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やまゆき会会報
大正5年5月5日木藤精一郎創立 やまゆき会会報 やまゆき会会報 平成 28 年 10 月号 (創立 100 周年記念登山 周年記念登山特集 登山特集号) 特集号) 例 会 報 告 創立 100 周年記念プレ山行 飛騨山脈:槍ヶ岳 飛騨山脈:槍ヶ岳 北鎌尾根ルート 熟達 E 昨年プレ 100 周年で北鎌尾根ルート、今年は中崎尾根ルートで槍ヶ岳を歩いた軌跡の記録 です。 担当: 渡辺正美 平成 27 年 7 月 10 日(金)晴 中房温泉登山口より合戦尾根を経て燕山荘。槍ヶ岳等眺め良い。表銀座縦走路を進み、大 天井・槍分岐より大天井の岩肌をトラバース。雷鳥親子にも遭遇。大天井ヒュッテで明日の空 室と貧乏沢の状況を教えてもらう。槍方向に少し下り貧乏沢入り口の案内板より未知の本番。 急坂を下り、ガレバ経て沢に出る。少し下がると雪渓あり、少し柔らかく、杖を使いバランス取 り下る。後は左の巻き道等利用し一気に天上沢まで 800m 下り一息入れる。夏の日差しの中、 天上沢左側進むも体力消耗。北鎌沢出会いで一息も汗で虫が付きまとう。沢登りに入り、分岐 は左が本流で、明日分含め水を確保。水流のない右側へ。大岩等は、手と足、体のバランス を大事に着実に登る。いくつかの分岐は、本流を進み草付きの急斜面の中州の三差路。右は 谷が深く、左は雪渓が続くため、真ん中の枯れた沢筋を選択。ガレでずり落ち等、中々進まな いが、淡々と登る。巨大雪渓急斜面は、右から雪渓のない急坂迫り、雪渓上部に出てすぐ北 鎌コル。泊まりたいが、虫の大群が沢からつきまとい断念。止むなく疲れた体にムチ打ち上へ。 幾つかのテン場あるが、虫はついて来る。遂に天狗の腰掛の展望地。風が出て、寒くなり虫も 退散。 夕景楽しみ、、軽量化して寝袋のないツェルト泊。風の通り道か、一晩中強風吹き荒れ、寒 さと風音で体をブルブル震わせ眠れない一晩過ごす。 7 月 11 日(土)晴 昨晩小刻みに体を震わせたせいか表面上特に疲れなし。いよいよ目の前の巨大岩塊へ。 小窓風トラバース道は、不明につき引 き返し、登れるところを探し、杖は置い て、岩々の急斜面を、手・足掛り確認 しつつ上へ上へと登り独標の頂。朝日 の中、これから進むルートと槍、北アル プスの眺めを楽しむ。後は稜線伝いに 慎重な岩登りで進む。心配した P15 も いつの間にか頂に着き、先の急峻な 岩峰も緊張しつつも、淡々と上り、下に テント一つ発見。尾根を進み北鎌平。 眼前に超巨大な岩峰。尾根伝いに 岩々を進み、8 合目岩に人を発見。登れると確信して、岩々に取りつく。いつもの岩々登りと同 じで、上へ上へルート探りながら登る。直下の大岩は避けて歩き易い岩々を難なく右廻り、登り。 1 人の話し声が聞こえて、すぐ槍ヶ岳山頂。一般ルートの人に北鎌ルートを登ってきたと話し驚 かれ、自己満足。一休みし東鎌ルート、赤沢山、西岳、赤岩岳経て、大天井ヒュッテ泊。翌日、 中天井岳、東天井岳、大天井岳経て表銀座縦走し燕岳・北燕岳巡り、合戦尾根より中房登山 口に下山。 3 日間共好天でビギナーズラックで何とか北鎌ルートで槍ヶ岳を歩けて一生の宝物となりま した。 コースタイム 7/10(行動時間 11:50) 中房温泉登山口(6:30)~燕山荘(9:40)~貧乏沢案内板(13:00)~水場(14:30)~北鎌沢 出合い(15:05)~北鎌コル(17:20)~天狗の腰掛の展望地(18:20) 7/11(行動時間 11:25) 天狗の腰掛(4:15)~独標の頂(5:20)~北鎌平(7:10)~槍ヶ岳山頂(8:05)~大天井ヒュッ テ(15:40) 7/12(行動時間 9:00) 大天井ヒュッテ(4:30)~中天井岳~東天井岳~大天井岳(表銀座縦走)~燕岳~北燕岳~ 中房登山口(13:30) 飛騨山脈:槍ヶ岳 飛騨山脈:槍ヶ岳 中崎尾根ルート 中級 D 平成 28 年 7 月 31 日(日) 晴 日程・天候不順のため、今年の北鎌尾根ルートは断念。槍ヶ岳からの大水足止め回避ルー トの中崎尾根ルートを歩く。 新穂高駐車場よりセンターで登山届提出し一路わさび小屋目指す。小屋着後、小屋の方に 中崎尾根ルート確認。3 か所稜線が崩れ通行止め。自己責任での歩き。小池新道進み、しっ かりした橋を渡り進むと登山口表示と崩壊通行止め案内。普段通りの歩きで登り進む。急坂、 つづら折れの整備された道を進み中崎尾根。尾根を進み、奥丸山頂上。草原等淡々と進み、 急坂経て千丈乗越。西鎌隊との約束に 50 分遅れ。ゆっくりした歩きで槍ヶ岳山荘到着。 一休みし、サブザックで、各コース混成の 2 槍ヶ岳登山を 2 往復し、シンガリでサポート。 懇親し小屋泊。 翌日は早立ちの上野君と共に槍平ルートを下山。ホテル穂高着。 コースタイム 7/31(日)(行動時間 7:30) 新穂高駐車場(4:40)~わさび小屋(6:15)~中崎尾根(8:15)~奥丸山頂上(9:10)~千丈 乗越(10:50)~槍ヶ岳山荘(12:10) 8/1(月)(行動時間 5:55) 槍ヶ岳山荘(3:45)~ホテル穂高(9:40) 飛騨山脈:槍ヶ岳( 3,179.7m/大キレットコース) 3,179.7m/大キレットコース)健脚 D (G) 7 月 29 日(金)~8 月 2 日(火) 担当:神宝博通 参加者 3 名 7 月 29 日(金)上高地~横尾山荘 晴~曇 1 年間準備してきた集中登山がいよいよ開始だ。メンバーとは登山口となる横尾で合流。昼 過ぎには 3 名が揃う。15 時 30 分の入浴が有り難い。この日は登山に備えての安息日のような もの。時間はあるがお金は無いので暴飲暴食もできず早々に就寝。深夜から早朝まで雨脚強 し。 7 月 30 日(土)横尾山荘~北穂高小屋 雨~曇・少し晴れ間 早朝雨は残るが 1 時間も歩くと上がり本谷橋で雨具とバイバイ。屏風岩では最上部から滝が 出現。雨天ならではの風物詩。本谷も水量はたっぷりで休息場所も狭められ腰を下ろす登山 者も少なめだ。登り、下りとも人は多 いがほぼ同数程度か。奥穂が望め る場所に着き休息。ここでも渓流が 出現しておりいつもとは違う雰囲気 がある。あのアルペン風テラスに呼 ばれている気がして涸沢ヒュッテま で頑張る。北穂を目指すツアーの 団体も居り何故か仲間意識が生ま れるから不思議。途中涸沢小屋の テラスから望む前穂北尾根のノコギ リが素晴らしい。そこからツアーの 団体と相前後しつつ南稜に至る。NHK 放送局のクルーと出会う。「日本百名山」制作への収 録とのことで彼らも北穂泊。縦走路分岐に着き松波岩の裾を巻くとほんの一登りで北穂の山頂。 ちょっと懐かしいが期待の槍はガスの中。早々に小屋へ入り生中でカンパイ。一息ついたとこ ろにスコ-ルとなるが滑り込みセーフの感あり。 予報に反してラッキーな一日であった。 7 月 31 日(日)北穂高小屋~槍ヶ岳山荘 晴 3 いよいよキレット、メインの日となる。常念の彼方に素晴らしい朝焼け。富士や南アが遠望で きる。予定時刻に立つ。いきなりの急降下だがこの緊張がまた楽しい。浮き石の多い岩場を A 沢のコルまで 300m 下降。途中「飛騨泣」の悪場を渡り、ナイフ・リッジを越える辺りは緊張を強 いられるが、三点確保が面白いゾーンでもある。コルではオコジョを見つけ和む場面もあった。 休息の後「長谷川ピーク」を越える。ピン、鎖が充実しており少し慣れた登山者ならスイスイで ある。「H ピーク」の文字に立ち各々のポーズで記念撮影。そこを下れば易しい縦走路となる。 平坦な岩稜帯を通過すれば南岳への登り返しとなる。梯子と鎖の混じった急登ではあるがメン バーはルンルンで高度を稼ぐ。その中間地点で韓国からのツアーに行き違う。規模は 42 名。 ある種の逞しさを感じてしまう。カタコトの韓国語でやりとりしつつ、ひと時の韓国世界を味わう。 そこからひと踏ん張りで南岳小屋。シシバナに立ちキレットを俯瞰する。やはり越えてきた者だ けが味わえる実感がそこにあった。小屋の外で昼食を摂る。 予定よりも遅れ気味で南岳に立つ。そこからは北方の峰々を視野に入れて稜線を行くことに なる。中岳、大喰岳を越え、飛騨乗越からの急登でテン場を過ぎれば槍ヶ岳山荘。山荘前広 場で会の仲間が出迎えてくれ握手を交わす。キレット達成の安堵感が押し寄せて来る。休む 間もなく 9 名の俄かアタック隊 が編成され山頂を目指すこと に。山頂へのルートは盛況そ のもので通常の 2 倍を要した。 山頂も登山者が溢れ身動きが ままならない。おまけにガスに 包まれて視界も無く、初登頂 の方には申し訳なかった。皮 肉なもので、山荘に降り立つと ガスが晴れ巨大なその全容が 出現。一斉にカメラの砲列とど よめきが。夕食も終え残りの楽 しみは「落日」のみとなる。19 時、果たして笠の北寄りに絵に 描いたようなサンセット。やっぱ り山は晴れに限ると改めて実 感する。この山荘でも多くの韓 国からのツアー客、日本の 3000m 峰も国際的になったも のである。 8 月 1 日(月)晴 槍ヶ岳山荘 ~新穂高温泉 4 本日、下山日。先発組がインスタントラーメンと炊事道具を携行し昼食準備を受け持つ。滝 谷出合を昼食ポイントとして 5 名で先行する。やがて後発組が合流し渓流での昼食となる。沢 を抜ける涼風がなんとも爽やか。白出沢出合からは林道歩きでホテル目指して気持ちも弾む。 やがてそのホテルが視野に入り山行も終了となった。 コースタイム 7 月 29 日(金) 上高地(9:50)~横尾山荘集合(12:05) 7 月 30 日(土) 横尾山荘(6:00)~本谷橋(7:20~7:25)~涸沢ヒュッテ・昼食(9:15~10:05)~縦走路分 岐(13:20)~北穂高岳頂上(13:30) 7 月 31 日(日) 北穂高小屋(5:50)~飛騨泣(6:50)~A 沢のコル(7:15~7:25)~長谷川ピーク(7:40~7: 55)~南岳小屋・昼食(9:40~10:30)~中岳頂上(12:00~12:05)~大喰岳頂上(12:55~ 13:00)~槍ヶ岳山荘(13:27~13:45)~槍ヶ岳頂上(14:30~14:40)~槍ヶ岳山荘 (15:20) 8 月 1 日(月) 槍ヶ岳山荘(6:00)~千丈分岐点(7:10)~槍平小屋(8:50~9:00)~滝谷出合・先発組・ 昼食解散(9:55~11:10) 飛騨山脈:槍ヶ岳( 3,179.7m/東鎌尾根コース 3,179.7m/東鎌尾根コース) m/東鎌尾根コース) 健脚 D (F) 7 月 29 日(金)~8 月 2 日(火) 担当:藤堂尚久 参加名者 3 名 7 月 29 日 晴 JR大阪駅前、8 時に参加者 4 名が集 合、藤堂車にて出発、名神、中央道、長 野道と高速道路を乗り継ぎ約 5 時間で 穂高駅前に着く。車は登山者専用の無 料駐車場に置いた後、駅前で乗合タク シーに乗車、午後 2 時すぎに宿舎有明 荘に到着、明日に備え早めに就寝す る。 7 月 30 日 雨後曇 宿舎を出る時はあいにくの雨模様、5 分程で中房温泉横の合戦尾根登山道 入口に着くとすでに多くの登山者であふ れていた。燕岳へのこのルートは標高差 1250m で北アルプス三大急登の一つであるが、危険 5 個所はなく安心して登れるということで人気のルートである。我々4人も身支度整え6時に登山 開始、樹林帯の中、いきなりの急登であるが、適度な間隔で第一ベンチ(水場あり)、第二ベン チ、第三ベンチ、富士見ベンチが休憩所としてある。ここでEさんが体調不良のため残念なが ら第二ベンチ付近で撤退されることになった。登山口から 3 時間ほどで合戦小屋に到着。宿泊 施設はないが売店や食堂があり夏季名物のスイカが大人気である。その後は傾斜も緩やかと なり、お花畑も見られた。ガスがかかり右手前方に現れるはずの燕岳が見えない。やがて稜線 を登りつめて燕山荘前に着いた。燕山荘はコンサートや登山教室等各種イベントが開かれる 人気の山小屋、今日は 500 名の宿泊者がいると聞いた。この前で昼食休憩をとる。 北へ往復1時間の燕岳、今回はパスだが、ここから始まる表銀座縦走コースは大天井岳を 経由してから槍ヶ岳に通じるルートである。燕山荘を出てからは概ね穏やかな稜線を行く。進 行方向右手には槍ヶ岳から穂高岳へと連なる北アルプスの主稜線の眺望が続いている。奇岩 が並ぶ蛙岩を通過後、コマクサの群生が見られた。鞍部近くになると切通岩の登り、クサリ、梯 子がかかっているが高度感はあまりない。鞍部に到ると喜作レリーフがあり、喜作新道(槍ヶ岳 方面)と常念岳方面の分岐点で休憩。このあと大天井ヒュッテまでの 40 分程は岩稜のトラバー スが連続する。随所にクサリや梯子が設置されていて右側が切れ落ちている所には「滑落注 意」の看板がある。本日最大の難所であったが、足場はしっかりしており着実に通過、大天井 ヒュッテに到着。2時過ぎには手続き、宿泊者は少なく、小さな個室に3人が収まりのんびりと時 を過ごすことができた。 7 月 31 日 晴 ヒュッテ前から望む穂高連峰がモルゲンロートに染まり美しい。どうやら今日は好天気の様 子、喜作新道を南へ、先ずは西岳鞍部の西岳ヒュッテを目指し 5 時に出発。稜線上を歩いたり トラバース気味に進んだりアップ ダウンが少なく穏やかな登山道 であった。ビックリ平で稜線に出 ると左右の展望が開け、右手に は東鎌尾根からその先に槍ヶ岳 が、左手には三角錐の秀麗な 山容の常念岳を望む。さらに稜 線上のガレ場を進み、いくつか の小ピークを越え赤岩岳の左側 を巻き 500m 位進んだあたり、ケ ルンのすぐ手前、7時ちょうど、 ブロッケン現象に遭遇した。山 岳の気象現象として知られているが(平地でも起こる)、我々3人の影が谷の霧の中に映り、虹 色の光の輪に包まれた。気象条件が揃ったのだろうが、初体験でありカメラのシャッターを切り 続けた。 6 その後やせ尾根の岩場を登り小ピークに立てば、登山道が西岳の東斜面をトラバースする ようにヒュッテ西岳まで伸びていて、その先には穂高連峰の急峻な峰々が展開されている。出 発から2時間少々、ヒュッテ西岳で小休止。西岳の西側を巻くように下ると、丸太や鉄の梯子、 階段、クサリ場が続く難所であり、さらに下って平坦地に降りると水俣乗越である。東鎌尾根の 最低鞍部であり槍沢ルートや北鎌尾根へつながる分岐点でもある。ここから東鎌尾根の本格 的な登りがスタート、途中ハイマツ帯の中にある連続する丸太梯子を登った先で3連のほぼ垂 直な鉄梯子を降りる。梯子を降り切った所の両脇は共に切れ落ちたやせ尾根で「窓」と呼ばれ る場所である。梯子の取り付きに 立ち、下を見下ろすと高度感たっ ぷり、まさに東鎌尾根の核心部と いえるだろう。その後は比較的な だらかな稜線歩き、梯子、階段が 続く道を進めば、岩場に雷鳥の 親子が出現、ヒュッテ大槍まぢか 雷鳥平である。そして槍ヶ岳が眼 前に迫り、長かった表銀座縦走 路もあとわずかで終わりかとホッと する。ヒュッテ大槍からは東鎌尾 根の最後の岩稜登り、傾斜は緩く殺生ヒュッテへの下り道を左に見送ればなだらかな登山道 が槍ヶ岳山荘の建つ槍の肩まで続く。山荘前では槍沢班、西鎌尾根班の面々によるお出迎え があった。間もなく大キレット班も到着、両班ザックを降ろし小休止の後、第 2 陣メンバーとして 槍の穂先へ登頂、大満足の山行であった。 8 月 1 日 晴後雨 記念山行の最終日は飛騨沢コースで下山した。2 班に分かれ宿舎を 6 時に出発、飛騨乗越、 槍平小屋を経て藤木九三レリーフのある滝谷出合で昼食・休憩、白出沢出合あたりからは本 格的に降りだした雨の中、穂高平小屋を経て、祝賀会が開かれるホテル穂高に到着した。 コースタイム 7/30 燕岳登山口(6:00)~合戦小屋(8:55~9:05)~燕山荘・昼食(10:15~10:45)~大下りの頭 (11:30~11:35)~切通岩(13:05~13:20)~大天井ヒュッテ(14:10) 7/31 大天井ヒュッテ(5:00)~ビックリ平(5:30~5:40)~赤岩岳(6:20~6:30)~ブロッケン遭遇 (7:00)~ヒュッテ西岳(7:20~7:30)~水俣乗越(8:30~8:40)~窓(9:15)~ヒュッテ大槍(10:55~ 11:10)~槍ヶ岳山荘(12:15~13:50)~槍ヶ岳(14:20~14:40)~槍ヶ岳山荘(15:00) 8/1 槍ヶ岳山荘(6:00)~槍平小屋~滝谷出合・昼食(11:15~12:00)~白出沢出合~ 新穂高温泉 (14:30) 7 飛騨山脈:槍ヶ岳( 3,179. 3,179.7m/西鎌尾根コース)上級 D (E) 7 月 29 日(金)~8 月 2 日(火)担 当: CL 菅生 佳余子、SL:伊原 鈴子 参加者5名 7 月 29 日 晴れ 大阪梅田から高速バスに乗り岐阜県高山市新穂高温泉に着く。 心は急くが、7 時間以上バスに揺られてきたので、記念祝賀会会場の「ホテル穂高」にご挨拶 を兼ね、ひと時を過ごして「わさび平小屋」に向かう。夕食受け付け締め切り時刻の 18 時丁度 に到着。小屋は 6 畳間に 10 人と云う混雑ぶりだったが、スタッフのご厚意により、3 時に起床す ると言う条件で、我々6 名に食堂の大広間を提供いただいた。21 時就寝。 7 月 30 日 雨後晴れ 暗闇の中、ガラス越しに雨の音が聞こえる。覚めやらぬ頭で、色々と想いを廻らし、出発準 備を終え大広間を引き上げた。4時半朝食。先程から体調が悪いと言っていたメンバ-1 名が 離脱し、雨の中 5 名で「わさび平小屋」を後にする。此処は約 1400m。高度順応を視野に入れ、 14 時頃に小屋到着を目標に小池新道に入る。秩父沢に着いた頃、雨が止み雲間に青空が見 えた。歩き始めたばかりだが、橋の上に並びバンザーイと両手を挙げて写真を撮った。登山道 の両側が雑木と草花に覆われた雨上がりの小池新道は、無風状態で湿度が高く非常に暑い。 急な登りを過ぎ、「シシウドヶ原」でコ-ヒ-タイムとする。随所に書かれた「お助け風、熊の踊 場、あと 5 分」等々、ユーモア溢れる 言葉に癒されながら歩くうち、鏡池 の向こうに穂高連峰が姿を現した。 一番右端に見えるのはジャンダルム だろうか?目で追っているうち「槍の 穂先」が雲に隠れ、シャッターチャン スを逃がしてしまった。暫くのあいだ 鏡池の水面にユラユラと揺れる穂高 連峰を楽しんだ。間もなく鏡平山荘 に到着し、山荘名物の「カキ氷」で 人心地を付け、昼食を摂る。突然、 上空で爆音が聞こえ、ヘリコプタ ーが荷物を降ろしているのが見え た。山小屋で荷降ろしの瞬間を見 るのは初めてなので動画に収め る。 食後のコーヒーを飲みながら何 気なく高度計を見ると、2600m。 出発前に補正したので高い数値 は気圧の影響だろうか?過去に高 8 度障害を経験したメンバーを見ると、「カキ氷」を前に笑顔。今日の合言葉「30 分毎に水分補 給をしょう!」を守り、双六小屋に到着した。 21 時就寝。 7 月 31 日 晴れ 4時 00 分起床。5 時20 分小屋前に集合。昨年、同コースの下見訓練に参加されたSLの伊 原さんを先頭に、菅生が最後尾で出発。朝陽が眩しく小屋も我々もオレンジ色に染まって見え る。石屑の登山道をジグザグに登り樅沢岳西峰にて身体をほぐす。ここからは、ほぼ全方位を 見渡すことが出来、中でも行く手正面に見える西鎌尾根のダイナミックな光景に心奪われる。 天候のせいか、青黒く延々と波打って見える西鎌尾根の遥か向こうの「槍ヶ岳」が神々しい。こ の日の為に、雪の山に登り、積雪の谷を越え、岩に登り、炎天下の訓練にも耐えた。「よし、全 員で登ってみせる!」 硫黄乗越で一息入れ、硫黄の頭は飛騨側を通った。次々に高嶺の花が姿を見せるが、中 でも白い花びらに、ポツン、ポツン、と真丸い露を乗せた「エーデルワイス」の群生には、思わ ず足を止めて見惚れてしまった。左俣岳には古い鎖がついていたが、引き返して左の山腹を 巻いた。鎖場を越え、遂にやせ尾根の岩稜帯、西鎌尾根の核心部に入った。後方から全員の 様子が良く見える。高度障害なし。脚力に問題なし。疲れもなし。天気は良好。重い筈のザック が背中に心地良く感じる。「よ~し、OK」と大きく口にした。難なく1時間ほどで西鎌の核心部 を越え、千丈沢乗越に到着。ここで本日初めて登山者に出会う。昼食を摂りながら中崎尾根を 見るが、10 時頃、千丈沢乗越で合流する予定だった渡辺さんの姿がないので先に出発する。 気分一新、心を引き締める。稜線飛騨側のザレた斜面を登っていると、ニセ槍の基部辺りか ら傾斜が一気に強くなった。浮石が多くなり、躓きとスリップが気にかかる。ニセ槍を越えると更 に傾斜が増し、砂礫と岩礫とが混じって滑りやすく、高度を上げるのが困難になって来た。疲 れているに違いないが、誰も弱音をはかない。左側に回り込んでジグザグに登っていると、山 荘で宿泊の手続きをお願いしていた伊原さんとの距離が、かなり開いてきた。一歩一歩、バラ ンス良く、踏みしめる様に力強く歩く彼等の後ろ姿に、「休む?」の声をかけず、無言で先頭に なり、一歩一歩、牛歩を思って歩いた。西鎌尾根入口の手前に立ち、じっとこちらを見て待っ て居てくれる伊原さんの姿が見え、全 員で槍ヶ岳山荘に到着した。 全員が到着していないので、状況を 把握したく、しばらく待っていたが、槍 ヶ岳付近の雲の動きが気になり、最後 尾を渡辺さんにお願いし、到着してい るメンバ-10名で、槍ヶ岳山頂を目指 すことにした。穂先は、要所に梯子も 鎖もあるので問題ない。身長が足りず 昨年、思い切り足を上げた6本の鉄杭 9 個所も、躊躇なく登れた。足が長くなる訳がなく、技術があがる訳もなく、山荘のスタッフに問い 合わせると、杭の数は増やしていないとのこと。納得出来ず、どなたか、足元に石を置かれたと 言う事はありませんか? 「そのままです。」 次々に到着したメンバーが第二陣として槍ヶ岳に登頂を果たし、全員で槍ヶ岳をバックに記 念の写真を撮った。夕食のあと、一人になり、テント場近くで、夕陽に染まる雲を何枚も写しな がら、全員の無事到着を感謝した。部屋に戻り、明日の行動予定の打ち合わせをするため、 全員に招集をかける。二組に分ける事を提案し、何れをとるか希望を聞く。先発隊には、滝谷 出会い付近の河原で、お湯を沸かしラーメンを作って待機して頂くとし、用具を渡す。諸々の 打ち合わせを終え、20 時就寝。 8 月 1 日 晴れ後雨 今日は二組に分けた全コース合同の下山となる。先発隊の先頭を齋藤賴範さん、全員の最 後尾を藤堂尚久さんに、お願いし、後続隊は菅生が先頭で、山荘を出発する。昭文社のコー スタイムでは、山荘から新穂高温泉まで 6 時間となっている。昨夜は、口にしなかったが、標高 約 3000mから約 1000mの新穂高温泉まで 6 時間で 2000mを下ることになる。3000m級の登山 が初めてのメンバーが数名居り、年齢を考え、歩行速度と下りにも起こる高度障害を懸念し、 二組に分けたが、医師を含む複数の医療従事者がメンバーなので心強い。途中、高度馴化 の影響と思われるアクシデントもあったが、滝谷出会いで、先発隊お手製の「インスタントラーメ ン」を美味しく頂き、降りだした雨も何のその、全員元気で「ホテル穂高」に到着した。 コースタイム 7/29 大阪梅田(9:00)=新穂高温泉(16:46~16:56)~わさび平小屋(18:00) 7/30 わさび平小屋(5:31)~秩父沢(6:54~7:08)~シシウドヶ原(8:53~9:26)~鏡池 (10:25-10::28)~鏡平山荘(10:35~11:31)~弓折中段(12:09)~花見平(13:06~13:15) ~双六小屋(13:48) 7/31 双六小屋(5:31)~樅沢岳西峰(6:08~6:12)~硫黄乗越(6:57~7:03)~左俣乗越 (7:55)~千丈沢乗越(9:46~10:12)~槍ヶ岳山荘(11:28~12:36)~槍ヶ岳山頂(13:01~ 13:10)~槍ヶ岳山荘(13:35) 8/1槍ヶ岳山荘(6:05)~千丈沢乗越分岐(7:19~7:24)~槍平小屋(9:12~9:30)~藤木九 蔵レリーフ(10:58~11:12)~滝谷出会い(11:22~12:05)~林道終点(13:55) 飛騨山脈:槍ヶ岳( 飛騨山脈:槍ヶ岳( 3,179. 3,179.7m/槍沢コース)上級 C (D) 7 月 29 日(金)~8 月 2 日(火) 担 当: CL 岸本眞理、SL: 北川隆史、諸橋勝彦 参加者8名 いよいよ「100 周年記念集中登山」のスタートだ。「下見・研修登山」から丁度 1 年。不安で心 を揺さぶられることもあったが、今日の日を迎える事が出来た。計画では「さわやか信州号」23 10 時発での予定だったが、切符手配が上手くいかず 2 名が 22 時発松本行で上高地に入るアク シデントからのスタートとなった。 7/30(土)雨のち曇のち晴 夜行バスが大正池あたりに差しかかったころから窓ガラスにバシバシ!と何かが当たる音で 目覚めたが、それが大粒の雨だとは上高地到着まで思いもよらなかった。今日は槍沢ロッジま で時間がたっぷりあるので、小雨になるのを待ち約 40 分遅れで出発した。上高地に来るのが 初めてと言う参加者もおられた が、カッパ橋から焼岳・穂高連 邦の山並みは雨でかすみ見る ことが出来ず残念だった。徳澤 園付近まで来ると雨もほとんど あがり、おりしも「山と渓谷社」 主催の「山の日記念イベント」 が行われていたのでここで休 憩をとり、イベント見学をした。 その後、横尾山荘で早めの昼 食休憩をゆっくりとっていると “一筆書き百名山”で一躍時の人となられた田中陽希さんが北穂高から下山中だと立ち寄られ た。これも何かのご縁と記念に写真をお願いした。 その後は沢沿いの道をのんびりと歩を進め槍沢ロッジに到着。期待していた個室は宿泊者 が多くて今日は用意されていなかったが私達 8 名に 1 室をいただけ感激した。松本経由組も 2 時間 10 分遅れで無事到着したので全員が揃いホッとした。その頃には雲の合間から青空も顔 をのぞかせ槍の穂先が見えた。その穂先に明日の晴天をそっと祈った。19 時 45 分就寝。 7/31(日)晴 朝日に輝く青空に勇気をもらい元気に出発。昨年は建設中だったテント場には色とりどりの テントが張られ、コインを入れるとド アが開く最新の有料トイレが設置さ れオシャレな快適空間に変身して いたので驚いた。ここで衣服調整 を兼ねて一休み。この先しばらくは なだらかな登りなのでノンビリと景 色を眺めたり一面のお花畑に感動 しながら写真を撮ったりと今年は気 楽なひと時だが、昨年は雪渓がし っかり残っていて、歩くのに大変だ ったのを思い出した。大曲を過ぎる 11 頃から雪解け水が登山道に溢れ気持ち良く歩を進めるも照り付ける太陽には勝てず、水分補 給と衣服調整を兼ね少し長めの休憩をした。沢の水は熱く火照った身体に冷気を入れ疲労回 復になった。 ここから槍ヶ岳山荘までは急騰の連続なので気持ちを引き締めた。でも、モレーン上のハイ マツ帯からは槍の穂先がくっきりと姿を現し、振り向くと笠ヶ岳や遠くうっすらと富士山の頭も姿 を現してくれた。ここは何度見ても感動を呼ぶ大好きな場所だ。その後、高度順応に苦慮する メンバーが出たので 2 班構成にし、後組を諸橋 SL にお願いして全員が高山病、熱中症になら ない対策をとった。目的地まではまだまだ急登が続くが一面のお花畑に癒され、ペースを崩さ ず写真撮影を満喫しながらの歩きは気持ちに多少のゆとりもあり気が付くと槍ヶ岳山荘へ予定 時間より 30 分早く到着した。 その後、穂先登頂準備をしながら後組の到着を待つこと 1 時間遅れで無事な姿を見た時に は安堵と感謝の気持ちで胸が熱くな り全身の力が抜けるような思いに駆 られた。20 時就寝。 8/1(月)晴 今日は全員そろっての下山。早歩 きに手を挙げて下さった 5 名が先に 歩き、滝谷出合いでラーメンを作っ て待っていて下さる演出にみんな大 喜びで、疲労回復!後は“ホテル穂 高“までもう一踏ん張りですむはず が、林道に差掛るころから遠雷と共 に雨が降り出した。でも、ホテルに着くと温泉が待っているし着替えもできると黙々と足早にホ テルを目指した。 8/2(火)晴 午前 9 時ホテル前で記念写真に納まり、41 名は貸し切りバスで大阪に向かい出発。途中高 山見物もあり、和やかなバスツアーだった。振り返れば「下見・研修登山」から 1 年。チームをど う纏め「安全で楽しい」山行が出来るのか?考えあぐねた時もあったが、諸先輩方のお力添え をいただいたお陰で無事にこの時を迎えられ感動で心が震えます。また、山行中は厳しい言 葉を発した時も多々ありましたが皆様のご協力のお蔭で無事に全行程を終えられ心から感謝 しています。ありがとうございました。 101 年目からの“やまゆき会”の発展に微力ながら貢献できれば・・・と大阪まで至福のひと 時を過ごしました。 コースタイム 7/30 上高地バスターミナル(5:15~6:23)~明神(7:27~7:33)~徳澤園(8:40~9:00)~ 横尾山荘・昼食(10:07~10:37)~一ノ俣(11:40~11:48)~槍沢ロッジ(12:34) 7/31 槍沢ロッジ(5:00)~槍沢キャンプ地(5:42~5:51)~大曲(6:26~6:36)~分岐(7:40 12 ~7:55)~槍ヶ岳まで 1km地点(10:12~10:16)~槍ヶ岳山荘(11:14) 8/1 槍ヶ岳山荘(6:05)~~槍平小屋(9:12~9:30)~藤木九蔵レリーフ(10:58~11:12)~ 滝谷出会い(11:22~12:05)~林道終点(13:55) 飛騨山脈:西穂山荘周辺(丸山) 初級 B (A) 7 月 31 日(日)~8 月 2 日(火) 晴後雨 担当:井上安夫 参加者14名 昨日大阪を8時25分に出発し、ホテル穂高に 15 時 20 分に到着。途中すごい雷と夕立にあ ったが明日の好天を信じて就寝。 早朝、雲一つ無い快晴で山の頂には少しではあったがモルゲンロードが見られた(ラッキ ー)。朝食もそこそこに始発のロープウェイに乗って、西穂高口駅に 8 時 35 分に到着。ここから 独標グループと別れ、お花見をしながらゆっくりと西穂山荘を目指して登る。最初の休憩場所 からは笠ケ岳等の北アルプスの山並みが一望。好天に恵まれ見事な眺望だ。アップダウンの 登山道が過ぎ、周囲に笹が茂った石畳の急勾配の登り坂を登り切ると西穂山荘に到着です。 今までの快晴が無くなり雨雲らしき 雲が現れたので、小休憩後急いで丸 山を目指す。急坂を登りながら振り返 ると西穂山荘の奥に焼岳の勇姿が望 めた(90 周年の記念登山で登ったこと を思い出す)。急坂を登りきるとなだら かな丘陵地帯となり立派なケルンのあ る場所で独標方面をバックに記念写真、 さらに丸山の標識のあるところで集合 写真。ここでは残念ながら周囲は霧の 中。急いで西穂山荘まで引き返し昼食休憩とする。 午後は朝来た道を西穂高口駅に向かって下る。途中平坦部に出た所で雨になり、雨具着 用で駅に到着し解散した。 コースタイム 新穂高温泉駅(8:00)=ロープウェイ=西穂高口駅(8:35~8:50)~西穂山荘(10:45~11:00) ~丸山(11:25~11:30)~西穂山荘(11:55~12:20)~西穂高口駅(14:10) 飛騨山脈:西穂山荘周辺(独標)中級 B (B) 7 月 31 日(日)~8 月 2 日(火) 担当:CL 久保田博巳 SL 松川元信 参加者 13 名 7 月 31 日(日)晴 大阪梅田モード学園前に集合して、中央交通チャーターバスで A、C コースと共に観光旅 行気分で 8:50 出発。今回連泊する奥飛騨温泉郷最奥にあるホテル穂高に 15:30 着チェッ 13 クイン。大広間で登山前夜の宴会料理と庭園風露天風呂を満喫する。 8 月 1 日(月)晴後雨 新穂高第 1、第 2 ロープウェイを乗り継いで西穂高口駅(2165m)で先を急がない A コ ースに先行して、千石平園地遊歩道終点にある登山補導所ログハウス内のポストに登山者 カードを投函。此処から千石尾根上部樹林帯の本格的な登山道となる。登路は途中段差の 大きいゴロ岩の急坂もあって、30 分行動 5 分の休憩ペースで登る。昨日槍ヶ岳登頂の DEFG コースは既に飛騨沢を下山中との情報と笠ヶ岳に雲が架かり出した事から考え、C コースの 乗鞍岳 A コースの西穂丸山は雨でも登れるが西穂独標は落雷事故の事もあって午前中の登 頂だけを意識して、西穂山荘には立ち寄らずハイマツの岩場を急登。稜線上からは西穂山 荘越しに焼岳は、はっきり見えるが乗鞍岳は雲の中。ハイマツ帯の広い稜線先に初めて見 える丸山から独標、西穂高岳へ向う急な登路を遠望、午前中の雷雨は無いと判断する。 100 周年記念登山と言うこともあって西穂独標登頂だけが雨で敗退では申し訳なく格好がつ かない事も考えながら行動。独標 手前の 12 峰の岩場を慎重に下っ て独標基部にザックをデポ、空身 で独標に取り付く。岩場のコース マークを追って右へ斜上し矢印に 従って三点確保で登った所にクサ リが張られたカニのヨコバイのよう な所から、鎖なしのカニのタテバイ のような直登と急登は高度感があ り、足元に 11 峰と書かれた岩、山 頂標のある頂上は槍ヶ岳より狭く 空中に浮いているようで、集合・記念写真と年賀状用写真を撮ってから、登り以上に慎重に降 る。上りでは気付かなかっ、たハーケンとピトンに残置ロープがあったが、とても使えそうにはな いもので最初は前向きに降りられたが途中からはスタンスが見えないような垂直の岩壁を三点 確保で下り、登りとは違ったルートでデポ地点に戻る。遅い昼食中に雨が降り出し全員雨具を 着けて、登山者の居なくなった西穂独標を後にする。 笠ヶ岳方向の遠雷を気にしながら往路を全員無事、下山届を投函する。 コースタイム 新穂高温泉駅(8:00)発=第 1 ロープウェイ=第 2 ロープウェイ=西穂高口駅(8:50)~西穂 小屋通過(10:20)~稜線(10:30~10:40)~丸山通過(10:55)~西穂高独標(10:50~12: 10)~独標基部・昼食(12:30~12:50)~西穂山荘(13:50~14:20)~西穂高口駅(15:40) 14 飛騨山脈:乗鞍岳・剣ケ峰(3025.7m 飛騨山脈:乗鞍岳・剣ケ峰(3025.7m 一等 ) 初級 C (C)7月 31 日(日)~8 月 2 日(火) 担 当: CL 石田 幸弘 SL 石田高教 参加者 5 名 ・西日本は早く梅雨明けしたが、北と南に高気圧が停滞して東日本は気圧の谷にある。 しかし、我々の山行は晴れ女・男の所為かいつもバスに乗っている時に夕立が来た。 ・平湯で時間があったので近くを散策し、平湯大滝から大ネズコを見て周った。 ネズコは、ひのき科で建具材や器具材に使われ、昔樹皮は火縄に使われていた。 ・民宿・つゆくさは、明治の末からの宿。やまゆき会 100 周年にふさわしい宿だった! 海外の客が多いのには、驚いた。我々と同年配の奥さんは外人の扱いにも慣れたもの。 ・乗鞍へは朝食をゆっくり食べて登ったが、始発のバス・3:30 に乗れば日ノ出が見られたのに残念 だった。朝、畳平のお花畑は熊がいるから立ち入り禁止と言われた。 やむなく、広い車道を進むとこまくさがずっと咲いていた。 ・肩の小屋の下の雪渓は解けて無くなり、一 つ南の谷に少し残っていた。畳平は 2700m、 急ぐと酸欠でしんどくゆっくりと写真を撮りな がら高度順応する。穂高・槍方面は雲で視 界はゼロ、頭上だけ青空が開けている。剣 ケ峰からの視界は眼下と南方のみ。頂上は 登山者が多く、頂上小屋横まで下って昼食 にしたが日陰が無くて暑い。 ・帰りは摩利支天岳や富士見岳にも寄り道せ ずに歩き、お花畑の熊は退散したらしくオ -プンしていたので木道を一周した。花の名前はにわかには思い出せなくなっていた。 ・記念山行は全員無事故で、ホテル穂高での 49 名の祝賀会は賑やかに行われた。 コ-スタイム 7/31(日) 晴 梅田(8:00~8:35)=平湯バスターミナル(14:40)~平湯大滝(16:05~16:15)~大ネズコ(16:50: 17:00)~民宿・つゆくさ泊 8/1(月) 晴 民宿(7:22)~平湯バスターミナル(7:25~7:40)=畳平(8:40~50)~肩の小屋(9:30~9:40)~ 乗鞍岳・剣ケ峰(10:50~11:10)~頂上小屋(12:15~12:40)~肩の小屋(12:17~12:40) ~ お花畑(13:10~13:25)~畳平(13:30~13:50)=平湯バスターミナル(14:40~15:10)= 新穂高ロープウェイ駅 (15:40)~ホテル穂高 (15:45)・記念祝賀会(20:50) 8/2(火) 晴 ホテル(9:00)=高山市街散策(10:45~13:00)=梅田解散(17:55) 15 創立 100 周年記念登山&祝賀会 8 月 1 日(月) 創立 100 周年記念登山委員長 岡本欽司 平成 25 年 10 月、7名の「創立 100 周年記念登山委員」が選任され、4 年の歳月を経て、本 日、平成 28 年 8 月 1 日「創立 100 周年記念登山」は、西穂山荘周辺(丸山)コース、槍ヶ岳(大 キレット、東鎌尾根、西鎌尾根、槍沢)の 4 コース、乗鞍岳コース、西穂山荘周辺(独標)コース の順に、祝賀会場の“ホテル穂高”に到着。総勢 52 名全員が無事下山いたしました。 振り返れば、各コース担当の皆様には貴重な時間と費用をかけ研修登山や下見登山をして いただき、また各グレードに適した訓練例会に加え、蓬莱峡及び、雪彦山での岩場トレーニン グ、金剛山での三週連続による種々の訓練登山等、槍ヶ岳・西穂山荘周辺(丸山)・西穂山荘 周辺(独標)・乗鞍岳に登るんだと各々の目標に向かい、トレーニング例会に積極的に参加し、 その努力の結果が記念山行の無事終了をもたらしてくれました。ご協力頂きました皆様には、 心よりお礼申し上げます。只今からは、この積極性と情熱を「100 周年後のやまゆき会」に活か すべく、皆様方のお力添えを得て、心新たに取り組む所存です。 記念登山の集結地となった「ホテル穂高」での祝賀会は、北川隆史さんの司会で始まり、原 田佳忠会長の挨拶・乾杯のあと、食事に舌鼓をうちながら楽しく歓談し、一息ついた所で各コ ースのリーダー、サブリーダーから、山行報告をいただき、楽しく語らいながら、記念撮影、久 保田博巳さん発声の五本締めでお開きといたしました。 お詫び *渡辺正美さんの「創立 100 周年記念プレ山行 槍ヶ岳・北鎌尾根ルート」は昨年の会報に掲 載漏れになっていましたので、今回一緒に掲載いたしました。 16 10 月号編集・発送 表紙写真:ホテル穂高前 写真提供: 浜崎邦男さん 9 月 26 日(月) 発行者 やまゆき会 岸本、平出、吉田 編 編集委員 浜崎、和気 事務局 集 11 月号編集・発送予定日 10 月 24 日(月 ) 〒538-0044 大阪市鶴見区放出東 3-3-32 疋田正紀方 TEL/FAX (06)6968-5641 郵便振替加入者名称やまゆき会 01100-0-61165 http://kh411712-yamayuki.o.oo7.jp/index.html 17