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講義資料9

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講義資料9
防災工学9
防災工学9
(中越地震part
(中越地震
partⅡ
Ⅱ)
1
震源域周辺の地質構造
‹ 信濃川と新発田-小出構造線との間には,
幅約15 km,長さ約80 kmに達する複背斜
構造が丘陵を形成している 丘陵に分布
構造が丘陵を形成している.丘陵に分布
する前期更新世の魚沼層群が褶曲してい
ることから,第四紀に大きく隆起している.
‹ 中越地震では規模の大きな余震が発生し
た.稠密余震観測によって決められた余
震分布から,本震の断層面から離れた断
層面や,それと逆方向に傾斜する断層面
等が明瞭にとらえられた.特に,本震の約
30分後に発生した最大余震は,本震の断
層面に平行で約5 km東に位置する断層
面で発生した.このような本震とは別の断
層面での余震の多発は,この地域の上部
地殻中に複雑な断層系が存在しているこ
とを示唆している
とを示唆している.
2
日本海東縁に発達する盆地反転
„厚さ5000mを超える新潟堆積盆地は,前期中新世
(約2500 1500万年前)に沈降したリフトの 部で,
(約2500-1500万年前)に沈降したリフトの一部で
日本列島がユーラシア大陸から離れて日本海が
拡大した時期に形成された.
„リフト内では中新世以降,堆積物がたまり続けた
が,鮮新世(約500〜200万年前)の中期以降に
なって,東西圧縮応力が強まって,リフト内が隆
起し始めた.特に第四紀(約200万年前〜現在)に
な
なって逆断層の活動が活発化している.このよう
逆
が
う
に正断層が逆断層として再活動することによって
堆積盆地が隆起することを,盆地反転と呼ぶ.
„逆断層の上盤は隆起し非対称な断面を持つ背斜
構造を形成する.
3
小平尾集落に出現した地震断層
東向きに撮影(西側が隆起)
旧広神村(現魚沼市)小平尾(おびろう)地区において,全長約1kmにわたり
旧広神村(現魚沼市)小平尾(おびろう)地区において
全長約1kmにわたり
明瞭な地震断層を含む地表変形がほぼ南北方向に断続的に分布すること
4
が確認された
トレンチ掘削調査
掘削調
„ 断層と地層の切断・被覆関係,
地層の変形程度の違いなどか
ら過去約8000年前以降,中越
地震に先立ち2回のイベントが
認定された さらに 断層により
認定された.さらに,断層により
食い違った地層の復元から,こ
れら2回のイベントに伴う断層
沿いの変位量はいずれも1 5
沿いの変位量はいずれも1.5m
以上であることが明らかにされ
た.この変位量は,新潟県中越
地震に伴う変位量(10cm程度)
より明らかに大きい.
北向きに撮影
5
重力基盤・推定結果
„平地部は深さ
平地部は深さ3000
3000~
~4000m
とかなり深い
„長岡市東部、旧山古志村北部
において基盤標高が高く、そこ
から北側および南側に向かって
低くなっている。
„長岡平野東縁部において大きな
基盤標高 変化が見られる
基盤標高の変化が見られる。
„川口町において
川口町において,,地形とは相関
がない基盤の落ち込みが見られ
る。
基盤標高図
6
断層走向との比較
中越地域内にある逆断層帯(長岡平
中越地域内にある逆断層帯(
野西縁断層帯,,十日町断層帯
野西縁断層帯
十日町断層帯,,悠久山
断層帯))の走向と基盤標高の等高線
断層帯
の急変部の方向はほぼ対応してい
の急変部の方向はほぼ対応し
る。
7
最大速度分布
最大速度分布(EW成分)
最大値(0 021m/s)
最大値(0.021m/s)
長岡平野東縁
部において最
大速度が大き
い箇所が連続
してある
×
墓石の転倒率(内藤・他)
8
最大速度分布
最大速度分布(EW成分)
最大値(0 021m/s)
最大値(0.021m/s)
吉見 2005
吉見,2005
従来の地盤モ
デルに基づく
数値計算では
長岡平野東縁
部の被害につ
いてうまく説明
できていない。
×
9
最大地動分布の評価
78地点の観測値を用い
78地点の観測値を用い、
断層のすべり分布を考慮し、
最大地動分布を評価した。
山古志村 川口町 小千谷
山古志村、川口町、小千谷
市、長岡市南部で震度6強
以上であり、長岡市東部に
延び
延びていることがわかる。
る とがわかる
長岡国道事務所
妙見堰
山古志村役場
KNET小千谷
川口町
役場
4.0
4.5
5.0
5.1
5 2
5.2
5.3
5.4
5.5
5.6
5.7
5.8
5.9
6.0
6.1
6.2
6 3
6.3
6.4
6.5
10
東西方向の地盤の動き
Damage to tunnels
JR Joetsu Shinkansen Railway
East
JR Joetsu
Railway
Uonuma tunnel
(Fig 10)
(Fig.
West
0
Wanazu tunnel (Fig. 9)
2 km
Kajigane
syncline
Flooding in
June 2005
(Fig. 13)
11
上下方向の地盤の動き
Damage to tunnels
JR Joetsu Shinkansen Railway
Up
JR Joetsu
Railway
Uonuma tunnel
(Fig. 10)
Down
0
Wanazu tunnel (Fig. 9)
2 km
Kajigane
jg
syncline
Flooding in
June 2005
(Fig 13)
(Fig.
12
2
1
5
4
3 田麦山:住宅全壊率90%
3
1
2
4
13
新幹線魚沼トンネル
Damaged
segment
Uonuma
tunnel
Inokurayama
fault
14
Fig. 28(c)
Fig. 29 (b)
N
Fig. 28(b)
Fig. 29 (a)
195,113m
195,080m
195,060m
15
Figure 28
195,113m
10 cm
15 cm
16
地すべりによるトンネル被害
地す
りによるトンネル被害
• 木沢トンネルに生じた亀裂とトンネル軸線の変位
17
木沢トンネル東側斜面
施工時に大量の湧水の報告
Shadow
zone
north
mouth
((a)) East wall
18
Tunnel crosscross-sections
5
4
East
3
2
Intact
cross
cross-section
section
Kizawa
Original,
(slightly deformed?)
59m1from
northfrom
end north end
Kizawa
~59the
meter
Kizawa
~55the
meter
55m2from
northfrom
end north end
51m3from
northfrom
end north end
Kizawa
~51the
meter
1
0
-1
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
3
4
5
19
川西ダム
z かんがいダム(新潟県中魚郡川西町)
z 堤高43m,
堤高43
z 総貯水量1,118千トン、1978年完成
20
川西ダム、左岸上流斜面の張りブロックの変状
21
No.3
左岸
8 (100)
52
No.3
N
3 347
120
252
上流
108
No.8 221
66
No.12
No.8
56
44
下流
No.12
17
45 (276)
6 (162)
右岸
ダム軸
← 水平変位,(
水平変位 ( )内は鉛直変位,単位mm
)内は鉛直変位 単位mm
● 地震計
22
上流左岸中段付近にピーク
下流
左岸
ダ ム
右岸
上流
(m/sec2)
14.0
0.0
上下流方向加速度の最大値コンター図(堤体表面)
基礎のせり上がり
・No.3 断面
NO. 3
23
23
貯水ダム被害
z 中越地震では、近代的技術で設計施工されたフィル
ダムが、‘レベル2’地震動を受けたにもかかわらず、
軽度~中規模程度の変状、被害に収まっている。こ
の事実から、近代的ダムでは、レベル2地震動にお
いても、安全性を有していることが実証された。
z ため池のような、経験的技術に基づき築造されたも
のでは、被害の程度、被害数とも多い。決壊による
2次災害を考慮して 耐震補強する必要もある
2次災害を考慮して、耐震補強する必要もある。
24
西片貝の宅地盛土被害
25
西片貝の宅地地盤の修復
6系統24台油圧ジャッキで均等に支持し,基礎下に敷き砂利,
底版RC(t=200)を打設した
26
長岡高専(大規模造成地)の被害
(
27
長岡高専(大規模造成地)の被害
(
28
軽量盛土工標準断面図
⑦- ⑦
1
B7- 6.80
9
GH=
100
Nd
50
0
0
1
2
3
2
B7- 5.71
8
GH=
4
5
5
2004/11/12 6
7
8
B
0
2004/11/15 1
2
3
4
DL=80.00
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
9
10
N値
0 10 20 30 40 50
11
12
4
13
13
14
18
15
7
K6-2
N値
0 10 20 30 40 50
0
K2-7
Nd
50
100
0
Nd
50
100
4/34
6
5
5
12
5
5
B
28
17
17
5
6
10
14
Oyv
10
20
30
Oyg
11
48
Oyv
11
16
15
11
19
Uc
17
23
15
14
29
高町団地(大規模造成地)の被害
30
高町団地(大規模造成地)の被害
31
補強土工法を用いた崩壊斜面の復旧
道路
1:
1.7
法面ユニット
補助補強材
0
1.
1:
.6
1:0
ジオグリッド
Tmax=32kN/m
大型土嚢
120
00x7=8400
.0
1:1
掘削時の
仮設H鋼杭
300,@1.2m,
L=12m,21本
.0
1:1
工事用掘削線
種子吹付
1:
1.
7
32
兵庫県南部地震の宅地被害形態
被害の形態
地震時の被害の特徴
I
盛土下部
盛
滑動型
旧谷筋もしくは山麓部に堆積していた崖錐
筋も
堆
崖
や崩積土・強風化土上に盛土したために、
これらが滑り面となって変状、崩壊
れらが滑り面となって変状、崩壊
II
盛土内
液状化型
液
砂質土主体の盛土内の地下水位以深が液
状化することによる流動性の破壊
す
流動
壊
III
盛土下部
液状化型
盛土層とその下位の緩い崖錐(砂質土主
体)が液状化し、地盤が傾斜していて生じ
る流動性の変状
IV
軟弱地盤上の 軟弱地盤の地震動の増幅が激しく、その上
盛土変状型 の盛土がすべり破壊
33
地震で大きな被害の出る可能性のある地盤とその特徴:今村(2004)
区分
地盤性状と地震災害
強震動帯
断層地帯で、震源でなくても振動が大きい
急斜面
段丘崖
勾配の大なる山地・丘陵・段丘などの縁で崩壊・地すべりを生ずる
谷地
谷・河川に向かう斜面で側方流動・地すべりを起し、地割れ・亀裂を伴う
緩
斜
面
扇状地
軟弱な泥岩礫からなる土砂の堆積する扇状地で振動大。地すべりを生じる
低
地
軟弱地盤
後背湿地やおぼれ谷に堆積した粘土層・腐植土層など含水比の高い軟弱地盤
で振動が増幅。支持力不足により不同沈下を生じる
沖積砂層
河川下流域の細砂層の地下水位以深で液状化 亀裂・陥没・不同沈下を起す
河川下流域の細砂層の地下水位以深で液状化。亀裂・陥没・不同沈下を起す。
斜
面
地すべり地
地す
り地 再活動地滑り
再活動地滑りの発生により滑落崖生成と大規模地すべりが生じる
発生により滑落崖生成と大規模地す りが生 る
砂丘間・
砂丘の間や前面(すそ)の低地は粘土や腐植土が堆積したところで振動が大。
内陸縁低地 特に砂丘との境界部で振動が増大。地下水位が高く液状化も生じやすい。
人
工
造
成
地
旧河道
緩い砂質堆積物からなり、地下水位も高く、液状化を起しやすい。
緩
砂質堆積物 らなり、地下水位も高く、液状化を起 やす 。
斜面盛土
丘陵の大規模造成地において、斜面に盛土して平坦面を造成したところでは、
地山と盛土の境界で地すべりし易く、盛土の崩壊も生じる。
平坦地盛土 平坦地の盛土が薄い場合、下部の地盤の性質に拠るが、盛土端部で擁壁の崩
壊や側溝への移動を伴う変形が生じる。
埋立地
沼沢や旧河川の埋立地で、締め固めが不十分な場合、沈下・陥没が生じる。
34
地下水位も高いので液状化が起き易い。干拓地も同様である。
液状化発生地点の分布
燕市
三条市
与板町
見附市
長岡市
刈羽村
柏崎市
小千谷市
本震
十日町市
十
町市
塩沢町
大和町
35
36
刈谷田川の流路の変化
2004年国土地理院撮影の空中写真
1948年米軍撮影の空中写真
37
N
葛巻1
(水田)
(丘陵部)
新町3
新町1
本町2
(水田)
嶺崎1
葛巻2
南本町2
(水田)
南本町3
南本町1
嶺崎2
(丘陵部)
在)
現
(
(水田)
田川
谷
(水田)
刈
下新町
月見台2
熱田町
双葉町
(水田)
(水田)
月見台1
(水田)
(水田)
(水田)
明晶町
緑町
(水田)
名木野町
(水田)
(水田)
凡例
噴砂範囲
(水田)
(丘陵部)
0
500m
38
刈羽村稲場周辺の地形
砂丘の裾の湧水
39
東竹沢地すべりの主滑落崖と地溝(10月27日撮影)
40
河道道閉塞箇所
東竹沢地すべりダムによる河道閉塞状況
(10月27日撮影)
41
主滑落崖
前前沢川
河道閉塞箇所
(地すべり土塊末端部盛り上がり)
東竹沢地すべりダムによる河道閉塞状況/正面写真(11月2日撮影)
ダ
42
芋川本流上流側湛水状況
前沢川
主滑落崖
河道閉塞箇所
(
地すべり末端部)
43
東竹沢地すべりダムによる河道閉塞状況(11月3日撮影)
木篭地区における堆砂状況(1年間で極度に堆砂が進行)
44
地すべり土塊
河道閉閉塞箇所
寺野地すべりダムによる河道閉塞状況
(10月27日撮影)
45
寺野地すべりダムによる河道閉塞状況
(11月3日撮影)
46
道路土工構造物のまとめ(その1)
(1)全般
・道路土工構造物及び沿道斜面の被害は震源域に近くで集中して発生
・台風23号の影響による直前の降雨が被害を拡大した可能性がある
(2) 盛土
・山岳部盛土における沢部盛土の被害が目立った.集水地形であること,
事前降雨により,盛土内に水が存在し大規模な被害を誘発した可能性が
ある
・被害防止の基本は、適切な排水対策と良好な締固めによる密実な盛土
の構築
・基礎地盤の液状化による盛土の地震被害は比較的少なかった
・表層部に粘性土が卓越する区域で,粘性土層のせん断変形によると思
われる盛土被害が関越道において見られた
( )擁
(3)
擁壁
・他の擁壁形式と比較してブロック積(石積)の被災率が高かった
・補強土壁は,他の土構造物に比べて被害は小さかった
47
道路土工構造物のまとめ(その2)
(4) カルバート
・沖積地盤上のボックスカルバートに被害が生じた
・主な被害形態は,目地開き,これに伴う盛土材の流入,カルバート自体の沈下
主な被害形態は,目地開き, れに伴う盛土材の流入,カル
ト自体の沈下
(5) 沿道斜面
・地すべりをはじめとする斜面崩壊により,山間地の集落を結ぶ道路の多くが被
災した
・被害が多発した理由には,誘因としての地震動の強さ、事前降雨のほかに,素
因として褶曲構造が発達した地質的脆弱性が挙げられる
・斜面崩壊の多くが流れ盤斜面で発生していた
斜面崩壊の多くが流れ盤斜面で発生していた
(6) 復旧
・関越道・国道17号などの幹線道路は早期復旧が行われ いずれも地震発生か
・関越道・国道17号などの幹線道路は早期復旧が行われ,いずれも地震発生か
ら2か月以内にほぼ全面交通開放がなされた
・盛土の復旧では,特に地下排水工の強化に配慮され,また盛土自体の強化と
復旧費削減・復旧期間短縮を兼ねて補強土工法が多用された
復旧費削減
復旧期間短縮を兼ねて補強土工法が多用された
48
のり面崩壊(国道17
のり面崩壊(国道
17号川口町天納)
号川口町天納)
●
•崩壊個所は沢地形
•斜面および盛土内の
水位が高かったことが
原因と考えられる
49
復旧工法(国道17
復旧工法(国道
17号川口町天納)
号川口町天納)
本復旧工法選定の方針
・従前の道路線形・幅員構成を確保すること
・道路敷内で復旧対策を行うこと
・早期にかつ安定な道路盛土を構築できること
早期にかつ安定な道路盛土を構築できること
→2ヶ月後に本復旧完了
50
1)適切な排水処理と十分な締固めを行い,
2)最新工法を採用して適切な建設コストで,
3)原状よりも構造的に強化した上で,
4) 期を短縮し迅速に機能復旧を図る.
4)工期を短縮し迅速に機能復旧を図る.
補強土の採用
被災盛土の復旧の基本
崩落後形状
51
山地部盛土のすべり崩壊
山地部盛
す り崩壊
(国道117
(国道
117号小千谷市細島)
号小千谷市細島)
●
•片切片盛土の崩壊
•崩壊土は隣接する数十m遠方に達した
•地山からの湧水により盛土内の含水比が高かったことが被害の
地山から 湧水により盛土内 含水比が高か た とが被害
原因と考えられる
52
復旧工法(国道117
復旧工法(国道
復旧
法(国道117号小千谷市細島)
号小千谷市細島)
1:1.5
復旧断面
被災後断面
1:1.5
大型ふとん籠
•のり先に大型ふとん籠を
設置
設置してのり先の排水性を
り先 排水性を
高めて再構築
53
谷部腹付け盛土のすべり崩壊
(国道290号 栃尾市栗山沢)
崩壊した補強盛土
線形改良のために沢部を
埋めた盛土が大きく崩壊
54
擁壁の被害
ブロック積擁壁の崩壊
(国道17号川口町牛ヶ島地区)
30%
被災度小
被災度中
被災度大
25%
被災率
20%
15%
もたれ式擁壁の被
災状況
(国道291号山古志
村南荷頃)
10%
5%
0%
ブロック積
(石積)
重力式
片持ばり式
擁壁種別
55
もたれ式
国道17号における擁壁種別毎の被災率
補強土の被害と特徴(小千谷市首沢)
種類: アンカー補強土壁
諸元: 高さ11.6m、勾配:1:0.0
主な被害: はらみ出し等
補強土壁がはらみ出し変形
盛土内の水位が常に高い状態と推定
震源から約5km、震度6強
隣接する斜面は表層崩壊しており,
隣接する斜面は表層崩壊しており
落石防護擁壁が倒壊
56
高速道路盛土の被災箇所の調査・分析
タイプ1 集水地形における盛土の被災
集水地形で地下水位が高いゆるやかな傾斜地盤(地盤
は良好)で,土の軟化を伴う滑動変形
盛土の崩壊
地下水位
崩壊土の滑動
代表例
KP214.5
KP215.9
57
高速道路盛土の被災箇所の調査・分析
タイプ2 平坦な地盤における盛土の被災
良好な地盤上で 盛土の揺すり込み沈下
良好な地盤上で、盛土の揺すり込み沈下
路面の大きな段差
C-BOX
良好な地盤
代表例
KP226.2 (C-box川口11)
58
高速道路盛土の被災箇所の調査・分析
タイプ3 平坦な地盤における盛土の被災
軟弱な地盤上で 盛土地盤の沈下と盛土の揺すり込み沈下
軟弱な地盤上で、盛土地盤の沈下と盛土の揺すり込み沈下
路面の段差
C-BOX 目地の開き
C-BOX
軟弱な地盤
地盤の沈下
地盤の流動 (せ ん断変形 )
代表例
KP228.9 (C-box川口22)
59
応急復旧
応急復旧の基本方針
①被災地の本格復興のためにも,できる限り早期の通行止め解除が可能な
方法を選定
②復
②復旧作業は,災害復旧従事車両等の通行車線を常に確保しながら実施
害復
事車 等
車線 常 確保
が
施
③日本でも有数な豪雪地域であることから,厳冬期までに雪氷作業に支障
がでないよう全線で4車線を確保
④厳冬期が迫っていた事から,全線4車線確保までは昼夜連続24時間体
制で作業を実施
⑤復旧材料は,砕石など本復旧工事で再使用できる材料,または,存置で
きる材料を原則とし かつ降雨の中でも作業可能な材料を選定
きる材料を原則とし,かつ降雨の中でも作業可能な材料を選定
60
第一段階
緊急措置 【被災後から約19時間で緊急車両の通路を確保】
土のうによる緊急車両通路のイメージ
第二段階
緊急復旧 【被災後から約100時間で緊急車両
の通行車線を確保】
砕石による
緊急車両通路
簡易なすり付け
による応急的な
舗装
簡易な擦り付けによる応急的な舗装のイメージ
第三段階
応急復旧 【被災後から約13日間で2車線を一般開放】
【被災後から約13日間で2車線を 般開放】
一般車両が安全に通行できる状態のイメージ
第四段階
応急復旧
【被災後から約34日間で4車線を一般開放】
【被災後から約34日間で4車線を
般開放】
61
盛土の災害復旧(本復旧)の基本方針
盛土の災害復旧(本復旧)は,応急復旧工事および資材を利活用した原形復
旧を基本とする。なお,大規模な崩壊箇所等においては,被災時の復旧および
他施設への影響度を考慮し,適切な排水処理を行うとともに,応急復旧工事お
よび資材を利活用した補強を行う。
災害時
応急復旧後
本復旧後
盛土のり面の復旧イメージ
62
タイプ1の被災に対する復旧概念図
63
盛土の設計
設
締固め管理
原地盤の段切工
犬走り
排水工
安定勾配
のり尻の安定化
64
脱線箇所
脱線箇所での軌道状況
軌道状況
滝谷トンネル出口付近で新幹線が脱線し、軌
道にも大きな損傷を与えた。
道にも大きな損傷を与えた
65
高架橋の損傷状況
●脱線箇所付近の高架橋の損傷は極めて小さい。脱
線箇所から離れた位置での柱の曲げ破壊が最大の被
災であった。
脱線箇所付近の高架橋
柱上部の曲げ破壊
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液状化の痕跡
●脱線した新幹線の停止位置(村松高架橋)付近では、
液状化の痕跡があり影響を懸念された
液状化の痕跡があり影響を懸念された。
泥が跳ねた跡
が
粘性土(泥状)
大きな隙間に水
村松高架橋(R11) 橋脚下端に噴泥跡が見られる
側道 大きなひび割れ
側道の大きなひび割れ
(村松高架橋脇の側道)
67
<脱線箇所の地質>
建設時の調査
脱線開始地点
停止地点
地震後の追加調査 (脱線箇所を中心に10本のボーリングを追加)
68
69
地層構造と崩壊形態
流れ盤斜面
①層すべり(地層傾斜と同じすべり)
②破壊規模が大きい
受け盤斜面
①急傾斜となる
②薄層すべり,規模は小さい
70
岩盤崩壊
柾目斜面
アジア航測
z 流れ盤斜面構造,層すべり
流れ盤斜面構造 層すべり
z 同じ地層でも異なる崩壊形態
71
地震被害の伝承
1847年 善光寺地震
1914年 仙北地震
72
善光寺地震(1847)
長野県地質ボーリング業協会
z活褶曲地帯での地震被害
z土砂災害(岩倉山の大崩壊と犀川の河道閉塞)
z土石流災害(河道閉塞の決壊)
土石流災害(河道閉塞の決壊)
73
被害の復旧(善光寺地震)
長野県地質ボーリング業協会
z斜面の崩壊地は棚田に変化
z景観を保ったまま復旧する方法
過去の地震被害に学ぶ とは多い
過去の地震被害に学ぶことは多い
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防災訓練
z新潟地震後40年 ー 失われていく記憶 -
z自助・共助・公助 - ハード対策からソフト対策へ -
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中越地震 国・県の機関対応
10月23日
中越地震発生(17:56)
県 地方整備局対策本部
県・地方整備局対策本部
防災ヘリコプターによる災害状況調
査
自 隊 害 遣
自衛隊災害派遣
10月24日
政府非常対策本部
山古志村に避難勧告
災害救援ボランティア本部
10月26日
援
災害復旧・復興支援本部
10月28日
都道府県技術職員の応援要請
12月22日
避難所閉鎖
3月1日
新潟県中越大震災復興ビジョン策定
8月9日
新潟県中越大震災復興計画
76
NPO活動
NPO
活動
土砂災害危険箇所の緊急点検,防災施設被害調査,
被災宅地相談の実施
77
長岡市復興計画
z 基本的視点
– 安全な暮らしの確保
(住宅・福祉・医療・雇用
(住宅
福祉 医療 雇用,防災対策)
防災対策)
– 災害をバネに地域社会の活力を高める
(産業の創造 活性化)
(産業の創造,活性化)
– 中山間地域の持続性の確保
(生活文化の持続 景観)
(生活文化の持続,景観)
z 目標年次
復旧期 3年間 再生期 6年間 発展期 7年以降
復旧期:3年間,再生期:6年間,発展期:7年以降
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長岡市復興計画
z 推進体制
z 推進管理
– 長岡市復興推進市民会議
– 情報公開
79
80
防災対策
z 市民防災拠点
市民防災拠点の形成
形成
– 防災拠点の整備拡充
– 備蓄物資の分散,支援物資の保管・搬送拠点整備
z 情報伝達手段の整備
– 職員非常時参集通報システム,防災無線
– 災害関連情報収集体制の充実
z 避難所の環境整備
– 防災センター・避難所のバリアフリー化,非常用電源
– 防災組織育成
z 災害アーカイブス・市民大学の創設
81
住宅支援
z 住宅の自立再建のための支援
– 建替え・補修の融資,利子補給
– 被災宅地の地盤調査・整地・のり面保護の一部助成
z 安全な暮らし確保のための支援
– 宅地地盤調査・復旧方法の提案,耐震診断経費助成
z 高齢者や低所得者のための公営住宅の整備
高齢者 低 得者
営住宅 整備
– 生活様式やコミュニティ維持に配慮した建築場所
– 民間賃貸アパートの一部補助
民間賃貸アパ トの 部補助
z 中山間地向けの住宅の整備
– 安全な場所の選定と基盤整備
– 低コスト住宅
82
産業の再生
z 市民参
市民参加による地域資源の発掘と連携方策検討
る 域資源 発掘 連携方策検討
– 観光資源・景観資源の発掘
z 観光推進のための新たな組織の立ち上げ
観光推進 ため 新たな組織
ち げ
z 住民による起業の支援
– 高齢者への配慮,地域リーダーの育成,資金助成
高齢者 の配慮,地域リ ダ の育成,資金助成
z 中山間地域の営農の継続・発展
– 集落営農方式,女性
集落営農方式,女性・若者の活用,都市住民との
若者の活用,都市住民との
連携
– 農業以外の収入の枠組み
z 山林保全事業
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災害支援物資供給の課題
z 大量の支援物資が市町村宛に送付されたが,振り分け
人員が不足
z 避難者の実態把握不足のために支援物資が行き渡ら
ない
z 支援企業とは災害協定を結び,必要物資を輸送するシ
ステムを構築
を構築
z 小口支援物資は被災地外に集約して,必要物資をまと
めて有効な支援を実施
z 必要支援物資のリアルタイム広報
z 行政(県・市町村)の連携
z 広域の行政間連携
84
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