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屋外貯蔵タンクに作用する津波波力の算定方法

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屋外貯蔵タンクに作用する津波波力の算定方法
参考資料7
屋外貯蔵タンクに作用する津波波力の算
定方法
屋外貯蔵タンクに作用する津波波力の算定方法
(a)
検討概要
既往の検討
1)
で用いられていた屋外貯蔵タンクに作用する津波波力算定式は、津波の最
大浸水深のみによって評価を行っていたため、流速が小さい場合には過大に波力を評価す
る可能性があった。そこで、屋外貯蔵タンクに作用する津波波力をより精確に算定できる
よう、既往の津波波力算定式を、津波の流速の影響を考慮することにより、改良すること
とした。
(b)
既往の津波波力の算定方法
既往の検討
1)
で は 、津 波 波 圧 は 、タ ン ク 側 面 お よ び 底 面 に 、図 3.2-7 に 示 す よ う な 分 布 形
状となるとして算定されていた。水平波力および鉛直波力の算定方法は次のようになる。
タンク
タンク本体
津波
水平波圧
水平波力
モーメントの支点
αρgηmax
タンク正面で、
α=1.8、β=1.2
図 3.2-7
βρgηmax
αηmax
タンク周囲の水平波圧
タンク周囲の水平波力
鉛直波力
鉛直波圧
タンク本体に作用する津波波圧分布(既往の検討
1
1)
)
① 水平波力と水平モーメント
過去に実施された水理模型実験
3)
では、さまざまな周期と波高の模擬津波を発生させて
水位、模型タンクに作用する水平波力等の計測が行われた。その結果、タンクに津波が当
たっている状態において模型タンクに作用する水平波力が最大となる時点で計測されたタ
ン ク 前 面に お け る 津波 水 位 d
max
は 、入 射 波 の 最 大 水 位 、す な わ ち 、タ ン ク を 置 か な い 状 態
に お け る タ ン ク 設 置 位 置 で の 津 波 水 位 の 最 大 値( 最 大 浸 水 深  max )の 1.8 倍 程 度 で あ っ た 。
す な わ ち、 タ ン ク 前面 に お け る津 波 水 位 d
max
は、下式で計算できるものとされた。
 dmax  1.8 max
( 式 3.2-9)
3)
また、同じく水理模型実験
から、模型タンクに作用する水平波力が最大となる時点で
max
の タ ン ク 周 囲 の 津 波 水 位( 津 波 到 来 方 向 と な す 角 度 が θ の 方 向 の 側 板 で の 津 波 水 位 )hd
 
は、次のフーリエ級数で近似できることがわかった。
3
3
m 0
m0
hdmax     dmax  p m cos m  1.8 max  pm cos m
p0=
0.680
p1=
0.340
p2=
0.015
( 式 3.2-10)
p 3 =- 0.035
参 考 の た め 図 3.2-8 に 、  max に 対 す る hx
max
さらに、水理模型実験
3)
  の 比 率 を 示 す 。
からは、模型タンクに作用する水平波力が最大となる時点にお
いてタンクの前面で計測された水圧の高さ方向分布は、その時点でのタンク前面における
水位からの静水圧分布で近似可能であることがわかった。これに基づいて、津波を受ける
タ ン ク に 作 用 す る 水 平 波 力 の 最 大 値 F tH は 、 下 式 で 評 価 で き る も の と 考 え ら れ た 。
FtH 


2
1 
g hxmax   R cos d

2 
( 式 3.2-11)
こ こ で 、R は タ ン ク の 半 径 で あ る 。 (式 3.2-11)か ら 計 算 さ れ た 水 平 波 力 と 水 理 模 型 実 験
3)
で計測されたタンクに作用する水平波力を比較したところ、計算結果は測定結果とおお
む ね 一 致 し て い た こ と か ら 、 (式 3.2-11)に よ り 最 大 浸 水 深  max か ら 津 波 を 受 け る タ ン ク に
作 用 す る 水 平 波 力 の 最 大 値 F tH を 算 定 で き る と す る こ と が 提 案 さ れ た 。
2
本 報 告 書 で は 、 (式 3.2-10)の 中 の 値 「 1.8」 を 「 タ ン ク 水 平 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」 と 呼
ぶ こ と に し 、「  」 と 表 記 す る こ と と す る 。 こ れ に よ り 、 津 波 を 受 け る タ ン ク に 作 用 す る
水 平 波 力 の 最 大 値 F tH を 算 定 す る 式 と し て 提 案 さ れ た 式 は 次 の よ う に 表 さ れ る 。
FtH 


2
1 
g hxmax   R cos d



2
( 式 3.2-11 再 掲 )
3
hxmax     max  pm cos m
( 式 3.2-12)
m0
p0=
0.680
p1=
0.340
p2=
0.015
p 3 =- 0.035
津波を受けるタンクに作用する水平波力モーメントは、モーメントの支点であるタンク
背 後 基 部 ら 水 平 波 力 の 作 用 線 ま で の 高 さ 方 向 の 距 離 h x (θ)/3 を 掛 け た も の で 評 価 す る こ と
が で き る と 考 え ら れ た 。 こ の 考 え 方 に 基 づ き 、 水 平 波 力 F tH が タ ン ク に 作 用 す る 場 合 の 水
平 モ ー メ ン ト M tH を 算 定 す る 式 と し て 次 の 式 が 提 案 さ れ た 。


3
1 
g hxmax   R cos d

6 
( 式 3.2-13)
2.5
最大浸水深η
maxに対する比率 α
最 大 浸 水 深 η m a x に 対 す る h x m a x (θ)の 比 率
M tH 
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-π
-180 -150 -120
図 3.2-8
-π
/2
-90
-60
0
-30
0
30
角度(°)
角
度
(
°)
角 度 (rad)
60
π90/2
120
max
タ ン ク 円 周 方 向 の 最 大 浸 水 深 η max に 対 す る hx
(「 タ ン ク 水 平 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」( α))
3
150
π
180
  の 比 率
② 鉛直波力と鉛直モーメント
津 波 を 受 け る タ ン ク に 作 用 す る 鉛 直 波 力 の 最 大 値 F tV と 鉛 直 波 力 F tV が タ ン ク に 作 用 す る
場 合 の 鉛 直 モ ー メ ン ト M tV を 算 定 す る 式 に つ い て は 、「 ① 水 平 波 力 と 水 平 モ ー メ ン ト 」と 同
様の考え方で次式が提案された。

FtV  2  ghVmax  R 2 cos 2 d
( 式 3.2-14)
0
3
hVmax     max  qm cos m
( 式 3.2-15)
m0
q0=
0.720
q1=
0.308
q2=
0.014
q 3 =- 0.042
max
こ こ で hV
  は 、津 波 を 受 け る タ ン ク に お い て 鉛 直 波 力 が 最 大 と な る 時 点 で の タ ン ク 周
囲における水位である。水理模型実験
3)
によると、鉛直波力が最大となる時点は、水平波
力が最大となる時点とは異なっており、鉛直波力が最大となる時点におけるタンク側板に
お け る 水 位 は 、 最 大 浸 水 深  max の 1.2 倍 程 度 で あ っ た 。 こ の た め 、 (式 3.2-15)の
1.2 と さ れ て い る 。 本 報 告 書 で は 、
 の値は
 を「タンク鉛直波力に係る浸水深係数」と呼ぶこと
に す る 。 参 考 の た め 図 3.2-9 に 、  max に 対 す る hV
max
  の 比 率 を 示 す 。
鉛 直 モ ー メ ン ト M tV は 、 モ ー メ ン ト の 支 点 ( タ ン ク 背 後 基 部 ) か ら 鉛 直 波 力 F tV の 作 用
点 ま で の 距 離 R 1  cos   を 掛 け た も の で 評 価 す る こ と が で き る と 考 え ら れ た 。 こ の 考 え 方
に 基 づ き 、 鉛 直 波 力 F tV が タ ン ク に 作 用 す る 場 合 の 鉛 直 モ ー メ ン ト M tV を 算 定 す る 式 と し
て次の式が提案された。

M tV  2  ghVmax  R 3 cos 2  1  cos d
0
4
( 式 3.2-16)
最大浸水深η
maxに対する比率β
最 大 浸 水 深 η m a x に 対 す る h v m a x (θ)の 比 率
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-π
-π /2
0
π /2
π
角 度 (rad)
図 3.2-9
タ ン ク 円 周 方 向 の 最 大 浸 水 深 η max に 対 す る h v max (θ)の 比 率
(「 タ ン ク 鉛 直 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」( β)
5
流速の効果を考慮した津波波力の算定方法に関する検討
流速の効果を考慮した津波波力算定式の作成は、既往の津波波力の水理模型実験
3)
で計
測 さ れ て い る 最 大 浸 水 深 η max と 最 大 流 速 V max に 基 づ い て 行 っ た 。こ れ は 、防 油 堤 は 存 在 す
る も の の 、 タ ン ク が な い 場 合 ( 図 3.2-10) の タ ン ク 位 置 に お い て 計 測 さ れ た も の で あ る 。
水理模型実験結果
3)
による検討内容の詳細は、資料-3に記載した。
こ の 水 理 模 型 実 験 デ ー タ に よ る と 、既 往 の 津 波 水 平 波 力 算 定 式 の 修 正 方 法 は 、
「タンク水
平 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」α( =1.8)と「 タ ン ク 鉛 直 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」β( =1.2)は 、
フ ル ー ド 数 Fr  Vmax
g max
(式中の g は重力加速度)によって変化させることが適当
で あ る と 考 え ら れ た 。な お 、今 回 の フ ル ー ド 数 の 算 定 に 用 い た 最 大 浸 水 深 η max と 最 大 流 速
V max は 、 同 時 性 を 考 慮 せ ず に 、 η max は 浸 水 深 が 最 大 と な っ た 時 点 で の 浸 水 深 、 V max は 流 速
が最大となった時点での流速とすることとした。
本来、フルード数は、同時刻の浸水深と流速のから算出する数値であるが、ここで参照
した既往の水理模型実験結果では、最大浸水深および最大流速の発生時間に大きな差異が
生じていなかったため、異なる時刻の最大浸水深と最大流速を用いてフルード数を計算し
ても、問題はないと考えた。
屋外貯蔵タンク
(非考慮)
津波
V ma x
η ma x
防油堤
図 3.2-10
屋 外 貯 蔵 タ ン ク の 波 力 算 定 に 用 い る 最 大 浸 水 深  max と 最 大 流 速 V max
(なお、津波等により防油堤が被害を受けてその機能をはたさなくなる場合には、
防油堤はないものとして取り扱うこととする)
6
図 3.2-11 に 、 水 理 模 型 実 験 結 果
3)
に 基 づ い て 、 フ ル ー ド 数 F r と 「( タ ン ク 前 面 に お け る
津 波 水 位 ) / ( 入 射 波 水 位 )」 の 関 係 を 示 す 。「 タ ン ク 前 面 に お け る 津 波 水 位 」 は 、 文 字 通
り、タンクに津波が作用した時の実験において、タンク前面で測定された津波の水位であ
り 、「 入 射 波 水 位 」は タ ン ク を 置 か な い 場 合 の 実 験 で 測 定 さ れ た タ ン ク 位 置 で の 津 波 の 水 位
で あ る 。こ の「( タ ン ク 前 面 に お け る 津 波 水 位 )/( 入 射 波 水 位 )」は 、
「タンク水平波力に
係 る 浸 水 深 係 数 」α を 表 し て い る こ と と な る 。フ ル ー ド 数 F r は 、同 じ く タ ン ク を 置 か な い
場 合 の 実 験 に お い て 、タ ン ク 位 置 で 測 定 さ れ た η max と V max か ら 計 算 さ れ た も の で あ る 。こ
の 図 か ら 、F r が 1 程 度 の 値 を 上 回 る と 、入 射 波 水 位 に 対 す る タ ン ク 前 面 に お け る 津 波 水 位
の 比 が 大 き く な る こ と が わ か る 。 そ こ で 、「 タ ン ク 水 平 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」 α は 、 図
3.2-11 の 破 線 で 図 示 し た よ う に 、 上 限 は 既 往 の 津 波 波 力 算 定 式 と 整 合 さ せ て   1.8 、 下 限
は タ ン ク が な い 状 態 に 等 し い   1.0 と し 、 そ の 間 を 実 験 結 果 の 上 限 を 取 る よ う に 直 線 で 近
似することとした。これにより、α は次式で表される。
1.8

  2.0 Fr  0.8
1.0

Fr  1.3
1.3  Fr  0.9
( 式 3.2-17)
0.9  Fr
ま た 、「 タ ン ク 鉛 直 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」 β に つ い て は 、 α と 同 様 、 上 限 は 既 往 の 津 波
波 力 算 定 式 と 整 合 さ せ て β=1.2、 下 限 は タ ン ク が な い 状 態 に 等 し い β=1.0 と し 、 そ の 間 も 、
α に連動するとして、次式で表されると考えた。
1.2

  0.5Fr  0.55
1.0

Fr  1.3
1.3  Fr  0.9
( 式 3.2-18)
0.9  Fr
結 局 、 こ こ で 提 案 す る 「 流 速 の 効 果 を 考 慮 し た 津 波 波 力 算 定 式 」 は 、 (式 3.2-12)及 び (式
3.2-15)に お い て 、α=1.8 及 び β=1.2 と 定 数 と し て い た も の を 、そ れ ぞ れ (式 3.2-17)と (式 3.2-18)
に 置 き 換 え 、 図 3.2-12 に 示 す よ う な 津 波 波 圧 分 布 を 想 定 し た も の で あ る 。
図 3.2-13 に 、「 流 速 の 効 果 を 考 慮 し た 津 波 波 力 算 定 式 」 に よ る 波 力 算 定 結 果 と 水 理 模 型
実験
3)
で測定されている波力の比較を示す。この図には、流速の影響を考慮せず、最大浸
水深のみに基づく既往の津波波力算定式により算定された波力も示されている。今回提案
している「流速の効果を考慮した津波波力算定式」のほうが、実験事実をよく説明してい
る 。す な わ ち 、
「 流 速 の 効 果 を 考 慮 し た 津 波 波 力 算 定 式 」は 、既 往 の 津 波 波 力 算 定 式 よ り も 、
タンクに作用する津波波力をより精確に算定することができると言える。
7
と こ ろ で 、図 3.2-11 に は 津 波 の 先 端 部 分 が 個 々 の 短 周 期 成 分 と な っ て 到 来 す る ソ リ ト ン
分裂波の結果も示されており、これらのデータは、同図に引いた破線からは外れている。
し か し な が ら 、図 3.2-13 に 示 す 実 験 結 果 と の 比 較 で は 、今 回 の 提 案 式 に よ る 波 力 算 定 結 果
はソリトン分裂波のデータも包絡しているので、
「 タ ン ク 水 平 波 力 に 係 る 浸 水 深 係 数 」α の
算 定 式 (式 3.2-18)の 作 成 に お い て 、 ソ リ ト ン 分 裂 波 の デ ー タ を 無 視 し た こ と は 、 結 果 的 に
は問題はなかったものと考えられる。
以上をまとめると、屋外貯蔵タンクに作用する津波波力は、屋外貯蔵タンクに作用する
津 波 の 最 大 浸 水 深 の み が わ か る 場 合 に は 、 α=1.8 及 び β =1.2 と し て 、 (式 3.2-13)及 び (式
3.2-17)に よ り 算 定 す る こ と が 可 能 で あ る が 、 こ れ に よ る 算 定 結 果 は 、 場 合 に よ っ て は 、 実
際の津波波力よりも過大となる可能性があるため、屋外貯蔵タンクに作用する津波につい
て 、最 大 浸 水 深 の ほ か 最 大 流 速 も わ か る 場 合 に は 、(式 3.2-18)及 び (式 3.2-19)に よ り「 タ ン
ク水平波力に係る浸水深係数」α 及び「タンク鉛直波力に係る浸水深係数」β の値を修正
し 、津 波 波 力 を よ り 精 確 に 算 定 で き る よ う に し た も の を 用 い る こ と が 適 当 で あ る と 言 え る 。
ソリトン分裂波の結果
3.5
タンク前面水位ηd/入射波水位ηi
防油堤無(A-1,B-1)
3.0
防油堤有(A-2,B-2)
2.5
2.0
αの算定式
1.5
1.0
0.5
0.0
0.0
図 3.2-11
0.5
1.0
Fr
1.5
2.0
提案した「タンク水平波力に係る浸水深係数」α の算定式
8
タンク本体
タンク周囲の水平波力
タンク周囲の水平波圧
αηmax
津波
水平波圧
水平波力
βρgηmax
αρgηmax
タ
ンク正面で
タンク正面で、
αα=1.8、β=1.2
=1.0~ 1.8
鉛直波力
鉛直波圧
β =1.0~ 1.2
図 3.2-12
提案した「タンク水平波力に係る浸水深係数」α 及び「タンク鉛直波力
に係る浸水深係数」β によるタンク本体に作用する津波波圧分布
10.0
計算水平波力(N)
8.0
6.0
4.0
提案式(防油堤無)
2.0
提案式(防油堤有)
既往式(防油堤有)
0.0
0.0
図 3.2-13
2.0
4.0
6.0
実験水平波力(N)
8.0
10.0
実験結果と津波波力算定式による水平波力の比較
9
屋外貯蔵タンクの被害形態発生可能性の評価方法
表 3.3-2 に 、タ ン ク の 4 つ の 被 害 形 態(「 浮 き 上 が り 」、「 滑 動 」、「 転 倒 」、「 内 外 水 圧 差 に
よ る 側 板 座 屈 」)の 発 生 可 能 性 を 簡 易 に 予 測 す る た め の「 屋 外 貯 蔵 タ ン ク の 津 波 被 害 簡 易 予
測手法」の一覧を示す。
表 3.3-2
屋外貯蔵タンクの被害発生可能性の簡易予測手法
被害形態
発生可能性の簡易予測手法
浮き上がり安全率: FSa 
浮き上がり
WT  WL
FtV
浮き上がりの可能性あり: FSa  1.0
-- 〃 --可能性なし: FSa  1.0
WT :タンク本体の重量
W L :タンク内容液の重量
FtV :タンクに作用する鉛直力(津波波力)
滑動安全率: FSb 
 WT  WL  FtV 
FtH
滑動の可能性あり: FSb  1.0
滑動
-〃-可能性なし: FSb  1.0
 :タンク基礎とタンク本体の摩擦係数
WT :タンク本体の重量
W L :タンク内容液の重量
FtV :タンクに作用する津波の鉛直力
FtH :タンクに作用する津波の水平力
転倒安全率: FSc 
転倒
M W  M tV
M tH
転倒の可能性あり: FSc  1.0
-〃-可能性なし: FSc  1.0
M W :津波に対する抵抗モーメント
M tV :津波による鉛直モーメント
M tH :津波による水平モーメント
座屈が発生する津波浸水深: H 0 
 B  B 2  4 AC
2A
座屈の可能性あり: H 0   max
-〃-可能性なし: H 0   max
A
側板座屈
 g RL2
2  2D
  g RL2

B   1
H 1  0.3168Z 1 2 
2
 2  D

C  1.152 LZ 1 / 2
D
EH 3
121   
2
Z  1  2
L2
RH
1 ,  :内容液の比重,津波水の比重
R, L, H :タンクの半径,高さ,側板厚
H1 :タンク内容液高さ,
Z , , E :形状係数,ポアソン比,ヤング率
10
(a)
タンク本体の被害予測における荷重条件
タンク本体の被害判定においては、次の荷重を考慮する。
・タンク本体重量
・ タ ン ク 内 容 液 (危 険 物 )の 重 量
・津波波力
・浮力
(b)
タンク本体の浮き上がり発生可能性の予測
タンク本体の浮き上がり発生可能性の有無は、タンク本体及び危険物の重量と津波によ
る 鉛 直 力 の 比 で 表 す 浮 き 上 が り 安 全 率 F Sa に て 判 定 し た 。
次式にタンク本体の滑動安全率の算定式を示す。
浮き上がり安全率
FSa 
WT  WL
FtV
( 式 3.3-14)
FSa  1.0 : 浮 き 上 が り あ り
FSa  1.0 : 浮 き 上 が り な し
こ こ で 、 W T : タ ン ク 本 体 重 量 、 W L : 内 溶 液 の 重 量 、 F tV : 津 波 の 鉛 直 波 力 で あ る 。
(c)
タンク本体の滑動発生可能性の予測
タンク本体の滑動発生可能性の有無は、タンク本体及び危険物の重量、津波の鉛直波力
と 津 波 波 力 に よ る 水 平 力 の 比 で 表 す 滑 動 安 全 率 F Sb に て 判 定 し た 。
次式にタンク本体の滑動安全率の算定式を示す。
滑動安全率
FSb 
 WT  WL  FtV 
FtH
( 式 3.3-15)
FSb  1.0 : 滑 動 あ り
FSb  1.0 : 滑 動 な し
こ こ で 、 μ: 基 礎 と タ ン ク 本 体 の 摩 擦 係 数 、 F tH : 津 波 の 水 平 波 力 で あ る 。
な お 、本 検 討 で の 摩 擦 係 数 μ は 、JIS 規 格 書
数 で あ る 0.5 を 用 い た 。
11
7)
か ら 、土 面 に 対 す る 乾 い た 石 の 静 止 摩 擦 係
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