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8-8-1 第8節 動 物 1. 道路の存在及び工事の実施に係る動物 1

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8-8-1 第8節 動 物 1. 道路の存在及び工事の実施に係る動物 1
第8節
動
物
1. 道路の存在及び工事の実施に係る動物
1) 調査の結果
調査は、動物の予測及び評価に必要な動物相や重要な動物について、現状と特性等を把握す
るために行った。
(1) 調査項目
調査項目は、表 8-8-1 に示すとおりとした。
表 8-8-1 道路の存在及び工事の実施に係る動物の調査項目
調査項目
調査内容
動物相の状況
哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類、底生動物、昆虫類、
陸産貝類、真正クモ類の種名及び分布状況
重要な種等注)1の状況
重要な種の生態、分布、生息の状況、生息環境の状況把握
及び注目すべき生息地注)2の分布、生息環境の状況把握
注)1.重要な種等:動物の「重要な種」及び「注目すべき生息地」が注目される理由となる動物種
2.注目すべき生息地:学術上若しくは希少性の観点から重要な生息地並びに地域の象徴となる
生息地など
(2) 調査手法
調査は、表 8-8-2 に示す方法により実施した。
表 8-8-2(1) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の調査方法
項目
動物相
の状況
哺乳類
調査方法
①フィールドサイン法
調査地域内を踏査し、実個体の確認及び足跡や糞、食痕など
の生息の根拠となるフィールドサインの確認、記録を行った。
②トラップによる捕獲
調査地域内にネズミ類やイタチ類を対象としたトラップを
設置し、種の確認、記録を行った。
ネズミ類等の小型哺乳類は、フィールドサインによる種の判
定が困難なため、捕獲ワナ(シャーマン式トラップ)を使用し
た捕獲調査を行った。
イタチ類については、筒型の扉落下式トラップを使用した捕
獲調査を行った。
③夜間調査
調査地域内を日没前後から踏査し、バットディテクター(コ
ウモリが発する超音波を可聴音に変換する装置)の使用や活動
個体の目撃により、主にコウモリ類の確認を行った。
8-8-1
表 8-8-2(2) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の調査方法
項目
動物相
鳥
類
調査方法
一般鳥類
の状況
①直接観察
調査地域内を踏査し、目視及び鳴き声等で確認された種を記
録した。
②ラインセンサス法
調査地域内に調査ルートを設定し、一定速度で歩きながら調
査範囲内に出現する鳥類の種と個体数を記録した。
③定点観察法
調査地域内に観察地点を設定し、そこから確認された種と個
体数を記録した。
④夜間調査
調査地域内の主要な谷部や樹林を日没前後から踏査し、主に
鳴き声により、夜行性鳥類(ミゾゴイやフクロウ類)の確認を
行った。ミゾゴイについては、状況に応じて早朝にも調査を行
った。
猛禽類
(ワシタカ)
①直接観察
調査地域及びその周辺を踏査し、目視及び鳴き声等で確認さ
れた種を記録し、分布状況を把握した。
また、調査地域で確認された特定のつがいを対象に、それぞれ
の営巣地を繁殖に支障をきたさないように踏査し、営巣木、繁
殖状況、営巣環境の状況を把握した。
②定点観察法
調査地域及びその周辺に観察地点を設定し、そこから確認さ
れた飛翔経路等の行動の詳細を記録した。
また、調査地域で確認された特定のつがいを対象に、行動圏
の内部構造の解析ができる調査頻度及び地点を設定し、行動
圏、利用状況等を把握した。
両生類・爬虫類
①直接観察
調査地域内を踏査し、目視(卵塊、幼生などの生体や脱皮殻)
及び鳴き声等で確認された種を記録した。
魚
①直接観察及び採取
調査地域内の水域(河川、溜池)で、目視及び採取により確
認された種をすべて記録した。なお、採取は投網、タモ網、セ
ルびん、カゴを用いた。
類
底生動物
①直接観察及び採取
調査地域内の水域(河川、溜池)で、目視及び採取により確
認された種をすべて記録した。なお、採取はタモ網を用いた。
②コドラート法
調査地域内の水域(河川、溜池)に方形枠を設定し、河川で
はサーバーネット、溜池ではエクマンバージ型採泥器により、
方形枠内に生息する種をすべて記録した。
8-8-2
表 8-8-2(3) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の調査方法
項目
動物相
昆虫類
の状況
調査方法
①直接観察及び採取
調査地域内を踏査し、目視及び鳴き声で確認された種を記録
した。また、捕虫網等で採取し、種の確認を行った。
②ライトトラップ法
調査地域内に夜間照明を設置し、光源に集まる正の走光性昆
虫類を採取し、種の確認を行った。
③ベイトトラップ法
調査地域内に誘引餌(ベイト)を入れた採集瓶を埋め、誘引
される地表徘徊性昆虫類を採取し、種の確認を行った。
陸産貝類
①直接観察及び採取
調査地域内を踏査し、目視及び採取により確認された種を記
録した。なお、採取では生息環境の違いなどに留意し、林床の
落葉内、石や倒木の下、植物の根際等に潜む種の確認に努めた。
真正クモ類
①直接観察及び採取
調査地域内を踏査し、目視により確認された種を記録した。
また、捕虫網等で採取し、種の確認を行った。
②ピットフォールトラップ法
調査地域内に採集瓶を埋め、墜落した真正クモ類の採取し、
種の確認を行った。
表 8-8-2(4) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の調査方法
項目
重要な種等の状況
調査方法
環境の保全を目的とした法令等により抽出される重要な種、
及び注目すべき生息地の分布状況を現地調査により把握した。
また、既存文献によりそれらの生態を調査した。
(3) 調査地点
調査地域は、事業実施区域を含む概ね 1.5km の範囲を対象とした。ただし、行動圏が広い猛
禽類のうち重要な種に関しては、必要に応じ適宜拡大した。
調査地点は、生息する動物を確認しやすい場所として図 8-8-1 に示す地点及び経路とした。
8-8-3
(4) 調査期間
調査期間は、生息する動物を確認しやすい時期としてに表 8-8-3 に示す期間に行った。
表 8-8-3(1) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の現地調査期間
項目
哺乳類
鳥
類
一般鳥類
調査方法
調査期間
・フィールドサイン法
・トラップによる捕獲
・夜間調査
春 季:平成20年 4月22日~27日
平成25年 5月14日~16日
平成26年 4月23日
夏 季:平成20年 7月22日~25日
平成25年 7月 3日~ 4日
平成26年 7月18日
秋 季:平成20年10月21日~24日
平成26年 9月26日
冬 季:平成20年 1月28日~31日
平成26年 1月28日
・直接観察
・ラインセンサス法
・定点観察法
・夜間調査
春 季:平成20年 4月30日~ 5月 2日
平成26年 4月23日~24日、
平成26年 5月 1日~ 2日、17日~18日
夏 季:平成20年 6月 4日~ 5日
平成25年 7月13日~14日
平成26年 6月 4日、 7月14日~15日
秋 季:平成20年10月 8日~10日
平成25年10月21日~22日
平成26年 9月26日
冬 季:平成20年 2月 4日~ 6日
平成26年 2月 9日~10日
8-8-4
表 8-8-3(2) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の現地調査期間
項目
鳥
類
猛禽類
(ワシタカ)
調査方法
・直接観察
・定点観察法
調査期間
平成20年
平成20年
平成20年
平成20年
平成20年
平成20年
平成20年
平成20年
平成21年
平成21年
平成21年
平成21年
平成21年
平成21年
平成21年
平成21年
平成22年
平成22年
平成25年
平成25年
平成25年
平成25年
平成25年
平成25年
平成26年
平成26年
平成26年
平成26年
平成26年
平成26年
平成26年
8-8-5
1月22日~25日
2月26日~29日
3月10日~13日
4月15日~18日
5月20日~23日
6月 8日~11日
7月18日~21日
8月12日~13日
1月15日~16日
2月19日~20日
3月10日~13日
4月21日~22日、27日~28日
5月 7日~ 8日、19日~20日
6月 9日~10日、25日~26日
7月 7日~ 8日、23日~24日
8月 4日~ 5日、18日~19日
4月19日~21日
6月24日~25日
2月19日~20日
3月 9日~10日
5月 6日~ 7日
6月29日~30日
7月15日~16日
8月10日~11日
2月17日~18日
3月10日~11日
4月27日~28日
5月15日~16日
6月17日~18日
7月16日~17日
8月 5日~ 6日
表 8-8-3(3) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の現地調査期間
項目
調査方法
調査期間
両生類・爬虫類
・直接観察
早春季:平成20年 2月12日~15日
平成26年 3月 4日~ 7日
春 季:平成20年 4月16日~19日
平成26年 4月23日
平成26年 5月14日~16日
夏 季:平成20年 6月 9日~12日
平成25年 7月 3日~ 4日
平成26年 6月23日
秋 季:平成20年10月21日~24日
平成26年 9月26日
魚
・直接観察及び採取
春 季:平成20年 4月24日~27日
平成26年 4月21日~23日
夏 季:平成20年 7月22日~23日
平成25年 8月 3日~ 4日
平成26年 7月18日
秋 季:平成20年10月14日~15日
平成26年 9月26日
・直接観察及び採取
・コドラート法
早春季:平成20年 3月 5日~ 6日
平成26年 3月 4日~ 7日
春 季:平成20年 4月24日~27日
平成26年 4月21日~23日
夏 季:平成25年 8月 3日~ 4日
秋 季:平成20年10月14日~15日
平成26年 9月26日
類
底生動物
8-8-6
表 8-8-3(4) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の現地調査期間
項目
調査方法
調査期間
昆虫類
・直接観察及び採取 早春季:平成20年 3月24日~27日
・ライトトラップ法
平成26年 3月23日~25日
・ベイトトラップ法 春 季:平成20年 5月22日~25日
平成26年 4月21日~22日、5月26日~29日
初夏季:平成25年 6月23日~25日
平成26年 6月16日
夏 季:平成20年 7月22日~25日
平成25年 8月 2日~ 4日
平成26年 7月28日~29日
秋 季:平成20年10月21日~24日
平成25年10月29日~30日
平成26年 9月25日~26日
陸産貝類
・直接観察及び採取 初夏季:平成20年 6月11日~13日
平成26年 6月17日
夏 季:平成25年 8月 2日~ 4日
真正クモ類
・直接観察及び採取 春 季:平成20年 4月16日~19日
・ピットフォール
平成26年 4月21日~23日、5月26日~29日
トラップ法
初夏季:平成25年 6月23日~25日
夏 季:平成20年 7月22日~25日
平成25年 8月 2日~ 4日
平成26年 7月28日~29日
秋 季:平成20年10月21日~24日
平成25年10月29日~30日
平成26年 9月25日~26日
8-8-7
記 号
凡 例
名 称
調査地域
フィールドサイン法踏査ルート
トラップによる捕獲調査地点
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(1) 哺乳類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-8
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察踏査ルート
ラインセンサス法踏査ルート
定点観察法調査地点
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(2) 鳥類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-9
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察踏査ルート
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(3) 両生類・爬虫類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-10
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察及び採取調査地点
藪川
大池川
波来浜川
東川
倉谷川
長沢池
菰沢池
溜池
溜池
溜池
松井池
溜池
黒松池
溜池
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(4) 魚類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-11
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察及び採取調査地点
コドラート法調査地点
藪川
大池川
波来浜川
東川
倉谷川
長沢池
菰沢池
溜池
溜池
溜池
松井池
溜池
黒松池
溜池
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(5) 底生動物調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-12
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察及び採取踏査ルート
ライトトラップ法調査地点
ベイトトラップ法調査地点
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(6) 昆虫類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-13
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察及び採取踏査ルート
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(7) 陸産貝類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-14
1
2 km
記 号
凡 例
名 称
調査地域
直接観察及び採取踏査ルート
ピットフォールトラップ法調査地点
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-1(8) 真正クモ類調査地点位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-15
1
2 km
(5) 調査結果
① 動物相の状況
動物相の現地調査結果は、表 8-8-4 に示すとおりであり、哺乳類 7 目 13 科 20 種、鳥類 17
目 43 科 164 種、両生類 2 目 6 科 13 種、爬虫類 2 目 7 科 13 種、魚類 6 目 9 科 23 種、底生動物
9 綱 25 目 82 科 161 種、昆虫類 17 目 236 科 1,309 種、陸産貝類 3 目 14 科 33 種、真正クモ類 1
目 34 科 209 種が確認された。
表 8-8-4(1) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の現地調査結果(哺乳類)
主な確認種
分類
哺乳類
目名
モグラ目
科名
種名
トガリネズミ科
ジネズミ
モグラ科
ヒミズ
モグラ属
コウモリ目
キクガシラコウモリ科
キクガシラコウモリ
ヒナコウモリ科
ホオヒゲコウモリ属
ヒナコウモリ科注)
サル目
オナガザル科
ニホンザル
ウサギ目
ウサギ科
ノウサギ
ネズミ目
リス科
ムササビ
ネズミ科
ハタネズミ
アカネズミ
ヒメネズミ
カヤネズミ
ネズミ科注)
ネコ目
ヌートリア科
ヌートリア
アライグマ科
アライグマ
イヌ科
タヌキ
キツネ
イタチ科
テン
アナグマ
イタチ属
イタチ科注)
ウシ目
イノシシ科
7目
13科
ニホンイノシシ
20種
注)「ヒナコウモリ科」、「ネズミ科」、
「イタチ科」については、他種と重複するおそれがあるため、種数に計数し
ていない。
8-8-16
表 8-8-4(2) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(鳥類)
主な確認種
分類
鳥
類
目名
科数
種数
カイツブリ目
1
1
カイツブリ
ミズナギドリ目
1
1
オオミズナギドリ
ペリカン目
1
3
ヒメウ、カワウ、ウミウ
コウノトリ目
1
8
ミゾゴイ、ゴイサギ、アマサギ、ダイサギ、チ
ュウサギ、コサギ、クロサギ、アオサギ
カモ目
1
11
オシドリ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリ
ガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ等
タカ目
2
14
ミサゴ、ハチクマ、トビ、オオタカ、ノスリ、
サシバ、ハイイロチュウヒ、ハヤブサ等
キジ目
1
3
ヤマドリ、キジ、コジュケイ
ツル目
1
3
クイナ、ヒクイナ、バン
チドリ目
3
14
コチドリ、シロチドリ、ムナグロ、クサシギ、
イソシギ、セグロカモメ、ウミネコ等
ハト目
1
3
キジバト、アオバト、ドバト
カッコウ目
1
4
ジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス
フクロウ目
1
4
コノハズク、オオコノハズク、アオバズク、フ
クロウ
ヨタカ目
1
1
ヨタカ
アマツバメ目
1
3
ハリオアマツバメ、ヒメアマツバメ、アマツバ
メ
ブッポウソウ目
2
4
ヤマセミ、アカショウビン、カワセミ、ブッポ
ウソウ
キツツキ目
1
4
アリスイ、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ
スズメ目
23
83
ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、
メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ等
43科
164種
17目
種名
8-8-17
表 8-8-4(3) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(両生類)
主な確認種
分類
両生類
目名
有尾目
無尾目
科名
種名
サンショウウオ科
カスミサンショウウオ
イモリ科
アカハライモリ
ヒキガエル科
ニホンヒキガエル
アマガエル科
ニホンアマガエル
アカガエル科
ウシガエル
タゴガエル
ツチガエル
トノサマガエル
ニホンアカガエル
ヤマアカガエル
アカガエル属注)
ヌマガエル
アオガエル科
シュレーゲルアオガエル
モリアオガエル
2目
6科
13種
注)「アカガエル属」については、他種と重複するおそれがあるため、種数に計数していない。
8-8-18
表 8-8-4(4) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(爬虫類)
主な確認種
分類
爬虫類
目名
科名
カメ目
イシガメ科
種名
ニホンイシガメ
クサガメ
有鱗目
スッポン科
ニホンスッポン
ヤモリ科
ニホンヤモリ
トカゲ科
ニホントカゲ
カナヘビ科
ニホンカナヘビ
ナミヘビ科
アオダイショウ
シマヘビ
ジムグリ
ヒバカリ
シロマダラ
ヤマカガシ
クサリヘビ科
2目
ニホンマムシ
7科
13種
表 8-8-4(5) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(魚類)
主な確認種
分類
魚
類
目名
科数
種数
ウナギ目
1
1
ニホンウナギ
コイ目
2
7
コイ、ギンブナ、オイカワ、タモロコ、ドジョウ、
チュウガタスジシマドジョウ
ナマズ目
1
1
ギギ
ダツ目
1
1
メダカ
カサゴ目
1
1
カマキリ(アユカケ)
スズキ目
3
12
ボラ、ブルーギル、スミウキゴリ、ゴクラクハゼ、
クロヨシノボリ、ヌマチチブ等
9科
23種
6目
種名
8-8-19
表 8-8-4(6) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(底生動物)
主な確認種
分類
科数
種数
三岐腸目
1
1
ナミウズムシ属
順列目
1
1
順列目
ハリガネ
ハリガネムシ目
ムシ綱
1
1
ハリガネムシ目
腹足綱
原始紐舌目
1
1
オオタニシ
盤足目
1
2
カワニナ、チリメンカワニナ
基眼目
4
4
カワコザラガイ、ヒメモノアラガイ、サカマキガイ、
ヒラマキミズマイマイ
二枚貝綱
マルスダレガイ目
3
3
ヤマトシジミ属、マメシジミ科、ドブシジミ属
ゴカイ綱
イトゴカイ目
1
1
イトゴカイ科
ミミズ綱
ナガミミズ目
1
1
ナガミミズ
オヨギミミズ目
1
1
オヨギミミズ科
イトミミズ目
1
4
エラオイミズミミズ、エラミミズ、ユリミミズ属、
イトミミズ
吻蛭目
1
1
アタマビル
無吻蛭目
2
3
チスイビル、イシビル属、シマイシビル
ヨコエビ目
3
3
ヨコエビ属、メリタヨコエビ属、ハマトビムシ科
ワラジムシ目
3
3
ミズムシ、イソコツブムシ属、オカダンゴムシ
アミ目
1
1
イサザアミ属
エビ目
5
10
ミゾレヌマエビ、ヒメヌマエビ、スジエビ、アメリ
カザリガニ、モクズガニ、サワガニ等
カゲロウ目
7
18
フタバカゲロウ、ユミモンヒラタカゲロウ、オオク
ママダラカゲロウ等
トンボ目
8
27
モノサシトンボ、クロスジギンヤンマ、コオニヤン
マ、オニヤンマ、コヤマオンボ等
カワゲラ目
2
5
フサオナシカワゲラ属、オナシカワゲラ属、カミム
ラカワゲラ属、フタツメカワゲラ属等
カメムシ目
5
12
ヒメアメンボ、シマアメンボ、ミズムシ、オオコオ
イムシ、タイコウチ、マツモムシ等
ヘビトンボ目
1
1
ヘビトンボ
トビケラ目
13
17
ウルマーシマトビケラ、ツメナガナガレトビケラ、
ホタルトビケラ、ムラサキトビケラ等
ハエ目
9
30
ミカドガガンボ、チョウバエ科、ヌカカ科、ニッポ
ンホソカ、サツマモンナガレアブ等
コウチュウ目
6
10
クロズマメゲンゴロウ、スジヒラタガムシ、ムナビ
ロツヤドロムシ、ゲンジボタル等
82科
161種
渦虫綱
ヒル綱
軟甲綱
昆虫綱
9綱
目名
25目
種名
8-8-20
表 8-8-4(7) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(昆虫類)
主な確認種
分類
昆虫類
科数
種数
種名
カゲロウ目
目名
3
4
トンボ目
10
40
カワゲラ目
1
1
シロタニガワカゲロウ、ヒラタカゲロウ属、キイロ
カワカゲロウ、トウヨウモンカゲロウ
クロイトトンボ、モノサシトンボ、ハグロトンボ、
ギンヤンマ、ハッチョウトンボ、アキアカネ等
オナシカワゲラ
ゴキブリ目
2
3
カマキリ目
1
5
シロアリ目
1
1
バッタ目
14
64
ナナフシ目
1
1
ハサミムシ目
3
5
カメムシ目
44
177
アミメカゲロウ目
8
15
コウチュウ目
67
556
ハチ目
17
90
シリアゲムシ目
1
1
ハエ目
21
83
トビケラ目
13
22
チョウ目
29
241
236科
1,309種
17目
ツチゴキブリ、モリチャバネゴキブリ、オオゴキブ
リ
ヒナカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリ、チ
ョウセンカマキリ、オオカマキリ
ヤマトシロアリ
ハマスズ、アオマツムシ、ホシササキリ、マダラバ
ッタ、ツチイナゴ、トゲヒシバッタ等
ナナフシ
ハマベハサミムシ、ハサミムシ属、ヒゲジロハサミ
ムシ、クロハサミムシ、オオハサミムシ
ヒグラシ、ハマベアワフキ、ヒメアメンボ、クモヘ
リカメムシ、ウズラカメムシ等
センブリ、ラクダムシ、チャバネヒメカゲロウ、ス
ズキクサカゲロウ、ツノトンボ等
カワラハンミョウ、オオオサムシ、クロシデムシ、
オオスジコガネ、キンイロネクイハムシ等
トビイロケアリ、チクシトゲアリ、フタモンアシナ
ガバチ、オオスズメバチ、ニッポンハナダカバチ等
ヤマトシリアゲ
アカアブ、ニトベハラボソツリアブ、シオヤアブ、
ホソヒラタアブ、ヒゲナガヤチバエ等
ヒゲナガカワトビケラ、オオシマトビケラ、アオヒ
ゲナガトビケラ、ニンギョウトビケラ等
イチモンジセセリ、ナミアゲハ、ムラサキシジミ、
イシガケチョウ、ジャノメチョウ等
8-8-21
表 8-8-4(8) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(陸産貝類)
主な確認種
分類
陸産貝類
目名
科数
種数
種名
ニナ目
4
5
ミジンヤマタニシ、ヤマタニシ、アツブタガイ、
サツマムシオイ、キュウシュウゴマガイ
オカミミガイ目
1
1
ニホンケシガイ
マイマイ目
9
27
オカチョウジガイ、タワラガイ、ヤマナメクジ、
ウラジロベッコウ、コベソマイマイ、イズモマ
イマイ等
14科
33種
3目
表 8-8-4(9) 道路の存在等に係る動物の現地調査結果(真正クモ類)
主な確認種
分類
真正クモ類
目名
クモ目
1目
科数
種数
種名
34
209
キノボリトタテグモ、ツクネグモ、ヒメアシナ
ガグモ、ジョロウグモ、コガネグモ、ササグモ、
イタチグモ、ハナグモ、ネコハエトリ等
34科
209種
8-8-22
② 重要な種等の状況
既存文献によると、表 8-8-5 の選定基準に該当する学術上又は希少性の観点から重要な動物
が、対象道路の通過する地域に分布するとされている。
これらの選定基準に該当する対象道路周辺で確認(文献・現地)されている重要な動物の一
覧を表 8-8-6 に示す。また、重要な動物の確認地点位置図を図 8-8-2~図 8-8-10 に、確認状
況等を表 8-8-7 に示す。
なお、既存文献とは、表 4-1-16~表 4-1-23 で用いた文献を示す。
表 8-8-5 学術上又は希少性の観点から重要な動物の選定根拠
分類(略号)
選定根拠
国天然
・
「文化財保護法」
(法律第214号
念物
県天然
・
「島根県文化財保護条例」
(条例第6号 昭和30年)における天然記念物
市天然
・
「大田市文化財保護条例」(条例第 96号
・
「江津市文化財保護条例」(条例第442号
種の保存
・
「絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(法律第75号
年)による国内希少野生動植物種
島根県希少
・
「島根県希少野生動植物の保護に関する条例」
(平成22年、平成24年
条)において指定希少野生動植物に指定された種
(環)絶滅危惧IA類
[魚類以外]
・「第4次レッドリストの公表について(お知らせ)」
(環境省 平成24年)におけ
る掲載種
[魚
類]
・
「第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類)(お知らせ)」(環境省
平成25年)による掲載種
(環)絶滅危惧IB類
(環)絶滅危惧II類
(環)準絶滅危惧
(環)情報不足
昭和25年)における特別天然記念物、天然記
平成17年)における天然記念物
昭和45年)における天然記念物
平成4
条例第8
(環)地域個体群
(水)絶滅危惧種
(水)危急種
・
「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック(水産庁編)
」
(
(社)日本水
産資源保護協会 平成12年)による掲載種
(水)希少種
(水)減少種
(島)絶滅危惧I類
(島)絶滅危惧II類
・
「改訂しまねレッドデータブック2014 動物編 ~島根県の絶滅のおそれのあ
る野生動物~」(島根県 平成26年)による掲載種
(島)準絶滅危惧
(島)情報不足
主要野生動物
・
「自然環境保全調査」(環境庁 昭和51年)における主要野生動物
第2回稀少種
・
「第2回自然環境保全基礎調査」(環境庁
昭和56年)における稀少種(鳥類)
第2回対象種
・
「第2回自然環境保全基礎調査」(環境庁
(両生類・は虫類・淡水魚類)
昭和56年)における調査対象種
指標昆虫類
・
「第2回自然環境保全基礎調査」(環境庁
昭和56年)における指標昆虫類
特定昆虫類
・
「第2回自然環境保全基礎調査」(環境庁
虫類
昭和56年)における島根県の特定昆
8-8-23
表 8-8-6(1) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
哺乳類
番号
種名
1 キクガシラコウモリ
確認方法
○
2 ホオヒゲコウモリ属
鳥
類
分布地域
文献 現地
選定根拠
○
江津市
(島)準絶滅危惧
○
江津市
(島)準絶滅危惧
(モモジロコウモリ)
○
江津市
主要野生動物
3 ニホンザル
○
4 ヤマネ
○
国天然、
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物
5 ツキノワグマ
○
(環)地域個体群、
(島)絶滅危惧I類
6 イタチ科
○
1 黒柏鶏
○
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
(ニホンイタチ)
国天然
2 オオミズナギドリ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
3 ヒメウ
○
大田市
(環)絶滅危惧IB類
4 カワウ
○
大田市、江津市
主要野生動物
○
大田市
主要野生動物
○
大田市、江津市
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧II類
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧、
(水)希少種
○
江津市
(島)準絶滅危惧
○
江津市
国天然、
(環)準絶滅危惧、
(島)準絶滅危惧
5 ウミウ
○
6 ミゾゴイ
7 チュウサギ
○
8 クロサギ
9 マガン
○
10 ヒシクイ
○
11 オシドリ
○
○
大田市、江津市
(環)情報不足、
(島)準絶滅危惧
12 ミサゴ
○
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧II類、
第2回稀少種
13 ハチクマ
○
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧I類、
第2回稀少種
国天然、
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧II類
8-8-24
表 8-8-6(2) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
鳥
類
番号
種名
14 オジロワシ
確認方法
分布地域
文献 現地
○
15 オオワシ
選定根拠
○
江津市
国天然、種の保存、
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物、
第2回稀少種
○
大田市、江津市
国天然、種の保存、
(環)絶滅危惧II類、
(島)情報不足、
主要野生動物、
第2回稀少種
16 オオタカ
○
○
大田市、江津市
種の保存、
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧I類、
第2回稀少種
17 ツミ
○
○
大田市、江津市
(島)情報不足
18 ハイタカ
○
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)情報不足
19 サシバ
○
○
大田市、江津市
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧I類
20 クマタカ
○
○
江津市
種の保存、
(環)絶滅危惧IB類、
(島)絶滅危惧I類、
主要野生動物、
第2回稀少種
21 ハイイロチュウヒ
○
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧、
第2回稀少種
22 ハヤブサ
○
○
大田市、江津市
種の保存、
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧I類、
第2回稀少種
23 チゴハヤブサ
○
24 チョウゲンボウ
○
第2回稀少種
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧、
第2回稀少種
○
江津市
(島)絶滅危惧II類、
第2回稀少種
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧II類
27 シロチドリ
○
江津市
(環)絶滅危惧II類、
(島)準絶滅危惧
28 ケリ
○
江津市
(環)情報不足
25 クイナ
26 ヒクイナ
○
8-8-25
表 8-8-6(3) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
鳥
類
番号
種名
確認方法
分布地域
文献 現地
選定根拠
29 ウミスズメ
○
(環)絶滅危惧IA類、
(水)絶滅危惧種、
(島)情報不足、
主要野生動物
30 カラスバト
○
国天然、
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧I類、
主要野生動物、
第2回稀少種
31 オオコノハズク
○
江津市
(島)絶滅危惧II類
32 コノハズク
○
大田市
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧、
第2回稀少種
34 アオバズク
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
35 ヨタカ
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧II類
36 ヤマセミ
○
江津市
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物
37 アカショウビン
○
大田市、江津市
(島)絶滅危惧II類
○
大田市、江津市
主要野生動物
39 ブッポウソウ
○
江津市
(環)絶滅危惧IB類、
(島)絶滅危惧I類、
主要野生動物
40 ヤイロチョウ
○
江津市
種の保存、
(環)絶滅危惧IB類、
(島)絶滅危惧I類、
主要野生動物、
第2回稀少種
41 コシアカツバメ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
42 ツメナガセキレイ
○
大田市、江津市
第2回稀少種
43 サンショウクイ
○
大田市、江津市
(環)絶滅危惧II類、
(島)情報不足
44 チゴモズ
○
江津市
(環)絶滅危惧IA類
45 コルリ
○
江津市
(島)情報不足
○
大田市、江津市
(島)情報不足
47 コヨシキリ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
48 コサメビタキ
○
江津市
(島)情報不足
○
大田市、江津市
(島)情報不足
33 フクロウ
38 カワセミ
46 ノビタキ
49 サンコウチョウ
○
○
○
○
8-8-26
表 8-8-6(4) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
鳥
類
両生類
爬虫類
魚
類
番号
種名
確認方法
分布地域
文献 現地
選定根拠
50 コジュリン
○
江津市
(環)絶滅危惧II類、
主要野生動物、
第2回稀少種
51 ホオアカ
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
52 ノジコ
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧
53 クロジ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
○
大田市、江津市
(環)絶滅危惧II類
(島)準絶滅危惧、
主要野生動物、
第2回対象種
1 カスミサンショウウ
オ
○
2 オオサンショウウオ
○
国天然、
(環)絶滅危惧II類、
(水)減少種、
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物、
第2回対象種
3 アカハライモリ
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧
4 タゴガエル
○
江津市
(島)準絶滅危惧
主要野生動物
5 トノサマガエル
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧、
主要野生動物、
第2回対象種
6 モリアオガエル
○
1 アカウミガメ
○
(環)絶滅危惧IB類、
(水)希少種
2 ニホンイシガメ
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧
3 ニホンスッポン
○
江津市
(環)情報不足
4 ジムグリ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
5 シロマダラ
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
6 ヒバカリ
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
1 いづもナンキン
○
2 ニホンウナギ
3 ズナガニゴイ
県天然
○
江津市
○
(環)絶滅危惧IB類
(島)準絶滅危惧
4 ドジョウ
○
江津市
(環)情報不足
5 チュウガタスジシマ
ドジョウ
○
江津市
(環)絶滅危惧II類
○
大田市、江津市
(環)絶滅危惧II類
6 メダカ
○
8-8-27
表 8-8-6(5) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
魚
類
番
号
種名
確認方法
分布地域
文献 現地
○
江津市
(環)絶滅危惧II類、
(水)減少種、
(島)準絶滅危惧、
第2回対象種
8 シンジコハゼ
○
江津市
(環)絶滅危惧II類
(島)絶滅危惧II類
7 カマキリ
(アユカケ)
○
選定根拠
水
産
1 オオタニシ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
貝
類
2 ヒラマキミズマイマイ
○
江津市
(環)情報不足
1 ヒメヌマエビ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
2 トゲナシヌマエビ
○
江津市
(島)情報不足
3 ミナミヌマエビ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
甲殻類
昆虫類
4 カワスナガニ
○
(環)準絶滅危惧
1 ホソミイトトンボ
○
○
江津市
(島)準絶滅危惧
2 モートンイトトンボ
○
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧I類
3 オツネントンボ
○
○
江津市
(島)絶滅危惧II類
4 ムカシヤンマ
○
○
江津市
(島)準絶滅危惧、
指標昆虫類
5 キイロサナエ
○
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)準絶滅危惧
6 タベサナエ
○
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)準絶滅危惧
7 オグマサナエ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
8 アオヤンマ
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)準絶滅危惧
9 カトリヤンマ
○
○
江津市
(島)準絶滅危惧
10 サラサヤンマ
○
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧、
特定昆虫類
○
江津市
(島)絶滅危惧II類、
指標昆虫類
11 ハッチョウトンボ
12 キイロヤマトンボ
○
13 ヒメアカネ
○
14 ミヤマアカネ
○
15 オオゴキブリ
○
○
大田市、江津市
特定昆虫類
16 ヒナカマキリ
○
○
江津市
特定昆虫類
17 コロギス
○
18 カヤコオロギ
(環)準絶滅危惧
(島)絶滅危惧Ⅱ類
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
(島)準絶滅危惧
特定昆虫類
○
大田市、江津市
8-8-28
(島)情報不足
表 8-8-6(6) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
昆虫類
番号
種名
確認方法
分布地域
文献 現地
19 ハマスズ
選定根拠
○
江津市
(島)準絶滅危惧
○
大田市、江津市
特定昆虫類
21 ハタケノウマオイ
○
江津市
(島)情報不足
22 ヤマトマダラバッタ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
23 ショウリョウバッタ
モドキ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
20 クツワムシ
24 キボシマルウンカ
○
○
25 クロハサミムシ
26 ハルゼミ
○
27 チッチゼミ
○
(島)情報不足、
特定昆虫類
○
江津市
特定昆虫類
○
江津市
(島)準絶滅危惧、
指標昆虫類
(島)情報不足、
特定昆虫類
28 ムネアカアワフキ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
29 ミヤケミズムシ
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)情報不足
30 ヒゲナガサシガメ
○
江津市
(島)情報不足
31 ハリサシガメ
○
大田市
(環)準絶滅危惧
32 ノコギリカメムシ
○
江津市
(島)情報不足
○
江津市
(島)情報不足
34 フタテンカメムシ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
35 キカマキリモドキ
○
江津市
特定昆虫類
36 カワラハンミョウ
○
江津市
(環)絶滅危惧IB類、
(島)絶滅危惧I類、
島根県希少
37 コハンミョウ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
○
大田市
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧I類
○
江津市
特定昆虫類
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧I類、
特定昆虫類
41 タナカツヤハネゴミ
ムシ
○
江津市
(環)情報不足
42 クロゲンゴロウ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
43 コガタノゲンゴロウ
○
江津市
(環)絶滅危惧Ⅱ類、
(島)絶滅危惧Ⅱ類
33 ウシカメムシ
38 ハラビロハンミョウ
○
○
39 ムラサキトビケラ
40 オオヒョウタンゴミ
ムシ
○
8-8-29
表 8-8-6(7) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
昆虫類
番号
種名
確認方法
分布地域
文献 現地
選定根拠
44 マルチビゲンゴロウ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
45 スジヒラタガムシ
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧
46 ミユキシジミガムシ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
47 ガムシ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
48 ヤマトタマムシ
○
大田市
(島)情報不足
49 ヒメボタル
○
江津市
(島)情報不足、
主要野生動物
○
大田市、江津市
主要野生動物、
指標昆虫類
51 ヘイケボタル
○
江津市
主要野生動物、
52 スネケブカヒロコバ
ネカミキリ
○
江津市
(島)準絶滅危惧、
特定昆虫類
53 キンイロネクイハム
シ
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)準絶滅危惧
54 ヒゲナガホソクチゾ
ウムシ
○
大田市、江津市
特定昆虫類
50 ゲンジボタル
○
55 ホオアカオサゾウム
シ
○
特定昆虫類
56 ウマノオバチ
○
(環)準絶滅危惧、
(島)情報不足、
特定昆虫類
57 フタホシアリバチ
○
特定昆虫類
58 トゲアリ
○
江津市
(環)絶滅危惧II類
59 ヤマトアシナガバチ
○
江津市
(環)情報不足
60 アカオビケラトリ
○
大田市
(環)準絶滅危惧、
特定昆虫類
61 ニッポンハナダカバ
チ
○
大田市、江津市
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧II類、
特定昆虫類
62 クロマルハナバチ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
63 マイマイツツハナバ
チ
○
江津市
(環)情報不足
64 ヤホシホソマダラ
○
江津市
(環)準絶滅危惧
65 ギンイチモンジセセ
リ
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧II類
66 オオチャバネセセリ
○
○
大田市、江津市
(島)準絶滅危惧
67 ジャコウアゲハ
○
○
大田市
(島)絶滅危惧II類
8-8-30
表 8-8-6(8) 学術上又は希少性の観点から重要な動物一覧表
分類
昆虫類
番号
種名
確認方法
産
貝
類
真
正
選定根拠
68 ギフチョウ
○
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物、
指標昆虫類
69 オナガアゲハ
○
(島)準絶滅危惧
70 ナガサキアゲハ
○
71 ツマグロキチョウ
○
(環)絶滅危惧IB類、
(島)準絶滅危惧
72 エゾミドリシジミ
○
(島)準絶滅危惧
73 オオミドリシジミ
○
(島)情報不足
74 ウラナミアカシジミ
○
(島)絶滅危惧I類
75 ゴイシシジミ
○
76 ウラギンスジヒョウ
モン
○
77 ツマグロヒョウモン
○
78 メスグロヒョウモン
○
(島)絶滅危惧II類
79 クモガタヒョウモン
○
(島)絶滅危惧II類
80 アサマイチモンジ
陸
分布地域
文献 現地
○
○
大田市、江津市
江津市
特定昆虫類
(島)準絶滅危惧
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧I類
○
○
大田市、江津市
江津市
特定昆虫類
(島)準絶滅危惧
81 ホシミスジ
○
(島)絶滅危惧I類
82 オオムラサキ
○
(環)準絶滅危惧、
(島)絶滅危惧II類、
主要野生動物、
指標昆虫類
83 ウラナミジャノメ
○
○
江津市
(環)絶滅危惧II類、
(島)絶滅危惧I類
1 サツマムシオイ
○
大田市、江津市
(環)準絶滅危惧
2 オオウエキビ
○
大田市、江津市
(環)情報不足
3 ヒメカサキビ
○
大田市
(環)準絶滅危惧
4 ウメムラシタラガイ
○
大田市
(環)準絶滅危惧
1 キノボリトタテグモ
○
江津市
(環)準絶滅危惧、
(島)準絶滅危惧
2 ムラクモヒシガタグ
モ
○
大田市、江津市
(島)情報不足
3 キジロオヒキグモ
○
江津市
(島)準絶滅危惧
クモ類
4 イソコモリグモ
○
(島)絶滅危惧II類
8-8-31
凡 例
記 号
6
6
番号
1
2
6
種 名
キクガシラコウモリ
ホオヒゲコウモリ属
イタチ科
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6 6
6
1
6
1
6
1
6
6
6
6
6
6
2
6
6
6
6
6
6
6
6
6
6
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-2 重要な哺乳類の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-32
1
2 km
記 号
(停止個体)
(飛翔個体)
(鳴き声)
番号
2
3
4
5
6
7
8
凡 例
種 名
オオミズナギドリ
ヒメウ
カワウ
ウミウ
ミゾゴイ
チュウサギ
クロサギ
番号
9
11
25
26
27
31
32
種 名
マガン
オシドリ
クイナ
ヒクイナ
シロチドリ
オオコノハズク
コノハズク
2
5
3 2
2
26
26 26 26
25 26
27
27 27 27 8
27
11
26 26 26
11
25
11
25
26
7
26
6
11
4
6
7 26
11
7
11
7
11
32
26
7
26
7
11
11
26
26 26
4
25
11
7 26
6
26
7
11
26
26
6
11
31
都市計画対象道路事業実施区域
31
インターチェンジ部
9
26
26
26
25
26
土工部
大田市
25
25
25
26
トンネル部
高架部
26
25 26 26
°
図8-8-3(1) 重要な鳥類(一般鳥類)の確認位置図(1/3)
1:50,000
0
0.5
8-8-33
1
2 km
記 号
凡 例
種 名
番号
(停止個体)
(飛翔個体)
33
フクロウ
(鳴き声)
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-3(2) 重要な鳥類(一般鳥類)の確認位置図(2/3)
1:50,000
0
0.5
8-8-34
1
2 km
記 号
(停止個体)
(飛翔個体)
(鳴き声)
43 41
49
46
34
49
46
41
46 46
46
41
46
46
43
46
47
46
46
46
43
47
39
43
35
46
46
46
46
46
46
46
46
39
46 34 47 47 46
52
41
46
43
49 47 43
41
52
41
47 43 52
47
46
46
49
51 43 46
46
47
38 51 46 49 46
37
46
41
43
41
52
41
46
43
49
41
47
種 名
チゴモズ
コルリ
ノビタキ
コヨシキリ
コサメビタキ
サンコウチョウ
コジュリン
ホオアカ
ノジコ
41
46
34 46 35
番号
44
45
46
47
48
49
50
51
52
47
41
46
番号
34
35
36
37
38
39
40
41
43
凡 例
種 名
アオバズク
ヨタカ
ヤマセミ
アカショウビン
カワセミ
ブッポウソウ
ヤイロチョウ
コシアカツバメ
サンショウクイ
46
46
46
41
41
49
39
52
41
46 38
51
41
39
47
39
49
49
49
43
43
46
43
46
38
52
46
46
46
46
43
46
46
47
46 49
43
46
51
46
都市計画対象道路事業実施区域
49
43
46 46
47 46
45
39
41 41 49
37
43
49 49
43
48
36
43
52
46
46
47
46
43
46 46 43
トンネル部
高架部
43
43
52
大田市
49
49
41
土工部
49
43
40 37 43
インターチェンジ部
43
44 39
48
43
43
48
41
48
37 50 49 43 45
49
°
図8-8-3(3) 重要な鳥類(一般鳥類)の確認位置図(3/3)
1:50,000
0
0.5
8-8-35
1
2 km
凡 例
記 号
種 名
番号
12
ミサゴ
13
ハチクマ
14
オジロワシ
15
オオワシ
16
オオタカ
17
ツミ
18
ハイタカ
19
サシバ
20
クマタカ
21
ハイイロチュウヒ
22
ハヤブサ
24
チョウゲンボウ
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-3(4) 重要な鳥類(猛禽類(ワシタカ))の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-36
1
2 km
凡 例
記 号
番号
1
種 名
カスミサンショウウオ
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-4(1) 重要な両生類の確認位置図(1/3)
1:50,000
0
0.5
8-8-37
1
2 km
凡 例
記 号
3 3 3
番号
3
4
種 名
アカハライモリ
タゴガエル
3
3
3 3 3 3
3 3
3 3
3 3 3 3 3 3 3 3 3
3 3 3 3 3 3
3
3 3 3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3 3 3
3 3
3
3
3 4 3 3 3 3
3
3
4 4
3
4 3
3 3 3 3 3
3
3 3 3 3
3
4
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
3 4 4 3 4 3
土工部
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-4(2) 重要な両生類の確認位置図(2/3)
1:50,000
0
0.5
8-8-38
1
2 km
凡 例
記 号
番号
5
6
種 名
トノサマガエル
モリアオガエル
5 6 6 5 5
6 6
6 5
6 6 6
6 5
6 6 6
5 5 5 5
6 5 6 6 5
5
5
6 5 5
6
5
6
5
6 6
5
5 6 6 6
5
6 6 5
6
6 6 6
5
5 5 5 5
6
5
5
5 5 5 5 5 5 5 5 5
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-4(3) 重要な両生類の確認位置図(3/3)
1:50,000
0
0.5
8-8-39
1
2 km
凡 例
記 号
種 名
番号
2
ニホンイシガメ
3
ニホンスッポン
4
ジムグリ
5
シロマダラ
6
ヒバカリ
5
6
4 2 2 2 5 6 2
2
2
2
2
2 2
2 2 2 2 2
2 5
2
4
5
5
5
2
2
5
2 5
2
2
2
6
2
4
2 3 3 2
4
2 5
6 6 2
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-5 重要な爬虫類の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-40
1
2 km
記 号
凡 例
種 名
番号
ニホンウナギ
2
ドジョウ
4
チュウガタスジシマドジョウ
5
メダカ
6
カマキリ(アユカケ)
7
8
8 8 6 6 5 6
6 8
6 4
6 2
6 6 6 6
4
シンジコハゼ
6
4
6 6
6
6
6
6
4
4
6 6 8 8
4
6 6
4
4
6 4
2
6
7 7
2
6
6 6
6 6
6 6
4 4 6
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-6 重要な魚類の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-41
1
2 km
記 号
凡 例
種 名
分 類
番号
水産貝類
1
オオタニシ
甲殻類
2
ヒラマキミズマイマイ
1
ヒメヌマエビ
2
トゲナシヌマエビ
3
ミナミヌマエビ
水産貝類1. オオタニシ
水産貝類1. オオタニシ
水産貝類1. オオタニシ
甲殻類1. ヒメヌマエビ
甲殻類2. トゲナシヌマエビ
甲殻類1. ヒメヌマエビ
水産貝類1. オオタニシ
甲殻類1. ヒメヌマエビ
甲殻類3. ミナミヌマエビ
甲殻類1. ヒメヌマエビ
甲殻類1. ヒメヌマエビ
甲殻類2. トゲナシヌマエビ
甲殻類1. ヒメヌマエビ
甲殻類2. トゲナシヌマエビ
水産貝類2. ヒラマキミズマイマイ
都市計画対象道路事業実施区域
水産貝類2. ヒラマキミズマイマイ
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-7 重要な底生動物の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-42
1
2 km
記 号
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
13
18
凡 例
種 名
番号
ホソミイトトンボ
19
モートンイトトンボ
20
オツネントンボ
21
ムカシヤンマ
22
キイロサナエ
23
タベサナエ
26
オグマサナエ
28
アオヤンマ
29
カトリヤンマ
30
サラサヤンマ
31
ハッチョウトンボ
32
ヒメアカネ
33
カヤコオロギ
34
種 名
ハマスズ
クツワムシ
ハタケノウマオイ
ヤマトマダラバッタ
ショウリョウバッタモドキ
ハルゼミ
ムネアカアワフキ
ミヤケミズムシ
ヒゲナガサシガメ
ハリサシガメ
ノコギリカメムシ
ウシカメムシ
フタテンカメムシ
21 22
10 26 10
13
18
26
3 3 13 1 13 5 32
26 10
5
6
5
6
5
9
20
20
7
5
20
13
6
19
2 20
22 20 34 10 34
31
19
20
5
1
11
20
10
10
28
29
4
20 28
18 2 20
13
11
10
13
8
10 10 13
2
33
5
7
5
13
33
10
23 34 10 10 7 30
23
13
10
10
10
3
10 20 10
20
33
20 10 23
20
20 5 10
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-8(1) 重要な昆虫類の確認位置図(1/2)
1:50,000
0
0.5
8-8-43
1
2 km
記 号
58
58
58
50
61
62
51
45
40
64
61
66
40
40
61
50
50 59 52 58
36
61
50
凡 例
種 名
番号
カワラハンミョウ
51
ハラビロハンミョウ
52
ムラサキトビケラ
53
オオヒョウタンゴミムシ
58
タナカツヤハネゴミムシ
59
クロゲンゴロウ
61
コガタノゲンゴロウ
62
スジヒラタガムシ
64
ミユキシジミガムシ
65
ガムシ
66
ヤマトタマムシ
67
ヒメボタル
75
ゲンジボタル
83
種 名
ヘイケボタル
スネケブカヒロコバネカミキリ
キンイロネクイハムシ
トゲアリ
ヤマトアシナガバチ
ニッポンハナダカバチ
クロマルハナバチ
ヤホシマダラ
ギンイチモンジセセリ
オオチャバネセセリ
ジャコウアゲハ
ゴイシシジミ
ウラミノジャノメ
65 40
36 36 36
51
番号
36
38
39
40
41
42
43
45
46
47
48
49
50
66
61 38
50
61
40
48 50 61
67
40
41 51
45
45
50
49
50
51
67
50
66
45
46
59
62
75
53
47
50
83
47
53 53 53
53
53 47 42 53
58
51
58
51 47
51
50
58
58
39 66 83 83 66 43
66 58
59
都市計画対象道路事業実施区域
66
インターチェンジ部
土工部
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-8(2) 重要な昆虫類の確認位置図(2/2)
1:50,000
0
0.5
8-8-44
1
2 km
凡 例
記 号
番号
1
種 名
サツマムシオイ
2
オオウエキビ
3
ヒメカサキビ
4
ウメムラシタラガイ
1
1
1
1
4
1
2
1
3
2
1
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-9 重要な陸産貝類の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-45
1
2 km
凡 例
記 号
種 名
キノボリトタテグモ
2
ムラクモヒシガタグモ
3
キジロオヒキグモ
1
3
1
番号
1
2
1
1
2
都市計画対象道路事業実施区域
インターチェンジ部
土工部
江津市
大田市
トンネル部
高架部
°
図8-8-10 重要な真正クモ類の確認位置図
1:50,000
0
0.5
8-8-46
1
2 km
表 8-8-7(1) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(哺乳類)
[1]
キクガシラコウモリ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道から九州にかけて佐渡、対馬、五島列島、屋久島か
ら記録されている。採餌は夜間に、河川、平地、小丘陵、森林、草原
などで行われ、森林内では主に下層で採餌が行われる。昼間は洞穴で
50~数百頭の大きな集団で休息するが、家屋内を隠れ家として出産す
る例も知られる(阿部監修,2005)1)。
島根県では、県内全域に分布。海食洞や自然の岩穴、貯蔵穴、廃坑
で休息・冬眠(島根県,2014)3)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の廃屋等の3箇所で休息個体7例 夏、秋
を確認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、浅利町の横坑や納屋、廃屋等で休息
分布状況 個体が確認されている。採餌にはねぐら周辺の河川や森林、農耕地等
を利用していると考えられ、本種の生息に適した樹林等は、調査地域
及びその周辺に広く分布する。
(哺乳類)
[2]
ホオヒゲコウモリ属
(モモジロコウモリ)
一般生態 <モモジロコウモリ>
本種は、北海道、本州、四国、九州、佐渡、対馬に分布する。昼間
の隠れ家は洞穴であり、1年中、雄雌の混ざった100頭以上の大きな集
団を作る。採食場所は河川、丘陵地、森林であるが、特に森林では樹
幹の間や樹冠付近で多く観察されている(阿部監修,2005)1)。
石見東部地域では、江津市川平町、大田市水上町、温泉津町、仁摩
町で確認されており、島根県内に普通に生息する種と考えられる(大
畑,1989)2)。
島根県では、隠岐諸島を含む県全域に分布。海食洞、廃坑、利用さ
れていないトンネルなど各地で見られるが、ふつう一度に見られるの
は1~数頭程度である。繁殖期には50頭位のコロニーが見られること
もある(島根県,2014)3)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の暗渠内1箇所で休息個体1例を 秋
確認。
生息地の
現地調査では、江津市松川町下河戸の暗渠内で休息個体が確認され
分布状況 ている。採餌にはねぐら周辺の河川や森林、農耕地等を利用している
と考えられ、本種の生息に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
8-8-47
表 8-8-7(2) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(哺乳類)
[3]
ニホンザル
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州、金華山島、淡路島、小豆島、屋久島な
どに分布する。常緑広葉樹林、落葉広葉樹林に生息し、数頭の雄成体
および雌成体とその子供たちからなる数十頭から百数十頭までの群
れで遊動生活をするほか単独で生活をする個体(主として雄)もみら
れ、ハナレザルまたはヒトリザルと呼ばれる(阿部監修,2005)1)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の樹林、林縁部で姿と糞を確認し 春、秋
たが、詳細な確認位置は不明。
生息地の
現地調査では、江津市松川町下河戸の樹林、林縁部で個体と糞が確
分布状況 認されている。本種は主に森林に生息する種であり、本種の生息に適
した同様の環境は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(哺乳類)
[4]
ヤマネ
一般生態
現地調査
結果
本種は、本州、四国、九州、隠岐島後に分布する1属1種の日本固有
種である。低山帯から亜高山帯の成熟した森林に生息する。夜行性で、
おもに樹上で活動する。体の大きさの割に広い行動圏をもち、浅間山
麓における調査では、雄で2ha、雌で1ha弱である。生息密度は0.8頭
/ha。樹洞内や木の枝の間に樹皮やコケを集めて球形の巣を作る。果
実、昆虫その他の小動物、小鳥の卵などを食べる。寒冷期に冬眠する
ことが特徴で、中部地方では6か月前後に及ぶ。春から秋まで繁殖す
る。雌は年2回出産する。一度に生まれる仔の数はふつう3~5頭であ
るが、7頭に達することもある。寿命は3年、飼育下では8年。1975年
に国の天然記念物に指定されている(阿部監修,2005)1)。
島根県では、おもに隠岐(島後)と本土側西部山地で冬眠個体の発
見例があり、発見は偶然的。生態や分布範囲等の詳細は不明。発見例
の多くが「里山」的な環境である(島根県,2014)3)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(哺乳類)
[5]
ツキノワグマ
一般生態
現地調査
結果
本種は、本州、四国に分布する。冷温帯落葉広葉樹林を中心に生息
する。ブナの若葉や草本類、昆虫類、木の実などを多く採食する(阿
部監修,2005)1)。
島根県では、おもに中国山地脊梁部に分布し、夏緑樹林帯をおもな
生活域としている。近年は、里地域を徘徊してカキやクリなどの果樹
園に食害を及ぼすことがある。ツキノワグマの冬眠は、おもに大木の
地上よりかなり高い位置にある樹洞で行われるが、大木の根元の土穴
や岩穴、大きな倒木の下など地上で行われることもある。造林地内で
冬眠する個体も見られる。近年になって大木の茂る森林が少なくなっ
てからは、地上部での冬眠が増えているかもしれない。冬眠期以外の
季節に、中国山地脊梁部から遠く離れた平地や、時に海岸付近にまで
やって来ることがあるが、この移動の全てが、食物不足や生息環境の
破壊によるものかは不明(島根県,2014)3)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-48
表 8-8-7(3) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(哺乳類)
一般生態 <ニホンイタチ>
[6]
本種は、本州、四国、九州、佐渡、隠岐諸島、伊豆大島、淡路島な
どに分布する。北海道、利尻島、礼文島、伊豆諸島などネズミ類駆除
イタチ科
のために導入された個体が定着した島もある。カエル、ネズミ類、鳥
(イタチ科:イタチ属
類、昆虫類など陸上小動物のほか、ザリガニなど甲殻類や魚類を捕食
の2種又はテン)
することもある。九州では年2回繁殖する(阿部監修,2005)1)。
(イタチ属:ニホンイ
島根県では、県内全域に分布。隠岐諸島は自然分布か否か不明。か
タチ又はチョウセン
つては、水田や池や川などの水辺周辺でよく目撃された。近年は水田
イタチ)
の減少や溜池の消失、河川環境の変化などによって生息環境が悪化し
ている。県内でもチョウセンイタチは分布を広げて集落伝いに山間部
にまで侵入しており、平野部ではニホンイタチがほとんど見られなく
なっている(島根県,2014)3)。
<チョウセンイタチ>
本種の日本での自然分布域は対馬だけであり、侵入した個体が九
州、四国と本州の中部地方以南および九州周辺のいくつかの島に生息
する。ネズミ類、鳥類、甲殻類、魚類などのほかに果実類も採食し、
イタチに比べ植物質の採食量が多い。春に2~12頭の仔を産む(阿部
監修,2005)1)。
<テン>
本種は、本州、四国、九州、淡路島、対馬に分布する。佐渡には導
入されたものが生息し、近年北海道でも分布を広げている。樹上空間
を多く利用するため森林を生息地とするが、樹木であれば人家周辺に
もみられ、納屋に巣を作ったりすることがある。齧歯類、鳥類、両生
爬虫類などの小型脊椎動物、昆虫類、ムカデなど土壌動物、ヤマグワ・
マタタビなどの果実類と、多様なものを採食する。単独で生活し、ツ
シマテンでは平均70haほどの排他的な行動圏をもつことがわかって
いる。交尾は夏に行われるが、受精卵の着床遅延があるため出産は翌
年春になる。早春に疑似交尾と言われる行動が見られる。4~5月に2
~4頭の仔を樹洞など比較的簡単な巣の中で出産する(阿部監修,
2005)1)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の林縁や道路等10箇所で糞12例 春、夏、
を確認。
秋、冬
江津市
事業実施区域内の7箇所で8例を確認。
事業実施区域外の26箇所で28例を確認。
谷部の樹林や林縁の道路、橋梁、砂防堰堤等で
多数の足跡や糞、姿を確認。
生息地の
現地調査では、調査地域の広い範囲で足跡や糞等の多数の痕跡のほ
分布状況 か、自動撮影により姿が確認されている。確認環境は主に谷部の樹林
や林縁の道路、橋梁、砂防堰堤等であり、本種の生息に適した同様の
環境は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-49
表 8-8-7(4) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[1]
黒柏鶏
項目
内容
一般生態
本種は、日本に特有な蓄養動物として国指定天然記念物に指定され
た種であり、自然に生息しているものではない(島根県文化財愛護協
会,2005)8)、(山本,2003)16)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では、本種の生息は確認されなかった。また、日本に特有
分布状況 な蓄養動物として国指定天然記念物に指定された種であり、自然に生
息しているものではない。
(鳥類)
[2]
オオミズナギドリ
一般生態
本種は、夏鳥として渡来し、沿岸の島嶼で集団繁殖する。北海道か
ら琉球諸島にかけてコロニーのある孤島があり、そのいくつかは天然
記念物に指定されている。繁殖地は海岸や島嶼の海沿いに限られ、地
中に巣穴を掘って集団で繁殖する。繁殖地には必ず飛び立つための斜
面や大きな木がある。生涯のほとんどを外洋ですごし、繁殖期でも陸
に上がるのは夜間だけで、未明には再び海にもどる。オキアミなどの
甲殻類、イカの幼体、稚魚などをとって食べる(中村・中村,1995a)
10)
。
島根県では、隠岐郡知夫村の大波加島に大規模な集団繁殖地があ
り、星神島、沖ノ島などのほか、益田市高島が繁殖地となっている(島
根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の海上2箇所で150羽以上の群れ 夏
を確認。
江津市
事業実施区域外の海上1箇所で50羽以上の群れ
を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市黒松町の日本海海上で
分布状況 多数の群れが確認されている。本種は海洋に生息する種である。
8-8-50
表 8-8-7(5) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[3]
ヒメウ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州北部で留鳥、本州中部以南では冬鳥である。
5~6月に岩や断崖の多い海岸で集団繁殖するが、1ヵ所に多くはあつ
まらない。断崖の棚などにわずかばかりの枯草などをはこび巣をつく
る。日本では本州北部や北海道で繁殖し、冬に暖地に移動する(黒田
編,1984)6)。習性はウミウとよく似ており、外海に面した磯浜に棲
息し、海に潜って魚をとる。甲殻類も食べることがある(高野編,1985)
9)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の岩礁1箇所で姿1例を確認。 春
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町今浦の海上の岩礁で確認されてい
分布状況 る。本種の生息に適した海岸の岩礁は、日本海沿岸部に広く分布する。
(鳥類)
[4]
カワウ
一般生態
本種は、かつては本州各地で繁殖していたが、だんだん数が減り、
1980年代には青森、東京、愛知、三重、大分など、わずか6都県のコ
ロニーが残るだけとなった。青森県では夏鳥、他では留鳥である。
本種は、内湾や湖沼に棲息し、その近くの林で集団繁殖する。巣は
木の枝の上に小枝や枯れ草を使って皿形に作られ、古巣も修理してよ
く使われる
繁殖地の中には、千葉県大厳寺のように天然記念物に指定されてい
ながら放棄されたところもある。その原因は、糞によって樹木が枯れ
るといったこともあるが、周辺の都市化による環境の悪化、採餌地の
水質汚染といった人為的なことも見逃せない(高野編,1985)9)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で飛翔個体1例を確認。 春、夏、
江津市
事業実施区域外の1箇所で飛翔個体1例を確認。 秋、冬
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦、江津市浅利町で飛翔が確認さ
分布状況 れている。本種の生息に適した内湾や湖沼は、調査地域及びその周辺
に広く分布する。
8-8-51
表 8-8-7(6) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[5]
ウミウ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州、九州の海岸または沖合の島で繁殖し、冬期
は全国の海岸に普通に生息する。外海に面した岩礁のある波の荒い海
岸に棲息し、海に潜って魚を捕える。海に面した切り立った岩壁や岩
礁で集団繁殖する。巣は岩壁の上部や岩棚の上などにつくられ、枯れ
草や海藻を材料に皿形をしている(高野編,1985)9)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の岩礁1箇所で姿1例を確認。
春、夏、
冬
生息地の 現地調査では、大田市温泉津町今浦の海上の岩礁で確認されている。
分布状況 本種の生息に適した海岸の岩礁は、日本海沿岸部に広く分布する。
(鳥類)
[6]
ミゾゴイ
一般生態
本種は、日本列島の特産種で、夏鳥として渡来し、本州から九州と
伊豆諸島の低山帯で繁殖するが少ない。冬季は台湾やフィリピンで過
ごすが、西南日本で越冬するものもある。低山帯の暗い林を好み、タ
ブノキやスダジイの常緑広葉樹林、スギの植林などで見られる。林の
中の沢などで採餌し、サワガニ、ミミズなどを捕らえる。夜間には林
から飛び出て採餌に行くこともあるという。繁殖期にはつがいで生活
し、木の枝の上に小枝や樹根を積み重ねて皿形の巣を作る。産卵期は
5~7月、卵数は3~4個、抱卵日数は20~27日位、巣立ちまでの日数は
34~37日位である(高野編,1985)9)。
島根県では、夏鳥として4月上旬から中旬に渡来する。県内では西
部を中心に繁殖も確認されているが、観察記録はきわめて少なく、生
息状況や分布はほとんどわかっていない(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外で平成20年に1箇所で鳴き声1例 春、夏
を確認。
江津市
事業実施区域内で平成20年に古巣1箇所を確認
したが、平成25年に落巣を確認。
事業実施区域外で平成25年に古巣2箇所を確認。
針広混交林等の常緑樹の枝先に架巣された本種
のものと思われる古巣を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光で鳴き声、江津市後地町で事業
分布状況 実施区域周辺の針広混交林等で本種ものと思われる古巣が確認され
ている。本種の生息に適した谷部の樹林等は、調査地域及びその周辺
に広く分布する。
8-8-52
表 8-8-7(7) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[7]
チュウサギ
項目
内容
一般生態
本種は、夏鳥として渡来し、本州から九州までの各地で繁殖し、西
南日本には稀に残留するものもある。水田や湿地で生活し、川の流れ
の中や干潟に出ることは少ない。餌は、昆虫、カエル、アメリカザリ
ガニ、魚などで、他のサギ類とともにサギ山で集団繁殖する(高野編,
1985)9)。
島根県では、各地で普通に見られ、冬季少数が越冬する(濱田ほか,
1994)12)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の福光川周辺の水田5箇所で15 春、夏
例を確認。
江津市
事業実施区域内の水田1箇所で1例を確認。
事業実施区域外の水田2箇所で2例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市後地町、都治町の水田
分布状況 地帯で複数個体が確認されている。本種の生息に適した水田や湿地等
は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[8]
クロサギ
一般生態
本種は、本州以南の海岸に留鳥として生息し、局地的に海岸の岩棚
や岩の隙間に営巣する。水ぎわをゆっくり歩きながら、魚、カニ類な
どの餌を探す(高野編,1985)9)。
島根県では、留鳥として海岸に生息する。岩礁のある崖地、島嶼な
どで繁殖も確認されているが、個体数は多くないと考えられる(島根
県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の海食台の岩上1箇所で姿1例を 秋
確認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町の海食台の岩上が確認されている。本
分布状況 種の生息に適した海岸や岩礁等は、日本海沿岸部に広く分布する。
8-8-53
表 8-8-7 (8) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[9]
マガン
項目
内容
一般生態
本種は、日本に冬鳥として渡来する。昼間は池や沼で休息し、早朝
などに広い水田地帯へ群で飛来し、主にイネの落ち穂、マコモの実な
どの植物質の餌を食べる(高野編,1985)9)。
島根県では、ねぐらは、宍道湖湖心部や斐伊川下流から河口部で、
宍道湖西岸域の水田などを餌場とする。1979年以降渡来数が増加し、
2010年以降は4,000羽以上を数えるようになった。しかし、最近は2000
年代までの増加傾向と異なり、前年の最大数を下回る年もある(島根
県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で渡り途中と思われる 秋
飛翔個体4例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町で渡り途中と思われる飛翔個体が確認
分布状況 されている。本種の生息環境である池沼や水田等は、調査地域及びそ
の周辺に広く分布するが、渡り途中と思われる個体のみの確認であっ
たため、調査地域周辺を生息地として利用しているかは不明である。
(鳥類)
[10]
ヒシクイ
一般生態
現地調査
結果
本種は、冬鳥として渡来し、北日本から日本海側の限られた池や沼
に生息する。早朝などに、広い水田地帯や湿地の地上を歩きながら草
の実などを食べる。越冬地では数十羽から数百羽の群れで行動し、広
い水田地帯や湿地に地上を歩きながら草の実などを食べる(高野編,
1985)9)。
島根県では、集団で定期的に渡来するのは、斐伊川中流から下流部
のみで、ねぐらや餌場はおもに斐伊川の河川敷内で、中州をねぐらと
し牧草やツルヨシの根などを餌としている。また、周辺の水田で餌を
とることもある。この他、斐伊川下流部ではマガンやコハクチョウと
行動を共にする個体も1~数羽見られる(島根県,2014)7)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-54
表 8-8-7 (9) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[11]
オシドリ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州、九州、沖縄で繁殖し、冬季北方のものは暖
地に移動する。冬鳥として大陸から渡来する個体もある。山間の渓流
や山地の湖などに生息し、木陰に隠れるようにしていることが多く、
水辺の林の樹洞に営巣する。特にカシ類、ナラ類などのどんぐりを好
む(高野編,1985)9)。
島根県では、山間部の渓流やダム湖などに生息し、江の川や高津川
などには特に多い。冬季に群れで渡来する個体が多いが、中国山地や
隠岐島の一部では繁殖もしている(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の溜池等4箇所で6例を確認。
春、夏、
秋、冬
江津市
事業実施区域外の溜池や菰沢池等の8箇所で32
例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市波積町北、都治町、浅
分布状況 利町、松川町下河戸の溜池や菰沢池等で確認されている。本種の生息
に適した河川や湖沼等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、北海道から沖縄で繁殖し、留鳥だが、冬季に海の結氷する
地域のものは結氷しない地域へ南下する。人気のない海岸の岩の上や
[12]
岩棚、水辺に近い大きな木の上に皿形の巣をつくり繁殖する。海岸、
ミサゴ
大きな川、湖などで、水に突っ込み魚を捕らえ、岩や杭の上、木の枝
など一定の食餌場所へ運んで食べる(高野編,1985)9)。
島根県では、海岸や湖沼部を中心に広く生息しており、その生息密
度も全国有数の高密度地域と考えられる。特に、中海・宍道湖や神西
湖周辺における個体密度が高く、隠岐諸島でもよく見られる。河川沿
いに内陸部まで入り込むことがあり、ダム湖など山間部の水域でも見
られる(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、夏、
は、事業実施区域周辺で営巣地4箇所を確認。平 秋、冬
江津市
成20年、平成21年ともに2つがいが繁殖に成功。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で営巣地3箇所を確認。平
成25年はいずれも繁殖に失敗、平成26年は1つが
いが繁殖に成功。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成25年から平成26年に大田市温泉津
分布状況 町福光、江津市松川町太田、松川町八神で営巣地3箇所が確認された。
平成26年には対象道路から2.2kmに位置する営巣地(江津市松川町太
田)で繁殖成功が確認された。各営巣地は対象道路から約0.3~2.2㎞
の離れがある。
8-8-55
表 8-8-7 (10) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、夏鳥として渡来後、通常本州以北で繁殖する。低山や丘陵
の林に棲み、ハチの成虫や蛹を好んで食べる、カエルやヘビもとる。
[13]
低山帯の大木の枝に枯枝を積み重ねて皿形の巣を作る(高野編,1985)
ハチクマ
9)
。
島根県では、夏鳥として渡来し、丘陵地から山地にかけて生息する
が、個体数は多くない。1990年に浜田市で雛のいる巣に蜂の巣を運び
込む様子が確認されるなど、里山を中心に営巣が確認されている(島
根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、夏
は、事業実施区域周辺で繁殖行動を確認。
江津市
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で営巣地1箇所を確認。平
成25年は繁殖に成功、平成26年は繁殖に失敗。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成25年から平成26年に江津市都治町
分布状況 で営巣地1箇所が確認され、平成25年には繁殖成功が確認された。営
巣地は対象道路から約520mの離れがある。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、北海道東部や北部に少数が留鳥として生息し、繁殖してい
る。多くは冬鳥として主に北日本に渡来し、関東以西ではきわめて少
[14]
ない。海岸、河口、海沿いの水田や湖沼、時には内陸の湖沼を生活圏
オジロワシ
とし、主にサケ、マス、タラなどの大型魚を捕えるが、カモなどの水
鳥や幼獣を襲うこともある(高野編,1985)9)。
島根県では、冬鳥として渡来し、宍道湖西岸部や神西湖などで比較
的よく見られる。魚類をおもな餌としているが、時にはカモ類を捕獲
することもある。宍道湖の場合、斐伊川河口部の中州を休息場として
よく利用し、ねぐらは北部の山林地帯を利用することが知られている
(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 冬
は、事業実施区域周辺で飛翔等を確認。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で渡り途中と思われる若
鳥を確認。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成26年に事業実施区域周辺で渡り途
分布状況 中と思われる若鳥の飛翔が確認されている。島根県では冬鳥と考えら
れていることから、調査地域及びその周辺を越冬地あるいは渡りの途
中の中継地として利用しているものと考えられる。
8-8-56
表 8-8-7 (11) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、厳冬期に北海道や北日本の主に沿岸部で観察される。日本
海、オホーツク海の海岸や河口、海に近い湖沼など、水が凍らず魚が
[15]
豊富な水域であることが生息地の共通点である。特に、羅臼から根室
オオワシ
にかけては個体数が多く、主要な越冬地になっている。サケ・マス類
など大型魚を餌とし、ときにはカモ類などの水鳥やノウサギなどの中
型哺乳類を襲うことがある(中村・中村,1995b)11)。
島根県では、宍道湖・中海周辺や海岸部、ダム湖などにまれな冬鳥
として渡来する(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 冬
は、事業実施区域周辺で渡り途中と思われる若
江津市
鳥を確認。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は確認されなかった。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成20年に事業実施区域周辺で渡り途
分布状況 中と思われる若鳥の飛翔が確認されている。島根県では冬鳥と考えら
れていることから、調査地域及びその周辺を越冬地あるいは渡りの途
中の中継地として利用しているものと考えられる。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、四国の一部、本州、北海道の広い範囲で繁殖する。九州で
も対馬では留鳥といわれる。近年、西日本や都市周辺の樹林地でも繁
[16]
殖が確認されていることから、これらの地域では分布を広げている可
オオタカ
能性がある。平地から低山帯の林に生息。アカマツなどの樹木に巣を
かけ、小~中型の鳥獣を捕食する(日高監修,1996)13)。秋冬には全
国の平地から山地の林にすみ、農耕地や市街地にも出現する(高野編,
1985)9)。
島根県では、冬に漂行した個体が農耕地や川原などで比較的よく見
られる。以前は、夏期にも個体が確認されることなどから、繁殖が確
実視されていたが、営巣確認には至っていなかった。近年(2000年頃
から)になって、数は多くはないが繁殖が確認されるようになった。
繁殖は低山部の森林で行い、営巣木はアカマツが多い(島根県,2014)
7)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成22年に実施した猛禽類調査で 春、夏、
は、事業実施区域周辺で営巣地1箇所を確認。い 冬
江津市
ずれの年も繁殖に失敗。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で営巣地1箇所を確認。平
成25年は繁殖に失敗、平成26年は繁殖に至らな
かった。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成25年から平成26年に江津市後地町
分布状況 で営巣地1箇所が確認されたが、いずれの年も繁殖失敗が確認された。
営巣地は対象道路から約930mの離れがある。
8-8-57
表 8-8-7 (12) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、北海道から沖縄まで繁殖。平地~亜高山帯の森林に生息し、
近年では主に関東地方を中心に住宅地の緑地や街路樹で繁殖するも
[17]
のが増加している。高い枝に巣をかける。スズメ大からツグミ大まで
ツミ
の小鳥類、コウモリ、ネズミなどの哺乳類、セミなどの昆虫を捕食す
る(日高監修,1996)13)。寒地のものは秋冬を暖地で過ごす(高野編,
1985)9)。
島根県では、少数ながら通年の観察例があり、繁殖の可能性もある
(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、冬
は、事業実施区域周辺で飛翔等を確認。
江津市
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で渡り途中と思われる個
体を確認。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成26年に事業実施区域周辺で渡り途
分布状況 中と思われる個体が確認されている。事業実施区域周辺での繁殖の可
能性は低く、調査地域及びその周辺を越冬地あるいは渡りの途中の中
継地として利用しているものと考えられる。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、本州と北海道で繁殖し、冬季は南日本でもみられる。森林
に生息し、繁殖には比較的若齢の針葉樹林を好む。秋冬にはヨシ原な
[18]
ど開けた場所にも出現し、鳥類を主食とし、まれに小型の哺乳類も捕
ハイタカ
食する(日高監修,1996)13)。
島根県では、冬季に平地や農耕地などで観察されることが多い。夏
季に山地などで観察例があり、繁殖の可能性もある(島根県,2014)
7)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、冬
は、事業実施区域周辺で飛翔や採餌行動等を確
江津市
認。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で越冬個体や渡り途中と
思われる個体を確認。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成25年から平成26年に事業実施区域
分布状況 周辺で越冬個体や渡り途中と思われる個体が確認されている。事業実
施区域周辺での繁殖の可能性は低く、調査地域及びその周辺を越冬地
あるいは渡りの途中の中継地として利用しているものと考えられる。
8-8-58
表 8-8-7 (13) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、本州北部以南に夏鳥として渡来。冬季は東南アジアへ渡る。
丘陵地、低山帯の林に生息し、おもに針葉樹に巣をつくり繁殖する。
[19]
狩り方法はおもに待ち伏せ型で、木の枝などに止まって地上や樹間を
サシバ
見張り、ヘビ、トカゲ、カエル、ネズミ、バッタなどを捕食する(日
高監修,1996)13)。
島根県では、県内全域の里山に生息し、特に谷あいの入り組んだ水
田地域を好む。中には、里山の森林地帯を中心に生息する個体もいる
(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、夏
は、事業実施区域周辺で営巣地5箇所を確認。平
江津市
成20年には2つがい、平成21年には3つがいが繁
殖に成功。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で営巣地3箇所と推定営巣
地5箇所を確認。平成25年、平成26年ともに1つ
がいが繁殖に成功。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成25年から平成26年に大田市温泉津
分布状況 町、江津市後地町、都治町、松川町八神、波積町北で営巣地3箇所と
推定営巣地5箇所が確認された。平成25年には対象道路から約730mに
位置する営巣地(江津市後地町)、平成26年には対象道路から約1,300m
に位置する営巣地(江津市松川町八神)で繁殖成功が確認された。確
認された営巣地及び推定営巣地は、対象道路から約0.5~1.5㎞の離れ
がある。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、北海道から九州の山地の林に周年生息する。営巣地は低山
から亜高山の広葉樹と針葉樹の混交林、針葉樹林、植林などの森林で、
[20]
標高200~800mくらいに巣をかけることが多く、高山の連なる地方で
クマタカ
は1500~1800mくらいまで上限が上がる。巣は斜面のモミ、ツガ、ア
カマツ、ブナや、まれにスギなどにかけられる。餌はノウサギ、ヤマ
ドリ、アオダイショウなどで、空間を飛びながらもしくは、木の枝な
どに止まって見張った後、追跡し爪を立てて捕らえる(森岡ほか,
1995)15)。
島根県では、ある程度急峻な斜面を持つ谷のある森林地帯が主たる
生息域で、平野部と里山低地部を除くほぼ全域に生息している。営巣
は、山地の中腹より下部の針葉樹林の大木で行うことが多く、高樹齢
の林内や伐採跡地などを餌場とする(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、冬
は、事業実施区域周辺で飛翔等を確認。
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は確認されなかった。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成20年から平成21年に事業実施区域
分布状況 周辺で飛翔等が確認されている。事業実施区域周辺での繁殖の可能性
は低く、調査地域及びその周辺を一時的に利用している程度であると
考えられる。
8-8-59
表 8-8-7 (14) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、数の少ない冬鳥として北海道から沖縄県まで、ほぼ日本全
土に10~3月に現れる。草地、湿地に生息し、カエル、野ネズミ類や
[21]
小鳥類などを捕食する(日高監修,1996)13)。背丈の高い草やアシの
ハイイロチュウヒ
中、時には林の中に身を隠して休息していることが多い(高野編,
1985)9)。
島根県では、冬鳥として、河川や湖沼のヨシ原や農耕地、高原の草
地などで観察される(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、冬
は、事業実施区域周辺で飛翔等を確認。
江津市
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は確認されなかった。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成20年から平成21年に事業実施区域
分布状況 周辺で飛翔等が確認されている。平成20年には本種の塒が確認された
が、平成21年以降の利用は確認されなかった。島根県では冬鳥と考え
られていることから、調査地域及びその周辺を越冬地あるいは渡りの
途中の中継地として利用しているものと考えられる。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、北海道から九州まで留鳥として繁殖するほか、北方から越
冬のために渡ってくる個体群がある。小型、中型の鳥類を急降下して
[22]
捕獲する。これら鳥類が豊富で、営巣場所に利用できる断崖や大きな
ハヤブサ
岩がある海沿いや大きな河川の流域などに生息する。カラスなどの古
巣を利用し樹木で営巣したり、高層ビルや橋桁など人工物でも営巣す
ることがある(日高監修,1996)13)。
島根県では、繁殖個体は、切り立った岩場のある海岸部に多く、島
根半島や隠岐諸島の海岸部で繁殖地が確認されている。近年になっ
て、内陸部においても繁殖が確認されたが、これはまれなケースであ
る。一方、非繁殖期に漂行する個体は、斐伊川など大河川の河口部や
平野部で多く見られ、冬季に個体密度が増加する(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、夏、
は、事業実施区域周辺で営巣地1箇所を確認。 秋、冬
江津市
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で飛翔等を確認。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成21年に事業実施区域から離れた沿
分布状況 岸部で営巣地1箇所が確認された。平成25年から平成26年には事業実
施区域周辺で飛翔等が確認されているが、営巣地は確認されていな
い。
8-8-60
表 8-8-7 (15) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[23]
チゴハヤブサ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道と東北地方北部で少数が繁殖し、冬期にはインド北
部から中国南部へ渡るが、一部は本州中部以南に留まる。9月末~10
月中旬に、各地のタカ渡りの名所では南へ渡る個体を相当数見かけ
る。
平地の疎林に棲み、周辺の耕地や原野などの広い空間で狩りをす
る。巣を自分で作ることは少なく、木立の上にある古巣を拝借するこ
とが多い。カラス、カケス、他のタカの巣を利用する(高野編,1985)
9)
。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(猛禽類(ワシタカ)) 一般生態
本種は、中部地方から北海道にかけて繁殖し、冬は、全国各地に広
がる。平地から高山の草地、農耕地、河原などに生息し、羽ばたきと、
[24]
短い滑空を繰り返して直線的に飛ぶ。獲物となる小動物は、ネズミ類
チョウゲンボウ
や小鳥類などで、停空飛翔をしてねらうことも多い。
島根県では、冬鳥として、おもに平野部の農耕地や河川の草地など
で見られる(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 平成20年から平成21年に実施した猛禽類調査で 春、冬
は、事業実施区域周辺で飛翔等を確認。
江津市
平成25年から平成26年に実施した猛禽類調査で
は、事業実施区域周辺で飛翔を確認。
生息地の
調査地域及びその周辺では、平成26年に事業実施区域周辺で飛翔等
分布状況 が確認されている。事業実施区域周辺での繁殖の可能性は低く、調査
地域及びその周辺を越冬地あるいは渡りの途中の中継地として利用
しているものと考えられる。
8-8-61
表 8-8-7 (16) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[25]
クイナ
項目
内容
一般生態
本種は、沼沢地や休耕地の草原、アシ原などに生息し、主に関東以
北で繁殖するが、秋冬には全国のアシ原の茂る河川沿いや池で越冬す
る。主に昆虫類や小魚、エビ類などの動物質から草の実などの植物質
までを餌とし、食性の幅が広い(高野編,1985)9)。
島根県では、冬鳥として水辺の草原やヨシ原などで観察される。宍
道湖西岸や潟の内、飯梨川や益田川周辺などで記録がある(島根県,
2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の湿地1箇所で鳴き声1例を確
秋、冬
認。
事業実施区域外の湿地8箇所で鳴き声等8例を確
認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の湿地等で確認されている。
分布状況 本種の生息に適した湿地等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
(鳥類)
[26]
ヒクイナ
一般生態
本種は、日本に2亜種が分布し、本土部には亜種ヒクイナ(Porzana
fusca erythrothorax)が分布する。おもに夏鳥として北海道から九州
にかけて渡来。本州中部以南では越冬するものもいる。水田、湿地、
河川、湖沼に生息する(桐原,2000)5)。
水辺のイネ科植物などの株のなかにアシや草の枯れ葉で皿形の巣
を作り、一般に5~9個の卵を産む。孵化した雛はクイナと同じような
黒い綿毛に包まれている。朝夕に草むらの近くで昆虫などの動物質を
好んで食べ、植物の実なども時々食べる(高野編,1985)9)。
島根県では、おもに夏鳥として渡来し、宍道湖西岸や潟の内、益田
川河口などで観察記録があるほか、冬季の記録もある。観察されにく
く、県内の生息状況については、よく分かっていないのが現状である
(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の湿地3箇所で鳴き声等4例を確 春、夏、
認。
秋、冬
江津市
事業実施区域内の6箇所で鳴き声等6例を確認。
事業実施区域外の19箇所で鳴き声19例を確認。
事業実施区域周辺で本種が繁殖している可能性
が高い湿地5箇所を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町今浦、江津市黒松町、後地町、浅利
分布状況 町、都治町の湿地等で確認されている。本種の生息に適した湿地等は、
調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-62
表 8-8-7 (17) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[27]
シロチドリ
項目
内容
一般生態
本種は、日本全国で普通に繁殖し、北海道では夏鳥、本州以南では
主に留鳥である。川の下流や海岸に棲息し、繁殖期には砂礫地や砂地
の所でややコロニー状に集まって営巣し、非繁殖期には大きな群で干
潟や砂浜で生活することが多い(高野編,1985)9)。
島根県では、留鳥として、砂浜海岸や大河川河口部の砂礫地などに
生息する。繁殖はほとんどが砂浜やそれに隣接する造成地で、ある程
度の広さを必要とする。県内37カ所の砂浜で調査したところ、繁殖の
可能性があるつがいは海岸距離が500mよりせまい砂浜では確認でき
なかったという結果もある(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の海岸5箇所で姿50例を確認。 春、夏、
秋
生息地の
現地調査では、江津市黒松町の海岸で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した海岸や河口部等は、日本海沿岸部に広く分布する。
(鳥類)
[28]
ケリ
一般生態
本種は、本州に分布するが、繁殖地は局地的で東海から近畿地方に
多く棲息するほか、北陸、北関東、東北地方にも点々と繁殖地が知ら
れている。積雪の多い地方のものは、冬は暖地に移動する。草原、広
い川原、水田、畑などに棲息し、地上で昆虫やカエルなどの主に動物
質の餌をとる。繁殖期にはつがいで縄張りを持ち、地上を浅く掘り凹
めて巣を作る。産卵期は3~6月、卵数は3~4個で普通は4個、抱卵日
数は27~30日位である。孵化した雛は綿羽が乾くと巣を離れ、親鳥の
縄張りの中で生活する。雛に外敵が近づくと、擬傷を行う。非繁殖期
には数羽から数十羽の小群を作って行動する(高野編,1985)9)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
H21年の猛禽類調査で確認されたが、詳細な確認 春
位置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した水田や農耕地
等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-63
表 8-8-7 (18) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[29]
ウミスズメ
項目
内容
一般生態
本種は、北太平洋沿岸で繁殖し、日本には主に冬鳥として渡来する。
北海道天売島、岩手県三貫島などで少数の繁殖例がある。越冬期には
岸から数㎞くらいの沖合の海上で、数羽から数十羽の群れがみられ
る。海岸でみられることは少ない。海に潜り小魚、甲殻類、貝類など
を捕らえて餌とする(高野編,1985)9)。
島根県では、日本海の海上や宍道湖・中海などの湖上に渡来する。
半島部地先の海上や、隠岐航路の船上などでまれに観察される(島根
県,2014)7)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(鳥類)
[30]
カラスバト
一般生態
現地調査
結果
本種は、本州中部以南の沿岸地域や島に留鳥として棲息し、繁殖す
る。本州では個体数が減ったり、いなくなった地域が多く、現在の主
な棲息地は伊豆諸島、南西諸島、九州沿岸の島々など、ほとんどが離
島である。日本の準特産種であり、天然記念物に指定されている。よ
く茂った常緑広葉樹林に棲息し、単独か、数羽から10数羽の小群で見
られる。地上または樹上で採餌する。植物食で主な餌はヤブツバキ、
スダジイなどの固い殻に包まれた木の実や、タブノキ、クロガネモチ
などの果肉のある木の実である。繁殖期にはつがいで生活するよう
で、木の枝の上や樹洞に小枝を積み重ねて浅い皿形の巣を作る。稀に
は岩のすき間や岩の上に巣を作る。産卵期は2~9月にわたるが、5~6
月が多いといわれ、卵数は1個である。詳しい繁殖生態は不明な点が
多い(高野編,1985)9)。
島根県では、確実に繁殖しているのは隠岐諸島のみで、島後や西ノ
島などの大きな島のほか、大波加島や大森島などの無人島にも生息す
る。隠岐諸島以外では、高島で確認されているほか、島根半島などで
もまれに観察されることがある。生息地は、照葉樹などが生い茂った
比較的人の出入りが少ない森林(島根県,2014)7)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-64
表 8-8-7 (19) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[31]
オオコノハズク
項目
内容
一般生態
本種は、日本では小笠原諸島を除く全国で繁殖し、北方のものは冬
季、南へ移動する。平地から山地のよく茂った林に生息する。
4~5月に、樹洞や家の軒下などを巣とし、巣材を使わずに直接4~5
個の卵を産み、メスが抱卵する。抱卵しているメスに、オスが1夜に3
~4回にわたって餌を運んでくる。主にネズミなどの哺乳類や鳥類を
捕らえ、時には両生類、爬虫類なども食べる(五百沢,2000)4)、(高
野編,1985)9)。
島根県では、隠岐諸島や中国山地などの豊かな森に生息し、まれに
確認される。近年では、島根半島(北山山系)で繁殖が確認されたこ
とがある(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の樹林2箇所で鳴き声や姿2例を 夏
確認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の樹林で確認されている。本
分布状況 種の生息に適した樹林は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[32]
コノハズク
一般生態
本種は、本州以北では通常夏鳥として渡来し、繁殖するが、暖地で
の越冬例も少なくない。東北地方北部と北海道、沖縄では平地から山
地、その他の地域では山地の林などに棲み、主に樹洞に営巣する(高
野編,1985)9)。薄暗い針葉樹林のこずえ近くで単独で静止するため、
発見が困難である。夕暮れから夜半にかけて羽音をたてずに飛びまわ
り、昆虫を捕食する(黒田編,1984)6)。
島根県では、中国山地脊梁部のブナ帯を主とする豊かな自然環境が
残存する森林に、わずかに生息している。安蔵寺山など西中国山地一
帯には、良好な自然環境が残存しており、本種の鳴き声が比較的よく
聞かれる(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の樹林1箇所で鳴き声1例を確
春
認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光の樹林で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した樹林は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-65
表 8-8-7 (20) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[33]
フクロウ
項目
内容
一般生態
本種は、九州以北に留鳥として分布する。平地から亜高山帯の森林
にすむ。夜行性だが、昼間も活動することができる。小哺乳類のほか、
ノウサギや鳥類を捕食する。大径木の樹洞に営巣する。樹洞がないと
カラスやタカ類の古巣や直接地面に産卵するが、繁殖に失敗する例が
多い(日高監修,1997)14)。
島根県では、おもに山地の林に生息する。平野部でも見られるが、
繁殖には営巣可能な樹洞が必要。冬季は河畔林で見ることがある(島
根県,2004)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の6箇所で鳴き声6例を確認。
春、夏、
事業実施区域外の3箇所で鳴き声3例を確認。
冬
江津市
事業実施区域内の10箇所で鳴き声や姿10例を確
認。営巣木を2箇所確認し、うち1箇所で幼鳥の
鳴き声や姿を確認。
事業実施区域外の80箇所で鳴き声や姿81例、繁
殖の可能性がある7箇所の樹林を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、温泉津町吉浦、
分布状況 江津市黒松町、後地町、波積町北、都治町、浅利町、松川町下河戸の
樹林で確認されている。本種の生息に適した樹林は、調査地域及びそ
の周辺に広く分布する。
(鳥類)
[34]
アオバズク
一般生態
本種は、夏鳥として日本全国に渡来する。平地から低山にかけての
広葉樹林、照葉樹林、混交林に生息し、薄暮性で主として昆虫食であ
る。社寺や墓地、公園、緑の豊かな住宅地の庭などにしげるケヤキや
カシなどの大木の樹洞がおもな営巣場所である(日高監修,1997)14)。
島根県では、平野部から山地に広く分布し、営巣が可能な木があれ
ば社寺林などでも見られる(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の樹林1箇所で鳴き声1例を確
夏
認。
江津市
事業実施区域外の樹林2箇所で鳴き声2例を確
認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町今浦、江津市浅利町の樹林で確認さ
分布状況 れている。本種の生息に適した樹林は、調査地域及びその周辺に広く
分布する。
8-8-66
表 8-8-7 (21) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[35]
ヨタカ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道から九州までの各地に夏鳥として普通に渡来し、繁
殖する。低山から山地の明るい林や草原に生息し、夕方から夜間にか
けて草原や林の上を飛び回り、飛んでいるガなどの昆虫を捕らえる。
林内や草原の地上に直接産卵する(高野編,1985)9)。
島根県では、中国山地のほか、本種の好む環境があるところでは、
海岸に近い山でもまれに鳴き声を確認することがある。しかし、夜行
性であるため観察されにくいこともあり、県内の生息状況や分布につ
いては不明な点が多い。県西部では、山地の伐採地で繁殖が確認され
たことがある(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の2箇所で飛翔個体2例を確認。 春、夏
生息地の
現地調査では、江津市浅利町で飛翔個体が確認されている。本種の
分布状況 生息に適した樹林や草原は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[36]
ヤマセミ
一般生態
本種は、北海道から九州までの各地に留鳥として棲息し、山地の渓
流や湖沼で、ダイビングして魚を捕らえる。川や湖の岸辺やその近く
の土の崖に巣穴を掘り営巣する(高野編,1985)9)。
島根県では、留鳥としておもに山地の渓流や湖などに広く生息が認
められるが、生息密度は減少していると考えられる。営巣壁は、河川
などの水辺から離れた場所にも存在する。斐伊川・神戸川水系で調査
した結果では、営巣に利用する土の壁は、高さが5m以上で、傾斜は
80度以上のものがほとんどであった(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の都治川沿いの1箇所で2例を確 夏
認。
生息地の
現地調査では、江津市都治町の都治川沿いで確認されている。本種
分布状況 の生息に適した渓流や湖沼等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
8-8-67
表 8-8-7 (22) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[37]
アカショウビン
項目
内容
一般生態
本種は、全国に夏鳥として渡来する。低山のよく茂った林にすむが、
生息数は少なく、本州中部では、河川上流部の渓流沿いの林に棲息し
ていることが多い。林床で得られる小型の無脊椎動物を中心にさまざ
まな動物を食べる。朽木に巣穴を掘って繁殖する(日高監修,1997)
14)
。
島根県では、中国山地や隠岐諸島などの森林地帯に夏鳥として渡来
し、渓流沿いの林内を中心に生息する。サワガニなどが多く生息した
り、大径木が多く残っているような豊かな自然環境の存する地域に多
い(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で鳴き声1例を確認。
夏
江津市
事業実施区域外の3箇所で鳴き声3例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市波積町北、後地町、都
分布状況 治町で確認されている。本種の生息に適した樹林は、調査地域及びそ
の周辺に広く分布する。
(鳥類)
[38]
カワセミ
一般生態
本種は、日本全国の平地から山地の川、池、湖などの水辺に生息し、
水中にダイビングして魚を捕らえる。水生昆虫やエビなども餌とす
る。水辺の土の崖に巣穴を掘り営巣とする(高野編,1985)9) 。一時
は幻の鳥になりかけたが、1970年代中ごろから復活のきざしを見せる
ようになってきた(日高監修,1997)14)。
島根県では、普通に生息し少なくない(濱田ほか,1994)12)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の福光川2箇所で飛翔個体2例を 春、夏、
確認。
秋、冬
江津市
事業実施区域外の水田地帯1箇所で飛翔個体1例
を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市松川町下河戸の福光川
分布状況 や水田地帯で確認されている。本種の生息に適した河川や湖沼等は、
調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-68
表 8-8-7 (23) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[39]
ブッポウソウ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に夏鳥として渡来する。本来は、低山の
うっそうとした林内に生息するが、現在は神社仏閣の境内や村落や農
耕地などに隣接したよく茂った林に生息していることが多い。オニヤ
ンマなど大型昆虫やノコギリクワガタなど甲虫類やセミ類を捕らえ
る。繁殖は樹洞で、大木のキツツキの巣穴を利用し、中国山地では電
柱の穴に営巣することが多い。最近では橋やビルなどの穴にも営巣す
る(日高監修,1997)14)。
島根県では、繁殖地は限定された場所に限られてきている。以前は、
木の電柱にキツツキなどによって掘られた穴に営巣することが比較
的普通に見られたが、木の電柱がコンクリート製にかえられたことな
どから激減し、近年急速に姿が見られなくなった。岡山県や鳥取県、
広島県などでは、電柱などに人工の巣箱を設置し繁殖場所を確保する
などの保護対策が行われており、本県でも一部の地域で取り組まれて
いる。河川の橋脚にある隙間を利用し、繁殖をしている個体も見られ
る(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の樹林等7箇所で14例を確認。 春、夏
生息地の
現地調査では、江津市波積町北、都治町、浅利町、松川町下河戸の
分布状況 樹林等で確認されている。本種の生息に適した樹林は、調査地域及び
その周辺に広く分布する。
(鳥類)
[40]
ヤイロチョウ
一般生態
本種は、夏鳥として西南日本に渡来するが、個体数の少ない稀な鳥
である。大木の茂った暗い落葉広葉樹林に生息し、林内の地面の凹み
や岩の上、樹上の太い枝の分かれ目などに巣を作る。主に地上で行動
し、はね歩いて、ミミズなどの小動物を捕らえる(高野編,1985)9)。
島根県では、確認例はさほど多くはないが、ほぼ県内全域に及んで
いる。龍頭が滝や鰐淵寺周辺など、優れた照葉樹林が残っている斜面
部で確認されることが多い。確実な繁殖の記録はほとんどないが、
1977年7月に、掛合町で巣立ち後間もない幼鳥が保護されたこともあ
り、本県内で繁殖していることは明らかである(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で鳴き声1例を確認。
春
生息地の
現地調査では、江津市松川町畑田で確認されている。本種の生息に
分布状況 適した樹林は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-69
表 8-8-7 (24) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[41]
コシアカツバメ
項目
内容
一般生態
本種は、国内には、夏鳥として渡来し、海岸から市街地の開けたと
ころや農耕地、丘陵地などに生息する。
夏鳥として県内に渡来するが、近年減少傾向にある。しかし、ラン
クを判断するに足りる十分な情報が得られていない。
ツバメよりもやや大きく、雌雄同色。頭から背は光沢のある紺色。
目の後ろから後ろ首が赤茶色で、腰の橙色が名前の由来となってい
る。喉から腹までは、ごく薄い茶色で黒褐色の縦斑がある。
島根県では、県内に広く見られるが、営巣しているところは多くな
い。学校や庁舎などの大きなコンクリート製の建物に営巣しているこ
とが多い(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の2箇所で3例を確認。
春、夏、
秋
事業実施区域外の6箇所で8例を確認。
水田等で巣材を採集し運搬する個体等を確認。
江津市
事業実施区域内の4箇所で4例を確認。
事業実施区域外の9箇所で9例を確認。
採餌しながら滑翔する個体等を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、江津市後地町、
分布状況 浅利町、松川町下河戸の福光川や大池川沿いの水田等で確認されてい
る。本種の生息に適した農耕地等は、調査地域及びその周辺に広く分
布する。
(鳥類)
[42]
ツメナガセキレイ
一般生態
本種は、農耕地、川岸、放牧地などに棲息する。繁殖期には地上を
歩きながら、主に昆虫などを捕えて餌にする。草原の地上に営巣し、
草の根元の凹みなどに枯れ草や根などで椀形の巣を作る(高野編,
1985)9)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 春
置は不明。
江津市
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した農耕地等は、
調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-70
表 8-8-7 (25) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[43]
サンショウクイ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国に夏鳥として渡来する。中国東北部からウスリ
ー地方、日本など日本海を取りまく地域で繁殖する。九州南部から沖
縄に生息するのはリュウキュウサンショウクイという亜種で留鳥で
ある。樹林の上層部で活動し、繁殖期の初めを除いてあまり下層部へ
は降りてこない。樹冠部でフライングキャッチし昆虫を捕らえる(日
高監修,1997)14)。
島根県では、夏鳥として渡来し、おもに山地の広葉樹林などに生息
する(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
春、夏
事業実施区域外の4箇所で4例以上を確認。
樹林等で鳴き声を発しながら飛翔する個体等を
確認
江津市
事業実施区域内の3箇所で3例以上を確認。
事業実施区域外の21箇所で21例以上を確認。
樹林等で鳴き声を発しながら飛翔する個体等を
確認
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町吉浦、温泉津町今浦、
分布状況 江津市波積町北、黒松町、後地町、都治町、浅利町、松川町下河戸の
樹林等で確認されている。本種の生息に適した樹林は、調査地域及び
その周辺に広く分布する。
(鳥類)
[44]
チゴモズ
一般生態
本種は、朝鮮半島で繁殖し、日本には夏鳥として本州中部以北に渡
来するが、局地的に出現する。低地から山地の落葉広葉樹林・針広混
交林に生息する。
餌の取り方はモズと同様で、地上で昆虫、クモなどの小動物を捕ら
える。求愛給餌の習性を持つ。つがいで縄張りを持ち、オスは木の梢
などで強い声で鳴いて縄張りを宣言する。他のモズ類よりもやや高い
樹枝上に営巣し、枯れ枝、細根などで椀形の巣を作る。産卵期は6~7
月、卵数は3~6個、抱卵日数は14~15日位、巣立ちまでの日数は約15
日である(五百沢,2000)4)、(高野編,1985)9)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で渡り途中と思われる 春
個体1例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市波積町北で渡り途中と思われる個体が確認さ
分布状況 れている。本種の生息に適した樹林は、調査地域及びその周辺に広く
分布する。
8-8-71
表 8-8-7 (26) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[45]
コルリ
項目
内容
一般生態
本種は、国内では主として本州中部以北で繁殖し、西日本での繁殖
個体数は少ない。広島県や鳥取県では繁殖が確認されており、岡山県、
山口県でも夏季にさえずりが確認される。
島根県では、渡りの時期に、低山の林などで観察されるほか、夏季
に中国山地の標高1,000m前後のササ薮のあるブナ林などで複数のさ
えずりが確認されており、繁殖の可能性が高い(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の樹林2箇所で渡り途中と思わ 春
れる個体2例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町、松川町下河戸の樹林で渡り途中と思
分布状況 われる個体が確認されている。本種の生息に適した樹林は、調査地域
及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[46]
ノビタキ
一般生態
本種は、日本には夏鳥として渡来し、本州と北海道では各地に普通
に分布するが、本州では繁殖地は広い草原のある山地に限られ、分布
は局地的である。春秋の渡りの時には平地の水田や川原などで普通に
観察される。低木や大きな草に止まり、空中を飛んでいる虫や地表を
歩いている虫に飛びついて捕まえる(高野編,1985)9)。
島根県では、渡りの時期に、平野部の草地や農耕地で通過個体が見
られる。三瓶山や弥栄村の草原で繁殖の記録があるが、その後の状況
や他地域の生息状況は十分に把握されていない(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の草地等21箇所で渡り途中と思 春、秋
われる個体44例を確認。
江津市
事業実施区域内の3箇所で16例を確認。
事業実施区域外の32箇所で52例を確認。
調査範囲にみられる草地等で渡り途中と思われ
る個体を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町吉浦、温泉津町今浦、
分布状況 江津市黒松町、後地町、浅利町、松川町下河戸の草地等で確認されて
いる。本種の生息に適した草地や農耕地等は、調査地域及びその周辺
に広く分布する。
8-8-72
表 8-8-7 (27) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[47]
コヨシキリ
項目
内容
一般生態
本種は、日本には夏鳥として渡来し、おもに本州中部以北のススキ、
ヨモギなどのしげるやや乾燥した草原に生息し、北海道では低地の草
原で、本州ではおもに標高の高い草原で繁殖する。草の茎にからめて
椀型の巣を作る。コオロギ類、ガの幼虫、バッタ類、クモ類などを食
べる(高野編,1985)9)。
島根県では、春の北上期水辺のアシ原や草原でみられる(濱田ほか,
1994)12)。旅鳥として渡来するが、一部繁殖する個体も見られる。斐
伊川河口部の河川敷の草原で繁殖した事例などがある(島根県,2014)
7)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の湿地等4箇所で11例を確認。 春、夏、
江津市
事業実施区域内の湿地等3箇所で3例を確認。
事業実施区域外の湿地等7箇所で10例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市黒松町、後地町、浅利
分布状況 町、松川町下河戸の湿地や草地で確認されている。本種の生息に適し
た草地や湿地は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[48]
コサメビタキ
一般生態
本種は、国内では、北海道から九州までの全国各地に夏鳥として渡
来して繁殖する。平地から標高1,000m程度まで分布し、落葉広葉樹
林、雑木林、カラマツやスギ、ヒノキなどの人工林などに営巣する。
木の枝にコケなどで皿状の巣をつくる。
夏鳥として県内に渡来するが、近年は繁殖記録のみならず、観察例
も減少している。しかし、ランクを判断するに足りる十分な情報が得
られていない。
島根県では、夏鳥として山間部などに渡来する。密生した林より明
るい林を好む。比較的大きな樹木がある公園で営巣した例もある(島
根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の樹林や林縁4箇所で4例を確
春、夏、
認。
秋
生息地の
現地調査では、江津市後地町の樹林や林縁で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した山地の樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
8-8-73
表 8-8-7 (28) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[49]
サンコウチョウ
項目
内容
一般生態
本種は、日本には夏鳥として本州以南に渡来し、薄暗く林床の比較
的開けた広葉樹林や、スギ、ヒノキの植林地といった環境を好む。小
枝の二叉あるいは三叉になったところに樹皮やコケなどを材料にク
モの糸でからませたカップ状の巣をつくり繁殖する。完全に昆虫食
で、フライングキャッチで採餌を行う。地面に下りることはほとんど
ない(日高監修,1997)14)。
島根県では、夏鳥として渡来し、低山地から中国山地にかけて比較
的広く分布する。里山のスギ林などで観察されることも少なくない
(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の樹林3箇所で3例を確認。
春、夏
江津市
事業実施区域内の樹林6箇所で6例以上を確認。
事業実施区域外の樹林11箇所で11例以上を確
認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市波積町北、黒松町、後
分布状況 地町、都治町、浅利町、松川町下河戸の樹林で確認されている。本種
の生息に適した樹林は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[50]
コジュリン
一般生態
本種は、本州と九州で繁殖するが、繁殖地は局地的である。冬期は
暖地に移動する。世界的に見ると、中国東北部から日本にかけての狭
い地域で繁殖するだけの貴重な種類である。東北地方と関東東部では
低地の湿原で、中部地方と九州では山地の草原で繁殖する。イネ科植
物の株の上などに、枯れ茎や葉で椀形の巣を作る。産卵期は6~7月、
卵数は2~5個、抱卵日数は12~14日位、巣立ちまでの日数は11~12日
位である。冬期は暖地のアシ原で生活する(高野編,1985)9)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市波積町北で確認されている。本種の生息に適
分布状況 した草地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-74
表 8-8-7 (29) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[51]
ホオアカ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道から九州までの各地で夏鳥として繁殖し、冬は本州
の西南部以南で越冬するものがある。低地、低山帯、亜高山帯の草原
あるいは草原状のところにすみ、比較的草丈の低い乾いたところを好
む。草むらの間や株の上、藪の枝などに営巣する。冬は水田や河川敷
の草むらにいる。地上を歩いてイネ科、タデ科などの種子をつまみ上
げて食べる。雛には直翅類や鱗翅類の幼虫・成虫を運ぶ(中村・中村,
1995b)11)。
島根県では、河川敷の草原や農耕地などで少数が越冬する。また、
1988年の浜田市の繁殖例をはじめ、県西部や東部の河川の河口部ある
いは周辺の草原で繁殖が確認されている(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の水田等2箇所で2例を確認。
春、夏、
江津市
事業実施区域外の草地等2箇所で2例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市松川町下河戸、黒松町
分布状況 の水田や草地等で確認されている。本種の生息に適した草原や水田等
は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(鳥類)
[52]
ノジコ
一般生態
本種は、夏鳥として青森県から兵庫県にかけてのみ局地的に繁殖す
る鳥で、世界的に分布の狭い種である。湿原を含んだ高原の疎林や、
渓流沿いのハンノキ、ヤナギ、クルミなどの林に多いが、同じような
環境でも繁殖する地域は限られる。渡りの途中にはヨシ原などにいる
こともある。ススキなどの根元やノイバラなど低木の枝上に巣をつく
る場合がある。地上で草の種子をついばむほか、昆虫類も食べ、ヒナ
に与えるのは鱗翅目の幼虫が多い(日高監修,1997)14)。
島根県では、冬季山間部で稀にみられる程度でその数は多くないと
思われる(濱田ほか,1994)12)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
春、秋
江津市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
事業実施区域外の6箇所で6例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市波積町北、黒松町、後
分布状況 地町の農耕地等で確認されている。本種の生息に適した湿地や疎林等
は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-75
表 8-8-7 (30) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(鳥類)
[53]
クロジ
項目
内容
一般生態
本種は、繁殖分布はカムチャッカ半島、サハリン、日本で、ユーラ
シア大陸東部のごく限られた地域。国内では、おもに本州中部以北で
繁殖するが、広島県で繁殖が確認されており、鳥取県で営巣の確認例
がある。
島根県では、渡りの時期や越冬期には、平地や低山でも少数が観察
される。夏季に、標高1,000m前後のササ薮のあるブナ林や広葉樹林
などの複数の場所で、複数のさえずりが確認されており、近隣県の生
息状況からみて繁殖の可能性が高い(島根県,2014)7)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 冬
置は不明。
江津市
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した樹林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-76
表 8-8-7 (31) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(両生類)
[1]
カスミサンショウウ
オ
項目
内容
一般生態
本種は、鈴鹿山脈以西、四国の瀬戸内海沿岸、九州北西部と壱岐島
などに分布する。産卵期は地域によって異なるが、主に12~4月。卵
嚢は水中の落ち葉の下の枯れ枝や泥の穴の根茎、石の裏に産み付けら
れる。一腹卵数50~140。オスは繁殖用の縄張りを持つ。繁殖期以外
は丘陵地の雑木林の落ち葉や瓦礫の下、腐植土中などで生活し、主に
夜間に活動してミミズや小昆虫を捕食する。幼生は水生昆虫を捕食す
る(日高監修,1996)21)。
島根県では、低地型は県内全域の標高30m前後の山縁部の低山地を
中心に見られ、高地型は中山間地の里地から中国山脈の森林域にかけ
ての標高400m以上を中心として生息している(島根県,2014)18)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の1箇所で幼生9例以上を確認。 早春、春、
事業実施区域外の23箇所で卵嚢や幼生、成体123 夏、秋
例以上を確認。
江津市
事業実施区域内の13箇所で卵嚢や幼生、成体51
例以上を確認。
事業実施区域外の79箇所で卵嚢や幼生、成体608
例以上を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、温泉津町吉浦、
分布状況 江津市波積町北、黒松町、後地町、都治町、浅利町、松川町下河戸の
水田や湿地、溜池等で確認されている。本種の生息に適した溜池や水
田、樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(両生類)
[2]
オオサンショウウオ
一般生態
現地調査
結果
本種は、岐阜県以西の本州、四国、九州に分布し、主な生息地は中
国山地である。生息地は山間部の渓流というイメージが強いが河川の
中流域にも多い。陸に上がることはほとんどなく、エビ、カニ、魚な
どを丸呑みする(日高監修,1996)21)。
島根県では、中国山地よりの河川に多く生息することが確認されて
いる。河川の岩穴や石の下に潜んでおり、産卵期には上流域へと上っ
て、石の下などで産卵する(島根県,2014)18)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、また、島根県内における近
分布状況 年の生息状況、調査地域における河川の状況等を勘案すると、事業実
施区域周辺に生息している可能性は極めて低いと考えられる。
8-8-77
表 8-8-7 (32) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(両生類)
[3]
アカハライモリ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州、佐渡、隠岐、五島、大隅群島に分布す
る。池・水田などの水中に多く、小動物を食べる。春~初夏に一卵ず
つ水草などに産む。変態後の幼体は一年以上は陸上にすむらしい。形
態や斑紋に地理的変異があり、6つの地方種族に分けられている。求
愛行動が違うため、種族間でうまく交配しないこともある(千石,
1979)19)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
早春、春、
大田市
事業実施区域内の2箇所で成体5例を確認。
夏、秋
事業実施区域外の18箇所で成体88例以上を確
認。
江津市
事業実施区域内の9箇所で幼体や成体43例以上
を確認。
事業実施区域外の42箇所で幼体や成体148例以
上を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、温泉津町吉浦、
分布状況 江津市波積町北、黒松町、後地町、都治町、浅利町、松川町下河戸の
水田や湿地、溜池等で確認されている。本種の生息に適した溜池や水
田、水路等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(両生類)
[4]
タゴガエル
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。主に山地に見られ標高2,000
m以上にも分布する。地方によっては、低地の丘陵地帯にも分布する。
繁殖期は4~5月が普通。繁殖は小渓流の縁にある岩の隙間や湿地帯の
地下にある緩い流れを持つ伏流水などで行われ、30~160(平均128個)
の卵を産む。変態期は通常7月頃で、幼生は卵黄を消費するだけで変
態できる。もっぱら林床で生活し、カマドウマなど地上性の直翅類を
はじめとする昆虫、クモ、陸貝などを食べる(前田・松井,1999)22)。
島根県では、他のアカガエルとは異なり、標高の高い渓流域に多く
生息して繁殖を行っており、山地では水田近くまで降りてきているこ
ともある(島根県,2014)18)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の8箇所で成体15例を確認。
春、秋
生息地の
現地調査では、江津市波積町北、後地町、都治町の樹林や細流等で
分布状況 確認されている。本種の生息に適した渓流や細流等は、調査地域及び
その周辺に広く分布する。
8-8-78
表 8-8-7 (33) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(両生類)
[5]
トノサマガエル
項目
内容
一般生態
本種は、本州(仙台平野から関東平野を除いた地域)、四国、九州
に分布する。平野や低山の沼や田んぼに生息する。繁殖は4~7月だが、
多くの場合、6月で終わる。繁殖期間が長いため、オスのメスをめぐ
る闘争がよく見られる。また、つがいになった雌雄は、他のオスから
少し離れたところに移動し、産卵を行う。産卵場所は田んぼや沼。卵
塊は大きく、卵数は2000~3000個ほど。卵は約1週間でふ化する。オ
タマジャクシは最大で70mmほどに成長し、7~9月にかけて、変態して
上陸する(奥山,2002)17)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の8箇所で幼体や成体22例以上 春、夏、
を確認。
秋
江津市
事業実施区域内の5箇所で幼体や成体1031例以
上を確認。
事業実施区域外の24箇所で卵塊や幼生、幼体、
成体2214例以上を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、温泉津町吉浦、
分布状況 江津市波積町北、黒松町、後地町、都治町、松川町下河戸の湿地や水
田、水路等で確認されている。本種の生息に適した水田や湿地等は、
調査地域及びその周辺に広く分布する。
(両生類)
[6]
モリアオガエル
一般生態
本種は、本州、佐渡ヶ島に分布する。海岸近くの低地から標高約
2,000m以上の高地まで分布するが、一般には山地に多く、森林に生
息する。繁殖期は4~7月で、1地点でもかなり長く続く。繁殖は池、
沼、湿地、用水池の近くで行われ、水上に突き出た高さ5mほどまで
の木の枝や葉、草の上、地上にクリーム色で泡状の卵塊を産む。孵化
した幼生は、下にある止水中に落下するか、または近くの止水中に流
れ出てそこで生活する。変態期は8~9月頃であるが、晩秋になっても
足の短い幼生がみられることもある。産卵中にはヤマカガシが、また
孵化時にはイモリが天敵となる。ほとんど常に樹上で生活し、クモや
双翅類などを食べる。冬眠はかなり浅い土中、コケの下などの陸上で
なされる(前田・松井,1999)22)。
島根県では、比較的広い範囲に分布しており、条件の良い産卵地で
は数十個の卵塊が確認されている(島根県,2014)18)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の3箇所で卵塊や成体52例以上 夏、秋
を確認。
事業実施区域外の7箇所で卵塊や幼生117例以上
を確認。
江津市
事業実施区域内の8箇所で卵塊や成体38例以上
を確認。
事業実施区域外の12箇所で卵塊や幼生、成体612
例以上を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、温泉津町吉浦、
分布状況 江津市波積町北、黒松町、後地町、浅利町の溜池や湿地、樹林で確認
されている。本種の生息に適した溜池や湿地、樹林等は、調査地域及
びその周辺に広く分布する。
8-8-79
表 8-8-7 (34) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(爬虫類)
[1]
アカウミガメ
項目
内容
一般生態
本種は、太平洋とインド洋との熱帯~温帯海域に分布する。北海道
の太平洋岸や、日本海側では東北地方沿岸へも北上する。他種のウミ
ガメよりも寒い地方で繁殖する。西部太平洋岸での主要な産卵場は日
本であり、沖縄・鹿児島・熊本・徳島・愛知・神奈川・千葉などの県
の砂浜に上陸し、産卵する。産卵場の沖合で交尾し、5~7月にかけて、
砂に深さ数十cmの穴を掘り、130~250卵を産む。卵は直径約4cmのピ
ンポン球状。産卵後には再び穴を埋めて立ち去る。海に戻った雌は沖
合の岩礁で憩い、2~3週間の間隔をおいて、シーズン中に数回産卵す
る(千石,1979)19)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(爬虫類)
[2]
ニホンイシガメ
一般生態
本種は、本州・四国・九州、佐渡・隠岐・見島・壱岐島・対馬・五
島列島などに分布する。淡水性で、湖沼・緩流などにすむ。3~4月に
冬眠から目覚め、10月頃まで活動するらしい。水中で泥や落葉に潜っ
て冬眠する。雌は穴を掘って産卵し、その上に後肢で土をかぶせて跡
を判らなくして立ち去る。卵は楕円体状で、一腹の数は4~10個。6~
7月に産卵され、8~10月に孵化する(千石,1979)19)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で幼体1例を確認。
早春、春、
夏、秋
江津市
事業実施区域内の8箇所で成体11例を確認。
事業実施区域外の19箇所で幼体や成体27例を確
認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市黒松町、後地町、都治
分布状況 町、浅利町、松川町下河戸の河川や溜池で確認されている。本種の生
息に適した河川や溜池等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-80
表 8-8-7 (35) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(爬虫類)
[3]
ニホンスッポン
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州および種子島に分布し、特に南西部に多
い。完全な淡水性で底が砂泥質の河川や池を好み、主として肉食。産
卵期は5~7月頃である(中村・上野,1963)20)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の2箇所で2例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市都治町の都治川で確認されている。本種の生
分布状況 息に適した河川や溜池等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(爬虫類)
[4]
ジムグリ
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州及び大隈群島に分布し、南千島
の国後島からも記録されている。比較的陰性のヘビであって、主とし
て林の中などにすみ、平地の開けた場所にはあまり多くない(中村・
上野,1963)20)。
島根県では、中国山地を中心とした山地や里地に生息しているが、
目撃例が意外と少なく、移動範囲が狭く、ごく限られた領域に生息し
ていると思われる(島根県,2014)18)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で幼体1例を確認。
春、夏、
事業実施区域外の3箇所で幼体や成体3例を確
秋
認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町、都治町、浅利町の樹林で確認されて
分布状況 いる。本種の生息に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分
布する。
8-8-81
表 8-8-7 (36) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(爬虫類)
[5]
シロマダラ
項目
内容
一般生態
本種は、日本の固有種で、本州、四国および九州に分布している。
南千島の色丹島からも記録があるが、自然分布かどうか疑わしい。も
ともと個体数があまり多くない上に、夜行性で、人目に触れる機会は
比較的少ないが、樹皮下や崖の木の根の間などで越冬しているものが
割合によく見つかることがある(中村・上野,1963)20)。
島根県では、隠岐(島後)をはじめとして、平野部から里地、山地
まで広く分布していると思われるが、比較的個体数は少ないことか
ら、目撃報告は少ない(島根県,2014)18)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で成体1例を確認。
春、夏、
江津市
事業実施区域内の4箇所で幼体や亜成体4例を確 秋
認。
事業実施区域外の4箇所で幼体や脱皮殻4例を確
認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町今浦、江津市黒松町、後地町の樹林
分布状況 や林縁で確認されている。本種の生息に適した樹林等は、調査地域及
びその周辺に広く分布する。
(爬虫類)
[6]
ヒバカリ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、朝鮮、沿海州などに分布し、低山地の
林の中などでよく見つかる。とくに水辺を好み、カエルなどを捕食す
る。比較的陰性のヘビであって、主として林の中などにすみ、平地の
開けた場所にはあまり多くない(中村・上野,1963)20)。
島根県では、山地付近の水場には餌を食べに来た個体を容易に見つ
ける事が出来たが、最近は土地開発や道路工事などで生息環境が変化
し、個体数が減ってきていると思われる(島根県,2014)18)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で成体1例を確認。
夏、秋
江津市
事業実施区域外の4箇所で成体4例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町今浦、江津市後地町、都治町の樹林
分布状況 で確認されている。本種の生息に適した樹林や湿地等は、調査地域及
びその周辺に広く分布する。
8-8-82
表 8-8-7 (37) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(魚類)
[1]
いづもナンキン
項目
内容
一般生態
本種は、日本に特有な蓄養動物として県指定天然記念物に指定され
た種であり、自然に生息しているものではない(島根県文化財愛護協
会,2005)25)、(山本,2003)26)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では、本種の生息は確認されていない。また、日本に特有
分布状況 な蓄養動物として県指定天然記念物に指定された種であり、自然に生
息しているものではない。
(魚類)
[2]
ニホンウナギ
一般生態
本種は、主として河川の中、下流域や河口域、湖にもいるが、時に
は川の上流域、内湾などにも生息する。日本でのシラスウナギの遡上
期は10月~6月で、盛期は1月~3月。遡上量は河川の水温、潮汐、気
象条件などに左右されるが、一般には水温8~10℃以上、大潮で、日
没前後に満潮の場合に多い。夜間に摂餌活動を行い、水生昆虫類、魚
類、エビ類などを活発にとり、成長する。5年から十数年生活したの
ち産卵のために海に下る。産卵期は5月~6月頃で、フィリピン沖など
の外海で行われると推定されている(川那部ほか編監修,1989)23)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の河川3箇所で3例を確認。
春、夏
生息地の
現地調査では、倉谷川、大池川で確認されている。本種は主に河川
分布状況 の河口域から中流域に生息する回遊性の魚類であり、事業実施区域内
を生息地あるいは移動経路として利用していると考えられる。
(魚類)
[3]
ズナガニゴイ
一般生態
現地調査
結果
本種は、近畿地方以西の本州に自然分布する。川の中流から下流域
に分布するが、ニゴイよりも上流域にかたよる。流れのゆるやかな底
層付近に生息し、時々砂の中にもぐる。日中、水面近くまで浮き上が
ることがある。水生のカゲロウを中心とする水生昆虫を主に食う。産
卵期は5~6月。卵は沈性粘着卵。ふつう満2年で成熟する(川那部ほ
か編監修,1989)23)。
島根県では、県中部の限られた河川のみ生息が知られている。河底
が岩、礫、砂と多彩に組み合わさった清流を好む(島根県,2014)24)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-83
表 8-8-7 (38) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(魚類)
[4]
ドジョウ
項目
内容
一般生態
本種は、ほぼ日本全国に分布する。水田や湿地と、周辺の細流にす
む。平野部を中心に生息するが、圃場整備されていない水田が近くに
あれば、かなり上流域にもいる。雑食性。西日本での産卵期は6~7月。
水田周辺では、しろかきと同時に周囲の用水路から水田に遡上する。
遡上後、水田で何日かを過ごしたあと、夜間に産卵する。卵は泥上に
ばらまかれる。1産卵期に何度か完熟卵を持ち、産卵する。産卵後、
成魚と孵化した仔魚はともに水田内で生活する。1年で成熟する(川
那部ほか編監修,1989)23)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の河川や溜池11箇所で23例を確 春、夏、
認。
秋
生息地の
現地調査では、波来浜川、大池川、松井池、溜池で確認されている。
分布状況 本種は主に水田や湿地、水路等に生息する魚類であり、本種の生息に
適した同様の環境は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(魚類)
[5]
チュウガタスジシマ
ドジョウ
一般生態
本種は、本州・四国の瀬戸内海側に分布する。流程50km以上の河川
本流の中流から下流域の砂底に多い。淵頭から上流に向かってでき
る、くさび形の湾入部を特に好む。用水路にもいる。雑食性。産卵期
は6月中旬~7月中旬。田植え直後に、本流から支流を経て水田近くま
で遡上し、水田横の小さな溝に産卵する。卵は泥や植物上にばらまか
れる。成熟するのに雄は1~2年、雌は2年以上かかる。産卵場所は一
時的に生じる不安定な水域であるが、脱出しやすい小さな溝で繁殖す
るために、親魚の死亡率は低く一生に2~3度産卵する個体が多いと思
われる(川那部ほか編監修,1989)23)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の溜池1箇所で2例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、松井池で確認されている。本種は主に河川(下流~
分布状況 中流域)や水路、水田等に生息する魚類であり、本種の生息に適した
同様の環境は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(魚類)
[6]
メダカ
一般生態
本種は、本州以南琉球列島まで分布する。大都市周辺では開発が進
むに従ってすみ場が次第になくなり、水質汚染や移入されたカダヤシ
との競争などによって、分布域は狭くなっている。すみ場は平地の池
や湖、水田や用水、河川の下流域の流れのゆるいところなど。食性は
プランクトン動物やプランクトン植物のほか、小さな落下昆虫などを
食う雑食性。産卵は早朝に水草などに産みつけられる(川那部ほか編
監修,1989)23)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の溜池2箇所で21例を確認。
春、夏、
江津市
事業実施区域内の河川や溜池29箇所で448例を 秋
確認。
生息地の
現地調査では、波来浜川、倉谷川、大池川、黒松池、松井池、長沢
分布状況 池、溜池で確認されている。本種は主に河川や水路、溜池、水田等に
生息する魚類であり、本種の生息に適した同様の環境は、調査地域及
びその周辺に広く分布する。
8-8-84
表 8-8-7 (39) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
項目
内容
(魚類)
一般生態
本種は、日本固有種で神奈川・秋田両県以南の本州、四国、九州に
分布し、日本海側に多い。川の中流域を中心に生息し、特に瀬の礫底
[7]
を好む。幼魚期は主に水生昆虫を、10cmを超える個体はアユなどの小
カマキリ(アユカケ)
魚を食べる。産卵期は1~3月で、川を下った成魚は海の沿岸近くで産
卵する。孵化した仔魚は沿岸で浮遊生活をした後、全長13~15mmの稚
魚に成長して川へさかのぼる。階段式魚道やごく低い堰でも遡上を阻
害される。そのため生息域がせばめられ、近年全国的に減少している
(川那部ほか編監修,1989)23)。
島根県では、ほとんどの河川の中流域に生息しているが、川を遡上
する力は弱く、多くの河川では堰堤の存在により、本来の生息域では
ない河口域に生息している場合が多い。江の川河口域では産卵場が確
認されている(島根県,2014)24)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の河川2箇所で2例を確認。
夏、秋
生息地の
現地調査では、倉谷川で確認されている。本種は主に河川の下流か
分布状況 ら中流域に生息する回遊性の魚類であり、事業実施区域内を生息地あ
るいは移動経路として利用していると考えられる。
(魚類)
[8]
シンジコハゼ
一般生態
本種は、おもに汽水域に生息しており宍道湖以外の水域でも確認さ
れているが、その確認場所および生息数は少ない。産卵は3月から4月
上旬にかけて、オスが湖底に巣穴を掘ってメスを誘って行われる。孵
化した仔魚は、わんどや船着場などの風波を避ける場所に集まって浮
遊生活をおくる。成長は早く、夏過ぎには親魚サイズにまで達し、秋
の深まりとともに生殖巣が発達してくる。食性は稚魚・成魚ともに、
イサザアミ・ユスリカの幼虫・ゴカイ類・コツブムシなどの底生動物
の他に藻類も食う(島根県,2014)24)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の溜池5箇所で21例を確認。
春、夏、
秋
生息地の
現地調査では、長沢池で確認されている。本種は主に湖沼や水路等
分布状況 に生息する魚類であり、本種の生息に適した同様の環境は、調査地域
及びその周辺に広く分布する。
8-8-85
表 8-8-7 (40) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(水産貝類)
[1]
オオタニシ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布する。流れの緩やかな川
や池沼に生息し、ときには山間部の池や水田にもみられる。冬季には
少し深い所の泥底に移動し、山間部の水田などでは泥の中に深くもぐ
って越冬する。6月から8月にかけて幼貝を産む(紀平ほか,2003)27)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の河川や溜池4箇所で4例を確
早春、春、
認。
秋
生息地の
現地調査では、大池川、松井池、長沢池で確認されている。本種の
分布状況 生息に適した流れの緩い河川や池沼、水田等は、調査地域及びその周
辺に広く分布する。
(水産貝類)
[2]
ヒラマキミズマイマ
イ
一般生態
本種は、ほぼ日本各地に分布する。池沼、河川、水田、クリーク、
細流などに生息し、水草や礫に付着している。成貝は殻径6ミリ前後
のものが多く、8ミリくらいになる(紀平ほか,2003)27)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の細流のたまり水2箇所で5例を 夏、秋
確認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町の細流のたまり水で確認されている。
分布状況 本種の生息に適した溜池や河川、水田等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
8-8-86
表 8-8-7 (41) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(甲殻類)
[1]
ヒメヌマエビ
項目
内容
一般生態
体長10-20㎜。オスはメスよりも小型。額角の上縁には約20~23個
の歯がほぼ等間隔に並び、眼窩より後ろの頭胸甲上に7~8個の歯があ
る。下縁には普通5~6個の歯がある。生時のメスの体色は、全体が赤
褐色で背面の正中線に幅広い1本の白っぽい帯があるものと、紫がか
った褐色と灰白色の横縞が交互にあるものの2型がある。成体は河口
より上流側の比較的水のきれいで、流れの緩やかな場所に生息する。
淡水性両側回遊型でゾエア幼生は海で育ち、稚エビは河川を遡上す
る。日本海側では能登半島が分布の北限記録である(島根県,2014)
29)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の河川や溜池4箇所で4例以上を 春
確認。
事業実施区域外の河川や溜池2箇所で2例以上を
確認。
生息地の
現地調査では、倉谷川、大池川、菰沢池、溜池で確認されている。
分布状況 本種は主に河川に生息する回遊性のエビ類であり、事業実施区域内を
生息地あるいは移動経路として利用していると考えられる。
(甲殻類)
[2]
トゲナシヌマエビ
一般生態
体長25-35㎜。額角は短く、上縁には普通歯がない。下縁の先端近
くに0~3個の歯がある。河口域から上流域まで広く分布する。淡水性
両側回遊型で、ゾエア幼生は海で育つ。繁殖期は7~8月頃。日本海側
では能登半島が北限記録である。
島根県の東部と隠岐諸島で生息が確認されている。今後、日本海に
面する中小規模河川において調査をすれば、新たな生息地が確認でき
るものと思われる(島根県,2014)29)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の河川2箇所で2例以上を確認。 秋
事業実施区域外の河川1箇所で1例以上を確認。
生息地の
現地調査では、大池川で確認されている。本種は主に河川に生息す
分布状況 る回遊性のエビ類であり、事業実施区域内を生息地あるいは移動経路
として利用していると考えられる。
8-8-87
表 8-8-7 (42) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(甲殻類)
[3]
ミナミヌマエビ
項目
内容
一般生態
本種は、体長10-28㎜。額角は長く、上縁には8~20個の歯がある。
下縁には0~9個の歯がある。前側角部には棘がある。生時の体色は、
透明感のある暗褐色や暗緑色で、背側の正中線上にオリーブ色の縞模
様がはいる個体もいる。湖、池、沼、水田の用水路、流れの緩やかな
河川の中流域に生息している。一生を淡水域で生活する。
島根県では、ほぼ全域で生息が確認されている。近年では、隠岐島
後でも生息が確認されている。用水路や流れの緩やかな河川の中下流
域で、水草が生い茂る場所に特に多く生息する。(島根県,2014)29)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の溜池1箇所で1例以上を確認。 秋
生息地の
現地調査では、菰沢池で確認されている。本種の生息に適した河川
分布状況 や溜池、水路等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(甲殻類)
[4]
カワスナガニ
一般生態
現地調査
結果
本種は、甲幅約1cmの小型種。甲は丸みのある6角形で甲面は平たく、
横に走る浅い溝が数本ある。はさみ脚・歩脚ともに短い。相模湾葉山、
伊豆半島、鹿児島から記録されているが、葉山では汚染により絶滅し
たといわれている。河口の砂泥底の石の下などに生息する(環境庁,
2006)28)、(三宅,1983)30)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-88
表 8-8-7 (43) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[1]
ホソミイトトンボ
項目
内容
一般生態
本種は、日本特産種で、新潟県及び栃木県から鹿児島県にいたる本
州、四国、九州に分布し、対馬、五島列島、種子島などにも産する。
主に平地や丘陵地の挺水植物が繁茂した池沼や湿地の滞水、水田など
に産する(浜田・井上,1985)55)。
島根県では、平地から山間部まで広く分布するが産地は局地的。植
生豊かで日当たりのよい池沼や水田等に生息。隠岐諸島では未記録
(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で幼虫1例を確認。
春
事業実施区域外の1箇所で幼虫1例を確認。
生息地の
現地調査では、松井池、菰沢池で幼虫が確認されている。本種の生
分布状況 息に適した溜池や水田等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[2]
モートンイトトンボ
一般生態
本種は、北海道南端から九州南端まで分布する。5月中旬頃から7月
下旬まで見られる。交尾は早朝に行われ、メスが植物組織内に単独で
産卵する。
島根県では、平地から低山地にかけての湿地や休耕田等に分布する
が、生息地が乾燥化、草原化する例が多く安定した産地はごくわずか。
県西部と隠岐諸島では未記録(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の1箇所で成虫多数確認。
春、夏
事業実施区域外の1箇所で成虫10例以上を確認。
江津市
事業実施区域外の1箇所で成虫20例以上を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦、温泉津町今浦、江津市松川町
分布状況 下河戸の湿地で成虫が確認されている。本種の生息に適した湿地や休
耕田等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-89
表 8-8-7 (44) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[3]
オツネントンボ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道から九州北部まで生息するが、北日本に多い。平地、
丘陵地の挺水植物の多い池沼に生息し、稀に標高2,000mを超える高山
でも生息する(浜田・井上,1985)55)。
島根県では、隠岐諸島を除き沿岸部から内陸部まで広く分布するが
産地は局限される。生息地はいずれも日当たりのよい植生豊かな溜池
である。なお県内で越冬の様子は観察されていない(島根県,2014)
47)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で成虫1例を確認。
春、秋
事業実施区域外の2箇所で成虫2例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町、浅利町の海浜や菰沢池で成虫が確認
分布状況 されている。本種の生息に適した植生豊富な溜池は、調査地域及びそ
の周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[4]
ムカシヤンマ
一般生態
本種は、日本特産種で、本州、九州に分布する。低山地、山地に生
息し産地は限定されるが、場所によっては多産する。幼虫は斜面や平
坦な湿地のミズゴケの中に穴をほって生息する(浜田・井上,1985)
55)
。
島根県では、低山地から山間部にかけて広く分布するが、産地は限
定される。島根半島部にも記録があるが、隠岐諸島では未記録(島根
県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で成虫1例を確認。
春
生息地の
現地調査では、江津市浅利町の道路脇で成虫が確認されている。本
分布状況 種の生息に適した湿地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-90
表 8-8-7 (45) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[5]
キイロサナエ
項目
内容
一般生態
本種は、おもに平地や丘陵地、低山地の流れに生息しているが、ヤ
マサナエほど普遍的ではない。幼虫は流れの緩やかな泥底にひそんで
生息している(石田ほか,1988)35)。
島根県では、東部を中心に記録があるが、中・西部では記録が少な
い。隠岐諸島では未記録。おもな生息環境は砂泥河川の中下流域であ
る(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の8箇所で幼虫24例を確認。
早春、春、
事業実施区域外の1箇所で成虫1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、倉谷川、大池川、波来浜川、藪川で幼虫、江津市後
分布状況 地町の細流沿いで成虫が確認されている。本種の生息に適した砂泥底
の河川は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[6]
タベサナエ
一般生態
本種は、静岡・愛知・岐阜・福井県以西鹿児島県までの各地に見ら
れる。平地・丘陵地の浅い小川や灌漑用溜池に見られ、5月上旬をピ
ークに4月上旬~7月上旬の記録がある(浜田・井上,1985)55)。
島根県では、隠岐諸島を除く県全域に分布するが、東部では産地が
局限される。平野部を中心に、緩やかな流れの浅い小川に生息するが、
溜池等止水的環境にも適応している(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の3箇所で幼虫7例を確認。
春
生息地の
現地調査では、波来浜川で幼虫が確認されている。本種の生息に適
分布状況 した河川や溜池等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-91
表 8-8-7 (46) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[7]
オグマサナエ
項目
内容
一般生態
本種は、長野・愛知・岐阜県以西鹿児島県までの各地に見られるが、
広島・愛媛・高知の各県からは未記録。平地・丘陵地の池沼や水田、
溝川などに見られ、4月下旬~5月中旬をピークに4月上旬~6月下旬に
見られる(浜田・井上,1985)55)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で幼虫1例を確認。
春
事業実施区域外の2箇所で成虫2例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町の溜池で幼虫、江津市後地町、松川町
分布状況 下河戸の道路脇で成虫が確認されている。本種の生息に適した溜池や
水路等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[8]
アオヤンマ
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州のほか、対馬に分布する。主に
低地や平地のヨシやマコモ、ガマなど背丈の高い挺水植物が茂る、や
や泥深い富栄養型か腐植栄養型の池沼や水郷地帯の溝川などに生息
する。産卵は密生するヨシやマコモの茎あるいは葉の生体組織内に行
う(杉村ほか,1999)49)。
島根県では、挺水植物が繁茂する池沼やクリークに生息し、かつて
は平野部で普通に見られた。隠岐諸島では現在も比較的多産する(島
根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で成虫5例を確認。
初夏
生息地の
現地調査では、江津市浅利町の湿地で成虫が確認されている。本種
分布状況 の生息に適した溜池や湿地等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
8-8-92
表 8-8-7 (47) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[9]
カトリヤンマ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道(函館周辺)、本州、四国、九州に分布し、佐渡島
や三宅島、隠岐、南西諸島などの島嶼にも産する。主に丘陵地や低山
地の抽水植物が繁茂した木陰の多い池沼や植物性沈積物のあるたま
り水、湿地の滞水、水はけの悪い水田および畦間の緩流などに生息す
る(浜田・井上,1985)55)。
島根県では、かつては平野部から低山地にかけての林縁の水田で普
通に見られたが、圃場整備による水田の乾燥化や草原化により近年急
速に生息状況が悪化している。隠岐の島後や、島前の知夫里島にも記
録がある(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で成虫1例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、江津市黒松町の草地で成虫が確認されている。本種
分布状況 の生息に適した植生豊富な溜池や湿地、水田等は、調査地域及びその
周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[10]
サラサヤンマ
一般生態
本種は、日本特産種で、北海道から種子島、屋久島まで広く分布す
るが産地は極めて限定される。低山地、丘陵地の湿地などに生息する
(浜田・井上,1985)55)。
島根県では、平野部から山間部まで広く分布するが、特殊な湿地環
境に生息するため産地は局限される。隠岐(島後)にも分布する(島
根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の2箇所で成虫6例以上を確認。 春、夏
江津市
事業実施区域内の5箇所で成虫5例以上を確認。
事業実施区域外の12箇所で成虫16例以上を確
認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、江津市黒松町、
分布状況 後地町、浅利町、松川町下河戸の湿地や草地、林縁等で成虫が確認さ
れている。本種の生息に適した湿地等は、調査地域及びその周辺に広
く分布する。
8-8-93
表 8-8-7 (48) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[11]
ハッチョウトンボ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国及び九州に分布し、ミズゴケの生育する日あた
りのよい湿地などに生息することが知られている(浜田・井上,1985)
55)
。
島根県では、低山地を中心に隠岐諸島を除く県全域に広く分布する
が、産地は局地的。日当たりがよい浅い湿地を好む。休耕田で一時的
に大発生し、マスコミを賑わすが、草原化により生息できなくなる場
合が多い(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の2箇所で成虫3例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市浅利町の湿地等で成虫が確認されている。本
分布状況 種の生息に適した日当りがよい湿地等は、調査地域及びその周辺に広
く分布する。
(昆虫類)
[12]
キイロヤマトンボ
一般生態
現地調査
結果
本種は、関東地方以西の本州、四国、九州に分布するが、産地は局
地的で減少している地域も少なくない。全長75-83㎜。同属のコヤマ
トンボに似るが、成虫は腹部第3節側面の黄条が上下で分断されるこ
と、幼虫は下唇の形状や爪の長さで区別できる。未熟個体は周辺の開
けた空間などで摂食飛翔を行い、成熟すると水域に戻ってくる。オス
は早朝と夕方を中心に河川の広範囲をパトロールする。産卵は薄暗く
なるころから始まり、流れの緩やかな砂地の場所を不規則に飛翔しな
がら間欠的に打水を行う。
島根県では、斐伊川水系の中下流に広く分布しているが、最近にな
って県中・西部の江の川、高津川での生息が確認された。隠岐諸島で
は未記録(島根県,2014)47)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[13]
ヒメアカネ
一般生態
本種は、北海道、本州、九州に分布する。幼虫は丘陵地のイネ科植
物などの多生した湧出水のある所でひなたの湿地などの浅い水たま
りや、山裾の水田などに生息する。成虫は湿地に生育する植物の葉な
どにとまって縄張りを占有する(石田,1969)35)。
島根県では、隠岐諸島を含め県全域に広く分布するが、生息地は限
定される。湿地的環境に生息し、産地ではモートンイトトンボやハッ
チョウトンボとの混生がしばしば観察される(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境
結果
大田市 事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
江津市
確認時期
夏、秋
事業実施区域外の8箇所で8例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市後地町、浅利町、松川
分布状況 町下河戸の草地や林縁で成虫が確認されている。本種の生息に適した
湿地や水田等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-94
表 8-8-7 (49) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[14]
ミヤマアカネ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道から九州まで分布する。羽化は6月下旬頃から始ま
り、成虫は11月下旬近くまでみられる。9月上旬頃から交尾や産卵の
生殖活動がみられる。
島根県では、隠岐諸島および島根半島部を除き、低山地を中心に広
く分布する。水田やそれに付随する緩やかな流れがおもな生息環境で
ある。最近平野部に近い生息地の減少が著しい(島根県,2014)47)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[15]
オオゴキブリ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、対馬及び屋久島に分布する。暖帯林に
生息し、森林性で朽ち木の中に成虫、幼虫が群生する。新成虫の雄は、
夏には外へ出たり、灯火に飛来する(宮武・加納,1992)63) 。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 春、秋
置は不明。
江津市
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した樹林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[16]
ヒナカマキリ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、対馬に分布し、林縁や低木に生息し、
9~11月に成虫が見られる。体長29~35㎜、体は緑色または木褐色で
小型である。前胸背はかなり細長く、側角部がいちじるしく突出し、
前部は後部のおよそ半分である(林編,1985a)57)。
現地調査 確認位置
結果
江津市
事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 秋
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した樹林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-95
表 8-8-7 (50) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[17]
コロギス
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布し、樹上に生息する。また、口か
ら糸を吐き、葉を綴って巣を作る(朝比奈ほか監修,1965)31) 。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[18]
カヤコオロギ
一般生態
本種は、関東南部から九州までと朝鮮半島に分布する。発音器がな
いため鳴かない。年1化で、成虫は8~10月にみられる。卵で越冬。河
川敷や明るい林内のイネ科草本に群生する。
島根県では、県東部および中部で記録されている。鳴かないために
発見が難しいが、地表が湿っている場所のチガヤ草地などを重点的に
探せば、生息地はさらに見つかると思われる(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で多数確認。
秋
江津市
事業実施区域外の1箇所で多数確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦、江津市後地町の草地で確認さ
分布状況 れている。本種の生息に適した河川敷や草地等は、調査地域及びその
周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[19]
ハマスズ
一般生態
本種は、北海道南部、本州、四国、九州、奄美諸島、中国北部に分
布する。灰白色の地に褐色(あるいは灰色)の斑があり、砂とそっく
りの体色をしている。2化性で、成虫期は6~10月。時々「チョンチョ
ン」という音をまじえながら「ビービー」と鳴く。海岸植物が多い良
好な自然の砂浜や河川敷に生息する。
島根県では、県東部から西部の海浜植物群落を伴った砂浜で記録さ
れている。内陸での記録はまったく無く、確認は難しい。隠岐諸島に
は生息していないとみられる(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で多数確認。
秋
事業実施区域外の1箇所で多数確認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の海浜や砂丘で確認されてい
分布状況 る。本種の生息に適した海岸植物の多い砂浜等は、調査地域及びその
周辺に広く分布する。
8-8-96
表 8-8-7 (51) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[20]
クツワムシ
項目
内容
一般生態
本種は、本州(関東以西)、四国、九州に分布し、成虫は8月下旬
から出現する。雄は夜間、林の下草でガチャガチャとやかましく鳴く
(石原監修,1983)36)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の3箇所で多数確認。
秋
江津市
事業実施区域内の3箇所で多数確認。
事業実施区域外の8箇所で多数確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町今浦、温泉津町吉浦、
分布状況 江津市黒松町、後地町の草地や林縁で確認されている。本種の生息に
適した草地や林縁等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[21]
ハタケノウマオイ
一般生態
本種は、本州(山形県以西)、四国、九州に分布する。平地や河川敷
の草本草原やマント群落、ブッシュ内などに生息するが、林縁や灌木
中には少ない。卵越冬で年1化(日本直翅類学会編,2006)54)。
島根県では、本土域および隠岐諸島で記録されている(島根県,
2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、江津市後地町の民家周辺で確認されている。本種の
分布状況 生息に適した草地や林縁等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
8-8-97
表 8-8-7 (52) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[22]
ヤマトマダラバッタ
項目
内容
一般生態
本種は、日本固有種で北海道、本州、四国、九州に分布する。海浜
植生を伴った砂丘海岸に生息する種であり、県内での生息地も自然度
の高い砂浜に限定されている。体長30-35㎜。体色は白地に黒や茶色
の斑模様の個体が多いが、緑色に赤褐色の斑模様を持つ個体もいる。
基本的には生息地の砂地の色によく似ており、動かないと見つけるこ
とは難しい。
島根県では、東部から西部までの砂丘の発達する海岸や河口の砂洲
に生息している。県内の砂浜海岸は、大社から湖陵付近の出雲砂丘が
最大で、本種の最大の生息地でもある。隠岐諸島では記録がなく、生
息の可能性も低い。全国的にみれば島根県は自然度の高い砂浜が多く
残されており、良好な生息地としての価値は高い(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置
結果
江津市
事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
事業実施区域外の2箇所で4例を確認。
夏、秋
生息地の
現地調査では、江津市黒松町の海浜で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した砂浜海岸は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[23]
ショウリョウバッタ
モドキ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、伊豆諸島、対馬、南西諸島、中国、東
南アジアに分布する。飛ぶ時も発音しない。どちらかというと湿っぽ
い安定した草原を好む。
島根県では、島根半島、松江市、雲南市、三瓶山および隠岐諸島か
ら記録されている。隠岐では1950年の目録以降、記録が無かったが、
2013年10月に島前の中ノ島で再確認された(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
夏、秋
生息地の
現地調査では、江津市後地町、都治町、松川町下河戸の草地で確認
分布状況 されている。本種の生息に適した草地等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
8-8-98
表 8-8-7 (53) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[24]
キボシマルウンカ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国に分布し、山地に生息するが稀である。橙色の
地色に黒紋があり、テントウムシ類に似て美しい種である(石原監修,
1983)36)。
島根県では、数カ所で記録があり、隠岐諸島にも産する。林縁部の
草地で得られる(島根県,2014)47)。
現地調査 現地調査では本種の生息は確認されなかった。
結果
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[25]
クロハサミムシ
一般生態
本種は、北海道、本州に分布し、成鳥は5~8月に出現し、樹上や貯
木場でみられる。体長15~25㎜、全体に光沢のない黒色で、偏平なハ
サミムシである。雄のはさみはいちじるしく細長く、体より長くなる
こともある(林編,1985a)57)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 春
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した樹林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-99
表 8-8-7 (54) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[26]
ハルゼミ
項目
内容
一般生態
本種は、関東以西の本州・四国・九州・神津島・天草諸島・五島列
島・甑島、中国に分布する。アカマツやクロマツ林に生息するセミで
あるが、県内の平地では近年大規模なマツ枯れによって生息場所が失
われつつある。体長はオスが26-31㎜(翅端まで33-37㎜)、メスが
22-26㎜(翅端まで31-36㎜)である。体は黒色で細かな灰色の鱗毛
を装う。オスの腹部は袋状で、メスの腹部は短く先端は細長い産卵管
となる。成虫は4月下旬から6月末に出現する。
島根県では全域のマツ林に生息するが、隠岐諸島には生息しない。
山間部では発生が遅く個体数も少ない。近年平地では鳴き声が殆ど聞
かれなくなった(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
春
生息地の
現地調査では、江津市後地町、浅利町の樹林で確認されている。本
分布状況 種の生息に適したマツ林は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[27]
チッチゼミ
一般生態
現地調査
結果
本種は、日本特産種で北海道・本州・四国・九州に分布する。本州
のセミでは最小であり、見つけにくい。里山的環境に適応した種だが、
個体群動態の把握が難しい。体長27-32㎜、開張 48-57㎜、メスが
やや大きい。体は黒色、体表に銀灰色の鱗毛を有する。腹面の大部分
は黄褐色。成虫は県東部平地では8月中旬から11月上旬にかけて現れ
る。産卵はツツジ類などの生枝中に行う。
島根県では、平地の公園などで鳴き声などの生息情報は多い。隠岐
諸島でも確認されている。小型で採集しにくいので発生状況の把握が
困難である(島根県,2014)47)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-100
表 8-8-7 (55) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[28]
ムネアカアワフキ
項目
内容
一般生態
本種は、本州・四国・九州・南西諸島に分布し、ソメイヨシノなど
のサクラ類を寄主とする。成虫は4~5月頃現れる。ふ化した幼虫は巻
き貝状の巣を作る。
島根県では、出雲部から石西部にかけて点在するが、個体数は少な
い。おもに里山的環境の植栽されたサクラ樹で発見される。隠岐諸島
では未記録(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置
結果
大田市
江津市
事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
春
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市黒松町に生育するサク
分布状況 ラの木で確認されている。本種の生息に適した里山的環境(サクラ等
の樹種)は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[29]
ミヤケミズムシ
一般生態
水生植物が豊富な池沼に生息する中型のミズムシで、生息環境が局
所的で県内での生息確認地点は多くない。
島根県では、生息確認地は東部4地点、中・西部各1カ所で大部分
が平地の溜池であった。生息池での個体群密度は比較的大きい。隠岐
諸島では確認されていない(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、松井池で確認されている。本種の生息に適した植生
分布状況 豊富な溜池等は調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-101
表 8-8-7 (56) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[30]
ヒゲナガサシガメ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州、対馬に分布する。山地の樹上で生活し
ているがあまり多くない(友国監修,1993)53)。
島根県では、県西部平野と隠岐(島後)の2カ所で記録がある。環
境の良好なクヌギ・コナラの二次林に生息すると考えられる(島根県,
2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
春
生息地の
現地調査では、江津市後地町の林縁で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[31]
ハリサシガメ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。珍しい種だが、荒原で地表
を徘徊しているのが確認されているほか、墓地といった人為的環境か
らも見つかっている。アリ類を捕食する(石川ほか編,2012)33)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦の林縁で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した林縁等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-102
表 8-8-7 (57) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[32]
ノコギリカメムシ
項目
内容
一般生態
本種は、農耕地周辺の水辺の草本群落で発見されるカメムシで、生
息地は局限され個体数も少ない。体長13-16㎜、赤紫色を帯びた黒褐
色で、頭部はシャベル状に突出する。前胸背の前縁と側縁に突起があ
り、腹部側縁は鋸歯状となる。カラスウリ、カボチャ、キュウリなど
に見られる。国内では本州・四国・九州・トカラ諸島、国外では朝鮮
半島・中国・台湾に分布する。
島根県では、県東部の平野部数カ所で確認されている。発見・採集
が困難な種類であり、生息域はもっと広いと思われる(島根県,2014)
47)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
初夏
生息地の
現地調査では、菰沢公園近くの草地で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した水辺の草地等は調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[33]
ウシカメムシ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、対馬、奄美大島などに分布する。アセ
ビ、シキミ、サクラ、ヒノキなどの植物にみられ、ナツミカンを吸汁
することもある(友国監修,1993)53)。
島根県では、今まで匹見、隠岐諸島、松江、三瓶、八束、木次で確
認されている。関西では都市公園のような場所で発生しており、今後
生息域はもっと広がると思われる(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
春
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の樹林で確認されている。本
分布状況 種の生息に適したサクラやヒノキ等が生育する場所は、調査地域及び
その周辺に広く分布する。
8-8-103
表 8-8-7 (58) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[34]
フタテンカメムシ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。海岸のススキなどイネ科植
物の根際で生活するが個体数は少ない。内陸部ではあまり採集されな
い(石原監修,1983)36)、(友国監修,1993)53)。
島根県では、隠岐(島前)の知夫里島の生息地は大部分が牛の放牧
地として利用されており、良好なシバ草原の状態が維持されている。
その後三瓶北の原でも採集されており、土地的極相がシバ草原のよう
な環境で生息するものと思われる(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
春、夏
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の草地で確認されている。本
分布状況 種の生息に適した草地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[35]
キカマキリモドキ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。頭部は淡橙黄色で触角は黒
褐色である。前胸は黄色だが栗色の1大斑紋がある。頭部は黄褐色で、
背面中央に黒色の1縦条があり、各腹節の後縁も黒色である。成虫は6
~8月にあらわれ、灯火によく飛んでくる(林編,1985a)57)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 夏
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した森林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-104
表 8-8-7 (59) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[36]
カワラハンミョウ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布し、全国的に激減してい
る。細砂の河口や砂丘海岸に生息し、成虫は7~8月に出現する。砂上
を敏捷に歩行し、近づくとよく飛翔する。
島根県では、江の川以西の砂質海岸に局所的に生息するが、個体数
はきわめて少ない。春季に越冬成虫、夏季に新成虫が出現し、水辺か
らやや離れた開けた砂浜を敏捷に歩行する。幼虫も成虫が活動する砂
浜に巣穴をつくる(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の4箇所で5例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の海浜や砂丘で確認されてい
分布状況 る。本種の生息に適した砂浜等は、調査地域及びその周辺に広く分布
する。
(昆虫類)
[37]
コハンミョウ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、南西諸島、国外では朝鮮半島、台湾、
中国、東南アジアに分布し、砂質の河原に生息するが生息に適した環
境が減少している。体長11-13㎜。赤みを灰色で鈍い金属光沢がある。
上翅には細い白色の斑紋がある。成虫は春から秋にかけて出現し7~
8月、夏に多い。成虫は地表を俊敏に歩行・飛翔して小昆虫等を捕食
し、幼虫は土中に掘った孔に身を潜め付近を通る小昆虫を捕食する。
河川敷、河口など水辺に見られるが、丘陵地など裸地・乾燥した場所
でも生息が確認されている。
島根県では、県東部から西部の河川の中・下流域。隠岐諸島で記録
がある(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 夏
置は不明。
江津市
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した裸地や乾燥し
た場所は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-105
表 8-8-7 (60) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[38]
ハラビロハンミョウ
項目
内容
一般生態
本種は、本州(中部以西)、九州、種子島などの限られた砂質海岸
に分布するが、各地で減少が顕著といわれる。成虫は5~9月に砂質海
岸の河口部に出現し、おもに湿った砂浜で活動する。
島根県では、出雲海岸から益田海岸までの数カ所で生息が確認され
ている。生息地は背後に海浜植物の植生がある砂質海岸で、春季越冬
成虫、夏季に新成虫が出現する。河口の河川側が活動域で、成虫は水
際の湿った砂浜を敏捷に歩行する。幼虫は水辺に近い砂浜に巣穴をつ
くる。生息地であった神戸川河口、差海川河口は、近年は生息が確認
されていない(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で2例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光の湿った砂地で確認されてい
分布状況 る。本種の生息に適した湿った砂浜等は、調査地域及びその周辺に広
く分布する。
(昆虫類)
[39]
ムラサキトビケラ
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布する。体長25mm前後。幼
虫は河川上流域の流れが緩やかな場所に生息する。成虫は晩春から夏
にかけて出現するが、生活史の詳細は不明である(谷田監修,2000)
51)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で幼虫1例以上を確認。 早春
生息地の
現地調査では、江津市黒松町の倉谷川で幼虫が確認されている。本
分布状況 種の生息に適した流れの緩やかな河川等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
8-8-106
表 8-8-7 (61) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[40]
オオヒョウタンゴミ
ムシ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。砂質海岸やそれに近い場所
に生息し、成虫は5~10月に出現する。夜行性で日中は漂着物の下や
地中の孔道に潜み、夜間に地表を徘徊して他の昆虫などを捕食する。
島根県では、浜山公園を含む出雲海岸から益田海岸に至る砂質海岸
で、生息が確認されているが個体数は少ない。 汀線から離れた海浜
植物の植生地から背後の防風林内の砂地が生息域となっており、出雲
海岸では防風堆砂垣付近に多く見られたが破損埋没した。また、隣接
する道路の側溝に落ちている個体も少なくない(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の6箇所で7例を確認。
春、夏
生息地の
現地調査では、江津市黒松町の砂浜で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した砂浜等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[41]
タナカツヤハネゴミ
ムシ
一般生態
関東より西の本州、九州、東南アジアに分布する。日本からの記録
は散発的である。暖地性の種で関東地方が北限となり、関東地方では
稀である。体長11~12mm。体色は黒色で、触角と脚は黄褐色。本種は
ゴミムシ族に属す。この族では特徴として雄の前 節下面にスポンジ
状の粘着毛が密生している。生息環境は低湿地である(栃木県、2005)
52)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市後地町で確認されている。本種の生息に適し
分布状況 た湿地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[42]
クロゲンゴロウ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。水生植物の生えた池沼、放
棄水田、水田の溝などに生息する。産地はやや局所的だが個体数は比
較的多い。幼虫は5~8月に見られ、新成虫は8~9月に出現し成虫で越
冬する(森・北山,2002)62)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で2例を確認。
春
生息地の
現地調査では、江津市後地町の溜池で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した植物豊富な溜池や水田等は、調査地域及びその周辺に広く分
布する。
8-8-107
表 8-8-7 (62) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[43]
コガタノゲンゴロウ
項目
内容
一般生態
本種は、台湾、中国、朝鮮半島に分布する。国内では、本州、四国、
九州、南西諸島、小笠原に分布する。かつては日本各地でふつうに見
られたようであるが、全国的に減少傾向が著しく各都道府県のレッド
データブックに掲載されている。しかしながら2000年以降、西日本で
は確認例が相次いで報告されており、状況が変化してきている。南西
諸島では水田や水路などの生息地は減少している。
島根県では、本種はもともと県内では少なかったらしく、1990年代
以前の記録はわずかである。しかし、2000年以降、県東部や隠岐諸島
などで散発的な記録が報告されるようになり、繁殖地も確認されてい
る。条例による保全が行われている鳥取県の個体群、あるいは九州な
どで増えている個体群が分散し、島根県内で定着した可能性も考えら
れるが、現時点では個体群を見分ける手段がない。また、このまま増
加するかどうかについても予想が難しい(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市波積町北の湿地で確認されている。本種の生
分布状況 息に適した水田や水路等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[44]
マルチビゲンゴロウ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。池沼、放棄水田などの草本
植物の多い浅瀬に生息する。かつては各地に多かったようであるが、
近年は比較的稀な種である。しかし、生息地では個体数は多い。冬季
にも得られるが個体数はずっと少ない(森・北山,2002)62)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 春
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した溜池や湿地等
は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-108
表 8-8-7 (63) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[45]
スジヒラタガムシ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。植物の豊富なため池に生息
する。大きさは4.0mm、体形は丸く、上翅のスジは目立つ(井上・中
島編,2009)38)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の2箇所で11例を確認。
春、初夏
江津市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、江津市後地町、江津市松川町
分布状況 下河戸の松井池や湿地で確認されている。本種の生息に適した植生豊
富な溜池等は、調査地域及びその周辺に分布する。
(昆虫類)
[46]
ミユキシジミガムシ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、屋久島に分布する。中部以南の止水域
において普通に見られる。原産地は東京都であるが、関東では少ない
種のようである(昆虫と自然編集委員会編,2007)44)。
本種は、農薬や家庭排水の影響のない水田、休耕田や廃田、湿地、
溜池に生息する(熊本県,2009)43)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で2例を確認。
初夏
生息地の
現地調査では、江津市松川町下河戸の湿地で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した水田や湿地、溜池等は、調査地域及びその周辺に広く
分布する。
8-8-109
表 8-8-7 (64) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[47]
ガムシ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州、南西諸島に分布する。平野部
から丘陵部の水生植物の豊富な池沼、水田、放棄水田、水田脇の水た
まり、掘り上げなどに生息する。6月頃に卵嚢を水草に付着させる。
幼虫はモノアラガイなどを捕食し、老熟すると岸辺に上陸し土中で蛹
化する。成虫は藻や水草、植物質の腐植物などを摂食する。成虫は飛
翔し、繁殖期にはため池から水田や水路へ移動し、灯火にも飛来する。
3~11月まで確認され、水中で越冬する(石川県,2009)32)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の4箇所で4例を確認。
春、初夏、
夏
生息地の
現地調査では、江津市波積町北、後地町、都治町の溜池や湿地で確
分布状況 認されている。本種の生息に適した溜池や水田、湿地等は、調査地域
及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[48]
ヤマトタマムシ
一般生態
本種は、成虫は7~8月に出現。日中によく飛翔し、エノキ大木の樹
冠部周辺を飛翔する。幼虫は主としてエノキ老大木の衰弱・枯死した
材を摂食して生育する。カキノキ、サクラ類からの採集記録も知られ
ている。
島根県では、隠岐諸島、県東部から西部の平野部から山地での記録
がある。市街地ではおもに社寺林のエノキが発生源となっているよう
である(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦の樹林で確認されている。本種
分布状況 の生息に適したエノキ類を有する樹林等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
8-8-110
表 8-8-7 (65) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[49]
ヒメボタル
項目
内容
一般生態
本種は、日本固有種で、本州、四国、九州、屋久島に分布する。メ
スは後翅が退化しており、歩行による移動しかできない。成虫はおも
に6~7月に出現するが、地域によって前後し、出現期間は短い。幼虫
はキセルガイ類を捕食する。
島根県では、隠岐諸島や県全域で確認されている。スギなどの生え
た古い社寺林や雑木林に生息する。林床は湿っていることが重要であ
る(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で成虫10例を確認。
初夏
生息地の
現地調査では、江津市浅利町の林縁で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[50]
ゲンジボタル
一般生態
本種は、体長10~16mmの発光性の甲虫で、成虫の活動期間は、おお
むね6月上旬から7月中旬である。産卵は、水辺のコケなどに直径
0.5mmくらいの黄色卵を産みつける。ふ化した幼虫は流水に入り、カ
ワニナを餌とする。十分成長した幼虫は雨の日を選んで上陸し、土中
に潜入して蛹化、約30日の蛹期を経て羽化する。羽化した成虫は水を
飲むだけで餌をとらず、10~20日間で寿命を終える(大場,1988)41)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域内の1箇所で成虫4例を確認。
春、初夏、
事業実施区域外の2箇所で成虫110例以上を確
夏、秋
認。
江津市
事業実施区域内の1箇所で幼虫や成虫9例以上を
確認。
事業実施区域外の5箇所で100例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町吉浦、江津市黒松町、
分布状況 後地町、浅利町の河川や水路で多数確認されている。本種の生息に適
した河川や水路等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-111
表 8-8-7 (66) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[51]
ヘイケボタル
項目
内容
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布する。成虫は6~8月に出
現し、池や水田のある地域に生息する。幼虫はヒメタニシなどの水生
巻貝を捕食してそだつ。体は黒色で鈍い光沢がある。ゲンジボタルに
よく似るが、体は小型である(林編,1985b)58)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の7箇所で91例以上を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市後地町、都治町、浅利町の湿地等で多数確認
分布状況 されている。本種の生息に適した湿地や水田等は、調査地域及びその
周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[52]
スネケブカヒロコバ
ネカミキリ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。成虫は7~8月に出現し、リ
ョウブやカラスザンショウの花を訪れるほか、寄主であるネムノキの
立枯木にもよく集まる(大林ほか編,1992)42)。
島根県では、1950 年に匹見町初見で初めて採集された。その後、
隠岐(島後)の大満寺山で成虫が採集され、ネムノキの枯死部で幼虫
と蛹が確認された。隠岐(島後、西ノ島、中ノ島)、赤来、匹見のほ
か、近年、三瓶山山麓で採集された(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市浅利町で確認されている。本種の生息に適し
分布状況 たネムノキの生育する林等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
8-8-112
表 8-8-7 (67) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[53]
キンイロネクイハム
シ
項目
内容
一般生態
本種は、日本固有種で北海道、本州、九州に分布する。ヤマトミク
リやヒメミクリなどを食草としており、成虫は抽水葉を食べ、幼虫は
地下で根を食べる。成虫はおもに5~6月に出現する。
島根県では、県東部のミクリ属の生える溜池や水路などに生息して
いる。生息地では個体数が多く、ミクリの葉には食痕がみられる(島
根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の7箇所で150例以上を確認。
春、夏
生息地の
現地調査では、江津市後地町、松川町下河戸の溜池や湿地に生育す
分布状況 るミクリ類で確認されている。本種の生息に適した食草であるミクリ
類が生える溜池や水路等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[54]
ヒゲナガホソクチゾ
ウムシ
一般生態
本種は、北海道、本州、九州に分布する。頭は黒色で微小点刻があ
る。前胸背版は中央で最大幅、点刻は大きく点刻間は狭く、中央後方
は縦に溝を有する。成虫はフジのつぼみによく見られる(林編,1985a)
57)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 夏
置は不明。
江津市
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した森林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-113
表 8-8-7 (68) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[55]
ホオアカオサゾウム
シ
項目
内容
一般生態
本種は、本州・四国・九州・琉球に分布する。ササやカンチクのタ
ケノコなどでみられる(林ほか編,1984)56)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[56]
ウマノオバチ
一般生態
現地調査
結果
本種は、本州、四国、九州に分布する。シロスジカミキリの幼虫に
寄生する。
島根県では、平地の里山に局所的に生息していると考えられるが、
詳細は不明である。隠岐(島後)にも採集記録がある(島根県,2014)
47)
。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-114
表 8-8-7 (69) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[57]
フタホシアリバチ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、小笠原諸島、四国、九州、対馬、屋久島および奄美
大島に分布する(平嶋監修,1989)60)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[58]
トゲアリ
一般生態
本種は、本州(東北地方以南)、四国、九州、屋久島に分布する。
クロオオアリとムネアカオオアリの巣に一時的社会寄生を行う。ミカ
ドオオアリも寄主の可能性がある。立木の根ぎわのうろの中に巣をつ
くる。結婚飛行は9~11月。受精した雌は単独で越冬し、翌春寄主の
巣へ進入すると思われる(伊藤編,2003)37)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の9箇所で127例以上を確認。う 春、初夏、
ち、ネムノキやヤマモモの樹洞でコロニーを確 夏、秋
認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町、都治町、浅利町の樹林等で
分布状況 多数確認されている。本種の生息に適した樹林等は、調査地域及びそ
の周辺に広く分布する。
8-8-115
表 8-8-7 (70) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[59]
ヤマトアシナガバチ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州、対馬島、屋久島、奄美大島に分布する。
海岸線~標高700mに生息するが稀である。生活史は、10~5月が女王
越冬、5~7月が単独営巣期、7~8月が共同営巣期、8~9月が雄・新女
王の羽化期(崩壊期まで)である。営巣場所は家屋の軒下、草木の枝、
石垣などで、営巣規模は総育房数50~200房。巣を刺激してもあまり
攻撃性はない。また、分布が重なる攻撃性の強いキアシナガバチに擬
態(ミューラ型)している(高見澤,2005)50)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市後地町、都治町、浅利町の林縁で確認されて
分布状況 いる。本種の生息に適した樹林や家屋等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
(昆虫類)
[60]
アカオビケラトリ
一般生態
本種は、本州、四国、九州、奄美大島に分布する。土中に営巣、ケ
ラを幼虫の餌として狩る。黒色で腹部第1~3環節は赤褐色ないし暗赤
色である。(平嶋・森本監修,2008)61)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 夏
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した海岸や川原の
砂地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-116
表 8-8-7 (71) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[61]
ニッポンハナダカバ
チ
項目
内容
一般生態
本種は、国内での分布域は広く、北海道から屋久島まで及ぶ。同胞
種のタイワンハナダカバチ Bembix formosana Bishoff が台湾と八重
山諸島に分布する。海浜では風による砂の移動の少ない場所、すなわ
ち松が疎らに生育する防風林内や民家の庭先などの日当たりのよい
場所を好んで集団営巣する。育房は、緩やかに傾斜して穿孔された主
坑 (深さ約15-20㎜) から分岐した側坑に水平方向に連結される。
営巣地では、オスがメスを求めて翅音高く迅速にパトロールを行う。
幼虫餌として、ハナアブ科をはじめとするさまざまな分類群のハエ類
の成虫を狩る。卵は、育房内で最初に貯蔵した獲物の腹面に産下され
る。ふ化した幼虫は、親バチの随時給食で発育する。閉鎖された育房
口は、給餌のつど開閉が繰り返される。年1化性で、活動期間は6月
末から8月中旬までの1.5カ月間である。越冬は繭中で前蛹態で行う。
島根県では、大社砂丘(出雲市)、静間神社(大田市)、三里ケ丘
(益田市)。生息環境は、いずれも海浜かその近辺(島根県,2014)
47)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の2箇所で32例を確認。
初夏、夏
江津市
事業実施区域内の4箇所でコロニーを含め307例
以上を確認。
事業実施区域外の1箇所で5例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町今浦、温泉津町吉浦、江津市黒松町、
分布状況 後地町の砂浜や砂丘で確認されている。本種の生息に適した砂浜等
は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[62]
クロマルハナバチ
一般生態
本種は、本州、四国、九州の山地や高山地に分布する。一般的な生
息環境は山林、原野などである。開花植物が多く、営巣場所となる野
ネズミの空き巣が多い。真社会性のハナバチであるが、メスは毒針を
もっており、ミュラー型擬態をする。本州の野山には体全体が黒い毛
におおわれ、腹部の末端だけが橙色をしているものが見られる(日高
監修,1998)59)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
初夏、夏
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市後地町、松川町下河戸の林縁で確認されてい
分布状況 る。本種の生息に適した樹林や草地は、調査地域及びその周辺に広く
分布する。
8-8-117
表 8-8-7 (72) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[63]
マイマイツツハナバ
チ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。春季出現し、カタツムリの
空殻に営巣する。体は鋼鉄様青色、腹部は特に青味が強い。体毛は灰
白色で、腹背の毛は短い。頭盾は普通で、点刻を密布する(平嶋・森
本監修,2008)61)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 春
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種はカタツムリの空殻に営巣す
る種であり、カタツムリ類が生息する環境は、調査地域及びその周辺
に広く分布する。
(昆虫類)
[64]
ヤホシホソマダラ
一般生態
本種は、シベリア東南部~中国北部にかけて記録されており、日本
では、本州、四国、九州で採集されているが、その分布はかなり局限
される。前翅には黄紋、後翅には透明部分がある。頭から腹部にかけ
てルリ色に輝く。近似種のキスジホソマダラに似ているが、後者は黄
紋が細長く伸びる(埼玉県,2008)45)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
初夏
生息地の
現地調査では、江津市後地町の草地で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した草地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-118
表 8-8-7 (73) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[65]
ギンイチモンジセセ
リ
項目
内容
一般生態
本種は、北海道から九州まで広く分布するが、どことも個体数の減
少傾向が見られる。本種は食草のススキ・オギがある明るい草地が生
息地になっているが、クズ、カナムグラのような繁殖力の強い植物が
入り被い尽くすと姿を消す。5月と7~8月年2回発生し、草上を弱々し
く飛び続け、葉に止まったり花で吸蜜したりする。また湿ったところ
では吸水もし、時には集団にもなる。
島根県では、県東部では斐伊川、西部では旧・三隅町、高津川など
数カ所が産地として知られている。開発などで産地が破壊され絶滅し
ているところもある。遷移の進行など残された産地も環境が悪くなっ
ている。米子市では高速道路のり面で発生しているところがあり、県
内でもそういう可能性はある(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、江津市後地町の草地で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した草地等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[66]
オオチャバネセセリ
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布する。一般に西南日本で
は個体数が少ない。暖地では通常2回発生し、地域によっては3化の発
生がみられる。成虫は初夏から初秋にみられ、日当たりのよい草原や
ササ原に多い。アザミ類やオカトラノオ、ウツボグサなどの花や腐果
に飛来。食草はアズマネザサやミヤコザサのほか、ときにススキやエ
ノコログサなどでも幼虫がみつかる。越冬態は若齢幼虫(白水ほか,
1976)48)。
島根県では、平地から山地まで、林縁のイネ科植物の生える草地や
ササ草原に広く生息するが、密度は低い。近年、多産していた東部で
も著しく減少している。しかし、普通種と思われていたために昔の記
録が乏しく、定量的な比較が困難であり、今後のデータ集積が必要で
ある(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の2箇所で2例を確認。
春、初夏、
江津市
事業実施区域内の2箇所で3例を確認。
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町吉浦、江津市黒松町、
分布状況 後地町の草地や林縁で確認されている。本種の生息に適した草地や林
縁等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-119
表 8-8-7 (74) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[67]
ジャコウアゲハ
項目
内容
一般生態
本種は、山陰には食草がウマノスズクサ、マルバウマノスズクサの
2種があり、前種は温帯から暖帯に広く分布しているが、山陰では局
地的にしか見られないため、発生地も限られている。南西諸島では成
虫が年周見られ、数も多いが、山陰では3化と思われる。飛翔はゆる
やかで、アザミ、ネギボウズなど各種の草花で吸蜜する。吸水は確認
されていない。卵から蛹まで特異な形をし、幼虫は共食いすることも
知られている。蛹で越冬。ウマノスズクサ食のチョウは国内では本種
しか生息していなかったが、近年同属のベニモンアゲハが八重山に土
着し、またホソオチョウが人為的な放蝶により国内各地で繁殖してい
る。
島根県では、ウマノスズクサは堤防などに多く見られる。マルバウ
マノスズクサは本県が南限で、局所的に分布している多年草のつる
草。県内では斐伊川、神戸川、飯梨川、周布川の堤防で本種が発生し
ているが、飯梨川では河川改良で食草が消滅した。本種は時には大発
生することがあり、大山(マルバウマノスズクサ)、飯梨川(ウマノ
スズクサ)のように食草を食べつくし姿を消すこともある。鳥取県米
子市法勝寺川堤防のように、定期的な草刈をしている所では、大発生
防止になり、数は少ないが長期間生息できる環境となっている。隠岐
(西ノ島、マルバウマノスズクサ食)でも複数の採集記録があるが、
40年近く再確認されておらず絶滅している可能性がある(島根県,
2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の2箇所で2例を確認。
春
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光の林縁で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した草地や林縁等は、調査地域及びその周辺に広く分布す
る。
8-8-120
表 8-8-7 (75) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[68]
ギフチョウ
項目
内容
一般生態
本種は、日本特産種で本州のみに分布する。食草はウマノスズクサ
科のカンアオイ属各種である(白水ほか,1976)48)。
本種は、年1回3~4月に発生する。成虫には顕著な陽光性があり、
早朝から日中にかけて樹影のある山頂部や尾根筋、伐採斜面などに集
まって活動する。この集合と分散によって地域全体の個体群が維持さ
れるという側面がある。卵はカンアオイ類の新芽裏面に10個程度にか
ためて産みつけられる。ミヤコアオイは浅い谷筋や薄暗い林中に多い
が、産卵は林縁部のものに集中する。春は明るく、夏は薄暗くなるよ
うな季節的推移のはっきりした林床が生息域となる。
島根県では、本種の生息にもっとも適した環境は、雑木の疎林と藪
や小川が混交する起伏に富んだ地形に適度に開けた空間、入り組んだ
山裾の里山である。そのほかにも食草カンアオイ類さえ生育していれ
ばブナ、カシ、スギ、マツ、タケなどさまざまな林縁環境で局所的に
みられる。食草はミヤコアオイ、サンヨウアオイ、タイリンアオイ。
それぞれの個体群が異なった分布成立要因をもつメタ個体群と考え
られる。いずれの地域においても土地開発などにより産地が狭められ
つつある。生息地の全体像は把握できておらず、新産地の発見とその
生息環境の実態を詳しく知ることが急務である。本種の記録がなくて
も、カンアオイ類の生育する土地の大規模な造成や伐採にあたって
は、生息の可能性が高いので事前の調査が必要である。旧・赤来町女
亀山で県条例により、松江市星上山・大田市大江高山では市条例によ
って保護されている(島根県,2014)47)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-121
表 8-8-7 (76) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[69]
オナガアゲハ
項目
内容
一般生態
本種は、黒いアゲハの中では、翅の幅が狭く尾状突起が長い特徴が
あり識別しやすい。5月、8月の2回発生。低山地から山地の落葉樹の
多い谷筋の開けた場所によく現われ、ゆるやかに飛翔し、アザミなど
の花で吸蜜したり地上で吸水したりする。もともとアゲハの中では個
体数の少ない種である。
島根県では、県東部の県境付近の低山地でもよく発生していたが、
山が伐採され環境が一変し姿を消したところもある。本種の食草は一
般にはコクサギとされるが、県内で確認されている食樹はシキミ、カ
ラスザンショウ。松江市八重垣神社周辺は普通に見られていたが、こ
こ10年ほどは確認できていない。隠岐(島後)では、1980年代から記
録がない(島根県,2014)47)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[70]
ナガサキアゲハ
一般生態
本種は、本州(近畿以南)、四国、九州、南西諸島に分布し、沖縄
本島以南では一年中みられる。植樹の多い人家周辺に見られ、ゆっく
りと飛翔し、各種の花を訪れる。植樹植物はミカン科の栽培種で、ナ
ツミカン、カラタチなどである(林編,1985a)57)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 春、夏、
置は不明。
江津市
秋
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した植樹の多い人
家周辺等(食樹はナツミカン、カラタチ等)は、調査地域及びその周辺
に広く分布する。
8-8-122
表 8-8-7 (77) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[71]
ツマグロキチョウ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州のほか、対馬、南西諸島などの離島にも
分布する。夏型はキチョウに似るが、本種のほうがキチョウより小型
で、前翅頂が角張ること、前翅表外縁の黒帯は幅広く、内側は鋸歯状
になることなどで区別できる。成虫は草原や河川の堤防、田畑の周辺、
鉄道線路の付近などの食草の群落地に生息し、キンセンカ、キツネノ
マゴ、メドハギなどの花に吸蜜にくる。ときに湿地へ吸水に集まる。
食草はマメ科のカワラケツメイ(白水ほか,1976)48)。
島根県では、旧・仁多町、旧・頓原町、旧・赤来町などの山間地、
安来市などに記録が多い。食草カワラケツメイは道路ぎわやガレ場的
な荒れ地に群落を作るため、人為的な環境変化、他植物の進入など遷
移の進行により、本種発生量は変動が大きい。新しくつくられたキャ
ンプ場周辺や、ダム湖周辺などで多数見られることもある。
また、旧・六日市町では農家が豆茶用としてカワラケツメイを無農
薬栽培しており、本種が多数発生していたことがある。
1985年島根半島の海岸線岩場で、大陸からの飛来によるものと思わ
れる裏面が赤い個体群が多数観察されたこともある。
隠岐(島後)では計2例の記録のみで、これも大陸からの飛来によ
るものと思われる(島根県,2014)47)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[72]
エゾミドリシジミ
一般生態
現地調査
結果
本種は、食樹であるミズナラが中国地方では標高800m以上の山地に
限られるため、発生地も限定されている。6月下旬から7月上旬ごろに
出現するが、同じ食樹のジョウザンミドリシジミ、アイノミドリシジ
ミと混生している場所も多く、時間的な棲み分けをしている。早朝に
も見られることもあるが、午後からの活動がおもになり、晴天時には
3時ごろから夕方にかけ、なわばりをつくり、活発に飛翔する。曇天
時は活動時間が早くなる傾向がある。産卵は太枝、樹幹などに行う。
島根県では、船通山、大万木山、三瓶山、益田市匹見町、隠岐(島
後)などに記録がある。隠岐(島後)の山地ミズナラ林に生息する本
種はきわめて特異な地域個体群であり、特別な保全対策が必要である
(久保田直哉氏が発見)(島根県,2014)47)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-123
表 8-8-7 (78) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[73]
オオミドリシジミ
項目
内容
一般生態
本種は、翅長19-23㎜。ナラガシワやコナラがある低山地で6月頃
に発生する。オスの翅表が青緑色をするファボニウスの一群で、午前
9時頃から縄張りを張って飛び交う。早朝に山頂で占有行動をとる。
メスは不活発で葉陰で休んでいることが多い。ミドリシジミの仲間は
似たものが多いが、本種は前翅後翅の裏面に明瞭な短状があるので識
別できる。
島根県では、食樹がある周辺の山林や畑が、放置により遷移が進行
して環境が悪化している。記録がある安来市や旧・木次町でもほとん
ど見られなくなった。県内での生息実態について調査が待たれる(島
根県,2014)47)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[74]
ウラナミアカシジミ
一般生態
本種は、北海道、本州、九州に分布し、低地から低山地のクヌギ林
に多く生息する(桜井,1985)46)。
本種は、山地のクヌギを含む疎林や林、平地、低山地のクヌギ、コ
ナラ、ナラガシワなどを含む雑木林に生息しているが、クヌギへの依
存度が強い。平地では6月に発生、山地では7月でも見られる。山陰で
はアカシジミと混生するところもあるが、本種のほうが少し遅れて発
生する。日中は脅かさないと飛ぶことは少ないが、夕方から活発に飛
び回る。
島根県では、県内ではもともとクヌギ林に乏しいこともあり、西部
(六日市町など)、東部(大東町など)にわずかに記録があったのみ
で、近年県内における本種の目撃記録はないようである。
古木ではなく若木を好むため、人為による定期的な雑木林の更新が
必要である(島根県,2014)47)。
現地調査 現地調査では本種の生息は確認されなかった。
結果
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-124
表 8-8-7 (79) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[75]
ゴイシシジミ
項目
内容
一般生態
本種は、翅の裏が碁石を並べているような斑紋がある。幼虫は笹や
熊笹などに付くアブラムシを食べて育つ肉食性で、成虫はアブラムシ
が出す分泌物を吸う。発生地周辺で見られるが、時には何の種かわか
らないほど激しい飛び方をする。春から初秋に見られるので年2~3回
の発生と思われる。
島根県では、平地、低山地から山間地まで、林周辺、山道脇のササ
類のある所で発生する。アブラムシに影響され毎年発生するとは限ら
ず、また、今まで見なかった所で突然発生することもあり、アブラム
シを求め移動性があるようで、産地は流動的である。隠岐(島後)に
は確実な採集記録があったが、長く再確認されていない(島根県,
2014)47)。
現地調査 確認位置
結果
江津市
事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、江津市後地町のササ類が繁茂する林縁部で確認され
分布状況 ている。本種の生息に適したササ類が生育する場所は、調査地域及び
その周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[76]
ウラギンスジヒョウ
モン
一般生態
現地調査
結果
本種は、6月中旬ごろ発生、林周辺の明るい草地で見られ、アザミ
やオカトラノオなどの花で吸蜜する。盛夏には夏眠し秋に再び現われ
産卵、卵または1令幼虫で越冬する。1970年代は普通種のため注目さ
れることはなかった。しかし、その後、急速に姿を消しつつある。
島根県では、薪利用などで適度な伐採が入り、チョウ生息に良好な
里山が、エネルギー改変により放置され、荒廃(遷移の進行)するに
つれ減少した。1996年安来市の調査では、里山周辺の草地で少ないな
がら観察されていたが、現在では遷移が進み確認できない年が続いて
いる。県全域で、なぜ激減しているのがはっきりとした要因がわから
ず、県内での発生状況や生息環境の詳しい調査が必要と思われる(島
根県,2014)47)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-125
表 8-8-7 (80) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[77]
ツマグロヒョウモン
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州、南西諸島に分布する。主に平地の耕作
地周辺、河川沿い、林縁などの非森林的環境に生息し、各種スミレ類
を食草とする(猪又,1986)39)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市、 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 夏、秋
置は不明。
江津市
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した平地の耕作地
や河川周辺、林縁等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(昆虫類)
[78]
メスグロヒョウモン
一般生態
現地調査
結果
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布する。雌は他のヒョウモ
ン類と異なり、翅表が青味がかった黒褐色で、白斑、白帯が目立つ。
年1化で成虫は暖地では6月から、山地、寒冷地では7月に入って姿を
見せる。暖地では越夏休眠し、秋に再び姿を見せる。樹林周辺や山地
の路傍などで多くみられオカトラノオ、アザミ類などの花を訪れる。
食草は各種のスミレ類。越冬態は初齢幼虫で、孵化した幼虫は摂食せ
ず春まで休眠に入る(白水ほか,1976)48)。
島根県では、低山地の雑木林の林縁などが主要生息地。ウツギ、ク
リ、ノアザミ、オカトラノオなどに訪花するのが観察されている。隠
岐諸島でも以前のように多く見られることがない。秋季見られる越夏
個体は人家周辺の草花で吸蜜するので発見されやすい(島根県,2014)
47)
。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-126
表 8-8-7 (81) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[79]
クモガタヒョウモン
項目
内容
一般生態
本種は、他のヒョウモン類に先駆けて、平地では5月中旬ごろより
出現する。低山地から山地まで広範囲に生息しているが、広い草原よ
りは雑木林周辺、谷筋にある明るい草地などで吸蜜しているのを見か
けることが多い。比較的ゆるやかに飛ぶが、人には敏感で近づくとす
ぐ飛び立つ。やがて夏眠に入り姿を消し、秋再び現われて活動し産卵
する。
島根県では、里山域を中心にして、県内全域(隠岐諸島・島根半島
含む)に低密度で分布していたが、近年は目撃することさえ困難にな
ってきた。以前の三瓶山では遊歩道沿いなどのウツギに集まることが
多かった。不用意に雑木林を伐採せず、その林縁部を欠かさず手入れ
していくなど、里山環境を保全していくことが望ましい(島根県,
2014)47)。
現地調査 現地調査では本種の生息は確認されなかった。
結果
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[80]
アサマイチモンジ
一般生態
本種は、翅長25-36㎜。日本固有種で本州のみに生息。スイカズラ
やタニウツギなどを食草に、年2回5~6月と8月に発生し樹林周辺で見
かける。良く似たイチモンジチョウと混生している場所もあるが、白
斑の違いなどで識別できる。発生場所にある花を訪れたり、吸水した
りする。幼虫で越冬する。
島根県では、低山地から山地にかけて生息しているが、良好だった
産地も放置されてクズなどが辺りを覆い、衰亡している所が多い。県
東部の観察では、遷移による環境の悪化のせいか、よく見られた三瓶
山や旧・仁多町も、一時まったく見られなくなった年もあったが、近
年少ないながら復活した。隠岐諸島からは未記録である(島根県,
2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市 H20年の現地調査で確認されたが、詳細な確認位 夏
置は不明。
H25~26年の現地調査では確認されなかった。
生息地の
重要な種に選定されてからの現地調査では確認されなかったため、
分布状況 生息地の分布状況は不明であるが、本種の生息に適した樹林等は、調
査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-127
表 8-8-7 (82) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[81]
ホシミスジ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布するが、東北、近畿以西では局所
的である。疎林周辺や明るい林縁に多いが、人家周辺でみられること
もある(桜井,1985)46)。
本種は、山陽側では年2~3回の発生といわれているが、県内では8
月には食樹イブキシモツケ、ユキヤナギの葉で巣を作り越冬態勢に入
り年1回の発生(まれに2化)。飛翔はゆるやかで、ウツギなどに訪花、
ときには吸水もする。近年、本県の個体群はmt-DNA研究によって特
異な個体群であることがわかった。また、隠岐諸島の4島に生息して
いる個体群も特異であり別亜種(ssp. yodoei )とされる。
島根県では、三瓶山、三階山、大麻山、立久恵峡、江の川流域(断
魚渓など)で記録されている。いずれの生息地もイブキシモツケなど
が生える露岩地。立久恵峡では6月に実施される殺虫剤空中散布によ
って激減した(島根県,2014)47)。
現地調査
結果
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
(昆虫類)
[82]
オオムラサキ
一般生態
現地調査
結果
本種は、北海道、本州、四国、九州に分布し、平地から山地にかけ
ての照葉樹林や落葉広葉樹林に生息する。幼虫はエノキとエゾエノキ
を食樹とし、成虫はクヌギなどの樹液を好み、吸汁に集まる(猪又,
1986)39)。
島根県では、県内広く低密度で確認されているが、浜田市では開発、
安来市のような自然林も樹液の出る樹が枯れるなど環境悪化が進ん
でいる。車の排ガスも影響が大きいと思われる。多産していた三瓶山
でも少なくなってきた(島根県,2014)47)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-128
表 8-8-7 (83) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(昆虫類)
[83]
ウラナミジャノメ
項目
内容
一般生態
本種は、本州(太平洋側では神奈川県西部、日本海側では福井県西
南部を結ぶ線より西側)、四国、九州(対馬、屋久島を含む)に分布
する。前翅長19~25mm。後翅表面の眼状紋は1個、裏面には3個(まれ
に4個)ある。本州ではおもに6~9月に年2回の発生。3~4齢幼虫で越
冬する。草原、湿原にすみ、草むらの中にもぐって隠れる性質が強い。
吸蜜に訪れることは少なく、腐果などで吸汁する。食草はイネ科のサ
サクサ、カヤツリグサ科など(渡辺,1991)64)。
島根県では、島根半島から益田市まで局地的に生息するが密度は低
い。比較的個体数の多い浜田市での観察では、日あたりのよい乾燥し
た休耕畑や手入れの少ない果樹園で、丈の低いチガヤ、アシボソなど
の茂った場所でよく見られた。最近の調査では県内における本種のも
っとも重要な生息環境は平地~低山地の露岩地であることが判明し
た。そこでの食草はヤマカモジグサと推測される(島根県,2014)47)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域外の3箇所で3例を確認。
初夏
生息地の
現地調査では、江津市波積町北、都治町の湿地や林縁で確認されて
分布状況 いる。本種の生息に適した草地や湿地等は、調査地域及びその周辺に
広く分布する。
8-8-129
表 8-8-7 (84) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(陸産貝類)
[1]
サツマムシオイ
項目
内容
一般生態
本種は、九州南部に分布する。殻高2.3mm、殻径3.8mm、32/3層。赤
褐~青白い褐色。胎殻2層の第1層は滑らかで、乳首のようにとびでる。
第2層は弱い螺状が現れる。螺層の終わりの11/4層は、肋線条がやや粗
く、不明瞭に螺状が加わり、太くなる。殻口近くの“くびれ”の内方
にある虫様管は長く、縫合にそって内方へのびる。殻口は斜位で円形。
口縁は狭く反転して重複唇となる。蓋はうすく滑らかで、赤褐色であ
る(東,1995)65)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の5箇所で17例を確認。
夏
江津市
事業実施区域外の2箇所で4例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光、温泉津町吉浦、温泉津町今浦、
分布状況 江津市黒松町の樹林で確認されている。本種の生息に適した樹林は、
調査地域及びその周辺に広く分布する。
(陸産貝類)
[2]
オオウエキビ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。殻は微小で、殻高3mm、殻
径2mm、6層。淡い黄褐色。円味のある円錐形。縫合は深く、螺層はよ
くふくれる。体層の周縁角は鋭い。殻底は緩やかな弧状となる。殻口
はほぼ菱形、その周縁はうすく鋭い。軸唇は少し斜めにひろがり、臍
孔の一部をおおう。臍孔は狭く小さく開く(東,1995)65)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
夏
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦、江津市後地町の樹林で確認さ
分布状況 れている。本種の生息に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広
く分布する。
8-8-130
表 8-8-7 (85) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(陸産貝類)
[3]
ヒメカサキビ
項目
内容
一般生態
本種は、本州、三宅島、八丈島、四国、九州に分布する。殻は微小
で、殻高2.2mm、殻径3mm、5層。淡い褐色で半透明。カサキビより著
しく低い円錐形。螺層は緩やかにふくれる。体層の周縁角は鋭く突起
している。殻表は繊細な糸状縦脈と、多少不明瞭な螺状脈を現す。殻
口はやや菱形、その周縁はうすい。軸唇はやや垂直にわずかにひろが
る。臍孔は狭く開いている。軟体は淡灰~赤褐色。触角は黒褐色(東,
1995)65)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で2例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町福光の樹林で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(陸産貝類)
[4]
ウメムラシタラガイ
一般生態
本種は、本州、四国、九州に分布する。コシタカシタラガイと比べ
ると体層の周縁に3本の螺状肋があるので区別できる。殻は微小で、
殻高1.2mm、殻径1.8mm、4層。うすく半透明で、淡い黄白色。螺塔は
低い円錐形。胎殻の1.5層は平滑、他の螺層の周縁には3本の細く鋭い
螺状脈がある。臍部はくぼむ。殻口は横に広い円形。外層はうすく鋭
い。臍孔は狭く開く(東,1995)64)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で2例を確認。
夏
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦の樹林で確認されている。本種
分布状況 の生息に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
8-8-131
表 8-8-7 (86) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(真正クモ類)
[1]
キノボリトタテグモ
項目
内容
一般生態
本種は、国内では本州から南西諸島まで分布するが一地域での個体
数がきわめて少なく、各地での減少が報告されている。日光の直射し
ないところの木の樹皮上やまれに岩上に、長さ3cm前後の入口に片開
戸をつけた筒状の巣を作る。入口は95%以上の巣が下向きで横向きや
斜め下向き、ごくまれに上向きがある。樹上のものは地上1mぐらいの
高さまでがほとんどである。産卵は7月下旬から8月上旬、1個体の産
卵数は10~70個。幼虫は巣内で越冬し春に巣内から出る。
島根県では、近年隠岐(島後)を含む県内各地で生息が確認された
が、それぞれの地での生息個体数は、きわめて少ない(島根県,2014)
66)
。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の2箇所で2例を確認。
春
事業実施区域外の2箇所で2例を確認。
生息地の
現地調査では、江津市黒松町、後地町の樹林で確認されている。本
分布状況 種の生息に適した樹林(樹皮上や岩上)等は、調査地域及びその周辺
に広く分布する。
(真正クモ類)
[2]
ムラクモヒシガタグ
モ
一般生態
本種は、北海道、本州、四国、九州及び南西諸島に分布する。平地
~山地に広く分布。都市部の庭園、公園、雑木林の周辺、林道などの
樹木や草の枝葉間、根本付近、石垣、岩場、崖地などにX字状網を張
り、歩いてくるアリや小昆虫を捕らえる。夜間造網することが多く、
昼間は枝や葉裏に静止する(新海,2006)67)。
島根県では、仁多郡鬼の舌震での記録のみである。スイーピングに
より採集された。樹間に複雑網を張る(島根県,2014)66)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
大田市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
春、秋
江津市
事業実施区域外の1箇所で1例を確認。
生息地の
現地調査では、大田市温泉津町吉浦、江津市後地町の樹林で確認さ
分布状況 れている。本種の生息に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広
く分布する。
8-8-132
表 8-8-7 (87) 学術上又は希少性の観点から重要な動物の確認状況等
種名等
(真正クモ類)
[3]
キジロオヒキグモ
項目
内容
一般生態
本種は、本州(南部)、四国、九州、南西諸島に分布する。おもに
針葉樹林内に生息している。樹木の枝のつけ根にキレ網を張り、中心
にとまる(千国,1989)68)。
島根県では、益田市七尾山中腹でメス1個体の記録があるのみ。1月
の月平均気温2℃以上の地に生息する暖地系のクモである。1980年4月
に益田市七尾山中腹のヤブツバキの樹林にキレ網に占座するメスの
成体1個体を発見する。一晩室内で造網の様子を観察し同場所にはな
すも再度発見されていない。九州南部、南西諸島の亜熱帯性気候の地
では山地の樹林でごく普通にみられる(島根県,2014)66)。
現地調査 確認位置 事業実施区域との関係及び生息状況、生息環境 確認時期
結果
江津市
事業実施区域内の1箇所で1例を確認。
秋
生息地の
現地調査では、江津市後地町の樹林で確認されている。本種の生息
分布状況 に適した樹林等は、調査地域及びその周辺に広く分布する。
(真正クモ類)
[4]
イソコモリグモ
一般生態
現地調査
結果
本種は、北海道(石狩海岸)・本州(青森県から日本海側は島根県、
太平洋側は茨城県まで)に分布するが一地域での個体数は少なく、各
地域での減少が心配されている。体長メス23㎜、オス17㎜。背甲は黒
灰色で白毛を生じ、中央に一対の黒点がある。海岸の波打ち際より離
れた海浜植物の根元近くに穴を掘って棲む。
島根県では、出雲市から益田市までの自然度の高い海浜環境で生息
が確認されているが、いずれの海岸も波打ち際から離れた海浜植生の
見られる環境に巣穴を掘っていた(島根県,2014)66)。
現地調査では本種の生息は確認されなかった。
生息地の
現地調査では生息が確認されておらず、生息状況及び生息地の分布
分布状況 状況は不明である。
8-8-133
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66)島根県:改訂しまねレッドデータブック 2014 動物編 ~島根県の絶滅のおそれのある野生動
物~,島根県,2014.
67)新海栄一:ネイチャーガイド 日本のクモ,文一総合出版,2006.
68)千国安之輔:写真・日本クモ類大図鑑,偕成社,1989.
8-8-136
2) 予測の結果
(1) 予測項目
予測項目は、道路の存在及び工事の実施による重要な種及び注目すべき生息地への影響の程
度とし、予測の対象は事業実施区域及びその周囲で現地調査により生息を確認した重要な種と
した。
(2) 予測手法
道路の存在及び工事の実施に係る動物の予測は、表 8-8-8 に示す方法により行った。
表 8-8-8 道路の存在及び工事の実施に係る動物の予測方法
影響要因
予測方法
重要な種等の生息地
道路構造、工事施工ヤード及び工事用道路等と重要な種の生息地及び
注目すべき生息地の分布状況から生息環境が消失・縮小する区間及び
重要な種等の移動経路が分断される区間並びにその程度を把握した。
の消失・縮小等
また、道路の存在及び工事の実施における、対象種の生態を踏まえた
生息環境の質的変化(夜間照度、水環境)の程度を把握した。加えて、
重要な鳥類(猛禽類等)の営巣地が事業実施区域周辺で確認されたた
め、建設機械の稼動による猛禽類等の繁殖活動への影響の程度を把握
した。
次に、それらが重要な種等の生息に及ぼす影響の程度を生態学的知見
や類似事例を参考に定性的に予測した。
(3) 予測地域
予測地域は、調査地域と同じ地域とした。
(4) 予測対象時期
予測対象時期は、事業特性及び重要な種等の生態を踏まえ、道路の存在及び工事の実施によ
る影響が最大になるおそれのある時期とした。
8-8-137
(5) 予測結果
道路の存在及び工事の実施に係る動物の予測結果は、表 8-8-9 に示すとおりである。
なお、予測結果の記述にあたっては、重要な種の確認地点と影響範囲との位置関係並びに、
それらの生息環境である森林、
草地、
及び河川や溜池等の水辺とその行動範囲等の類似性から、
環境影響の程度が同程度と考えられる種ごとにまとめた。
なお、対象道路の平均的な道路幅を 50mとし、影響範囲はその端部から水平距離 250mの範
囲*に設定した。
*「道路環境影響評価の技術手法(平成 24 年度版)」
(国総研資料第 714 号 13.1~13.3)に
よると、道路の影響が及ぶ対象事業実施区域及びその周辺は、
「現地調査により、動物種の
分布、重要な種等の生息状況等について正確な情報を得る必要があり、動物の調査範囲の
目安を、従来の環境影響評価における踏査を行う範囲の設定事例を参考に対象道路事業実
施区域及びその端部から 250m程度とした。」としている。
8-8-138
【予測手法】
■直接改変の影響の検討
■質的変化の影響の検討
・工事の実施:地表部が改変される区域
・工事の実施:水環境の変化及び建設機
(工事用道路、工事施工ヤード)と予測
械の稼働(猛禽類等)による質的な
変化が生じる区域と予測対象種の分
布の重ね合わせ
・道路の存在:夜間照度の変化による質
的な変化が生じる区域と予測対象種
の分布の重ね合わせ
対象種等の分布との重ね合わせ
・道路の存在:地表部が改変される区域
(道路区域)と予測対象種等の分布との
重ね合わせ
【予測結果】
【直接改変の影響程度の考え方】
■生息地(確認地
点)の全て及び生
息環境の大部分
が消失する場合
■生息地(確認地点)
又は生息環境を縮
小・分断するが、
周辺に生息環境が
残される場合
■生息地(確認地点)
又は生息環境の縮
小・分断は一部に
限られ、周辺には
生息環境が広く残
される場合
■生息地(確認地点)
及び生息環境を改
変しない場合
A.影響は大きい
B.影響は小さい
C.影響は極めて
小さい
D.影響はない
【質的変化の影響程度の考え方】
■夜間照度及び水
環境の変化、建設
機械の稼働(猛禽
類等)等により、
生息環境が質的
に変化し、生息が
困難で、周辺に生
息環境がない場
合
■夜間照度及び水
環境の変化、建設
機械の稼働(猛禽
類等)により、生
息環境が質的に変
化し、部分的に生
息が困難となる可
能性があるが、周
辺に生息環境が残
される場合
■夜間照度及び水
環境の変化、建設
機械の稼働(猛禽
類等)による生息
環境の質的な変化
は多少生じるが、
生息地(確認地点)
への影響はない場
合
■夜 間 照 度 及 び 水
環境の変化、建設
機械の稼働(猛禽
類等)による生息
環境の質的な変化
は生じない場合
A.影響は大きい
B.影響は小さい
C.影響は極めて
小さい
D.影響はない
「直接改変」及び「質的変化」の影響の程度を踏まえて
予測対象種ごとに事業が及ぼす影響の程度を予測
図 8-8-11 予測の基本的な考え方
8-8-139
表 8-8-9(1) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:哺乳類
主な生息環境:森林、河川等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]キクガシラコウモリ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限されるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用す
る計画であり、主要な生息環境である森林や河川環境等の改変は一部に限られる。
また、周辺には同様の環境が広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的
変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林や河川環境等の一部を改変するが、同様の
る影響の予測
環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(2) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:哺乳類
主な生息環境:森林、河川等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[2]ホオヒゲコウモリ属
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限されるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用す
る計画であり、主要な生息環境である森林や河川環境等の改変は一部に限られる。
また、周辺には同様の環境が広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的
変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林や河川環境等の一部を改変するが、同様の
る影響の予測
環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-140
表 8-8-9(3) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:哺乳類
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[3]ニホンザル
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限されるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用す
る計画であり、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られる。また、周辺
には同様の環境が広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による
影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変するが、同様の環境は周辺
る影響の予測
にも広く分布する。また、土工区間では生息地の分断や対象道路への侵入に伴うロ
ードキル等の可能性があるが、本種は移動能力に優れ、橋梁構造やボックスカルバ
ート等の横断構造物の設置により移動経路は確保されることから、直接改変による
影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(4) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:哺乳類
主な生息環境:森林、水田、河川等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[6]イタチ科
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限されるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用す
る計画であり、主要な生息環境である森林や水田等の改変は一部に限られる。また、
周辺には同様の環境が広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化に
よる影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林や水田等の一部を改変するが、同様の環境
る影響の予測
は周辺にも広く分布する。また、土工区間では生息地の分断や対象道路への侵入に
伴うロードキル等の可能性があるが、本種は移動能力に優れ、橋梁構造やボックス
カルバート等の横断構造物の設置により移動経路は確保されることから、直接改変
による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-141
表 8-8-9(5) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林、河川、海岸等
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認あり
種名等
[12]ミサゴ
事業実施区域周辺では本種の営巣地が確認されているほか、繁殖を示唆する行動
工事の実施によ
が多数確認されている。また、今後工事箇所に接近する場所に営巣する可能性があ
る影響の予測
るが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としている
ため、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られることから、直接改変に
よる影響は小さいものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、営巣地は工事箇所から影響がない程度に十分離れ
ていること、周辺には本種の営巣・採餌環境である森林や海岸等が広く分布するこ
とから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は本種の営巣地を直接改変しないが、今後対象道路に接近する場所に営
道路の存在によ
巣する可能性がある。また、対象道路は主要な生息環境である森林や河川等の一部
る影響の予測
を改変し、通行車両が発生する騒音や振動により生息及び繁殖への影響が考えられ
るが、周辺には本種の営巣・採餌環境である森林や海岸等が広く分布することから、
直接改変による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
表 8-8-9(6) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認あり
種名等
[13]ハチクマ
事業実施区域周辺では本種の営巣地が確認されているほか、繁殖を示唆する行動
工事の実施によ
が多数確認されている。また、今後工事箇所に接近する場所に営巣する可能性があ
る影響の予測
るが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としている
ため、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られることから、直接改変に
よる影響は小さいものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、営巣地は工事箇所から影響がない程度に十分離れ
ていること、周辺には本種の営巣・採餌環境である森林が広く分布することから、
生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は本種の営巣地を直接改変しないが、今後対象道路に接近する場所に営
道路の存在によ
巣する可能性がある。
また、対象道路は主要な生息環境である森林の一部を改変し、
る影響の予測
通行車両が発生する騒音や振動により生息及び繁殖への影響が考えられるが、周辺
には本種の営巣・採餌環境である森林が広く分布することから、直接改変による影
響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
8-8-142
表 8-8-9(7) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:海岸、河口等
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[14]オジロワシ
工事の実施によ
本種は当該地域に冬鳥として稀に渡来する程度である。また、本種の生息・採餌
る影響の予測
環境である海岸や河口等は主に事業実施区域外に分布することから、直接改変及び
生息環境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はないものと予測され
る。
道路の存在によ
本種は当該地域に冬鳥として稀に渡来する程度である。また、本種の生息・採餌
る影響の予測
環境である海岸や河口等は主に事業実施区域外に分布することから、直接改変によ
る影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はないものと予測され
る。
表 8-8-9(8) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:海岸、河口等
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[15]オオワシ
工事の実施によ
本種は当該地域に冬鳥として稀に渡来する程度である。また、本種の生息・採餌
る影響の予測
環境である海岸や河口等は主に事業実施区域外に分布することから、直接改変及び
生息環境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はないものと予測され
る。
道路の存在によ
本種は当該地域に冬鳥として稀に渡来する程度である。また、本種の生息・採餌
る影響の予測
環境である海岸や河口等は主に事業実施区域外に分布することから、直接改変によ
る影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はないものと予測され
る。
8-8-143
表 8-8-9(9) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林、農耕地
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認あり
種名等
[16]オオタカ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では本種の営巣地が確認されているほか、繁殖を示唆する行動
る影響の予測
が多数確認されている。また、今後工事箇所に接近する場所に営巣する可能性があ
るが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としている
ため、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られることから、直接改変に
よる影響は小さいものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、営巣地は工事箇所から影響がない程度に十分離れ
ていること、周辺には本種の営巣・採餌環境である森林や農耕地が広く分布するこ
とから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種の営巣地を直接改変しないが、今後対象道路に接近する場所に営
る影響の予測
巣する可能性がある。また、対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変
し、通行車両が発生する騒音や振動により生息及び繁殖への影響が考えられるが、
周辺には本種の営巣・採餌環境である森林や農耕地が広く分布することから、直接
改変による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
表 8-8-9(10) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林等
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[17]ツミ
工事の実施によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である森林等は周辺にも広く分布することから、直接
改変及び生息環境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はないものと予測され
る。
道路の存在によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である森林等は周辺にも広く分布することから、直接
改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はないものと予測され
る。
8-8-144
表 8-8-9(11) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林、農耕地
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[18]ハイタカ
工事の実施によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である森林や農耕地は周辺にも広く分布することから、
直接改変及び生息環境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はないものと予測され
る。
道路の存在によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である森林や農耕地は周辺にも広く分布することから、
直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はないものと予測され
る。
表 8-8-9(12) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林、水田
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認あり
種名等
[19]サシバ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では本種の営巣地が確認されているほか、繁殖を示唆する行動
る影響の予測
が多数確認されている。また、今後工事箇所に接近する場所に営巣する可能性があ
るが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としている
ため、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られることから、直接改変に
よる影響は小さいものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、営巣地は工事箇所から影響がない程度に十分離れ
ていること、周辺には本種の営巣・採餌環境である水田及び隣接する樹林が広く分
布することから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種の営巣地を直接改変しないが、今後対象道路に接近する場所に営
る影響の予測
巣する可能性がある。また、対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変
し、通行車両が発生する騒音や振動により生息及び繁殖への影響が考えられるが、
周辺には本種の営巣・採餌環境である水田及び隣接する樹林が広く分布することか
ら、直接改変による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
8-8-145
表 8-8-9(13) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:森林
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[20]クマタカ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では本種の営巣は確認されていない。工事用道路及び工事施工
る影響の予測
ヤードは対象道路上を極力利用する計画としているため、主要な生息環境である森
林の改変は一部に限られることから、直接改変による影響は極めて小さいものと考
えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により利
用が制限されるが、周辺には主要な生息環境である森林が広く分布することから、
生息環境の質的変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林の一部を改変するが、周辺には同様の環境
る影響の予測
が広く分布すること、本種の営巣は確認されていないことから、直接改変による影
響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(14) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:草地、湿地
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[21]ハイイロチュウヒ
工事の実施によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である草地や湿地は周辺にも広く分布することから、
直接改変及び生息環境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はないものと予測され
る。
道路の存在によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である草地や湿地は周辺にも広く分布することから、
直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はないものと予測され
る。
8-8-146
表 8-8-9(15) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:海岸崖地、森林
確認位置・状況:事業実施区域から離れた箇所で営巣確認あり
種名等
[22]ハヤブサ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では繁殖を示唆する行動が確認されているほか、事業実施区域
る影響の予測
から影響がない程度に十分離れた海岸で営巣地が確認されている。工事用道路及び
工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としているため、主要な生息環境
である森林等の改変は一部に限られることから、直接改変による影響は極めて小さ
いものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により利
用が制限されるが、営巣地は工事箇所から影響がない程度に十分離れていること、
本種の生息・営巣環境である海岸部の崖地や森林は周辺にも広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林の一部を改変するが、周辺には同様の環境
る影響の予測
が広く分布する。また、営巣地は対象道路から影響がない程度に十分離れているこ
と、本種の生息・営巣環境である海岸部の崖地や森林は周辺にも広く分布すること
から、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(16) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(猛禽類(ワシタカ)
)
:草地、農耕地
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認なし
種名等
[24]チョウゲンボウ
工事の実施によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である草地や農耕地は周辺にも広く分布することから、
直接改変及び生息環境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はないものと予測され
る。
道路の存在によ
本種は当該地域を越冬個体や渡りの移動途中の個体が稀に利用する程度である。
る影響の予測
また、本種の生息・採餌環境である草地や農耕地は周辺にも広く分布することから、
直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はないものと予測され
る。
8-8-147
表 8-8-9(17) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類 :鳥類(一般鳥類)
主な生息環境 :森林等
確認位置・状況:事業実施区域周辺で古巣あり
種名等
[6]ミゾゴイ
事業実施区域周辺では本種の営巣地は確認されていないが、近年営巣していたと
工事の実施によ
思われる古巣が確認されている。また、付近で鳴き声も確認されていることから、
る影響の予測
事業実施区域周辺には生息環境が分布しており、今後対象道路に接近する場所に営
巣する可能性が考えられるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力
利用する計画としているため、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られ
ることから、直接改変による影響は小さいものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、平成25~26年の調査で古巣が確認された樹林は工
事箇所から影響がない程度に十分離れていること、周辺には本種の生息・営巣環境
である森林等が広く分布することから、生息環境の質的変化による影響は小さいも
のと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は本種の営巣地(古巣)を直接改変しないが、今後対象道路に接近する
道路の存在によ
場所に営巣する可能性がある。また、対象道路は主要な生息環境である森林等の一
る影響の予測
部を改変し、通行車両が発生する騒音や振動により生息及び繁殖への影響が考えら
れるが、周辺には本種の生息・営巣環境である森林等が広く分布することから、直
接改変による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
表 8-8-9(18) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類 :鳥類(一般鳥類)
主な生息環境 :湿地
確認位置・状況:事業実施区域周辺で繁殖可能性地域あり
種名等
[26]ヒクイナ
事業実施区域周辺では本種の繁殖を示唆する行動が確認されている。工事用道路
工事の実施によ
及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としているため、主要な生
る影響の予測
息・営巣環境である湿地の改変はごく一部に限られることから、直接改変による影
響は小さいものと考えられる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、工事箇所に近接する湿地の面積は広範囲に広がっ
ていること、周辺には本種の生息・営巣環境である湿地が広く分布することから、
生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は本種が繁殖している可能性が高い湿地付近を通過することから、本種
道路の存在によ
の生息・営巣環境である湿地の一部を改変するが、周辺には同様の環境が広く分布
る影響の予測
することから、直接改変による影響は小さいものと考えられる。
対象道路が繁殖の可能性がある湿地付近を通過する箇所では、通行車両が発生す
る騒音や振動、道路照明や通行車両の灯火に起因する夜間照度の変化により生息及
び繁殖への影響が考えられるが、
対象道路は湿地の外縁を通過する計画であるため、
湿地の改変は最小限に抑えること、周辺には本種の生息・営巣環境である湿地が広
く分布することから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
8-8-148
表 8-8-9(19) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類
主な生息環境
:鳥類(一般鳥類)
:森林等
確認位置・状況:事業実施区域周辺で営巣確認あり
種名等
[33]フクロウ
工事の実施によ
事業実施区域内で本種の営巣地が確認されているほか、周辺地域で繁殖を示唆す
る影響の予測
る行動が多数確認されている。工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力
利用する計画としているため、営巣地の改変はなく、主要な生息・営巣環境である
森林等の改変は一部に限られることから、直接改変による影響は小さいものと考え
られる。
工事箇所周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在により繁
殖活動への影響が考えられるが、営巣地と工事箇所の間には尾根が存在するため、
樹洞からは工事箇所が直接視認できないこと、周辺には本種の生息・営巣環境であ
る森林等が広く分布することから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと
考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種の営巣地を直接改変しない。また、主要生息・営巣環境である森
る影響の予測
林等の一部を改変するが、周辺には本種の生息・営巣環境である森林等が広く分布
することから、直接改変による影響は小さいものと考えられる。
対象道路が営巣地付近を通過する箇所では、通行車両が発生する騒音や振動、道
路照明や通行車両の灯火に起因する夜間照度の変化により生息及び繁殖への影響が
考えられるが、対象道路と営巣木の間には尾根が存在し、樹洞からは対象道路を直
接視認できないこと、周辺には本種の生息・営巣環境である森林等が広く分布する
ことから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
表 8-8-9(20) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:海域、海岸等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[2]オオミズナギドリ、[3]ヒメウ、[5]ウミウ、[8]クロサギ、[27]シロチドリ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限される可能性があるが、これらの種が確認された箇所は影響範囲外に
位置する。また、主要な生息環境である海域や海岸等の改変はなく、同様の環境は
周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による影響はな
いものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れている。
る影響の予測
また、主要な生息環境である海域や海岸等の改変はなく、同様の環境は周辺にも広
く分布することから、直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
8-8-149
表 8-8-9(21) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:河川、湖沼等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[4]カワウ、[11]オシドリ、[38]カワセミ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限される可能性があるが、これらの種が確認された箇所は影響範囲外に
位置する。また、主要な生息環境である河川環境を改変する可能性があるが、工事
用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としているため、生息
環境の改変は一部に限られること、同様の環境は周辺にも広く分布することから、
直接改変及び生息環境の質的変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れている。
る影響の予測
また、主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、同様の環境は周辺にも
広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(22) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:河川、湖沼等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[9]マガン、[36]ヤマセミ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限される可能性があるが、両種が確認された箇所は影響範囲外に位置す
る。また、主要な生息環境である河川環境や溜池等の改変はなく、同様の環境は周
辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による影響はない
ものと考えられる。
これらのことから、
工事の実施による両種への環境影響はないものと予測される。
道路の存在によ
道路の存在による影響については、対象道路は両種が確認された箇所から影響が
る影響の予測
ない程度に十分離れており、また、主要な生息環境である河川環境や溜池等の改変
はなく、同様の環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はない
ものと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による両種への環境影響はないものと予測される。
8-8-150
表 8-8-9(23) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:水田、湿地等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[7]チュウサギ、[25]クイナ、[41]コシアカツバメ、[46]ノビタキ、
[47]コヨシキリ、[51]ホオアカ、[52]ノジコ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限されるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用す
る計画であり、主要な生息環境である水田や湿地等の改変は一部に限られる。また、
同様の環境は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化に
よる影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である水田や湿地等の一部を改変し、橋梁の直下では
る影響の予測
ヨシ類等の草本類の生育が抑制される可能性があるが、同様の環境は周辺にも広く
分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(24) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:水田、農耕地等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[28]ケリ、[42]ツメナガセキレイ、[50]コジュリン
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限される可能性があるが、これらの種が確認された箇所は影響範囲外に
位置する。また、主要な生息環境である水田や農耕地等を改変するが、工事用道路
及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としているため、生息環境の
改変は一部に限られること、同様の環境は周辺にも広く分布することから、直接改
変及び生息環境の質的変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れている。
る影響の予測
また、主要な生息環境である水田や農耕地等の一部を改変するが、同様の環境は周
辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられ
る。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
8-8-151
表 8-8-9(25) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[34]アオバズク、[43]サンショウクイ、
[49]サンコウチョウ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限されるが、工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用す
る計画であり、主要な生息環境である森林等の改変は一部に限られる。また、同様
の環境は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による
影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変するが、同様の環境は周辺
る影響の予測
にも広く分布することから、
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(26) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:鳥類(一般鳥類)
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[31]オオコノハズク、[32]コノハズク、[35]ヨタカ、[37]アカショウビン、
[39]ブッポウソウ、[40]ヤイロチョウ、[44]チゴモズ、[45]コルリ、
[48]コサメビタキ、[53]クロジ
工事の実施によ
事業実施区域周辺では建設機械の稼働により発生する騒音や振動、人の存在によ
る影響の予測
り利用が制限される可能性があるが、これらの種が確認された箇所は影響範囲外に
位置する。また、主要な生息環境である森林等を改変するが、工事用道路及び工事
施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画としているため、生息環境の改変は一
部に限られること、同様の環境は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生
息環境の質的変化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れている。
る影響の予測
また、主要な生息環境である森林等の一部を改変するが、同様の環境は周辺にも広
く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
8-8-152
表 8-8-9(27) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:両生類
主な生息環境:森林、水田、湿地、溜池等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]カスミサンショウウオ、[3]アカハライモリ、[5]トノサマガエル、
[6]モリアオガエル
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である森林や水田、湿地等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は
る影響の予測
周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えら
れる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、生息地は影響範囲外にも広く分布することから、生息環境の質的変
化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林や水田、湿地等の一部を改変するが、同様
る影響の予測
の環境は周辺にも広く分布する。また、対象道路より斜面下方側では水脈の分断に
よる水量の変化に伴う繁殖に適した環境への影響の可能性、土工区間では生息地の
分断や対象道路への侵入に伴う轢殺等の移動阻害の可能性があるが、橋梁構造やパ
イプカルバート等の横断構造物の設置により移動経路と水脈は確保されることか
ら、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(28) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:両生類
主な生息環境:渓流、細流
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[4]タゴガエル
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、本種が
工事の実施によ
確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である渓流や
る影響の予測
細流は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による影
響はないものと考えられる。
これらのことから、
工事の実施による本種への環境影響はないものと予測される。
対象道路は本種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、主要な
道路の存在によ
生息環境である渓流や細流は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響
る影響の予測
はないものと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による本種への環境影響はないものと予測される。
8-8-153
表 8-8-9(29) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:爬虫類
主な生息環境:河川、溜池
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[2]ニホンイシガメ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、生息環境である河川環境
る影響の予測
は事業実施区域の上下流にも広く分布するほか、生息可能な溜池も複数存在するこ
とから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、生息地は影響範囲外にも広く分布することから、生息環境の質的変
化による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
対象道路は主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、同様の環境は対
道路の存在によ
象道路の上下流にも広く分布するほか、生息可能な溜池も複数存在することから、
る影響の予測
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(30) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:爬虫類
主な生息環境:河川
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[3]ニホンスッポン
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、本種が
工事の実施によ
確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である河川環
る影響の予測
境は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による影響
はないものと考えられる。
これらのことから、
工事の実施による本種への環境影響はないものと予測される。
対象道路は本種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、主要な
道路の存在によ
生息環境である河川環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は
る影響の予測
ないものと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による本種への環境影響はないものと予測される。
8-8-154
表 8-8-9(31) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:爬虫類
主な生息環境:森林、湿地等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[4]ジムグリ、[5]シロマダラ、[6]ヒバカリ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である森林や湿地等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺に
る影響の予測
も広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
道路の存在によ
対象道路は主要な生息環境である森林や湿地等の一部を改変するが、同様の環境
る影響の予測
は周辺にも広く分布する。また、土工区間では生息地の分断や対象道路への侵入に
伴う轢殺等の移動阻害の可能性があるが、橋梁構造やパイプカルバート等の横断構
造物の設置により移動経路は確保されることから、直接改変による影響は極めて小
さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(32) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:魚類(降河回遊魚)
主な生息環境:河川
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[2]ニホンウナギ、[7]カマキリ(アユカケ)
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、同様の環境は事業実施区
る影響の予測
域の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による両種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、河川横断構造物
道路の存在によ
は設置しないため移動経路は確保されること、生息環境である河川環境は対象道路
る影響の予測
の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考
えられる。
これらのことから、道路の存在による両種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-155
表 8-8-9(33) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:魚類(純淡水魚)
主な生息環境:河川、水田、溜池等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[4]ドジョウ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境や水田等の改変は一部に限られる。また、生息環境である
る影響の予測
河川環境は事業実施区域の上下流にも広く分布するほか、生息可能な水田や溜池等
も多数存在することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種の生息地である細流のたまり水1箇所を改変するが、
たまり水での
る影響の予測
確認個体数は平成20年の夏季、秋季にそれぞれ1個体、平成25年の夏季に1個体が確
認されたのみであり、生息が確認された他の河川や溜池と比較すると少なく、周辺
の水域とも細流で繋がっているため生息環境の連続性は保たれている。また、対象
道路周辺には本種の生息地として2河川及び溜池1箇所が存在するほか、生息・繁殖
環境である水田等も広く分布するため、地域個体群として存続、維持されるものと
考えられることから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(34) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:魚類(純淡水魚)
主な生息環境:河川、水路等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[5]チュウガタスジシマドジョウ
工事の実施によ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
る影響の予測
生息環境である河川環境や水路等の改変は一部に限られる。また、生息環境である
河川環境や水路等は事業実施区域の上下流にも広く分布することから、直接改変に
よる影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、生息地である松井池を改変しないこと、工事箇所の上流側や影響範
囲外にも生息環境が広く分布することから、生息環境の質的変化による影響は小さ
いものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は本種の生息地である松井池を改変しない。また、対象道路は主要な生
道路の存在によ
息環境である河川や水路を橋梁構造等で通過する計画であり、河川環境の一部を改
る影響の予測
変するが、河川横断構造物は設置しないため移動経路は確保されること、生息環境
である河川環境は対象道路の上下流にも広く分布することから、直接改変による影
響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-156
表 8-8-9(35) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:魚類(純淡水魚)
主な生息環境:河川、水田、溜池等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[6]メダカ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境や水田等の改変は一部に限られる。また、生息環境である
る影響の予測
河川環境は事業実施区域の上下流にも広く分布するほか、生息可能な水田や溜池も
多数存在することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種の生息地である細流のたまり水1箇所を改変するが、
たまり水での
る影響の予測
確認個体数は平成20年の夏季、秋季にそれぞれ4個体、平成25~26年の春季、夏季に
6~7個体が確認されたのみであり、生息が確認された他の河川や溜池と比較すると
少なく、
周辺の水域とも細流で繋がっているため生息環境の連続性は保たれている。
また、対象道路周辺には本種の生息地として3河川及び溜池7箇所が存在するため、
地域個体群として存続、維持されるものと考えられることから、直接改変による影
響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(36) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:魚類(陸封型)
主な生息環境:溜池、河川等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[8]シンジコハゼ
工事の実施によ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
る影響の予測
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、生息環境である河川環境
は事業実施区域の上下流にも広く分布するほか、生息可能な溜池も複数存在するこ
とから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、生息地である長沢池を改変しないこと、工事箇所の上流側や影響範
囲外にも生息環境が広く分布することから、生息環境の質的変化による影響は小さ
いものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は本種の生息地である長沢池を改変しない。また、対象道路は主要な生
道路の存在によ
息環境である河川環境の一部を改変するが、河川横断構造物は設置しないため移動
る影響の予測
経路は確保されること、生息環境である河川環境は対象道路の上下流にも広く分布
するほか、生息可能な溜池も複数存在することから、直接改変による影響は極めて
小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-157
表 8-8-9(37) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:水産貝類
主な生息環境:河川、溜池等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]オオタニシ
工事の実施によ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
る影響の予測
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、生息環境である河川環境
は事業実施区域の上下流にも広く分布するほか、生息可能な溜池も複数存在するこ
とから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、同様の環境は対
道路の存在によ
象道路の上下流にも広く分布するほか、生息可能な溜池も複数存在することから、
る影響の予測
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(38) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:水産貝類
主な生息環境:河川、溜池等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[2]ヒラマキミズマイマイ
工事の実施によ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
る影響の予測
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、生息環境である河川環境
は事業実施区域の上下流にも広く分布するほか、生息可能な溜池も複数存在するこ
とから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種の生息地である細流のたまり水1箇所を改変するが、
同様の環境は
る影響の予測
対象道路の上下流に位置する細流にも分布する。また、主要な生息環境である河川
や溜池は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいもの
と考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-158
表 8-8-9(39) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:甲殻類(淡水性両側回遊型)
主な生息環境:河川等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]ヒメヌマエビ、[2]トゲナシヌマエビ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、同様の環境は事業実施区
る影響の予測
域の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による両種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、河川横断構造物
道路の存在によ
は設置しないため移動経路は確保されること、生息環境である河川環境は対象道路
る影響の予測
の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考
えられる。
これらのことから、道路の存在による両種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(40) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:甲殻類(純淡水型)
主な生息環境:河川、溜池
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[3]ミナミヌマエビ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、本種の
工事の実施によ
生息地である菰沢池は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である溜
る影響の予測
池等は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境の質的変化による影
響はないものと考えられる。
これらのことから、
工事の実施による本種への環境影響はないものと予測される。
対象道路は生息地である菰沢池から影響がない程度に十分離れており、主要な生
道路の存在によ
息環境である溜池等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はない
る影響の予測
ものと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による本種への環境影響はないものと予測される。
8-8-159
表 8-8-9(41) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類(夜間発光により繁殖活動を行う種)
主な生息環境:河川等の流水域
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[50]ゲンジボタル
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、同様の環境は事業実施区
る影響の予測
域の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、同様の環境は対
道路の存在によ
象道路の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいも
る影響の予測
のと考えられる。
本種は繁殖活動として夜間に発光する種であり、対象道路が生息地と近接する場
所では、道路照明や通行車両の灯火による夜間照度の変化により生息環境が質的に
変化する可能性があるが、生息環境である河川環境は対象道路の上下流にも広く分
布することから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による本種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
表 8-8-9(42) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類(正の走光性を有する種)
主な生息環境:溜池等の止水域
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[29]ミヤケミズムシ、[45]スジヒラタガムシ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である溜池等の止水環境の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周
る影響の予測
辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられ
る。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、影響範囲外にも生息環境である溜池等の止水環境が広く分布するこ
とから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による両種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である溜池等の止水環境の一部を改変するが、同様の
道路の存在によ
環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
る影響の予測
考えられる。
両種は正の走光性を有する種であり、対象道路が生息地と近接する場所では、道
路照明や通行車両の灯火にする夜間照度の変化により生息環境が質的に変化する可
能性があるが、
生息環境である溜池等の止水環境は周辺にも広く分布することから、
生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在による両種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
8-8-160
表 8-8-9(43) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:河川等の流水域
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[5]キイロサナエ、[6]タベサナエ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である河川環境の改変は一部に限られる。また、同様の環境は事業実施区
る影響の予測
域の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、工事箇所の上流側や影響範囲外にも生息環境が広く分布することか
ら、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による両種への環境影響はあるが、その程度は小
さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である河川環境の一部を改変するが、同様の環境は対
道路の存在によ
象道路の上下流にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいも
る影響の予測
のと考えられる。
これらのことから、道路の存在による両種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
表 8-8-9(44) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:溜池、湿地等の止水域
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]ホソミイトトンボ、[2]モートンイトトンボ、[3]オツネンヤンマ、
[7]オグマサナエ、[10]サラサヤンマ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である溜池や湿地等の止水環境の改変は一部に限られる。また、同様の環
る影響の予測
境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考
えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、影響範囲外にも生息環境である溜池や湿地等の止水環境が広く分布
することから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はあるが、その程
度は小さいものと予測される。
対象道路は主要な生息環境である溜池等の止水環境の一部を改変するが、同様の
道路の存在によ
環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
る影響の予測
考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
8-8-161
表 8-8-9(45) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類(正の走光性を有する種、夜間発光により繁殖活動を行う種)
主な生息環境:溜池、湿地等の止水域・緩流域
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[39]ムラサキトビケラ、[41]タナカツヤハネゴミムシ、[51]ヘイケボタル
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である湿地等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺にも広く
る影響の予測
分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
事業実施区域が生息地と近接する場所では、工事の際に水環境に変化が生じる可
能性があるが、生息地は改変箇所の低標高側には存在しないこと、生息環境である
溜池や湿地等は周辺にも広く分布することから、生息環境の質的変化による影響は
極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
対象道路は主要な生息環境である湿地等の止水環境の一部を改変するが、同様の
道路の存在によ
環境は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと
る影響の予測
考えられる。
正の走光性を有するムラサキトビケラ及びタナカツヤハネゴミムシは道路照明に
より誘引される可能性があり、繁殖活動として夜間に発光するヘイケボタルは繁殖
活動等を阻害される可能性があるが、生息環境である溜池や湿地等は周辺にも広く
分布することから、生息環境の質的変化による影響は小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はあるが、その程
度は小さいものと予測される。
表 8-8-9(46) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:溜池、湿地等の止水域・緩流域
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[4]ムカシヤンマ、[8]アオヤンマ、[9]カトリヤンマ、[11]ハッチョウトンボ、
[13]ヒメアカネ、[53]キンイロネクイハムシ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、これら
工事の実施によ
の種が確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である
る影響の予測
溜池や湿地等の止水環境等は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環
境の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、
る影響の予測
主要な生息環境である溜池や湿地等の止水環境等は周辺にも広く分布することか
ら、直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
8-8-162
表 8-8-9(47) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類(正の走光性を有する種)
主な生息環境:溜池、湿地、水田等の止水域
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[42]クロゲンゴロウ、[43]コガタノゲンゴロウ、[44]マルチビゲンゴロウ、
[46]ミユキシジミガムシ、[47]ガムシ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、これら
工事の実施によ
の種が確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である
る影響の予測
溜池や湿地等の止水環境は周辺にも広く分布することから、直接改変及び生息環境
の質的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、
る影響の予測
主要な生息環境である溜池や湿地等の止水環境は周辺にも広く分布することから、
直接改変による影響はないものと考えられる。
これらの種は正の走光性を有する種であり、対象道路が生息地と近接する場所で
は、道路照明や通行車両の灯火にする夜間照度の変化により生息環境が質的に変化
する可能性があるが、これらの種が確認された箇所と対象道路は十分な距離がある
ことに加えて、樹林で隔たれていることから、生息環境の質的変化による影響はな
いものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
表 8-8-9(48) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:砂浜、砂丘等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[19]ハマスズ、[36]カワラハンミョウ、[61]ニッポンハナダカバチ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である砂丘等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺にも広く
る影響の予測
分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
対象道路は主要な生息環境である砂丘等の一部を改変するが、同様の環境は周辺
道路の存在によ
にも広く分布する。また、ニッポンハナダカバチは、事業実施区域内で営巣コロニ
る影響の予測
ーが確認されているが、対象道路は営巣コロニーを改変しないことから、直接改変
による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
8-8-163
表 8-8-9(49) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:砂浜、砂地等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[22]ヤマトマダラバッタ、[37]コハンミョウ、[38]ハラビロハンミョウ、
[60]アカオビケラトリ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、これら
工事の実施によ
の種が確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である
る影響の予測
砂浜や砂地等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はないものと
考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、
る影響の予測
主要な生息環境である砂浜や砂地等は周辺にも広く分布することから、直接改変に
よる影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
表 8-8-9(50) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類(夜行性)
主な生息環境:砂浜、砂地等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[40]オオヒョウタンゴミムシ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、本種が
工事の実施によ
確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である砂浜や
る影響の予測
砂地等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はないものと考えら
れる。
これらのことから、
工事の実施による本種への環境影響はないものと予測される。
道路の存在によ
対象道路は本種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、主要な
る影響の予測
生息環境である砂浜や砂地等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影
響はないものと考えられる。
本種は夜行性の種であり、対象道路が生息地と近接する場所では、道路照明や通
行車両の灯火にする夜間照度の変化により生息環境が質的に変化する可能性がある
が、本種が確認された箇所と対象道路は十分な距離があることから、生息環境の質
的変化による影響はないものと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による本種への環境影響はないものと予測される。
8-8-164
表 8-8-9(51) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:林縁、草地等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[18]カヤコオロギ、[20]クツワムシ、[21]ハタケノウマオイ、
[34]フタテンカメムシ、[58]トゲアリ、[59]ヤマトアシナガバチ、
[62]クロマルハナバチ、[66]オオチャバネセセリ、[75]ゴイシシジミ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である林縁や草地等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺に
る影響の予測
も広く分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
対象道路は主要な生息環境である林縁や草地等の一部を改変するが、同様の環境
道路の存在によ
は周辺にも広く分布する。また、トゲアリは、事業実施区域周辺に生育する樹木で
る影響の予測
営巣コロニーが確認されているが、
対象道路は営巣コロニーを改変しないことから、
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(52) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:林縁、草地、湿地等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[23]ショウリョウバッタモドキ、[31]ハリサシガメ、[32]ノコギリカメムシ、
[63]マイマイツツハナバチ、[64]ヤホシホソマダラ、[65]ギンイチモンジセセリ、
[67]ジャコウアゲハ、[77]ツマグロヒョウモン、[83]ウラナミジャノメ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、これら
工事の実施によ
の種が確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である
る影響の予測
林縁や草地等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はないものと
考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
道路の存在によ
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、
る影響の予測
主要な生息環境である林縁や草地等は周辺にも広く分布することから、直接改変に
よる影響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
8-8-165
表 8-8-9(53) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[26]ハルゼミ、[28]ムネアカアワフキ、[30]ヒゲナガサシガメ、[33]ウシカメムシ、
[48]ヤマトタマムシ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である森林等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺にも広く
る影響の予測
分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変するが、同様の環境は周辺
道路の存在によ
にも広く分布することから、
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
る影響の予測
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
表 8-8-9(54) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[15]オオゴキブリ、[16]ヒナカマキリ、[25]クロハサミムシ、
[52]スネケブカヒロコバネカミキリ、[54]ヒゲナガホソクチゾウムシ、
[70]ナガサキアゲハ、[80]アサマイチモンジ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、これら
工事の実施によ
の種が確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である
る影響の予測
森林等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はないものと考えら
れる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
対象道路はこれらの種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、
道路の存在によ
主要な生息環境である森林等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影
る影響の予測
響はないものと考えられる。
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響はないものと予測
される。
8-8-166
表 8-8-9(55) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:昆虫類(正の走光性を有する種、夜間発光により繁殖活動を行う種)
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[35]キカマキリモドキ、[49]ヒメボタル
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、両種が
工事の実施によ
確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である森林等
る影響の予測
は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、
工事の実施による両種への環境影響はないものと予測される。
対象道路は両種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、主要な
道路の存在によ
生息環境である森林等は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はな
る影響の予測
いものと考えられる。
正の走光性を有するキカマキリモドキは道路照明により誘引される可能性があ
り、繁殖活動として夜間に発光するヒメボタルは繁殖活動等を阻害される可能性が
あるが、両種の確認箇所と対象道路は十分な距離があることに加えて、樹林で隔た
れていることから、生息環境の質的変化による影響はないと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による両種への環境影響はないものと予測される。
表 8-8-9(56) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:陸産貝類
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]サツマムシオイ、[2]オオウエキビ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である森林等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺にも広く
る影響の予測
分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施による両種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変するが、同様の環境は周辺
道路の存在によ
にも広く分布することから、
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
る影響の予測
これらのことから、道路の存在による両種への環境影響は極めて小さいものと予
測される。
8-8-167
表 8-8-9(57) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:陸産貝類
主な生息環境:森林
確 認 位 置 :影響範囲外
種名等
[3]ヒメカサキビ、[4]ウメムラシタラガイ、
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、両種が
工事の実施によ
確認された箇所は影響範囲外に位置すること、また、主要な生息環境である森林は
る影響の予測
周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はないものと考えられる。
これらのことから、
工事の実施による両種への環境影響はないものと予測される。
対象道路は両種が確認された箇所から影響がない程度に十分離れており、主要な
道路の存在によ
生息環境である森林は周辺にも広く分布することから、直接改変による影響はない
る影響の予測
ものと考えられる。
これらのことから、
道路の存在による両種への環境影響はないものと予測される。
表 8-8-9(58) 重要な種に係る予測結果
項目
グループ区分
内容
分
類:真正クモ類
主な生息環境:森林等
確 認 位 置 :影響範囲内
種名等
[1]キノボリトタテグモ、 [2]ムラクモヒシガタグモ、[3]キジロオヒキグモ
工事用道路及び工事施工ヤードは対象道路上を極力利用する計画であり、主要な
工事の実施によ
生息環境である森林等の改変は一部に限られる。また、同様の環境は周辺にも広く
る影響の予測
分布することから、直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
これらのことから、工事の実施によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
対象道路は主要な生息環境である森林等の一部を改変するが、同様の環境は周辺
道路の存在によ
にも広く分布することから、
直接改変による影響は極めて小さいものと考えられる。
る影響の予測
これらのことから、道路の存在によるこれらの種への環境影響は極めて小さいも
のと予測される。
8-8-168
3) 環境保全措置の検討結果
(1) 保全対象
表 8-8-9 に示す予測結果より、事業の実施により生息環境に及ぼす環境影響の程度が小さい
と予測された重要な種は、表 8-8-10 に示すミゾゴイ、ミサゴ、ハチクマ、オオタカ、サシバ、
ヒクイナ、フクロウ、ニホンウナギ、シンジコハゼ、オオタニシ、ヒメヌマエビ、モートンイ
トトンボ、ミヤケミズムシ、ゲンジボタル等の 30 種であった。よって、これらの 30 種を保全
対象とする。
表 8-8-10(1) 保全対象とする重要な種
分類
番号
哺乳類
1
鳥
類
種名等
予測結果
保全
工事の実施
道路の存在
キクガシラコウモリ
C
C
2
ホオヒゲコウモリ属
C
C
3
ニホンザル
C
C
6
イタチ科
C
C
2
オオミズナギドリ
D
D
3
ヒメウ
D
D
4
カワウ
C
C
5
ウミウ
D
D
6
ミゾゴイ
B
B
7
チュウサギ
C
C
8
クロサギ
D
D
9
マガン
D
D
11
オシドリ
C
C
12
ミサゴ
B
13
ハチクマ
14
対象
備
考
○
繁殖への影響
B
○
繁殖への影響
B
B
○
繁殖への影響
オジロワシ
D
D
15
オオワシ
D
D
16
オオタカ
B
B
○
繁殖への影響
17
ツミ
D
D
18
ハイタカ
D
D
19
サシバ
B
B
○
繁殖への影響
20
クマタカ
C
C
21
ハイイロチュウヒ
D
D
22
ハヤブサ
C
C
24
チョウゲンボウ
D
D
25
クイナ
C
C
注)表中の予測結果
A:環境影響の程度が大きい、B:環境影響の程度が小さい、
C:環境影響の程度が極めて小さい、D:環境影響がない
8-8-169
表 8-8-10(2) 保全対象とする重要な種
分類
鳥
類
両生類
番号
種名等
予測結果
保全
備
考
工事の実施
道路の存在
対象
○
繁殖への影響
光による繁殖阻害
○
繁殖への影響
光による繁殖阻害
26
ヒクイナ
B
B
27
シロチドリ
D
D
28
ケリ
C
C
31
オオコノハズク
C
C
32
コノハズク
C
C
33
フクロウ
B
B
34
アオバズク
C
C
35
ヨタカ
C
C
36
ヤマセミ
D
D
37
アカショウビン
C
C
38
カワセミ
C
C
39
ブッポウソウ
C
C
40
ヤイロチョウ
C
C
41
コシアカツバメ
C
C
42
ツメナガセキレイ
C
C
43
サンショウクイ
C
C
44
チゴモズ
C
C
45
コルリ
C
C
46
ノビタキ
C
C
47
コヨシキリ
C
C
48
コサメビタキ
C
C
49
サンコウチョウ
C
C
50
コジュリン
C
C
51
ホオアカ
C
C
52
ノジコ
C
C
53
クロジ
C
C
1
カスミサンショウウオ
C
C
3
アカハライモリ
C
C
4
タゴガエル
D
D
5
トノサマガエル
C
C
6
モリアオガエル
C
C
注)表中の予測結果
A:環境影響の程度が大きい、B:環境影響の程度が小さい、
C:環境影響の程度が極めて小さい、D:環境影響がない
8-8-170
表 8-8-10(3) 保全対象とする重要な種
分類
番号
爬虫類
2
魚
類
種名等
予測結果
保全
対象
備
考
工事の実施
道路の存在
ニホンイシガメ
C
C
3
ニホンスッポン
D
D
4
ジムグリ
C
C
5
シロマダラ
C
C
6
ヒバカリ
C
C
2
ニホンウナギ
B
C
○
工事中の濁水
4
ドジョウ
B
C
○
工事中の濁水
5
チュウガタスジシマドジョ
ウ
B
C
○
工事中の濁水
6
メダカ
B
C
○
工事中の濁水
7
カマキリ(アユカケ)
B
C
○
工事中の濁水
8
シンジコハゼ
B
C
○
工事中の濁水
水
産
1
オオタニシ
B
C
○
工事中の濁水
貝
類
2
ヒラマキミズマイマイ
B
C
○
工事中の濁水
甲殻類
1
ヒメヌマエビ
B
C
○
工事中の濁水
2
トゲナシヌマエビ
B
C
○
工事中の濁水
3
ミナミヌマエビ
D
D
1
ホソミイトトンボ
B
C
○
工事中の濁水
2
モートンイトトンボ
B
C
○
工事中の濁水
3
オツネントンボ
B
C
○
工事中の濁水
4
ムカシヤンマ
D
D
5
キイロサナエ
B
C
○
工事中の濁水
6
タベサナエ
B
C
○
工事中の濁水
7
オグマサナエ
B
C
○
工事中の濁水
8
アオヤンマ
D
D
9
カトリヤンマ
D
D
10
サラサヤンマ
B
C
○
工事中の濁水
11
ハッチョウトンボ
D
D
13
ヒメアカネ
D
D
昆虫類
注)表中の予測結果
A:環境影響の程度が大きい、B:環境影響の程度が小さい、
C:環境影響の程度が極めて小さい、D:環境影響がない
8-8-171
表 8-8-10(4) 保全対象とする重要な種
分類
番号
昆虫類
15
種名等
予測結果
保全
工事の実施
道路の存在
オオゴキブリ
D
D
16
ヒナカマキリ
D
D
18
カヤコオロギ
C
C
19
ハマスズ
C
C
20
クツワムシ
C
C
21
ハタケノウマオイ
C
C
22
ヤマトマダラバッタ
D
D
23
ショウリョウバッタモドキ
D
D
25
クロハサミムシ
D
D
26
ハルゼミ
C
C
28
ムネアカアワフキ
C
C
29
ミヤケミズムシ
B
B
30
ヒゲナガサシガメ
C
C
31
ハリサシガメ
D
D
32
ノコギリカメムシ
D
D
33
ウシカメムシ
C
C
34
フタテンカメムシ
C
C
35
キカマキリモドキ
D
D
36
カワラハンミョウ
C
C
37
コハンミョウ
D
D
38
ハラビロハンミョウ
D
D
39
ムラサキトビケラ
C
B
40
オオヒョウタンゴミムシ
D
D
41
タナカツヤハネゴミムシ
C
B
42
クロゲンゴロウ
D
D
43
コガタノゲンゴロウ
D
D
44
マルチビゲンゴロウ
D
D
45
スジヒラタガムシ
B
B
46
ミユキシジミガムシ
D
D
47
ガムシ
D
D
48
ヤマトタマムシ
C
C
注)表中の予測結果
A:環境影響の程度が大きい、B:環境影響の程度が小さい、
C:環境影響の程度が極めて小さい、D:環境影響がない
8-8-172
対象
備
考
○
光による誘引
工事中の濁水
○
光による誘引
○
光による誘引
○
光による誘引
工事中の濁水
表 8-8-10(5) 保全対象とする重要な種
分類
番号
昆虫類
49
種名等
予測結果
保全
備
考
道路の存在
ヒメボタル
D
D
50
ゲンジボタル
B
B
○
工事中の濁水
光による繁殖阻害
51
ヘイケボタル
C
B
○
光による繁殖阻害
52
スネケブカヒロコバネカミ
キリ
D
D
53
キンイロネクイハムシ
D
D
54
ヒゲナガホソクチゾウムシ
D
D
58
トゲアリ
C
C
59
ヤマトアシナガバチ
C
C
60
アカオビケラトリ
D
D
61
ニッポンハナダカバチ
C
C
62
クロマルハナバチ
C
C
63
マイマイツツハナバチ
D
D
64
ヤホシホソマダラ
D
D
65
ギンイチモンジセセリ
D
D
66
オオチャバネセセリ
C
C
67
ジャコウアゲハ
D
D
70
ナガサキアゲハ
D
D
75
ゴイシシジミ
C
C
77
ツマグロヒョウモン
D
D
80
アサマイチモンジ
D
D
83
ウラナミジャノメ
D
D
陸
産
1
サツマムシオイ
C
C
貝
類
2
オオウエキビ
C
C
3
ヒメカサキビ
D
D
4
ウメムラシタラガイ
D
D
正
1
キノボリトタテグモ
C
C
クモ類
2
ムラクモヒシガタグモ
C
C
3
キジロオヒキグモ
C
C
真
対象
工事の実施
注)表中の予測結果
A:環境影響の程度が大きい、B:環境影響の程度が小さい、
C:環境影響の程度が極めて小さい、D:環境影響がない
8-8-173
(2) 環境保全措置の種類
動物の生息地に直接的又は間接的な影響を与える場合があると考えられるため、環境保全措
置の検討を行った。
動物の環境保全措置を検討するにあたっては、事業特性や地域特性を踏まえ、環境保全措置
の方法として表 8-8-11 に示す7案の適用性を考えた。効果の確実性等を検討した結果、照明
器具の改良、濁水流出の低減、繁殖期を避けた施工等、低騒音・低振動型建設機械の採用、防
音シートの採用の5案の環境保全措置を採用する。
なお、猛禽類を含む鳥類(ミゾゴイ、ミサゴ、ハチクマ、オオタカ、サシバ、ヒクイナ、フ
クロウ)における道路の存在に係る環境保全措置については、工事実施段階に調査を行った上
で、有識者等の意見及び指導を得ながら適切に採用を検討する。
表 8-8-11(1) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の環境保全措置の種類
環境保全措置の種類
地形改変の最小化
(法面勾配の修正等)
重要な動物種の移設
環境保全措置の効果
環境保全措置の検討結果
地 形 改 変 に よ る 生 息 地 の 消 対象道路位置の検討段階から地形の
失・縮小を回避・低減できる。 改変(量)を極力抑える計画としてい
ること、本事業により一部消失、縮
小される環境は、周辺にも広く残さ
れることから、本環境保全措置は採
用しない。
地形改変区域に生息する個体 重要な動物種の移設対象となる種は
を他の場所に移すことにより、 存在しないことから、本環境保全措
置は採用しない。
種を保全できる。
なお、移設を実施する際には、移設
先の在来集団への影響や生態学的負
荷(競合や病気・寄生虫の伝染など)
等に留意する必要がある。
照明器具の改良
夜間の生息環境を保全するこ 光の漏れの少ない灯具や昆虫の誘引
(光が道路外に漏れな とにより、繁殖阻害、生息環境 の少ない照明の採用により、夜行性
い灯具や誘引の少ない に対する影響や光に敏感な種 鳥類の繁殖阻害や正の走光性をもつ
への影響を低減できる。
昆虫類の灯火への誘引を回避するこ
照明の採用)
とにより、繁殖・生息環境に対する
影響等を軽減できることから、本環
境保全措置を採用する。
濁水流出の低減
施工時における仮締切り、切回
し水路、沈砂池等の設置等によ
り、河川や溜池、湿地に生息す
る両生類、魚類、底生動物への
影響を低減することができる。
繁殖期を避けた施工等
工事中の騒音・振動に対する影 工事の実施に際して、繁殖期を避け
響を回避できる。
た施工を行うことにより、騒音・振
動の影響を回避できることから、本
環境保全措置を採用する。
8-8-174
施工時における仮締切り、切回し水
路、沈砂池等の設置等により、濁水
の流出を低減できることから、本環
境保全措置を採用する。
表 8-8-11(2) 道路の存在及び工事の実施に係る動物の環境保全措置の種類
環境保全措置の種類
環境保全措置の効果
環境保全措置の検討結果
低騒音・低振動型建設 工事中の騒音・振動に対する影 工事の実施に際して、低騒音・低振
機械の採用
響を低減できる。
動型建設機械を採用することによ
り、騒音・振動の影響を低減できる
ことから、本環境保全措置を採用す
る。
防音シートの採用
工事中の騒音に対する影響を 工事の実施に際して、防音シートを
低減できる。
使用することにより、騒音の影響を
低減できることから、本環境保全措
置を採用する。
(3) 検討結果の整理
環境保全措置の検討結果については、表 8-8-12 に整理する。
なお、環境保全措置を講じるにあたっては、有識者等の意見及び指導を得ながら、適切に実
施する。
表 8-8-12(1) 環境保全措置の検討結果
実施主体
保全対象
実施内容
国土交通省中国地方整備局
(鳥 類)ヒクイナ、フクロウ
(昆虫類)ミヤケミズムシ、ムラサキトビケラ、タナカツヤハネゴミムシ、
スジヒラタガムシ、ゲンジボタル、ヘイケボタル
種類 「照明器具の改良」
位置 確認された生息地や繁殖地周辺に講じる。
保全措置の効果
夜間の生息環境を保全することにより、繁殖阻害、生息環境に対する影響や光に
敏感な種への影響を低減できる。
効果の不確実性
なし
他の環境への影響
なし
8-8-175
表 8-8-12(2) 環境保全措置の検討結果
実施主体
国土交通省中国地方整備局
(魚
保全対象
実施内容
類)ニホンウナギ、ドジョウ、チュウガタスジシマドジョウ、
メダカ、カマキリ(アユカケ)
、シンジコハゼ
(水産貝類)オオタニシ、ヒラマキミズマイマイ
(甲 殻 類)ヒメヌマエビ、トゲナシヌマエビ
(昆 虫 類)ホソミイトトンボ、モートンイトトンボ、オツネントンボ、
キイロサナエ、タベサナエ、オグマサナエ、サラサヤンマ、
ミヤケミズムシ、スジヒラタガムシ、ゲンジボタル
種類 「濁水流出の低減」
位置 確認された河川や溜池、湿地周辺に講じる。
保全措置の効果
施工時における仮締切り、切回し水路、沈砂池等の設置により、河川や溜池、湿
地に生息する両生類、魚類、底生動物への影響を低減することができる。
効果の不確実性
なし
他の環境への影響
なし
表 8-8-12(3) 環境保全措置の検討結果
実施主体
保全対象
国土交通省中国地方整備局
(鳥 類)ミゾゴイ、ミサゴ、ハチクマ、オオタカ、サシバ、
ヒクイナ、フクロウ
「繁殖期を避けた施工等」
実施内容
種類 「低騒音・低振動型建設機械の採用」
「防音シートの採用」
位置 確認された営巣地及び繁殖地周辺に講じる。
保全措置の効果
工事中の騒音、振動に対する影響を回避・低減できる。
効果の不確実性
繁殖への影響を回避できるかどうか不確実性が残る。
他の環境への影響
なし
8-8-176
4) 事後調査
(1) 事後調査の必要性
重要な種等の生息地の消失・縮小、移動阻害、生息地の質的変化の影響については、事業実
施による改変区域と重要な種の確認位置や生息環境との重ね合わせや生態学的知見を参考に予
測を行っていることから、予測の不確実性は小さい。
ただし、事業実施区域周辺で繁殖を行う可能性がある猛禽類(ミサゴ、ハチクマ、オオタカ、
サシバ)、ミゾゴイ、ヒクイナ、フクロウについては、工事実施前に生息・繁殖状況を確認する
ための事後調査を実施し、有識者等の意見及び指導を得ながら必要に応じて繁殖期を避けた施
工等の環境保全措置を採用する。
さらに、環境保全措置を講じるにあたって、施工中の生息・繁殖状況を踏まえ、詳細な工事
時期等を決める必要がある。また、環境保全措置の効果に係る知見が不十分であることからも、
工事実施中において繁殖状況・影響を確認するための事後調査を行う。
工事完了後については、猛禽類(ミサゴ、ハチクマ、オオタカ、サシバ)、ヒクイナは供用し
ている道路付近での生息・繁殖事例が十分にあり、自動車が走行している環境において生息・
繁殖していることが確認されていることから、事後調査は行わないものとする。ミゾゴイ、フ
クロウについては、供用している道路付近での生息・繁殖事例の蓄積が不十分であり、供用後
における影響を回避できるかどうか不確実性が残ることから、有識者等の意見及び指導を得な
がら必要に応じて、工事完了後に供用後の生息・繁殖状況を確認するための事後調査を行う。
8-8-177
(2) 事後調査の概要
事後調査の概要は、表 8-8-13 に示すとおりである。
表 8-8-13 事後調査の概要
調査項目
調査内容
実施主体
猛禽類(ミサゴ、ハチクマ、 ○調査時期
国土交通省
オオタカ、サシバ)の調査
工事実施前、工事実施中
中国地方整備局
○調査範囲
事業実施区域及びその周辺
○調査方法
繁殖状況調査による繁殖期に
おける繁殖状況と工事影響の
把握
ミゾゴイの調査
○調査時期
国土交通省
工事実施前、工事実施中、
中国地方整備局
工事完了後
○調査範囲
事業実施区域及びその周辺
○調査方法
生息状況調査による繁殖期に
おける生息・繁殖状況の把握
ヒクイナの調査
○調査時期
国土交通省
工事実施前、工事実施中
中国地方整備局
○調査範囲
事業実施区域及びその周辺の
繁殖可能性のある地域
○調査方法
生息状況調査による繁殖期に
おける生息・繁殖状況の把握
フクロウの調査
○調査時期
国土交通省
工事実施前、工事実施中、
中国地方整備局
工事完了後
○調査範囲
事業実施区域内の営巣地
○調査方法
繁殖確認調査による各繁殖期
における繁殖の確認
8-8-178
(3) 事後調査の実施により環境影響の程度が著しいことが明らかとなった場合の対応方針
事後調査の結果、予測し得ない環境上の著しい影響が生じた場合は、事業者が関係機関と協
議するとともに、有識者等の意見及び指導を得ながら、必要に応じて適切な措置を講じる。
(4) 報告書の作成・公表等
報告書は、対象事業に係る工事が完了した段階で 1 回作成することを基本とし、この場合、
当該工事の実施に当たって講じた環境保全措置の効果を確認した上で、その結果を報告書に含
めるよう努める。
報告書には、対象事業に関する基礎的な情報(事業名、区域等)、事後調査の項目、手法及び
結果、環境保全措置の内容、効果及び不確実性の程度、有識者等の助言を受けた場合はその内
容等を記載する。
公表は、対象地域において行い、その地域を管轄する地方公共団体に対し、報告書を送付す
る。なお、報告書を作成した旨の公表は、インターネット等適切な方法で行う。
また、一般への供覧は、事業所及び関係する地方公共団体の施設への書面の備え付け、並び
にインターネット等適切な方法により、適切な期間を確保して実施する。
5) 評価の結果
(1) 回避又は低減に係る評価
対象道路位置及び基本構造の検討段階から、生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全
の観点より、有識者等の意見及び指導を得ながら検討した。
また、重要な猛禽類の営巣地や重要な種等が多く確認されている溜池、谷筋、湿地等をでき
る限り回避しており、工事用道路等についてもできる限り対象道路を利用する配慮をしている
ことから、道路の存在及び工事の実施による環境影響の程度は小さい。
さらに、環境影響をより低減するため、以下の環境保全措置を実施する。
・照明器具の改良
・濁水流出の低減
・繁殖期を避けた施工等
・低騒音・低振動型建設機械の採用
・防音シートの採用
なお、工事中に新たに重要な動物が確認された場合には、有識者等の意見及び指導を得なが
ら調査を実施し、これらの生息環境に対する影響が最小限となるよう適切な措置を講じる。
このことから、環境影響は実行可能な範囲内で回避又は低減されていると評価する。
8-8-179
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