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ジェトロ北京ニューズレター

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ジェトロ北京ニューズレター
ジェトロ北京ニューズレター
JETRO
Beijing
Newsletter
2015 年 7 月 29 日号(Vol.140)
ご挨拶
7 月 20 日、ジェトロは中国国際貿易促進委員会(CCPIT)と共催で、対日投資シンポジウムを、北京にて
開催いたしました。当該シンポジウムは、200 名を超える方々にご来場いただき、日本の投資環境と商機、中
国の対外投資政策、既に日本に投資した中国企業の経験、日本の産業動向等、多方面から日本の投資環境を紹
介しました。2014 年、日本から中国への投資は 7,200 億円、中国から日本への投資は 600 億円と、現在両国
の投資金額には大きな開きがありますが、
今後はこのような状況が徐々に変わっていく可能性を秘めています。
お近くに日本に投資を考えているという中国企業がございましたら、最寄りのジェトロ事務所にお問い合わせ
いただくよう、お勧めいただけましたら幸いです。
またジェトロでは 8 月 6 日に、中国市場を開拓したい日本の中小企業を対象に商談会を開催予定です(会場
は長富宮飯店)
。日用品、生活雑貨、食器等を扱う 44 社の日本企業が来燕し、新たな取引先を開拓する予定で
す。ご興味がございましたら、足をお運びくださいますようお願いいたします。
対日投資事業 URL(中国語)
:http://www.jetro.go.jp/sc/invest/
アジアキャラバン事業 URL(中国語)
:http://www.goodgoodsjapan.com/
独立行政法人 日本貿易振機構(ジェトロ)北京代表処
岡田 英治
今号の目次 CONTENT
【1】ご挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page1)
【2】ジェトロ北京からのお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page2)
<1>【中国】“爆買い”を中国内拡販につなげる
<2>中国における日系コンテンツ受入状況等データ(2014 年度第 3・第 4 四半期)
<3>第 25 回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較
<4>2014 年の対中直接投資動向
【3】華北経済スコープ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page4)
【4】華北イベント情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page9)
【5】進出企業支援情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page11)
<1>法務労務・会計税務情報
<2>知っておきたい中国語
【6】ニューズレターの登録・解除などのご案内・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page27)
Page 1 of 27
第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
<1>【中国】“爆買い”を中国内拡販につなげる
中国で人気の日本製品。訪日中国人観光客の“爆買い”を中国内での拡販につなげられないか――日本メー
カー各社はさまざまな戦略を立てている。市場参入の障壁となるのは商品登録規制などの各種規制。参入は容
易ではないが、中国政府が発表した消費拡大のための方針は、日本メーカーにとっては追い風となろう。
(本レポートは、
「ジェトロセンサー」2015 年 8 月号エリアリポートにも掲載)→「ジェトロセンサー2015 年
8 月号」の詳細はこちら(全 2 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/4529c318ed651ed0.html
<2> 中国における日系コンテンツ受入状況等データ(2014 年度第 3・第 4 四半期)
中国における日本製の映像コンテンツ(ドラマ、映画、アニメ)のテレビ放送やインターネット配信状況、
オンライン/モバイルゲームのリリース状況をはじめ、
関係法令や輸入許可の状況について紹介する。
巻末には、
中国初の衛星通信を利用した小児向けアニメーション専門チャンネルを運営する大手テレビ局へのインタビュ
ーを収録し、中国における日本のアニメの放送状況や、中国展開にあたっての日本企業の課題等について記述
する。
(全 67 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/02/cbf40a198d1800d1.html
<3> 第 25 回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較
本調査は各都市の賃金、地価・事務所賃料、公共料金などの投資関連コストを米ドルに換算し、一覧比較が
可能な形式に取りまとめたものである。
調査にあたっては、各国日本人商工会議所、現地政府機関、関連企業の協力を得て、ジェトロの海外事務所
が情報収集を行った(台北は公益財団法人交流協会の協力を得て実施)
。職種別賃金は、ジェトロ海外調査部発
行の「在アジア・オセアニア日系企業実態調査(2014 年度調査)
」および同調査「-中国編-」から転載した。
また、現地通貨の対米ドルレートは、原則として 2015 年 1 月 5 日付のインターバンクレートを採用した。
主な図表:ワーカー年間実負担額、エンジニア年間実負担額、中間管理職年間実負担額、非製造業スタッフ
年間実負担額、非製造業マネージャー年間実負担額、法定最低賃金、社会保障負担率、事務所賃料、店舗スペ
ース、駐在員用住宅借上料 (全 161 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/b4ea33298df0a11e.html
Page 2 of 27
第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
<4> 2014 年の対中直接投資動向
2014 年の対中直接投資動向について、調査レポートとして取りまとめた。
(1)最大のシェアを占める不動産向けが2割増
2015 年 1 月の商務部の発表によると、2014 年の対内直接投資(銀行・証券・保険分野を含まず)は、契約件
数が前年比 4.4%増の 2 万 3,778 件と、
2013 年の 8.6%減から増加に転じた。
業種別の伸び率は、
製造業の 12.3%
減に対し、非製造業が 11.0%増となった。
(2)日欧米からの投資がほぼ軒並み減尐
国・地域別投資額の 1 位の香港の 2014 年の対中投資実行額は前年比 9.5%増の 857 億 4,000 万ドル、シェア
は 71.7%に拡大。2 位はシンガポールで 19.1%減、3 位は台湾で 1.3%減。日本は 4 位で 38.8%減と大幅減、
順位も 2013 年の 3 位から 4 位に低下した。
(3)中国のシェアは 1.1 ポイント減の 5.6%に
2014 年の日本の対中直接投資は財務省国際収支統計で 7,194 億円。国際収支統計の基準変更により、データ
に連続性がないが、前年(8,870 億円)よりは減尐。業種別にみると、製造業は 3,890 億円で全体の 56.2%、
非製造業は 3,037 億円で 43.8%を占めた。業種別では、金融・保険業 1,313 億円(構成比 19.0%)で 1 位、輸
送機械器具 1,198 億円(17.3%)で 2 位、卸売・小売業 1,150 億円(16.6%)で 3 位。
(4)内販型企業に強い市場拡大意欲
輸出型企業では、中国における人件費などのコスト上昇と為替変動(円安)の影響を受けて、事業拡大意欲
が低下傾向にある。対中投資リスクに対する認識は依然として存在するものの、日本企業が中国を世界有数の
巨大市場と捉えていることに変わりはなく、内販型企業の間では拡大する中国市場の開拓を強化する動きが今
後も継続するとみられる。
(全 95 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/6660d9d39832b2b4.html
Page 3 of 27
第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
華北経済スコープ
<1>
中国のマクロ経済指標
(中国)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
2014年
2015年第1四半期
2月
3月
1~3月
- 140,667
7.0
5.6
6.4
- 77,511
13.5
- 22,723 70,715
10.2
10.6
1.4
1.4
1.2
2,778
2,861
9,042
10.8 -13.8
-6.3
1,692
1,446
5,139
48.3 -15.0
4.7
1,086
1,415
3,902
-20.5
-12.7
-17.6
606
31
1,237
1,565
2,030
5,861
49.7
0.4
22.4
86
124
2,146
0.9
2.2
11.3
1月
GDP総額
億元
568,845 636,463
GDP
実質GDP成長率
%
7.7
7.4
工業
工業生産増加額伸び率
%
9.7
8.3
固定資産投資総額
億元
436,528 502,005
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
19.6
15.7
社会小売品販売総額
億元
234,380 262,394
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
13.1
12.0
物価
消費者物価上昇率
%
2.6
2.0
0.8
貿易総額
億ドル
41,603
43,030
3,405
貿易総額伸び率
%
7.6
3.4
-10.9
うち輸出総額
億ドル
22,100
23,427
2,003
貿易
輸出総額伸び率
%
7.9
6.1
-3.3
うち輸入総額
億ドル
19,503
19,603
1,402
輸入総額伸び率
%
7.3
0.4
-19.9
貿易収支
億ドル
2,598
3,825
600
対内直接投資件数(契約ベース)
件
22,773
23,778
2,266
件数伸び率
%
-8.6
4.4
31.8
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
1,176
1,196
139
実行ベース金額伸び率
%
5.3
1.7
29.4
(注)伸び率は前年同期(月)比
(出所):中国国家統計局ウェブサイト、商務部ウェブサイト、中国投資指南ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
4月
5.9
22,387
10.0
1.5
3,185
-11.1
1,763
-6.4
1,422
-16.2
341
1,929
2.9
96
10.5
2012年が7.8から7.7へ(8月に下方修正)
Page 4 of 27 第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
2015年第2四半期
5月
6月
6.1
6.8
24,195
24,280
10.1
10.6
1.2
1.4
3,220
3,375
-9.3
-1.2
1,908
1,920
-2.5
2.8
1,313
1,455
-17.6
-6.1
595
465
1,792
-14.0
93
7.8
-
1~6月
296,868
7.0
6.3
237,132
11.4
141,577
10.4
1.3
18,808
-6.9
10,720
1.0
8,088
-15.5
2632
-
<2>
北京市のマクロ経済指標
(北京市)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
2014年
1月
GRP総額
億元
19,501 21,331
GRP
実質GRP成長率
%
7.7
7.3
工業
工業生産増加額伸び率
%
8.0
6.2
固定資産投資総額
億元
6,798
6,873
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
8.9
1.1
社会小売品販売総額
億元
8,375
9,098
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
8.7
8.6
物価
消費者物価上昇率
%
3.3
1.6
0.4
貿易総額
億ドル
4,291
4,157
298
貿易総額伸び率
%
5.1
-3.3
-25.1
うち輸出総額
億ドル
632
623
49
貿易
輸出総額伸び率
%
6.1
-1.2
-13.5
うち輸入総額
億ドル
3,659
3,533
249
輸入総額伸び率
%
5.0
-3.7
-27.1
貿易収支
億ドル
-3,026 -2,910
-200
対内直接投資 対内直接投資件数(契約ベース)
件
件数伸び率
%
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
85
90
46
実行ベース金額伸び率
%
6.0
6.1
420.0
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):北京市統計局ウェブサイト、北京市商務局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
2015年第1四半期
2月
3月
1~3月
4,774
6.8
4.5
4.3
1,008
8.4
782
2,383
4.1
6.6
1.7
1.6
1.2
220
263
781
-28.4
43
36
129
-11.0
177
227
653
-31.0
-133
-191
-524
54
110.0
Page 5 of 27 第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
2015年第2四半期
4月
5月
1~5月
-0.1
-0.7
2.7
2,058
2.4
777
794
3,955
4.5
4.3
5.7
2.0
1.8
1.5
272
251
1,305
-27.5
41
44
214
-14.8
231
207
1,091
-29.6
-190
-163
-876
88
99.3
<3>
天津市のマクロ経済指標
(天津市)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
2014年
1月
2015年第1四半期
2月
3月
9.0
1.3
1.4
86
91
40
39
46
52
-6
-13
50
55
17
30
-
GRP総額
億元
14,370
15,722
実質GRP成長率
%
12.5
10.0
工業
工業生産増加額伸び率
%
13.0
10.1
固定資産投資総額
億元
9,103
10,490
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
15.0
15.2
社会小売品販売総額
億元
4,470
4,739
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
14.0
6.0
物価
消費者物価上昇率
%
3.1
1.9
0.7
貿易総額
億ドル
1,285
1,339
108
貿易総額伸び率
%
11.2
4.2
-4.8
うち輸出総額
億ドル
490
526
52
貿易
輸出総額伸び率
%
1.5
7.3
15.7
うち輸入総額
億ドル
795
813
56
輸入総額伸び率
%
18.1
2.3
-18.2
貿易収支
億ドル
-305
-287
-4
対内直接投資件数(契約ベース)
件
564
674
67
件数伸び率
%
-10.8
19.5
19.6
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
168
189
16
実行ベース金額伸び率
%
12.1
12.1
12.1
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):天津市統計局ウェブサイト、天津市商務委員会ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
1~3月
3,709
9.3
9.4
2,013
13.6
1,221
10.5
1.2
285
-7.8
131
14.4
154
-20.9
-23
172
19.4
64
10.5
Page 6 of 27 第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
2015年第2四半期
5月
1~5月
9.1
9.5
9.5
4,661
13.2
2,065
10.5
2.0
1.8
1.4
103
90
477
-12.3
46
42
218
6.1
57
48
259
-23.5
-12
-6
-40
55
60
287
22.6
16
17
97
11.1
4月
<4>
河北省のマクロ経済指標
(河北省)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
GRP総額
億元
28,301
実質GRP成長率
%
8.2
工業
工業生産増加額伸び率
%
10.0
固定資産投資総額
億元
22,630
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
18.5
社会小売品販売総額
億元
10,401
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
13.6
物価
消費者物価上昇率
%
3.0
貿易総額
億ドル
549
貿易総額伸び率
%
8.5
うち輸出総額
億ドル
310
貿易
輸出総額伸び率
%
4.6
うち輸入総額
億ドル
239
輸入総額伸び率
%
14.1
貿易収支
億ドル
70
対内直接投資件数(契約ベース)
件
195
件数伸び率
%
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
64
実行ベース金額伸び率
%
11.1
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):河北省統計局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
2014年
29,421
6.5
5.1
26,147
15.5
11,690
12.4
1.7
599
9.1
357
15.4
242
0.9
115
198
64
-1.2
1月
0.2
49
-12.7
34
9.5
16
-39.5
18
13
3
-
2015年第1四半期
2月
3月
4.2
0.8
0.5
40
39
25
22
15
17
10
4
-
1~3月
4.6
3,484
14.2
2,908
9.0
0.5
128
-6.8
81
10.7
47
-26.5
33
34
9
10.6
Page 7 of 27 第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
2015年第2四半期
4月
5月
1~5月
4.7
4.3
4.5
8,782
14.0
0.8
0.3
0.5
42
42
211
-12.6
26
28
134
1.1
16
14
77
-29.4
10
14
57
79
13
-10.9
<5>
西安市のマクロ経済指標
(西安市)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
4,884
億元
GRP総額
11.1
%
実質GRP成長率
15.4
%
工業生産増加額伸び率
工業
5,055
億元
固定資産投資総額
国内投資
21.3
%
固定資産投資総額伸び率
2,548
億元
社会小売品販売総額
消費
14.0
%
社会小売品販売総額伸び率
2.7
%
消費者物価上昇率
物価
180
億ドル
貿易総額
38.2
%
貿易総額伸び率
85
億ドル
うち輸出総額
貿易
16.1
%
輸出総額伸び率
95
億ドル
うち輸入総額
66.3
%
輸入総額伸び率
-10
億ドル
貿易収支
152
件
対内直接投資件数(契約ベース)
74.7
%
件数伸び率
対内直接投資
31
億ドル
対内直接投資額(実行ベース)
26.3
%
実行ベース金額伸び率
(注)伸び率は前年同期(月)比
(出所):西安市統計局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
2014年
5,475
9.9
11.1
5,904
15.0
2,873
12.8
1.4
250
38.9
120
41.1
130
37.0
-11
103
-32.2
37
18.3
2015年第1四半期
1~3月
3月
2月
1月
1,061
7.2
8.2
577
-14.1
806
10.1
-0.1
0.2
0.2
-0.8
64
22
20
22
-5.6
-31.6
30
9
10
11
24.4
25.8
34
13
10
11
-22.4
-53.5
-3
-3
-0
0
-
Page 8 of 27 第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
2015年第2四半期
1~5月
5月
4月
6.5
1,476
-11.7
0.1
0.2
0.5
106
21
21
-3.0
50
10
10
10.4
56
11
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12
-9.1
-
華北イベント情報
華北イベント情報(2015 年 8 月)
1. 北京国際ビジネス&インセンティブ旅行展示会
期間:2015年8月5-6日
場所:国家会議センター
URL:http://www.cibtm.com/zh-cn/
2. 2015北京国際農業、農産物展示会
期間:2015年8月5-7日
場所:国家会議センター
URL:http://www.bjnyzlh.com/index.html
3. 2015中国国際染色業展示会
期間:2015年8月6-8日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.laundryexpo.cn/main/index.asp
4. 第七回中国国際道路交通安全製品博覧会
期間:2015年8月12-14日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.rtsacexpo.com/
5. 2015中国華夏家博会
期間:2015年8月14-16日
場所:国家会議センター
URL:http://bj.ticket.51jiabo.com/home/51jiabo_51jiabo.html
6. 第十四回中国(天津)国際工業オートメーション設備展示会
期間:2015年8月18-21日
場所:天津浜海国際会展センター
URL:http://www.binhai.chinaciai.com.cn/
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7. 第十五回中国新彊国際農業博覧会
期間:2015年8月21-23日
場所:新彊国際会展センター
URL:http://www.cxiaf.com.cn/
8. 中国国際専門音響、照明、楽器及び技術展示会
期間:2015年8月19-22日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.palmexpo.com/webexhibit/Index.aspx
9. 2015河北自動車用品及び備品博覧会
期間:2015年8月21-22日
場所:河北雷馳会展センター
URL:http://www.hbaase.com/
10.内蒙古第九回公共セキュリティと保護&警用設備展示会
期間:2015年8月21-23日
場所:内蒙古国際会展センター
URL:http://www.nmgafz.com/
11.2015第六回中国電子ビジネス博覧会
期間:2015年8月25-26日
場所:北京国際会議センター
URL:http://www.dzswexpo.com/
12. 第十三回中国国際ラジオとテレビ博覧会
期間:2015年8月26-29日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.birtv.com/birtv/
13.北京国際図書博覧会
期間:2015年8月26-30日
場所:中国国際展覧センター(新館)
URL:http://www.bibf.net/
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進出企業支援情報
アドバイザーの一言アドバイス
申し訳ありませんが、今号はお休みさせていただきます。
<1> 法務労務・会計税務情報
当コーナーでは、最近の中国における法務労務・会計税務の動きについて把握頂くため、
要点を絞ってご説明致します。
(1)
「『案例指導業務に関する規定』の実施細則」
(
〈关于案例指导工作的规定〉实施细则)
2015 年 5 月 13 日公布1、同日施行
http://www.china.com.cn/legal/2015-06/02/content_35718862.htm
同細則の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解
説頂いた。
解説
1.主な内容
中国は判例法主義ではなく、制定法主義を採用しており、個々の司法案例が法源として後の
裁判に対する法的拘束力を有することはありません。もっとも、中国の司法実務において、
「同
一案例不同一判決」と言われる不公平な現象が生じていたことから、統一的な法律適用等を目
的に「案例指導業務に関する規定」2(以下「案例指導規定」といいます)が制定されています。
案例指導規定では、
「全国の人民法院による審判、執行業務に対して指導的作用を有する」案例
を「指導的案例」として、最高人民法院が確定、統一的に公布することとし(案例指導規定第
1条)
、各級人民法院が指導的案例と類似する案例の審判をする際にはこれを参照しなければな
らない旨を規定しています(案例指導規定第7条)
。本細則は、案例指導規定の実施細則として、
案例の指導業務を強化、規範化及び促進し、裁判業務に対する指導的案例の指導的役割を十分
に発揮させ、また法律の適用基準の統一、司法の公正性の確保のために制定されました(本細
則第1条)
。その主な内容は以下の通りです。
(1)指導的案例の要件
1
2
公表は 2015 年 6 月 2 日
法発[2010]第 51 号、2010 年 11 月 26 日公布、同日施行
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案例指導規定では、指導的案例となるための要件を規定しています3が、本細則は、それらの
要件に加え、指導的案例は、
「事実の認定が明確で、法律の適用が正しく、裁判における論理説
明が十分で、法律効果及び社会への影響が良好で、類似の事件の審理にとって普遍的、指導的
意義を有する」必要がある旨を規定しています(本細則第2条)。
(2)指導的案例の参照、援用
案例指導規定において、既に、各級人民法院が指導的案例と類似する案例の審判をする際に
はこれを参照しなければならない旨が規定されていましたが、本細則は、この点に関してより
詳細に規定しています。
まず、
「類似する」かの判断は、
「事件の基本的内容及び法律の適用の面」で行うことが明示
されています(本細則第9条)
。
次に、事件の担当官は、事件の処理過程において、関連する指導的案例が存在するかを検索
しなければならず、存在する場合、関連する指導的案例の裁判の要旨を参照して裁判をなさな
ければなりません(本細則第9条、第11条第1項)
。
また、各級の人民法院は、類似する案件の審理において指導的案例を参照する場合、指導的
案例を「裁判の理由」の部分で援用しなければならず、その際には、
「指導的案例の番号及び裁
判の要旨」を援用しなければなりません(本細則第10条、第11条第1項)。
さらに、公訴機関、事件の当事者及びその弁護人、訴訟代理人が提訴(告訴)
・答弁の理由と
して指導的案例を援用する場合、事件の担当官は、裁判の理由において、当該指導的案例を参
照したか否かにつき返答し、かつ理由を説明しなければならないとされています(本細則第11
条第2項)
。
以上のとおり、本細則は、指導的案例の参照、援用に関してより詳細に規定し、規範化を図
っていますが、同時に、指導的案例は、
「裁判の根拠」4としては引用しない旨が規定されてい
ます(本細則第10条但書)
。これは、指導的案例が法源とはならないことを強調するためである
と考えられます。
(3)その他
その他、①指導的案例を含む内容(標題、キーワード、裁判の要旨、関係する法律条文、事
3
具体的には、裁判が既に法的効力を生じており(当該要件は本細則でも再度挙げられていま
す)
、かつ次のいずれの条件を満たすことを要件としています。①社会的に広く注目されている
ものであること、②法律規定が比較的原則的なものであること、③典型性を有するものである
こと、④判断が難しく複雑である又は新しい類型のものであること、⑤その他指導的な作用を
有するものであること。
4 「裁判の根拠」として引用されることが想定されているのは、法律及び当該法律の解釈、行
政法規、地方性法規、自治条例又は単行条例、司法解釈であり(「裁判文書における法律、法規
等の規範性法律文書の引用についての規定」
(法釈[2009]14 号、2009 年 10 月 26 日公布、同
年 11 月 4 日施行)第 1 条、第 2 条参照)
、指導的案例は含まれていません。
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件の基本的内容、裁判結果、裁判の理由及び発効した裁判の裁判官の氏名を含む付注等)
(本細
則第3条)
、②人民法院の裁判、業務執行に関心を持つ者等5が指導的案例の条件に合致する案例
を推薦する場合の推薦先(案例指導規定では、発効した裁判をなした原審の人民法院のみが推
薦先とされていました(案例指導規定第5条)が、これに指導的案例の選択、公表、編纂等を行
う最高人民法院の案例指導業務弁公室が加えられました)(本細則第5条第1項)、③指導的案例
が指導的役割を有しなくなる場合(ⅰ新しい法律、行政法規又は司法解釈と矛盾する場合、ⅱ
新しい指導的案例に代えられる場合)
(本細則第12条)等が規定されています。
2.今後の注意点
最高人民法院による指導的案例は、2011年に第1回目の公布がなされた後、毎年2回以上公布
され、現時点で10回52件6に上っています。本細則の制定により、改めて、司法実務において指
導的案例が重視されていることを伺い知ることができます。このため、紛争事案が生じた際に
は、まず、当該紛争事案に類似する指導的案例の有無を確認することが重要であるといえます。
(2)
「環境に関する権利侵害責任紛争事件の審理における法律適用の若干の
問題に関する解釈」
(关于审理环境侵权责任纠纷案件适用法律若干问题的解释)
2015 年 6 月 1 日公布、同年 6 月 3 日施行
http://www.court.gov.cn/fabu-xiangqing-14615.html
同解釈の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解
説頂いた。
解説
1. 主な内容
中国では、昨年、環境保護法の大改正7がなされました。その後、環境問題への取り組みとし
て同法でも規定されている、環境に関する民事公益訴訟(環境保護法第58条)についての司法
解釈8が公表されるなど、新しい環境保護法下での実務運営に向けた準備が着々と進められてい
ます。本解釈もその一環として制定されたものと考えることができます。その主な内容は以下
のとおりです。なお、本解釈は、環境汚染、生態系破壊によりもたらされる損害に関する民事
5
具体的には、
「人民代表大会の代表者、政治協商会議委員、人民陪審員、専門家・学者、弁護
士、及び人民法院の裁判、業務執行に関心を持つその他の社会各界人」が挙げられています。
6 そのカテゴリー毎の件数を見ると、民事 23 件、民事訴訟 7 件、刑事 9 件、行政 4 件、行政訴
訟 5 件、国家賠償 3 件、海事訴訟 1 件となっています。
7 2014 年 4 月 24 日公布、2015 年 1 月 1 日施行。
8 「環境に関する民事公益訴訟事案の審理における法律適用の若干の問題についての解釈」
(法
釈[2015]1 号、2015 年 1 月 6 日公布、2015 年 1 月 7 日施行)。
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事件、つまり民事私益訴訟に限らず、民事公益訴訟の審理にも適用されます9(本解釈第18条第
1項)
。
(1)無過失責任の明示等
環境汚染によって他人に損害をもたらした場合については、従前より、汚染者は無過失責任
を負うと解釈されてきました(権利侵害責任法10第65条等参照)が、本解釈では、
「環境汚染に
より損害をもたらした場合、汚染者の過失の有無にかかわらず、汚染者は権利侵害責任を負わ
なければならない」として、汚染者が無過失責任を負うこと、また、
「汚染者が、汚染物質の排
出が国又は地方の汚染物質排出基準に合致していることを理由として責任を負わないと主張す
る場合、人民法院はこれを支持しない」とし、国又は地方の汚染物質排出基準に合致している
ことをもって責任を免れられないことが明示されました(本解釈第1条第1項)。他方で、各環境
保護単行法及び権利侵害責任法に基づき汚染者の責任が減免される11ことについても明示して
います(本解釈第1条第2項)
。
(2)複数の者が環境汚染に寄与する場合
本解釈は、汚染者が複数いる場合や、第三者の過失により汚染がもたらされた場合について、
権利侵害責任法に基づく請求を人民法院は支持するとしています。権利侵害責任法と併せて読
むと以下のとおりとなります。
① 二以上の汚染者が共同して汚染行為を行った場合(権利侵害責任法第8条、本解釈第2条)
各汚染者は連帯責任を負い、人民法院もその請求を支持。
② 二以上の汚染者がそれぞれ汚染行為を行い、かつ各汚染者による汚染行為がいずれも全
ての損害をもたらすのに十分である場合(権利侵害責任法第11条、本解釈第3条第1項)
各汚染者は連帯責任を負い、人民法院もその請求を支持。
③ 二以上の汚染者がそれぞれ汚染行為を行い、かつ各汚染者による汚染行為がいずれも全
ての損害をもたらすのに不十分である場合(権利侵害責任法第12条、本解釈第3条第2項)
各汚染者の責任の大きさ12を確定できる場合には各自がその相応の責任を負い、責任の
大きさを確定することが困難である場合には均等の賠償責任を負う。人民法院もその請
求を支持。
④ 二以上の汚染者がそれぞれ汚染行為を行い、かつ一部の汚染者による汚染行為は全ての
9
但し、環境に関する民事公益訴訟事件について法律及び司法解釈に別途定めがある場合はそ
ちらの定めが優先されます。
10 主席令第 21 号、2009 年 12 月 26 日公布、2010 年 7 月 1 日施行
11 例えば、海洋環境保護法(主席例第 8 号、1982 年 8 月 23 日公布、1983 年 3 月 1 日施行、2013
年 12 月 28 日最終改正)第 92 条では、次に列挙する事由の一つに完全に該当し、即時に合理的
な措置を採ったにも関わらず、海洋環境に対して汚染損害を発生させてしまった場合には、汚
染損害を発生させた関連の責任者は責任を免除されるとされています。①戦争、②不可抗力の
自然災害、③灯台又はその他の航行を援助する設備を管理する主管部門が、職責の執行時に職
務を懈怠し又はその他の過失行為を行った場合。
12
本解釈第 4 条は、汚染者が負う責任の程度について人民法院は、
「汚染物質の種類、排出量、
有害性及び汚染物質排出許可証の有無、汚染物質排出基準を上回っているか、重点汚染物質排
出総量の規制指標を上回っているか等の要素」に基づき決定するとしています。
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損害をもたらすのに十分であり、一部の汚染者による汚染行為は一部の損害のみをもた
らした場合(権利侵害責任法第11条、本解釈第3条第3項)
各汚染者は、共同してもたらした損害部分については他の汚染者と連帯して責任を負い、
全ての損害をもたらすのに十分である汚染者は、全ての損害について責任を負う。人民
法院もその請求を支持。
⑤ 第三者の過失に起因する環境汚染が生じた場合(権利侵害責任法第68条、本解釈第5条)
権利侵害を受けた者は、汚染者、第三者13に対しそれぞれ又は同時に提訴できる。人民
法院はこれを受理。
汚染者が第三者の過失により環境を汚染し損害をもたらしたことを理由として責任を負
わないこと、又は責任の減軽を主張しても、人民法院はこれを支持しない。
汚染者は、賠償後に第三者に求償する権利を有する。
(3)挙証責任
環境汚染による紛争については、汚染者が法律に定める責任の減免事由、及びその行為と損
害の間の因果関係の不存在の挙証責任を負わなければならないとされ(権利侵害責任法第66条)
、
挙証責任の転換が図られています。
もっとも、本解釈は、権利侵害を受けた者も、賠償請求する場合には、次の事実を証明する
証拠資料を提供しなければならないとし(本解釈第6条)
、単に賠償請求をするだけでは足りな
いことを明らかにしています。
① 汚染者が汚染物質を排出したこと
② 権利侵害を受けた者の損害
③ 汚染者が排出した汚染物質又はその二次汚染物質と損害との間に関連性があること
また、本解釈は、汚染者が証拠を提示して次に掲げる状況のいずれかを証明する場合には、
人民法院は、その汚染行為と損害との間に因果関係が存在しないことを認定するとしています
(本解釈第7条)
。
① 排出された汚染物質が当該損害をもたらす可能性がない場合
② 排出された当該損害をもたらしうる汚染物質が当該損害発生地に到達していなかった場合
③ 当該損害は汚染物質が排出される前から既に発生している場合
④ 汚染行為と損害との間に因果関係が存在しないことを認定できるその他の状況
(4)負担すべき民事責任
人民法院は、権利侵害を受けた者の訴訟上の請求及び事件の具体的な内容に基づき、汚染者
が①侵害の差止、②妨害の排除、③危険の除去、④原状回復、⑤謝罪、⑥損害の賠償14等の民
13
第三者への請求については、人民法院は、第三者の過失の程度に基づきその相応の賠償責任
を決定します(本解釈第 5 条第 2 項)
。
14 本解釈第 15 条は、損害の賠償に関し、
「汚染によりもたらされた財産の損害、身体的損害及
び汚染の拡大防止、汚染の除去のために講じた必要な措置に支出した合理的な費用の賠償を請
求する場合、人民法院はこれを支持するものとする」と規定しています。
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事責任を負うことにつき合理的に判定しなければならないこと(本解釈第13条)、またこのうち、
④原状回復を請求する場合、法により汚染者が環境修復責任15を負うよう命じる裁判を行うこ
とができること(本解釈第14条第1項)などが規定されています。
(5)その他
その他、本解釈では、事実認定のための証拠(鑑定意見書、検査報告書等の発行、専門知識
を有する者の出廷、意見陳述)
(本解釈第8条~第10条)、証拠保全(本解釈第11条)、仮処分(本
解釈第12条)
、既存の事件との関係16(本解釈第19条)等について規定しています。
2.今後の注意点
本解釈では、環境汚染による責任が無過失責任であること、特に汚染物質の排出が国又は地
方の汚染物質排出基準に合致していることを理由として責任を免れられないことが明示されて
おり、司法実務の運営においても、環境汚染企業に対して厳しい態度で臨むことが明確にされ
たといえます。
もっとも、本解釈は、汚染行為と損害との間に因果関係が存在しないことが認定される事由
をも明示していますので、環境に関する訴訟の被告となりうる企業においては、本解釈を参照
の上で訴訟提起に備えておくことが望まれます。
(3)
「法人及びその他の組織の統一社会信用コード制度の確立の総括案」
(法人和其他组织统一社会信用代码制度建设总体方案)
2015 年 6 月 11 日公布、同日施行
http://www.gov.cn/zhengce/content/2015-06/17/content_9858.htm
同総括案の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に
解説頂いた。
解説
1、主な内容
中国で会社を設立する際、現在は、工商行政部門、税務部門を始め様々な行政機関での申請
と各証書受領の手続を踏まなければなりませんが、このことは、企業にとっても、行政機関に
とっても非効率であるといえます。このような非効率や、
「情報の孤島」問題(各部門の情報デ
15
本解釈第 14 条は、環境修復責任に関し、本文の他に、人民法院は環境修復責任を負うよう
命じる裁判とともに、環境修復義務を履行しなかった場合に被告が負担すべき環境修復費用を
決めることができることや、汚染者が、発効した裁判で確定された期限までに環境修復義務を
履行しなかった場合、人民法院は他の者に環境修復の実施を委託することができ、必要費用は
汚染者が負担することが規定されています。
16 本解釈の施行後、
人民法院がまだ結審していない第一審、第二審事件には、本解釈を適用し、
本解釈の施行前に既に裁判の効力が生じている事件で、本解釈の施行後に法により再審するも
のについては、本解釈を適用しないとされています。
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ータが互いに切り離され遮断されている問題)を解消するため、
「三証合一、一照一碼」17、す
なわち、3つの証書18を一本化し、1つの証書には1つのコードのみとする改革が進められていま
す。本総括案は、このうち後者の「一照一碼」に関わる内容を規定しています。その主な内容
は以下のとおりです。
(1) 統一コード設計の基本原則
本総括案では以下のとおり言及されています(本総括案二(1))
。
① 包容的に組み入れ、コストを削減する:当面の、基盤が良好であり広範囲に亘って使用
されている組織機構コードをベースとして、各部門の管理上の必要性を最大限に満たし、
別途確立し及び改造を行うためにかかるコストを削減し、社会的負担を軽減する。
② 基準を統一し、段階的に実施する:統一コード制度の確立の関連基準を制定し、コード
の桁数及び構成を決める。過渡期を設け、既存の各種の機構コードから段階的に統一コ
ードへの移行を実現する。
③ 現在においてしっかり基礎を固め、長期的な視点を持つ:需要を満たし、管理の便宜化
を図ることを方向性として、各部門が差し当たり同時に使用するのに適したコード規則
を制定し、各部門間の将来にわたる情報共有及び業務協働のために基礎を固める。
(2)既存の機構コードと新たな統一コードの構成
本統括案では、まず、既存の機構コードを「原始コード」
(登録登記を行う際に登記管理部門
が発行するコード)と「派生コード」
(登録後関連部門が発行する管理コード)に区分し、前者
には、①工商部門の工商登録番号、②機構編制部門の機関証書番号、③政府系非営利組織証書
番号、④民政部門の社会組織登記証番号等が含まれ、後者には、⑤組織機構コード管理部門の
組織機構コード、⑥人民銀行の機構信用コード、⑦税務総局の納税者標識番号等が含まれると
しています(本総括案一(1)
)
。
次に、新たな統一コードについては、18桁とし、①登記管理部門コード19(1桁目)
、②機構
類別コード20(2桁目)
、③登記管理機関行政区画コード21(3桁目~8桁目)、④主体標識コー
17
「三証合一、一照一碼」に関しては、
「
『国務院による機構改革及び職能転換方案』を実施す
るための任務分担についての通知」
(国弁発[2013]22 号、2013 年 3 月 26 日公布、同日施行)
、
2015 年「政府活動報告」等において言及されています。
なお、全国に先駆け、
「三証合一、一照一碼」が試行されている地域(福建自由貿易区等)もあ
ります。
18 ここでいう 3 つの証書とは、①工商行政管理部門が発行する「工商営業許可証」
、②質量技
術監督部門が発行する「組織機構コード証」、③税務部門が発行する「税務登記証」を指し、こ
れらを営業許可証に一本化することが予定されています。なお、
「三証合一」に関しては、近時
「
『三証合一』登記制度改革の推進の加速についての意見」(国弁発[2015]50 号、2015 年 6
月 23 日公布、同日施行)が公布されています。
19 登記管理部門コードには、
アラビア数字又はアルファベットが使用され、例えば、機関編制、
民政、工商の 3 登記管理部門がそれぞれ 1、2、3 などと表示されます。
20 機構類別コードには、アラビア数字又はアルファベットが使用され、例えば、工商部門にお
いて、企業、個人工商業者、農民専業合作社がそれぞれ 1、2、3 などと表示されます。上記の
登記管理部門コードと併せた場合、例えば、企業の場合は、
「31」のようになるものと考えられ
ます。
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ド(組織機構コード)22(9桁目~17桁目)
、⑤チェックデジット23(18桁目)の5つの部分で
構成されるとしています(本総括案二(2))
。
(3)統一コードの主な特徴
本総括案では以下のとおり言及されています(本総括案二(3)
)
。
① 唯一性
統一コード及びその9桁の主体標識コード(組織機構コード)は、中国全国範囲内において唯
一のものであり、一つの主体は、一つの統一コードしか有することできず、一つの統一コード
は、一つの主体にしか付与できないとされています。また、主体が登記を取り消された後も、
当該コードは残され、遡及検索機能を保留するとされています。
② 包容性
統一コードは、現有の各種の機構コードを最大限に包容させ、改造を行うためにかかるコス
トを最大限に減尐させるとされています。
③ 一貫性
統一コードは一度付与されると、その主体の存続期間中、主体に関する情報に如何なる変更
(例えば、法人及びその他の組織の移転、法定代表者、又は経営範囲の変更等)が生じても変
更されないとされています。
④ 全面的適用
統一コード制度の実施後、新たに設立する法人及びその他の組織に対しては登録登記の際に
統一コードを発行し、既に設立された法人及びその他の組織に対しては、適切な方法を通じて
コードの再発行により統一コードに切り替えることで、法人及びその他の組織に対する全面的
な適用を実現するとしています。
(4)その他
その他、法人及びその他の組織が、現行の登録登記コード、組織機構コードについて別々に
申請手続していたのを、1回限りの申請手続によって唯一の統一コードを取得できるよう変更す
ること(本総括案三(2)
)
、本総括案について、工商部門は2015年10月1日から実施し、その他
の登記管理部門は2015年末までに実施すること(本総括案四)、統一コードの発行及び統一コー
ドへの切り替え発行はいずれも費用を徴収しないこと(本総括案四)が規定されています。
2.今後の注意点
「三証合一、一照一碼」の改革に伴い、企業設立期間の短縮が見込め24、この点は日系企業
21
登記管理機関行政区画コードには、アラビア数字が使用され、例えば、国家は 100000、北京
は 110000 のように表示されます。
22 主体標識コード(組織機構コード)には、アラビア数字及びアルファベットが使用され、こ
れは、主体を識別するために設定されます。
23 チェックデジットには、アラビア数字及びアルファベットが使用され、これは、過誤の発生
を防止するために設定されます。
24 全国に先駆け、
「三証合一、一照一碼」が試行されている福建自由貿易区では、午前中に準
備が整った申請資料を提出したところ、同日の午後には営業許可証の受領が可能との通知がな
されたとの報道もあります。
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にとっても朗報であるといえます。もっとも、冒頭で「情報の孤島」問題にも言及しましたと
おり、同改革は、それらの問題の解決、すなわち、行政効率の向上をも目的としており、今後、
統一コードを通した各行政機関による統括的管理を受けることが予想される点に留意する必要
があります。
(4)
「台湾地区裁判所の民事判決の承認及び執行についての規定」
(关于认可和执行台湾地区法院民事判决的规定)
2015 年 6 月 29 日公布、同年 7 月 1 日施行
http://www.court.gov.cn/fabu-xiangqing-14839.html
同規定の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解
説頂いた。
解説
1、 主な内容
現在、日本と中国は、相手国の裁判所が下した判決等について相互承認を行っていないため、
一方の国(例えば日本)で下された判決等を相手国(例えば中国)で執行することができませ
ん。これに対して、中国と台湾においては、1998年に公布された「人民法院による台湾地区の
関連法院の民事判決を承認することについての規定」25(以下「旧規定」といいます)及びそ
の補充規定である「人民法院による台湾地区の関連法院の民事判決を承認することについての
補充規定」26(以下「旧補充規定」といいます)に基づき、台湾で下された判決等について中
国の人民法院に承認を求めることで、中国での執行が認められていました。しかし、旧規定が
公布されてから17年が過ぎ、旧規定等が十分に現在の裁判実務の需要に応えられなくなってし
まったという背景の下で、本規定が公布されました27。以下では、本規定のうち、旧規定と異
なる主な内容をご紹介します。
(1)受理に関する異同
①対象範囲の拡大
従前より認められていた、台湾地区裁判所が下した発効した民事判決、裁定、和解調書、支
25
法釈[1998]11 号、1998 年 5 月 22 日公布、同年同月 26 日施行
法釈[2009]4 号、2009 年 4 月 24 日公布、同年 5 月 14 日施行
27 なお、本規定と同日に「台湾地区での仲裁裁決の承認及び執行についての規定」
(法釈[2015]
14 号、2015 年 6 月 29 日公布、同年 7 月 1 日施行)が公布されています。これまで台湾地区で
の仲裁裁決についても、旧規定が適用されるとされていました(旧規定第 19 条、旧補充規定第
2 条第 2 項)が、今回、民事判決とは独立した新たな規定が設けられるに至っています。
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26
払い命令28に加え、台湾地区裁判所が刑事案件において下した民事損害賠償に関する発効した
判決、裁定、和解調書の承認申請についても本規定が適用されること、また、台湾地区郷・鎮・
市の調停委員会等が発行し、かつ台湾地区裁判所により審査・確定された、台湾地区裁判所の
発効した民事判決と同等の効力を有する調停文書の承認申請についても本規定が参照して適用
されることが規定されています(本規定第2条)。
②受理裁判所の拡大
従前より認められていた、申請人の住所地、常居所又は被執行財産の所在地29に加え、被申
請人の住所地、常居所の中級人民法院又は専門人民法院が受理することとされました。
③承認及び執行の申請期間についての改正
従前は、承認の申請については判決の効力確定後2年以内に申請30し、執行については民事訴
訟法31で規定する手続に基づき処理する32とされていたところ、本規定は、承認及び執行のい
ずれの申請期間についても、民事訴訟法第239条の規定(結果的に2年ですが、訴訟時効の中断、
中止に関する規定を適用することが可能となります)を適用し、但し、台湾地区裁判所の身分
関係に関する判決の承認申請についてはこの限りでないとしています(本規定第20条第1項)。
また、申請人が承認のみを申請し、執行について同時に申請しない場合、執行の申請期間につ
いては、人民法院が承認申請につき下した裁定の発効日から改めて計算するとされました(本
規定第20条第2項)
。
(2)承認申請を委任する場合の手続の緩和
従前より、台湾地区又は外国の当事者が承認申請を他人に委任する場合には、当事者の所属
地の公証機関が公証した授権委任状が必要とされており33、この趣旨は、本規定第6条第2項で
も引き継がれていますが、同条項は但書で、
「授権委任状が人民法院の裁判官立会いの下で署名
された場合、又は中国大陸の公証機関の公証により中国大陸において署名されたものであるこ
とが証明されている場合はこの限りでない」とし、必ずしも所属地の公証機関の公証等の証明
手続が必要ではないことが規定されました。
(3)不承認裁決と申請却下裁決の区別
まず、本規定は、台湾地区裁判所の民事判決について不承認裁決をする場合の事由34を掲げ
28
旧規定第 2 条、旧補充規定第 2 条第 2 項
旧規定第 3 条
30 旧補充規定第 9 条
31 主席例第 59 号、1991 年 4 月 9 日公布、同日施行、最終改正 2012 年 8 月 31 日
32 旧規定第 18 条
33 旧規定第 11 条
34 具体的には、①承認を申請する民事判決が、被申請人が欠席し、しかも適法に召喚されても
おらず、又は被申請人が訴訟行為能力を有さず、しかも適切に代理されてもいない状況におい
て下されたものである場合、②案件が人民法院の専属管轄である場合、③案件の両当事者にお
いて有効な仲裁合意書が締結されており、かつ仲裁管轄を放棄する事由がない場合、④案件が
人民法院によりすでに判決が下されているものである場合、又は中国大陸の仲裁廷によりすで
に仲裁判断が下されているものである場合、⑤香港特別行政区、マカオ特別行政区又は外国の
裁判所により同一の紛争につきすでに判決が下されており、かつ人民法院によりすでに承認さ
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29
(本規定第15条)
、当該不承認裁決がなされた民事判決については、申請人が再度申請を行って
も人民法院は受理しない旨を規定しています(本規定第19条)。
他方で、本規定は、台湾地区裁判所の民事判決の真実性又は発効済みであることを確認でき
ないときは、申請人の申請を却下する旨を裁定することを規定するとともに、申請を却下する
旨を裁定された案件については、申請人が再度申請し、かつ受理条件に合致する場合、人民法
院はこれを受理するとしており(本規定第16条)、不承認裁決と申請却下裁決を明確に区別して
います35。
(4)救済手続の追加
従前は、不承認裁決又は承認裁決に不服がある場合の救済について特段の規定がありません
でしたが、本規定は、それらの裁決に不服がある場合、裁決の送達日から10日以内に、1級上の
人民法院への再審査の申し立てができることが規定されました(本規定第18条第2項)
。
2、今後の注意点
近時、日系企業より、台湾を足掛かりにした中国市場へのビジネス展開に関する相談を受け
ることが尐なくありません。台湾を経由し、台湾の人材や人脈をうまく活用することで、直接
日本からアプローチする場合に比較して、より効果的に中国市場へのビジネス展開を行うこと
が可能となるケースもあります。もっとも、そのようなビジネス展開を行うに際しては、やは
り紛争の発生とその解決をも念頭に入れる必要があります。本規定は、
「台湾地区での仲裁裁決
の承認及び執行についての規定」とともに、台湾企業(在台湾日系企業を含む)と中国企業と
の間で生じた紛争解決プロセスについて規定しており、特に、台湾を足掛かりにした中国市場
へのビジネス展開を行っている又はそれを検討している日系企業においては、参照の上で紛争
発生に備えることが望ましいと考えます。
(5)
「国家税務総局の賃金給与及び従業員福利費の損金算入に関する公告
( 国税総【2015】34 号)」
(国家税务总局关于企业工资薪金和职工福利费等支出税前扣除问题的公告)
2015 年 5 月 8 日発布
2014 年および以降年度の企業所得税確定申告より施行
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1609299/content.html
同公告の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所に解説頂いた。
解説
れ、又は認められている場合、⑥台湾地区、香港特別行政区、マカオ特別行政区又は外国の仲
裁廷により同一の紛争につきすでに仲裁判断が下されており、かつ人民法院によりすでに承認
され、又は認められている場合が挙げられています。
35 従前は、不承認裁決については類似の規定があり(旧規定第 9 条、第 15 条)
、また申請却下
裁決についても規定はありました(旧補充規定第 8 条)が、申請却下裁決がなされた後に再度
申請が可能かについては明記されていませんでした。
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1、 主な内容
中国国家税務総局は2015年5月8日、賃金給与および従業員福利費の損金算入問題に関する
2015年第34号公告(以下「34号公告」
)を公布した。34号公告は、2014年度以降の企業所得税の
確定申告に適用されるが、まだ税務処理を行っていないそれ以前の事項についても、公告の 規
定に合致している場合、34号公告を適用することができる。
【福利性手当】

34号公告により、以下の条件を満たす福利性手当は企業で発生する賃金給与支出として
損金算入できると規定されている。

企業の従業員賃金給与制度に列挙されていること

固定的に賃金給与と合わせて支給されること

「国家税務総局:企業の賃金給与および従業員福利費の控除問題に関する通達」36(国
税函「2009」3号、以下「3号文」
)の「合理的な賃金給与」に関する第1条の規定に合致
すること。
1. 企業が規範的な従業員賃金給与制度を定めていること。
2. 企業の定めた賃金給与制度が業種および地域の水準に合っていること。
3. 企業が一定の時期に支給する賃金給与が相対的に固定的で、賃金給与の調整が秩序立っ
て行われること。
4. 賃金給与に関する取決めが、税額の減尐または回避を目的としていないこと。
【年末の未払賃金給与】

本公告により、企業が未払計上し、年度確定申告までに従業員に実際に支給した申告年
度の賃金給与は、当該年度の損金に算入することができる。
【労務派遣の取り決め】

外部労務派遣を受け入れる企業は、労務派遣による実際に発生した費用は、以下二種類
の状況に分けて企業所得税の損金算入することができる。

企業が契約の約定に従って労働派遣会社に直接支払う費用は、サービス費支出とする。

企業が派遣人員個人に直接支払う費用は、賃金給与支出および従業員福利費支出とする。
36参考
URL:
http://www.chengdu.gov.cn/GovInfoOpens2/detail_ruleOfLaw.jsp?id=0v3Iu4H4Vo4fDtwEe7g2
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2.企業への影響

企業の従業員に対する支払の性質をどのように捉えるかが、企業所得税の処理上非常に
重要である。合理的な賃金給与については損金算入限度額がないが(国有性質の企業を
除く)
、従業員福利費は賃金給与総額の14%が損金算入限度額となるからである。
34号公告の公布以前においては、多くの税務機関が企業の支給する住宅手当、交通手当
などの手当を賃金給与の構成部分とみなすことなく、従業員福利費と認定して損金算入
の処理を行っていた。本公告によって、尐なくとも上述した手当の一部は賃金給与とし
て損金算入できる可能性があることを意味している。該当通達では、月ごとに基準に従
って支給された、あるいは支払われた住宅手当、交通手当、通信手当等は従業員福利費
に含めて管理せず、従業員給与の総額に含めるとしている。

多くの企業は年末の12月に当月の給与及び年末賞与を未払計上するが、実際の支給は翌
年になる。実務上、多くの税務機関はこれらの企業に対して、実際支給時に12月分の給
与及び年末賞与を損金算入することを求めてきた。34号公告により、企業所得税の年度
確定申告までに従業員に実際に支給した申告年度の賃金給与は、当該年度の損金に算入
することができる。企業所得税の年度確定申告は原則として翌年5月31日まで行われる。
このような政策の明確化は発生主義に基づく会計処理に近づくものであり、企業が申告
する際の税務調整は減ることになるだろう。

労務派遣の取り決めの下で、派遣人員は法律上、労務派遣会社との間に雇用関係を有す
るが、その者の実質的雇用主となるのは労務派遣の受入企業である。通常は労務派遣の
受入企業が派遣人員の人数、資格、報酬基準等を決定し、且つ当該企業が派遣人員の業
務の結果に対して責任とリスクを負う。費用の支払に関しては、労務派遣会社が派遣人
員の賃金給与、福利費及び派遣サービス費を含む総額を受入企業に請求し、その内の賃
金給与、福利費の部分を労務派遣会社から派遣人員に支払う場合もあれば、労務派遣会
社は派遣サービス費のみを受入企業に請求し、受入企業が派遣人員に賃金給与及び福利
費を直接支払う場合もある。本公告によって、企業が契約の約定に従って労務派遣会社
に直接支払う費用は、サービス費支出とし、派遣人員個人に直接支払う費用は、賃金給
与支出及び従業員福利費支出とするように規定されている。つまり、費用の直接の受領
者に基づき、関連支出を「賃金給与/従業員福利費」と「サービス費」のいずれかとして
税務上の処理を行うかを判断することになる。
(6)商業健康保険個人所得税政策試行地点の展開に関する通達(財税【2015】56 号)
(关于开展商业健康保险个人所得税政策试点工作的通知)
2015 年 5 月 8 日発布
2015 年 5 月 8 日より施行
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http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1614001/content.html
同通達の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所に解説頂いた。
解説
1、 主な内容
財税「2015」56 号文(以下「56号文」)は、試行対象地域における個人が、関連法律規定に
合致する商業健康保険を購入した場合、関連支出に対し、個人所得税の優遇措置を享受できる
と明確にした通達である。該当通達は 2015 年 5 月 8 日より施行される。

試行対象地域の個人が関連法律規定に規定される商業健康保険に加入した場合、関連支
出に対し、当年(月)の課税所得額より控除することができる。控除限度額は、2400元/
年および200元/月である。

企業や非企業組織などが従業員のために一括購入した、関係法規の規定に合致する商業
健康保険の購入支出は個人が購入したこととみなし、上記控除限定額以内に控除するこ
とができる。

当該優遇措置を享受できる納税義務者は、下記のいずれかに該当する。

試行地区以内に、給与賃金による所得を取得する個人。

試行地区以内に、連続性のある労務報酬による所得を取得する個人。

試行地区以内に、個人経営工商業者の生産と経営による所得を取得する個人。

試行地区以内に、企業・事業機関・組織に対する経営の請負い・賃借による所得を取得
する個人。

試行地区以内の個人独資企業投資者など。

試行地区には北京市、上海市、天津市、重慶市の四つの直轄市以外に、省・自治区ごと
に1都市が選定されるが、現時点では未確定な状態である。
2、 企業への影響
56号文の発布は適正な商業健康保険料支出を個人所得税の控除対象に組み込むことにより、
先進諸国の経験を踏まえて、一般市民向けの総合商業健康保険の加入を奨励するものである。
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現時点では、中国個人所得税法に規定の減免費用基準と年間一回性賞与などを除き、その他控
除可能な項目はほぼない。本公告の発布に伴い、企業にとっては、従業員給与の取り決め問題
により、中国の個人所得税タックスプランニングの検討余地を残したことになる。
個人所得税控除費用については、法定の基準である3,500元/月以外に、200元/月の商業保険
費用を加えて控除することができる。従い、月ごとの個人所得税の控除限定額は最大、3700元
となる。
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<2>知っておきたい中国語<第九十回>
~アニメ映画編~
皆さん、こんにちは。今日は、現在中国で話題になっている夏休み映画(暑期电影)である
「西游记之大圣归来(Monkey King:Hero is Back)
」
(下記「大圣归来」と略称)を紹介し、そ
れにかかわる中国語を見てみましょう。
この国産3Dアニメ映画(3D 动画电影)は、8 年をかけて制作されたもので、今月 10 日から
上映されるや否や大きな話題を集め、人々は心のヒーロー(英雄)を一目見ようとこぞって映
画館へ足を運びました。86 年に放送されたドラマ(电视剧)
「西遊記」を見て育った世代の人々
の脳裏には、一人で多くの敵を向こうに回して戦う英雄の姿が焼きついています。子供の頃の
記憶が薄らいでいたとしても、帰ってきた孫悟空を見ると、涙が出るほどその記憶が蘇ります。
「大圣归来」に登場する孫悟空はこれまで連戦無敗(战无不胜)のお馴染みの孫悟空とはや
や異なり、法力を失った昔日の戦士で、覇気のないような感じもありますが、心の奥底には捨
て難い義侠心を秘めていて、理想を抱く尐年との出会いをきっかけに次第に自信を取り戻し、
本物のヒーローに脱皮する姿が描かれており、感覚を一新するものです。
今まで興行的に成功していたのは完全子供向けアニメの「喜羊羊」や「熊出没」ばかりでし
たので、映画としてもストーリー的にも大人でも楽しめる内容のこの「大圣归来」の登場はか
なりのインパクトがあります。
「戦いのシーンはスピード感があり、3Dの効果もよく生かされ
ていて、日本や米国のアニメを見て育った私たちが納得できる国産アニメがようやく登場した」
と若者に高く評価されました。
「大圣归来」の興行収入(票房收入)は現時点 6.2 億元に達し、ハリウッド(好莱坞)の「カ
ンフーパンダ」
(功夫熊猫)を超え、映画評価サイト(影评网站)で 8.8 ポイント(10 ポイン
トが最高)を獲得し、中国市場アニメ映画の興行収入ランキング(票房排名)のトップに登り
ました。今年の夏休み最大のダークホース(今年暑期最大的黑马)だと言えるでしょう。
これによって、新しい人気言葉(流行语)も出てきました。例えば、
「
(大圣的)自来水」は、
自発的に映画「大圣归来」を宣伝する個人や団体を指します。「2 刷」は、
「大圣归来」を 2 回
鑑賞したことを指します。私のまわりには 7 回を見た人もいて、そうすると「7 刷」になりま
すね。
この映画は日本での公開予定はないようですが、すでに日本のアニメファン(动漫粉)の注
目を集めていて、SNS サイトでは多くは肯定的な意見で称賛されているようです。
皆様も機会があったら、ぜひご覧になってください。
Page 26 of 27 第 140 号(2015 年 7 月 29 日発行)
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