象を生き延 びたT2DM患者の3回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0238】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはそ の医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタ 20 ゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心血 管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事 象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、 またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピ オグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、 約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約 30 0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容され る塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClで ある。 【0239】 別の態様において、本願発明は哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の生 存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、またはその 医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾ ン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心血管 事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象 40 との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのサクサグリプチン、 またはその医薬的に許容される塩、水和物、または塩の水和物、ロシグリタゾンまたはピ オグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。サクサグリプチンの量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいサクサグリプチン量は、2.5mg/ 日、5mg/日、および10mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、 約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約 0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容され る塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClで ある。 50 (73) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0240】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因によ る死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1 回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日( 10 1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg /日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 は、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0241】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての 20 原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0 .5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356量は、25mg/日∼100mg/日であり 、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25m g/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および1 00mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体から なる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴 (現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する 30 のに有用である。 【0242】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関す る。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬 を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25 40 mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、2 5mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50 mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0243】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた 50 (74) JP 2012-522015 A 2012.9.20 めのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、または その医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使 用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有 用な医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好 ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量 は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例 えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回 )、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356および任意に少な 10 くとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレ ステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0244】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され る担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリス クを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シ 20 タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与 または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2 回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日( 1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または BI1356および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T 2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防ま たは低減するのに有用である。 【0245】 30 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒 中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのアログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日 40 1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日 (1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100m g/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在 /過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中 のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0246】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた 50 (75) JP 2012-522015 A 2012.9.20 めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によって引き起こされ る死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのアログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1 日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/ 日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100 mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ 10 ン、またはBI1356および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる 医薬は、T2DM患者の1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2 回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0247】 別の態様において、本願発明は、2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するため の医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つ の医薬的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる 死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのアログリプ 20 チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/ 日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日 1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日 (1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100m g/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は、T2DM患者の2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3回目 の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0248】 30 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心 血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造す るためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ま たはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 の使用を提供する。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するのに、または1回目の心 血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製 40 造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼10 0mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1 日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日 2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0249】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、およ 50 (76) JP 2012-522015 A 2012.9.20 び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心 血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造 するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、 またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体の使用を提供する。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するためのまたは2回目の 心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するのにするのに有用な医薬を 調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または BI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25m 10 g/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25 mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50m g/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0250】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する 。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造す るための、スルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、 20 ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI 1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与 で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg /日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙 げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、 スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は 、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0251】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 30 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用 に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製また は製造するためのスルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分 割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、5 40 0mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回 )が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる 医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現 在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに 有用である。 【0252】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 50 (77) JP 2012-522015 A 2012.9.20 的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される 担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減す るのに有用な医薬を調製または製造するためのスルホニル尿素との組み合わせにおける、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0 .5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日で あり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、2 5mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、およ び100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬 10 的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる 死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0253】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、または その医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防また は低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのスルホニル尿素との組み合わせに 20 おける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量 は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100m g/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1 回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回 )、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロー ル血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 30 【0254】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的で ない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するためのス ルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。 好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与 40 量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、 例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1 回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、スルホニル尿 素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患 者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減 するのに有用である。 【0255】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 50 (78) JP 2012-522015 A 2012.9.20 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任意に少なくと も1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または 致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造する ための、スルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 10 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ られる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ス ルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、 CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去 )を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリス クを予防または低減するのに有用である。 【0256】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ 20 ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造す るための、スルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI 1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与 で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg /日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙 げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、 30 スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は 、T2DM患者の1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の 心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0257】 別の態様において、本願発明は、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象に よって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 40 するための、スルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日 の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投 与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50m g/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が 挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 、スルホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 は、T2DM患者の過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3回 目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 50 (79) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0258】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スル ホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用 に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物 (とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。1回目 10 の心血管事象後の生存期間を延長するのに有用なまたは1回目の心血管事象と2回目の心 血管事象の間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、スルホ ニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ま しいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は 、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例え ば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回) 、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0259】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 20 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スル ホニル尿素、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用 に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物 (とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加す るための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、スルホニル尿素、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。2回 目の心血管事象後の生存期間を延長するのに有用な、または2回目の心血管事象と3回目 の心血管事象との間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、 30 スルホニル尿素との組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投 与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され 、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日 1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0260】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 40 グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに 有用な医薬を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせにおける、アログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1 日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/ 日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100 mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg /日∼約15mg/日である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま 50 (80) JP 2012-522015 A 2012.9.20 たはBI1356、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 からなる医薬は、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに 有用である。 【0261】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減 10 するのに有用な医薬を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせにおける、 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0 .5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日で あり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、2 5mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、およ び100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0 .5mg/日∼約15mg/日である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ 20 または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防ま たは低減するのに有用である。 【0262】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 的に許容される塩、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる 死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、グリブリ ドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また 30 はBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25 mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、2 5mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50 mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの 好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、グリブリド、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0263】 40 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、または その医薬的に許容される塩、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起 こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、 グリブリドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好 ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量 50 (81) JP 2012-522015 A 2012.9.20 は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例 えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回 )、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリ ブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。アログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、グリブリド、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴 、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の 心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0264】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お 10 よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、 および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬 を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約4 00mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与 または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2 20 回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日( 1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約1 5mg/日である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスク を予防または低減するのに有用である。 【0265】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 30 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、またはその医薬的に許容さ れる塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的 でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有 用な医薬を調製または製造するためのグリブリドとの組み合わせにおける、アログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日 ∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1 回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日( 1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg 40 /日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日 ∼約15mg/日である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または BI1356、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体から なる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴 (現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない 脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0266】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ 50 (82) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、またはその医 薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関 する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに 有用な医薬を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせにおける、アログリ プチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg /日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1 日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/ 日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100 mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5mg 10 /日∼約15mg/日である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま たはBI1356、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 からなる医薬は、T2DM患者の1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0267】 別の態様において、本願発明は、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリブリド、またはその 医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に 20 関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するの に有用な医薬を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせにおける、アログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、 1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg /日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および10 0mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、約0.5m g/日∼約15mg/日である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356、グリブリド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 30 体からなる医薬は、T2DM患者の過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0268】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリ ブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心 血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管 事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、 40 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容され る塩、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。1回目の心血管事象後の生存期間 を延長するのに有用なまたは1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を 増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせにおけ る、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/ 日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回) 、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、 50 (83) JP 2012-522015 A 2012.9.20 および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範囲は、 約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0269】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、グリ ブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心 血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管 事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 10 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、グリブリド、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。2回目の心血管事象後の生存期 間を延長するのに有用な、または2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間 間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、グリブリドとの組み合わせ における、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100 mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日 1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2 20 回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。グリブリドの好ましい投与量範 囲は、約0.5mg/日∼約15mg/日である。 【0270】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。 全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造する ための、ビグアナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 30 である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら れる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ビグ アナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2 DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0271】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 40 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に 関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または 製造するための、ビグアナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/ 日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、または BI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割 投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50 mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回) 50 (84) JP 2012-522015 A 2012.9.20 が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/ 過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用 である。 【0272】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 10 体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する のに有用な医薬を調製または製造するための、ビグアナイドとの組み合わせにおける、ア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であ り、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25 mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および 100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡 20 リスクを予防または低減するのに有用である。 【0273】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、または その医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または 低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ビグアナイドとの組み合わせにお ける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は 30 、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg /日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回 )、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回) 、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血 症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって引 き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0274】 40 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも1つの医 薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でな い脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ビ グアナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好 ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量 は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例 50 (85) JP 2012-522015 A 2012.9.20 えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回 )、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ビグアナイド、 および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の 致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減する のに有用である。 【0275】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 10 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意に少なくとも 1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致 命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するた めの、ビグアナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲で ある。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与 され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日( 1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられ 20 る。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ビグア ナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾 患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持 つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予 防または低減するのに有用である。 【0276】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意 30 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によっ て引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造する ための、ビグアナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら れる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ビグ アナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2 40 DM患者の、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血 管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0277】 別の態様において、本願発明は、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造す るための、ビグアナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビ 50 (86) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ られる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ビ グアナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T 2DM患者の過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3回目の心 血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0278】 10 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグ アナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に 関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物( とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するた めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。1回目の心 血管事象後の生存期間を延長するのに有用なまたは1回目の心血管事象と2回目の心血管 20 事象の間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、ビグアナイ ドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25 mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、2 5mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50 mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0279】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ 30 チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグ アナイド、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に 関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物( とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ビグアナイド、および任 意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。2回目の 心血管事象後の生存期間を延長するのに有用な、または2回目の心血管事象と3回目の心 血管事象との間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、ビグ アナイドとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン 40 、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ま しいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は 、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例え ば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回) 、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 【0280】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 50 (87) JP 2012-522015 A 2012.9.20 に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するの に有用な医薬を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、アロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり 、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25m g/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および1 00mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100 mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩は HClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 10 6、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 は、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0281】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つ の医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低 減するのに有用な医薬を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおけ 20 る、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、 約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/ 日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回) 、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、 および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は 約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ま しい塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体から なる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴 30 (現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減する のに有用である。 【0282】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされ る死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、メトホ ルミンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 40 またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホル ミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミ ンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの 医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こさ れる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 50 (88) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【0283】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めの、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、また はその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および 任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引 き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するため の、メトホルミンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ 10 る。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与さ れ、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1 日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる 。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約2500mg/日である。 メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。アログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、メトホルミン、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレス テロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象 によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 20 【0284】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容される塩 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない 心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医 薬を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、アログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼ 約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ 30 プチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回 投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1 日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/ 日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼ 約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClであ る。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、メトホ ルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2D M患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または 低減するのに有用である。 【0285】 40 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその医薬的に許容 される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命 的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに 有用な医薬を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、アログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビ 50 (89) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、 1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg /日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および10 0mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100m g/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はH Clである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は 、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過 去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリ スクを予防または低減するのに有用である。 10 【0286】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはその 医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に 関する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するの に有用な医薬を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、アロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5 mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、 20 ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり 、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25m g/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および1 00mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100 mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩は HClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 は、T2DM患者の、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回 目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0287】 30 別の態様において、本願発明は、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メトホルミン、またはそ の医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用 に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する のに有用な医薬を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、ア ログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0. 5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であ 40 り、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25 mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および 100mg/日(1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約10 0mg/日∼約2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩 はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医 薬は、T2DM患者の過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3 回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0288】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 50 (90) JP 2012-522015 A 2012.9.20 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メト ホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の 心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血 管事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ れる塩、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合 わせの使用を提供する。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するのに有用なまたは1 回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製 10 または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400 mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与また は分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回) 、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日 1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約250 0mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである。 【0289】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 20 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、メト ホルミン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許 容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の 心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血 管事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造するためのアログリプチ ン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容 される塩、メトホルミン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み 合わせの使用を提供する。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するのに有用な、また は2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するのに有用な医薬 30 を調製または製造するための、メトホルミンとの組み合わせにおける、アログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約 400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投 与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日 2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日 (1日1回)が挙げられる。メトホルミンの好ましい投与量範囲は約100mg/日∼約 2500mg/日である。メトホルミンの医薬的に許容される好ましい塩はHClである 。 【0290】 40 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関 する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製 造するための、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400m g/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま たはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または 分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、 50 (91) JP 2012-522015 A 2012.9.20 50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1 回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体か らなる医薬は、T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有 用である。 【0291】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ 10 れる塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の 使用に関する。全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製 または製造するための、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、 シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約 400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投 与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日 2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日 (1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容され 20 る担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/ま たは喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防また は低減するのに有用である。 【0292】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容さ れる担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低 減するのに有用な医薬を調製または製造するための、チアゾリジンジオンとの組み合わせ 30 における、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の 量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シ タグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100 mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日 1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2 回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチ ン、ビルダグリプチン、またはBI1356、チアゾリジンジオン、および任意に少なく とも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって 引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0293】 40 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、または その医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の使用に関する。心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防 または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、チアゾリジンジオンとの組 み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプ チン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日 50 (92) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/ 日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日 (1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。アログリプチン、シタ グリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、チアゾリジンジオン、および任意 に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、 高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心 血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0294】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 10 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1 つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命 的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するため の、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範 囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で 投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/ 日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げ 20 られる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、チ アゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬 は、T2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを 予防または低減するのに有用である。 【0295】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、および任意に少な 30 くとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/ま たは致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造 するための、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg /日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、また はBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分 割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、5 0mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回 )が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体から 40 なる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴 (現在/過去)を持つT2DM患者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない 脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0296】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象 によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製 50 (93) JP 2012-522015 A 2012.9.20 造するための、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリ プチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400m g/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、ま たはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または 分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、 50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1 回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1 356、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体か らなる医薬は、T2DM患者の、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒ ト)の2回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 10 【0297】 別の態様において、本願発明は、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または 製造するための、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400 mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 20 またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与また は分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回) 、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日 1回)が挙げられる。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI 1356、チアゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体 からなる医薬は、T2DM患者の、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の2回目の心血管事象のリスクを予防または低減するのに有用である。 【0298】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ 30 チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チア ゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 使用に関する。更なる態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳 動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加 するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオン 、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する 。1回目の心血管事象後の生存期間を延長するのに有用なまたは1回目の心血管事象と2 回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための 、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビル 40 ダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら れる。 【0299】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チア 50 (94) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ゾリジンジオン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの 使用に関する。更なる態様において、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳 動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増 加するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、チアゾリジンジオ ン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供す る。2回目の心血管事象後の生存期間を延長するのに有用な、または2回目の心血管事象 と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造する ための、チアゾリジンジオンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日 10 の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投 与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50m g/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が 挙げられる。 【0300】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による死亡リス クを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に 20 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死亡リスク を予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタゾンまた はピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ る。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与さ れ、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1 日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる 。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。 ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。 30 ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾン の好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の全 ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0301】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物、とりわけヒトの全ての原因による 死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン 、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容さ 40 れる塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。全ての原因による死 亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタ ゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の 範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI 1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与 で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg /日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙 げられる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日 50 (95) JP 2012-522015 A 2012.9.20 である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日 である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグ リタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタ ゾン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患 歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ T2DM患者の全ての原因による死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0302】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によって引き 起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するためのアロ 10 グリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬 的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容され る塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。心血管事 象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調製または 製造するための、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログ リプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5m g/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、 1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg /日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および10 20 0mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0. 5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5 mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩は マレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。 アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、およびロシ グリタゾンまたはピオグリタゾン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 体からなる医薬は、T2DM患者の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防 または低減するのに有用である。 【0303】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 30 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の心血管事象によ って引き起こされる死亡リスクを予防または低減するための医薬を調製または製造するた めのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、または その医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に 許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用に関する。 心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するのに有用な医薬を調 製または製造するための、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける 、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約 0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、25mg/日∼100mg/日 40 であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、 25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、お よび100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は 、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、 約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容さ れる塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHCl である。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、お よびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容 される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、および /または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患者の心血管事象によって引き起こされる 50 (96) JP 2012-522015 A 2012.9.20 死亡リスクを予防または低減するのに有用である。 【0304】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心筋梗塞お よび/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調製または 製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 6、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、またはそ の医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体の使用 に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防また は低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタゾンまたはピオグリ タゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、 10 またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である。好まし いアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投与量は、 25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され、例えば 、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日1回)、 50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。ロシグリ タゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピオグリタ ゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロシグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの好ましい 医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、および任意に 20 少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の致命的でない 心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するのに有用であ る。 【0305】 別の態様において、本願発明は、CV疾患歴、高血圧症歴、高コレステロール血症歴、 および/または喫煙歴(現在/過去)を持つ哺乳動物(とりわけヒト)の致命的でない心 筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減するための医薬を調 製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB I1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、 またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担 30 体の使用に関する。致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを 予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタゾンまたは ピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリ プチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲である 。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356投 与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与され 、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1日 1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる。 ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。ピ オグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。ロ 40 シグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾンの 好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、およ び任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、CV疾患歴、高血圧 症歴、高コレステロール血症歴、および/または喫煙歴(現在/過去)を持つT2DM患 者の致命的でない心筋梗塞および/または致命的でない脳卒中のリスクを予防または低減 するのに有用である。 【0306】 別の態様において、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけ ヒト)の2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減するた 50 (97) JP 2012-522015 A 2012.9.20 めの医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチ ン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオ グリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的に 許容される担体の使用に関する。2回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスク を予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタゾンまた はピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダグ リプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲であ る。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356 投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与さ れ、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日(1 10 日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられる 。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である。 ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である。 ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾン の好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、ビ ルダグリプチン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、お よび任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の、 1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象のリス クを予防または低減するのに有用である。 【0307】 20 別の態様において、本願発明は、過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわ けヒト)の3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リスクを予防または低減する ための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプ チン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピ オグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少なくとも1つの医薬的 に許容される担体の使用に関する。3回目の心血管事象によって引き起こされる死亡リス クを予防または低減するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタゾンま たはピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビルダ グリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲で ある。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI135 30 6投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投与 され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日( 1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げられ る。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日である 。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日である 。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタゾ ンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。アログリプチン、シタグリプチン、 ビルダグリプチン、またはBI1356、およびロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、 および任意に少なくとも1つの医薬的に許容される担体からなる医薬は、T2DM患者の 過去2度の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の3回目の心血管事象のリ 40 スクを予防または低減するのに有用である。 【0308】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシ グリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において 、本願発明は、1回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の1回目の心 血管事象と2回目の心血管事象の間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造す るためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、ま 50 (98) JP 2012-522015 A 2012.9.20 たはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、および任意に少 なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。1回目の心血管 事象後の生存期間を延長するのに有用なまたは1回目の心血管事象と2回目の心血管事象 の間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリタゾン またはピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン、ビル ダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日の範囲 である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI13 56投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投与で投 与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50mg/日 (1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が挙げら 10 れる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/日であ る。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/日であ る。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオグリタ ゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。 【0309】 別の態様において、本願発明は、哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心血管事象後の 生存期間を延長するための医薬を調製または製造するためのアログリプチン、シタグリプ チン、ビルダグリプチン、またはBI1356、またはその医薬的に許容される塩、ロシ グリタゾンまたはピオグリタゾン、またはその医薬的に許容される塩、および任意に少な くとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用に関する。更なる態様において 20 、本願発明は、2回目の心血管事象を生き延びた哺乳動物(とりわけヒト)の2回目の心 血管事象と3回目の心血管事象との間の時間間隔を増加するための医薬を調製または製造 するためのアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはBI1356、 またはその医薬的に許容される塩、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン、および任意に 少なくとも1つの医薬的に許容される担体の組み合わせの使用を提供する。2回目の心血 管事象後の生存期間を延長するのに有用な、または2回目の心血管事象と3回目の心血管 事象との間の時間間隔を増加するのに有用な医薬を調製または製造するための、ロシグリ タゾンまたはピオグリタゾンとの組み合わせにおける、アログリプチン、シタグリプチン 、ビルダグリプチン、またはBI1356の量は、約0.5mg/日∼約400mg/日 の範囲である。好ましいアログリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、またはB 30 I1356投与量は、25mg/日∼100mg/日であり、1日1回投与または分割投 与で投与され、例えば、25mg/日(1日1回)、25mg/日(1日2回)、50m g/日(1日1回)、50mg/日(1日2回)、および100mg/日(1日1回)が 挙げられる。ロシグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約50mg/ 日である。ピオグリタゾンの好ましい投与量範囲は、約0.5mg/日∼約100mg/ 日である。ロシグリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はマレイン酸塩であり、ピオ グリタゾンの好ましい医薬的に許容される塩はHClである。 【0310】 本発明はDPPIV阻害剤を投与することにより哺乳動物において死亡リスクを低減す る方法をその範囲に包含し、DPPIV阻害剤としてはサクサグリプチン、アログリプチ 40 ン、シタグリプチン、ビルダグリプチンまたはBI 1356A、好ましくはサクサグリ プチン、シタグリプチンまたはビルダグリプチン、最も好ましくはサクサグリプチンを含 むがこれらに限定されず、これらはさらに以下に示されるような医薬品と組み合わせられ る。SGLT2阻害剤;抗肥満薬;抗糖尿病薬;食欲抑制薬;コレステロール/脂質低下 薬;HDL上昇薬;認知力増強薬;神経変性の治療に用いられる薬;呼吸状態の治療に用 いられる薬;腸障害の治療に用いられる薬;抗炎症薬;抗不安薬;抗うつ薬;抗高血圧薬 ;強心配糖体;抗腫瘍薬;血管新生促進薬、再生促進薬、抗血小板薬;PCSK9阻害剤 ;CTLA−4遮断薬(アバタセプトおよびベラタセプト)ならびにカルシニューリンな どの移植薬;エリスロポエチン、エリスロポエチン誘導体、BNP(ネシリチド)、血管 内皮増殖因子(VEGF)アゴニスト、トランスホーミング増殖因子βアゴニストおよび 50 (99) JP 2012-522015 A 2012.9.20 白血病抑制因子アゴニストなどの幹細胞の産生を増加させる骨髄幹細胞薬;Cox−2阻 害剤;Cox2/Cox−1阻害剤;G−CSF、CXCR4遮断薬(プレリキサホル( rINNおよびUSAN、MOZOBIL、JM3100およびAMD3100としても 知られる)ならびに副甲状腺ホルモンなどの骨髄からの骨髄幹細胞流出を引き起こす薬; SDF−1などの、投薬によりもしくは遺伝子導入発現させた後にエクスビボで回収する ことで血管内皮前駆細胞のホーミング、増殖および分化を引き起こす薬;PDGFアゴニ スト(REGRANEXゲル)などの創傷治癒を増大する薬;NO系に対して作用する血 管活性化薬;プロモグランなどのマトリックスメタロプロテイン阻害剤;G−CSF、M −CSF、エリスロポエチンおよびGM−CSFなどの骨髄増大薬;アトリプラ(エファ ビレンツ+テノホビル+エムトリシタビン)などのHIV薬;ヌクレオシド/ヌクレオチ 10 ド逆転写酵素阻害剤(NRTIs);イムニチン(HE2000、α−エピブロマイド) 、プロロイキン(アルデスロイキン、インターロイキン−2、IL−2)、レミューン( HIV−1免疫原、ソークワクチン)、BAY 50−4798およびIR103などの 免疫に基づく薬;ノービア(リトナビル、RTV)などの薬物動態学的エンハンサー;コ ビシスタート(GS−9350);およびSPI−452;インテレンス(エトラビリン 、ETV、TMC−125)、レスクリプター(デラビルジン、DLV)、サスティバ( ストックリン、エファビレンツ、EFV)、ビラミューン(ネビラピン、NVP)および リルピビリン(TMC−278)などの非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTIs );プロテアーゼ阻害剤(PIs);フゼオン(エンフビルチド、ENF、T−20)、 シーエルセントリ(Selzentry)(シーエルセントリ(Celsentri)、 20 マラビロク、UK−427,857)、ビクリビロク(SCH−417690、SCH− D)、イバリズマブ(TNX−355)およびPRO 140などの侵入阻害剤(融合阻 害剤を含む);アイセントレス(ラルテグラビル、MK−0518)、GSK−572お よびエルビテグラビル(GS−9137)などのインテグラーゼ阻害剤;ベビリマート( PA−457)などの成熟阻害剤;ならびに/またはドロキシアもしくはハイドレア(ヒ ドロキシウレア、HU)などの細胞阻害剤。 【0311】 DPPIV阻害剤と組み合わせて使用するための適切なNRTIの例はコンビビル(ジ ドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、エムトリバ(エムトリシタビン、FTC)、 エピビル(ラミブジン、3TC)、エプジコム(カイベクサ、アバカビル+ラミブジン、 30 ABC+3TC)、レトロビル(ジドブジン、AZT、ZDV)、トリジビル(アバカビ ル+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、ツルバダ(テノホビルDF+ エムトリシタビン、TDF+FTC)、バイデックスおよびバイデックスEC(ジダノシ ン、ddI)、ビリアード(テノホビルジソプロキシルフマレート、TDF)、ゼリット (スタブジン、d4T)、ザイアジェン(アバカビル、ABC)、ラシビル(RCV)、 アムドキソビル(AMDX、DAPD)、アプリシタビン(SPD754、AVX754 )およびエルブシタビン(ACH−126,443、β−L−Fd4C)を含むが、これ らに限定されない。 【0312】 全ての原因による死亡リスクを低減するためのDPPIV阻害剤との組合せに適してい 40 るプロテアーゼ阻害剤はアゲネラーゼ(アンプレナビル、APV)、アプティバス(チプ ラナビル、TPV)、クリキシバン(インジナビル、IDV)、インビラーゼ(サキナビ ル、SQV)、カレトラ(アルビア、ロピナビル/リトナビル、LPV/r)、レクシヴ ァ(テルジル、ホスアンプレナビル、FPV)、ノービア(リトナビル、RTV)、プリ ジスタ(ダルナビル、DRV)、レイアタッツ(アタザナビル、ATV)およびビラセプ ト(ネルフィナビル、NFV)を含むが、これらに限定されない。 【0313】 DPPIV阻害剤と組み合わせて使用するための適切な抗肥満薬の例はメラノコルチン 受容体(MC4R)アゴニスト、カンナビノイド受容体調節因子、成長ホルモン分泌促進 物質受容体(GHSR)アンタゴニスト、ガラニン受容体調節因子、オレキシンアンタゴ 50 (100) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ニスト、CCKアゴニスト、GLP−1アゴニストおよび他のプレグルカゴン由来ペプチ ド;NPY1またはNPY5アンタゴニスト、NPY2およびNPY4調節因子、副腎皮 質刺激ホルモン放出因子アゴニスト、ヒスタミン受容体−3(H3)調節因子、aP2阻 害剤、PPARγ調節因子、PPARδ調節因子、アセチル−CoAカルボキシラーゼ( ACC)阻害剤、11−β−HSD−1阻害剤、アディノペクチン(adinopect in)受容体調節因子;AJ9677(武田/大日本)、L750355(Merck) もしくはCP331648(Pfizer)などのβ3アドレナリンアゴニストまたは米 国特許第5,541,204号、第5,770,615号、第5,491,134号、第 5,776,983号および第5,488,064号において開示されたような他の公知 のβ3アゴニスト、WO 97/21993(U.Cal SF)、WO 99/003 10 53(KaroBio)およびWO 00/039077(KaroBio)において開 示されたような甲状腺受容体リガンドなどの甲状腺受容体β調節因子、オルリスタットま たはATL−962(Alizyme)などのリパーゼ阻害剤、セロトニン受容体アゴニ スト(例としてBVT−933(Biovitrum)またはロルカセリン(Arena ))、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、 パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロホレックス、クロルテルミン 、ピシロレックス、シブトラミン、デクスアンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプ ロパノールアミンまたはマジンドールなどのモノアミン再取り込み阻害剤または放出薬、 トピラマート(Johnson&Johnson)、CNTF(毛様体神経栄養因子)/ AXOKINE(登録商標)(Regeneron)、BDNF(脳由来神経栄養因子) 20 、レプチンおよびレプチン受容体調節因子またはSR−141716(Sanofi)も しくはSLV−319(Solvay)などのカンナビノイド−1受容体インバースアゴ ニスト/ニュートラルアンタゴニストなどの食欲低下薬ならびにWO 2006/134 317(A1)(Astra Zeneca)、WO2006/044775(A2)( Bayer)、WO2006/06019020(A1)(三共)、WO2006/08 2010(A1)(Roche)、WO2004/047755(A2)(日本たばこ、 Tularik)およびWO2005/0727401(A2)(Amgen、日本たば こ)において記載されたものなどのDGAT阻害剤を含む。 【0314】 DPPIV阻害剤と組み合わせて使用するための適切な抗糖尿病薬の例はインスリン分 30 泌促進物質またはインスリン増感剤を含み、これらはビグアナイド、スルホニル尿素、グ ルコシダーゼ阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、チアゾリジンジオンなどのPPARγ アゴニスト、PPARαアゴニスト(フィブリン酸誘導体など)、PPARδアンタゴニ ストまたはアゴニスト、PPARα/γ二重アゴニスト、11−β−HSD−1阻害剤、 サクサグリプチン、ビルダグリプチンおよびシタグリプチンを含むジペプチジルペプチダ ーゼIV(DPPIVまたはDP4)阻害剤、ダパグリフロジン、レモグリフロジン、セ ルグリホジン(serglifozin)およびAVE2268を含むSGLT2阻害剤 、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤および/またはメグリチニド、同様にインスリンお よび/またはグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1アゴニスト、SIR T活性化物質(レスベラトロール)および/またはPTP−1B阻害剤(タンパク質チロ 40 シンホスファターゼ−1B阻害剤)を含み得る。 【0315】 抗糖尿病薬はフェンホルミンまたはその塩などの経口抗高血糖薬であってよい。抗糖尿 病薬がフェンホルミンである場合、本発明の化合物はフェンホルミンに対する重量比でお よそ0.001:1からおよそ10:1、好ましくはおよそ0.01:1からおよそ5: 1の範囲内で用いられ得る。 【0316】 抗糖尿病薬はまた好ましくはグリブリド(グリベンクラミドとしても知られる)、グリ メピリド(米国特許第4,379,785号において開示)、グリピジド、グリクラジド またはクロルプロパミドなどのスルホニル尿素、β細胞のATP依存性チャネルに対して 50 (101) JP 2012-522015 A 2012.9.20 作用する他の公知のスルホニル尿素または他の抗高血糖薬であってよく、グリブリドおよ びグリピジドが好ましく、これらは同一のまたは別々の経口投与剤形で投与され得る。経 口抗糖尿病薬はまたアカルボース(米国特許第4,904,769号において開示)また はミグリトール(米国特許第4,639,436号において開示)などのグルコシダーゼ 阻害剤であってよく、同一のまたは別々の経口投与剤形で投与され得る。 【0317】 本発明においてDPPIV阻害剤と組み合わせるのに有用なさらなる医薬品はチアゾリ ジンジオン経口抗糖尿病薬などのPPARγアゴニストまたはロシグリタゾン(SKB) 、ピオグリタゾン(武田)、三菱のMCC−555(米国特許第5,594,016号に おいて開示)、Galaxo−WellcomeのGL−262570、エングリタゾン 10 (CP−68722、Pfizer)もしくはダルグリタゾン(CP−86325、Pf izer)、イサグリタゾン(MIT/J&J)、JTT−501(JPNT/P&U) 、L−895645(Merck)、R−119702(三共/WL)、NN−2344 (Dr.Reddy/NN)もしくはYM−440(山之内)などの他のインスリン増感 剤(NIDDM患者においてインスリン感受性効果を持つ)を含み、好ましくはロシグリ タゾンおよびピオグリタゾンである。 【0318】 適切な抗高脂血症薬または動脈硬化症を治療するために用いられる薬はHMG CoA 還元酵素阻害剤(米国特許第3,983,140号において開示されたようなメバスタチ ンおよび関連化合物など)、米国特許第4,231,938号において開示されたような 20 ロバスタチン(メビノリン)および関連化合物、米国特許第4,346,227号におい て開示されたものなどのプラバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4,448,78 4号および第4,450,171号において開示されたようなシンバスタチンおよび関連 化合物を含む。本明細書において用いられ得る他のHMG CoA還元酵素阻害剤は米国 特許第5,354,772号において開示されたフルバスタチン、米国特許第5,006 ,530号および第5,177,080号において開示されたセリバスタチン、米国特許 第4,681,893号、第5,273,995号、第5,385,929号および第5 ,686,104号において開示されたアトルバスタチン、米国特許第5,011,93 0号において開示されたピタバスタチン(日産/三共のニスバスタチン(NK−104) またはイタバスタチン)、米国特許第5,260,440号において開示された塩野義− 30 Astra/Zenecaのロスバスタチン(ビサスタチン(ZD−4522))および 米国特許第5,753,675号に開示された関連のスタチン化合物、米国特許第4,6 13,610号において開示されたようなメバロノラクトン誘導体のピラゾールアナログ 、PCT出願WO 86/03488において開示されたようなメバロノラクトン誘導体 のインデンアナログ、米国特許第4,647,576号において開示されたような6−[ 2−(置換ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オンおよびその誘導体、Se arleのSC−45355(3−置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロアセテート、PC T出願WO 86/07054において開示されたようなメバロノラクトンのイミダゾー ルアナログ、仏国特許第2,596,393号において開示されたような3−カルボキシ −2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体、欧州特許出願第0221025号にお 40 いて開示されたような2,3−二置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特 許第4,686,237号において開示されたようなメバロノラクトンのナフチルアナロ グ、米国特許第4,499,289号に開示されたものなどのオクタヒドロナフタレン、 欧州特許出願第0142146A2号において開示されたようなメビノリン(ロバスタチ ン)のケトアナログならびに米国特許第5,506,219号および第5,691,32 2号において開示されたキノリンおよびピリジン誘導体を含むが、これらに限定されない 。加えて、本明細書において使用に適しているHMG CoA還元酵素を阻害するのに有 用なホスフィン酸化合物はGB 2205837において開示されている。 【0319】 本明細書における使用に適しているスクアレン合成酵素阻害剤は米国特許第5,712 50 (102) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ,396号に開示されたα−ホスホノ−スルホネート、イソプレノイド(ホスフィニル− メチル)ホスホネートを含むBiller et al., J. Med. Chem., 31:1869-1871 (1998)によ り開示されたもの、同様に例えば米国特許第4,871,721号および第4,924, 024号においてならびにBiller, S.A. et al., Curr. Pharm. Des., 2:1-40 (1996)に おいて開示された他の公知のスクアレン合成酵素阻害剤を含むが、これらに限定されない 。 【0320】 加えて、本明細書における使用に適している他のスクアレン合成酵素阻害剤はOrtiz de Montellano, P. et al., J. Med. Chem., 20:243-249 (1977)により開示されたテルペノ イドピロホスホフェート、Corey et al., J. Am. Chem. Soc., 98:1291-1293 (1976)によ 10 り開示されたようなファルネシルジホスフェートアナログAおよびプレスクアレンピロホ スホフェート(PSQ−PP)アナログ、McClard, R.W. et al., J. Am. Chem. Soc., 1 09:5544 (1987)により報告されたホスフィニルホスホネートならびにCapson, T.L., Ph.D ., dissertation, Dept. Med. Chem., Univ. Utah, Abstract, Table of Contents, pp. 16, 17, 40-43, 48-51, Summary (June 1987)により報告されたシクロプロパンを含む。 【0321】 本明細書における使用に適している他の脂質低下薬はフェノフィブラート、ゲムフィブ ロジル、クロフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラー トなどのフィブリン酸誘導体、米国特許第3,674,836号において開示されたよう なプロブコールおよび関連化合物(プロブコールおよびゲムフィブロジルが好ましい)、 20 コレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE−セファデックス(SECHOLEX( 登録商標)、Policexide)およびコレスタゲル(三共/Geltex)などの 胆汁酸捕捉剤、同様にLIPOSTABIL(登録商標)(Rhone−Poulenc )、EISAI(登録商標)E−5050(N−置換エタノールアミン誘導体)、イマニ キシル(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(THL)、イスティグマスタニ ルホスホリルコリン(SPC、Roche)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬)、 味の素のAJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友)、Sandoz58−0 35、American CyanamidのCL−277,082およびCL−283 ,546(二置換ウレア誘導体)、ニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス、アシフ ラン、ネオマイシン、p−アミノサルチル酸、アスピリン、米国特許第4,759,92 30 3号に開示されたものなどのポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体、第四級アミンポリ( ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)および米国特許第4,027,009号に開 示されたものなどのイオネンならびに他の公知の血清コレステロール低下薬を含むが、こ れらに限定されない。 【0322】 他の脂質低下薬はACAT阻害剤(抗アテローム性動脈硬化活性も持つ)であってよく 、Drugs of the Future, 24:9-15 (1999) (Avasimibe); Nicolosi et al., "T he ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aort ic fatty streak area in hamsters", Atherosclerosis (Shannon, Irel.), 137(1):77-8 5 (1998); Ghiselli, G., "The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT 40 inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein", Cardiovasc. 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Chem., 8(6):35 9-362 (1995)において開示されたもの、またはTS−962(大正製薬株式会社)、同様 にF−1394、CS−505、F−12511、HL−004、K−10085および YIC−C8−434などであってよい。 【0323】 脂質低下薬はMD−700(大正製薬株式会社)およびLY295427(Eli L illy)などのLDL受容体活性の上方制御物質であってよい。脂質低下薬は好ましく 10 はSchering−PloughのSCH48461(エゼチミブ)や同様にAtherosc lerosis, 115:45-63 (1995)およびJ. Med. Chem., 41:973 (1998)において開示されたも ののようなコレステロール吸収阻害剤であってよい。 【0324】 他の脂質薬または脂質調節薬はコレステリル輸送タンパク質阻害剤(CETP)であっ てよく、PfizerのCP−529,414や同様にWO/0038722においてな らびにEP 818448(Bayer)およびEP 992496において開示された もの、ならびにPharmaciaのSC−744およびSC−795、同様にCETi −1およびJTT−705などであってよい。 【0325】 20 脂質低下薬はDrugs of the Future, 24:425-430 (1999)において開示されたものなどの 回腸のNa+/胆汁酸共輸送体阻害剤であってよい。本発明の組合せに用いられ得るAT Pクエン酸リアーゼ阻害剤は、例えば米国特許第5,447,954号において開示され たものを含む。 【0326】 他の脂質薬はまた、WO 00/30665に開示されたものなどの単離された大豆タ ンパク質、大豆タンパク質濃縮物もしくは大豆粉、同様にゲニステイン、ダイゼイン、グ リシテインもしくはエコールなどのイソフラボンを含むフィトエストロゲン化合物もしく はWO 00/015201において開示されたようなフィトステロール、フィトスタノ ールもしくはトコトリエノール;EP 675714において開示されたものなどのβ− 30 ラクタムコレステロール吸収阻害剤;LXRアゴニスト、PPARαアゴニストおよび/ もしくはFXRアゴニストなどのHDL上方制御物質;EP 1022272に開示され たものなどのLDL異化作用プロモーター;DE 19622222に開示されたものな どのナトリウム−プロトン交換阻害剤;米国特許第5,698,527号およびGB 2 304106に開示されたものなどのLDL受容体誘導物質もしくはステロイド配糖体; WO 94/15592において開示されたようなβ−カロテン、アスコルビン酸、α− トコフェロールもしくはレチノール、同様にビタミンCならびに葉酸、葉酸塩、ビタミン B6、ビタミンB12およびビタミンEなどの抗ホモシステイン薬;WO 97/355 76において開示されたようなイソニアジド;WO 97/48701において開示され たようなコレステロール吸収阻害剤、HMG−CoA合成酵素阻害剤もしくはラノステロ 40 ールデメチラーゼ阻害剤;脂質異常症を治療するためのPPARδアゴニスト;またはW O 2000/050574において開示されたようなステロール調節エレメント結合タ ンパク質−I(SREBP−1)、例えばセラミドもしくは中性スフィンゴミエリナーゼ (N−SMase)もしくはその断片などのスフィンゴ脂質を含む。好ましい脂質低下薬 はプラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン 、ピタバスタチン、ロスバスタチンおよびエゼチミブ、同様にナイアシンおよび/または コレスタゲルである。 【0327】 本発明の方法はDPPIV阻害剤、特にサクサグリプチンを抗高血圧薬と組み合わせて 投与することを含む。適切な抗高血圧薬の例はβアドレナリン遮断薬、カルシウムチャネ 50 (104) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ル遮断薬(L型および/またはT−型;例としてジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピ ン、アムロジピンおよびミベフラジル)、利尿薬(例としてクロロチアジド、ヒドロクロ ロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチル クロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸 トリクリナフェン(tricrynafen)、クロルタリドン、フロセミド、ムゾリミ ン(musolimine)、ブメタニド、トリアムテレン(triamtrenene )、アミロライド、スピロノラクトン)、レニン阻害剤、ACE阻害剤(例としてカプト プリル、ゾフェノプリル、ホシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル( cilazopril)、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノ プリル)、AT−1受容体アンタゴニスト(例としてロサルタン、イルベサルタン、バル 10 サルタン)、ET受容体アンタゴニスト(例としてシタクスセンタン、アトルセンタン( atrsentan)ならびに米国特許第5,612,359号および第6,043,2 65号において開示された化合物)、二重ET/AIIアンタゴニスト(例としてWO 00/01389において開示された化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害 剤、バソペプチダーゼ阻害剤(二重NEP−ACE阻害剤)(例としてオマパトリラート およびゲモパトリラート)ならびに硝酸薬を含む。 【0328】 本発明のDPPIV阻害剤と組み合わせて使用するための適切な血管新生促進薬の例は 血管内皮増殖因子(VEGF)−A、B、CおよびD、血小板由来増殖因子(PDGF) −AA、AB、BB、CCおよびDD、線維芽細胞増殖因子(FGF)−1、2および4 20 、上皮細胞増殖因子(EGF)、同様にVEGF、PDGF、FGFの受容体およびEG F受容体を含むが、これらに限定されない。 【0329】 本発明のDPPIV阻害剤と組み合わせて使用するための適切な再生促進薬の例は血管 新生促進薬、間質細胞由来因子(SDF)−1α、c−Kitリガンド、肝細胞増殖因子 (HGF)、同様にSDF−1α、c−KetおよびHGFの受容体を含むが、これらに 限定されない。 【0330】 本発明のDPPIV阻害剤と組み合わせて使用するための適切な抗血小板薬の例はアス ピリン、アブシキシマブ、クロピドグレル、シロスタゾール、ジピリダモール、デフィブ 30 ロチド、エプチフィバチド、チクロピジン、プラスグレル、ジピリダモール、デフィブロ チドおよびチロフィバンを含むが、これらに限定されない。 【0331】 本発明の方法は哺乳動物、特にヒトにおいて死亡リスク(全ての原因およびCV)を予 防または低減するためのDPPIV阻害剤および選択的Cox−2または非選択的Cox −2/Cox−1阻害薬を含む併用療法を含む。これらの方法はCox−2またはCox −1/Cox−2阻害剤に関連してCV傾向を予防または低減することにより、患者の死 亡リスクを予防または低減する。本発明は、サクサグリプチン、アログリプチン、シタグ リプチン、ビルダグリプチンまたはBI 1356Aを含むがこれらに限定されないDP PIV阻害剤、好ましくはサクサグリプチン、シタグリプチンおよびビルダグリプチン、 40 最も好ましくはサクサグリプチンを、以下のCox−2またはCox−2/Cox−1阻 害薬と組み合わせることを考えている:セレブレックス、バイオックス、ベクストラ、ア スピリン、サルサラート(アミゲシク(Amigesic))、ジフルニサル(ドロビッ ド)、イブプロフェン(モトリン)、ケトプロフェン(オルヂス)、ナブメトン(レラフ ェン)、ピロキシカム(フェルデン)、ナプロキセン(アリーブ、ナプロシン)、ジクロ フェナク(ボルタレン)、インドメタシン(インドシン)、スリンダク(クリノリル)、 トルメチン(トレクチン)、エトドラク(ロヂン)、ケトロラク(トラドル)またはオキ サプロジン(ダイプロ(Daypro))。 【0332】 本発明は哺乳動物、特にヒトにおいて死亡(全ての原因およびCV)を低減するための 50 (105) JP 2012-522015 A 2012.9.20 DPPIV阻害剤とNO系に対して作用する血管活性化薬との組合せを考えている。血管 活性化薬はレスベラトロール:(eNOSを増加させる)、カルバコール、ブラジキニン 、カルシウムイオノフォア(例えばA23187)、ACE阻害剤(既に含まれる)、N O/cGMP系薬、cGMP特異的な5型ホスホジエステラーゼ薬(シルデナフィル、バ ルデナフィルおよびタダラフィルなど)またはANPを含むが、これらに限定されない。 【0333】 定義 用語「急性CV事象」は第2b/3相の被験者が内科医により以下の事象の1つまたは 複数を有すると診断されたことを意味する:急性冠動脈症候群、急性心筋梗塞、死戦調律 、一過性黒内障、不安定狭心症、動脈痙攣冠動脈バリント症候群、基底核出血、脳底動脈 10 閉塞、脳底動脈狭窄、脳底動脈血栓症、脳幹出血、脳幹梗塞、脳幹虚血、脳幹血栓症、心 停止、心臓死、心原性ショック、心肺停止、頸動脈塞栓、頸動脈バイパス、頸動脈剥離、 頸動脈不全、頸動脈閉塞、頸動脈狭窄、頸動脈ステント挿入、頸動脈血栓症、頸動脈内膜 切除、小脳動脈閉塞、小脳動脈血栓症、小脳塞栓症、小脳出血、小脳梗塞、大脳動脈塞栓 症、大脳動脈閉塞、大脳動脈狭窄、大脳動脈血栓症、大脳循環不全、大脳出血、大脳低灌 流、大脳梗塞、大脳虚血、大脳血栓症、脳血管発作、脳血管不全、脳血管狭窄、循環虚脱 、冠動脈血管形成、冠動脈ステント挿入、冠動脈動脈バイパス、冠動脈剥離、冠動脈塞栓 症、冠動脈不全、冠動脈閉塞、冠動脈再閉塞、冠動脈再狭窄、冠動脈狭窄、冠動脈血栓症 、冠動脈バイパス血栓症、冠動脈内膜切除、冠動脈入口部狭窄、冠動脈血行再建、解離性 冠動脈動脈瘤、電気収縮解離、塞栓性大脳梗塞、塞栓性脳卒中、冠動脈出血、頭蓋内出血 20 、出血性大脳梗塞、出血性脳卒中、出血性転化脳卒中、梗塞、ステント内冠動脈再狭窄、 脳室内出血、虚血性大脳梗塞、虚血性脳卒中、ラクナ梗塞、外側髄症候群、心筋梗塞、心 筋虚血、心筋再灌流傷害、乳頭筋梗塞、経皮的冠動脈介入、処置後心筋梗塞、処置後脳卒 中、梗塞後狭心症、脳実質外動脈閉塞、プリンズメタル狭心症、被殻出血、可逆性虚血性 神経障害、ショック、無症状心筋梗塞、スネドン症候群、脊髄動脈塞栓症、脊髄出血、脊 髄硬膜外出血、進行性脳卒中、クモ膜下出血、心内膜下虚血、突発性心臓死、突然死、視 床梗塞、視床出血、血栓性大脳梗塞、血栓性脳卒中、一過性虚血性発作、移植血管閉塞、 心室無収縮、心室細動、心室粗動、心室性頻脈性不整脈、心室頻拍、椎骨動脈閉塞、椎骨 動脈狭窄、椎骨動脈血栓症、椎骨脳底不全およびワレンベルグ症候群。 【0334】 30 本明細書において用いられる用語「全ての原因による死亡または全ての原因による死」 はあらゆる理由による死を意味し、有害CV事象による死を包含する。 【0335】 本明細書において用いられる用語「1日2回(bid)」は1日2回を意味する。例え ば用語50mg/日(1日2回)は被験者が同じ日に50mgを2回すなわち1日に合計 100mgを受けたことを意味する。 【0336】 本明細書において用いられる用語「ビグアナイド」は血中グルコースレベルを減少させ ることでI型またはII型真性糖尿病を管理するのに用いられる抗糖尿病薬のクラスを意 味し、ブホルミン、フェンホルミンおよびメトホルミンを含むが、これらに限定されない 40 。本発明の方法に含まれる併用療法のための好ましいビグアナイドはメトホルミンである 。 【0337】 本明細書において用いられる用語「心血管死またはCV死」は脳卒中(脳血管発作)、 心臓発作、心不全による死または心臓もしくは脳の中ではなく血管の問題に関係した死を 意味する。 【0338】 用語「DPP−IV阻害剤またはDPP−4阻害剤」は酵素であるDPP−IVを阻害 する化合物を意味する。DPP−IV酵素は内因性のグルカゴン様ペプチド1(GLP− 1)およびグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)の不活化に関与 50 (106) JP 2012-522015 A 2012.9.20 する。DPP−IVの阻害は血漿中の活性型GLP−1およびGIPを増加させ、インス リン分泌の生理的メカニズムを調節してグルカゴン放出を減少させ、それによって食後お よび空腹時のグルコースレベルを低減させる。本発明の方法により考えられるDPP−I V阻害剤はアログリプチン、サクサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチンおよ びキサンチンDPP−IV阻害剤BI 1356(予定商品名ONDERO)を含むが、 これらに限定されない。 【0339】 本明細書において用いられる用語「混合脂質異常症」は高コレステロールを有し、別の 脂質異常、特に高トリグリセリドを有する患者(または被験者)を意味する。本発明の方 法は高コレステロールおよび高トリグリセリドの患者または被験者を治療するのに有用で 10 ある。 【0340】 本明細書において用いられる用語「MACEまたは一次MACE」または「主要有害心 臓事象」は致命的でない心筋梗塞、致命的でない脳卒中またはCV死の発生に関する。 【0341】 本明細書において用いられる用語「医薬的に許容される担体」は毒性のない、不活性な 固体、半固体または液体の賦形剤、希釈剤、封入材料またはあらゆるタイプの製剤補助剤 を意味する。医薬的に許容される担体として働くことができる材料のいくつかの例は乳糖 、グルコースおよびショ糖などの糖;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデ ンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびセルロースア 20 セテートなどのセルロースおよびその誘導体;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タ ルク;ココアバターおよび坐薬ワックスなどの添加剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワ ー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;グリコール;プロピ レングリコールなど;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天; 水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝薬;アルギン酸;パイロジェン を含まない水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコールならびにリン酸バッファー溶 液であり、同様にラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の毒 性のない適合性の滑沢剤、同様に着色料、放出剤、コーティング剤、甘味料、調味料およ び芳香料、保存料および抗酸化剤もまた調合者の判断に従って組成物中に存在させ得る。 本発明は、1つまたは複数の毒性のない医薬的に許容される担体と共に調合された本発明 30 の化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明は、1つまたは複数の毒性のない医薬的に 許容される担体と共に調合された本発明のDPP−IV阻害剤を含む医薬組成物を提供す る。本発明のDPP−IV阻害剤、特にサクサグリプチンはUS 2005/02660 80およびWO 05/117841において記載されたような医薬組成物の中に調合さ れ得るものであり、これら文献はその全てにおいてあらゆる目的で参照により本明細書に 組み込まれる。 【0342】 本明細書において用いられる用語「医薬的に許容される塩」または「塩」は当技術分野 で周知の塩を言う。例えばS. M Berge et al.はJ. Pharmaceutical Sciences, 66:1-19 ( 1977)において医薬的に許容される塩を詳細に記載している。医薬的に許容される塩の例 40 は酢酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、酪酸、クエン酸、フマル酸、 塩酸、臭化水素酸、乳酸、マイレン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、4−メチルベンゼ ンスルホン酸、ニコチン酸、リン酸、コハク酸、硫酸または酒石酸を含み、当技術分野で 周知の方法を用いて調製される。本発明の方法において用いるための、サクサグリプチン の好ましい医薬的に許容される塩はHClである。 【0343】 本明細書において用いられる用語「qd」は1日1回を意味する。例えば用語50mg /日(1日1回)は被験者が1日に50mgを受けたことを意味する。 【0344】 用語「サクサグリプチン」は米国特許第6,395,767号、特に実施例60に記載 50 (107) JP 2012-522015 A 2012.9.20 された合成手順を用いて調製され得る化合物(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2 −アミノ−2−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)アセチル]−2−アザビシク ロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリルを意味する。本発明はサクサグリプチン の、本明細書において定義されるような医薬的に許容される塩、特に安息香酸、フマル酸 、臭化水素酸、塩酸、メタンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸のサクサグリプチン 塩を含み、これらは本明細書において記載された方法における使用のためのものである。 サクサグリプチン塩は当技術分野で周知の技法により、または米国特許第6395767 号および第7420079号ならびにWO 08/131149において記載された手順 を用いることにより調製され、これら文献はその全てがあらゆる目的で参照により本明細 書に組み込まれる。本発明の方法はまた水和物および/または溶媒和化合物としてのサク 10 サグリプチンの結晶形態を含む。特に、サクサグリプチンの一水和物は本発明の方法に含 まれる。本明細書において部分的に記載された臨床試験は一水和物としてのサクサグリプ チンを用いて行われた。ヘミ水和物または(2:1)サクサグリプチン:H2Oおよび塩 形態の水和物を包含する他の水和物形態もまた本発明により考えられる。サクサグリプチ ン塩の水和物もまた本発明の方法により考えられ、これはWO08/131149におい て開示された結晶塩/水和物を包含する。 【0345】 本明細書において用いられる用語「二次MACE」は主要有害心事象を意味し、致命的 でないMI、致命的でない脳卒中、CV死およびあらゆる理由による死(全ての原因によ る死または全ての原因による死亡)の発生に関する。 20 【0346】 本明細書において用いられる用語「脳卒中」は脳への血液供給における妨害による(1 つまたは複数の)脳機能の喪失を意味する。これは血栓症または塞栓症に起因する虚血( 血液供給の欠乏)による、または出血によるものであり得る。結果として、侵された脳領 域は機能することができず、体の片側にある肢の1つまたは複数を動かせないこと、話を 理解もしくは組み立てられないことまたは視野の片側を見られないことに至る。 【0347】 本明細書において用いられる用語「スルホニル尿素」は、膵臓のβ細胞からのインスリ ン放出を増加させることでT2DMを管理するのに用いられる抗糖尿病薬のクラスを意味 し、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラ 30 ジド、グリメピリド、グリピジド、グリクロピラミド、トラザミドおよびトルブタミドを 包含するが、これらに限定されない。本発明の方法に含まれる併用療法のための好ましい スルホニル尿素はグリブリドである。 【0348】 本明細書において用いられる用語「チアゾリジンジオン」は、インスリン抵抗性を減少 させ血中糖レベルを低下させることでT2DMを管理するのに用いられる抗糖尿病薬のク ラスを意味し、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンおよびトログリタゾンを包含するが、こ れらに限定されない。本発明の方法に含まれる併用療法のための好ましいチアゾリジンジ オンはロシグリタゾンおよびピオグリタゾンである。 【0349】 本発明の方法はヒトまたは哺乳動物の体内(インビボ)で起こる代謝プロセスまたはイ ンビトロで起こるプロセスにより調製されるサクサグリプチン代謝物の使用を含む。特に 本発明は、表1に示されるサクサグリプチン代謝物は哺乳動物、特にヒトにおいて以下の リスクを予防または低減するために有用と考える:(1)全ての原因による死亡(2)心 血管事象に起因する死亡;(3)致命的でない心筋梗塞(4)致命的でない脳卒中;およ び(5)1回目のCV事象を生き延びた被験者における2回目の心血管事象に起因する死 亡。 40 (108) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【表1】 10 【実施例】 【0350】 臨床データ サクサグリプチンは第1相∼第3相の臨床開発において計5346例の被験者で評価さ れ、そのうち4042例の被験者はサクサグリプチンを受けた。開発プログラムにおいて 、サクサグリプチンは最大経口1日用量400mgで2週間まで、100mgで6週間ま で、40mgおよび20mgで12週間まで、ならびに2.5mg、5mgおよび10m gで2年間まで試験され、良好に許容された。これらの試験はサクサグリプチンが全般的 に血圧または心拍数に関係する有害CV作用に至らないことを示した。 【0351】 本明細書の表および図において示された死亡および有害CV事象のデータは第2b相お よび第3相試験(第2b/3相)から分析された。表2は第2b/3相試験におけるラン ダム化および治療された被験者の数を示す。 20 (109) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【表2】 10 20 【0352】 表3におけるデータはプール化分析における実際の事象数を示し、サクサグリプチンが 30 被験者におけるCV事象(ACE)、Inv−CV死/MI/脳卒中(MACE)、全て の死およびCV死の発生を、対照(プラセボまたはメトホルミン)と比較して低減させる ことを示す。サクサグリプチン第2b/3相臨床データのこの分析のため、一次エンドポ イント、主要有害心血管事象(治験責任医師のCV死/MI/脳卒中またはCECが判定 したCV死/MI/脳卒中としてのMACE)および心血管事象(ACE;急性の臨床的 に重要な事象、心臓血行再建手術を含む)は選択されたMedDRA優先使用語を用いて 同定された。CV事象は最も包括的に利用可能な以下のデータセットにおいて分析された :8つのランダム化、二重盲検、第2b/3相治験。このデータセットは、表2において 最も記載された4607例の患者(3206例がサクサグリプチン2.5mg、5mgま たは10mgにランダム化、150例がサクサグリプチン20mg、40mgまたは10 0mgにランダム化;および1251例がプラセボ、メトホルミンまたは多く用量設定さ れたグリブリドにランダム化)を包含した。 40 (110) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【表3】 10 20 【0353】 30 全ての第2b/3相試験の分析において、計17例のCV死が報告された:サクサグリ プチン2.5mgグループにおいて1例の被験者(0.1%)、サクサグリプチン5mg グループにおいて2例の被験者(0.2%);サクサグリプチン10mgグループにおい て4例の被験者(0.4%);プラセボグループにおいて6例の被験者(0.7%);お よびメトホルミンで治療された4例の被験者(1.2%)。治験責任医師によりサクサグ リプチンに関係しないものと特徴づけられた死(サクサグリプチン10mg量を単回受け た40日後に起こった死)が追加で1例あり、これは肝障害歴を有する被験者におけるも のであった(分析において包含されていない)。CV死の全体的な頻度はサクサグリプチ ンで治療された被験者において0.2%(7/3356)、比較群または対照グループの 被験者において0.8%(10/1251)であった。全ての原因による死亡(あらゆる 40 理由による死)について、頻度はサクサグリプチンで治療された被験者において0.3% (10/3356)であり、対照グループの被験者において1.0%(12/1251) であった。このデータはサクサグリプチンでの治療は死亡率が増加した患者集団、T2D Mを有する人々における死亡リスク(およびCV死亡)を低減させることを示す。 【0354】 主要有害心血管事象(MACEまたは一次MACE、CV死/MI/脳卒中)に関して は、第2b/3相のプール化集団における計41例の被験者、全SAXAグループにおけ る23例(0.7%)(図1はカプランマイヤー分析による事象を伴う被験者の累積の割 合を示す)および比較群または対照グループにおける18例(1.4%)が一次MACE を持つものとして同定された。一次MACEはCV死、致命的でない心筋梗塞(MI)お 50 (111) JP 2012-522015 A 2012.9.20 よび致命的でない脳卒中を経験した被験者を含む。意外なことに、第2b/3相プール化 集団における全ての原因による死およびMACE(CV死、致命的でないMIおよび致命 的でない脳卒中)の発生は、図1において図示されるようにサクサグリプチンを投与され た集団について低減された。 【0355】 さらに、サクサグリプチンまたはプラセボ/メトホルミンを投与された被験者グループ の場合のCV死および全ての原因による死に関する分析が、異なる方法(コックスハザー ド比、正確確率法、およびマンテルヘンツェル法)を追加で3つ用いて行われた。脳卒中 、心臓発作、心不全または心臓または脳に関連しない血管問題に起因する死亡の発生はC V死として定義された。CV死を包含するあらゆる理由による死は、全ての原因による死 10 亡または全ての原因による死として定義された。意外なことに、図2において要約される ように異なる方法を3つ利用した相対的リスク分析は、死亡、CVおよび全ての原因によ る死の相対的リスクは、サクサグリプチンを投与された被験者について対照グループと比 較して低減されたことを示す。 【0356】 図2をより詳細に説明するため、「点推定」は試験された集団(事前に治療されていな いまたは安定用量のメトホルミン、スルホニル尿素またはチアゾリジンジオンを摂取して いない、糖尿病について最適に治療されていないと示唆される血糖値を有する全ての糖尿 病患者)におけるリスクの最良の推定を表す。あらゆる原因による死について、「点推定 」(すなわちコックス法、正確確率法およびマンテルヘンツェル法について0.29)は 20 、同等のグループサイズの場合、比較群グループにおいて100例の被験者が死亡するの にかかるであろう時間内にサクサグリプチングループにおいて29例の被験者のみが死亡 するであろうことを意味する。CV死の場合は、サクサグリプチンを投与された被験者の 24例のみが、サクサグリプチンを投与されない100例の人々がCV死を経験するであ ろう時間内に死亡するであろう。線は「95%信頼区間」を表す。言い換えれば、定義さ れた集団の全てがサンプリングされた場合、CV死または全ての原因による死のリスクは 線により指し示された範囲内に入るであろうという95%の信頼レベルがある。例えば最 良では、比較群グループの100例の人々が死んだ場合にサクサグリプチンで治療された 被験者の12例のみが死亡し、最悪では、比較群グループの100例の人々が死んだ場合 にサクサグリプチンの被験者の67例が死亡するであろう。 30 【0357】 表4は1000患者年として表した第2b/3相集団についての発生率を示す。本明細 書において定義される急性CV事象は、内科医により試験中に急性および臨床的に重要で あるとして、MACE事象およびまた手技(例えば心臓バイパス外科手術)ならびに不安 定狭心症などの重篤な虚血事象を含んで診断された、第2b/3相の被験者に関連した全 ての心血管障害を含む。一次MACEは致命的でない心筋梗塞(MI)、致命的でない脳 卒中およびCV死を意味する。二次MACEは致命的でないMI、致命的でない脳卒中お よびCV死に加えて全ての原因による死(あらゆる理由による死)の原因となる。サクサ グリプチンを投与された被験者における発生率は1000患者年あたり6.2から10. 7までの事象回数の範囲にあった。プラセボまたはメトホルミンを投与された被験者にお ける発生率は1000患者年あたり13.1から17.6までの事象回数の範囲にあった (表4)。 40 (112) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【表4】 10 【0358】 さらに第2b/3相プール化集団に対して分析が行われ、CV事象を持つリスクが増加 した被験者におけるサクサグリプチンの作用が評価された。第2b/3相試験からの被験 者計569例は、心筋梗塞歴、うっ血性心不全歴または不安定狭心症、安定狭心症、事前 の経皮的冠動脈介入、事前の冠動脈バイパス外科手術、冠動脈疾患、脳血管疾患もしくは 20 末梢血管疾患のための入院歴として定義される臨床的に明らかなCV疾患を持つことが決 定された(表5)。T2DMがCV事象の広く認識されたリスク因子であるのに対し、第 2b/3相試験において登録された被験者の大部分(≧80%)はCV事象の追加のリス ク因子(事前の高血圧症歴、高コレステロール血症歴、喫煙歴または早発性冠動脈心疾患 を有する第一度近親を包含する)を少なくとも1つ持っていた。第2b/3相被験者のお よそ15%は高齢者であった(≧65歳)。表5におけるデータは、第2b/3相プログ ラムはCVのリスクが増加した実質的な被験者数を含めたことを示す。それゆえ、表4な らびに図1および図2に示されるデータは、表5の状況内で見て、サクサグリプチンは有 害CV事象を以前に経験した被験者において死亡のリスクまたは発生およびMACEのリ スクまたは発生を低減することの証拠を提供する。 30 (113) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【表5】 10 20 30 【0359】 表5は全体的な曝露がサクサグリプチンで3758患者年、比較群で1293患者年で あったことを示す。サクサグリプチン集団内で;81%は糖尿病に加えてCVリスク因子 を少なくとも1つ持ち、高血圧(52%)、脂質異常症(44%)または喫煙歴(39% )を有するのが最も一般的であり;12%は既知の事前のCV疾患を持っていた。同様の 割合が比較群グループにおいて観察された。 【0360】 図3および図4は、CV疾患歴を有する第2b/3相の被験者ではサクサグリプチンを 40 投与された場合に対照に対して一次MACE事象の発生率が低くなったという追加の裏付 けを提供する。サクサグリプチンの被験者は1000患者年あたり9.2のMACE事象 回数であったのに対し、対照では1000患者年あたり46.3のMACE事象回数であ った(図3)。サクサグリプチンはまた以下を有する被験者についてMACE事象の発生 を低下させた:少なくとも1つのCVリスク因子(T2DMに加えて);少なくとも2つ のCVリスク因子(T2DMに加えて);高血圧症歴;または高コレステロール血症歴お よび男性であること(図3−事象率および図4−相対的リスク)。図4は対応する95% 信頼区間を有するハザード比のデータを開示する。例えばサクサグリプチンを投与された CV疾患歴を有する第2b/3相の被験者についての点推定は0.21である。これは比 較群グループ(プラセボまたはメトホルミン投与)において100例の被験者がMACE 50 (114) JP 2012-522015 A 2012.9.20 事象を持つのにかかるであろう時間内に、サクサグリプチングループにおいて21例の被 験者のみがMACE事象を持つであろうことを意味する。 【0361】 第2b/3相プール化集団の場合、層化マンテルヘンツェルアプローチに基づく全体的 な一次MACE発生率の比は図6に示されるように0.45(0.24、0.83)であ った。この分析は対照グループ(プラセボまたはメトホルミン投与)における100例の 人々がMACE事象を持った場合、サクサグリプチンを投与された被験者の45例のみが MACE事象を持つであろうことを指し示している(95%信頼)。これらの結果はサク サグリプチンを用いて行われた試験間で一致していた。加えて図6はスルホニル尿素と組 み合わせたまたはメトホルミンと組み合わせたサクサグリプチンは一次MACE発生率を 10 低減させることを示す。 【0362】 より具体的には、メトホルミンと組み合わせたサクサグリプチン(図6、+MET)は 0.37の点推定を持つ。これは対照グループにおける100例の被験者がMACE事象 を持った場合、サクサグリプチンおよびメトホルミンを投与された被験者の37例のみが MACE事象を持つであろうことを示唆している(95%信頼)。メトホルミンまたはメ トホルミンを伴うもしくは伴わないサクサグリプチンに対してランダム化された被験者に おいて第2b/3相試験がまた行われた。MACE発生率はまたこれら被験者について低 減されており(図6、Metとの最初からの組合せ)、点推定はメトホルミンのみのグル ープからの100例の被験者がMACE事象を持った場合、メトホルミンを伴うもしくは 20 伴わないサクサグリプチンを投与された被験者の50例のみがMACE事象を持つであろ うことを示唆する。 【0363】 さらに、MACE発生率はサクサグリプチンおよびスルホニル尿素を投与された被験者 について低減しており(図6、+SU)、対照グループからの100例の被験者が死亡し た場合、サクサグリプチンおよびスルホニル尿素を投与された被験者の28例のみが死亡 するであろう。95%信頼区間は、最良ではスルホニル尿素を摂取した被験者100例が 事象を持つ場合、最良ではスルホニル尿素+サクサグリプチンを摂取した被験者の7例の み、最悪ではスルホニル尿素+サクサグリプチンを摂取した被験者95例がMACE事象 を持つであろうことを95%の正確性をもって示唆する。 30 【0364】 関係のあるエンドポイントおよび代替の分析方法を用いた追加の一連の感度分析は一致 した結果を生じた: 【0365】 第1に、Duke Clinical Research Institute(Du rham、NC)のClinical Event Center(CEC)の2名の医 師がスポンサーのコンサルタントとして働き、全ての同定された可能性のあるCV事象に ついての後ろ向きの、治療を盲検化した独立の判定を実施した。調査された症例は全ての 死、MIおよび脳卒中事象、同様に2つのMedDRA SMQ、「MI」および「中枢 神経系の出血および脳血管発作」から可能性のある虚血事象を表す148例のPTのいず 40 れかにコードされた全ての事象を包含した。判定はかかる調査で典型的なおよび調査者に より予め特定された定義に基づくものであった。 【0366】 この治療を盲検にした判定により同定された事象(CEC−CV死/MI/脳卒中)は Inv−CV死/MI/脳卒中の結果と非常に一致していた(図5)。CECによるCV 死の評価は治験責任医師が基礎としたプロセスと同一であった(表3)。その他の事象数 およびCEC−CV死/MI/脳卒中のリスク評価もまたInv−CV死/MI/脳卒中 と非常に一致しており、それぞれ表3および図5に示される。CECおよび治験責任医師 の分析はいずれも、サクサグリプチンの患者はCV死/MI/脳卒中(MACE)につい てより低い事象率を持っていたことを一致して示唆した。 50 (115) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【表6】 10 【0367】 表6は盲検化された事後判定事象の評価を治験責任医師が評価した事象とどのように比 較したかの詳細をカテゴリー化したものである。CV死についての治験責任医師/スポン サーの評価とCECの評価との間で完全な一致があった。Inv−CV死/MI/脳卒中 と同定された患者の93%(38/41)が確認され、CEC−CV死/MI/脳卒中の 中に包含された。”確認され」なかった3例は不適切な文書化のために「不明」と判定さ 20 れ、したがってCEC−CV死/MI/脳卒中の中に包含されなかった。逆に脳卒中とし て同定されなかった脳血管事象がInv−CV死/MI/脳卒中の中に2例あったが、こ れらは脳卒中として判定され、CEC−CV死/MI/脳卒中の中に包含された。やはり 、全体的に盲検化された判定事象は治験責任医師の評価と非常に近く類似していた。これ によりサクサグリプチン治療を伴うCV死/MI/脳卒中事象のリスク低減を示唆する定 量的にほとんど同一の分析に至った(図5)。 【0368】 第2に、CECの判定はまた、CV死/MI/脳卒中の病理的要素を横断した一致性評 価を可能にした(別名MACE、表3)。上述のようにCV死を有する被験者の割合は対 照(0.8%)と比較してサクサグリプチン(0.2%)でより低かった。全ての脳卒中 30 (致命的なおよび致命的でない)について、事象を有する被験者の割合は対照での0.4 %と比較してサクサグリプチンで0.3%であった。全てのMIについて事象を有する被 験者の割合はサクサグリプチンで0.2%、対照で0.6%であった。残りのカテゴリー 「他のCV死」における事象を有する被験者の割合はサクサグリプチンで0.1%、比較 群で0.5%であった。この最後のカテゴリーはMIもしくは脳卒中のいずれでもない突 然死(肺塞栓症に基づいた肺がんでの突然死を有するサクサグリプチン被験者の1例およ びうっ血性心不全に基づいた突然死を有する対照の2例)を表し、またはMIまたは脳卒 中と確信を持って判定できなかった(サクサグリプチンで3例、比較群で4例)。要約す るとCV死/MI/脳卒中(MACE)の各要素はCV死/MI/脳卒中事象を低減する というサクサグリプチンの全体的な評価と一致した。 40 【0369】 第3に、うっ血性心不全の大半は虚血性事象から生じるものである。MACE事象に対 する作用は重大なCHF事象が少なくなることをもたらすと予想され得る。実際、利用可 能なデータは限定されていたにも関わらず、予想と一致している。SAE CHF事象を 有する被験者の割合はサクサグリプチンで0.2%、比較群で0.3%であった。致命的 なCHF事象が比較群で2例あったが、サクサグリプチンではなかった。 【0370】 サクサグリプチン臨床データを>5000患者年の臨床治験経験に基づいて要約すると 、単剤療法としてまたは他の経口抗糖尿病薬と組み合わせたサクサグリプチン治療による CVリスク上昇の証拠はなかった。実際、結果は多くの(関係のある)エンドポイントに 50 (116) JP 2012-522015 A 2012.9.20 ついて分析された以下の事象の低減を一致して示した:a)全ての死、b)CV死、c) Inv−CV死/MI/脳卒中(別名 一次MACEまたはMACE)、d)CEC(判 定)−CV死/MI/脳卒中、e)二次MACE(全ての死/MI/脳卒中)、f)MA CE要素(全ての脳卒中、全てのMI、「他のCV死)、g)心血管事象(可逆的事象お よび血行再建手術を包含するACE)、およびh)CHF SAE。Inv−CV死/M I/脳卒中については、a)複数の統計的方法により、b)複数のサクサグリプチン用量 を横断して、c)複数の試験を横断して、d)カプランマイヤー分析により経時的に、お よびe)複数の高リスクおよび低リスク亜集団を横断して、示唆された一致した利益があ った。これらのデータはサクサグリプチンが心保護的な作用を持つことを意味すると解釈 される。 10 【0371】 サクサグリプチンで観察された知見が全てのクラスのDPP−IV阻害剤に対して一般 化できるかどうかを評価するため、2つの公知のDPP−IV阻害剤、シタグリプチンお よびビルダグリプチンに対する分析が行われ、それらのデータがサクサグリプチンと比較 された。シタグリプチンのデータはAmatruda(et al.)によるシタグリプチン治験をプー ル化した論文から利用可能で、ビルダグリプチンのデータは欧州規制当局へのビルダグリ プチンの申請書に由来した。フィッシャーの正確確率検定分析の結果が図11に示される 。 【0372】 分析はサクサグリプチンの場合の死の低減の「点推定」を提供したが、これはサクサグ 20 リプチンと同等の集団について比較群治療の被験者100例が死亡した場合、サクサグリ プチンの被験者の27例のみが死亡したことを意味する。他のDPP−4阻害剤;シタグ リプチンについてはその数が被験者55例で、ビルダグリプチンは被験者52例であろう 。サクサグリプチンの場合、95%信頼区間は1を包含するところから非常に離れている 。1はサクサグリプチンの被験者についてのリスクがサクサグリプチンでない被験者につ いてのリスクと等しいことを表す。したがって先に述べたように、サンプルサイズが分析 された集団の全ての被験者(「真のリスク」)を包含した場合、サクサグリプチンで治療 した被験者においてはより少ない数が死亡するであろうことを我々は95%信頼し得る。 ビルダグリプチンについての95%信頼区間もまた1を包含しないが、シタグリプチンに ついては1を包含する。やはりこれは、サンプルサイズが分析された集団の全ての被験者 30 を包含した場合、ビルダグリプチンではより少ない数が死亡するであろうと我々は95% 信頼し得ることを意味する。これらの結果は図11に示され、DPP−IV阻害剤が死亡 の発生を低減することの裏付けを提供する。さらに、現在の証拠はサクサグリプチンが意 外なことに、死亡の発生を低減するのに最も有効なDPP−IV阻害剤であることを示し た。 【0373】 追加分析が行われ、DPP−4阻害剤が心臓発作および脳卒中様事象に関連した利益を 持つかどうかが決定された。サクサグリプチンのデータはシタグリプチン(Amatruda et. al.)およびビルダグリプチン(Kothney et. al.)についての2つの発表された試験と 同様の判断基準を用いて分析された。このエンドポイントは「虚血性」(心臓または脳が 40 十分な血液を得られない場合の事象)SAE(死、入院またはかろうじて防がれた入院) であった。この分析についての結果は図12に示される。 【0374】 図12の結果はサクサグリプチンの被験者と同等のグループについて、比較群治療の被 験者100例が死、入院または入院に近い状態を引き起こすであろう心臓発作または脳卒 中様(より軽度の形態を包含する)事象を持ったときに、サクサグリプチンの被験者では 57例のみがかかる事象を持つであろうことを示す。シタグリプチンについてその数は7 3例でビルダグリプチンは70例であろう。重要なことにサクサグリプチンの場合、95 %信頼区間は1を包含せず、これは集団全体が試験された場合の「真の」数がサクサグリ プチンについての利益を示すであろうことに95%の信頼性があることを意味する。3つ 50 (117) JP 2012-522015 A 2012.9.20 全てのDPP−4阻害剤が心臓発作および脳卒中の発生を低下させるクラスの作用を裏付 ける「最良の推定」(点推定)を持つ。サクサグリプチンは意外なことに、シタグリプチ ンおよびビルダグリプチンと比較して心臓発作および脳卒中の発生を低下させるより優れ た作用を持つ。 【0375】 シタグリプチンについての上の分析(図11および図12)は1を包含する95%信頼 区間を持ったことから、単一源からの健康保険情報に対する追加分析が行われ、シタグリ プチンの可能性のある利益を評価した。特にシタグリプチンを投与された被験者27,4 24例の健康およびリスク因子が、最も一般的な糖尿病の医薬であるメトホルミンで治療 された被験者80,462例と比較された。シタグリプチンで治療された被験者はメトホ 10 ルミンで治療された被験者より実質的に多くのリスク因子を持つことが発見された。その 事実にも関わらず、シタグリプチンで治療された被験者ではメトホルミンで治療された被 験者と比較して心臓発作がより少ないことをデータは示した。この分析の結果は、シタグ リプチンまたはメトホルミンで治療された同様のグループについて、メトホルミンの被験 者100例が心臓発作を持つのにかかる時間内にシタグリプチンの被験者の65例のみが 心臓発作を持つであろうことを示す。重要なことにこの分析において95%信頼区間は1 を包含しない(図13)。 【0376】 本明細書において呈された分析はDPP−IV阻害剤が死亡の発生を低下させることを 示す。この作用は心臓発作および脳卒中様事象の低減を介して働くように思われる。デー 20 タは分析された3つ全てのDPP−IV阻害剤について少なくとも1つの分析が1を包含 しない95%信頼区間を持つことを示す。サクサグリプチンのみの場合、これは全ての分 析についてあてはまる。これらの分析はサクサグリプチンが他のDPP−IV阻害剤に対 して相対的に優れた予想外の、死亡の発生を低減しCV事象の発生を低減するための特性 を持つことを示す。 【0377】 併用療法に関しては、本明細書において開示されたデータはメトホルミンまたはスルホ ニル尿素と組み合わせられたDPP−IV阻害剤、特にサクサグリプチンがヒトにおける 有害CV事象を包含するあらゆる理由による死亡の発生を低減する証拠を提供する。証拠 はまたメトホルミンまたはスルホニル尿素と組み合わせられたDPP−IV阻害剤、特に 30 サクサグリプチンがヒトにおけるMACEの発生を低減することを示す。 【0378】 DPP−IV阻害剤、特にサクサグリプチンの有益な作用は糖尿病集団のみならず一般 集団を治療するのに用いられ得る。低減されたグルコースレベルに帰せられる健康上の利 益は、本明細書において呈された第2b/3相臨床試験を完了するのに用いられた比較的 短い期間よりも長い時間にわたって認識される。加えて、United Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS)およびDia betes Control and Complications Trial(DC CT)の延長は、死または心血管事象のリスク低減をもたらすグルコース低減の前に、血 糖制御改善におよそ10年間かかることを明確にする。図1および他のサクサグリプチン 40 、シタグリプチンおよびビルダグリプチン(後者の2つについては大半の試験は1年未満 の持続期間)分析において示されるように、死およびCV事象に対するDPP−IVの影 響は最初の1年以内、おそらく最初の6カ月以内に生じる。これはその作用がグルコース に関係がないことを強く示す。その作用はグルコースの制御に関係がないが、よりリスク の高いサブグループにおいてより明らかに見えることから、治療の基礎として役立つであ ろう被験者のグルコースが正常である(糖尿病でない)か上昇している(糖尿病)かのリ スク因子である。利用可能なデータはしたがって糖尿病および糖尿病でない集団の両者に 適用される。 【0379】 図7∼図10は糖尿病でないラットまたはマウス、ヒト以外の哺乳動物におけるDPP 50 (118) JP 2012-522015 A 2012.9.20 −IV阻害剤であるサクサグリプチンを慢性投与した後の死亡リスク低減を裏付ける前臨 床データを示す。これらの試験において、各性別およそ60匹の動物、すなわちプラセボ の2つのコホートが、齧歯類の寿命に近い2年間にわたりサクサグリプチンに曝露された 。25mg/kg/日のサクサグリプチンに曝露された雄性ラット(図7)は死亡リスク が低減され、プラセボを投与されたラットより長い生存時間を示した。同じ用量に曝露さ れた雌性ラット(図8)は2つのプラセボコホート間の中間に現れた。マウスに関しては 、50mg/kg/日のサクサグリプチンに曝露された雌(図9)はプラセボと比較して 低減された死亡リスクを示した一方、この用量に曝露された雄(図10)は2つのプラセ ボコホート間の中間に現れた。雄性および雌性齧歯類の間の生存時間の差は今のところ説 明されない。ラットの結果についての可能性のある説明は、雄性ラットにより摂取された 用量、ヒトの等価用量の45倍が、雌性ラットにより摂取された同じ用量、ヒトの等価用 量の112倍よりもヒトの経験に近かったため、それゆえ雄の経験がより妥当であろうと いうものである。別の可能性のある説明は、雄性ラットは加齢と共に慢性の進行性腎症で 死ぬことが知られているが、雌性ラットは基本的にそうではないというものである。全体 として、これらの知見はサクサグリプチンの作用が糖尿病でない哺乳動物を含むヒト以外 の哺乳動物における全ての原因による死亡リスクの低減と一致することを裏付ける。 【図1】 【図2】 10 (119) 【図3】 【図4】 【図5】 【図6】 JP 2012-522015 A 2012.9.20 (120) 【図7】 【図8】 【図9】 【図10】 JP 2012-522015 A 2012.9.20 (121) 【図11】 【図12】 【図13】 JP 2012-522015 A 2012.9.20 (122) JP 2012-522015 A 2012.9.20 (123) JP 2012-522015 A 2012.9.20 (124) JP 2012-522015 A 2012.9.20 【国際調査報告】 10 20 30 40 (125) JP 2012-522015 A 2012.9.20 10 20 30 40 (126) JP 2012-522015 A 2012.9.20 10 20 30 40 (127) JP 2012-522015 A 2012.9.20 10 20 30 40 (128) JP 2012-522015 A 2012.9.20 フロントページの続き (51)Int.Cl. FI テーマコード(参考) A61P 3/10 (2006.01) A61P 3/10 A61P 9/12 (2006.01) A61P 9/12 A61K 38/55 (2006.01) A61K 37/64 (81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,T M),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,S I,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH, 10 BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM ,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM, ZW (74)代理人 100068526 弁理士 田村 恭生 (74)代理人 100100158 弁理士 鮫島 睦 20 (74)代理人 100126778 弁理士 品川 永敏 (72)発明者 ロバート・フレデリッチ アメリカ合衆国08543−4000ニュージャージー州プリンストン、ポスト・オフィス・ボッ クス4000 (72)発明者 ジェイ・エデルバーグ アメリカ合衆国08543−4000ニュージャージー州プリンストン、ポスト・オフィス・ボッ クス4000 (72)発明者 フレッド・フィードレック アメリカ合衆国08543−4000ニュージャージー州プリンストン、ポスト・オフィス・ボッ クス4000 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA01 BA08 BA14 BA31 CA59 DC32 NA14 ZA36 ZA42 ZC20 ZC33 ZC35 4C086 AA01 AA02 BC10 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZA42 ZC20 ZC33 ZC35 30