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004 「不確かさて・・・・?」(仮題)

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004 「不確かさて・・・・?」(仮題)
「不確かさて・・・・?」(仮題)
測定の不確かさについて
バックナンバー
『 ¥¥養子¥関係者専用¥Fut¥資料¥SCC内勉強会 』
(PDFのみ)
http://www.futami.jp/Study/SCC/
Beginner's
A
Guide to Uncertainty of Measurement
~!
うわ ぁ
2
予定
† どうすればいいのか?(10/7)
† (拡張)不確かさへの道(10/7)
„ 「かたより」と「ばらつき」
„ 拡張不確かさ
„ 信頼の水準、包含係数
„ 合成標準不確かさ
„ Aタイプ、Bタイプ
„ 分散の計算法;A、B
† 【演習1】紐の長さ
† 【演習2】放射能の測定
† 不確かさ(uncertainty)とは?(10/7~《以降あとは各自で…》)
3
正確さ、不正確さ、誤差、精密さ、…
V
V
…⇒使っちゃダメ! (言葉狩りか????)
GUMでは用語:“真の値”は使用しない
『これほど広く誤解されている問題も珍しい』
(テキスト p.6[まえがき])
(批判的な意見も)
日本機械学会 関連 機械工学における先端計測研究会
「機械の計測 」
http://staff.aist.go.jp/akira.umeda/
不確かさメーリングリスト
uncertaintyを不確かさとしたのは、内容を
理解せず、言葉をそのまま訳したという意味
で、誤訳であると思います。 (確からしさ?)
4
テキストの参照法
ASG104 不確かさの入門ガイド 33/33
ASG104 不確かさの入門ガイド 32/33
V
右上のページ数を目印
に、テキスト中の参照
ポイントを提示します。
ASG104 不確かさの入門ガイド 32/33
– ※例)『テキストp.32』
–
『(p.32)』
5
どうすればいいか?【結論】
„ 次のようにGUMに従って表現すべし。(p.20[8節]、7、3[概要])
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づい
ています。」
„ 2.2節の例(p.7):「20 cm ± 1 cm(信頼水準95%)」
„ コバルト校正定数の最新の報告書(H16.9.14)に記載されていた例:
「コバルト校正定数の相対拡張不確かさは、1.5%です。(標準偏差
の2倍の値[k=2])」
„
※注)下線はVIMまたはGUM自身にて定義されている用語であり、二見が付けました。
6
「かたより」と「ばらつき」
(拡張)不確かさへの道
不確かさは「ばらつき」に対して着
目している。
„ 「かたより」は補正してしまう。(補
正すれば“誤差”はなくなる。但し、
“補正すること”に起因する不確
かさは発生する。(p.22)
„ 但し、これらの概念
ばらつき(Random)偶然
かたより(bias;Systematic)系統
は不確かさの分類には使われない。
„
図の出典(赤点は二見が加えました)
統計学入門
http://homepage1.nifty.com/snap/room04/c01/stat/stat.html
7
(拡張)不確かさへの道
expanded uncertainty
„
テキストp.16[7節]
最終的な合成標準不確かさ ⇒ k(=2?)を掛ける
(↑標準偏差のようなもの)
拡張不確かさ(U )= k × 合成標準不確かさ(uC)
p.19[7.4節]
k:包含係数(信頼の水準が約95%の場合 k=2)
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づいています。」
8
信頼の水準
(拡張)不確かさへの道
level of confidence
p.7[2.2節]
2u
(約)95%
(p.14の図)
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づいています。」
coverage factor
9
合成標準不確かさ(uC(y))
(拡張)不確かさへの道
combined standard uncertainty
„
p.16[7節]
不確かさ伝播則 (“誤差(!)伝播側”と同じ)
↑とても簡潔な解説WEB:「ようこそ、化学標準物質の不確かさへのいざない 」
http://staff.aist.go.jp/s-shin/
「二乗和の平方根」
GUM:独立(相関がない)
„
2
⎡ ∂f ⎤
Y = f ( X 1 , X 2 , K , X N ) のとき uC2 ( y ) = ∑ ⎢ ⎥ u 2 ( xi )
i =1 ⎣ ∂xi ⎦
N
テキストp.17-18は問答無用でマスターのこと!
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づいています。」
10
(拡張)不確かさへの道
Aタイプ、Bタイプ
Type A, Type B
p.16[6.1節]
分類の目的:成分を評価する二つの異なる方法
を明示すること。【議論の便宜】
„ Aタイプ:一連の繰返し観測から算出(u=s)
„ Bタイプ:利用可能な知識を用いて評価(u)
„
„
確率密度関数⇒標準偏差≡分散の正の平方根
推定標準偏差⇒標準不確かさ
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づいています。」
11
(拡張)不確かさへの道
分散の計算法(A)
タイプAの評価:推定標準偏差u
„ s2:実験分散、(推定分散、…);p.12式(1)
„
1 n
q = ∑ qk
n k =1
1 n
s (qk ) =
(qk − q ) 2
∑
n − 1 k =1
但し、平均値
„ 更に…;p.17式(2)
s (q )
u ( x ) = s ( X ) つまり
s (q ) =
⇒
n
1 ⎛
⎞
„ 式変形; s (q ) = n − 1 ⎜⎝ ∑ q − n ⋅ (q ) ⎟⎠
2
2
2
2
k
2
i
n
2
k
k =1
2
k
i
s
u=
n
注意!
2
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づいています。」
12
(拡張)不確かさへの道
分散の計算法(B)
„
„
„
„
タイプBの評価:推定標準偏差u 先に知れることも
u=U/k ⇒ u2 を合成に使う
タイプBだからといって矩形分布であるというわけで
はない
片幅aの矩形(一様)分布の場合は、
u=
a
3
重要!覚えること。
となる(導出は練習問題とする)。p.17式(3)
「〔対象〕の〔測定量〕の測定結果は、
〔平均値〕 〔単位〕 ± 〔拡張不確かさ〕 〔単位〕
但し、不確かさは k=〔包含係数〕 を掛けた合成標準不確かさに基づいています。」
13
【演習1】紐の長さ
テキストp.20-24[9節]
z
8つのステップ(p.16[6.2節])を理解する!
1.
考慮項目数が多いほど不確かさが大きくなる?そんなことはない…と思います、推論が妥当なら。
測定値回数n=10、平均値5.017 m、推定標準偏差=0.002 1 m(2.1 mm)。【計算省略】
タイプBの標準不確かさ推定の例。p.24表1を見ながらやると良い。タイプAはu=2.1mm/√10=
2.
3.
z
0.664 078…
078…mm。
mm。
不用意に“半値幅”という用語を用いないでもらいたい。FWHM
(半値全幅)と混乱してしまう。むしろ、a
aはHWHM
不用意に“半値幅”という用語を用いないでもらいたい。FWHM(半値全幅)と混乱してしまう。むしろ、
(半値半幅)のことでしょう。
独立かどうかの検討は案外難しい。追加計算の方法はGUMに解説されている。
計算する際、Y=f(X1,…)の形を認識する。既に実施済の校正やかたより補正場合でも期待値0のシフ
ト成分とみなすと分かりやすい。
合成標準不確かさの計算においては、前ステップで得た関数モデルを元に伝播則を適用。
包含係数を選択し、拡張不確かさを評価する。
適切に記録する。(以下GUM7.2.6をまとめる。)
4.
5.
6.
7.
8.
z
z
z
z
z
推定値や不確かさは余分な桁数の数字を与えない方がよい。
不確かさの引用は多くとも2桁の有効数字で十分。(数字“1”,“2”以外は1桁でもいいとも)
ときには次いで行なわれる計算の丸め誤差を避けるために追加の数字を残しておく必要があることもある。
不確かさの端数は基本は切り上げ。但し、一般常識が優先される。(u
不確かさの端数は基本は切り上げ。但し、一般常識が優先される。(uC(y)=
(y)=28.05 kHz⇒
kHz⇒28 kHz)
kHz)
出力及び入力推定値は不確かさに整合するように丸めるべき。( uC(y) =27 mΩのときy
のときy=10.057 62
Ω⇒10.058
Ω⇒10.058 Ω)
紐の長さは5.027 m ± 0.013 mでした。但し、拡張不確かさは標準不確かさに包含係数k=2を掛けた
値に基づいており、信頼の水準は約95%となります。
14
【演習2】本日の最終問題(GUM H.4)
ある水溶液試料中のラドン(222Rn)の放射能濃度を、既知の放射能濃度をもつラドン
標準線源に対して液体シンチレーション計数により決定するとする。未知の放射能濃
度は、22mLの体積のバイアル中の約5gの水と12gの有機乳剤シンチレータからなる
次の三つの計数線源を測定することによって求められる。
ƒ
既知の放射能濃度をもつ質量mS の標準溶液からなる標準試料
バックグランド測定のための、放射性物質を含まない零試料
未知の放射能濃度をもつ質量mx を精密に取り分けた測定試料
a.
b.
c.
6サイクルの測定が「標準-零-試料」の順で行なわれる。
各線源に対する各不感時間補正後の計数間隔T0 は全て60分。
零試料の計数は同サイクル内のバックグラウンドとして用いてよいと仮定する。
ƒ
ƒ
ƒ
GUM p.167 「表H.7 未知の試料の放射能濃度を決定するための計数データ」より
サイクル
標準試料
k
零試料
測定試料
tS
CS
CB
tx
Cx
(min)
(カウント)
(カウント)
(min)
(カウント)
1
243.74
15380
4054
367.37
41432
2
984.53
14978
3922
1107.66
38706
3
1723.87
14394
4200
1846.99
35860
4
2463.17
13254
3830
2586.28
32238
5
3217.56
12516
3956
3340.68
29640
6
3956.83
11058
3980
4079.94
26356
15
【演習2】放射能の測定;問題の補足
„
„
tS,tx は基準時間t=0から不感時間補正後の計数間隔T0=60minの中間点までの
時間。
CS,CB,Cx は不感時間補正後の計数間隔T0=60min内に記録された計数
式(H.18a、b):
„
„
„
„
„
GUM H.4
C S = C B + εAS T0 m S e − λt S
C x = C B + εAxT0 m x e − λt x
AS :基準時間t=0における標準試料の放射能濃度。AS=0.136 8 Bq/g 、u(AS)
=0.001 8 Bq/g
Ax :基準時間t=0における測定試料の未知の放射能濃度。測定量。
mS :標準溶液の質量。mS=5.019 2 g、u(mS)=0.005 g
mx :測定のため精密に取り分けられた試料の質量。mx=5.057 1 g、u(mx)=0.001
0g
λ :222Rnの崩壊定数。λ=(ln2)/T1/2=1.25894×10-4 min-1 (T1/2=
5505.8 min(=3.8235日))
式(H.19)
式(H.20)
Ax = f ( AS , mS , m x , C S , C x , C B , t S , t x , λ )
m S (C x − C B ) e λ t x
= AS
m x (C S − C B ) e λt S
Ax = AS
m
mS Rx
= AS S R,
mx
mx RS
[
]
λt
Rj = (C j − CB ) T0 e j , ( j = x, S )
16
【演習2】放射能の測定;解答編
Rx
RS
-1
(min )
652.4553
666.4839
665.8003
655.6838
651.8735
623.3073
R=R x /R S ←直接計算 相関成分
-1
AS
-2
(min ) (Bq/g)
1.662581
34.61847
65.88509
24.91656
-5.69221
350.2058
GUM H.4
mS
mx
Ax
(g)
(g)
(Bq/g)
5.0571 0.430431
(min )
194.6488
208.5816
211.0795
214.1697
213.9158
194.133
3.35196119
3.19531467
3.15426281
3.06151527
3.04733704
3.21072377
3.35196119
3.19531467
3.15426281
3.06151527
3.04733704
3.21072377
合計
平均
3915.604 1236.528
652.6007 206.0881
19.0211148
3.17018579
19.0211148 471.5963
3.17018579
0.1368
5.0192
標準偏差
平均の標準偏差
15.71707 9.289768
6.416466 3.792532
0.1117781
0.04563322
0.1117781
0.04563322
0.0018
0.005
0.000381
0.013158 0.000996 0.000198 0.019529
0.008406
相対標準不確かさ 0.009832 0.018402 0.01439449 0.01439449
合成標準不確かさ u 2 ( A ) u 2 ( A ) u 2 (m ) u 2 (m ) u 2 R
C
共分散
相関係数
結果
合成標準不確かさ
Ax2
x
=
S
AS
+
S
mS
+
x
mx
+
( )
(R )
2
0.0010
15.71988
0.645987
0.429946
0.000376
0.019383
0.008334
測定の結果; Ax=0.430 4 Bq/g, ただし、合成標準不確かさuC=0.008 4 Bq/g
(約95%の信頼の水準をもつ区間を与える拡張不確かさは、包含係数k=2.2 から決定
した場合 U=k uC=0.018 Bq/gとなる。しかし、自由度(11)の決め方が難しい。) 17
GUMの推奨する報告様式
z
演習2の結果を例に推奨様式を表示すると…
「Ax=(0.430 ± 0.018) Bq/g,ここで記号±に続く数は[拡張
不確かさ]U=k uC の数値であり、Uは[合成標準不確かさ]
uC=0.008 4 Bq/g とν=11の自由度に対するt分布に基づく
[包含係数]k=2.20とから決定されたもので、95パーセント
の信頼の水準をもつと推定される区間を定める。」
z
不確かさの報告値として合成標準不確かさを用いてもいいことになっているが、そ
の場合はそのことが確実に分かるように記述すること。GUMには4種類の推奨様
式が挙げられている。但し、その際、特に記号±は使わない方がよい。『±で表示
するものは拡張不確かさである』とする暗黙の了解があるもよう。
18
不確かさ(uncertainty)とは?
„ 国際計量基本用語集(VIM)での公式の定義;
(測定の)不確かさ [uncertainty (of measurement)]
測定の結果に付随した、合理的に測定量に結び付け
られ得る値のばらつきを特徴付けるパラメータ。
„ 「ある測定の結果の確実さへの疑い」 2つの意味;
1.
2.
一般的概念。
例えば標準偏差のような、この概念の定量的な尺度
を与える固有の量。
„ Guide to the expression of uncertainty in
measurement :GUM
19
GUM概要
(社)日本規格協会
http://www.jsa.or.jp/
内の「JSA Web Store 」規格・書籍の解説による
規格番号:
MISC UNCERT Ed. 1.0:1995 (en)
標題:
GUIDE TO THE EXPRESSION OF UNCERTAINTY IN MEASUREMENT
標題仮訳:
測定の不確かさの表現の手引
状態:
有効
規格概要:
In 1977, recognizing the lack of international consensus on the
expression of uncertainty in measurement, the world s highest authority in
metrology, the Comit・International des Poids et Mesures requested the Bureau
International des Poids et Mesures to address the problem in conjunction with
national standards laboratories and to make a recommendation. This publication
is the result of that work.
† 発行年月日: 1995-01-01
†
†
†
†
†
20
産業技術総合研究所 国際部門 国際標準協力室
http://www.intermet.jp/metric/
GUMの位置づけ
z
メートル条約(1875;パリ)17カ国⇒51カ国
日本1886(明19)加入。1959(1966)実施。
z
z
最高機関:国際度量衡総会(CGPM);4年毎開催
代執行機関:国際度量衡委員会(CIPM);年1回開催。
国籍の異なる18名の委員(日本1907~)。
計測における不確かさの表現に国際的合意がないことを認識。問題提起、勧告を作る
ようBIPMへ要請(1977)。
z
CIPMの事務局・研究所:国際度量衡局(BIPM)
会議を招集(11の標準研究機関の専門家)
– この作業部会の勧告:INC-1(1980)
– CIPMはこの勧告を承認(1981)し、再確認(1986)した。
z
z
詳細なガイド作成の照会がCIPM⇒国際標準化機構(ISO)へ。
ガイドライン作成の責任:ISOの技術諮問グループ(TAG 4)
– 参加6機関;国際電気標準会議(IEC)、CIPM、国際法定計量機関
(OIML)、国際純正応用化学連合(IUPAC)、国際純粋応用物理学連合
(IUPAP)、国際臨床化学連合(IFCC)
21
産業技術総合研究所 国際部門 国際標準協力室
http://www.intermet.jp/metric/
最新情報
JCGM::計量におけるガイドに関する合同委員会
JCGM(Joint Committee for Guides in Metrology)
計量計測分野において共通に用いられる「用語」と「信頼性評価」に関する国際文書の作成が、
国際組織間の密接な連携のもとに進められている。すでに1993年に発行されたGuide to the
Expression of Uncertainty in Measurement(略称GUM)の改訂と補填に関するWG1とInternational
Vocabulary of Basic and General Terms in Metrology(略称VIM)の改訂と補填に関するWG2が設
置されて、BIPM,ISO,IEC,ILAC,OIML,IUPAC,IUPAP,IFCCの八つの主要国際組織からの専門家
代表選出されており、これらの審議に参加している(事務局は国際度量衡局BIPM内)。2004年は、
11月17日~21日にWG2が、また、11月24日~26日にWG1が開催される予定である(いずれもパ
リ、BIPMが会場)。
Chairman: Dr T.J.Quinn
Meetings:
From 17 to 21 November 2003, JCGM Working Group 2 (VIM)
From 24 to 26 November 2003, JCGM Working Group 1 (GUM)
JCGM詳細 http://www.intermet.jp/JCGM/jcgm.html
詳細案内:http://www.bipm.org/en/committees/jc/jcgm/
22
参考文献
z GUMの和訳本が出ています。「ISO国際文書 計測における不確かさの表現ガ
イド」 監修 飯塚幸三、ISBN4-542-40163-4、日本規格協会
z その他、各種規格書の原書や訳本は、 (社)日本規格協会より購入できます
( http://www.jsa.or.jp/ )。
z 今回のテキスト「不確かさの入門ガイド (認定-部門-ASG104-03)」 は次の
ページより入手できます。
http://www.nite.go.jp/asse/jcss/docs/
z その他、WEB上に良い解説ページが多数あります。
{
{
{
{
{
豊富な文献集がある http://www.nmij.jp/stats-partcl/uncer.html
今回と同内容を順方向で、より良く分かりやすい http://staff.aist.go.jp/s-shin/
不確かさML(休止?) http://staff.aist.go.jp/akira.umeda/
統計学入門 http://homepage1.nifty.com/snap/room04/c01/stat/stat.html
必読エッセイ http://www.orixrentec.co.jp/tmsite/hotr/hotr_gosa.html
23
問題
1.
矩形(一様)分布に対する標準不確かさは7.1.2節の式(3)において
a/√3
(3)
と示されているが、これはGUM4.3.7節の式(6)及び式(7)より導かれる。
(6)
u2(xi)=(a+-a-)2/12
(7)
u2(xi)=a2/3
これらを導け。但し、u2(xi)は分散であり、矩形分布は「Xiの値がa-からa+の区
間にある確率が事実上1に等しく、この区間の外にある確率が事実上ゼロであ
る」と表現できるものとする。Xiの期待値xiは区間の中点xi=(a+-a-)/2であ
り、両側限界の差(a+-a-)は2aと表わすこととする。
(p.15)
1
(a+ − a− )
xi - a
≡a-
a
xi
1
2a
xi + a
≡a+
24
【問題1】解答編
a≡
1
(a+ − a − ) と置き、
2
z≡ x−
σ 2 (x ) =
と変数変換すると、
⎧ 1
⎪
L (− a ≤ z ≤ a )
P (z ) = ⎨ 2 a
⎪⎩0 L ( z < − a , a < z )
µ z = 0,
だから、
1
(a + + a − )
2
∫
z=a
z=−a
z2 ⋅
1
dz
2a
a
1 ⎡ z3 ⎤
1 3
=
=
z
⎢ ⎥
2 a ⎣ 3 ⎦ − a 3a
[ ]
a
0
a2
=
3
これから逆に、
2
1⎛1
1
⎞
2
u ( xi ) = ⎜ (a + − a − )⎟ = (a + − a − )
3⎝2
12
⎠
2
が出る。
25
これより以下は、付録です。
昔の“誤差”論
„
『真の値が分からないから測定するのに、真の値が分からなければ誤差も分からないの
では、永久にドウドウめぐりをするより仕方がない。』⇒当時“真の値”とは「真と信じる値」
であった。【曖昧あるいは恣意といった要素がほとんど常に含まれると思ってよい】<理想
化した概念>(328頁の教科書では138頁まで言及を避けていたりする)
„ 真の値:実測値を我々が信じる補正値で補正した値。 GUM「ある特定の量の定義と合致する値。」
„
„
物理実験者のための13章
兵藤申一 ISBN4-13-063021-0
11章 誤差の知識
誤差:その補正値。 GUM「測定の結果から測定量の真の値を引いたもの。」
系統誤差(systematic error):原因を分析することにより、少なくとも原理的には除去で
きる性質の誤差。GUM「繰返し性条件の下で行われた同一の測定量の無限回の測定によって求められた平均から、その測定量の
真の値を引いたもの。」
„
„
„
„
理論誤差(theoretical error):理論上の誤差、理論を導く際の仮定に原因する誤差。実
験条件を、理論の仮定や境界条件に完全に一致させることは非常に難しい場合が多い。
機器誤差(instrumental error):測定に用いる器機そのものに原因する誤差。⇒校正
個人誤差(personal error):個人の癖に由来する誤差。;過失(mistake)は誤差の議論
からは除外する。また、昔は“最小目盛りの1/10まで目測で読み取る”ことが常識であっ
た。
偶然誤差(random error):あまり原因がはっきりせず、コントロールできないような原因
が多数複雑に絡み合って生じる誤差。GUM「測定の結果から、繰返し性条件の下で行われた同一の測定量の無限回
の測定によって求められる平均を引いたもの。」
„
(繰り返し測定の際の)再現性:完全に同一の条件で実験を繰り返すことはきわめてむず
かしい。
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昔の“誤差”論(2)
物理実験者のための13章
兵藤申一 ISBN4-13-063021-0
11章 誤差の知識
„ かたよりとばらつき再び
„
„
正確さ(accuracy):偏りの少なさ、つまり系統誤差の少ない度合いを示す概念。
精密さ(precision):ばらつきの少なさ、偶然誤差の少ない度合いを示す概念。
„ くせものの系統誤差;ほんとうに物理が分かっていないとむずかしいし、たとえ
分かっていてもむずかしい場合が少なくない。
„
『X線単位』の逸話:1 X単位≒100.2 fm、X線分光学やX線結晶学で用いられ
る(た)長さの単位。結晶の密度とアボガドロ数から岩塩18℃(200)面間隔を
2.81400Åと仮定し、これを標準とするÅにきわめて近い長さの1/1000を
「X(線)単位」とよんだ。最初はちょうど1 XU=100 fmに決めたつもりだったが、
食い違いを修正する手間が膨大でそのままになった。原因はアボガドロ数を決
めるMillikan の油滴実験で見逃された系統誤差だという。
„ 偶然誤差の扱い;GUMとほぼ同様の考え方と手法。
„
使用パラメータ数値や用語の違い
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参考文献(付録部分)
z 個人的に考え方や精神的な部分などいろいろ参考にしています。「物理実験者のための13
章」(物理工学実験 1) 兵藤申一、ISBN4-13-063021-0、東京大学出版会
z 現在も入手容易で定評のある教科書のようです。「計測における 誤差解析入門」JOHN R.
TAYLOR、林茂雄・馬場凉 訳、ISBN4-8079-0521-X、東京化学同人
{ 但し、総頁数328中p.138まで「真の値」という用語が出て来ず、意図的に議論を避けている。また、
「誤差」を「不確かさ」と同じ意味で扱っており、これらの用語を明確に区別して議論するGUMと立
場が決定的に異なっているので、注意が必要である。言い換えれば、この教科書を読むときは用語
「誤差」を「不確かさ」に読み替えるとよい。そういう意味では「不確かさ」を扱う入門的書な教科書と
言える。
z いわゆる“誤差論”の本で現在入手可能な書籍はいくつかあります。目を通してはいません。
「新しい誤差論―実験データ解析法」吉沢康和、ISBN4-320-01424-3、共立出版
z フィッティングプログラムを利用しています。「データ解析 アナログとディジタル」粟屋隆、
ISBN4-7622-6379-6、学会出版センター
{ 統計誤差「アイソトープからの放射線カウントなど、一定時間あるいは特定の条件内で起こる現象
の数を数える実験に特有なもの」というものがあって、これを系統誤差と混同するのは論外としても、
“これがカウント数が大きくなると偶然誤差と同じ取り扱いができると言われているが、そう言ってし
まうのは間違いである(「偶然誤差と同じ」と言うことか?)。世間ではこのことについてかなり誤解を
しているようである。”という記述を今回発見した。GUM流にやればこういったそもそも論はどうでも
よくなりはする訳である。
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