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第2回海外アドバイザリー会議

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第2回海外アドバイザリー会議
広島大学大学院国際協力研究科
COE プログラム事務局
広島大学大学院国際協力研究科
21 世紀 COE プログラム
社会的環境管理能力の形成と国際協力拠点
第2回
海外アドバイザリー会議
日
時:
2007 年 8 月 10 日(金)14:15~17:00
会
場:
広島大学大学院国際協力研究科・大会議室(東広島キャンパス)
出席予定者:
海外アドバイザー、COE 事業推進担当者ほか
趣
本 COE プログラムの活動が、日本の国際協力・開発援助に、より大きなインパク
旨:
トをもたらすことが出来るように、海外アドバイザーの方々から、本プログラムに
対する助言を得る。
13:30-14:00
二宮皓 副学長(研究担当)との懇談
「広島大学の国際戦略について」
式
次
第:
(司会) 高橋
与志
14:15-14:25
開会・副研究科長挨拶
池田
秀雄
14:25-14:30
拠点リーダー挨拶
中越
信和
14:30-14:45
COE プログラムの活動
中越
信和
14:45-15:30
COE と研究科各種プログラムとの連携について
藤原
章正
・研究活動
・教育活動:i-ECBO(Explorers of International Cooperation Studies to Cross Borders)
国際協力学を拓く実践的研究者育成プログラムについて
・国際協力:JBIC-SAPS(インドネシア共和国「環境モニタリング改善事業」に係わる
援助効果促進調査)
15:30-15:50
休憩
15:50-16:50
質疑応答
16:50-17:00
閉会
18:00-20:00
懇親会(広大生協西 2 食堂)
連絡先: 広島大学大学院国際協力研究科
21 世紀 COE プログラム事務局
〒739-8529 東広島市鏡山 1-5-1 Tel. 082-424-6954
[email protected]
Fax. 082-424-6904
広島大学大学院国際協力研究科 21 世紀 COE プログラム
社会的環境管理能力の形成と国際協力拠点
海外アドバイザー名簿
大崎
敬子
国連アジア太平洋経済社会委員会社会部人口・社会統合課
課長
OHSAKI Keiko
Chief, Population and Social Integration Section, Emerging Social Issues Division, United Nations Economic
and Social Commission for Asia and the Pacific (UNESCAP)
久木田
純
国連児童基金事業資金部
上席事業資金担当官
KUKITA Jun
Senior Programme Funding Officer, Programme Funding Office, United Nations Children’s Fund (UNICEF)
桑原
幸子
国連バーゼル条約事務局
事務局長
KUWABARA Sachiko
Executive Secretary, Secretariat of the Basel Convention (UNEP/SBC) (2007 年 4 月現在)
柴田
勉
世界銀行研究所
シニアアドバイザー
SHIBATA Tsutomu
Senior Adviser, The World Bank Institute (WBI)
城石
幸博
アジア開発銀行中央・西アジア局社会開発セクター課
ヘルススペシャリスト
SHIROISHI Yukihiro
Health Specialist, Social Sectors Division, Central and West Asia Department, Asian Development Bank
(ADB)
高瀬
千賀子
国連経済社会局経済社会理事会支援・調整オフィス 政策調整課
政策調整セクション・チーフ
TAKASE Chikako
Chief, Policy Coordination Section, Policy Coordination Branch, Office for ECOSOC Support and
Coordination, Department of Economic and Social Affairs, The United Nations (UNDESA)
(50 音順、敬称略)
第2回
海外アドバイザリー会議
出席者名簿
氏名
海外アドバイザー
所属
役職
大崎 敬子
国連アジア太平洋経済社会委員会
課長
城石 幸博
アジア開発銀行
ヘルススペシャリスト
高瀬 千賀子
国連経済社会局
政策調整セクション・チーフ
中越 信和
国際協力研究科開発科学専攻
教授
藤原 章正
国際協力研究科開発科学専攻
教授
池田 秀雄
国際協力研究科教育文化専攻
教授
笠井 達哉
国際協力研究科教育文化専攻
教授
高橋 与志
国際協力研究科開発科学専攻
准教授
田中 勝也
国際協力研究科開発科学専攻
助教
大野 敦
神戸国際大学経済学部
専任講師
香川 和信
国際協力研究科
支援室長
加藤 和司
国際協力研究科
総括主査
Metin Senbil
国際協力研究科
渡邉 園子
国際協力研究科
山下 哲平
国際協力研究科
後藤 大策
国際協力研究科
金 在恩
国際協力研究科
学振特別研究員
小松 悟
国際協力研究科
COE 研究企画調整担当
荒木 裕子
国際協力研究科
COE 研究支援員
高坂 明美
国際協力研究科
佐々木 知子
国際協力研究科
事業推進担当者
共同研究者
研究科支援室
COE 研究員
第 2 回海外アドバイザリー会議
記録
日
時 : 2007 年 8 月 10 日(金)
会
場 : 広島大学大学院国際協力研究科・大会議室
14:15 – 17:00
出席者 : 海外アドバイザー(大崎氏、城石氏、高瀬氏)
COE 事業推進担当者、国際協力研究科支援室長ほか
合計 21 名
1. COE プログラムの活動
中越拠点リーダーより、21 世紀 COE プログラム「社会的環境管理能力の形成と国際協
力拠点」の概要説明がなされた。
2. COE と研究科各種プログラムとの連携について
2.1 研究活動
藤原拠点サブリーダーより、2008 年度グローバル COE プログラム計画の骨子(案)の
説明がなされた。
日本語タイトル案 : 持続可能なアジアを担う人材育成拠点
英語タイトル案
: Human Development Center for Sustainable Asia
21 世紀 COE プログラム(以下 COE)の残された課題をグローバル COE プログラム(以
下 G-COE)で展開し、実務に生かすことを念頭に、特に環境問題における人材育成の科
学化を目指す。この目標を実現させるための組織の構想・知識ユニットのアイデアも紹介
された。
2.2 教育活動
藤原拠点サブリーダーより、教育活動のひとつの取り組みとして、既存のインターンシ
ッププログラム(i-ECBO)から更に拡大させるプロジェクト案「グローバルインターンシッ
プ」の構想の説明がなされた。
2.3 国際協力
後藤 COE 研究員より、国際協力の事例として、JBIC 受託事業 インドネシア共和国「環
境モニタリング改善事業」に係わる援助効果促進調査 (SAPS) の説明がなされた。
3. コメント・質疑応答
3.1 COE 過去 4 年間の研究活動について
・ 大きなプロジェクトの特化という観点から、COE の活動とくに人材育成、短期間で国
内外のネットワークを作ったことは評価できる。(大崎)
・ 中国、インドネシア等、東南アジアに限った対象国の選択理由、背景は何か。
東南アジアは共同でプロジェクトを実施することが容易で、効果の高いプロジェクト
が期待できるため、同地域に多くのプロジェクトが集中する傾向がある。しかし、中
央アジア、太平洋地域にも国際協力のニーズがあり、研究対象とすればプロジェクト
の特化に優位なのでは。
(大崎)
環境問題が今後深刻化すると予想される地域を選択した。また、日本の援助による環
境センター設立、学生の受け入れ等援助実績、環境問題を認識しているカウンターパ
ートや環境データの存在も加味したうえで、COE の発展プロセスの概念に照らし合わ
せ、自律期より前かつ異なるステージにある国を選択した。(中越)
しかし実際は、それぞれの研究グループで共通する対応可能な対象国が結局、インド
ネシア、中国であったのも事実。(藤原)
3.2 人材育成(インターンシップ)について
・ インターンシップによる教育の実質化は重要であり、国連のインターンシップ制度も
ぜひ活用してほしい。ただし、インターンシップに関して、学生と受け入れ先とのマ
ッチングは非常に重要。ESCAP では受け入れ目的を明確化し、インターンシップを公
募に切り替えた。また、日本の学生に顕著な英語でのプレゼン、ディベート能力の低
さを補足する教育が望まれる。(大崎)
IDEC では、既に英語によるプレゼン、ディベートを実践的に訓練するカリキュラム
が組まれている。(藤原)
・ 日本の環境問題に関する経験・事例を学びたいという要望は非常に多いが、国際機関
の会議などで報告できる専門家がいないのが実状。ニーズに沿った人材養成が望まれ
る。(大崎)
環境先進国である日本が、実際個別の事例紹介のみに終始しているのは、パッケージ
として環境問題に関する諸事がまとめられていないからと認識している。(中越)
・ 国連で実施しているインターンシップは、国際交渉の場に同行する機会があり、政策
化の現場を体験でき学生に非常に喜ばれている。しかしグローバルインターンシップ
で想定しているインターンシップは専門的すぎる懸念があり、2 ヶ月と短期である国
連のインターンシップではマッチしないのでは。関西学院大学では、国連開発計画に
学生を派遣するプログラムを作っているので、参考にしてはどうか。広島大学は環境
が主題なので国連環境計画(UNEP)を念頭においてはどうか。(高瀬)
グローバルインターンシップの特筆できる目標は、従来の個人の経験の幅を広げるこ
とのみを目的としたインターンシップではなく、一部選抜チームを作ることによって、
広島大学、IDEC さらには環境管理分野により寄与することであり、関西学院大学の
それとは差別化している。また、1 ヶ月から 2 年間程度のフレキシブルなインターン
シップ制度を計画している。(藤原)
3.3 COE 最終評価から G-COE 展開に向けた戦略について
・ COE 終了時に期待されている成果、各班のアウトプットは何か。また、G-COE への
展開を戦略的にどのように示していくのかが見えない。G-COE に結びつけてゆくため
の戦略としては COE をフェーズ 1、G-COE をフェーズ 2 とし、COE で完結せず、次
につなげる必要がある。また、文部科学省の評価基準と COE の目標とのギャップの
明確化、最終評価に向けた調整が必要である。文科省だけでなく外務省からの評価な
ども視野に入れるべきである。(城石)
業績については年報、研究関係についてはディスカッションペーパー等刊行物が期待
される成果に直結している。G-COE への展開、最終評価に向かってのまとめに関して
は、現在模索中であるのが実情。11 月開催予定の国際シンポジウムにて COE の活動
の総括、G-COE への展開についてパネリストからの意見もつのる予定。審査に関して
は、審査委員が国際協力通であることを願っている。(中越)
・ 国内、海外での拠点作りではどちらに重点を置くのか、人材育成において政府と大学
どちらのキャパシティを発展させたいのかが不明確である。環境問題を扱う際には、
政府の能力向上が重要であるが、各国の比較は行っているのか。(城石)
・ 副学長との懇談では、広島大学は基礎研究重視の方針であると聞いたが、COE は応用
研究である。どちらに重点を置いているのか。国際協力やキャパシティデベロップメ
ントの現場では専門的知識のみならずマネージメントのスキルも必要である。日本の
経験を学ぶ場をカリキュラムの中に組み込む必要がある。
(城石)
カリキュラムについてはご指摘の通りであるが、まだ検討にも至っていない。今後、
IDEC の 30 名の教員で普遍化をゴールとしたカリキュラムの検討を進めてゆくつもり
である。(藤原)
・ 「環境」をどのように定義しているのか。(城石)
COE では大気に特化していたが、G-COE では実行可能性を第一に考え、大気・水質・
バイオエネルギーを念頭にしている。(藤原)
水問題、またエネルギー問題の一環としてバイオエネルギーは、国連でもキーポイン
トになっている。(高瀬)
3.4 G-COE 及び今後の研究活動への提言
・ G-COE のタイトルは、英語の方が分かりやすい印象を与える。ただしセンターと呼ぶ
には、アジア以外の人材育成も視野に入れるべきであり、世界中を対象に活動する一
方、プロジェクトは地域を絞って行うべきである(高瀬)
G-COE のタイトル(案)中、“Human Development” では、「人間開発」と直訳されるた
め、下記代替案の提案がなされた。
“Human Resource Development Center for Sustainable Development in Asia”
ただし、これに対応する適切な日本語タイトルと“Development”の重複回避を要検討。
(藤原)
・ G-COE が提唱する「国際協力」とは、誰が誰を対象にする国際協力なのか不明確であ
る。人材育成に関しては、研究者育成に偏り、国際機関で活躍できる人材の育成は無
理があるのでは。現在世界的な「国際協力」の潮流は、途上国のドナーコーディネー
ションが主流であり、G-COE 案はそれにマッチしているのか疑問。政策提言まで行う
ことを視野にいれるべきである。(高瀬)
JICA を例とする日本政府が行ってきた「国際協力」を念頭においてきたが、それでは
生ぬるい感じがあった。国、市民、地球規模での協力を考え、IDEC モデルの構築を
目指す必要性を感じている。また、人材育成に関しては、就職という現実問題を考慮
したとき、技術教育に偏ってしまうのは否めない。(中越)
「国際協力」の世界的潮流については、認識の欠如を認めざるを得ない。(藤原)
・ G-COE の活動を通して、継続性を持たせるため、広島に「環境学位」を実現させるべ
き。その学位レベルで専門の基本を学んだ後、研究者もしくは実務者(マネージメン
ト)としてのそれぞれの進路に応じて、そのあと、環境学修士の学位取得のシステム
を作ってはどうか。そのようなシステム作りには、研究所・私企業との連携も可能な
のでは。(城石)
・ 新しい研究も大切だが、過去の経験も非常に重要である。日本の経験に加えて、国連
でも過去の援助経験等の資料はまとめられていない。体系的に過去の経験に学ぶシス
テムとデータベースをパッケージ化してほしい。それを広島における環境学修士教育
のユニークな一部にできるのではないか。(城石)
・ G-COE での活動は、これまで以上に一般及びメディアに発信すべき。広島で国際協力
を行う意義として、広島モデルの構築を検討してはどうか。(大崎)
中央政府とのタイアップに加えて、地方(広島県、広島市)とのタイアップを検討す
べき。学生が日本の省庁で学ぶ機会を与え、日本の政策を知ることも重要。(城石)
環境といえば、北九州市がイメージされる。広島もそういったイメージが必要。(高
瀬)
広島は、
「平和」のイメージが強い。IDEC の3本柱を「環境」、
「教育」
、
「平和」の順
に段階となっていると考えれば、平和への活動の一環として環境問題に取り組んでい
ると考えられる。(藤原)
・ 3本柱の優先度、またその繋がりが分かりにくい。COE では環境のインパクトの解明
をもっとおこなってもよいのでは。環境問題の究極的課題はひとつは人間の保健に関
するネガティブインパクトをコントロールすることであり、よく使われるログフレイ
ムの頂点のインパクト(保健)の部分がよく見えない。それがないと、プロジェクトの
目的が達しえたか、結論できないのではないか。インパクト、リスク分析等は、医学
の専門家でなくともシミュレーション可能である。ヘルスエコノミストがいれば、経
済的なインパクトを明らかにすることも可能である。また、社会開発セクター開発の
中心課題といえるのが、社会の安全(平和)、環境、教育、保健と考えられるが、その
最初の3つは広島でやられている。しかし、それらに深く関連している保健はあまり
取り上げられていないように思われる。保健部門にもう少し力を入れ、完全なパッケ
ージにすれば、人間の安全保障の概念に合致し、外務省に対するアピールとなり得る。
また、それら4分野の関連と総合性をさらに明確にし、ひとつのパッケージにすれば、
広島が社会セクター開発および人間の安全保障に関する総合的研究教育をする大学
院といえるようになるのではないか。それはこれまでの広島の実績に加え、
COMPARATIVE
ADVANTAGE として国内でも国際的にもアピールするのではない
か。(城石)
保健の重要性は認識している。環境の影響として保健を位置づけるつもりである。
(藤
原)
・ 環境に関する保健の観点から水問題は特に重要である。 世界的に安全な飲料水の確
保と衛生の問題はたいへん大きな動きとなっており、これからより多くの人材が必要
とされると思われるし、広島でもさらにプライオリティーの高い分野になるのではな
いか。
(城石)
【総括コメント】
・ これまで蓄積した成果を広く外に発信して欲しい。(大崎)
・ 良い評価を得るよう努力して欲しい。G-COE を超えた先を見据えた目標をもってプロ
ジェクトを進めて欲しい。また、ぜひいろいろな観点から見て、重要な保健領域を総
合的な観点から取り込んでいって欲しい。(城石)
・ 国際機関への人材育成が弱いと指摘したが、専門家の人材育成を目指すならそれに特
化するべき。国際的ないかなる場面、場所で通用する人材を育てて欲しい。(高瀬)
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