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丹波鹿ガイドブック丹波の森からの贈り物

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丹波鹿ガイドブック丹波の森からの贈り物
そば処 今出せせらぎ園
株式会社 EG サイクル
精肉に回さない部位等を、
犬のごちそうに加工!
人気のそば処が提供する
鹿肉を使った新メニュー!
店があるのは水がきれいな地域
で、夏はホタルが舞うスポット
としても有名。鹿肉の他に地元
の山菜や食材を使ったメニュー
もあり丹波の自然を楽しめる店。
丹波市青垣町遠阪 1625 0795 - 88 - 0558
11 : 00〜16 : 00
木曜、1 月、2 月
株式会社 ささくら
野生の鹿肉を独自の「新風乾製法」を使って乾
燥させた「鹿肉ジャーキー」や「ふりかけ」が人
気のドッグフードを製造・販売。
栄養価が高い鹿肉は、犬にも最適のお肉。胃
の内容物を製品化したトライプも犬にとって貴
重な栄養素を多く含み、ペットの健康を増進。
鹿肉の有効活用にも大きく貢献しています。
100 %無添加。家畜に与えられ
るホルモン剤や抗生物質が投与
されることもないので安心して
食べさせられます。部位や製法
による商品数も豊富。
丹波市山南町南中 113 - 6
0795 - 77 - 1870
8 : 00〜17 : 00 土曜、日曜、祝祭日
株式会社 丹波姫もみじ
スポーツ界も認めた栄養価
「丹波の姫手毬」
。
安全・安心な鹿肉を供給する
鹿肉専門の加工工場。
ょっと一休』とともに鹿肉製品のスポーツ選手
への売込みや普及にも取り組んでいます。
「丹波の姫手毬」はハンバーグや
ミートボール、鍋の具材など幅
広く利用できます。写真は調理
例。J リーガーやプロボクサーも
鹿肉を食事に取り入れています。
丹波市山南町谷川 2151
0795 - 77 - 0030
9 : 00〜20 : 00
祝祭日、元旦
本 州 初 の 本 格 的 鹿 肉 加 工 専 門 工 場 と し て、
2006 年に設立。高度な技術で熟成された鹿肉
は、臭みがなく、旨みが最も出るタイミングで
冷凍保存され、ホテルやレストランでも高い評
価を得ています。
鹿皮を使った洗顔クロスも人気。販売はホー
ムページ、または店頭でも販売しています。
丹波鹿を使った「丹波森の恵み
カレー」
、
「丹波森の恵みハヤシ」
などの加工品も開発。
『無鹿』や
『丹波 ちょっと一休』でも販売し
ています。
丹波市氷上町谷村 1812 - 10 0795 - 82 - 6333 9 : 00〜18 : 00
月曜
鹿肉を食べるなら、兵庫県丹波市へ!
〈発行〉
丹波市
産業経済部 観光振興課
〒 669 - 4192
兵庫県丹波市春日町黒井 811
兵庫県丹波市
代表取締役
柳川瀬 正夫さん
店長
黒田 恭正さん
山南地域で町民に親しまれているスーパーマ
ーケット『FreshGarden ササクラ』を経営する
同社。『丹波姫もみじ』、
『丹波ちょっと一休』と
一緒に開発した「丹波の姫手毬」を製造、販売し
ています。お店では精肉も扱っており、
『丹波ち
〈制作〉
代表取締役
前川 進吉さん
丹波の森からの
贈り物
「今出川親水公園」にある農事組合法人が運営す
るそば処。地元の自然薯を使ったそばが人気で
す。4 月から鹿肉を使ったメニューを販売。自慢
のそばと鹿肉を一度に味わえる「鹿南蛮」
(850
円)はねぎたっぷりの漬けダレで。焼いた鹿肉と
スライスオニオンを和風ドレッシングに漬けた
「鹿肉のカルパッチョ」
(500 円)
もおすすめ。
理事長
山中 利樹さん
丹波鹿ガイドブック
丹波市内で丹波鹿を扱うお店はこれからますます増えて
いきます! 飲食店や精肉店にはオレンジ色ののぼりが立
てられていて、鹿肉を使ったレシピ集を配布しています。
この
のぼりが
目印!
億 円 に も の ぼ り ま す。
バラ、脂身つき
豚
354 . 0
15 . 0
30 . 8
1.0
ロース赤肉
鶏
106 . 0
23 . 7
0.5
0.5
ささみ
牛レバー
132 . 0
19 . 6
3.7
4.0
/
丹波鹿は、
『株式会社 丹波姫もみじ』
、日本食品分析センターが分析をした結果。
その他の栄養素は『五討増補日本食品標準成分表』より。
、鶏肉と同程度のタンパク質と、
歳以上の妊娠
%と高く、捕獲しないと急増するのです。食性もアセビ
以上で妊娠可能になり、 年に
率が ~
など苦手な植物以外は樹皮や根まで食べてしまうので、生態系を壊
し、山の土壌が剥き出しになることで土砂流出の原因となります。
丹波市は、様々な産業を巻き込ん
だ「鹿の 次産業化へのモデルケー
めした洗顔クロス「まとも」を開発。
ま た、『 丹 波 姫 も み じ 』 で は、 天
然のコラーゲンを多く含む鹿皮をな
るほど大好評。
犬も好んで食べ、全国から注文が来
す。鹿のドッグフードは栄養満点で、
工してドッグフードを製造していま
例えば、山南地域の『株式会社E
Gサイクル』では骨、内臓、肉を加
ています。
効活用する様々な取り組みが行われ
精肉に回さない肉や骨、皮などを有
丹波市の飲食店や企業では、捕獲
し た 鹿 を 無 駄 な く 活 用 す る た め に、
広がる丹波市の鹿産業。
丹波鹿は、ひょうご推奨
ブランドに認定!
兵庫県では環境に配慮した生産方法や安全・安心
が確保された特産品を県内外にアピールするため、
『ひょうご推奨ブランド』として認証しています。
『 丹 波 姫 も み じ 』 で 加 工 さ れ た 鹿 肉 は2005年
に兵庫県が定めた『ひょうごシカ肉活用ガイドライ
ン』に沿って製品化を進めた結果、2011年に認
時間以内に搬入された鹿
年間のトレーサビリティも実施。施
証を受けました。捕獲後
のみを扱い、
設の徹底した衛生管理が評価されました。
飲食店での評価も高く、丹波市内の飲食店はもち
ろん、市外のホテルやレストランでも好評。市内の
小中学校でも、「 鹿 肉 カ レ ー」 と し て 給 食 に 出 さ れ
ています。
頭子どもを出産。
も平均約 ㎏と小柄なのが特長です。鹿は繁殖力が高く、雌は 歳
体重が100㎏を超えるのに対し、丹波鹿はホンシュウジカの中で
息 す る ホ ン シ ュ ウ ジ カ の ブ ラ ン ド 名。 国 内 最 大 の エ ゾ ジ カ の 雄 の
国内に棲息する鹿はニホンジカと呼ばれ、北海道のエゾジカ、本
州 の ホ ン シ ュ ウ ジ カ な ど の 亜 種 に 分 か れ ま す。 丹 波 鹿 は 丹 波 に 棲
丹波鹿ってどんな鹿?
知っておきたい
丹波鹿の話。
増えすぎてしまった鹿たち。
環境省によると2011年の鹿の生息数
は 過 去 最 高 の 推 計261万 頭( 北 海 道 除
く)
。このまま増加すると、2025年には
500万頭を超えるという試算も。
農林業の被害は拡大しており、2011
年の被害額は北海道を含む全国で約 億
円、 兵 庫 県 で 約
( ※ ) 鹿 が 増 加 し た 原 因 は、 明 治 維 新 以 降
の乱獲によって生息数が減った鹿を保護す
2.0
1
るために狩猟規制がかかり、特に雌につい
26 . 4
2
ては長期間狩猟が禁止されていたこと。ま
16 . 1
1
た、温暖化が進み冬を越せる個体が増えた
317 . 0
30
こと、狩猟者が高齢化して減少傾向にあり
和牛
1
鹿を撃つ人間が減ったこと、人が山に入ら
な く な り 鹿 が 過 ご し や す い 環 境 に な っ た、
などの要因が考えられています。
農林被害対策のため捕獲した鹿は、全国で食用に活用する動きが
高 ま っ て い ま す。 丹 波 市 で も 市 内 の 鹿 肉 加 工 場『 株 式 会 社 丹 波 姫
ヘルシーで栄養満点な健康食。
※全国のデータは農林
水産省、兵庫県のデー
タは、兵庫県森林動物
研究センターより。
も み じ 』 が 食 用 の 鹿 肉 を 販 売。 牛 や 豚 と 違 い 丹 波 鹿 は 野 山 で 育 っ
/ 、脂肪は約
0.3
90
83
た天然の肉なので、脂肪が少なく高タンパクでヘルシー。カロリー
は牛肉の約
80
レ バ ー や 貝 類 に 匹 敵 す る 鉄 分 を 含 む 優 れ た 健 康 食 品 で す。 鹿 肉 に
1
時間以内に搬入された鹿のみを加工しているので、臭
21 . 9
80
4
3
は「臭い」といった印象があるかもしれませんが、
『丹波姫もみじ』
では捕獲後
エネルギー タンパク質
脂質
(g)鉄
(mg)
(kcal)
(g)
ス」を目指しています。
2
3
6
5
2
1
2
4 . 6 背ロース
90 . 0
丹波鹿
備考
いの原因となる酸化が起きずあっさりとした味わいを楽しめます。
すぐれたシカ肉の栄養素(100g 当たり)
アライグマ 6700万円
2000
980万円
(よこやま まゆみ)
兵庫県立大学准教授・
兵庫県森林動物研究センター主任研究員
横山 真弓
主任研究員の横山先生に鹿害
の現状と、同センターの活動に
丹波市青垣町にあります。
庫県森林動物研究センター』が
行っており、
その拠点である『兵
兵庫県は、ニホンジカを含む
野生動物の科学的な保全管理を
害を及ぼすという見方だけでな
らしをし、野生動物も単なる被
こすための薪など山に頼った暮
近代化するまで食べ物や火をお
ていました。しかし、日本人は
ど昔から農村地域で日常に起き
ばなし』のような物語になるほ
目 さ れ て き ま し た が、『 日 本 昔
「第二次世界大戦後、電気、ガ
ス、水道が整うと人々は山の資
生は言います。
後の過度な保護政策にあると先
ルが急激に変わったことと、戦
それが現在問題になっている
原因は、日本人のライフスタイ
のです」
臓や角は薬にと、利用していた
東京農工大学大学院農学研究科修士課程
修了。獣医学博士
(北海道大学)
。専門は野
生動物保護管理学、栄養生態学。
ついてお話を伺いました。
く、肉は食用に、皮は衣服、内
た。雄鹿の捕獲は徐々に解除さ
ため保護政策が実施されまし
に輸出され、鹿の数も激減した
の毛皮が外貨獲得のために大量
また、明治維新以降に野生動物
も行われてきませんでした。そ
1990年代まで本格的な調査
「山の中で何が起こっている
の か 察 知 す る 仕 組 み が な く、
が育ちませんでした。
する」という考え方やノウハウ
あ ま り な く、「 野 生 動 物 を 管 理
の動物を資源と捉える考え方が
発達したのですが、日本では山
現地指導などを行っています。
産物被害を防ぐための講習会や
など鹿の生態を調査。農家の農
い、妊娠率や食性変化、感染症
さらに累積1000頭以上の
個体を捕獲して解剖調査を行
大状況を調べるのに有効です。
の個体数密度の変化や分布の拡
「 糞 塊 調 査 」 を 実 施。 こ れ は 鹿
また、毎年 月には山の尾根
を歩きながら鹿の糞を調査する
鳥獣対策という概念はありませ
産も再開されましたが、そこに
「戦後の経済復興の中で農業生
に、どこで何頭鹿を見たか、あ
万件の狩猟報告をもと
人を超える狩猟登録者から得ら
センターの研究員や、4000
タを蓄積すること。具体的には
めの「モニタリング」をしてデー
センターが取り組んでいるの
が、鹿の生息状況を把握するた
ったのです」
ています」
め、廃棄されることが多くなっ
方法も十分に浸透していないた
せん。処理方法がなく、活用の
が、食べる習慣が定着していま
も豊富に含まれる理想の肉です
肪をとらずに摂取できて、鉄分
「鹿肉は動物性タンパク質を脂
館 内 ロ ビ ー に は、鹿、熊、猪、
猿、狐など、丹波市の山で捕
獲した野生動物の剥製が展
示してあります。
センターの裏には防護策のサンプルが。
写真は一般的な鹿侵入防止用のもの。
「近年、鹿を含む鳥獣被害が注
れましたが、雌鹿は長期間狩猟
のため、野生動物を管理する方
の動物たちを管理することから
その結果、鹿は人々が気がつ
かないうちに時間をかけて徐々
法や手段が全く確立していなか
源を放棄し、
人口は都会に集中。
に数を増やし、1970年代に
が禁止されていました」
年代に
んでした。数が減った野生動物
るいは捕獲をしたのかというデ
センターでは各地で鹿肉を使
った料理教室や講習会を開い
局所的だった鳥獣害が
鹿害の対策とともに急務とな
っているのが捕獲した鹿をどう
は保護されるべき存在としか捉
ータを「出猟カレンダー」に記
て、鹿害の認知向上と鹿肉の需
年には全国に
えられていなかったのです」 そんな中、兵庫県では全国で
も先進的な「ワイルドライフマ
録 し ま す。 地 道 な 作 業 で す が、
入ると広がり、
ネジメント(野生動物管理学)」
このデータから鹿の生息状況が
要拡大に努めています。
科学的な調査研究にもとづいて、行政に政策提言をするのも
センターの大きな役割のひとつ。平成 22 年からは蓄積された
データから計算し、以前は 2 万頭だった捕獲数を 3 万頭に増
やし、個体数を管理しています。
兵庫県丹波市青垣町沢野 940 0795 - 80 - 5500
http://www.wmi-hyogo.jp/
野生動物を適正に管理する
ワイルドライフマネジメントを実践。
するかという問題。
の考えのもと、2007年に『森
わかるようになりました。
拡大したのです。
林 動 物 研 究 セ ン タ ー』 を 設 立。
は、
「人」「野生動物」「自然環境」
の共存を目指すことを目的に被
害管理、生息地管理、個体数管
理の大きな3つの要素を総合的
に管理する考え方です。
狩猟が文化になっている欧米
では、100年程前に絶滅寸前
れる
ワイルドライフマネジメントと
80
兵庫県森林動物研究センター
国内の鳥獣害対策をリードする研究機関。
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
0
90
(兵庫県森林動物研究センター調べ)
兵庫県森林動物研究センター
880万円
ノウサギ
4
5
4
1000
森林などの生息環境を適切
に整備し、健全な生息状況
を維持する基盤を確保する。
課題のある野生動物の急激
な増加や減少を防ぎ、適切
な生息個体数を維持する。
3000
「自然環境」
生息地管理
60万円
クマ
7000
イノシシ
2億5500万円
ヌートリア 2500万円
マネジメント
サル
イノシシ
シカ
8000
2011年度
被害金額
サル
5000
「人」被害管理
その他鳥類 7700万円
クマ
シカ
4億3600万円
6000
野生動物による農林業や人身に対する
被害を抑えるためのリスク管理を行う。
4000
「野生動物」
個体数管理
9000
科学的な調査研究にもとづき、
「生息管理」
「個体数管理」
を状況に応じて組合せ、
「人」と「野生動物」と「自然環境
(生息地)」の関係を適切に調整する手法をいいます。
野生動物による農林業被害金額
(兵庫県)
(出典:農林水産省)
動物別に見る被害金額
ワイルドライフ・マネジメントとは
11
1
丹波市内の鹿関連施設
1
兵庫県丹波市氷上町谷村 1812 - 10
0795 - 82 - 6333
http://www.wmi-hyogo.jp/
空気に触れると鹿肉の脂が酸化
して、嫌な臭いのもとになるの
で、熟成させたらすぐに真空パ
ックをして、冷凍保存します。
株式会社 丹波姫もみじ
いる現状を変えて、どうにか鹿
除された鹿が廃棄ばかりされて
周辺環境に悪影響を及ぼし、焼
地の確保や水質汚染、悪臭など
頭あたり2
2006年に設立した『株式
会社丹波姫もみじ』は丹波市内
昭和 24 年生まれ。山南町役場に就職後、平
成 16 年丹波市発足後、産業経済部長に。市
役所を早期退職し、
『丹波姫もみじ』を設立。
却するとなると、
柳川瀬 正夫(やながわせ まさお)
の有効活用ができないかと考え
代表取締役
の飲食店や京阪神のレストラ
丹波姫もみじ
株式会社 優れた加工技術で安心安全な鹿肉を供給。
2
代表取締役の柳川瀬さんは丹
波市役所(旧山南町役場)で
肉加工専門の工場。
ン、ホテルに鹿肉を供給する鹿
か、民間に委託して焼却するか
のほとんどを土中に埋設する
上の鹿を捕獲していますが、そ
「丹波市では毎年1000頭以
ていました。
進地である北海道静内町の加工
そこで、市役所を退職し、鹿
の事業化を決意。鹿害対策の先
迫しています」
万5千円かかり、市の財政を圧
1
衛生管理のもとで処理してお
イドライン』に準じ、徹底した
『丹波姫もみじ』は兵庫県が
定めた『ひょうごシカ肉活用ガ
ました。
施設『丹波姫もみじ』を設立し
西日本で初となる鹿専門の加工
法、熟成方法などの技術を得て、
業被害対策を担当しており、駆
年間、農林業の部署に勤務。農
「質の高い鹿肉を作っている自
す。
、
臭いはせず、あっさりした味で
で冷凍保存しているので、嫌な
低温で熟成。最適のタイミング
技術を用いて、旨みが出るまで
波姫もみじ』では、高度な熟成
も い る か も し れ ま せ ん が、『 丹
して処分しています。埋設は土
使ってスープを作ってらーめん
トラン『三心五観』が鹿の骨を
業の一環です。市内の農家レス
飲食店のメニュー研究や同業
者の視察を受け入れるのも、事
です。
同開発するなど、需要は拡大中
る『三田屋総本家』と商品を共
ム、ソーセージを生産・販売す
場を視察し、解体方法、加工方
け入れる鹿は「捕獲後 時間以
得ています。地元の猟師から受
べる習慣がないせいか、ほとん
の試食会を行っても、鹿肉を食
のみ。丹波市内や京阪神で鹿肉
ったりと協力は惜しみません。
休』でも新メニュー開発を手伝
居 酒 屋 さ ん『 丹 波 ち ょ っ と 一
柳川瀬さんが目指しているの
は地域を巻き込んだ鹿の 次産
㎏
所、 年 齢、 性 別、 枝 肉 解 体 日 」
けて、「捕獲日、捕獲者、捕獲場
れたことで、鹿肉の美味しさが
雑誌や新聞で大きく取り上げら
『 無 鹿 』 が オ ー プ ン し て か ら。
廃棄していました。
内臓で、今までは使い道がなく
業化。丹波鹿は平均体重が
を記入し、管理。肝臓の一部は
徐々に知られるようになったそ
㎏。 そ の 他 は 皮 や 骨、
リティを実施しています。金属
いる他、昨年
現在は市内の飲食店や京阪神
のレストラン、ホテルで扱って
うです。
月には神戸に鹿
漢 方 薬 の 原 料 に も な る そ う で、
に販売。尾っぽや歯、骨、角は
ている『株式会社EGサイクル』
い鹿肉はドッグフードを製造し
「人間が食べる肉は継続して
作り、骨や内臓、食用にむかな
探知器での検査も徹底している
肉料理を主体とした『鹿鳴茶流
「鹿を無駄なく有効活用して、
丹波市を活性化させたい」
ので、銃弾が入った肉が出荷さ
れることもありません。
入舩』がオープン。高級肉やハ
10
また、鹿肉には臭いや固さな
ど、いい印象を持っていない人
のは約
ほどですが、食肉に加工できる
年間冷凍保存し、トレーサビ
転機が訪れたのは2009年
に丹波市内に鹿肉料理専門店の
内 」 の 個 体 の み。 仕 留 め た 後、
を開発したり、鹿肉料理を出す
信 は あ り ま し た が、 初 め の
年は扱ってくれるお店は数軒
2
ど相手にされませんでした」
3
血抜きした鹿を 時間以内に搬
も衛生面、安全面で高い評価を
り、全国の鹿肉加工施設の中で
20
入し、皮を剥ぎ内臓を除去。搬
2
入時に、 頭づつ個体番号をつ
6
30
2
6
7
1
9
5
丹波市氷上町に立てられた『株式会社丹波姫もみじ』
。
「姫」は小さいものの愛称
で、
「もみじ」は鹿肉の別称です。現在 人のスタッフで運営しており、年間の処
理数は約 450 頭。安全安心で美味しい鹿肉を全国に届けています。
加工施設は 次処理室、熟成庫、
次 処 理 室、製 品 保 管 庫、冷 凍
庫2ヵ所で構成。どの部屋も清
潔に保たれています。
3
2
丹波市内の鹿関連施設
鹿茸、鹿筋、鹿血、鹿脂、
鹿腎、鹿胎、鹿角など
漢方薬の原料
ない価値があるのです」
位。捨ててしまうにはもったい
滋養強壮に使われる貴重な部
特 に 鹿 の 幼 角 は 鹿 茸 と 呼 ば れ、
設備面は一度に多くの鹿が搬
入されることを想定し、内臓の
ドに加工されます。
『EGサ イ ク ル 』 で ド ッ グ フ ー
の肉はこの施設で処理されて
みじ』で加工して販売。非食用
分けて、食用の肉は『丹波姫も
拡大に期待しています。
り多くの顧客に納品できるよう
新しい施設ができることで、よ
分 に 供 給 が で き ま せ ん で し た。
いますが、今の処理能力では十
してきて、注文の打診が増えて
になります」とさらなる販路の
施設。この施設は『兵庫県猟友
処理を終えた鹿を冷蔵保存する
追い風となるのが、2014
年 月に稼働予定の新しい加工
会丹波支部』、『丹波姫もみじ』、
『丹波姫もみじ』が創業して
年目。柳川瀬さんが目指した
した『鹿加工組合丹波』が運営
一緒に攪拌することで分解さ
イオシェルターへ。おがくずと
今までは廃棄していた内臓はバ
「 地 域 一 体 と な っ て 鹿 害 対 策
に取り組み、捕獲した鹿は資源
した。
鹿 の 活用が大きく進みはじめま
ための一次保管庫を設置。
また、
し、『 丹 波 姫 も み じ 』 の 敷 地 内
れ、土壌改良材として販売を検
として有効活用してそれが産業
者で設立
に建設。
討しています。
市がそんなロールモデルになれ
『EGサ イ ク ル 』 の
『丹波姫もみじ』の処理能力
が年間450頭だったのに対し、
『EGサ イ ク ル 』 の 代 表 取 締
役前川さんは新しい施設につい
ば、と考えています」
になって地域経済も潤う。丹波
の受け入れを想定。搬入された
て、「 丹 波 鹿 の ブ ラ ン ド が 浸 透
新しい施設では年間1000頭
鹿は、目視で食用と非食用に仕
兵庫県丹波市で進められている鹿害対策と有効活用。
鹿害の深刻さと質の高い丹波鹿に共感して、
丹波鹿をメニューに取り入れるお店も増えています。
徹底した衛生管理のもとで加工処理された丹波鹿だからこそ、
み、被害の大きさに驚きました。
の丹波鹿だそう。
いる林先生。今後の展望を聞く
開く機会も増えており、鹿肉へ
多くの人に信頼されているのです。
記事を書いた記者さんにも会
「 処 理 が 丁 寧 な の で 一 般 の 人
でも調理がしやすいんです。肝
の関心も高まっていると感じて
い、 自 分 に も 何 か で き な い か、
2012年 月から料理教室
を開始し、当初は1人で活動し
たんです」
ろ ん、 嫌 な 臭 い も あ り ま せ ん。
室でも安心して使えます。もち
いるので、参加者が多い料理教
し、確実に金属探知器を通して
ーサビリティを実施している
番いい。そのために料理教室を
が実現できるようになるのが一
なればと思います。鹿との共生
て、丹波市の経済を潤す歯車に
く、食文化として地域に根付い
「鹿肉が一過性のブームではな
と、
いる林真理先生。鹿肉との出会
ていましたが、ここ数年で鹿肉
全国の鹿肉でも丹波鹿は自信を
通じて少しでも力になれれば嬉
年間保管するトレ
いは、購読をしていた『日本農
の活動に共感した人とのつなが
もって人におすすめできます」
しく思います」
「
年程前、毎日鹿害について
deer料理教室」を主宰して
業新聞』の記事でした。
りが増え、現在は『兵庫県森林
最近では、出張で料理教室を
京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町ジェイアール京都伊勢丹 11 階
075 - 365 - 1000
10:00〜21:00
不定休
動物研究センター』の横山先生
の記事が掲載されていたのを読
木山 義朗(きやま よしあき)
とも協力して、鹿肉の食べ方や
料理長兼店長
鹿害の現状を広く伝えていま
ね」と話します。
提供したのは、味噌漬けの焼き物
や、低温でローストした鹿肉をポン
酢と大根おろしでさっぱりといた
だくおしのぎ。鹿肉料理は特に年配
の方に好評で「こんなに美味しい鹿
は食べた事がない」といった声や、
焼き物の味噌漬けを目当てに 3 回も
食べに来たお客さんもいたほど人
気があったそうです。
す。
「 料 理 教 室 は 主 婦 やOL、 子
どもたちのほか、企業のCSR
の一環で参加するサラリーマン
など幅広い方々に参加頂いてい
ます。アスリート向けの料理教
室 や、 美 容 サ ロ ン と 企 画 し て、
美容関係者を集めたこともあり
ました。開催する地域や会にも
よりますが、料理教室で初めて
鹿肉を食べるという方がほとん
ど。皆さん楽しく料理して試食
し、鹿害についての理解を深め
ていただいています」
料理教室では他府県の鹿肉を
使うこともあるそうですが、使
献立に取り入れたことがあります。
料理長の木山さんは「脂身が少なく
てクセがなく、あっさりしているの
に旨みがしっかりありました。また、
野生動物の肉は年齢や性別など個
鹿の美味しさを伝えようと思っ
臓の一部を
愛 deer 料理教室代表。鹿肉料理、食文化研究
家。文学修士。フードコーディネーター、野菜
ソムリエ、シーフードマイスター。共訳書『ト
ウガラシの文化誌』
(晶文社)
。食文化の視点か
らも、鹿肉食普及の促進を提言する。
角や皮などを加工
至る所で活動の輪が広がり、
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体差が激しいのですが、丹波鹿は品
質のぶれがなく、品質が安定してい
るので、献立に入れやすかったです
需要が大きいロースやもも肉は引き続き販売し、すじ肉やその他の肉は加
工食品に。今まで廃棄していた骨や皮なども無駄なく利用する仕組みを作
れば、害獣だった鹿も地域の経済を潤す貴重な資源になります。
丹波市外へも広がる丹波鹿。
宝塚で行われた兵庫県主催の無料の料理教室の様子。
1クラス 30 人程で、男性も数人参加していました。
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と考えた時に料理教室を開いて
林 真理(はやし まり)
工芸品
自信を持って
人に勧められる
丹波鹿
愛 d e e r 料理教室
食用に適さない内臓や骨、
角などを加工
兵庫県宝塚市を拠点に京阪神
の 各 地 で 鹿 肉 の 料 理 教 室「 愛
「丹波もみじの里ハーフ・マラソ
ン」に出展した時に販売した、シ
カ肉どんぶり「丹波 DON」
。
JR 京都駅の 11 階に店を構える料
亭『京都和久傳』
。毎月 3 つのコース
を月代わりで出しており、丹波鹿を
精肉に回さない肉や骨、
内臓などを加工
皮製品
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っている多くは『丹波姫もみじ』
京 都 和 久 傳 (わくでん)
食肉利用
大阪ガスの料理教室で作った、
「シカ肉の赤ワイン煮込み」
。
鹿肉はフランスやドイツでは高級食材として、食べられています。
料亭にも認められた、安定した品質。
ドッグフード
1 . 鹿肉をレストランや食堂へ
2 . ハム、ソーセージなどに加工
3 . アキレス、ペニスなどを薬用に
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土壌改良材
1 . スキンケア革
2 . 電子機器、貴金属の手入れ用品
3 . 名刺入れ、財布など皮製品
5
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6 次産業化を目指す鹿産業の取り組み
丹波の野菜と鹿料理「無鹿」
薬草薬樹公園
(食事処おときや)
丹波鹿は食材の宝庫・丹波の野山を駆け回った天然のお肉。
クセが無く、ヘルシーな赤身肉はどんな料理にも合います。
丹波市内では、丹波鹿を扱うお店が拡大中。
飲食店や精肉店、ドッグフード店など、
様々な形で丹波鹿が利用されています。
丹波の森の恵みをぜひ、ご賞味ください。
丹波ちょっと一休
農家レストラン三心五観
丹波産の食材にこだわった、
「鹿骨丹担麺」
。
鹿ミンチに丹波野菜を混ぜた
「丹波の姫手毬」も販売。
平成 11 年に創業し、鹿肉を使
った料理を『丹波姫もみじ』と
研究中。プロボクサーに丹波鹿
を提案するなど、丹波鹿の売り
込みにも力を注いでいます。
0795 - 70 - 5060
圧力鍋で鹿の骨を煮込んだ濃厚なスープに、
練り胡麻と地元の天然醸造の味噌をブレンドし
た「鹿骨丹担麺」
(1 , 200 円)
。トッピングは、鹿
ミンチ、鹿肉のロースト、カンナンファームの
味玉、野菜の重ね煮と葉物がつきます。丹波の
名産品として商品化の構想もあるそう。名前の
とおり丹波を担いでいくラーメンです。
店主
藤本 傑士さん
代表
藤本 裕昭さん
地元の人々に親しまれている焼き鳥屋さん。丹
波鹿を使ったメニューにも力を入れており、豪快
に焼き上げた「丹波りゅうスペアリブ」
(500 円)
などが食べられます。
鹿ミンチに鶏肉、ごぼう、霧芋(山芋)、人参を
混ぜた「丹波の姫手毬」も販売しており電話か
FAX で注文することができます。
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月変わりメニューがあり、鹿肉を
使った料理が出る事も。公園内に
は薬草を使った薬草風呂を備える
「丹波の湯」があります。
丹波市山南町和田 338 - 1 0795 - 76 - 2121
11 : 00~20 : 00
水曜
(8 月、11 月は無休)
丹波市柏原町柏原 659 0795 - 73 - 0200 11 : 30~15 : 00、18 : 00~22 : 00 水曜
丹波市山南町野坂 210 - 3 17 : 00〜22 : 00 月曜
料理長
廣瀬 久也さん
オーナー
鴻谷 佳彦さん
ワインや日本酒などお酒も充
実。鹿商品の販売もしており、
鹿骨粉を使ったクッキー「丹波
しかくぃ」や「丹波森の恵みカ
レー」などを発売中。
丹波市立薬草薬樹公園内にある食事処。
「地
元の食材をいかしたメニューを」ということで、
丹波鹿を使ったメニューを考案。写真の「もみ
じ焼きカレー」
(880 円)の他に、
「薬膳カレー」
(880 円)
、
「丹波のまごころっけ定食」
(850 円)
などのメニューがいただけます。公園内の薬草
を使った薬膳料理も多数揃っています。
森の恵みを召し上がれ。
丹波市は薬草の町でもあります。
薬草と鹿肉で健康増進!
新鮮な地場野菜と
鹿肉料理が楽しめる専門店。
丹波市内で宿泊施設を営んでいたシェフが
「丹波で獲れる鹿肉の美味しさを伝えたい」と、
2010 年に始めたのが『無鹿』です。築 100 年の
町家を改築した風情ある店内でステーキや「し
かくぃ鍋」などの鹿料理をいただけます。地元
野菜と合わせた料理はとってもヘルシー。ラン
チ 1 , 680 円〜、ディナー 3 , 500 円〜。
食べられる店
買える店
もともと藤本さんは神戸で化学調
味料無添加のらーめん店を営んで
いましたが、家族 4 人で丹波市に
移住。農業体験もできます。
丹波市春日町下三井庄 159 - 1 090 - 6676 - 6283
11 : 30~15 : 00
(完全予約制)
不定休
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