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ー参 考 資 料

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ー参 考 資 料
ー参 考 資 料-
31
参考資料1
現地ヒアリング調査結果
■ヒアリング先一覧■
ヒアリング先
分類
1
CENECA
主催者
2
COMEXPOSIUM(フランス食品・農業・漁業省)
主催者
3
COMEXPOSIUM
運営事業者
4
Les Chambres d'Agriculture
運営支援
5
CERVIA
運営支援
6
INTER FLORA
パートナー
7
Groupama
パートナー
8
RTL
パートナー
9
Centre d’Etudes et de Documentation du Sucre(CEDUS)
出展者
10
INAPORC
出展者
11
INTERBEV
出展者
12
Grand Marnier
出展者
13
Agro Paris Tech
出展者・運営支援
14
L’Humanite
出展者・メディア
15
日本貿易振興機構 ジェトロパリセンター
出展者
16
OTODOKE S.A.R.L
出展者
17
JFC France SARL
出展者
18
Dominique Bouchet
バイヤー
19
Le Comptoir
バイヤー
20
Da Rosa
バイヤー
21
L’Auberge Café
バイヤー
22
La Barrique
バイヤー
23
Chartiers
バイヤー
24
LE FIGARO
メディア
25
Europe1
メディア
26
Sens Groumet
食品関係事業者
27
Francois Lavergne
食品業界関係者
28
Flora MIKULA
飲食業界関係者
29
一般消費者グループインタビュー(1)
:5 名
一般消費者
30
一般消費者グループインタビュー(2)
:6 名
一般消費者
32
ヒアリング概要
主催者
ヒアリング先
CENECA
ヒアリング対象
日時
President du CENECA
平成 23 年 10 月 19 日(水)
Jean-Luc Poulain 氏
9:00~10:00
※SIA 運営会社である COMEXPOSIUM Directeur du Salon Exbition Manager
Juana MORENO 氏が同席し、
2 者が共同でヒアリングに対応した。
1.団体の概要について
・CENECA は、SIA の開催を目的としてフランス国内の各種農業関係協会、団体を取り
まとめる組織として 1963 年に設立された。営利組織ではなく、フランスの農業を象徴
する組織として位置づけられている。CENECA の代表者は構成員による投票で行われ、
現在はビーツを栽培する農業従事者が務めている。代表者と事務員(1 名)の 2 名体制
である。
・CENECA は、フランスの農業の普及・PR を事業の目的としている団体であるが、現
在の活動は Salon International de l'Agriculture (SIA)と Salon du Cheval を主催
するのみである。
2.SIA の歴史
・フランスでは約 120 年前に農業コンクールがスタートした。フランスは世界的に見て
も食文化(肉・チーズ・野菜等)を重視している国であり、コンクールは、食に関す
る各分野の価値を高めることを目的として開催された。農業コンクールが約 70 年続い
た後、約 40 年前にコンクールに合わせて見本市が併催されるようになった。SIA の運
営は、1992 年まで CENECA が単独で運営していたが、その後 COMEXPOSIUM に
委託している。現在の SIA は CENECA が主催者で、COMEXPOSIUM が運営を行っ
ている。SIA のロゴ、シンボルマーク等の商標登録は CENECA が行っている。SIA の
原点である農業コンクールは、現在も CENECA と国の共催である。
3.SIA の概要
・戦後直後、フランスの人口に占める農業従事者の割合は 40%であったが、現在では 4
〜5%に落ち込んでいる。フランスは元々農業国家であったことから、SIA に来場する
パリ市民をはじめとするフランス人は、自分たちの原点を見出しに来るという意味合
いもある。SIA はフランス農業に関する PR する重要なツールとしての意味を持つ。
・フランスの人口は約 6000 万人で、SIA の入場者は約 60 万人であることから、単純に
計算するとフランス人の 100 人に 1 人が SIA に来場する計算になる。
33
・生産者(家畜・農産物を展示するという立場)の他にも、農業に関係する大手食品・
流通企業、農業に関わる保険会社・育成学校・研究機関もブースを出展している。そ
れぞれの出展者が農業との関係性を伝えることで、消費者とコミュニケーションをと
っている。
・SIA はメディアからも非常に大きな注目を受け、メディアでの露出が高いため、政治
家の関心も高い。
4.今後の課題・展開
・SIA のメディア露出度が非常に高いこともあり、SIA の開催が近くなると地下鉄には農
業を批判するキャンペーン広告が掲載されたり、開催直前には農業を批判する書籍が発
行されることもある。
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ヒアリング概要
主催者
ヒアリング先
COMEXPOSIUM(フランス食品・農業・漁業省)
ヒアリング対象
日時
Wilfrid FOUSSE 氏
平成 23 年 10 月 25 日(火)
15:00~16:00
1.Wilfrid FOUSSE 経歴について
・フランス食品・農業・漁業省の前は外務省に所属していた。フランス食品・農業・漁
業省に移ってからは、フランスの南西部の業務を担当し、現在は、SIA のコンクール
のコミッショナーとして COMEXPOSIUM に出向している。
2.SIA におけるフランス食品・農業・漁業省の位置づけ
・SIA は、農業を一般の人に PR することが開催の大きな目的であることから、一般消費
者を対象とした見本市である。
・フランス食品・農業・漁業省として SIA に関わっている部分は、SIA で開催される農
業コンクールのみである。農業コンクールの費用の一部として、年間 64 万€(2011 年)
の補助金を出している。
・フランス食品・農業・漁業省内には展示会の担当者がおり、その担当が展示会の一つ
として SIA を見ている程度で、フランス食品・農業・漁業省の中には SIA だけの担当
者はいない。
・SIA の影響は多岐にわたる。SIA の開催により、農業のイメージが普段よりポジティ
ブに伝えられる(普段は、農業従事者の問題点が話されていることが多い)。また、SIA
は、農業従事者と一般消費者との出会いの場とであるとともに、農業従事者が政治家
に農業の問題点を直接伝えることができる機会でもある。
・農業コンクールで賞を取った商品や動物は高額で取引される例が多く、具体的な数値
は示すことが難しいが、経済的な効果も一部にはあると考えられる。
3.SIA におけるコンクールの位置づけ
・コンクールは SIA において非常に重要な役割を果たしている。コンクールが SIA で開
催されるため生きた動物たちが展示される。コンクールは SIA の重要なアトラクショ
ンの 1 つであり、コンクールの成功が SIA 全体の成功につながる。
・1871 年に生きた動物を集めた農業コンクールがパリで開催された。第二次世界大戦前
後の頃にフランス食品・農業・漁業省が設置され、コンクールはフランス食品・農業・
漁業省が主催するようになった。1964 年からコンクールに加えて、農業に関する見本
市を開催するようになった。
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4.コンクールの主催・運営
・コンクールは、当初、フランス食品・農業・漁業省が主催・運営を行っていたが、1970
年代頃からコンクールの運営を CENECA に委託している。その頃からコンクールの主
催は、CENECA とフランス食品・農業・漁業省となり、民間と行政の両方が関わるよ
うになった。現在は CENECA がコンクールの運営を COMEXPOSIUM に委託してい
る。国はコンクールの公平性を担保する役割を担っている。
・コンクールでは動物、製品などに賞が与えられる。コンクールで賞を取ることは生産
者にとって非常に名誉なことである。賞を受賞すると、受賞した年のシールが与えら
れ、製品に張り付けて販売することができる。製品部門の審査員の構成は、プロと消
費者が半分ずつである。
・SIA で展示されるほとんどの動物はコンクールに出展されるが、一部コンクールに出
展されない動物もいる。2010 年にはベルギーからコンクールに参加しない牛の展示も
あった。
・フランスでは、牛・羊などの大きな動物には全て番号を付けて管理することが法律で
定められている。例えば乳牛の場合は年間の搾乳量などのデータがすべて管理されて
いる。コンクール出展に向けた最初の審査はコンピューター上のデータで行われ、そ
こで選ばれた動物を専門家が実際に見ることになっている。その後、フランス食品・
農業・漁業省から派遣された人が審査を行い、最終的に選定された動物がパリで開催
される最終選考に参加する。動物の情報は、各地方の専門家が農家を実際に訪問して、
コンピューターに登録する。
・コンクールの出展には農家の負担も一部あるため、地方で選ばれた動物の飼い主にパ
リの最終選考への参加有無をヒアリングし、参加を了承した人が SIA に訪れる。コン
クールの参加者には、フランス食品・農業・漁業省からの補助金が出され、各参加者
は出展動物の移送費や旅費に当てている。
・製品と若手人材のコンクール部門は、参加希望者がそれぞれ申請を行い、登録料を
COMEXPOSIUM に支払う。予選は、地方へ審査員(専門家)が実際に訪れ、サンプ
ル審査を行う。ワインの場合、6 本が審査用に提出され、中味を分析しと補完用に 1 本
ずつ使用され、2 本は地方でのテイスティングに使用される。残り 2 本がパリの最終選
考で使用される。毎年 9 月頃に参加者の募集を開始し、予選を経て、本選が 2 月の SIA
で開催される。
5.SIA における家畜の衛生管理について
・家畜は、獣医が交付する衛生証明書が必要である。獣医により、家畜が病気ではない
こと、予防接種を受けていることを証明することが義務付けられている。その証明書
が無い家畜は、SIA で展示することはできない。フランス以外の家畜を展示する場合
も必ず出生・衛生証明書等の提示を求めている。この証明書により、伝染病などを防
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ぐことができる。
・SIA の会場は、最初と最後に清掃され、家畜の敷わらは、期間中毎日交換を行ってい
る。その他、牛を展示する場所には開催中絨毯を敷いておき、展示終了後にはその絨
毯を廃棄するなどの対応も行っている。
・家畜は種類ごとに展示エリアが分かれており、コンクール会場(リング)も、それぞ
れの展示エリア内に専用の会場が設けられている。
6.SIA における公衆衛生について
・動物展示と食品販売のパビリオンは分かれており、家畜の展示エリア内での食品販売、
レストランの出展は全て禁止されている。家畜の展示エリア内では運営責任者が特別
許可を取得した場合のみ、無料(有料提供は不可)の試食だけ提供可能である。衛生
問題に関しては、フランスの規則に従っている。
・会場内のレストランで火気を使用する場合は、火気使用場所での換気扇の設置など、
フランスの火気使用規則に従う。火を使用したい出展者は、事前に使用したい機械の
種類、防火装置、設置場所などを申請し、主催者が許可した場合に運営事業者の管理
の下で使用している。
・特産品の販売ブースでパックされていない商品は、基本的に冷蔵庫で保管し、当日に
売れ残った商品を翌日に販売することを禁止している。また、必ず流し台を設けるこ
とが必要である。
7.動物愛護について
・動物愛護団体から、家畜の展示場所が狭いなど、クレームが出ることが稀にあるが、
動物愛護団体からの大きな抗議はない。
・家畜を展示するにあたり、人間から離れたところに置くようになったが、特別な壁を
設けているわけではないため、来場者が動物に触れることも可能な距離にはある。し
かし、動物の精神的負担の軽減と事故を防ぐため、動物には触らせないようになった。
8.SIA 開催に向けたアドバイス
・日本で SIA のような見本市をするためのアドバイスとして、来場者数を増やすために
美しい動物を集めることと、また生産者がその見本市に興味を持つことである。さら
にトラクター等の農業用の機械も一般の消費者を惹きつける上では重要である。農業
従事者が興味を持つのは、動物と農業機器などである。
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ヒアリング概要
運営事業者
ヒアリング先
COMEXPOSIUM
ヒアリング対象
日時
平成 23 年 10 月 19 日(水)
10:00~11:00(CENECA 共同)
Directeur du Salon Exbition Manager
Juana MORENO 氏
平成 23 年 10 月 20 日(木)
15:00~17:00
平成 23 年 10 月 27 日(木)
9:00~10:30
1.企業概要について
・パリ商工会議所に属していた COMEXPO PARIS と EXPOSIUM が 2009 年に合併し、
2010 年 8 月に設立した。SIA の他に年間約 200 本の見本市を運営している。当初、SIA
の 運 営 は CENECA よ り COMEXPO PARIS が 運 営 権 利 を 取 得 し て い た が 、
EXPOSIUM との合併により、COMEXPOSIUM へ SIA の運営権利も移行され、2010
年から同社が SIA の運営を行っている。
・SIA 全体の運営事業者として CENECA と連携して運営を行っている。フランス食品・
農業・漁業省からも出向者を受け入れ、SIA で開催されるコンクールの運営も行って
いる。
2.SIA の概要
①SIA の構成
・SIA は、大きく下記から構成されている。
1)生きた動物の展示(コンクールへの出展動物を含む)生きた動物の展示は 2 つのパ
ビリオンがある(第 1・第 4 パビリオン)
。
コンクールへの出展動物を含む牛、輓馬、ポニー、驢馬、ヤギ、羊、兎、家禽、
豚、犬、その他のペット動物の全 360 種類の動物が展示される。農業コンクールの
動物部門の最終選考が SIA の会場で実施されるため、トップレベルの家畜を一同に
見ることができる(2011 年には 1,855 頭の動物、1450 人の家畜飼育者が農業コンク
ールファイナルに参加)
。
2)フランス国内と外国の食品物産展
フランスの全てのエリア(本土、海外県)、及び海外から 34 カ国が参加し物産の
試食や販売を実施する。
3)園芸と植物部門
「自然の中の美と流行」
「自然の中の家、設備、装飾」など、農村の自然と共に
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楽しく生活するための紹介や、庭の新しい楽しみ方や菜園づくりのアイデアを紹
介する展示と催しを開催する。
4)農業に関するサービス、職業の紹介
フランス食品・農業・漁業省、農協団体、生産者組合などの農業分野の関係者
が農業(林業も含む)に関する新しい研究・開発、雇用と研修そしてサービスな
どを紹介する。
・SIA では、会議・会見等の調整は行っていない。ただし CENECA と協力して政治家の
訪問プログラムの調整を行っている。
・SIA は 1964 年から開催されているが、毎年イベントのテーマを決めている。2011 年
は、選挙の年に向けてタイムリーな話題であったため「トレーニングと就業」がテー
マとなっていた。SIA のテーマは、その時期に話題になっていることが取り上げられ
ることが多いが、環境についてのテーマは農業の見本市には合わないために取り上げ
ることはない。テーマはあくまでも SIA 全体のテーマで、開催期間中に特別なプログ
ラムは用意していない。出展企業がブースの展示に取り入れるかも自由である。テー
マは、プレス会見やコマーシャルで使用されることが多く、毎年 1 月に CENECA とフ
ランス食品・農業・漁業大臣がプレス会見をする時に、毎年のテーマを発表する。
②コンクールについて
・SIA の特徴として毎年 4000 頭の生きた動物が展示されるが、その内のほとんどの動物
が農業コンクールに出場する動物である。動物は各所有者が責任を持って連れてくる
ことになっており、所有者は SIA 開催期間中に動物たちと一緒に寝泊まりをすること
もある。農業コンクールでは 7 種類の動物に対して賞が与えられる(牛・馬・豚・山
羊・羊・犬・ロバ)
。犬は、食用ではないが農場生活の中の羊飼い犬としての役割があ
る。7 種類以外に、見本市にはウサギ類も出展される。
・生きた動物の展示が、SIA の成功の鍵の 1 つと言える。開催前・期間中・開催後も含
めて獣医が 24 時間体制で待機している。搾乳用のスペースもあり、期間中毎日約 4 万
ℓの牛乳を搾乳している。動物にとって快適な生活への配慮も重要である。
・コンクールは、約 120 年の歴史を持ち、動物・ワイン・農産物などの部門から構成さ
れる。コンクールが始まった当時は動物部門だけであったが、約 50 年前にワイン、農
産物などが加わったとされている。コンクールの最終選考に、農業に関する展示会を
加えた形で SIA という枠組みが出来上がった。SIA の開催期間中(9 日間)
、毎日授賞
式がある。賞は金・銀・銅があり、受賞者のリストはサイトで公開している。
・動物の部門は、金・銀・銅の賞が必ず 1 頭ずつ選出されるが、農産物(ワイン等)は
賞の価値を維持するために、年によって金・銀・銅賞に該当しないものや金賞が 2 つ
以上になる例もある。ワインの審査を例にすると、醸造家・生産者・研究者・ワイン
愛好者等が参加して、ブラインドテイスティングを実施して評価を行う。
39
③展示について
・現在、約 1100 の企業・団体が出展しており、毎年少しずつ増加している。生産者・大
手食品企業・各種農業組合の他に農業銀行・農業共済組合等の参加もある。フランス
食品・農業・漁業省もブースを出展している。
・食に関わる大手企業は、主にパビリオン 1 に出展しており、フランスの農業との関係
性を PR することを目的として出展している。例えば「ダノン」は、会場で物販は行っ
ていないが乳製品事業の PR を行っている。
「マクドナルド」は、畜農家と接点を持つ
ために出展している。ブースは、パブリックリレーションの意味を持つもので、企業
のイメージの向上が中心である。マクドナルドはフランスの農業業界からジャンクフ
ード扱いを受けて評価が低いが、牛肉の大部分を購入する優良顧客として、質の高い
食を提供しているというイメージを発信している。
・SIA では、それぞれの企業 PR だけではなく、農業や食の全体を来場者に見てもらうこ
とも目的となっている。例えば肉の販売業者が出展するだけでなく生産者も出展する
ことによって、食品の川上から川下まで(生産から消費まで)を SIA で紹介すること
ができる。
・フランスの加工食品の展示が、SIA で展示される全食品の半分を占めている。SIA に
フランス全体の展示ブースを出すのは、フランス全体をまとめるという意味もある。
フランスの海外県も 1 つの地方として参加している。
・世界の物産のパビリオンは、毎年約 30 カ国が出展し、それぞれの国の食品のプロモー
ションを行っている。日本も毎年参加しているが、ここでは日本の食品だけではなく
日本の食習慣・食文化を紹介している。2 年前は、鏡割りの儀式で日本の習慣を紹介す
る機会もあった。ブラジルは国としてのブースはないが、ブラジル料理のレストラン
として SIA に参加している。それらを含めると毎年約 30 カ国が世界の物産のパビリオ
ンに出展している。
3.SIA における官民連携
・ SIA に 国 は 直 接 関 与 し て い な い 。 SIA 全 体 の 主 催 は CENECA で 、 運 営 を
COMEXPOSIUM に委託している。1992 年までは CENECA が単独で SIA の運営を
行っていた。
・農業コンクールは、CENECA と国の共催で、実際の運営は COMEXPOSIUM が行っ
ている。フランス食品・農業・漁業省からコンクールのコミッショナーとしてエンジ
ニア 1 人を COMEXPOSIUM に派遣している。
4.SIA の実績
・SIA は、フランスの農業国としてのイメージアップに貢献している。SIA 自体は農業
40
に関する情報を発信する場であって、一般の消費者への教育的効果や農業従事者の意
識改革などは想定していない。しかし、動物を見たり、動物に触れることによって結
果として派生的に教育効果などが出ている。
・コンクールの受賞商品は、数値的な把握はできていないが輸出においても効果が高い
と言われている。
・SIA が継続できる要因は、フランスが農業国であるということが大きな要因である。2
年までは SIA 開催の収支は赤字であったが、公的に有益な見本市であることから、SIA
の運営を継続している。
・フランス人にとって人生に 1 回行くべき見本市があるとすれば、SIA であると言われ
ているほど、SIA の位置づけは高い。
①来場者に関するデータ(2011 年開催)
・来場者は 678,732 名で、フランス人口の 100 人に 1 人が来場していることになる。SIA
は、一般消費者が家族を連れて来場する場合や農業従事者が子どもを連れて同業者に
会いに来るパターンが多い。全来場者のうち 109,137 名が農業、流通業などの関係者
(プロと呼ばれる人)である。海外からの来場者は 7,514 名である。
・フランスは農業国で、昔は大半が農業従事者であった。SIA には自分たちの原点を見
つけにいくというような感覚がある。先祖・故郷・家族に会いに行くという感覚に近
いものである。
・来場者のうち半分ぐらいは、地方からの来場者であるため、大型バス・自家用車用の
駐車場の確保、公共交通機関等の利用者向けに交通機関の案内等の充実が必要である
と認識している。
・一般来場者全体のうち 59%が男性、41%が女性で、平均年齢は 44 歳となっている。
主な来場目的は、娯楽 47%、動物を見る 82%、農産品を見る 60%となっている。デ
ータを見ても動物の展示と農産品の購入が大きな目的となっている。
・プロの来場者は、同業者に会うこと、コンクールへの出場が主な目的である。
・出費の平均は 79€/人である。2011 年は一般来場者のうち 40%が初来場で、SIA の認
知媒体はメディア・広告・クチコミとなっている。
・一般来場者のうち 83%の来場者がパビリオン 1(動物の展示されているパビリオン)
に訪問しており、79%はフランス全土(本土、海外県)の物産のパビリオンを訪問し
ている。56%が期間中 1 日のみの訪問である。
・一般来場者に帰宅時に対面でヒアリングをすると、満足と回答した人が 97%、来年も
来たいと回答した人が 75%、会場へのアクセスに満足と回答した人が 83%となってい
る。その他、各ブースでの受け入れがよかったと回答した人が 95%、ブースの質に満
足したと回答した人が 97%、SIA 全体の雰囲気がよかったと回答した人は 94%であ
る。
41
・一般来場者の 43%が家族で来場しており、その内 52%が子ども連れで、34%は子ども
に農業を知ってもらうために来場している。
・子供と来場する一般来場者で、7 歳未満の子供を連れてくる来場者は 37%、7~11 歳
の子供を連れてくる来場者は 21%である。SIA では、子供の年齢に応じた訪問コース
を提案している。子供が迷子になった際に連絡できるよう連絡先等を記載できるブレ
スレットも用意して子供に提供している。
・CEDUS が主催している綿あめ作りのイベントは人気で、期間中約 3 万 4 千本の綿あ
めが作られる。果実・野菜を紹介しているブースも人気が高い。子供達に果実・野菜
のおいしさを理解してもらうようにしている。多くのブースで、子供の教育を念頭に
おいたデモンストレーションが行われている。
・SIA には多くの学校が団体で来場している。フランスでは、冬休み期間が 3 つのゾー
ンに分かれており、パリが休みの期間に合わせて SIA が行われているので、休みと重
ならないゾーンの学校(地方)は団体で来場する。
②出展者に関するデータ(2011 年開催)
・出展者は 1142 社となっており、75%が出展に満足していると答えている(前年比 1 ポ
イント増)
。
・来場者の数に満足と回答した出展者が 85%、来場者の反応に満足と回答した出展者が
72%となっている。
・主催者とのコンタクトに満足と回答した出展者が 81%で、ブース設営・解体などに満
足と回答した出展者が 77%、会場サインに満足したと回答した出展者が 68%となって
いる。会場のサインは昨年度よりもシンプルにしたところ満足度が 63%から 68%にあ
がった。
・パビリオン 1・4 に出展する畜産農家も、パリに来るのはバカンスのようなもので楽し
みにしている。毎年約 300 ブースで生きた動物の展示が行われる。
・出展者の 38%(地方の小規模事業者が中心)は、1〜3 ヶ月の収入に相当する売り上げ
があると答えている。ブルターニュ(最も重要な農業地域)
・アキテーヌ(ボルドーを
含む地域でワイン産業が中心で経済的に豊かな地域)の売り上げは高い。
・地方パビリオンの多くの出展者は、地方・県から支援を受けているが、その割合や補
助の対象は様々である。
5.SIA の資金
①SIA の収支状況
・SIA 全体の売り上げは 1800 万€で、収入構成は、22%が入場料、10% コンクールで賞
をもらった商品販売手数料、68%がブース、パートナー企業、広告からなる。支出は 1300
万€で、そのうち会場のレンタルが 400 万€となっている。売上総利益は 35%で、営業
42
利益は 370 万€となっている。1 ㎡あたりの売り上げは約 200€/m²となっている。SIA
運営に関して赤字が出た場合には、COMEXPOSIUM が負担することになっている。
・農業コンクールの開催にあたり、国から CENECA に 64 万€が補助され、CENECA か
ら、
コンクールの運営費用として COMEXPOSIUM に支払らわれる。
COMEXPOSIUM
が 64 万€の補助金のうち 25 万€をコンクール参加者への補助にあて、残りをコンクー
ルの運営費用としている。
・ブースとして参加する場合には出展料を払うが、畜産のコンクール対象者は招待され
るので、出展料は払わない。参加者は国から補助金を受けとることができる。
②運営資金を調達する上での課題
・事業として収支が黒字化したのは最近 2 年である。赤字解消のために経費削減ではな
く収入を増やすことに努力してきた。2 年前から来場者が増えており、運営費用は安定
してきている。ただし、出展料から得られる売り上げは、他の見本市と比較すると非
常に少ない。
・一般前売り券は、普通料金・子供料金・団体料金・障害者料金を設定している。金額
は当日券と同じである。出展者が顧客を招待したいときは、出展者が COMEXPOSIUM
より招待用の入場券を購入する(6€)
。出展者が購入する入場券の比率は、入場券販売
全体の 15%位である。前売り券の販売は 12 月(3 カ月前)に開始する。
・SIA の入場券販売のうち前売り券と当日券が半分すつなので、SIA が終了するまで入
場料収入の見込が立たない。入場料は CENECA との協議で決めており、2 年間は変わ
っていない。
6.SIA の運営
①会場について
・SIA の会場設営は開催日の 5 日前から開始する。会場のセキュリティは、通常の展示
会場内の体制で行っており、SIA のための特別な措置はとっていない。
・SIA は保健所の厳重な監視のもとで開催されており、出展者はフランスの健康安全法
にもとづく衛生規則が遵守することが求められる。衛生面における事故は過去に発生
していない。事故を起こさないためには、出展される商品の質が高いことも重要であ
ると認識している。
・動物の精神的な負担を軽減するため、2 年前から人間から離れたところに動物を展示す
るようになった。その他に獣医が 24 時間待機している。
・乳牛用の搾乳場所を設け、搾乳器も用意されている。SIA 開催期間中に約 4 万ℓ搾乳さ
れる。
・会場で出る糞尿などの汚物は 1 日 2 回(朝と夜)出展者が集め、会場で集めたものを
毎日パリ市内の処理場に運んでいる。
43
・動物の所有者もホテルではなく、会場で動物と一緒に寝泊まりするため、動物だけで
はなく彼らの寝床・食事をする場所も確保している。
・農業高校の学生など約 300 人が、生きた動物の設営の時の支援を行う。
②出展企業・団体の募集・管理
・SIA への出店条件は何等かの形で農業に関わっていることである。その他に、動物は
家畜として登録されていることである。
・出展者の募集期間は約 9 カ月間設けているが、会場が一杯になった時点で締め切る。
締め切り時期は設定しておらず、ブースに空きがある限り開催当日まで申し込みを受
け付けている。
・出展者の募集は、COMEXPOSIUM の担当者(6 人)が、地方などを回って営業を行
っている。出展者の確保が最も難しく、海外からの出展者確保は特に難しい。
・SIA への出展のメリットとして PR と直売ができること等を説明しているが、地方の小
規模事業者は SIA の出展にかかる費用と 9 日間地元で営業ができないということが課
題のようである。
・動物の移動には、車をリースして来ることが多いようで、コンクールに出展する動物
の場合は、国から補助が支払われる。
③SIA への集客(一般来場者)
・毎年の集客予測は、特に行っていない。
・SIA に類似した見本市はドイツのベルリンで開催される「ベルリン国際見本市」で、
SIA は生きた動物が展示される珍しい見本市である。畜産農家が参加することよって、
フランスにおける多様な家畜を見学できることが、SIA の成功の鍵を握っている。
・広報は WEB サイトが効果的である。プロモーション費用の割合はテレビ、ラジオ、
紙媒体がそれぞれ 3 分の 1 ぐらいである(広報媒体予算例:国営フランステレビに 35
万€、ポスターに 50 万€)
。
④SIA への集客(バイヤー)
・SIA では公式的なビジネスマッチングの機会は設けていないため、バイヤーに対する
PR は行っていない。SIA は農業の全部門を網羅しているため、出展者全体を網羅する
バイヤーを招聘することは困難である。
・ビジネスマッチングの見本市は SIAL が開催されるため、SIAL と SIA でターゲット別
の棲み分けを図っている。SIAL は、大手のメーカーが大手の流通に商品を売込むため
の見本市で、SIA は零細企業が出展する見本市である。
・SIA ではブースごとにシェフ向けの日といったバイヤーを対象としていることもある
ようだが、運営者としては特に関与はしていない。
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⑤SIA への集客(メディア)
・メディアの SIA に対する注目度は高い。毎年、本物の牛(キャラクターではなく)を
マスコットとして起用している。マスコットとなった牛は、毎年 SIA で注目されるの
で、政治家も最初に見学に訪れる。
7.今後の課題・展開
・今後、強化していきたい出展分野はインターナショナルの部分である。特にフランス
に商品の輸出を考えている国には積極的に SIA に出展してほしいと考えている。
45
ヒアリング概要
運営支援
ヒアリング先
Les Chambres d'Agriculture
ヒアリング対象
日時
Anne BENNTATO 氏
平成 23 年 10 月 21 日(金)
16:30~18:00
1.団体概要について
・フランスの各地方にある農業会議所の全国連合(各県、地方など 116 の団体の構成)
として、1924 年に設立された。ビジネスサポートや環境問題に対する研究など農業問
題の解決や農業の発展に関わる業務を行っている。行政組織という形態をとっている
が、国の管轄ではない(職員は公務員ではない)
。
2.SIA との関わりについて
・SIA ではフランス国内の物産が出展される地方パビリオン全体を担当しており、各地
方の農業会議所(22 地方圏※海外圏を除く)と連携して、出展者の募集の対応を行っ
ている。海外県は COMEXPOSIUM が募集を行う。
・各地方の希望に応じて地方パビリオン会場(12000 ㎡)のブースわけを行う。各地方
のブースの中の出展者別の小間の割り振りは、各地方の農業会議所が行う。
・各地方のブースでは、イベント・実演・試食を通じて特産品の特徴や製造過程を説明
し、販売を行っている。その他に観光の紹介なども行われている。
・コンクールには、地方会議所経由で各商品のサンプルの収集等で関わっている。また、
審査員としの参加することもある。
・COMEXPOSIUM と SIA の運営におけるパートナー関係といえる。APCA(農業会議
所常設会議:地方の農業者、地主、生産者、農業関係団体の職員などを代表とし公的
な業務を行う組織)として SIA の運営をサポートするための予算がある。
3.SIA について
・来場者は、生きた動物を見ること、地方パビリオンで地方物産を試食・購入すること
が大きな目的となっている。
・SIA はメディア露出度が高い見本市であるため、数値では測れないが、経済効果はあ
ると推測される。特に企業が出展する場合はパリの一般消費者に対して販売するとい
うより、イメージを再確認してもらうことを目的している。
・SIA はメディア露出が高いことから、1度出展すると翌年も出展する傾向が多い(ピ
カルディ地方のように地方パビリオンでは出展せずに、別のパビリオンで行政機関と
してブースを出す地域もある。
)
。
46
4.SIA の運営
・地方パビリオンの収支は各地方によって管理されている。SIA に出展するための支援
の内容も、ブース全体に対する支援や個別の出展者への支援など地方ごとに異なる。
通常は各地方の議会の承認を経て、SIA の出展に関する予算が農業会議所に補助され、
必要なところに細分化されることが多い。
・地方の SIA 出展に関する予算の全体的な傾向は、横ばい、もしくは減少傾向にある。
各地方では誰が議員になるかで予算の増減が決まるため、景況からの影響は少ない。
地方の農業政策によっても支援の内容・対象は異なる(ブースでのイベントへの支援・
初回出展者・零細農家を対象とした支援等)
。
・SIA への出展料の捻出が難しい小規模な事業者は、共同でブースを借りることもある。
特に家族経営の農家などは 9 日間家を空けるのが難しいため、複数の農家が共同でブ
ースを借りる場合もある。
・出展者には製品の原産地、衛生管理、その製品の価値を明確にする(商品のプレゼン
テーションの仕方)ことといった、厳しい仕様書が課される。また、保健所の担当が
会場内を巡回し、衛生管理(石鹸・手袋は常備しておくなど)が遵守されているか確
認している。
・1 つの地方につき 1 つのレストランが出展され(平均 150 ㎡で出展のない地域もある)
、
来場者に各地方の料理が提供されている。レストランのメニューは地方の特産を提供
するという規定が定められている。
5.SIA 開催に向けた年間スケジュール(大枠)
6・7 月頃
出展の受付。農業会議所に出展資料が届く。
10 月頃まで 出展企業リクルートの要請、出展者には展示に関する仕様書の送付
11 月頃
全体の場所決定
地方県議会予算年度は 1~12 月
1・2 月
概算決議
6・7 月
内訳決定
9・10 月
補助金の決定
10 月
最終的な補助金額が決定
47
ヒアリング概要
運営支援
ヒアリング先
CERVIA
ヒアリング対象
日時
GERARD LE PUILL 氏
平成 23 年 10 月 24 日(金)
11:00~12:00
1.団体の概要について
・Ile de France 地域の企業や農業に関する支援、研究、マーケティングを行っている組
織である。具体的には、地域内の会社の農業に関する研究開発、支援、コンサルティ
ング業務、一般消費者に対する Ile de France 地域のプロモーションを実施している。
・1901 年に設立し、全体予算の 80%は Ile de France の地方自治体の予算でまかなわれ
ている。従業員は 10 人で、相談役として Ile de France の地方自治体の公務員もいる。
組織の会議には、Ile de France の地方自治体の代表者が参加する。
・他の地域にも CERVIA と同様な組織はあるが、地方自治体の傘下組織となっているが、
CERVIA は完全に独立した組織である。
2.SIA との関わり
・毎年、SIA 会場内で Ile de France 地域のブースを設置し、そのブースに参加する出展
者を募集している。6 ㎡未満のブースで参加する場合の出展料は無料とし、それ以上の
広さのブースを希望する場合は面積に応じての出展料をもらう。
・Ile de France 地域のブースは、約 300 ㎡であり、Ile de France 地域からは毎年約 30
社程度が出展している。50 社くらいの出展候補リストがあり、その中から出展者を募
集しているため、参加者募集のための特別なプロモーションは実施していない。
CERVIA から出展の案内を発送し、参加意向の確認している。
3.Ile de France 地域のブースの運営について
・参加者は非常に満足している。SIA の開催期間が長い(9 日間)ため、農業など 1 次産
業従事者より、加工業者等 2 次産業従事者の参加率が高い。出展料は支援しているが、
その他に出展者にとっては、開催期間中の滞在費も負担になっている。
4.その他
・他の見本市と比較すると SIA は、規模が最も大きく一般消費者が来場する点で魅力が
ある。毎年約 60 万人が来場するため、農業に関するプロモーションを行う絶好の機会
である。出展者にとっては、ビジネス拡大のチャンスでもある。
・大統領をはじめとする政治家も参加し、政治家にとっても重要な存在となっている。
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ヒアリング概要
パートナー
ヒアリング先
INTER FLORA
ヒアリング対象
Presidente
日時
JosiAne Coupry 氏
平成 23 年 10 月 28 日(金)
Derecteur Marketeing et Communikation
13:00~14:30
Eric Mollica 氏
1.企業の概要について
・1946 年に設立した民間企業である。本社はリオンで約 120 名の社員がいる。INTER
FLORA はフランチャイズではなく、花屋のネットワークとして、世界中にネットワー
クを持っている。フランス国内では約 5200 店舗の花屋が INTER FLORA に加盟して
いる。
加盟店で売れた INTER FLORA の商品から手数料をもらう仕組みとなっている。
・花を全世界に届けることが事業の中心で、IT システムを活用し、加盟する花屋と連携
している。フランス国内の注文は年間 170 万件で、発送先は国内外で半分ずつとなっ
ている。
・代表はフロアーリストで個人的にもフランス食品・農業・漁業省との関わりで SIA に
参加していた。その他の国内外の見本市に参加している。
2.SIA への参画について
・SIA との関わりは 6 年になり、COMEXPOSIUM からの依頼でパビリオン 2 の活性化
のため、会場で花を使ったイベントを開催するようになった。会場ではフラワーコン
クール、子供を対象とフラワーショーなどを開催する。
・SIA に自社のブースを出展しているが、パートナー企業として参画しているためブー
ス代は支払っていない。SIA の HP との相互リンクなども行っている。ブース代を免
除される代わりに自社の費用でイベントを開催して SIA の集客に貢献している。
・フラワーコンクールは INTER FLORA が主催するもので、22 年前から開催している。
2 年かけて地方大会、全国大会を開催している。SIA のパートナーとなってから、SIA
の会場で 2 年に 1 回全国大会を開催し、全国大会が開催されない年は SIA の会場でパ
リの地方大会を開催する。コンクールは 28 歳以下でフロアーリストの資格を持つ人で
あれば、誰でも無料で参加できる。
3.SIA へのパートナー企業・団体として参画した効果
・SIA は一般消費者の来場が多いので、全国的に店舗が広がっている INTER FLORA の
PR として貢献している。会場では店舗で見せることができない自社のフラワーアレン
ジメントのノウハウや技術を実演する良い機会となっている。
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・TV 広告、インターネットバナー広告など多様な広告を行っているが、SIA への参加も
広告戦略の一環である。SIA は大規模イベントなのでメディアの取材も多く TV への露
出効果、口コミ効果が期待できる。広告効果は統計的には不明であるが、知名度、イ
メージアップには貢献していると考えている。
4.パートナー企業・団体として SIA への評価
・SIA が成功しているのはフランスで長い歴史を持つ見本市であること、生きた動物が
展示されるため家族で来場できるイベントであることが大きな要因だと考えている。
フランスにおいて農業が重要な位置づけであることも重要な背景である。
・フランス人は SIA を大きな牧場として捉えており、動物の見学、食事、物産を購入し
て楽しんでいる。フランスの全ての階級の人が集まれる場所でもある。
・パートナー企業として SIA 自体には満足しており、特に不満な点はない。ただし、人
が多すぎることは否めない。INTER FLORA としても毎年、前年の出展の反省を生か
してより良いブースを出せるよう改善に努めている。例えば昨年は子供向けのイベン
トをブースの中で実施したが、子供はブースの中に入りづらかったようなので、今年
は子供向けのイベントを通路から見える場所で実施して、子供が入りやすい環境を作
るように改善したいと考えている。
・SIA には今後も参加していきたいと考えている。INTER FLORA のイベントは人気が
高いので、イベントが会場の奥で実施しされていても人が訪れるため、会場内の人の
回遊性の向上に貢献していると考えている。
・SIA へはパートナーとして出展することが前提で出展者としては参加する予定はない。
SIA でブースを出してもビジネスの拡大にはつながらないと考えているので、企業イ
メージの向上を考えればパートナーとして参画したほうがよい。
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ヒアリング概要
パートナー
ヒアリング先
Groupama
ヒアリング対象
日時
Stephane GIN 氏 Federic PISANI 氏
平成 23 年 10 月 27 日(木)
9:00~10:30
1.団体の概要について
・1840 年ごろから始まった農家の互助制度が母体となり、1900 年に政府の法律によって
全国に散在した互助組合が統合され、現在まで続いてきている。地方の互助組合を総
括する組織として機能している。
・農家の権益保護と互助を目的として、農家向けに火災による建物(畜舎含む)
、動物傷
害、自然災害による農作物、農作機械の被害に関する保険を取り扱っている。1995 年
から生命保険等、一般の保険商品も取り扱うようになった。
・農業関連の保険会社として最も規模が大きい。現在は、農業保険、個人保険(生命保
険等)
、海上保険等を取り扱っている。海上保険はフランスで 2 位の取り扱いである。
保険以外に金融、資産運用など、取り扱う分野が広がっている。事業の中心はヨーロ
ッパであるが、アジアではベトナムと中国に進出している。
・フランス国内で開催されるほとんどの農業関連見本市に協賛している。地方開催の見
本市は、支社が参加している。
2.SIA への参画について
・SIA の最初からパートナー企業として参加している。農家との関わりが長く、CENECA
の構成員でもあることからパートナー企業として参加するようになった。CENECA の
構成員として年 1 回、総会にも出席している。
・Groupama としては、顧客の 70%が農家であり、SIA に参加することによって顧客と
の交流を深める機会でもある。また、1995 年からは一般の人々も顧客として扱ってい
るため、来場者に対して企業を PR する機会となっている。
・SIA での主な活動としては、ブースを設置し、農家及び農業関係者との交流を行って
いる。また、銀行の ATM を設置している。ブース及び ATM の設置は有料である。
3.SIA へのパートナー企業・団体として参画した効果
・企業のイメージ向上の効果が大きい。出展に伴う諸費用はかかるが、未来への投資と
して考えている。また、一般の人々も顧客としているため、約 60 万人の来場者に対し
て絶好の PR 機会である。
・ブースは建築家に設計を依頼して制作し、5~6 年程度使用するが、毎年少しずつ変更
51
して出している。出展に伴い、来場者には記念品(エコバック等)を制作し、配布し
ている(30 万個程度)
。
・会場で迷子保護サービスも提供したが、予算がかかり過ぎで、現在は中止している。
4.パートナー企業・団体として SIA への評価
・SIA は、農業関係者や農家だけでなく、一般の人々も集まる場所である。技術者は新
しい技術を証明する場所でもある。様々な人々が目的を持って参加する見本市として
多様性があるため、成功していると考えられる。
・開催地がパリであることも成功要因である。伝統的に見本市の多くはパリで開催され、
地方で開催される他の見本市と性格が異なる。2 月の開催期間は農家の閑散期であり、
開催期間中に 2 回の週末が含まれることも子供連れの家族が参加しやすくなっている。
・運営側である Comexposium も見本市の開催経験が豊富で、スムーズな運営をしてい
る。
5.SIA とフランス農業政策との関係
・フランス食品・農業・漁業省もブースを出しており、来場者に対して農業に対する政
府の意思を示している。大統領をはじめ、多くの政治家が参加し、農業関係者とコミ
ュニケーションをとっている。以前は、開催期間中にフランス食品・農業・漁業省長
官のオフィスも会場内にあった。
・SIA の大きな特徴は、農業関連者と一般の人々の交流である。農業関係者が 1/3、一般
の人々が 2/3 のバランスがうまく維持されている。
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ヒアリング概要
パートナー
ヒアリング先
RTL
ヒアリング対象
日時
Anne LE HENAFF 氏
平成 23 年 10 月 28 日(金)
15:00~16:00
1.企業の概要について
・約 40 年前に設立し、経済、国際、音楽、スポーツ、ニュース、映画、健康、医療等、
多様な分野を取り扱っているラジオ放送局である。ドイツの「Bertelsmann」メディ
アグループの子会社である。100%民間の企業であり、広告収入で経営を維持している
(黒字経営)
。
・フランスでの視聴率はかなり高い。視聴者は、性別・年齢に関係なく上流のエリート
から労働者、家庭の主婦まで幅広いが、50 歳以上が多い。
・Anne LE HENAFF 氏は、 ニュースの中で、健康、医療、農業を担当している。
2.SIA への参画について
・SIA には約 20 年前から関わりがあり、2000 年から公式パートナー企業となっている。
Comexposium からの要請ではなく、自ら Comexposium にパートナーとしての参画を
要請した。その理由としては、①RTL の視聴者層と SIA の参加者層が一致している、
②広報効果が高い、③イメージ改善、等が挙げられる。
・RTL は農家の人々もよく聞いており、SIA に出展して農家へ PR することにより、農
業に関する取材にも役に立つ。
・2000 年から SIA の会場から生放送をしている。最初は小さいオフィスでマイク 2 個の
みの放送であったが、6 年前からスタジオのようなブースで生放送を行っている。大き
なスタジオで、ルポ、SIA ニュース、一般ニュースを放送している。1 時間程度の特別
番組として映画スター、歌手等を招待して生放送を行うと、来場者からの評価が高い。
・昨年は、SIA の開催期間中、65 件のルポを放送し、農業組合、フランス食品・農業・
漁業省長官のインタビュー、農業好きの有名人・芸能人をパネリストとした、生放送
を実施した。
・ニュースの素材としては、①農家の生活、②政府の農業政策や経緯、③SIA による教
育効果等を取り上げている。
3.SIA へのパートナー企業・団体として参画した効果
・対外的に「農業及び農家に興味を持っているラジオ放送局である」ということを認知
させることで取材の際にも色々と役に立つことが多い。例えば、フランス食品・農業・
53
漁業省への訪問や農家・農村の取材の際に、相手も非常に協力的になる。SIA への参
画を通じて信頼を構築することができたといえる。
・個人的には、SIA は動物や人との交流等によって勉強なるだけでなく、9 日間の生放送
を行うと同僚とのチームワークも向上すると考えている。
4.パートナー企業・団体として SIA への評価
・SIA は、フランスで最も大きい見本市として、様々な立場の人が楽しめるものである。
例えば、農業従事者にとっては、新しい農機具や技術の情報を入手する場であり、子
供・家族にとっては教育の一環として役立つなど、さまざまな効果がある。また、素
晴らしい動物が見られることやフランス全国の郷土料理を味わえることも魅力的であ
る。フランスの農業人口が減っている中で、農業の重要性について再認識するきっか
けとなる。
・SIA の出展では、特に問題はなく、主催側とのコミュニケーションもうまく行ってい
る。SIA 開催される限り、出展を継続する予定である。
・パリ市内で最も大きいイベント会場を使用しているが、来場者数を考えるともう少し
広いところが望ましいかもしれない。ただ、郊外になると、現在のように多くのパリ
市民が来場しないことも懸念される。
5.SIA とフランス農業政策との関係
・フランス政府の農業の見方を反映した見本市である。有機農業、穀物の栽培過程、小
規模の特化した農業等、さまざまなテーマが見える。
・農業従事者の収入が減少していることが大きな問題である。政府の政策の中で農業が
犠牲にされているように見えるところもある。農業従事者は国民から農業に対する高
い評価を求めている。
54
ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
Centre d’Etudes et de Documentation du Sucre (CEDUS)
ヒアリング対象
日時
Derecteur General Delegue Bertrand du CRAY 氏
平成 23 年 10 月 25 日(火)
16:00~17:30
1.団体の概要について
・1932 年に設立した組織である。フランスでは各業界の組合が組織されているが、砂糖
分野は業界の組合としては初期に設立している。フランスはビーツから生産する砂糖
では世界一の生産量を誇る(世界の砂糖の 80%はサトウキビから生産され、20%がビ
ーツから生産される。その 20%のうち 17%がフランスで生産されている。
)
・パティシエ(菓子業界)
、レストラン、ジャーナリストなどのプロと一般消費者に対し
て砂糖の消費を促すためのプロモーション活動を実施している。一般消費者向けの PR
の一環として SIA に出展している。
・CEDUS はビーツの農業組合(26,000 人の農家)、砂糖業者の組合(6 団体)
、レユニ
オン(海外県)のサトウキビ業者(2 社)が集まっている。運営費用は組織の構成員の
会費で賄われており、年間数約万€である。
2.SIA への出展について
・SIA には過去 14 回出展を行っており、2012 年の出展で 15 回目となる。
・CEDUS 自体はビジネス活動を行っていないので、業界を代表して一般消費者に対し砂
糖をプロモーションすることが目的である。SIA に来るプレス関係者にも積極的に PR
を行っている。
・SIA の 1 回あたりの出展経費は、ブースが 120 ㎡で約 2 万€、その他にパンフレットや
スタッフ費用で約 14 万€がかかる。SIA の中では集客が多いブースで開催期間中約 4
万 5 千人が訪れる。
・砂糖のプロモーションが中心なので、販売は行っていない。綿菓子を無料で配布して
おり開催期間中で約 3 万 2000 本が配布される。また、最近は映像によるプロモーショ
ンも行っており、開催期間中約 2 万 5 千人が映像を見ている。映像は 2 年ごとに変更
している。
3.SIA について
・開催時期、開催期間ともに良い時期である。CEDUS は年間 18~20 件ぐらいの国内外
の展示会に出展している。
・SIA は約 60 万人の集客を誇る大規模な見本市である。フランスの農業を世界に広める
55
という意味では重要な見本市である。
・CEDUS は情報発信が中心であるため、展示する内容は、全て一般消費者向けのもので
ある。
4.SIA の出展による効果
・出展による効果を数値として計ることはできないが、砂糖に対するイメージアップ
に繋がっている。一般消費者が砂糖に親しむ、近づく機会を提供していると考えてい
る。SIA への出展当初から砂糖のイメージ向上、情報発信を目的として出展しており、
毎年 200 件ぐらいの記事が書かれるため出展目的は達成していると考えられる。
5.国内・海外の見本市への出展について
・出展する見本市は農業関連だけではなく SIAL、ANUGA(ドイツ:ケルン)など年間
18~20 件になる。一般消費者向けの見本市に出展するのはフランス国内だけで、海外
で出展する場合は BtoB の見本市が中心となる。一般消費者は砂糖を購入するときに、
生産地をあまり気にしないので、海外の一般消費者が砂糖を購入するときにフランス
産を意識して購入することはあまり期待できない。
・見本市への出展を検討する際は、展示会の目的、来場者数、主催者に融通を利いても
らえるかが重要である。
・年間で出展する見本市のほとんどは招待か協賛で出展するものである。
6.今後の展開
・SIA に出展しなければ、構成員から会費を貰うことができないため、今後も SIA には
出展を続けていく予定である。
7.その他
1)Bertrand du CRAY 氏経歴
・CENECA から COMEXPOSIUM に移り、現在は CEDUS に在籍している。SIA には
37 年関わってきた。
2)SIA の歴史
・SIA の歴史は約 120 年前の動物のコンクールまで遡る。
・SIA 開催にあたり、フランス食品・農業・漁業省はイベント運営のノウハウがなかっ
たことから、フランス食品・農業・漁業省が中心となって 1963 年に CENECA を設立
した。CENECA は営利組織ではなく、農業に関わる協会、組合などをまとめる組織で、
フランスの農業を象徴するような組織である。代表は構成員による選挙で決まる。
・SIA が始まってしばらくは CENECA に 10~15 名の職員が在籍していため、SIA の運
56
営を行ってきたが、その後見本市運営のプロである COMEXPOSIUM に委託するよう
になった。現在、CENECA には職員が 2 名しかいないので、SIA と Salon du Cheval
を主催するのみで、COMEXPOSIUM が SIA を運営している。
3)SIA の概要
・CENECA が組織された頃は、フランスの人口における農業従事者の占める割合が高か
った(60 年代は約 200 万人→現在は約 40 万人)ため、SIA は農業従事者のために開
催されたものである。コンクールを中心として、お祭りをつけたイメージである。SIA
が開催された当時の来場者は半分以上が農業従事者であったため、農業器具などを紹
介するブースが多かった。1980 年ごろをターニングポイントとして、農業従事者が減
少し、一般消費者向けに農業を紹介する見本市となった。現在の SIA 開催の目的はフ
ランスの農業を一般消費者に見せる・紹介することであり、営利を目的とするもので
はない。
・SIA の開催時期は当初は農業従事者をターゲットとしていたため、農家の閑散期にあ
たる 2 月ごろに設定され、それは現在まで変わらない。また、動物が展示されること
も当初から変わらない。
・農業従事者に対する SIA の魅力は関係者との出会いの場と大統領をはじめとする政治
家が来ることである。
4)SIA における官民連携
・農業コンクールには現在も国の予算が入っている。SIA は開催当時から入場料、出展
料をとっており、SIA の運営費として賄われていた。1992 年からは SIA は独立採算と
なり COMEXPOSIUM が収支の管理を行っている。
5)SIA の出展者の基準
・SIA の目標はフランスの農業のイメージを高めることである。そのため、出展者は限
定しておらず農業と接点があればよい。
6)SIA の効果
・経済的な効果は数値的にはわからないが少ないと見ている。特定の効果を狙っている
のではなく農業に関する情報を発信するということを重視している。
7)SIA が継続できる要因
・毎年約 60 万人の入場者、約 15000 ㎡の会場面積という最大規模の見本市であることと
出展される動物の数(家畜)が多いことである。SIA 自体がフランスの農業を象徴す
るものである。
57
ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
INAPORC
ヒアリング対象
日時
Project Manager Rachel Riviere 氏
平成 23 年 10 月 25 日(火)
Chargee de Mission
16:00~17:30
Anna Le Moigne 氏
1.団体の概要について
・2003 年に設立した組織である。それまで豚に関する全国的な組織がなかったために設
立された。INAPORC の出展以前は、SIA に豚関係で出展する事業者(個人を含む)・
団体は 15 しかなかった。
・豚を一般消費者に向けてプロモーションすることを大きな目的としている。豚は、フ
ランス国内ではイメージのよいものではないため、養豚農家のイメージアップ、製品
PR、輸出促進、また外部団体と連携して育て方に関する技術、環境、加工などの研究
開発を行っている。
・組織は専任で 7 名いる。組織は、フランス全土にある豚関係の組合(養豚、加工、屠
畜、運送、小売の組合)が 10 団体集まって構成されている。運営予算は、豚の販売量
に応じて、INAPORC に入る仕組みになっている。屠畜事業者が販売量を管理してお
り、養豚農家から豚一頭を買い取ると 0.15€、豚肉を 1000kg 販売するごとに 4€が収
入となる。年間で約 800 万€の収入になる。輸出に関する販売は収入の対象外となって
いる。
2.SIA への出展について
・2003 年から毎年出展している。パビリオン 1 に 270 ㎡のブースを出展し、ゲーム感覚
で豚に関する知識を伝えられるようにしている。また、政治家、業界関係者と話しが
できるよう、プライベートサロンを設置している。
・一般消費者への PR を目的としており、豚に関わる職業のイメージアップ、豚関係の商
品の PR を行っている。また INAPORC として、政治家との接点を持つことも大きな
目的である。
・SIA は生きた動物を見学すること、特産品を食べることを目的とする来場者が多い。
子供に農業を説明している姿も見られる。
・SIA の出展にはブース、展示、スタッフ費用などで約 20 万€かかる。展示内容は 3 年
ごとに変えている。ブースのコンセプトを「豚肉に夢中」として、豚肉の試食、フラ
ンスの豚について理解してもらうためのアニメーション画像などを放映している。ブ
ースでは商品販売ではなく、全て無料提供である。
58
3.SIA について
・SIA の開催時期・開催期間には満足している。パリ市内の子供達のバカンスの時期に
合わせているため、多くの人が集まる。パリ市民が生きた動物を見る機会として重要
である。開催期間も週末が 2 回あるため、集客がよく PR 効果が高い。
・農業に関するプロ向けの小規模な見本市は他にもあるが、農業の全てを網羅し、一般
に開放しているものでは SIA は最大規模である。
・メディアの注目度も高く、メディアへの露出効果が高いため、多くの出展者の目的で
ある PR 効果へも寄与する。
・SIA 全体は一般的に見て上手く実施できている。ただし、以前の SIA は農業を楽しく
紹介するためのイベントであったが、最近は無料から有料になるものも多く、ブース
の出展料も毎年少しずつ上昇しているため、イベント自体の商業的な色合いが強くな
っている感じを受ける。
4.SIA の出展による効果
・2003 年からフランス全体の豚の消費量はほぼ横ばいで推移している。フランス国内で
は、環境問題の観点から養豚農家のイメージはあまりよくないので、そのイメージを
払拭する効果はある。
・一般消費者に対して豚に関するイメージ向上に寄与していると考えている。政治家と
直接会う機会があることも、組織として SIA への出展はよい投資と考えている。
・開催期間中に 1 日に 2~3 社の企業関係者の訪問がある。直接、商談などをする場では
ないので、訪問企業のニーズを把握して、フランス国内の企業を紹介している。
・SIA への出展は組織としても満足している。
5.国内・海外の見本市への出展について
・SPACE(レンヌ)には毎年出展しており、INAPORC の活動の紹介、PR を行ってい
る。2012 年の SIAL(パリ)には INTERVEV と合同で出展する。SIAL(中国:上海)
に単独で出展する他、PRODEXPO(ロシア:モスクワ)に出展する。
・見本市への出展は INAPORC の会議で決定する(2 ヶ月に一回程度開催)。他の見本市
への出展予算は年間で 40 万€(SIA 以外)なので、見本市出展予算に占める SIA への
出展費用の比率は高い。
6.今後の展開
・SIA への出展は今後も継続していく。特に SIA と農業政策との連動はないが、政治家
と直接会える機会としては意味がある。
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ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
INTERBEV
ヒアリング対象
日時
Attache de Direction
Jacques Giroux 氏
平成 23 年 10 月 24 日(月)
Directrice Adjointe
Valerie Mestre 氏
14:00~15:30
1.団体の概要について
・1979 年に設立した組織である。設立後 5 年間は組織の運営予算をどのように捻出する
かを検討していたので、実際に活動を開始したのは 1984 年からである。
・INTERBEV(20 名)は肉業界全体のマーケティング活動支援、肉の消費拡大に向けた
フランス国内でのプロモーション、輸出促進に向けたプロモーションを行っている。
プロモーションの中でも環境に関するプロモーション(環境に配慮しながら肥育を行
っていること、肉の質などに関するプロモーション)は、INTERBEV が 100%出資し
た CIV(40 名)が行っている。SIA の出展は INTERBEV のブースとして出展するが、
ブースの運営は CIV が中心に行っている。
・INTERBEV は牛、子牛、羊、馬の肉を扱う組織で、畜産農家、家畜の運送事業者、屠
畜、小売、レストランなどの 13 の組合から構成されている。設立初期は、11 団体で構
成されていたが、1985 年に羊の畜産関係組合、3 年ほど前からレストランの組合が参
画している。
2.SIA への出展について
・SIA は加工品と畜産が重要なコンテンツである。その中で INTERBEV は畜産の部分
を統括する団体として SIA における位置づけは大きいと考えている。一般消費者に向
けて畜産から消費までの情報を発信することを目的としている。
・SIA には 20 年以上参加している。当初は 1 ブースで出展していたが、2004 年から 2
ブースを出展している。
1)Planete(840 ㎡)
・展示内容は肉の選び方、料理方法、食事におけるバランスの取れた肉の使い方
など、一般消費者に肉について紹介する。
・INTERBEV では豚と鳥は扱っていないがブースでは豚と鳥についても紹介を行
う。
2)Terre D’elevage, terre Durable(700 ㎡)
・生きている動物を展示するブースで一般消費者向けにその動物(牛、馬、羊な
ど)の特徴と育て方に関する情報を発信している。えさの内容や畜舎の様子、
動物の扱われ方などの情報を紹介している。
60
・環境に対して配慮しているということをメッセージとして触れている。
・Planete は INTERBEV が単独で出展しており、出展に掛かる費用は 100 万€以上にな
る。ブースでは肉の試食も提供しており、開催期間中で 8tの肉を消費する。
・Terre D’elevage, terre Durable は INTERBEV と乳製品協会が出展費用(50 万€)を
半分ずつ(25 万€ずつ)負担している。
・ブースでは有料販売の商品はない。立ち寄り客数は把握していないが、毎年 30 万部の
チラシを印刷して、そのほとんどがなくなるので、来場者のうち半分ぐらいは立ち寄
っていると推測している。
・ブースの中心には、業界関係者や政治家専用のレストランを設置し、情報交換の場を
作っている。
3.SIA について
・開催期間は、子供のバカンスの時期と重なるので家族で来場する良い時期である。開
催期間も 9 日間で丁度良いと考えている。あまり短期間だとブースの展示物に投資し
た費用がもったいない。
・SIA の魅力は動物の展示と地方の物産を目的として、多くの人を集めていることであ
る。フランスで一般消費者が集まる最大の見本市で、同じ動物でも地方によって育て
方などが異なるため地方独特の畜産のノウハウなどを一般消費者に知ってもらえる唯
一の機会である。
・コンクールがあることも素晴らしいと考えている。コンクールで賞を取ると一般の人
の認知度も高まるのではないかと思う。
4.SIA の出展による効果
・開催期間中、ほぼ毎日テレビなどのメディアに取り上げられているため、PR 効果は高
い。また、ブースに立ち寄った政治家もよいコメントをしてくれるので PR 効果が高く
なる。SIA への出展は組織として良い投資になっている。
・SIA への出展を通して数字的な売り上げの拡大は想定していない。ビジネスを目的と
した出展は他の見本市を考えているので、一般消費者に向けて PR することが目的であ
る。INTERBEV として一般消費者、バイヤーとの接点によるニーズの把握等は想定し
ていない。
・20 年間していることからも SIA に対する出展目的は達成されていると考えている。
5.国内・海外の見本市への出展について
・SIA 以外に一般消費者向けの見本市に参加することはない。SIA は一般消費者をター
ゲットとした見本市として規模が特別である。ビジネス的な視点で SIAL、ANUGA(ド
イツ:ケルン)などに出展する。
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・他に出展する見本市は、ビジネスが中心なので来場する事業者数や商談件数が多いこ
とが出展の指標になる。
6.今後の展開
・組織としては今後も継続して SIA には出展する予定である。
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ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
Grand Marnier
ヒアリング対象
日時
Directeur Des Relations Pubuliques Professionnelles
Christian Maille 氏
Attache
De
平成 23 年 10 月 28 日(金)
16:00~17:30
Direction
Relations Pubuliques Professionnelles
Stephane Solari 氏
Assistante Patisserie
Haruyo Matsutani 氏
1.会社の概要について
・1827 年に設立した民間会社で、従業員は 250~300 名である。
・
「Grand Marnier」というコニャックの生産・販売を行っている。生産量の 90%は輸出
されており、現在 150 カ国で販売されている。フランスと日本のコニャック使用方法
は類似しており、主にクレープ、お菓子、チョコレート、料理などに使用されている。
他の国ではカクテルで使用されることが多い。
2.SIA への出展について
・SIA には 45 年前から毎年出展しており、来場者から Grand Marnier は毎年 SIA に出
展する企業として認知されてきている。
・SIA への出展は商品のプロモーション、知名度アップが目的で、その一環として Grand
Marnier を使用したクレープの販売や Grand Marnier の試飲を提供し、製品の購入を
促している。
・SIA の出展はブース代、展示費用、スタッフ人件費、宿泊費、商品の運搬料などを含
めると高額である。ブース面積は 70 ㎡のときもあったが、平均すると 36 ㎡である。
36 ㎡は過去の出展経験を踏まえると自社として理想の広さである。開催期間は 6 名の
スタッフで対応している。
・SIA でクレープ、カクテル、製品の販売を行っているが利益は求めていない。毎年楽
しみにしてくるお客への対応と新規顧客の開拓を狙っている。また、クレープをつく
るときにお客の前で Grand Marnier を使用し、製品の認知度向上、イメージアップを
図っている。
・SIA への出展準備は 10 月~11 月に参加を申し込み、4~5 ヶ月掛けて準備を行う。特
に新規でパンフレット等を作成するのではなく、既存のツールを活用する。販売商品
のメニューは、毎年基本の商品を出しつつ、1~2 商品を新しいものとしている。
・SIA での売り上げ構成は、クレープが 60%、カクテルが 20%、商品販売が 20%ぐら
63
いの割合である。毎年 10 件ほどの見本市に参加している中では高い売り上げとなって
いる。出展費などを考慮すると赤字であるが、会社として PR の一環として出展してい
るためマイナスとは見ていない。
3.SIA について
・休暇時期に重なり、多くのパリ市民が来場できるので良い時期に開催されていると考
えている。開催期間も週末が 2 回あるため丁度よい。平日は来場者数が少なくなるの
で、開催期間中に週末が含まれていることが重要である。また、金曜日の夜間の開場
も良いと考えている。
・SIA はパリで実施している見本市の中では、集客力の高いイベントである。また、パ
リは外国人も多いので国際的であるといえる。フランスのテレビは、アルコールに対
する規制が強いため、自社のように酒を扱う企業にとっては、集客力の高いイベント
は消費者への PR 機会として重要である。
・メディアの注目度も高く PR 効果が高いことが魅力的である。
・SIA ではもっと沢山のイベントが開催されることを望む。SIA の中でイベントが開催
されることにより集客力が一層高まり、SIA の活性化にも繋がる。
・出展企業の中にメディア受けのよい有名なブランド企業が増えたほうがよい。45 年間
出展しているのは Grand Marnier だけである。以前は高級ブランド企業の出展が多か
ったが、SIA でのプロモーション効果が落ちたのか、他に効果的なプロモーション手
法を活用しているか不明だが、SIA への出展を取りやめていく高級ブランド企業が多
い。逆に地方の知名度が低い出展者が多くなってきている。
・ブースの位置が毎年変わるので、ブースの位置しだいで集客に差が出てくる。長期で
出展している企業・団体には良い場所を提供してもらえると良い。Grand Marnier は
フランスの地方パビリオンのイル・ド・フランス地方のブースの中に出展しているが、
イル・ド・フランスのブースの中でも毎年ブースの配置が異なる。
4.SIA の出展による効果
・数値では表すことが難しいが、企業イメージを高めることに貢献している。Grand
Marnier の販促は、ポスター、チラシ、メディアなどが中心なので、SIA への出展は
販促の中で割合は小さい。毎年出展していくことが重要だと認識している。出展は広
報部門が担当している。
・これまでは PR をすることが目的で出展してきたが、2011 年は出展に対する収支バラ
ンスを意識するようになった。収支のバランスが悪くなるようであれば継続が難しい
状況にもなる。Grand Marnier は年間 30 件の見本市に出展してきた時期もあるが、出
展の費用対効果が悪い見本市は出展を取りやめている。
・SIA への出展は顧客分析の一環にもなっている。フランス人はアンケート調査を好ま
64
ないので、消費者とコミュニケーションを取りながらニーズを把握している。新商品
があるときは、試飲等を行い顧客の反応を見ている。
・SIA の出展は、収支バランス以外は、全体として満足している。
5.国内・海外の見本市への出展について
・フランス国内では年間 10 件ほどの見本市に参加している。見本市の開催場所が小さい
町だと集客が少ないため、出展する意味がない。また、最近はショッピングモールが
充実してきているので物産展に出展する意味合いも少なくなってきた。
・見本市に出展するときの基準は収支バランス、イベント自体のインパクト・集客力で
ある。また、見本市が開催される地域の住民の購買力が高いことも重要である(パリ・
モナコは高い)
。
6.今後の展開
・現在は SIA への出展は継続する予定である。企業のマーケティングの視点に立つと顧
客の新規開拓をしていかなければならない。その意味ではレストランやバーなどカク
テルを提供する事業者がターゲットとなっている。SIA はリピーターが多く、年齢層
も高く、カクテルなどを飲む若い人が少ないので、40 年以上の出展の伝統がなければ
継続していないかもしれない。
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ヒアリング概要
出展者・運営支援
ヒアリング先
Agro Paris Tech
ヒアリング対象
日時
平成 23 年 10 月 18 日(火)
Chargee De Communication Relations
Monique Mizart 氏
10:00~11:00
1.学校の概要について
・Agro Paris Tech は、専門大学院で他の大学で 2 年間学び、選抜された優秀な学生が入
学できる学校である。農業、生命、自然工学などを専門的に学ぶことができる。
・フランス食品・農業・漁業省の管轄で、フランス食品・農業・漁業省が所有する大学
である。生徒数は約 2000 名で修士課程、博士課程のみである。
2.SIA との関わりについて
・COMEXPOSIUM と連携し、SIA に出展する企業、団体などのブースで運営支援に携
わるスタッフとして学生を約 300 名派遣している。
・SIA はビジネス見本市ではないため大統領、首相をはじめとする政治家や一般消費者
など、多様な人が訪れる見本市で学校としても参加することに意義を持っている。ま
た、SIA は、学校で書籍を通じて学んでいる学生が農業などの実物に触れる絶好の機
会である。
・SIA の会場で学生が仕事をしているので、事務所を兼ねて大学としても毎年ブースを
出展している。毎年一つのテーマを設けて、そのテーマに対して学生が先生と一緒に
子供向けのコンテンツを制作し、ブースで展示している。
・SIA で働く学生は、1 年目の学生が優先で、1 年目の学生で数が不足する場合に SIA で
働いたことがない 2 年目の学生が参加できるようになっている。3 年目以上の学生の参
加は不可となっている。
3.生徒への効果
・SIA で働くことは絶対ではないが、毎年参加希望者が多く人気が高い。SIA に参加し
ていないと参加した学生間の話題についていけないので、昨年は 340 名が参加してい
る。会場では参加者全員に仕事が与えられる。
・SIA で働くことは 9 日間無休で働くということで職業訓練の一環としても重要である。
4.学校としての効果
・SIA には 20 年間学生を派遣しており、学校としても 20 年間ブースを出展している。
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学校から SIA にスタッフとして学生を派遣することは学校のイメージアップに繋がる。
以前のブースは学校の紹介だけであったが、最近は研究パートナーと一緒に出展する。
出展費用はフランス食品・農業・漁業省、研究パートナーなどから出る。
・開催期間中にスタッフを派遣している出展者、COMEXPOSIUM に対して、2 回ほど
スタッフに対する満足度を把握しているが、満足しているとの回答が多い。
・開催時期は休暇の時期なので、学生も自由な時間があり、良い時期に開催されている。
開催期間は 9 日間と長いが出展費用も掛かっているのであまり短いと意味がない。
5.今後の展開
・大学としては今後も学生を SIA に派遣していく予定である。
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ヒアリング概要
出展者・メディア
ヒアリング先
L’Humanite
ヒアリング対象
日時
GERARD LE PUILL 氏
平成 23 年 10 月 28 日(金)
10:30~11:30
1.企業の概要について
・1937 年に設立した新聞社で、日刊紙として月曜日~土曜日は 5 万部、日曜日は 7 万部
を発行している。
「LaTarre」という週刊誌も発行している(2 万部)
。LaTarre は SIA
にブースを出展している。
・Humanite は、共産党発刊の一般紙であり、共産党所属の国家議員のインタビューや政
治に関する内容が中心である。一方 LaTarre は、農家、地方の人々(地方の首長)が
購読する農業に特化した雑誌である。農業に関わる政治ニュース、農業技術、ノウハ
ウ等が紹介されている。毎回数ページ程度の農業に関する特集記事がある。地域の環
境問題、農民の権利等を素材として扱っている。
・GERARD LE PUILL 氏の専門は、経済、政治、社会問題、環境、農業で、農業に関す
る本を 2 冊執筆している。引退後、フリーライターとして両媒体で記事を作成してい
る。SIA の前日には 3~4 ページの特集記事を作成し、開催期間中には、事前に用意さ
れたテーマに沿って記事を作成する。また、大統領、共産党の議員の訪問に合わせて
取材を行っている。
2.SIA の魅力及び効果
・SIA は、フランスの各地域で選ばれた動物や、地域の食等さまざまな経験ができる。
コンクールを楽しむ人々も多い。
・SIA への出展は、LaTarre の PR が目的である。経済的効果は大きくないが、書籍の販
売、定期購読の申し込み等の効果はある。
・フランス食品・農業・漁業省、国立農業研究所等の国や研究機関をはじめ、大型スー
パーマーケットのような企業も出展するので、様々な利害関係者の交流の場でもある。
3.フランス農業政策と SIA との関係
・農業従事者に政府が支援するなど、農業と SIA との関係は深い。SIA によって農業の
イメージが向上されたとも言える。しかし、SIA はフランス農業の全体の実情を反映
しているわけではない。
4.SIA の問題・課題
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・SIA の本来の意味から見ると、運営面において商業的要素が強くなった。
・一般消費者とのコミュニケーションの場、教育的な効果があるイベントとして評価が
高い。しかし、SIA はフランス農業の全体象を反映するわけではなく、良い面だけで
強調されており、農業の課題、農業収入の減少、農産物の価格問題などは取り上げら
れていない。
5.フランス農業政策の課題
・フランスの農業は、EU の共同政策であり、EU の起案を基にして欧州各国がガイドラ
インを定めて実施している。従って独立国家のフランスとしての農業政策は既に存在
しない。
・自給率の維持が需要であるが、EU の農業政策は、輸入を奨励している印象を受ける。
フランスも農業輸出国から輸入国に変わっている。特にフランスにおいては、大型ス
ーパーマーケットのパワーに振り回され、農産物の価格が破壊されている。
・フランス政府は、農家に税金優遇、補助金の支給などの支援を行っているが、農家の
収支バランスが崩れている。その意味では既存の税金制度、農業政策は機能しなくな
っていると言える。
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ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
日本貿易振興機構 ジェトロパリセンター
ヒアリング対象
日時
食品・農林水産担当 村山牧衣子氏
平成 23 年 10 月 17 日(月)
13:30~14:30
1.団体概要について
・1963 年に設立し、日仏間の貿易、投資、産業交流に関わる業務を行っている。職員は
約 40 名である。
2.SIA への出展について
・農林水産省の事業として応札した場合に、日本ブースの運営主体として役割を担って
いる。SIA のほか、SIAL への出展経験もある。SIAL は世界最大級の食品総合見本市
であり、世界各国からバイヤーが来ているという点が魅力である。
・農林水産省の予算規模は 3000~5000 万円である。農林水産省が負担する経費は、試食
試飲にかかる費用で、商品は基本的にコーディネーターが買い上げて来場者に提供す
る。説明資料・装飾・渡航費は出展する各社が負担することになっている。コーディ
ネーターが一度買い上げることで、各社のリスクを削減している。
・試食即売を行うため、味、価格、品質などをどのように見ているか消費者の直接的な
反応を見ることができる。出展者には直接、消費者の反応を見てほしいが、9 日間の来
場が負担になるため、来場は義務づけていない。
3.SIA について
・2 月に実施する理由として、パリの学校が休みであることが大きな理由だと思う。SIA
は食育の意味合いが強い感じを受ける。高齢者、子どもをターゲットにしているよう
である。
・SIA は家族連れが多く、バイヤーが商品発掘やビジネスのために海外からくることは
ほとんどない。
4.SIA の出展による効果
・フランスで日本食の取扱いは限られているので、多くの人に日本食を食べてもらい、
潜在的な消費者の層を広げるという意味では効果がある。B to C は数値的な効果が見
えにくいが、底辺の拡大のためにも、今後も日本は出展を継続していく必要がある。
・会場で商品を知っても、フランス国内で商品が流通していないと、その後の展開がな
い。SIA への出展効果をどのように出していくかは今後の課題である。
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5.国内・海外の見本市への出展について
・SIAL は世界最大級の食品総合見本市で世界各国からバイヤーが来場するので、世界市
場を見たときに出展に対する効果が高い。SIAL は出展する価値が高いので、今後も継
続してほしい。バイヤーとのマッチングを拡大していく必要性は高い。
・今年の ANUGA(ドイツ)は、原発事故・放射能の関係で出展を取りやめた。
6.今後の展開
・日本のブース面積は他の国と比較すると狭いので、幅広い分野の出展者を募集して、
来場者から日本ブースに行けば面白いものがあるという場所にしていく必要がある。
審査基準を緩和して幅広い出展を促すようにした方がよい。
・SIA への出展企業募集については、輸出促進協議会を通じ広報を行っている。次回も
また出展したいという企業が出てきている。小間方式ではないので、できるだけ多く
の企業が出展できるようにしていきたい。SIAL は小間数制限があるため、輸出体制、
製品・金額で選考する。
7.その他
・パリでは、日本の食に対する風評被害は表立ってはない。日本からフランスへの輸出
も 5 月以外は増えている。日本食レストランも堅調に推移している。
・JETRO として日本へバイヤー派遣を行っているが、バイヤーは何の拒否感もなく日本
に行く。直近の商談会では総合卸(調味料・食材等)2 社を派遣している。
・日本で開催する場合は、人が集まる場所、アクセスしやすい場所での実施が良い。し
かし、動物の運搬、食品などの衛生管理は難しいと思う。また、会場によっては、雤
天対応も必要になる。
・B to B と B to C を両立した展開は、開催期間、フロアで分けるなど、仕掛け方が重要
である。今後の日本の輸出促進は、ロンドン・パリが市場として大きいと思う。
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ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
OTODOKE S.A.R.L
ヒアリング対象
日時
平成 23 年 10 月 18 日(火)
社長 村口照夫氏
14:30~15:30
1.企業の概要について
・1991 年に創業し、レストラン(ファーストフード)
、小売・卸売の事業を展開している。
従業員数は 35 人である。
2.SIA への出展について
・SIA への出展回数は 3 回程で、JETRO パリセンターから出展依頼があった。日本各地
から生産者が来るので、生産者との接点にもなるということで出展を行った。招待な
ので参加費などは払っていない。
3.SIA について
・日本ブースの特徴的がわかりづらいことが印象に残った。
・日本食は健康食・低カロリーなど時代の流れに合っているので、工夫次第で日本食は
フランスで拡大していくと考えている。例えば、こんにゃくをすき焼きで紹介するの
ではなく、パスタと一緒に紹介する方がわかりやすい。現在、日本食を販売している
店舗で売れているものを見ると、つゆ付きの麺類、ラーメン、パスタなどである。そ
の他にソフトドリンクなどのドリンク類も売れている。日本酒のマーケットも小さい
ので、見本市を通じて PR していくことが重要である。
4.SIA の出展による効果
・来場者にはパンフレットで PR しているが、効果はよく見えない。卸売りの立場として
は効果は小さいと考えている。一定の取引量がないと採算の確保が難しいので、ロッ
トが小さいと個別に日本企業へ発注をすることが難しい。
5.その他
・震災以降も日本食は売れている。しかし、日本から荷物が届いても 2、3 回に 1 回は税
関で止められている状況である。放射線なのどの分析に1ヵ月の時間を要すると商売
にならない。検査に出すと、購入した商品から検査用に商品を取られてしまい、小売
りとしては立ち行かない。
・日本人であれば西日本の商品なら安心であるといった考えを持つかもしれないが、フ
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ランス人には、日本からの商品は全て同じように見られている。日本の情報は伝わっ
ているので、できたら日本の商品は避けたいと考えている人もいる。風評被害は、日
本の商品の全てが請けている状況である。
・日本で新規に SIA のようなイベントを開催するよりも、各都道府県、国の予算で東京
にあるような物産館を一同に集める方が効果的であると考える。
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ヒアリング概要
出展者
ヒアリング先
JFC France SARL
ヒアリング対象
GENERAL MANAGER
日時
田中信裕氏
平成 23 年 10 月 18 日(火)
10:00~11:00
1.企業概要について
・1996 年設立に設立した企業で、日本食を中心とする東洋食品を輸入し、フランス並び
にイベリア半島への販売を行っている。従業員数は 35 名前後である。
2.SIA への出展について
・SIA へは商品供給の形で参加しており、SIA では日本ブースのコーディネーターへ一
括で商品を納めるだけである。ただし開催期間中の人的サポート(Vendor&JFC)は
行っている。
3.SIA について
・SIA は一般消費者向けの見本市で、子供が来場しても楽しいイベントであるため、学
校の休みに合わせて開催されるのは良い。
・日本ブースの PR を事前に行っておけば、より効果的(日本に興味がある方がもっと来
場される)であったのではないかと感じた。たまたま訪れている人が多かった。
4.SIA の出展による効果
・自社を知ってもらう機会になるが、一般消費者に限られる。バイヤー向けには SIAL が
ある。
5.国内・海外の見本市への出展について
・必ず出展する見本市は SIAL、ANUGA である。これらの見本市へは、JFC の各国のグ
ループ会社から参加して、その場で商談を行っている。日本食に関するビジネスを展
開している事業者は、日本ブースに真っ先に来場する。
・見本市への出展基準は、知名度、規模、出展料、集客実績、来場者の属性などである。
6.今後の展開
・SIA への参加は、今後も予定している。
・日本の良い商品も輸入規制などでフランスに入ってこなければ意味がない。まずは EU
の機関に安全性をアピールする必要がある。
74
・B to B と B to C を両立させると、バイヤーがビジネスの話ができないため、分けたほ
うが良い。バイヤーとしか接点を求めていない企業は、B to C との併催では出展する
かどうか迷う。フランスで SIA と SIAL に分けて開催しているのも、一般消費者向け
のお祭り的なイベントと実益は異なるからである。自社も一般消費者をターゲットと
しているわけではないので、一般消費者へ PR する意味はほとんどない。
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ヒアリング概要
バイヤー
ヒアリング先
Dominique Bouchet
ヒアリング対象
日時
Dominique Bouchet 氏
平成 23 年 10 月 20 日(木)
11:00~12:00
1.企業概要について
・レストラン業と食品産業のコンサルティングを行っている。コンサルティングとして、
メーカーの新製品開発のアドバイスを行っている。
・レストランは開業して今年で 8 年目になる。それ以前は別のレストランでシェフをし
ていた。現在のレストランはシェフを含めて従業員 21 人で運営している。
2.SIA への参加について
・SIA に参加する目的は、新しいアイデア・製品・業者を探すことである。特にどのパ
ビリオン、ブース行くかは決めていない。SIA の会場に訪れてから立ち寄るブースを
決めている。
・SIA 自体が大きな農場のようなものなので、シェフとして様々なインスピレーション
を受ける場として考えている。
・SIA には毎年参加している。以前は自分の出身地のパビリオンで地方物産を使ったデ
モンストレーションの依頼を受け、PR 活動も行っていた。
3.SIA について
・開催時期・期間は丁度よいと思う。
・パリで 2 年に 1 回開催される SIAL はプロ向けで、一般消費者は来場できない。SIAL
は加工品が中心であり、SIA は食材等が中心であるイメージである。SIA で見つけた
生産者の食材を使って、商品を開発して SIAL で製品を出した経験もある。
・SIA はお祭り感覚で、フランスの農業を伝える意味ではよくできていると思う。SIAL
はビジネスが中心なのでまったく雰囲気が全く違う。シェフとしても SIA は食材を見
つけに行くためのものであり、一方で SIAL はイノベーションの高い製品を探しに行く
ので見る観点が違う。
・SIA ではコンクールを通して優秀生産者に賞を授与しているが、SIAL はイノベーショ
ンの高い製品に対して賞を授与している。コンクールは、生産者のモチベーションを
高めるために重要であると思う。
・フランスと日本を比較すると、日本のシェフは生産者とのコンタクトが少ない。日本
で知っているシェフは、鹿児島の肉を使っているが、鹿児島に行って直接生産者に会
76
ったことがないと聞いて驚いた。フランスでは、地方の生産者と直接会うことを大事
にする。生産者と会うことで、原料の生産現場を見学し、新しいインスピレーション
を受けることもある。日本には、生産者とコンタクトが取れる場所が少ない。SIA は
生産者との新しい出会いの場としても重要な位置づけである。
・現在のレストランでは金沢のお酒も取り扱っているが、実際に金沢まで行き、造り方
の視察をしてから取引をしている。以前に大手の蔵元から話があった際に、製造現場
の視察を依頼したが断られたので、取引は断った。
4.国内・海外の見本市への参加について
・イノベーションが高い展示があるかどうかが、見本市に参加するポイントである。サ
ロン・ド・ショコラには 2、3 回行ったが、魅力が少ないので行かなくなった。
・SIA はフランスの経済基盤を象徴していると思う。展示内容もバイエーションが豊富
で素晴らしいと思う。SIAL は商業的要素が濃いのに対し、SIA は人間性豊かな感じが
あり、子供達が生きた動物を見る機会として重要である。
・日本で SIA のような見本市が開催されるのであれば、生産者と接点を持つことができ
る見本市だと良い。日本は多くの国の商品を輸入しているので、日本各地の生産者が
来て商品を紹介するだけでなく、他の国の生産者が来るのも良い。生産者とのコンタ
クトがとれる場が重要だと思う。
・フランスの地方の食の多様性を見学することができることも、フランスの SIA が成功
していると 1 つの理由である。
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ヒアリング概要
バイヤー
ヒアリング先
Le Comptoir
ヒアリング対象
日時
Yves Camdeborde 氏
平成 23 年 10 月 20 日(木)
13:00~14:00
1. 企業の概要について
・ホテル、ブラスリー、レストラン、立ち飲みバーを経営している。開業して今年で 7
年目になる。現在はシェフを含めて従業員 50 人で運営している。
2. SIA への参加について
・SIA には毎年参加しており、年によっては開催期間中に 2~3 回行くこともある。大き
なパビリオンは見学するだけで 1 日かかる。1 日 10 件ぐらいのブースを廻る。
・SIA への来場目的の 10%は既存の取引先への挨拶、残りは新しい食材・アイデア・仕
入先等の新しい出会いを見つけに行くことである。SIA の会場では出展者の連絡先を
聞き、後日、連絡を取り合うことが多い。出展者のプレゼンテーションの仕方からも
重要なインスピレーションを受ける。
・SIA の会場で知人と会うことも多いので、仲間同士で情報交換をし、そこで得た情報
を元にブースに行く。
3. SIA について
・1 年中仕事のリズムが同じなので、開催時期はいつでもよい。以前、リッツカールトン
等で仕事をしていた時は、7・8 月と 1・2 月がやや時間が取れる時期であった。
・必ず来場する見本市は、SIA、SIAL、SIRA(リオン)である。SIAL と SIRA はプロ
向けで、両方とも国際的でレベルの高い見本市である。SIRA の方が見本市としては質
が高いと感じる。SIAL と SIRA の出展は、加工品・半加工品がほとんどである。
・SIA で、シェフにとって関心のあるブースは全体の 10%くらいである。SIA は基本的
にはお祭りであり、プロ向けではないので、地方の小さな生産者を見つける場所と考
えている。SIA は生産者とコンタクトを取る機会であり、SIAL と SIRA は大手企業と
コンタクトを取る機会という意味でコンタクトを取る対象が異なる。
・SIA には、農業に関するあらゆる物がある。2 年ぐらい前に、ある地方のパンが素晴ら
しく生産者と取引交渉をしたが、相手はレシピを盗まれることを懸念し、契約に 1 年
を要した。大手食品メーカーは契約の手続きが容易であるが、零細企業は契約にも時
間を要する。零細企業は良い物を作っても販路開拓が難しいので、PR ツールとして見
本市を使うのは良いことだと思う。
78
・地方の零細企業・農家の場合、商品の調達に課題(ロジスティックの問題)があるの
で、パリで入手可能か聞いている。原材料の生産方法も重要なので、後日生産現場に
視察に行く。
4. 国内・海外の見本市への参加について
・見本市に来場するかの判断は、伝統的な手法を維持して生産している商品が出展され
ているかを重視する。11 月にアングレームで開催される Gastronomades に来場する
目的は、トリュフの生産者に会うことである。
・シェフは良い原材料があって成り立つ職業である。手づくりのものや質の高いものを
生産している生産者に会うことが、シェフの 1 つの命でもある。フランスは小さい国
であるが、地方の多様性に恵まれた素晴らしい国である。シェフが生産者に会いに行
くことは、生産者のモチベーションを高めることにもつながる。
・日本で開催される見本市に参加する場合は、日本の文化を理解することが目的なので、
生産者と会う機会となることが重要である。
・見本市は、生産者とコンタクトが取れる場として重要である。SIA には今後も毎年参
加していきたいと考えている。
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ヒアリング概要
バイヤー
ヒアリング先
Da Rosa
ヒアリング対象
日時
Jose Da Rosa 氏
平成 23 年 10 月 21 日(金)
11:00~12:00
1.企業概要について
・11 年前に設立し、レストラン・仲介業を行っている。Jose Da Rosa 氏は、同種の業務
に 20 年の経験を持っている。
2.SIA への参加について
・2 年に 1 回程度の割合で参加している。開催期間中に 2~3 日訪問する年もある。平均
すると 1 日に 15~20 件程のブースを訪問している。
・来場目的は、既存取引先メーカーへの挨拶とその他、自分の知らない製品・メーカー
を探しに行くことである。現在は、既存の取引先への挨拶の比重が大きいが、10 年前
は商品に関する知識が少なかったので新製品を探しに行く比重のほうが大きかった。
・会場では食材ではなく、豚ハムなどの加工品・ワイン・チーズなど製品になったもの
を中心に見学する。
・SIA 終了後にフランスの地方だけでなく、ギリシャ・スペイン・イタリアなど海外まで
視察に行くこともある。現地では、生産、製造現場だけでなく、製造工程の全体を見
学する。動物の場合は解体する現場も見学する。
3.SIA について
・9 日間という開催期間は非常によいと思う。開催時期は学校の休暇期間と重なるので、
家族との調整で SIA への来場が難しいときもある。SIA の会場は混雑しているので、
自分の子供を連れて行くことはない。その代りに生産者に会いに行くときに、自分の
子どもも連れて行き、生きた動物を見せている。
・都会の多くの子供は、生きた動物を見ることが少ないので、SIA は子供が動物と触れ
あう格好の機会である。
・SIA は農家、メーカーだけでなく、フランスの地方から質にこだわりを持った特産品
が出展される。また、牛・豚という原料から最終商品までを一つの見本市で見ること
ができるため、食料・農産物の再発見だけでなく、教育的な部分を重視している。
4.SIA の参加による効果
・シェフ向けの小規模な取引が中心で、大量に出荷する商品を取り扱うことはないが、
80
SIA を通じて自社の事業に貢献したこともある。
5.国内・海外の見本市への参加について
・既存の見本市は類似したものが多いので、新しい製品・人々と出会えるような見本市
が望ましい。例えば、最近トリノでスローフードの見本市が開催されており、非常に
貴重な価値のある生産者と出会えるので面白いと感じている。海外の新しい見本市の
情報は少ないが、大使館経由や、既存取引先が出展するということで招待されること
もある。
・SIAL は 2 年に 1 度開催される見本市であるが、毎回参加しているわけではない。SIAL
は国際的であり、大手企業の営業担当者が商品の紹介をしているため、商売色・欲が
出ている感じを受ける。SIAL は、プロ向けのため 16 歳以下の入場を禁止している。
6.今後の展開
・SIA には今後も参加する。特別な見本市なので、コンテンツの大きな変化は難しいか
もしれないが、もう少し近代化が必要だと思う。伝統的なものと近代的なものとのバ
ランスが必要である。近代化した生産手法を一般消費者に紹介するだけでなく、新し
い製品を沢山紹介していくことが必要である。
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ヒアリング概要
バイヤー
ヒアリング先
L’Auberge Café
ヒアリング対象
日時
Raymond Pignol 氏、松根晶子氏
平成 23 年 10 月 17 日(月)
16:00~17:00
1.ヒアリング対象者属性
・カフェ・レストランオーナーとして「L’Auberge Café」を経営している。
2.見本市への参加について
・SIA には 3 回来場している。SIA へ行くときは、普段取引している事業者から入場券
を貰って来場するが、最近は入場券が配られることも減っている。
・会場に動物が展示され、様々な物産の試食があると聞いて来場したが、最初は子供が
小さいときだったので、沢山の種類を試食することができなかった。混雑がひどく、
人を見に行ったという印象であった。
・1 日中過ごしても、会場が広くて全てを廻ることは出来ない。何回か来場すると楽しみ
方が分かる。SIA の来場経験が豊富な人は、各ブースでのプレゼントのもらい方やタ
イミングを知っている。ダノンのブースではゲームに参加するとヨーグルトセットが
もらえるようで人気があった。
・通貨がユーロに変わったときはユーロを紹介するも出展されていた。
3.SIA について
・SIA は、地方の食材をまとめて楽しむことができることが魅力的である。地方の本物
の味を楽しむこと、地方の知らない食材を知る楽しみがある。実際に SIA で見つけた
栗とりんごのリキュールを注文して、店に置いたこともある。
・SIA は毎年開催されているので、パリの市民にとって定番のイベントとして定着して
いる。
・地方パビリオンにはレストランも出展しているが、レストランで提供されているもの
は出来合いのものを使用している感じであった。
4.その他
・震災以降は、検査費用・時間が掛かるため、日本食のスーパーなどは棚が空になって
いる。放射能の影響で、年内は検査しないと取り扱えない。スーパーも日本食品から
韓国食品の取り扱いに変わっている。
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ヒアリング概要
バイヤー
ヒアリング先
La Barrique
ヒアリング対象
日時
Jean Pigace 氏
平成 23 年 10 月 18 日(火)
16:30~17:00
1.ヒアリング対象者属性
・カフェ・レストランオーナーとして「La Barrique」を経営している。
2.SIA について
・3 年前に招待されて友人と来場した。1 時間くらい滞在して、招待された会社のブース
と地方パビリオンを少し見学した。ブースによっては商談もできるようである。
・SIA は人が多いので、来場したのは 1 回だけである。
3.その他
・フランス料理が専門で、日本食は刺身を食べたことはあるが、しょうゆとわさびの味
しかしなかった印象がある。動物保護の観点から、鯨・鮪・鮫の漁の仕方など、日本
のイメージは好ましくない。
・日本の商品をフランスで販売する場合には、ヨーロッパ向けのパッケージが必要であ
る。例えば中国製品はフランス語の説明があるので買いやすい。
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ヒアリング概要
バイヤー
ヒアリング先
Chartiers
ヒアリング対象
日時
Pigace Bentnanel 氏
平成 23 年 10 月 18 日(火)
16:30~17:30
1.ヒアリング対象属性
・カフェレストラン「Chartiers」のサービス担当として従事している。
2.SIA について
・過去に 2~3 回程 SIA への来場経験があり、最近は 3 年前に招待で来場した。
・SIA の会場ではお酒の試飲や特産品の試食などを行った。午前から閉館までいたが、
午前中は比較的人が少なくて快適であった。
・動物が展示されているエリアや農業機械を紹介するブースで子どもが楽しんでいた印
象がある。SIA は賑やかでお祭りのような印象を受けた。
・SIA は生産者と直接会えることが魅力である。出展者とコミュニケーションをとるこ
とができるので良い。肉やワイン系のブースでは商談している様子も見られたので、
プロと一般消費者の両方が楽しめる。
・日本ブースの日本酒は楽しみの一つであるが、日本酒はボルドーワインと比べると価
格が高い。
3.その他
・フランスで日本食を普及するには、プロモーションの強化が必要である。日本商品の
ブランド・名前はフランス人には発音しづらいので、フランス向けの名称があるとわ
かりやすい。
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ヒアリング概要
メディア
ヒアリング先
LE FIGARO
ヒアリング対象
日時
Eric de la Chesnais 氏
平成 23 年 10 月 26 日(水)
10:30~11:30
1.企業の概要について
・1826 年に設立したフランスの代表的な新聞社である。週間で 32 万部発行している(日
刊紙、朝刊のみ)
。
・対象者の専門は、農業、環境であり、農業関連ブログも運営している。ブログには約 4
万人程度の訪問者がある。
2.SIA とのかかわり
・開催期間中には、毎日会場のプレスのブースに訪問し、農業関係者の取材をする。夜
間に訪問して動物を世話する人々を取材することもある。プレスのブースには、全世
界から約 300 人~500 人の記者が集まる。
・メディアによって SIA の取り上げ方は様々なので、会場ではメディア同士で情報交換
をすることもある。LE FIGARO として、SIA の主な取材内容は、環境問題との関係、
農業政策との関係、農家・畜産業等の関係者の取材、一般来場者の様子などである。
3.SIA の魅力及び効果
・SIA は、フランスで最大規模の見本市で、1 世紀以上の歴史を持ち、フランスの農業に
おけるカンヌ(映画祭)的な存在である。フランス全国から素晴らしい家畜が集まる
ことは魅力的である。フランスの観光(グリーンツーリズム)を紹介する機会も増え
ている。
・SIA は田舎と都市の接点を作っている。来場者の 2/3 がパリ周辺の都市から訪れる。開
催時期はバカンス時期と重なるが、バカンスに行かなかった家族が SIA に来場してい
る。
・大統領からフランス食品・農業・漁業省の長官、国会議員など政治家も来場するので、
政治家の動きを取材することも重要である。
・SIA の効果は、一般の人々に農業に対する理解を促す機会となっていることである。
例えば、牛乳が、搾乳から飲めるまでの過程、卵から鶏になるまでの過程など、農業
に少しでも興味を持つような展示が行われている。子供に対する教育効果が大きい。
4.フランス農業政策と SIA との関係
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・SIA は農業従事者が政治家に自分の意思を伝える場としても活用されている。実際に
牛乳の価格が下落した 2009 年は、SIA の会場でストライキが行われた。
・2010 年は、フランスからの牛乳の輸入を禁止していたロシア長官が招待され、牛乳の
輸入に関する協議が行われるなど外交でも使用される。
5.フランス農業における課題
・農産物の価格を市場に委ねていては、農家の収入が少ないので、農家の生活維持が困
難である。補助金で支援しているが、農家が補助金をもらうために書類を作成する手
間が増えている(種、農薬等)
。補助金の財源は EU が 80%、フランスが 20%となっ
ている。年間約 100 億€がフランス国内の農業関係者への補助となっている。
・農業人口の減少も大きな問題となっている。若者を育成するための支援金や税金優遇、
研修の実施等、さまざまな施策を実施している。
・農薬による環境問題に対応するため、EU では農地の活用方法など細かな基準が定め
られていたが、近年では緩和の方向に向かっている。
86
ヒアリング概要
メディア
ヒアリング先
Europe1
ヒアリング対象
日時
Pascal BERTHELOT 氏
平成 23 年 10 月 28 日(金)
8:30~9:15
1.企業の概要について
・1996 年に設立した 24 時間放送のラジオ局である。Lagardere グループ(飛行機・ミ
サイル関連企業)の系列会社である。
・フランス全域で放送しており、パリ及び近郊における視聴率は第 3 位である。
・Pascal BERTHELOT 氏の専門は、経済、社会問題であり、農業に興味があり 3 年前
から SIA の担当となっている。それ以前からも SIA の取材を行っていたが、SIA の担
当になってから農業に関する取材を増やしている。
・ラジオで農業に関する話題は、通年で取り上げているが、SIA の時期が最も多い。
2.SIA とのかかわり
・SIA の会場を取材して放送している。特集番組はなく、ニュースの中にトピックで紹
介する。また、コラムリストを招待して、農業に関する内容で座談会を開催する場合
もある。
・主な放送内容は、①ニュース番組で簡単なトピックとして、畜産農家の話や牛の種類
等を紹介する場合や、②SIA の話題を農業の問題の素材として取り扱うこともある。
例えば、
「ドイツ農業とフランス農業の格差の拡大」のようなタイトルで、フランス農
業の課題について議論する場合もある。
3.SIA の魅力及び効果
・メディアとして、SIA は非常に魅力的な素材である。フランス国民が興味を持つ見本
市なので、視聴率を取るために必ず取材をしなければならない。SIA はフランスでは
最も影響力の大きい見本市であるといれる。各メディアも独自の視点・立場から SIA
を取材して、放送している。
4.フランス農業政策と SIA との関係
・間接的には関係があると考えられる。大統領もパフォーマンスの場なので、政治家と
農家・一般消費者の交流の場所でもある。
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5.その他
・SIA の運営は特に問題ない。会場ではジャーナリストの取材にも協力的に対応してく
れる。
・フランス国民の情報入手手段としては、TV、ラジオ、日刊紙の順である。しかし、ラ
ジオと日刊紙の格差は大きい。
フランス国民 6000 万人のうち、日刊紙を毎日読む人は、
1%に過ぎない。夜 8 時の TV ニュースと朝のラジオの視聴者は多い。
88
ヒアリング概要
食品事業者
ヒアリング先
Sens Groumet
ヒアリング対象
日時
Jean-Michel THIRION 氏
平成 23 年 10 月 24 日(月)
14:00~15:30
1.企業概要について
・2005 年 3 月設立した食品を中心とする輸入業者で、従業員は 4 人である。現在、780
種類の食品を取り扱っており、日本の食品は 36 種類程度を取り扱っている。仲介業者
のため主な顧客は、シェフ、小売業者である。
・社長は、ISPC という食品関連会社で販売部長として 10 年間務めた後、独立して会社
を設立している。新しい食材の開発・発掘等に関わり、食材同士のコラボレーション
に興味を持っている。
2.SIA への出展について
・SIA は、一般の人々を対象とするため出展しておらず、SIAL に毎回出展している。そ
の他に、ANUGA(ドイツ:ケルン)に出展している。SIAL は、シェフだけでなく、
スーパーマーケット等の小売業者のバイヤーが集まるのでビジネスチャンスが多い。
3.SIA と SIAL の違い
・SIA は、一般の人々(個人)を対象として農業に関する全般的な展示となっている。
来場者に販売することが出展者の目的であり、その後のビジネスの展開を考える出展
者が少ない。従ってビジネスチャンスが少ない。
・SIAL はバイヤー、シェフ、小売業者等を対象とした BtoB が中心であり、ビジネスチ
ャンスが多い。SIAL の出展料は、1 ㎡当たり 135€となっている。会場では商談が中心
で、有料販売は行っていない。商品に関する説明会があり、詳しい情報を得ることが
できる(SIA はデモンストレーションのみ)
。SIAL は、世界中のバイヤーが集まるの
で、情報収集に役立つ。
4.見本市への参加による自社への効果
・見本市への参加は、バイヤーとの接点、ビジネスチャンスの拡大、情報入手等の点で
重要である。スーパーマーケットのバイヤーが選ぶ商品や販路を分析すると、次のビ
ジネスチャンスが見えてくる。
・フランス人は“料理”に関する興味が高いため、レストランでの販売や料理で使用さ
れるようになると、一般の人々がスーパーマーケットで使用されている商品を求める
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ようになる。
5.他の見本市への出展について
・ANUGA(ドイツ:ケルン)
、SIRA(リオン)には毎回出展している。
・見本市へ出展を検討する際は、出展料、来場者の特性、主催側の開催目的等を考慮す
る。会社として投資する価値があると判断する見本市へは積極的に出展する。
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ヒアリング概要
食品関係者
ヒアリング先
Francois Lavergne
ヒアリング対象
日時
Francois Lavergne 氏
平成 23 年 10 月 21 日(金)
14:00~16:00
1.Francois Lavergne 氏経歴
・1996 年に 4 年間滞在した日本より帰国し、SOPEXA(フランス食品輸出促進協会)に
就職した。APCA(農業会議所常設会議:地方の農業者、地主、生産者、農業関係団体
の職員などを代表とし公的な業務を行う組織)のエンジニア学校を卒業している。
・SOPEXA、エンジニア学校時代の 7 年間は、SIA と深いかかわりがあった。農業コン
クールの審査には SOPEXA も関わっており、審査員として参加したこともある。(醸
造専門家でもあるので、ワイン・チーズの審査員をした。)
・シラク大統領が提唱した『日本における「フランス年」』では、日本で農業祭を開催(当
時のパートナーはテレビ局)した。フランス食品・農業・漁業省の支援で衛生問題、
および生きた動物の搬送などの手続きを円滑に行うことができた。個人的には 2 年前
から APCA の輸出促進の業務を受けている。
2.SIA の歴史
・フランスのナポレオンの時代から農業の促進を狙った政策を推進してきている。農業
を促進するための施策として、農業コンクールが創設された。農業コンクールの動物
部門は、農業の PR の観点からも重要であるが、遺伝子学から見ても重要な取り組みで
ある。優良な動物に賞を送ることは、優秀な遺伝子を持つ動物に賞を贈るという意味
もある。遺伝子は優良な動物の生産を拡大していく意味で非常に重要である。
3.SIA の概要
・国の農業政策の中では重要な位置にあるが、一種の政治的なパフォーマンスとしての
位置づけになりつつある。食品の輸出額は、フランスがトップレベルであったが、ド
イツに追い越された。同様にワインもトップだったが、他国に追い越されてしまった。
・SIA は農業コンクールの最終選考(決勝)から派生したもので、農業コンクールに見
本市を付随したものである。その後、プロから一般消費者を対象とするものに変わっ
てきた。SIA の基本的な構成は開催当初から変わっておらず、生きた動物の展示は SIA
初期から目玉のアトラクションであった。その後、国際パビリオン・地域パビリオン
が追加されたのだと思う。
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4.SIA における官民連携
・フランス国内の見本市は創設期には国が関わるが、財政面で国が少しずつ抜けていく
傾向がある。SIA も同様でコンクールを含めて国の関与が薄れてきた。フランス食品・
農業・漁業省が中心となって一貫した政策がとられてこなかったため、毎年やってい
ることに一貫性がない。
5.SIA の効果
・SIA による直接的な経済効果は少ないと見ている。しかし、現在は、生きた牛、魚の
形状を知らない子供も多く、SIA では、実際に生きた動物を見て、触れることができ
る場として教育的な効果が高い。
・農業コンクールで受賞したものは、国内でも販売が拡大し、輸出においても効果があ
ると言われている。
6.今後の課題・展開
・来場者数が多く、混雑がひどいので、会場のスペースを改善すべきである。会場を一
箇所に集中せずに、郊外で分散させる手法もありうると思う。
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ヒアリング概要
飲食関係者
ヒアリング先
Flora MIKULA
ヒアリング対象
日時
Flora MIKULA 氏
平成 23 年 10 月 25 日(火)
11:00~12:00
1.Flora MIKULA 氏経歴について
・元 3 星レストランのシェフで、その後、レストランを経営してきた。現在は、新たに
ホテルとレストランを購入してリニュアルオープンの準備している。
2.SIA への参加について
・SIA では複数の会社や、複数の地域が共同で出展したブースで、デモンストレーショ
ンとしてその会社の商品に合った料理、あるいは、地域の食材を使った料理を作るこ
とが多い。
・閉場後、メディア関係者(ジャーナルリスト、有名人、アーティスト等)を招待した
PR イベントでコース料理を作ったこともある。
3.SIA について
・SIA の開催時期は、学校の休みと重なるため、一般の人々は参加しやすい。個人的に
は仕事で SIA に行くため、子供と一緒に参加することは難しい。
・子供は、生きている動物を見ることができるので非常に喜んでいる。地域の様々な食
を味わうことができるのも魅力である。ただし、一般消費者向けなので、シェフが求
める食材とは異なる。
・会場で料理をする際に水をよく使うが、その設備が不十分である。その他に、出展料
が高くなり、小規模の事業者の出展が減っている。
4.SIA の参加による効果
・限られた対象者(招待客)に対するデモンストレーションなので、PR 効果は不明であ
る。
5.国内・海外の見本市への参加について
・国内・海外の見本市へ参加する際の基準は、新しい食材が見つけられる可能性がある
ことである。シェフとして完成した商品だと、活用する場面が少ないため、あまり興
味がない。調味料などを紹介する場合は、実際に使用した料理を提供することも重要
である。
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・見本市で興味のある食材を見つけた場合には、担当者と連絡先を交換し、サンプル品
を送ってもらう。自分で試してみて食材として可能性があれば、取引をする。
94
ヒアリング概要
一般消費者
ヒアリング対象
日時
平成 23 年 10 月 22 日(土)
グループインタビュー
10:00~12:00
1.参加者属性
1
性
別:女性 年 齢:42 歳 職業:教員
家族構成:既婚、子供 3 名
居住地:パリ市
会場への交通手段:バス/トラム
直近の SIA への参加年:2010 年
2
性
SIA への訪問回数:6 回
別:男性 年 齢:45 歳 職業:秘書
家族構成:既婚、子供 1 名
居住地:ドランシ(パリ郊外)
会場への交通手段:トラム
直近の SIA への参加年:2011 年 SIA への訪問回数:15 回以上
3
性
別:女性 年 齢:45 歳 職業:秘書
家族構成:
居住地:ドランシ(パリ郊外)
会場への交通手段:郊外鉄道(RER)/メトロ
直近の SIA への参加年:2011 年 SIA への訪問回数:7 回
4
性
別:女性 年 齢:53 歳 職業:不動産業
家族構成:既婚、子供 2 名
居住地:パリ市
会場への交通手段:メトロ
直近の SIA への参加年:2011 年 SIA への訪問回数:10 回
5
性
別:女性 年 齢:31 歳 職業:コーディネーター
家族構成:独身
居住地:グリニー(パリ郊外)
会場への交通手段:自家用車
直近の SIA への参加年:2007 年または 2008 年 SIA への訪問回数:1 回
95
2.SIA について
①SIA に来場した目的
・子供と一緒に動物を見に行くことが目的である。(42 歳・女性)
・地方パビリオンで観光の情報を収集すること、農業工作機器を見ることである。
(45
歳・男性)
・子供に生きた動物を見せることが中心で、地方パビリオンの料理コーナーやエネル
ギーコーナーに行くことである。(45 歳・女性)
・生きた動物を見に行くことと、地方パビリオンと旅行関係のブースを見ることであ
る。
(53 歳・女性)
・家族で出かけるレジャーの一環として 2 家族で行った。SIA のことを周囲から聞い
たので訪問した。
(31 歳・女性)
②主な同行者
・家族で来場した。
(42 歳・女性)
・子供や友人と来場したこともあれば、一人で来場したこともある。
(45 歳・男性)
・子供と自分の姉と一緒に来場した。
(45 歳・女性)
・子供と家族と友人と来場した。
(53 歳・女性)
・家族と友人と友人の子供と来場した。
(31 歳・女性)
③SIA の特に魅力的な点
・一番は生きた動物である。生きた動物が展示されていて、パリの真ん中に農場がで
きた感じであり、魅力的な食べ物がたくさんある。
(42 歳・女性)
・生きた動物が展示されていることである。特に個人的には馬が好きである。子供向
けのイベント等も面白い。
(45 歳・男性)
・一番は生きた動物が展示されていることである。その他にも子供向けのゲームがあ
り、音楽も流れていてお祭り気分であるのも良い。
(45 歳・女性)
・生きた動物が展示されており、パリに農場ができた感じである。自分の知らない地
方の特産を見ることができる。
(53 歳・女性)
・生きた動物が展示されていることである。地方を再発見するきっかけになる。知ら
なかったおいしい食を発見することや知らなかった国の文化を発見することができ
る。
(31 歳・女性)
④SIA に参加後に家族や友人・知人に伝える内容
・生きた動物が展示されていることやコンクールで優勝した動物に感激した。子供は
お土産をもらい大満足していた。
(42 歳・女性)
・4~5 時間ぐらい歩くので疲れるが、カタログを貰い、様々な物を試食できるので、
96
満足である。国際パビリオンのタイのブースは素晴らしかった印象がある。15 回訪
しているが、パリの真ん中で田舎をみることができる。お祭り的な雰囲気でフォワ
ール・ド・パリなどのイベントと似たところもある。ただ、会場が広いので、迷う
ことがある。
(45 歳・男性)
・個人的にも満足で、子供は大満足している。期間中の来場日にも関係すると思うが、
開催期間の最後の方になると動物も疲れているので見ている方も辛くなる。
(45 歳・
女性)
・フランスの地方の産品が一同に見られることは素晴らしい。コンクールで受賞した
素晴らしい動物(いろいろな種類)を見ると、フランスの地方の豊さを感じる。田
舎を知らない子供たちが、田舎を感じることができる素晴らしい機会である。(53
歳・女性)
・フランス国内の豊さを認識した。一緒に行った子供達は動物が素晴らしいと感動し
ていた。様々な発見が多かった。(31 歳・女性)
⑤SIA での出費
・普段の買い物よりも出費は多くなる。金額は覚えていないが、チーズと牛乳を購入
した。
(42 歳・女性)
・レストランでの食事も含めて 70€ぐらいである。過去にはワイン・豚肉加工製品・
チーズ・木製の玩具・化粧品・ダイエット食品等を購入したことがある。
(45 歳・男
性)
・50~100€ぐらいである。チーズ・地方物産展でパテ・ハム・お菓子・有機メーカー
からりんご等を購入した。
(45 歳・女性)
・80~100€ぐらいである。チーズ・加工品(ハム・フォアグラ・等)
・チョコレート・
リキュール等を購入した。
(53 歳・女性)
・入場料のほかに豚ハム製品・チーズ等を購入したが金額は覚えていない。
(31 歳・女
性)
⑥入場料について
・1 人で来場する場合は良いが、家族で来場すると高い。
(42 歳・女性)
・招待状をもらうので自分で払うことはあまりないが、12€は妥当ではないかと思う。
ブースによっては商品を購入して住所を登録すると、翌年招待状が届くことがある。
(45 歳・男性)
・1 人の時は良いが、家族で行くと高くなる。6 歳未満は無料だが 12 歳以上は大人料
金で高くなるので、料金体系の中に大家族料金を作ってほしい。
(45 歳・女性)
・招待状を貰うことが多い。
(53 歳・女性)
・入場料を払い、会場の中でも出費があるので、それを前提にもう少し入場料を安く
97
してほしい。
(31 歳・女性)
⑦SIA での滞在時間
・子供が動物をもう一度見たいと言うので、開催期間中に 2 日間行ったこともある。
(42
歳・女性)
・開場から夜まで一日中滞在する。
(45 歳・男性)
・会場から離れた場所に住んでいるので、何日も行くことができないので、来場した
日は一日中滞在する。
(45 歳・女性)
・入場料が高いので、家族で何回も行くと費用がかかる。来場した日は開場から閉場
まで一日中滞在する。
(53 歳・女性)
・会場が広いので、見学するのに一日中滞在する。
(31 歳・女性)
⑧興味を持ったブース・プログラム(過去のものも含む)
・3 人の子供を連れて行くので、動物の展示、子供向けのイベント・実演等に訪れる。
(42 歳・女性)
・動物の展示、フランス地域の特産品、農業工作機器、エコロジーに関するブース等
を見学する。講演会が少ないと感じる。講演会のプログラムをわかりやすく表示し
てほしい。
(45 歳・男性)
・動物の展示、大手企業のブース(マクドナルドでは生産の過程を見ることができる)、
再生可能エネルギーに関するブースを見学する。遊びながら学ぶことができるのは
とても良いと思う。
(45 歳・女性)
・動物の展示、大手企業のブースを見学する。食物連鎖を学ぶことができるので教育
的にも良い。料理の実演も興味を持つ。
(53 歳・女性)
・動物の展示、自分の出身地のブースに行く。(31 歳・女性)
⑨SIA の開催時期・開催期間の妥当性、その理由
・時期的には学校の休暇と合うので良いと思う。9 日間あるので自分の都合に合わせや
すくて良い。
(42 歳・女性)
・基本的に良いと思う。以前は 15 日間の開催期間だったため、少し短くなったが、サ
ロン・ド・ショコラの 4 日間の開催期間に比べると、自分の都合に合わせやすくて
良い。開催場所を時々変えても良いのではないか。
(45 歳・男性)
・時期的に良い。週末が 2 回含まれるので良い。
(45 歳・女性)
・時期的に良い。農業従事者も端境期に当たり良い時期なのではないか。開催期間を
短縮すると、さらに混雑が予想されるので 9 日間の開催期間は良いと思う。会場も
交通アクセスが良い。
(53 歳・女性)
・時期的に良い。
(31 歳・女性)
98
⑩SIA への再来意向
・是非、行きたい。
(全員)
⑪他の農業見本市に参加した経験がある方は比較した優位性
・SIA に行くことが習慣になっている。都会に住んでいると生きた動物を見る機会が
ないので、都会の中に農場ができる(動物を見られる)ということが良い。
(42 歳・
女性)
・フランスの農業の伝統の中に位置づけられていると思う。お祭り的な感じではある
が、パリで行われる 3 大見本市(自動車の見本市、フォワール・ド・パリ、SIA)は、
パリ市民にも根付いている見本市である。フォワール・ド・パリは、5 月に 2 週間く
らい開催される見本市である。国際的な見本市で様々な物が展示さている。
(45 歳・
男性)
・お祭り的な雰囲気が良い。また、教育的な要素が大きいと思う。
(45 歳・女性)
・フランスの各地方を一同に見せる場所として優れていると思う。(53 歳・女性)
・生きた動物が展示、魅力的な食があり、さらに教育的な要素もある。自分の知らな
い地方を発見ができることが良い。
(31 歳・女性)
⑫教育的効果について
・具体的にはない。
(45 歳・男性)
(31 歳・女性)
・野菜・フルーツを食べるようになり、ゴミの分別も意識するようになった。
(53 歳・
女性)
・学校で本を見て学ぶよりも、見本市の会場で実際に自分の目で見て、手に取って確
かめることができるのは印象に残りやすいと思う。
(45 歳・女性)
・来場した直後は食品を買う時に成分構成に気をつけるようになるが、長続きはしな
い。
(42 歳・女性)
⑬SIA に訪問したことによる農業・食品・農政に対する意識変化
・行動に変化はないが、文化的な知識が増えたと感じる。(42 歳・女性)
・食品に対する意識が変わった。食品を買う時に、どこの農場で作られたかや衛生等
に気をつけるようになった。
(53 歳・女性)
・再利用エネルギーの展示を見て、家で取り組むことができる省エネ対策を実践する
などの意識を持つようになった。
(45 歳・女性)
・行動や意識を変えることはない。
(45 歳・男性)
・特に変わることはないが、文化的な知識は増えたと思う。
(31 歳・女性)
99
⑭消費者の視点から SIA の運営上の課題、問題点
・人が多すぎることと入場料の改善をしてほしい。
(31 歳・女性)
・週末は家族連れが多く、特に混雑が激しい。会場内でゲームに参加する際や試食を
するにも行列ができている。人が多く、通路が歩きづらい。
(53 歳・女性)
・週末しか来場する機会はないが、政治家が来場すると大変混雑する。会場を回るガ
イド付きのコースがあると良いと思う。
(45 歳・女性)
・看板等の表示をもう少しわかりやすく改善した方が良い。また、会場で講演会が少
ない。国際パビリオンでは、国によるが展示しているものが理解できないものもあ
る。もう少し開催期間を延長し、夜間の開場日をもう 1 日増やしてもよいのではな
いか。
(45 歳・男性)
・会場が広いので、看板を増やしてほしい。子供の来場が多いので、子供向けのワー
クショップ・実演を増やした方が良い。開催期間を延長するのは、動物の疲労が増
して難しいと思うので、夜間の開場日をもう少し増やしても良いのではないか。入
場料金は、家族料金を設定してほしい。
(42 歳・女性)
3.その他
①過去に行ったことのある農業見本市について
・行ったことがない。
(全員)
②興味のある見本市
・ノートルダム周辺で開催される、有機食品・地方物産展の見本市は訪問する。自然
に関する見本市にも訪問したことがある。地方であればバカンスで行っているとき
に、その地域で見本市が開催されていれば訪問するかもしれない。外国の見本市は
言葉の対応がなければ、訪問するのは難しい。(53 歳・女性)
・農業関連の見本市にはあまり訪問しないが、パリのラ・デファンスで開催されたメ
ーカーの展示会に訪問したことがある。
(45 歳・女性)
・パリには市場があるので、それで満足している。フランスの食品で満足しているの
で、海外で開催される食に関する見本市には訪問することはないと思う。年末にマ
ルシュ・ド・ノエルが各地で開催されるので、訪問することが多い。
(45 歳・男性)
・他の農業関連の見本市は訪問しないと思う。海外の農業に関する見本市をパリで、
フランス語対応で開催されるので来場してもよいと思う。(42 歳・女性)
・特に興味のある見本市はない。(31 歳・女性)
③フランスであったら良いと思う農業見本市
・新しい味覚を発見できる農業見本市があると良い。出品されるものは体に良いこと
で、試食ができることが条件である。(53 歳・女性)
100
・体に良い食品を紹介しているところ見本市があれば良い。
(45 歳・女性)
・農業はグローバルなものなので、肉・魚・パンなどのように各部門に特化した見本
市があっても良いと思う。
(45 歳・男性)
・大手メーカーの製品紹介(製造工程等)に関する見本市があると良い。
(42 歳・女性)
・特にない。
(31 歳・女性)
④SIA のような見本市を日本で開催した場合の食の信頼の回復への効果
・日本の食の信頼回復には時間がかかると思う。見本市で日本の食品の安全性を説明
するようなブースがあると良いのではないか。(42 歳・女性)
・農業、漁業に被害が大きいと思うので、今の時期に開催することが信頼回復に繋が
るかは疑問がある。今の日本の状況で食の信頼を回復するのは時間がかかると思う。
その意味では時期的に早すぎるのではないか。(53 歳・女性)
・日本の食の安全性についての情報提供が重要である。
(31 歳・女性)
・以前は日本の食品を購入していたが、震災後は食の安全性に不安が出てきたため、
子供への影響を考えて買い控えをしている。
(45 歳・女性)
・日本で開催する見本市のイメージがわかないので、信頼回復へ寄与するかの判断は
難しいが、もともとアジアに対する信頼はあるので、信頼が薄れたということはな
い。
(45 歳・男性)
・日本食レストランや日本産の食品は避けてしまうようになった。(42 歳・女性)
101
ヒアリング概要
一般消費者
ヒアリング対象
日時
平成 23 年 10 月 22 日(土)
グループインタビュー
10:00~12:00
1.参加者属性
1
性
別:男性 年 齢:42 歳 職業:公務員
家族構成:既婚、子供 4 名
居住地:パリ市
会場への交通手段:自家用車/メトロ
直近の SIA への参加年:2010 年
2
性
SIA への訪問回数:2 回
別:男性 年 齢:39 歳 職業:電気関係技術者
家族構成:既婚、子供 2 名
居住地:パリ市
会場への交通手段:トラム/メトロ
直近の SIA への参加年:2011 年 SIA への訪問回数:5 回以上
3
性
別:男性 年 齢:44 歳 職業:会社員
家族構成:既婚、子供 4 名
居住地:パリ市
会場への交通手段:バイク
直近の SIA への参加年:2010 年
4
性
SIA への訪問回数:10 回以上
別:女性 年 齢:45 歳 職業:会計士
家族構成:既婚、子供 1 名
居住地:クールブヴォア(パリ郊外)
会場への交通手段:トラム
直近の SIA への参加年:2007 年
5
性
SIA への訪問回数:3 回
別:女性 年 齢:40 歳 職業:秘書
家族構成:既婚
居住地:モンマニー(パリ郊外)
会場への交通手段:自家用車/メトロ
直近の SIA への参加年:約隔年 SIA への訪問回数:5 回
6
性
別:男性 年 齢:48 歳 職業:会社役員
家族構成:既婚、子供 2 名
居住地:モンモランシー(パリ郊外)
会場への交通手段:郊外鉄道(RER)/メトロ/自家用車/トラム
直近の SIA への参加年:2011 年 SIA への訪問回数:11 回
102
2.SIA について
①SIA に来場した目的
・個人的の娯楽のために訪問した。
(男性・42 歳)
・個人的な娯楽及び子供との外出先として来場した。
(男性・39 歳)(女性・45 歳)
・個人的な文化教養と子供との外出先として来場した。研修の仕事をしているので研
修生を連れて行くこともある。
(男性・44 歳)
・会場に様々なブースがあることから、個人的な好奇心で来場した。
(女性・40 歳)
。
・子供との外出先として動物を見ることと、政治家と会うために来場した。
(男性・48
歳)
②主な同行者
・家族で来場した。
(男性・42 歳)
・家族と友人で来場した。
(男性・39 歳)
(女性・45 歳)
(女性・40 歳)
・家族、一人、仕事関係の同行者(研修生)と来場した。(男性・44 歳)
・一人で来場したこともあるが、家族と友人と来場したこともある。
(男性・48 歳)
③SIA の特に魅力的な点
・生きた動物が展示されていること、農産品の新製品など農業部門の新しいものが見
学できることである。
(男性・42 歳)
・生きた動物が展示されることと地方パビリオンである。
(男性・39 歳)
(女性・45 歳)
(女性・40 歳)
・フランス全国の農業が集まることと、伝統的な農業がどう変化しているを見学でき
ることである。
(男性・44 歳)
・農村の変遷を見られることと、試食があることである。(男性・48 歳)
④SIA に参加後に家族や友人・知人に伝える内容
・会場で発見した農業に関する新しい知識を紹介する。
(男性・42 歳)
・動物の展示や試食したことを紹介する。(男性・39 歳)(女性・40 歳)
・伝統的な農業と化学肥料を使う農業があることを紹介した。(男性・44 歳)
・会場で紹介されている商品の質の高さと生きた動物のことを紹介する。
(女性・45 歳)
・来場した政治家の農業に関する知識・理解度合を紹介する。(男性・48 歳)
⑤SIA での出費
・食事で 25€のほか、地方特産品(ハチミツやジャム、果実・野菜等)の購入を含める
と 100€程度である。
(男性・48 歳)
・食事と地方特産品(果実・豚加工品等)の購入で 100€程度である。
(女性・40 歳)
103
・食事と地方特産品(豚肉加工品・ワイン・チーズ等)の購入で、100~150€程度であ
る。
(女性・45 歳)
・出費は、150~200€程度である。有機食品(ハチミツ・有機ジュース・チーズ等)
等は、生産者と直接会うことができ、質の高い商品を購入できる場所である。
(男性・
44 歳)
・食事と地方特産品(チーズ・豚加工品・調味品・ハチミツ等)の購入で、100€程度
である。
(男性・39 歳)
・食事と地方特産品(チーズ・お菓子・ワイン等)で、特に自分の知らない地方の物
を購入した。全体で 100~150€程度である。
(男性・42 歳)
⑥入場料について
・会社内の制度で割引チケットがあるので、妥当ではないか。
(男性・48 歳)
・会社を通じて購入するのでやや安いが、12€は妥当だと思う。開催期間中はいつでも
入場できるフリーパスがあると良いと思う。
(女性・40 歳)
・格安チケットや招待状で入場する。全てのパビリオンを回れるので妥当だと思う。
(女性・45 歳)
・招待状で入るが、大家族だと入場料だけで大きな金額になる。家族割引・期間中の
複数日対応の格安チケットがあっても良い。
(男性・44 歳)
・入場料として高いと思うので、会社を通じて割引チケットを購入している。(男性・
39 歳)
・格安のチケットで入場するため、入場料のことは考えたことはないが、家族が多い
と負担が大きいと思う。
(男性・42 歳)
⑦SIA での滞在時間
・週末に開場から閉場まで一日中滞在する。
(男性・48 歳)
(男性・39 歳)
・一日中滞在する。
(女性・40 歳)
・一日中滞在することが多いが、夜間開場の日に来場することもある。(女性・45 歳)
・開催期間中 3 日間ぐらい来場する。仕事の一環として来場することもあるため、仕
下見と仕事で各 1 日と家族で 1 日来場する。
(男性・44 歳)
・日曜日と学校が休みとなる水曜日の 2 日間来場する。
(男性・42 歳)
⑧興味を持ったブース・プログラム(過去のものも含む)
・農業の新分野について興味があるので、新しい農業技術や災害に対する対処法を展
示したブースを見学する。その他に特産品等の試食もする。
(男性・48 歳)
・新しい農業機械の見学とフランスの海外県の食品の見学である。(女性・40 歳)
・農業コンクールと国際パビリオンの各国のブースである。
(女性・45 歳)
104
・製品の製造過程を展示するブース、近代の農業を紹介するブースを見学する。農業
に対する先入観が払拭できる。
(男性・44 歳)
・動物の展示、コンクール会場、地方物産のパビリオンを見学する。
(男性・39 歳)
・様々なブースを見学しながら、特産品の試食ができることである。
(男性・42 歳)
⑨SIA の開催時期・開催期間の妥当性、その理由
・開催時期・期間ともに妥当である。(男性・42 歳)(男性・39 歳)
・開催時期は冬なのであまり良くないと思う。開催期間は、もう少し短くして小規模
なイベントとして秋(学校の休暇)と夏(農産物の旬の時期)に開催する方が良い
のではないか。混雑がひどいので 15 日間くらいに開催期間を伸ばしたりするのも良
いのではないか。
(男性・44 歳)
・開催期間中に週末が 2 回含まれることは良い。
(女性・45 歳)
・開催期間が 9 日間は良いが家族や友人と出かけるのには気候的に 6 月頃の開催が望
ましい。
(女性・40 歳)
・時期的に 11 月頃の開催が良いのではないか(11 月は祝日が 2 回あるので)
。会場は
郊外の方が良いのではないか。
(男性・48 歳)
⑩SIA への再来意向
・是非、行きたい。
(全員)
⑪他の農業見本市に参加した経験がある方は比較した優位性
・他の見本市と比べると、地方の特産品の種類が多い点で優れている。(男性・42 歳)
・地方の特産品の種類が多い点と生きた動物が見られることである。
(男性・39 歳)
・SIAL と比較した場合、SIAL は商業的な部分が強調されているが、SIA は地方の多
様な特産品が出品されていることである。(男性・44 歳)
・見本市としては総合的なイベントだと思う。生きた動物が展示されるだけでなく、
地方の様々な特産品を見ることができる。(女性・45 歳)
・出展する企業・団体が多様で、また出展されている商品も多様であり、農業につい
て網羅された見本市だと思う。
(女性・40 歳)
・SIA は、フランスの国家遺産の象徴的な見本市であると思う。
(男性・48 歳)
⑫教育的効果について
・省エネに対する関心が高まり、子供が率先して電気を消したりする等、教育的効果
が高い。
(全員)
105
⑬SIA に訪問したことによる農業・食品・農政に対する意識変化
・エコロジーの部分に対する意識が変わった。ゴミの分別やリサイクルに敏感になっ
た。
(男性・42 歳)
・普段から省エネへの関心も高く、食も気を付けているので、特に変化はない。
(男性・
39 歳)
・子供がエネルギーについて気にするようになった。見本市のコンセプトが変わって
来ていると感じる。以前は田舎の生活を垣間見るような機会があったが、最近では
環境、自然と国民(人間)の関係を見出す場に変わりつつあると思う。フランスの
農業人口は 5%しかない。生産者が農業を変えるのではなく、消費者が農業を変えて
いくことがこの見本市の目的ではないか。(男性・44 歳)
・エコロジーに対する意識の変化と、質の高い食品を家庭でも食べるように心がける
ようになった。
(女性・45 歳)
・エコロジー(節電・省エネ等)の意識をするようになった。(女性・40 歳)
・有機農業関連の食品に関心を持つようになった。スーパーで食品を購入する際も海
外からの輸入品は産地を確認するようになった。
(男性・48 歳)
⑭消費者の視点から SIA の運営上の課題、問題点
・動物の展示だけでなく、子供が楽しめるコンテンツが増えると良い。(男性・42 歳)
(男性・39 歳)
・新しい情報通信技術を活用して、オンラインで地方と繋げるなど、見本市に来場で
きない人のための取り組みも必要なのではないか。農業と人との関係を強調するよ
うなブースも必要なのではないかと思う。(男性・44 歳)
・混雑がひどいので、もう少し広い会場が良い。
(女性・45 歳)
・もう少し広い会場にすることと、子供が楽しめるコンテンツを増やしてほしい。
(女性・40 歳)
・フランスのスポーツを所管する官庁はスポーツで実績を上げた人が大臣となるが、
食品・農業・漁業省に関しては農業出身の人が 1 人もいない状況である。農業を大
切にしていくためには経験者を大臣にすることも重要である。その他子供が楽しめ
るコンテンツが増えると良い。
(男性・48 歳)
3.その他
①過去に行ったことのある農業見本市について
・Salon de gout、VINEXPO、SIAL、Le Salon du Chocolat、Foire de Paris、
Salon de l’odorat、Salon de terroire 、Foire de l’automne 等
106
②習慣的に SIA に参加する理由
・都会で生まれ育っているので、SIA への来場はフランスの奥深さを発見するために
は重要だと思う。
(男性・42 歳)
・子供と一緒に農業を発見するということで、毎年の行事になっている。
(男性・39 歳)
・小さい時から農業に関する関心が高かったこと、子供達に教育すること、海外への
理解を強めていく場所として、毎年来場している。
(男性・44 歳)
・フランスでは農地が減少してきているが、SIA に来場することでパリ市民でも農場
を体験することができる。また生産者に会えることも一つの楽しみである。博物館・
美術館に来館するのと同じような感覚である。(女性・45 歳)
・SIA が、唯一農業の全分野を網羅している見本市なので、今後も来場したいと思っ
ている。
(女性・40 歳)
・今後はグリーンツーリズムが発展していくのではないか。
(男性・48 歳)
④SIA のような見本市を日本で開催した場合の食の信頼の回復への効果
・アイデアとしては良いと思うが、福島産を出した場合、日本人でもフランス人でも
信頼を得るのは難しいと思う。見本市を日本で行うことで、日本の農業は元気だと
いうことを世界に発信するという意味では重要なことだと思う。
(男性・42 歳)
・アイデアとしては素晴らしいと思う。信頼を回復するために、農林水産大臣が福島
産の農産物を実際に食べて安全性をアピールするなど、政治的な取り組みが必要だ
と思う。その意味では、原発についての正確な情報の提供が必要である。実際に被
災地に赴き、被災地の人々と交流することも良いのではないか。
(男性・39 歳)
・原発の事故以後、私の友人には日本食を敬遠する人もいるので、見本市で原発につ
いての正確な情報や事故の解決方策が明確示されていけばば日本国内だけではなく
世界に対しても安全性をアピールできるのではないか。
(男性・44 歳)
・日本人自身が食に関するリスクと原発事故の解決方策について情報を得るべきだと
思う。日本政府が、被災地以外の食品の安全性をアピールする場にもなるのではな
いか。
(女性・45 歳)
・良いアイデアであると思うが、時期が早いのではないか。まだ、マイナスイメージ
が強い人が多いので、時期については再考が必要なのではないか。(女性・40 歳)
・アイデアとしては良いと思う。ただ、日本で見本市を開催する場合は、日本の生産
物だけでなく、かなりの部分を輸入品が占めるということを覚悟しなければならな
いのではないか。私の出身地にも原発があるが、原発のネガティブな部分だけでは
なく、ポジティブな部分もあることも理解する必要がある。
(男性・48 歳)
・キャンペーン等で有名人を起用して安全性をアピールするのも良いのではないか。
(男性・44 歳)
107
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