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沼津市国民健康保険 医療費適正化計画

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沼津市国民健康保険 医療費適正化計画
沼津市国民健康保険
医療費適正化計画
平成 26 年 11 月
沼津市
1
目
次
第1章 計画の目的等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1 計画の目的
2 計画の概要
・ 計画の期間
・ 計画に記載すべき事項
・ 他計画との関係
・ 被保険者・医療機関との協力
・ 他団体との連携
第2章 沼津市の国民健康保険の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1 被保険者の状況
・ 被保険者数及び世帯数の推移
・ 年齢別被保険者数
・ 世帯主の職業の割合の推移
2 医療費の推移
(1)入 院
(2)入院外
(3)歯 科
(4)調 剤
(5)食事療養費
(6)訪問看護
3 疾病大分類別の医療費の状況
第3章 基本的な考え方と目標設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
1 基本的な考え方
・ 被保険者の健康及び生活の質の維持増進
・ 医療費の状況や課題に対応
2 目標設定について
第4章 医療費適正化に向けた具体的な施策・・・・・・・・・・・・・・・10
1 生活習慣病予防のための施策
・ 特定健康診査・特定保健指導の受診率等向上対策
ア 特定健康診査・特定保健指導の実績
イ 特定健康診査・特定保健指導の目標値
ウ 特定健康診査受診率向上対策
2
エ 特定保健指導実施率向上対策
2
その他医療費適正化のための具体的な施策
(1)レセプトを活用した施策
(2)保険料負担の公平性を確保するための施策
(3)被保険者への情報提供及び啓発
第5章 計画の推進と見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
1 計画の推進
2 計画の見直し
3
第1章
1
計画の目的等
計画の目的
現在、沼津市は全国の他の自治体の例に漏れず、少子高齢化が急速に進行しつつあり、こ
れに伴い国民健康保険における医療費も医療の高度化や被保険者の高齢化等の要因により
年々増加の一途をたどっています。
国民健康保険は、被用者保険とともに国民皆保険制度を支える柱であり、また市民の健康
を守るセーフティーネットであるため、国民健康保険事業を運営する市は、医療保険者の中
でも医療費適正化において大きな役割を果たすことが期待されています。このため、本市に
おいても医療保険者として被保険者の健康と生活の質の維持増進のための環境を整備し、か
つ国民健康保険財政の収支均衡に配慮しつつ、医療制度の安定的な運営を確保するために、
医療費適正化のための施策を実施することが重要と考えます。
これらのことから、本市国民健康保険の医療費の状況に基づき必要な事項を定めることで
医療費適正化を総合的かつ計画的に推進することを目的として沼津市国民健康保険医療費
適正化計画(以下「本計画」という。)を策定するものです。
2
計画の概要
(1) 計画の期間
本計画の期間は、本計画における施策のひとつである特定健康診査・特定保健指導
の受診率等の向上と調和したものとするため、第2期沼津市国民健康保険特定健康診
査等実施計画と終期を合わせるため、平成26年度から平成29年度までとします。
(2) 計画に記載すべき事項
ア 被保険者の健康と生活の質の維持増進に関し、国民健康保険において実施すべき
事項
イ 本市国民健康保険制度の安定運用のために実施すべき事項
ウ 医療の効率的かつ適正な提供に関し、医療保険者において実施すべき事項
エ 前3号に掲げるもののほか、医療費適正化の推進のために必要な事項
(3) 他計画との関係
本計画は、沼津市国民健康保険特定健康診査等実施計画のほか、本市が策定する
医療費適正化に関する他の計画との調和を図るものとします。
4
(4)
被保険者・医療機関等との協力
医療費適正化は、医療資源を必要な所に再配分するよう見直し、医療の質を高め
ることを基本とするため、被保険者、医療機関等の意見を聞き、相互に協力して推
進するものとします。
(5)
他団体との連携
本市は、国、静岡県、他の市町、他の医療保険者及び住民組織等と連携を図るもの
とします。
5
第2章
1
沼津市の国民健康保険の状況
被保険者の状況
沼津市は、ここ数年、全国の自治体の例に漏れず少子高齢化が進行しています。国民
健康保険についても同様の傾向にあり、被保険者数の減少・高齢化が進み、またその職
業構成も大きく変化しています。
(1) 被保険者数及び世帯数の推移
本市国民健康保険の加入世帯は約4割、加入者は約3割となっていますが、加入世
帯数、被保険者数ともに減少の一途を辿っており、平成 25 年度では平成 21 年度比で
世帯数は 2.6%、被保険者数は 6.6%減少しています。
沼津市
年度
沼津市国民健康保険
世帯
世帯数
人口
H21基準
人口
加入世帯
H21基準
世帯数
加入率
被保険者数
H21基準
人数
加入率
H21基準
21
88,983
1.000
212,643
1.000
36,492
41.0%
1.000
64,202
30.2%
1.000
22
89,186
1.002
211,460
0.994
36,376
40.8%
0.997
63,460
30.0%
0.988
23
89,441
1.005
209,879
0.987
36,217
40.5%
0.992
62,448
29.8%
0.973
24
89,396
1.005
207,505
0.976
35,906
40.2%
0.984
61,107
29.4%
0.952
25
89,556
1.006
205,221
0.965
35,549
39.7%
0.974
59,960
29.2%
0.934
(2) 年齢別被保険者数
主に 60 歳代以上の国保加入率が多くなっており、被保険者の高齢化が進んでいます。
18000
16000
14000
12000
沼津市人口
国保被保険者
10000
8000
6000
4000
2000
(人) 0
6
(3) 世帯主の職業の割合の推移
世帯主の職業を平成7年度と平成 24 年度で比較すると、被保険者の高齢化と産業構
造の変化に伴い、自営業者が減少、代わって年金受給生活者の割合が増えています。
5%
37.4%
平成7年度
15.1%
19.1%
23.4%
給与
営業
1.4%
38.3%
平成24年度
10.7%
農業・漁業
27.6%
年金
22%
その他・不明
0%
2
20%
40%
60%
80%
100%
医療費の推移
国民健康保険被保険者の総医療費の推移をみると、年々上昇しており、平成
25 年度は 18,655,187,592 円となっています。また、1 人当たりの医療費も年々
上昇しており、平成 25 年度は 311,127 円と、平成 21 年度比で 118.2%の増、静
岡県計を 13,055 円上回っています。また、全疾病に生活習慣病が占める割合は
約 5 割となっており、その予防のため特定健康診査及び特定保健指導の一層の
推進が必要と考えます。
資料:ぬまづの国保
国民健康保険被保険者の総医療費、1 人当たり医療費の推移
単位
沼津市費用額
平成 24 年度
円
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 25 年度
16,893,497,653
17,386,026,678
17,859,739,801
17,927,399,053
18,655,187,592
263,130
273,968
285,993
293,377
311,127
258,223
270,719
280,011
286,889
298,072
沼津市
一人当たり
医療費
静岡県計
一人当たり
医療費
7
沼津市費用額の推移(平成21~25年度)【一般+退職】
190
185
180
175
170
165
160
平成21年度
単位
億円
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
沼津市費用額計
医療費推移(平成21~25年度)
【一般+退職】
350,000
300,000
250,000
沼津市
200,000
一人当たり医療費
150,000
静岡県計
一人当たり医療費
100,000
50,000
0
(単位:円)
(1) 入
年度
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度
院
件数
日数
費用額
受診率
1 人あたり
(件)
(日)
(千円)
(%)
費用額(円)
21
11,908
192,055
5,672,695
18.55
88,357
22
12,145
192,045
6,015,104
19.14
94,786
23
12,035
189,157
6,093,111
19.27
97,571
24
11,708
182,444
6,044,047
19.16
98,909
25
11,478
177,253
6,432,460
19.14
107,279
8
(2) 入
院
外
件数
日数
費用額
受診率
1 人あたり
(件)
(日)
(千円)
(%)
費用額(円)
21
479,014
808,286
6,514,059
746.10
101,462
22
478,236
802,201
6,616,608
753.60
104,264
23
477,182
781,490
6,849,498
764.13
109,683
24
477,563
776,382
6,970,866
781.52
114,076
25
474,747
766,203
7,183,394
791.77
119,803
年度
(3) 歯
科
年度
件数
日数
費用額
受診率
1 人あたり
(件)
(日)
(千円)
(%)
費用額(円)
21
98,570
220,277
1,266,051
153.53
19,720
22
98,708
218,340
1,263,376
155.54
19,908
23
100,031
217,269
1,283,341
160.18
20,551
24
99,404
210,382
1,249,204
162.67
20,443
25
101,488
210,539
1,246,687
169.26
20,792
(4) 調
年度
剤
件数
日数
費用額
1 件あたり
(件)
(日)
(千円)
費用額(円)
21
307,571
396,450
3,092,178
19,720
22
315,296
406,351
3,141,036
19,908
23
320,681
407,899
3,283,707
20,551
24
324,537
410,756
3,327,998
20,443
25
326,357
407,559
3,461,870
20,792
9
(5) 食事療養費
年度
件数
食事回数
費用額
(件)
(回)
(千円)
1 件あたり
食事回数
(回)
1 件あたり
費用額(円)
21
11,132
495,455
329,651
44.51
29,613
22
11,397
496,574
330,997
43.57
29,042
23
11,357
491,854
328,030
43.31
28,884
24
10,954
472,387
313,748
43.12
28,642
25
10,746
456,444
303,966
42.48
28,286
(6) 訪問看護
年度
件数
日数
費用額
(件)
(日)
(千円)
1 件あた
り日数
(日)
1 件あたり
費用額(円)
21
269
1,682
18,864
6.25
70,126
22
261
1,809
18,906
6.93
72,437
23
319
2,129
22,053
6.67
69,132
24
341
1,958
21,536
5.74
63,155
25
383
2,426
26,811
6.33
70,003
10
3
疾病大分類別の医療費の状況
被保険者1人当たりの医療費をみると、大きな割合を占めているのは、
「循環
器系の疾患」「新生物(がん、白血病、ポリープなど)」「消化器系の疾患」「腎
尿路生殖器系の疾患」の順となっており、上位4疾患のうち「消化器系の疾患」
を除く3疾患が生活習慣病関連疾患となっています。また、この3疾患は医療
費の伸びも大きく、特に「腎尿路生殖器系の疾患」では、平成 22 年比で 128%
と、大きな伸び率を示しています。
疾病大分類別の被保険者 1 人当たりの医療費の推移(各年5月診療分)
疾
病
分
平成
22 年
類
1.感染症及び寄生虫症
(結核、C型ウイルス肝炎など)
2.新生物(がん、白血病、ポリープなど)
3.血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障
害(貧血、免疫機構の障害など)
4.内分泌、栄養及び代謝疾患
(甲状腺障害、糖尿病など)
5.精神及び行動の障害
(統合失調症、躁うつ病など)
6.神経系の疾患
(パーキンソン病、てんかんなど)
12.皮膚及び皮下組織の疾患
(アトピ-性皮膚炎、じんま疹など)
13.筋骨格系及び結合組織の疾患
(痛風、関節痛など)
14.腎尿路生殖器系の疾患
(慢性腎不全、膀胱炎など)
395
110%
2,568
3,010
2,965
3,045
119%
72
80
61
108
150%
1,113
1,281
1,170
1,332
120%
1,511
1,480
1,517
1,606
106%
819
763
640
800
98%
617
665
695
744
121%
86
70
78
118
137%
2,915
3,289
3,160
3,449
118%
780
630
727
746
96%
2,467
2,478
2,601
2,753
112%
269
250
281
376
140%
1,300
1,256
1,161
1,310
101%
1,369
1,711
1,561
1,752
128%
81
80
102
81
100%
50
21
49
44
88%
19
20
52
28
147%
228
191
189
266
117%
738
739
580
711
96%
17,361
18,441
17,968
19,664
113%
16.周産期に発生した病態(妊娠期間及び胎児
発育に関連する障害、出産外傷など)
17.先天奇形、変形及び染色体異常(循環器系
の先天奇形、心臓の先天奇形など)
18.症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所
見で他に分類されないもの
(老衰、乳幼児突然死症候群など)
19.損傷、中毒及びその他の外因の影響
(骨折損傷、中毒など)
病
全
体
※生活習慣病に類する疾病
対 22 年比
379
15.妊娠、分娩及び産じょく(流産、早産など)
疾
平成
25 年
427
10.呼吸器系の疾患(肺炎、喘息など)
11.消化器系の疾患(胃炎、胃潰瘍など)
平成
24 年
359
7.眼及び付属器の疾患(結膜炎、白内障など)
8.耳及び乳様突起の疾患
(中耳炎、外耳炎など)
9.循環器系の疾患
(高血圧性疾患、心不全、脳梗塞など)
平成
23 年
単位:円/人
資料:病類別疾病統計表、年齢階級別疾病分類表(各年 5 月診療分)
疾病全体の一人あたり医療費に占める生活習慣病の割合
11
48.7%
第3章
1
基本的な考え方と目標設定
基本的な考え方
医療費適正化に向けて、被保険者が自らの健康と生活の質の維持増進に取組むことがで
きる環境を整備し、また医療の効率的な提供を維持するため、医療費の状況を詳細に分析
し、医療保険者として被保険者の受診機会の確保と国民健康保険財政の収支均衡に配慮し
つつ、各施策を総合的に実施していきます。
(1) 被保険者の健康及び生活の質の維持増進
医療保険者としての具体的な施策は、今後の被保険者の健康や医療のあり方を展望
して、被保険者の健康及び生活の質を維持し、かつ増進させる医療費適正化を図るこ
とが重要と考えます。
(2) 医療費の状況や課題に対応
国、静岡県の動向を踏まえつつ、本市国民健康保険における医療費の詳細な状況を
把握、検証し、その分析結果をもとに本市国民健康保険における医療費の特徴に即し
た適正化を図ることが必要です。
2
目標設定について
医療費は、高齢化社会の進展と医療の高度化により近年上昇の傾向にありますが、診療
報酬の改定や疾病の流行など外因的な要素による影響を受けやすいため、年度ごとの変動
が大きく、その予測は大変困難であることから今期の計画では医療費全体の数値目標は設
定しないものとします。
なお、特定健康診査・特定保健指導等、現在他の計画等で目標値が設定されている施策
については当該計画等の目標値を本計画の目標値とします。
12
第4章
1
医療費適正化に向けた具体的な施策
生活習慣病予防のための施策
本市国民健康保険の医療費の約半分を占める生活習慣病関連疾病を予防するため、「第
2期沼津市国民健康保険特定健康診査等実施計画」に定める施策を着実に実施していきま
す。
(1) 特定健康診査・特定保健指導の受診率等向上対策
特定健康診査・特定保健指導の受診率及び実施率の実績(平成 20 年度から平成 23 年
度)では、県内市町の平均は上回るものの、沼津市特定健康診査等実施計画に定めた目
標値を大きく下回る状況にあります。また、本市の病類大分類別の医療費では、生活習
慣病が大きな割合を占め、またその伸びも大きいものであることから特定健康診査及び
特定保健指導の実施率等の向上のため以下の対策に積極的に取り組んでいくものとし
ます。
ア 特定健康診査・特定保健指導の実績(第1期実績)
特定健診受診率の推移
受診者率
静岡県市町平均
34.2
34.3
29.6
30.3
33
28.3
28
平成20年度
平成21年度
32
平成22年度
平成23年度
特定保健指導実施率の推移
単位 %
実施
率
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
動機付け支援
4.0
35.4
17.5
18.5
積極的支援
2.7
14.5
10.5
10.8
3.7
29.8
15.6
16.6
全体
18.0
13
イ 特定健康診査・特定保健指導の目標値(第2期計画)
単位 %
項目
特定健康診査受診率
特定保健指導実施率
(動機付け支援)
(積極的支援)
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
45
50
55
60
50.8
56.6
62.4
68.3
27.5
30
32.5
35
ウ 特定健康診査受診率向上対策
重点項目
取組内容
普及啓発
・多様な広報媒体の活用や各種イベント、保健事業の場などを通じてメタボリ
ックシンドロームや生活習慣病に関する知識の普及、及び特定健康診査・特定
保健指導の必要性についての啓発に努め、事業の周知を図る。
・より効果的な受診率向上対策を講じていくために、啓発活動による効果の検
証を行う。
健 診 実 施 ・がん検診との同時実施体制の拡大や、休日・夜間健診の実施、また働き盛り
機関との
の若い世代にも受診しやすい環境づくりなど、対象者の利便性に配慮した実施
連携
体制の整備について、健診実施機関と協議・検討していく。
40 歳代・ ・企業や小規模事業者、商工会などの各種団体と連携し、働き盛りの若い世代
50 歳代の
に対する事業の普及・啓発の機会を広げていく。
意識喚起
・40 歳代・50 歳代の受診に対する意識喚起に特化した広報媒体を工夫する。
受診勧奨
・対象者の年代や性別、生活環境などの特性に応じたアプローチ方法を検討し、
より効果的・効率的な勧奨手法の開発に努める。
・引き続き未受診者の全てに受診勧奨はがきの送付を行うとともに、電話や訪
問による勧奨活動を優先順位を定めて対象者の絞り込みを行い、効率的に実施
する。
・受診勧奨と併せて未受診理由等の実態を把握・分析し、今後の対策に反映し
ていく。
・かかりつけ医の協力を得て通院治療中の人を受診につなげていく。
継続受診
・継続受診の必要性を啓発できる健診結果通知を送付する。
への取組
・経年変化を踏まえて自らの健康状態を管理することが健康の維持や生活習慣
病の早期発見・重症化予防につながることを啓発する。
14
他 健 診 か ら ・事業主団体等と健診結果の収受方法や健診項目についての協議を行い、効
の健診結果
率的な収受体制を整える。
収受
・特定健康診査受診券や啓発グッズなどの広報媒体を活用して受診者個人に
対しても健診結果の提出を呼びかける。
エ 特定保健指導実施率向上対策
重点項目
取組内容
普及啓発
・特定健康診査の普及啓発活動と併せて、特定保健指導の普及啓発を行う。
・特定保健指導の改善効果について周知する。
指導体制の
・健診実施機関や保健指導を専門とする業者への特定保健指導の委託を検討
整備
し、実施体制の拡充を図る。
・働き盛りの若い世代が利用しやすい実施方法を検討する。
・委託先との情報交換や連携に努め、利用者の利便性に配慮した実施体制を
整えるとともに、指導の精度管理に努める。
・集団健診受診の対象者に対しては、健診の結果説明と同時に初回面接を実
施する仕組み作りを推進する。
・指導従事者の確保に努め、資質向上や意欲向上のための研修会や意見交換
会を開催する。
健診実施機
・健診実施医療機関との連携により、健診から保健指導につなげる仕組み作
関との連携
りを推進する。
・健診実施医療機関に対して、特定保健指導の内容や必要性に対する理解を
深めてもらうための働きかけを行う。
利用勧奨
・生活習慣改善の必要性への動機付けにつながる通知方法や内容を更に工夫
する。
・健診から保健指導までの流れの整理及び対策の検討により効率的な利用勧
奨を行う。
・利用勧奨は通知の送付だけにとどめることなく、電話や訪問により健診結
果等も踏まえて個人に合ったアプローチ方法を工夫する。
・利用勧奨に併せて未利用理由等の実態を把握・分析し、今後の対策に反映
させる。
プログラム
・オプション教室の内容を見直し、継続的支援を充実させる。
の見直し
・継続対象者向けのプログラムを検討する。
・積極的支援の継続的支援方法を見直し、多忙な人にも継続可能なプログラ
ム開発を行う。
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継続支援へ
・特定保健指導利用者のデータだけでは判断できない「意識や生活習慣の改
の取組
善や工夫」なども評価し、利用者や終了者のモチベーション維持へのアプロ
ーチの継続を図る。
・社会資源の整理や有効活用をすすめ、終了者のフォローアップ体制作りに
努める。
・特定保健指導 OB 生の育成や活動を支援する。
2
その他医療費適正化のための具体的な施策
(1)
レセプトを活用した施策
診療報酬明細書(レセプト)情報を活用し、本市国民健康保険における被保険者の
受診状況の特徴を把握し、提供する医療を最適なものとするため、次のような施策を
行っていきます。
○レセプト点検の充実
本市では医療機関から現在、静岡県国民健康保険団体連合会を通じてレセプトによ
り請求される医療費について、誤った支払いが行われないよう自主的にレセプトの点
検を行っていますが、これについてより一層レセプトの内容点検の充実を図ります。
また、今後レセプトデータを各種統計や受診指導等に活用することから迅速に点検を
行う事ができるよう適切な点検体制を構築します。
○第三者行為求償事務
現在、本市では第三者行為に起因すると思われるレセプトについて被保険者に傷病
原因を照会し、傷病届の提出を求め、そのうち交通事故に係る損害賠償金の請求・収納
等の事務について静岡県国民健康保険団体連合会へ委託し、それ以外のものについては
市で求償事務を行っています。今後も、レセプト点検の充実やマスコミ情報等の活用な
どにより、第三者行為を的確に把握し、求償事務等をより迅速・円滑 に行っていきま
す。
○「しずおか茶っとシステム」による医療費分析の活用
医療費の適正化事業を効果的なものとするため、本市の医療費や疾病構造の特徴につ
いて、レセプトと特定健康診査及び介護の各情報を結合して様々な統計の作成を可能
にした静岡県国民健康保険連合会が運用する「しずおか茶っとシステム」を活用した
各種医療費の分析を行い、保健師による受診指導や特定健診及び特定保健指導の実施
率向上のための重点対策やその効果測定等に活用します。
16
○ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用につきましては、患者負担の軽減や医療
保険財政の健全化に繋がるものであることから、国の「後発医薬品のさらなる使用促
進のためのロードマップ」においても各医療保険者においては医療費の効率化を通じ
て限られた医療費資源の有効活用のためにも普及促進に向けた積極的な取組が求めら
れています。
本市では、従前から市役所窓口で希望者にジェネリック医薬品希望カードを配布する
など周知をしてきましたが、平成 26 年度からはこれまで以上にジェネリック医薬品の
使用促進を図るため、ジェネリック医薬品に切替えた場合に医療費が安価となる被保
険者(条件により抽出)向けに「差額通知」を送付する等、さらなる周知に努めるも
のとします。
○重複受診者・頻回受診者の指導
特定健診の結果やレセプトデータを元に、保健師が訪問や電話による重複受診者・
頻回受診者への受診指導を定期的(年2~3回程度)に実施する等、重複受診や頻回
受診が懸念される被保険者に対して適正受診を促していきます。
○医療費通知
医療費通知は、被保険者に対して医療費の額等を通知することにより、健康に対す
る認識を深めてもらうとともに、併せて国民健康保険制度の趣旨の周知を図り、国保
事業の円滑な運営に資することを目的として実施しています。毎年、12 か月分の情報
を6回に分けて各世帯主宛に送付しています。
○糖尿病等重症化予防プログラムの実施
糖尿病等、生活習慣病に基因する疾病の重症化を予防するため、専門的な訓練を受
けた看護師等により一定期間、個別支援を行うプログラムを実施し、対象者の重症化
を防ぐための生活改善を促すことを検討していきます。
(2) 保険料負担の公平性を確保するための施策
本市の国民健康保険料の収納率は、ここ数年は上昇傾向にあるものの、依然として
県内市の平均水準を下回る状況にあります。そこで、国保財政の安定運営と負担の公
平性確保のため以下の対策を進めていきます。
保険料収納率の状況
項目
単位
平成 22 年度
平成 23 年度
%
平成 24 年度
平成 25 年度
現年度分
88.05
88.39
88.68
89.30
滞納繰越分
10.02
10.82
12.40
12.83
17
保険料収納率の目標値
項目
単位
%
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
現年度分
89.50
89.70
89.90
90.10
滞納繰越分
13.00
13.20
13.40
13.60
○口座振替・コンビニ納付の推進
保険料の納め忘れを防止し、納入義務者の利便性を向上させるため、保険料決定
通知書に口座振替申込書を同封するほか、納付書をコンビニ収納対応のものにする
等、口座振替及びコンビニ納付の利用を促していきます。
○新たな納付システムの導入
納入義務者の利便性向上のため、クレジット決済やマルチペイメント等の新たな
納付システムの導入を進めていきます。
○納付相談窓口の充実
保険料が未納となっている納入義務者との折衝機会を増やし、計画的な納付に繋
げていくため、夜間・休日の納付相談窓口を充実します(平成 26 年度 夜間 18 回
休日 12 回実施予定)。
○被保険者等の状況に合わせたきめ細やかな対応
保険料の納付について納付相談等折衝の結果、納入義務者に特段考慮すべき事情
等がある場合は個々の事情に応じ分割納付等、可能な限り柔軟に対応していきます
が、納付相談等に応じない納入義務者や、納付相談等の結果支払能力が有りながら
自主的な納付が見込まれないと判断される納入義務者については、十分に調査を行
い、法令に基づく財産調査、差押え及び差押え財産の換価などの滞納処分を適切に
行っていきます。
(3) 被保険者への情報提供及び啓発
被保険者が自身の健康の維持増進に自主的に取り組み、また本市の国民健康保険事
業や医療費適正化に関する施策について理解が深まるよう次のような手法を活用し
て様々な情報提供を積極的に行っていきます。
○広報ぬまづ
広報ぬまづ(毎月2回発行 市内全戸配布)に被保険者証や各種受給者証の更新、
人間ドックや脳ドックの助成、ジェネリック医薬品差額通知、国民健康保険料の各納
期や夜間・休日の納付相談に関するお知らせを掲載し、周知を図ります。
18
○国保だより
国保だより(毎年度7月と3月に発行 市内全戸配布)に国民健康保険制度、各年度
の保険料率、給付に関する各種手続きや特定健康診査等についてのお知らせを掲載し周
知を図ります。なお、平成 26 年度からは表紙写真を公募し、また今後については外国
語版の発行や発行回数や掲載内容をゼロベースで検討するなど、より親しみやすい国保
だよりとするために工夫してまいります。
○市ホームページ
市ホームページに国民健康保険制度、各種手続き、保険料の計算方法や特定健康診査
等について掲載し、制度に対する理解を深めるための周知をしてきましたが、今後は被
保険者の健康づくりに必要・有用な情報を加えるなど、より内容の充実を図っていきま
す。
○ぬまづ国保メール
平成 26 年度から、パソコンや携帯電話を利用し登録者へ、よりタイムリーに情報提
供を行うためのメールマガジン「ぬまづ国保メール」のサービスを開始しました。今後
は、これを活用し各種手続や特定健康診査等の受診勧奨、保険料の納期ごとの納付勧奨
や健康に役立つ料理レシピや運動の紹介などについてタイムリーに情報発信していき
ます。
19
第5章
1
計画の推進と見直し
計画の推進
本計画の円滑な実施に向け、本市の組織体制の整備をはじめとする推進基盤の充実を図
るとともに、他の医療保険者、住民組織等と連携をしながら被保険者、医療機関等と相互
に協力して取組を進めていくよう努めるものとします。
また、定期的に本計画の達成状況を点検し、その結果に基づき必要な施策を実施する
PDCA サイクルを活用することで、より効率的・効果的に計画を推進するものとします。
2
計画の見直し
本計画の期間は平成 29 年度までとしますが、本計画が現状を踏まえて定めたものであ
るため、今後の国や静岡県の動向を踏まえ、本市国民健康保険における医療費の分析結果
やその他計画を推進する上で改善が必要と認められる場合などについては既存の施策を
修正し、又は新たな施策等を追加することを想定しています。そのため、終了年度である
平成 29 年度に実績評価を行い、その結果をもとに更新するものとしますが、医療制度の
改正等や本市国民健康保険事業に関して環境変化があった場合、法令等により医療費適正
化に関連する計画の策定等を行う場合は、本計画の終了前であっても適宜修正・見直しを
することができるものとします。
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