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ブラジル経済の現状と今後の展望 - HSBC Global Asset Management

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ブラジル経済の現状と今後の展望 - HSBC Global Asset Management
- 運用のスペシャリストが語る -
ブラジル経済の現状と今後の展望
ご 参 考 資 料
2013年6月12日
間もなく、日本代表も出場するサッカーワールドカップの前哨戦「コンフェデレーションズカップ」がブラジル
で開催されます。来年に本番のワールドカップの開催を控えるブラジルでは今、大規模なインフラ整備が
進んでいます。そこで、ブラジル株式の運用スペシャリストであるナタリア・ケルキスにブラジル経済の
動向や株式市場をどのように見ているのか、について聞きました。
(本文内容は、2013年6月5日のインタビュー時点のものです)
ナタリア・ケルキス
HSBCグローバル・アセット・マネジメント(ブラジル)
株式運用責任者 シニア・ポートフォリオ・マネジャー
2001年より株式アナリストとして資産運用関連業務に従事。
2004年にHSBCグローバル・アセット・マネジメントに入社。石油・ガス、インフラ、一般消費財
セクターなどのアナリストを務める。その後、ポートフォリオ・マネジャーとしてブラジル株式、
ラテンアメリカ株式ファンドの運用に従事し、現在に至る。
− 世界的な景気減速が続いていますが、ブラジル経済に大きな影響を及ぼすと見られる国は
どこですか。
特に影響が大きいと考えられるのは米国、EU(欧州連合)、中国
まず、米国ですが、米国の景気に回復の兆候が出てきたことは、ブラジルにとって大きなプラスとなります。
市場では、米国の量的緩和策の縮小・終了に関する懸念が見られますが、当社では、米連邦準備制度理事会
(FRB)は、量的緩和を一気に縮小するようなことはせず、あくまでも徐々に縮小していくものと見ています。米
国では、株式市場の参加者が多く、株高による資産効果と同様に、株安による逆資産効果も大きく表れます。
FRBは、株式市場の急激な悪化に繋がるような量的緩和の解除は行わないものと思われます。
一方、EUでは、欧州中央銀行(ECB)が十分な流動性の供給を継続することを表明しています。欧州債務問
題は、抜本的解決にはなお時間を要しますが、ECBによる潤沢な資金供給や欧州安定メカニズム(ESM)*の設
立といった対応策が採られる中で、一時の危機感は後退しています。
中国は、ブラジルにとり最大の輸出相手国であり、中国の景気減速は最大の懸念材料と言えるでしょう。輸
出全体に占める中国向けの割合は、2007年の6.7%から2012年には17.0%と大きく拡大しています。また、ブラ
ジルは資源輸出国であるため、中国経済の減速による資源価格の低迷も、経済に大きく影響してきます。この
ため、当社では中国の経済指標の動向を特に注視しています。また、最近話題になっている中国の経済統計
の不明瞭さの問題にも注目しています。
* 財政難に陥ったユーロ圏の国々に対して支援する制度
1
巻末の「留意点」を必ずご覧ください
HSBC × Brazil
ブラジル経済の現状と今後の展望
国別輸出構成比
2007年
2012年
出所:ブラジル開発商工省のデータをもとにHSBC投信が作成
− 先進国の金融緩和はブラジルの金融市場にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
米国の量的緩和により、ブラジルをはじめ新興国は通貨高に
米国の量的緩和による過剰流動性は、新興国への大量の資金流入による通貨高を招きました。このような先
進国の金融緩和策に対し、マンテガ財務相による批判がよく話題になりますが、実際のところ、マンテガ氏の先
進国批判はレアル高局面で多く見られます。マンテガ氏は、レアル高がブラジルの産業競争力の低下につなが
り、特に輸出産業に打撃を与えることを強く懸念しています。ただ、実際には、ブラジルの競争力の低下は通貨
だけでなく、賃金上昇の影響が大きいものと思われます。
ただし、ここにきて米国経済に回復の兆しが見え始め、米国の量的緩和の縮小に市場の注目が集まる中、レア
ルを含む新興国通貨が対米ドルで下落する展開となっています。ブラジル政府は、6月4日に海外の投資家がブ
ラジル国内の債券に投資する際に課税されていた6%の金融取引税(IOF)を撤廃すると発表しましたが、これは
逆流し始めていた海外から投資資金を再び呼び戻すための施策と言えます。
− インフレ率は中央銀行の目標範囲の上限近くで推移していますが、ブラジルはインフレを抑制
できると考えていますか。
政府はインフレ抑制を最優先課題に
これまでのブラジル中央銀行の対応にはや
や問題があり、インフレ(物価上昇)の状況が
悪化してから対応する後追い型となる傾向
が見られ、悪化する前に対応する先手型と
は言えませんでした。実際、中央銀行は5月
の金融政策委員会でも、インフレ率が目標(
4.5%±2.0%)の上限ぎりぎりの水準に達す
る中で、市場予想を上回る0.5%の利上げを
迫られました。
インフレ率と政策金利の推移
(2008年1月末∼2013年5月末)
(%)
20
政策金利
15
10
5
インフレ目標 (4.5%±2.0%) インフレ率
0
08
2
巻末の「留意点」を必ずご覧ください
09
10
11
12
13 (年)
※インフレ率は拡大消費者物価指数(IPCA)上昇率(前年同月比)
出所 : ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
HSBC × Brazil
ブラジル経済の現状と今後の展望
また、インフレによる国民の実質可処分所得の目減りが問題となっています。こうした中、政府はこの問題を真
剣に受け止め、インフレ抑制策を最優先課題に掲げています。
今後については、当局の政策対応に加えて、経済成長が引き続き潜在成長率を下回る水準にとどまる見通し
であること、また食料品価格の上昇ペースが鈍化する見込みであることから、今年後半には、インフレ率は低下
傾向となることが見込まれます。
− ブラジル経済の見通しについて教えてください。
個人消費とインフラ投資が牽引役となり、緩やかながらも景気回復が予想される
4月に発表されたIMF(国際通貨基金)によるブラジルの2013年の実質GDP成長率の予想は+3.0%と、1月の
見通し(+3.5%)に比べ下方修正されました。この下方修正は1-3月期の成長率が前年同期比+1.9%と予想を
下回ったことなどによるものです。しかしながら、4-6月期以降は、個人消費に加えてインフラ投資がけん引役
となり、緩やかながら景気は着実に回復するものと見込んでいます。
今後は特にインフラ投資の大幅な拡大が見込まれます。ブラジルは、プロジェクトを計画通りに遂行するの
が得意ではないとよく言われます。しかしながら、 2014年のサッカーワールドカップ、2016年の夏季オリンピッ
クなど国際的なスポーツイベントの開催が目前に迫っており、今後、そのためのインフラ整備が加速すること
が見込まれます。
また、現在、政府は「成長促進プログラム(PAC2)」の下で大規模なインフラ投資を推進していますが、中でも
空港、港湾、鉄道、道路など輸送網の整備は、ブラジルの産業競争力を向上させるとともに、経済成長を大き
く押し上げる原動力となることが期待されています。
需要項目別 実質GDP成長率の推移 (前年同期比、四半期ベース)
実質GDP成長率
個人消費
政府支出
投資
輸出
輸入
12年1-3月期 12年4-6月期 12年7-9月期 12年10-12月期 13年1-3月期
0.8 %
0 .5%
0.9 %
1 .4%
1.9 %
2.5%
2.4%
3.4%
3.9%
2.1%
3.4%
3.1%
3.2%
3.1%
1.6%
-2.1%
-3.7%
-5.6%
-4.5%
3.0%
6.6%
-2.5%
-3.2%
2.1%
-5.7%
6.3%
1.6%
-6.4%
0.4%
7.4%
出所:ブラジル地理統計院のデータをもとにHSBC投信が作成
3
巻末の「留意点」を必ずご覧ください
HSBC × Brazil
ブラジル経済の現状と今後の展望
− ブラジル株式市場の見通しを教えてください。
株式市場の見通しはポジティブ
各国の予想PER (2013年5月末)
ブラジルの株式市場については、ポジティブな見方
(倍)
20
をしています。
まず、景気は循環的な上昇局面に入りつつありま
す。また、今後は、景気が回復する中で、レアル安
や政府の産業支援の効果から企業収益も大きく改
善する見込みであり、株式市場にプラスに働いてく
るものと思われます。
また、ブラジル株式の予想PER(株価収益率)は、
5月末現在、11.2倍と他の新興国株式と比較しても、
相対的に割安な水準にある点も注目されます。
15.3
13.6
15
13.6
13.2
11.2
11.0
9.4
10
5.0
5
0
ロ
シ
ア
ブ
ラ
ジ
ル
イ
ン
ド
中
国
ト
ル
コ
南
ア
フ
リ
カ
イ
ン
ド
ネ
シ
ア
タ
イ
※ブラジル:ボベスパ指数、ロシア:RTS指数、インド:SENSEX指数、
中国:上海総合株価指数、インドネシア:ジャカルタ総合指数、
南アフリカ:FTSE/JSEアフリカ全株指数指数、トルコ:BIST100指数、
タイ:SET指数を使用
出所 : ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
− レアルの動向を教えてください。また、今後の見通しは。
行き過ぎたレアル安局面では為替介入の可能性
マンテガ財務相は、これまでブラジルの産業競
争力向上のために、レアル高を阻止する政策を採
ってきましたが、ここに来て米国の量的緩和の早
期縮小に対する懸念を受けて、レアルは他の新
興国通貨とともに対米ドルで下落しています。当
局は、過度なレアル高と同様にインフレを一層加
速させる要因となる、過度なレアル安も望んでお
らず、レアルが対米ドルで2.10∼2.15レアルの水
準まで売り込まれれば、為替介入によって、さらな
るレアル安を阻止する可能性が高まってきます。
レアル(対円、対米ドル)の推移
(2013年1月2日∼5月31日)
(米ドル/レアル)
(レアル/円)
55
1.6
レアル高
対円(左軸)
50
1.8
45
2.0
対米ドル(右軸)
40
また、海外投資家の国内債券への投資に対す
る金融取引税(IOF)の撤廃も、当局がこれ以上の
レアル安を望んでいないことを示すものと見られ、
レアル相場を支える好材料になると考えます。
レアル安
2.4
35
13/1
13/2
13/3
13/4
13/5
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
4
巻末の「留意点」を必ずご覧ください
2.2
(年/月)
留意点
<当資料に関する留意点>




当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したも
のであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するもの
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ではありません。
当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。
当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。
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- 購入時に直接ご負担頂く費用・・・・
- 換金時に直接ご負担頂く費用・・・・
- 投資信託の保有期間中に
間接的にご負担頂く費用・・・・・・・・
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購入時手数料 上限3.675%(税込)
信託財産留保額 上限0.5%
運用管理費用(信託報酬)上限年2.1% (税込)
上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。
交付目論見書、「契約締結前交付書面(目論見書補完書
面等)」等でご確認ください。
注: 上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。
費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、
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HSBC投信株式会社
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